JP6330478B2 - 鋼管 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼管外周面に窪み部が形成された鋼管に関するものであり、例えば、地盤内に埋め込まれて基礎杭や地盤補強等として設けられる。
従来から、鋼管の周方向に凹部を有する窪み付き鋼管杭や、外周面に複数の窪み部が鋼管軸方向に沿って列をなすように形成された窪み付き鋼管杭として、特許文献1、2に開示される鋼管杭が提案されている。
特許文献1に開示された鋼管杭は、鋼管肉厚2mm以上、鋼管外径(D)50mm以上、凹部の深さを0.005D〜0.2D、凹部の幅を0.015D〜2Dとしたときに、凹部の幅(B)と、凹部の深さ(H)との関係を、B/H=3〜20として、凹部の幅及び凹部の深さの比率を規定するものである。
特許文献2に開示された鋼管杭は、各々の窪み部の内部に、窪み部の底面よりもさらに深く凹ませるとともに鋼管軸方向に沿う柱状凹部が形成されるものであり、鋼管軸に沿った何れの位置においても、鋼管全周長に占める各々の窪み部の鋼管周方向の長さの合計の割合が、50%以下に設定されるものである。
特開2008−175055号公報 特許第5085809号公報
特許文献1、2に開示された鋼管杭は、地盤中又はコンクリート中に窪み付き鋼管杭が埋設施工されて、地盤内の土砂やコンクリート等と窪み付き鋼管杭とを一体化させるものである。このとき、特許文献1、2に開示された鋼管杭は、地盤内の土砂やコンクリート等を鋼管杭の凹部や窪み部で抵抗させて、窪み付き鋼管杭に所定の付着強度を付与することで、地盤中又はコンクリート中で十分な付着性能を保持することが必要となる。
このため、特許文献1に開示された鋼管杭は、凹部の幅及び凹部の深さの比率を所定のものとすることで、鋼管杭の凹部とコンクリート等との付着性能を高めることを目的としたものとなっている。しかし、特許文献1に開示された鋼管杭は、鋼管杭の外周面に凹部が形成されることで、鋼管杭の鋼管軸方向の剛性が低下するおそれがあるにもかかわらず、鋼管杭の鋼管軸方向に作用する圧縮荷重に抵抗するための圧縮性能が考慮されていないものとなっている。
これに対して、特許文献2に開示された鋼管杭は、鋼管全周長に占める各々の窪み部の鋼管周方向の長さの合計の割合が50%以下に設定されることで、複数の窪み部が形成されることによって鋼管杭の圧縮性能が低下することを回避することができるものとなっている。しかし、特許文献2に開示された鋼管杭は、鋼管全周長に占める各々の窪み部の鋼管周方向の長さの合計の割合に50%という上限が設定されて、鋼管全周長に対する窪み部が形成される範囲が非常に限定されるものとなり、コンクリート等との付着性能が自ずと低下するおそれがある。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、地盤内の土砂やコンクリート等との付着性能の低下を回避すると同時に、管軸方向の圧縮性能を低下させない窪み仕様を有した鋼管を提供することにある。
第1発明に係る鋼管は、鋼管外周面に窪み部が形成された鋼管であって、管軸方向に延びて略直管状に形成された直管部と、管軸直交方向の内側に向けて凹状に形成された窪み部とを備え、前記窪み部は、前記直管部と略同一の板厚を有するとともに、前記直管部の直管外周面よりも凹状に形成された窪み深さが、鋼管外径及び鋼管板厚との関係で、下記(1)式により規定される関係を満足し、前記窪み部は、管周方向の鋼管全周長に対して占める割合が50%を超えるように、管周方向に一又は複数形成され、前記鋼管外径は、48.2mm以上165.2mm以下であることを特徴とする。
ここで、amax:前記窪み部の窪み深さの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
第2発明に係る鋼管は、第1発明において、前記窪み部は、管周方向の鋼管全周長に対する一部のみで管周方向に延びて形成されることを特徴とする。
発明に係る鋼管は、第1発明又は明において、前記窪み部は、管軸方向に所定の間隔を空けて断続的に複数形成されることを特徴とする。
