JPH05202175A - ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法 - Google Patents

ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法

Info

Publication number
JPH05202175A
JPH05202175A JP4037262A JP3726292A JPH05202175A JP H05202175 A JPH05202175 A JP H05202175A JP 4037262 A JP4037262 A JP 4037262A JP 3726292 A JP3726292 A JP 3726292A JP H05202175 A JPH05202175 A JP H05202175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
carbonate
ethylene carbonate
solvent
polyester carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4037262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3118299B2 (ja
Inventor
Hideaki Oka
秀明 岡
Yukiatsu Furumiya
行淳 古宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP04037262A priority Critical patent/JP3118299B2/ja
Publication of JPH05202175A publication Critical patent/JPH05202175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3118299B2 publication Critical patent/JP3118299B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 エチレンカーボネートを多価アルコールと反
応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸
と混合して反応させることにより、ポリエステルカーボ
ネートポリオールを製造する。有機ジカルボン酸の混合
は、エチレンカーボネートの反応率が80%以上の時点
で行う。生成するエチレングリコールは溶媒との共沸混
合物として系外に除去する。 【効果】 エチレンカーボネートの反応率が高く、理論
値に近いエステル結合数/カーボネート結合数の比を有
するポリエステルカーボネートポリオールが、再現性よ
く取得される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルカーボネ
ートポリオールの製造方法に関する。さらに詳しくは、
本発明はエチレンカーボネートおよび有機ジカルボン酸
と多価アルコールとのエステル化およびエステル交換反
応により、ポリエステルカーボネートポリオールを製造
する方法に関する。本発明の製造方法で得られるポリエ
ステルカーボネートポリオールはポリウレタンの原料等
として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンのソフトセグメントとして
は、従来よりポリエーテル系、ポリエステル系およびポ
リカーボネート系が知られている。
【0003】たとえばポリカーボネート系のポリウレタ
ンは、原料化合物の1つとしてポリカーボネートポリオ
ールを使用して製造される。このポリカーボネートポリ
オールはカーボネート源としてのカーボネート化合物を
多価アルコールと反応させることによって製造される
が、カーボネート源としては、安価であること、生成ポ
リカーボネートポリオール中への高沸点副生物の残留が
ないことなどの理由でエチレンカーボネートが工業上、
好適であるとされている。このエチレンカーボネートを
使用する方法では、多価アルコールとのエステル交換反
応に伴って生成するエチレングリコールを反応中、系外
に留出させる必要があるが、エチレンカーボネートはエ
チレングリコールと共沸しうることから、エチレングリ
コールの留出と同時にエチレンカーボネートが失われて
しまうという問題がある。しかしながら、この問題も反
応系にエチレングリコールの共沸溶媒を存在させ、エチ
レングリコールを該共沸溶媒との共沸混合物として系外
に除去することによって解決される(特開昭51−14
4492号公報参照)。
【0004】一方、最近ポリエステル系とポリカーボネ
ート系の短所を補い、両者の長所を合わせもつポリウレ
タンとして、ポリエステルカーボネートポリオールをソ
フトセグメントとするポリウレタンが提案されている。
たとえばポリエステルカーボネートジオールを用いたポ
リウレタンは、柔軟性、耐久性、耐寒性、力学的性能を
同時に満足し、特に弾性繊維に有用である。
