JP5589266B2 - ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 - Google Patents
ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5589266B2 JP5589266B2 JP2008150703A JP2008150703A JP5589266B2 JP 5589266 B2 JP5589266 B2 JP 5589266B2 JP 2008150703 A JP2008150703 A JP 2008150703A JP 2008150703 A JP2008150703 A JP 2008150703A JP 5589266 B2 JP5589266 B2 JP 5589266B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- formula
- alkylene
- poly
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 CC(C1CC*CC1)=C Chemical compound CC(C1CC*CC1)=C 0.000 description 2
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
また近年、加水分解酵素を用いた重合反応により、アルキレンジオール化合物とカーボネート化合物とを酵素を用いて反応させる方法についても報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1、及び非特許文献2参照)。
これらの酵素を用いる方法は、多くの場合、大量の酵素を用いて反応が行なわれている。その理由として、この酵素反応において、基質であるアルコール、または副生するアルコール化合物により、酵素は、失活しやすいことが一般的に知られており、例えば、C.antarcticaからのリパーゼは、グリセロールにより阻害されるということも既に報告されている(例えば、特許文献2参照)。更に同文献では、第二級アルコールを初期反応混合物に含まないことが好ましいとも記載されている。従って、アルキレンジオール化合物とカーボネート化合物とから、ポリ(アルキレンカーボネート)化合物を得るような重合反応においても同様に、原料のアルキレンジオール化合物や反応により副生するアルコール化合物は、酵素の変性剤となり、その活性を消失させる場合が多く、その結果、反応自体を止めてしまうことが分かっている。そのため、反応を十分に進行させるためには、この失活分を補うべく大量の酵素を適宜追加することが必要となるが、このような大量の薬品の使用、及び廃棄物を産出する方法は、工業的に好適な製造方法とはいい難かった。
即ち、本発明の製造方法により、副生するアルコール化合物を反応系外に除去することで、従来問題であったアルコール化合物による酵素の変性作用と失活を回避し、酵素を安定に存在させることで、アルキレンアシレート化合物を、効率的に製造することが可能となった。更に、得られたアルキレンアシレート化合物は、カーボネート化合物と反応させることで、前記と同様に、アルコール化合物を副生しない製造方法にて、ポリ(アルキレンカーボネート)を得ることが可能となった。
また、酵素を安定に存在させることで、重合反応を長期間行なうことが可能になり、様々な重合度のポリ(アルキレンカーボネート)を得ることが可能となった。
更に本発明で副生するエステル化合物は、従来の原料としてジオール化合物を使用した場合に副生するアルコール化合物よりも、低沸点であるという点から、反応系外への除去操作は有利である。そこで、副生するアルコール化合物を反応系から除去することで、可逆反応である本反応の平衡が目的物の生成方向へ移動し、速やかに反応が進行することを見出し、これを利用して、短い反応時間、かつ少量の酵素の使用でオリゴアルキレンカーボネート、及びポリアルキレンカーボネート化合物を得ることが可能となった。
下記反応式〔I〕より、加水分解酵素の存在下、式(1)で示されるアルキレンアルコール化合物(化合物(1))、式(2)で示されるエステル化合物(化合物(2))とを、副生する式(4)で示されるアルコール化合物を留去しながら反応を行い、式(3)で示されるアルキレンアシレート化合物(化合物(3))を得る。
工程B;
次に、下記反応式〔II〕より、工程Aで得られた化合物(3)に、式(5)で示されるカーボネート化合物(化合物(5))を加え、撹拌等により混合しながら、副生する化合物(7)を留去しながら反応を行なうことによって、目的物である式(6)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物を得る。
工程C;
或いは、下記反応式〔III〕より、工程Aで得られた化合物(3)に、式(8)で示されるカーボネート化合物(化合物(8))を加え、反応によって発生するエステル化合物(化合物(7’))を留去しながら反応を行なうことによって、目的物である式(9)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物を得る。
有機溶媒存在下、又は非存在下、加水分解酵素、式(1)で示されるアルキレンアルコール化合物、式(2)で示されるエステル化合物(化合物(2))とを撹拌等により混合し、引き続き、この溶液を減圧下、化合物(1)及び化合物(2)が除去されない程度の減圧下、及び/又は加熱条件下にて、反応により生じる式(4)で示されるアルコール化合物を留去しながら、目的物の式(3)で示されるアルキレンアシレート化合物(化合物(3))を含有する反応溶液を得る。
