JPWO2012098931A1 - 細胞培養処理システム及び細胞培養処理システムのモジュール接続方法 - Google Patents

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Abstract

再生医療分野等において細胞・組織の培養処理を行う細胞培養処理システムであって、システム外部からのウィルス及び培養処理対象以外のヒト由来の細胞等が閉鎖空間の内部への侵入することを防止することで無菌性を保つとともに、モジュールの閉鎖空間を密閉性保って、多種多様な細胞培養処理工程に応じて、複数のモジュールを連結または離脱させることにより複数の培養処理モジュールを組み合わせて細胞培養処理を行うことができる細胞培養処理システムを提供する。

Description

本発明は、医学、生物学、創薬、薬学等の分野において最適な細胞等の細胞培養処理システムに関するものである。特に、再生医療または、バイオ医薬生産のための細胞、組織、臓器等(以下、細胞等という。)の細胞培養処理システムに関するものである。
近年、ヒトや動物の細胞を用いて、失われた、または機能低下を起こした細胞等を修復する再生医療へ期待が高まっている。また、体性細胞、体性幹細胞の増殖や組織化の研究開発が進展している。更にES細胞の研究やiPS細胞を作成、増殖する技術開発が進展している。これら治療に用いられる細胞等を体外で培養し、さらに組織化するには、安全性の向上や高品質化、ハイスループット化、トータル製造コスト低減等の問題を解決した細胞培養処理システムが望まれている。
しかし、再生医療のように、ヒトや動物の体内に移植して治療を行うには、細胞の増殖や細胞の分化あるいは組織化を有効に効率的に行わなければならない。その上で、ヒトや動物の体内に移植して治療するのであるから、安全性の確保が重要となる。この安全性を確保するには2つの条件を要する。一つ目は、細胞等が取り扱われる環境下において、雰囲気内への異物、粉塵の侵入を防ぐとともに、雑菌の侵入を防ぎ無菌性を維持することが必要である。二つ目としては、特に患者本人の細胞を培養(自家培養)する場合、他の人の細胞等や他種の細胞等、患者本人の細胞等(自家培養の細胞等)以外の細胞等やその細胞由来のウィルス、バクテリアなどが混入することを予防し、混入した菌、細胞培養処理対象以外の細胞等は排除しなければならない。
従来、安全性の確保のため室内全体を清浄雰囲気にする大型設備のクリーンルーム内にて培養等の作業が行われている。このクリーンルームは、設備費や維持費が非常に高く高価な設備である。このため、培養処理を行う細胞等のコストも大幅に上昇することになる。
細胞培養処理は、手作業による培養と同様に自動化システムにおいても、遂行した作業手順や作業内容を記録し、保存しなければならない。自動化システムにおいてはこれらの作業を手作業で行う場合より効率的かつ正確に行うことが望まれている。
細胞を培養する工程には様々な工程が含まれる。特に限定するものではないが、例えば、ヒト等から採取した組織からの細胞の分離する工程、分離した細胞から目的の細胞を単離する工程、細胞を初代培養する工程、増幅培養する工程、継代培養する工程、細胞を任意の細胞へ分化させる工程、組織化する工程、細胞・組織の包装する工程などが挙げられる。これらの工程は治療目的や取り扱う細胞種等に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。心臓治療に利用されている筋芽細胞シートを作製する場合、患者から筋組織を採取し、筋芽細胞を単離して初代培養する工程、増幅培養する工程、継代培養する工程、単層細胞シートを作製して積層化する工程を経て作製する。ES細胞又はiPS細胞等を利用して心臓治療用細胞シート作製する場合、ES細胞又はiPS細胞等を増幅培養する工程、筋芽細胞又は心筋細胞等、任意の細胞へ分化させる工程、単層細胞シートを作製する工程、積層化する工程を経て作製する。角膜治療用細胞シートを作製する場合、口腔粘膜組織を採取する工程、組織から細胞を単離する工程、単層細胞シートを作製する工程を経て作製する。これらの細胞等培養工程は、培養の目的に応じて上記工程などを組み合わせることができる。そのため、細胞等培養には、上記工程の一部を選択的に行う場合、それらの工程の順序が入れ替えて行う場合、工程の一部または全部を繰り返す場合等がある。また、各工程を遂行するのに要する時間は、工程によって差異を生ずる。
特開2008-054690 特開2004-350640 特開2011-4613
従来の細胞培養処理システムは、多様な細胞培養プロセスが実施できるようにするために大型で複雑化している。このため、従来のシステムでは、設備のコストが非常に高くなるという問題があった。
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものである。本発明の細胞培養処理システムは、多種多様な培養プロセスを低コストで処理できるシステムを提供することを目的とする。また使用目的に応じて多種の細胞・組織等の培養プロセスに柔軟に対応できる合理的な細胞培養処理システムを提供することを目的とする。
本発明の細胞培養処理システムの態様によれば、相互に接続することができる複数のモジュールと、前記モジュールに設ける第1の閉鎖空間と、前記第1の閉鎖空間の有する開口部を開閉する扉と、前記開口部の周縁部に設ける接続部材と、除染剤を供給する除染剤供給モジュールと、を備えて、前記徐染剤供給モジュールにより前記第1の閉鎖空間に除染剤を供給すると共に、接続する一方の前記モジュールの前記接続部材及び前記扉と他方の前記モジュールの前記接続部材と前記扉により形成される第2の閉鎖空間に除染剤を供給し、接続した複数の前記モジュールを無菌状態に保った一体的な閉鎖空間にすることを特徴とする。
本発明の細胞培養処理システムは、培養プロセスの種類やスループット、生産量に応じてモジュール(ユニットともいう。)を増減(システムからモジュール離脱及びシステムにモジュールを接続)することが容易となる。
本発明の細胞培養処理システムは、第1の閉鎖空間内部で各種細胞培養処理を行うことができる。このとき、扉は、細胞培養処理を行う環境条件(温度、湿度、無菌など)を保つために閉じられている。これにより、第1の閉鎖空間は外部雰囲気(閉鎖空間の外側)からは遮断されて閉鎖された状態となる。他分野、たとえば半導体製造システムで使用される閉鎖空間を備える従来のシステムと比較すると、半導体ウェーハ製造時に処理チャンバ内を所定の温度や真空度にしてウェーハ製造可能な条件に保つ目的で扉(ゲートバルブ)を閉じて内部を閉鎖空間とする点においては共通する。
しかしながら、本発明の細胞培養処理システムは、以下の点で従来システムと異なる。本発明の細胞培養処理システムは、システムからモジュールを物理的に切り離して、位置を移動することができる。離脱したモジュールは、その扉を閉じておくことで第1の閉鎖空間内部の環境を維持できる。本発明の細胞培養処理システムでは、第1の閉鎖空間内を密閉・開放可能にする扉により第1の閉鎖空間の内部を一旦除染・除菌した(除染・除菌動作を停止した)後は、扉を閉じて第1の閉鎖空間内を閉鎖もしくは密閉状態が保たれて一定期間除染・除菌状態が保持することができる。
また、複数のモジュールを備えて、モジュールを着脱できる従来システムにおいても、接続する一方のモジュールの扉(もしくは蓋)と他方のモジュールの扉(もしくは蓋)とを密接に接続して、双方の扉(もしくは蓋)を同時に閉鎖空間内に開扉して、双方の閉鎖空間を連通可能に接続することができるものがある。しかし、このような従来の細胞培養システムでは、扉の外部(第1の閉鎖空間外部)が外気に触れて細胞培養処理の対象物であるヒト由来の細胞とは異なる他のヒト由来の細胞、各種菌などが付着している。そのため、再びモジュール接続するときは、培養処理対象外のヒト由来の細胞や各種菌などが扉外部に付着したまま、閉鎖空間に持ち込まれることになり、それらが細胞処理対象となる細胞に混入する可能性がある。そこで、従来の細胞培養システムのモジュールの扉の外側の汚染を防止するため、清浄度が高い雰囲気のクリーンルーム(非作業時 クラス10,000以下、作業時 クラス100,000以下)内に当該システムを設置する必要があった。さらに、作業者によりモジュールの扉の外側が汚染されないよう、作業者は着衣(いわゆるクリーンウェア、マスク、手袋等の着衣)や作業方法に細心の注意を図る必要があった。
これに対して本発明の細胞培養処理システムでは、接続する一方のモジュールの第1の閉鎖空間と他方のモジュールの第1の閉鎖空間との間に、モジュール双方の扉と、モジュール双方の接続部材とにより密閉可能に第2の閉鎖空間を形成して、該閉鎖空間内に除染剤を供給することにより除染・除菌を行った上でモジュール接続する。これにより、本発明の細胞培養システムでは、接続前に外部雰囲気に触れた箇所はすべて除染され、閉鎖空間内部に菌などを持ち込むことなく、一体的な除染・除菌された安全な無菌空間とすることで最適な環境下での細胞培養処理を行うことができる。このように第1の閉鎖空間及び第2の閉鎖空間を除染・除菌処理することにより、従来よりも清浄度が低い雰囲気のクリーンルーム(非作業時 クラス100,000以下)であっても、細胞培養システムを設置することが可能となる。また、仮に作業者がモジュールの扉の外側を汚染しても、本発明の細胞培養システムではモジュールの扉の外側を除染・除菌を行った後にモジュール同士が接続されるため、作業者が行う汚染防止措置を軽減できる。
