JPWO2012074044A1 - クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物 - Google Patents

クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012074044A1
JPWO2012074044A1 JP2012519837A JP2012519837A JPWO2012074044A1 JP WO2012074044 A1 JPWO2012074044 A1 JP WO2012074044A1 JP 2012519837 A JP2012519837 A JP 2012519837A JP 2012519837 A JP2012519837 A JP 2012519837A JP WO2012074044 A1 JPWO2012074044 A1 JP WO2012074044A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colored
aromatic ring
coating film
metal plate
ring structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012519837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5497170B2 (ja
Inventor
森下 敦司
敦司 森下
林 公隆
公隆 林
布田 雅裕
雅裕 布田
和田 裕介
裕介 和田
梨恵 佐藤
梨恵 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Fine Coatings Inc
Original Assignee
Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Nippon Fine Coatings Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp, Nippon Fine Coatings Inc filed Critical Nippon Steel and Sumitomo Metal Corp
Priority to JP2012519837A priority Critical patent/JP5497170B2/ja
Publication of JPWO2012074044A1 publication Critical patent/JPWO2012074044A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5497170B2 publication Critical patent/JP5497170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/65Low-molecular-weight compounds having active hydrogen with high-molecular-weight compounds having active hydrogen
    • C08G18/66Compounds of groups C08G18/42, C08G18/48, or C08G18/52
    • C08G18/6633Compounds of group C08G18/42
    • C08G18/6659Compounds of group C08G18/42 with compounds of group C08G18/34
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/28Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the compounds used containing active hydrogen
    • C08G18/40High-molecular-weight compounds
    • C08G18/42Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain
    • C08G18/4205Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing cyclic groups
    • C08G18/4208Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing cyclic groups containing aromatic groups
    • C08G18/4211Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing cyclic groups containing aromatic groups derived from aromatic dicarboxylic acids and dialcohols
    • C08G18/4216Polycondensates having carboxylic or carbonic ester groups in the main chain containing cyclic groups containing aromatic groups derived from aromatic dicarboxylic acids and dialcohols from mixtures or combinations of aromatic dicarboxylic acids and aliphatic dicarboxylic acids and dialcohols

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

本発明は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)を含む造膜成分と;着色顔料(B)と;平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子(C)と;を含む着色塗膜(α)を金属板の少なくとも片面に有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)由来の構造単位と;芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位と;を含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有し、前記着色塗膜(α)の膜厚が2〜10μmである、耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板を提供する。

Description

本発明は、環境負荷性の高い6価クロムを含まない着色塗膜が金属板の少なくとも片面に形成された、意匠性(加工部を含む着色性、隠蔽性)、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等に極めて優れる安価なクロメートフリー着色塗装金属板に関する。
本願は、2010年12月1日に、日本に出願された特願2010−268184号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
家電用、建材用、自動車用などに、従来の成形加工後に塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着色した有機皮膜を被覆したプレコート鋼板が使用されるようになってきた。このプレコート鋼板は、防錆処理を施した鋼板やめっき鋼板に着色した有機皮膜を被覆したもので、美麗を有しながら、加工性及び耐食性が良好であるという特性を有している。
例えば、特許文献1には皮膜の構造を規定することによって加工性と耐汚染性、硬度に優れたプレコート鋼板を得る技術が開示されている。一方、特許文献2には、特定のクロメート処理液を用いることで端面耐食性を改善したプレコート鋼板が開示されている。これらのプレコート鋼板は、めっき皮膜、クロメート処理皮膜、クロム系防錆顔料を添加したプライマー(下塗り)皮膜の複合効果によって、耐食性とともに、加工性、塗料密着性を有し、加工後塗装を省略して、生産性や品質改良を目的とするものである。
しかしながら、クロメート処理皮膜及びクロム系防錆顔料を含む有機皮膜から溶出する可能性のある6価クロムの環境への負荷を考慮し、最近ではノンクロム防錆処理、ノンクロム有機皮膜に対する要望が高まっている。これに対し、例えば、特許文献3や特許文献4に、耐食性に優れるノンクロム系プレコート鋼板が開示されており、すでに実用化されている。
これらのプレコート鋼板に用いられる塗装は、塗装膜厚が10μm以上の厚いものである。その上、大量の溶剤系塗料を使用するため、インシネレーターや臭気対策設備等の専用の塗装設備が必要であり、塗装専用ラインで製造されることが一般的である。すなわち、塗装の原板となる鋼板の製造工程の他に余分な塗装工程を通るため、塗装に要する材料費の他にも多くの費用がかかる。したがって、得られるプレコート鋼板は高価なものになる。
しかしながら、ユーザーニーズの多様化により、家電や内装建材等の日常使用条件での耐久性を有すれば十分に目的を達する分野での着色鋼板の需要もあり、より低価格の製品が求められている。すなわち、従来の高価なプレコート鋼板だけでは多様化した需要に応えるのに十分ではない。
このようなニーズに対して、安価に製造ができる着色鋼板として、例えば、特許文献5に厚さ5μm以下の着色樹脂層を設けた着色鋼板が、特許文献6には特定の粗度を有する鋼板表面に発色皮膜を有する着色鋼板が開示されている。しかしながら、これらの着色鋼板はクロメート処理皮膜を設けることで耐食性を担保する設計となっているため、昨今のノンクロム化ニーズに応えることができない。加えて、加工し、着色層が伸ばされた部位の隠蔽性まで考慮した設計にはなっていないため、加工部の外観が著しく低下するという課題も有していた。
また、特許文献7には、シラノール基と、シラノール基由来の結合とを含有させたポリウレタン樹脂を用いることで耐アルカリ性、耐溶剤性などの特性を向上させた表面処理金属材が開示されている。しかしながら、ポリウレタン樹脂においてシラノール基やシラノール基由来の結合を含有させる場合、加工性や耐食性が十分に発揮出来ず、また、耐薬品性についても十分な性能を発揮できないという課題も有していた。
また、特許文献8には、アミノ基を有するエポキシプレポリマー(I)とウレタンプレポリマー(II)との反応によって得られ、ポリアルキレンオキサイド基を含有するポリウレタン樹脂の水性分散体と防錆剤を含有する水性表面処理組成物が開示されている。しかしながら、この水性表面処理組成物は、下地金属との密着性が十分ではなく、また、加工性と耐薬品性についても十分な性能を発揮できないという課題も有していた。
また、特許文献7や8に開示されている表面処理塗膜を着色して被覆した意匠性塗装鋼板を薄型テレビのバックカバー用素材として用いた場合、そのバックカバーを、アルコールを含む洗浄剤で表面の汚れを拭き取った際に、塗膜が溶解し、変色する不具合が生じたことがあった。
日本国特開平8−168723号公報 日本国特開平3−100180号公報 日本国特開2000−199075号公報 日本国特開2000−262967号公報 日本国特開平5−16292号公報 日本国特開平2−93093号公報 日本国特開2008−25023号公報 日本国特開2009−127061号公報
本発明は、前記現状に鑑み、環境負荷性の高い6価クロムを含まず、意匠性(加工部を含む着色性、隠蔽性)、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、及び耐薬品性に極めて優れた安価なクロメートフリー着色塗装金属板を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の主旨とするところは、次のとおりである。
(1)本発明の第一の態様は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)を含む造膜成分と;着色顔料(B)と;平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子(C)と;を含む着色塗膜(α)を金属板の少なくとも片面に有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)由来の構造単位と;芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位と;を含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有し、前記着色塗膜(α)の膜厚が2〜10μmである、耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板である。
(2)上記(1)に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜20質量%含有されてもよい。
(3)上記(2)に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜25質量%含有されてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記イソシアネート成分(b)がトリレンジイソシアネートであってもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の造膜成分が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂(A2)を更に含有してもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の造膜成分が、硬化剤(D)で硬化されていてもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)が、潤滑剤(E)を更に含有してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の下層に下地処理層(β)を有してもよい。
