JPWO2012099085A1 - 周波数安定化回路、アンテナ装置および通信端末装置 - Google Patents

周波数安定化回路、アンテナ装置および通信端末装置 Download PDF

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Abstract

周波数安定化回路(25)は、給電回路(30)に接続された1次側回路(26)と、この1次側回路(26)に対して電磁界結合する2次側回路(27)とで構成されている。1次側回路(26)は、第1のコイル状導体(L1)と第2のコイル状導体(L2)との直列回路であり、2次側回路(27)は、第3のコイル状導体(L3)と第4のコイル状導体(L4)との直列回路である。第1のコイル状導体(L1)と第2のコイル状導体(L2)との接続点である第1アンテナ接続部(J1)にハイパスフィルタ(28)を介してアンテナ素子(10)が接続されている。また、第2のコイル状導体(L2)と第4のコイル状導体(L4)との接続点である第2アンテナ接続部(J2)にローパスフィルタ(29)を介してアンテナ素子(10)が接続されている。

Description

本発明は、給電回路とアンテナ素子との間に接続される周波数安定化回路、この周波数安定化回路を備えたアンテナ装置および通信端末装置に関する。
近年、携帯電話をはじめとする移動体通信端末は、GSM(登録商標)(Global System for mobile Communications)、DCS(Digital CommunicationSystem)、PCS(PersonalCommunication Services)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の通信システム、さらには、GPS(GlobalPositioning system)やワイヤレスLAN、Bluetooth(登録商標)等への対応が求められることがある。したがって、こうした通信端末装置におけるアンテナは、800MHz〜2.4GHzまでの複数の周波数帯域をカバーすることが求められる。
通常、アンテナは、そのインピーダンスに周波数特性をもっているので、給電回路とアンテナとの間にインピーダンス整合回路を構成したときに、広帯域ではマッチングできないという問題がある。例えば図1は単純なホイップアンテナのインピーダンス軌跡をスミスチャート上に表した例である。図中の各マーカーと周波数との対応関係は次のとおりである。
m10:824MHz
m11:960MHz
m12:1.71GHz
m13:1.99GHz
824MHzおよび960MHz帯(ローバンド)でのインピーダンスは約10Ω、1.71GHzおよび1.99GHz帯(ハイバンド)でのインピーダンスは約28Ωである。
このように扱う周波数範囲が広帯域になると、アンテナのインピーダンスが周波数に応じて大幅に変動するので、単一の整合回路で広帯域に亘ってアンテナのインピーダンスを給電回路のインピーダンス(50Ω)に整合させることは不可能である
そこで、複数の周波数帯域をカバーするアンテナとして、チューナブルアンテナが知られている。このチューナブルアンテナは、特許文献1や特許文献2に開示されているように、可変容量素子を含む整合回路を有する。
図2は特許文献2に示されている、整合器を備える移動用受信機の要部を示す図である。整合器1にはアンテナ素子ANTおよび制御信号源6が接続され、これらによってアンテナ整合回路100が構成されている。アンテナ整合回路100は、チャンネル選択指令SELを受け、受信回路8から見た回路インピーダンスが当該チャンネルの受信周波数に応じて整合するように整合器1の容量を変化させる。そして、アンテナ整合回路100は、アンテナANTにより受信された無線信号を受信回路8へ出力する。受信回路8は、アンテナ整合回路100から受けた無線信号を増幅して受信信号RFとして出力する。
特開2000−124728号公報 特開2008−035065号公報
ところが、可変容量素子を備えたチューナブルアンテナは、一般に、可変容量素子を制御するための回路すなわち周波数帯域を切り替えるための切替回路が必要であるので回路構成が複雑になりやすい。また、切替回路での損失や歪みが大きく十分な利得を得にくい。さらに、チューニングにはある程度の時間が必要であるので、通信周波数帯域を瞬時に切り替えなければならないような用途には適用できない。
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で広帯域の周波数特性を実現し得るアンテナ装置、そのための周波数安定化回路、およびそのアンテナ装置を用いた通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明の周波数安定化回路は、
給電回路に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ接続部と、
前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ接続部と、
を備えたことを特徴とする。
この構成により、第1〜第4のリアクタンス素子による一つの周波数安定化回路で、広帯域なアンテナと給電回路との整合をとることができる。そのため簡易な構成で広帯域の周波数特性をもつアンテナ装置が構成できる。
(2)必要に応じて、(1)に記載の第1アンテナ接続部と第2アンテナ接続部は共用のアンテナに直接的または間接的に接続される端子であることが好ましい。この構成により、共用の単一のアンテナを二つの周波数帯域で整合させることができる。
