JP3508568B2 - ポリカーボネートポリオールの製造方法 - Google Patents
ポリカーボネートポリオールの製造方法Info
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Description
トマー、塗料等の各分野で使用されるポリウレタンの原
料として使用されるポリカーボネートポリオールの製造
方法に関する。さらに詳しくは、ジアリールカーボネー
トと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に
よって、着色が少なく、かつ副反応が少ないポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法に関する。
シ化合物のエステル交換反応によりポリカーボネートポ
リオールを製造する方法としては、無触媒でポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法(特公昭45−955
3号公報、特公昭46−4693号公報など参照)、あ
るいはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属
やアルカリ土類金属のアルコキシド、三塩化チタン、四
塩化チタン、テトラエチルチタネート、テトラ−iso
−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート
などの塩基性化合物や有機金属化合物を触媒とするポリ
カーボネートポリオールの製造方法(特開昭61−15
1235号公報、特開昭62−187725号公報、特
開昭64−118号公報、特開平2−49025号公
報、特開平2−175721号公報など参照)などが公
知である。しかし、これらの製造方法においては、ジメ
チルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジアル
キルカーボネートを原料とした場合と比較して、例えば
ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート
から生成したポリカーボネートポリオールの着色が大き
いという問題がある。
ジメチルカーボネートやジエチルカーボネートなどのジ
アルキルカーボネートを原料とするポリカーボネートポ
リオールの製造方法では、エステル交換反応の速度が遅
いためにエステル交換触媒を用いることが報告されてい
る(特開昭51−83693公報、特開昭51−836
94公報、特開昭61−151263公報、特開平2−
284918号公報、特開平2−284919号公報な
ど参照)。
の製造方法において、エステル交換触媒として塩基性が
比較的強いアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を使用
すれば、反応速度は速くなるが、副反応が起きて両末端
が水酸基のポリカーボネートポリオールができず、さら
にこのポリカーボネートポリオールからポリウレタンを
製造する際に、イソシアネートと異常反応を起こしウレ
タン化反応の制御ができない。また、エステル交換触媒
としてチタンやスズのアルコキシド等の有機金属化合物
を用いた場合は、副反応が抑えられ、着色も少ないポリ
カーボネートポリオールを製造することができる。しか
し、このポリカーボネートポリオールを用いてポリウレ
タンを製造した場合、残存する触媒の影響でイソシアネ
ート化合物とのウレタン化反応の制御が困難となった
り、反応中にゲル化したりするために、水等で触媒の不
活性化処理(特開昭64−1724号公報など参照)を
行わなければならず、工業的に経済的ではない。また、
ブレンステッド酸や酸性のアルカリ金属塩やアルカリ土
類金属塩などを添加する場合、これら添加剤には触媒作
用がなく、脂肪族カーボネート化合物とポリヒドロキシ
化合物のエステル交換反応が進行しない。
公報には、分子中に1個以上のエポキシ基を含有するエ
ポキシ基含有化合物と有機チタン化合物、無機チタン化
合物等のチタン化合物との存在下にジアリールカーボネ
ートとポリヒドロキシ化合物とのエステル交換を行うこ
とによって、着色が少ない高品位のポリカーボネートポ
リオールを製造する方法が開示されている。しかし、こ
の方法は、原料のジアリールカーボネートとして、例え
ばフェノールにホスゲンを作用させて得られるジフェニ
ルカーボネート等が使用される場合を対象とするもので
あり、原料のジアリールカーボネート中にもともと存在
するか、あるいはエステル交換反応中に発生するハロゲ
ン化水素を前記エポキシ基含有化合物と反応させること
によって生成するヒドロキシル基末端化合物を系外へ排
出せしめ、副反応および/または着色を防止しようとす
るものであるため、工程が煩雑であり、ポリカーボネー
トポリオールの製造方法としては経済的ではないという
欠点がある。
カーボネートとポリヒドロキシ化合物から着色がなく、
かつ副反応の少ないポリカーボネートポリオールを製造
する方法を提供することを目的とする。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジアリールカー
ボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化合物とからポリカー
ボネートポリオールを製造するに際して、ブレンステッ
ド酸あるいはリン酸化合物を添加して前記ジアリールカ
ーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交
換反応を行わしめることにより、着色がなく、かつ副反
応の少ないポリカーボネートポリオールが得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
は、ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化
合物のエステル交換反応によってポリカーボネートポリ
オールを製造する方法において、上記反応をブレンステ
ッド酸の存在下に行うことを特徴とするポリカーボネー
トポリオールの製造方法を提供することで達成できる。
請求項2に記載の第2の発明は、ジアリールカーボネー
トと脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に
よってポリカーボネートポリオールを製造する方法にお
いて、上記反応をリン酸化合物の存在下に行うことを特
徴とするポリカーボネートポリオールの製造方法を提供
することで達成できる。
レンステッド酸を脂肪族ポリヒドロキシ化合物に対して
0.0001〜0.2モル%の割合で用いる上記第1の
発明に係わるポリカーボネートポリオールの製造方法
を、請求項4に記載の第4の発明は、リン酸化合物を脂
肪族ポリヒドロキシ化合物に対して0.0001〜0.
