JPWO2012046693A1 - ステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置 - Google Patents

ステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

摩擦トルクなどが変化しても、ディテントトルクの影響によるトルク変動を予備駆動せずに低減できるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置を得ることを目的として、モータの検出電流および指令値に基づき指令値に対する電流の推定位相差を推定する位相差推定部と、検出電流およびマイクロステップ駆動信号に基づき低速回転時の推定モータ回転角θMELを推定する低速時モータ回転角推定部と、推定位相差および指令値に基づき高速回転時の推定モータ回転角θMEHを推定する高速時モータ回転角推定部と、指令値に応じて推定モータ回転角θMELおよびθMEHを適切な割合で加算して推定モータ回転角θMEを推定する加算部と、推定モータ回転角θMEに基づき推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部と、推定ディテントトルクおよび推定モータ回転角θMEに基づき補償信号を生成する補償信号生成部とを備えるものとした。

Description

この発明は、ステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置に関する。
ステッピングモータのマイクロステップ駆動は、ステッピングモータの各相に印加する電流の大きさを段階的に変化させて、電流波形を正弦波に近づけることで、モータ回転中におけるトルク変動を低減する駆動制御方法である。このトルク変動の低減により、ステッピングモータを回転むらなく低振動で回転駆動できる。しかし、内部に永久磁石を持つステッピングモータの場合、ステッピングモータが無励磁の時に生じる保持トルク(以下、ディテントトルク)の影響により、マイクロステップ駆動を行っても回転駆動中のトルク変動を低減できないことがある。
従来のステッピングモータのマイクロステップ駆動装置では、前記ディテントトルクの影響を除去するために、ステッピングモータを使用する前に、前記ステッピングモータを予備駆動させ、その予備駆動中における目標回転角度と実際の応答回転角度との差をエンコーダなどの位置センサにより測定し、この差を除去するために必要な補正電流値を時間推移と共に求め、求めた補正電流値を予め記憶媒体に記憶させる。実際に、前記ステッピングモータを使用するときには、前記記憶媒体に記憶させた補正電流値を前記ステッピングモータの駆動開始の時点からの時間経過に応じて読み込み、この読み込んだ補正電流値をマイクロステップ駆動の基本電流値に付加して前記ステッピングモータを回転駆動させている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−107700号公報
従来のステッピングモータのマイクロステップ駆動装置では、使用するステッピングモータ毎に事前に予備駆動による補正電流値の測定を実施する必要があるため、ステッピングモータ駆動システムの開発に時間がかかるという問題があった。
また、補正電流値の読み込みをステッピングモータの駆動開始の時点からの時間経過に応じて読み込んでいるため、前記ステッピングモータの駆動軸回りの摩擦トルクの経年変化などにより、予備駆動の時のモータ回転角の時刻変化と前記ステッピングモータ使用時のモータ回転角の時刻変化とにわずかでも違いが生じると、記憶媒体から読み出した補正電流値と実際にディテントトルクの補正に必要な補正電流値との間に時間差が生じ、位相誤差となる。この位相誤差を含む補正電流値を用いて前記ステッピングモータを回転駆動させると、トルク変動を低減できないのみならず、最悪の場合にはトルク変動を一層増加させるという問題があった。
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、ディテントトルクの影響によるトルク変動の低減のために、予備駆動による補正電流値の測定などの事前作業を必要とせず、また摩擦トルクの経年変化などによりモータ駆動条件が変化した場合においても、前記トルク変動を低減できるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置を提供することを目的としている。
この発明に係るステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置は、ステッピングモータを駆動するドライバと、ドライバにマイクロステップ駆動信号を与える制御回路と、制御回路へ指令値を与える指令値生成部と、ステッピングモータに流れる実電流を検出する電流検出器と、電流検出器で検出した検出電流および指令値に基づいて、指令値に対する検出電流の推定位相差を推定する位相差推定部と、検出電流およびマイクロステップ駆動信号に基づいて、ステッピングモータが、推定位相差を適切な精度で推定できない低速で回転する時の推定モータ回転角θMELを推定する低速時モータ回転角推定部と、推定位相差および指令値に基づいて、ステッピングモータが高速回転する時の推定モータ回転角θMEHを推定する高速時モータ回転角推定部と、指令値に応じて増幅値がそれぞれ変化する低速推定角ゲインおよび高速推定角ゲインに基づいて、推定モータ回転角θMELおよび推定モータ回転角θMEHを適切な割合で加算して推定モータ回転角θMEを推定する加算部と、推定モータ回転角θMEに基づき、推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部と、推定ディテントトルクおよび推定モータ回転角θMEに基づいて、補償信号を生成する補償信号生成部とを備えるものである。
