JPWO2012115138A1 - 窪み付き鋼管及び複合杭 - Google Patents

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Abstract

本発明は、外周面に複数の窪み部が鋼管軸方向に沿って列をなすように形成された窪み付き鋼管であって、前記各窪み部それぞれの内部に、これら窪み部の底面よりさらに深く凹むとともに前記鋼管軸方向に沿う柱状凹部が形成され、前記各窪み部内における平均ビッカース硬度HAと、前記鋼管軸方向に互いに隣接するこれら窪み部の間部分におけるビッカース硬度HBとの比が、0.95≦HA/HB≦1.05を満たし、前記外周面に熱間スケール肌が付与されている窪み付き鋼管を提供する。

Description

本発明は、土木建築構造物を構築する場合に用いられる窪み付き鋼管及び複合杭に関する。
本願は、2011年2月22日に、日本に出願された特願2011−035535号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
土木建築構造物の基礎として用いられる杭の支持力は、先端支持力と周面摩擦力とにより発揮される。先端支持力は、強固な地盤に根入れすることで大きな支持力を発揮する杭先端部での支圧抵抗である。周面摩擦力は、杭と地盤との間に生じる摩擦力により発現される。一般に、鋼管杭と地盤との周面摩擦力は小さい。
このため、高い支持力を発揮させるためには、強固な支持層まで支持杭を到達させる方法、もしくは長尺または大径の杭を用いることで周面の摩擦面積を増大させる方法が用いられる。従って、軟弱な地盤もしくは支持層が深い場合には杭が大型化するため不経済な設計となってしまう。
そこで、強固な支持層まで到達させるような構成や、鋼管を必要以上に長尺または大径にせずに済む窪み付き鋼管および複合杭が、例えば特許文献1に開示されている。この窪み付き鋼管および複合杭は、鋼管に窪みを付けることで、地盤や固化部材(コンクリート、セメント、ソイルセメント等)に対する付着力を増大させて一体化し、大きな支持力を発揮させる。
また、例えば特許文献2には、岩盤等を固結させるために、岩盤等に設けられた孔に、凹部が形成された鋼管を挿入し、鋼管を膨張させる技術が開示されている。
日本国特開2008−175055号公報 日本国特開2003−245714号公報
上記特許文献1に記載の鋼管および複合杭においては、窪みにより固化部材に対する十分な付着力が確保される。
しかしながら、鋼管周面に設けられた窪みによって、鋼管自身の圧縮強度が低下してしまう恐れがあった。即ち、複合杭の強度は鋼管の強度と固化部材などの地盤改良部の強度とを足し合わせて評価されるため、鋼管自身の圧縮強度の低下により、複合杭の支持力が十分に発揮されないことが懸念された。
また、上記特許文献2に記載の技術は、岩盤等に挿入した鋼管を膨張させることでその岩盤と鋼管を密着させる技術であって、鋼管と地盤、固化部材等との摩擦力の増加は見込める。
しかしながら、最終的な鋼管の形状はコントロールできず、引き抜き荷重は増大するものの、杭で重要な圧縮荷重の増大を保証するものではない。
そこで、上記事情に鑑み、本発明の目的は、固化部材等に対する付着力を増大させつつ鋼管自身の強度低下を抑制することにより、優れた付着力と圧縮強度とを発揮出来る窪み付き鋼管を提供すること、及び、この窪み付き鋼管を用いて、十分な支持力が確保される複合杭を提供することにある。
上記目的を達成するために成された本発明の態様は下記の通りである。
(1)本発明の第一の態様は、外周面に複数の窪み部が鋼管軸方向に沿って列をなすように形成された窪み付き鋼管であって、前記各窪み部それぞれの内部に、これら窪み部の底面よりさらに深く凹むとともに前記鋼管軸方向に沿う柱状凹部が形成され、前記各窪み部内における平均ビッカース硬度Hと、前記鋼管軸方向に互いに隣接するこれら窪み部の間部分におけるビッカース硬度Hとの比が、0.95≦H/H≦1.05を満たし;前記外周面に熱間スケール肌が付与されている、窪み付き鋼管である。
(2)上記(1)に記載の窪み付き鋼管では、前記鋼管軸に沿ったいずれの位置においても、この窪み付き鋼管の全周長に占める前記各窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が、50%以下であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の窪み付き鋼管では、前記窪み部の列が4列以上、並列して形成されてもよい。
(4)上記(3)に記載の窪み付き鋼管では、前記窪み部の列のうち、周方向に隣接する窪み部の列同士が互いに鋼管軸方向に位相差を有して形成され;前記位相差が、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部の中心間距離の1/8以上かつ1/2以下であってもよい。
(5)上記(1)又は(2)に記載の窪み付き鋼管では、前記窪み部の列が6列以上、並列して形成されてもよい。
(6)上記(5)に記載の窪み付き鋼管では、前記窪み部の列のうち、周方向に隣接する窪み部の列同士が互いに鋼管軸方向に位相差を有して形成され;前記位相差が、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部の中心間距離の1/8以上かつ1/2以下であってもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管では、前記各窪み部が、前記鋼管軸方向に平行な長軸を有する楕円形状を有してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管では、前記各窪み部が、表面に突起部を有する鋼管造形用ロールを用いた熱間ロール成形によって形成されてもよい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管では、前記熱間スケール肌の上に、めっき層及び樹脂層の少なくとも1種が形成されてもよい。
(10)本発明の第二の態様は、固化部材の中に上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管を埋め込み一体化させた複合杭である。
上記(1)に記載の発明によれば、鋼管の外周面に複数の窪み部が鋼管軸方向に沿って列をなすように形成されることにより、鋼管の外周面に付着する固化部材の付着面積が増加する。従って、固化部材に対する付着力を増大させることが出来る。更に、窪み部の内部には柱状凹部が形成されることにより、鋼管の外周面に付着する固化部材の付着面積が増加し、且つ、柱状凹部に入り込んだ固化部材と周囲の固化部材との間の界面での摩擦力あるいはせん断力が発揮され、柱状凹部がずれ止めとして機能するため、さらに付着力を向上させることができる。従って、鋼管自体の圧縮強度を高く保ちながら、固化部材に対する付着力を向上させることが出来る。更に、窪み付き鋼管において硬度が急激に上昇する箇所が存在する場合、靭性又は延性が劣化する当該箇所から発生するクラックを起点として破壊が進展しやすいことから圧縮強度を低下させてしまう虞があるが、0.95≦H/H≦1.05を満たすようにHとHが設定されることにより、このような圧縮強度の低下を回避することが出来る。即ち、鋼管全体における硬度が均一であることにより、優れた圧縮強度を実現することが出来る。更に、窪み部と柱状凹部とが付与された窪み付き鋼管の表面に熱間スケール肌を付与することにより、固化部材に対する付着力を相乗的に増大させることが出来る。