発明に係る鋼管は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記窪み部は、前記直管部の直管内周面よりも凸状に形成された窪み高さが、鋼管外径及び鋼管板厚との関係で、下記(2)式により規定される関係を満足することを特徴とする。
ここで、bmax:前記窪み部の窪み高さの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
第1発明〜第発明によれば、窪み部の窪み深さaが、上記(1)式により規定される関係を満足するときに、鋼管の圧縮耐力を低下させることなく、鋼管外側の固結材等との間で所定の付着性能を確保することが可能となる。また、第1発明〜第発明によれば、窪み部の窪み高さbが、上記(2)式により規定される関係を満足するときに、鋼管の圧縮耐力を低下させることなく、鋼管内側の固結材や定着材等との間で所定の付着性能を確保することが可能となる。
第1発明〜発明によれば、窪み比率λが50%を超えるように設定されることで、管周方向に延びた窪み部の窪み延長を十分に長くして、固結材や定着材等との付着性能を向上させることが可能となる。
これにより、第1発明〜第発明によれば、地盤内の土砂や経時硬化性材料等との付着性能の低下を回避すると同時に、鋼管の圧縮耐力を低下させることなく、管軸方向の圧縮性能を低下させない窪み仕様を有する鋼管を提供することが可能となる。
本発明を適用した鋼管を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、窪みなしの通常鋼管を示す一部破断拡大正面図であり、(b)は、本発明を適用した鋼管を示す一部破断拡大正面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管を示す拡大正面図であり、(b)は、そのF−F線縦断面図である。 (a)は、図4に示す本発明を適用した鋼管のG−G線横断面図であり、(b)は、そのH−H線横断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管に窪み部が3箇所に形成された状態を示す横断面図であり、(b)は、その窪み部が1箇所に形成された状態を示す横断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管に縦長の窪み部が形成された状態を示す拡大正面図であり、(b)は、そのG−G線横断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管の窪み部の窪み深さを示す横断面図であり、(b)は、その窪み部の窪み高さを示す横断面図である。 (a)は、本発明を適用した鋼管の窪み部を示す拡大縦断面図であり、(b)は、その蛇腹状に潰れる崩壊モードに基づいたモデル図である。 本発明を適用した鋼管の計算結果の圧縮耐力と実験結果の圧縮耐力との比率を示すグラフである。 (a)は、本発明を適用した鋼管の鋼管外側に固結材が設けられた状態を示す縦断面図であり、(b)は、その鋼管内側に固結材が設けられた状態を示す縦断面図である。
以下、本発明を適用した鋼管1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼管1は、軟弱地盤への基礎工法、地盤改良工法、又は、斜面、トンネルを対象とした補強工法等に使用されるものである。本発明を適用した鋼管1は、例えば、鋼管外径Dが20mm〜350mm程度となる中小径鋼管に適用されるものである。
本発明を適用した鋼管1は、例えば、地盤内に埋め込まれて基礎杭等として設けられるものであり、図1に示すように、所定の範囲で地盤7を掘削して形成された掘削孔70や地盤改良範囲に埋設されて、経時硬化性材料等の固結材6や定着材等が地盤7の掘削孔70に充填作業等により設けられる。
固結材6は、例えば、モルタル、コンクリート等のセメント系材料等の経時硬化性材料や、ウレタン系材料等の経時硬化性材料が用いられて、鋼管1の鋼管外周面1aと地盤7の掘削孔70との間に隙間が形成される鋼管外側Oや、鋼管1の鋼管内周面1bによって囲まれて形成される鋼管内側Iに、これらの経時硬化性材料を充填して硬化させることで設けられる。