本発明の細胞培養処理システムの別の態様によれば、命令に応じてモジュールが所定の処理を実行するよう制御するモジュール制御装置と、前記接続部材を介して接続されている前記モジュールの前記モジュール制御装置と電気的に接続されており、前記各モジュールの動作を制御する統合制御装置と、を備える。この細胞培養処理システムでは、前記統合制御装置により、前記接続された複数の前記モジュールと通信を行い、前記モジュールのIDを認識して、前記IDに応じた動作命令を前記モジュールに対して行うことで、接続した複数の前記モジュールを関連付けて各種培養処理の一連の処理工程を統合処理し、又は別々に各種細胞培養処理を実行することを特徴とする。
細胞培養処理を行うときの工程は、細胞等の種類によって、又は、ヒト由来の細胞等においては個人差によって、工程にかかる時間や細胞培養処理の結果生成される細胞等の量が異なる。このような場合でも、本発明の細胞培養処理システムでは、細胞培養処理中に別途モジュールを追加接続、具体的には、モジュールの取り外し、別途モジュールの追加接続が可能である。また、本発明の細胞培養処理システムにより細胞培養処理を行っている最中に、別の処理工程の細胞培養処理を行うこともできる。この場合に、先の細胞培養処理工程で用いて不要になったモジュールを取り外すと共に、次の細胞培養処理工程により必要となるモジュールを連結することができる。このように、モジュールを入れ替えることで、一度に多くの種類の細胞、組織等の培養プロセスに対応できる。また、各モジュールに識別可能な固有のIDを設けて、該IDを読み取ることにより複数のモジュールの連結又は離脱を認識すること、及び各モジュールの動作ログ、通信ログ、環境情報の測定結果をその情報源であるモジュールのIDとともに統合制御装置へ電気信号として送信して、記憶部に記録するよう構成することもできる。これにより検体である細胞等が他の細胞と混ざることがないように正確に管理することができる。
本発明の細胞培養処理システムの別の態様によれば、内部に搬送ロボットを備えており、前記各モジュールが接続される搬送モジュールを備える。この搬送ロボットにより、接続された1のモジュールの前記第1の閉鎖空間から他のモジュールの前記第1の閉鎖空間へ、前記第2の閉鎖空間を介して被搬送物を移動させることを特徴とする。
この細胞培養処理システムは、搬送モジュールを備えることで、細胞等や培地などが入ったプレート及びボトル、その他の細胞培養処理作業に必要となる資材を細胞培養処理システム内部の閉鎖空間の内部または他の閉鎖空間の間を搬送することができる。これにより、細胞培養処理システムが有する複数の無菌閉鎖空間を一体的に使用して、各種細胞培養処理の作業を行うことができる。
本発明の細胞培養処理システムの別の態様によれば、前記接続部材は、内部が中空形状であるシール部材と、前記シール部材の内部に気体等注入手段とを備える。このシール部材は、内部に気体、液体、ゲル状物を注入することでシール部材を膨張させることができる。これにより、1の接続部材と他の接続部材との間の隙間を埋めることができ、第2の閉鎖空間内を密閉にシールすることができる。
この細胞培養処理システムでは、接合部材間の隙間を埋めるシール部材により、接続部材間の隙間から外部へ除染剤が漏れること、及び、細胞培養処理を実行している最中に外部から菌や他の細胞が混入することを防止できる。
また、この細胞培養処理システムでは、複数のモジュールを接続する際に生じる接続部材間のわずかな隙間を、シール部材により埋めることができる。このシール部材の内部に気体等(気体等とは、気体、液体、ゲル状物等をいう。)を注入して、シール部材を膨らせて、シール部材と接続部材または別のシール部材とを密着させて、接続部材間の隙間を埋めることができる。これにより、第2の閉鎖空間内部を外気から確実に遮断することができる。
本発明の細胞処理システムのモジュール接続方法は、前記接続部材を介して複数の前記モジュールを接続する工程と、複数の前記接続部材と複数の前記扉により形成される前記第2の閉鎖空間に、前記除染剤供給モジュールより前記除染剤を供給して前記第2の閉鎖空間内を除染する工程と、前記扉を開けて前記第1の閉鎖空間及び前記第2の閉鎖空間を連通して一体の無菌閉鎖空間を形成する工程とを備えることを特徴とする。
この態様の細胞培養処理システムのモジュール接続方法によれば、1つのモジュールの接続部材と別のモジュールの接続部材との双方又は一方にシール部材(相手方にはシール受け部材)を備えることで、扉と接続部材とによって形成される領域を除染して除染・除菌を行った上で、扉をあけて複数の閉鎖空間を連通可能にする。このため、閉鎖空間内部の細胞培養処理に悪影響を及ぼす菌や異物・他の細胞の混入を防止することができる。また、本発明の細胞培養処理システムは、細胞培養処理を行っている最中に、処理工程において不要となったモジュールを切り離し、別途用意した他のモジュールを接続することで、モジュールの入れ替えができる。
本発明の細胞処理システムのモジュール接続方法の別の態様によれば、複数の前記モジュールを、隙間をあけて設置する工程と、複数の前記モジュールに備えるシール部材を、前記隙間を埋めるように膨張させて複数の前記モジュールを接続する工程と、複数の前記接続部材と複数の前記扉により形成される前記第2の閉鎖空間に前記除染剤供給モジュールからの前記除染剤を供給して前記第2の閉鎖空間内を除染する工程と、前記扉を開けて前記第1の閉鎖空間及び前記第2の閉鎖空間を連通して一体の無菌閉鎖空間を形成する工程を備えることを特徴とする。
本発明の細胞培養処理システムのモジュール接続方法によれば、複数のモジュールを接続する位置(この時点では双方モジュールの接続部材及びシール部材間には隙間を空けた位置)に移動したのち、中空状のシール部材の内部に気体等(気体等とは、気体、液体、ゲル状物等をいう。)を注入することでシール部材が膨らんで接続部材間の隙間を埋まって(シールして)第2の閉鎖空間内部を外気から遮断することができる。このため、モジュール接続により直接シール部材同士が衝突及び接触により生じる破損事故及び摩擦による劣化やゴミの発生などを低減でき、第2の閉鎖空間の内外から気体等の漏れを長期間防止できる。
本発明の細胞培養処理システムは、確実な除染・除菌を行いつつシステムで使用する処理モジュールを増減することができる。これにより各処理モジュールの組み合わせの自由度を大幅に向上させることができ、多くの種類の細胞、組織等の培養プロセスに対応できるという利点がある。
図1は細胞培養処理システムを示した平面図である。 図2は図1の実施例と異なる細胞培養処理システムを示した平面図である。 図3は、本発明の(搬送)モジュール11の一部切り欠き斜視図である。 図4は、搬送ロボット22を示した斜視図である。 図5は、扉25aを示した斜視図である。 図6は、2つのモジュールを接続するときの動作を説明する説明図である。 図7は、着脱手段16を示した斜視図である。 図8は、着脱手段16の接続動作を説明するための説明図である。 図9は、細胞培養処理システムの制御ブロック図である。 図10は、培養プレート等を示した斜視図である。 図11は、図3とは異なる(分注)モジュールの一部切欠き斜視図である。 図12は、(分注)モジュール12の分注動作を示した説明図である。 図13は、(分注)モジュール12の排液回収動作を示した説明図である。 図14は、図11とは異なるモジュール(細胞シート積層化モジュール)14を示す斜視図である。
多種類の培養プロセスに用いられる各種モジュールからなる細胞培養処理システムを、最小の床専有面積で、省処理時間で実現した。
図1は、本発明の細胞培養処理システムの実施例の平面図である。また、1aは細胞培養処理システムの一実施例である。11は搬送モジュールである。12は分注モジュールである。13は恒温モジュールである。14は細胞シート積層化モジュールである。15は培養プレート等の搬出入モジュールである。なお、これらのモジュール11〜15は例示であり、他の機能を有するモジュールであっても良い。また、より多くのモジュールを接続しても良い。
図面中央の6角形の搬送モジュール11の側面には着脱手段16が設けられている。着脱手段16は搬送モジュール11と、12〜15で示すモジュールとを着脱可能に接続する。搬送モジュール11と他のモジュール12〜15(処理装置ともいう。)は、外気を遮断する閉鎖空間(筺体など)を備える。搬送モジュールと他モジュールが接続された後は、システム全体で一つの閉鎖空間または密閉空間として、または、各モジュール単位で開閉可能な扉による仕切られた閉鎖空間もしくは、完全密閉した密閉空間とすることができる。
本実施例においては、搬送モジュールと他モジュールとが接続されたときに、除染剤供給モジュール18からの除染・除菌ガス供給配管35a〜c(除染・除菌ガス供給口36)も接続される。これにより、各処理モジュール内に除染剤が供給可能となり、細胞積層化システム1aの内部のすみずみまで除染・除菌が可能となっている。なお、35aは、除染剤供給モジュール18からの除染剤を搬送モジュール11に直接供給するための除菌ガス供給配管であり、配管35bは、除染剤供給モジュール18からの除染剤を他のモジュール12〜15に供給するモジュール18側の除菌ガス供給配管である。配管35cは配管35bと搬送モジュール11内部の配管(図示せず)を介して連結されている。配管35cは除染剤供給モジュール18からの除染剤を他のモジュール12〜15に供給するモジュール12〜15側の除菌ガス供給配管である。なお、除染剤供給配管35は、本実施例のように搬送モジュールを介して他モジュールに配管されることに限定されるものではない。他の実施例として除染剤供給モジュールから直接配管される構成としてもよい。
