JP7214445B2 - パネル構造体の継手構造 - Google Patents

パネル構造体の継手構造 Download PDF

Info

Publication number
JP7214445B2
JP7214445B2 JP2018212312A JP2018212312A JP7214445B2 JP 7214445 B2 JP7214445 B2 JP 7214445B2 JP 2018212312 A JP2018212312 A JP 2018212312A JP 2018212312 A JP2018212312 A JP 2018212312A JP 7214445 B2 JP7214445 B2 JP 7214445B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint
steel
panel
tunnel
outer shell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018212312A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020079492A (ja
Inventor
幸一 浜口
尚幸 荒木
哲也 青山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Corp filed Critical Shimizu Corp
Priority to JP2018212312A priority Critical patent/JP7214445B2/ja
Publication of JP2020079492A publication Critical patent/JP2020079492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7214445B2 publication Critical patent/JP7214445B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

本発明は、パネル構造体の継手構造に関する。
従来、大規模な道路トンネルにおける大断面の地中空洞をなす分岐合流部の施工方法として、例えば特許文献1に示されるように、構築される分岐合流部の外殻部に覆工躯体構造を先行して施工し、その後で覆工躯体構造の内側を掘削することにより施工している。
このような覆工躯体構造としては、分岐合流部の外殻部においてシールド工法により複数の外殻トンネルを周方向に間隔をあけて施工し、さらに凍結工法により地盤防護工を施工してから周方向に隣り合う外殻トンネル同士の間を切り開いて、鉄筋や型枠を組み立てた後、コンクリートを打設することにより構築されるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、外殻部に沿った湾曲面を形成したコンクリート板の内面に主筋、配力筋、支保材等が組み付けられた構造について記載されている。
特開2011-184899号公報 特開2017-145571号公報
しかしながら、従来の覆工躯体構造を構成する鋼製パネルでは、分岐合流部の外殻部における周方向、延在方向、及び径方向にずれるような施工誤差が生じると、鋼製パネル同士の間の継手部分に隙間やずれが生じてしまう。このような施工誤差が生じた場合には、鋼製パネル同士の間の接合が難しく、構造上の品質を十分に確保できないという問題があり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、接合する鋼製パネル間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、構造上の品質を確保することができるパネル構造体の継手構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るパネル構造体の継手構造は、スキンプレートと、該スキンプレートの周縁部に設けられる端板と、が一体で形成された鋼製パネルを有するパネル構造体同士を接合するためのパネル構造体の継手構造であって、前記端板のうち、接合する他方の鋼製パネルとの接合部に設けられる端板は継手板として機能するものであり、前記パネル構造体同士の接合方向に延びる第1リブおよび前記接合方向に対して直交方向に延びる第2リブおよび前記端板によって囲まれ、前記直交方向に複数配列された継手収容部と、両端に機械式定着部を有し、接合方向に隣接する前記鋼製パネルの前記継手収容部の双方に架け渡すように設置される鋼棒と、前記継手収容部の内側で前記鋼棒を埋設するとともに、前記鋼製パネルに一体になるように充填された充填コンクリートと、を備え、前記継手収容部ごとに1本の前記鋼棒が設けられ、前記パネル構造体同士が接合された状態で、隣り合う前記鋼製パネルの前記継手板同士が当接され、前記継手収容部は、隣り合う前記鋼製パネル同士のずれ量を吸収して前記鋼棒を配置可能な大きさに形成されていることを特徴としている。
