JPWO2012046789A1 - ポリカーボネート樹脂および成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
このように優れた特性を有するビスフェノール−A−PCではあるが、表面が非常にやわらかく、傷つきやすいという問題がある。そこで、特許文献1ではバイオマス資源から製造されるイソソルビドを原料として用いることで、鉛筆硬度が4B程度しかないビスフェノール−A−PCに比べ、鉛筆硬度をH程度まで高められることが開示されている。
また、このようなイソソルビドを共重合成分として用いた芳香族ジオールとイソソルビドとの共重合PCとして、特許文献2および特許文献3が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示された9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンとイソソルビドとからなるポリカーボネート共重合体は、ガラス転移温度が高く、流動性が悪いものであった。また、特許文献3に開示された、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンとイソソルビドの共重合体は、鉛筆硬度が特許文献1に記載されたようなイソソルビドとビスフェノールA−PCの中間に位置する程度のものでしかなかった。
そのため、耐熱性に優れ、表面硬度が高く、成形性に優れたこれらの要求特性を満足したバイオマス資源から得られる材料および成形品は、未だ知られていない。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、バイオマス由来のエーテルジオールから誘導される単位(A)と、単位(B)とを特定の割合で含有させることにより、耐熱性に優れ、表面硬度が高く、成形性に優れるポリカーボネート樹脂および成形品が得られることを究明し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
1. 主たる繰り返し単位が下記式
で表される単位(A)と下記式
[式(B)中、Wは単結合、または下記式(W)から選ばれ、
(R1とR2はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、R1とR2が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。R3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。R5は1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。)]
で表される単位(B)を含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が5/95〜95/5のポリカーボネート樹脂。
2. 単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜90/10の上記1記載のポリカーボネート樹脂。
3. 単位(A)が下記式
で表される単位(A1)である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
4. ガラス転移温度が110℃〜155℃である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
5. 鉛筆硬度が2H以上である上記1記載のポリカーボネート樹脂。
6. 上記1〜5の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂を素材とする成形品。
7. 上記1〜5の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂を素材とするフィルム。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が、単位(A)と単位(B)とから構成される。
(単位(A))
単位(A)はエーテル基を有する脂肪族ジオールから誘導されるものである。エーテル結合を有するジオールは、バイオマス資源の中で耐熱性および鉛筆硬度が高い材料である。
単位(A)として、立体異性体の関係にある下記式
で表される単位(A1)、(A2)および(A3)が例示される。これらは、糖質由来のエーテルジオールであり、自然界のバイオマスからも得られる物質で、再生可能資源と呼ばれるものの1つである。単位(A1)、(A2)および(A3)は、それぞれイソソルビド、イソマンニド、イソイディッド由来の単位である。イソソルビドは、でんぷんから得られるDーグルコースに水添した後、脱水を受けさせることにより得られる。その他のエーテルジオールについても、出発物質を除いて同様の反応により得られる。
イソソルビド、イソマンニド、イソイディッドのなかでも特に、イソソルビド(1,4;3,6ージアンヒドローDーソルビトール)から誘導される単位は、製造の容易さ、耐熱性に優れることから好ましい。
(単位(B))
単位(B)は、o−メチル置換した芳香族構造を有するカーボネート単位である。単位(B)中、Wは単結合、または下記式(W)から選らばれる。
式中、R1とR2はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、R1とR2が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。
炭素原子数1〜9のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。炭素原子数1〜5のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプトキシ基などが挙げられる。炭素原子数6〜12のアリール基として、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。炭素原子数2〜5のアルケニル基として、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などが挙げられる。炭素原子数7〜17のアラルキル基として、ベンジル基などが挙げられる。
R3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。炭素原子数1〜9のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。炭素原子数1〜5のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘプトキシ基などが挙げられる。炭素原子数6〜12アリール基として、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、フルオレン基などが挙げられる。
R5は炭素原子数1〜9のアルキレン基である。炭素原子数1〜9のアルキレン基として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基基、オクタメチレン基基などが挙げられる。
aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。
単位(B)として、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’ジオール、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下ビスフェノールCと略す)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサンなどに由来する単位が例示される。なかでも、ビスフェノールC、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’ジオールに由来する単位が鉛筆硬度、耐熱性および成形性の観点から好ましい。これらは2種類以上併用して用いても良い。
(組成)
本発明のポリカーボネート樹脂は、主たる繰り返し単位が単位(A)と単位(B)とを含み、単位(A)としてイソソルビド成分を有することにより、バイオマス資源を有しつつ鉛筆硬度を硬くできる。さらに単位(B)としてo−メチル置換した芳香族成分を有することで、より鉛筆硬度を高くすることができる。そのため、単位(A)と単位(B)のモル比(A/B)は、5/95〜95/5、好ましくは30/70〜90/10である。モル比(A/B)が30/70〜90/10の範囲では、鉛筆硬度と耐熱性が高くさらに成形性も良好となる。より好ましい単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)は、40/60〜90/10である。鉛筆硬度を2H以上としやすいことから40/60〜80/20であることがさらに好ましく、特に好ましい範囲は、45/55〜75/25である。なお、モル比(A/B)が30/70より小さい場合は、生物起源物質の含有率が低くなり、他方モル比(A/B)が90/10より大きい場合は、鉛筆硬度が低下して表面のやわらかいものとなる。
なお、本発明における主たる繰り返し単位とは、全単位を基準として70モル%以上であり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%であり、各単位のモル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、単位(A)および単位(B)以外の他の単位を30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下含有していてもよい。他の単位として、直鎖脂肪族ジオール化合物由来の単位、脂環式ジオール由来の単位、芳香族ジヒドロキシ化合物由来の単位、これらの混合物が挙げられる。