この発明は、ディテントトルクの影響によるトルク変動の低減のために、予備駆動による補正電流値の測定などの事前作業を必要とせず、また摩擦トルクの経年変化などによりモータ駆動条件が変化した場合においても、前記トルク変動を低減できるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置のモータ回転角推定部の詳細を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態5によるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の構成を示すブロック図であり、図2は同装置におけるモータ回転角推定部8の詳細を示すブロック図である。
まず、図1および図2を参照して、実施の形態1におけるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の構成について説明する。
図1において、ステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2は、ステッピングモータ1の各相に励磁電流を印加してステッピングモータ1を回転駆動させるドライバ3と、マイクロステップ駆動信号を生成してドライバ3に出力する制御回路4と、ステッピングモータ1への回転角度・角速度の指令値を生成して制御回路4に出力する指令値生成部5と、ドライバ3によってステッピングモータ1に印加された実電流を検出し、検出した検出電流を出力する電流検出器6と、前記検出電流、前記指令値および前記マイクロステップ駆動信号に基づいて補償信号を制御回路4に出力する推定演算部7とを備えている。
推定演算部7は、物理的にはマイクロコンピュータなどの演算処理装置にて構成されており、前記検出電流、前記指令値および前記マイクロステップ駆動信号に基づいてモータ回転角を推定するモータ回転角推定部8と、前記推定されたモータ回転角(以下、推定モータ回転角θME)に基づいて、現在のディテントトルクを推定するディテントトルク推定部9と、前記推定されたディテントトルク(以下、推定ディテントトルク)および前記推定モータ回転角θMEに基づいて、ディテントトルクを補償するための前記補償信号を生成して制御回路4へと出力する補償信号生成部10とを含んでいる。
図2において、モータ回転角推定部8は、前記指令値および前記検出電流に基づいて、前記指令値に対する前記検出電流の位相差を推定する位相差推定部11と、前記マイクロステップ駆動信号および前記検出電流に基づいて、ステッピングモータが低速回転する時のモータ回転角を推定する低速時モータ回転角推定部12と、位相差推定部11で推定した前記位相差(以下、推定位相差)および前記指令値に基づいて、モータが高速回転する時のモータ回転角を推定する高速時モータ回転角推定部13と、前記推定されたステッピングモータが低速回転する時のモータ回転角(以下、推定モータ回転角θMEL)および前記推定されたステッピングモータが高速回転する時のモータ回転角(以下、推定モータ回転角θMEH)ならびに前記指令値に基づいて、前記推定モータ回転角θMEを出力する加算部14とを有している。
加算部14は、推定モータ回転角θMELおよび前記指令値を入力して、推定モータ回転角θMELに、前記指令値に応じて増幅値が変化する低速推定角ゲインKLを積算して出力する低速時推定回転角増幅部15と、推定モータ回転角θMEHおよび前記指令値を入力して、推定モータ回転角θMEHに、前記指令値に応じて増幅値が変化する高速推定角ゲインKHを積算して出力する高速時推定回転角増幅部16と、これら低速時推定回転角増幅部15および高速時推定回転角増幅部16の出力を加算して、前記推定モータ回転角θMEを算出する加算器17にて構成されている。
次に、図1および図2を参照して、図1と図2の各ブロックの動作について説明する。
ただし、ステッピングモータ1、ドライバ3および指令値生成部5については、一般的なステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置で用いられるものの動作と同様であるので説明を省略する。また、以下では理解を容易にするため、ステッピングモータ1として2相タイプのステッピングモータを対象に説明を行うが、対象としてこれに限るものでなく、単相や3相以上の相数を持つステッピングモータにも適用可能である。以下の2相タイプのステッピングモータを対象とした説明は、容易に単相や3相以上の相数を持つステッピングモータに拡張可能である。
電流検出器6は、ステッピングモータ1の各相に印加された実電流を検出する検出器であり、電流検出器6として、電流検出用に一般的に使用されるホール効果を利用した電流センサや電流検出用に温度抵抗係数が調整された抵抗などの電流を検出する技術を利用可能である。