2モル%の割合で用いる上記第2の発明に係わるポリカ
ーボネートポリオールの製造方法を、それぞれ、提供す
ることで達成できる。
は、ジアリールカーボネートに対する脂肪族ポリヒドロ
キシ化合物のモル比が1.01〜3.00である上記第
1〜第4の発明のいずれか1つに係わるポリカーボネー
トポリオールの製造方法を提供することで達成できる。
明する。本発明に用いるジアリールカーボネートのアリ
ール基には各種置換基を持っていてもよく、また、アリ
ール基の種類としては同一でも異なっていても良い。こ
のようなアリール基として具体的には、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、ア
ントリル基、フェナントリル基、クロルフェニル基およ
びニトロフェニル基などが挙げられるが、本発明に用い
るジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボ
ネートが特に好ましい。
ロキシ化合物は、エチレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−
ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2
−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグ
リコール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、3
−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−
1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オク
タンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
ルコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどの脂肪族ジオール、1,3−シクロヘ
キサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−ジメチロールシクロヘキサン、2,2’−ビス
−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,
2,4,4−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオ
ールなどの環状脂肪族ジオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリ
オールなどの脂肪族トリオール、およびペンタエリスリ
トール、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソル
ビトールなどの脂肪族ポリオールなどである。これらの
脂肪族ポリヒドロキシ化合物は、単独もしくは2種以上
の混合物として使用することができる。
カーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエス
テル交換反応によって、着色がなく、かつ副反応の少な
いポリカーボネートポリオールを製造するに際して、ブ
レンステッド酸あるいはリン酸化合物を存在させる必要
がある。本発明に用いる前記ブレンステッド酸として、
具体的には、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、トリポリ
リン酸、ホウ酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、プロピオン
酸、アジピン酸、安息香酸およびベンゼンスルホン酸な
どを挙げることができる。これらの中でもホウ酸、シュ
ウ酸およびリン酸が好ましく、ホウ酸およびリン酸が特
に好ましい。なお、これらブレンステッド酸は、25℃
の水溶液中でのpKaが10以下の酸化合物である。こ
こにpKaとは、25℃の水溶液中での酸の解離定数を
Ka(モル/リットル)とするとき、下記数式(I)
が小さいほど、酸としては強いものとなる。使用する酸
化合物の25℃における水溶液中でのpKaが10より
大きくなると、前記ジアリールカーボネートと前記脂肪
族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応により得ら
れるポリカーボネートポリオールが着色するので好まし
くない。
具体例としては、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二
ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ルビ
ジウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウ
ム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、
リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、ビスリン
酸二水素カルシウムなどのリン酸のアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩が挙げられ、これらの中でも特に
リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど
のリン酸ナトリウム塩、およびリン酸水素二カリウム、
リン酸二水素カリウムなどのリン酸カリウム塩が好まし
い。
ド酸あるいは前記リン酸化合物の使用量は、前記脂肪族
ポリヒドロキシ化合物に対して0.0001〜0.2モ
ル%、好ましくは0.001〜0.1モル%であること
が望ましい。前記ブレンステッド酸あるいは前記リン酸
化合物の使用量が0.0001モル%より少ない場合
は、前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒド
ロキシ化合物のエステル交換反応により得られるポリカ
ーボネートポリオールが着色することがある。一方、前
記ブレンステッド酸あるいは前記リン酸化合物の使用量
を0.2モル%より多くすると、得られたポリカーボネ
ートポリオール中に残存するこれらブレンステッド酸あ
るいはリン酸化合物の影響で、該ポリカーボネートポリ
オールからポリウレタンを製造する際にポリウレタンの
物性低下をもたらす場合がある。
オールを製造する場合、前記脂肪族ポリヒドロキシ化合
物を仕込む割合は、前記ジアリールカーボネートに対す
るモル比で1.01〜3.00であることが望ましい。
前記ジアリールカーボネートに対する前記脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物のモル比が1.01より小さい場合、得
られるポリカーボネートポリオールの分子末端がすべて
水酸基にならない。また、3.00より大きいときは、
前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物のエステル交換反応に何ら有利な点はなく、過
剰量の前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物を留去しなけれ
ばならなくなるなど、工業的に不経済である。
造に際しての反応温度は特に制限するものではないが、
100〜300℃、好ましくは150〜250℃、さら
に好ましくは150℃〜220℃であることが望まし
い。反応温度が高温であれば、副反応として脱炭酸反応
や脱水反応が起こり、得られるポリカーボネートポリオ
ールの分子内にエーテル結合や、分子末端にビニル基が
できたりすることがある。また、低温度の場合には、エ
ステル交換反応の速度が遅く、極めて長い反応時間を要
したり、生成物の収率が低くなるなど経済的ではない。
のではなく、加圧、常圧、減圧のいずれの条件下で行う
ことも可能であり、本発明において使用する前記ジアリ
ールカーボネートに由来するヒドロキシアリール化合物
と前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物の沸点を考慮して決
定すればよい。例えば、反応初期には180℃以下の低
い温度で1〜4時間程度、続いて150〜250℃、好
ましくは150〜220℃程度で数時間、さらに同温度
で最終的に20mmHg以下となる圧力下で数時間、前
記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ
化合物のエステル交換反応を行うなど、公知の方法で行
うことができる。
に制限されるものではなく、槽型の反応器を用いてもよ
いし、管型の反応器を用いてもよいが、生成したヒドロ
キシアリール化合物と原料のジアリールカーボネートや
脂肪族ポリヒドロキシ化合物との分離が可能な装置とし
て蒸留塔を備えた反応器を用いることが望ましい。
成するヒドロキシアリール化合物を連続的に系外へ抜き
出して反応を進行させる必要がある。そこで、このヒド
ロキシアリール化合物の系外への抜き出しを助けるため
に、少量の窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを
減圧、常圧または加圧下に流通させながら前記反応を行
ってもよいし、常圧または加圧下に前記不活性ガスを封
入して前記反応を行ってもよい。
ボネートポリオールの製造に際してエステル交換触媒を
存在させる必要はないが、エステル交換触媒の存在下に
前記ジアリールカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物との反応を行うことを妨げるものではない。エ
ステル交換触媒の存在下に前記ジアリールカーボネート
と前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応
を行う場合、該反応には、エステル交換で通常用いられ
る触媒として、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アル
ミニウム、銅、スズ、鉛、アンチモンおよびセリウムの
ような金属ならびにこれら金属のアルコキシド;有機酸
のマグネシウム、カルシウム、セリウム、バリウム、亜
鉛、スズなどの金属塩;ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジラウレートなどの有機錫化合物などを用いるこ
とができる。ただし、前記ジアリールカーボネートと前
記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換反応に際
して存在させる上記エステル交換触媒と前記ブレンステ
ッド酸あるいはリン酸化合物の組み合わせによっては、
得られるポリカーボネートポリオールが着色してしまう
(例えば、前記ジアリールカーボネートとして炭酸ジフ
ェニルを使用する場合、エステル交換触媒としてチタン
触媒や炭酸カリウム等を使用すると、ポリカーボネート
ポリオールが着色する)などの問題が生じるので、上記
エステル交換触媒の選定には注意が必要である。
出発原料である前記ジアリールカーボネートおよび前記
脂肪族ポリヒドロキシ化合物の総重量の0.0001〜
1.0%が適当であり、好ましくは0.001〜0.2
%であることが望ましい。触媒の使用量が出発原料の総
重量の0.0001%より少ない場合は、前記ジアリー
ルカーボネートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエ
ステル交換反応が遅くなりポリカーボネートポリオール
の収率が低下することがある。また、出発原料の総重量
の1.0%より多く使用しても前記ジアリールカーボネ
ートと前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物のエステル交換
反応に何ら有利な点はなく、1.0%が必要かつ十分な
量である。
方法をさらに詳しく説明するが、本発明は、これら実施
例および比較例によって何ら限定を受けるものではな
い。なお、以下の実施例および比較例において、得られ
たポリカーボネートポリオールの諸物性は、それぞれ、
下記の方法によって求めた。
ールを無水フタル酸でエステル化し、過剰の無水フタル
酸を水酸化ナトリウムで逆滴定することにより測定し
た。
式(II)により算出した。
ボネートポリオール)を比色管に採り、APHA標準液
と比較して求めた。
有量 試料(ポリカーボネートポリオール)のNMRを測定す
ることにより、カーボネート基に対するエーテル基の含
有割合(%)として求めた。NMR測定に使用した機器
は、GSX−400(日本電子社製)である。
分子量:214.2、以下において同じ);21.42
g(0.100モル)と、1,6−ヘキサンジオール
(宇部興産(株)製、水酸基価:950mgKOH/
g、分子量:118.2、以下において同じ);17.
73g(0.150モル)とをヴィグリュー型分留管、
温度計および窒素導入管を付けた内容積50mlのフラ
スコに入れた。これら原料の仕込みはすべて窒素ガス雰
囲気下で行った。そこで、フラスコ内を減圧しながら仕
込んだ反応液を徐々に加熱し、180℃、減圧度200
torrに調整して1時間還流させた。次に、反応温度
を180℃に保持したまま、徐々に減圧度を上げていく
と、ジフェニルカーボネートに由来するフェノールが留
出してきた。反応が進行していきフェノールの留出がほ
とんどなくなった時点で、さらに減圧度を上げていき、
1,6−ヘキサンジオールを抜き出して反応を完結し
た。減圧度は最終的には7torrであった。なお、全
反応時間は6時間であった。
抜き出し量の合計は22.63gであり、その成分組成
は、1,6−ヘキサンジオール;21重量%、フェノー
ル;79重量%であった。また、得られたポリカーボネ
ートジオールの収量は15.25gであった。そこで、
このポリカーボネートジオールの水酸基価を測定したと
ころ、74.9mgKOH/gであり、前記式(II)に
より求められた数平均分子量は1500であった。
本電子社製、型式:GSX−400)を用いて上記ポリ
カーボネートジオールの構造分析を行ったところ、分子
末端にフェノキシ基が確認されなかった。また、分子末
端の水酸基が脱水反応を起こす結果生成するビニル基も
確認されなかったことから、得られたポリカーボネート
ジオールの分子末端がすべて水酸基になっていることが
分かった。また、上記得られたポリカーボネートジオー
ルの分子鎖中に含まれるエーテル基の割合はカーボネー
ト基に対して0.42%であった。さらにまた、上記ポ
リカーボネートジオールの着色度を調べるために、溶融
色(APHA)を測定したところ、200であり着色が
認められた。
ル)、1,6−ヘキサンジオール;17.85g(0.
151モル)およびリン酸二水素カリウム(KH2 PO
4 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分子量:136.
1);7.8mg(0.057ミリモル)を、比較例1
と同様のヴィグリュー型分留管、温度計および窒素導入
管を備えた内容積50mlのフラスコに入れた。これら
原料の仕込みはすべて窒素ガス雰囲気下で行った。そこ
で、フラスコ内を減圧しながら仕込んだ反応液を徐々に
加熱し、180℃、減圧度200torrに調整して1
時間還流させた。次に、反応温度を180℃に保持した
まま、徐々に減圧度を上げていくと、ジフェニルカーボ
ネートに由来するフェノールが留出してきた。反応が進
行していきフェノールの留出がほとんどなくなった時点
で反応温度を190℃に上げ、さらに減圧度を上げてい
き、1,6−ヘキサンジオールを抜き出すことにより反
応を完結した。減圧度は最終的には7torrになり、
全反応時間は6時間であった。
抜き出し量の合計は23.76gであり、その成分組成
は、1,6−ヘキサンジオール;19.4重量%、フェ
ノール;80.0重量%およびジフェニルカーボネー
ト;0.6重量%であった。そして、得られたポリカー
ボネートジオールの収量は15.17gであった。そこ
で、このポリカーボネートジオールの水酸基価を測定し
たところ、54.2mgKOH/gであり、前記式(I
I)により求められた数平均分子量は2070であっ
た。
MHzのNMR分析装置を用いて上記ポリカーボネート
ジオールの構造分析を行ったところ、分子末端には、原
料のジフェニルカーボネートに由来するフェノキシ基、
および、分子末端の水酸基が脱水反応を起こして生成す
るビニル基のいずれも確認されなかったことから、得ら
れたポリカーボネートジオールの分子末端がすべて水酸
基になっていることが分かった。また、上記得られたポ
リカーボネートジオールの分子鎖中に含まれるエーテル
基の割合はカーボネート基に対して0.20%であっ
た。さらにまた、上記ポリカーボネートジオールの着色
度を調べるために、溶融色(AHPA)を測定したとこ
ろ、25であり着色は認められなかった。このようにリ
ン酸化合物であるKH2 PO4 を使用することにより、
着色がなくかつ高品質のポリカーボネートジオールを得
ることができた。
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.34g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.61g(0.149モル)を仕
込んだこと、また、リン酸二水素カリウム;7.8mg
(0.057ミリモル)に代えて、リン酸水素二カリウ
ム(K2 HPO4 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分
子量:174.2);8.1mg(0.046ミリモ
ル)を仕込んだこと以外は、実施例1と全く同様の操作
により反応を行った。得られたポリカーボネートジオー
ルの収量は15.2gであり、そして、水酸基価は3
3.0mgKOH/g、分子量は3400、APHAは
25、カーボネート基に対するエーテル基含有量は0.
2%であった。また、実施例1と同様の操作による構造
分析の結果として分子末端にフェノキシ基ならびにビニ
ル基は確認されなかった。このようにリン酸化合物であ
るK2 HPO4 を使用することにより、着色がなくかつ
高品質のポリカーボネートジオールを得ることができ
た。
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.52g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.75g(0.150モル)を仕
込んだこと、またリン酸二水素カリウム;7.8mg
(0.057ミリモル)に代えて、オルトホウ酸(H3
BO3 、和光純薬工業社製、試薬特級品、分子量:6
1.8、25℃の水溶液におけるPKa:9.24)を
仕込んだこと以外は、実施例1と全く同様の操作により
反応を行った。得られたポリカーボネートジオールの収
量は15.7gであり、そして、水酸基価は55.5m
gKOH/g、分子量は2020、APHAは30、カ
ーボネート基に対するエーテル基含有量は0.3%であ
った。また、実施例1と同様の操作による構造分析の結
果として分子末端にフェノキシ基ならびにビニル基は確
認されなかった。このように25℃の水溶液中でのpK
aが9.24のブレンステッド酸であるH3 BO3 を使
用することにより、着色がなくかつ高品質のポリカーボ
ネートジオールを得ることができた。
ェニルカーボネートおよび1,6−ヘキサンジオールの
仕込み量に変えて、それぞれ、ジフェニルカーボネー
ト;21.42g(0.100モル)および1,6−ヘ
キサンジオール;17.73g(0.150モル)を仕
込んだこと、そして、リン酸二水素カリウム;7.8m
g(0.057ミリモル)に代えて、シュウ酸(C2 H
2 O4 ・2H2 O、和光純薬工業社製、試薬特級品、分
子量:126.0、25℃の水溶液におけるpKa:
1.04)を6.4mg(0.051ミリモル)仕込ん
だこと以外は、実施例1と全く同様の操作により反応を
行った。得られたポリカーボネートジオールの収量は1
6.3gであり、そして、水酸基価は33.0mgKO
H/g、分子量は810、APHAは60、カーボネー
ト基に対するエーテル基含有量は0.2%であった。ま
た、実施例1と同様の操作による構造分析の結果として
分子末端にフェノキシ基ならびにビニル基は確認されな
かった。このように25℃の水溶液中でのpKaが1.
04のブレンステッド酸であるシュウ酸を使用すること
により、着色がなくかつ高品質のポリカーボネートジオ
ールを得ることができた。
ば、ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒドロキシ化
合物のエステル交換反応によってポリカーボネートポリ
オールを製造するに際して、ブレンステッド酸またはリ
ン酸化合物を添加剤として加えることにより、着色がな
く、かつ副反応の少ない高品質のポリカーボネートポリ
オールを提供することができる。したがって、本発明の
方法により製造されるポリカーボネートポリオールは、
合成皮革、エラストマー、塗料等の各分野で使用され
る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性等に優れ、かつ経済
的に高品位のポリウレタンの原料として好適に使用され
得る。
Claims (5)
- 【請求項1】 ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物のエステル交換反応によってポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法において、上記反応を
ブレンステッド酸の存在下に行うことを特徴とするポリ
カーボネートポリオールの製造方法。 - 【請求項2】 ジアリールカーボネートと脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物のエステル交換反応によってポリカーボ
ネートポリオールを製造する方法において、上記反応を
リン酸化合物の存在下に行うことを特徴とするポリカー
ボネートポリオールの製造方法。 - 【請求項3】 ブレンステッド酸を脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物に対して0.0001〜0.2モル%の割合で
用いる請求項1に記載のポリカーボネートポリオールの
製造方法。 - 【請求項4】 リン酸化合物を脂肪族ポリヒドロキシ化
合物に対して0.0001〜0.2モル%の割合で用い
る請求項2に記載のポリカーボネートポリオールの製造
方法。 - 【請求項5】 ジアリールカーボネートに対する脂肪族
ポリヒドロキシ化合物のモル比が1.01〜3.00で
ある請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネ
ートポリオールの製造方法。
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