(3)必要に応じて、(1)に記載の第1アンテナ接続部と第2アンテナ接続部はそれぞれ別のアンテナに直接的または間接的に接続される端子であることが好ましい。この構成により、単一の周波数安定化回路でありながら、周波数帯域を分担する第1、第2のアンテナを用いることができる。
(4)(1)〜(3)に記載の第1〜第4リアクタンス素子はそれぞれ主にインダクタンス成分を有するインダクタンス素子であることが好ましい。このことによりリアクタンス素子間の結合度を容易に高められ、周波数安定化回路での挿入損失を低減できる。
(5)(4)に記載の前記第1〜第4リアクタンス素子はそれぞれキャパシタンス成分をも含む素子であることが好ましい。この構成により、リアクタンス素子間の結合度を容易に高められ、周波数安定化回路での挿入損失を低減できる。
(6)(5)に記載のインダクタンス素子はコイル状導体パターンで構成されていることが好ましい。この構成により、インダクタンス素子間の結合度を容易に高められ、周波数安定化回路での挿入損失を低減できる。
(7)(6)に記載のコイル状導体パターンは、複数の誘電体層または磁性体層が積層された積層体の内部に設けられていることが好ましい。この構造により、全体に小型化でき、また外部の回路との不要結合を抑制できる。
(8)(1)〜(7)に記載の第1リアクタンス素子と第2リアクタンス素子とは互いに異なるインダクタンス値を有し、第3リアクタンス素子と第4リアクタンス素子とは互いに異なるインダクタンス値を有していてもよい。通常、ハイバンド用アンテナとローバンド用アンテナとではインピーダンスが大きく異なるので、前記インダクタンス値の違いによって、給電回路と第1アンテナ接続部との間でのインピーダンス変換比と、給電回路と第2アンテナ接続部との間でのインピーダンス変換比を適宜異ならせることができる。
(9)(1)〜(8)において第1アンテナ接続部および第2アンテナ接続部に周波数フィルタ(ハイパスフィルタ、ローパスフィルタまたはバンドパスフィルタのうちいずれか)が接続されていることが好ましい。
この構成により、周波数帯域毎の信号が二つのアンテナ接続部で入出力される。これにより周波数帯域の異なる信号の回り込み(漏れ)が抑制され、周波数帯域毎について整合がなされる。
(10)本発明のアンテナ装置は、
給電回路に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
を有する周波数安定化回路と、
前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ素子と、
前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ素子と、
を備えたことを特徴とする。
この構成により、第1〜第4のリアクタンス素子による一つの周波数安定化回路で、広帯域なアンテナと給電回路との整合をとることができる。そのため広帯域の周波数特性をもつアンテナ装置として作用する。
(11)必要に応じて、(10)に記載の第1アンテナ素子と第2アンテナ素子は共用のアンテナ素子であることが好ましい。この構成により、共用の単一のアンテナを二つの周波数帯域で整合させることができる。
(12)必要に応じて、(10)に記載の第1アンテナ接続部と第2アンテナ接続部はそれぞれ別のアンテナに直接または間接に接続される端子であることが好ましい。この構成により、単一の周波数安定化回路でありながら、周波数帯域を分担する第1、第2のアンテナを用いることができる。
(13)必要に応じて、(10)〜(12)のいずれかに記載の第1リアクタンス素子と第2リアクタンス素子との接続点、または第3リアクタンス素子と第4リアクタンス素子との接続点と、第1アンテナ素子との間に第1の周波数フィルタが挿入され、
第2リアクタンス素子と第4リアクタンス素子との接続点と、第2アンテナ素子との間に第2の周波数フィルタが挿入されてもよい。
(14)本発明の通信端末装置は、
給電端子に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に第1ポートが接続された第1の周波数フィルタと、
前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に第1ポートが接続された第2の周波数フィルタと、
前記第1の周波数フィルタの第2ポートに接続された第1アンテナ素子と、
前記第2の周波数フィルタの第2ポートに接続された第2アンテナ素子と、
を有するアンテナ装置と、
前記給電端子に接続された通信回路と、
を備えたことを特徴とする。
この構成により、第1〜第4のリアクタンス素子による一つの周波数安定化回路で、広帯域なアンテナと給電回路との整合をとることができる。そのため広帯域のアンテナ装置として作用する。
(15)必要に応じて、(14)に記載の第1アンテナ素子と第2アンテナ素子は共用のアンテナ素子であることが好ましい。この構成により、共用の単一のアンテナを二つの周波数帯域で整合させることができる。
(16)必要に応じて、(14)に記載の第1アンテナ接続部と第2アンテナ接続部はそれぞれ別のアンテナに直接または間接に接続される端子であることが好ましい。この構成により、単一の周波数安定化回路でありながら、周波数帯域を分担する第1、第2のアンテナを用いることができる。
(17)必要に応じて、(14)〜(16)のいずれかに記載の第1リアクタンス素子と第2リアクタンス素子との接続点、または第3リアクタンス素子と第4リアクタンス素子との接続点と、第1アンテナ素子との間に第1の周波数フィルタが挿入され、