直鎖脂肪族ジオール化合物として、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、水素化ジリノレイルグリコール,水素化ジオレイルグリコールなどを挙げることができる。これらのうち、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの直鎖脂肪族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また脂環式ジオールとしては、例えば1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、2,2−アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、および3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられる。これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましい。これらの脂環式ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また芳香族ジヒドロキシ化合物としては、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(通常“ビスフェノールM”と称される)、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通常“ビスフェノールA”と称される)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)デカン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(通常“ビスフェノールAF”と称される)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、および2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。
上記の中でも、ビスフェノールM、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールA、ビスフェノールAF、および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカンが好ましい。これらの芳香族ジオール類は単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(比粘度:ηSP)
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)は、0.15〜1.50が好ましい。比粘度が0.15〜1.50では強度および成形加工性が良好となる。より好ましくは、0.20〜1.20であり、さらに好ましくは、0.20〜1.00である。比粘度が、0.15より小さいと射出成形した成形片の強度が低下しやすく、他方1.50より大きいと射出成形の際の成形加工性が低下しやすくなる。
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
なお、具体的な比粘度の測定としては、例えば次の要領で行うことができる。まず、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度を、オストワルド粘度計を用いて求める。
本発明のポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂と併用してもよい。
(ガラス転移温度:Tg)
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは110〜155℃、より好ましくは120〜150℃である。Tgが110℃〜150℃であると、光学成形品として使用した際に、耐熱安定性および成形性が良好であり好ましい。ガラス転移温度(Tg)が、110℃より低いと成形片での耐熱性が不十分となり好ましくない。また、本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)が、150℃より大きいと射出成形の際の成形加工性が悪くなるため好ましくない。
ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
(鉛筆硬度)
本発明のポリカーボネート樹脂の鉛筆硬度は2H以上であることが好ましい。プラスチックは、比較的柔らかく、傷が付き易いのが欠点である。ビスフェノール−A−PCの鉛筆硬度は、前述の特許文献1では4Bと低いが、このように成形品の表面硬度を鉛筆硬度で2H以上に高くできれば、非常に成形品の表面に入る傷を抑制できることは容易に理解されるであろう。
そして、このような2H以上という硬い鉛筆硬度は、前述のとおり主たる繰り返し単位として、単位(A)としてイソソルビド成分を用い、さらに、単位(B)としてo−メチル置換した芳香族成分を用い、両者のモル比を特定の範囲とすることで得ることができる。
ちなみに、本発明における鉛筆硬度とは、本発明のポリカーボネート樹脂をそれぞれの鉛筆硬度を有する鉛筆で樹脂を擦過した場合に擦過しても擦過痕が残らない硬さのことである。具体的には、JIS K−5600に従って測定できる塗膜の表面硬度試験に用いる鉛筆硬度を指標とすることが好ましい。鉛筆硬度は、9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bの順で柔らかくなり、最も硬いものが9H、最も軟らかいものが6Bである。
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下、所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また、必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネートおよびm−クレジルカーボネート等が例示される。なかでもジフェニルカーボネートが特に好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましくは1.00〜1.06モルである。
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が例示される。
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が例示される。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が例示される。
金属化合物としては亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が例示される。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、より好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、特に好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられる。なかでも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。
これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
<成形品>
本発明のポリカーボネート樹脂からなる成形品は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明のポリカーボネート樹脂は、成形性および耐熱性に優れているので種々の成形品として利用することができる。殊に光学レンズ、光学ディスク、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレイなどの光学部品の構造材料、パソコンや携帯電話の外装や前面板などの電気電子部品、自動車のヘッドランプや窓などの自動車用途、または機能材料用途に適した成形品として有利に使用することができる。
<フィルム>
本発明のポリカーボネート樹脂からなるフィルムは、表面保護フィルム、加飾用フィルム、前面板、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等に用いられる。
光学フィルムの製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。なかでも、溶液キャスト法、溶融押出法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が好ましい。
溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を押出し、冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。このときの温度はポリカーボネート樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、180〜350℃の範囲が好ましく、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。180℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく好ましくない。また、350℃より高いと熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が良好なので、溶液キャスト法も適用することが出来る。溶液キャスト法の場合は、溶媒としては塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサン等が好適に用いられる。溶液キャスト法で得られるフィルム中の残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。残留溶媒量が2重量%を超えるとフィルムのガラス転移温度の低下が著しくなり耐熱性の点で好ましくない。