本発明を適用した鋼管1は、図2に示すように、鋼管外周面1aに一又は複数の窪み部2が形成される。本発明を適用した鋼管1は、鋼管外周面1aが略円形状に形成されて、管軸直交方向Xに所定の鋼管外径Dを有するものとなる。また、本発明を適用した鋼管1は、鋼管外周面1aと鋼管内周面1bとの間で、管軸直交方向Xに所定の鋼管板厚tを有するものとなる。
本発明を適用した鋼管1は、図3(a)に示すように、鋼管外周面1aが略同一面上に連続して形成された管軸方向Yに延びる略直管状の通常鋼管5に、所定の温度以上で熱間加工することで製造されるものである。本発明を適用した鋼管1は、略直管状の通常鋼管5をロールで押圧等することで、図3(b)に示すように、鋼管外周面1aに複数の窪み部2が形成された窪み付きの鋼管として製造される。なお、本発明を適用した鋼管1は、鋼管外周面1aに窪み部2を成形しながら、熱間圧延によって窪み付きの鋼管が製造されるものであってもよい。また、本発明を適用した鋼管1は、通常鋼管5に対して切削加工するものでなければ、例えば、窪み部2が冷間成形で形成されるものであってもよい。
本発明を適用した鋼管1は、図4、図5に示すように、管軸方向Yに延びて略直管状に形成された直管部3と、管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて熱間加工で凹状に形成された窪み部2とを備える。
直管部3は、図4(a)に示すように、鋼管1の鋼管外径Dと略同一の直管外径D1で形成されて、鋼管外周面1aを管軸直交方向Xに凹凸させることなく、管軸方向Yで略同一面上に直管外周面3aが連続することで、管軸方向Yに延びる略直管状に形成される。また、直管部3は、図4(b)に示すように、鋼管1の鋼管板厚tと略同一の直管板厚t1で形成される。
窪み部2は、管軸方向Yの複数箇所で鋼管外周面1aを凹状に形成することで、管軸方向Yに所定の間隔を空けて複数形成される。管軸方向Yに形成された複数の窪み部2は、管軸方向Yで直管部3と交互に形成されて、複数箇所の窪み部2を管軸方向Yに連続させることなく、複数箇所の窪み部2が管軸方向Yに所定の間隔を空けて断続的に形成される。
窪み部2は、鋼管外周面1aを管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて凹状に湾曲させて形成される。なお、窪み部2は、鋼管外周面1aを湾曲させることで形成されるものに限られず、鋼管外周面1aを屈曲等させることで形成されてもよい。窪み部2は、鋼管1の鋼管板厚tと略同一の窪み板厚t2で形成されることで、直管部3の直管板厚t1と略同一の窪み板厚t2を有するものとなる。
ここで、窪み部2は、鋼管1の鋼管外周面1aを押圧等して形成されることから、鋼管1の鋼管板厚tと比べて窪み板厚t2に多少の増減が見込まれるものの、この窪み板厚t2に多少の増減がある場合であっても、直管部3の直管板厚t1と略同一の板厚を有するように、窪み板厚t2が形成されるものとする。
窪み部2は、鋼管外周面1aが管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて凹状に形成されることで、窪み外周面2aが直管部3の直管外周面3aよりも鋼管内側Iに配置されて、直管部3の直管外周面3aよりも管軸直交方向Xで凹状に所定の窪み深さaとなるように形成される。
このとき、窪み部2は、直管部3の直管板厚t1と略同一の窪み板厚t2を有するとともに、鋼管外周面1aが管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて凹状に形成されることにより、鋼管内周面1bが管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて凸状に形成されるものとなる。
窪み部2は、鋼管内周面1bが管軸直交方向Xの鋼管内側Iに向けて凸状に形成されることで、窪み内周面2bが直管部3の直管内周面3bよりも鋼管内側Iに配置されて、直管部3の直管内周面3bよりも管軸直交方向Xで凸状に所定の窪み高さbとなるように形成される。
窪み部2は、図5に示すように、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長Enとなるように、管周方向Wに略円弧状に延びて形成される。窪み部2は、鋼管1の管周方向Wの鋼管全周長Eに対する一部のみで、鋼管1の管周方向Wに連続させることなく、管周方向Wで断続的に形成される。このとき、窪み部2は、鋼管1の管周方向Wの鋼管全周長Eに対する一部のみで形成されることで、窪み部2の管周方向Wの両端部20の間に、鋼管1の鋼管外周面1aで窪み部2が形成されていないリブ部4を形成させるものとなる。