本発明では、組み立てられた鋼製パネルに施工誤差によって生じるずれや隙間を、双方の鋼製パネル同士の接合部に設けられる鋼棒によって吸収することができる。具体的には、接合される双方の鋼製パネルの継手板に設けられる継手収容部は、隣り合う鋼製パネルが施工誤差によってずれた状態で鋼棒の機械式定着部を配置させて収容できるようになっている。すなわち、鋼棒を継手収容部内に充填される充填コンクリートに埋設できる大きさに設定されているため、鋼製パネル同士をずれや隙間を吸収した状態で確実に接合することができる。したがって、鋼製パネル同士の間の止水性を確保することができ、構造上の品質の低下を抑えることができる。
また、パネル構造体を設置した後に、接合された鋼製パネル同士の間が離間する方向に引っ張り力が作用した場合でも、継手収容部内で継手板から充填コンクリートを介して機械式定着部を支圧することができ、継手板同士の間に開き(隙間)が生じることを防止することができる。
また、本発明に係るパネル構造体の継手構造は、前記継手板には、前記鋼棒を挿入可能で、かつ前記ずれ量を吸収可能な継手開口部が形成されていることを特徴としてもよい。
この場合には、継手板の継手開口部の範囲内で鋼棒を配置することが可能であるので、継手板によりコンクリートが流出しないように箱型の継手収容部を形成しつつ、鋼棒を鋼製パネルのずれ量に対応した位置に配置することができる。
本発明のパネル構造体の継手構造によれば、接合する鋼製パネル間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、構造上の品質を確保することができる。
本発明の実施形態による分岐合流部の概略施工状態を示す斜視図である。 (a)は外殻トンネルを施工中の状態をトンネル方向から見た断面図、(b)は(a)の覆工躯体構造の内側を掘削して構築された分岐合流部の断面図である。 覆工躯体構造における部分的な施工状態を示す斜視図である。 覆工躯体構造における部分的な施工状態を示すトンネル方向から見た断面図である。 周方向に接合された鋼製パネルを内面側から見た斜視図である。 鋼製パネル同士の接合部分を内面側から見た平面図であって、(a)はずれが無い状態を示す図、(b)はトンネル方向及び径方向にずれた状態を示す図である。 構成パネルをリング間継手側から見た側面図である。 鋼製パネルの接続部をトンネル方向から見た断面図である。 図6(b)に示す鋼製パネル同士の接合部分の斜視図である。 図9に示す鋼製パネル同士における接合状態の要部を周方向から見た側面図である。
以下、本発明の実施形態によるパネル構造体の継手構造について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態によるパネル構造体の継手構造は、例えば大規模な道路トンネルにおいて、予め地中にシールド工法により施工されている本線トンネル11に対してランプトンネル12が合流・分岐する箇所に大断面の分岐合流部10の外殻部10Aに構築される覆工躯体構造1(パネル構造体)に設けられている。
分岐合流部10は、図2(a)に示すように、本線トンネル11とランプトンネル12の外側を取り囲むように、分岐合流部10に平行に延在するように施工された複数の外殻トンネル13、13、…を外殻部10Aの一部としたものである。分岐合流部10は、略円形断面をなし、断面視で周方向Zに隣り合う外殻トンネル13、13同士の間を掘削して複数の鋼製パネル2(図4参照)を連結して組み立てることにより周方向Zに連続する覆工躯体構造1を形成し、さらにその覆工躯体構造1の内側を掘削することにより構築される。
ここで、本実施形態では、分岐合流部10の外殻部10Aにおいて、分岐合流部10の縦断面に直交する延在方向をトンネル方向Xといい、分岐合流部10の縦断面の中央を通る中心軸線回りに周回する方向を周方向Zといい、前記中心軸線に直交する方向を径方向Y(図3及び図4参照)という。
複数の外殻トンネル13は、分岐合流部10の一部で外殻部10Aの基端に位置するように予め施工され、周方向Zに沿ってリング状に延在するメガネ形状の断面をなす円周トンネル15を発進基地(外殻シールド発進基地150)として外殻シールド掘削機14を掘進させることにより施工される。