【0005】ポリエステルカーボネートポリオールは、
ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオ
ールを製造するときに用いられる通常の方法を、基本的
にはそのまま応用して製造することができる。たとえ
ば、カーボネート化合物、有機ジカルボン酸および多価
アルコールを一度に反応器に仕込み、エステル化および
エステル交換反応を並行して進行させることによってポ
リエステルカーボネートポリオールが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの検討によ
ると、上記のエチレンカーボネートおよび共沸溶媒を使
用するポリカーボネートポリオールの製造方法を、分子
主鎖の中にエステル基とカーボネート基の両方をランダ
ムな配列で含有するポリエステルカーボネートポリオー
ルの製造法に応用し、エチレンカーボネート、多価アル
コールおよび有機ジカルボン酸の混合物を反応させたと
ころ、ジカルボン酸と多価アルコールの反応は順調に進
むが、共沸溶媒を種々選定しても、エチレンカーボネー
トが少なからず留出して失われる上に、反応自体も著し
く遅くなり、さらに反応時間を極めて長くとっても、エ
チレンカーボネートの一部が未反応のまま残り、そのた
め、エチレンカーボネート基準での収率が低い上、所望
のエステル基とカーボネート基のモル比が再現されない
などの問題点が存在することが判明した。ポリエステル
カーボネートポリオールは、エステル基とカーボネート
基の存在比がポリウレタンの性質に多大な影響を与える
ため、所望の存在比が厳密に再現されるよう反応条件を
コントロールする必要がある。したがって、上記の方法
は、工業的な製造方法に適しているとは言い難い。
【0007】本発明の目的は、エステル基とカーボネー
ト基のモル比を所望の値に再現性よくコントロールする
ことができ、原料の利用率が高く、かつ反応速度の高い
工業的に好適なポリエステルカーボネートポリオールの
製造法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、エチレンカーボネートを炭素数3以上の多価ア
ルコールと該エチレンカーボネートの反応率が80%以
上となるまで反応させ、次いで得られた反応混合物を有
機ジカルボン酸と混合して反応させることからなり、か
つ反応中、生成するエチレングリコールを溶媒との共沸
混合物として反応系外に除去することを特徴とするポリ
エステルカーボネートポリオールの製造方法を提供する
ことにより達成される。
【0009】本発明によると、ポリエステルカーボネー
トポリオールの製造は、2段階にわけて実施される。第
1段階では、炭素数3以上の多価アルコールとエチレン
カーボネートを、好ましくは15:1乃至1:2のモル
比で、エチレングリコールの共沸溶媒の存在下に、生成
するエチレングリコールを共沸溶媒と共に系外に留出さ
せながらエステル交換反応させる。この第1段階での反
応温度としては、十分な反応速度を達成する観点から、
120℃以上が好ましく、140℃以上がより好まし
い。一方、反応温度の上限についてみると、エチレンカ
ーボネートの分解による損失を防止する観点から反応温
度は260℃を越えないことが好ましく、さらにエチレ
ンカーボネートの反応系外への留出による損失をも防止
しうる観点から240℃を越えないことがより好まし
く、エチレンカーボネートの分解および留出による損失
を防止し、かつ得られるポリエステルカーボネートポリ
オールの分子中へのエーテル結合の混入を抑制しうる観
点から220℃を越えないことがいっそう好ましい。
【0010】第1段階の反応において、エチレンカーボ
ネートは、最初から全量、反応系に仕込んでもよいが、
エーテル結合が最終生成物のポリエステルカーボネート
ポリオールの分子中に少割合ながら混入することもある
ので、それを防止する観点からは、連続的に反応系にフ
ィードする方が好ましい。なお、多価アルコールは、最
初から反応系に全量入れておく方が見かけの反応速度が
速くなり、反応時間が短くて済むことから好ましい。
【0011】第2段階は、上記第1段階の反応におい
て、エチレンカーボネートの反応率が80%以上となっ
た時点において、得られた反応混合物を有機ジカルボン
酸と混合して反応させることにより開始される。
【0012】本発明におけるエチレンカーボネートの反
応率とは、使用したエチレンカーボネートおよび多価ア
ルコールの間において生起しうるポリカーボネートを与
えるエステル交換反応におけるエチレンカーボネートの
理論消費量に対する実際の消費量の百分率である。エチ
レンカーボネートの反応率は、エチレングリコールの反
応系からの留出量からも判断できるが、プロトンNMR
を測定する方が正確に求められることから望ましい。プ
ロトンNMRの測定は、一般的に使用されている方法に
従って、試料を、重水素置換クロロホルムなどの共鳴を
起こさない溶媒に溶解して、テトラメチルシランなどの
内部標準をもとに測定する方法が取られる。エチレンカ
ーボネートはメチレンのピークがδ値で4.5ppm付
近に特徴的に現れるが、このピークの面積強度を、基準
