JPWO2012157702A1 - 自動車用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

電動式パワーステアリング装置10aを構成するハウジング11aの後端部に、アウタコラム18aの前端部を、下方から組み付けられる構造を実現する。ハウジング11aの後端部に略矩形ブロック状の結合固定部36を設ける。この結合固定部36の左右両端寄り部分に1対のスリット37を、この結合固定部36の下端面と後端面とに開口する状態で設ける。アウタコラム18aの少なくとも前端部を、1対の側板部30と底板部31とにより、上端が開口したU字形に構成する。これらの側板部30をスリット37の内側に下方からそれぞれ挿入する。この状態で、ボルト39により、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部とを結合固定する。【選択図】図5

Description

本発明は、操舵輪に舵角を付与するために使用される自動車用ステアリング装置、特に、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用ステアリング装置における、ステアリングコラムの前端部と電動式パワーステアリング装置のハウジングとの結合部の構造に関する。
自動車用ステアリング装置は、たとえば、図11および図12に示すように、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4を押し引きして、前車輪(操舵輪)に舵角を付与するように構成されている。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持される。また、ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、入力軸3に接続している。
図示した自動車用ステアリング装置は、運転者の操舵をモータの回転により補助する電動式パワーステアリング装置10を備えるとともに、ステアリングホイール1の上下位置を調節するためのチルト機構と、ステアリングホイール1の前後位置を調節するためのテレスコピック機構とを備えている。このため、ステアリングコラム6の前端部を、電動式パワーステアリング装置10の構成部品を収めたハウジング11の後端部に結合固定するとともに、このハウジング11を車体12に対し、左右方向に配設された横軸13を中心とする揺動変位を可能に支持している。なお、ハウジング11の下部側面には、補助動力源である電動モータ14を支持固定している。また、ステアリングシャフト5を、インナシャフト15とアウタシャフト16とを、回転力の伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成するとともに、ステアリングコラム6を、インナコラム17とアウタコラム18とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成している。さらに、アウタコラム18の後端寄り部分を、車体12に支持した車体側ブラケット19に対し、この車体側ブラケット19に対する固定状態と非固定状態とを切り換え可能に支持している。
このような支持構造を実現するために、車体側ブラケット19を構成する1対の挟持板部20を、アウタコラム18の後端寄り部分、および、この後端寄り部分の下面に取り付け固定されたコラム側ブラケット21を、左右方向の両側から挟む位置に配置している。この状態で、車体側ブラケット19の挟持板部20の内側面とコラム側ブラケット21を構成する1対の側板部の外側面が当接する。また、これらの挟持板部20の互いに整合する位置に、横軸13を中心とする円弧状の上下方向長孔22を形成している。一方、コラム側ブラケット21の側板部の互いに整合する位置に、アウタコラム18の軸方向に長い前後方向長孔23を形成している。そして、前後方向長孔23と上下方向長孔22とに、杆状部材である調節杆24を挿通している。この調節杆24の基端部には、押圧部である頭部25を設けている。そして、この調節杆24の先端部で上下方向長孔22から突出した部分に、押圧部である調節ナット26を螺合させ、さらに、この調節ナット26に調節レバー27の基端部を結合固定している。これらの調節杆24と調節ナット26と調節レバー27が、車体側ブラケット19とステアリングコラム6との間を固定状態と非固定状態とするための拡縮機構を構成する。
ステアリングホイール1の上下位置や前後位置を調節する場合には、調節レバー27を操作して、調節ナット26を弛めることにより、挟持板部20の内側面同士の間隔を拡げる。これにより、挟持板部20とコラム側ブラケット21の側板部との間に作用する摩擦係合力を十分に低下させて、車体側ブラケット19に対するアウタコラム18の固定状態を解除する。この状態で、ステアリングホイール1の上下位置を調節する場合には、調節杆24が上下方向長孔22内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6およびステアリングシャフト5を、横軸13を中心に揺動させる。これに対して、ステアリングホイール1の前後位置を調節する場合には、調節杆24が前後方向長孔23内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6およびステアリングシャフト5の全長を伸縮させる。調節後は、調節レバー27を操作して、調節ナット26を締め付けることにより、摩擦係合力を十分に上昇させて、コラム側ブラケット21およびアウタコラム18を車体側ブラケット19に対して固定した状態とする。この結果、ステアリングホイール1が調節後の位置に保持される。
ところで、このようなステアリング装置を構成する、ステアリングコラム6の前端部とハウジング11の後端部との結合構造として、これら前端部と後端部とを軸方向に嵌め合わせた状態で結合固定する構造が、広く採用されている。このような結合構造の例として、特開2011−46309号公報には、ハウジングの後端部に設けた円筒部に、ステアリングコラムの円筒状の前端部を、締り嵌めで外嵌および圧入する構造が記載されている。また、特開2000−85596号公報には、ハウジングの後端部に設けた円筒部に、ステアリングコラムの欠円筒状の前端部を外嵌するとともに、この前端部に緊締具を外嵌し、この緊締具によりこの前端部を弾性的に縮径させることで、この前端部の内周面を円筒部の外周面に強く摩擦係合させる構造が記載されている。また、特開2008−87583号公報には、ハウジングの後端部に設けた円孔の内側に、ステアリングコラムの円筒状の前端部を内嵌するとともに、このステアリングコラムの前端寄り部分の外周面に設けたフランジ部を、ハウジングの後端面に対し、複数本のボルトにより結合固定する構造が記載されている。
ステアリングコラム6の前端部とハウジング11の後端部との結合構造として、いずれの従来構造を採用する場合でも、この結合構造を組み立てる際の、ハウジング11に対するステアリングコラム6の組み付け方向は、このステアリングコラム6の軸方向となる。一方、このステアリングコラム6の後端寄り部分を、車体側ブラケット19に組み付ける際には、このステアリングコラム6の後端寄り部分を、車体側ブラケット19の挟持板部20同士の間に、これら挟持板部20の下端縁側から挿入する。すなわち、車体側ブラケット19に対するステアリングコラム6の組み付け方向は、このステアリングコラム6の径方向となる。このように、従来構造の場合、ハウジング11に対するステアリングコラム6の組み付け方向と、車体側ブラケット19に対するこのステアリングコラム6の組み付け方向とが、互いに一致しないため、この従来構造には、ステアリング装置の組立性の観点から問題があるといえる。
特開2011−46309号公報 特開2000−85596号公報 特開2008−87583号公報
本発明は、上述のような事情に鑑み、自動車用ステアリング装置における、ステアリングコラムの前端部と電動式パワーステアリング装置のハウジングとの結合部について、電動式ステアリング装置のハウジングに対するステアリングコラムの組み付け方向と、車体側支持ブラケットに対するこのステアリングコラムの組み付け方向とを、互いに一致させられる構造を実現することを目的としている。
本発明の自動車用ステアリング装置は、ステアリングコラムと、車体に支持される電動式パワーステアリング装置のハウジングと、車体に支持される車体側ブラケットと、拡縮機構とを有する。
前記ステアリングコラムは、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持するためのものであり、互いに対向する左右1対の側板部と、これらの側板部の下端縁同士を連結する底板部とを備え、上端が開口したU字形に構成された前端部を有する。
前記電動式パワーステアリング装置のハウジングは、下端面および後端面に開口を有し、前記ステアリングコラムの前端部の側板部をそれぞれ下方から受け入れる、左右1対のスリットが設けられている結合固定部を後部に有する。
前記車体側ブラケットは、前記ステアリングコラムの中間部を左右両側から挟む位置に配置され、互いの下端縁同士の間部分を開放させた1対の挟持板部を有する。
前記拡縮機構は、前記挟持板部の互いに整合する位置に形成した通孔を左右方向に挿通した杆状部材、および、この杆状部材の両端部に設けられた1対の押圧部を有する。この拡縮機構は、これらの押圧部を前記杆状部材の軸方向に遠近動させることにより、前記挟持板部同士の間隔を変化させ、この間隔の収縮時にこれらの挟持板部に対して前記ステアリングコラムを固定するように構成されている。
そして、前記結合固定部のスリットに、前記前端部の側板部を挿入した状態で、前記前端部と前記結合固定部とが、ボルトにより結合固定される。
なお、前記前端部の側板部は、前記結合固定部のスリットに、締め代を持たせた状態で圧入されることが好ましい。具体的には、前記結合固定部のスリットと、前記前端部の側板部のうちの、少なくとも一方の側面に突出部を設け、前記結合固定部のスリットに前記前端部の側板部を挿入した状態で、この突出部が前記一方の側面に対向する相手面に弾性的に接触させる。
また、好ましくは、前記結合固定部のうちで前記スリット同士の間に挟まれた部分に、前記下端面に開口するねじ孔を設け、前記前端部の底板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔を設ける。そして、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記底板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトを前記ねじ孔に螺合させる。
代替的に、前記結合固定部の上端寄り部分に、前記スリットを介して左右方向に貫通するねじ孔を設け、前記前端部の側板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔をそれぞれ設ける。そして、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記側板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトを前記ねじ孔に螺合させることもできる。