外殻トンネル13は、図3及び図4に示すように、掘進中の外殻シールド掘削機14の後方に順次組み立てられる外殻セグメント13Aと、外殻セグメント13Aの内側において内周側と外周側との内面同士を連結するとともにトンネル方向Xからみて左右一対のH形鋼からなる補剛材131、131と、一対の補剛材131、131の上端同士および下端同士を左右方向に連結する横連結材132と、を備えている。補剛材131は、鋼製パネル2を貫通した状態で配置される。
なお、本実施形態による外殻トンネル13は、覆工躯体構造1を施工する際における覆工躯体構造1の構成部材の搬入や外殻トンネル13、13同士の間を掘削したときの掘削土砂等の搬出に使用するアクセストンネルとして利用される。
次に、外殻トンネル13を使用して施工される覆工躯体構造1について、具体的に説明する。
覆工躯体構造1は、図2(a)、(b)、図3及び図4に示すように、トンネル方向Xからみて周方向Zの全体が多角形状(ここでは32角形)を形成するようにフラット面板を有し、外殻部10Aの内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向Zに複数に分割された鋼製パネル2と、内周側の鋼製パネル2(内周側鋼製パネル20A)と外周側の鋼製パネル2(外周側鋼製パネル20B)との間に充填された充填コンクリート3と、周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士にわたって架け渡すように設置され、両端に拡径部41(機械式定着部)を有する鋼棒4と、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとを連結するせん断補強部材5と、を備えている。
鋼製パネル2は、覆工躯体構造1の躯体として機能するとともに、充填コンクリート3の打設時の型枠としての機能も有している。
鋼製パネル2の大きさは、それぞれ少なくとも外殻トンネル13内に搬入可能なサイズに分割されていて、予め工場において、一体的に製造され、外殻部10Aにおける所定の組み立て位置に運ばれて組み立てられる。
鋼製パネル2は、図5及び図6(a)、(b)に示すように、フラット面板21aを形成した矩形状のスキンプレート21と、スキンプレート21の外周四辺部の各周縁部からフラット面板21aに直交する方向に立設された端板22と、端板22の内側のスキンプレート21の内面に溶着により突設された複数のスタッドジベル27、27、…と、を有している。内周側鋼製パネル20Aおよび外周側鋼製パネル20Bは、図3に示すように、それぞれスキンプレート21における端板22が突出する側の面を互いに所定間隔をあけて対向させた状態で設置されている。
端板22は、図5及び図6(a)、(b)に示すように、トンネル方向Xに隣接する鋼製パネル2、2同士を連結し互いに対向する一対のトンネル間継手22Aと、周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士を接合し互いに対向する一対のリング間継手22B(継手板、接合部)と、から構成されている。
トンネル間継手22Aは、スキンプレート21の長手方向(周方向Z)に沿って延在している。リング間継手22Bは、スキンプレート21の短手向(トンネル方向X)に沿って延在している。端板22の外周面には、図7に示すように、全周にわたってシール溝22aが形成されており、このシール溝22aにはシール材22b(図5参照)が接着された状態で設けられている。隣接する鋼製パネル2、2によってシール材22bが押し潰されることで、鋼製パネル2、2同士の間が止水される。
スタッドジベル27、27、…は、充填される充填コンクリート3に一体的に埋設される構成となっている。
鋼製パネル2には、リング間継手22Bを有する継手収容部24が設けられている。継手収容部24は、図6(a)、(b)及び図7に示すように、端板22(22A、22B)と、周方向Zに沿って延びる複数の周方向リブ24Aと、周方向リブ24Aの継手側とは反対側の端部に固着されトンネル方向Xに沿って延びるトンネル方向リブ24Bと、によって囲まれる空間を形成している。
継手収容部24は、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士の3方向(周方向Z、トンネル方向X、外殻部10Aの径方向Y)のずれ量を吸収して鋼棒4を配置可能な大きさに形成され、鋼棒4を埋設するようにして充填コンクリート3が充填されている。
トンネル間継手22Aには、トンネル方向Xに鋼製パネル2、2同士をボルト接合するためのボルト穴22c(図5参照)が形成されている。
リング間継手22Bには、鋼棒4を挿入可能で、かつ外殻部10Aの延在方向(トンネル方向X)と径方向Yとに沿って延在する継手開口部25が複数形成されている。複数の継手開口部25は、それぞれリング間継手22Bにおける1箇所の継手収容部24を形成する部分毎に設けられている。
