JPWO2012056878A1 - マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法 - Google Patents

マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法 Download PDF

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Abstract

表面に流路用溝30を有する樹脂製の基板3と、流路用溝30をカバーする樹脂製のカバー部材4と、が熱接合されたマイクロチップ2において、基板3は、増幅反応を行う反応室用凹部50を備え、基板3は、粘度平均分子量が18000〜35000のポリカーボネート樹脂からなるものである。これにより、熱負荷を受けた場合でも流路用溝が変形するのを抑制することができる。

Description

本発明は、マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法に関するものである。
従来、微細加工技術を利用してシリコンやガラス基板上に微細な流路や回路を形成し、微小空間で核酸、タンパク質、又は血液などの液体試料の化学反応や、分離、分析などを行うマイクロチップ(マイクロ分析チップやマイクロ流体チップとも称される)、あるいはマイクロチップを用いたμTAS(Micro Total Analysis Systems)と称される装置が実用化されている。このようなマイクロチップによれば、サンプルや試薬の使用量又は廃液の排出量が軽減され、省スペースで持ち運び可能な安価なシステムの実現が可能となる。
マイクロチップは、例えば、遺伝子診断を行うにあたっての遺伝子を増幅させる、ポリメラーゼ連鎖反応法(以下、PCR法と言う)などにおいて用いられる。
PCR法では、マイクロチップに溜池状に形成された反応部において、増幅したい遺伝子を含む検体を、複数の温度条件(例えば、約95℃の熱変性温度、約55℃のアニーリング温度、約70℃の重合温度の3つの温度条件)サイクルで増幅反応させ、このサイクルを何度も繰り返すことで遺伝子を大量に増幅させる。なお、PCR法により得た産物は、この後、電気泳動法(アガロース電気泳動法、キャピラリ電気泳動法)にかけられて標的物質の検出が行われる。
こうしたマイクロチップは、少なくとも一方の部材に微細加工が施された2つの部材を貼り合わせることにより製造される。近年は、容易に低コストで製造するために、樹脂製のマクロチップが提案されている。より具体的には、樹脂製のマイクロチップを製造するためには、表面に流路用溝を有する樹脂製の基板と、流路用溝をカバーする樹脂製のカバー部材(例えばフィルム)とを接合する。流路用溝を有する基板には、流路用溝の終端等に、厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されている。そして、流路用溝を内側にして、表面に流路用溝を有する基板と、カバー部材とを接合する。この接合によって、カバー部材が流路用溝の蓋として機能し、流路用溝とカバー部材とによって流路が形成される。これにより、内部に流路を有するマイクロチップが製造される。また、基板に形成された貫通孔によって、流路とマイクロチップの外部とが繋がり、貫通孔を介して、液体試料の導入や排出などが行われる。
樹脂製の基板と樹脂製のカバー部材とを接合する方法としては、接着剤を利用する方法、溶剤で樹脂表面を溶かして接合する方法、超音波融着を利用する方法、レーザー融着を利用する方法、平板状又はロール状の加圧装置による熱融着を利用する方法などが挙げられる。
なかでも、熱融着は低コストで実施できるため、大量生産を前提とした接合方法として適している。
このようなマイクロチップとしては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂製の基板に、同じくアクリル系樹脂製のカバー部材を熱融着させたマイクロチップが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−310613号公報 特開2000−310614号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に記載されたマイクロチップでは、複数の温度条件サイクルで増幅反応させるPCR法を行おうとすると、マイクロチップにかかる増幅反応時の加熱によって、基板が変形するという問題が生じる。
基板の変形は、流路用溝の変形につながり、流路用溝とカバー部材とによって形成される流路が、本来あるべき断面積(長方形や台形等)とは異なってしまう。流路用溝は微小なものであるので、僅かな変形でも悪影響を生じ、例えば、流路内を流れる液体試料の流速が低下したり、その流速のばらつきが発生したりして、その結果、液体試料の分析の精度を低下させてしまう。なお、流路用溝自体が変形は、カバー部材を熱圧着する際の熱と圧力の影響によっても生じる恐れがある。