本発明は、前記ステアリングシャフトの後端部に固定するステアリングホイールの上下位置の調節を可能とするためのチルト機構を備えたステアリング装置に適用することができる。この場合、前記ハウジングを、車体に対し、左右方向に配設された横軸を中心とする揺動変位を可能に支持する。そして、前記挟持板部の通孔をそれぞれ、前記横軸を中心とする円弧状の上下方向長孔とし、前記ステアリングコラムの中間部には、前記上下方向長孔に整合する位置に通孔が設けられており、前記杆状部材を、前記上下方向長孔、および、前記ステアリングコラムの通孔に挿通させる。この構成では、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部に対する前記ステアリングコラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記上下方向長孔内を変位できる範囲で、前記ステアリングコラムの上下位置が調節可能となる。
また、本発明は、前記ステアリングホイールの前後位置の調節を可能とするための、テレスコピック機構を備えた構造に適用することができる。この場合、前記ステアリングコラムを、前側に配置される前側コラムと、この前側コラムに対して軸方向の相対変位を可能に組み合わされ、後側に配置される後側コラムとにより構成する。この前側コラムに前記前端部が設けられる。また、この前側コラムの後部には、前記挟持板部の通孔と整合する位置に通孔が設けられる。一方、前記後側コラムには、前記挟持板部の通孔および前記前側コラムの通孔に整合する位置に、この後側コラムの軸方向に長い前後方向長孔が設けられる。そして、前記杆状部材を、前記挟持板部の通孔、前記前側コラムの通孔、および、前記後側コラムの前後方向長孔に挿通させる。この構成では、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部および前記前側コラムに対する前記後側コラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記前後方向長孔内を変位できる範囲で、前記後側コラムの前後位置が調節可能となる。
好ましくは、前記前側コラムをアウタコラムとし、このアウタコラムの全体が、前記側板部と前記底板部とにより、上端が開口したU字形に構成されるようにする。また、前記後側コラムをインナコラムとし、このインナコラムの前部を前記アウタコラムの後部に内嵌させる。そして、前記拡縮機構が、前記挟持板部同士の間隔を変化させて、前記アウタコラムの後部の内寸を拡縮し、この内寸の収縮時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を抑え、この内寸の拡大時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を可能とする。
本発明の自動車用ステアリング装置によれば、車体側支持ブラケットに対するステアリングコラムの組み付け方向と、電動式ステアリング装置のハウジングに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向とを、互いに一致させることができる。したがって、これらの組付け作業を1工程で行うなどにより、ステアリング装置の組立性を向上させることが可能となる。
すなわち、前記車体側ブラケットに前記ステアリングコラムを組み付ける際には、このステアリングコラムの中間部を、前記車体側ブラケットを構成する1対の挟持板部同士の間に、これらの挟持板部の下端縁側から挿入する。つまり、前記車体側支持ブラケットに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向は、このステアリングコラムの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。一方、前記ハウジングに前記ステアリングコラムを組み付ける際には、このステアリングコラムを構成する1対の側板部のうちで、このステアリングコラムの前端部に対応する部分を、前記ハウジングの後部に設けた結合固定部に形成した1対のスリットに、これらのスリットの下端開口を通じて挿入する。つまり、前記ハウジングに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向も、このステアリングコラムの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を、前上方から見た状態で示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態の第1例を、後上方から見た状態で示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態の第1例の側面図である。 図4は、図3のA−A断面図である。 図5は、図3のB−B断面図である。 図6は、図5のC部拡大図である。 図7は、図4のD−D断面図である。 図8は、インナコラムの前後位置および上下位置を調節するための機構部分を、後上方から見た状態で示す分解斜視図である。 図9は、スリットに対する側板部の圧入部の構成について、別の2例を示す、図6と同様の図である。 図10は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同様の図である。 図11は、従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。 図12は、一部を省略して示す、図11のE−E断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1〜図8により説明する。本例の自動車用ステアリング装置は、ステアリングコラム6aと、ステアリングシャフト5aと、電動式パワーステアリング装置10aを構成するハウジング11aと、車体側ブラケット19aと、拡縮機構29とを備える。
本例では、テレスコピック機構を実現するために、ステアリングコラム6aは、前側コラムであるアウタコラム18aと、後側コラムであるインナコラム17aとを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成される。アウタコラム18aは、炭素鋼板などの、十分な強度および剛性を有する金属板製の素材に、プレスによる打ち抜き加工および曲げ加工を施して形成され、互いの内側面同士を対向させた左右1対の側板部30と、これらの側板部30の下端縁同士を連結する底板部31とにより、上端が開口したU字形に構成されている。また、この底板部31の幅方向両端部は、底板部31の幅方向中央部および側板部30に対し、それぞれ45度ずつ傾斜している。また、これらの側板部30の上下方向寸法(底板部31の両端縁部からの高さ寸法)を、後端部で比較的大きく、前端部で比較的小さくするとともに、これらの後端部と前端部との間部分で、前端側に向かうに従って小さくなる方向に変化させている。また、これらの側板部30には、それぞれ後端部および中間部に複数の補強ビードを形成するとともに、中間部の上端に水平方向外側に向け90度折れ曲がった鍔部を形成して、これらの側板部30の曲げ剛性を確保している。また、これらの側板部30の内側面の後端部の上端寄り部分に、抑えブロック32を、ねじ止め、溶接などにより固定している。これらの抑えブロック32の下面も、側板部30および底板部31の幅方向中央部に対し、それぞれ45度ずつ傾斜している。そして、側板部30の内側面と、底板部31の上面と、抑えブロック32の下面とにより周囲を囲まれた部分を、幅方向中央部が上方に向けて開口した、ほぼ正八角形状の保持空間としている。
また、インナコラム17aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金などの軽合金を含む金属材料を、押し出し成形、引き抜き加工などにより一体成形した中間素材の端部に、所望の塑性加工や削り加工を施すことにより形成される。インナコラム17aの外周面は、正八角形の形状とされている。このインナコラム17aの前部を、アウタコラム18aの後部に、軸方向の変位に基づいて前後位置の調節を可能に内嵌している。すなわち、インナコラム17aの外周面を構成する8箇所の平坦面のうち、互いに平行な左右1対の平坦面を、側板部30の内側面に、下側の中央および左右の3つの平坦面を、底板部31の上面に、上側の左右の2つの平坦面を、抑えブロック32の下面に、当接または近接対向させている。なお、テレスコピック機構を備えない構造においては、ステアリングコラム全体を任意の管状体で構成し、その前端部のみを、互いに対向する左右1対の側板部と、これらの側板部の下端縁同士を連結する底板部とにより、上端が開口したU字形に構成することができる。
また、テレスコピック機構を備えた構造では、ステアリングシャフト5aは、前側のインナシャフト15aの後部と後側のアウタシャフト16aの前部とをスプライン係合させることにより、インナシャフト15aとアウタシャフト16aを、回転力の伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。この構成により、ステアリングシャフト5aは、全長を伸縮可能となっている。ステアリングシャフト5aは、ステアリングコラム6aの内側に挿通するとともに、アウタシャフト16aの後端寄り部分を、インナコラム17aの後端部に、単列深溝型の玉軸受のような、ラジアル荷重およびスラスト荷重の両方を支承可能な軸受33により、回転自在に支持している。
また、電動式パワーステアリング装置10aを構成するハウジング11aは、上部側面に補助駆動源である電動モータ14aを支持している。また、ハウジング11aは、電動モータ14aの回転駆動力をステアリングシャフト5aに伝達するための減速機34を含む複数の構成部品を内蔵している。さらに、ハウジング11aの前上端部に、支持管35を左右方向に設けている。そして、このハウジング11aを、車体に対し、支持管35を挿通したボルトなどの横軸を中心とする、揺動変位を可能に支持している。この構成により、ステアリングホイールを後端部に固定したステアリングシャフト5aおよびこのステアリングシャフト5aを支持するステアリングコラム6aの上下方向の変位が可能となる。したがって、チルト機構を備えない構造では、ハウジング11aを車体に対してリジット構造により支持固定することができる。
また、ハウジング11aの後端部に、アウタコラム18aの前端部を結合固定している。本例では、ハウジング11aの後端面の略中央部に、略矩形ブロック状の結合固定部36を突設している。この結合固定部36の中央には、中心孔(図示せず)が設けられ、この結合固定部36の左右両端寄り部分には、互いに平行な1対のスリット37を、それぞれ結合固定部36の下端面と後端面とに開口する状態で設けている。なお、結合固定部36の形状は、左右両端寄り部分にスリット37を設けることが可能であれば、略半円形状など他の形状とすることもできる。
本例では、これらのスリット37の内側に、アウタコラム18aを構成する側板部30の前端部を、これらのスリット37の下端開口を通じて圧入可能な構造を採用している。言い換えれば、結合固定部36のうちでスリット37同士の間に挟まれた部分を、アウタコラム18aの前端部の内側に、この前端部の上端開口を通じて圧入できるようにしている。具体的には、スリット37の内側に側板部30の前端部を圧入可能とするため、図6に詳示するような構成を採用している。すなわち、スリット37の幅Wを、側板部30の板厚Tよりも大きく(W>T)している。図示の例では、スリット37の幅Wを側板部の30の板厚Tの2倍(W≒2T)としている。これとともに、側板部30の一方の側面、図示の例では、側板部30同士が互いに対向する側の側面の複数箇所に、それぞれが突出部である、半球状の突起41を形成している。そして、スリット37の内側に側板部30の前端部を挿入した状態で、突起41の先端面が、相手面(対向面)である、スリット37の内側面に弾性的に接触するように、各部の寸法を規制している。この構造により、側板部30のうち突起41を設けた部分は、スリット37の幅Wよりも厚くなり、側板部30がスリット37内に、締め代を持たせてがたつきがない状態で挿入されるため、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部との結合部の剛性を高めることが可能となる。