継手開口部25を形成する両側の周方向リブ24Aには、それぞれ補強片24Cが設けられている。各継手収容部24における補強片24C、24C同士の間の寸法は、鋼棒4の棒状部40の径寸法よりも大きく設定されている。
鋼製パネル2は、図3及び図4に示すように、中央パネル部201と、中央パネル部201の周方向Zの両側に位置する屈折パネル部202と、を有している。中央パネル部201は、外殻トンネル13内に位置するように配置される。屈折パネル部202には、リング間継手22Bを有し、継手収容部24(図5参照)が設けられている。
そして、図8に示すように、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2のリング間継手22B、22B同士の間の隙間には、高弾性の接着剤26が充填されている。
鋼棒4は、図6(a)、(b)、及び図8に示すように、棒状部40の両先端部にT型に形成された拡径部41(機械式定着部)を有する鉄筋であり、例えばTヘッド工法鉄筋(登録商標、清水建設社製)を用いることができる。鋼棒4は、隣接する鋼製パネル2、2のリング間継手22B、22B同士を当接させた状態で、一方の拡径部41が隣接される一方の鋼製パネル2の継手収容部24に配置され、他方の拡径部41が他方の鋼製パネル2の継手収容部24に配置されている。
せん断補強部材5は、図3及び図4に示すように、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとを連結し、鋼製パネル2に一体的に設けられて躯体構造として機能するとともに、充填コンクリート3を打設する際における圧力を受ける支保工として機能する。せん断補強部材5は、内周側の鋼製パネル2の外周面から外周側の鋼製パネル2の内周面に向けて延在するように立設されたH形鋼からなる。
充填コンクリート3は、内外周に配置される鋼製パネル2、2同士の間の空間全体に充填される。充填コンクリート3は、鋼棒4が配置される継手収容部24にも充填されるので、充填コンクリート3によって固定される鋼棒4を介して周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士が強固に接続された状態となっている。充填コンクリート3の充填作業は、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bを型枠にして、外殻トンネル13より行われる。
次に、上述した覆工躯体構造1の施工方法について、図面に基づいて具体的に説明する。
先ず、図1及び図2(a)に示すように、ランプトンネル12の側壁の一部に円周トンネル15を掘削するための図示しない複円形円周シールド掘削機の発進基地(円周シールド発進基地17)を施工する。例えば、ランプトンネル12から図1に示す推進機18を掘進させて、その周囲に地盤改良部100を形成した後、推進機18で掘削したトンネルの周囲を拡幅することにより円周シールド発進基地17を構築することができる。
そして、図2(a)に示すように、複円形円周シールド掘削機を周方向Zに掘進させるとともに、そのシールド機本体内でメガネ形状の円周セグメント(図示省略)を組み立てる。次に、施工した円周トンネル15を外殻シールド発進基地150とし、円形断面の外殻シールド掘削機14(図1参照)を配置し掘進する。
複数の外殻トンネル13は、施工予定の地中空洞部(分岐合流部10)の外殻部10Aにおいて、周方向Zに間隔をあけて配列した状態で施工される。外殻トンネル13は、外殻シールド掘削機14によって掘削され、外殻シールド掘削機14の後方に組み立てられた外殻セグメント13A(図3参照)によって形成される。これら複数の外殻トンネル13によって本線トンネル11及びランプトンネル12の周囲に外殻部10Aの一部が構築される。
そして、外殻トンネル13を施工した後、あるいは外殻トンネル13の掘進と同時に、外殻トンネル13の内側から周囲に向けて凍結工法により凍結材を地山に注入して地盤改良を行う。この地盤改良領域は、覆工躯体構造1の配置領域とその周囲の所定範囲とされる。つまり、周方向Zに隣り合う外殻トンネル13、13同士の間の地山を凍結工法(あるいは薬液注入工法等)により地盤改良を行って覆工躯体構造1の施工予定領域を取り囲む改良ゾーンを形成する。
その後、図4に示すように、外殻トンネル13の外殻セグメント13A内に柱部材からなる四角形状の補剛材131と横連結材132とを設けた後、外殻セグメント13Aの周方向Zの両側部分を切り開き、隣り合う外殻トンネル13、13同士の間を掘削して導坑部を設ける。