このような細胞培養処理システム1aは、各モジュールを筺体等の閉鎖空間を備えており、筺体上部にファン・フィルタ・モジュールを備えた清浄雰囲気(クラス1000以下、望ましくはクラス100以下)としてもよい。ファン・フィルタ・モジュールは、筺体内部に正常空気等を送風するファンと、送風に含まれる塵埃やウィルス等を筺体内に持ち込むのを防止するフィルタなどからなる。このファンとフィルタと近接して一体のモジュールとして備える。そのほか、ファンとフィルタとの間に通風管を介してそれらを離れた位置となるように設けてもよい。
細胞培養処理システム1aは、着脱手段16を介してモジュールを接続できるので、モジュール台数を増減することができる。このため、多くの種類の細胞、組織等の培養プロセスに対応できるように各モジュールの組み合わせを変えることができる。用途により使い分けられるという利点がある。たとえば、用途は、細胞懸濁液の入庫、培養プレートへの細胞播種、培地交換、細胞シートの積層化、積層化細胞組織の出庫などである。
例えば本実施例に示す除染剤供給モジュール18は、過酸化水素液を供給する液供給手段と、過酸化水素液を気化させる気化手段と、各モジュールにガスを供給するガス供給手段と、各モジュールとガス供給手段との間をつなぐガス配管と、各モジュールからの排気を回収する配管と、回収されたガスは触媒を通して無害化されて排気される排気配管とを備えている。
除染剤供給モジュール18により発生させた過酸化水素ガスを各モジュールの第1の閉鎖空間及び第2の閉鎖空間(後述する)内部に流入させることができる。これにより、第1の閉鎖空間23内部(搬送モジュール等のモジュール内に備えるアクチュエータ、センサ、容器の外装等を含む)に存在する菌、ヒト由来の細胞等を死滅させることができる。除染剤供給モジュール18から供給する除染剤の種類としては特に限定されない。例えば、本実施例のような過酸化水素でも良いが、過酢酸、ホルムアルデヒド、オゾン、二酸化塩素等でも良い。特に、これらを蒸気や気体またはミスト状とした除染剤として供給するものが好ましい。
本発明の細胞培養処理システムを用いて、1人又は複数人の患者由来の細胞等を同時並行的に細胞培養処理動作してもよい。同じ患者由来の細胞であっても、培養工程が異なる複数の種類の細胞を同時並行的に扱ってもよい。本発明の細胞培養処理システムを用いて、複数の患者由来の細胞を同時並行的に細胞培養処理動作するときの実施例を以下に説明する。
図1に示す本発明の細胞培養処理システム1aを用いて、あるヒト由来の細胞等について細胞培養処理を行う。恒温モジュールで細胞培養を行っている最中に、前工程で使用した分注モジュール、搬送モジュール、搬出入モジュールの第1の閉鎖空間(後述するV1領域:段落[0064]〜[0067]参照)とそれらモジュールをつなぐ第2の閉鎖空間(後述するV2領域:段落[0064]〜[0067]参照)とに除染剤を注入して除染・除菌を行う。その後、別のヒト由来の細胞を搬出入モジュールより細胞培養処理システム内に持ち込み、先のヒト由来の細胞について行った細胞培養処理又は、別の細胞培養処理を行う。
これにより、本発明の細胞培養システムでは、同時に複数のヒト由来の、又は、同じヒト由来の細胞について異種の、又は、同種の細胞培養処理を行うことができる。さらに、別のヒト由来の細胞の細胞培養処理を行っている最中に、すでに細胞培養処理済みで恒温モジュール内にて細胞培養を行っているものについては、細胞培養状態を保ったまま、恒温モジュールごと細胞培養処理システムから離脱させて、別の恒温モジュールを接続させることもできる。長時間かかる工程を必要とするモジュールは、その工程が完了するまでの間、一旦細胞培養システムから切り離して、別途同種のモジュールを接続することで、システム全体の待ち時間を最小限とすることができる。
図2に示す細胞培養処理システムは本発明の他の実施形態を示す。この細胞培養処理システム1bは、搬送モジュール11aの外周に各種処理モジュールを接続する。搬送モジュール11aの左側に着脱手段16を介して受渡モジュール17を備える。その受渡モジュール17のさらに左側に着脱手段16を介して別の搬送モジュール11bを接続する。
このような細胞培養処理システム1bによれば、1つの搬送モジュール11aに取り付け可能な着脱手段16の数量に制限されることなく、多くのモジュールを増設することができる。このため、培養プロセスの進歩や変更によるモジュールのレイアウト変更も容易にでき、プロセスの進歩や複雑化、生産量の増加にともなうモジュールの増設も容易にできる。ここで、受渡モジュール17とは、たとえば、培養プレート等の載置台と、内部を除染、除菌ガスを供給する除染剤供給口36等を筺体内部に備えるモジュールをいう。筺体には、培養プレート等の受け渡しのための開口部を密閉・開放できる扉(扉)を備える。これにより、扉を閉じているときは、外気と遮断でき筺体内部を閉鎖空間とすることができる。また、扉を開ければ培養プレート等を異物が混入することがなく培養プレート等を搬送することができる。
また、このような細胞培養処理システム1bによれば、同機能の複数のモジュールを組み合わせることができる。細胞培養処理システム1bは、同時並行的にモジュール単独で運転したり同時並行的にモジュール単独で運転(制御)したりすることができるため、ハイスループットで効率的な生産ができる。
細胞培養処理システム1a,1bは、細胞、組織等の培養等のプロセスに応じて、各種モジュールを組み合わせて構成することができる。各モジュールにはモータ、ファン、バルブ、シリンダ、ペルチェ、ヒータなどのアクチュエータを動作させるコマンドを搭載する。各モジュールは、環境モニタ(各種センサなどであって、温度センサ、光学センサ、ガス濃度計、湿度計、パーティクルカウンタ、位置測定器、重量計など)からの信号、測定情報、動作ログなどの電気的信号を送受信及び記録するモジュール制御部を備える。各モジュールはモジュール制御装置に予め記憶されている各種処理手順に基づいて、または後述する統合制御装置からの制御命令に基づいて、それぞれ所定の各種の処理機能を遂行する。
また、細胞培養処理システム1a,1bは、モジュール間の動作の連携をとり、培養処理プロセスを実行したモジュールのID情報と環境情報を含めた測定結果(動作ログ及び環境等のログ)および細胞組織等の検体情報とを関連付けした情報等を記憶管理することができる統合制御装置を備える。モジュールのID情報と関連付けて各モジュールのモジュール制御装置から統合制御装置へ電気的信号を送受信することで、あるモジュールから別のモジュールを離脱して別のモジュールを接続するときでも、IDを認識することでどのモジュールと電気的信号をやり取りしたのかを、統合制御装置が認識することができる。これにより、様々な培養プロセスに対応可能で、省力的で、効率的な細胞、組織の生産ができ、製造コストが低減できる。
従来の大型システムは、培養処理に必要な機能をすべて搭載した一体型のシステムとなっている。従来のシステムでは、本発明のシステムと異なり、モジュールごとに切り離すことができない。このため、従来のシステムでは、一人の患者由来の細胞等を処理している間は他の患者由来の細胞の処理を割り込ませることは難しい。理由としては、従来のシステムでは、1つのモジュールが長時間稼働しているときは、他のモジュールは使用できず、システムを占有する時間が長くなるためである。
これに対して、本発明のシステムでは必要に応じてモジュールを着脱できる。このため本発明のシステムでは、長期間稼働するモジュールをシステムから離脱することで稼働モジュールがシステムを占有することを回避できる。例えば、本発明のシステムでは、一連の処理工程の中で長時間の培養を必要とするモジュールがある場合、そのモジュールをシステムから一次的に離脱させて、別の場所に移動させることができる。そのモジュールは別の場所で継続して培養を進行させることができる。必要に応じて、そのモジュールを培養完了後に再びシステムに接続して他の処理を続行することもできる。これにより、モジュールを離脱させて独自培養している期間、システムを他の培養処理に利用できる。これにより本システムでは、各モジュール占有時間を考慮したシステム運用により、本システムを効率的に稼働させることができる。
また、複数のモジュールの内の一部が故障した際には、そのモジュールをシステムから切り離して修理対応ができる。これにより、故障していないモジュールを使用して別途作業ができる。このため、故障によるシステム全体への影響を最小限にとどめることができる。本発明のシステムでは、患者ごとに処理スケジュールが異なる場合や、モジュールの故障不具合に対して迅速な対応が求められる医療分野では有効である。
本発明の細胞培養処理システムは、細胞組織の培養処理手順の管理を行う機能と、培養の経過や培養環境の計測結果を送信する通信手段と、を有するモジュール制御装置を備える。このモジュール制御装置は、各モジュールへ培養処理プロセス実行を指示でき、データ整理と保存をすることができる。本システムによれば、GMP(Good Manufacturing Practice:製剤の製造・品質基準)に準拠した細胞等の生産が可能となる。
図3は、本発明のモジュールの一種である搬送モジュール11の一部切り欠き斜視図である。
