JP7134069B2 - 覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法に関する。
従来、大規模な道路トンネルにおける大断面の地中空洞をなす分岐合流部の施工方法として、例えば特許文献1に示されるように、構築される分岐合流部の外殻部に覆工躯体構造を先行して施工し、その後で覆工躯体構造の内側を掘削することにより施工している。
このような覆工躯体構造としては、分岐合流部の外殻部においてシールド工法により複数の外殻トンネルを周方向に間隔をあけて施工し、さらに凍結工法により地盤防護工を施工してから周方向に隣り合う外殻トンネル同士の間を切り開いて、鉄筋や型枠を組み立てた後、コンクリートを打設することにより構築されるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、外殻部に沿った湾曲面を形成したコンクリート板の内面に主筋、配力筋、支保材等が組み付けられた構造について記載されている。
特開2011-184899号公報 特開2017-145571号公報
しかしながら、従来の場合には、全体として周方向に接合される鋼製パネルを用いた覆工躯体構造では、周方向(リング方向)及びトンネル間方向にずれるような施工誤差が生じた場合において、鋼製パネル同士の間の継手部分に隙間やずれが生じ、止水性を確保できないという問題があった。
また、上述したような施工誤差が生じた場合には、鋼製パネル同士の間の接合が難しいことから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、外殻部の躯体構造間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、止水性能の低下を抑えることができる覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る覆工躯体構造は、地中空洞部の外殻部に施工される覆工躯体構造であって、前記地中空洞部の延在方向からみて、前記外殻部の内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向に複数に分割された鋼製パネルと、内周側の前記鋼製パネルと外周側の前記鋼製パネルとの間に充填された中詰めコンクリートと、周方向に隣接する前記鋼製パネル同士にわたって架け渡すように設置され、両端に機械式定着部を有する鋼棒と、を備え、周方向に隣接する前記鋼製パネル同士の接合部には、それぞれ継手板を有する継手収容部が設けられ、前記継手収容部は、周方向に隣り合う前記鋼製パネル同士のずれ量を吸収するように前記鋼棒を配置可能な大きさに形成され、前記鋼棒が埋設された状態で前記中詰めコンクリートが充填されていることを特徴としている。
また、本発明に係る覆工躯体構造の施工方法は、上述した覆工躯体構造の施工方法であって、前記覆工躯体構造の配置領域にアクセス可能なアクセストンネルを設ける工程と、 前記アクセストンネルを使用して搬入した前記鋼製パネルを前記周方向に接続し、前記外殻部の内周側と外周側とのそれぞれの全周にわたって組み立てる工程と、組み立てた前記鋼製パネル同士の接合部に位置する双方の前記継手収容部に前記鋼棒を架け渡すように配置する工程と、内周側の前記鋼製パネルと外周側の前記鋼製パネルとの間に中詰めコンクリートを充填する工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、地中空洞部の外殻部の内周側と外周側のそれぞれにおいて、鋼棒を使用し、施工によるずれ量を簡単に吸収した状態で鋼製パネルを周方向に配置し、それら内外周の鋼製パネル同士の間に中詰めコンクリートを充填することで覆工躯体構造を構築することができる。この場合、前述したように鋼製パネルの組み立て時に本体パネルに施工誤差が生じても、鋼製パネルにおける外殻部の周方向、延在方向、あるいは径方向のずれを周方向に隣接する鋼製パネルとの間で設けられる鋼棒によって吸収することができる。つまり、周方向に隣り合う双方の継手板に設けられる継手収容部は、隣り合う鋼製パネルが施工誤差によってずれた状態で鋼棒の機械式定着部を配置させて収容でき、その鋼棒を継手収容部内に充填される中詰めコンクリートに埋設できる大きさに設定されているので、鋼棒によって確実な接合が可能となる。
また、設置後に周方向に連結される鋼製パネル同士の間が離間する方向に引っ張り力が作用した場合でも、継手収容部内で継手板から中詰めコンクリートを介して機械式定着部を支圧することができ、継手板同士の間に開き(隙間)が生じることを防止することができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、前記鋼製パネルは、前記地中空洞部の延在方向からみて周方向の全体が円形状を形成するような円弧状面板を有していることを特徴としてもよい。
外殻部の曲率が一定の場合には、鋼製パネルの全体が円弧状面板により円形状に形成されることが比較的容易で、構造的にも有利である。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、前記鋼製パネルは、前記地中空洞部の延在方向からみて周方向の全体が多角形状を形成するようなフラット面板を有していることを特徴としてもよい。
このような構成にすることで、例えば外殻部の曲率が変化する場合には、鋼製パネルの全体がフラット面板により多角形状に形成されることで、外殻部の曲率の変化に対応させることができる。そのため、パネル全体が円形の曲面によって形成される場合に比べて、ずれを吸収して確実に接合することができ、鋼製パネル間の止水性能の低下を抑えることができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、前記鋼製パネルは、本体パネルと、隣り合う前記本体パネル同士の間に配置可能な調整パネルと、を有していることを特徴としてもよい。
この場合には、前述したように鋼製パネルの組み立て時に本体パネルに施工誤差が生じても、本体パネルにおける外殻部の周方向、延在方向、あるいは径方向のずれを調整パネルとの間で設けられる鋼棒によって吸収することができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、前記内周側の鋼製パネルと前記外周側の鋼製パネルとを連結するせん断補強部材が設けられていることを特徴としてもよい。