低速時モータ回転角推定部12は、2相タイプのステッピングモータ1の基礎電圧方程式である数式1および数式2に基づいてモータ回転角を推定する。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ここで、IAはA相巻線に流れる電流、IBはB相巻線に流れる電流、VAはドライバ3からステッピングモータ1へ出力されるA相巻線へのマイクロステップ駆動電圧信号、VBはB相巻線へのマイクロステップ駆動電圧信号、VはA相巻線に誘起される速度誘起電圧、VはB相巻線に誘起される速度誘起電圧、Lはステッピングモータ1のインダクタンス、Rはステッピングモータ1の巻線抵抗である。A相巻線の速度誘起電圧VとB相巻線の速度誘起電圧Vは、数式3および数式4のように表される。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ここで、KEはステッピングモータ1の誘起電圧定数、θMはステッピングモータ1の回転角、λはステッピングモータ1の基本ステップ角である。ラプラス演算子sを用いて、数式1と数式2とからA相巻線の速度誘起電圧VとB相巻線の速度誘起電圧Vの比を計算すると数式5の関係を得る。
Figure 2012046693
数式5は、右辺の分母・分子をそれぞれ(L・s+R)で除算することで数式6に変形できる。
Figure 2012046693
一方、数式3と数式4とから同様にA相巻線の速度誘起電圧VとB相巻線の速度誘起電圧Vの比を計算すると数式7の関係を得る。
Figure 2012046693
数式6と数式7とから、モータ回転角θMの推定値θMELを計算する式として数式8が得られる。
Figure 2012046693
ここで、IA0とIB0は、それぞれ以下の数式9および数式10に示す通りである。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
数式8、数式9および数式10の関係式を用いて、電流検出器6が検出したA相の実電流(検出電流)とB相の実電流(検出電流)とをそれぞれIAとIBに代入し、ドライバ3から出力されたA相へのマイクロステップ駆動信号およびB相へのマイクロステップ駆動信号を、それぞれVAとVBに代入することにより、ステッピングモータ1の現在の回転角θMの推定値である推定モータ回転角θMELが計算できる。
ただし、推定モータ回転角θMELは、電流検出器6に付随して使用される高周波ノイズ遮断用のローパスフィルタの影響やステッピングモータ1のコイルインダクタンスLと巻線抵抗Rの影響により、わずかながらモータ回転角θMに対して位相が遅れる。ステッピングモータ1の回転速度が低速の場合には、この位相遅れはディテントトルクの補償に影響を与えないが、前記回転速度が高速になった場合には大きな影響を与える。
位相差推定部11は、電流指令値に対する検出電流の位相差を推定する。まず、電流検出器6で検出されたA相巻線に流れる電流IAと、B相巻線に流れる電流IBとから数式11に基づいて印加電流の大きさI0を計算する。
Figure 2012046693
ここで、モータ回転角の指令値θに基づいて、位相遅れのない理想的なA相電流指令波形IA およびB相電流指令波形IB を、それぞれ数式12および数式13のように与えるとする。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
このとき、A相巻線に流れる電流IAおよびB相巻線に流れる電流IBとは、それぞれ数式14および数式15のように表される。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ここで、γは電流指令値に対する検出電流の位相差である。
数式12、数式13、数式14および数式15の関係式を用いて、数式16を計算することにより、電流指令値に対する検出電流の位相差の推定値(推定位相差γ)を推定できる。
Figure 2012046693
高速時モータ回転角推定部13は、位相差推定部11で推定された推定位相差γに基づいてモータ回転角を推定する。
A相巻線に流れる電流IAおよびB相巻線に流れる電流IBを、モータ回転角の指令値θと実際のモータの回転角θMとの偏差Δθを用いて書き表すと、それぞれ数式17および数式18のように表される。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ここで、数式14および数式15、ならびに数式17および数式18の関係式から、数式19が得られる。この数式19から、推定位相差γに相当するモータ回転角の偏差Δθを計算できる。
Figure 2012046693
数式19で計算されたモータ回転角の偏差Δθを、数式20の関係式に用いることで、現在の回転角θMの推定値である推定モータ回転角θMEHを求めることができる。
Figure 2012046693
モータ回転角の推定値θMEの推定に用いる推定位相差γは、ステッピングモータが低速回転の時には、非常に小さな値であり、ノイズ等の影響により推定精度を高くすることが困難である。そのため、ステッピングモータ1が、推定位相差γを適切な精度で推定できない低速で回転する時には、推定位相差γを使用して推定される推定モータ回転角θMEHの精度は、推定位相差γを用いずに求めた推定モータ回転角θMELに比較して低い。一方、ステッピングモータが高速回転の時には、位相差は推定値θMEの推定をおこなうのに十分な大きさとなるため、高速回転の時には高い精度で推定モータ回転角θMEHを推定することができる。