21は、平面視したときに六角形である基台であり、22は、基台21の上部中央に備える搬送ロボットである。23は、スカラ型搬送ロボット22を外部雰囲気から遮断する(筺体の側壁23aと筺体の天井部23bとからなる)筺体である。24は、筺体23の外部と筺体内部との間で被搬送物を搬出入するための開口部である。25a、25bは開口部24を密閉・解放する扉である。16は、基台の側面に取り付けられた搬送モジュール11と他のモジュールである分注モジュール12等とを着脱する着脱手段である。この着脱手段16によって、搬送モジュール11を密閉性と無菌性を保ちつつ結合し、または離脱させることができる。無菌状態を保ちつつモジュール結合して密閉状態とすることで、モジュール内部の細胞等を雑菌や、他の細胞等から汚染されることを防ぐことができる。このため、本システムでは、細胞等の品質の安全性が確保される。なお、本実施例において、モジュール内部のダスト量を最小限に抑えるために、HEPAフィルタ27などによるファン・フィルタ・モジュール(空気清浄モジュール)28を備える構成としてもよい。
また、搬送モジュール11の天井部23bの上部にあるファン29に、除染剤供給モジュール(除染剤供給モジュール)18からの除染剤供給配管35b(除染剤供給口36)を備え、筺体内部に筺体内部のから除染・除菌ガスを排気回収して除染剤供給モジュールへ送る除染剤排気回収配管37(除染剤供給口38)を備えることができる。除染・除菌は、モジュールの閉鎖空間内や閉鎖空間外部から内部に導入された密閉容器の外側表面に付着した菌や細胞を死滅させるために行われる。除染剤供給モジュールには、過酸化水素の蒸気や、オゾン等を供給する種々な除染手段が考えられる。その他除染手段としては、有効でかつ安全性が確保され、除染・除菌のバリデーションが確立できるものを採用することができる。
筺体23は、スカラ型搬送ロボット22の稼働範囲より少し大きい範囲の内部空間を備える。この筺体23で囲まれる範囲が第1の閉鎖空間V1を構成する(他のモジュール12〜15も同様)。ここで、稼働範囲とは、図3に示すようにスカラ型搬送ロボット22のアームを折りたたんで最少旋回半径となるように水平旋回動作させたとき、スカラ型搬送ロボット22が周辺機器などと干渉せずに稼働できる空間の範囲(占有空間)をいう。この稼動範囲は、スカラ型搬送ロボット22やアームスライダ型搬送ロボット(図示しない)である場合は、筺体の内部空間形状は円柱形状となる。多関節型搬送ロボットである場合には、半球形状の内部空間とする。これにより、筺体の内部空間の容積を最小限にすることができる。
また、筺体上部には、除染のガスを筺体内に供するためのガス供給口及び排気口を備える。これにより、筺体は、その内部を除染するために最小限の過酸化水素ガスを供給することで、短時間で所定濃度のガス雰囲気に到達し、所定の除染・除菌状態を維持し、短時間で除染・除菌工程を終えることができる。
筺体内部の素材は、過酸化水素ガス等の除染剤による劣化が少ない部材を使用し、かつ部材の接合部には適切なコーキングを施し所定の密閉度を維持する。たとえば、筺体内部の金属はステンレスなどであり、可動部分やコーキング材はシリコーンゴムなどである。過酸化水素ガスによる経年劣化する部材を使用する際には、取り換え容易な構造とする。ガスによる劣化を最小限として、長期的に使用できるモジュールとすることができる。
本発明の細胞培養処理システムは、必要最小限の大きさの閉鎖空間を備える。半導体や食品製造分野で用いられるクリーンルームのように作業者が入室するような大型のものではない。このために、除染・除菌時間を短縮し無菌性を保ちやすく、安価に製造できる。しかも必要に応じて組み合わせが可能であるために、複数のモジュールを組み合わせたシステム全体としても安価となる。そのため生産する細胞、組織のコストも低減できる。
図4に示すスカラ型搬送ロボット22は、筺体23に覆われた室内であって、基台21の上部中央に設置されている。これにより、スカラ型搬送ロボット22の(図中には1点鎖線で示す)旋回中心線31から扉までの距離及び筺体内部壁面までの(最短)距離Rが一定となる。
スカラ型搬送ロボット22は、稼働範囲を最小にすると筺体23の内部体積を最小とすることができる。このため、除染のためガス供給する際には、最少量のガスを供給することで所定の除染・除菌可能な濃度に短時間で到達することができる。
また、第1の閉鎖空間V1の内部体積が大きいと第1の閉鎖空間V1内部にガスがいきわたらない。また、第1の閉鎖空間V1の構造が複雑では、除染しきれない箇所が生じる。このような課題に対してもその体積を小さくして簡易な形状とすることで防止することができる。
スカラ型搬送ロボット22は、ロボット基台41が基台21に固定されている。ロボット基台41の上部にはスカラ型搬送ロボット22を昇降動作させるための昇降手段43を備えている。昇降手段43は、ボールねじ軸をモータの作動により回転させることで(図示しない)図中のZ方向の直線移動可能とするものである。昇降手段43の上部には旋回手段45を備える。旋回手段45は、スカラ型搬送ロボット22を鉛直方向中心に(θ方向に)旋回動作させるものである。
旋回手段45の上部には、第一アーム46が回転可能に備えられている。また、第一アーム46上部端部には第二アーム47が備えられる。さらに、第二アーム47上部に、被搬送物である培養プレートを上部に載置するエンドエフェクタ48が備えられている。このスカラ型搬送ロボット22は、第一アーム46と第二アーム47とエンドエフェクタ48とが同期動作することで、エンドエフェクタ48上の培養プレート等を直進動作もしくは曲線動作することができる。なお、スカラ型搬送ロボット22に備えられた各種アクチュエータは、(図中太枠で示す)制御装置50からの電気的信号に基づいて作動されるものである。これにより、スカラ型搬送ロボット22は、筺体23に覆われた除染・除菌雰囲気内部でマイクロプレート、ボトル、又は分注モジュールのディスポチップ(各種モジュールに供給する消耗品)等を搬送することができる。
スカラ型搬送ロボット22の回動箇所は、除染剤に耐えうるフッ素系樹脂等のOリングやシール部材が取り付けられている。これにより、除染のためのガスがスカラ型搬送ロボット22の内部に流入して内部部材が腐食するのを防止している。
スカラ型搬送ロボット22のロボット基台41の周囲と、昇降手段43の可動部材の周囲との間に樹脂製の蛇腹シール44を取り付けている。このためスカラ型搬送ロボット22が昇降動作した時も、除染・除菌のためのガスがスカラ型搬送ロボット22の内部に流入して内部部材が腐食するのを防止している。
エンドエフェクタは平板形状をしており、培養プレート等をその上部に載置することができる。エンドエフェクタ上部であって載置された培養プレート等の外周には、円錐形のプレート案内部材49もしくは、ほぼ直方体の培養プレートであればその4隅又は、側面をガイドする案内部材を備える構成とすることができる。
スカラ型搬送ロボットの他、搬送手段として産業用多関節ロボットや、スライダロボット等を用いてもよい。
図5に示す扉25aは、駆動手段55と扉部材56とからなる。本実施例では、駆動手段55は、エアシリンダであり、上下動させることで扉56を開閉することができる。駆動手段55の可動部分に蛇腹シール57が取り付けられている。これにより、除染剤が扉駆動手段の内部に流入して内部部材が腐食するのを防止している。図5(A)は、扉駆動手段55の作動により扉部材56が降下して開口部24を通して第1の閉鎖空間V1の内側V1(23inと示す側)と外部V2(23outと示す側)とが連通となっている状態を示している。
図5(B)は、同様に扉部材56が上昇して開口部24が閉じられており、第1の閉鎖空間V1内部が密閉された状態を示している。扉部材56と第1の閉鎖空間V1(開口部24周辺)と接触部分にはシリコーンシール58を(扉側もしくは筺体側に)取り付けている。このシリコーンシールはチューブ状となっている。このチューブ内部に圧縮気体を注入することで膨らみ筺体と扉部材56の間をシールする。本実施例の他、開閉扉の開閉による押圧でシールを押しつぶしてシールするものであってもよい。
図3に示す扉25bは、第1の閉鎖空間V1の壁面23aに平行な回転軸を有する回転扉である。扉部材56と第1の閉鎖空間V1(開口部24周辺)と接触部分にはシリコーンシールを(扉側もしくは筺体側に)取り付けている。このような扉では、回転軸にモータもしくはシリンダとリンク部材を取り付けることにより扉を回転駆動させる構成とすることができる。このような扉では、回転力によりシリコーンシールを扉と筺体内部の壁面との間で均等に押しつぶすことでシールができる。回転駆動する箇所にはフッ素系の樹脂材料のOリングもしくはフッ素系のVシールなどを使用することで除染・除菌のためのガスが回転手段の内部に流入して内部部材が腐食するのを防止している。
図6は、モジュールと別のモジュールが接続するときの状態を説明する説明図である。23aは、モジュールの第1の閉鎖空間V1の壁面23aである。扉56の図面右側(図中→Sで示す領域)は筺体内部で左側(図中Uで示す領域)は搬送モジュール11の第1の閉鎖空間V1の外部である。別のモジュールの扉部材56aより右側領域(図中→Tで示す領域)は、第1の閉鎖空間V1の外部である。領域V2(V2の領域を第2の閉鎖空間と称す。)は、モジュールと別のモジュール。の外部であるが、モジュールと別のモジュールの開口部24、24aが連通となったときは、閉鎖空間の内部となる領域である。