ピークたとえば多価アルコールのピークあるいは別途入
れた内部標準物質のピークの面積強度に対して定量する
ことによって、正確にエチレンカーボネートの反応率が
算出される。
【0013】エチレンカーボネートの反応率、即ち消費
率が80%以上となったところが、第2段階の開始点で
あり、この時第1段階で得られた反応混合物に有機ジカ
ルボン酸を全量あるいは連続的に反応系に仕込み反応さ
せる。反応率が80%より低いところで、有機ジカルボ
ン酸を反応させると、エチレンカーボネートの反応が遅
くなり、最終到達点の反応率も低くなる結果、未反応の
エチレンカーボネートが残り、ポリエステルカーボネー
トポリオールのエステル基とカーボネート基のモル比が
所望のものと大きくかけ離れるばかりでなく、収率も低
くなる。使用したエチレンカーボネートの利用率および
反応速度が特に高められる観点から、第2段階の開始点
は、エチレンカーボネートの反応率が90%以上の時点
が好ましい。
【0014】第2段階で採用する反応温度は、目的とす
るポリエステルカーボネートポリオールを、分解を抑制
しながら短い反応時間で得る観点からは、120〜26
0℃の範囲内であることが好ましく、140〜240℃
の範囲内であることがより好ましい。
【0015】第2段階では、実質的にエステル化反応と
エステル交換反応の両方が起こるが、エステル化反応の
到達程度は、反応混合物についてカルボン酸末端基の定
量すなわち酸価を測定すれば、容易に認識しうる。なお
エステル化反応で生成する水は、反応を促進させる観点
から、単独で、または溶媒との共沸混合物の形で反応系
から連続的に留出させるのが好ましい。
【0016】本発明において溶媒を反応系に存在させる
主目的は生成するエチレングリコールを共沸混合物の形
で選択的に反応系外に除去する点にあるので、もはやエ
チレングリコールの生成が実質的になくなった時点にお
いては溶媒を反応系に存在させることはとくに必要でな
い。したがって、第2段階の後半、好ましくはエチレン
カーボネートの反応率が95%以上となった時点から
は、反応系から溶媒を留去しながら反応を行ってもさし
つかえない。
【0017】第2段階の後期は、通常、過剰分の多価ア
ルコール、溶媒等の低沸点物質を減圧下で留去しながら
反応を行い、生成ポリエステルカーボネートポリオール
の分子量を所望の値に到達させる。なお、ポリエステル
カーボネートポリオールの分子量は、末端水酸基定量法
等により容易に測定することが可能である。
【0018】本発明の製造方法で使用される炭素数3以
上の多価アルコールとしては、脂肪族ジオール、環状脂
肪族ジオール、3価以上の多価アルコールなどの一種以
上のヒドロキシ化合物である。脂肪族ジオールとして
は、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオ−ル、1,8−オクタンジオール、2−
メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジ
オール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカ
ンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられ、
環状脂肪族ジオールとしては、1,3−シクロヘキサン
ジオ−ル、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン等が用
いられる。また、2価を越える価数のポリエステルカー
ボネートポリオールを製造する際には、該ポリオールが
有すべき所望の水酸基の数に応じてたとえばトリメチロ
ールプロパンやデカントリオール等の3価以上の多価ア
ルコールを、多価アルコールの少なくとも一部の成分と
して使用することが必要である。
【0019】本発明で用いられるポリエステルカーボネ
ートポリオールを製造するための有機ジカルボン酸とし
ては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸やフタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、ポリ
エステルカーボネートポリオールを用いたポリウレタン
などの最終製品に求められる物性等に応じて任意に選択
することができる。これらのジカルボン酸は単独でもま
た2種以上混合しても使用できる。有機ジカルボン酸
は、固体状、溶融液状、溶液状等任意の形態で反応系に
供給しうる。
【0020】本発明では、生成するエチレングリコール
を反応中に反応系外に除去するために、エチレングリコ
ールと共沸する溶媒を反応系に存在させる。かかるエチ
レングリコールと共沸する溶媒としては、反応に悪影響
を及ばさないこと、エチレングリコールの除去能力の点
でエチレングリコールを高い割合で含む共沸混合物を形
成しうること、好適な反応温度に合致した100〜26
0℃の沸点を有すること、および回収し循環再利用する
ことが容易となる点でエチレングリコールに対して実質
的に不溶性であることの諸条件を満足するものが好まし
い。さらには、第2段階における水の生成を伴うエステ