第2リアクタンス素子と第4リアクタンス素子との接続点と、第2アンテナ素子との間に第2の周波数フィルタが挿入されてもよい。
本発明のアンテナ装置によれば、広い周波数帯域で給電回路とアンテナ素子とのインピーダンス整合を図ることができる。また、必ずしも可変容量素子を用いる必要がないので、損失や歪みを抑制することもできる。
図1は単純なホイップアンテナのインピーダンスのインピーダンス軌跡をスミスチャート上に表した図である。 図2は特許文献2に示されている、整合器を備える移動用受信機の要部を示す図である。 図3(A)は本発明の周波数安定化回路およびそれを備えたアンテナ装置の概略構成図である。図3(B)は比較例としてのアンテナ装置の概略構成図である。 図4は本発明に係る周波数安定化回路25の基本構成部分の回路図である。 図5は周波数安定化回路25の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。 図6はコイル状導体L1〜L4によるコイル状導体同士の結合係数を所定値に定めたときの、給電回路から給電ポートを見た反射特性をスミスチャート上に表した図である。 図7は負性のインダクタンスを示す周波数安定化回路による、アンテナ素子と給電回路とのインダクタンス整合について示す図である。 図8は第1の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。 図9は第1の実施形態に係る周波数安定化回路25を多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。 図10は第2の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。 図11は第3の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。 図12は第4の実施形態である通信端末装置301のブロック図である。
《第1の実施形態》
本発明の周波数安定化回路の具体的な実施の形態を示す前に、本発明の周波数安定化回路の目的と作用効果について説明する。
図3(A)は、本発明の周波数安定化回路およびそれを備えたアンテナ装置の概略構成図である。図3(B)は比較例としてのアンテナ装置の概略構成図である。
図3(B)は給電回路30によって給電されるアンテナ素子10Dの構成を示している。従来のアンテナ設計手法は、製品の外観デザインが先に決定されて、それに収まるようにアンテナ素子10を設計しなければならない、という設計上の制約があった。アンテナを設計するうえでの目標は、
(1)放射効率を高める。空間になるべく多くの電力を放射させる。
(2)周波数調整をする。アンテナに電力を入れるためのマッチングをとる。
という二点であるが、組み込み先のサイズと形状の限られた筐体に収まるアンテナを設計すると上記アンテナの放射効率と周波数調整とはしばしばトレードオフの関係となる。
図3(A)に示す本発明に係る周波数安定化回路25は給電ポートとアンテナポートを備え、給電ポートに給電回路30が接続され、アンテナポートにアンテナ素子10が接続される。この周波数安定化回路25とアンテナ素子10とによってアンテナ装置が構成される。さらに、このアンテナ装置と給電回路30を含む回路によって移動体通信端末が構成される。
本発明の周波数安定化回路25を用いることにより、アンテナ素子は、アンテナ素子間、アンテナ素子−グランド間の容量結合を減らしたシンプルな形状にして放射効率を高めることにだけに特化させ、周波数調整は周波数安定化回路25に任せる。したがって、前述のトレードオフの関係を受けることなくアンテナの設計が極めて容易となり、開発期間も大幅に短縮化される。
図4は本発明に係る周波数安定化回路25の基本構成部分の回路図である。周波数安定化回路25は、給電回路30に接続された1次側回路26と、この1次側回路26に対して電磁界結合する2次側回路27とで構成されている。1次側回路26は、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2との直列回路であり、2次側回路27は、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4との直列回路である。アンテナポートと給電ポートとの間には1次側回路26が接続され、アンテナポートとグランドとの間には2次側回路27が接続されている。
図5は前記周波数安定化回路25の4つのコイル状導体L1〜L4の磁気的結合の関係を示す図である。このように、第1のコイル状導体L1及び第2のコイル状導体L2は、この第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とによって第1の閉磁路(磁束FP12で示すループ)が構成されるように巻回されていて、第3のコイル状導体L3及び第4のコイル状導体L4は、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とによって第2の閉磁路(磁束FP34で示すループ)が構成されるように巻回されている。このように、第1の閉磁路を通る磁束FP12と第2の閉磁路を通る磁束FP34とが互いに逆方向になるように4つのコイル状導体L1〜L4が巻回されている。図5中の二点鎖線の直線はこの2つの磁束FP12とFP34とを結合させない磁気壁を表している。このようにコイル状導体L1とL3の間、及びL2とL4の間に等価的な磁気壁が生じる。