次に、外殻トンネル13及び導坑部に内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bを組み立て、内部に充填コンクリート3を充填することで覆工躯体構造1を構築する。具体的には、図2(a)、(b)に示すように、外殻トンネル13を使用して搬入した鋼製パネル2を周方向に接続して組み立てる。つまり、外殻部10Aの内周側には内周側鋼製パネル20Aを全周にわたって組み立て、外周側には外周側鋼製パネル20Bを全周にわたって組み立てる。なお、鋼製パネル2は、外殻トンネル13及び前記導坑部に設置されたロボットアーム等の把持装置を使用してハンドリングして組み立て作業を行うようにする。
そして、図6(a)、(b)及び図8に示すように、組み立てた鋼製パネル2同士の接合部に位置するリング間継手22B、22Bの継手開口部25に鋼棒4を挿入し、双方の継手収容部24に鋼棒4を架け渡すように配置する。その後、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとの間に充填コンクリート3を充填し、これにより支保機能、及び止水機能を有する覆工躯体構造1が構築される。
その後、図2(a)、(b)に示すように、外殻部10Aの内側を掘削し、外殻部10Aによって覆われる箇所の本線トンネル11及びランプトンネル12のセグメントを解体、撤去することにより大空間をなす分岐合流部10を構築することができる。
次に、上述したパネル構造体の継手構造の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、組み立てられた鋼製パネル2に施工誤差によって生じるずれや隙間を、双方の鋼製パネル2、2同士の接合部に設けられる鋼棒4によって吸収することができる。
この場合、図6(a)、(b)、図9、及び図10に示すように、鋼製パネル2の組み立て時に鋼製パネル2に施工誤差が生じても、鋼製パネル2における外殻部10Aの周方向Z、トンネル方向X、あるいは径方向Yのずれをそれぞれの鋼製パネル2同士の間で設けられる鋼棒4によって吸収することができる。本実施形態では、鋼製パネル2、2のそれぞれの継手開口部25が形成されているので、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士が互いにトンネル方向Xにずれている場合であっても、鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。
また、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士が互いに径方向Yにずれている場合であっても、第1スリット25Aの長手方向に鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。
このように本実施形態では、接合される双方の鋼製パネル2、2のリング間継手22Bに設けられる継手収容部24は、隣り合う鋼製パネル2、2が施工誤差によってずれた状態で鋼棒4の拡径部41を配置させて収容できるようになっている。すなわち、鋼棒4を継手収容部24内に充填される充填コンクリート3に埋設できる大きさに設定されているため、鋼製パネル2、2同士をずれや隙間を吸収した状態で確実に接合することができる。したがって、鋼製パネル2、2同士の間の止水性を確保することができ、構造上の品質の低下を抑えることができる。
また、本実施形態では、覆工躯体構造1を設置した後に、接合された鋼製パネル2、2同士の間が離間する方向に引っ張り力が作用した場合でも、継手収容部24内でリング間継手22Bから充填コンクリート3を介して拡径部41を支圧することができ、リング間継手22B、22B同士の間に開き(隙間)が生じることを防止することができる。
また、本実施形態では、リング間継手22Bの継手板に、鋼棒4を挿入可能で、かつずれ量を吸収可能な継手開口部25が形成されていることから、継手開口部25の範囲内で鋼棒4を配置することが可能となる。そのため、リング間継手22Bによりコンクリートが流出しないように箱型の継手収容部24を形成しつつ、鋼棒4を鋼製パネル2のずれ量に対応した位置に配置することができる。
上述のように本実施形態によるパネル構造体の継手構造では、接合する鋼製パネル2、2間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、構造上の品質を確保することができる。
以上、本発明によるパネル構造体の継手構造の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態のような道路トンネルにおける分岐合流部10の外殻部10Aに構築されるパネル構造体(覆工躯体構造1)であることに制限されることはなく、他の用途に採用されるパネル構造体であってもかまわない。さらに、パネル構造体は、円周方向に延在する形状であることもない。例えば、道路などの床版に適用することができる。また、パネル構造体がスキンプレート21の長手方向(周方向Z)に直線状でなく円弧状であっても構わない。