(9)本発明の第2の態様は、上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の前記着色塗膜(α)が、塗膜構成成分を含む着色組成物を、水系溶媒を用いて金属板の少なくとも片面に塗布、加熱乾燥することで形成されている、クロメートフリー着色塗装金属板である。
(10)本発明の第3の態様は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)と;着色顔料(B)と;球状シリカ粒子(C)と;を含有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)由来の構造単位と;芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位と;を含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有する、水性着色組成物である。
(11)上記(10)に記載の水性着色組成物では、前記水性着色組成物が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂(A2)を更に含有してもよい。
本発明のクロメートフリー着色塗装金属板は、環境負荷性の高い6価クロムを含まず、安価で、意匠性(加工部を含む着色性、隠蔽性)、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等に極めて優れている。しかも、塗膜形成のために造膜成分としての有機樹脂を必ずしも架橋硬化させなくてもよいため、エネルギーコストを抑制し生産性を向上させることが可能である。このため、安価な高意匠、高付加価値環境対応型素材として非常に有望であり、各産業分野への寄与は非常に大きい。
上述したように、主に意匠用途で使用される着色塗装金属板には意匠性を始めとし、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等、様々な性能が求められている。従来、これらのニーズに対応するために、硬化剤で架橋硬化された有機樹脂(例えば、ポリエステル/メラミン系樹脂)を造膜成分とし、その中に着色顔料を分散させた塗膜を10μm以上の比較的厚い膜厚で金属板の上層に形成させた塗装金属板が用いられてきた。厚膜で、且つ着色顔料を分散させた塗膜は、その塗膜の凝集力を高め、諸性能を担保するために、硬化剤で架橋硬化させた有機樹脂をバインダー成分として用いる必要があった。有機樹脂を架橋硬化させるためには、充分な焼付温度、焼付時間が必要であるため、それらはエネルギーコストの増大や生産性低下を招き、製造コスト増への主要因になっていた。
そこで、本発明者らは、比較的薄膜でも、且つ硬化剤を用いなくても諸性能が担保できる着色塗膜を鋭意検討し、特定の官能基を樹脂構造中に含有する有機樹脂を着色塗膜の造膜成分として用い、更に、その中に意匠性を担保するための着色顔料、及び耐食性や耐傷付き性を改善するためのシリカ粒子を含有させることで、極めて優れた意匠性、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等の諸性能を担保できることを見出した。 特に、加工性と耐食性、耐薬品性は技術的に相反関係にあり、また、造膜成分である有機樹脂の影響を大きく受ける性能であるため、これらを高次元で両立するための有機樹脂設計を鋭意検討し、これまでにない極めて優れる加工性、耐食性、耐薬品性を担保することに成功した。
具体的には、造膜成分として使用する有機樹脂は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有し、更に芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分由来の構造単位とイソシアネート成分由来の構造単位を含有し、前記イソシアネート成分由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有するポリウレタン樹脂である。ウレア基及びウレタン基、特にウレア基は非常に高い凝集エネルギーを持つため、硬化剤を使用して架橋硬化させるのと同様の、着色塗膜の凝集力を高める効果を有している。カルボキシル基は基材である金属板(下地処理がある場合は下地処理層)との密着性を高める効果を有している。
本発明では、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分を含むポリオール成分と芳香族環構造を有するイソシアネート成分とを、イソシアネート成分に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件でウレタン化反応させて得られるウレタンプレポリマー(イソシアネート基が残存)を、更にポリアミン化合物で鎖伸長して得られるポリウレタン樹脂を使用する。ポリオール成分とイソシアネート成分との反応によりウレタン基が形成され、更にポリアミン化合物と反応させることでウレア基が形成され、超高分子量化される。このように、ウレタン基、ウレア基を樹脂構造中に含有し、超高分子化されたポリウレタン樹脂は比較的加工性と耐食性とのバランスに優れるが、一方でこれらの官能基を含有する樹脂は薬品に侵され易く、耐薬品性が劣るという課題を有していた。
本発明者らは、まず、イソシアネート成分の反応時に生成するウレタン基、ウレア基が最も薬品に侵され易いという点に着目し、ウレタン基やウレア基の近傍に優先的に耐薬品性に優れる芳香族環構造を配置するために、イソシアネート成分に芳香族環構造を含有するイソシアネート化合物を用いることを考案した。
次いで、ポリオール成分に、加工性と耐薬品性に優れる、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分を含有させることを考案し、これらを組み合わせることで、加工性、耐食性、耐薬品性のすべてに優れるポリウレタン樹脂を見出すことに成功した。
本発明で使用するポリウレタン樹脂は、(1)芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分由来の構造単位を含有すること、(2)イソシアネート成分由来の構造単位を含有し、前記イソシアネート成分由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有すること、が必須要件である。耐薬品性への寄与は前記(1)よりも前記(2)の方が大きいが、これら単独ではいずれも満足のいく耐薬品性は得られない。本発明は前記(1)と前記(2)の相乗効果により優れた耐薬品性を達成したものであって、具体的には、前述したように、薬品に侵され易いウレタン基やウレア基の近傍に、耐薬品性に優れ、且つ立体障害効果により薬品の浸透を抑制できる芳香族環構造を優先的に配置し、更にポリオール成分由来の構成成分で形成されるソフトセグメントに適度な凝集力を有するエステル基と耐薬品性に優れる芳香族環構造を配置することで耐薬品性を最大限に高めたものである。
本発明はこれらの新しい知見を基に完成されたものであり、特に着色顔料を含み塗膜の凝集力の担保が難しい着色塗膜においても、硬化剤による架橋効果に頼ることなく、上述した諸性能が担保できるとの知見を得た。
以下、上述の知見に基づきなされた本発明の好ましい実施形態について詳しく説明する。
本発明の一実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板は、ウレア基、ウレタン基及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)を含む造膜成分と着色顔料(B)と平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子(C)とを含む着色塗膜(α)を金属板の少なくとも片面に有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリステルポリオール成分(a)由来の構造単位と、芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位とを含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有することを特徴とする。
より具体的に言えば、本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板は、着色塗膜の造膜成分に、ウレア基、ウレタン基及びカルボキシル基を含有し、更に芳香族環構造を有するポリステルポリオール成分(a)由来の構造単位と、芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位とを含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有するポリウレタン樹脂(A1)を必須成分として含み、更に、塗膜に着色して塗装金属板に意匠性を付与する着色顔料(B)と、塗装金属板の耐食性、耐傷付き性の向上に寄与する平均粒子径5〜50nmの球状シリカ粒子(C)を含む着色塗膜(α)を、基材である金属板の少なくとも片面に形成したものである。前記ポリウレタン樹脂(A1)に含まれるウレア基、ウレタン基は高い凝集エネルギーを有しているため、硬化剤による架橋硬化反応を必ずしも必要としないことから、短時間の焼付けでも充分な塗膜強度と延性、並びに、均質な造膜を達成することができる。前記ポリウレタン樹脂(A1)に含まれるカルボキシル基は基材である金属板(下地処理がある場合は下地処理層)との密着性を高める効果を有している。また、前記ポリウレタン樹脂(A1)に芳香族環構造を有するポリステルポリオール成分(a)由来の構造単位と、芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位とを含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有することによって、前述したように極めて優れた加工性、耐食性、耐薬品性、特に耐薬品性を担保できる。これらの相乗効果により、極めて優れた意匠性、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等の諸性能を担保できる。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板は、環境負荷性の高い6価クロムを含まないノンクロム塗膜を設けたものであり、このノンクロム塗膜は、専用の塗装設備が不可欠の有機溶剤系着色組成物ではなく、水性着色組成物により形成して製造することができる。着色組成物を水性にすることによって、造膜成分として使用する前記ポリウレタン樹脂(A1)も水性での設計が可能である。水性のポリウレタン樹脂は、従来の有機溶剤系で使用されていたポリウレタン樹脂とは異なり、非常に高い分子量設計が可能であり、硬化剤による架橋硬化反応を必ずしも必要としないことから、短時間の焼付けでも充分な塗膜強度と延性、並びに、均質な造膜を達成することができるとの利点も有している。また、上記ポリウレタン樹脂の構造中に含まれるカルボキシル基は、ポリウレタン樹脂を水性化する上で重要な親水性官能基であり、且つ、水性着色組成物中におけるポリウレタン樹脂の安定性を確保する上でも必須の官能基である。こうして、本発明によれば、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性を兼ね備えた、安価な高意匠性のクロメートフリー着色塗装金属板を提供することができる。
金属板上に形成する着色塗膜(α)は、水系溶媒中に塗膜構成成分(前記ポリウレタン樹脂(A1)、前記着色顔料(B)、および前記シリカ粒子(C))を含有している水性着色組成物を金属板上に塗布し、加熱乾燥することで形成することが好ましい。ここで水系溶媒とは、水が溶媒の主成分である溶媒であることを意味する。溶媒中に占める水の量は50質量%以上であることが好ましい。水以外の溶媒は有機溶媒でもよいが、労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則で定義される有機溶剤含有物(労働安全衛生法施行令の別表第六の二に掲げられた有機溶剤を重量の5%を超えて含有するもの)には該当しないものであることがより好ましい。水系溶媒を用いることによって、有機溶剤系塗料を使用するための塗装専用ラインを余分に通板する必要がなくなるために、製造コストを大幅に削減することが可能である上に、揮発性有機化合物(VOC)の排出も大幅に抑制できる等の環境面におけるメリットもある。
着色塗膜(α)の厚みは、2〜10μmである。着色塗膜(α)の厚みは、より好ましくは3〜7μmである。2μm未満であると、十分な意匠性(隠蔽性)や耐食性が得られないことがある。10μm超であると、経済的に不利であるばかりか、着色塗膜(α)が水性着色組成物から形成される場合にワキ等の塗膜欠陥が発生することがあり、工業製品としての着色塗装金属板に必要な外観を安定して得ることができないことがある。
着色塗膜(α)の厚みは、塗膜の断面観察や電磁膜厚計等の利用により測定できる。その他に、単位面積当りに付着した塗膜の質量を、塗膜の比重又は塗布溶液の乾燥後比重で除算して算出してもよい。塗膜の付着質量は、塗装前後の質量差、塗装後の塗膜を剥離した前後の質量差、または、塗膜を蛍光X線分析して予め皮膜中の含有量が分かっている元素の存在量を測定する等、既存の手法から適切に選択すればよい。塗膜の比重又は塗布溶液の乾燥後比重は、単離した塗膜の容積と質量を測定する、適量の塗布溶液を容器に取り乾燥させた後の容積と質量を測定する、または、塗膜構成成分の配合量と各成分の既知の比重から計算する等、既存の手法から適切に選択すればよい。
上記した各種測定方法の中でも、比重等が異なる塗膜でも簡便に精度よく測定できることから、塗膜の断面観察の利用が好適である。
前記着色塗膜(α)の断面観察の方法としては特に制限はないが、常温乾燥型エポキシ樹脂中に塗装金属板を塗膜厚み方向と垂直に埋め込み、その埋め込み面を機械研磨した後に、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察する方法や、FIB(集束イオンビーム)装置を用いて、塗装金属板から塗膜の垂直断面が見えるように厚さ50〜100nmの観察用試料を切り出し、塗膜断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察する方法等が好適に使用可能である。