低速時推定回転角増幅部15は、低速時の推定モータ回転角θMELを前記指令値に応じて適切な割合で増幅する。また、高速時推定回転角増幅部16は、高速時の推定モータ回転角θMEHを前記指令値に応じて適切な割合で増幅する。これらの適切な割合の増幅とは、数式21に示す関係を満たす増幅であり、推定モータ回転角推定値θMELおよび推定モータ回転角推定値θMEHからモータ回転角推定部8の出力である推定モータ回転角θMEを計算する。
Figure 2012046693
ここで、数式21の右辺第1項のθMELの係数(1−ρ(dθ/dt))が低速推定角ゲインKL、右辺第2項のθMEHの係数ρ(dθ/dt)が高速推定角ゲインKHである。また、係数ρ(dθ/dt)はモータ角速度の指令値dθ/dtの関数で、数式22を満足するように設定される。
Figure 2012046693
ここで、ωはモータ回転角推定値θMELの誤差が顕著となる角速度で、例えばステッピングモータ1のインダクタンスLと巻線抵抗Rから計算される角速度ωc=R/Lなどを設定する。数式22を満足する係数ρ(dθ/dt)の関数としては様々なものが考えられ、駆動条件や使用するモータ特性に応じて設計できる。
数式21および数式22に示すように、低速推定角ゲインKLおよび高速推定角ゲインKHを用いて推定モータ回転角θMEを推定することにより、モータ角速度が十分低速の場合には推定モータ回転角θMELの値に、高速の場合には推定モータ回転角θMEHの値に漸近した推定値が出力できる。これにより、モータ角速度の大きさによらず、常に高精度にモータ回転角を推定することが可能となる。また、推定モータ回転角θMELおよび推定モータ回転角θMEHをモータ角速度に応じて切り替えて出力するのではなく、適切な割合で足し合わせて出力する構成としているため、モータ角速度によって推定モータ回転角θMEが不連続となることがない。
ディテントトルク推定部9は、モータ回転角推定部8で推定した推定モータ回転角θMEを用いて、ディテントトルクの1次成分を表す数式23から、ステッピングモータ1の回転角θMにおけるディテントトルクの推定値である推定ディテントトルクTME(θM)を推定する。
Figure 2012046693
ここで、TM0はモータのカタログ等に記載されるディテントトルクの最大値である。
補償信号生成部10は、ディテントトルク推定部9で推定した推定ディテントトルクTMEの影響を除外し、ディテントトルクの影響によるトルク変動を低減するための補償信号を生成する。補償信号生成部10で生成する補償信号は、ディテントトルク推定部9で推定した推定ディテントトルクTMEと、モータ回転角推定部8で推定した推定モータ回転角θMEから、数式24および数式25に基づいて、A相巻線への補償信号ΔVAおよびB相巻線への補償信号ΔVBを生成する。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ここで、KTはステッピングモータ1のトルク定数、変数αと変数βはそれぞれ数式26および数式27に示す通りである。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
制御回路4は、補償信号生成部10が生成したA相巻線への補償信号ΔVAおよびB相巻線への補償信号ΔVBに、それぞれマイクロステップ駆動信号の基本信号である正弦波状のA相駆動信号VA0およびB相駆動信号VB0を加えることで、数式28および数式29に示すように、A相へのマイクロステップ駆動信号VAとB相へのマイクロステップ駆動信号VBを生成する。そして、生成したA相駆動信号VAおよびB相駆動信号VBをドライバ3へ送信する。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
ドライバ3へ送信されたA相駆動信号VAおよびB相駆動信号VBにそれぞれ含まれるA相巻線への補償信号ΔVAおよびB相巻線への補償信号ΔVBが、それぞれドライバ3によってステッピングモータ1に印加されると、数式30および数式31に示されるA相巻線での補償電流ΔIAおよびB相巻線での補償電流ΔIBがステッピングモータ1の各相の巻線に流れる。
Figure 2012046693
Figure 2012046693
A相巻線での補償電流ΔIAおよびB相巻線での補償電流ΔIBが、ステッピングモータ1に印加されると、ステッピングモータ1には補償トルクΔτが生じる。このとき生じる補償トルクΔτは、2相ステッピングモータの印加電流と出力トルクτの関係を示す数式32から求めることができる。
Figure 2012046693
具体的には、数式32のA相巻線電流IAおよびB相巻線電流IBに、数式30および数式31からそれぞれ求められるA相巻線での補償電流ΔIAおよびB相巻線での補償電流ΔIBを代入して、補償トルクΔτを求める数式33を得ることができる。
Figure 2012046693
数式33から求められる補償トルクΔτは、数式23に示したディテントトルク推定部9で推定した推定ディテントトルクTMEと一致する。因って、補償信号生成部10で生成するA相巻線への補償信号ΔVAおよびB相巻線への補償信号ΔVBに基づいてステッピングモータ1を回転駆動することで、ディテントトルク推定部9で推定した推定ディテントトルクTMEを打ち消す補償トルクΔτがモータ1に生じ、ディテントトルクの影響による変動トルクは低減される。