この場合には、外殻部の内周側及び外周側に配置される鋼製パネル同士がせん断補強部材によって連結されているので、覆工躯体構造としての躯体剛性を高めることができる。そして、せん断補強部材がせん断補強鉄筋の機能を兼ねているので、従来のようなせん断補強鉄筋を減らすことができ、施工にかかる手間やコストを低減することができる。
また、中詰めコンクリートの充填前の状態では、せん断補強部材によって内外周の鋼製パネルが互いに近接する方向に潰れるように変位することを抑制するように支持することができる。このようにせん断補強部材を設けることで、鋼製パネルを所定の間隔をあけた状態で支持する支保工の機能をもたせることができるため、せん断補強部材とは別で支保工を設ける必要がなく、コストの低減を図ることができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、前記継手板には、前記鋼棒を挿入可能で、かつ前記外殻部の延在方向と径方向とに沿って延在する継手開口部が形成されていることを特徴としてもよい。
この場合には、継手板の継手開口部の範囲内で鋼棒を配置することが可能であるので、継手板によりコンクリートが流出しないように箱型の継手収容部を形成しつつ、鋼棒を鋼製パネルのずれ量に対応した位置に配置することができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造は、接合する一方の前記鋼製パネルの第1継手板と、他方の前記鋼製パネルの第2継手板との間の隙間には、接着剤が充填されていることを特徴としてもよい。
この場合には、周方向に接合される継手板同士の間の隙間が接着剤によって閉塞されるので、周方向に隣接する鋼製パネル同士の間の止水性を向上させることができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造の施工方法は、前記アクセストンネルは、前記外殻部の一部を構成する外殻トンネルであることが好ましい。
本発明では、外殻部の周方向に間隔をあけて複数の外殻トンネルを先行して施工しておき、これら外殻トンネルを使用して鋼製パネルを設置位置に搬入することができる。この場合には、外殻トンネル自体も外殻部の一部として機能するので覆工躯体構造の躯体構造が強固なものとなるとともに、施工効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る覆工躯体構造の施工方法は、前記中詰めコンクリートが充填され硬化することで形成された前記覆工躯体構造の内側を掘削することにより、前記覆工躯体構造を外殻部とする地中空洞部が構築されることを特徴としてもよい。
この場合には、内外周に配置される鋼製パネルの内側に中詰めコンクリートを充填することで高い剛性構造となり、外殻部に沿った形状の覆工躯体構造が形成されることになる。そのため、覆工躯体構造によって囲まれた内側の地山を安全に、かつ効率よく掘削して地中空洞部を構築することができる。
本発明の覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法によれば、外殻部の躯体構造間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、止水性能の低下を抑えることができる。
本発明の第1実施形態による分岐合流部の概略施工状態を示す斜視図である。 図1に示す分岐合流部のトンネル線形を示す図である。 図2に示すA-A線断面図である。 (a)は図2に示すB-B線断面図、(b)は(a)の覆工躯体構造の内側を掘削して構築された分岐合流部の断面図である。 図3に示すC-C線断面図であって、二連円周シールド掘削機を発進させた後の円周シールド発進基地を示す図である。 円周トンネルをトンネル軸方向から見た断面図である。 覆工躯体構造における部分的な施工状態を示す斜視図である。 覆工躯体構造における部分的な施工状態を示すトンネル方向から見た断面図である。 複数の鋼製パネルをリブ側から見た平面図である。 本体パネルの一部を示す斜視図である。 本体パネルをリブ側から見た平面図である。 図11に示すD-D線矢視図であって、本体パネルのリング間継手を周方向から見た側面図である。 調整パネルを補強リブ側から見た平面図である。 図9に示すE-E線断面図である。 本体パネルと調整パネルの接合状態を示す斜視図である。 本体パネルと調整パネルの接合状態をリブ側から見た平面図である。 本体パネルと調整パネルの接合状態を周方向から見た側面図である。 第2実施形態による覆工躯体構造における部分的な施工状態を示す斜視図である。 図18に示す覆工躯体構造における部分的な施工状態を示すトンネル方向から見た断面図である。 鋼製パネル同士の接合状態を示す斜視図である。 鋼製パネル同士の接合部分を内面側から見た平面図であって、(a)はずれが無い状態を示す図、(b)はトンネル方向及び径方向にずれた状態を示す図である。 図21(b)に示す鋼製パネル同士の接合部分の斜視図である。
以下、本発明の実施形態による覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法について、図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、本実施形態による覆工躯体構造1は、例えば大規模な道路トンネルにおいて、予め地中にシールド工法により施工されている本線トンネル11に対してランプトンネル12が合流・分岐する箇所に大断面の分岐合流部10の外殻部10Aに構築される躯体構造である。
分岐合流部10は、本線トンネル11とランプトンネル12の外側を取り囲むように、分岐合流部10に平行に延在するように施工された複数の外殻トンネル13、13、…を外殻部10Aの一部としたものである。分岐合流部10は、略円形断面をなし、断面視で周方向Zに隣り合う外殻トンネル13、13同士の間を掘削して複数の鋼製パネル2を連結して組み立てることにより周方向Zに連続する覆工躯体構造1を形成し、さらにその覆工躯体構造1の内部を掘削することにより構築される。