図6(A)は、モジュール(第1のモジュールと称す。)と別のモジュール(第2のモジュールと称す。)とを接続する前の状態を示している。図6(B)は、図6(A)の状態から第2のモジュール(図中左側のモジュール)を、シール部材58cとシール受け58bとが当接直前位置まで図中右側に移動させた状態を示している。図6(C)は、内部がチューブ状となっており、そのチューブに気体を注入して膨らませてシール受け58bとシール部材58cとを当接させる。それにより開口部24、24aの周囲を外部から遮断した領域Vを密閉状態(図6(C)で示す。)にしている。その時、この領域Vに除染・除菌ガスを除染・除菌ガス供給口35aから供給して(場合によっては、図示しない除染・除菌ガス排気回収口を設けて)、領域V内部を除染・除菌する。
これにより、開口部が連通したときに、筺体内部への菌や細胞等の混入を防止できる。図6(D)では、内部に気体が注入されて膨らんでいるシール部材58dから気体を抜いて、扉部材56aとシール部材と隙間を開けて離す。同様に、内部に気体が注入されて膨らんでいるシール部材58aから気体を抜いて、扉部材56とシール部材と隙間を開けて離す。これにより第1のモジュール、第2のモジュール領域Vが連通させた状態になる。扉を下方に移動させることでシール部材と扉が摩耗することなく(摩耗によるごみを出すことなく、また、摩耗によるシール部材の劣化させることなく)、扉を開くことができる。
図7に示す着脱手段16は、位置決めピンと61と、水平方向に突出して備えるL字形状の鍵部材62と、鍵部材62を水平直線方向に進退動作及び回転動作させる鍵駆動手段と、着脱手段16の作動により第1のモジュールと第2のモジュールを接続したこと、もしくは離間したことを検知する着脱検出センサ64を備える。65は、コネクタであり、統合制御装置とモジュールとの電気信号の送受信を行うコネクタ、モジュールに電力を供給するコネクタ、並びにモジュールに圧縮気体や真空その他気体(二酸化炭素、窒素)液体を供給するコネクタ等のコネクタである。66は、除染剤供給モジュールから配管を介して除染剤を供給する配管コネクタである。67は、モジュールの第1の閉鎖空間V1の内部から排気させる除染・除菌ガスの排気を回収する配管コネクタである。この配管コネクタは、除染・除菌ガス排気回収口は除染剤供給モジュールに配管されている。
この実施例において着脱手段16は、鍵駆動手段62を作動させて、鍵部材62を図7Aに示す矢印方向に向けて進行動作して、その後、鍵部材62を(図7Bに示す回転方向に)回転して、その後、鍵部材62を図7Cに示す矢印方向に後退動作することで第1のモジュールと第2のモジュールとが接続する。このとき、位置決めピン61は、接続する第2のモジュールの位置決めピンと対応する位置に取り付けられた位置決めピン案内部材(凹部を有して位置決めピンの外形より少し大きな穴部を有する部材)と嵌合することで、第1のモジュールと第2のモジュールとが所定位置で接続される。壁面に突出して備えるセンサ64はモジュールが接続したことを検知して、検知した旨の電気信号を制御装置又は統合管理処理モジュールに送信する。
また、モジュール接続により通信線のコネクタ65も接続され(無線LANにより接続している場合には、センサ64等の電気信号などを受けて接続される)第2のモジュールの制御装置により、第2のモジュールのID情報を統合制御装置へ電気信号を送ることで、統合制御装置は第1のモジュールにどのIDを有する第2の処理モジュールが連結したかを認識することができる。さらに、このモジュール接続により、配管コネクタ66、67も接続されることになり、第1のモジュールを介して第2のモジュールへ除染剤が供給可能な状態となる。
本実施例において、センサ64によりモジュール接続しようとしていることを検知して、引き込み動作を開始する。これにより、着脱支援をする構成とすることができる。図8を参照して引き込み動作の説明をする。図8(A)は、第1のモジュールの着脱手段16と、第2のモジュールの着脱手段受け16aとは離間していて接続していない状態を示している。図8(B)は、第2のモジュールを図中右側に移動して、センサ64とセンサ受け64aとが当接下状態を示している。位置決めピン61先端は位置決めピン受け61aの凹部に挿入されている。
これにより、第1のモジュールと第2のモジュールが着脱動作時に位置ずれを起こすことなくスムーズに接続することができる。また、センサ64からの接続動作開始の電気信号は制御装置50に送られる。これにより、鍵部材62を着脱手段受け16aに向けて進行させる動作を行う(図8(B)に示す状態)。その後、鍵部材62の鍵駆動手段62aの作動により鍵部材62は回転して、鍵部材受け62aと嵌合する(図8(C)で示す状態)。その後、鍵駆動手段の作動により鍵部材62を後退させることで、着脱手段16は着脱手段受け16aを第1のモジュール側に引き込むことができる。
これにより、1のモジュールに着脱手段を介して他のモジュールを増減することで複数のモジュールの組み合わせることができ、多くの種類の細胞、組織等の培養プロセスに対応できる。
第1のモジュールに着脱手段を備える同機能の複数のモジュールを組み合わせて、1つのモジュールだけ運転したり、同時並行的に複数のモジュールを運転したりすることができるため、工程に要する時間の差を吸収して、効率的な生産ができる。
なお、着脱手段16は、複数のモジュールの基台21との間に備えるものであって、その機構はどちら側に備えてもその機能を発揮することができる。また、着脱手段16の他の実施例として、たとえば、床に部材上面に凹部を有するブロック部材を備えて上部からピンを挿入することで位置決めでき、着脱動作によりコネクタが連結、離脱するように上下方向にコネクタが向いて取り付けられている着脱手段でであってもよい。
また、本実施例においてモジュール11〜15は、それぞれモジュール制御装置50、71a〜cと配線を介して接続される。この接続によりモジュール制御装置50、71a〜cからの電気信号等を受けて各種アクチュエータを動作することができる。また、そのとき、除染剤供給モジュールと各モジュールとが接続されて、除染剤が配管を介して各モジュールに供給される。また、そのとき、制御装置50、71a〜cからの電気信号を直接又は間接に受けてアクチュエータもしくは除染剤供給モジュールを動作させることができる。さらにそのとき、圧縮ポンプモジュール及び真空ポンプモジュールと配管を介して接続される。また、そのとき、制御装置50、71a〜cからの電気信号を直接又は間接に受けてアクチュエータもしくは圧縮ポンプモジュール及び真空ポンプモジュールを動作することができる。また、そのとき、電源手段と配線を介して接続されていることから電力が供給される。
この実施例においては、着脱手段16に、制御装置50、71a〜cからの電気信号等を送受信する配線のコネクタ65と、除染剤供給モジュール18からの除染・除菌ガスを供給及び排気する配管のコネクタ66と、電源コネクタ(65)とを備える構成としてもよく、接続しようとする第2のモジュールの各コネクタ65と対応する位置にコネクタ65を配置することにより、モジュール接続時に連結して、制御装置50、71a〜cからの電気信号等を送受信する構成とすることができる。
上記第2のモジュールには、第1のモジュールとは別に真空ポンプ、コンプレッサ、バッテリ、無線LANによる電気信号受信機、モジュールの制御装置を備える構成とすることができる。第1のモジュールの第1の閉鎖空間V1に連結することでモジュールの制御装置50、71a〜cに電源が投入されもしくは統合制御装置70との間において通信開始の信号を送受信することでモジュールを作動(使用可能状態と)する構成としてもよい。
ここで、モジュールとは、搬送モジュール、搬出入モジュール、単離初代培養モジュール、継代培養モジュール、チューブ連結ロボット、自動倉庫モジュール、搬送用レーンモジュール、細胞播種モジュール、培地分注モジュール、細胞シート積層化モジュール、恒温モジュール、その他培養・分注・搬送・測定(計量)・分析(観察)モジュール及び、物品(たとえば、マイクロプレート、チューブラック、ディスポチップ、ボトル、試薬チューブ・その他付属品)の貯蔵モジュール、計測モジュール、プレート等の搬出入モジュール、並びに除染・除菌ガス供給モジュール等をいう。
さらに、上記モジュールの他に培養対象となる細胞等の種類に応じて、各種のモジュールが使われる。たとえば、三次元スキャフォルドを用いて三次元新生組織を形成する三次元組織化モジュール、種々のバイオリアクタや圧力、引っ張り、圧縮などのストレス・ストレインを与えるモジュール、輸送のためのパッケージングを行う包装モジュールなどを含むものである。
モジュールの一種である搬送モジュール11は、基台と、基台上に備える培養プレート等を搬送するロボットと、ロボットの可動雰囲気を外気から遮断する(モジュールの側部と天井部を覆い、除染・除菌がガスをその内部に充満させて外部に漏れるのを防止する)筺体と、筺体内外で培養プレート等を受け渡しする開口部を開閉する扉と、第1の閉鎖空間V1の内部に除染剤を供給する除染剤供給モジュールと、着脱手段と、を備える構成とすることができる。また、別の構成として、モジュールの下部に移動手段を備える構成とすることができる。
基台と、基台の上部に備えてモジュールの側部と天井部を覆い、除染・除菌がガスをその内部に充満させて外部に漏れるのを防止する第1の閉鎖空間V1を形成する筺体と、第1の閉鎖空間V1の内外で培養プレート等を受け渡すための開口部と、開口部を開け閉めすることができる扉と、基台下部にはコロもしくは車等の移動手段を備える構成としてもよい。
