JPWO2012115144A1 - 水中油型乳化物、水中油型気泡含有乳化物および酵素分解乳タンパク混合物 - Google Patents
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Abstract
Description
酸性のホイップクリームやホイップドクリームで乳タンパクを含む例はいくつか報告されている。しかしながら、乳タンパクとしてはカゼインを含むと不都合であったり(特許文献1および2)、カゼインとホエーの比が規定されている上に、様々な配合を行わなくては目的物が製造できなかったりすることが述べられている(特許文献3)。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上。
本発明はまた、乳タンパクおよびプロテアーゼを用いて製造された酵素分解乳タンパク混合物であって、MALDI−TOF MASS分析において、以下の(1)及び/または(2)を満たすことを特徴とする、酵素分解乳タンパク混合物並びにこれを用いて製造された水中油型乳化物および水中油型気泡含有乳化物に存する。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上。
本発明の、水中油型乳化物は、乳タンパク、油脂、乳化剤およびプロテアーゼを用いて製造された水中油型乳化物であって、MALDI−TOF MASS分析において、以下の(1)および/または(2)を満たすことを特徴とする。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上。
本発明の、水中油型乳化物は、上記(1)および/または(2)に加えて(3)も満たすことが好ましい。
(3)1717−1718(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.55以上
水中油型乳化物の具体例としては、ホイップクリーム、コーヒークリーム、濃縮乳、アイスクリームなどが挙げられる。
本発明の水中油型乳化物であるホイップクリームは、乳タンパク、油脂、乳化剤およびプロテアーゼを用いて製造されるものである。原材料としては、乳タンパク、油脂、乳化剤およびプロテアーゼの他、水などを使用する。
油脂は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。油脂の水中油型乳化物への配合量は特に制限されないが、適度な気泡の保持率と適度な硬度を有する水中油型気泡含有乳化物を得るためには、通常1〜90重量%、好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。
乳タンパクの配合量は特に限定されないが、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%である。
尚、プロテアーゼの添加のタイミングは任意であり、すでに出来上がっているホイップクリームに添加してもよいし、ホイップクリームを作製する際に添加してもよい。なお、プロテアーゼは水相、油相のいずれに存在してもよいが、それ自体が水溶性であるため、通常は水相に存在する。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、好ましくは0.30以上、さらに好ましくは0.40以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上、好ましくは0.20以上、さらに好ましくは0.25以上。
苦味が低減しかつ乳風味が保持されているホイップクリームおよび/あるいはホイップドクリームを作製するには(1)および(2)のいずれかまたは両方を満たせばよいが、少なくとも(1)を満たすことが好ましく、(1)と(2)を満たすことがより好ましく、さらに、(1)および/または(2)に加えて(3)を満たすことが好ましく、(1)〜(3)の全てを満たすことがさらに好ましい。
(3)1717−1718(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.55以上、好ましくは0.75以上、さらに好ましくは1.00以上。
このようなホイップクリームを作製するための特異なプロテアーゼを選択するためには、ホイップクリームをプロテアーゼにより加水分解した際に生成する、ペプチドを解析する方法に拠る。
ここで酵素分解乳タンパク混合物とは、乳タンパクをプロテアーゼで分解して得られる乳タンパクの分解物を含むものである。乳タンパクとしては、上記水中油型乳化物に使用するものと同様のものが挙げられる。例えば、脱脂粉乳をプロテアーゼで処理することにより、乳タンパクが分解された脱脂粉乳(酵素分解乳タンパク混合物)を得ることができる。 この場合も、酵素分解乳タンパク混合物が、MALDI−TOF MASS分析において、以下の(1)及び/または(2)を満たすように、乳タンパクを前記プロテアーゼを用いて分解する。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上。
