JP6931980B2 - サーボ制御装置 - Google Patents
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Description
並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または回転変位を制御するための制御トルク、を印加するアクチュエータと、を備える。
そして、上記速度推定器が、サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性、に基づいたカルマンフィルタで構成され、上記位置検出値および上記制御指令値を入力として、上記制御対象の速度推定値を推定して出力することを特徴とする。
その場合、上記サーボ制御装置は、更に、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する遅延器と、
上記位置推定値と上記位置検出値とのいずれか一方を位置選択信号に基づいて選択し、位置フィードバック信号として出力する第1の位置信号選択器と、
上記遅延器から出力される上記位置推定値の遅延信号と上記位置検出値とのいずれか一方を位置選択信号に基づいて選択し、速度推定器入力信号として出力する第2の位置信号選択器と、
上記速度推定器入力信号と上記位置検出値とに基づいて、第1および第2の位置信号選択器に入力するための位置選択信号を生成して出力する位置選択信号制御器と、を備える。
そして、上記速度推定器を構成するカルマンフィルタまたは定常カルマンフィルタは,上記速度推定器入力信号と、上記制御指令値または上記速度指令値と上記速度推定値との速度偏差と、を入力として、上記制御対象の位置推定値および速度推定値を推定して出力する。また、上記位置制御器は、外部から与えられる上記位置指令値と、上記位置フィードバック信号とに基づいて、上記速度指令値を演算して出力する。
並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度および位置を推定し、速度推定値および位置推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する第1の遅延器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記制御対象へ作用する外乱を推定し、外乱推定値として出力する外乱推定器と、
上記制御指令値の遅延信号を生成して出力する第2の遅延器とを備える。
そして、上記速度推定器が、上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性に基づいたカルマンフィルタで構成され、上記位置検出値、上記外乱推定値、および第2の遅延器から出力される制御指令値の遅延信号を入力として、上記制御対象の速度推定値および位置推定値を推定して出力することを特徴とする。
上記外乱推定器が、外乱推定動作の実行または停止を位置選択信号に基づいて決定するように構成される。
上記サーボ制御装置が、更に、
上記位置検出値と上記位置推定値のいずれか一方を上記位置選択信号に基づいて選択し、上記位置制御器への位置フィードバック信号として出力する第1の位置信号選択器と、
上記位置検出値と上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号とのいずれか一方を上記位置選択信号に基づいて選択し、速度推定器入力信号として出力する第2の位置信号選択器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記第1の位置信号選択器、上記第2の位置信号選択器、および上記外乱推定器に入力するための上記位置選択信号を生成して出力する位置選択信号制御器とを備える。
上記速度推定器を構成するカルマンフィルタまたは定常カルマンフィルタが、上記第2の位置信号選択器からの上記速度推定器入力信号、上記外乱推定値、および上記第2の遅延器から出力される制御指令値または速度偏差の遅延信号を入力として、上記制御対象の速度推定値および位置推定値を推定して出力する。
上記位置制御器が、外部から与えられる上記位置指令値と、上記第1の位置信号選択器からの上記位置フィードバック信号とに基づいて、上記速度指令値を演算して出力する。
以下、図を用いて実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1によるサーボ制御装置100の構成を示すブロック線図であり、図1において図10と同じ構成要素には同一番号を付している。図1に記した記号の意味は、図10における記号の意味と同じである。
図3は、実施の形態1によるサーボ制御装置100において、位置指令値を一定値とした場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
図5は、実施の形態1によるサーボ制御装置100において、位置指令値の時間変化率を所定の一定値とした場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と位置検出器2から出力される位置検出値104との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の速度指令値102を演算して出力する。
速度制御器4では、位置制御器3から出力される速度指令値102と速度推定器6aから出力される速度推定値105との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の制御指令値を演算して出力し、更に制御指令リミッタ7aによって当該制御指令値にリミット処理を施した信号を最終的な制御指令値103として出力する。
アクチュエータ5では、制御指令リミッタ7aから出力される制御指令値103に基づいて、位置xを位置指令値101に追従させるような制御力または制御トルクを制御対象1に対して印加する。