前記周波数安定化回路25の主たる役割は次の二つである。
(1)アンテナが小型になるほどアンテナのインピーダンスは例えば3〜20Ω程度と低くなる。周波数安定化回路はそのトランス機能でインピーダンスの実部Rのマッチングをとる。
(2)アンテナ素子は基本的にインダクタンス性であるので、インピーダンスの周波数特性は右上がりの特性があるが、周波数安定化回路は負性インダクタンスとして作用し、アンテナ素子に周波数安定化回路を組み合わせることによって、アンテナのインピーダンス(jx)の傾きを緩くする。
周波数安定化回路が負性インダクタンスとして作用する点について以降に説明する。
図6は前記コイル状導体L1〜L4によるコイル状導体同士の結合係数を所定値に定めたときの、給電回路から給電ポートを見た反射特性をスミスチャート上に表した図である。ここで、各結合係数は次のとおりである。
L1←→L2 k≒−0.3
L3←→L4 k≒−0.3
L1←→L3 k≒−0.8
L2←→L4 k≒−0.8
このように、L1とL3,L2とL4を強結合(k=−0.8程度)とし、L1とL2,L3とL4を弱結合(K=−0.3程度)とすることで、結合により発生する相互インダクタンスMの値は大きいままに、L1,L2,L3,L4の実効値は小さくなる。そのため、結合係数は等価的に1以上となって、周波数安定化回路のインピーダンスが負性のインダクタンスに見えることになる。すなわちメタマテリアル構造を成すことが可能となる。
なお、L1とL2の結合及びL3とL4の結合(横同士のコイル状導体間の結合)はそれぞれインダクタンス値が小さくなる磁界結合となっているが、L1とL3の結合及びL2とL4の結合(縦同士のコイル状導体間の結合)には、前記横同士のコイル状導体間の結合が影響しないため、このような新たな効果が生じているものと推測される。
図6において、マーカーm9は周波数820MHzにおける入力インピーダンス(S(1,1)=0.358+j0.063)であり、マーカーm10は周波数1.99GHzにおける入力インピーダンス(S(1,1)=0.382-j0.059)である。このように、周波数の低い帯域で誘導性、周波数の高い帯域で容量性となり、且つ実数成分(抵抗成分)が連続的に変化する負性のインダクタンスが得られる。
図7は前記負性のインダクタンスを示す周波数安定化回路による、アンテナ素子と給電回路とのインダクタンス整合について示す図である。図7において、横軸は周波数、縦軸はリアクタンスjxである。アンテナ素子はそれ自体でインダクタンスを備え、グランドとの間にキャパシタンスを備えている。そのためアンテナ素子のインピーダンスjxaは、jxa=ωL−1/ωCで表される。図7中の曲線RIはこのアンテナ素子のインピーダンスjxaを表している。アンテナ素子の共振周波数はjxa=0のときである。一方、周波数安定化回路のインピーダンスは負性インダクタンスであるので、曲線(直線)SIで表されるように右下がりの特性で表される。したがって、周波数安定化回路とアンテナ素子とによるアンテナ装置のインピーダンス(給電ポートから見たインピーダンス)は曲線(直線)AIで示されるような傾きの小さな周波数特性となる。
ここで、この共振周波数よりずれた点でのアンテナ素子のインピーダンスの実部をRで表し、jx=Rの関係となる周波数をf1とすると、周波数f1は入力した電力の半分が反射して半分が放射される(3dB落ちの)周波数である。そこで、−Rというものを仮定し、jx=−Rとなる周波数をf2とすると、周波数f2〜f1の周波数幅がアンテナの帯域幅(半値全幅)と定義できる。
周波数安定化回路とアンテナ素子を含めたアンテナ装置のインピーダンスの傾きが緩くなると、jx=Rとなる周波数は前記f1より高くなり、jx=−Rとなる周波数は前記f2より低くなる。そのため、アンテナの帯域幅(3dB落ちの周波数帯域)は広くなる。すなわち広帯域に亘ってインピーダンス整合がとれることになる。これが、負性インダクタンスによる効果である。
次に、第1の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の構成について、図8、図9を基に説明する。
図8は第1の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。周波数安定化回路25は、給電回路30に接続された1次側回路26と、この1次側回路26に対して電磁界結合する2次側回路27とで構成されている。1次側回路26は、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2との直列回路であり、2次側回路27は、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4との直列回路である。第1のコイル状導体L1の一端は給電回路30に接続され、第3のコイル状導体L3の一端は接地されている。第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4とは接続されて、この接続点と給電回路30との間に1次側回路26が接続されている。第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4との接続点とグランドとの間に2次側回路27が接続されている。
前記コイル状導体L1〜L4は特許請求の範囲に記載の第1〜第4のリアクタンス素子にそれぞれ相当する。コイル状導体L1とコイル状導体L2との間は第1アンテナ接続部J1、コイル状導体L2とコイル状導体L4との間は第2アンテナ接続部J2である。