分岐合流部10の施工では、図3及び図4(a)、(b)に示すように、先ず本線トンネル11とランプトンネル12を予め施工し、覆工躯体構造1の内部を掘削する際に覆工躯体構造1の内側の本線トンネル11とランプトンネル12のセグメント11A、12Aを解体する作業がおこなわれる。
ここで、本実施形態では、分岐合流部10の外殻部10Aにおいて、分岐合流部10の縦断面に直交する延在方向をトンネル方向Xといい、分岐合流部10の縦断面の中央を通る中心軸線回りに周回する方向を周方向Zといい、前記中心軸線に直交する方向を径方向Yという。
複数の外殻トンネル13は、分岐合流部10の一部で外殻部10Aの基端に位置するように予め施工されている円周トンネル15を発進基地(外殻シールド発進基地150)として外殻シールド掘削機14を掘進させることにより施工される。
外殻シールド掘削機14は、本線トンネル11及びランプトンネル12の外側において、外殻シールド発進基地150から分岐合流部10の外殻部10Aでトンネル方向Xに沿うようにして掘進される。
外殻シールド発進基地150(円周トンネル15)は、図2及び図5に示すように、断面視でメガネ形状をなす二連円周シールド掘削機(図示省略)により施工され、一対の円形トンネル15A、15Bを中央部分で重ねた断面メガネ形状の円周トンネル15により構成され、本線トンネル11の中心軸に平行な軸線を中心とする円周方向Eに沿ってリング状に施工されている。
外殻シールド発進基地150は、図6に示すように、二連円周シールド掘削機の施工時に構築されるメガネ形状の円周セグメント151と、円周セグメント151における断面視で左右方向中央の上下のくびれ部分15a、15a同士を連結した状態で支持する中柱152と、を有している。
円周トンネル15(外殻シールド発進基地150)の一方の発進側円形トンネル15Aは、外殻シールド掘削機14の発進スペースとして使用され、発進後にはシールド機内に資材を送り込むための資材搬入スペースや掘削土の搬出スペースとして利用される。
他方の基端側円形トンネル15Bは、外殻シールド掘削機14の発進時の反力受け設備の配置スペースとして使用され、発進後にはシールド機内に資材を送り込むための資材搬入スペースや掘削土の搬出スペースとして利用される。なお、図6の符号14A、14B、14Cは、外殻シールド掘削機14の発進後の資材搬入スペースや掘削土の搬出スペースの一例を示している。
一対の円形トンネル15A、15Bの径寸法は、外殻シールド掘削機14が発進可能な寸法に設定されている。また、発進側円形トンネル15Aのうち外殻シールド掘削機14の発進部分の切羽側の壁面15bは、二連円周シールド掘削機の掘進時には円周セグメント151により外壁が形成されているが、適宜なタイミングで一般的なシールド工法と同様に外殻シールド掘削機14の切削カッタで切削可能な例えば炭素繊維入りコンクリート等の材料により施工される。なお、カッタで切削可能な材料からなる壁面15bが組み込まれているセグメントを使用することも可能である。
外殻トンネル13は、図7及び図8に示すように、掘進中の外殻シールド掘削機14の後方に順次組み立てられる外殻セグメント13Aと、外殻セグメント13Aの内側において内周側と外周側との内面同士を連結するとともにトンネル方向Xからみて左右一対のH形鋼からなる補剛材131、131と、一対の補剛材131、131の上端同士および下端同士を左右方向に連結する横連結材132と、を備えている。補剛材131は、後述する鋼製パネル2を貫通した状態で配置される。
なお、本実施形態による外殻トンネル13は、覆工躯体構造1を施工する際における覆工躯体構造1の構成部材の搬入や外殻トンネル13、13同士の間を掘削したときの掘削土砂等の搬出に使用するアクセストンネルとして利用される。
次に、外殻トンネル13を使用して施工される覆工躯体構造1について、具体的に説明する。
覆工躯体構造1は、図4(a)、(b)、図7、及び図8に示すように、トンネル方向Xからみて周方向Zの全体が多角形状を形成するようにフラット面板を有し、外殻部10Aの内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向Zに複数に分割された鋼製パネル2と、内周側の鋼製パネル2(内周側鋼製パネル20A)と外周側の鋼製パネル2(外周側鋼製パネル20B)との間に充填された中詰めコンクリート3と、周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士にわたって架け渡すように設置され、両端に拡径部41(機械式定着部)を有する鋼棒4と、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとを連結するせん断補強部材5と、を備えている。
鋼製パネル2は、覆工躯体構造1の躯体として機能するとともに、中詰めコンクリート3の打設時の型枠としての機能も有している。鋼製パネル2は、本体パネル2Aと、周方向Zに隣り合う本体パネル2A、2A同士の間の少なくとも一部に配置される調整パネル2Bと、を有している。
複数の本体パネル2A、2A、…と複数の調整パネル2B、2B、…とは、全体として外殻トンネル13における周方向Zの両側方部を頂点としたフラットな鋼製パネル2により多角形(ここでは32角形)を形成するように互いに連結されている。
本体パネル2Aと調整パネル2Bの大きさは、それぞれ少なくとも外殻トンネル13内に搬入可能なサイズに分割されている。
そして、鋼製パネル2(本体パネル2A、調整パネル2B)は、予め工場において、一体的に製造され、外殻部10Aにおける所定の組み立て位置に運ばれて組み立てられる。なお、覆工躯体構造1の厚さ(内周側鋼製パネル20Aの内周面と外周側鋼製パネル20Bの外周面との間の距離)としては、例えば1.8mに設定される。
なお、本実施形態では、本体パネル2Aと調整パネル2Bとが周方向Zに交互に配置されて連結された構成であってもよいが、本体パネル2Aと調整パネル2Bとが交互に配置されることに限定されることはなく、部分的に調整パネル2Bを省略して、周方向Zに本体パネル2A、2A同士を接合するようにしてもよい。