以上のように、本実施の形態のステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2は、ステッピングモータ1を駆動するドライバ3と、ドライバ3にマイクロステップ駆動信号を与える制御回路4と、制御回路4へ指令値を与える指令値生成部5と、ステッピングモータ1に流れる実電流を検出する電流検出器6と、電流検出器6で検出した検出電流および前記指令値に基づいて、前記指令値に対する前記検出電流の推定位相差を推定する位相差推定部11と、前記検出電流および前記マイクロステップ駆動信号に基づいて、ステッピングモータ1が、前記推定位相差を適切な精度で推定できない低速で回転する時の推定モータ回転角θMELを推定する低速時モータ回転角推定部12と、前記推定位相差および前記指令値に基づいて、ステッピングモータ1が高速回転する時の推定モータ回転角θMEHを推定する高速時モータ回転角推定部13と、前記指令値に応じて増幅値がそれぞれ変化する低速推定角ゲインKLおよび高速推定角ゲインKHに基づいて、前記推定モータ回転角θMELおよび前記推定モータ回転角θMEHを適切な割合で加算して推定モータ回転角θMEを推定する加算部14と、前記推定モータ回転角θMEに基づき、推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部9と、前記推定ディテントトルクおよび前記推定モータ回転角θMEに基づいて、補償信号を生成する補償信号生成部10とを備えている。
このように構成することで、ディテントトルクの影響によるトルク変動の低減のために、予備駆動による補正電流値の測定などの事前作業を必要とせず、モータ使用前の補正電流値の測定作業が省けるので、モータ駆動システムの開発に要する期間を短縮できる。
また、従来のように予め記憶媒体に記憶させた補正電流値をモータ駆動開始時からの時間経過に応じて読み込んで補償電流の制御に用いることなく、ステッピングモータ1が回転駆動している間に求めた補償信号に基づいてステッピングモータ1に補償電流を印加するので、摩擦トルクの経年変化などによりステッピングモータ1の駆動条件が変化した場合においても、常にディテントトルクの影響によるトルク変動を低減できる。これにより、本実施の形態の構成によるマイクロステップ駆動制御装置2は、幅広いステッピングモータ1の駆動条件の下で利用することが可能となる。
また、ステッピングモータ1が回転駆動している間、常に補償信号を生成して、この補償信号に基づいてディテントトクの補償に必要な補償電流を印加する構成としたので、ステッピングモータ1の回転駆動の途中で、摩擦トルクなどのステッピングモータ1の駆動条件が変化した場合でも、変化した駆動条件に合わせた補償信号をリアルタイムに生成できるので、時間的変化が早いステッピングモータ1の駆動条件変化が生じた場合においても、常にディテントトルクの影響によるトルク変動を低減できる。
また、モータ回転角推定部8を、それぞれ別々の推定部を用いて求めた推定モータ回転角θMELと推定モータ回転角θMEHとを切り替えることなく、適切な割合で足し合わせて推定モータ回転角θMEを求める構成としたので、低速回転から高速回転時まで推定値が連続的で飛びがなく、高い精度でモータ回転角θMを推定することができる。これにより、ステッピングモータが低速回転の時から高速回転の時まで回転速度によらず、ディテントトルクを高精度に補償することができる。これにより、本実施の形態の構成によるマイクロステップ駆動制御装置2は、幅広いステッピングモータ1の駆動条件の下で利用することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、ディテントトルク推定部9における推定ディテントトルクの推定に、ディテントトルクの1次成分を表す数式23を用いる構成を説明したが、これに限ることなく、ディテントトルクの高次成分を含む推定式を用いる構成もよい。本実施の形態においては、代表して、ディテントトルクの1次成分に加えて、n次成分(n>2)までを含む推定式を用いる構成について説明する。なお、前記ディテントトルクの高次成分を含む推定式を用いる構成以外は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
ディテントトルクの1次成分に加えて、n次成分を含む推定式は数式34のように表される。
Figure 2012046693
ここで、TMkはディテントトルクのk次成分の振幅である。
ステッピングモータ1のディテントトルクの1次成分からm次成分までの振幅の特性が、モータの仕様値として規定されている場合には、前記仕様値を用いて、数式34をm次成分まで適用することで、1次成分からm次成分までのディテントトルクの影響によるトルク変動を低減できる。つまり、モータの仕様値として特性が規定されている範囲の高次成分のディテントトルクの影響によるトルク変動を低減できるので、より高精度にディテントトルクを補償することができる。
また、このように高次成分のディテントトルクの影響によるトルク変動を低減できることに加えて、実施の形態1と同様な作用、効果が得られることは言うまでもない。
また、モータの仕様値として2次成分以上のディテントトルクの振幅の特性が規定されていない場合でも、ステッピングモータ1を使用する前に予備駆動を行ってモータ回転時のトルク変動のデータを取得し、その結果を周波数解析することで各回転成分の振幅を求めることができる。この場合には、モータ使用前に予備駆動が必要となるものの、従来のように回転角毎でのディテントトルクの特性を詳細に測定する必要がないため、予備駆動と各高次成分の振幅の測定に要する時間はわずかである。
実施の形態3.