また、(1)および/または(2)に加えて(3)を満たすことが好ましく、(1)および(2)を満たすことがより好ましく、(1)〜(3)の全てを満たすことがさらに好ましい。
(3)1717−1718(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.55以上。
これら(1)〜(3)の比の好ましい範囲は上記水中油型乳化物におけるものと同様である。
本発明の酵素分解乳タンパク混合物は、上記本発明の水中油型乳化物と同様に、酵素として特異なプロテアーゼを用いることや、反応温度や反応時間を調整することにより製造することができる。プロテアーゼの具体例や配合量、その他好ましい条件等は上記水中油型乳化物において記載したものと同様である。尚、酵素分解乳タンパク混合物を製造するに際しては、例えば水などに乳タンパクとプロテアーゼとを懸濁させて酵素反応させる。懸濁液中の乳タンパクの濃度としては例えば、0.1重量%〜90重量%、好ましくは3重量%〜70重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%の範囲である。また、懸濁液に添加するプロテアーゼ量は脱脂粉乳1gあたり、通常0.00001ユニット〜10,000ユニット、好ましくは0.0001ユニット〜1,000ユニット、より好ましくは0.001ユニット〜100ユニットである。酵素濃度が低すぎると長時間反応を要し、微生物汚染の原因になる可能性がある。
なお本発明において1ユニットとは、下記のように定義される。
すなわち、カゼイン(カルビオケム社製)1.20gに0.05Mリン酸二ナトリウム溶液(和光純薬社製)160mlを加え、40℃加温して完全に溶解したのち、常温まで戻し、1N塩酸にてpH6に調整し、全量を200mlとする。カゼイン溶液5mlを一定温度で5分間加温したのち、適宜に希釈した酵素溶液1mlを加え攪拌後、同温度で10分間反応させた。この混合液に除蛋白試薬として7.2w/v%トリクロロ酢酸溶液(和光純薬社製)1mlを加えて、30分間放置し、生じた沈殿をNo.6濾紙(アドバンテック東洋社製)にて濾過する。分光光度計にて275nmの吸光度を測定し、酵素力価を算出する。1分間にチロシン1mg相当の波長275nm吸収物質を除蛋白試薬可溶性か区分に遊離せしめる酵素活性を1ユニットと定義する。
酵素反応終了時は、加熱による酵素の失活を行い、失活工程を経た脱脂粉乳懸濁液は、凍結乾燥により乾燥を行うことが好ましい。
本発明のホイップドクリームは、上記ホイップクリームに空気などのガスを含有させることにより作製される。本発明のホイップドクリームの特徴としては、中性でも酸性でもホイップドクリームが作製可能であることが挙げられる。
ホイップドクリームを酸性にする場合、酸性成分の添加時期は任意に決めることができ、上記のようにホイップクリーム自体を酸性にしてもよいし、中性でホイップしたのち酸性成分を添加することもできる。本発明のホイップドクリームを酸性にするための酸味成分としては、上記本発明のホイップクリームを酸性にするための酸味成分として例示したものと同様である。
得られるホイップドクリームの前記のような良好なホイップ状態が達成され、かかるホイップ状態は通常30秒以上、好ましくは1分以上保持される。
本発明に係るホイップドクリームの製造方法は、油相とプロテアーゼを含む水相との混合工程、予備乳化工程、均質化工程、エージング工程、ホイッピング工程を順次に包含し、そして予備乳化工程とエージング工程との間の任意の位置にプロテアーゼの加熱失活工程を含むことを特徴とする。エージング工程、ホイッピング工程は、ホイップドクリームの従来の製造法における各工程と同様に行うことができる。
プロテアーゼとして、コクラーゼ・P(登録商標、三菱化学フーズ社製)およびプロテアーゼP「アマノ」3SD(天野エンザイム社製)の酵素力価について測定をおこなった。すなわち、カゼイン(カルビオケム社製)1.20gに0.05Mリン酸二ナトリウム溶液(和光純薬社製)160mlを加え、40℃に加温して完全に溶解したのち、常温まで戻し、1N塩酸にてpH6に調整し、全量を200mlとした。カゼイン溶液5mlを55℃、10分間加温したのち、適宜に希釈した酵素溶液1mlを加え攪拌後、55℃で30分間反応させた。この混合液に除蛋白試薬として7.2w/v%トリクロロ酢酸溶液(和光純薬社製)1mlを加えて、30分間放置し、生じた沈殿をNo.6濾紙(アドバンテック東洋社製)にて濾過した。分光光度計にて275nmの吸光度を測定し、酵素力価を算出した。1分間にチロシン1mg相当の波長275nm吸収物質を除蛋白試薬可溶性画分に遊離せしめる酵素活性を1Uと定義した。