方法1と同様の反応条件、反応操作を行い、反応終了後、化合物(3)を含有する反応溶液から、目的とする化合物(3)の単離取得を行なう。
次に、得られた化合物(3)に、化合物(5)、又は化合物(8)を加え、撹拌等により混合しながら、例えば、化合物(5)、又は化合物(8)が除去されない程度の減圧下、及び/又は加熱条件下にて、副生する化合物(7)を除去しながら反応を行なうことによって、目的物である式(6)、或いは式(9)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物を合成する。
R1におけるアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ヘキサメチレン基、ドデカメチレン基等の飽和の直鎖状アルキレン基;例えば、下記の式にも示されるような、2−ブテン基(式(10))、2−ブチン基(式(11))、2,4−ヘキサジエン基(式(12)等の不飽和結合を有する直鎖状アルキレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基(式(13))、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−2−エチル−1,3−プロピレン基(式(14))、2−シクロプロピル−1,3−プロピレン基(式(15))、2−シクロペンチル−1,3−プロピレン基等の飽和の分岐状アルキレン基;2−メチル−1,4−ブチル−2−エン基(式(16))等の不飽和結合を有する分岐状アルキレン基、及びシクロブチレン基、シクロへキサメチレン基(式(17))等の飽和の環状アルキレン基;1,4−シクロへキサ−2−エン基(式(18))、1,4−シクロへキサ−2、5−ジエン基等の不飽和結合を有する環状アルキレン基を示す。
なお、不飽和結合を含有するアルキレン基において、不飽和結合は、結合末端部分以外の炭素原子と形成することが出来る。
置換基を有するアルキレン基の具体例としては、2−メチルペンチレン基、2−フルオロペンチレン基、3−クロロペンチレン基、3−メトキシペンチレン基、3−アミノペンチレン基、2−ジメチルアミノペンチレン基、3−クロロヘキシレン基、3,4−ジクロロヘキシレン基、及び3−シアノヘキシレン基、2―シアノ−2−ブテン基、2―フルオロ−2−ブテン基、1,4−ビス(メチレン)テトラフルオロフェニル基、2,5−ビス(メチレン)−3−ニトロ−チオフェニル基等が挙げられる。
式(2)において、R2が炭素原子数1から3のアルキル基を示し、置換基を有していても良い。R3は、炭素原子数1から4のアルキル基を示し、置換基を有していても良い。
R2、及びR3におけるアルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素数1〜4のアルコキシル基(各種異性体を含む);アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基(各種異性体を含む);シアノ基;ニトロ基等が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基及びジアルキルアミノ基が、挙げられるが、好ましくは、R2が置換基を有していても良い、メチル基、又はエチル基で、かつR3が、置換基を有していても良い、メチル基、又はエチル基、より好ましくは、R2がメチル基、及びエチル基で、かつR3が、メチル基、又はエチル基である。
式(5)において、R4及びR5は、同一又は相互に異なっていても良い、アルキル基、アリール基、アラルキル基を示し、置換基を有していても良い。
式(5)中、R4、及びR5におけるアルキル基としては、炭素原子数1〜10の直鎖状、又は炭素原子数3〜10の分岐鎖状、或いは環状のアルキル基を示し、直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、及びデシル基が挙げられ、分岐状のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、及びアミル基等が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、及びシクロデシル基等の炭素原子数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、及び炭素原子数3〜8の環状のアルキル基、より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びシクロプロピル基である。
置換基を有するアルキル基の具体例としては、3−メチルシクロブチル基、3−エチルシクロペンチル基、1−フルオロシクロプロピル基、2−クロロシクロプロピル基、3−フルオロシクロブチル基、2−クロロシクロブチル基、2−メトキシシクロプロピル基、3−アミノシクロペンチル基、4−ジメチルアミノシクロヘキシル基、2−クロロシクロヘキシル基、2,2−ジクロロシクロヘキシル基、及び2−シアノシクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは3−メチルシクロブチル基、1−フルオロシクロプロピル基、及び2−クロロシクロブチル基である。