速度推定器6aでは、位置検出器2から出力される位置検出値104、および制御指令リミッタ7aから出力される制御指令値103に基づいて、制御対象1の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値105として出力する。
従来の基本的なサーボ制御装置200では、矩形波状に変動する位置検出値104の擬似微分によって推定される速度推定値105にはスパイク状の速度推定誤差が発生し、矩形波状に変動する位置検出値104と、スパイク状の速度推定誤差が重畳した速度推定値105と、をフィードバックして位置制御および速度制御を実施する。
したがって、従来の基本的なサーボ制御装置200では、特に、制御対象1の動作速度が零近傍となる低速駆動領域において、位置制御精度および速度制御精度が劣化する。
図2によれば、位置検出値104が検出分解能(1LSB)を振幅として矩形波状に変動して、速度推定値105にスパイク状の速度推定誤差が重畳した結果、本来ゼロとなるべき制御指令値103が変動し、本来ゼロとなるべき真の速度、および本来一定値となるべき真の位置xの制御精度が劣化していることがわかる。
従来の基本的なサーボ制御装置200では、真の位置xに同期した変動的な位置検出誤差を含む位置検出値104と、真の位置xに同期した変動的な速度推定誤差を含む速度推定値105と、をフィードバックして位置制御および速度制御を実施する。
このような従来の基本的なサーボ制御装置では、特に、制御対象1の動作速度が中高速駆動となる領域において、速度制御精度が劣化する。
図4によれば、速度推定値105に対して、真の位置xに同期した変動的な位置検出誤差が増幅された速度推定誤差が重畳した結果、制御指令値103も特に速度推定誤差に同期して変動し、本来一定値となるべき真の速度の制御精度が劣化していることがわかる。
なお、図4において、実線で表記した真の位置xと、破線で表記した位置検出値104は互いに重なっている。
この速度推定器6aでは、図1に示すように位置検出器2から出力される位置検出値104と、制御指令リミッタ7aから出力される制御指令値103とを入力として、制御対象1の速度推定値105を推定して速度制御器4へフィードバックする。
なお、図3に関する時間応答シミュレーションと、従来の基本的なサーボ制御装置200の図2に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、また、横軸が同一スケールである。サーボ制御装置の基本構成は速度推定器のみが異なっている。
図3において、実線で表記した真の速度と、破線で表記した速度推定値105と、が互いに重なっている。
なお、図5に関する時間応答シミュレーションと、従来の基本的なサーボ制御装置200の図4に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、また、横軸が同一スケールである。サーボ制御装置の基本構成は速度推定器のみが異なっている。
図5において、実線で表記した真の速度と、破線で表記した速度推定値105と、が互いに重なっている。
以下、図を用いて実施の形態2について説明する。
図6は、実施の形態2によるサーボ制御装置100の構成を示すブロック線図である。図6において、図1と同じ構成要素には同一番号を付して説明は省略する。図6に記した記号の意味は以下の通りである。但し、図1と同じ記号の説明は省略する。
速度制御器4では、速度偏差リミッタ7bから出力されるリミット処理後の速度偏差106に基づいて、サーボ制御装置100の制御指令値103を演算して出力する。
速度推定器6bでは、位置検出器2から出力される位置検出値104と、速度偏差リミッタ7bから出力される速度偏差106とに基づいて、制御対象1の速度を推定して、速度推定値105として出力する。
実施の形態2によるサーボ制御装置100(図6)では、速度偏差106から位置検出値104までの動特性、つまり、速度制御器4、アクチュエータ5、制御対象1および位置検出器2の動特性が、サーボ制御装置100の速度制御帯域を内包する周波数領域において剛体特性で近似できると仮定する。そして、速度推定器6bを、以下に示すフィルタ方程式で与えられる定常カルマンフィルタで構成する。
実施の形態2によるサーボ制御装置100では、上記特性を利用して、カルマンフィルタが定係数フィルタへ収束した後の定常カルマンゲインを適用した。そして、定常カルマンフィルタによって速度推定器6bを構成した。
この速度推定器6bでは、図6に示すように位置検出器2から出力される位置検出値104と、速度偏差リミッタ7bから出力される速度偏差106と、を入力として、制御対象1の速度推定値105を推定して、速度偏差リミッタ7bへフィードバックする。
以下、図を用いて実施の形態3について説明する。
図7は、実施の形態3によるサーボ制御装置100の構成を示すブロック線図である。図7において、図6と同じ構成要素には同一番号を付して説明は省略する。図7に記した記号の意味は以下の通りである。但し、図6と同じ記号の説明は省略する。
図9は、実施の形態3によるサーボ制御装置100において、位置検出値の誤差が一定期間拡大した場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
遅延器8では、速度推定器6bから出力される位置推定値107を入力とし、その1サンプリング遅延信号108を生成して出力する。
第1の位置信号選択器9では、速度推定器6bから出力される位置推定値107と、位置検出器2から出力される位置検出値104とのいずれか一方を、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて選択して、位置フィードバック信号として出力する。