実施の形態1および2では、常に、推定演算部7から制御回路4へ補償信号を渡す構成としているが、これに限ることなく、図3に示すように、推定演算部7から出力される補償信号と、予め記憶媒体に記憶された補償信号とを、任意に切り替えて用いる構成としてもよい。
まず、本実施の形態の構成について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態によるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の構成を示すブロック図であり、図1の構成に、記憶媒体18、第1切り替えスイッチ19および第2切り替えスイッチ20が追加されている。記憶媒体18は、補償信号生成部10が生成した補償信号を、第2切り替えスイッチ20を介して内部に記憶すると共に、記憶した補償信号を、第1切り替えスイッチ19を介して制御回路4に出力する。第1切り替えスイッチ19は、制御回路4に出力する補償信号を、補償信号生成部10からの補償信号と記憶媒体18からの記憶された補償信号との間で切り替える。第2切り替えスイッチ20は、補償信号生成部10が出力した補償信号を記憶媒体18に出力する時機を制御する。その他の構成は、実施の形態1または2と同様なので説明を省略する。
次に、図3と図4を参照して、本実施の形態におけるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の動作について説明する。図4は、第1切り替えスイッチ19と第2切り替えスイッチ20の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、第1ステップ100において、第1切り替えスイッチ19を、補償信号生成部10からの補償信号を制御回路4へ出力する構成に切り替え、同時に、第2切り替えスイッチ20を、補償信号生成部10からの補償信号を記憶媒体18へ出力して記憶させる構成に切り替える。このとき、制御回路4に与えられる補償信号は、補償信号生成部10からリアルタイムで出力された信号であり、記憶媒体14にも同じ信号が時間推移と共に記憶されている。
次に、第2ステップ101において、記憶媒体18にモータ回転角1周分の補償信号の記憶が完了したかどうかを判定する。前記判定で、記憶が完了していないと判定された場合には前記記憶の処理を継続し、記憶が完了したと判定された場合には、第3ステップ102に進む。
第3ステップ102において、第1切り替えスイッチ19を、記憶媒体18の前記記憶された補償信号を制御回路4へ出力する構成に切り替え、同時に、第2切り替えスイッチ20を、補償信号生成部10からのリアルタイムの補償信号を記憶媒体18へ出力しない構成に切り替えることで、記憶媒体18への書き込みを停止する。これらのスイッチ切り替え後は、推定演算部7の演算処理を停止し、制御回路4へは記憶媒体18から読み出した補償信号が出力される。
続いて、第4ステップ103において、第3ステップ102を実施した後、ある一定時間T(秒)経過したかどうかを判定し、一定時間経過した場合には、第1ステップ100に戻る。このとき、推定演算部7の演算処理を再開し、再び補償信号生成部10から補償信号が出力される。
なお、その他の構成要素であるドライバ3、指令値生成部5および電流検出器6の動作については、実施の形態1と同様なので説明を省略する。
このように本実施の形態では、ステッピングモータ1を回転駆動させている間の内、第4ステップ103を実行している間に推定演算部7の演算を停止することができる。これにより、推定演算部7の演算処理を物理的に実施しているマイクロコンピュータなどの演算処理装置にかかる演算負荷を軽減することができる。特に、演算処理装置の演算負荷が増加するステッピングモータ1を高速で回転駆動する場合において、この演算負荷を低減する効果により、高い演算処理能力を有する演算処理装置を用いる必要ないという利点が得られる。
また、このような演算負荷を低減する効果に加えて、実施の形態1で述べた「時間的変化が早いステッピングモータ1の駆動条件変化が生じた場合のトルク変動を低減する効果」の時間応答性が、前記一定時間Tに対応する分だけ低下することを除けば、実施の形態1と同様な作用、効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態4.
