JPH05194830A - ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品Info
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- JPH05194830A JPH05194830A JP3179282A JP17928291A JPH05194830A JP H05194830 A JPH05194830 A JP H05194830A JP 3179282 A JP3179282 A JP 3179282A JP 17928291 A JP17928291 A JP 17928291A JP H05194830 A JPH05194830 A JP H05194830A
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Abstract
の機械的特性にすぐれるのみならず、着色剤を含む場合
においても、色むらのない成形品を与えるポリカーボネ
ート樹脂組成物及びその成形品を提供するにある。 【構成】(1) ポリカーボネート樹脂、及び(2) (a) 芳香
族ビニル単量体にて形成されたコア層、(b) アルキル基
の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単量体か
ら形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び(c) 芳
香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状重合体
からなる最外層を有し、(a) 成分が12〜42重量%、
(b) 成分が48〜78重量%、(c) 成分が10〜40重
量%である多層構造重合体を含む。
Description
組成物及びその成形品に関する。詳しくは、本発明は、
多層構造重合体よりなる耐衝撃剤を含んでなる耐衝撃性
が改善されたポリカーボネート樹脂組成物、及びそのよ
うな樹脂組成物を成形してなる成形物に関し、更に、着
色剤にて着色された成形品の製造においては、色むら等
の着色性や成形品のゲート近傍の剥離現象が改善された
ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品に関する。
性や電気的特性にすぐれ、寸法安定性にもすぐれる反
面、溶融粘度が高く、成形性に劣ること、耐衝撃性に厚
み依存性を有すること、芳香族系溶媒やガソリンに接触
するとクラツクが発生する等の耐薬品性に難点がある等
の欠点を有する。例えば、23℃において、1/4イン
チ以上の厚みでは、脆性破壊を起こし、また、1/8イ
ンチ厚みの試験片においてさえ、低温になるにつれて耐
衝撃性が低下する。このようなことから、ポリカーボネ
ート樹脂は、その応用範囲が限られている。
に、従来、種々の改良の提案がなされている。例えば、
特開昭56−45946号公報及び特開昭56−459
47号公報には、芳香族ポリカーボネート樹脂にアクリ
ル系耐衝撃剤を配合して、低温耐衝撃性を改良すること
が提案されている。この方法によれば、確かに耐衝撃性
は改善されるものの、着色した成形品においては、所謂
色むら或いはパールと呼ばれる色彩的外観の不均一化が
生じ、特に、成形に際して、成形品のゲート近傍のよう
に、高シエアが負荷される部分において、この現象が顕
著である。従つて、表面塗装等の処理なしでは、そのよ
うな着色した成形品の用途は限られざるを得ない。ま
た、上記したように、成形時に樹脂組成物に高シエアが
負荷される部分においては、剥離現象、即ち、デラミネ
ーシヨンもしばしばあらわれ、実用に供することができ
ない成形品を与える場合もある。
ては、芳香族ビニル単量体を重合させてなる第1段目の
重合体、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリ
レート単量体を重合させてなる第2段目の重合体及び芳
香族ビニル単量体を重合させてなるガラス転移温度が5
0℃以上である第3段目の重合体からなる多層構造を有
する重合体を芳香族ビニル単量体の単独重合体又は共重
合体と共にポリカーボネート樹脂に配合することによつ
て、ポリカーボネート樹脂の透明性を失なうことなく、
耐衝撃性を改善し得るとされている。
樹脂組成物から透明性が失なわれないとしても、色むら
を改良するものとは基本的に目的が異なる。また、耐衝
撃性においても、厚み依存性や低温耐衝撃性に関しては
何らの記載もなく、その改良効果も到底、満足できるも
のではない。
々の問題を解決するためになされたものであつて、耐衝
撃剤としての多層構造重合体を含んで、耐衝撃性、耐薬
品性、表面硬度、寸法安定性等の機械的特性にすぐれる
のみならず、着色剤を含む場合においても、色むらのな
い成形品を与えるポリカーボネート樹脂組成物、及びそ
のような樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品を提供す
ることを目的とする。
ネート樹脂組成物は、(1) ポリカーボネート樹脂、及び
(2) (a) 芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、
(b) アルキル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリ
レート単量体から形成されたゴム状重合体からなる中間
層、及び(c) 芳香族ビニル単量体にて形成された硬質の
ガラス状重合体からなる最外層を有し、(a) 成分が12
〜42重量%、(b) 成分が48〜78重量%、(c) 成分
が10〜40重量%である多層構造重合体を含むことを
特徴とする。
た熱可塑性樹脂組成物を成形してなる。先ず、本発明に
よるポリカーボネート樹脂組成物について説明する。本
発明において、ポリカーボネート樹脂としては、通常、
エンジニアリングプラスチツクとして知られているもの
が用いられる。なかでも、芳香族ジヒドロキシ化合物又
はこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭
酸ジエステルと反応させることによつて得られる分岐し
ていてもよい熱可塑性ポリカーボネート樹脂が好ましく
用いられる。
ば、2',2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパン
(ビスフエノールAともいわれる。)、テトラメチルビ
スフエノールA、テトラブロムビスフエノールA、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−p−ジイソプロピルベン
ゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒド
ロキシジフエニル等を挙げることができる。
脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,
6−トリ(4−ヒドロキシフエニル)ヘプテン−2、4,
6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフエニ
ル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒ
ドロキシフエニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−
ヒドロキシフエニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒ
ドロキシフエニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物
や、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシイン
ドール(イサチンビスフエノールともいわれる。)、5
−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロ
ムイサチン等を前記ジヒドロキシ化合物の一部、例え
ば、0.1〜2モル%程度と置換すればよい。
子量を調節するために、一価芳香族ヒドロキシ化合物を
用いることができる。このような一価芳香族ヒドロキシ
化合物としては、例えば、m−又はp−メチルフエノー
ル、m−又はp−プロピルフエノール、p−ブロムフエ
ノール、p−tert−ブチルフエノール、p−長鎖アルキ
ル置換フエノール等が好ましく用いられる。
脂としては、代表的には、例えば、ビス(4−ヒドロキ
シフエニル)アルカン系ジヒドロキシ化合物、特にビス
フエノールAを主原料とするポリカーボネート樹脂を挙
げることができる。しかし、二種以上の芳香族ジヒドロ
キシ化合物を併用して得られるポリカーボネート共重合
体や、三価のフエノール系化合物を少量併用して得られ
る分岐したポリカーボネート樹脂も用いることができ
る。更に、本発明においては、これらのポリカーボネー
ト樹脂の混合物も用いることができる。
構造重合体は、先の段階の重合体を後の段階の重合体が
順次に被覆するような連続した多段階シード乳化重合法
によつて得ることができる。かかる多層構造重合体は、
通常、三段階の乳化重合によつて得られる多層構造重合
体であることが好ましい。第一段目の重合は、多層構造
重合体のコア層を形成するものであつて、芳香族ビニル
単量体を用いて行なわれる。この芳香族ビニル単量体と
しては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、モノクロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、ブロモスチレン等を挙げることができる。これら
のなかでは、特にスチレンが好ましく用いられる。
族ビニル単量体と共に、非芳香族系単量体を用いること
ができる。その使用量は、第一段目の重合に用いる単量
体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の範囲で
あり、より好ましくは20重量%以下の範囲である。こ
のような非芳香族系単量体としては、例えば、エチルア
クリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等
のアルキルメタクリレート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン
等を挙げることができる。
は、架橋性単量体にて架橋されていてもよい。架橋性単
量体の使用量は、第一段目の重合に用いる単量体の全量
に対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好まし
くは0.5〜20重量%の範囲であり、より好ましくは5
〜15重量%の範囲である。かかる架橋性単量体として
は、好ましくは、分子内に二個以上の重合性エチレン性
不飽和結合を有する単量体が用いられる。具体例として
は、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル単量
体、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオ
ール(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等のアルカンポリオールポリ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。これらのな
かでは、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
量体も用いることができる。その使用量は、第一段目の
重合に用いる単量体の全量に対して、通常、5重量%以
下の範囲であり、好ましくは0.1〜2重量%の範囲であ
る。かかるグラフト化単量体としては、分子内に二個以
上の反応性の異なるエチレン性不飽和結合を有する単量
体が用いられる。その具体例としては、例えば、アリル