第1アンテナ接続部J1とアンテナ素子10との間にハイパスフィルタ28が挿入されている。また、第2アンテナ接続部J2とアンテナ素子10との間にローパスフィルタ29が挿入されている。すなわち、この例では第1アンテナ接続部J1および第2アンテナ接続部J2にアンテナ素子10が間接的に接続されている。
前記ハイパスフィルタ28はシリーズに接続されたキャパシタC11およびシャントに接続されたインダクタL11とで構成されている。前記ローパスフィルタ29はシリーズに接続されたインダクタL12およびシャントに接続されたキャパシタC12とで構成されている。
前記周波数安定化回路25は図4に示したとおりである。この周波数安定化回路25および周波数フィルタ28,29によってフィルタ付き周波数安定化回路101が構成される。そして、このフィルタ付き周波数安定化回路101とアンテナ素子10とによってアンテナ装置201が構成される。
図8に示したコイル状導体L1,L2,L3,L4のインダクタンスを同じ記号L1,L2,L3,L4で表すとそれらのインダクタンスは次のとおりである。
L1=20[nH]
L2=20[nH]
L3= 5[nH]
L4= 5[nH]
したがって、給電回路30を入力、アンテナ接続部J1を出力として見たときのコイル状導体L1〜L4によるトランス比は、
(L2+L3+L4)/(L1+L2+L3+L4)
=(20+5+5)/(20+20+5+5)
=3/5
である。
アンテナ素子10が図1に示した特性を有する場合、ハイバンドでのインピーダンスは28Ωであるので、前記トランス比によるインピーダンス変換は、50×(3/5)=30Ω≒28Ωとなり、整合する。
また、給電回路30を入力、アンテナ接続部J2を出力として見たときのコイル状導体L1〜L4によるトランス比は、
(L3+L4)/(L1+L2+L3+L4)
=(5+5)/(20+20+5+5)
=1/5
である。
アンテナ素子10が図1に示した特性を有する場合、ローバンドでのインピーダンスは10Ωであるので、前記トランス比によるインピーダンス変換は、50×(1/5)=10Ωとなり、整合する。
第1アンテナ接続部J1に接続したハイパスフィルタ28はハイバンド(2GHz帯)の信号を通過し、ローバンド(900MHz帯)の信号を阻止する。そのため、ハイバンドの信号はアンテナ接続部J1で入出力され、ローバンドの信号はアンテナ接続部J2で入出力される。これによりハイバンドの信号とローバンドの信号の回り込み(漏れ)が無く、ハイバンドとローバンドのそれぞれについて整合がなされる。
図9は第1の実施形態に係る周波数安定化回路25を磁性体または誘電体の多層基板に構成した場合の各層の導体パターンの例を示す図である。各層は磁性体シートで構成され、各層の導体パターンは図9に示す向きでは磁性体シートの裏面に形成されているが、各導体パターンは実線で表している。また、線状の導体パターンは所定の線幅を備えているが、ここでは単純な実線で表している。
図9に示した範囲で第1層51aの裏面に導体パターン73が形成され、第2層51bの裏面に導体パターン72,74が形成され、第3層51cの裏面に導体パターン71,75が形成されている。第4層51dの裏面に導体パターン61,65が形成され、第5層51eの裏面に導体パターン62,64が形成され、第6層51fの裏面に導体パターン63が形成されている。第7層51gの裏面に導体パターン66、給電端子41、グランド端子42、第1アンテナ接続端子43、第2アンテナ接続端子44がそれぞれ形成されている。図9中の縦方向に延びる破線はビア導体であり、導体パターン同士を層間で接続する。これらのビア導体は実際には所定の径寸法を有する円柱形の電極であるが、ここでは単純な破線で表している。
図9において、導体パターン63の左半分と導体パターン61,62によって第1のコイル状導体L1を構成している。また、導体パターン63の右半分と導体パターン64,65によって第2のコイル状導体L2を構成している。また、導体パターン73の左半分と導体パターン71,72によって第3のコイル状導体L3を構成している。また、導体パターン73の右半分と導体パターン74,75によって第4のコイル状導体L4を構成している。各コイル状導体L1〜L4の巻回軸は多層基板の積層方向に向いている。そして、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2の巻回軸は異なる関係で並置されている。同様に、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4は、それぞれの巻回軸が異なる関係で並置されている。そして、第1のコイル状導体L1と第3のコイル状導体L3のそれぞれの巻回範囲が平面視で少なくとも一部で重なり、第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4のそれぞれの巻回範囲が平面視で少なくとも一部で重なる。この例ではほぼ完全に重なる。このようにして8の字構造の導体パターンで4つのコイル状導体を構成している。
なお、各層は誘電体シートで構成されていてもよい。但し、比透磁率の高い磁性体シートを用いれば、コイル状導体間の結合係数をより高めることができる。