R4、及びR5におけるアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基(各種異性体を含む);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子);メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素原子数1〜4のアルコキシル基(各種異性体を含む);メチレンジオキシ基等の炭素原子数1〜4のアルキレンジオキシ基、及びニトロ基が挙げられる。なお、これらの置換基は、前記アリール基に対して、1種以上有していてもよい。
式(7)中、Zは、R4、又はR5から一つ選ばれる。
式(8)において、R7は、炭素原子数1から20の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、芳香環含有又は複素環含有アルキレン基を示し、置換基を有していても良い。また、R6とR8は、同一又は相互に異なっていても良い、アルキル基、アリール基、及びアラルキル基を示し、置換基を有していても良い。更に、R6とR8が一緒になって環を形成してもよい。
R7として、好ましくは、炭素原子数2から12の飽和、又は不飽和結合を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基、及び炭素原子数4から20の芳香環含有又は複素環含有アルキレン基、より好ましくは、炭素原子数2から12の飽和、又は不飽和結合を有する直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキレン基である。
R6、及びR8として、好ましくは、炭素原子数1〜4の直鎖状、及び炭素原子数3又は4の分岐鎖状又は環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、及びジエチレンカーボネート、より好ましくは、R6、R8が同一で、かつメチル基、エチル基、フェニル基、及びベンジル基である。
式(7’)中、R2は、前記と同義である。また、Wは、前記と同義のR6又はR8から選ばれる。
式(6)において、その末端基;X及びYは、互いに同一又は異なっていても良く、前記と同義のR2、OR4、又はOR5から、それぞれ一つ選ばれる。
式(9)において、A及びBは、互いに同一又は異なっていても良く、前記と同義のR1、又はR7からそれぞれ一つ選ばれる。X’及びY’は、互いに同一又は異なっていても良く、前記と同義のR2、OR6、又はOR8からそれぞれ一つ選ばれる。n’は重合度を表わし、1以上の整数を示す。
ここで、末端基;X、Y、X’及びY’は、原料の仕込み比、反応条件によって左右されるが、多くの場合、R2を有するアシル基、又はOR4、OR5、OR5又はOR8を有するカーボネート基である。
、及び反応式〔III〕からは、以下の式(29)で示されるオリゴアルキレンカーボネート化合物、又はポリアルキレンカーボネート化合物(化合物(29));
として、末端に水酸基を有する目的物を製造することが出来る。
また、これらの化合物は、試薬または触媒中に含まれる水分、あるいは系外から混入した微量の水分によっても生成することがある。
式(27)において、X’’及びY’’は、互いに同一又は異なっていても良く、前記と同義のR2、OR6、OR8、O−R7−OHからそれぞれ一つ選ばれる。ここで、q、r、s、t、及びuは、括弧内の化学構造の個数を表わし、1以上の整数を示す。vは、R2を有するアシル基末端が加水分解され水酸基になった個数を示す。
前記化学的処理又は物理的処理方法としては、例えば、加水分解酵素を緩衝液に溶解させ(必要に応じて有機溶媒を存在させても良い)、これをそのまま、又は攪拌した後、凍結乾燥する等の方法が挙げられる。なお、ここでの凍結乾燥とは、例えば、J.Am.Chem.Soc.,122(8),1565−1571(2000)記載の水溶液又は水分を含む物質を急速に氷点以下の温度で凍結させ、その凍結物の水蒸気圧以下に減圧して水を昇華させて除去し、物質を乾燥させる方法である。なお、当該処理によって、触媒活性(反応性や選択性等)を向上させることができる。
本発明の反応において使用される有機溶媒としては、酵素を失活させない溶媒であれば特に限定されないが、脱水された溶媒を用いることが望ましい。
本発明の反応において使用される有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及びシクロヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類から選ばれる少なくとも一種が挙げられるが、好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、トルエン、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル又はテトラヒドロフラン、更に好ましくはn−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、及びアセトニトリル、特に好ましくはシクロヘキサン、トルエン、t-ブチルメチルエーテルである。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
そこで、本発明の方法では、このアルコール化合物(化合物(4)を、加熱下、又は/及び減圧下にて、反応系外に除去する操作を行いながら反応を行なう。
さらに、例えば、反応式〔II〕においては、原料のカーボネート化合物(化合物(5))よりも、より沸点の低いエステル化合物(化合物(7))が副生する。
そこで、本発明の方法では、このエステル化合物(化合物(7))を、加熱下、又は/及び減圧下にて、反応系外に除去する操作を行なうことが好ましい。
上記の操作により、反応の化学平衡が生成系へと移動することで、本反応が速やかに進行することが可能となり、より短い反応時間で、より高分子量の式(6)、式(9)、或いは式(27)で示されるポリカーボネート化合物を得ることができる。また、除去したエステル化合物(例えば、化合物(7))は、再度反応溶媒として使用することも出来る。
本発明の工程B、及びCの反応は、例えば、化合物(5)に対し、好ましくは、反応にて生じるエステル化合物(化合物(7)又は化合物(7’))が選択的に除去できるような、圧力条件を考慮した反応温度であり、より好ましくは、反応終了時に前記化合物(7)又は化合物(7’)が完全に除去されるような反応温度で実施することである。
反応式〔I〕では、原料である化合物(1)、化合物(2)又は化合物(3)に対し、反応にて生じる化合物(4)が選択的に留去できるような反応圧力に調整することが好ましく、反応式〔1〕終了時に前記化合物(4)が完全に留去されるように、0.13kPa以上、101.3kPa未満(1mmHg以上、760mmHg未満)にて反応圧力を調整することがより好ましい。
また、本発明の反応式〔II〕及び反応式〔III〕における反応圧力も、特に制限されず、常圧下、又は減圧下のいずれの条件でも行なうことができる。通常は、原料である化合物(3)、化合物(5)又は化合物(8)に対し、反応にて生じるエステル化合物(化合物(7)又は化合物(7’))が選択的に留去できるような、反応圧力に調整することが好ましく、反応式〔II〕及び反応式〔III〕終了時に前記化合物(7)又は化合物(7’)が完全に留去されるように、反応圧力の調整することがより好ましい。
ディーンスターク蒸留装置、圧力調整装置、温度調整装置、温度計、滴下装置及び撹拌措置を備えたガラス製反応容器に、酢酸メチル370g(5.0mol)、1,4-ブタンジオール90.1g(1.0mol)、カンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼ9.0g(Novozym 435(商品名);ノボザイム社製)とを加え、攪拌しながら40〜50℃で15.5時間反応させた後、減圧下で濃縮し、296.4gの酢酸メチルとメタノールの混合溶液を除去した。その残渣に酢酸メチル185g(2.5mol)を加え、攪拌しながら40〜50℃で9.0時間反応させた。反応後、158.1gの酢酸メチルとメタノールの混合溶液を除去した。その残渣に酢酸メチル74.1g(1.0mol)を加え、攪拌しながら40〜50℃で7.5時間反応させた。
反応後、92.0gの酢酸メチルとメタノールの混合溶液を除去し、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,4−ブタンジオールモノアセテート,1,4-ブタンジオールの混合溶液を得た。
次に、上記混合液に炭酸ジメチル450.1g(5.0mol)を加え、攪拌しながら50℃で16.5時間反応させた。その後、減圧下(6.0〜46.0kPa)で攪拌しながら、50℃で60時間反応させた。更に、この反応液にNovozym435 2.25gを添加し、減圧下(6.0kPa)で攪拌しながら75〜85℃で19時間反応させた(このときのpHをpH試験紙にて測定したところ、pH=6から7.5の範囲を呈色した)。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、アセトニトリル600mLを添加した。この溶液をろ過し、Novozym435を除去した。そのろ液を減圧下で濃縮した後、134.5gの濃縮物を得た。この濃縮物にメチル−tert−ブチルエーテル150mLを添加したところ白色結晶が析出したので、これをろ過した後、減圧下乾燥し、ポリ(ブチレンカーボネート)112,7gを白色結晶として得た。
得られたポリ(ブチレンカーボネート)の物性値は、以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm));1.77(4H,m)、4.16(4H,m)
13C−NMR(CDCl3,δ(ppm));25.2、67.3、155.2
元素分析;Calcd(C5H8O3)n:C51.71%;H,6.96%
Found:C,51.09%;H,6.72%
融点:63〜64℃
GPC(ポリスチレン基準:溶離液 テトラヒドロフラン)
数平均分子量 :3934
重量平均分子量 :7024
分散度 :2.077
圧力調整装置、温度調整装置、温度計、滴下装置及び撹拌措置を備えたガラス製反応容器に、1,6−ヘキサンジオールジアセテート681mg(3.4mmol)と1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン600mg(3.4mmol)を混合し、30℃に保ったままカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼ34mg(Novozym 435(商品名);ノボザイム社製)を加え、同温度で3時間攪拌して反応させた。次いで反応系内圧力を0.1kPa(1mmHg)に減圧して70℃で6時間攪拌して反応させた(このときのpHをpH計にて測定したところ、pH8.5であった。)。反応終了後、得られた反応溶液にテトラヒドロフラン5mLを加え、ろ過後、得られた濾液を減圧濃縮にて溶媒を除去したところ、目的物のポリ(エチレンカーボネート−co−ヘキサメチレンカーボネート)524mgを白色固体として得た。
得られたポリ(エチレンカーボネート−co−ヘキサメチレンカーボネート)の物性値は、以下の通りであった。