(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリル
フマレート、ジアリルイタコネート等の不飽和カルボン
酸アリルエステル等を挙げることができる。これらのな
かでは、特にアリルメタクリレートが好ましく用いられ
る。
2〜8であるアクリル酸アルキル又はそれらの混合物を
重合させて、多層構造重合体のゴム状重合体の中間層を
形成するものである。そのようなゴム状重合体は、通
常、−30℃以下のガラス転移温度を有するものが望ま
しい。上記アルキル基の炭素数が2〜8であるアクリル
酸エステルとしては、例えば、エチルアクリレート、プ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等
を挙げることができる。これらのなかでは、特にブチル
アクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートが好ま
しく用いられる。
アルキルアクリレートと共に、それに共重合可能な他の
ビニル系単量体を併用することができる。そのようなビ
ニル系単量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量
体の全量に対して、通常、50重量%以下の範囲であ
り、好ましくは30重量%以下の範囲である。かかるア
ルキルアクリレートと共重合可能な他のビニル系単量体
の具体例としては、例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物や芳香
族ビニリデン化合物、アクリロニトリルやメタクリロニ
トリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン、メチ
ルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキル
メタクリレート等を挙げることができる。
架橋性単量体によつて、架橋されていてもよい。架橋性
単量体としては、特にジビニルベンゼン、ブチレングリ
コールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレー
ト等が好ましく用いられ、なかでも、ジビニルベンゼン
が好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使用量
は、第二段目の重合に用いる単量体の全量に対して、通
常、0.01〜5重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜
2重量%の範囲である。
フト化単量体も用いることができる。特に、アリルメタ
クリレートが好ましく用いられる。かかるグラフト化単
量体の使用量は、第二段目の重合に用いる単量体の全量
に対して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましく
は0.1〜2重量%の範囲である。本発明においては、第
三段目の最外層を形成するための重合は、芳香族ビニル
単量体を用いて、ガラス転移温度が50℃以上の硬質の
重合体が前記ゴム状重合体を被覆するように行なわれ
る。上記芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、モノクロル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン、ブロモスチレン等
を挙げることができるが、特にスチレンが好ましく用い
られる。
族ビニル単量体と共重合し得る非芳香族系単量体を用い
ることができる。その使用量は、第三段目の重合に用い
る単量体の全量に対して、好ましくは50重量%以下の
範囲であり、より好ましくは30重量%以下の範囲であ
る。このような非芳香族系単量体としては、例えば、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アル
キル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメ
タクリル酸アルキル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニルやシアン化ビニリデン等を挙
げることができる。
外層も、前述したような架橋性単量体にて架橋されてい
てもよい。架橋性単量体の使用量は、第三段目の重合に
用いる単量体の全量に対して、通常、30重量%以下の
範囲であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲であ
り、より好ましくは5〜15重量%の範囲である。架橋
性単量体としては、ジビニルベンゼンやブチレングリコ
ールジメタクリレートが好ましく用いられるが、特にジ
ビニルベンゼンが好ましく用いられる。
は、特に、スチレン−アクリロニトリル系共重合体を主
体とするものが好ましい。更に、本発明においては、前
記ゴム状重合体からなる中間層と上記硬質の最外層との
間に硬質の中間層を導入することができる。この硬質の
中間層は、ガラス転移温度が50℃以上である硬質の重
合体からなり、好ましくは、炭素数1〜5であるアルキ
ルメタクリレート、例えば、メチルメタクリレートやブ
チルメタクリレート等から形成される。
によつて架橋されていてもよい。架橋性単量体として
は、例えば、ジビニルベンゼンやブチレングリコールジ
メタクリレート等が好ましく用いられ、特にジビニルベ
ンゼンが好ましく用いられる。かかる架橋性単量体の使
用量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に
対して、通常、30重量%以下の範囲であり、好ましく
は0.5〜20重量%の範囲であり、特に好ましくは5〜
15重量%の範囲である。
たグラフト化単量体を併用することができる。その使用
量は、硬質中間層の形成に用いられる単量体の全量に対
して、通常、5重量%以下の範囲であり、好ましくは0.