着色塗膜(α)の造膜成分に必須成分として含む前記ポリウレタン樹脂(A1)としては、ウレア基、ウレタン基及びカルボキシル基を含有し、更に芳香族環構造を有するポリステルポリオール成分(a)由来の構造単位と、芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)由来の構造単位とを含有し、前記イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有していれば特に制限はなく、例えば、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分を含むポリオール化合物と芳香族環構造を有するイソシアネート化合物とを、イソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件でウレタン化反応させて得られるウレタンプレポリマーに、更にポリアミン化合物を反応させ、鎖伸長して得られるもの等を使用することができる。このような製造方法により、ポリオール化合物に含まれる水酸基とイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の反応によりウレタン基が生成し、ポリアミン化合物に含まれるアミノ基とイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基の反応によりウレア基が生成し、ウレア基、ウレタン基を含有する超高分子量のポリウレタン樹脂を製造することができる。
ポリオール化合物とは、1分子当たり2個以上のヒドロキシ基を含有する化合物を指し、本発明では芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)(以下、芳香族ポリエステルポリオール(a)とも呼称)を必須成分として含むポリオール化合物を使用する。
前記芳香族ポリエステルポリオール(a)は、芳香族多価カルボン酸類および/または芳香族多価アルコール類由来の構成単位を含み、芳香族多価カルボン酸類および/または芳香族多価アルコール類を含む原料組成物を、公知の方法により縮合反応させることにより得ることができる。
前記芳香族多価カルボン酸類は、芳香族2価カルボン酸類または3価以上の芳香族カルボン酸類などを含み、芳香族2価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸(ナフタレン−1,8−ジカルボン酸)、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−P,P’−ジカルボン酸等の芳香族カルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体;ならびに、5−スルホイソフタル酸等のスルホン酸基含有芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの芳香族2価カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。
前記3価以上の芳香族カルボン酸類としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの3価以上の芳香族カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価カルボン酸類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a)は、芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類由来の構成単位を含有していてもよい。芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体;および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸またはそれらの酸無水物もしくはエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの多価カルボン酸類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族多価アルコール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ハイドロキシン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、およびそれらのアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらの芳香族多価アルコール類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価アルコール類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a)は、芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類由来の構成単位を含有していてもよい。芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族または脂環族多価アルコール;および、ε−カプロラクトン、γ−パレロラクトン等の環状エステルを開環重合させて得られる脂肪族多価アルコールが挙げられる。これらの多価アルコール類は、各種置換基によって置換された置換体であってもよい。芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリエステルポリオール(a)を構成し得る、芳香族多価カルボン酸類、芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類、芳香族多価アルコール類、芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類由来の構造単位の含有比率は、前記芳香族ポリエステルポリオール(a)中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜25質量%含有されるように調整することが、加工性や耐薬品性の観点から好ましく、15〜20質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると、耐薬品性が低下する場合があり、25質量%超であると、加工性が低下する場合がある。
前記ポリウレタン樹脂(A1)中における、前記芳香族ポリエステルポリオール(a)中に含まれる芳香族環構造の含有量は、下記式[1]によって計算される。
芳香族環構造の含有量(質量%)=100×[{芳香族ポリエステルポリオール(a)を構成する芳香族多価カルボン酸類のモル数(mol)×芳香族多価カルボン酸類1分子中の芳香族環構造の数(個)×芳香族環部分の分子量(g/mol)}+{芳香族ポリエステルポリオール(a)を構成する芳香族多価アルコール類のモル数(mol)×芳香族多価アルコール類1分子中の芳香族環構造の数(個)×芳香族環部分の分子量(g/mol)}]/{ポリウレタン樹脂(A1)の固形分質量(g)}・・・[1]
ここで、「芳香族環部分の分子量」とは、芳香族ポリエステルポリオール(a)が有する芳香族環残基としての分子量ではなく、この残基が遊離の芳香族環化合物として存在する場合における分子量であり、また、芳香族環構造が有する置換基(芳香環は除く)は分子量に含めない。例えば、芳香族多価カルボン酸類としてアルキル置換テレフタル酸を用いる場合の「芳香族環部分の分子量」は、ベンゼン環の分子量78.11である。2種以上の芳香族多価カルボン酸類を用いる場合、上記式[1]における{芳香族ポリエステルポリオール(a)を構成する芳香族多価カルボン酸類のモル数(mol)×芳香族多価カルボン酸類1分子中の芳香族環構造の数(個)×芳香族環部分の分子量(g/mol)}は、各芳香族多価カルボン酸類について計算したものの和である。2種以上の芳香族多価アルコール類を用いる場合も同様である。
前記ポリオール成分は、前記芳香族ポリエステルポリオール(a)以外のポリオール化合物を含んでいてもよい。このようなポリオール化合物としては、脂肪族および脂環族ポリエステルポリオール等の芳香環構造を含まないポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等のマクロポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族または脂環族多価アルコール;および、ε−カプロラクトン、γ−パレロラクトン等の環状エステルを開環重合させて得られる脂肪族多価アルコール又はそれらの混合物を使用することができる。脂肪族および脂環族ポリエステルポリオールは、上述の芳香族多価カルボン酸類以外の多価カルボン酸類および芳香族多価アルコール類以外の多価アルコール類を用いて調製することができる。
前記イソシアネート化合物としては、芳香族環構造を有するイソシアネート化合物(以下、芳香族イソシアネート(b)とも呼称)を使用する。芳香族イソシアネート(b)の具体例を挙げれば、例えば、1,3−または1,4−α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。耐薬品性の観点からはトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)に含まれる芳香族環構造は、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜20質量%含有されるように調整することが、加工性や耐薬品性の観点から好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると、耐薬品性が低下する場合があり、20質量%超であると、塗膜が硬化し、加工性が低下する場合がある。
前記ポリウレタン樹脂(A1)中における、前記芳香族イソシアネート(b)中に含まれる芳香族環構造の含有量は、下記式[2]によって計算される。
芳香族環構造の含有量(質量%)=100×{芳香族イソシアネート(b)のモル数(mol)×芳香族イソシアネート(b)1分子中の芳香族環構造の数(個)×芳香族環部分の分子量(g/mol)}/{ポリウレタン樹脂(A1)の固形分質量(g)}・・・[2]
ここで、「芳香族環部分の分子量」とは、芳香族イソシアネート(b)が有する芳香族環残基としての分子量ではなく、この残基が遊離の芳香族環化合物として存在する場合における分子量であり、また、芳香族環構造が有する置換基(芳香環は除く)は分子量に含めない。例えば、芳香族イソシアネート(b)としてトリレンジジイソシアネートを用いる場合の「芳香族環部分の分子量」は、ベンゼン環の分子量78.11である。2種以上の芳香族イソシアネート(b)を用いる場合、上記式[2]における{芳香族イソシアネート(b)のモル数(mol)×芳香族イソシアネート(b)1分子中の芳香族環構造の数(個)×芳香族環部分の分子量(g/mol)}は、各芳香族イソシアネート(b)について計算したものの和である。2種以上の芳香族イソシアネート(b)を用いる場合も同様である。
前記ポリアミン化合物としては、従来公知のものを使用することができる。イポリアミン化合物としては、例えば、N−(2−スルホエチル)エチレンジアミンの金属塩、2−(β−アミノアルキル−アミノプロピオンアミド)−アルカンスルホン酸塩等のジアミノスルホネート、エチレンジアミン等の脂肪族1級ジアミンと(メタ)アクリル酸等のα−オレフィン系カルボン酸の付加物などのアニオン性基を有するポリアミン化合物;ヒドラジン、およびアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等のアニオン性基を有しないポリアミンの他、1,2−ジアミノエタン、1,2−または1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−、または1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンなどを挙げることができる。
前記ポリウレタン樹脂(A1)はカルボキシル基を含有していることが必須要件である。前記カルボキシル基を前記ポリウレタン樹脂(A1)中に導入する方法としては特に制限はないが、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等無水基を有する化合物と活性水素基を有する化合物とを反応させてなるカルボキシル基含有化合物もしくはこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオールを1種、または2種以上前記ウレタンプレポリマー製造時に共重合させる方法等が挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂(A1)中に含まれるカルボキシル基は基材である金属板(下地処理がある場合は下地処理層)との密着性を高める効果を有している上に、前記ポリウレタン樹脂(A1)が水性である場合は、その水性媒体中における分散性や安定性に大きく寄与する。水性媒体中での分散性や安定性を向上させるために、前記カルボキシル基は中和剤によって中和されたものであってもよい。中和剤としては特に制限はないが、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン等の第3級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物等の塩基性物質が挙げられるが、前記着色塗膜(α)の造膜性、前記着色塗膜(α)を形成するための水性着色組成物の安定性の観点から、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等の沸点150℃以下のアルカノールアミンを使用することが好ましい。これらの中和剤は、単独で、又は2種以上の混合物で使用してもよい。中和剤の添加方法としては、前記ウレタンプレポリマーに直接添加してもよいし、水系溶媒中に溶解、又は分散させる時に水系溶媒中に添加しても良い。中和剤の添加量は、カルボキシル基に対して0.1〜2.0当量、より好ましくは0.3〜1.3当量である。