基板の変形を防止するために、比較的耐熱性が高いとされている樹脂、例えば、ポリカーボネートを用いて基板を作製することも考えられるが、本発明者らの検討によれば、単にポリカーボネートを用いればよいものではなく、適切なものを選択して使用しなければ、上記のような問題を回避しつつ微細流路を高い精度で形成することができないことが判明している。特に、媒質を所定時間加熱して反応させる場合は、媒質を溜めて反応を進行させるための比較的広い面積や容積を持つ空間が形成されるように、基板に凹部を形成しておくことが要請されることに起因して基板全体の熱負荷に対する強度が不足するものと考えられ、上記文献に記載されたようなマイクロチップでは、反応時の加熱による影響を受けやすくなることが判明した。
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れ、高い精度で流路用溝を形成することができ、しかも、熱負荷に対する基板の流路用溝の変形が抑制されたマイクロチップ、及びそのマイクロチップの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明によれば、
表面に流路用溝を有する樹脂製基板と、前記流路用溝をカバーする樹脂製のカバー部材と、が熱接合されたマイクロチップにおいて、
前記基板は、前記流路用溝に接続された流体を溜めるための凹部を備え、かつ、粘度平均分子量が18000〜35000のポリカーボネート樹脂を射出成形して形成されたものであることを特徴とする。
また、本発明によれば、
表面に流路用溝を有する樹脂製基板と、前記流路用溝をカバーする樹脂製のカバー部材と、が熱接合されたマイクロチップの製造方法において、
前記流路用溝に接続された流体を溜めるための凹部を備え、所定の荷重たわみ温度(HDTm)℃を有する前記基板と、前記基板の荷重たわみ温度(HDTm)℃より高温の所定の荷重たわみ温度(HDTf)℃を有する前記カバー部材とを、下記式(2)の関係を満たす接合温度(Lt)℃にて接合する接合工程を有することを特徴とする。
Lt>HDTf>HDTm・・・(2)
本発明によれば、耐熱性に優れ、高い精度で流路用溝を形成することができ、しかも、熱負荷に対する基板の流路用溝の変形が抑制されたマイクロチップ、及びそのマイクロチップの製造方法を提供することができる。
検査装置の外観構成を示す図である。 検査装置の内部構成を示す模式図である。 マイクロチップの概略構成を示す平面図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 マイクロチップの概略構成を示す平面図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 マイクロチップの概略構成を示す平面図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 マイクロチップの概略構成を示す図であり、側方から見た内部形状を示す透視図である。 カバー部材が変形して流路用溝が崩れた状態を説明するための図である。 基板が変形して流路用溝が崩れた状態を説明するための図である。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
(1.検査装置)
最初に、本実施の形態における検査装置について、図1および図2を用いて説明する。
図1は検査装置1の外観構成の一例を示す斜視図であり、図2は検査装置1の内部構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、検査装置1は、マイクロチップ2を載置するためのトレイ10と、図示しないローディング機構によってトレイ10上からマイクロチップ2が搬入される搬送口11と、検査内容や検査対象のデータ等を入力するための操作部12と、検査結果を表示するための表示部13等とを備えている。
また、この検査装置1は、図2に示すように、送液部14と、加熱部15と、電圧印加部18と、検出部16と、駆動制御部17等とを備えている。
(1−1.送液部)
送液部14は、マイクロチップ2内の送液を行うためのユニットであり、搬送口11から検査装置1内に搬入されるマイクロチップ2と接続されるようになっている。この送液部14は、マイクロポンプ140、チップ接続部141、駆動液タンク142および駆動液供給部143等を有している。
このうち、マイクロポンプ140は、送液部14に1つ以上具備されており、マイクロチップ2内に駆動液146を注入したり、マイクロチップ2内から分析試料などの流体を吸引したりすることで、マイクロチップ2内の送液を行う。なお、マイクロポンプ140が複数具備される場合は、各々のマイクロポンプ140は独立に、或いは連動して駆動可能である。なお、マイクロチップに予め媒質や検体、試薬等を注入してある場合は、必ずしも駆動液を使った送液は不要であり、マイクロポンプのみを動作させて媒質の移動を補助してもよい。試薬や検体の投入のみにマイクロポンプを使用してもよい。
チップ接続部141は、マイクロポンプ140とマイクロチップ2とを接続して連通させる。
駆動液タンク142は、駆動液146を貯留しつつ、駆動液供給部143に供給する。この駆動液タンク142は、駆動液146の補充のために駆動液供給部143から取り外して交換可能である。
駆動液供給部143は、駆動液タンク142からマイクロポンプ140に駆動液146を供給する。