上記(2)に記載の構成によれば、鋼管軸に沿ったいずれの位置においても、窪み付き鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が50%以下となることにより、鋼管軸方向の特定位置において集中的に窪み部が形成されることを回避することができる。鋼管軸方向の特定位置において、鋼管周方向に多数の窪み部が集中的に形成される場合には、この部位からの座屈が発生しやすくなってしまうが、この構成によればこのような座屈の発生を回避することが出来る。従って、窪み部形成による圧縮強度の低減を確実に抑えることが出来るため、優れた付着力及び圧縮強度を発揮することが出来る。
上記(3)に記載の構成によれば、窪み部の列が4列以上、並列して形成されるため、優れた付着力及び圧縮強度を鋼管周方向において均等に得ることが出来る。
上記(4)に記載の構成によれば、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が、互いに1/8以上1/2以下の位相差を有するように形成されるため、鋼管軸方向の特定位置において集中的に窪み部が形成されることを回避することが出来る。従って、優れた付着力及び圧縮強度を確実に得ることが出来る。
上記(5)に記載の構成によれば、窪み部の列が6列以上、並列して形成されるため、優れた付着力及び圧縮強度を鋼管周方向において均等に得ることが出来る。
上記(6)に記載の構成によれば、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が、互いに1/8以上1/2以下の位相差を有するように形成されるため、鋼管軸方向の特定位置において集中的に窪み部が形成されることを回避することが出来る。従って、優れた付着力及び圧縮強度を確実に得ることが出来る。
上記(7)に記載の構成によれば、窪み部が、鋼管軸方向に平行な長軸を有する楕円形状を有するため、鉛直方向にかかる荷重に対する支持力を増大することが出来る。
上記(8)に記載の構成によれば、窪み部が、表面に突起部を有する鋼管造形用ロールを用いた熱間ロール成形によって形成されるため、鋼管軸方向に沿って所定の間隔で窪み部を形成することが出来る。また、鋼管の表面に均質な熱間スケール肌を付与することが出来る。従って、固化部材に対する付着力と圧縮強度の向上効果を確実に得ることが出来る。
尚、本発明の効果は、上記(9)に記載の構成のようにめっき層や樹脂層を付与した場合であっても損なわれない。
また、上記(10)に記載の構成のように、固化部材の中に上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管を埋め込み一体化させて複合杭とすることで、固化部材との付着力を増大させつつ、鋼管自身の強度低下を抑制することにより十分な支持力が確保される複合杭が提供される。
本発明の第1実施形態にかかる窪み付き鋼管1の部分正面図である。 図1AのA−A線に沿って得られる断面図である。 図1AのA−A線に沿って得られる断面図である。 図1Bのa部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る窪み付き鋼管2の部分正面図である。 図2AのB−B線に沿って得られる断面図である。 本発明の第3実施形態に係る窪み付き鋼管3の部分正面図である。 図3AのC−C線に沿って得られる断面図である。 本発明の第4実施形態に係る窪み付き鋼管4の部分正面図である。 図4AのD−D線に沿って得られる断面図である。 本発明の第5実施形態に係る窪み付き鋼管5の部分正面図である。 図5AのE−E線に沿って得られる断面図である。 本発明の第6実施形態に係る複合杭の断面図である。 図6AのF−F線に沿って得られる断面図である。 鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合を変化させた場合の窪み付き鋼管の圧縮強度を示すグラフである。 3種類の複合杭の付着強度を計測した計測結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
(第1実施形態)
以下、図1A〜図1Dを参照して、本発明の第1実施形態に係る窪み付き鋼管1について説明する。
図1Aは、本発明の第1実施形態に係る窪み付き鋼管1の部分正面図である。窪み付き鋼管1は鋼管軸方向に所定の長さだけ伸長しているが、図1Aでは説明のためその一部を図示している。
図1Aに示すように、本発明の第1実施形態に係る窪み付き鋼管1は、略円筒状の鋼管本体10により構成される。この鋼管本体10の外周面には、複数の窪み部11が形成される。更に、それぞれの窪み部11の中央には柱状凹部12が形成されている。
図1Aに示すように、複数の窪み部11は、鋼管軸方向に沿って所定の間隔を有するように形成されることにより、窪み部の列を構成する。従って、窪み付き鋼管1は、図1B及び図1Cに示すように、窪み部11の鋼管周方向長さが最も大きい鋼管軸方向位置の断面と、窪み部11が形成されていない鋼管軸方向位置の断面とを有する。尚、図1Bは図1AにおけるA−A線に沿って得られる断面図であり、図1Cは図1AにおけるA−A線に沿って得られる断面図である。
本実施形態に係る窪み付き鋼管1は、この窪み部の列を1列のみ有する。窪み部11は、鋼管軸中心方向、即ち、鋼管内側に向けて突出するように形成される。これらの窪み部11が形成されることにより、コンクリート、セメント、ソイルセメントなどの固化部材が窪み部11内に入り込むため、付着力を増大させることが出来る。
窪み部11は、図1Aに示すように鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形に形成されることにより、窪み部11の鋼管周方向長さを小さく保ちながら付着力を増大させる効果を得ることが出来る。楕円形の長径方向が鋼管軸方向に一致している場合には、窪み部11の鋼管周方向長さを最小限に抑えることができることから、窪み部11を形成することによる圧縮強度の低減を最小限に抑えることができる。従って、窪み部11の形状は、鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形であることが望ましい。窪み部11の形状は、円形又は略長方形であってもよい。