また、図9においてループ状の破線は閉磁路を表している。閉磁路CM12はコイル状導体L1とL2とに鎖交する。また、閉磁路CM34はコイル状導体L3とL4とに鎖交する。このように、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とによって第1の閉磁路CM12が構成され、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とによって第2の閉磁路CM34が構成される。図9において二点鎖線の平面は、前記二つの閉磁路の間にコイル状導体L1とL3が互いに逆向きの磁界を発生し、L2とL4が互いに逆向きの磁界を発生するように結合しているために等価的に生じる磁気壁MWである。換言すると、この磁気壁MWでコイル状導体L1,L2による閉磁路の磁束およびコイル状導体L3,L4による閉磁路の磁束をそれぞれ閉じ込める。
また、隣接するコイル状導体同士にそれぞれ容量が生じて、コイル状導体同士はこれらの容量によっても結合する。
このようにして周波数安定化回路を構成するとともに、ハイバンド用アンテナとローバンド用アンテナのそれぞれについてインピーダンス変換を行える。
《第2の実施形態》
図10は第2の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。周波数安定化回路25は、第1の実施形態で図8に示したものと同じである。ハイパスフィルタ28とローパスフィルタ29の構成も第1の実施形態で図8に示したものと同じである。第1の実施形態では単一のアンテナ素子10を備えたが、図10に示した例ではハイバンド(2GHz帯、例えば1710〜2690MHz)用の第1アンテナ素子11とローバンド(900MHz帯、例えば704〜960MHz)用の第2アンテナ素子12とをそれぞれ備えている。周波数安定化回路25および周波数フィルタ28,29によってフィルタ付き周波数安定化回路102が構成される。そして、このフィルタ付き周波数安定化回路102、第1アンテナ素子11および第2アンテナ素子12によってアンテナ装置202が構成される。
例えばハイバンド用の第1アンテナ素子11は基板のグランド非形成領域に形成された放射電極パターンによるアンテナ、ローバンド用の第2アンテナ素子12は基板のグランド電極上に実装されたチップアンテナである。このように周波数帯域に応じてアンテナ素子を個別に設けてもよい。そのことによって各アンテナ素子の特性を最適化し易くなる。
なお、一つのアンテナを共用しない場合でも、ハイバンド用のハイパスフィルタ28とローバンド用のローパスフィルタ29を備えることにより、ハイバンドの信号はアンテナ接続部J1で入出力され、ローバンドの信号はアンテナ接続部J2で入出力され、周波数安定化回路25での信号の回り込みが抑制される。
なお、通常、移動体通信端末装置では、そのサイズ的な制約上、ローバンド用アンテナのインピーダンスは、ハイバンド用アンテナのインピーダンスに比べて小さい。放射効率に優れたシンプルな形状(たとえば平板状や面状)のアンテナの場合、ハイバンド用アンテナのインピーダンスが10〜20Ω程度であるのに対し、ローバンド用アンテナのインピーダンスは5〜10Ω程度である。
他方、給電回路のインピーダンスは、通常、50Ωであるため、ハイバンド用アンテナのインピーダンス変換比に比べ、ローバンド用アンテナのインピーダンス変換比を大きくする必要がある。
図10に示した第2の実施形態の周波数安定化回路102では、
ハイバンドにおけるトランス比(インピーダンス変換比)は、
(L2+L3+L4)/(L1+L2+L3+L4)
ローバンドにおけるトランス比(インピーダンス変換比)は、
(L3+L4)/(L1+L2+L3+L4)
であるので、ハイバンド用アンテナに適用するインピーダンス変換比に比べ、ローバンド用アンテナに適用するインピーダンス変換比を大きくできる。
このように、本発明の周波数安定化回路によれば、複数のアンテナを用いるに際し、各アンテナの特性インピーダンスが異なっていても、各アンテナの特性インピーダンスに応じたインピーダンス変換比でインピーダンス変換を行うことができる。
《第3の実施形態》
図11は第3の実施形態の周波数安定化回路およびアンテナ装置の回路図である。周波数安定化回路25は、第1の実施形態で図8に示したものと同じである。ハイパスフィルタ28とローパスフィルタ29の構成も第1の実施形態で図8に示したものと同じである。図8に示した例では第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2との接続点が第1アンテナ接続部J1、コイル状導体L2とコイル状導体L4との間が第2アンテナ接続部J2であったが、図11の例では、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4との接続点が第1アンテナ接続部J1、コイル状導体L2とコイル状導体L4との間が第2アンテナ接続部J2である。また、図8に示した例では第1アンテナ接続部J1にハイパスフィルタが接続され、第2アンテナ接続部J2にローパスフィルタが接続されたが、図11の例では第1アンテナ接続部J1にローパスフィルタが接続され、第2アンテナ接続部J2にハイパスフィルタが接続されている。周波数安定化回路25および周波数フィルタ28,29によってフィルタ付き周波数安定化回路103が構成される。そして、このフィルタ付き周波数安定化回路103およびアンテナ素子10によってアンテナ装置203が構成される。
図11に示した例では、給電回路30を入力、アンテナ接続部J1を出力として見たときのコイル状導体L1〜L4によるトランス比は、
L3/(L1+L2+L3+L4)
である。
また、給電回路30を入力、アンテナ接続部J2を出力として見たときのコイル状導体L1〜L4によるトランス比は、
(L3+L4)/(L1+L2+L3+L4)