鋼製パネル2は、図9及び図10に示すように、フラットなフラット面板21aを形成した矩形状のスキンプレート21と、スキンプレート21の外周四辺部の各外周縁部からフラット面板21aに直交する方向に立設された端板22と、端板22によって囲まれた内側でフラット面板21aから立設され縦横に配置された補強リブ23と、を有している。内周側鋼製パネル20Aおよび外周側鋼製パネル20Bは、図8に示すように、それぞれスキンプレート21における端板22が突出する側の面を互いに所定間隔をあけて対向させた状態で設置されている。
図10及び図11に示すように、端板22は、トンネル方向Xに隣接する鋼製パネル2、2同士を連結し互いに対向する一対のトンネル間継手22Aと、周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士を接合し互いに対向する一対のリング間継手22B(継手板、接合部)と、から構成されている。
トンネル間継手22Aは、スキンプレート21の長手方向(周方向Z)に沿って延在している。リング間継手22Bは、スキンプレート21の短手向(トンネル方向X)に沿って延在している。端板22の外周面には、図12に示すように、全周にわたってシール溝22aが形成されており、このシール溝22aにはシール材22bが接着された状態で設けられている。隣接する鋼製パネル2、2によってシール材22bが押し潰されることで、鋼製パネル2、2同士の間が止水される。
補強リブ23は、図10及び図11に示すように、トンネル間継手22Aに平行で周方向Zに延在する周方向リブ23Aと、リング間継手22Bに平行でトンネル方向Xに延在するトンネル方向リブ23Bと、からなる。
鋼製パネル2には、リング間継手22Bを有する継手収容部24が設けられている。継手収容部24は、端板22(22A、22B)、周方向Zに沿って延びる複数の周方向リブ24A、及び周方向リブ24Aの継手側とは反対側の端部に固着されトンネル方向Xに沿って延びるトンネル方向リブ24Bと、によって囲まれる空間である。
継手収容部24は、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士の3方向(周方向Z、トンネル方向X、外殻部10Aの径方向Y)のずれ量を吸収するように鋼棒4を配置可能な大きさに形成され、鋼棒4が埋設された状態で中詰めコンクリート3が充填されている。
トンネル間継手22Aには、トンネル方向Xに鋼製パネル2、2同士をボルト接合するためのボルト穴22c(図10参照)が形成されている。
リング間継手22Bには、図10及び図12に示すように、鋼棒4を挿入可能で、かつ外殻部10Aの延在方向(トンネル方向X)と径方向Yとに沿って延在する継手開口部25が複数形成されている。複数の継手開口部25は、それぞれリング間継手22Bにおける1箇所の継手収容部24を形成する部分毎に設けられている。なお、本体パネル2Aのリング間継手22Bは本発明の第1継手板に相当し、調整パネル2Bのリング間継手22Bは本発明の第2継手板に相当する。
継手開口部25を形成する両側の周方向リブ24Aには、それぞれ補強片24Cが設けられている。各継手収容部24における補強片24C、24C同士の間の寸法は、鋼棒4の棒状部40の径寸法よりも大きく設定されている。
本体パネル2Aは、図8、図10、及び図11に示すように、中央パネル部201と、中央パネル部201の周方向Zの両側に位置する屈折パネル部202と、を有している。中央パネル部201は、外殻トンネル13内に位置するように配置される。中央パネル部201と屈折パネル部202との折れ点200aは、鋼製パネル2を組み立てた状態において外殻トンネル13の外側に位置している。屈折パネル部202には、リング間継手22Bを有し、継手収容部24が設けられている。
本体パネル2Aには、図11に示すように、所定位置に矩形に切り欠かれた凹部28が形成されている。この凹部28は、トンネル方向Xに隣接する他方の本体パネル2Aの凹部28と組み合わされる。凹部28、28同士が組み合わされた開口穴には、図10に示すように外殻トンネル13の補剛材131が貫通した状態で配置されている(図9参照)。
調整パネル2Bは、図10及び図13に示すように、周方向Zで本体パネル2A、2A同士の間に配置され、本体パネル2Aのような屈折パネル部202が設けられていない構成であり、周方向Zの長さが本体パネル2Aよりも短い長さに設定されている。調整パネル2Bは、周方向Zの両端のそれぞれにリング間継手22Bと継手収容部24が設けられている。
なお、調整パネル2Bは、本体パネル2Aを設置した状態で、隣り合う本体パネル2A、2Aの位置、双方間の距離等を測量した結果に基づいて周方向Zの長さ寸法等の大きさが決定される。
そして、図14に示すように、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2のリング間継手22B、22B同士の間の隙間には、高弾性の接着剤26が充填されている。
鋼棒4は、棒状部40の両先端部にT型に形成された拡径部41(機械式定着部)を有する鉄筋であり、例えばTヘッド工法鉄筋(登録商標、清水建設社製)を用いることができる。鋼棒4は、隣接する鋼製パネル2、2のリング間継手22B、22B同士を当接させた状態で、一方の拡径部41が隣接される一方の鋼製パネル2の継手収容部24に配置され、他方の拡径部41が他方の鋼製パネル2の継手収容部24に配置されている。
せん断補強部材5は、図8に示すように、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとを連結し、鋼製パネル2に一体的に設けられて躯体構造として機能するとともに、中詰めコンクリート3を打設する際における圧力を受ける支保工として機能する。せん断補強部材5は、内周側の鋼製パネル2の外周面から外周側の鋼製パネル2の内周面に向けて延在するように立設されたH形鋼からなる。
せん断補強部材5は、両端部が周方向Zの鋼製パネル2、2間の接続部の位置に配置される第1補強鋼材5Aと、外殻トンネル13内に組み付けられる鋼製パネル2に対して配置される第2補強鋼材5Bと、がある。第1補強鋼材5Aは、両端部5a、5aがそれぞれ周方向Zに隣接する両鋼製パネル2、2にわたって配置されたベース材51を介して設置されている。第2補強鋼材5Bは、両端部がそれぞれ鋼製パネル2の補強リブ23の一部に固定されている。