また、窪み部11の鋼管周方向長さLは、窪み付き鋼管1の全周長Rの50%以下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下としてもよい。即ち、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管1の全周長Rに占める窪み部11の鋼管周方向長さLの割合が50%以下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下であればよい。この場合、窪み部形成に起因する鋼管自身の強度低下を抑えることが可能となる。
尚、「窪み付き鋼管の全周長Rに占める窪み部の鋼管周方向長さの割合」が最大となる鋼管軸方向位置における下限値は、0%超であれば良いが、必要とされる付着力に応じて、10%以上、又は20%以上としてもよい。
尚、図1Dは図1Bのa部拡大図である。この図1Dに示すように、本明細書における「窪み部の鋼管周方向長さ」とは、窪み部の鋼管周方向の両端の共通接線の接点(P、P)間を結ぶ直線距離Lである。また、「窪み付き鋼管の全周長」とは、窪み部が形成されていない鋼管軸方向の位置(即ち、B−B線)、あるいは、窪み部の形成が最も少ない鋼管軸方向の位置における、鋼管外周面に沿った距離Rである。
以下、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管1の全周長Rに占める窪み部11の鋼管周方向長さL(実施形態2〜5に関しては、特定の鋼管軸方向位置における合計)の割合が50%以下であることが好ましい理由について説明する。
本発明者らが鋭意検討したところ、たとえばソイルセメント柱の中心に窪み付き鋼管を配置した場合、(5%程度の強度低下であれば、)鋼管径の10倍程度のソイルセメント柱と同等の強度を確保することができ、鋼管を配置しないソイルセメント柱(改良体)と比較して、同等の強度を確保する際に窪みつき鋼管を配置した効果により、ソイルセメント柱サイズを1/5まで削減できることが判明した。この柱サイズは、ソイルセメントと鋼管との付着強度から決定されることが多く、鋼管の強度低下が5%以下であっても、鋼管を含めたソイルセメント柱の全体強度への低下はほとんどなく影響は僅少である。強度を確保しつつ柱サイズが小さくなることによって、施工数量が大幅に減少する。柱径が1/5ということは、ソイルセメント柱の体積が1/25に減少することから、資材が大幅に減少するとともに、1日に施工できるソイルセメント柱本数が大幅に増加する。逆に、鋼管の強度低下が5%を大きく超えてくると、柱サイズの増大を招き、この効果が減少していくことが判明した。逆に、鋼管の強度低下が5%を超えると、柱サイズの増大を招き、この効果が減少していくことが判明した。このことから、許容される鋼管強度(特に圧縮強度)の低下率は5%以下であることが分かった。従って、許容される鋼管強度の低下率である5%以下が実現される条件を考慮すると、L/R≦0.5であることが望ましいこととなる。なお、後述の実施例において、鋼管強度の低下率が5%以下となる条件についてグラフを用いて説明する。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管1においては、窪み付き鋼管1の鋼管軸方向の全長M1のうち、窪み部11の鋼管軸方向長さの合計M2が占める割合を50%以下としてもよい。窪み部11の鋼管軸方向長さの合計M2が窪み付き鋼管1の鋼管軸方向の全長M1の50%を超える場合、窪み付き鋼管1の圧縮強度が低下する傾向があるためである。
尚、「窪み部の鋼管軸方向長さ」とは、窪み部の鋼管軸方向の両端の共通接線の接点間の直線距離を意味する。
更に、それぞれの窪み部11の中央には、窪み部11の底面よりさらに深く凹むとともに鋼管軸方向に沿う柱状凹部12が形成される。これらの柱状凹部12に固化部材が更に入り込むことにより、柱状凹部12に入り込んだ固化部材と周囲の固化部材との間の界面での摩擦力あるいはせん断力が発揮され、柱状凹部12がずれ止めとして機能するため、窪み部11における付着力に加えて、さらに付着力を向上させることができる。すなわち、固化部材と鋼管との軸方向への相対移動が制限されること(引っかかり効果)により、付着力を増大させることが出来る。
柱状凹部12の深さHは、窪み付き鋼管1の外径をDとした場合に0.005D以上0.2D以下の範囲であればよい。ここで、深さHとは、図1Dに示すように、窪み部11の鋼管周方向の両端における共通接線からの最深距離である。深さHを0.005D以上とすることにより、鋼管の周面と地盤あるいは固化部材との摩擦力を得ることが出来る。一方、深さHを0.2D超としても、摩擦力向上の効果が飽和してしまう。
上述のように、窪み部11の中央部において柱状凹部を形成することにより、優れた付着力と圧縮強度とを発揮することが可能である。しかしながら、窪み部11及び柱状凹部12を冷間加工などにより形成する場合、窪み部11又は柱状凹部12の硬度が、鋼管軸方向に隣接する窪み部11、11の中間位置(窪み部11や柱状凹部12が形成されていない部位)における硬度に対して著しく増加してしまう。この場合、窪み付き鋼管1が強い荷重を受けた際に、靭性又は延性が劣化する当該箇所から発生するクラックを起点として破壊が進展しやすいことから圧縮強度を低下させてしまう虞があった。そこで、本実施形態に係る窪み付き鋼管1は、熱間加工で窪み部11及び柱状凹部12を形成することにより、窪み部11における平均ビッカース硬度Hと、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部11、11の中間位置におけるビッカース硬度Hとが、0.95≦H/H≦1.05を満たすように製造される。
/Hが上記の範囲を満たすことにより、鋼管全体において硬度が急激に変化する位置が存在しないため、このような圧縮強度の低下を回避することが出来る。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管1の表面には、熱間スケール肌が付与されている。熱間スケール肌が窪み部及び柱状凹部にも付与されることにより、窪み付き鋼管1の固化部材に対する付着力を更に向上させることが出来る。熱間スケール肌は、窪み付き鋼管1の外周面の95%以上の面積に付与されていればよい。
また、上記熱間スケール肌の上には、めっき層及び樹脂層の少なくとも1種が形成されてもよい。
本実施形態に係る窪み付き鋼管1は、例えば、(1)成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、(2)続けて、600℃〜1350℃程度の条件下で、窪み部11及び柱状凹部12に対応する形状の突起部を表面に有する鋼管造形用ロールを鋼管の外表面に押圧することにより窪み部11及び柱状凹部12を軸方向に均等に付与することにより製造される。
これにより、窪み部11及び柱状凹部12を鋼管軸方向に均一な間隔で形成することができ、硬度分布を均一に付与することができ、熱間スケール肌を付与することが出来る。