本発明のポリカーボネート樹脂からなる未延伸フィルムの厚みとしては、30〜400μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜300μmの範囲である。かかる未延伸フィルム状物をさらに延伸して位相差フィルムとする場合には、光学フィルムの所望の位相差値、厚みを勘案して上記範囲内で適宜決めればよい。
1.ポリマー組成比(NMR)
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて各繰り返し単位を測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
2.比粘度測定
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
3.ガラス転移温度測定
ポリカーボネート樹脂8mgを用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
4.鉛筆硬度
ペレットを日本製綱所製射出成形機J85−ELIIIを用いてシリンダー温度250℃、金型温度80℃、1分サイクルにて2mm厚角板を成形し、その成形試験片を用いて、JIS K5600の基図板試験方法によって測定した。
5.生物起源物質含有率(植物由来度)
ASTM D6866 05に準拠し、放射性炭素濃度(percent modern carbon;C14)による生物起源物質含有率試験から、生物起源物質含有率(以下、植物度と称することもある)を測定した。なお、植物度は高いほど好ましいが、植物由来物質の炭素成分からの比率で20%以上、さらに25%以上であることが好ましい。
実施例1
<ポリカーボネート樹脂の製造>
イソソルビド(以下ISSと略す)351部、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(以下BPCと略す)264部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)749.7部、および触媒としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.8×10−2部と水酸化ナトリウム0.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で250℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の2倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
実施例2
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPCの代わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル))シクロヘキサン(以下OCZと略す)305部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
実施例3
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPCの代わりに3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’ジオール(以下OCBPと略す)220.4部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
実施例4
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS、BPCの量をISS250.5部、BPC439.7部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
<フィルムの製造>
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート樹脂を250℃でフィルム成形することにより厚さ100μmの透明な押出しフィルムが得られた。得られたフィルムの鉛筆硬度を測定したところ、2Hであった。
実施例5
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS、OCZの量をISS250.5部、OCZ508.5部に変更した他は、実施例2と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
実施例6
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS、OCBPの量をISS250.5部、OCBP367.3部に変更した他は、実施例3と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
比較例1
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS501部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
比較例2
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS250部、ビスフェノール−A391部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
比較例3
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS351部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン389部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
比較例4
<ポリカーボネート樹脂の製造>
ISS、BPCの量をISS475.9部、BPC44.0部に変更した他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表1に記載した。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
BPC880部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、鉛筆硬度を測定し、表2に記載した。BPC単体では高い鉛筆硬度が得られないことが分かる。
比較例6
<ポリカーボネート樹脂の製造>
OCBP735部、DPC749.7部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行ったところ、反応途中で結晶化が起こり、高分子量体が得られなかった。
ISS: イソソルビド
BPC: 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン
OCZ: 1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル))シクロヘキサン
OCBP: 3,3’−ジメチル(1,1’−ビフェニル)−4,4’ジオール
BPA: 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
BCF: 9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
発明の効果
本発明のポリカーボネート樹脂、その成形品、そのフィルムは、イソソルビドとo−メチル置換した芳香族ビスフェノール由来の単位を所定の割合で含有するので、耐熱性に優れ、表面硬度が高く、成形性に優れる。
Claims (7)
- 主たる繰り返し単位が下記式
で表される単位(A)と下記式
[式(B)中、Wは単結合、または下記式(W)から選ばれ、
(R1とR2はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基、または炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、R1とR2が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。R3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または炭素原子数6〜12アリール基を表す。R5は1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。)]
で表される単位(B)を含み、単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が5/95〜95/5のポリカーボネート樹脂。 - 単位(A)と単位(B)とのモル比(A/B)が30/70〜90/10の請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- ガラス転移温度が110℃〜155℃である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 鉛筆硬度が2H以上である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂を素材とする成形品。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のポリカーボネート樹脂を素材とするフィルム。
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