1H−NMR(CDCl3,δ(ppm));1.40−1.43(m)、1.67−1.68(m)、4.10−4.16(m)、4.35−4.53(m).
13C−NMR(CDCl3,δ(ppm));(25.3,25.4)、(28.5,28.6)、(65.1,65.2,65.5,65.6)、155.0、155.4.
GPC(ポリスチレン基準:溶離液 テトラヒドロフラン)
数平均分子量 :4973
重量平均分子量 :8459
分散度 :1.70
n−ブチルアルコールとジメチルカーボネートとからn−ブチルメチルカーボネートを合成する反応初速度(V1)と酢酸n−ブチルとジメチルカーボネートからn−ブチルメチルカーボネートを合成する反応初速度(V2)を、以下に示す同一の反応条件下にて測定を行い、反応速度の比較を行なった。
攪拌装置を備えた内容積10mlのガラス製容器に、n−ブチルアルコール1.00g(13.5mmol)、ジメチルカーボネート5.68ml(67.4mmol))、及びカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼ50.4mg(Novozym 435(商品名);ノボザイム社製)を混合し、攪拌しながら30℃の恒温槽内で1時間反応させた。同様に、酢酸n−ブチル1.01g(8.69mmol)、ジメチルカーボネート3.63ml(43.1mmol)、及びカンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)由来のリパーゼ50.5mg(Novozym 435(商品名);ノボザイム社製)を混合し、攪拌しながら30℃の恒温槽内で1時間反応させた。反応終了後、反応液をガスクロマトグラフィーにて分析(内部標準法)したところ、n−ブチルアルコールを用いた場合は0.997gのn−ブチルアルコールが残存していた(転化率0.3%、V1=0.0134μmol/min・mg)。酢酸n−ブチルを用いた場合は0.967gの酢酸n−ブチルが残存しいていた(転化率4.3%、V2=0.122μmol/min・mg)。結果はV2/V1=9であった。
Claims (19)
- 下記反応式〔I〕より、加水分解酵素の存在下、式(1)で示されるアルキレンアルコール化合物、式(2)で示されるエステル化合物とを、副生する式(4)で示されるアルコール化合物(化合物(4))を留去しながら反応を行い、式(3)で示されるアルキレンアシレート化合物(化合物(3))を得た後、下記反応式〔II〕より、得られた化合物(3)に、式(5)で示されるカーボネート化合物を加えて混合して反応させることを特徴とする、式(6)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 下記反応式〔III〕より、請求項1の方法により得られた化合物(3)に、式(8)で示されるカーボネート化合物を加えて混合して反応させることを特徴とする、式(9)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 化合物(4)の留去が、0.13kPa以上、101.3kPa未満の反応圧力にて行われることを特徴とする、請求項1に記載の式(6)で示されるポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 反応により生じる式(7)又は式(7’)で示されるエステル化合物を除去しながら行なう、請求項1又は請求項2に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 式(7)又は式(7’)で示されるエステル化合物の留去が、0.13kPa以上、101.3kPa未満の反応圧力にて行われることを特徴とする、請求項4に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 式(1)の代わりに式(25)で示されるアルキレンアルコール化合物;
を使用し、得られた式(26)で示されるアルキレン多価アシレート化合物;
を式(3)の代わりに使用することを特徴とする、請求項1、請求項3又は請求項4のいずれか一項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。 - 加水分解酵素が、プロテアーゼ、エステラーゼ、又はリパーゼである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 加水分解酵素が、リパーゼである、請求項7に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- リパーゼが、カンジダ・アンタークティカ(Candida antarctica)を起源とするリパーゼである、請求項8に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- R1が、炭素原子数2から20のアルキレン基である、請求項1から請求項4又は請求項7のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- R2が、メチル基若しくはエチル基である、請求項1〜4、請求項7又は請求項10のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- R3が、メチル基若しくはエチル基である、請求項1〜4、請求項7、請求項10又は請求項11のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- R4及びR5が、同一であって、かつ炭素原子数1から4のアルキル基である、請求項1〜4、請求項7又は請求項10〜12のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- R6及びR8が、同一であって、かつ炭素原子数1から4のアルキル基である、請求項2〜4、請求項7又は請求項10〜13のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 反応を有機溶媒中で行なう、請求項1〜4、請求項7又は請求項10〜14のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 有機溶媒が、ニトリル類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる1種以上の有機溶媒である、請求項15に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 反応をpH5から9で行なう、請求項1〜4、請求項7又は請求項10〜15のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 反応溶液を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)にて分析しながら反応を行なうことにより、所望の分子量(重合度)のポリアルキレンカーボネート化合物、又は分子量が1000以下のオリゴアルキレンカーボネート化合物を得ること特徴とする、請求項1〜4、請求項7、請求項10〜15又は請求項17のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
- 反応中に微量の水が存在することを特徴とする、請求項1〜4、請求項7、請求項10〜15、請求項17又は請求項18のいずれか1項に記載のポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008150703A JP5589266B2 (ja) | 2008-06-09 | 2008-06-09 | ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008150703A JP5589266B2 (ja) | 2008-06-09 | 2008-06-09 | ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009292994A JP2009292994A (ja) | 2009-12-17 |
JP5589266B2 true JP5589266B2 (ja) | 2014-09-17 |
Family
ID=41541474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008150703A Expired - Fee Related JP5589266B2 (ja) | 2008-06-09 | 2008-06-09 | ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5589266B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102165380B1 (ko) | 2012-12-26 | 2020-10-14 | 미쯔비시 케미컬 주식회사 | 폴리카보네이트디올 및 그것을 사용한 폴리우레탄 |
JP6544889B2 (ja) * | 2013-04-22 | 2019-07-17 | 三菱ケミカル株式会社 | ポリカーボネートジオールおよびその製造方法並びにそれを用いたポリウレタン |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT1015377B (it) * | 1974-06-25 | 1977-05-10 | Snam Progetti | Processo per la preparazione di carbonati aromatici |
JP2554775B2 (ja) * | 1990-11-29 | 1996-11-13 | 出光石油化学株式会社 | ポリカーボネートの製造方法 |
JPH09235362A (ja) * | 1996-03-01 | 1997-09-09 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ポリエステルおよびポリエステルカーボネートの製造方法 |
JPH11313692A (ja) * | 1998-05-07 | 1999-11-16 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | ポリエステルの製造方法 |
JP2000080160A (ja) * | 1998-09-07 | 2000-03-21 | Kawaken Fine Chem Co Ltd | 酵素法によるポリ(アルキレンカーボネート)の製造方法 |
JP3508568B2 (ja) * | 1998-09-22 | 2004-03-22 | 宇部興産株式会社 | ポリカーボネートポリオールの製造方法 |
JP2002017384A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-01-22 | Keio Gijuku | トリメチレンカーボネートの製造方法 |