ル化反応を促進させることが可能となる点で、エチレン
グリコールのみならず水とも共沸混合物を形成しうる性
質をもあわせ持つ溶媒がより好ましい。このような好ま
しい溶媒の例としては、トルエン、キシレン、クメン、
プソイドクメン、メシチレン、テトラメチルベンゼン、
シメン、ジエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等
の芳香族炭化水素が挙げられる。中でも、エチレングリ
コールの除去能力が特に高い点においてプソイドクメン
が好ましく、上記諸条件を高度に満足し、かつ安価であ
る点においてクメンまたはキシレンが好ましい。なお、
本発明においてはエチレングリコールと共沸する溶媒
を、通常、使用するエチレンカーボネートおよび多価ア
ルコールの合計重量基準で5%以上の重量を反応系に存
在させる。得られるポリエステルカーボネートポリオー
ルの分子中へのエーテル結合の混入を防止する観点から
は、10%以上の重量の溶媒を反応系に存在させること
が好ましい。また十分な反応速度を達成する目的におい
て、溶媒の存在量は、同じ基準で1000%を越えない
ことが望ましい。
【0021】本発明に従う反応は触媒を存在させないで
も進行するが、触媒により促進される。これに適した触
媒としては、リチウム、ナトリウム、チタン、スズ、マ
グネシウムなどの金属、これらのアルコキシドなどがあ
る。特に好ましいのは、チタン、スズなどの金属の有機
金属化合物である。
【0022】本発明で得られるポリエステルカーボネー
トポリオールは、分子末端に平均して2個以上の水酸基
を有し、エステル結合(−CO−O−)とカーボネート
結合(−O−CO−O−)の両方が分子主鎖中に通常、
ランダム配列で導入された高分子化合物である。好適な
ポリエステルカーボネートポリオールは、最終製品とし
て得られるポリウレタン等の要求物性により異なるが、
一般にエステル結合数/カーボネート結合数の比が90
/10〜20/80であり、数平均分子量が500〜3
500のものである。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例中の1H−NMR、エチ
レンカーボネートの反応率、E/C比(エステル結合数
/カーボネート結合数の比)、酸価、水酸基価(ポリエ
ステルカーボネートポリオールの数平均分子量を決定す
るために使用)およびランダム度は以下の方法で測定し
た。
【0024】・1H−NMR 日本電子(株)製GSX270(270MHz)を用い
て、テトラメチルシランを内部標準として測定した。
【0025】・エチレンカーボネートの反応率 反応溶液に、ジフェニルメタン(メチレン基の化学シフ
ト:δ3.9ppm)を基準物質として別途添加し、2
70MHz1H−NMR(溶媒:CDCl3)を測定し、
δ値で4.5ppmのエチレンカーボネートのメチレン
基のシグナルの面積強度を該ジフェニルメタンのメチレ
ン基のシグナルの面積強度と比較することによって算出
した。
【0026】・エステル結合数/カーボネート結合数の
比(E/C比) ポリエステルカーボネートポリオールの270MHz1
H−NMR(溶媒:CDCl3)を測定して、該ポリエ
ステルカーボネートポリオールのE/C比を次式にした
がって求めた。
【0027】E=[2b/(a+b)]×100 C=[(a−b)/(a+b)]×100
【0028】(ここで、aはδ4.27〜4.00pp
mのシグナル(−CH2OC(=O)O−および−CH2
OC(=O)−)の積分強度を表し、bはδ2.29p
pmのシグナル(−CH2C(=O)O−)の積分強度
を表す)
【0029】・酸価 ポリエステルカーボネートポリオールのサンプルを精確
に計り取り、アセトンに溶解した。指示薬としてフェノ
ールフタレインを用い、水酸化カリウムのメタノール溶
液で滴定した。酸価は、次式により算出した。
【0030】酸価(mgKOH/g)=[f×(a−
b)×5.61]/S
【0031】(ここで、aは滴定所要量(ml)を表
し、bはブランクの滴定所要量(ml)を表し、fは
0.1規定の水酸化カリウムのメタノール溶液のファク
ターを表し、Sはサンプルの重量(g)を表す)
【0032】・水酸基価 ポリエステルカーボネートポリオールのサンプルを精確
に計り取り、エステル化剤に溶解した。これを100℃
のオイルバス中で撹拌しながら1時間加熱し、室温まで
冷却して、過剰のエステル化剤を蒸留水で分解し、逆滴
定を行うことによって、次式に従い水酸基価を求めた。
【0033】水酸基価(mgKOH/g)=酸価+[f
×(b−a)×28.05]/S
【0034】(ここで、aは滴定所要量(ml)を表
し、bはブランクの滴定所要量(ml)を表し、fは
0.5規定の水酸化カリウム水溶液のファクターを表
し、Sはサンプルの重量(g)を表し、酸価はサンプル
の酸価(mgKOH/g)を表す)
【0035】・ランダム度 ポリエステルカーボネートポリオールのランダム度は、
500MHz1H−NMR(日本電子製GX−500を
使用)を測定して、ポリマー分子中の3−メチル−1,
5−ペンタンジオール由来の構成部分のメチル基のシグ