第2の位置信号選択器10では、遅延器8から出力される位置推定値の1サンプリング遅延信号108と、位置検出器2から出力される位置検出値104とのいずれか一方を、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて選択して、速度推定器入力信号として出力する。
位置選択信号制御器11では、第2の位置信号選択器10から出力される速度推定器入力信号と、位置検出器2から出力される位置検出値104とに基づいて、第1の位置信号選択器9および第2の位置信号選択器10に入力するための位置選択信号、を生成して出力する。
速度推定器6bでは、第2の位置信号選択器10から出力される速度推定器入力信号と、速度偏差リミッタ7bから出力される速度偏差106とに基づいて、制御対象1の位置および速度を推定する。そして、速度推定器6bは、推定した位置を位置推定値107として出力し、推定した速度を速度推定値105として出力する。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と第1の位置信号選択器9から出力される位置フィードバック信号との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の速度指令値102を演算して出力する。
図6に示す実施の形態2によるサーボ制御装置100において、位置検出器2の不良動作に起因して、真の位置xに対する位置検出値104の誤差が一定期間拡大した場合、定常カルマンフィルタで構成された速度推定器6bでは、過大な誤差が重畳した位置検出値104に基づいて速度推定値105を推定する。そのため、真の速度に対する速度推定精度が劣化する。このとき、サーボ制御装置100では、一定期間にせよ、過大な誤差が重畳した位置検出値104と、推定精度が劣化した速度推定値105とをフィードバックして、位置制御および速度制御を実施する。そのため、位置検出値104に一定期間重畳する誤差量に応じて、位置制御精度および速度制御精度が極度に劣化する。
図8によれば、制御指令値103は速度偏差リミッタ7bに対応した制御指令リミット値まで到達している。つまり、位置検出値104に対する過大な誤差の重畳に応じて速度推定値105の推定精度が極度に劣化し、制御指令値103が大幅に乱される。そのため、位置検出値104における誤差拡大期間(50ms)に対して、サーボ制御装置100が正常動作に復帰するまでに、概ね0.3sの期間を要していることがわかる。
第1の位置信号選択器9では、速度推定器6bから出力される位置推定値107と、位置検出器2から出力される位置検出値104とのいずれか一方を、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて選択して、位置フィードバック信号として出力する。
第2の位置信号選択器10では、遅延器8から出力される位置推定値の1サンプリング遅延信号108と、位置検出器2から出力される位置検出値104とのいずれか一方を、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて選択して、速度推定器入力信号として出力する。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と第1の位置信号選択器9から出力される位置フィードバック信号との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の速度指令値102を演算して出力する。
なお、図9に関する時間応答シミュレーションと、図8に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、また、横軸が同一スケールである。さらに、位置検出値104に重畳する誤差量も同一である。
図9において、実線で表記した真の速度と、破線で表記した速度推定値105とは、互いに重なっている。
位置検出値104の誤差拡大期間において、位置推定値107と、速度推定精度が大幅に向上した速度推定値105と、を位置制御器3および速度偏差リミッタ7bへフィードバックすることで、制御指令値103の変動量も図8に比して大幅に抑制され、サーボ制御装置100の挙動がほぼ正常動作に維持されることがわかる。
以下、図を用いて実施の形態4について説明する。
図11は、実施の形態4によるサーボ制御装置の構成を示すブロック線図であり、図11において図10と同じ構成要素には同一番号を付している。図11に記した記号の意味は以下の通りである。但し、図10と同じ記号の説明は省略する。なお、変数(記号)の右下添字kは、当該変数に対応する時刻kTd(k=0,1,2,…)を表している。
図13は、実施の形態4によるサーボ制御装置100において、位置指令値を一定値とした場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
図15は、実施の形態4によるサーボ制御装置100において、位置指令値の時間変化率を所定の一定値とした場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と、位置検出器2から出力される位置検出値104との偏差に基づいて、制御対象1への速度指令値102を演算して出力する。
速度制御器4では、位置制御器3から出力される速度指令値102と、速度推定器6aから出力される速度推定値105との偏差に基づいて、制御対象1への制御指令値を演算して出力し、更に制御指令リミッタ7aによって当該制御指令値にリミット処理を施した信号を、最終的な制御指令値103として出力する。
アクチュエータ5では、制御指令リミッタ7aから出力される制御指令値103に基づいて、位置xを位置指令値101に追従させるような制御力または制御トルクを制御対象1に対して印加する。
第1の遅延器8aでは、速度推定器6aから出力される位置推定値107を入力とし、サンプリング周期Tdに対応する1サンプル遅延信号108aを生成して出力する。