搬送モジュール以外の各種モジュールについて以下に詳細説明する。
〈搬出入モジュール〉
搬出入モジュールは、機材搬入用のドアを備え、培養に必要な細胞や培養液、薬剤、培養皿や遠沈管などの機材は、このドアから搬出入モジュールに導入される。
搬出入モジュールには、作業者が搬出入モジュールの外側から機材の移動や開封、開栓などを行うための、材質がエラストマからなる操作用グローブが備えて、モジュール内部に持ち込んだ機材を、操作用グローブを使って手動的に培養処理モジュール付近まで移動・設置できるようになっている。作業者の代わりに、ベルトコンベヤやロボットを使用して、移動を行ってもよい。
〈単離初代培養モジュール〉
単離初代培養モジュールは、組織片を細分化するための細分化モジュールを備える。組織片の他、遠沈管やシャーレ、培養液などが導入される。細分化の手段は限定しないが、細胞に与えるダメージを最小に押さえる方法をとる。また、細胞を取り出すための細胞分離モジュールを備える。細胞分離モジュールは、細分化された組織片の細胞外組織を酵素で分解し、(分解しつつ)回転させ、細胞を単離する。更に細胞の接着性や、細胞の大きさ形などの違いを利用して、目的の細胞を取り出すことができる。
単離初代培養モジュールは、細胞片を細分化するための細分化モジュールとしてミキサと、細胞片を収容する容器(たとえば、ボトル、または、プレート)からミキサに細胞片を入れる移動手段8(たとえば分注手段、シングルピペッター等)を備える構成とすることができる。
また、取り出された細胞を更に増やすための初代培養モジュールを備える。初代培養モジュールは適切なガス濃度を維持可能な恒温モジュールを備え、ここで細胞は、培養液中で、適切な環境下で次の継代培養が可能となる細胞数になるまで増殖する。
単離初代培養モジュールは、細分化された細胞片をミキサから取り出す取り出し手段と、細分化された細胞片に培地を供給する培地供給手段と、細胞を37℃に保ちながら振とう動作する恒温振とう手段等を備える構成とすることができる。
本実施例では、生体から摘出した組織の細分化モジュール、細胞分離モジュール、初代培養がひとまとめになって単離初代培養処理モジュールを形成しているが、細分化処理モジュール、細胞分離処理モジュール、初代培養処理モジュールとそれぞれを別々のモジュールとしてもよい。
〈継代培養モジュール〉
継代培養モジュールは、初代培養後の細胞の数を更に増やして、治療に足るだけの細胞数まで、増殖させるモジュールである。
本実施例では、細胞は、閉鎖形の密閉容器の中で培養される。細胞を大量に培養することにより、大きなモジュールとなるため直接培養処理システムへの結合はせず、閉鎖形の密閉容器と単離初代培養処理モジュールでできた細胞懸濁液を、チューブの結合によって、初代培養処理モジュール内の閉鎖形の密閉容器に搬送する。むろんモジュール同士を結合して、搬送ロボットによる移送を行ってもよい。必要に応じて、同じモジュールを複数台連結して培養してもよい。
継代培養モジュールが備える恒温モジュールの中で、適切な環境下で、定期的な培養液の交換を行い、増殖させることができる。
〈分注モジュール〉
分注モジュールは、大量に増幅した細胞の懸濁液を所定の枚数の温度応答性培養皿に均一かつ正確に播種し、必要に応じて培養皿の培地を取り除き、所定の量の新鮮な培地を添加するモジュールである。
継代培養モジュールからチューブで搬送された細胞懸濁液は、積層処理モジュール内に貯蔵されそこから複数の温度応答性培養皿に播種されるか、貯蔵モジュール等に経由して貯蔵されることなく複数の皿に播種される。播種された懸濁液内の細胞は、温度応答性培養皿に均一に接着する。
本発明の分注モジュールは、複数の培養プレート等を載置できる回転台と、分注ノズルを有して液体を供給する液体供給手段と、排液回収ノズルを有して排液を回収する排液回収手段と、分注ノズルと排液ノズルを平面内で移動可能にするノズル駆動手段と、分注ノズルと排液回収ノズルを別々に高さ方向に移動可能にするノズル昇降駆動手段と、回転台の下方から培養プレート等の重量測定をする重量測定手段と、重量測定手段の昇降手段と、を備える。この分注モジュールは、培養プレートに液体を供給する前後において重量測定手段によりを回転台の開口部を介して上昇動作して培養プレート等の重量を測定することを特徴とする。
この分注モジュールは、複数のプレートを連続的に分注精度よく分注できる。分注ノズルと排液ノズルを備えることで分注作業の高速化を図ることができる。また、培地を供給あるいは吸引する前の培養プレートの重量を計測し、供給あるいは吸引した後の培養プレートの重量を計測すれば分注や吸引の精度の管理が容易である。さらにプレート毎の重量データを保管することにより、培地供給や培地吸引作業の妥当性を示す有効な手段となる。
〈細胞シート積層化モジュール〉
細胞シート積層化モジュールは、シート状になった細胞シートを複数枚重ね合わせ、細胞密度の非常に高い、移植用新生組織を作成するモジュールである。
温度応答性培養皿の細胞接着面上に形成した薄いシート状の細胞は、温度を変える(低下させる)ことによって皿から離れる。そのため、培養皿の温度をクーラ(ペルチェ)等によって低下させて細胞シートを取り出し、これを、ロボットやアクチュエータによって複数枚を重ね合わせる。重ね合わされた細胞シートは、一体化し、細胞密度の非常に高い新生組織となる。この様に、細胞シート積層化モジュールは、細胞の播種、細胞シート化、細胞シートの剥離、を経て複数の細胞シートを積層化して、移植可能な新生組織を作る工程を担っている。
細胞シート積層化モジュールは、モジュール内部を密閉にして除染・除菌ガス雰囲気にする第1の閉鎖空間V1を形成する筺体と、培養プレート等を搬出入する第1の閉鎖空間V1の開口部に装置内部を密閉する(開閉)扉と、を備える。この細胞シート積層化モジュールは、第1の閉鎖空間V1内部には、複数の培養プレート等を載置できる回転台と、昇降動作できる基部材と、基部材に垂直面内で揺動可能に備えるアームと、揺動の中心軸を挟んで、一方に細胞シートを、ゼラチンを介して保持する保持部材と、他方に基部材の昇降動作により保持部と培養プレートの間で細胞シートを押しつける押圧を測定する押圧力測定手段と、を備えている。
この細胞シートの積層化モジュールは、複数の培養プレート等を載置できる回転台と、昇降動作できる基部材と、基部材に垂直面内で揺動可能に備えるアームと、揺動の中心軸を挟んで、一方に細胞シートを、ゼラチンを介して保持する保持部材と、他方に基部材の昇降動作により保持部と培養プレートの間で細胞シートを押しつける押圧を測定する押圧力測定手段と、を備えることを特徴とする。
この細胞シートの積層化装置は、複数のプレートを連続的に積層化することができる。細胞シートを入れた培養プレートを回転台に載置して、順次細胞積層化装置の保持部により迅速に、保持部材と培養プレートとの間で細胞シートを押圧する押圧力を測定することで押圧力を一定に積層できる。この装置によれば均一な細胞シート積層化作業が容易となる。さらに細胞シート毎の押圧力データを保管することにより、積層化作業の妥当性を示す有効な手段となる。
〈恒温モジュール〉
恒温モジュール(インキュベータ)は、細胞を増殖させたり、新生組織を移植までの間、保存したりするための、ガス濃度、温度、湿度を適切に維持するためにある。
〈チューブ連結モジュール〉
チューブ連結ロボットは、閉鎖空間内にある細胞懸濁液等を他の処理モジュールの閉鎖空間に移動するものである。このチューブ連結モジュールにより一方の処理モジュールと他方のモジュール間のチューブを連結または離脱させることができる。このモジュールによれば、ソケット(接続部又は接続コネクタ)の連結または離脱時も無菌性、密閉性を維持する。なお、このモジュールは、チューブにより処理モジュール間等で懸濁液を輸送する場合に使用することができる。
〈自動倉庫モジュール〉
自動倉庫モジュールは、培養する細胞や組織に必要な、培養液(培地)、グロースファクター、薬剤、細胞、容器等を保管し、培養する細胞等に応じて、自動的に出庫し、搬出入モジュールや各処理モジュールの機器搬入様ドア部から各処理モジュールに供給する。
〈搬送用レーンモジュール〉
搬送用レーンモジュールは、各モジュールの閉鎖空間やチューブ連結モジュールのチューブを結合させるために所定の場所に誘導するためのガイドである。このガイドは、金属性のテープあるいは、レール、ガイドポストなどが使われる。なお、このようなモジュールは、自動でチューブを接続する場合に使用することができる。
〈その他モジュール〉
その他モジュールは、三次元スキャフォルドを用いて三次元新生組織を形成する三次元化モジュール処理モジュール、種々のバイオリアクタや圧力、引っ張り、圧縮などのストレス・ストレインを与えるモジュール、輸送のためのパッケージングを行う包装モジュールなどを付加する場合がある。
図9は、細胞培養処理システムの制御ブロック図である。
本発明の統合制御装置について図9を参照して以下に説明する。
〈統合制御装置〉
本実施例のモジュールは、他のモジュールとの間で電気信号を送受信する制御装置を備える。また、制御装置は、統合制御装置との間で電気信号を送受信することができる。