リブ部4は、鋼管1の管周方向Wで熱間加工による押圧がなされていない箇所に形成されるものとなる。このとき、リブ部4は、鋼管外周面1aを管軸直交方向Xに凹凸させることなく、鋼管1の鋼管板厚tと略同一のリブ板厚t3で形成されることで、管軸方向Yで直管部3の直管外周面3a及び直管内周面3bと略同一面上に連続して、リブ外周面4a及びリブ内周面4bが形成されるものとなる。
窪み部2は、図5、図6に示すように、鋼管1の管周方向Wに一又は複数形成される。窪み部2は、図5(a)に示すように、管周方向Wの2箇所で第1窪み部21と第2窪み部22とが形成されることで、管周方向Wの2箇所でリブ部4が形成される。第1窪み部21は、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E1となるとともに、第2窪み部22は、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E2となる。
窪み部2は、図6(a)に示すように、管周方向Wの3箇所で第1窪み部21、第2窪み部22及び第3窪み部23が形成されることで、管周方向Wの3箇所でリブ部4が形成される。第1窪み部21は、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E1となって、第2窪み部22は、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E2となるとともに、第3窪み部23は、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E3となる。また、窪み部2は、図6(b)に示すように、管周方向Wの1箇所のみで、鋼管1の管周方向Wで所定の窪み延長E1となる第1窪み部21が形成されることで、管周方向Wの1箇所でリブ部4が形成されるものとなる。
窪み部2は、管周方向Wの4箇所以上に形成されるものであってもよく、例えば、図7に示すように、各々の窪み部2が管軸方向Yに延びる略楕円形状等に形成されて、管周方向Wで3〜9程度の箇所で、鋼管1の管軸方向Yに沿って縦長に形成されるものとすることもできる。窪み部2は、図5〜図7に示すように、鋼管1の管周方向Wに所定の数量nで形成されることで、各々の窪み部2の窪み延長Enの合計ΣEnが設定されるものとなる。
窪み部2は、鋼管1の管周方向Wの鋼管全周長Eに対する一部のみで形成されて、鋼管1の管周方向Wの鋼管全周長Eに対して各々の窪み部2の窪み延長Enの合計ΣEnが占める割合を窪み比率λと定義すると、この窪み比率λが所定の範囲となるように設定されるものとなる。このとき、窪み部2は、鋼管1の管軸方向Yで窪み部2が形成される複数の部位10の全部又は一部で、管周方向Wの鋼管全周長Eに対する各々の窪み部2の窪み延長Enの合計ΣEnの占める割合として、窪み比率λが50%以上、95%以下となるように設定される。
窪み部2は、図8(a)に示すように、直管部3の直管外周面3aよりも凹状に形成された窪み深さaが、鋼管外径D及び鋼管板厚tとの関係で、下記(1)式により規定される関係を満足する。
ここで、amax:窪み部2の窪み深さaの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
また、窪み部2は、図8(b)に示すように、直管部3の直管内周面3bよりも凸状に形成された窪み高さbが、鋼管外径D及び鋼管板厚tとの関係で、下記(2)式により規定される関係を満足する。
ここで、bmax:窪み部2の窪み高さbの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
窪み部2は、例えば、窪み部2の管周方向Wの略中央25で管軸直交方向Xに最も深く凹状に形成されて、窪み部2の窪み深さaの最大値amaxを有するものとなる。また、窪み部2は、管周方向Wの略中央25から両端部20にかけて窪み部2の窪み深さaが漸減して、管周方向Wの各部mで所定の窪み深さamを有するものとなり、窪み部2の管周方向Wの両端部20で、窪み部2の窪み深さaの最小値aminを有するものとなる。