(第2実施形態)
以下、図2A、図2Bを参照して、本発明の第2実施形態に係る窪み付き鋼管2について説明する。本実施形態に係る窪み付き鋼管2は、窪み部の列を4列有する点で上記第1実施形態に係る窪み付き鋼管1と相違する。
図2Aは、本発明の第2実施形態に係る窪み付き鋼管2の部分正面図である。窪み付き鋼管2は鋼管軸方向に所定の長さだけ伸長しているが、図2Aでは説明のためその一部を図示している。
図2Aに示すように、本発明の第2実施形態に係る窪み付き鋼管2は、略円筒状の鋼管本体20により構成される。この鋼管本体の外周面には、複数の窪み部21(21A〜21D)が形成される。更に、それぞれの窪み部21(21A〜21D)の中央には柱状凹部22(22A〜22D)がそれぞれ形成されている。
図2Aに示すように、複数の窪み部21(21A〜21D)は鋼管軸方向に沿って所定の間隔を有するように形成されることにより、窪み部の列を4列構成する。従って、窪み付き鋼管2は、図2Bに示すように、窪み部21の鋼管周方向長さの合計が最も大きい鋼管軸方向位置の断面と、窪み部が形成されていない鋼管軸方向位置の断面とを有する。尚、図2Bは図2AにおけるB−B線に沿って得られる断面図である。
窪み部21(21A〜21D)は、鋼管軸中心方向、即ち、鋼管内側に向けて突出するように形成される。これらの窪み部21(21A〜21D)が形成されることにより、コンクリート、セメント、ソイルセメントなどの固化部材が窪み部21(21A〜21D)内に入り込むため、付着力を増大させることが出来る。
更に、本実施形態に係る窪み付き鋼管2は、この窪み部の列を4列有することにより、優れた付着力及び圧縮強度を鋼管周方向に均等に得ることが出来る。この効果をより好適に得るためには、図2Bに示すように、鋼管周方向に均等に窪み部の列を設けることが好ましい。ただし、必ずしも均等に窪み部の列を設けなくてもよく、例えば、窪み付き鋼管2の設置場所に応じて4列の窪み部の列のうち隣接する2列の窪み部の列を近接させ、且つ、その鋼管軸対称位置において残りの隣接する2列の窪み部の列を近接させた構成としてもよい。
窪み部21(21A〜21D)は、図2Aに示すように鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形に形成されることにより、窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さを小さく保ちながら付着力を増大させる効果を得ることが出来る。楕円形の長径方向が鋼管軸方向に一致している場合には、窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さの合計を最小限に抑えることができることから、窪み部21(21A〜21D)を形成することによる圧縮強度の低減を最小限に抑えることができる。従って、窪み部21(21A〜21D)の形状は、鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形であることが望ましい。窪み部21(21A〜21D)の形状は、円形又は略長方形であってもよい。
また、窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さは、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管2の全周長Rに占める窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合が50%以下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下となるように設定してもよい。即ち、LTotal/Rの値が0.50以下、好ましくは40%、更に好ましくは30%であればよい。「0.50以下」が好ましい理由は、上述の実施形態1における説明と重複するため省略する。
本実施形態に係る窪み付き鋼管2の場合、窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが最も大きくなる位置は、図2AのB−B線、即ち、窪み部21(21A〜21D)の鋼管軸方向中心位置である。従って、本実施形態に係る窪み付き鋼管2の場合、図2Bに示すように、窪み部21(21A〜21D)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが、窪み付き鋼管2の全周長Rの50%以下であればよい。鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが、窪み付き鋼管の全周長Rの50%以下である場合には、窪み部形成に起因する鋼管自身の強度低下を抑えることが可能となる。
従って、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管の全周長Rに占める窪み部の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合が50%以下であればよい。
尚、「窪み付き鋼管の全周長Rに占める窪み部の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合」が最大となる鋼管軸方向位置における下限値は、0%超であれば良いが、必要とされる付着力に応じて、10%以上、又は20%以上としてもよい。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管2においては、窪み部の列のそれぞれに関して、窪み付き鋼管2の鋼管軸方向の全長M1のうち、窪み部21の鋼管軸方向長さの合計M2が占める割合を50%以下としてもよい。窪み部21の鋼管軸方向長さの合計M2が窪み付き鋼管2の鋼管軸方向の全長M1の50%を超える場合、窪み付き鋼管2の圧縮強度が低下する傾向があるためである。
更に、それぞれの窪み部21(21A〜21D)の中央には、窪み部21の底面よりさらに深く凹むとともに鋼管軸方向に沿う柱状凹部22(22A〜22D)が形成される。これらの柱状凹部22(22A〜22D)内に固化部材が更に入り込むことにより、柱状凹部22(22A〜22D)に入り込んだ固化部材と周囲の固化部材との間の界面での摩擦力あるいはせん断力が発揮され、柱状凹部22がずれ止めとして機能するため、窪み部21における付着力に加えて、さらに付着力を向上させることができる。すなわち、固化部材と鋼管との軸方向への相対移動が制限されること(引っかかり効果)により、付着力を増大させることが出来る。
また、柱状凹部22(22A〜22D)の深さHは、窪み付き鋼管2の外径をDとした場合に0.005D以上0.2D以下の範囲であればよい。深さHを0.005D以上とすることにより、鋼管の周面と地盤あるいは固化部材との摩擦力を得ることが出来る。一方、深さHを0.2D超としても、摩擦力向上の効果が飽和してしまう。