なお、本発明を実施する場合、側板部30の前端部の側面に設ける突出部として、図6に示した半球状の突起41の代わりに、図9(a)に示すような曲げ起こし片57を採用することもできる。曲げ起こし片57は、それぞれ側板部30の一部にU字形の切り込みを形成するとともに、この切り込みの内側部分を側板部30の片側面から突出する方向に曲げ起こすことにより形成される。曲げ起こし片57を、それぞれの先端縁を下方に向けて形成すれば、スリット37の内側面に対する曲げ起こし片57の先端縁の食い込みによって、側板部30がスリット37から下方に抜け出にくくなるため、組立作業の容易化を図ることができる。あるいは、突出部として、前後方向や上下方向に長い突条などを採用することもできる。また、突出部を、スリット37の内側面に設けることもできる。図9(b)は、スリット37の内側面の上下方向に離隔した複数箇所に、前後方向(図9(b)の表裏方向)に長い突条58を設けた例を示している。さらに、突出部は、側板部30の側面およびスリット37の内側面の双方に設けることもできる。この場合には、それぞれに設けた突出部について前後方向の位相をずらせることにより、スリット37の内側に側板部30を挿入する際に、それぞれに設けた突出部同士が干渉することを防止する。さらに、側板部30の形状を先端部が互いに近づく方向に湾曲させたり、側板部30の側面に合成樹脂製の突起を固定したりすることによって、突出部を形成し、スリット37の内側への側板部30の前端部の圧入を可能とすることも可能である。
また、本発明を実施する場合、スリット37に挿入した側板部30のがたつき防止を図る構造としては、これらスリット37にこれら側板部30を圧入する構成を採用する代わりに、結合固定部36の左右両端部(スリット37よりも幅方向外側の部分)に形成したねじ孔に螺合したホーローセット(六角穴付止めねじ)などのねじ部材や、結合固定部36の左右両端部に形成した通孔に圧入したピンによって、側板部30をスリット37の内側面に抑え付ける構成を採用することもできる。
スリット37の内側に側板部30の前端部を挿入した状態で、結合固定部36のうちでスリット37同士の間に挟まれた部分の下面の幅方向中央部に、アウタコラム18aを構成する底板部31の前端部の上面の幅方向中央部を当接させる。そして、この状態で、この底板部31の前端部の幅方向中央部に設けた通孔38に挿通した結合用ボルト39を、結合固定部36の下面の幅方向中央部に設けた、下端面に開口するねじ孔40に螺合し、さらに締め付けることにより、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部とを結合固定する。本例の場合、結合用ボルト39の組み付け方向も、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向と同じく、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。このため、結合用ボルト39を結合固定部36のねじ孔40に螺合するのと同時に、アウタコラム18aの側板部30の前端部を、スリット37の内側に圧入することができるなど、ステアリング装置の組立性を、より向上させることができる。
このように、結合固定部36とアウタコラム18aとを結合固定することで、二次衝突時に運転者の身体がステアリングホイール1(図11参照)に衝突して、ステアリング装置全体が、拡縮機構29を中心として、前側が下方に、後側が上方に(図3における反時計方向に)回転した場合でも、アウタコラム18aの側板部30の前端部が、スリット37から抜け出ることが防止される。なお、結合固定部36の中心孔(図示せず)を通じて、インナシャフト15aの前端部は、ハウジング11a内に挿入し、このハウジング11aに内蔵された、電動式パワーステアリング装置11aの構成部品に接続している。
車体側ブラケット19aは、天板部42と、1対の挟持板部20a、20bとを備える。これらの天板部42、挟持板部20a、20bは、鋼板などの十分な強度および剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工および曲げ加工を施して形成され、互いに溶接などにより結合固定されて一体に構成されている。また、このうちの天板部42には、この天板部42を車体に対し支持固定する、ボルトもしくはスタッドを挿通するための取付孔が形成されている。また、挟持板部20a、20bは、アウタコラム18aの後端部を左右方向両側から挟む位置に配置されている。また、挟持板部20a、20bの上部の互いに整合する位置に、上下方向長孔22a、22bが形成されている。これらの上下方向長孔22a、22bは、支持管35の中心軸を中心とする、円弧状である。
本例では、インナコラム17aの前端部上面に、このインナコラム17aを構成する部材であるエネルギ吸収部材28が取付固定されている。エネルギ吸収部材28は、軟鋼板などの塑性変形可能な金属板を曲げ成形することにより、全体を前後方向に長い長矩形枠状に形成されており、前端面の下端部から取付板部43を、前方に突出させている。そして、この取付板部43に形成した通孔に挿通したリベットあるいはねじなどの取付部材44により、エネルギ吸収部材28をインナコラム17aに固定している。このエネルギ吸収部材28は、衝突事故に伴う二次衝突時に、塑性変形に基づいて伸張しつつ、インナコラム17aがステアリングホイールとともに前方に変位することを許容する。これにより、二次衝突時に、運転者の身体からステアリングホイールを介してインナコラム17aに伝えられた衝撃エネルギが吸収され、運転者の保護が図られる。
また、拡縮機構29は、挟持板部20a、20bの内側面同士の間隔を拡縮するためのもので、杆状部材である調節杆24aと、調節レバー27aと、カム装置45とを備える。このうちの調節杆24aは、上下方向長孔22a、22bと、アウタコラム18aを構成する側板部30および抑えブロック32に形成した通孔46と、インナコラム17aに取り付けられたエネルギ吸収部材28の内側に設けた、インナコラム17aの軸方向に長い前後方向長孔23aとを、左右方向に挿通している。また、調節杆24aは、基端部(図4、図8の右端部)に頭部25aを設けており、この頭部25aの内側面に形成した凸部を、挟持板部20a、20bのうちの一方(図4、図8の右方)の挟持板部20aに形成した一方の上下方向長孔22aに、この上下方向長孔22aに沿った変位(昇降)のみ可能に係合させている。また、調節レバー27aは、その基端部を、調節杆24aの先端部(図4、図8の左端部)に、スラスト滑り軸受47とナット48とにより、この調節杆24aに対する回転を可能に、かつ、この調節杆24aの先端部から抜け出す方向の変位を阻止された状態で支持されている。なお、前後方向長孔23aは、エネルギ吸収部材ではなく、インナコラム17a自体の構造に設ける、もしくは、インナコラム17aに取り付けられる別の構造体に設けることも可能である。
カム装置45は、調節レバー27aの基端部内側面と、挟持板部20a、20bのうちの他方(図4、図8の左方)の挟持板部20bの外側面との間に設けられている。カム装置45は、調節レバー27aの基端部内側面に支持され、この調節レバー27aとともに回動する駆動側カム49と、他方の挟持板部20bに形成した他方の上下方向長孔22bに、昇降のみ可能に係合した被駆動側カム50とを備える。この被駆動側カム50と駆動側カム49との互いに対向する面にはそれぞれカム面が形成されており、カム装置45は、被駆動側カム50と駆動側カム49の相対回転に基づいて、カム装置45の軸方向寸法を拡縮するように構成されている。本例の場合、頭部25aと被駆動側カム50とが、1対の押圧部を構成する。なお、調節杆24aの中間部で、上下方向長孔22a、22bの内側に位置する部分には、合成樹脂などの滑りやすい材料により造られたスペーサ51a、51bを外嵌して、調節杆24aが上下方向長孔22a、22bに沿って円滑に変位できるようにしている。また、他方の上下方向長孔22bに係合したスペーサ51bは、被駆動側カム50との係合により、この被駆動側カム50の回動を阻止している。さらに、駆動側カム49の内周面と調節杆24aの外周面との間には、やはり滑りやすい材料により造られた、円筒状のラジアル滑り軸受52を介在させている。
本例のステアリング装置の場合、ステアリングシャフト5aの後端部に固定した図示しないステアリングホイールの上下位置や前後位置を調節する場合には、調節レバー27aを下方に回動させることにより、カム装置45の軸方向寸法を縮める。これにより、挟持板部20a、20bの内側面同士の間隔を拡げて、これらの挟持板部20a、20bの内側面とアウタコラム18aを構成する側板部30の外側面との当接部の面圧を十分に低下させる。これとともに、側板部30および抑えブロック32同士の間隔を拡げて、インナコラム17aの外周面とアウタコラム18aの内周面との当接部の面圧を十分に低下させる。この結果、車体側支持ブラケット19aに対するアウタコラム18aおよびインナコラム17aの固定状態が解除される。この状態で、ステアリングホイールの上下位置を調節する場合には、調節杆24aが上下方向長孔22a、22b内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6aおよびステアリングシャフト5aを、支持管35を中心に揺動させる。これに対して、ステアリングホイールの前後位置を調節する場合には、調節杆24aが前後方向長孔23a内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6aおよびステアリングシャフト5aの全長を伸縮させる。調節後は、調節レバー27aを上方に回動させることにより、カム装置45の軸方向寸法を拡げる。これにより、上記の固定状態の解除時と逆の動作に基づき、当接部の面圧を十分に上昇させる。この結果、ステアリングホイールが調節後の位置に保持される。
また、本例の場合には、ステアリングホイールを調節後の上下位置に保持するための支持強度を大きくする構造を組み込んでいる。すなわち、調節杆24aの中間部先端寄り部分に揺動腕53の基部を揺動変位可能に外嵌している。また、揺動腕53の先端部に雄側ギヤ54を、挟持板部20bの外側面の一部に雌側ギヤ55をそれぞれ設けて、揺動腕53の揺動に伴って、これらの雄側ギヤ54と雌側ギヤ55について、係合状態とこの係合を解除した状態とすることを可能にしている。調節レバー27aをステアリングホイールの位置調節を行うための方向に回動させることに伴って、この揺動腕53は、雄側ギヤ54と雌側ギヤ55との係合を解除する方向に揺動する。雄側ギヤ54と雌側ギヤ55が係合状態にある場合、揺動腕53を介して調節杆24aは挟持板部20bに結合されるため、二次衝突に伴う大きな衝撃荷重に拘らず、ステアリングホイールの上下位置が大きくずれ動かないようになる。