また、例えば、リング間継手22Bの継手板に鋼棒4を挿入可能な継手開口部25が形成されているが、鋼棒4をリング間継手22Bに対して周方向Z、トンネル方向X、及び径方向Yにずらして配置することが可能な継手開口部であれば、とくに形状に限定されることはない。
また、鋼棒4の構成に関しても上述した実施形態のように両先端部にT型に形成された拡径部41(機械式定着部)であることに限定されることはなく、機械式定着部が継手収容部24内に充填した充填コンクリート3による支圧を期待できる形状であればよいのである。
さらにまた、本実施形態では、大断面の道路トンネルを施工する場合の適用例であるが、上述したような大断面の地中空洞部を有する様々な規模、用途、形態のトンネルを施工する場合全般に広く適用できるものであるし、覆工躯体構造1の構成として、施工対象のトンネルにおける地中空洞部の規模や形態に応じて、また周辺環境等の諸条件を考慮して様々な設計的変更が可能である。さらに、分岐合流部10を構成する外殻部10Aの大きさ、躯体構造、施工方法に関しては上述した実施形態に限定されることはなく、設定される道路トンネル、地盤条件等の仕様に応じて適宜、設定することができる。つまり、円周トンネル15、外殻トンネル13の構成、施工方法についても本実施形態に限定されることはない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 覆工躯体構造(パネル構造体)
2 鋼製パネル
3 充填コンクリート
4 鋼棒
10 分岐合流部
10A 外殻部
11 本線トンネル
12 ランプトンネル
13 外殻トンネル
13A 外殻セグメント
22 端板
22A トンネル間継手
22B リング間継手
24 継手収容部
25 継手開口部
41 拡径部(機械式定着部)
150 外殻シールド発進基地
X 外殻部のトンネル方向(接合方向)
Y 外殻部の径方向
Z 外殻部の周方向

Claims (2)

  1. スキンプレートと、該スキンプレートの周縁部に設けられる端板と、が一体で形成された鋼製パネルを有するパネル構造体同士を接合するためのパネル構造体の継手構造であって、
    前記端板のうち、接合する他方の鋼製パネルとの接合部に設けられる端板は継手板として機能するものであり、
    前記パネル構造体同士の接合方向に延びる第1リブおよび前記接合方向に対して直交方向に延びる第2リブおよび前記端板によって囲まれ、前記直交方向に複数配列された継手収容部と、
    両端に機械式定着部を有し、接合方向に隣接する前記鋼製パネルの前記継手収容部の双方に架け渡すように設置される鋼棒と、
    前記継手収容部の内側で前記鋼棒を埋設するとともに、前記鋼製パネルに一体になるように充填された充填コンクリートと、を備え、
    前記継手収容部ごとに1本の前記鋼棒が設けられ、
    前記パネル構造体同士が接合された状態で、隣り合う前記鋼製パネルの前記継手板同士が当接され、
    前記継手収容部は、隣り合う前記鋼製パネル同士のずれ量を吸収して前記鋼棒を配置可能な大きさに形成されていることを特徴とするパネル構造体の継手構造。
  2. 前記継手板には、前記鋼棒を挿入可能で、かつ前記ずれ量を吸収可能な継手開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパネル構造体の継手構造。
JP2018212312A 2018-11-12 2018-11-12 パネル構造体の継手構造 Active JP7214445B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018212312A JP7214445B2 (ja) 2018-11-12 2018-11-12 パネル構造体の継手構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018212312A JP7214445B2 (ja) 2018-11-12 2018-11-12 パネル構造体の継手構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020079492A JP2020079492A (ja) 2020-05-28
JP7214445B2 true JP7214445B2 (ja) 2023-01-30

Family

ID=70801540