本実施形態に係る窪み付き鋼管2においても、第1実施形態における説明と同様に、窪み部21における平均ビッカース硬度Hと、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部21、21の中間位置におけるビッカース硬度Hとが、0.95≦H/H≦1.05を満たすことにより、鋼管全体において硬度が急激に変化する位置が存在しないため、圧縮強度の低下を回避することが可能になる。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管2の表面には、熱間スケール肌が付与されている。熱間スケール肌が窪み部及び柱状凹部にも付与されることにより、窪み付き鋼管の固化部材に対する付着力を更に向上させることが出来る。熱間スケール肌は、窪み付き鋼管1の外周面の95%以上の面積に付与されていればよい。
また、上記熱間スケール肌の上には、めっき層及び樹脂層の少なくとも1種が形成されてもよい。
本実施形態に係る窪み付き鋼管2は、例えば、(1)成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、(2)続けて、600℃〜1350℃程度の条件下で、窪み部21及び柱状凹部22に対応する形状の突起部を表面に有する4本の鋼管造形用ロールを鋼管の外表面に押圧することにより窪み部21及び柱状凹部22を軸方向に均等に付与することにより製造される。
これにより、窪み部21(21A〜21D)及び柱状凹部22(22A〜22D)を鋼管軸方向に均一な間隔で形成することができ、硬度分布を均一に付与することができ、熱間スケール肌を付与することが出来る。
(第3実施形態)
以下、図3A、図3Bを参照して、本発明の第3実施形態に係る窪み付き鋼管3について説明する。本実施形態に係る窪み付き鋼管3は、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が鋼管軸方向に位相差を有する点で上記第2実施形態に係る窪み付き鋼管2と相違する。その他、重複する説明に関しては省略する。
図3Aは、本発明の第3実施形態に係る窪み付き鋼管3の部分正面図である。窪み付き鋼管3は鋼管軸方向に所定の長さだけ伸長しているが、図3Aでは説明のためその一部を図示している。
図3Aに示すように、本発明の第3実施形態に係る窪み付き鋼管3は、複数の窪み部31(31A〜31D)と、その中央にそれぞれ形成された柱状凹部32(32A〜32D)とを有する略円筒状の鋼管本体30により構成される。
図3Aに示すように、複数の窪み部31(31A〜31D)は鋼管軸方向に沿って所定の間隔を有するように形成されることにより窪み部の列を4列構成する。そして更に、第3実施形態に係る窪み付き鋼管3は、第2実施形態に係る窪み付き鋼管2と異なり、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が1/2の位相差を有するように窪み部31(31A〜31D)が形成される。従って、窪み付き鋼管3は、窪み部31(31A〜31D)の鋼管周方向長さの合計が最も大きい鋼管軸方向位置の断面(即ち、図3B)と、窪み部31(31A〜31D)の鋼管周方向長さの合計が最も小さい鋼管軸方向位置の断面とを有する。尚、図3Bは図3AにおけるC−C線に沿って得られる断面図である。
本明細書において、「窪み部の列が位相差を有する」とは、周方向に隣接する窪み部の列同士が、互いに鋼管軸方向にずれている状態を意味する。また、例えば「1/2の位相差」とは、鋼管軸方向に隣接する窪み部の中心間距離の1/2の距離分、周方向に隣接する窪み部の列同士が、鋼管軸方向にずれている状態を意味する。
このように位相差を設ける場合、図3Bに示すように、LTotalが最大となる鋼管軸方向位置におけるLTotalを、LとLの合計のみに抑えることが出来る。従って、LTotal/Rの値を50%以下に抑えながら窪み部31(31A〜31D)の鋼管周方向長さや深さを大きくしやすいため、上述の第2実施形態に係る窪み付き鋼管2と同レベルの付着力を発揮しながらも、更に優れた圧縮強度を発揮することが出来る。
本実施形態に係る窪み付き鋼管3では、隣接する窪み部の列を1/2の位相差で配置しているが、1/2よりも小さい位相差、例えば1/4、1/6、1/8の位相差としても良い。ただし、1/8よりも小さな位相差を付与しても、位相差を付与する効果は小さい。このため、位相差を付与する場合には、1/8以上1/2以下の範囲で位相差を付与することが好ましい。また、4つの窪み部の列全てに位相差を付与せずに、1列のみを他の3列に対して位相差を有するように配置してもよい。
(第4実施形態)
以下、図4A、図4Bを参照して、本発明の第4実施形態に係る窪み付き鋼管4について説明する。本実施形態に係る窪み付き鋼管4は、窪み部の列を6列有する点で上記第1実施形態に係る窪み付き鋼管1と相違する。
図4Aは、本発明の第4実施形態に係る窪み付き鋼管4の部分正面図である。窪み付き鋼管4は鋼管軸方向に所定の長さだけ伸長しているが、図4Aでは説明のためその一部を図示している。
図4Aに示すように、本発明の第4実施形態に係る窪み付き鋼管4は、略円筒状の鋼管本体20により構成される。この鋼管本体の外周面には、複数の窪み部41(41A〜41F)が形成される。さらに、それぞれの窪み部41(41A〜41F)の中央には柱状凹部42(42A〜42F)がそれぞれ形成されている。
図4Aに示すように、複数の窪み部41(41A〜41D)は鋼管軸方向に沿って所定の間隔を有するように形成されることにより、窪み部の列を6列構成する。従って、窪み付き鋼管4は、図4Bに示すように、窪み部41の鋼管周方向長さの合計が最も大きい鋼管軸方向位置の断面と、窪み部が形成されていない鋼管軸方向位置の断面とを有する。尚、図4Bは図4AにおけるD−D線に沿って得られる断面図である。
窪み部41(41A〜41F)は、鋼管軸中心方向、即ち、鋼管内側に向けて突出するように形成される。これらの窪み部41(41A〜41F)が形成されることにより、コンクリート、セメント、ソイルセメントなどの固化部材が窪み部41(41A〜41F)内に入り込むため、付着力を増大させることが出来る。
更に、本実施形態に係る窪み付き鋼管4は、この窪み部の列を6列有することにより、優れた付着力及び圧縮強度を鋼管周方向に均等に得ることが出来る。この効果をより好適に得るためには、図4Bに示すように、鋼管周方向に均等に窪み部の列を設けることが好ましい。ただし、必ずしも均等に窪み部の列を設けなくてもよく、例えば、窪み付き鋼管4の設置場所に応じて6列の窪み部の列のうち隣接する3列の窪み部の列を近接させ、且つ、その鋼管軸対称位置において残りの隣接する3列の窪み部の列を近接させた構成としてもよい。