このため、窪み部2は、管周方向Wの各部mにおける窪み深さamの平均値aaveを窪み部2の窪み深さaとして、管周方向Wの各部mにおける窪み深さamの平均値aaveが窪み深さaの最大値amaxの半分程度になるものとすることで、窪み部2の窪み深さaが、窪み深さaの最大値amaxとの関係で、下記(3)式により規定される関係を満足するものとして近似される。なお、窪み部2の窪み深さaは、窪み深さaの最大値amaxとの関係で、下記(3)式により近似するものであるため、実際の製品において、管周方向Wの各部mにおける窪み深さamの平均値aaveを測定等することで算出されてもよいものとする。
また、窪み部2は、窪み深さaと同様に、窪み部2の管周方向Wの略中央25で、窪み部2の窪み高さbの最大値bmaxを有して、管周方向Wの各部mで所定の窪み高さbmを有するものとなり、窪み部2の管周方向Wの両端部20で、窪み部2の窪み高さbの最小値bminを有するものとなる。
このため、窪み部2は、管周方向Wの各部mにおける窪み高さbmの平均値baveを窪み部2の窪み高さbとして、管周方向Wの各部mにおける窪み高さbmの平均値baveが窪み高さbの最大値bmaxの半分程度になるものとすることで、窪み部2の窪み高さbが、窪み高さbの最大値bmaxとの関係で、下記(4)式により規定される関係を満足するものとして近似される。なお、窪み部2の窪み高さbは、窪み高さbの最大値bmaxとの関係で、下記(4)式により近似するものであるため、実際の製品において、管周方向Wの各部mにおける窪み高さbmの平均値baveを測定等することで算出されてもよいものとする。
ここで、本発明を適用した鋼管1は、その崩壊モードが、図9(a)に示すように、鋼管1の管軸方向Yに圧縮荷重Pが作用することで、窪み部2が管軸方向Yに潰れるように変形しようとするものとなることを、類似する窪み形状の圧縮実験結果の分析から、鋭意検討の末に、見い出されるものとなった。鋼管1は、管周方向Wの鋼管全周長Eに対する全部に窪み部2が形成されて、窪み比率λを100%とした場合に、管軸方向Yに作用する圧縮荷重Pに抵抗する鋼管1の軸圧縮耐力pが、下記(5)、(6)式により算出されるものとなる。
ここで、π:円周率、R:鋼管半径(D/2)、σy:鋼管降伏強度とする。
上記(5)、(6)式は、窪み比率λが100%の鋼管1の管軸方向Yに圧縮荷重Pが作用した場合を想定して、図9(b)に示すように、鋼管1が蛇腹状に潰れる崩壊モードに基づくモデルを設定することで、鋭意検討の末に、この崩壊モードに基づくモデルから極限解析により導かれたものである。
この極限解析は、鋼管1が蛇腹状に潰れたときの変形により回転モーメントMpが卓越することで、窪み部2の山部頂点8a及び谷部底点8bの各々に塑性ヒンジ8が形成されるものと仮定するものである。各々の塑性ヒンジ8は、回転方向rに回転角θで回転変形することで、塑性ヒンジ8の回転モーメントMpと回転角θとの積(Mp×θ)から、各々の塑性ヒンジ8の内部仕事が算出される。このとき、各々の塑性ヒンジ8による内部仕事の和は、回転角θが4箇所に形成されることによって4×Mp×θとなる。これにより、鋼管1の軸圧縮耐力pは、各々の塑性ヒンジ8がなす内部仕事の和(回転モーメントMpの抵抗がなす仕事)と、圧縮荷重Pが鋼管1を変形させるときの外力がなす外部仕事の和(圧縮荷重Pがなす仕事の和)とのつり合いから、上記(5)、(6)式のように算出されるものとなる。
本発明を適用した鋼管1は、窪み比率λが50%以上、95%以下となるように設定されて、鋼管1の管周方向Wで窪み部2が形成される箇所と、窪み部2が形成されない箇所とが形成される。また、窪み部2の窪み深さaは、窪み深さaの最大値amaxとの関係で、上記(3)式により規定される関係を満足するとともに、窪み部2の窪み高さbは、窪み高さbの最大値bmaxとの関係で、上記(4)式により規定される関係を満足する。
このため、本発明を適用した鋼管1は、鋼管1の管周方向Wで窪み部2が形成される箇所の圧縮耐力p1が、上記(3)〜(6)式より、下記(7)、(8)式により規定される関係を満足するものとなる。