被駆動側カム50は、揺動腕53の基部に、この揺動腕53に対する相対回転を可能に、かつ、揺動腕53に対する若干の上下方向の変位を可能に組み付けられている。なお、被駆動側カム50は、上述のように、挟持板部20bに対しては相対回転が阻止されている。また、被駆動側カム50と揺動腕53との間に復位ばね56を設けて、この被駆動側カム50をこの揺動腕53に対し、中立位置を中心とする若干の昇降を可能に支持している。このように若干の昇降を可能にする理由は、ステアリングホイールの上下位置が無段階で調節できるのに対して、雄側ギヤ54および雌側ギヤ55の係合位置は有段であるため、この差を吸収するためである。
本例のステアリング装置によれば、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向と、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向とを、互いに一致させることができる。すなわち、車体側ブラケット19aにステアリングコラム6aを組み付ける際には、このステアリングコラム6aの中間部(アウタコラム18aの後端部)を、車体側ブラケット19aを構成する1対の挟持板部20a、20b同士の間に、これら挟持板部20a、20bの下端縁側から挿入する。つまり、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向は、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。一方、ハウジング11aにステアリングコラム6aを組み付ける際には、アウタコラム18aを構成する1対の側板部30の前端部を、ハウジング11aの後端部に設けた結合固定部36に形成した1対のスリット37に、これらスリット37の下端開口を通じて挿入する。つまり、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向も、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)とすることができる。
したがって、本例のステアリング装置を組み立てる場合には、たとえば、ハウジング11aと車体側支持ブラケット19aとを、図7に示した位置関係で治具にセットした状態で、ハウジング11aを構成する結合固定部36と、車体側ブラケット19aを構成する1対の挟持板部20a、20bとに対し、ステアリングコラム6aの前端部と中間部とを、それぞれ図7の下方から、このステアリングコラム6aの径方向に、組み付けることが可能となる。このため、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付けと、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付けとを、1工程で行うことが可能となり、その分だけ、ステアリング装置の組立性を向上させることができる。なお、実際の作業は、図7に示した位置関係とは天地逆向きの位置関係で行われる。
なお、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を挿入する作業と、挟持板部20a、20b同士の間部分にステアリングコラム6aの中間部を挿入する作業とは、次のように、順番に行うこともできる。まず、ハウジング11aと車体側支持ブラケット19aとを、図7に示す位置関係で治具にセットした後、ハウジング11aのみを、支持管35を中心として図7の下方に向け揺動変位させる。そして、この状態で、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を、これらのスリット37の下端開口を通じて挿入する。その後、ハウジング11aおよびステアリングコラム6aを、支持管35を中心として図7の上方に向け揺動変位させることに基づき、挟持板部20a、20b同士の間部分にステアリングコラム6aの中間部を挿入する。このような順番で2つの挿入作業を行う場合には、先の挿入作業を完了した状態で、ステアリングコラム6aの回転方向の位相が正規の位相になるとともに、この正規の位相が保持された状態となるため、後の挿入作業を容易に行うことができる。なお、この場合も、上述した2つの挿入作業を、ステアリング装置の組立ラインにおいて、1工程で行うことができる。
いずれにしても、本例の場合、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を、これらスリット37の下端開口を通じて挿入する作業は、ステアリングコラム6aの内側にステアリングシャフト5aを未配置の状態で行うか、あるいは、このステアリングコラム6aの内側に配置したステアリングシャフト5aの前端部を、後側に十分に退避させた状態で行う。これにより、このステアリングシャフト5aの前端部によって、挿入作業が妨げられることが防止される。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図10により説明する。本例のステアリング装置の場合、ハウジング11aの後端面の略中央部に突設した結合固定部36aの上端寄り部分に、幅方向(図10の左右方向)に貫通した状態でねじ孔59が形成されている。ねじ孔59の内周面の幅方向一端寄り(図10の右端寄り)部分にのみ雌ねじ部60が形成され、他の部分は単なる通孔となっている。また、図10に示す組み付け状態において、アウタコラム18aの1対の側板部30のうち、結合固定部36aのねじ孔59と整合するそれぞれの位置に、幅方向に貫通した通孔61が形成されている。
本例の場合も、実施の形態の第1例と同様に、結合固定部36aの1対のスリット37の内側に、アウタコラム18aの側板部30の前端部を、これらのスリット37の下端開口を通じて挿入している。また、この状態で、結合固定部36aのねじ孔59と側板部30の通孔61とを、幅方向一方(図10の左側)から他方(図10の右側)に挿通したボルト62の雄ねじ部63を、結合固定部36aのねじ孔59の雌ねじ部60に螺合し、さらに締め付けている。このようにして、ボルト62の頭部64と雄ねじ部63との間で、結合固定部36aのうち、スリット37よりも幅方向外側部分を、幅方向内側に縮めるように締め付けている。
なお、本例の場合も、追加的に、アウタコラム18aの底板部31の前端部の幅方向中央部に設けた通孔38(図5参照)に挿通した結合用ボルト39を、結合固定部36の下面の幅方向中央部に設けたねじ孔40に螺合し、さらに締め付けることにより、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部とを結合固定する構造を適用することもできる。また、スリット37の内側に側板部30の前端部を圧入可能とするため、実施の形態の第1例と同様に、図6に詳示するような構成を採用している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様である
本例の場合、ボルト62により、結合固定部材36aのスリット37よりも幅方向外側部分を、幅方向内側(側板部30側)に縮めるように締め付けている。このため、このスリット37の内側面と、側板部30の幅方向両側面との当接面の面圧が上昇して、アウタコラム18aと、結合固定部材36との結合部の剛性を向上させることができる。また、ボルト62により結合固定部16とアウタコラム18aとを結合固定しているため、二次衝突時に運転者の身体がステアリングホイール1(図11参照)に衝突して、ステアリング装置全体が、拡縮機構29を中心として、前側が下方に、後側が上方に(図3における反時計方向に)回転した場合でも、アウタコラム18aの側板部30が、スリット37から抜け出ることが効果的に防止される。
上述した本発明の実施の形態では、ステアリングホイールの上下位置の調節を可能とするためのチルト機構と、ステアリングホイールの前後位置の調節を可能とするためのテレスコピック機構との、両方の機構を備えた構造に、本発明を適用している。ただし、本発明は、これらの機構のうちのいずれか一方の機構のみを備えた構造にも適用することが可能である。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 電動式パワーステアリング装置
11、11a ハウジング
12 車体
13 横軸
14、14a 電動モータ
15、15a インナシャフト
16、16a アウタシャフト
17、17a インナコラム
18、18a アウタコラム
19、19a 車体側ブラケット
20、20a、20b 挟持板部
21、21a コラム側ブラケット
22、22a、22b 上下方向長孔
23、23a 前後方向長孔
24、24a 調節杆
25、25a 頭部
26 調節ナット
27、27a 調節レバー
28 エネルギ吸収部材
29 拡縮機構
30 側板部
31 底板部
32 抑えブロック
33 軸受
34 減速機
35 支持管
36、36a 結合固定部
37 スリット
38 通孔
39 結合用ボルト
40 ねじ孔
41 突起
42 天板部
43 取付板部
44 取付部材
45 カム装置
46 通孔
47 スラスト滑り軸受
48 ナット
49 駆動側カム
50 被駆動側カム
51a、51b スペーサ
52 ラジアル滑り軸受
53 揺動腕
54 雄側ギヤ
55 雌側ギヤ
56 復位ばね
57 曲げ起こし部
58 突条
59 ねじ孔
60 雌ねじ部
61 通孔
62 ボルト
63 雄ねじ部
64 頭部
本発明は、操舵輪に舵角を付与するために使用される自動車用ステアリング装置、特に、電動式パワーステアリング装置を備えた自動車用ステアリング装置における、ステアリングコラムの前端部と電動式パワーステアリング装置のハウジングとの結合部の構造に関する。
自動車用ステアリング装置は、たとえば、図11および図12に示すように、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴って左右1対のタイロッド4を押し引きして、前車輪(操舵輪)に舵角を付与するように構成されている。ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持される。また、ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続し、この中間シャフト8の前端部を、別の自在継手9を介して、入力軸3に接続している。
図示した自動車用ステアリング装置は、運転者の操舵をモータの回転により補助する電動式パワーステアリング装置10を備えるとともに、ステアリングホイール1の上下位置を調節するためのチルト機構と、ステアリングホイール1の前後位置を調節するためのテレスコピック機構とを備えている。このため、ステアリングコラム6の前端部を、電動式パワーステアリング装置10の構成部品を収めたハウジング11の後端部に結合固定するとともに、このハウジング11を車体12に対し、左右方向に配設された横軸13を中心とする揺動変位を可能に支持している。なお、ハウジング11の下部側面には、補助動力源である電動モータ14を支持固定している。また、ステアリングシャフト5を、インナシャフト15とアウタシャフト16とを、回転力の伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成するとともに、ステアリングコラム6を、インナコラム17とアウタコラム18とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成している。さらに、アウタコラム18の後端寄り部分を、車体12に支持した車体側ブラケット19に対し、この車体側ブラケット19に対する固定状態と非固定状態とを切り換え可能に支持している。