コクラーゼ・Pは130,000U/g、プロテアーゼPは340,000U/gであった。
市販の植物油脂ホイップクリーム(メグミルク社製)200gを予め55℃に温め、水に溶解したコクラーゼ・Pを13.1mgあるいはプロテアーゼP「アマノ」3SDを5mg添加し30分間攪拌した。酵素添加量は実施例1の測定結果に基づき、添加酵素量は1,700Uになるように調整した。本混合物を電子レンジで内温90℃に到達するまで加熱し、酵素の失活をおこなった。加熱後氷冷水で急冷し、冷蔵保存した。
実施例2で作製したサンプルを6名のパネラーで評価した。評価方法は、1.コクラーゼ・P使用、2.プロテアーゼP「アマノ」3SD使用の2つを同時に試食し、苦味と乳風味の強さを順位付けした。評価時期は、口に含んだ瞬間(先味)、口中で味わう(中味)、飲み込んだ後の味(後味)の3点とした。結果を表1にまとめた。
実施例2で作製したサンプル約1mgに、0.05%トリフルオロ酢酸溶液1mlを加えて攪拌希釈したのち、上清を限外濾過カートリッジMicrocon YM−10(ミリポア社製)に通した。さらにZipTipC18(ミリポア社製)にて脱塩し、分子量400−7,000の間をMALDI−TOF MASSにて分析した。
イオン化法 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
レーザー 窒素レーザー(337nm)
検出イオン 正イオン検出
マトリックス α−シアノ桂皮酸
プロテアーゼを使用しないホイップクリームは、400−7,000の間にピークは見られなかった。2つのプロテアーゼの間で、特に差異が顕著であったピーク値部分を表2に示す。
実施例2で作製したプロテアーゼ処理ホイップクリームを一晩エージング後、ホイップドクリームとし、硬さと起泡性の評価をおこなった。
得られたホイップクリームのうち200重量%を氷水で冷やしたボウルに入れ、砂糖(上白糖)30重量%を加えた後、10%クエン酸水溶液をpH4.0になるまで添加した。その後、ケンミックスミキサー(愛工舎製作所社製、アイコープロKM−600型)にて412rpm、20℃でホイッピングしてホイップドクリームを得た。目視観察にてホイップ性が良好となった時点でミキサーを停止し、得られたホイップドクリームのオーバーラン値および硬さを前述の方法で測定し、その結果を表4に示した。
[中性ホイップドクリームの製造および評価]
実施例6で得られたホイップクリーム100重量%に砂糖(上白糖)15重量%を加えた後、ケンミックスミキサー(愛工舎製作所社製、アイコープロKM−600型)にて400rpm、20℃でホイップして水中油型気泡含有乳化物(ホイップドクリーム)を得た。ホイップ中にミキサーを一時停止してサンプリングを行い、ホイップを再開する操作を繰り返し、最長15分間ホイップした。なお、ミキサーを一時停止してサンプリングを行い、オーバーランを測定した後は、サンプリングしたホイップドクリームをミキサーに戻してホイップを再開する操作を繰り返した。
実施例6で得られたホイップクリーム100重量%に砂糖(上白糖)15重量%を加えた後、10重量%クエン酸水溶液をホイップする前の水中油型乳化物にpH4になるまで添加した後、中性ホイップクリームの製造と同様にしてホイップし、ホイップドクリームを得た。この方法で得たものを酸性ホイップドクリームとした。最もホイップ状態が良好であった時点でのオーバーラン値および硬さを表6に示した。なお、少なくともホイップ時間4.0〜7.5分の間は良好なホイップ状態を維持していた。
プロテアーゼによる分解をおこなっていないホイップクリームを用いて同様に酸性にしたところ、タンパクが凝集してしまい、離水し、酸性ホイップドクリームとすることができなかった。
温度・処理時間を変えたホイップクリームのプロテアーゼ処理
市販の植物油脂ホイップクリーム(メグミルク社製)200gを予め所定の温度(T1)に温め、プロテアーゼとして、水に溶解したコクラーゼAT(三菱化学フーズ社製)を13.1mg添加し、所定の時間(M1)撹拌した。尚、温度T1及び時間M1は表7に記載のとおりとした。
撹拌後、この混合物を電子レンジで内温90℃に到達するまで加熱し、酵素の失活を行った。加熱後、氷冷水で急冷し冷蔵保存し、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。
このホイップクリームについて、実施例2と同様の方法にてMALDI−TOF MASS分析を行った。この分析結果から、(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比、及び(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比を算出した結果を表7に示す。
また、このホイップクリームについて、以下の通りの評価を行った。結果を表7に示す。