ナルを解析することにより求めた。ポリマー分子中には
次に示す5種類の3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル由来の構成部分が存在する。その5種類の構成部分の
化学構造とそれぞれのメチル基のシグナルの化学シフト
値(δ値)を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】これらのシグナルを分離し、表1の構造
a、bおよびcの各メチル基のシグナルの面積強度を求
め、次式によりランダム度を求めた。
【0038】ランダム度=[(0.5×B)/(A+
0.5×B)]+[(0.5×B)/(C+0.5×
B)]
【0039】(ここで、Aは構造aのメチル基のシグナ
ルの面積強度を表し、Bは構造bのメチル基のシグナル
の面積強度を表し、Cは構造cのメチル基のシグナルの
面積強度を表す)
【0040】また使用した化学物質を表2に示す略号で
示す場合がある。
【0041】
【表2】
【0042】実施例1 層分離管を介して冷却器を頂部に取り付けたヒグリュー
型分留管(φ30×H700mm)、撹拌翼および滴下
ロートを装着した1000ml三つ口フラスコを反応装
置として使用した。
【0043】フラスコにMPD(165g,1.4mo
l)およびプソイドクメン(pCu,145g)を入
れ、これらの混合液を、500rpmの速度で撹拌しな
がらオイルバス(205℃)中で加熱した。溶媒のpC
uが分留管塔頂の層分離管(ここでのpCuの滞留量は
最大27g)および冷却器で0.5kg/h程度の速度
で還流し始めたら、EC(22g,0.25mol)を
滴下ロートより一度に添加し、さらに滴下ロートよりE
C(22g,0.25mol)を溶融状態で3時間かけ
て滴下した。この間、溶媒は0.5kg/h程度の速度
で還流し、ECの反応によって生成し、pCuと共沸し
て層分離管に溜まったエチレングリコールを間欠的に抜
き出した。ECの滴下終了後も引き続き反応を継続し、
ECの反応率が90%に達した時点(6時間後)でAZ
(94g,0.5mol;仕込み組成(全て反応したと
きの値):カーボネート結合数/エステル結合数=33
/67に相当)を固体のまま、一度に添加した。この
後、AZのエステル化反応によって生成し、pCuと共
沸して層分離管に溜まった水を間欠的に抜き出した。A
Z添加後2時間の時点で触媒のテトライソプロピルチタ
ネート(使用したMPD、ECおよびAZの合計重量基
準で15ppm)を添加した。ついで、常圧(AZ添加
後3時間めまで)および100mmHg(AZ添加後3
時間めから5時間めまでの間)でpCuを留去した。こ
の時点で反応混合物の酸価は0.1以下であった。ま
た、この時、既にECの反応率は100%に達してい
た。pCuの全量を留去したのち1mmHgで過剰のM
PDを留去し、分子内にエステル結合とカーボネート結
合の両方を有し、かつ両末端にヒドロキシル基を有す
る、数平均分子量2680のポリエステルカーボネート
ジオール(1H−NMRは以下の通り)を得た。
【0044】1H−NMR(270MHz,CDC
3),(多重度,相対強度):δ4.27−4.00
(m,22.0),δ3.7(m,2.0),δ2.2
9(t,11.2),δ1.83−1.38(m,4
5.5),δ1.32(m,19.5),δ0.96
(m,18.0)
【0045】得られたポリエステルカーボネートジオー
ルの製造条件、組成、分子量等を表3にまとめて示す。
表3から明らかなようにポリエステルカーボネートジオ
ールの分子内のエステル結合数とカーボネート結合数の
比は68/32で、ほぼ仕込み原料の組成比に近い値を
示した。エチレンカーボネートの副反応に起因するエー
テル結合は全く認められなかった。また、エステル結合
とカーボネート結合のランダム度は0.95でほぼ1に
近く、両結合はほぼ完全にランダムに導入されていた。
【0046】比較例1 反応装置は実施例1と同様のものを用いた。また、仕込
み組成についても実施例1と同様にした。
【0047】溶媒のpCuが分留管塔頂の層分離管およ
び冷却器で0.5kg/h程度の速度で還流し始めたら
EC(溶融状態)およびAZ(溶融状態)を同時にそれ
ぞれ3時間かけて滴下した。この間、溶媒は0.5kg
/h程度の速度で還流し、ECの反応によって生成し、
pCuと共沸して層分離管に溜まったエチレングリコー
ルおよび水を間欠的に抜き取った。AZ滴下終了の時点
で触媒のテトライソプロピルチタネート(15ppm)
を添加した。ECおよびAZの滴下終了後も引き続き反
応を継続した。反応開始後7時間で酸価は0.1以下と
なりAZの反応は実質上終了したが、ECは反応率が8
8%の時点から消費されなくなった。反応を開始して1
4時間後に常圧で1時間、ついで100mmHgで1時
間を要してpCuを留出させた。pCu留出後、1mm
Hgで過剰のMPDを留去し、数平均分子量2590の
ポリエステルカーボネートジオール(1H−NMRは以
下の通り)を得た。
【0048】1H−NMR(270MHz,CDC
3),(多重度、相対強度):δ4.27−4.00
(m,22.0),δ3.7(m,1.8),δ2.2