窪み部41(41A〜41F)は、図4Aに示すように鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形に形成されることにより、窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さを小さく保ちながら付着力を増大させる効果を得ることが出来る。楕円形の長径方向が鋼管軸方向に一致している場合には、窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さの合計を最小限に抑えることができることから、窪み部41(41A〜41F)を形成することによる圧縮強度の低減を最小限に抑えることができる。従って、窪み部41(41A〜41F)の形状は、鋼管軸方向に平行な長径を有する楕円形であることが望ましい。窪み部41(41A〜41F)の形状は、円形又は略長方形であってもよい。
また、窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さは、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管4の全周長Rに占める窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合が50%以下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下となるように設定してもよい。即ち、LTotal/Rの値が0.50以下、好ましくは40%、更に好ましくは30%であればよい。「0.50以下」が好ましい理由は、上述の実施形態1における説明と重複するため省略する。
本実施形態に係る窪み付き鋼管4の場合、窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが最も大きくなる位置は、図4AのD−D線、即ち、窪み部41(21A〜21F)の鋼管軸方向中心位置である。従って、本実施形態に係る窪み付き鋼管4の場合、図4Bに示すように、窪み部41(41A〜41F)の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが、窪み付き鋼管4の全周長Rの50%以下であればよい。
鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalが窪み付き鋼管の全周長Rの50%以下である場合には、窪み部形成に起因する鋼管自身の強度低下を抑えることが可能となる。従って、鋼管軸方向のいずれの位置においても、窪み付き鋼管の全周長Rに占める窪み部の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合が50%以下であればよい。
尚、「窪み付き鋼管の全周長Rに占める窪み部の鋼管周方向長さL〜Lの合計LTotalの割合」が最大となる鋼管軸方向位置における下限値は、0%超であれば良いが、必要とされる付着力に応じて、10%以上、又は20%以上としてもよい。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管4においては、窪み部の列のそれぞれに関して、窪み付き鋼管4の鋼管軸方向の全長M1のうち、窪み部41の鋼管軸方向長さの合計M2が占める割合を50%以下としてもよい。窪み部41の鋼管軸方向長さの合計M2が窪み付き鋼管4の鋼管軸方向の全長M1の50%を超える場合、窪み付き鋼管4の圧縮強度が低下する傾向があるためである。
更に、それぞれの窪み部41(41A〜41F)の中央には、窪み部41の底面よりさらに深く凹むとともに鋼管軸方向に沿う柱状凹部42(42A〜42F)が形成される。これらの柱状凹部42(42A〜42F)内に固化部材が更に入り込むことにより、柱状凹部42(42A〜42F)に入り込んだ固化部材と周囲の固化部材との間の界面での摩擦力あるいはせん断力が発揮され、柱状凹部42がずれ止めとして機能するため、窪み部41における付着力に加えて、さらに付着力を向上させることができる。すなわち、固化部材と鋼管との軸方向への相対移動が制限されること(引っかかり効果)により、付着力を増大させることが出来る。
また、柱状凹部42(42A〜42F)の深さHは、窪み付き鋼管4の外径をDとした場合に0.005D以上0.2D以下の範囲であればよい。深さHを0.005D以上とすることにより、鋼管の周面と地盤あるいは固化部材との摩擦力を得ることが出来る。一方、深さHを0.2D超としても、摩擦力向上の効果が飽和してしまう。
本実施形態に係る窪み付き鋼管4においても、第1実施形態における説明と同様に、窪み部41における平均ビッカース硬度Hと、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部41、41の中間位置におけるビッカース硬度Hとが、0.95≦H/H≦1.05を満たすことにより、鋼管全体において硬度が急激に変化する位置が存在しないため、圧縮強度の低下を回避することが可能になる。
また、本実施形態に係る窪み付き鋼管4の表面には、熱間スケール肌が付与されている。熱間スケール肌が窪み部及び柱状凹部にも付与されることにより、窪み付き鋼管の固化部材に対する付着力を更に向上させることが出来る。熱間スケール肌は、窪み付き鋼管1の外周面の95%以上の面積に付与されていればよい。
また、上記熱間スケール肌の上には、めっき層及び樹脂層の少なくとも1種が形成されてもよい。
本実施形態に係る窪み付き鋼管4は、例えば、
(1)成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、
(2)続けて、窪み部41及び柱状凹部42に対応する形状の突起部を表面に有する6本の鋼管造形用ロールを鋼管の外表面に押圧することにより窪み部41及び柱状凹部42を軸方向に均等に付与する
ことにより製造される。
これにより、窪み部41(41A〜41F)及び柱状凹部42(42A〜42F)を鋼管軸方向に均一な間隔で形成することができ、硬度分布を均一に付与することができ、熱間スケール肌を付与することが出来る。
(第5実施形態)
以下、図5A、図5Bを参照して、本発明の第5実施形態に係る窪み付き鋼管5について説明する。本実施形態に係る窪み付き鋼管5は、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が鋼管軸方向に位相差を有する点で上記第4実施形態に係る窪み付き鋼管4と相違する。その他、重複する説明に関しては省略する。
図5Aは、本発明の第5実施形態に係る窪み付き鋼管5の部分正面図である。窪み付き鋼管5は鋼管軸方向に所定の長さだけ伸長しているが、図5Aでは説明のためその一部を図示している。
図5Aに示すように、本発明の第5実施形態に係る窪み付き鋼管5は、複数の窪み部51(51A〜51F)と、その中央にそれぞれ形成された柱状凹部52(52A〜52D)とを有する略円筒状の鋼管本体50により構成される。
図5Aに示すように、複数の窪み部51(51A〜51F)は鋼管軸方向に沿って所定の間隔を有するように形成されることにより窪み部の列を6列構成する。そして更に、第5実施形態に係る窪み付き鋼管5は、第4実施形態に係る窪み付き鋼管4と異なり、鋼管周方向に隣接する窪み部の列が1/6の位相差を有するように窪み部51(51A〜51F)が形成される。従って、窪み付き鋼管5は、窪み部51(51A〜51F)の鋼管周方向長さの合計が最も大きい鋼管軸方向位置の断面(即ち、図5B)と、窪み部51(51A〜51F)の鋼管周方向長さの合計が最も小さい鋼管軸方向位置の断面とを有する。尚、図5Bは図5AにおけるE−E線に沿って得られる断面図である。
このように位相差を設ける場合、図5Bに示すように、LTotalが最大となる鋼管軸方向位置におけるLTotalを抑えることが出来る。従って、LTotal/Rの値を50%以下に抑えながら窪み部51(51A〜51F)の鋼管周方向長さや深さを大きくしやすいため、上述の第4実施形態に係る窪み付き鋼管4と同レベルの付着力を発揮しながらも、更に優れた圧縮強度を発揮することが出来る。
本実施形態に係る窪み付き鋼管5では、隣接する窪み部の列を1/6の位相差で配置しているが、例えば1/2、1/4、1/8の位相差としても良い。ただし、1/8よりも小さな位相差を付与しても、位相差を付与する効果は小さい。このため、位相差を付与する場合には、1/8以上1/2以下の範囲で位相差を付与することが好ましい。また、6列の窪み部の列全てに位相差を付与せずに、1列のみを他の5列に対して位相差を有するように配置してもよい。
(第6実施形態)
上述の第1実施形態〜第5実施形態に係る窪み付き鋼管1〜5は、コンクリート、セメント、ソイルセメントなどの固化部材中に埋め込み一体化させることで、主に土木建築構造物を構築する場合に使用される複合杭を構築することができる。以下、上記第1実施形態に係る窪み付き鋼管1を用いた場合の複合杭100を例に挙げて説明する。
図6A、図6Bは、第1実施形態に係る窪み付き鋼管1を固化部材としてのソイルセメントSの中に埋め込み一体化させて得られた複合杭100を示す。図6Aは複合杭100の概略側面断面図、図6Bは複合杭100の概略平面断面図である。
図6A、図6Bに示すように、複合杭100は、地中Gに設けられた外枠110内のソイルセメントSに窪み付き鋼管1を投入し、ソイルセメントSを固めることで構成される。
なお、複合杭100においては、十分な強度を得るために、窪み付き鋼管1と、ソイルセメントSとの間の付着強度が十分に確保される必要がある。
複合杭100における付着強度は同一のソイルセメントSを用いた場合、投入する鋼管の形状によって左右されるが、本実施の形態にかかる窪み付き鋼管1を用いた場合、十分な大きさの付着強度が確保される。
以上図面を参照して説明した窪み付き鋼管1を用いることで、鋼管と固化部材との付着力を増大させると共に、鋼管自身の強度低下を抑制することが可能となる。
また、この窪み付き鋼管1を用いることで、鋼管自身の強度低下を抑制すると同時に付着強度が十分に確保された複合杭100が実現される。
即ち、強度の確保された窪み付き鋼管1が得られることで、付着強度(付着力)を確保しつつ、強度低下を最小限に抑えた複合杭を構成可能となり、土木建築構造物の構築を経済的に行うことができる。
以上、本発明の実施の形態の例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。例えば、上記説明においては窪み部の列が1列、4列、6列であるが、2列、3列、5列、又は7列以上であってもよい。
当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(実施例1)
4.5mm厚の鋼板から直径(外径)76.3mm、鋼管軸方向長さ300mmの鋼管1〜14を作成した。
具体的には、本発明例である鋼管1は、成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、続けて、約800℃の温度条件下で、窪み部及び柱状凹部に対応する形状の突起部を表面に有する鋼管造形用ロールを鋼管の外表面に押圧することにより窪み部及び柱状凹部を軸方向に均等に付与することにより製造した。
比較例である鋼管2は、成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、放冷後、冷間加工によって窪み部を形成することにより製造した。
比較例である鋼管3は、成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形することにより製造した。
比較例である鋼管4は、成形鍛接ロールユニットにおいて、加熱された鋼板を丸めて管状に成形するとともに鋼板の端部同士を接合することにより鋼管を成形し、続けて、約800℃の温度条件下で、窪み部に対応する形状の突起物のみを有するロールを鋼管の外表面に押圧することにより窪み部のみを軸方向に均等に付与することにより製造した。
鋼管4〜12は、鋼管1の製造条件を変更して製造した本発明例である。
鋼管1〜14の具体的な製造条件を表1、表2に示す。
Figure 2012115138
Figure 2012115138
鋼管1〜14について、「窪み部の平均硬度H」、「鋼管軸方向に隣接する窪み部の中間位置における硬度H」、「H/H」、「熱間スケール肌の有無」、「圧縮強度」、及び「付着力」を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2012115138
「窪み部の平均硬度H」及び「鋼管軸方向に隣接する窪み部の中間位置における硬度H」は、対象鋼管の窪みを含む範囲を切り出し、サンプルを作成した後、板厚中心において硬度計を用いて測定した。測定データは5点の平均値をとり代表データとしている。判定データを10点以上採取し、そのデータを用いて、平均硬度およびそのバラツキを判定した。
「熱間スケール肌の有無」は、目視による観測結果である。
「圧縮強度」の測定には、対象鋼管の外径の2倍の長さに切り取り、端面加工した供試体を準備した。試験は、圧縮試験機により鋼管断面に等しく荷重が作用するように注意しながら、静的荷重を作用させて行っている。各対象鋼管に対して3体の試験を実施し、その計測した荷重履歴における最大値の平均値により圧縮強度を判定した。
「付着力」の測定には、対象鋼管を中心として配置した周囲に、鋼管の鋼管径の約3倍径を有し、3.5倍の長さを有するソイルセメント柱を準備した。鋼管上部はソイルセメント柱より50mm程度、突出しており、鋼管のみに押込み荷重を作用させることができる。ソイルセメント柱の下部は台座に支持しているが、鋼管下部は支持しておらず、鉛直下向き荷重が作用した場合、鋼管のみが変位可能な状態としている。鋼管、ソイルセメント柱を上記のような状態で準備した後、ソイルセメント固化に必要な日数として28日の養生期間を確保した上で鋼管上部に下向きの静的押込み荷重を作用さえる載荷試験を実施した。計測した圧縮荷重を鋼管がソイルセメントに接していた外周面積で除することにより、付着力を算定している。試験は、ソイルセメント強度2水準に対して、各3体実施し、付着力の判定をおこなった。
鋼管1では、本発明の必須の要件を全て満たすことにより、優れた圧縮強度と付着力とを発揮することが出来た。
鋼管2では、窪み部を冷間加工により形成したことにより、窪み部の平均硬度Hが過大となる箇所が生じ、これに起因して、鋼管1に比べ圧縮強度が大幅に低下した。
鋼管3では、窪み部及び柱状凹部を形成しなかったことにより、鋼管1に比べ付着力が大幅に低下した。
鋼管4では、窪み部のみを形成し柱状凹部を形成しなかったことにより、鋼管1に比べ付着力が低下した。
また、鋼管1の種々の条件を変更して製造した鋼管5〜12では、優れた圧縮強度と付着力とを発揮することが出来た。
(実施例2)
本発明の実施例2として、窪み付き鋼管において、鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合を変化させた場合に、窪み付き鋼管の圧縮降伏強度がどの程度変化するのかを測定した。
図7は、鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合を変化させた場合の窪み付き鋼管の圧縮強度を示すグラフである。縦軸は鋼管の圧縮降伏強度をストレート鋼管(直管)の保証降伏点荷重で無次元化した値を示し、横軸は鋼管の全周長に占める窪み凹部の鋼管周方向長さの合計の割合を示している。
図7から明らかなように、鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が増加すると共に鋼管の圧縮降伏強度は低下する。
特に、鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が0.5より大きくなる、即ち、鋼管の全周長の50%より長い部分が窪み部となった場合、鋼管の圧縮降伏強度の低下が顕著となることが分かった。
上記実施の形態においても述べたように、一般的な鋼管において、許容される鋼管強度(特に圧縮降伏強度)の低下率は5%以下である。
図7に示すグラフから、鋼管の全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が50%より長くなると、鋼管の圧縮降伏強度が0.95未満となってしまうことが明らかであるため、全周長に占める窪み部の鋼管周方向長さの合計が50%以下であることが好ましいことが分かる。
(実施例3)
また、実施例3として、窪み付き鋼管を用いて複合杭を構成した場合の付着強度の優位性を確認するため、
(1)ストレート鋼管、
(2)ストレート鋼管の表面を冷間加工により削り取って窪み部を設けることにより図2A、図2Bに示す窪み付き鋼管の形状とした表面削り鋼管、
及び
(3)本発明に係る、図2A、図2Bに示す窪み付き鋼管
の3種類の鋼管を用いて、それぞれソイルセメントとの複合杭を製作した。
なお、製作された複合杭の構成は、図6A、図6Bに示すような構成である。
図8は、上記3種類の鋼管(ストレート鋼管、表面削り鋼管、及び窪み付き鋼管)をそれぞれソイルセメント中に埋め込んで複合杭を製作し、それら複合杭の付着強度を計測した計測結果を示すグラフである。
なお、図8の縦軸は鋼管とソイルセメントとの付着力fs(kN/m)を示し、横軸はソイルセメントの1軸圧縮強度qu(MPa)を示している。
図8に示すように、上記3種類の鋼管(ストレート鋼管、表面削り鋼管、及び窪み付き鋼管)を用いて複合杭を製作し、付着強度を計測した場合、窪み付き鋼管(図8中ではロール窪み鋼管と表記)を用いて構成される複合杭の付着強度が最も大きいことが確認された。
本発明は、土木建築構造物を構築する場合に用いられる窪み付き鋼管及び複合杭に適用できる。
1、2、3、4、5 窪み付き鋼管
10、20、30、40、50 鋼管本体
11、21、31、41、51 窪み部
12、22、32、42、52 柱状凹部
100 複合杭
110 外枠
R 鋼管の全周長
H 柱状凹部の最深部深さ
D 鋼管の外径
S ソイルセメント(固化部材)
L 窪み部の鋼管周方向長さ
Total 窪み部の鋼管周方向長さの合計

Claims (10)

  1. 外周面に複数の窪み部が鋼管軸方向に沿って列をなすように形成された窪み付き鋼管であって、
    前記各窪み部それぞれの内部に、これら窪み部の底面よりさらに深く凹むとともに前記鋼管軸方向に沿う柱状凹部が形成され;
    前記各窪み部内における平均ビッカース硬度Hと、前記鋼管軸方向に互いに隣接するこれら窪み部の間部分におけるビッカース硬度Hとの比が、0.95≦H/H≦1.05を満たし;
    前記外周面に熱間スケール肌が付与されている;
    ことを特徴とする窪み付き鋼管。
  2. 前記鋼管軸に沿ったいずれの位置においても、この窪み付き鋼管の全周長に占める前記各窪み部の鋼管周方向長さの合計の割合が、50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  3. 前記窪み部の列が4列以上、並列して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  4. 前記窪み部の列のうち、周方向に隣接する窪み部の列同士が互いに鋼管軸方向に位相差を有して形成され;
    前記位相差が、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部の中心間距離の1/8以上かつ1/2以下である;
    ことを特徴とする請求項3に記載の窪み付き鋼管。
  5. 前記窪み部の列が6列以上、並列して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  6. 前記窪み部の列のうち、周方向に隣接する窪み部の列同士が互いに鋼管軸方向に位相差を有して形成され;
    前記位相差が、前記鋼管軸方向に隣接する前記窪み部の中心間距離の1/8以上かつ1/2以下である;
    ことを特徴とする請求項5に記載の窪み付き鋼管。
  7. 前記各窪み部が、前記鋼管軸方向に平行な長軸を有する楕円形状を有することを特徴とする請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  8. 前記各窪み部が、表面に突起部を有する鋼管造形用ロールを用いた熱間ロール成形によって形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  9. 前記熱間スケール肌の上に、めっき層及び樹脂層の少なくとも1種が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の窪み付き鋼管。
  10. 固化部材の中に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の窪み付き鋼管を埋め込み一体化させたことを特徴とする複合杭。
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