このような支持構造を実現するために、車体側ブラケット19を構成する1対の挟持板部20を、アウタコラム18の後端寄り部分、および、この後端寄り部分の下面に取り付け固定されたコラム側ブラケット21を、左右方向の両側から挟む位置に配置している。この状態で、車体側ブラケット19の挟持板部20の内側面とコラム側ブラケット21を構成する1対の側板部の外側面が当接する。また、これらの挟持板部20の互いに整合する位置に、横軸13を中心とする円弧状の上下方向長孔22を形成している。一方、コラム側ブラケット21の側板部の互いに整合する位置に、アウタコラム18の軸方向に長い前後方向長孔23を形成している。そして、前後方向長孔23と上下方向長孔22とに、杆状部材である調節杆24を挿通している。この調節杆24の基端部には、押圧部である頭部25を設けている。そして、この調節杆24の先端部で上下方向長孔22から突出した部分に、押圧部である調節ナット26を螺合させ、さらに、この調節ナット26に調節レバー27の基端部を結合固定している。これらの調節杆24と調節ナット26と調節レバー27が、車体側ブラケット19とステアリングコラム6との間を固定状態と非固定状態とするための拡縮機構を構成する。
ステアリングホイール1の上下位置や前後位置を調節する場合には、調節レバー27を操作して、調節ナット26を弛めることにより、挟持板部20の内側面同士の間隔を拡げる。これにより、挟持板部20とコラム側ブラケット21の側板部との間に作用する摩擦係合力を十分に低下させて、車体側ブラケット19に対するアウタコラム18の固定状態を解除する。この状態で、ステアリングホイール1の上下位置を調節する場合には、調節杆24が上下方向長孔22内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6およびステアリングシャフト5を、横軸13を中心に揺動させる。これに対して、ステアリングホイール1の前後位置を調節する場合には、調節杆24が前後方向長孔23内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6およびステアリングシャフト5の全長を伸縮させる。調節後は、調節レバー27を操作して、調節ナット26を締め付けることにより、摩擦係合力を十分に上昇させて、コラム側ブラケット21およびアウタコラム18を車体側ブラケット19に対して固定した状態とする。この結果、ステアリングホイール1が調節後の位置に保持される。
ところで、このようなステアリング装置を構成する、ステアリングコラム6の前端部とハウジング11の後端部との結合構造として、これら前端部と後端部とを軸方向に嵌め合わせた状態で結合固定する構造が、広く採用されている。このような結合構造の例として、特開2011−46309号公報には、ハウジングの後端部に設けた円筒部に、ステアリングコラムの円筒状の前端部を、締り嵌めで外嵌および圧入する構造が記載されている。また、特開2000−85596号公報には、ハウジングの後端部に設けた円筒部に、ステアリングコラムの欠円筒状の前端部を外嵌するとともに、この前端部に緊締具を外嵌し、この緊締具によりこの前端部を弾性的に縮径させることで、この前端部の内周面を円筒部の外周面に強く摩擦係合させる構造が記載されている。また、特開2008−87583号公報には、ハウジングの後端部に設けた円孔の内側に、ステアリングコラムの円筒状の前端部を内嵌するとともに、このステアリングコラムの前端寄り部分の外周面に設けたフランジ部を、ハウジングの後端面に対し、複数本のボルトにより結合固定する構造が記載されている。
ステアリングコラム6の前端部とハウジング11の後端部との結合構造として、いずれの従来構造を採用する場合でも、この結合構造を組み立てる際の、ハウジング11に対するステアリングコラム6の組み付け方向は、このステアリングコラム6の軸方向となる。一方、このステアリングコラム6の後端寄り部分を、車体側ブラケット19に組み付ける際には、このステアリングコラム6の後端寄り部分を、車体側ブラケット19の挟持板部20同士の間に、これら挟持板部20の下端縁側から挿入する。すなわち、車体側ブラケット19に対するステアリングコラム6の組み付け方向は、このステアリングコラム6の径方向となる。このように、従来構造の場合、ハウジング11に対するステアリングコラム6の組み付け方向と、車体側ブラケット19に対するこのステアリングコラム6の組み付け方向とが、互いに一致しないため、この従来構造には、ステアリング装置の組立性の観点から問題があるといえる。
特開2011−46309号公報 特開2000−85596号公報 特開2008−87583号公報
本発明は、上述のような事情に鑑み、自動車用ステアリング装置における、ステアリングコラムの前端部と電動式パワーステアリング装置のハウジングとの結合部について、電動式ステアリング装置のハウジングに対するステアリングコラムの組み付け方向と、車体 側ブラケットに対するこのステアリングコラムの組み付け方向とを、互いに一致させられる構造を実現することを目的としている。
本発明の自動車用ステアリング装置は、ステアリングコラムと、車体に支持される電動式パワーステアリング装置のハウジングと、車体に支持される車体側ブラケットと、拡縮機構とを有する。
前記ステアリングコラムは、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持するためのものであり、前側に配置され、互いに対向する左右1対の側板部と、これらの側板部の下端縁同士を連結する底板部とを備え、上端が開口したU字形に構成された前端部を有する アウタコラムと、後側に配置され、その前部がこのアウタコラムの後部に内嵌された状態 で、このアウタコラムに対して軸方向の相対変位を可能に組み合わされたインナコラムと からなる。
前記電動式パワーステアリング装置のハウジングは、下端面および後端面に開口し、前記アウタコラムの前端部の側板部をそれぞれ下方から受け入れる、互いに平行な1対のスリットが左右両端寄り部分に設けられており、前記ステアリングシャフトが挿通される中 心孔が中央に設けられている結合固定部を後部に有する。
前記車体側ブラケットは、前記ステアリングコラムの中間部を左右両側から挟む位置に配置され、互いの下端縁同士の間部分を開放させた1対の挟持板部を有する。
前記拡縮機構は、前記挟持板部の互いに整合する位置に形成した通孔を左右方向に挿通した杆状部材、および、この杆状部材の両端部に設けられた1対の押圧部を有する。この拡縮機構は、これらの押圧部を前記杆状部材の軸方向に遠近動させることにより、前記挟持板部同士の間隔を変化させ、この間隔の収縮時にこれらの挟持板部に対して前記ステアリングコラムを固定するように構成されている。
又、前記結合固定部のスリットと、前記前端部の側板部とのうちの少なくとも一方に、 このスリットにこの側板部を圧入させるための構造を設けている。
そして、前記結合固定部のスリットに、前記前端部の側板部を挿入した状態で、前記前端部と前記結合固定部とが、ボルトにより結合固定される。
なお、前記前端部の側板部、前記結合固定部のスリットに、締め代を持たせた状態で圧入する為の構造として、具体的には、前記結合固定部のスリットと、前記前端部の側板部のうちの、少なくとも一方の側面に突出部を設け、前記結合固定部のスリットに前記前端部の側板部を挿入した状態で、この突出部が前記一方の側面に対向する相手面に弾性的に接触させる。
また、好ましくは、前記結合固定部のうちで前記スリット同士の間に挟まれた部分に、前記下端面に開口するねじ孔を設け、前記前端部の底板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔を設ける。そして、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記底板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトを前記ねじ孔に螺合させる。
代替的に、前記結合固定部の上端寄り部分に、前記スリットを介して左右方向に貫通するねじ孔を設け、前記前端部の側板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔をそれぞれ設ける。そして、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記側板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトを前記ねじ孔に螺合させることもできる。
本発明は、前記ステアリングシャフトの後端部に固定するステアリングホイールの上下位置の調節を可能とするためのチルト機構を備えたステアリング装置に適用することができる。この場合、前記ハウジングを、車体に対し、左右方向に配設された横軸を中心とする揺動変位を可能に支持する。そして、前記挟持板部の通孔をそれぞれ、前記横軸を中心とする円弧状の上下方向長孔とし、前記アウタコラムの後部の前記上下方向長孔に整合する位置に通孔が設けられており、前記杆状部材を、前記上下方向長孔、および、前記アウ コラムの通孔に挿通させる。この構成では、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部に対する前記ステアリングコラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記上下方向長孔内を変位できる範囲で、前記ステアリングコラムの上下位置が調節可能となる。
また、本発明は、前記ステアリングホイールの前後位置の調節を可能とするための、テレスコピック機構を備えた構造に適用することができる。この場合、前記アウタコラムの後部には、前記挟持板部の通孔と整合する位置に通孔が設けられる。一方、前記インナコラムには、前記挟持板部の通孔および前記アウタコラムの通孔に整合する位置に、この ンナコラムの軸方向に長い前後方向長孔が設けられる。そして、前記杆状部材を、前記挟持板部の通孔、前記アウタコラムの通孔、および、前記インナコラムの前後方向長孔に挿通させる。この構成では、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部および前記アウタコラムに対する前記インナコラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記前後方向長孔内を変位できる範囲で、前記インナコラムの前後位置が調節可能となる。
好ましくは、前記アウタコラムの全体が、金属板製の素材に打ち抜き加工および曲げ加 工を施すことにより形成され、前記側板部と前記底板部とにより、上端が開口したU字形に構成されるようにする。そして、前記拡縮機構が、前記挟持板部同士の間隔を変化させて、前記アウタコラムの後部の内寸を拡縮し、この内寸の収縮時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を抑え、この内寸の拡大時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を可能とする。
また、具体的には、前記アウタコラムを構成する1対の側板部の内側面の後端部の上端 寄り部分に、1対の抑えブロックを固定するとともに、前記1対の側板部の内側面と、前 記アウタコラムを構成する底板部の上面と、前記1対の抑えブロックの下面とにより周囲 を囲まれた、前記アウタコラムの後部の内側部分を、幅方向中央部が上方に向けて開口し た、正八角形状の保持空間とする。
また、前記インナコラムの前部の外周面を、正八角形状とする。