以上の送液部14においては、チップ接続部141によってマイクロチップ2とマイクロポンプ140とが接続されて連通される。そして、マイクロポンプ140が駆動されると、チップ接続部141を介して駆動液146がマイクロチップ2に注入されるか、或いはマイクロチップ2から吸引される。このとき、マイクロチップ2内の複数の収容部に収容されている検体や試薬等は、駆動液146によってマイクロチップ2内で送液される。これにより、マイクロチップ2内の検体と試薬とが混合されて反応する結果、目的物質の検出や病気の判定等の検査が行われる。
(1−2.加熱部)
加熱部15は、マイクロチップ2を特定の複数の温度に加熱するために発熱する。例えば、約95℃の熱変性温度、約55℃のアニーリング温度、約70℃の重合温度の3つの温度にマイクロチップ2を加熱する。これにより、PCR法による遺伝子増幅を行う。加熱部15は、ヒーターやペルチエ素子等の通電によって温度を上昇できる素子、通水によって温度を低下させられる素子等で構成される。
なお、PCR法は、例えば、増幅対象であるDNA(標的DNA)、DNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)及び大量のプライマー(オリゴヌクレオチド)を予め混合した溶液を検体として用意し、この検体に対する加熱/冷却を繰り返すことによりDNAを増幅する技術である。
PCR法では、2本鎖DNAを含む溶液を高温(例えば95℃程度)で加熱することにより1本鎖DNAに変性させ、その後、この1本鎖DNAとなった溶液を例えば55℃程度まで冷却していく。これにより、長い1本鎖DNAの一部にプライマーが結合する(アニーリング)。この状態で、プライマーの分離が起きずかつDNAポリメラーゼの活性に適した温度(例えば70℃程度)まで加熱すると、プライマーが結合した部分を起点として1本鎖部分と相補的なDNAが合成される。
PCR法では、このような加熱/冷却工程を短周期で繰り返すヒートサイクル操作を行うことにより、DNA合成を繰り返し、標的DNAを増幅・培養することができる。
(1−3.電圧印加部)
電圧印加部18は、複数の電極を有している。これらの電極は、マイクロチップ2内の液体試料に挿入されて当該液体試料に直接電圧を印加するか、あるいは後述の通電部40に接触して当該通電部40を介して液体試料に電圧を印加することにより、マイクロチップ2内の液体試料に電気泳動を行わせるようになっている。
(1−4.検出部)
検出部16は、発光ダイオード(LED)やレーザ等の光源と、フォトダイオード(PD)やフォトマル等の受光部等とで構成され、マイクロチップ2内の反応によって得られる生成液に含まれる標的物質を、マイクロチップ2上の所定位置(後述の検出領域200)で光学的に検出する。光源と受光部との配置は透過型と反射型とがあり、必要に応じて決定されればよい。
(1−5.駆動制御部)
駆動制御部17は、図示しないマイクロコンピューターやメモリー等で構成され、検査装置1内の各部の駆動、制御、検出等を行う。
(2.マイクロチップ)
続いて、本実施の形態におけるマイクロチップ2について、図3A〜3Cを用いて説明する。
図3A〜3Cは、マイクロチップ2を示す図であり、図3Aは平面図、図3B,3Cは側方から見た内部形状を示す透視図である。
図3A,3Bに示すように、マイクロチップ2は、互いに貼り合わされた基板3とカバー部材4とを備えている。
(2−1.基板)
基板3は、樹脂製、具体的には所定の粘度平均分子量を持つポリカーボネート製の板状部材である。
基板3は、カバー部材4に対する接合面(以下、内側面3Aとする)に流路用溝30を有している。この流路用溝30は、基板3とカバー部材4とが貼り合わされた場合に、カバー部材4と協働して微細流路20を形成する。この微細流路20には、検査装置1の検出部16による標的物質の検出対象領域として、検出領域200が設けられている。なお、微細流路20(流路用溝30)の形状は、分析試料、試薬の使用量を少なくできること、成形金型の作製精度、転写性、離型性などを考慮して、幅、深さともに、10μm〜200μmの範囲内の値であることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、微細流路20の幅と深さは、マイクロチップの用途によって決めれば良い。なお、微細流路20の断面の形状は矩形状でも良いし、曲面状でも良い。
また、基板3は、厚さ方向に貫通する貫通孔31を複数有している。これらの貫通孔31は、流路用溝30の端部や中途部に形成されており、基板3とカバー部材4とが貼り合わされた場合に、微細流路20とマイクロチップ2の外部とを接続する開口部21を形成する。この開口部21は、検査装置1の送液部14に設けられたチップ接続部141(チューブやノズル)と接続されて、ゲルや液体試料、緩衝液などを微細流路20に導入したり、微細流路20から排出したりする。また、この開口部21には、検査装置1における電圧印加部18の電極が挿入可能となっている。なお、開口部21(貫通孔31)の形状は、円形状や矩形状の他、様々な形状であっても良い。また、例えば図3Cに示すように、基板3における内側面3Aとは反対側の面(以下、外側面3Bとする)において貫通孔31の周囲を筒状に突出させ、チップ接続部141を接続しやすくしても良い。
また、基板3には、PCR法による遺伝子増幅を行う反応室用凹部50が設けられている。反応室用凹部50は、流路用溝30の端部に形成されており、その上面(基板3の内側面3A)にカバー部材4が備えられた状態で反応室を形成する。なお、反応室用凹部50の容積は、反応を好適に行うため、10mm3〜100mm3の範囲内の値であることが好ましいが、特に限定されるものではない。