である。
このように、インピーダンス変換比の大きな方のアンテナ接続部を第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4の接続点とし、それよりインピーダンス変換比の小さな方のアンテナ接続部を第2のコイル状導体L2と第4のコイル状導体L4の接続点としてもよい。
《第4の実施形態》
図12は第4の実施形態である通信端末装置301のブロック図である。通信端末装置301は、ベースバンド回路110、通信回路120、フィルタ付き周波数安定化回路101およびアンテナ素子10を備えている。フィルタ付き周波数安定化回路101およびアンテナ素子10は第1の実施形態で示したとおりである。通信回路120は送信回路121、受信回路122およびデュプレクサ123を備えている。
第1の実施形態で示したフィルタ付き周波数安定化回路101およびアンテナ素子10に代えて第2または第3の実施形態で示したフィルタ付き周波数安定化回路およびアンテナ素子を適用してもよい。
《他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、インピーダンス変換比の大きな方がローバンド用のアンテナ接続部、インピーダンス変換比の小さな方がハイバンド用のアンテナ接続部であったが、ローバンドとハイバンドとでアンテナのインピーダンスの高低が逆の関係であるアンテナ素子を接続する場合には、インピーダンス変換比の大きな方をローバンド用のアンテナ接続部、インピーダンス変換比の小さな方をハイバンド用のアンテナ接続部とすればよい。
また、以上に示した各実施形態では、周波数フィルタとしてハイパスフィルタとローパスフィルタを例に挙げたが、バンドパスフィルタであってもよい。
さらには、第2の実施形態のように、異なる周波数帯に対応した二つのアンテナ素子を用いる場合には、これらのフィルタを介さずに、アンテナ接続部にアンテナ素子を直接接続してもよい。
また、以上に示した各実施形態では、第1のコイル状導体L1と第2のコイル状導体L2とが同じインダクタンスを有し、第3のコイル状導体L3と第4のコイル状導体L4とが同じインダクタンスを有する例を示したが、L1とL2が異なり、L3とL4が異なっていてもよい。前記インダクタンス値の違いによって、給電回路と第1アンテナ接続部との間でのインピーダンス変換比と、給電回路と第2アンテナ接続部との間でのインピーダンス変換比を適宜異ならせることができる。
CM12…第1の閉磁路
CM34…第2の閉磁路
FP12,FP34…磁束
J1…第1アンテナ接続部
J2…第2アンテナ接続部
L1…第1のコイル状導体
L2…第2のコイル状導体
L3…第3のコイル状導体
L4…第4のコイル状導体
MW…磁気壁
10…アンテナ素子
11…第1アンテナ素子
12…第2アンテナ素子
25…周波数安定化回路
26…1次側回路
27…2次側回路
28…ハイパスフィルタ(周波数フィルタ)
29…ローパスフィルタ(周波数フィルタ)
30…給電回路
41…給電端子
42…グランド端子
43…第1アンテナ接続端子
44…第2アンテナ接続端子
51a〜51g…磁性体層
61〜66…導体パターン
71〜75…導体パターン
101〜103…周波数安定化回路
110…ベースバンド回路
120…通信回路
121…送信回路
122…受信回路
123…デュプレクサ
201〜203…アンテナ装置
301…通信端末装置
(12)必要に応じて、(10)に記載の第1アンテナ素子と第2アンテナ素子はそれぞれ別のアンテナ素子であることが好ましい。この構成により、単一の周波数安定化回路でありながら、周波数帯域を分担する第1、第2のアンテナを用いることができる。
(14)本発明の通信端末装置は、
給電端子に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ素子と、
前記第リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ素子と、
を有するアンテナ装置と、
前記給電端子に接続された通信回路と、
を備えたことを特徴とする。
(16)必要に応じて、(14)に記載の第1アンテナ素子と第2アンテナ素子はそれぞれ別のアンテナ素子であることが好ましい。この構成により、単一の周波数安定化回路でありながら、周波数帯域を分担する第1、第2のアンテナを用いることができる。
図7は前記負性のインダクタンスを示す周波数安定化回路による、アンテナ素子と給電回路とのインピーダンス整合について示す図である。図7において、横軸は周波数、縦軸はリアクタンスjxである。アンテナ素子はそれ自体でインダクタンスを備え、グランドとの間にキャパシタンスを備えている。そのためアンテナ素子のインピーダンスjxaは、jxa=ωL−1/ωCで表される。図7中の曲線RIはこのアンテナ素子のインピーダンスjxaを表している。アンテナ素子の共振周波数はjxa=0のときである。一方、周波数安定化回路のインピーダンスは負性インダクタンスであるので、曲線(直線)SIで表されるように右下がりの特性で表される。したがって、周波数安定化回路とアンテナ素子とによるアンテナ装置のインピーダンス(給電ポートから見たインピーダンス)は曲線(直線)AIで示されるような傾きの小さな周波数特性となる。

Claims (17)

  1. 給電回路に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
    前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