そして、このインナコラムの前部を、前記アウタコラムの後部に、軸方向の変位に基づ いて前後位置の調節を可能に内嵌した状態で、前記インナコラムの前部の外周面を構成す る8箇所の平坦面のうち、互いに平行な左右1対の平坦面を、前記1対の側板部の内側面 に、下側の中央および左右の3つの平坦面を、前記底板部の上面に、上側の左右の2つの 平坦面を、前記1対の抑えブロックの下面に、それぞれ当接または近接対向させる。
本発明の自動車用ステアリング装置によれば、車体側支持ブラケットに対するステアリングコラムの組み付け方向と、電動式ステアリング装置のハウジングに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向とを、互いに一致させることができる。したがって、これらの組付け作業を1工程で行うなどにより、ステアリング装置の組立性を向上させることが可能となる。
すなわち、前記車体側ブラケットに前記ステアリングコラムを組み付ける際には、このステアリングコラムの中間部を、前記車体側ブラケットを構成する1対の挟持板部同士の間に、これらの挟持板部の下端縁側から挿入する。つまり、前記車体側支持ブラケットに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向は、このステアリングコラムの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。一方、前記ハウジングに前記ステアリングコラムを組み付ける際には、このステアリングコラムを構成する1対の側板部のうちで、このステアリングコラムの前端部に対応する部分を、前記ハウジングの後部に設けた結合固定部に形成した1対のスリットに、これらのスリットの下端開口を通じて挿入する。つまり、前記ハウジングに対する前記ステアリングコラムの組み付け方向も、このステアリングコラムの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例を、前上方から見た状態で示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態の第1例を、後上方から見た状態で示す斜視図である。 図3は、本発明の実施の形態の第1例の側面図である。 図4は、図3のA−A断面図である。 図5は、図3のB−B断面図である。 図6は、図5のC部拡大図である。 図7は、図4のD−D断面図である。 図8は、インナコラムの前後位置および上下位置を調節するための機構部分を、後上方から見た状態で示す分解斜視図である。 図9は、スリットに対する側板部の圧入部の構成について、別の2例を示す、図6と同様の図である。 図10は、本発明の実施の形態の第2例を示す、図5と同様の図である。 図11は、従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図である。 図12は、一部を省略して示す、図11のE−E断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1〜図8により説明する。本例の自動車用ステアリング装置は、ステアリングコラム6aと、ステアリングシャフト5aと、電動式パワーステアリング装置10aを構成するハウジング11aと、車体側ブラケット19aと、拡縮機構29とを備える。
本例では、テレスコピック機構を実現するために、ステアリングコラム6aは、アウタ コラム18aと、インナコラム17aとを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせて構成される。アウタコラム18aは、炭素鋼板などの、十分な強度および剛性を有する金属板製の素材に、プレスによる打ち抜き加工および曲げ加工を施して形成され、互いの内側面同士を対向させた左右1対の側板部30と、これらの側板部30の下端縁同士を連結する底板部31とにより、上端が開口したU字形に構成されている。また、この底板部31の幅方向両端部は、底板部31の幅方向中央部および側板部30に対し、それぞれ45度ずつ傾斜している。また、これらの側板部30の上下方向寸法(底板部31の両端縁部からの高さ寸法)を、後端部で比較的大きく、前端部で比較的小さくするとともに、これらの後端部と前端部との間部分で、前端側に向かうに従って小さくなる方向に変化させている。また、これらの側板部30には、それぞれ後端部および中間部に複数の補強ビードを形成するとともに、中間部の上端に水平方向外側に向け90度折れ曲がった鍔部を形成して、これらの側板部30の曲げ剛性を確保している。また、これらの側板部30の内側面の後端部の上端寄り部分に、抑えブロック32を、ねじ止め、溶接などにより固定している。これらの抑えブロック32の下面も、側板部30および底板部31の幅方向中央部に対し、それぞれ45度ずつ傾斜している。そして、側板部30の内側面と、底板部31の上面と、抑えブロック32の下面とにより周囲を囲まれた部分を、幅方向中央部が上方に向けて開口した、ほぼ正八角形状の保持空間としている。
また、インナコラム17aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金などの軽合金を含む金属材料を、押し出し成形、引き抜き加工などにより一体成形した中間素材の端部に、所望の塑性加工や削り加工を施すことにより形成される。インナコラム17aの外周面は、正八角形の形状とされている。このインナコラム17aの前部を、アウタコラム18aの後部に、軸方向の変位に基づいて前後位置の調節を可能に内嵌している。すなわち、インナコラム17aの外周面を構成する8箇所の平坦面のうち、互いに平行な左右1対の平坦面を、側板部30の内側面に、下側の中央および左右の3つの平坦面を、底板部31の上面に、上側の左右の2つの平坦面を、抑えブロック32の下面に、当接または近接対向させている。なお、テレスコピック機構を備えない構造においては、ステアリングコラム全体を任意の管状体で構成し、その前端部のみを、互いに対向する左右1対の側板部と、これらの側板部の下端縁同士を連結する底板部とにより、上端が開口したU字形に構成することができる。
また、テレスコピック機構を備えた構造では、ステアリングシャフト5aは、前側のインナシャフト15aの後部と後側のアウタシャフト16aの前部とをスプライン係合させることにより、インナシャフト15aとアウタシャフト16aを、回転力の伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に組み合わせている。この構成により、ステアリングシャフト5aは、全長を伸縮可能となっている。ステアリングシャフト5aは、ステアリングコラム6aの内側に挿通するとともに、アウタシャフト16aの後端寄り部分を、インナコラム17aの後端部に、単列深溝型の玉軸受のような、ラジアル荷重およびスラスト荷重の両方を支承可能な軸受33により、回転自在に支持している。
また、電動式パワーステアリング装置10aを構成するハウジング11aは、上部側面に補助駆動源である電動モータ14aを支持している。また、ハウジング11aは、電動モータ14aの回転駆動力をステアリングシャフト5aに伝達するための減速機34を含む複数の構成部品を内蔵している。さらに、ハウジング11aの前上端部に、支持管35を左右方向に設けている。そして、このハウジング11aを、車体に対し、支持管35を挿通したボルトなどの横軸を中心とする、揺動変位を可能に支持している。この構成により、ステアリングホイールを後端部に固定したステアリングシャフト5aおよびこのステアリングシャフト5aを支持するステアリングコラム6aの上下方向の変位が可能となる。したがって、チルト機構を備えない構造では、ハウジング11aを車体に対してリジット構造により支持固定することができる。
また、ハウジング11aの後端部に、アウタコラム18aの前端部を結合固定している。本例では、ハウジング11aの後端面の略中央部に、略矩形ブロック状の結合固定部36を突設している。この結合固定部36の中央には、中心孔(図示せず)が設けられ、この結合固定部36の左右両端寄り部分には、互いに平行な1対のスリット37を、それぞれ結合固定部36の下端面と後端面とに開口する状態で設けている。なお、結合固定部36の形状は、左右両端寄り部分にスリット37を設けることが可能であれば、略半円形状など他の形状とすることもできる。
本例では、これらのスリット37の内側に、アウタコラム18aを構成する側板部30の前端部を、これらのスリット37の下端開口を通じて圧入可能な構造を採用している。言い換えれば、結合固定部36のうちでスリット37同士の間に挟まれた部分を、アウタコラム18aの前端部の内側に、この前端部の上端開口を通じて圧入できるようにしている。具体的には、スリット37の内側に側板部30の前端部を圧入可能とするため、図6に詳示するような構成を採用している。すなわち、スリット37の幅Wを、側板部30の板厚Tよりも大きく(W>T)している。図示の例では、スリット37の幅Wを側板部の30の板厚Tの2倍(W≒2T)としている。これとともに、側板部30の一方の側面、図示の例では、側板部30同士が互いに対向する側の側面の複数箇所に、それぞれが突出部である、半球状の突起41を形成している。そして、スリット37の内側に側板部30の前端部を挿入した状態で、突起41の先端面が、相手面(対向面)である、スリット37の内側面に弾性的に接触するように、各部の寸法を規制している。この構造により、側板部30のうち突起41を設けた部分は、スリット37の幅Wよりも厚くなり、側板部30がスリット37内に、締め代を持たせてがたつきがない状態で挿入されるため、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部との結合部の剛性を高めることが可能となる。
なお、本発明を実施する場合、側板部30の前端部の側面に設ける突出部として、図6に示した半球状の突起41の代わりに、図9(a)に示すような曲げ起こし片57を採用することもできる。曲げ起こし片57は、それぞれ側板部30の一部にU字形の切り込みを形成するとともに、この切り込みの内側部分を側板部30の片側面から突出する方向に曲げ起こすことにより形成される。曲げ起こし片57を、それぞれの先端縁を下方に向けて形成すれば、スリット37の内側面に対する曲げ起こし片57の先端縁の食い込みによって、側板部30がスリット37から下方に抜け出にくくなるため、組立作業の容易化を図ることができる。あるいは、突出部として、前後方向や上下方向に長い突条などを採用することもできる。また、突出部を、スリット37の内側面に設けることもできる。図9(b)は、スリット37の内側面の上下方向に離隔した複数箇所に、前後方向(図9(b)の表裏方向)に長い突条58を設けた例を示している。さらに、突出部は、側板部30の側面およびスリット37の内側面の双方に設けることもできる。この場合には、それぞれに設けた突出部について前後方向の位相をずらせることにより、スリット37の内側に側板部30を挿入する際に、それぞれに設けた突出部同士が干渉することを防止する。さらに、側板部30の形状を先端部が互いに近づく方向に湾曲させたり、側板部30の側面に合成樹脂製の突起を固定したりすることによって、突出部を形成し、スリット37の内側への側板部30の前端部の圧入を可能とすることも可能である。
また、本発明の技術的範囲からは外れるが、スリット37に挿入した側板部30のがたつき防止を図る構造としては、これらスリット37にこれら側板部30を圧入する構成を採用する代わりに、結合固定部36の左右両端部(スリット37よりも幅方向外側の部分)に形成したねじ孔に螺合したホーローセット(六角穴付止めねじ)などのねじ部材や、結合固定部36の左右両端部に形成した通孔に圧入したピンによって、側板部30をスリット37の内側面に抑え付ける構成を採用することもできる。
スリット37の内側に側板部30の前端部を挿入した状態で、結合固定部36のうちでスリット37同士の間に挟まれた部分の下面の幅方向中央部に、アウタコラム18aを構成する底板部31の前端部の上面の幅方向中央部を当接させる。そして、この状態で、この底板部31の前端部の幅方向中央部に設けた通孔38に挿通した結合用ボルト39を、結合固定部36の下面の幅方向中央部に設けた、下端面に開口するねじ孔40に螺合し、さらに締め付けることにより、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部とを結合固定する。本例の場合、結合用ボルト39の組み付け方向も、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向と同じく、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。このため、結合用ボルト39を結合固定部36のねじ孔40に螺合するのと同時に、アウタコラム18aの側板部30の前端部を、スリット37の内側に圧入することができるなど、ステアリング装置の組立性を、より向上させることができる。
このように、結合固定部36とアウタコラム18aとを結合固定することで、二次衝突時に運転者の身体がステアリングホイール1(図11参照)に衝突して、ステアリング装置全体が、拡縮機構29を中心として、前側が下方に、後側が上方に(図3における反時計方向に)回転した場合でも、アウタコラム18aの側板部30の前端部が、スリット37から抜け出ることが防止される。なお、結合固定部36の中心孔(図示せず)を通じて、インナシャフト15aの前端部は、ハウジング11a内に挿入し、このハウジング11aに内蔵された、電動式パワーステアリング装置11aの構成部品に接続している。
車体側ブラケット19aは、天板部42と、1対の挟持板部20a、20bとを備える。これらの天板部42、挟持板部20a、20bは、鋼板などの十分な強度および剛性を有する金属板に、プレスによる打ち抜き加工および曲げ加工を施して形成され、互いに溶接などにより結合固定されて一体に構成されている。また、このうちの天板部42には、この天板部42を車体に対し支持固定する、ボルトもしくはスタッドを挿通するための取付孔が形成されている。また、挟持板部20a、20bは、アウタコラム18aの後端部を左右方向両側から挟む位置に配置されている。また、挟持板部20a、20bの上部の互いに整合する位置に、上下方向長孔22a、22bが形成されている。これらの上下方向長孔22a、22bは、支持管35の中心軸を中心とする、円弧状である。
本例では、インナコラム17aの前端部上面に、エネルギ吸収部材28が取付固定されている。エネルギ吸収部材28は、軟鋼板などの塑性変形可能な金属板を曲げ成形することにより、全体を前後方向に長い長矩形枠状に形成されており、前端面の下端部から取付板部43を、前方に突出させている。そして、この取付板部43に形成した通孔に挿通したリベットあるいはねじなどの取付部材44により、エネルギ吸収部材28をインナコラム17aに固定している。このエネルギ吸収部材28は、衝突事故に伴う二次衝突時に、塑性変形に基づいて伸張しつつ、インナコラム17aがステアリングホイールとともに前方に変位することを許容する。これにより、二次衝突時に、運転者の身体からステアリングホイールを介してインナコラム17aに伝えられた衝撃エネルギが吸収され、運転者の保護が図られる。
また、拡縮機構29は、挟持板部20a、20bの内側面同士の間隔を拡縮するためのもので、杆状部材である調節杆24aと、調節レバー27aと、カム装置45とを備える。このうちの調節杆24aは、上下方向長孔22a、22bと、アウタコラム18aを構成する側板部30および抑えブロック32に形成した通孔46と、インナコラム17aに取り付けられたエネルギ吸収部材28の内側に設けた、インナコラム17aの軸方向に長い前後方向長孔23aとを、左右方向に挿通している。また、調節杆24aは、基端部(図4、図8の右端部)に頭部25aを設けており、この頭部25aの内側面に形成した凸部を、挟持板部20a、20bのうちの一方(図4、図8の右方)の挟持板部20aに形成した一方の上下方向長孔22aに、この上下方向長孔22aに沿った変位(昇降)のみ可能に係合させている。また、調節レバー27aは、その基端部を、調節杆24aの先端部(図4、図8の左端部)に、スラスト滑り軸受47とナット48とにより、この調節杆24aに対する回転を可能に、かつ、この調節杆24aの先端部から抜け出す方向の変位を阻止された状態で支持されている。なお、前後方向長孔23aは、エネルギ吸収部材ではなく、インナコラム17a自体の構造に設ける、もしくは、インナコラム17aに取り付けられる別の構造体に設けることも可能である。
カム装置45は、調節レバー27aの基端部内側面と、挟持板部20a、20bのうちの他方(図4、図8の左方)の挟持板部20bの外側面との間に設けられている。カム装置45は、調節レバー27aの基端部内側面に支持され、この調節レバー27aとともに回動する駆動側カム49と、他方の挟持板部20bに形成した他方の上下方向長孔22bに、昇降のみ可能に係合した被駆動側カム50とを備える。この被駆動側カム50と駆動側カム49との互いに対向する面にはそれぞれカム面が形成されており、カム装置45は、被駆動側カム50と駆動側カム49の相対回転に基づいて、カム装置45の軸方向寸法を拡縮するように構成されている。本例の場合、頭部25aと被駆動側カム50とが、1対の押圧部を構成する。なお、調節杆24aの中間部で、上下方向長孔22a、22bの内側に位置する部分には、合成樹脂などの滑りやすい材料により造られたスペーサ51a、51bを外嵌して、調節杆24aが上下方向長孔22a、22bに沿って円滑に変位できるようにしている。また、他方の上下方向長孔22bに係合したスペーサ51bは、被駆動側カム50との係合により、この被駆動側カム50の回動を阻止している。さらに、駆動側カム49の内周面と調節杆24aの外周面との間には、やはり滑りやすい材料により造られた、円筒状のラジアル滑り軸受52を介在させている。
本例のステアリング装置の場合、ステアリングシャフト5aの後端部に固定した図示しないステアリングホイールの上下位置や前後位置を調節する場合には、調節レバー27aを下方に回動させることにより、カム装置45の軸方向寸法を縮める。これにより、挟持板部20a、20bの内側面同士の間隔を拡げて、これらの挟持板部20a、20bの内側面とアウタコラム18aを構成する側板部30の外側面との当接部の面圧を十分に低下させる。これとともに、側板部30および抑えブロック32同士の間隔を拡げて、インナコラム17aの外周面とアウタコラム18aの内周面との当接部の面圧を十分に低下させる。この結果、車体側支持ブラケット19aに対するアウタコラム18aおよびインナコラム17aの固定状態が解除される。この状態で、ステアリングホイールの上下位置を調節する場合には、調節杆24aが上下方向長孔22a、22b内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6aおよびステアリングシャフト5aを、支持管35を中心に揺動させる。これに対して、ステアリングホイールの前後位置を調節する場合には、調節杆24aが前後方向長孔23a内で変位できる範囲で、ステアリングコラム6aおよびステアリングシャフト5aの全長を伸縮させる。調節後は、調節レバー27aを上方に回動させることにより、カム装置45の軸方向寸法を拡げる。これにより、上記の固定状態の解除時と逆の動作に基づき、当接部の面圧を十分に上昇させる。この結果、ステアリングホイールが調節後の位置に保持される。
また、本例の場合には、ステアリングホイールを調節後の上下位置に保持するための支持強度を大きくする構造を組み込んでいる。すなわち、調節杆24aの中間部先端寄り部分に揺動腕53の基部を揺動変位可能に外嵌している。また、揺動腕53の先端部に雄側ギヤ54を、挟持板部20bの外側面の一部に雌側ギヤ55をそれぞれ設けて、揺動腕53の揺動に伴って、これらの雄側ギヤ54と雌側ギヤ55について、係合状態とこの係合を解除した状態とすることを可能にしている。調節レバー27aをステアリングホイールの位置調節を行うための方向に回動させることに伴って、この揺動腕53は、雄側ギヤ54と雌側ギヤ55との係合を解除する方向に揺動する。雄側ギヤ54と雌側ギヤ55が係合状態にある場合、揺動腕53を介して調節杆24aは挟持板部20bに結合されるため、二次衝突に伴う大きな衝撃荷重に拘らず、ステアリングホイールの上下位置が大きくずれ動かないようになる。
被駆動側カム50は、揺動腕53の基部に、この揺動腕53に対する相対回転を可能に、かつ、揺動腕53に対する若干の上下方向の変位を可能に組み付けられている。なお、被駆動側カム50は、上述のように、挟持板部20bに対しては相対回転が阻止されている。また、被駆動側カム50と揺動腕53との間に復位ばね56を設けて、この被駆動側カム50をこの揺動腕53に対し、中立位置を中心とする若干の昇降を可能に支持している。このように若干の昇降を可能にする理由は、ステアリングホイールの上下位置が無段階で調節できるのに対して、雄側ギヤ54および雌側ギヤ55の係合位置は有段であるため、この差を吸収するためである。
本例のステアリング装置によれば、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向と、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向とを、互いに一致させることができる。すなわち、車体側ブラケット19aにステアリングコラム6aを組み付ける際には、このステアリングコラム6aの中間部(アウタコラム18aの後端部)を、車体側ブラケット19aを構成する1対の挟持板部20a、20b同士の間に、これら挟持板部20a、20bの下端縁側から挿入する。つまり、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向は、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)となる。一方、ハウジング11aにステアリングコラム6aを組み付ける際には、アウタコラム18aを構成する1対の側板部30の前端部を、ハウジング11aの後端部に設けた結合固定部36に形成した1対のスリット37に、これらスリット37の下端開口を通じて挿入する。つまり、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付け方向も、このステアリングコラム6aの径方向(下面から上面に向かう方向)とすることができる。
したがって、本例のステアリング装置を組み立てる場合には、たとえば、ハウジング11aと車体側支持ブラケット19aとを、図7に示した位置関係で治具にセットした状態で、ハウジング11aを構成する結合固定部36と、車体側ブラケット19aを構成する1対の挟持板部20a、20bとに対し、ステアリングコラム6aの前端部と中間部とを、それぞれ図7の下方から、このステアリングコラム6aの径方向に、組み付けることが可能となる。このため、車体側支持ブラケット19aに対するステアリングコラム6aの組み付けと、ハウジング11aに対するステアリングコラム6aの組み付けとを、1工程で行うことが可能となり、その分だけ、ステアリング装置の組立性を向上させることができる。なお、実際の作業は、図7に示した位置関係とは天地逆向きの位置関係で行われる。