ここで、鋼管外周面1aに窪み部2が形成されない略直管状の通常鋼管5(窪み比率λが0%)においては、管軸方向Yの長尺座屈を生じさせない範囲の圧縮耐力p3が、鋼管断面積Aに依存するもとして、下記(9)式により規定される関係を満足するものとなる。
ここで、A:鋼管断面積とする。
このため、本発明を適用した鋼管1は、鋼管1の管周方向Wで窪み部2が形成されない箇所となるリブ部4の圧縮耐力p2が、通常鋼管5の鋼管断面積Aに対して窪み部2が形成される割合を控除することで、上記(9)式と窪み比率λとの関係から、下記(10)式により規定される関係を満足するものとなる。
したがって、本発明を適用した鋼管1は、鋼管1の管周方向Wで窪み部2が形成される箇所の圧縮耐力p1と、鋼管1の管周方向Wで窪み部2が形成されない箇所の圧縮耐力p2との和が、鋼管外周面1aに窪み部2が形成されない略直管状の通常鋼管5の圧縮耐力p3との関係で、下記(11)〜(13)式により規定される関係を満足することで、通常鋼管5と略同等以上の圧縮耐力を確保したものとなる。
ここで、本発明を適用した鋼管1は、直管部3の直管板厚t1と窪み部2の窪み板厚t2とが略同一であることから、図5(a)に示すように、鋼管1の管軸方向Yで窪み部2とリブ部4とが形成される部位10においても、図5(b)に示すように、鋼管1の管軸方向Yで直管部3が形成される部位11と同様に、鋼管断面積Aが下記(14)式により規定される関係を満足するものとして近似される。
以上より、本発明を適用した鋼管1は、上記(12)、(13)式に上記(14)式を代入することで、窪み部2の窪み深さaが、上記(1)式により規定される関係を満足するとともに、窪み部2の窪み高さbが、上記(2)式により規定される関係を満足するものとして算出されるものとなる。なお、本発明を適用した鋼管1は、上記(14)式で鋼管断面積Aを近似したことから、実際の製品において、上記(1)、(2)式におけるt/amax、t/bmaxが、(D−t)/Dを5%程度下回るものとなってもよいものとする。
下記表1は、比較例1〜6と本発明例1〜3とを比較して、本発明例1〜3の圧縮耐力(p1+p2)が、通常鋼管5の圧縮耐力p3よりも大きくなることを、実験結果より表すものである。本発明例1〜3は、t/amaxが(D−t)/D以上となることで、窪み部2の窪み深さaが上記(1)式により規定される関係を満足するものであり、これに対して、比較例1〜6は、t/amaxが(D−t)/D未満となるため、窪み部2の窪み深さaが上記(1)式により規定される関係を満足しないものとなる。ここで、本発明例1〜3は、何れも、鋼管1の管周方向Wの鋼管全周長Eに対する各々の窪み部2の窪み延長Enの合計ΣEnが占める割合(ΣEn/E)が9割を超えて、窪み比率λが90%以上に設定されたものである。
図10は、比較例及び本発明例の圧縮耐力をプロットしたものであり、「実験結果と計算結果とが一致する場合」を破線にて示し、「実験結果と計算結果の直線近似式」を直線で示している。この破線と直線とが概ね一致することは、発明者が提案する耐力評価式によって算出された窪み付きの鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)が、実際の窪み付きの鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)を高い精度で推定するものであることを、実験結果との検証から明らかにするものである。この実験的な検証研究により、発明者が提案する耐力評価式にて実際の窪み付きの鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)が精度良く推測できるとともに、この耐力評価式をもとに導き出した上記(1)、(2)式の妥当性を示すものである。
本発明を適用した鋼管1は、図11に示すように、窪み部2の窪み深さaが、上記(1)式により規定される関係を満足するときに、鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)を低下させることなく、鋼管外側Oの固結材6や定着材等との間で所定の付着性能を確保することができる。また、本発明を適用した鋼管1は、窪み部2の窪み高さbが、上記(2)式により規定される関係を満足するときに、鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)を低下させることなく、鋼管内側Iの固結材6や定着材等との間で所定の付着性能を確保することができる。