プロテアーゼ処理したホイップクリームをについて、3名のパネラーで評価した。評価方法は苦味と乳風味について行い、「苦味を感じ、且つ乳風味が薄い。」ものをC、「苦味を後味にわずかに感じ、乳風味がわずかに薄い。」ものをB、「苦味は殆ど感じない。乳風味がわずかに薄い。」ものをA、「苦味は感じない。乳風味がある。」ものをAAとした。
プロテアーゼ処理したホイップクリームに、酸として10%クエン酸水溶液を添加しpH4.0±0.2としたものを粘度計(BLOOK FIELD社製、DV-II+pro型粘度計)にて粘度の測定を行った。酸添加時の粘度が100,000cp以上となったものについては、耐酸性不良C、同じく10,000cp以上となったものについては耐酸性普通B、10,000cp未満は耐酸性良好Aとした。
プロテアーゼとして、コクラーゼ・P(三菱化学フーズ社製)を用い、温度T1及び時間M1は表7に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表7に示す。
プロテアーゼとして、プロテアーゼM「アマノ」SD(天野エンザイム社製)を用い、温度T1及び時間M1は表7に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表7に示す。
(実施例14)
プロテアーゼとして、プロテアーゼA「アマノ」SD(天野エンザイム社製)を用い、温度T1及び時間M1は表7に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表7に示す。
プロテアーゼとして、プロテアーゼP「アマノ」3SD(天野エンザイム社製)を用い、温度T1及び時間M1は表7に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表7に示す。
プロテアーゼとして、プロテアーゼA「アマノ」SD(天野エンザイム社製)を用い、温度T1及び時間M1は表8に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表8に示す。
プロテアーゼとして、プロテアーゼP「アマノ」3SD(天野エンザイム社製)を用い、温度T1及び時間M1は表8に記載のとおりとした以外は、実施例8〜10と同様にして、プロテアーゼ処理したホイップクリームを得た。また、このホイップクリームについて、実施例8〜10と同様にして、分析、評価を行った結果を表8に示す。
脱脂粉乳(よつ葉乳業社製)10部を55℃に加熱した脱塩水90部によく分散させた。これにコクラーゼAT(三菱化学フーズ社製)を0.025部添加し、表9に記載の処理温度および時間にて撹拌混合した。得られた脱脂粉乳溶液を内温が89℃±2℃に達するまで電子レンジで加熱処理した後、凍結乾燥し、酵素処理脱脂粉乳(酵素分解乳タンパク混合物)を得た。
イオン化法 マトリックス支援レーザー脱離イオン化
レーザー 窒素レーザー(337nm)
検出イオン 正イオン検出
マトリックス α−シアノ桂皮酸
油相と水相とをTKホモミキサー(特殊機化社製)にて混合した後、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V.GAULIN社製)にて70℃、1段目80kg/cm2、2段目20kg/cm2の条件でホモジナイズ(均質化)し、直ちに氷水にて5℃に冷却し、約18時間エージングして、ホイップクリームを得た。このときの乳化粒子のメディアン径をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−950)にて測定したところ、概ね1〜10μmであった。
ホイップクリーム100重量%に砂糖(上白糖)15重量%を加えた後、10重量%クエン酸水溶液をホイップする前のホイップクリームにpH4になるまで添加し、これについて、B型粘度計(BLOOKFIELD社製、DV-II)を用いて粘度を測定した。また、実施例8〜10と同様にして<味/官能検査>を行った。結果を表13に示す。本発明の酵素分解タンパク混合物を用いて製造したホイップクリームは、酸性下においても粘度が10,000cp以下と低く、耐酸性を有することがわかった。
プロテアーゼを用いて撹拌混合しなかった以外は、実施例17と同様にして、加熱処理温度を表10の通りとして、(酵素未処理)脱脂粉乳を得た。
このサンプルは、分子量400−7,000の間にピークは見られなかった。MALDI−TOF MASSのチャートを図3に示す。
酵素分解タンパク混合物に代えて、脱脂粉乳(よつ葉乳業社製)を用いた以外は、実施例17と同様にして、ホイップクリームを得た(表12)。乳化粒子のメディアン径は概ね1〜10μmであった。また、粘度を測定した結果を表13に示す。本発明の酵素分解タンパク混合物を用いて製造したホイップクリームに比べ、酸性下における粘度が高かった。
(比較例6)