DE10125557B4 (de) * | 2001-05-23 | 2007-05-24 | Bayer Materialscience Ag | Verfahren zur Herstellung von Polycarbonat-Polyolen |
JP3930756B2 (ja) * | 2002-04-08 | 2007-06-13 | 株式会社神戸製鋼所 | 鋼の連続鋳造用チューブモールド |
JP2004261177A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-24 | Nippon Shokubai Co Ltd | カルボン酸ヒドロキシモノエステルの製造方法 |
DE502004009535D1 (de) * | 2003-09-12 | 2009-07-09 | Basf Se | Hochfunktionelle, hoch- oder hyperverzweigte polycarbonate sowie deren herstellung und verwendung |
JP2007277507A (ja) * | 2006-03-15 | 2007-10-25 | Nippon Polyurethane Ind Co Ltd | ポリカーボネートポリオール及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-06-09 JP JP2008150703A patent/JP5589266B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009292994A (ja) | 2009-12-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Pyo et al. | Solvent-free lipase-mediated synthesis of six-membered cyclic carbonates from trimethylolpropane and dialkyl carbonates | |
US20180155747A1 (en) | Lactate Production Process | |
KR101012483B1 (ko) | 효소 전환반응을 이용한 광학순수형 락티드 제조방법 및광학순수형 유산 또는 알킬 락테이트의 분리방법 | |
JP5589266B2 (ja) | ポリ(アルキレンカーボネート)化合物の製造方法 | |
JP6340496B2 (ja) | 分離方法 | |
JP5333720B2 (ja) | オリゴアルキレンカーボネート化合物、及びポリアルキレンカーボネート化合物の製造方法 | |
JP2014521601A5 (ja) | ||
JP5402646B2 (ja) | 非対称カーボネート化合物、及びその製造方法 | |
JP2011207975A (ja) | ポリカーボネートジオールジアクリレート化合物の製造方法 | |
Takeuchi et al. | Catalytic asymmetric amination of meso-epoxide using soy polysaccharide (Soyafibe S-DN) | |
JPWO2004108944A1 (ja) | 光学活性クロマンカルボン酸エステルの製造方法 | |
TW201425583A (zh) | 乳酸鹽製造方法 | |
JP4648691B2 (ja) | 光学活性な化合物の製造方法 | |
JP2000080160A (ja) | 酵素法によるポリ(アルキレンカーボネート)の製造方法 | |
JP2007117034A (ja) | 光学活性ニペコチン酸化合物の製造方法 | |
JP5092465B2 (ja) | ピペコリン酸の立体選択的なエステル化方法 | |
WO2012131299A1 (en) | Process for producing lactate | |
JP2013031436A (ja) | カルバメート化合物の製造方法 | |
WO2008072764A1 (ja) | 光学活性(r又はs)-ピペリジン-3-カルボン酸化合物及び光学活性(s又はr)-ピペリジン-3-カルボン酸アルキルエステル化合物の製造方法 | |
JP2006000006A (ja) | 光学活性2−アルキル−d−システインエステルの製造方法 | |
JP2003061696A (ja) | 環状トリメチレンカーボネートの製造方法 | |
NZ619163B2 (en) | Separation process |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110317 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130703 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130719 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140422 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140701 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140714 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5589266 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |