JP2011157809A - セグメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スキンプレート6に主桁4に沿った凹凸溝61または突条が形成されているので、スキンプレート6の面外変形が抑制あるいは防止され、セグメント1の曲げ変形に対してスキンプレート6の略全域を有効断面として算入でき、主桁4の断面性能を高めることができる。従って、鋼殻2中間部に主桁を追加しなくても、スキンプレート6の有効断面を拡大してセグメント1の曲げ剛性および耐力を高めることができるので、鋼材量や加工手間、溶接量の増加を防止して製造手間や製造コストを抑制することができる。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2記載のセグメントでは、特許文献1記載と同様に、主桁の片側に25tで両側に50tの幅寸法のスキンプレートを有効断面として算入方法が提案され、スキンプレートに連結リブを介して内フランジを取り付けた場合には、連結リブの両側25t分のスキンプレートと内フランジとによる断面性能を算入する方法が提案されている。
また、本発明のセグメントでは、前記突条は、前記スキンプレートにおける前記鋼殻の内面側に突出して形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、断面V字形、U字形、コ字形、台形状の凹凸溝であれば、冷間プレス加工等によって比較的容易にスキンプレートに凹凸溝を形成することができ、製造コストを抑制することができる。一方、突条を有したスキンプレートとしては、圧延によって連続的に形成した縦縞鋼板が利用可能であり、連続的かつ大量に製造することで、製造コストを抑制することができる。そして、凹凸溝が鋼殻内部側に凹んで形成され、突条が鋼殻内部側に突出して形成されることで、鋼殻の外部側に凹凸溝や突条が突出することなく、トンネル地山側のスキンプレートであれば、組立時に地山と干渉して抵抗となることが防止でき、トンネル内空側のスキンプレートであれば、内空の有効空間を広く確保することができる。
このような構成によれば、トンネル内空側にもスキンプレートが設けられて6面が囲まれた鋼殻の場合に、内空側のスキンプレートの全体または広い範囲を有効断面として算入することができ、セグメントの断面性能をさらに高めて高性能化を促進させることができる。
このような構成によれば、鋼殻内部にコンクリート等の充填材が充填される合成セグメントとすることで、セグメントの剛性および強度をさらに向上させることができ、セグメントをより一層高性能化、薄型化することができる。
図1には、本発明のセグメント1が示されている。
セグメント1は、複数を組み合わせてトンネル覆工体を構成するもので、シールドマシンで地山を掘削してから、シールドマシンの後方にてセグメント1をリング状に組み立てるとともに、組み立てたセグメントリングをジャッキで押してシールドマシンを前進させ、さらに地山を掘削するという手順を繰り返してトンネル覆工体が構築される。このトンネル覆工体は、地山とトンネル内空とを仕切り、地山からの土圧や水圧に抵抗してトンネル内空の空間を確保するようになっている。
また、セグメント1は、鋼殻2内部が空洞の鋼製セグメントに限らず、図3に示すように、鋼殻2内部に充填材としての中詰めコンクリート3が充填された合成セグメントであってもよい。なお、充填材としては、コンクリートに限らず、無収縮モルタルなど、適宜な強度および剛性を有したものであれば利用可能である。
すなわち、スキンプレート6,7に主桁4に沿った凹凸溝61,62,63,64,71,72,73,74または突条65,75が形成されているので、スキンプレート6,7の面外変形が抑制あるいは防止され、セグメント1の曲げ変形に対してスキンプレート6,7の略全域を有効断面として算入でき、主桁4の断面性能を高めることができる。従って、鋼殻2中間部に主桁を追加しなくても、スキンプレート6,7の有効断面を拡大してセグメント1の曲げ剛性および耐力を高めることができるので、鋼材量や加工手間、溶接量の増加を防止して製造手間や製造コストを抑制することができる。さらに、セグメント1の曲げ剛性および耐力が高まることで、大深度や軟弱地盤におけるトンネル覆工体に利用しやすくなるとともに、セグメント1の薄型化を図ることができる。
実施例は、図2に示したセグメント1であって、スキンプレート6として、台形状の凹凸溝61が形成された厚みが3mmのものを用い、以下の表1に示すように、凹凸溝61の台形部の溝深さH(図3参照)、台形部の底幅L(図3参照)、および台形部の谷数P(例えば、図3に示す構成では、谷数P=2となる)をそれぞれパラメータとして解析した。なお、本実施例では、中詰めコンクリート3および内空側のスキンプレート7を省略した構造のセグメント1について応力解析を行っている。