プロテアーゼ(コクラーゼAT)による処理温度を55℃、処理時間を300分とした以外は実施例17と同様にしてホイップクリームを得た。ピーク強度比を表11に粘度および味の評価を行った結果を表13に示す。
実施例17で得られたホイップクリーム100重量%(実施例17-a〜17-eを用いた各々)に砂糖(上白糖)15重量%を加えた後、10重量%クエン酸水溶液をホイップする前のホイップクリームにpH4になるまで添加し、これについてケンミックスミキサー(愛工舎製作所社製、アイコープロKM−600型)にて400rpm、20℃でホイップしてホイップドクリームを得た。
ホイップ中にミキサーを一時停止してサンプリングを行い、ホイップを再開する操作を繰り返し、最長15分間ホイップした。なお、ミキサーを一時停止してサンプリングを行い、オーバーランを測定した後は、サンプリングしたホイップドクリームをミキサーに戻してホイップを再開する操作を繰り返した。ホイップし、ホイップドクリームを得た。この方法で得たものを酸性ホイップドクリームとした。最もホイップ状態が良好であった時点でのオーバーラン値および硬さを表14に示した。いずれのクリームも酸性下で良好なホイップ状態をホイップ時間1分以上維持していた。
比較例5で得られた脱脂粉乳を用いてホイップクリームを作製し、実施例18と同様に酸性にしたところ、油脂が分離してしまうと同時にタンパクが凝集してしまい、酸性ホイップドクリームとすることができなかった。
Claims (18)
- 乳タンパク、油脂、乳化剤およびプロテアーゼを用いて製造された水中油型乳化物であって、
MALDI−TOF MASS分析において、以下の(1)及び/または(2)を満たすことを特徴とする、水中油型乳化物。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上 - さらに、下記(3)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の水中油型乳化物。
(3)1717−1718(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.55以上 - プロテアーゼがエンド型プロテアーゼを含む、請求項1または2に記載の水中油型乳化物。
- プロテアーゼが糸状菌由来である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中油型乳化物。
- 乳タンパクとして、脱脂粉乳を使用して製造された請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中油型乳化物。
- さらに、酸性成分を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水中油型乳化物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水中油型乳化物からなる、ホイップクリーム。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水中油型乳化物を用いて製造された、水中油型気泡含有乳化物。
- 請求項8に記載の水中油型気泡含有乳化物からなる、ホイップドクリーム。
- 乳タンパクおよびプロテアーゼを用いて製造された酵素分解乳タンパク混合物であって、
MALDI−TOF MASS分析において、以下の(1)及び/または(2)を満たすことを特徴とする、酵素分解乳タンパク混合物。
(1)1993−1994(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.21以上、
(2)2106−2107(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.15以上 - さらに、下記(3)を満たすことを特徴とする、請求項10に記載の酵素分解乳タンパク混合物。
(3)1717−1718(m/z)のピーク強度の、1880−1881(m/z)のピーク強度に対する比が0.55以上 - プロテアーゼがエンド型プロテアーゼを含む、請求項10または11に記載の酵素分解乳タンパク混合物。
- プロテアーゼが糸状菌由来である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の酵素分解乳タンパク混合物。
- 請求項10〜13のいずれか一項に記載の酵素分解乳タンパク混合物を用いて製造された水中油型乳化物。
- さらに、酸性成分を含有する、請求項14に記載の水中油型乳化物。
- 請求項14または15に記載の水中油型乳化物からなる、ホイップクリーム。
- 請求項14または15に記載の水中油型乳化物を用いて製造された、水中油型気泡含有乳化物。
- 請求項17に記載の水中油型気泡含有乳化物からなる、ホイップドクリーム。
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