1〜2重量%の範囲である。従来より知られている多層
構造重合体は、熱可塑性樹脂組成物に配合されたとき、
その樹脂の耐衝撃性を十分に改良するために、それぞれ
の層は、架橋されているとしても、非常に少量の架橋性
単量体にて架橋されているにすぎない。これに対して、
本発明によれば、前述したように、コア層、硬質中間層
及び/又は最外層は、それぞれその層を形成するために
用いられる単量体の全量に対して、5〜15重量%の架
橋性単量体にて架橋されていることが好ましい。
多層構造重合体においては、このように、コア層、硬質
中間層及び/又は最外層が多量の架橋性単量体にて架橋
されており、本発明に従つて、かかる多層構造重合体を
ポリカーボネート樹脂に配合することによつて、耐衝撃
性にすぐれると共に、色むらの改良された樹脂組成物を
得ることができる。
外層に用いられる架橋性単量体の全量は、それらコア
層、硬質中間層及び最外層の形成に用いられる単量体の
全量に対して、1〜30重量%の範囲にあるのが好まし
く、特に3〜20重量%の範囲にあるのが好ましい。本
発明において耐衝撃剤として用いられる上述したような
多層構造重合体は、既に知られているシード乳化重合法
によつてラテツクスを製造し、これを凍結融解、或いは
塩析によつて重合体を分離した後、遠心脱水、乾燥し
て、粒状、フレーク状又は粉体等として取り出すことが
できる。スプレー・ドライヤーによる噴霧乾燥によれ
ば、ラテツクスから直接に重合体を取り出すこともでき
る。このようにして得られた多層構造重合体は、そのま
ま用いることができるが、必要に応じて、押出機及びペ
レタイザーによつてペレツトとすることができる。
エン可溶分が10重量%以下、特に6重量%以下である
ことが好ましい。かかる多層構造重合体をポリカーボネ
ート樹脂に配合することによつて、得られる着色樹脂組
成物は、色むらの改善された成形品を与える。ここに、
トルエン可溶分とは、多層構造重合体をその100重量
倍のトルエンに分散させ、室温にて48時間放置したと
き、トルエンに溶解した多層構造重合体の百分率として
定義される。
合体は、得られる樹脂組成物が満足すべき耐衝撃性を有
するように、100〜700nm、好ましくは200〜
500nmの粒径を有することが好ましい。本発明にお
いては、多層構造重合体は、コア層12〜42重量%、
ゴム状中間層48〜78重量%及び最外層10〜40重
量%からなり、好ましくは、コア層15〜30重量%、
ゴム状中間層50〜65重量%及び最外層15〜25重
量%からなる。
間層を有していてもよい。この硬質中間層は、硬質中間
層と最外層との合計量が多層構造重合体全体の10〜4
0重量%、好ましくは15〜25重量%を占めるような
割合で含まれる。更に、硬質中間層は、最外層100重
量部に対して、100重量部以下の範囲で含まれる。コ
ア層、ゴム状中間層、硬質中間層及び最外層は、合計に
て100重量%である。
は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、前述
した多層構造重合体0.5〜60重量部、好ましくは1〜
25重量部を含む。本発明によるこのようなポリカーボ
ネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂及び多層構
造重合体を上記した割合にてブレンドすることによつて
得ることができる。このブレンドの方法及び手段は特に
限定されるものではないが、好ましくは溶融ブレンドが
採用される。この溶融ブレンドは、通常、200〜30
0℃の温度で加熱ロールやバンバリーミキサー、単軸又
は二軸押出機を用いて行なわれる。
組成物は、種々の添加剤を適宜量含有していてもよい。
このような添加剤として、例えば、安定剤、顔料、難燃
剤、滑剤、無機充填剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸
収剤等を挙げることができる。特に、顔料としては、チ
タン系、アゾ系、フタロシアニン系等の染顔料、カーボ
ンブラツク等、種々のものを用いることができる。この
樹脂の顔料は、樹脂組成物100重量部に対して、通
常、0.01〜20重量部の範囲で用いられる。
00〜300℃の温度で射出成形、押出成形、圧縮成形
等、通常の成形方法によつて所望の形状の成形品に成形
することができる。このような成形品は、例えば、バン
パー、フエンダー、ドアハンドル等の自動車部品、所謂
オフイス・オートメーシヨン機器や家庭用電気製品等に
用いることができる。
脂組成物は、本来、ポリカーボネート樹脂の有するすぐ
れた電気的及び力学的特性と寸法安定性を保持している
うえに、低温における耐衝撃性にすぐれ、更に、耐衝撃
性の厚み依存性も格段に改善されている。
は、色むらや白化現象も改善されているほか、成形に際
してのゲート近傍における剥離現象も改善されている。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、実施例中、部はすべて重量部を意味し、また、
実施例及び比較例において用いる略語は以下のものを意
味する。 2−エチルヘキシルアクリレート 2EHA n−ブチルアクリレート BA メチルメタクリレート MMA スチレン St アクリロニトリル AN アリルメタクリレート AlMA 1,4−ブチレングリコールジアクリレート BGA ジビニルベンゼン DVB 脱イオン水 DIW ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 SSS 過硫酸ナトリウム SPS 炭酸水素ナトリウム SHC 多層構造重合体の重量平均粒子径は、大塚電子株式会社
製レーザー粒径解析システムLPA−3000にて測定
した。多層構造重合体の製造 実施例1(多層構造重合体Aの製造) 還流冷却器を備えた5リツトル容量の重合器内にDIW
448g、SSS1%水溶液12g及びSHC1%水溶
液32gを仕込み、窒素気流下で還流しながら70℃に
昇温した。次いで、MMA30gを加え、10分間かけ
て分散させた後、SPS2%水溶液80gを加えてシー
ド重合を開始させた。
量体乳化液918gを60分間かけて連続的に供給し、
次いで、80℃で1時間熟成した。 第一段目単量体乳化液 St 332g DVB 36g AlMA 2g SSS 1%水溶液 308g SHC 1%水溶液 48g DIW 192g 引き続いて、SPS2%水溶液80gを加え、次いで、
下記の第二段目単量体乳化液2320gを180分間か
けて加えて、80℃で第二段目の重合を行なつた後、8
0℃で1時間熟成した。 第二段目単量体乳化液 2EHA 1176g DVB 18g AlMA 6g SSS 1%水溶液 960g SHC 1%水溶液 80g DIW 80g 続いて、SPS2%水溶液50gを加え、次いで、下記
の第三段目単量体乳化液680gを60分間かけて加え
て、80℃で第3段目の重合を行なつた後、80℃で1
時間熟成した。 第三段目単量体乳化液 St 240g AN 100g DVB 60g SSS 1%水溶液 100g SHC 1%水溶液 40g DIW 40g 反応終了後、室温まで冷却し、300メツシユのステン
レス金網で濾過して、固形分44.5%、重量平均粒子径
276nmの多層構造重合体のラテツクスを得た。この
ラテツクスを凍結融解によつて凝析させ、水洗、脱水、
乾燥して、多層構造重合体Aを得た。 実施例2〜4(多層構造重合体B〜Dの製造) 表1及び表2に示す組成にて実施例1と同様に乳化重合
し、得られたラテツクスを凍結融解、水洗、脱水、乾燥
して、多層構造重合体B、C及びDを得た。 比較例1(多層構造重合体Eの製造) 還流冷却器を備えた2リツトル容量の重合器内にDIW
600g、SSS2%水溶液20g及びSHC1%水溶
液40gを仕込み、窒素気流下で還流しながら70℃に
昇温した。次いで、下記の第1段目単量体40gを加
え、10分間かけて分散させた後、SPS2%水溶液8
0gを加えてシード重合を開始させた。 第1段目単量体 2EHA 792g AlMA 4g BGA 4g 続いて、下記の一段目単量体乳化液1080gを180
分間かけて連続的に供給し、第1段目の重合を行なつた
後、90℃に昇温し、1時間熟成した。 第一段目単量体乳化液 上記第1段目単量体 760g SSS 2%水溶液 280g SHC 1%水溶液 40g その後、70℃まで冷却し、SPS2%水溶液20gを
加え、次いで、下記の第2段目単量体乳化液360gを
45分間かけて加えて、第2段目の重合を行なつた後、
90℃に昇温して、1時間熟成した。 第二段目単量体乳化液 MMA 200g SSS 1%水溶液 60g SHC 1%水溶液 20g DIW 80g 反応終了後、室温まで冷却し、300メツシユのステン
レス金網で濾過して、固形分44.7%、重量平均粒子径
293nmの多層構造重合体のラテツクスを得た。この
ラテツクスを凍結融解によつて凝析させ、水洗、脱水、
乾燥して、多層構造重合体Eを得た。 比較例2及び3(多層構造重合体F及びGの製造) 表1及び表2に示す組成にて実施例1と同様に乳化重合
し、得られたラテツクスを凍結融解、水洗、脱水、乾燥
して、多層構造重合体F及びGを得た。
(三菱瓦斯化学(株)製ユーピロンS−3000、以
下、S−3000と略記する。)95部及び多層構造重
合体A5部にカーボンブラツク0.1部を加え、40mm単
軸押出機でシリンダー温度240〜260℃にて溶融ブ
レンドして、樹脂組成物(1) のペレツトを得た。 実施例6〜8(樹脂組成物 (2)〜(4) の製造) 多層構造重合体Aに代えて、多層構造重合体B、C及び
Dをそれぞれ用いた以外は、実施例5と同様にして、樹
脂組成物 (2)〜(4) を得た。 比較例4〜6(樹脂組成物 (5)〜(7) の製造) 多層構造重合体Aに代えて、多層構造重合体E、F及び
Gをそれぞれ用いた以外は、実施例5と同様にして、樹
脂組成物 (5)〜(7) を得た。 比較例7(樹脂組成物(8) の製造) ポリカーボネート樹脂(S−3000)100部にカー
ボンブラツク0.1部を加え、40mm単軸押出機でシリン
ダー温度240〜260℃にて溶融ブレンドして、樹脂
組成物(8) のペレツトを得た。 試験例1(耐衝撃性試験) ポリカーボネート樹脂組成物 (1)〜(8) をそれぞれ11
0℃で6時間以上乾燥させた後、射出成形機にて240
〜260℃で物性試験片を成形し、切削にてノツチを入
れて、JIS K7113に規定する1/8インチ厚み
及び1/4インチ厚みのアイゾツド衝撃試験片を作製し
た。
℃にて、1/8インチ厚みの試験片に対しては−40℃
における衝撃値をJIS K7113に準拠した方法で
測定した。また、成形品のゲート近傍の剥離現象を目視
にて判定した。結果を表3及び表4に示す。 試験例2 ポリカーボネート樹脂組成物 (1)〜(8) をそれぞれ11
0℃で6時間以上乾燥させた後、射出成形機にて240
〜260℃で成形し、単一の試験片に2mm、3mm及び4
mmの異なる3種の厚みを有する試験片を調製した。
のL値を測定すると共に、単一の試験片の2mm厚部分と
4mm厚部分との色差(ΔE値)をスガ試験機(株)製S
Mカラーコンピユータを用いて測定した。結果を表3及
び表4に示す。L値は色の深みをあらわし、その値が小
さいほど、その色は完全な黒色に近い。ΔE値は2つの
色(2mm厚部分の色と4mm厚部分の色)の間の色むらの
程度をあらわし、ΔE値が大きいほど、2つの間の色む
らが大きい。従つて、樹脂組成物が着色性にすぐれるた
めには、L値及びΔE値が共に小さいほどよい。結果を
表3及び表4に示す。
本発明による成形品は、耐衝撃性及び着色性のいずれの
点においても、比較例による成形品よりすぐれている。
Claims (4)
- 【請求項1】(1) ポリカーボネート樹脂、及び(2) (a)
芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、(b) アルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単量
体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び
(c) 芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状
重合体からなる最外層を有し、(a) 成分が12〜42重
量%、(b) 成分が48〜78重量%、(c) 成分が10〜
40重量%である多層構造重合体を含むポリカーボネー
ト樹脂組成物。 - 【請求項2】多層構造重合体の最外層がスチレン−アク
リロニトリル共重合体であることを特徴とする請求項1
記載のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項3】顔料を含むことを特徴とする請求項1記載
のポリカーボネート樹脂組成物。 - 【請求項4】(1) ポリカーボネート樹脂、及び(2) (a)
芳香族ビニル単量体にて形成されたコア層、(b) アルキ
ル基の炭素数が2〜8であるアルキルアクリレート単量
体から形成されたゴム状重合体からなる中間層、及び
(c) 芳香族ビニル単量体にて形成された硬質のガラス状
重合体からなる最外層を有し、(a) 成分が12〜42重
量%、(b) 成分が48〜78重量%、(c) 成分が10〜
40重量%である多層構造重合体を含むポリカーボネー
ト樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
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JP2-197387 | 1990-07-25 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2002541294A (ja) * | 1999-04-07 | 2002-12-03 | バイエル・コーポレーシヨン | 耐候性を示す成形用熱可塑性組成物 |
WO2012056878A1 (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-03 | コニカミノルタオプト株式会社 | マイクロチップ、及びマイクロチップの製造方法 |
JP2014516104A (ja) * | 2012-02-03 | 2014-07-07 | エルジー・ケム・リミテッド | Asa系グラフト共重合体組成物 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP17928291A patent/JP2998310B2/ja not_active Expired - Lifetime
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