    前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ接続部と、
    前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ接続部と、
    を備えた周波数安定化回路。
  2. 前記第1アンテナ接続部と前記第2アンテナ接続部は共用のアンテナに直接的または間接的に接続される端子である、請求項1に記載の周波数安定化回路。
  3. 前記第1アンテナ接続部と前記第2アンテナ接続部はそれぞれ別のアンテナに直接的または間接的に接続される端子である、請求項1に記載の周波数安定化回路。
  4. 前記第1〜第4リアクタンス素子はそれぞれ主にインダクタンス成分を有するインダクタンス素子である、請求項1〜3に記載の周波数安定化回路。
  5. 前記第1〜第4リアクタンス素子はそれぞれキャパシタンス成分をも含む素子である、請求項4に記載の周波数安定化回路。
  6. 前記インダクタンス素子はコイル状導体パターンで構成されている、請求項5に記載の周波数安定化回路。
  7. 前記コイル状導体パターンは、複数の誘電体層または磁性体層が積層された積層体の内部に設けられている、請求項6に記載の周波数安定化回路。
  8. 前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子とは互いに異なるインダクタンス値を有し、前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子とは互いに異なるインダクタンス値を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の周波数安定化回路。
  9. 前記第1アンテナ接続部および前記第2アンテナ接続部に接続された周波数フィルタを備えた、請求項1〜8のいずれかに記載の周波数安定化回路。
  10. 給電回路に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
    前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
    を有する周波数安定化回路と、
    前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ素子と、
    前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ素子と、
    を備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  11. 前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子は共用のアンテナ素子である、請求項10に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子はそれぞれ別のアンテナ素子である、請求項10に記載のアンテナ装置。
  13. 前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点と、前記第1アンテナ素子との間に第1の周波数フィルタが挿入され、
    前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点と、前記第2アンテナ素子との間に第2の周波数フィルタが挿入された、請求項10〜12のいずれかに記載のアンテナ装置。
  14. 給電端子に接続される第1リアクタンス素子、および前記第1リアクタンス素子に直列接続される第2リアクタンス素子を有する1次側回路と、
    前記第1リアクタンス素子に対して電磁界結合する第3リアクタンス素子、および前記第3リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との間に直列接続され、前記第2リアクタンス素子に対して電磁界結合する第4リアクタンス素子を有する2次側回路と、
    前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第1アンテナ素子と、
    前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点に接続された第2アンテナ素子と、
    を有するアンテナ装置と、
    前記給電端子に接続された通信回路と、
    を備えたことを特徴とする通信端末装置。
  15. 前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子は共用のアンテナ素子である、請求項14に記載の通信端末装置。
  16. 前記第1アンテナ素子と前記第2アンテナ素子はそれぞれ別のアンテナ素子である、請求項14に記載の通信端末装置。
  17. 前記第1リアクタンス素子と前記第2リアクタンス素子との接続点、または前記第3リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点と、前記第1アンテナ素子との間に第1の周波数フィルタが挿入され、
    前記第2リアクタンス素子と前記第4リアクタンス素子との接続点と、前記第2アンテナ素子との間に第2の周波数フィルタが挿入された、請求項14〜16のいずれかに記載の通信端末装置。
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