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018212312A Active JP7214445B2 (ja) 2018-11-12 2018-11-12 パネル構造体の継手構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7214445B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005023523A (ja) 2003-06-30 2005-01-27 Metropolitan Expressway Public Corp 鋼殻の接合部構造
JP2012241450A (ja) 2011-05-20 2012-12-10 Nippon Steel Corp セグメントの継手構造及びセグメント並びにセグメントの組立方法
JP2018013019A (ja) 2016-10-25 2018-01-25 大成建設株式会社 大断面地中構造物の構築方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07103785B2 (ja) * 1988-07-11 1995-11-08 嘉司 松本 継手ボルトのいらないセグメント
JP2979044B2 (ja) * 1991-06-21 1999-11-15 首都高速道路公団 大規模地下構造物とその構築工法
JP2988437B2 (ja) * 1997-05-26 1999-12-13 鹿島建設株式会社 セグメントの接合部構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005023523A (ja) 2003-06-30 2005-01-27 Metropolitan Expressway Public Corp 鋼殻の接合部構造
JP2012241450A (ja) 2011-05-20 2012-12-10 Nippon Steel Corp セグメントの継手構造及びセグメント並びにセグメントの組立方法
JP2018013019A (ja) 2016-10-25 2018-01-25 大成建設株式会社 大断面地中構造物の構築方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020079492A (ja) 2020-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6922280B2 (ja) トンネル躯体の構築方法
JP4566914B2 (ja) 再接合セグメント及び連結トンネルの構築方法
JP2020117919A (ja) 合成セグメント、リング体及び埋設構造物
JP2008267118A (ja) セグメントの連結構造
JP2018013019A (ja) 大断面地中構造物の構築方法
JP7134069B2 (ja) 覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法
JP5525468B2 (ja) 地下構造物および地下構造物の構築方法
JP7214445B2 (ja) パネル構造体の継手構造
JP6870326B2 (ja) トンネル躯体
JP6229400B2 (ja) トンネル接続構造およびトンネル接続方法
JP2006097317A (ja) 鋼殻とrc部材との接合構造および接合方法
JP6190625B2 (ja) シールドトンネルの接合構造と接合方法
JP5340877B2 (ja) トンネルの構築方法
JP2004225386A (ja) 組立鋼殻及びトンネル拡大部覆工
JP6874375B2 (ja) トンネル躯体の構築方法
JPH0220799A (ja) 継手ボルトのいらないセグメント
JP2018012945A (ja) 大断面地中構造物の構築方法
JP4485373B2 (ja) トンネルの分合流部の構築方法
JP4288316B2 (ja) トンネル拡幅工法
JP6827294B2 (ja) セグメント壁体及びトンネル覆工体
JP7404603B2 (ja) 柱梁接合構造
JP6179387B2 (ja) トンネル接続構造およびトンネル接続方法
JP6811299B1 (ja) Bセグメントとkセグメントからなるセグメントセット、切り開きトンネル及びその施工方法
JP2022075012A (ja) シールドトンネルの覆工構造
JP3900684B2 (ja) 地下構造物の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7214445

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150