第2補強鋼材5Bにおける周方向Zの配置ピッチとしては、例えば1mに設定することができる。
中詰めコンクリート3は、内外周に配置される鋼製パネル2、2同士の間の空間全体に充填される。中詰めコンクリート3は、鋼棒4が配置される接続空間にも充填されるので、中詰めコンクリート3によって固定される鋼棒4を介して周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士が強固に接続された状態となっている。中詰めコンクリート3の充填は、先行して組み立てられている内外周側の鋼製パネル2を型枠にして、鋼製パネル2が組み立てられていない外殻トンネル13より行われる。
次に、上述した覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法について、図面に基づいて具体的に説明する。
先ず、図1に示すように、ランプトンネル12の側壁の一部に円周トンネル15を掘削するための図示しない二連円周シールド掘削機の発進基地(円周シールド発進基地17)を施工する。
具体的には、ランプトンネル12の所定位置に掘削ヘッドをランプトンネル12の径方向の外側に向けた状態で推進機18をセットし、推進工法により推進する。ここで、推進機18による推進時には、円周シールド発進基地17の設置位置及びその周囲の施工領域の地山を凍結工法で凍結する地盤改良を行って凍土改良部100を形成しておく。このとき、推進機18から複数の凍結管を放射状に配設して凍土改良部100を設ける。その後、凍土改良部100の内側の地山を在来工法により掘削することで略長方箱型の領域を有する円周シールド発進基地17が設けられる。そして、推進が完了した推進機18を解体し撤去する。施工される円周シールド発進基地17は、図3及び図5に示すように、鉄筋コンクリート造で箱型に構築され、二連円周シールド掘削機が発進可能な大きさに設定されている。
次に、円周シールド発進基地17内において、二連円周シールド掘削機を組み立てるとともに、反力受けや掘進に必要な後続設備なども設置して発進の準備を行う。二連円周シールド掘削機は、円周方向Eに沿って掘進するため、カッタヘッドを下向きにした状態で円周シールド発進基地17にセットされる。ここで、円周シールド発進基地17の発進坑口部は、二連円周シールド掘削機で掘削可能な材料により施工しておく。
次いで、図3及び図4(a)に示すように、二連円周シールド掘削機を発進させ、従来のシールド工法と同様に掘削とともにシールド機本体内でメガネ形状の円周セグメント151を組み立てる。そして、円周セグメント151と掘削した地山との間に裏込め材を注入する作業を順次、繰り返し、本線トンネル11及びランプトンネル12の外側に円周方向Eに掘進させて再び円周シールド発進基地17に到達させることで、断面視でメガネ形状の円周トンネル15が施工される。
次に、図6に示すように、施工した円周トンネル15を外殻シールド発進基地150とし、外殻シールド発進基地150の発進側円形トンネル15Aにおける円周方向Eの所定位置に円形断面の外殻シールド掘削機14を配置し掘進する。
外殻シールド発進基地150の基端側円形トンネル15Bには、外殻シールド掘削機14を発進させるための反力壁や後続設備等が配置される。なお、外殻シールド掘削機14は、外殻シールド発進基地150を使用して複数同時に掘進させるようにしてもよい。外殻シールド掘削機14による掘進時の掘削土砂は掘削した外殻トンネル13内を発進側に搬送して外殻シールド発進基地150から円周シールド発進基地17及びランプトンネル12を介して外部へ排出する。また、掘進に必要なセグメント等の資材類はランプトンネル12内から円周シールド発進基地17(図4(a)参照)、及び外殻シールド発進基地150を介して掘削中の外殻トンネル13内に搬入される。
複数の外殻トンネル13(アクセストンネル)は、図3及び図4(a)に示すように、施工予定の地中空洞部(分岐合流部10)の外殻部10Aにおいて、トンネル方向Xに沿う複数の外殻トンネル13が周方向Zに間隔をあけて配列した状態で施工される。外殻トンネル13は、外殻シールド掘削機14によって掘削され、外殻シールド掘削機14の後方に組み立てられた外殻セグメント13Aによって形成される。これら複数の外殻トンネル13によって本線トンネル11及びランプトンネル12の周囲に外殻部10Aの一部が構築される。
外殻シールド掘削機14は、外殻トンネル13を掘進した後、分岐合流部10の褄壁予定地点に到達させて解体、回収される。なお、外殻シールド掘削機14を再び外殻シールド発進基地150で組み立てて発進させ、別の外殻トンネル13を施工するように繰り返し使用するようにしても良い。
そして、外殻トンネル13を施工した後、あるいは外殻トンネル13の掘進と同時に、外殻トンネル13の内側から周囲に向けて凍結工法により凍結材を地山に注入して地盤改良を行う。この地盤改良領域は、覆工躯体構造1の配置領域とその周囲の所定範囲とされる。つまり、周方向Zに隣り合う外殻トンネル13、13同士の間の地山を凍結工法(あるいは薬液注入工法等)により地盤改良を行って覆工躯体構造1の施工予定領域を取り囲む改良ゾーンを形成する。
その後、図8に示すように、外殻トンネル13の外殻セグメント13A内に柱部材らなる四角形状の補剛材131と横連結材132とを設けた後、外殻セグメント13Aの周方向Zの両側部分を切り開き、隣り合う外殻トンネル13、13同士の間を掘削して導坑部を設ける。
次に、外殻トンネル13及び導坑部に内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bを組み立てることにより覆工躯体構造1を構築する。なお、鋼製パネル2は、外殻トンネル13及び前記導坑部に設置されたロボットアーム等の把持装置を使用してハンドリングして組み立て作業を行うようにする。
具体的には、図8及び図10に示すように、外殻トンネル13を使用して搬入した鋼製パネル2を周方向に接続し、外殻部10Aの内周側と外周側とのそれぞれの全周にわたって組み立てる。そして、組み立てた鋼製パネル2のうち本体パネル2Aと調整パネル2Bとの接合部に位置する双方の継手収容部24に鋼棒4を架け渡すように配置する。その後、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとの間に中詰めコンクリート3を充填し、覆工躯体構造1として一体化を図り、これにより支保機能、及び止水機能を有する外殻部10Aを形成する。