前記ポリウレタン樹脂(A1)中に含まれるカルボキシル基の含有量は、特に制限はないが、0.1〜50mgKOH/gの範囲の酸価を示すような量であることが好ましい。0.1mgKOH/g未満であると、前記着色塗膜(α)と基材の金属板(下地処理がある場合は下地処理層)との密着性の向上効果が得られないことがあり、また、前記ポリウレタン樹脂(A1)が水性である場合にその水性媒体中における分散性や安定性が不足する場合がある。50mgKOH/gを超えると、着色塗装金属板の耐食性や耐薬品性が低下することがある。性能のバランスを考慮すると、0.5〜25mgKOH/gの範囲にあるのがより好ましい。
前記ポリウレタン樹脂(A1)が水性である場合、「水性である」とは、「水溶性または水分散性である」ことをいう。水溶性あるいは水分散性とは、ポリマーを1重量%の濃度で水に溶解させようとしたときに、加熱したり攪拌したりして均一化させる努力をした後に、25℃で24時間放置したときにポリマーが沈殿を生じることなく、相分離もせずに溶液が均一であることをいう。この「水性であること」の定義は、本発明で使用するポリウレタン樹脂(A1)以外の樹脂(詳細は後述)についても適用される。
着色塗膜(α)には、塗膜造膜成分として前記ポリウレタン樹脂(A1)以外にスルホン酸基を含有するポリエステル樹脂(A2)を更に含有することが、加工性や耐薬品性を高める上で好ましい。前記ポリエステル樹脂(A2)としては、例えば、ポリカルボン酸成分およびポリオール成分からなるポリエステル原料を縮重合し、得ることができる。また、前記着色塗膜(α)を形成するための着色組成物が水性である場合、そうして得たポリエステル樹脂を水に溶解もしくは分散して水性化したものを使用することができる。
ポリカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、乳酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、無水エンド酸等を挙げることができる。ポリカルボン酸成分は、1種を使用してもよく、あるいは複数種を使用してもよい。
ポリオール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、トリエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、2−メチル−3−メチル−1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノール−A、ダイマージオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。ポリオール成分は、1種を使用してもよく、あるいは複数種を使用してもよい。
前記ポリエステル樹脂(A2)は樹脂構造中にスルホン酸基を含有する。スルホン酸基は、前記着色塗膜(α)と基材の金属板(下地処理がある場合は下地処理層(β))との密着性を高める上や、疎水表面を持つ着色顔料の塗布液への分散性を高める効果を有している。前記ポリエステル樹脂にスルホン酸基を導入する方法としては、特に制限はないが、例えば、5−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸等のジカルボン酸類、または2−スルホ−1,4−ブタンジオール、2,5−ジメチル−3−スルホ−2,5−ヘキシルジオール等のグリコール類をポリエステル原料として使用する方法が挙げられる。
スルホン酸基は−SO3Hで表される官能基を指し、それがアルカリ金属類、アンモニアを含むアミン類等で中和されたものであっても構わない。中和する場合は、すでに中和されたスルホン酸基を樹脂中に組み込んでもよいし、スルホン酸基を樹脂中に組み込んだ後に中和してもよい。特にLi、Na、Kなどのアルカリ金属類で中和されたスルホン酸金属塩基が、着色塗膜と基材の金属板との密着性を高める上や、疎水表面を持つ着色顔料の塗布液への分散性を高める上で更に好ましく、スルホン酸Na塩基が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A2)にスルホン酸基を導入するのに使用するスルホン酸基を含有するジカルボン酸またはグリコールの使用量は、全ポリカルボン酸成分または全ポリオール成分に対し、0.1〜10モル%であることが好ましい。0.1モル%未満であると、着色塗膜と基材の金属板との密着性の向上効果が得られないことがあり、また、水系溶媒を使用する場合に、前記ポリエステル樹脂(A2)の水に対する溶解性または分散性が低下することがあり、更に、着色顔料の分散性が低下し、形成した着色塗膜の意匠性が低下することがある。10モル%超であると、着色塗装金属板の耐食性が低下することがある。性能のバランスを考慮すると、0.5〜7モル%の範囲にあるのがより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A2)の樹脂構造中にビスフェノール基を含有することが好ましい。ビスフェノール基は、高い凝集エネルギーを持つ上に、耐水性にも優れるため、前記ポリエステル樹脂(A2)がビスフェノール基を含むことは着色塗装金属板の耐傷付き性、耐食性を向上させる上で好ましい。前記ポリエステル樹脂(A2)にビスフェノール基を導入する方法としては、特に制限はないが、例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加物などのグリコール類をポリエステル原料として使用する方法が挙げられる。
上記のようなビスフェノール基を含有するグリコールの使用量は、全ポリオール成分に対し、1〜40モル%であることが好ましい。1モル%未満であると、着色塗装金属板の耐傷付き性、耐食性の向上効果が得られないことがある。40モル%超であると、着色塗装金属板の加工性が低下する場合がある。性能のバランスを考慮すると、5〜30モル%の範囲にあるのがより好ましい。
前記ポリエステル樹脂(A2)の含有量は、前記ポリウレタン樹脂(A1)/前記ポリエステル樹脂(A2)の質量比が10/90〜90/10であることが好ましく、25/75〜75/25であることがより好ましい。10/90未満であると、耐食性や耐傷付き性が低下する場合があり、90/10超であると、加工性や耐薬品性の向上効果が得られない場合がある。
着色塗膜(α)には、塗膜造膜成分として前記ポリウレタン樹脂(A1)以外にアクリル樹脂(A3)を更に含有することが好ましい。アクリル樹脂を含有することで、基材である金属板(下地処理がある場合は下地処理層)との密着性が向上し、耐傷付き性が向上する。加えて、前記着色顔料(B)が後述するカーボンブラック(B1)のような疎水表面を持つ顔料であり、前記着色塗膜(α)を形成するための着色組成物が水性である場合、顔料を水性溶媒中で均一に分散させ、形成された前記着色塗膜(α)に優れた意匠性を付与させる上でも、アクリル樹脂(A3)を含有することは好適である。
前記アクリル樹脂(A3)としては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体の単独もしくは2種以上を共重合したものや、それに更に、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等のエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチル等のエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステル単量体;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの反応物等のヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル等のエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル単量体;アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミド単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のその他のアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の不飽和脂肪酸グリシジルエステル単量体;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステル単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体等を単独もしくは2種以上共重合したものを使用することができる。これらの単量体の重合方法としては特に限定されず、例えば、これらの単量体を水溶液中で重合開始剤を用いてラジカル重合する方法によって得られるものを挙げることができる。前記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスシアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を使用することができる。上記アクリル樹脂を合成するために使用する単量体は単独で使用するものであっても、2以上の成分を併用して使用するものであってもよい。
前記アクリル樹脂(A3)の含有量は、前記ポリウレタン樹脂(A1)(前記着色塗膜(α)の造膜成分に前記ポリエステル樹脂(A2)を含む場合は、前記ポリウレタン樹脂(A1)と前記ポリエステル樹脂(A2)の合計量)100質量%に対し、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましく、2〜10質量%であることが特に好ましい。0.5質量%未満であると、形成した着色塗膜の意匠性(着色性、隠蔽性)の向上効果が得られない場合があり、20質量%超であると、着色塗膜の耐食性や加工性が低下することがある。
前記ポリウレタン樹脂(A1)は(前記着色塗膜(α)の造膜成分に前記ポリエステル樹脂(A2)や前記アクリル樹脂(A3)を含む場合は、それらの樹脂も)、着色塗装金属板の耐傷付き性や耐食性を改善する上で、硬化剤(D)で硬化された樹脂であることが好ましい。硬化剤(D)は、上述したような樹脂(A)を硬化させるものであれば特に制限はないが、例えば、メラミン樹脂やポリイソシアネート化合物を挙げることができる。メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドとを縮合して得られる生成物のメチロール基の一部またはすべてをメタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコールでエーテル化した樹脂である。ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等を挙げることができる。ポリイソシアネート化合物のブロック化物を使用してもよく、例えば、前記ポリイソシアネート化合物のブロック化物であるヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化物、イソホロンジイソシアネートのブロック化物、キシリレンジイソシアネートのブロック化物、トリレンジイソシアネートのブロック化物等を挙げることができる。硬化剤(D)は1種で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤(D)の使用量は、前記ポリウレタン樹脂(A1)(前記着色塗膜(α)の造膜成分に前記ポリエステル樹脂(A2)や前記アクリル樹脂(A3)を含む場合は、それらの樹脂の合計量)100質量%に対し、5〜35質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、塗膜の焼付硬化が不十分で、着色塗装金属板の耐食性、耐傷付き性が低下することがあり、35質量%超であると、塗膜の焼付硬化が過剰になり、着色塗装金属板の耐食性、加工性が低下することがある。
耐傷付き性の観点から、硬化剤(D)はメラミン樹脂を含有することが好ましい。メラミン樹脂の含有量は、硬化剤(D)中に30〜100質量%であることが好ましい。30質量%未満であると、耐傷付き性の改善効果が得られないことがある。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板の着色塗膜(α)が含有する着色顔料(B)は、塗膜に所定の着色を施すとともに十分な隠蔽性を付与する成分である。本発明で用いることができる代表的な着色顔料の例として、カーボンブラック、二酸化チタン、グラファイト、酸化鉄、酸化鉛、コールダスト、タルク、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー等の着色無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン、ペリレン、アンスラピリミジン、カルバゾールバイオレット、アントラピリジン、アゾオレンジ、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、アゾイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アントラキノンレッド等の着色有機顔料;アルミニウム粉、アルミナ粉、ブロンズ粉、銅粉、スズ粉、亜鉛粉、リン化鉄粉、金属コーティングマイカ粉、二酸化チタンコーティングマイカ粉、二酸化チタンコーティングガラス粉等の光輝材などを挙げることができる。
着色顔料(B)としてカーボンブラックを使用する場合は、特に制限はないが、例えば、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等、公知のカーボンブラックを使用することができる。また、公知のオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理されたカーボンブラックも使用することができる。カーボンブラックは、水性着色組成物中での分散性や塗装性、塗膜品質を考慮して、一次粒子径で10〜120nmのものを使用するのが好ましい。薄膜、例えば10μm以下程度の薄膜での意匠性(着色性、隠蔽性)や耐食性を考慮すると、一次粒子径が10〜50nmの微粒子カーボンブラックを使用することが好ましい。一方、カーボンブラックは分散媒(水)中に分散する過程で凝集が起こるため、一次粒子径のまま分散することは一般的に難しい。すなわち、実際には、カーボンブラックは水性着色組成物中に一次粒子径よりも大きな粒子径を持った二次粒子の形態で存在し、該組成物から形成した塗膜中でも同様の形態で存在する。薄膜での意匠性(着色性、隠蔽性)や耐食性を担保するためには、塗膜中に分散したカーボンブラックの粒子径が重要であり、その二次粒子の平均粒子径が20〜300nmにあることが好ましい。カーボンブラック二次粒子の平均粒子径は、より好ましくは30〜250nm、更に好ましくは50〜200nmである。
カーボンブラックは隠蔽性に優れた着色顔料である。そのため、カーボンブラックを着色顔料(B)として使用すると、形成した着色塗膜(α)の膜厚を薄くするのに有効である。
カーボンブラックにより塗膜の意匠性(着色性、隠蔽性)を担保するためには、着色塗膜(α)中に含まれるカーボンブラックの絶対量を一定量以上確保することが肝要である。カーボンブラックの絶対量は、塗膜中に含まれるカーボンブラックの含有量(X質量%)と塗膜厚み(Yμm)の積(X×Y)によって表すことができる。X×Yが20未満であると、意匠性(着色性、隠蔽性)が低下することがある。Xが15超であると、塗膜の造膜性が低下し、耐食性や加工性が低下することがある。すなわち、カーボンブラックと塗膜は、X×Y≧20、且つ、X≦15の関係を満足することが好ましい。X×Y≧25、且つ、X≦15であるのがより好ましく、X×Y≧30、且つ、X≦12であるのが更に好ましい。
カーボンブラック以外の着色顔料を使用する場合、塗膜中における着色顔料粒子は、それが一次粒子であるか二次粒子であるかに関わりなく、カーボンブラック二次粒子についての上述の20〜300nmの平均粒子径を有することが好ましい。より好ましい平均粒子径は30〜250nm、更に好ましくは50〜200nmである。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板の着色塗膜(α)が含有する平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子(C)は、着色塗膜(α)に十分な耐食性、耐傷付き性を付与するのに有効な成分である。本発明における「球状」とは真球のみならず、球に近似した形状のことを指し、楕円体も含まれる。ただし、楕円体の場合は長径に対する短径の比が0.7以上であることが加工性、耐食性、耐傷付き性の観点から好ましく、0.8以上であることがより好ましい。前記球状シリカ粒子(C)としては、特に制限されないが、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子を使用するのが好ましい。市販品としては、例えば、スノーテックスO、スノーテックスN、スノーテックスC(日産化学工業社)、アデライトAT−20N、AT−20A(旭電化工業社)等を挙げることができる。前記球状シリカ粒子(C)のより好ましい平均粒子径は8〜30nm、更に好ましくは10〜20nmである。
前記球状シリカ粒子(C)は、着色塗膜(α)中に3〜30質量%存在することが好ましい。塗膜中の前記球状シリカ粒子(C)の含有量が3質量%未満であると、塗膜の耐食性、耐傷付き性が不足することがあり、30質量%超であると、塗膜の耐湿性、耐食性、加工性が低下することがある。塗膜中の前記球状シリカ粒子(C)のより好ましい含有量は5〜20質量%、更に好ましくは7〜15質量%である。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板の着色塗膜(α)は、前記造膜成分、前記着色顔料(B)、前記シリカ粒子(C)のほかに、潤滑剤(E)を更に含有してもよい。潤滑剤(E)を含有させることで、塗膜(α)の耐傷付き性が向上する。潤滑剤(E)としては特に制限されず、公知の潤滑剤が使用できるが、フッ素樹脂系、ポリオレフィン樹脂系から選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましい。フッ素樹脂系潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが使用可能である。これらのうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。
前記ポリオレフィン樹脂系潤滑剤としては特に限定されず、パラフィン、マイクロクリスタリン、ポリエチレン等の炭化水素系のワックス、及びこれらの誘導体等を挙げることができるが、ポリエチレン樹脂であることが好ましい。前記誘導体としては特に限定されず、例えば、カルボキシル化ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン等を挙げることができる。これらのうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。前記ポリエチレン樹脂を使用する場合、前記着色塗膜(α)中に平均粒子径0.5〜2μmの粒子で分散されていることが、耐食性や耐傷付き性の観点から好ましい。
前記潤滑剤(E)の含有量は、前記着色塗膜(α)中に0.5〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。0.5質量%未満であると、耐傷付き性が低下する場合があり、10質量%超であると、耐食性、加工性が低下する場合がある。
本発明のクロメートフリー着色塗装金属板の着色塗膜(α)中には、前記着色顔料(B)と前記球状シリカ粒子(C)が、粒子状成分として存在する。必要に応じ、それら以外に、潤滑剤(E)が存在することもある。
一般に、薄い塗膜中に含まれる粒子の形状や大きさを特定することは極めて困難である。とは言え、塗膜の形成に用いる塗料(塗膜の構成成分を含有している溶液又は分散液(着色組成物))中に含まれている粒子状成分は、塗膜の形成過程で何らかの物理的又は化学的変化(例えば、粒子どうしの結合や凝集、塗料溶媒への有意の溶解、他の構成成分との反応など)を被らない限り、塗膜形成後においても、塗料中に存在していたときの形状や大きさを保持していると見なすことができる。本発明で用いる粒子状成分である前記着色顔料(B)、前記球状シリカ粒子(C)、前記潤滑剤(E)は、本発明の塗膜の形成に用いる着色組成物の溶媒には有意に溶解せず、且つ溶媒や他の塗膜構成成分と反応しないように選ばれる。また、これらの粒子状成分の着色組成物中での存在形態の保持性を高める目的で、必要に応じて、予め公知の界面活性剤や水溶性樹脂等の分散剤で水系溶媒中に分散したものを着色組成物の原料として使用することもできる。従って、本発明において規定している塗膜中に含まれるこれらの粒子状成分の粒子径は、塗膜の形成に用いた着色組成物中でのそれらの粒子径でもって表すことができる。
具体的に言えば、前記着色顔料(B)や前記球状シリカ粒子(C)などの、比較的微細な粒子の径は、動的光散乱法(ナノトラック法)によって測定できる。動的散乱法によれば、温度と粘度と屈折率が既知の分散媒中の微粒子の径を簡単に求めることができる。本発明で用いる粒子状成分は、塗料の溶媒に有意に溶解せず、且つ溶媒や他の塗膜構成成分と反応しないように選ばれるので、所定の分散媒中で粒子径を測定して、それを着色組成物中における粒子状成分の粒子径として採用することができる。動的光散乱法では、分散媒中に分散しブラウン運動している微粒子にレーザー光を照射して粒子からの散乱光を観測し、光子相関法により自己相関関数を求め、キュムラント法を用いて粒子径を測定する。動的光散乱法による粒径測定装置として、例えば、大塚電子社製のFPAR−1000を使用することができる。本発明では、測定対象の粒子を含有する分散体サンプルを25℃で測定してキュムラント平均粒子径を求め、合計5回の測定の平均値を当該粒子の平均粒子径とする。動的光散乱法による平均粒子径の測定については、例えば、ジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal of Chemical Physics)第57巻11号(1972年12月)第4814頁、に記載されている。
一方、前記潤滑剤(E)などの、比較的大きな粒子の径としては、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)によって測定した粒度分布における積算値50%での粒子径を採用することができる。レーザー回折・散乱法は、粒子に光を照射したときに散乱される散乱光量とパターンが粒子径によって異なることを利用して、サブミクロン領域から数ミリメートル程度の粒子径を測定するのに広く用いられている。この場合も、本発明で用いる粒子状成分は、着色組成物の溶媒に有意に溶解せず、且つ溶媒や他の塗膜構成成分と反応しないように選ばれるので、測定した粒子径を着色組成物中における粒子状成分の粒子径として採用することができる。レーザー回折・散乱法による測定には、例えば、日機装社製のマイクロトラック粒度分析計などを使用することができる。本発明では、合計5回の測定の平均値を当該粒子の平均粒子径とする。
また、着色塗膜(α)中の粒子状成分(必須成分の前記着色顔料(B)、前記球状シリカ粒子(C)、任意成分である、前記潤滑剤(E))は、着色塗膜(α)を断面から観察し、直接その形状や粒子径を測定することも可能である。粒子が真球状ではない場合は、その粒子の長径、短径を各々測定し、その平均値を粒子径として採用することができる。着色塗膜(α)の断面観察の方法としては特に制限はないが、常温乾燥型エポキシ樹脂中に塗装金属板を塗膜厚み方向と垂直に埋め込み、その埋め込み面を機械研磨した後に、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察する方法や、FIB(集束イオンビ−ム)装置を用いて、塗装金属板から塗膜の垂直断面が見えるように厚さ50nm〜100nmの観察用試料を切り出し、塗膜断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察する方法等が好適に使用可能である。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板の着色塗膜(α)は、その構成成分である、前記ポリウレタン樹脂(A1)と前記着色顔料(B)と前記球状シリカ粒子(C)とを溶媒中に含んでなる着色組成物を、金属板の少なくとも片面に塗布し、加熱乾燥することで形成することができる。着色組成物は、溶媒が水である組成物、または溶媒の主成分が水である組成物、すなわち先に定義したとおりの「水性着色組成物」であるのが好ましい。
着色組成物の構成成分は、前記ポリウレタン樹脂(A1)と前記着色顔料(B)と前記球状シリカ粒子(C)以外に、前述の任意的構成成分(前記ポリエステル樹脂(A2)、前記アクリル樹脂(A3)、前記潤滑剤(E))を含むことができる。更に、着色塗膜(α)の造膜樹脂(必須成分の前記ポリウレタン樹脂(A1)と、任意成分である前記ポリエステル樹脂(A2)および前記アクリル樹脂(A3))が硬化される場合は、着色組成物は前述の硬化剤(D)を含む。
着色組成物は、特定の方法に限定されず任意の方法で得ることができる。一例として、好ましい水性着色組成物を例に説明すれば、分散媒である水中に着色塗膜(α)の構成成分を添加し、ディスパーで攪拌し、溶解もしくは分散する方法が挙げられる。各構成成分の溶解性もしくは分散性を向上させるために、必要に応じて、公知の親水性溶剤等、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールおよびプロピレングリコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン類を添加してもよい。
着色組成物の塗布方法は、特に制限されることなく、公知の任意の方法を用いることができる。例えば、ロールコート、カーテン塗装、スプレー塗布、バーコート、浸漬、静電塗布などを利用可能である。
着色組成物から着色塗膜(α)を形成する加熱乾燥は、特に制限されることなく、任意の方法で行うことができる。例えば、着色組成物を塗布する前に予め金属板を加熱しておくか、塗布後に金属板を加熱するか、或いはこれらを組み合わせて乾燥を行うことができる。加熱方法にも特に制限はなく、熱風、誘導加熱、近赤外線、直火等を単独もしくは組み合わせて使用して、着色組成物を乾燥させて焼付けることができる。乾燥焼付温度は、到達板温で150℃〜250℃であることが好ましく、160℃〜230℃であることが更に好ましく、180℃〜220℃であることが最も好ましい。到達板温が150℃未満であると、焼付硬化が不十分で、塗膜の耐湿性、耐食性、耐傷付き性、耐薬品性が低下することがあり、250℃超であると、焼付硬化が過剰になり、耐食性、加工性が低下することがある。乾燥焼付時間(加熱時間)は1〜60秒であることが好ましく、3〜20秒であることが更に好ましい。1秒未満であると、焼付硬化が不十分で、塗膜の耐湿性、耐食性、耐傷付き性、耐薬品性が低下することがあり、60秒超であると、生産性が低下する。
本実施形態に係るクロメートフリー着色塗装金属板は、着色塗膜(α)の下層に下地処理層(β)を設けることもできる。下地処理層(β)としては、特に限定されるものではなく、例えば、シランカップリング剤、有機樹脂、ポリフェノール化合物から選ばれる少なくとも1種を含む層を使用することができる。この層を着色塗膜の下層に設けることで、金属板と着色塗膜(α)との密着性を高め、塗膜の耐食性を高めることができる。シランカップリング剤、有機樹脂、ポリフェノール化合物を全て含む下地処理層(β)を設けることで、金属板と着色塗膜(α)との密着性を特に高め、塗膜の耐食性を特に高めることができる。
下地処理層(β)に含まれるシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、チッソ社、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社等から販売されているビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカブトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。シランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
下地処理層(β)に含まれる有機樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等、公知の有機樹脂を使用することができる。着色塗膜(α)と金属板との密着性をより高めるためには、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の少なくとも1種を使用することが好ましい。着色塗膜(α)がポリエステル樹脂を含む場合には、それとの相溶性を高め、密着性を高める意味では、下地処理層(β)はポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。
下地処理層(β)に含まれるポリフェノール化合物としては、ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物、またはその縮合物を使用する。ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物としては、例えば、没食子酸、ピロガロール、カテコール等を挙げることができる。ベンゼン環に結合したフェノール性水酸基を2以上有する化合物の縮合物としては、特に限定されず、例えば、通常タンニン酸と呼ばれる植物界に広く分布するポリフェノール化合物を挙げることができる。
タンニン酸は、広く植物界に分布する多数のフェノール性水酸基を有する複雑な構造の芳香族化合物の総称である。下地処理層(β)で使用するタンニン酸は、加水分解性タンニン酸でも縮合型タンニン酸でもよい。タンニン酸としては特に限定されず、例えば、ハマメリタンニン、カキタンニン、チャタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランタンニン、ジビジビタンニン、アルガロビラタンニン、バロニアタンニン、カテキンタンニン等を挙げることができる。市販のタンニン酸、例えば、「タンニン酸エキスA」、「Bタンニン酸」、「Nタンニン酸」、「工用タンニン酸」、「精製タンニン酸」、「Hiタンニン酸」、「Fタンニン酸」、「局タンニン酸」(いずれも大日本製薬株式会社製)、「タンニン酸:AL」(富士化学工業株式会社製)等を使用することもできる。
ポリフェノール化合物は1種で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
下地処理層(β)に含まれる成分(シランカップリング剤、有機樹脂、ポリフェノール化合物のうちから選ばれる少なくとも1種)の含有量は特に限定されないが、下地処理層100質量部中に10質量部以上含有されることが好ましい。10質量部未満の場合、密着性や耐食性の向上効果が得られないことがある。
下地処理層(β)の付着量は特に限定されるものではないが、10〜1000mg/m2の範囲にあることが好ましい。10mg/m2未満では十分な下地処理層(β)の効果が得られず、1000mg/m2を超えると下地処理層(β)が凝集破壊しやすくなり密着性が低下することがある。安定した効果と経済性から、より好ましい付着量範囲は50〜500mg/m2である。
下地処理層(β)の形成方法に特に制限はなく、一般に下地処理層(β)を形成するためのコーティング剤を金属板の少なくとも片面に塗布し、加熱乾燥することで形成される。前記コーティング剤は水を媒体とする水性コーティング剤であることが工業生産性に優れるため好ましい。前記コーティング剤は、特定の方法に限定されず任意の方法で得ることができる。例えば、媒体である水中に下地処理層(β)の構成成分を添加し、ディスパーで攪拌し、溶解もしくは分散する方法が挙げられる。各構成成分の溶解性もしくは分散性を向上させるために、必要に応じて、公知の親水性溶剤等、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールおよびプロピレングリコールなどのアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン類、のうちの1又は2種以上を添加してもよい。前記コーティング剤の塗布方法に特に制限はなく、公知のロールコート、スプレー塗布、バーコート、浸漬、静電塗布等を適宜使用することができる。加熱乾燥方法に特に制限はなく、コーティング剤塗布前に予め金属板を加熱しておくか、塗布後に金属板を加熱するか、或いはこれらを組み合わせて乾燥を行うことができる。加熱方法に特に制限はなく、熱風、誘導加熱、近赤外線、直火等を単独もしくは組み合わせて使用することができる。乾燥焼付温度は、到達板温で60℃〜150℃であることが好ましく、70℃〜130℃であることが更に好ましい。到達板温が60℃未満であると、乾燥が不十分で、着色塗膜と基材との密着性や着色塗膜の耐食性が低下することがあり、150℃超であると、着色塗膜と基材との密着性が低下することがある。
本発明において適用可能な金属板としては特に限定されるものではなく、例えば、鉄板、鉄基合金板、アルミニウム板、アルミニウム基合金板、銅板、銅基合金板等が挙げられる。これらの金属板上にめっきしためっき金属板を使用することもできる。中でも本発明の適用において最も好適なものは亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板である。
亜鉛系めっき鋼板としては、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、亜鉛−鉄めっき鋼板、亜鉛−クロムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、亜鉛−チタンめっき鋼板、亜鉛−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−マンガンめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウムめっき鋼板、亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコンめっき鋼板等の亜鉛系めっき鋼板、さらにはこれらのめっき層に少量の異種金属元素または不純物としてコバルト、モリブデン、タングステン、ニッケル、チタン、クロム、アルミニウム、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、錫、銅、カドミウム、ヒ素等を含有したもの、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機物を分散させたものが含まれる。
アルミニウム系めっき鋼板としては、アルミニウムめっき鋼板、またはアルミニウムとシリコン、亜鉛、マグネシウムのうちの少なくとも1種とからなる合金をめっきした鋼板、例えば、アルミニウム−シリコンめっき鋼板、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−シリコン−マグネシウムめっき鋼板等が挙げられる。
更には、上記のめっきと他の種類のめっき、例えば鉄めっき、鉄−りんめっき、ニッケルめっき、コバルトめっき等とを組み合わせた複層めっき鋼板を用いることも可能である。
めっき方法は特に限定されるものではなく、公知の電気めっき法、溶融めっき法、蒸着めっき法、分散めっき法、真空めっき法等のいずれの方法でもよい。
実施例により本発明を更に説明する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)金属板
使用した金属板の種類を表1に示す。めっきを施した金属板の基材には、板厚0.5mmの軟鋼板を使用した。SUS板についてはフェライト系ステンレス鋼板(鋼成分:C:0.008質量%、Si:0.07質量%、Mn:0.15質量%、P:0.011質量%、S:0.009質量%、Al:0.067質量%、Cr:17.3質量%、Mo:1.51質量%、N:0.0051質量%、Ti:0.22質量%、残部Fe及び不可避的不純物)を使用した。金属板は表面をアルカリ脱脂処理、水洗乾燥して使用した。
Figure 2012074044
(2)下地処理層
下地処理層を形成するためのコーティング剤は、有機樹脂(表2)、シランカップリング剤(表3)、ポリフェノール化合物(表4)を表5に示す配合量(質量%)で配合し、塗料用分散機を用いて攪拌することで調製した。上記(1)で準備した金属板の表面に該コーティング剤を100mg/m2の付着量になるようにロールコーターで塗装し、到達板温度70℃の条件で乾燥させることで、必要に応じて下地処理層を形成させた。
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
(3)ポリウレタン樹脂
(ポリエステルポリオールの調製)
<製造例PO1:ポリエステルポリオールPO1の調製>
温度計、窒素ガス導入管、撹拌機を備えた反応容器に、窒素ガスを導入しながら、テレフタル酸443質量部、イソフタル酸443質量部、アジピン酸420質量部、エチレングリコール196質量部、1,4−ブタンジオール306質量部、ネオペンチルグリコール328質量部およびジブチル錫オキサイド0.5質量部を仕込み、撹拌した。ついで、窒素ガスを導入しながら、230℃まで昇温し、酸価が1以下になるまで同温度で15時間重縮合反応を行い、ポリエステルポリオールPO1を得た。
<製造例PO2〜PO7:ポリエステルポリオールPO2〜PO7の調製>
表6に示した原料組成に従い、製造例PO1と同様の手順にて、ポリエステルポリオールPO2〜PO7を得た。いずれの調製でも、ジブチル錫オキサイドは0.5質量部であった。
表6に、ポリエステルポリオールPO1〜PO7の数平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算値)およびポリエステルポリオールPO1〜PO7固形分中における芳香族環構造の含有量(質量%)を併せて示した。なお、これらポリエステルポリオールPO1〜PO7の固形分中における芳香族環構造の含有量は、上記式[1]における分母{ポリウレタン樹脂(A1)の固形分質量(g)}を{ポリエステルポリオールの固形分質量(g)}に置き換えて計算したものである。
Figure 2012074044
(ポリウレタン樹脂の水分散体の調製)
<製造例PU1:ポリウレタン樹脂の水分散体PU1の調製>
ポリエステルポリオールPO1の1000質量部、2,2’−ジメチロールプロピオン酸40質量部をメチルエチルケトン900質量部に加え、80℃に加温して溶解させた。その後、イソホロンジイソシアネート250質量部を加え、110℃に加温して2時間反応させ、トリエチルアミン60質量部を加えて中和した。次いで、この溶液をエチレンジアミン10質量部と脱イオン水4000質量部とを混合した水溶液に強攪拌下において滴下して、鎖伸長と水分散化を終えた。続いて、その水分散液を50℃、150mmHgの減圧下でメチルエチルケトンを留去した後、脱イオン水を加えて濃度調節を行い、樹脂固形分濃度30質量%のポリウレタン樹脂の水分散体PU1を得た。
<製造例PU2〜PU19:ポリウレタン樹脂の水分散体PU2〜PU19の調製>
表7、表8に示した原料組成に従い、製造例PU1と同様の手順にて、樹脂固形分30質量%のポリウレタン樹脂の水分散体PU2〜PU19を得た。
Figure 2012074044
Figure 2012074044
得られたポリウレタン樹脂の水分散体PU1〜PU19について、上記式[1]に基づいて、ポリウレタン樹脂固形分中における芳香環族構造の含有量を算出した。
(4)ポリエステル樹脂
<製造例PE1:ポリエステル樹脂の水分散体PE1の調製>
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸199部、イソフタル酸232部、アジピン酸199部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸27部、エチレングリコール312部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール125部、1,5−ペンタンジオール187部、テトラブチルチタネート0.41部を仕込み、160℃から230℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステル樹脂100部に、ブチルセロソルブ20部、メチルエチルケトン42部を投入した後、80℃で2時間攪拌溶解を行い、更に213gのイオン交換水を投入し、水分散を行った。その後、加熱しながら溶剤を留去、200メッシュのナイロンメッシュでろ過し、固形分濃度30%のポリエステル樹脂の水分散体PE1を得た。
<製造例PE2:ポリエステル樹脂の水分散体PE2の調製>
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸199部、イソフタル酸266部、アジピン酸199部、エチレングリコール312部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール125部、1,5−ペンタンジオール187部、テトラブチルチタネート0.41部を仕込み、160℃から230℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間重縮合反応を行った。窒素気流下、220℃まで冷却し、無水トリメリット酸を23部、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート16部を投入し、30分間反応を行った。得られた共重合ポリエステル樹脂100部、ブチルセロソルブ20部、メチルエチルケトン42部を投入した後、80℃で2時間攪拌溶解を行い、イソプロピルアルコール23部、トリエチルアミン3.5部を投入し、213部のイオン交換水で水分散を行った。その後、加熱しながら溶剤を留去、200メッシュのナイロンメッシュでろ過し、固形分濃度30%のポリエステル樹脂の水分散体PE2を得た。
<製造例PE3:ポリエステル樹脂の水分散体PE3の調製>
攪拌機、コンデンサー、温度計を具備した反応容器にテレフタル酸199部、イソフタル酸232部、アジピン酸199部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸33部、エチレングリコール250部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール125部、1,5−ペンタンジオール187部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物62部、テトラブチルチタネート0.41部を仕込み、160℃から230℃まで4時間かけてエステル化反応を行った。次いで系内を徐々に減圧していき、20分かけて5mmHgまで減圧し、さらに0.3mmHg以下の真空下、260℃にて40分間重縮合反応を行った。得られた共重合ポリエステル樹脂100部に、ブチルセロソルブ20部、メチルエチルケトン42部を投入した後、80℃で2時間攪拌溶解を行い、更に213gのイオン交換水を投入し、水分散を行った。その後、加熱しながら溶剤を留去、200メッシュのナイロンメッシュでろ過し、固形分濃度30%のポリエステル樹脂の水分散体PE3を得た。
(3)着色塗膜
塗膜を形成するための着色組成物は、有機樹脂の水分散体(上記製造例PU1〜PU19、PE1〜3、および表8、表9)、硬化剤(D)(表10)、着色顔料(B)(表11)、シリカ粒子(C)(表12)、潤滑剤(E)(表13)を表14〜20に示す配合量で配合し、塗料用分散機を用いて攪拌することで調製した。製造例中、単に部とあるのは質量部を示し、単に%とあるのは質量%を示す。(2)で形成した下地処理層(下地処理層がない場合は金属板)の上層に、上記着色組成物を所定の膜厚になるようにロールコーターで塗装し、所定の到達板温度になるように加熱乾燥し、塗膜を形成させた。
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
(4)着色塗装金属板
上記(3)で説明したように着色塗膜(α)を形成した着色塗装金属板の塗膜構成及び着色塗膜の膜厚、到達板焼付温度を表14〜表20に示す。
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
(5)評価試験
上記(3)で説明したように作製した着色塗装金属板(試験板)について、平板部の意匠性、耐湿性、耐食性、加工性(加工部の意匠性、加工密着性)、耐傷付き性、耐薬品性を下記に示す評価方法及び評価基準にて評価した。その評価結果を表21〜表27に示す。
(平板部の意匠性)
試験板の外観を下記の評価基準で評価した。
5:着色、表面艶ともに均一である。下地も全く透けて見えない。
4:着色は均一であるが、表面艶がやや不均一である(目を凝らして見て何とか確認できるレベル)。下地は全く透けて見えない。
3:着色、表面艶ともにやや不均一である(目を凝らして見て何とか確認できるレベル)。下地は全く透けて見えない。
2:着色、表面艶ともに不均一である(目視で容易に確認できるレベル)。下地は全く透けて見えない。
1:着色、表面艶ともに不均一である(目視で容易に確認できるレベル)。下地がやや透けて見える。
(耐湿性)
試験板を温度40℃、湿度90%の条件下に500時間静置した後の外観を下記の評価基準で評価した。
5:外観に変化は全く認められない。
4:表面の艶が極僅かに低下した(試験前の試験板を横に並べて何とか分かるレベル)。
3:表面の艶が僅かに低下した(試験前の試験板を横に並べると容易に分かるレベル)。
2:表面の艶が低下した(試験板のみ見て何とか分かるレベル)。
1:表面の艶が著しく低下した(試験板のみ見て容易に分かるレベル)。
(耐食性)
試験板の端面をテープシールした後、JIS Z 2371に準拠した塩水噴霧試験(SST)を168時間行い、錆発生状況を観察し、下記の評価基準で評価した。
5:錆発生なし。
4:錆発生面積が1%未満。
3:錆発生面積が1%以上、2.5%未満。
2:錆発生面積が2.5%以上、5%未満。
1:錆発生面積が・BR>T%以上。
(加工性(加工部の意匠性))
試験板に180°折り曲げ加工を施し、折り曲げ部外側の外観を下記の評価基準で評価した。折り曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.5mmのスペーサーを間に挟んで実施した(一般に1T曲げと呼ばれる)。
5:塗膜に亀裂等の不具合がなく、均一な着色外観である。色落ちも認められない。
4:塗膜に極僅かの亀裂が認められるため、やや色落ちが認められるが、ほぼ均一な着色外観である(試験前の試験板を横に並べて何とか分かるレベル)。
3:塗膜に僅かの亀裂が認められるため、やや色落ちが認められるが、ほぼ均一な着色外観である(試験前の試験板を横に並べると容易に分かるレベル)。
2:塗膜に亀裂が認められ、色落ちが認められる(試験板のみ見て何とか分かるレベル)。
1:塗膜に亀裂が認められ、色落ちが著しい(試験板のみ見て容易に分かるレベル)。
(加工性(加工密着性))
試験板に180°折り曲げ加工を施した後、折り曲げ加工部外側のテープ剥離試験(テープ剥離方法はJIS K 5600−5−6に準拠)を実施した。テープ剥離部の外観を下記の評価基準で評価した。なお、折り曲げ加工は20℃雰囲気中で、0.5mmのスペーサーを間に挟んで実施した(一般に1T曲げと呼ばれる)。
5:塗膜に剥離は認められない。
4:極一部の塗膜に剥離が認められる(ルーペで観察して何とか分かる程度)。
3:一部の塗膜に剥離が認められる(ルーペで観察して分かる程度)。
2:部分的な塗膜に剥離が認められる(目視で容易に分かる程度)。
1:ほとんどの塗膜に剥離が認められる(目視で容易に分かる程度)。
(耐傷付き性)
試験板に45°の角度で鉛筆芯で5回線を引き、2回以上傷が入らない鉛筆硬度で評価した。鉛筆は三菱鉛筆社製のユニ鉛筆を使用し、20℃、4.903N(500gf)の荷重条件にて試験し、下記の評価基準で評価した。その他の試験条件はJIS K 5600−5−4に準拠した。
5:鉛筆硬度が3H以上
4:鉛筆硬度が2H
3:鉛筆硬度がH
2:鉛筆硬度がF
1:鉛筆硬度がHB以下
(耐薬品性)
試験板をラビングテスターに設置後、エタノールを含浸させた脱脂綿を49.03kPa(0.5kgf/cm2)の荷重で20往復及び50往復擦った後の皮膜状態を下記の評価基準で評価した。
5:擦り面に全く跡が付かない。
4:擦り面に極僅かに跡が付く(目を凝らして何とか擦り跡が判別できるレベル)。
3:擦り面に僅かに跡が付く(目を凝らすと容易に擦り跡が判別できるレベル)。
2:擦り面に明確な跡が付く(目視で瞬時に擦り跡が判別できるレベル)。
1:擦り面で塗膜が溶解し、下地が露出する。
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
Figure 2012074044
本発明の実施例はいずれの評価試験においても評点3点以上の優れた平面部意匠性、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性を示した。一方、本発明の範囲を外れた比較例である、着色塗膜中の造膜成分である有機樹脂に、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分由来の構造単位を含有しないポリウレタン樹脂(表9に示すA12、A19)を使用した比較例1、8、11、18、イソシアネート成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有しないポリウレタン樹脂(表9に示すA13、A14、A17、A18)を使用した比較例2、3、6、7、12、13、16、17、ウレア基を含有しないポリウレタン樹脂(表9に示すA15)を使用した比較例4、14、イソシアネート成分(b)由来の構造単位に芳香族環を含有せず、且つウレア基も含有しないポリウレタン樹脂(表9に示すA16)を使用した比較例5、15は耐食性、耐薬品性の両方もしくはいずれか一方が劣っていた。カルボキシル基を含有せず、カチオン性の官能基を含有したポリウレタン樹脂(表9に示すA20)、及びポリオレフィン樹脂(表9に示すA25)を使用した比較例9、10、19、20は、平面部意匠性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性の1項目以上が劣っていた。なお、本発明の実施例、比較例に用いた水性着色組成物を40℃で1日静置し貯蔵安定性を調査したところ、比較例9、19で用いた水性着色組成物がゲル化していた。すなわち、カルボキシル基を含有せず、カチオン性の官能基を含有したポリウレタン樹脂A20を使用したものは他の着色組成物に比べ貯蔵安定性が劣り、実用レベルにないことが判った。また、シリカ粒子(C)を含有しない比較例21、22は耐食性、加工密着性、耐傷付き性が劣っていた(比較例22は耐溶剤性も劣っていた)。着色塗膜の膜厚が1.5μmの比較例23は平面部意匠性、耐食性、加工部意匠性、耐傷付き性が、着色塗膜の膜厚が12μmの比較例24はワキと言われる塗膜欠陥が発生すると共に、加工部意匠性が劣っていた。
尚、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)と芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)とを両者共に有する実施例1〜109と、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)と芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)とを両者共に有さない比較例1〜20とを比較すると、実施例1〜109において耐薬品性が極めて優れていることが確認できる。このような比較から、芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)と芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)とを両者共に有することにより、極めて優れた耐薬品性が得られることがわかる。
更に、実施例1〜109のうち、「芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)中に含まれる芳香族環構造の含有量が、ポリウレタン樹脂(A1)の5〜20質量%の数値範囲内に収まっていない実施例6、10、18、22、31、35」、及び、「芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)中に含まれる芳香族環構造の含有量が、ポリウレタン樹脂(A1)の5〜25質量%の数値範囲内に収まっていない実施例5、17、30、107、108、109」においては、これらの実施例5、6、10、17、18、22、30、31、35、107、108、109以外の実施例ほどの優れた耐薬品性及び加工性を発揮していないことがわかる。この点から、「芳香族環構造を有するイソシアネート成分(b)中に含まれる芳香族環構造の含有量を、ポリウレタン樹脂(A1)の5〜20質量%の数値範囲に収める」、及び/又は「芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分(a)中に含まれる芳香族環構造の含有量を、ポリウレタン樹脂(A1)の5〜25質量%の数値範囲に収める」ことにより、より優れた耐薬品性及び加工性を発揮出来ることがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想定し得ることは明らかであり、それらについても当然に発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明によれば、環境負荷性の高い6価クロムを含まず、意匠性(加工部を含む着色性、隠蔽性)、耐湿性、耐食性、加工性、耐傷付き性、耐薬品性等に極めて優れた安価なクロメートフリー着色塗装金属板を提供することができる。
前記ポリアミン化合物としては、従来公知のものを使用することができる。ポリアミン化合物としては、例えば、N−(2−スルホエチル)エチレンジアミンの金属塩、2−(β−アミノアルキル−アミノプロピオンアミド)−アルカンスルホン酸塩等のジアミノスルホネート、エチレンジアミン等の脂肪族1級ジアミンと(メタ)アクリル酸等のα−オレフィン系カルボン酸の付加物などのアニオン性基を有するポリアミン化合物;ヒドラジン、およびアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等のアニオン性基を有しないポリアミンの他、1,2−ジアミノエタン、1,2−または1,3−ジアミノプロパン、1,2−、1,3−、または1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N’−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジアミン)、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノプロパン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンなどを挙げることができる。
すなわち、本発明の主旨とするところは、次のとおりである。
(1)本発明の第一の態様は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)を含む造膜成分と;着色顔料(B)と;平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子(C)と;を含む着色塗膜(α)を金属板の少なくとも片面に有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリエステルポリオ−ル成分(a)由来の構造単位と;芳香族環構造を有するイソシアネ−ト成分(b)由来の構造単位と;を含有し、前記イソシアネ−ト成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有し、前記着色塗膜(α)の膜厚が2〜10μmであって、前記着色塗膜(α)が、塗膜構成成分を含む着色組成物を、水系溶媒を用いて金属板の少なくとも片面に塗布、加熱乾燥することで形成されている、耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板である。
(2)上記(1)に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記芳香族環構造を有するイソシアネ−ト成分(b)中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜20質量%含有されてもよい。
(3)上記(2)に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記芳香族環構造を有するポリエステルポリオ−ル成分(a)中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂(A1)中に5〜25質量%含有されてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記イソシアネ−ト成分(b)がトリレンジイソシアネ−トであってもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の造膜成分が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂(A2)を更に含有してもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の造膜成分が、硬化剤(D)で硬化されていてもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)が、潤滑剤(E)を更に含有してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメ−トフリ−着色塗装金属板では、前記着色塗膜(α)の下層に下地処理層(β)を有してもよい。
(9)本発明の第3の態様は、ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂(A1)と;着色顔料(B)と;球状シリカ粒子(C)と;を含有し、前記ポリウレタン樹脂(A1)が、芳香族環構造を有するポリエステルポリオ−ル成分(a)由来の構造単位と;芳香族環構造を有するイソシアネ−ト成分(b)由来の構造単位と;を含有し、前記イソシアネ−ト成分(b)由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有する、水性着色組成物である。
10)上記()に記載の水性着色組成物では、前記水性着色組成物が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂(A2)を更に含有してもよい。
金属板上に形成する着色塗膜(α)は、水系溶媒中に塗膜構成成分(前記ポリウレタン樹脂(A1)、前記着色顔料(B)、および前記シリカ粒子(C))を含有している水性着色組成物を金属板上に塗布し、加熱乾燥することで形成する。ここで水系溶媒とは、水が溶媒の主成分である溶媒であることを意味する。溶媒中に占める水の量は50質量%以上であることが好ましい。水以外の溶媒は有機溶媒でもよいが、労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則で定義される有機溶剤含有物(労働安全衛生法施行令の別表第六の二に掲げられた有機溶剤を重量の5%を超えて含有するもの)には該当しないものであることがより好ましい。水系溶媒を用いることによって、有機溶剤系塗料を使用するための塗装専用ラインを余分に通板する必要がなくなるために、製造コストを大幅に削減することが可能である上に、揮発性有機化合物(VOC)の排出も大幅に抑制できる等の環境面におけるメリットもある。
Figure 2012074044

Claims (11)

  1. ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂を含む造膜成分と;
    着色顔料と;
    平均粒子径が5〜50nmの球状シリカ粒子と;
    を含む着色塗膜を金属板の少なくとも片面に有し、
    前記ポリウレタン樹脂が、
    芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分由来の構造単位と;
    芳香族環構造を有するイソシアネート成分由来の構造単位と;
    を含有し、
    前記イソシアネート成分由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有し、
    前記着色塗膜の膜厚が2〜10μmである
    ことを特徴とする、耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  2. 前記芳香族環構造を有するイソシアネート成分中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂中に5〜20質量%含有される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  3. 前記芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分中に含まれる芳香族環構造が、前記ポリウレタン樹脂中に5〜25質量%含有される
    ことを特徴とする、請求項2に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  4. 前記イソシアネート成分がトリレンジイソシアネートである
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  5. 前記着色塗膜の造膜成分が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂を更に含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  6. 前記着色塗膜の造膜成分が、硬化剤で硬化されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  7. 前記着色塗膜が、潤滑剤を更に含有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  8. 前記着色塗膜の下層に下地処理層を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記着色塗膜が、塗膜構成成分を含む着色組成物を、水系溶媒を用いて金属板の少なくとも片面に塗布、加熱乾燥することで形成されている
    ことを特徴とする、耐薬品性に優れるクロメートフリー着色塗装金属板。
  10. ウレア基、ウレタン基、及びカルボキシル基を含有するポリウレタン樹脂と;
    着色顔料と;
    球状シリカ粒子と;
    を含有し、
    前記ポリウレタン樹脂が、
    芳香族環構造を有するポリエステルポリオール成分由来の構造単位と;
    芳香族環構造を有するイソシアネート成分由来の構造単位と;
    を含有し、
    前記イソシアネート成分由来の構造単位のすべてに芳香族環構造を含有する
    ことを特徴とする、水性着色組成物。
  11. 前記水性着色組成物が、スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂を更に含有する
    ことを特徴とする、請求項10に記載の水性着色組成物。
JP2012519837A 2010-12-01 2011-12-01 クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物 Active JP5497170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012519837A JP5497170B2 (ja) 2010-12-01 2011-12-01 クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010268184 2010-12-01
JP2010268184 2010-12-01
JP2012519837A JP5497170B2 (ja) 2010-12-01 2011-12-01 クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物
PCT/JP2011/077783 WO2012074044A1 (ja) 2010-12-01 2011-12-01 クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012074044A1 true JPWO2012074044A1 (ja) 2014-05-19
JP5497170B2 JP5497170B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=46171969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012519837A Active JP5497170B2 (ja) 2010-12-01 2011-12-01 クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5497170B2 (ja)
CN (1) CN103237658B (ja)
MY (1) MY162946A (ja)
WO (1) WO2012074044A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5572270B1 (ja) * 2014-03-24 2014-08-13 日新製鋼株式会社 塗装金属板および外装建材
JP5714754B1 (ja) * 2014-05-29 2015-05-07 日新製鋼株式会社 塗装金属板の製造方法および外装建材
JP2016017136A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物及びそれを用いた積層体
JP5613349B1 (ja) * 2014-07-16 2014-10-22 日新製鋼株式会社 着色塗装金属板および外装建材
JP5714756B1 (ja) * 2014-08-12 2015-05-07 日新製鋼株式会社 塗装金属板の製造方法および外装建材
US10889729B2 (en) * 2015-12-25 2021-01-12 Nippon Polytech Corp. Curable composition, cured object, overcoat film, coated flexible wiring board, and process for producing same
JP7284917B2 (ja) * 2019-09-13 2023-06-01 東洋紡株式会社 塗装代替フィルム、複合フィルム、ラミネート金属板、加工品および成型品
EP4393999A1 (en) * 2021-08-26 2024-07-03 Mitsui Chemicals, Inc. Aqueous polyurethane composition, heat-resistant coating material, first laminate, bag, second laminate, method for producing first laminate, and method for producing second laminate

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60147427A (ja) * 1984-01-12 1985-08-03 Toyobo Co Ltd 熱可塑性ポリウレタン・ウレア樹脂の製造法
JP3174504B2 (ja) * 1996-04-01 2001-06-11 新日本製鐵株式会社 プレス加工性の優れた表面処理鋼板の製造方法
JP3689252B2 (ja) * 1999-03-19 2005-08-31 新日本製鐵株式会社 耐食性と塗膜密着性に優れた低毒性のプレコート金属板
JP4159998B2 (ja) * 2003-02-05 2008-10-01 株式会社神戸製鋼所 表面処理金属板
JP4963953B2 (ja) * 2006-01-06 2012-06-27 日本パーカライジング株式会社 水系金属表面処理剤、金属表面処理方法及び表面処理金属材料

Also Published As

Publication number Publication date
CN103237658A (zh) 2013-08-07
MY162946A (en) 2017-07-31
JP5497170B2 (ja) 2014-05-21
WO2012074044A1 (ja) 2012-06-07
CN103237658B (zh) 2016-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5497170B2 (ja) クロメートフリー着色塗装金属板および水性着色組成物
JP4865090B2 (ja) クロメートフリー黒色塗装金属板
JP5383932B2 (ja) メタリック調外観を有するクロメートフリープレコート金属板およびその製造に用いる水系塗料組成物
JP5279952B2 (ja) クロメートフリー塗装金属板
JP2008025023A (ja) 表面処理金属材及び金属表面処理剤
JP4894548B2 (ja) 塗料組成物
JP5418479B2 (ja) 塗装亜鉛系めっき鋼板
WO2013011868A1 (ja) パネル
JP6255160B2 (ja) クロメートフリー塗装金属板および水性塗料組成物
JP5799770B2 (ja) クロメートフリー塗装めっき鋼板
JP6123868B2 (ja) クロメートフリー着色塗装金属板の製造方法
JP5927857B2 (ja) クロメートフリー着色塗装金属板
JP2012116088A (ja) 塗装亜鉛系めっき鋼板
JP5867031B2 (ja) クロメートフリー着色塗装金属板の製造方法
JP2012116057A (ja) クロメートフリー着色塗装金属板
JP7166955B2 (ja) 塗装亜鉛めっき鋼板
JP2020157650A (ja) 塗装金属板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5497170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250