9(t,13.2),δ1.83−1.38(m,4
4.5),δ1.32(m,18.3),δ0.96
(m,17.2)
【0049】得られたポリエステルカーボネートジオー
ルの製造条件、組成、分子量等を表3にまとめて示す。
該ポリエステルカーボネートジオールは、分子両末端に
ヒドロキシル基を有し、エステル結合とカーボネート結
合が実質上ランダムに導入されたもの(ランダム度:
0.97)であるが、分子内のエステル結合数とカーボ
ネート結合数の比は80/20となって、仕込み値(6
7/33)とは大きく違っていた。
【0050】比較例2 AZを反応初期に一括仕込すること以外は比較例1と同
様にして、ポリエステルカーボネートジオールの製造を
行った。製造条件と結果を表3に示す。この方法におい
ても分子末端にヒドロキシル基を有し、エステル結合と
カーボネート結合が実質上ランダムに導入された(ラン
ダム度:1.02)ポリエステルカーボネートジオール
が得られたが、エチレンカーボネートの最終反応到達率
は87%にとどまった。そのためにエステル結合数とカ
ーボネート結合数の比は82/18となり、仕込値(6
7/33)とは大きく違ったものであった。
【0051】実施例2〜5 実施例1で用いたものと同様な反応装置を用い、表3ま
たは表4に示した組成および製造方法でポリエステルカ
ーボネートジオールの製造を行った。表3および表4に
示すように、エチレンカーボネートの最終到達反応率は
ほぼ100%を示し、いずれもE/Cは仕込量のそれに
きわめて近い値を示した。
【0052】比較例3 実施例1で用いたものと同様な反応装置を用い、表4に
示した組成および製造方法でポリエステルカーボネート
ジオールの製造を行った。エチレンカーボネートの最終
到達反応率は92%にとどまり、E/C比も60/40
で、仕込値(50/50)とは大きく異なっていた。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の製造方法によれば、エチレンカーボネートの反応率
を高めることができ、また所望のモノマー組成比のポリ
エステルカーボネートポリオールを再現性よく製造する
ことが可能となる。したがって本発明は、ポリエステル
カーボネートポリオールの工業的製造法として好適であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンカーボネートを炭素数3以上の
    多価アルコールと該エチレンカーボネートの反応率が8
    0%以上となるまで反応させ、次いで得られた反応混合
    物を有機ジカルボン酸と混合して反応させることからな
    り、かつ反応中、生成するエチレングリコールを溶媒と
    の共沸混合物として反応系外に除去することを特徴とす
    るポリエステルカーボネートポリオールの製造方法。
JP04037262A 1992-01-27 1992-01-27 ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法 Expired - Fee Related JP3118299B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04037262A JP3118299B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04037262A JP3118299B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05202175A true JPH05202175A (ja) 1993-08-10
JP3118299B2 JP3118299B2 (ja) 2000-12-18

Family

ID=12492750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04037262A Expired - Fee Related JP3118299B2 (ja) 1992-01-27 1992-01-27 ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3118299B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995001325A1 (en) * 1993-06-29 1995-01-12 The Dow Chemical Company Polyols useful for preparing polyurethane foams having improved retention of insulative properties, polyurethane foams prepared therewith and methods for the preparation thereof
WO2012056878A1 (ja) * 2010-10-29 2012-05-03 コニカミノルタオプト株式会社 マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102294690B (zh) * 2011-05-12 2013-07-03 哈尔滨工业大学 面向空间大型机械臂和交会对接的大容差对接捕获装置