その後、図4(a)、(b)に示すように、外殻部10Aの内側を掘削し、外殻部10Aによって覆われる箇所の本線トンネル11及びランプトンネル12のセグメントを解体、撤去することにより大空間をなす分岐合流部10を構築することができる。
次に、上述した覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態では、図1に示すように、分岐合流部10の外殻部10Aの内周側と外周側のそれぞれにおいて、鋼棒4を使用し、施工によるずれ量を簡単に吸収した状態で鋼製パネル2を多角形状に配置し、それら内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとの間に中詰めコンクリート3を充填することで覆工躯体構造1を構築することができる。
この場合、図15~図17に示すように、鋼製パネル2の組み立て時に本体パネル2Aに施工誤差が生じても、本体パネル2Aにおける外殻部10Aの周方向Z、トンネル方向X、あるいは径方向Yのずれを調整パネル2Bとの間で設けられる鋼棒4によって吸収することができる。本実施形態では、本体パネル2Aと調整パネル2Bのそれぞれの継手開口部25が第1スリット25Aと第2スリット25BからなるT字状の開口であるので、例えば図15及び図16に示すように、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士が互いにトンネル方向Xにずれている場合であっても、第2スリット25Bの長手方向に鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。また、図17に示すように、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士が互いに径方向Yにずれている場合であっても、第1スリット25Aの長手方向に鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。
このように本実施形態では、周方向Zに隣り合う双方のリング間継手22B、22Bに設けられる継手収容部24は、隣り合う鋼製パネル2が施工誤差によってずれた状態で鋼棒4の拡径部41を配置させて収容でき、その鋼棒4を継手収容部24内に充填される中詰めコンクリート3に埋設できる大きさに設定されているので、鋼棒4によって確実な接合が可能となる。
また、本実施形態では、設置後に周方向Zに連結される鋼製パネル2、2同士の間が離間する方向に引っ張り力が作用した場合でも、継手収容部24内でリング間継手22Bから中詰めコンクリート3を介して拡径部41を支圧することができ、リング間継手22B、22B同士の間に開き(隙間)が生じることを防止することができる。
しかも本実施形態では、図4(b)に示すように、鋼製パネル2の全体がフラット面板21aにより多角形状に形成されるので、外殻部10Aの曲率の変化に対応させることができ、パネル全体が円形の曲面によって形成される場合に比べてずれを吸収して確実に接合することができ、鋼製パネル2、2間の止水性能の低下を抑えることができる。
また、本実施形態では、図7及び図8に示すように、外殻部10Aの内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとがせん断補強部材5によって連結されているので、覆工躯体構造1としての躯体剛性を高めることができる。そして、せん断補強部材5がせん断補強鉄筋の機能を兼ねているので、従来のようなせん断補強鉄筋を減らすことができ、施工にかかる手間やコストを低減することができる。
さらに、中詰めコンクリート3の充填前の状態では、せん断補強部材5によって内外周の鋼製パネルが互いに近接する方向に潰れるように変位することを抑制するように支持することができる。このようにせん断補強部材5を設けることで、鋼製パネル2を所定の間隔をあけた状態で支持する支保工の機能をもたせることができるため、せん断補強部材5とは別で支保工を設ける必要がなく、コストの低減を図ることができる。
さらにまた、本実施形態では、図12及び図14に示すように、リング間継手22Bが鋼棒4を挿入可能で、かつ外殻部10Aのトンネル方向Xと径方向Yとに沿って延在する継手開口部25が形成されているので、リング間継手22Bの継手開口部25の範囲内で鋼棒4を配置することが可能であるので、リング間継手22Bによりコンクリートが流出しないように箱型の継手収容部24を形成しつつ、鋼棒4を鋼製パネル2のずれ量に対応した位置に配置することができる。
また、本実施形態では、本体パネル2Aのリング間継手22B(第1継手板)と調整パネル2Bのリング間継手22B(第2継手板)との間の隙間が接着剤26によって閉塞されるので、周方向Zに隣接する本体パネル2Aと調整パネル2Bとの間の止水性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、図4(a)、(b)に示すように、外殻部10Aの周方向に間隔をあけて複数の外殻トンネル13を先行して施工しておき、これら外殻トンネル13を使用して鋼製パネル2を設置位置に搬入することができる。この場合には、外殻トンネル13自体も外殻部10Aの一部として機能するので覆工躯体構造1の躯体構造が強固なものとなるとともに、施工効率の向上を図ることができる。
さらにまた、本実施形態では、内外周に配置される鋼製パネル2の内側に中詰めコンクリート3を充填することで高い剛性構造となり、外殻部10Aに沿った多角形状の覆工躯体構造1が形成されることになる。そのため、覆工躯体構造1によって囲まれた内側の地山を安全に、かつ効率よく掘削して分岐合流部10を構築することができる。
上述のように本実施形態による覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法では、外殻部10Aの躯体構造間のずれや隙間に対応した施工を容易に行うことができるうえ、止水性能の低下を抑えることができる。
(第2実施形態)
図18及び図19に示すように、第2実施形態による覆工躯体構造1Aは、上述した第1実施形態の調整パネル2B(図7及び図8参照)が省略され、鋼製パネル2(本体パネル2A)の形状を変えた構成である。すなわち、覆工躯体構造1Aは、分岐合流部10の延在方向からみて、外殻部の内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向Zに複数に分割された鋼製パネル2と、内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとの間に充填された中詰めコンクリート3(図19参照)と、周方向に隣接する鋼製パネル2、2同士(本体パネル2A、2A同士)にわたって架け渡すように設置され、両端に拡径部41(機械式定着部)を有する鋼棒4と、を備えている。
ここで、第2実施形態では、上述したように周方向Zに接合される鋼製パネル2において調整パネルを設けない構成であり、本体パネル2Aのみで構成されることから、統一して鋼製パネル2として以下説明する。
鋼製パネル2は、図20に示すように、端板22の内側のスキンプレート21の内面に複数のスタッドジベル27、27、…が溶着により突設されている。これらスタッドジベル27、27、…は、充填される中詰めコンクリート3に一体的に埋設される。つまり、第2実施形態の鋼製パネル2は、第1実施形態の本体パネル2Aに設けられるような補強リブ23(図10参照)の代わりにスタッドジベル27を設けた構成となっている。
そして、図21(a)、(b)及び図22に示すように、周方向Zに隣接する鋼製パネル2、2同士の接合部に設けられるリング間継手22Bを有する継手収容部24は、第1実施形態と同様に周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士の3方向(周方向Z、トンネル方向X、外殻部10Aの径方向Y)のずれ量を吸収するように鋼棒4を配置可能な大きさに形成され、鋼棒4が埋設された状態で中詰めコンクリート3が充填されている。
リング間継手22Bには、鋼棒4を挿入可能で、かつ外殻部10Aの延在方向(トンネル方向X)と径方向Yとに沿って延在する継手開口部25が複数形成されている。複数の継手開口部25は、それぞれリング間継手22Bにおける1箇所の継手収容部24を形成する部分毎に設けられている。
継手開口部25を形成する両側の周方向リブ24Aには、それぞれ補強片24Cが設けられている。各継手収容部24における補強片24C、24C同士の間の寸法は、鋼棒4の棒状部40の径寸法よりも大きく設定されている。
第2実施形態の場合も、上述した第1実施形態と同様に、図21(b)及び図22に示すように、周方向Zに隣接する鋼製パネル2同士に施工誤差が生じても、鋼製パネル2における外殻部10A(図19参照)の周方向Z、トンネル方向X、あるいは径方向Yのずれを双方の鋼製パネル2、2同士の間に設けられる鋼棒4によって吸収することができる。本実施形態では、鋼製パネル2、2のそれぞれの継手開口部25によって、周方向Zに隣り合う鋼製パネル2、2同士が互いにトンネル方向Xにずれている場合であっても、周方向Zに鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。また、鋼製パネル2、2同士が互いに径方向Yにずれている場合であっても、径方向Yに鋼棒4をずらした状態で両拡径部41、41を継手収容部24内に配置することができる。
このように本第2実施形態では、周方向Zに隣り合う双方のリング間継手22B、22Bに設けられる継手収容部24は、隣り合う鋼製パネル2が施工誤差によってずれた状態で鋼棒4の拡径部41を配置させて収容でき、その鋼棒4を継手収容部24内に充填される中詰めコンクリート3に埋設できる大きさに設定されているので、鋼棒4によって確実な接合が可能となる。
以上、本発明による覆工躯体構造および覆工躯体構造の施工方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、鋼製パネル2が地中空洞部の延在方向からみて周方向の全体が多角形状を形成するようにフラット面板を有する構成としているが、このように周方向に沿って多角形状に形成されることに限定されることはなく、全体が円形状を形成するような円弧状の面板を有する鋼製パネルを設ける構成であってもよい。外殻部の曲率が一定の場合には、鋼製パネルの全体が円弧状面板により円形状に形成されることが比較的容易であり、外殻部を周方向に沿って多角形状に形成するよりも円形状に形成する方が構造的にも有利となる。
また、本実施形態では内周側鋼製パネル20Aと外周側鋼製パネル20Bとを連結するせん断補強部材5を設けた構成としているが、せん断補強部材5を設けることに限定されることはなく、省略することも可能である。また、せん断補強部材5の設置位置、本数等の構成についても適宜設定することができる。
また、本実施形態では、リング間継手22Bの継手板に鋼棒4を挿入可能で、かつトンネル方向Xと径方向Yとに沿って延在するT字形状に開口した継手開口部25が形成された構成としているが、このようなT字形状の継手開口部であることに制限されることはない。例えば、鋼棒4の棒状部40をリング間継手22Bに対して挿入可能で、かつ棒状部40よりも大径の開口部が形成されたものであってもかまわない。要は、鋼棒4をリング間継手22Bに対して周方向Z、トンネル方向X、及び径方向Yにずらして配置することが可能な継手開口部であれば、とくに形状に限定されることはない。
また、鋼棒の構成に関しても上述した実施形態のように両先端部にT型に形成された拡径部41(機械式定着部)であることに限定されることはなく、機械式定着部がコンクリートによる支圧が期待できる形状であればよいのである。
さらに、本実施形態では、分岐合流部10の外殻部10Aの構造の一部として複数の外殻トンネル13を設け、これら外殻トンネル13を利用して覆工躯体構造1の鋼製パネル2等の構成部材を搬入する搬入ルート(アクセストンネル)としているが、このような外殻トンネル13であることに限定されることはない。要は、鋼製パネル2を外殻部10Aの所定の設置位置に搬入して組み立てることが可能であればよいのであって、トンネル方向Xに延びる本実施形態のような外殻部10Aの一部をなす外殻トンネル13を省略して、アクセスのみを目的としたトンネルを利用するようにしてもよい。
