JP5327063B2 - セグメント覆工体 - Google Patents
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Description
このような構成によれば、トンネル軸方向に隣り合うセグメント同士が止水溝を有する端板を介しており、止水溝に設置するシール材等の止水材によってセグメント間の止水性能を確保することができる。そして、鋼殻の耐力向上のために主桁の断面性能を高めることが有効であるが、主桁の断面形状をH形やT形とした場合でも、主桁の断面形状に関わりなく止水溝を有する端板によって止水構造を構成できることから、鋼殻の耐力向上を容易に実現することができる。また、継手板の外面側に止水溝を有する端板を設けないことで、トンネル周方向に隣り合うセグメント同士の継手板の接合構造としては、従来からの構造を利用することが可能となり、セグメントリングの構築に要する施工装置や治具、作業手順を変更せずに施工することができる。
このような構成によれば、鋼殻内部にコンクリート等の充填材が充填される合成セグメントを利用する場合に、主桁や継手板と止水溝を有する端板との隙間にも充填材を充填することで、止水溝を有する端板に作用する圧縮力を充填材に伝達することができ、合成セグメントの剛性および耐力を向上させることができる。さらに、充填材によって拘束されることで止水溝を有する端板の移動や変形が抑制されることから、止水溝の位置精度を高めて止水性能を向上させることができる。
このような構成によれば、鋼殻内部に充填材を充填する際に止水溝を有する端板の外側に治具を当接させて位置決めすることで、充填時の位置ずれを防止しつつ、充填材硬化後における止水溝を有する端板の位置精度を確保することができる。
図1には、本発明のトンネル覆工(セグメント覆工体)を構築するためのセグメントピースである合成セグメント1が示されている。
トンネル覆工は、掘削した地山の内部にて複数のセグメントピース(合成セグメント1)を組み合わせて構成されるもので、シールドマシンで地山を掘削してから、シールドマシンの後方にてセグメントピースをリング状に組み立てるとともに、組み立てたセグメントリングをジャッキで押してシールドマシンを前進させ、さらに地山を掘削するという手順を繰り返して構築される。このトンネル覆工は、地山とトンネル内空とを仕切り、地山からの土圧や水圧に抵抗してトンネル内空の空間を確保するようになっている。なお、トンネル断面形状としては、一般的な円形のみに限定されるものではなく、矩形トンネルをはじめとする異形トンネル断面でもよい。
図3(A)に示す合成セグメント1Aは、主桁4とスキンプレート6との固定位置が合成セグメント1と相違し、スキンプレート6のトンネル軸方向端縁から内側に大きくずれて主桁4が固定され、この主桁4のフランジ42と端板8との間に隙間が形成されている。従って、この隙間から主桁4と端板8との間に中詰めコンクリート3を充填することができ、合成セグメント1の主桁4のような貫通孔43を省略することも可能である。
すなわち、主桁4の外面側に端板8が固定され、この端板8に形成した止水溝81の止水材9を介して隣り合う合成セグメント1同士が接続されることで、合成セグメント1間に止水構造を構成することができ、トンネル内空側への地下水等の漏水を防止することができる。そして、主桁4とは別体の端板8に止水溝81が形成されているので、主桁4に圧延や切削加工によって止水溝を形成する必要がなくなることから、比較的簡便に合成セグメント1を製造できるとともに、その製造手間を軽減して製造コストを低減することができる。さらに、主桁4にフランジ42が溶接され、主桁4と継手板5とが溶接され、その溶接熱による変形が生じたとしても、主桁4と端板8とが別体とされていることで、端板8に変形の影響が及ばずに平坦度が確保でき、止水溝81における位置精度を確保して止水性能を向上させることができるとともに、変形の矯正作業も軽減できて製造手間をさらに低減することができる。
例えば、前記実施形態では、地山側のみに表面板としてのスキンプレート6を設けたが、表面板は、地山側に限らず、内空側に設けてもよく、地山側および内空側の両方に表面板を設けてもよい。また、前記実施形態では、主桁4の外面側にのみ端板8を設けたが、これに限らず、継手板5の外面側にも止水溝を有する端板を設けてもよい。
また、前記実施形態では、鋼殻2内部にコンクリート3を充填した合成セグメント1,1A,1B,1Cについて説明したが、本発明のセグメント覆工体としては、合成セグメントを組み合わせたものに限らず、鋼殻2内部が空洞の鋼製セグメントを組み合わせて構築されるものでもよい。
また、充填材としては、コンクリートに限らず、無収縮モルタルなど、適宜な強度および剛性を有したものであれば利用可能である。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 複数のセグメントピースを組み合わせてトンネル覆工に利用されるセグメント覆工体であって、
トンネル周方向に沿って延びて互いに対向する主桁と、これら対向する主桁のトンネル周方向両端部同士を連結する一対の継手板と、トンネル地山側および内空側の少なくとも一方側にて前記主桁および継手板に四周が固定される表面板と、で少なくとも5面が囲まれた鋼殻を備え、
前記主桁および継手板の少なくとも一方の外面側には、当該主桁および継手板とは別体の止水溝を有しかつ構造材としての剛性や耐力を有さない端板が取り付けられ、前記止水溝を有する端板は、隣り合う他のセグメントピースにおける止水溝を有する端板と止水材を介して接続可能に構成されていることを特徴とするセグメント覆工体。 - 請求項1に記載のセグメント覆工体において、
前記止水溝を有する端板は、前記主桁の外面側に設けられていることを特徴とするセグメント覆工体。 - 請求項1または請求項2に記載のセグメント覆工体において、
前記セグメントピースは、前記鋼殻の内部に充填材が充填される合成セグメントであって、前記主桁および継手板の少なくとも一方と前記止水溝を有する端板との隙間に前記充填材が充填されることを特徴とするセグメント覆工体。 - 請求項3に記載のセグメント覆工体において、
前記合成セグメントは、前記止水溝を有する端板の外側に当接する治具で当該止水溝を有する端板を位置決めした状態で前記鋼殻内部に充填材を充填して製造されることを特徴とするセグメント覆工体。
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