統合制御装置は、各モジュールの動作の連係をとり(プログラムに従って、個別の処理モジュールに電気的な命令を送受信して動作させ)もしくは、培養の経過や環境状態の変化を記録し、データベースを管理する(各処理モジュールの制御装置からの情報を収集して管理する)。さらに統合制御装置は、前記データを、外部のプリンタやコンピュータ、記憶装置にユーザの要求に応じて電気信号を出力する。
統合制御装置は、各処理モジュールとデータの共有、信号の授受を行うための通信手段を備える。通信手段は、RS23C iEEE、あるいは、有線、無線でも、セキュリティー上の問題を解決しておけばよい。更に、培養の条件設定や、細胞または患者のIDなどを入力し、運転開始、培養状況やデータベース閲覧などを行うための指示をおこなう入力モジュールを備える。さらに、培養の条件設定や、細胞または患者のID、培養状況などを表示する表示モジュールを備える。
統合制御装置は、制御装置であるCPU70a、RAM70cと、培養の経過や環境状態の変化を記録し、データベースを管理するデータベース管理モジュールである記憶部70b等に分離してもよい。
複数のモジュールが接続されたときに各モジュールと通信をとって各モジュールの固有番号(ID)を認識して、記憶部70bに記憶された所定のプログラムが実行されることにより、細胞培養処理システム1(1a,1b)の動作制御を行っている。また、統合制御装置70は、各モジュールの組合せにより作業可能であるか否かの判断も行っている。
CPU70aは、記憶部203に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM70cに展開して実行することにより、細胞培養処理システム1全体の制御を行う。
RAM70cは、CPU70aにより実行された処理プログラム等を、RAM70c内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
記憶部70bは、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有しており、この記録媒体は、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部70bは、CPU70aが細胞培養処理システム1(1a,1b)全体を制御する機能を実現させるための各種データ、細胞培養処理プログラム70d等の各種処理プログラム及びこれらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶している。
細胞培養処理プログラム70dは、CPU70aに、組み合わせた各モジュールへの動作命令、各モジュールの環境情報、除染作業の有無情報に基づいて処理対象となる細胞等を培養処理する機能などを実現させるためのプログラムである。
各モジュールは、細胞培養システムに接続されることなく単独でも使用できる。このため、モジュールには、蓄電装置、制御装置、各種アクチュエータ(ヒータ、モータ、シリンダ)、入力モジュール、表示モジュール、コンプレッサ、除染剤供給モジュール等を備えることがある。
図9に示す細胞培養処理システム1aでは、統合制御装置70を備えている。50は搬送モジュール11の制御装置である。71aは、分注モジュール12の制御装置である。71bは、恒温モジュール13の制御装置である。71cは、細胞シート積層化モジュール14の制御装置である。71dは、培養プレート等の搬出入モジュール15の制御装置である。
統合制御装置70には、培養条件の設定や培養する細胞の情報等の入力と、培養処理プロセスを開始する指示を行う入力モジュールと、培養条件や細胞の情報、運転状況等を表示する表示モジュールと、各モジュールからの情報を受けて指示信号を発信すると共に、各モジュールから送られてくるデータを記憶部に送る通信手段と、各モジュールを制御する制御装置とを備えている。
各モジュールは、単独で運転可能である。また、統合制御装置70によって、各モジュール間の通信を行い、細胞培養処理プロセスを協働して自動運転を行うことができる。各モジュールと統合制御装置70とは、ランケーブルや無線LAN、その他の通信手段によって、通信が行われる。各モジュールから統合制御装置70には、運転の工程の経過情報、培養環境データ、培養工程の合否判定などのデータが送られる。統合制御装置から各モジュールには、除染・除菌プロセスや細胞培養処理プロセスの開始指示が行われる。
記憶部70bは、データの取り出しや保存先などの指示を入力する入力モジュール、送られてきたデータを整理しデータベース化するデータベース管理モジュール、指示内容や結果を表示する表示モジュール、データを別な記憶装置やプリンタなどにデータ出力する出力モジュールと電気的に接続されている。
本発明の細胞培養システムで細胞等を単離するプログラムを実行すると、生体から摘出された組織が閉鎖空間に導入され、細分化され、酵素で分解され、細胞が分離され、単離される。その単離後の細胞は、初代培養が行われ、増幅培養が行われ、組織化が行われることで無菌状態を保った移植可能な細胞懸濁液や、新生組織となる。細胞懸濁液や、新生組織は、検査され、包装され、出荷され、培養される。これらの工程における諸データ(環境モニタによる情報など)は、統合制御装置70の記憶部70bや別途記憶装置に送信されて記憶(保存)される。
本発明の細胞培養システムにおいて、各工程のモジュールの制御装置71a〜dと統合制御装置70との役割分担を示している一例を示している。A1〜A16までの役割分担は以下のようになる。
A1.操作者は入力モジュールによりIDおよびパスワードを入力する。入力モジュールからの電気的信号を統合制御装置が受ける。統合制御装置は、操作者の権限によって可能な操作内容を区別する。さらに、権限のある操作者は、入力モジュールから患者ID、培養条件、等の必要な項目を入力する。
これによって、操作者は、統合制御装置内に組み込まれた種々の運転手順のプログラムの中から、適切な運転手順のプログラムが選択することができる。
A2.運転に使われる各モジュールは、運転準備が完了している旨の信号をそれぞれ統合制御装置に発信する。
A3.統合制御装置は運転に関与する各モジュールからの運転準備完了信号を確認する。
A4.確認ができたら、統合制御装置は、モジュールの第1の閉鎖空間V1同士を接続する指令を各モジュールに出す。
A5.接続したモジュールの制御装置は、確実に接続をしたことをセンサ等でチェックする。
A6.確実に接続の完了をしたことを確認したらモジュールの制御装置から統合制御装置に発信する。
A7.統合制御装置は、除染剤供給モジュールに除染工程開始の指示を出す。
A8.除染剤供給モジュールにより第1の閉鎖空間V1および第2の閉鎖空間V2の除染が実行される。
A9.除染が完了すると除染剤供給モジュールから統合制御装置に除染完了信号が発信される。(各モジュールの除染状態(除染済みか未除染か)はモジュールIDとともに統合制御装置に記憶される。
A7.除染・除菌完了の信号を受けた統合制御装置は、最初に運転するモジュールにプログラムによる運転の指令を与える。
A8.運転指令を受けたモジュールは、指示されたプログラムで運転する。
A9.運転中のモジュールは、動作の時刻、環境データ、チェックポイントの確認結果など、あらかじめ定められた項目のデータを定期的に統合制御装置に送る。これらのデータは、各モジュールでも保存してもよい。
A10.統合制御装置は送られてきたデータをデータベースに保存する。
A11.モジュールの運転中に不具合や異常が発生したことが検知された場合、このデータは統合制御装置に発信される。この内容によっては、モジュール内部で復旧作業が自動で行われる。復旧した場合は、そのデータ(内容や時刻など)を統合制御装置に発信する。
A12.統合制御装置は、異常データや修復データをデータベースに保存する。
A13.モジュール内のプログラムが終了したら、終了信号を統合制御装置に発信する。
A14.統合制御装置は、モジュールを分離する必要があるときは分離指令を発信し、モジュールを結合する必要があるときは分離指令を発信する。途中で結合するときは、新たに結合するモジュールのモジュールIDから除染・除菌状態を確認してから実施する。
A15.以下、次の各モジュールの運転をA2〜A14まで繰り返す。
A16.全て終了したら、各モジュールから送られた各種データを検体ごとの一連のデータとして保存し、必要に応じて、他の記憶装置やプリンタなどに出力させる。
本発明の培養プレート等とは、図10(A)に示す培養プレート、図10(B)に示す試薬ボトル81、試薬ボトルブラケット82、細胞シート積層化モジュールのシート細胞保持部材用プレートなどである。
試薬ボトル81を搬送するための試薬ボトルブラケット82には、試薬ボトル81を立てた状態で搬送できるように試薬ボトルブラケット82上にガイド部材82aを取り付けている。
図11に示すモジュール(分注モジュール)12は、複数の培養プレート等80を載置できる回転台93と、分注ノズル91を有して液体を供給する液体供給手段と、排液回収ノズル92を有して排液を回収する排液回収手段と、分注ノズル91と排液回収ノズル92を平面内で移動可能にするノズル駆動手段と、分注ノズル91と排液回収ノズル92を別々に高さ方向に移動可能にするノズル昇降駆動手段(図示しない。)と、回転台93の下方から培養プレート等80を持ち上げて重量測定をする重量測定手段97と、重量測定手段の昇降手段95と、を備えて、液体を供給する前後においてそれぞれ重量測定手段を回転台の開口部24(図示しない。)を介して上昇動作して培養プレート80等の重量を測定することを特徴とする。