(2−2.カバー部材)
カバー部材4は、例えば、樹脂製のフィルムである。なお、カバー部材4は、フィルムに限定されず、シート状(板状)の部材でもよい。
カバー部材4にも微細流路や孔を設けてもよいが、基板3との接合を確実に行うため、カバー部材4は厚くなり過ぎないことが好ましい。検体や試薬、あるいは検査の種類によって必要な時は、電圧印加部18の電極を開口部21(貫通孔31)に挿入して電圧を印加することにより、微細流路20内の試料に電気泳動を行わせる。
なお、開口部21の位置や形状は、例えば図4A,4Bや図5A,5Bに示すように、他の態様としても良い。ここで、図4B,図5Bは、図4A,図5Aにおいて太線で囲まれた部分の内部形状を模式的に示す断面図である。図4A,4Bのマイクロチップ2では、導電性の通電部40がカバー部材4における基板3との対向面のうち、貫通孔31との対向位置からカバー部材4の縁部までに亘って設けられている。この通電部40は、カバー部材4に対して、印刷等によりパターンニングするとよい。このようなマイクロチップ2によれば、貫通孔31(開口部21)に電極を挿入することなく、カバー部材4の縁部から通電部40を介して微細流路20内の流体に電圧を印加することができるため(図4B中、右側の矢印記号を参照)、複数のマイクロチップ2を順に使用する場合であっても、電極に液体試料が付着して次回のマイクロチップ2に混入してしまうのを防止することができる。また、図5A,5Bのマイクロチップ2では、貫通孔31が流路用溝30の各端部と、当該端部の隣接位置とに並んで設けられるとともに、通電部40が、隣接する2つの貫通孔31の対向位置に亘って設けられている。このようなマイクロチップ2によれば、流路用溝30の端部の貫通孔31(開口部21)を用いて液体試料などの供給・排出を行い(図5B中、左側の矢印記号を参照)、隣接する貫通孔31(開口部21)から通電部40を介して微細流路20内の流体に電圧を印加することができるため(図5B中、右側の矢印記号を参照)、複数のマイクロチップ2を順に使用する場合であっても、電極に液体試料が付着して次回のマイクロチップ2に混入してしまうのを防止することができる。これらの場合であっても、図4C,図5Cに示すように、基板3の外側面3Bにおいては、貫通孔31の周囲を筒状に突出させ、チップ接続部141を接続しやすくしても良い。
また、基板3及びカバー部材4の外形形状は、ハンドリング、分析しやすい形状であれば良く、平面視において正方形や長方形などの形状が好ましい。1例として、10mm角〜200mm角の大きさであれば良い。また、10mm角〜100mm角の大きさであっても良い。また、流路用溝30を有する基板3の板厚は、成形性を考慮して、0.2mm〜5mmが好ましく、0.5mm〜2mmがより好ましい。流路用溝を覆うための蓋として機能するカバー部材4の厚さは、30μm〜300μmであることが好ましく、50μm〜150μmであることがより好ましい。
(2−3.物性値)
基板3及びカバー部材4は、樹脂によって形成される。基板3及びカバー部材4に用いられる樹脂に関しては、耐熱性が高いこと、成形性(転写性、離型性)が良いこと、透明性が高いこと、紫外線、可視光、近赤外光に対する自家蛍光の発生効率が低いことなどが条件として挙げられる。
基板3として用いる樹脂は、粘度平均分子量が18000〜35000のものである。より好ましくは、粘度平均分子量が18000〜30000のものである。
本明細書において、粘度平均分子量とは、塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液を用いて測定された比粘度(ηSP)を次式に挿入して求めるMを指す。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
使用可能なポリカーボネート樹脂は、2種類の単量体を重合させて得られるものであってもよいし、3種類以上の単量体を重合させて得られるものでもよい。硬度等の物性を制御する目的で、所定の官能基を側鎖に持つ単量体を用いて重合することにより、分子主鎖に対して前記所定の官能基を導入したポリカーボネート樹脂であってもよい。エステル結合(例えば、ジカルボン酸とジオールとのエステル等)を分子主鎖に含むポリカーボネートであってもよい。
より具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとの界面重合法により得られるか、または、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとのエステル交換反応により作られる分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体を用いることができ、例えばビスフェノールAを主原料とする炭酸エステル重合物が使用される。