実施の形態1から3では、モータ回転角推定部8として低速時モータ回転角推定部12と高速時モータ回転角推定部13の両方を同時に使用して推定モータ回転角θMEを計算する構成としているが、これに限ることなく、図5に示すように、低速時モータ回転角推定部12のみを用いる構成としてもよい。
まず、本実施の形態の構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態によるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の構成を示すブロック図である。本実施の形態の構成では、図1の構成におけるモータ回転角推定部8に代わって、低速時モータ回転角推定部12で構成されている。このとき、低速時モータ回転角推定部12には、制御回路4で生成されたマイクロステップ駆動信号と、電流検出器6で検出した検出電流が入力される。そして、低速時モータ回転角推定部12で推定したモータ回転角θMELを、ディテントトルク推定部9と、補償信号生成部10とに出力する構成となっている。その他の構成は、実施の形態1から3のいずれかの構成と同様なので説明を省略する。
次に、図5を参照して、本実施の形態におけるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の動作について説明する。
図5に示すように、低速時モータ回転角推定部12は、電流検出器6が検出した検出電流と、制御回路4で生成されたマイクロステップ駆動信号から、実施の形態1に示した数式8、数式9および数式10の関係式を用いて、ステッピングモータ1の現在の回転角θMの推定値である推定モータ回転角θMELを計算する。
低速時モータ回転角推定部12で推定された推定モータ回転角θMELは、電流検出器6に付随して使用される高周波ノイズ遮断用のローパスフィルタやステッピングモータ1のコイルインダクタンスLと巻線抵抗Rの遅れの影響が無視できるほど低速でモータが回転する場合には、モータ回転角θMに対して位相が遅れることなく、高い精度でモータ回転角θMに一致する。
ディテントトルク推定部9と補償信号生成部10は、実施の形態1と同様に、低速時モータ回転角推定部12で推定した推定モータ回転角θMELに基づいて、ディテントトルクの推定を行い、推定したディテントトルクを打ち消すための補償信号を生成する。
このように本実施の形態では、モータ回転角推定部8として低速時モータ回転角推定部12のみを用いる構成とすることで、位相差推定部11や高速時モータ回転角推定部13や加算部14を省けるため、演算処理装置に必要な演算を低減することができ、高い演算処理能力を有する演算処理装置を用いる必要がないという利点が得られる。
また、このように演算負荷を低減する効果に加えて、電流検出器6に付随して使用される高周波ノイズ遮断用のローパスフィルタやステッピングモータ1のコイルインダクタンスLと巻線抵抗Rの遅れの影響が無視できるほど低速でモータが回転している場合には、従来のように予備駆動による補正電流値の測定などの事前作業を必要とせずに、ディテントトルクの影響によるトルク変動を低減可能である。これにより、モータ使用前の補正電流値の測定作業が省けるので、モータ駆動システムの開発に要する期間を短縮可能である。
実施の形態5.
実施の形態1から3では、モータ回転角推定部8として低速時モータ回転角推定部12と高速時モータ回転角推定部13の両方を同時に使用して推定モータ回転角θMEを計算する構成としているが、これに限ることなく、図6に示すように、位相差推定部11と高速時モータ回転角推定部13のみを用いる構成としてもよい。
まず、本実施の形態の構成について、図6を参照して説明する。図6は、本実施の形態によるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の構成を示すブロック図である。本実施の形態の構成では、図1の構成におけるモータ回転角推定部8に代わって、位相差推定部11と高速時モータ回転角推定部13で構成されている。このとき、位相差推定部11には、指令値生成部5から出力された電流指令値と、電流検出器6で検出した検出電流が入力される。そして、位相差推定部11は、前記指令値と前記検出電流に基づいて推定した推定位相差を高速時モータ回転角推定部13に出力する。高速時モータ回転角推定部13には、指令値生成部5から出力された前記指令値と、位相差推定部11で計算された前記推定位相差が入力される。そして、高速時モータ回転角推定部13で推定したモータ回転角θMEHを、ディテントトルク推定部9と、補償信号生成部10とに出力する構成となっている。その他の構成は、実施の形態1から3のいずれかの構成と同様なので説明を省略する。
次に、図6を参照して、本実施の形態におけるステッピングモータ1のマイクロステップ駆動制御装置2の動作について説明する。
図6に示すように、位相差推定部11は、指令値生成部5から出力された電流指令値と、電流検出器6で検出した検出電流から、実施の形態1に示した数式16の関係式を用いて、電流指令値に対する検出電流の位相差を推定する。
高速時モータ回転角推定部13は、位相差推定部11で計算された推定位相差と指令値生成部5から出力された指令値から、実施の形態1に示した数式19および数式20の関係式を用いて、ステッピングモータ1の現在の回転角θMの推定値である推定モータ回転角θMEHを計算する。
高速時モータ回転角推定部13で推定された推定モータ回転角θMEHは、位相差推定部11で計算される推定位相差の値がノイズ等の影響を受けないほど大きくなるモータ高速回転時には、高い精度でモータ回転角θMに一致する。
ディテントトルク推定部9と補償信号生成部10は、実施の形態1と同様に、高速時モータ回転角推定部13で推定した推定モータ回転角θMEHに基づいて、ディテントトルクの推定を行い、推定したディテントトルクを打ち消すための補償信号を生成する。
このように本実施の形態では、モータ回転角推定部8に代わって、位相差推定部11と高速時モータ回転角推定部13を用いる構成とすることで、低速時モータ回転角推定部12と加算部14を省けるため、演算処理装置に必要な演算を低減することができ、高い演算処理能力を有する演算処理装置を用いる必要がないという利点が得られる。
また、このように演算負荷を低減する効果に加えて、位相差推定部11で計算される推定位相差の値がノイズ等の影響を受けないほど大きくなるモータ高速時には、従来のように予備駆動による補正電流値の測定などの事前作業を必要とせずに、ディテントトルクの影響によるトルク変動を低減可能である。これにより、モータ使用前の補正電流値の測定作業が省けるので、モータ駆動システムの開発に要する期間を短縮可能である。