CN103386688B (zh) * 2013-07-30 2015-03-11 哈尔滨工业大学 一种用于空间机器人末端的工具更换装置
CN113879570B (zh) * 2021-11-18 2022-04-19 中国科学院空间应用工程与技术中心 一种航天器主动捕获装置以及对接装置及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995001325A1 (en) * 1993-06-29 1995-01-12 The Dow Chemical Company Polyols useful for preparing polyurethane foams having improved retention of insulative properties, polyurethane foams prepared therewith and methods for the preparation thereof
WO2012056878A1 (ja) * 2010-10-29 2012-05-03 コニカミノルタオプト株式会社 マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法
JPWO2012056878A1 (ja) * 2010-10-29 2014-03-20 コニカミノルタ株式会社 マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法
JP5859974B2 (ja) * 2010-10-29 2016-02-16 コニカミノルタ株式会社 マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3118299B2 (ja) 2000-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0646567B1 (en) Organotin catalyzed transesterification
JP3033778B2 (ja) ポリカーボネートポリオール
JP3399465B2 (ja) イソソルビドをコモノマーとして含有させたポリエステルおよびそれの製造方法
US3185670A (en) Pressure esterification
EP0915926B1 (en) Improved process for preparing high molecular weight polyesters
JP2002512268A (ja) イソソルビド含有ポリエステルおよびそれの製造方法
JP3488950B2 (ja) ランタン化合物の触媒を用いるエステル交換法
JP3118299B2 (ja) ポリエステルカーボネートポリオールの製造方法
JPH0249025A (ja) ポリカーボネートジオール
EP0802938B1 (en) Process for producing polyethylene naphthalate
JP3985264B2 (ja) 高官能ポリカーボネートポリオールの製造方法
JP2879685B2 (ja) ポリカーボネートジオール
JP2005133093A6 (ja) ナフタレンジカルボン酸のエステル化反応生成物混合液または混合物およびこれらの製造方法、ならびにポリエチレンナフタレートの製造方法
JP3508568B2 (ja) ポリカーボネートポリオールの製造方法
JPH03126719A (ja) ポリエステルポリオール組成物の製造方法
JP2001048968A (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造法
EP0240197A2 (en) Improved reaction time for the manufacture of diphenylisophthalate/diphenylterephthalate mixture
EP0665858B1 (en) Process for preparing aliphatic polyesters
JPH10231360A (ja) ポリカーボネートジオールの製造方法
JPH0912691A (ja) 高分子量脂肪族ポリエステルの製造方法
JPS6245251B2 (ja)
JPH10237169A (ja) 共重合ポリエステルの連続製造方法
JPH0372653B2 (ja)
KR19980040297A (ko) 타이어 코드용 폴리에스테르 칩 및 그의 제조방법.
JPH08217867A (ja) ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071006

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081006

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees