JPWO2012098653A1 - コンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

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Abstract

ろ過滅菌による製造工程を有利に採用することの出来る、安定性に優れたコンタクトレンズの消毒用液剤を提供し、また、そのような優れた特性を有するコンタクトレンズの消毒用液剤を、工業的に有利に製造する方法をも提供する。カチオン性ポリペプチド抗菌剤と、増粘剤としてのヒプロメロース2910とを併用して、水性媒体中に溶解せしめ、25℃での動粘度が0.8〜15mm2/sとなるように調整して、コンタクトレンズの消毒用液剤を得る。

Description

本発明は、コンタクトレンズ用液剤に係り、特に、コンタクトレンズの消毒用組成物として好適に用いられる、製造の容易な、且つ安定性に優れたコンタクトレンズ用液剤に関するものである。
従来から、コンタクトレンズの消毒等に用いられている、抗菌剤を含有せしめてなる液剤は、一般的に無菌製剤として製造されることとなるのであるが、その無菌化の工程は、ろ過による滅菌、オートクレーブによる滅菌、若しくはそれらの組み合わせにて行なわれるのが、通常である。
しかし、その中で、オートクレーブ滅菌は、121℃以上に加熱した後に冷却するという工程を採用するものであるところから、熱安定性の低い成分が含有せしめられている液剤の場合には、それを採用することができず、また耐熱・耐圧の製造ラインや冷却設備が必要となるために、製造時間も、加熱や冷却の分だけ長くなってしまうというデメリットも内在している。
これに対して、ろ過滅菌による無菌処理は、常温での液剤の製造を可能ならしめるものであり、ろ過性やフィルタへの影響に問題がないような液剤であれば、オートクレーブ滅菌よりも液剤の製造上においては、有利な点が多く、また万が一、原料や製造ラインから混入した異物も、フィルタで除去することができる利点があるところから、通常では、ろ過滅菌による無菌化の工程の採用が、第一の選択肢として検討されることとなる。また、そのようなろ過滅菌による無菌化処理において、液剤を与える一部の原料に、ろ過性等に問題があるような場合には、そのろ過性の悪い成分のみをオートクレーブ滅菌して、これに、別途ろ過滅菌した他の成分を無菌的に混合するシステムや、全ての成分を混合してオートクレーブ滅菌するような製造システムを、採用せざるを得なくなるのである。
一方、コンタクトレンズ用の液剤では、レンズをこすり洗いする際の滑り易さや、眼に装用する際のクッション効果、レンズ表面に付着した成分による潤い作用の付与等のために、様々な種類の増粘剤を配合する試みが為されているが、そのような増粘剤は、ろ過性や安定性等への影響が大きい原料(成分)であり、その種類によっては、ろ過性が悪くなったり、長期的な安定性を低下せしめてしまう等といった問題が、惹起されることが知られている。このため、増粘剤を選択するに際しては、感触や潤い作用の効果だけでなく、液剤の安定性への影響や、製造コストという観点からの判断も、重要な要因となってくるのである。
ところで、コンタクトレンズの消毒用液剤では、増粘剤として、一般的に、セルロース系、グアーガム系、PVA系、PVP系等のものが主に用いられているのであるが、液剤に或る程度の増粘効果を付与した状態で、ろ過滅菌処理が可能である増粘剤としては、PVA系と一部のセルロース系増粘剤(型番:HPMC2910)に限られているのが、現状である。そして、その中で、PVA系増粘剤は、ろ過性において非常に優れているものであるが、それを含む液剤を長期保存した際に、その未鹸化部分の酢酸エステルが加水分解することによって、液剤のpHが徐々に低下する問題があり、このため、眼に直接触れるようなマルチパーパスソリューションにおいては、そのようなpH低下が眼刺激の原因となってしまう問題を内在しているのである。そして、そのような事情から、ろ過滅菌処理工程の採用を考慮した液剤の製造に際して、増粘剤としては、セルロース系増粘剤(HPMC2910)が、第一の選択肢と考えられるのである。
また、コンタクトレンズの消毒用液剤としては、中和の必要な過酸化水素系の消毒剤から、中和の必要がないカチオン性消毒剤を低濃度で配合せしめてなる、1液タイプのマルチパーパスソリューションが、主流となってきている。そして、このマルチパーパスソリューションで用いられるカチオン性消毒剤としては、主に、ビグアニド系ポリマーの消毒剤であるPHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)と、4級アンモニウム塩系ポリマーの消毒剤であるポリクアッドの2種類が、対象とされている。また、それらの中で、ポリクアッドは、真菌やアメーバに対する消毒効果が低いことが報告されており、そのため、真菌やアメーバに対する消毒効果の高い低分子消毒剤を、かかるポリクアッドと併用することが考えられているのであるが、低分子消毒剤は毒性が高い問題があり、また、レンズ内部への蓄積等による問題も懸念されるのである。一方、PHMBは、細菌だけでなく、真菌やアメーバに対する消毒効果も高く、バランスの良い消毒剤であるところから、多くのマルチパーパスソリューションで使用されるに至っている。
このようなことから、消毒剤としてはPHMBを使用し、増粘剤にはろ過性の高いセルロース系増粘剤を使用するようにすれば、ろ過滅菌可能な液剤組成が実現され得ることが考えられるのであるが、残念ながら、そのようなPHMB消毒剤とセルロース系増粘剤(型番:HPMC2910)とを組み合わせた場合には、それらの間に何等かの反応が惹起されて、PHMBによる消毒作用の安定性に問題を生じ、消毒効果が経時的に低下するという問題があった。
ところで、特表平8−504346号公報(特許文献1)には、タンパク質の付着防止のために、プロタミン、ポリアルギニン、ポリリジン等のポリペプチドが含有せしめられてなるコンタクトレンズ用液剤が明らかにされ、そこでは、錠剤を構成するバリアー成分コーティングの一つとして、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が例示されているが、そのようなHPMCの種類については、そこでは、何等明らかにされておらず、また、そのようなHPMCを含有せしめてなるコンタクトレンズ用液剤における問題についても、何等明らかにされてはいない。
また、特許第3813133号公報(特許文献2)、特許第3693656号公報(特許文献3)、特許第3693657号公報(特許文献4)等には、コンタクトレンズの消毒保存用溶液において、消毒剤としてポリリジンを用いると共に、その抗菌力を向上させるために、POEラウリルエーテル型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤、或いは、ラウリン酸スクロース等を併用することが明らかにされ、そこでは、増粘剤としてHPMCを用いることも開示されてはいるが、そこで用いられ得るHPMCの種類については、何等明らかにされてはいない。同様に、特許第4255839号公報(特許文献5)においても、消毒剤としてポリリジンを含有せしめてなるコンタクトレンズ用液剤において、更なる添加剤の一つとして、HPMCに代表されるセルロース及びその誘導体や、PVA、PVP等の粘稠剤を配合せしめ得ることが例示されているが、そこでも、用いられ得るHPMCの種類については、何等明らかにされていない。
特表平8−504346号公報 特許第3813133号公報 特許第3693656号公報 特許第3693657号公報 特許第4255839号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、ろ過滅菌による製造工程を有利に採用することの出来る、安定性に優れたコンタクトレンズの消毒用液剤を提供することにあり、また、そのような優れた特性を有するコンタクトレンズの消毒用液剤を、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
そして、本発明者等は、そのような課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、コンタクトレンズの消毒用液剤の製造に際して、抗菌剤として、カチオン性ポリペプチドを用いる一方、増粘剤として、公知のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)の各種のタイプのものの中から、ヒプロメロース2910という特定の置換タイプのものを用いることによって、真菌やアカントアメーバ等に対する高い消毒効果を長期間維持することが出来ると共に、ろ過滅菌による液剤の工業的な製造が可能となり、従来から知られているコンタクトレンズの消毒用液剤に内在している問題を、悉く解消し得ることを見出したのである。
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、カチオン性ポリペプチド抗菌剤と、増粘剤としてのヒプロメロース2910とを含有し、且つ25℃での動粘度が0.8〜15mm2/sとなるように調整されていることを特徴とするコンタクトレンズ用液剤にある。
なお、かかる本発明に従うコンタクトレンズ用液剤の好ましい態様の1つによれば、上記したカチオン性ポリペプチド抗菌剤は、ポリリジン、プロタミン、カチオン化コラーゲン、カチオン化ケラチン、カチオン化大豆タンパク、及びカチオン化シルクからなる群より選ばれることとなる。
また、本発明にあっては、カチオン性ポリペプチド抗菌剤は、好ましくは、0.1〜10000ppmの割合において含有せしめられる。
さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤には、前記したカチオン性ポリペプチド抗菌剤やヒプロメロース2910の他にも、等張化剤、キレート化剤、緩衝剤及び界面活性剤のうちの少なくとも1種が、必要に応じて含有せしめられ得る。
加えて、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、好ましくは、そのpHが6〜8の範囲内に調整されることとなる。
そして、本発明にあっては、かくの如きコンタクトレンズ用液剤を製造するために、(a)水性媒体中に、カチオン性ポリペプチド抗菌剤とヒプロメロース2910とを少なくとも添加して、溶解せしめると共に、25℃での動粘度が0.8〜15mm2/sとなる溶液を調製する工程と、(b)その得られた溶液を、メンブレンフィルタを用いてろ過することにより、滅菌する工程と、を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤の製造方法を採用することも、その要旨としている。
このように、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、カチオン性ポリペプチド抗菌剤に対して、増粘剤として、HPMCの特定の置換度タイプのものであるヒプロメロース2910を組み合わせ、所定の動粘度となるように、液剤が調製されていることにより、真菌やアカントアメーバ等に対する高い消毒効果を長期間に亘って維持することができると共に、液pHを長期間に亘って安定的に維持することができる特徴があり、しかも、それらカチオン性ポリペプチド抗菌剤とヒプロメロース2910とを溶解、含有せしめて、所定の動粘度に調整された溶液に対して、ろ過滅菌処理を容易に実施することができるところから、目的とするコンタクトレンズ用液剤の大量処理が可能となり、コスト的に有利にろ過滅菌処理を施すことが可能となったのである。
また、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤の製造方法によれば、ろ過滅菌工程を採用することが出来るところから、大量処理が可能となり、以て、異物除去のためのろ過コストや、真菌やアカントアメーバ等に対する除菌コストを有利に安価とすることができることとなり、これにより、製品コストの低減に大きく寄与し得ることとなって、工業的に有利な製造法を確立し得たのである。
ところで、かかる本発明に従うコンタクトレンズ用液剤は、水性媒体を主体とし、その中に、必須の成分として、カチオン性ポリペプチド抗菌剤と、増粘剤としてのヒプロメロース2910とを含有せしめて、所定の動粘度に調整されてなるものであって、そこに、大きな特徴を有しているのである。
具体的には、本発明で必須成分として用いられるカチオン性ポリペプチド抗菌剤は、コンタクトレンズの消毒用液剤における、比較的高分子量の消毒剤として公知のものであって、例えば、ポリリジン、プロタミン、カチオン化コラーゲン、カチオン化ケラチン、カチオン化大豆タンパク、カチオン化シルク等の成分が、適宜に選択されて、用いられることとなる。
なお、そのようなカチオン性ポリペプチド抗菌剤は、それによる抗菌作用をコンタクトレンズに対して効果的に発揮させるべく、コンタクトレンズ用液剤中において、一般に、0.1ppm以上、10000ppm以下の割合において含有せしめられるものであり、特に好ましくは、1〜1000ppmの割合において含有させられることとなる。ここにおいて、かかる抗菌剤の過剰な含有は、眼に対して有害な作用をもたらす恐れがあるところから、その過剰な含有は避けることが望ましいのである。
また、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤における他の必須成分であるヒプロメロース2910は、増粘剤として用いられるものであって、セルロースの水酸基の水素の一部が、メチル基(−CH3)や、ヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)で置換されてなる構造を有するセルロース系化合物(ヒドロキシプロピルメチルセルロース:HPMC)の1つの置換のタイプのものである。即ち、そのような本発明で用いられるヒプロメロース2910は、重量基準において、メトキシ基を28.0〜30.0%含み、またヒドロキシプロポキシ基を7.0〜12.0%含むものであって、生体への安全性が高く、眼科的に十分に許容され得ると共に、コンタクトレンズの形状又は物性に対する影響の無いものである。
そして、そのようなヒプロメロース2910を、カチオン性ポリペプチド抗菌剤と共に含有せしめてなるコンタクトレンズ用液剤にあっては、その動粘度が、25℃において、0.8〜15mm2/sとなるように、調整されることとなる。この動粘度が低くなり過ぎると、増粘効果が十分でないために、コンタクトレンズ用液剤としての使用に不便を生じるようになる一方、その動粘度が高くなり過ぎると、液剤のろ過滅菌処理を実施することが、困難となるからである。そのような動粘度の好ましい範囲は、1〜10mm2/sの範囲である。
なお、このような動粘度を与えるべく、ヒプロメロース2910の含有量は、使用する粘度グレードに応じて適宜に調整されることとなるが、一般に、重量基準で0.01〜10%程度、好ましくは0.1〜5%程度の範囲内において添加、含有せしめられることとなる。
このように、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤は、カチオン性ポリペプチド抗菌剤を用いると共に、これに組み合わされる増粘剤として、特定のセルロース系化合物であるヒプロメロース2910を用い、それら2つの成分を、従来と同様に、適当な水性媒体中に添加、溶解せしめて、特定の動粘度となるように調整することにより、得られるものであるが、本発明では、それらカチオン性ポリペプチド抗菌剤とヒプロメロース2910の2つの含有成分以外にも、更に必要に応じて、一般的なコンタクトレンズ用途の液剤において用いられている等張化剤やキレート化剤、緩衝剤、界面活性剤等、後述する添加成分のうちの1種乃至は2種以上が適宜に選択されて、通常の添加割合において添加せしめられていても、何等差し支えないのである。なお、そのような添加成分は、生体への安全性が高く、なおかつ眼科的に十分に許容され、しかも、コンタクトレンズの形状又は物性に対する影響のないものであることが好ましく、また、そういった要件を満たす量的範囲内で用いられることが望ましいのであり、これによって、本発明の効果を何等阻害することなく、その添加成分に応じた各種の機能を、コンタクトレンズ用液剤に対して有利に付与することが可能となるのである。
たとえば、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤に含有せしめられて、その浸透圧の調整に用いられる等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類や、糖アルコール及び多価アルコール若しくはそのエーテル又はそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物が、一般に用いられることとなる。具体的な化合物としては、上記したアルカリ金属の塩化物の他、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マンニトール、ソルビトール、デキストリン、デキストラン等を挙げることが出来る。そして、このような等張化剤を用いて、コンタクトレンズ用液剤の浸透圧は、一般に、200〜400mOsm/kg程度に調整されていることが好ましいのである。
また、キレート化剤は、コンタクトレンズにカルシウム等の多価金属イオンが沈着乃至は吸着するのを抑制したり、液剤の安定性を向上せしめて、その長期保存を有利に図る等の目的を持って添加されるものであって、公知の各種のものが適宜に選択されて、用いられることとなる。具体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等を用いることが出来る。
さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤には、それによるコンタクトレンズの洗浄性を高めたり、含有せしめられる液剤成分が非水溶性である場合において、それを水性媒体中に安定に溶解(可溶化)させる等の目的を持って、公知の各種の界面活性剤が添加、含有せしめられ得る。なお、そのような界面活性剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズへの影響がないものであれば、従来から公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、及びカチオン系界面活性剤の何れもが採用され得るものであり、本発明の作用・効果を損なわない濃度において、有利に添加、含有せしめられることとなる。
そして、そのような界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びその誘導体や、チロキサポールの如きポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物等のポリエチレングリコール誘導体、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、ポリソルベート80)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸及びその塩、ショ糖脂肪酸エステル等が、有利に用いられることとなる。また、それらの中でも、特に、非イオン性界面活性剤として市販されている、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーたるプルロニック、プルロニックR、テトロニック、テトロニックR(以上、独国:BASF社製)、具体的には、ポロクサマー124、ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、ポロクサマー407、テトロニック904、テトロニック908、テトロニック1304、テトロニック1107や、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートたるポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等を用いることが、望ましい。
加えて、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、そのpH値や、浸透圧が高くなり過ぎても、逆に低くなり過ぎても、眼に対して刺激を与えたり、眼障害を招来するおそれがあるところから、通常、そのようなコンタクトレンズ用液剤のpH値は適当なpH調整剤や、緩衝剤等の添加によって、6〜8程度、なかでもpH=7.0付近に調整されることが望ましいのである。
なお、そのようなpHの調整のために用いられるpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや塩酸等が利用される一方、液剤のpHを前記した範囲に有効に、且つ眼に対して安全な範囲に保つための緩衝剤としては、従来から公知の各種のものの中から適宜に選択されて用いられることとなる。具体的には、例えば、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、オキシカルボン酸等の酸や、その塩(例えば、ナトリウム塩等)、更にはGood-Bufferやトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、炭酸水素ナトリウム等を、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすることが出来るという理由から、挙げることが出来る。
ところで、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤にあっては、上述せるように、カチオン性ポリペプチド抗菌剤と増粘剤としてのヒプロメロース2910との特定の組み合わせを用いて、調製されているところから、コンタクトレンズの消毒用液剤として、優れた特徴を発揮し得るようになっているのであるが、そのような特定の増粘剤の使用による効果を阻害しない量的範囲において、ヒプロメロース2910以外の他の粘稠化剤乃至は増粘剤を添加せしめることも可能である。なお、そのような増粘剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、グルコン酸、及びそれらの塩等の多糖類、ムコ多糖類、ヘテロ多糖類等の種々のガム類;ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;スターチ誘導体等を挙げることが出来る。
さらに、上記した他にも、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤には、従来と同様な薬剤成分、例えば、ストレスやコンタクトレンズの装用等に起因する眼内の炎症を抑えるための消炎剤を添加したり、コンタクトレンズ装用時の異物感やかゆみを解消すること等を目的として、清涼化剤を添加したり、更には、各種のビタミン類やアミノ酸類等を、目的とするコンタクトレンズ用液剤の用途に応じて、適宜に添加することが可能である。
そして、かくの如き本発明に従うコンタクトレンズ用液剤は、上述の如き成分を、従来と同様に、適当な水性媒体中に、それぞれ適量において添加、含有せしめることにより、調製されることとなるのであるが、それに際して用いられる水性媒体としては、水道水や精製水、蒸留水等の水そのものの他にも、水を主体とする溶液であれば、生理食塩水乃至は塩化ナトリウム含有水溶液や、公知のコンタクトレンズ用液剤等を利用することも可能であることは、言うまでもないところである。
また、本発明に従って用いられる、カチオン性ポリペプチド抗菌剤やヒプロメロース2910の必須成分に加えて、他の添加成分を、所定の水性媒体に添加、溶解せしめるに際しては、何等特殊な手法の採用を必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、水性媒体中に各成分を溶解させることにより、容易に実施することが出来る。特に、本発明にあっては、それら各成分を溶解して得られた水溶液に対して、ろ過滅菌処理を施すことが容易であって、それにより大量処理が可能となって、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤を生産性良く、従って安価な製造コストにおいて、工業的に有利に得ることが出来ることとなるのである。なお、そのような水溶液のろ過滅菌処理は、一般に、細孔径が0.1〜10μm程度のメンブレンフィルタを用いて、ろ過することにより、実施することが推奨される。また、このろ過滅菌処理によって、溶液からの異物除去と共に、除菌処理が効果的に実現されて、目的とする無菌のコンタクトレンズ用液剤が有利に得られることとなる。
そして、以上のようにして得られる、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤は、眼に対する安全性が十分に確保されたものであると共に、その製造が容易となり、その生産性が高められたものであるところから、コンタクトレンズの消毒用液剤として有利に用いられることとなるのである。なお、そのようなコンタクトレンズ用液剤は、例えば、コンタクトレンズ用殺菌液乃至は消毒液や、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用すすぎ液等として用いられ得る他、複数の手入れを1種類の液剤で行うことの出来る、洗浄・保存液、洗浄・保存・すすぎ液、殺菌・洗浄液等の多目的な液剤(マルチパーパスソリューション:MPS)等として有利に用いられるのである。
なお、かかる本発明に従うコンタクトレンズ用液剤の対象とされるコンタクトレンズとしては、その種類が何等限定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、高含水等のすべてに分類されるソフトコンタクトレンズ及びハードコンタクトレンズが、その対象となり得るものであって、コンタクトレンズの材質等が、本発明の適用に際して何等問われることはないのである。
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には、上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤や、比較例に係るコンタクトレンズ用液剤となる多数の試験液を調製するために、下記表1に示される各種消毒剤(ポリペプチド)、各種比較消毒剤、各種増粘剤、キレート化剤、界面活性剤、緩衝材、及び等張化剤を、それぞれ、表1に示される会社より入手して、準備した。
Figure 2012098653
−コンタクトレンズ用液剤(試験液)の調製−
滅菌精製水に対して、所定の配合成分を、下記表2〜表5に示される各種割合において、それぞれ添加せしめることにより、初期pHが7.4に調節された各種の試験液(No.1〜No.24)を、それぞれ調製した。
そして、その得られた各種の試験液(No.1〜No.24)について、それぞれ、下記の細菌(緑膿菌)・真菌(カンジダ)の消毒試験方法、アメーバの消毒試験方法、動粘度の測定方法、及びろ過性の評価方法に従って、消毒効果(4時間)、ろ過性、及び動粘度(25℃)を調べ、その結果を、下記表2〜表5に併せ示した。
−細菌(緑膿菌)・真菌(カンジダ)の消毒試験方法−
コンタクトレンズ・ケア用品に対する消毒効果の試験方法を規定したISO14729のガイドラインに従って、以下の試験を実施した。
先ず、上記で調製された各試験液を用い、それぞれ、その9.9mLを試験管に入れて、これに、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275)又はカンジダ・アルビカンス(Candida albicans IFO 1594)を108〜109cfu/mLの割合で含む菌液の0.1mLを加えた後、攪拌して、最終的に106〜107cfu/mLの菌数を含む、各試験液に対応する菌懸濁液を、それぞれ調製した。その後、それらを23℃で4時間放置した後に、それら菌懸濁液の1mLをそれぞれ取り出し、ブドウ糖ペプトン寒天培地の20mLを用いて、平板希釈法により、サンプル1mLの生菌数を測定した。そして、この生菌数から、各菌懸濁液1mL中の生菌数を算出した後、下記の計算式に従って、対数に換算した菌減少数(log reduction)を求めた。
菌減少数=log(調製直後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
−log(放置処理後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
上記の菌減少数(log reduction)の値から、各試験液の殺菌効力の評価を行った。なお、その評価基準は、ISO14729におけるFirst Criteria(殺菌に関する)を満たす場合に○、満たさない場合に×、とした。
−アメーバの試験方法−
前培養したアカント・アメーバ(Acanthamoeba castellanii ATCC50370)の栄養体をフラスコから回収し、1/4リンゲル液を用いて、5×105cells/mLの懸濁液を調製した。一方、各試験液の5mLを試験管に入れ、これに上記のアカント・アメーバ懸濁液の50μLを加えて攪拌し、最終的に、5×103cells/mLのアメーバを含む懸濁液を、それぞれ調製した。次いで、それらを、22℃の温度で、4時間放置した後に、かかるアメーバの懸濁液の20μLを採取し、中和液である、レシチンポリソルベート(LP)添加の1/4リンゲル液の180μLと混合する方法にて、10倍の段階希釈を適宜実施した。そして、その10倍に段階希釈された各試験液に対して、1×108cfuに調製したEschelichia coliの懸濁液を50μL添加して、14日間培養した。そして、アメーバの増殖の認められたウェル数から生存アメーバ数を測定し、次式に基づき、Log reduction値を算出した。
Log reduction=log(調整直後の1mL中の生存アメーバ数)
−log(処理後の試料1mL中の生存アメーバ数)
−動粘度の測定方法−
各試験液についての動粘度は、ウベローデ粘度計(柴田科学器械工業株式会社製)を用いて測定した。その際、流下秒数が200〜1000秒になるような係数のウベローデ粘度計を選択する。また、測定は25℃の恒温水槽中で行ない、温度変化のないようにする。そして、かかるウベローデ粘度計により測定された、各試験液の流下秒数と、ウベローデ粘度計の係数との積により、動粘度(単位:mm2/s)を求めることが出来る。
−ろ過性の評価方法−
直径:47mmのメンブレンフィルタ(日本ポール社製、Supor EKV、細孔径:0.2μm)を用い、それを47mmディスク用のインラインステンレスフィルターホルダー(日本ミリポア社製、有効面積13.8cm2)にセットした後、各試験液について、圧力:1kgf/cm2でろ過を実施し、3時間後のろ過量を比較した。そして、その3時間後のろ過量が、2L以上の場合には◎、1L以上の場合には○、500mL〜1Lの間では△、500mL未満では×として、評価した。
Figure 2012098653
Figure 2012098653
Figure 2012098653
Figure 2012098653
かかる表2〜表5の結果から明らかな如く、本発明に従って、ポリペプチド消毒剤とヒプロメロース2910とを組み合わせ、そして動粘度(25℃)が0.8〜15mm2/sとなるように調整された、試験液No.1〜4,6,7,14〜18にあっては、優れた消毒効果とろ過性を示すものであることが認められた。これに対して、動粘度(25℃)が15mm2/sよりも大きくなった試験液No.5にあっては、ろ過性が悪く、ろ過滅菌操作を有利に実施することができず、また、ポリペプチド消毒剤を用いても、増粘剤として、ヒプロメロース2910とは種類の異なるヒプロメロース2906,2208を用いたり、或はメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はPVPを用いた試験液No.8〜12にあっては、動粘度(25℃)が15mm2/sよりも低くても、ろ過性が悪いことが認められた。さらに、ポリペプチド消毒剤以外の他の消毒剤(比較消毒剤)を用いた試験液No.20〜24においては、消毒効果やろ過性の何れかが十分でなく、実用性に欠けるものであると認められた。
−長期安定性の評価−
上記の表2〜表4において調製された試験液3,6,13〜15及び19を用いて、それぞれの試験液の長期安定性を調べた。
具体的には、それぞれの試験液を45℃で6ヶ月間保存した後、消毒効果を前記と同様にして調べ、また、試験液のpHを測定して、前記表2〜表4に示される消毒効果と、試験液調製直後のpH値とを対比して、下記表6に示した。
Figure 2012098653
かかる表6の結果から明らかな如く、本発明に従う試験液3,6,14,15にあっては、45℃で6ヶ月保存した後においても、pHはほとんど変化することがなく、且つ消毒効果においても殆ど変化することなく、優れた消毒効果を発揮することが認められた。これに対して、増粘剤としてPVAを用いた試験液13にあっては、消毒効果において優れているものの、液pHが長期保存により著しく低下し、長期の保存安定性に問題を生じることが明らかとなった。また、消毒剤として、ポリビグアニド(PHMB)を用いた試験液19の場合にあっては、長期間の保存によって、消毒効果が著しく低下することが明らかとなった。

Claims (6)

  1. カチオン性ポリペプチド抗菌剤と、増粘剤としてのヒプロメロース2910とを含有し、且つ25℃での動粘度が0.8〜15mm2/sとなるように調整されていることを特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
  2. 前記カチオン性ポリペプチド抗菌剤が、ポリリジン、プロタミン、カチオン化コラーゲン、カチオン化ケラチン、カチオン化大豆タンパク及びカチオン化シルクからなる群より選ばれる請求項1に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  3. 前記カチオン性ポリペプチド抗菌剤が、0.1〜10000ppmの割合において含有されている請求項1又は請求項2に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  4. 等張化剤、キレート化剤、緩衝材、pH調整剤及び界面活性剤のうちの少なくとも1種が、更に、含有せしめられている請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のコンタクトレンズ用液剤。
  5. pHが6〜8である請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のコンタクトレンズ用液剤。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のコンタクトレンズ用液剤を製造する方法にして、
    水性媒体中に、カチオン性ポリペプチド抗菌剤とヒプロメロース2910とを少なくとも添加して、溶解せしめると共に、25℃での動粘度が0.8〜15mm2/sとなる溶液を調製する工程と、
    その得られた溶液を、メンブレンフィルタを用いてろ過することにより、滅菌する工程と、
    を含むことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤の製造方法。
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