特に、本発明を適用した鋼管1は、窪み比率λが50%以上、95%以下となるように設定されることで、管周方向Wに延びた各々の窪み部2の窪み延長Enの合計ΣEnを十分に長くして、固結材6や定着材等との付着性能を向上させることができるものとなる。なお、本発明を適用した鋼管1は、鋼管外側O又は鋼管内側Iに、経時硬化性材料の固結材6が設けられるものに限られず、埋設された地盤内の土砂等との間で所定の付着性能を確保するものとされてもよい。
これにより、本発明を適用した鋼管1は、地盤内の土砂や経時硬化性材料等との付着性能の低下を回避すると同時に、鋼管1の圧縮耐力(p1+p2)を低下させることなく、管軸方向Yの圧縮性能を低下させない窪み仕様を有する鋼管1を提供することが可能となる。
なお、本発明を適用した鋼管1は、図2に示すように、管軸方向Yに並べられて設けられる複数のリブ部4が、管軸方向Yで略一列となるように形成されるものであるが、これに限らず、管周方向Wの位置を互いに異ならせて設けられて、管軸方向Yで略千鳥状等となるように形成されてもよい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用した鋼管1は、上述した中小径鋼管に適用されるものに限らず、鋼管外径Dが350mm〜3000mm程度となる大径鋼管に適用されてもよい。なお、本発明を適用した鋼管1は、窪み部2の管軸方向Yの長さBが、窪み部2の窪み深さaに対して、3〜20倍程度に設定されることが望ましい。
1 :鋼管
1a :鋼管外周面
1b :鋼管内周面
10 :窪み部とリブ部とが形成される部位
11 :直管部が形成される部位
2 :窪み部
2a :窪み外周面
2b :窪み内周面
20 :窪み部の両端部
21 :第1窪み部
22 :第2窪み部
23 :第3窪み部
25 :窪み部の略中央
3 :直管部
3a :直管外周面
3b :直管内周面
4 :リブ部
4a :リブ外周面
4b :リブ内周面
5 :通常鋼管
6 :固結材
7 :地盤
70 :掘削孔又は地盤改良範囲
8 :塑性ヒンジ
8a :山部頂点
8b :谷部底点
W :管周方向
X :管軸直交方向
Y :管軸方向

Claims (4)

  1. 鋼管外周面に窪み部が形成された鋼管であって、
    管軸方向に延びて略直管状に形成された直管部と、管軸直交方向の内側に向けて凹状に形成された窪み部とを備え、
    前記窪み部は、前記直管部と略同一の板厚を有するとともに、前記直管部の直管外周面よりも凹状に形成された窪み深さが、鋼管外径及び鋼管板厚との関係で、下記(1)式により規定される関係を満足し、
    前記窪み部は、管周方向の鋼管全周長に対して占める割合が50%を超えるように、管周方向に一又は複数形成され、
    前記鋼管外径は、48.2mm以上165.2mm以下であること
    を特徴とする鋼管。
    ここで、amax:前記窪み部の窪み深さの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
  2. 前記窪み部は、管周方向の鋼管全周長に対する一部のみで管周方向に延びて形成されること
    を特徴とする請求項1記載の鋼管。
  3. 前記窪み部は、管軸方向に所定の間隔を空けて断続的に複数形成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼管。
  4. 前記窪み部は、前記直管部の直管内周面よりも凸状に形成された窪み高さが、鋼管外径及び鋼管板厚との関係で、下記(2)式により規定される関係を満足すること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の鋼管。
    ここで、bmax:前記窪み部の窪み高さの最大値、D:鋼管外径、t:鋼管板厚とする。
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