また、外殻トンネル13の本数や周方向Zの間隔に関しても任意に設定することが可能である。
さらにまた、本実施形態では、大断面の道路トンネルを施工する場合の適用例であるが、上述したような大断面の地中空洞部を有する様々な規模、用途、形態のトンネルを施工する場合全般に広く適用できるものであるし、施工対象のトンネルにおける地中空洞部の規模や形態に応じて、また周辺環境等の諸条件を考慮して様々な設計的変更が可能である。
すなわち、本実施形態のような分岐合流部10による地中空洞部でないものでもよいので、本実施形態のような円周トンネル15を施工し、この円周トンネル15を発進基地として外殻トンネル13を施工するといった施工に限定されることはなく、上述したように外殻トンネル13を省略して覆工躯体構造1を施工する場合には、円周トンネル15は不要となる。
また、二連円周シールド掘削機を発進するための円周シールド発進基地17の位置、大きさ、施工方法等は、本線トンネル11やランプトンネル12の外径、配置、地盤条件等に応じて適宜、設定することが可能である。
さらに、分岐合流部10を構成する外殻部10Aの大きさ、躯体構造、施工方法に関しては上述した実施形態に限定されることはなく、設定される道路トンネル、地盤条件等の仕様に応じて適宜、設定されるものである。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。当然外殻部の曲率が一定の場合、変化する場合共に、円弧状面板、フラット面板、また、それらの組み合わせを用いることも可能である。
1、1A 覆工躯体構造
2 鋼製パネル
2A 本体パネル
2B 調整パネル
3 中詰めコンクリート
4 鋼棒
5 せん断補強部材
5A 第1補強鋼材
5B 第2補強鋼材
10 分岐合流部
10A 外殻部
11 本線トンネル
12 ランプトンネル
13 外殻トンネル(アクセストンネル)
13A 外殻セグメント
14 外殻シールド掘削機
15 円周トンネル
20A 内周側鋼製パネル
20B 外周側鋼製パネル
21 スキンプレート
21a フラット面板
22 端板
22A トンネル間継手
22B リング間継手(継手板、第1継手板、第2継手板)
23 補強リブ
24 継手収容部
25 継手開口部
26 接着剤
27 スタッドジベル
41 拡径部(機械式定着部)
150 外殻シールド発進基地
X 外殻部のトンネル方向(延在方向)
Y 外殻部の径方向
Z 外殻部の周方向

Claims (10)

  1. 地中空洞部の外殻部に施工される覆工躯体構造であって、
    前記地中空洞部の延在方向からみて、前記外殻部の内周側と外周側のそれぞれにおいて周方向に複数に分割された鋼製パネルと、
    内周側の前記鋼製パネルと外周側の前記鋼製パネルとの間に充填された中詰めコンクリートと、
    周方向に隣接する前記鋼製パネル同士にわたって架け渡すように設置され、両端に機械式定着部を有する鋼棒と、
    を備え、
    周方向に隣接する前記鋼製パネル同士の接合部には、それぞれ継手板を有する継手収容部が設けられ、
    前記継手収容部は、周方向に隣り合う前記鋼製パネル同士のずれ量を吸収するように前記鋼棒を配置可能な大きさに形成され、前記鋼棒が埋設された状態で前記中詰めコンクリートが充填されていることを特徴とする覆工躯体構造。
  2. 前記鋼製パネルは、前記地中空洞部の延在方向からみて周方向の全体が円形状を形成するような円弧状面板を有していることを特徴とする請求項1に記載の覆工躯体構造。
  3. 前記鋼製パネルは、前記地中空洞部の延在方向からみて周方向の全体が多角形状を形成するようなフラット面板を有していることを特徴とする請求項1に記載の覆工躯体構造。
  4. 前記鋼製パネルは、本体パネルと、隣り合う前記本体パネル同士の間に配置可能な調整パネルと、を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の覆工躯体構造。
  5. 前記内周側の鋼製パネルと前記外周側の鋼製パネルとを連結するせん断補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の覆工躯体構造。
  6. 前記継手板には、前記鋼棒を挿入可能で、かつ前記外殻部の延在方向と径方向とに沿って延在する継手開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の覆工躯体構造。
  7. 接合する一方の前記鋼製パネルの第1継手板と、他方の前記鋼製パネルの第2継手板との間の隙間には、接着剤が充填されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の覆工躯体構造。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の覆工躯体構造の施工方法であって、
    前記覆工躯体構造の配置領域にアクセス可能なアクセストンネルを設ける工程と、
    前記アクセストンネルを使用して搬入した前記鋼製パネルを前記周方向に接続し、前記外殻部の内周側と外周側とのそれぞれの全周にわたって組み立てる工程と、
    組み立てた前記鋼製パネル同士の接合部に位置する双方の前記継手収容部に前記鋼棒を架け渡すように配置する工程と、
    内周側の前記鋼製パネルと外周側の前記鋼製パネルとの間に中詰めコンクリートを充填する工程と、
    を有することを特徴とする覆工躯体構造の施工方法。
  9. 前記アクセストンネルは、前記外殻部の一部を構成する外殻トンネルであることを特徴とする請求項8に記載の覆工躯体構造の施工方法。
  10. 前記中詰めコンクリートが充填され硬化することで形成された前記覆工躯体構造の内側を掘削することにより、前記覆工躯体構造を外殻部とする地中空洞部が構築されることを特徴とする請求項8又は9に記載の覆工躯体構造の施工方法。
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