なお、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を挿入する作業と、挟持板部20a、20b同士の間部分にステアリングコラム6aの中間部を挿入する作業とは、次のように、順番に行うこともできる。まず、ハウジング11aと車体側支持ブラケット19aとを、図7に示す位置関係で治具にセットした後、ハウジング11aのみを、支持管35を中心として図7の下方に向け揺動変位させる。そして、この状態で、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を、これらのスリット37の下端開口を通じて挿入する。その後、ハウジング11aおよびステアリングコラム6aを、支持管35を中心として図7の上方に向け揺動変位させることに基づき、挟持板部20a、20b同士の間部分にステアリングコラム6aの中間部を挿入する。このような順番で2つの挿入作業を行う場合には、先の挿入作業を完了した状態で、ステアリングコラム6aの回転方向の位相が正規の位相になるとともに、この正規の位相が保持された状態となるため、後の挿入作業を容易に行うことができる。なお、この場合も、上述した2つの挿入作業を、ステアリング装置の組立ラインにおいて、1工程で行うことができる。
いずれにしても、本例の場合、スリット37にステアリングコラム6aの前端部(側板部30の前端部)を、これらスリット37の下端開口を通じて挿入する作業は、ステアリングコラム6aの内側にステアリングシャフト5aを未配置の状態で行うか、あるいは、このステアリングコラム6aの内側に配置したステアリングシャフト5aの前端部を、後側に十分に退避させた状態で行う。これにより、このステアリングシャフト5aの前端部によって、挿入作業が妨げられることが防止される。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図10により説明する。本例のステアリング装置の場合、ハウジング11aの後端面の略中央部に突設した結合固定部36aの上端寄り部分に、幅方向(図10の左右方向)に貫通した状態でねじ孔59が形成されている。ねじ孔59の内周面の幅方向一端寄り(図10の右端寄り)部分にのみ雌ねじ部60が形成され、他の部分は単なる通孔となっている。また、図10に示す組み付け状態において、アウタコラム18aの1対の側板部30のうち、結合固定部36aのねじ孔59と整合するそれぞれの位置に、幅方向に貫通した通孔61が形成されている。
本例の場合も、実施の形態の第1例と同様に、結合固定部36aの1対のスリット37の内側に、アウタコラム18aの側板部30の前端部を、これらのスリット37の下端開口を通じて挿入している。また、この状態で、結合固定部36aのねじ孔59と側板部30の通孔61とを、幅方向一方(図10の左側)から他方(図10の右側)に挿通したボルト62の雄ねじ部63を、結合固定部36aのねじ孔59の雌ねじ部60に螺合し、さらに締め付けている。このようにして、ボルト62の頭部64と雄ねじ部63との間で、結合固定部36aのうち、スリット37よりも幅方向外側部分を、幅方向内側に縮めるように締め付けている。
なお、本例の場合も、追加的に、アウタコラム18aの底板部31の前端部の幅方向中央部に設けた通孔38(図5参照)に挿通した結合用ボルト39を、結合固定部36の下面の幅方向中央部に設けたねじ孔40に螺合し、さらに締め付けることにより、結合固定部36とアウタコラム18aの前端部とを結合固定する構造を適用する。また、スリット37の内側に側板部30の前端部を圧入可能とするため、実施の形態の第1例と同様に、図6に詳示するような構成を採用している。その他の部分の構成および作用は、実施の形態の第1例の場合と同様である
本例の場合、ボルト62により、結合固定部材36aのスリット37よりも幅方向外側部分を、幅方向内側(側板部30側)に縮めるように締め付けている。このため、このスリット37の内側面と、側板部30の幅方向両側面との当接面の面圧が上昇して、アウタコラム18aと、結合固定部材36との結合部の剛性を向上させることができる。また、ボルト62により結合固定部16とアウタコラム18aとを結合固定しているため、二次衝突時に運転者の身体がステアリングホイール1(図11参照)に衝突して、ステアリング装置全体が、拡縮機構29を中心として、前側が下方に、後側が上方に(図3における反時計方向に)回転した場合でも、アウタコラム18aの側板部30が、スリット37から抜け出ることが効果的に防止される。
上述した本発明の実施の形態では、ステアリングホイールの上下位置の調節を可能とするためのチルト機構と、ステアリングホイールの前後位置の調節を可能とするためのテレスコピック機構との、両方の機構を備えた構造に、本発明を適用している。ただし、本発明は、これらの機構のうちのいずれか一方の機構のみを備えた構造にも適用することが可能である。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10、10a 電動式パワーステアリング装置
11、11a ハウジング
12 車体
13 横軸
14、14a 電動モータ
15、15a インナシャフト
16、16a アウタシャフト
17、17a インナコラム
18、18a アウタコラム
19、19a 車体側ブラケット
20、20a、20b 挟持板部
21、21a コラム側ブラケット
22、22a、22b 上下方向長孔
23、23a 前後方向長孔
24、24a 調節杆
25、25a 頭部
26 調節ナット
27、27a 調節レバー
28 エネルギ吸収部材
29 拡縮機構
30 側板部
31 底板部
32 抑えブロック
33 軸受
34 減速機
35 支持管
36、36a 結合固定部
37 スリット
38 通孔
39 結合用ボルト
40 ねじ孔
41 突起
42 天板部
43 取付板部
44 取付部材
45 カム装置
46 通孔
47 スラスト滑り軸受
48 ナット
49 駆動側カム
50 被駆動側カム
51a、51b スペーサ
52 ラジアル滑り軸受
53 揺動腕
54 雄側ギヤ
55 雌側ギヤ
56 復位ばね
57 曲げ起こし部
58 突条
59 ねじ孔
60 雌ねじ部
61 通孔
62 ボルト
63 雄ねじ部
64 頭部

Claims (7)

  1. 互いに対向する左右1対の側板部と、これらの側板部の下端縁同士を連結する底板部とを備え、上端が開口したU字形に構成された前端部を有するとともに、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、
    下端面および後端面に開口を有し、前記ステアリングコラムの前端部の側板部をそれぞれ下方から受け入れる、左右1対のスリットが設けられている結合固定部を後部に有するとともに、車体に支持される電動式パワーステアリング装置のハウジングと、
    前記ステアリングコラムの中間部を左右両側から挟む位置に配置され、互いの下端縁同士の間部分を開放させた1対の挟持板部を有するとともに、車体に支持される車体側ブラケットと、
    前記挟持板部の互いに整合する位置に形成した通孔を左右方向に挿通した杆状部材と、この杆状部材の両端部に設けられた1対の押圧部とを備え、これらの押圧部を前記杆状部材の軸方向に遠近動させることにより、前記挟持板部同士の間隔を変化させ、この間隔の収縮時に、これらの挟持板部に対して前記ステアリングコラムを固定する拡縮機構と、
    を備え、
    前記結合固定部のスリットに、前記前端部の側板部を挿入した状態で、前記前端部と前記結合固定部とが、ボルトにより結合固定されている、自動車用ステアリング装置。
  2. 前記結合固定部のスリットおよび前記前端部の側板部のうちの、少なくとも一方の側面に、突出部が設けられており、前記結合固定部のスリットに前記前端部の側板部を挿入した状態で、この突出部が、前記一方の側面に対向する相手面に弾性的に接触する、請求項1に記載した自動車用ステアリング装置。
  3. 前記結合固定部のうちで前記スリット同士の間に挟まれた部分に、前記下端面に開口するねじ孔が設けられており、前記前端部の底板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔が設けられており、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記底板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトが前記ねじ孔に螺合している、請求項1に記載した自動車用ステアリング装置。
  4. 前記結合固定部の上端寄り部分に、前記スリットを介して左右方向に貫通するねじ孔が設けられており、前記前端部の側板部のうちで前記ねじ孔に整合する位置に通孔がそれぞれ設けられており、前記結合固定部の下端面に、前記前端部の底板部の上面を当接させ、かつ、前記ボルトが前記側板部の通孔に挿通した状態で、前記ボルトが前記ねじ孔に螺合している、請求項1に記載した自動車用ステアリング装置。
  5. 前記ハウジングは、車体に対し、左右方向に配設された横軸を中心とする揺動変位を可能に支持されるものであり、前記挟持板部の通孔はそれぞれ、前記横軸を中心とする円弧状の上下方向長孔であり、前記ステアリングコラムの中間部には、前記上下方向長孔に整合する位置に通孔が設けられており、前記杆状部材は、前記ハウジングの上下方向長孔、および、前記ステアリングコラムの通孔を挿通しており、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部に対する前記ステアリングコラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記上下方向長孔内を変位できる範囲で、前記ステアリングコラムの上下位置を調節可能としている、請求項1に記載した自動車用ステアリング装置。
  6. 前記ステアリングコラムは、前側に配置される前側コラムと、この前側コラムに対して軸方向の相対変位を可能に組み合わされ、後側に配置される後側コラムとにより構成されており、この前側コラムに前記前端部が設けられ、かつ、この前側コラムの後部には、前記挟持板部の通孔と整合する位置に通孔が設けられており、前記後側コラムには、前記挟持板部の通孔および前記前側コラムの通孔と整合する位置に、この後側コラムの軸方向に長い前後方向長孔が設けられており、前記杆状部材は、前記挟持板部の通孔、前記前側コラムの通孔、および、前記後側コラムの前後方向長孔を挿通しており、前記拡縮機構により前記挟持板部同士の間隔を拡大することによって、これらの挟持板部および前記前側コラムに対する前記後側コラムの固定状態を解除した場合に、前記杆状部材が前記前後方向長孔内を変位できる範囲で、前記後側コラムの前後位置を調節可能としている、請求項1に記載した自動車用ステアリング装置。
  7. 前記前側コラムがアウタコラムであり、このアウタコラムの全体が、前記側板部と前記底板部とにより、上端が開口したU字形に構成されており、前記後側コラムがインナコラムであり、このインナコラムの前部が前記アウタコラムの後部に内嵌されており、前記拡縮機構は、前記挟持板部同士の間隔を変化させて、前記アウタコラムの後部の内寸を拡縮し、この内寸の収縮時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を抑え、この内寸の拡大時にこのアウタコラムに対する前記インナコラムの軸方向変位を可能とするものである、請求項6に記載した自動車用ステアリング装置。
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