搬送ロボット22(図示しない。)により培養プレート80等を載置できるように、回転台93には培養プレート80を載置する箇所の下部に開口部93bがある。この回転台93には、複数の培養プレート80を載置できる。回転台93の周辺に培養プレート80の蓋を開閉する蓋開閉手段などを配置する。また、回転台93を所定の回転角度だけ回転することで、回転台93上の培養プレート80を順々に分業作業することにより効率的な工程を実施することができる。搬送ロボット22は、エンドエフェクタ48を培養プレート80の下方に挿入して、上昇動作することで回転台から培養プレート80をすくい上げることができる。これにより、搬送ロボット22は、搬送途中で培養プレート80を落下、傾斜させることなくスムーズに搬送できる。回転台の作動により培養プレート80を分注ノズル91(倍液回収ノズル92)付近まで(図中θ方向に)回転移動できる。また、分注ノズル91は図中Z1、X1、Y1方向に、移動可能であり、排液回収ノズル92は、Z2、X1、Y1方向に、移動可能である。それぞれ、駆動手段は、基台21の下部に備えて、蛇腹シール96によりシールされている。このため、駆動手段には、除染・除菌ガスによる腐食又は劣化する危険性を軽減できる。
図12(A)は、回転台93に培養プレート80を載置した状態を示す。図12(B)は、図12(A)の状態から回転台93の回転軸93aを180度回転移動して、回転台93の下方にある重量測定手段95を上昇して測定台97上に培養プレート80を載置した状態を示す(重量測定を行う。)図12(C)は、図12(B)の状態から重量測定手段95を降下して、分注ノズル91を降した状態を示す。図12(D)は、分注動作後、分注ノズル91を上昇した後、重量測定手段95を上昇して重量測定を行った状態を示す。その後、制御装置71aにより動作指令及び重量測定がおこなわれ、統合制御装置へモジュールIDとともに動作ログや重量測定データが送受信される。
図13は、モジュール(分注モジュール)12の排液回収動作を示した説明図である。図13(A)は、培地液を交換要する培養プレート80を回転台93上に載置した状態を示す。図13(B)は、プレート傾斜手段94を上昇させて培養プレート80のプレートの片側底部を持ち上げてプレートを傾斜した状態を示す。図13(C)は、排液回収ノズル92を降下して廃液を回収した状態を示す。その後、制御装置71aにより動作指令がおこなわれ、統合制御装置へモジュールIDとともに動作ログや各種データが送受信される。
図14は、細胞シート積層化モジュール14を示す斜視図である。100は、細胞シートを保持する保持部材である。この保持部材100は、アーム101先端下部に着脱可能に備える。保持部材100の細胞シートと接触する部分には、ゲル状物が塗布されている。ゲル状物は、たとえばゼラチンである。これにより、細胞シートを張り付けて持ち上げることができる。アーム100は、(四角柱形状の)基部材の上部に垂直平面内で揺動可能に取り付けられている。アームの揺動回転軸102を挟んで図中左側に保持部材100、図中右側には押圧力(重さ)を計測する押圧力測定手段103を備える。基部材105下部は蛇腹シール104でシールされている。その基部材の下部には、基部材105を水平面内のX2方向及びY2方向に移動可能にする(図示しない)駆動手段と基部材を昇降動作させる昇降駆動手段を備える。
押圧力測定手段103によって押圧力を測定するには、基部材105を昇降手段の作動により降下して、培養プレート80内の細胞シートに保持部を押しあてることで測定できる。そのとき、アーム101先端に取り付けられた保持部材100(力点)が揺動回転軸(支点)を中心に揺動して、押圧測定手段103(作用点)を押しつける。押圧力測定手段103は、たとえば、ロードセル等である。
押圧力測定手段103により測定された結果情報は、細胞シート積層化モジュール14の制御装置71c(図示しない。)を介してもしくは統合制御装置70に直接的に電気信号として送受信される。また、測定結果を基に細胞シート積層化モジュール14は、押圧力が一定となるように動作制御(フィードバック制御等)をおこなうことで、均一な細胞の層を形成することができる。
106は、培養プレート80等を複数載置できる回転台である。この回転台106には、回転軸106aを備えている。この回転軸106aは、Oリング等でシールされており、基台21下部に回転駆動手段の作動により回転駆動することができる。
これにより、複数の細胞シートを連続的に積層する際において、回転台上に細胞シートを収容した培養プレート80を複数枚ならべて載置して順次積層作業を行うことで、効率的な積層化工程を実現することができる。
このシステムを既存の限られたスペース、たとえば病院のような場所に設置して使用することができ、このような場所での使用においてもGMP(Good Manufacturing Practice:製剤の製造・品質基準)に対応した治療用の細胞、組織を用意することができる。
また、複数システムを設置して、各病院から持ち込まれる組織を引き受けて培養する、細胞、組織の培養ビジネスの創出にも寄与する。
1 細胞培養処理システム
11 搬送モジュール
12 分注モジュール
13 恒温モジュール
14 細胞シート積層化モジュール
15 培養プレート等の搬出入モジュール
16 着脱手段
本発明の細胞培養処理システムの態様によれば、相互に接続することができる複数のモジュールと、前記モジュールに設ける第1の閉鎖空間と、前記第1の閉鎖空間の有する開口部を開閉する扉と、前記開口部の周縁部に設ける接続部材と、除染剤を供給する除染剤供給モジュールと、を備えて、前記染剤供給モジュールにより前記第1の閉鎖空間に除染剤を供給すると共に、接続する一方の前記モジュールの前記接続部材及び前記扉と他方の前記モジュールの前記接続部材と前記扉により形成される第2の閉鎖空間に除染剤を供給し、接続した複数の前記モジュールを無菌状態に保った一体的な閉鎖空間にすることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 相互に接続可能である複数のモジュールと、
    前記モジュールに設ける第1の閉鎖空間と、
    前記第1の閉鎖空間に設ける開口部を開閉する扉と、
    前記開口部の周縁部に設ける接続部材と、
    除染剤を供給する除染剤供給モジュールと、
    を備え、
    前記徐染剤供給モジュールにより前記第1の閉鎖空間に前記除染剤を供給し、接続する一方の前記モジュールの前記接続部材及び前記扉と他方の前記モジュールの前記接続部材と前記扉で形成する第2の閉鎖空間に前記除染剤を供給し、接続した複数の前記モジュールを無菌状態に保った一体的な閉鎖空間にすることを特徴とする細胞培養処理システム。
  2. 命令に応じてモジュールが所定の処理を実行するよう制御するモジュール制御装置と、
    前記接続部材を介して接続されている前記モジュールの前記モジュール制御装置と電気的に接続されており、前記各モジュールの動作を制御する統合制御装置と、
    を備え、
    前記統合制御装置により、前記接続された複数の前記モジュールと通信を行い、前記モジュールのIDを認識して、前記IDに応じた動作命令を前記モジュールに対して行うことで、接続した複数の前記モジュールを関連付けて各種培養処理の一連の処理工程を統合処理し、又は別々に各種細胞培養処理を実行することを特徴とする請求項1記載の細胞培養処理システム。
  3. 内部に搬送ロボットを備えており、前記各モジュールが接続される搬送モジュールを備え、
    前記搬送ロボットにより、接続された1のモジュールの前記第1の閉鎖空間から他のモジュールの前記第1の閉鎖空間へ、前記第2の閉鎖空間を介して被搬送物を移動させることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞培養処理システム。
  4. 前記接続部材は、内部が中空形状であるシール部材と、前記シール部材の内部に気体等注入手段とを備えており、前記シール部材を膨張させて前記第2の閉鎖空間内を密閉にシールすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の細胞培養処理システム。
  5. 前記接続部材を介して複数の前記モジュールを接続する工程と、
    複数の前記接続部材と複数の前記扉により形成される前記第2の閉鎖空間に、前記除染剤供給モジュールより前記除染剤を供給して前記第2の閉鎖空間内を除染する工程と、
    前記扉を開けて前記第1の閉鎖空間及び前記第2の閉鎖空間を連通して一体の無菌閉鎖空間を形成する工程とを備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の細胞培養処理システムのモジュール接続方法。
  6. 複数の前記モジュールを、隙間をあけて設置する工程と、複数の前記モジュールに備えるシール部材を、前記隙間を埋めるように膨張させて複数の前記モジュールを接続する工程と、複数の前記接続部材と複数の前記扉により形成される前記第2の閉鎖空間に前記除染剤供給モジュールからの前記除染剤を供給して前記第2の閉鎖空間内を除染する工程と、前記扉を開けて前記第1の閉鎖空間及び前記第2の閉鎖空間を連通して一体の無菌閉鎖空間を形成する工程とを備えることを特徴とする請求項4に記載の細胞培養処理システムのモジュール接続方法。
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