なお、以上の実施の形態では、ディテントトルク推定部9における推定ディテントトルクの推定に、数式23または数式34を用いる構成を説明したが、これに限ることなく、外乱オブザーバ等のオブザーバを用いる構成でもよい。
1 ステッピングモータ、2 マイクロステップ駆動制御装置、3 ドライバ、4 制御回路、5 指令値生成部、6 電流検出器、7 推定演算部、8 モータ回転角推定部、9 ディテントトルク推定部、10 補償信号生成部、11 位相差推定部、12 低速時モータ回転角推定部、13 高速時モータ回転角推定部、14 加算部、15 低速時推定回転角増幅部、16 高速時推定回転角増幅部、17 加算器、18 記憶媒体、19 第1切り替えスイッチ、20 第2切り替えスイッチ、100 第1ステップ、101 第2ステップ、102 第3ステップ、103 第4ステップ。

Claims (8)

  1. ステッピングモータを駆動するドライバと、
    前記ドライバにマイクロステップ駆動信号を与える制御回路と、
    前記制御回路へ指令値を与える指令値生成部と、
    前記ステッピングモータに流れる実電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器で検出した検出電流および前記指令値に基づいて、前記指令値に対する前記検出電流の推定位相差を推定する位相差推定部と、
    前記検出電流および前記マイクロステップ駆動信号に基づいて、ステッピングモータが、前記推定位相差の推定が所定の精度を確保できない低速で回転する時の推定モータ回転角θMELを推定する低速時モータ回転角推定部と、
    前記推定位相差および前記指令値に基づいて、ステッピングモータが、前記推定位相差の推定が所定の精度を確保できる高速で回転する時の推定モータ回転角θMEHを推定する高速時モータ回転角推定部と、
    前記指令値に応じて増幅値がそれぞれ変化する低速推定角ゲインおよび高速推定角ゲインに基づいて、前記推定モータ回転角θMELおよび前記推定モータ回転角θMEHを所定の割合で加算して推定モータ回転角θMEを推定する加算部と、
    前記推定モータ回転角θMEに基づき、推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部と、
    前記推定ディテントトルクおよび前記推定モータ回転角θMEに基づいて、補償信号を生成する補償信号生成部とを備えるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  2. ステッピングモータを駆動するドライバと、
    前記ドライバにマイクロステップ駆動信号を与える制御回路と、
    前記制御回路へ指令値を与える指令値生成部と、
    前記ステッピングモータに流れる実電流を検出する電流検出器と、
    前記検出電流および前記マイクロステップ駆動信号に基づいて、ステッピングモータが、前記推定位相差の推定が所定の精度を確保できない低速で回転する時の推定モータ回転角θMELを推定する低速時モータ回転角推定部と、
    前記推定モータ回転角θMELに基づき、推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部と、
    前記推定ディテントトルクおよび前記推定モータ回転角θMELに基づいて、補償信号を生成する補償信号生成部とを備えるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  3. ステッピングモータを駆動するドライバと、
    前記ドライバにマイクロステップ駆動信号を与える制御回路と、
    前記制御回路へ指令値を与える指令値生成部と、
    前記ステッピングモータに流れる実電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器で検出した検出電流および前記指令値に基づいて、前記指令値に対する前記検出電流の推定位相差を推定する位相差推定部と、
    前記推定位相差および前記指令値に基づいて、ステッピングモータが、前記推定位相差の推定が所定の精度を確保できる高速で回転する時の推定モータ回転角θMEHを推定する高速時モータ回転角推定部と、
    前記推定モータ回転角θMEHに基づき、推定ディテントトルクを推定するディテントトルク推定部と、
    前記推定ディテントトルクおよび前記推定モータ回転角θMEHに基づいて、補償信号を生成する補償信号生成部とを備えるステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  4. 低速時モータ回転角推定部は、検出電流およびマイクロステップ駆動信号に基づいて、モータの基礎電圧方程式と速度誘起電圧式から推定モータ回転角θMELを推定する、請求項1または2に記載のステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  5. 高速時モータ回転角推定部は、指令値および推定位相差に基づいて、電流位相差とモータ回転角の偏差の関係から推定モータ回転角θMEHを推定する、請求項1または3に記載のステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  6. ディテントトルク推定部は、推定モータ回転角θMEに基づいて、ディテントトルクのn次成分まで含む推定式から推定ディテントトルクを推定する、請求項1から5のいずれか1項に記載のステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  7. 補償信号生成部は、推定モータ回転角θMEおよび推定ディテントトルクを用いて、前記推定ディテントトルクと、大きさおよび位相が一致する補償トルクを出力させる補償信号を生成する、請求項1から6のいずれか1項に記載のステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
  8. 制御回路に入力される補償信号は、補償信号生成部が出力する補償信号と予め記憶媒体に記憶された補償信号とで切り替え可能とした、請求項1から7のいずれか1項に記載のステッピングモータのマイクロステップ駆動制御装置。
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