芳香族ジヒドロキシ化合物として使用できる2価フェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパンなどの置換基を有していてもよいビス(ヒドロキシアリール)アルカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカンなどの置換基を有していてもよいビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン;4,4′−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ケトンなどのジヒドロキシジアリールケトン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼン、4,4′−ビス(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)ベンゼン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、フェノールフタレインなどが例示される。これらの2価フェノール化合物は単独で又は二種以上組合せて使用できる。
好ましい2価フェノール化合物には、耐熱性の高い芳香族ポリカーボネートを形成するビスフェノール類、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルケトンなどが含まれる。特に好ましいフェノール化合物には、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネートを形成する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわちビスフェノールA)が含まれる。
なお、耐熱性、機械的強度などが損わない範囲であれば、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネートを製造する際、ビスフェノールAの一部を、他の2価フェノール化合物で置換してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量をMw、数平均分子量をMnとしたときに、Mw/Mnの値が1.0〜5.0の範囲であるのが好ましく、1.1〜2.0の範囲であるのがより好ましい。
基板3に用いるポリカーボネート樹脂には、成形性、フィルムとの接合性、使用時の耐熱性、透明性(光透過性)を損なわず、蛍光バックグラウンドノイズを発生させないような範囲で、各種の添加剤が添加されてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、着色防止剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、染顔料などが挙げられる。さらに、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、ベンズオキサジン系、マロン酸エステル系、トリアジン系などの紫外線吸収剤を添加してもよい。
カバー部材4を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられるが、好ましくは、基板3と同様にポリカーボネート樹脂を用いるとよい。基板3とカバー部材4とを同じ材料にしたり、同じ種類に分類される樹脂を(例えば、分子主鎖が同じで側鎖のみが異なる複数の樹脂、用いる単量体の一部が異なる複数の重合体など)を用いた材料としたり、あるいは、同じ樹脂や同じ種類に分類される樹脂を母材として添加剤の種類や量を異ならせた材料を用いたりすることで、互いの相溶性がよくなり、熱圧着による溶融で接合しやすくなる。
基板3及びカバー部材4として用いるポリカーボネート樹脂は、分子主鎖にポリカーボネート基とエステル結合とを含むものとすることで、荷重たわみ温度などの物性値が所定の値となるように制御されたものを用いることが好ましい。
より具体的には、基板3とカバー部材4は、その荷重たわみ温度(HDT)℃が下記式(1)の関係を満たすようにすることが好ましい。
HDTf>HDTm>増幅反応温度・・・(1)
但し、HDTf:カバー部材の荷重たわみ温度(℃)
HDTm:基板の荷重たわみ温度(℃)
増幅反応温度:PCR法における増幅反応時の加熱温度(℃)
なお、荷重たわみ温度(HDT)とは、ISO規格75−1、75−2(ASTE D648、JIS7191)に規定された、樹脂の熱的特性(耐熱性など)を表わす指標の一つであり、試験法規格に決められた荷重を与えた状態で試料の温度を上げていった場合、撓みの大きさが一定の値になる温度を示すものである。本件明細書においては、ISO規格75−2(0.45MPa)での荷重たわみ温度を示すものとする。
ここで、カバー部材4の荷重たわみ温度(HDTf)℃が、基板3の荷重たわみ温度(HDTm)℃より低い場合、熱接合時にカバー部材4の接合面が変形しやすくなる傾向があり、図6に示すように、流路用溝30にはみ出しやすくなる恐れがある。
しかしながら、前記式(1)の関係を満たすことによって、熱接合時にカバー部材4が流路用溝30に撓みこむのを確実に防止することができるようになっている。
また、基板3とカバー部材4の荷重たわみ温度は、PCR法における増幅反応時の加熱温度より高いため、マイクロチップにおいてPCR法を実行する際に、流路用溝30にカバー部材4が撓みこむのを抑制することができる。
即ち、基板3とカバー部材4の荷重たわみ温度が、かかる式(1)の関係を満たすことで、熱接合時に熱がかかった場合にもPCR法においてマイクロチップ2が加熱された場合にも、流路用溝30にカバー部材4が撓みこんで、流路形状が崩れるのを防止することができるようになっている。
また、基板3は、メルトマスフローレートが5〜50g/10minのものが好適に用いられる。
なお、メルトマスフローレートとは、ISO規格1133(JIS K7210、JIS K7390、ASTM D1238)に規定された、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表わす数値の一つである。メルトマスフローレートは、シリンダ内で溶融した樹脂を一定の温度のもと定荷重をかけ、シリンダ底部に設置された規定口径のダイスから10分間あたり押し出される樹脂量が測定されたものである。
メルトマスフローレートが50g/10minより大きい基板3では、流動性が高いため成形は容易となるが、図7に示すように、熱接合時に内側面3Aが変形し、流路用溝30が潰れ易くなる。
一方、メルトマスフローレートが5g/10minより小さい基板3では、流動性が低すぎて接合が難しくなる。
即ち、基板3のメルトマスフローレートを5〜50g/10minとすることで、成形し易さと接合し易さを両立することができる。
更に、基板3は、これに限るものではないが、表面の鉛筆硬度がH〜4Hのものを用いると変形をより抑えやすくなるため好ましい。
なお、鉛筆硬度とは、JIS−K5600−5−4に従い測定されるものであり、既知の硬さの鉛筆を一定の条件で押し付けて引っかき、どの硬度の鉛筆で引っかいた時に傷がつかなかったかを表わしたものである。
硬度が小さくなりすぎると、図7に示すように、熱接合時の荷重で内側面3Aが変形し、流路用溝30が潰れ易くなるが、硬度をある程度高くすることで、好適には鉛筆硬度がH以上の基板3を用いることで、外力による変形を抑えやすくなる。
一方、鉛筆硬度が4Hより大きい基板3では、素材が硬すぎるため接合自体が困難となる恐れがある。鉛筆硬度を4Hよりも大きくしようとすれば、一般的には、成形材料中にポリカーボネート重合体とは異なる材料(添加剤、モノマー)を添加することになる。そのため、ポリカーボネートの割合や構造が大きく変化することになり、流路用溝30はつぶれにくくなるものの、基板3とカバー部材4の相溶性が悪化して接合強度が低下してしまう恐れがある。
基板3の表面の鉛筆硬度をH〜4Hとすることで、樹脂が柔らかくなりやすい高温(後述の接合温度(Lt))で接合する場合でも、流路用溝30を潰れにくいものとすることができる。
(3.マイクロチップの製造方法)
マイクロチップの製造方法として、基板3及びカバー部材4の接合方法について説明する。
先ず、基板3及びカバー部材4をそれぞれ形成し、その後、両者を熱融着によって接合する。
例えば、熱板、熱風、熱ロール、超音波、振動、又はレーザーなどを用いて、基板3とカバー部材4とを所定の接合温度(Lt)℃にて加熱することで接合する。一例として、熱プレス機を用いて、加熱された熱板によって基板3とカバー部材4とを挟み、熱板によって圧力を加えて所定時間保持することで、基板3とカバー部材4とを接合する。これにより、カバー部材4が流路用溝30の蓋として機能し、流路用溝30とカバー部材4とによって微細流路20が形成されて、マイクロチップ2が製造される。なお、基板3とカバー部材4とを熱融着するためには、基板3とカバー部材4の界面さえ加熱できればよく、超音波、振動、レーザーを用いれば界面のみを加熱できる可能性がある。
ここで、基板3とカバー部材4とを接合する際の接合温度(Lt)℃は、下記式(2)の関係を満たしている。
Lt>HDTf>HDTm ・・・(2)
但し、Lt :基板とカバー部材との接合温度(℃)
HDTf:カバー部材の荷重たわみ温度(℃)
HDTm:基板の荷重たわみ温度(℃)
かかる式(2)の条件を満たすことによって、基板3とカバー部材4とを熱接合する際に、流路用溝30へカバー部材4が撓みこむのを抑制することができるようになっている。
以上のように、本実施形態のマイクロチップによれば、粘度平均分子量が所定範囲にあるポリカーボネート樹脂製の基板3を用いることにより、耐熱性に優れ、また微細な流路が正確に形成されたマイクロチップとすることができる。また、流路を封止するためのカバー部材4との接合性にも優れ、PCR法に代表されるように加熱を繰り返し行う検査など使用時に熱負荷がかかるものであっても問題を生じにくくなるので、マイクロチップの使用可能な範囲、応用例を広げることができ、使用者に様々なソリューションを提供することができる。
また、本実施形態のマイクロチップによれば、2種類の単量体を重合させて得られポリカーボネート樹脂を用いで基板を作製することにより、意図したような基本的物性を有する樹脂基板を比較的容易に得ることができる。
また、本実施形態のマイクロチップによれば、3種類以上の単量体を重合させて得られるポリカーボネート樹脂を用いて基板を作製することにより、使用に適した物性が付与された樹脂基板を得ることができる。
また、本実施形態のマイクロチップによれば、分子主鎖にカーボネート基とエステル結合とを含む重合体を用いて基板を作製することにより、使用に適した物性がより確実に付与された樹脂基板を得ることができる。
また、本実施形態のマイクロチップによれば、ポリカーボネート樹脂のMw/Mn(Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)の値を1.0〜5.0の範囲としたことで、樹脂のロット毎、あるいは、成形ショット毎に物性が変わることのない、安定的な基材性能を提供できる。
また、本実施形態のマイクロチップによれば、ポリカーボネート樹脂製の基板3の荷重たわみ温度(HDTm)℃と、ポリカーボネート樹脂製のカバー部材4の荷重たわみ温度(HDTf)℃とが、HDTf>HDTm>増幅反応温度の関係を満たしている。
このため、基板3とカバー部材4とを熱接合する際に、流路用溝30にカバー部材4が撓みこむのを抑制することができる。
また、マイクロチップ2においてPCR法を実行する際に、流路用溝30にカバー部材4が撓みこむのを抑制することができる。
また、本実施形態のマイクロチップの製造方法によれば、所定の荷重たわみ温度(HDTm:℃)を有する基板3と、所定の荷重たわみ温度(HDTf:℃)を有するカバー部材4とが、Lt>HDTf>HDTmの関係を満たす接合温度(Lt:℃)にて接合される。
このため、基板3とカバー部材4とを熱接合する際に、流路用溝30にカバー部材4が撓みこむのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、基板3をメルトマスフローレートが5〜50g/10minのポリカーボネート樹脂で形成することにより、成形し易さと接合し易さを両立することができる。
また、本実施形態によれば、基板3表面の鉛筆硬度をH〜4Hとすることにより、樹脂が柔らかくなりやすい温度での熱接合でも流路用溝30を潰れにくいものとすることができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実験1]
<基板成形性の評価>
使用するモノマー種の組み合わせを種々変更して重合を行うことにより、粘度平均分子量の異なる複数のポリカーボネート樹脂(No.1〜13)を準備し、型締め力30tの射出成形機を用いて、樹脂温度300℃、金型温度125℃、射出速度40mm/sec、保圧80MPaの条件で、流路用溝が形成されている基板の成形を行った。
基板のサイズは、縦40mm、横30mm、厚さ2mmであり、深さ20μm、幅50μmの流路と、流路に接続する、深さ20μm、体積40mm3の反応室用凹部とが表面に形成されている。
それぞれの基板について、干渉計による測定及び顕微鏡による観察にて、外形形状、流路幅成形性、流路深さ成形性、歩留まり、の各項目について評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012056878
<フィルム接合性の評価>
上述の基板成形性の評価で得られた基板に対して、荷重たわみ温度160℃の帝人化成社製プラスティックフィルム(ポリカーボネートフィルム 製品名ピュアエース(グレードC110−100))を、熱圧着により基板の流路形成面に溶着してマイクロ流体チップを得た(No.14〜26)。
このチップのフィルムの接合面や流路近傍を干渉計及び顕微鏡で観察し、接合状態を確認した。なお、評価に当たっては、樹脂毎に複数の成形品を作製し良品を10個選び、それら全体を評価した。成形品として不完全なものしか得られなかった場合は、程度のよいものを10個選んで評価した。結果を表2に示す。
Figure 2012056878
<使用時の耐熱性の評価>
上述のフィルム接合性の評価において、良品となったマイクロ流体チップを用いて、耐熱試験を行った(No.27〜35)。具体的には、生理食塩水を流路に満たした状態で、常温(室温)から95℃まで加熱し、さらに常温に冷却するプロセスを5回繰り返した後のフィルム接合状態を顕微鏡で観察し、接合状態を確認した。結果を表3に示す。
Figure 2012056878
[実験2]
(基材)
下記の2種類の基材を用いた。これらの基材を用いて、[実験1]に示したのと同様の手順で、[実験1]と同様の形状の基板を成形した。
基材1:荷重たわみ温度136℃、メルトマスフローレート30g/10min、粘度平均分子量18000のユーピロンH−3000(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ポリカーボネート:商品名)
基材2:荷重たわみ温度139℃、メルトマスフローレート15g/10min、粘度平均分子量22000のユーピロンS−3000(三菱エンジニアリングプラスチックス製、ポリカーボネート:商品名)
(カバー部材)
カバー部材として、下記の2つのフィルムを用いた。
フィルム1:荷重たわみ温度145℃のパンライトD−92(帝人化成製、ポリカーボネート:商品名)
フィルム2:荷重たわみ温度160℃のピュアエースC110−100(帝人化成製、ポリカーボネート:商品名)
なお、上記基材1、2、及びフィルム1、2の荷重たわみ温度は、荷重0.45MPaを与えた状態で試料(基材1、2、及びフィルム1、2)の温度を上げていき、撓みの大きさが一定の値になった温度である。
また、上記基材1、2、及びフィルム1、2のメルトマスフローレートは、シリンダ内で溶融した樹脂を300℃で1.20kgfの荷重をかけ、シリンダ底部に設置された規定口径のダイスから10分間あたり押し出される樹脂量を測定したものである。
(実験)
基板1とフィルム2とを、166℃の接合温度で、4MPaの荷重をかけて接合した(No.36)。
また、基板1とフィルム2とを、166℃の接合温度で、5MPaの荷重をかけて接合した(No.37)。
また、基板1とフィルム1とを、162℃の接合温度で、3MPaの荷重をかけて接合した(No.38)
また、基板2とフィルム2とを、165℃の接合温度で、4MPaの荷重をかけて接合した(No.39)
また、基板2とフィルム1とを、162℃の接合温度で、4MPaの荷重をかけて接合した(No.40)
上記の実験のマイクロチップの評価を下記の方法により行った。
[評価]
(1) 流路状態評価
上記のNo.36〜40のマイクロチップに対して、共焦点レーザー変位測定機(LT−9500:KEYENCE社製)を用いて、流路底面からフィルムの接合面までの距離を、流路深さとして測定した。具体的には、流路底面及びフィルムの接合面のピント位置の距離を測り、その差分を流路深さとして検出した。測定した流路深さは、下記3段階基準により評価した。評価結果は表4に示す。
○:流路潰れ量が5μm未満である
△:流路潰れ量が5μm〜10μmである
×:流路潰れ量が10μmより多い
(2) 接合状態評価
上記のNo.36〜40のマイクロチップを、手で引き剥がし、その接合状態を下記3段階基準により評価した。評価結果は表4に示す。
○:接合されている
△:手で軽く剥がせる
×:接合されていない
(3) 総合評価
上記のNo.36〜40のマイクロチップに対して、流路状態評価及び接合状態評価の結果から、下記3段階基準により評価した。評価結果は表4に示す。
○:流路状態評価及び接合状態評価のどちらも○である
△:流路状態評価及び接合状態評価のどちらかに△を含む
×:流路状態評価及び接合状態評価のどちらかに×を含む
Figure 2012056878
本発明によると、マイクロチップが熱負荷を受けた際の流路用溝の変形を抑制することができる。このため、複数の温度条件サイクルで増幅反応させるポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)などへの利用が期待される。
1 検査装置
2 マイクロチップ
3 基板
3A 内側面
3B 外側面
4 カバー部材
10 トレイ
11 搬送口
12 操作部
13 表示部
14 送液部
15 加熱部
16 検出部
17 駆動制御部
18 電圧印加部
20 微細流路
21 開口部
30 流路用溝
31 貫通孔
40 通電部
50 反応室用凹部
200 検出領域

Claims (9)

  1. 表面に流路用溝を有する樹脂製基板と、前記流路用溝をカバーする樹脂製のカバー部材と、が熱接合されたマイクロチップにおいて、
    前記基板は、前記流路用溝に接続された流体を溜めるための凹部を備え、かつ、粘度平均分子量が18000〜35000のポリカーボネート樹脂を射出成形して形成されたものであることを特徴とするマイクロチップ。
  2. 請求項1に記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板に用いられるポリカーボネート樹脂は、2種類の単量体を重合させて得られるものであることを特徴とするマイクロチップ。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板に用いられるポリカーボネート樹脂は、3種類以上の単量体を重合させて得られるものであることを特徴とするマイクロチップ。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板に用いられるポリカーボネート樹脂は、分子主鎖にカーボネート基とエステル結合とを含む重合体であることを特徴とするマイクロチップ。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板に用いられるポリカーボネート樹脂は、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比であるMw/Mnの値が1.0〜5.0の範囲であることを特徴とするマイクロチップ。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板の荷重たわみ温度(HDTm)℃と、前記カバー部材の荷重たわみ温度(HDTf)℃とが、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とするマイクロチップ。
    HDTf>HDTm>増幅反応温度・・・(1)
  7. 請求項6記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板は、メルトマスフローレートが5〜50g/10minであることを特徴とするマイクロチップ。
  8. 請求項6又は7記載のマイクロチップにおいて、
    前記基板は、表面の鉛筆硬度がH〜4Hであることを特徴とするマイクロチップ。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のマイクロチップの製造方法において、
    前記流路用溝に接続された流体を溜めるための凹部を備え、所定の荷重たわみ温度(HDTm)℃を有する前記基板と、前記基板の荷重たわみ温度(HDTm)℃より高温の所定の荷重たわみ温度(HDTf)℃を有する前記カバー部材とを、下記式(2)の関係を満たす接合温度(Lt)℃にて接合する接合工程を有することを特徴とするマイクロチップの製造方法。
    Lt>HDTf>HDTm・・・(2)
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