比較例1、2では、スキンプレート60の一部が主桁4と一体的に変形することで、主桁4の断面係数が向上する。具体的に、図8中の有効断面部6Aは、スキンプレート60における有効断面として算入される部分であって、有効断面部6Aが増えることで、主桁4の断面性能を高めることができる。
図9に示すように、台形部の溝深さHが有効断面に及ぼす影響としては、実施例1(溝深さH=30mm)、実施例3(溝深さH=60mm)、実施例5(溝深さH=90mm)のいずれの場合であっても、比較例1、2よりも主桁1本当たりの有効幅比率が、1.5倍程度増加することが判る。
図10に示すように、台形部の底幅Lが有効断面に及ぼす影響としては、実施例3(底幅L=92mm)、実施例6(底幅L=184mm)、実施例7(底幅L=276mm)のいずれの場合であっても、比較例1、2よりも主桁1本当たりの有効幅比率が、1.5倍程度増加することが判る。
図11に示すように、台形部の谷数Pが有効断面に及ぼす影響としては、実施例3(谷数P=1)の場合には、比較例1、2よりも主桁1本当たりの有効幅比率が、1.5倍程度に増加し、実施例4(谷数P=3)の場合には、比較例1、2よりも2.0倍程度に増加している。すなわち、凹凸溝61の本数を増加させるに従い、有効幅比率は増加することが判る。なお、凹凸溝61の本数に伴う有効幅比率の増加傾向は、溝深さHが30mmである実施例1(谷数P=1)および実施例2(谷数P=3)の場合でも同様であった。
なお、本実施例では、スキンプレート6の厚みが3mmである場合の解析結果について説明したが、9mm、16mm等、3mm以外の厚みで検証した場合も同様に有効断面を拡大してセグメント1の曲げに対する断面性能を高めることができた。
一方、比較例2のように鋼殻中間部に主桁4を追加した場合には、比較例1よりも主桁1本当たりの有効幅比率が低下してしまうことも判った。
従って、鋼殻中間部に主桁4を追加したり連結リブを介して内フランジを取り付けたりするよりも、本発明のように、凹凸溝61,62,63,64,71,72,73,74を形成したり、突条65,75を形成したりしてスキンプレート6,7自体の剛性を高め、主桁4に対する有効断面を拡大することが、セグメント1の曲げに対する断面性能を高める上で効果的であることが確認できた。
例えば、前記実施形態では、スキンプレート6,7の鋼殻2内部側に突出するように凹凸溝61,62,63,64,71,72,73,74または突条65,75を形成したが、これに限らず、地山側スキンプレート6から地山側に突出するように凹凸溝61,62,63,64または突条65が形成されてもよく、内空側スキンプレート7から内空側に突出するように凹凸溝71,72,73,74または突条75が形成されてもよい。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 複数のセグメントピースを組み合わせて覆工体を構築するためのセグメントであって、
トンネル周方向に沿って延びる少なくとも一対の主桁と、前記主桁のトンネル周方向両端部同士を連結する一対の継手板と、前記主桁間を架設する複数の縦リブと、少なくともトンネル地山側にて前記主桁に渡るスキンプレートと、が一体に固定された鋼殻を備え、
前記スキンプレートには、前記主桁に沿った方向に連続する凹凸溝または突条が形成されていることを特徴とするセグメント。 - 請求項1に記載のセグメントにおいて、
前記凹凸溝は、前記スキンプレートの表面から前記鋼殻の内部側に凹んだ断面V字形、断面U字形、断面コ字形または断面台形状に形成されていることを特徴とするセグメント。 - 請求項1に記載のセグメントにおいて、
前記突条は、前記スキンプレートにおける前記鋼殻の内面側に突出して形成されていることを特徴とするセグメント。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のセグメントにおいて、
前記スキンプレートは、トンネル地山側およびトンネル内空側の両方に設けられ、これら両方のスキンプレートの各々に前記凹凸溝または突条が形成されていることを特徴とするセグメント。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のセグメントにおいて、
前記鋼殻は、前記少なくとも一対の主桁および少なくともトンネル地山側のスキンプレートと、前記一対の継手板と、で少なくとも5面が囲まれて形成され、当該鋼殻の内部に充填材が充填される合成セグメントであることを特徴とするセグメント。
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JPH11131994A (ja) * | 1997-10-31 | 1999-05-18 | Atsushi Koizumi | 覆工材 |
JPH11270293A (ja) * | 1998-03-24 | 1999-10-05 | Kajima Corp | 鋼製セグメント及び鋼製セグメントからなるトンネル覆工体 |
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