外乱推定器12aでは、位置検出器2から出力される位置検出値104から第1の遅延器8aの出力である1サンプル遅延信号108aを減じた位置推定誤差に基づいて、制御対象1へ作用する外乱を推定し、外乱推定値109aとして出力する。
第2の遅延器8bでは、制御指令リミッタ7aから出力される制御指令値103を入力とし、サンプリング周期Tdに対応する1サンプル遅延信号108bを生成して出力する。
速度推定器6aでは、位置検出器2から出力される位置検出値104、外乱推定器12aから出力される外乱推定値109a、および第2の遅延器8bから出力される1サンプル遅延信号108bを入力として、制御対象1の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値105として出力する。さらに、速度推定器6aでは、制御対象1の位置xを推定し、位置推定値107として出力する。
従来の基本的なサーボ制御装置200では、矩形波状に変動する位置検出値104の擬似微分によって推定される速度推定値105にはスパイク状の速度推定誤差が発生し、矩形波状に変動する位置検出値104と、スパイク状の速度推定誤差が重畳した速度推定値105とをフィードバックして、位置制御および速度制御を実施する。
したがって、従来の基本的なサーボ制御装置200では、特に、制御対象1の動作速度が零近傍となる低速駆動領域において、位置制御精度および速度制御精度が劣化する。
図12によれば、位置検出値104が検出分解能(1LSB)を振幅として矩形波状に変動し、速度推定値105にスパイク状の速度推定誤差が重畳した結果、本来零となるべき制御指令値103が変動し、本来零となるべき真の速度、および本来一定値となるべき真の位置xの制御精度が劣化していることが分かる。
従来の基本的なサーボ制御装置200では、真の位置xに同期した変動的な位置検出誤差を含む位置検出値104と、真の位置xに同期した変動的な速度推定誤差を含む速度推定値105とをフィードバックして、位置制御および速度制御を実施する。
このような従来の基本的なサーボ制御装置では、特に、制御対象1の動作速度が中高速駆動となる領域において、速度制御精度が劣化する。
なお、図14において、実線で表記した真の位置xと、破線で表記した位置検出値104は互いに重なっている。
そして、速度推定器6aを、以下に示すカルマンゲイン、フィルタ方程式および誤差共分散行列方程式で与えられるカルマンフィルタで構成する。
次いで、当該位置検出値104から、第1の遅延器8aの出力である1サンプル遅延信号108a(前時刻(k−1)Tdにおける位置推定値)を減じた位置推定誤差に基づいて、外乱推定器12aによって、制御対象1へ作用する外乱推定値109aを演算して出力する。
更に、位置検出値104、外乱推定値109a、および第2の遅延器8bから出力される1サンプル遅延信号108b(前時刻(k−1)Tdにおける制御指令値)に基づいて、速度推定器6aによって、制御対象1の速度推定値105、および位置推定値107を演算して出力する。
位置制御器3では、位置指令値101と位置検出値104との偏差に基づいて、速度指令値102を演算して出力する。
最後に、速度指令値102と速度推定値105との偏差に基づいて、速度制御器4、および制御指令リミッタ7aによって、制御対象1への制御指令値103を算出して出力する。
なお、図13に関する時間応答シミュレーションと、従来の基本的なサーボ制御装置200の図12に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、また、横軸が同一スケールである。
図13において、実線で表記した真の速度と、破線で表記した速度推定値105とが、互いに重なっている。
なお、図15に関する時間応答シミュレーションと、従来の基本的なサーボ制御装置200の図14に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、また、横軸が同一スケールである。
図15において、実線で表記した真の位置xと、破線で表記した位置検出値104とは、互いに重なっている。
以下、図を用いて実施の形態5について説明する。
図16は、実施の形態5によるサーボ制御装置100の構成を示すブロック線図である。図16において、図11と同じ構成要素には同一番号を付して説明は省略する。図16に記した記号の意味は以下の通りである。但し、図11と同じ記号の説明は省略する。
速度制御器4では、速度偏差リミッタ7bから出力されるリミット処理後の速度偏差106に基づいて、サーボ制御装置100の制御指令値103を演算して出力する。
第1の遅延器8aでは、速度推定器6bから出力される位置推定値107を入力とし、サンプリング周期Tdに対応する1サンプル遅延信号108aを生成して出力する。
外乱推定器12bでは、位置検出器2から出力される位置検出値104から、第1の遅延器8aの出力である1サンプル遅延信号108aを減じた位置推定誤差に基づいて、制御対象1へ作用する外乱を推定し、外乱推定値109bとして出力する。
第2の遅延器8cでは、速度偏差リミッタ7bから出力される速度偏差106を入力とし、サンプリング周期Tdに対応する1サンプル遅延信号108cを生成して出力する。速度推定器6bでは、位置検出器2から出力される位置検出値104、外乱推定器12bから出力される外乱推定値109b、および第2の遅延器8cから出力される1サンプル遅延信号108cを入力として、制御対象1の速度および位置xを推定し、速度推定値105および位置推定値107として出力する。
実施の形態5によるサーボ制御装置100(図16)では、速度偏差106から位置検出値104までの動特性、つまり、速度制御器4、アクチュエータ5、制御対象1、および位置検出器2の動特性が、サーボ制御装置100の速度制御帯域を内包する周波数領域において剛体特性で近似できると仮定する。そして、速度推定器6bを、以下に示すフィルタ方程式で与えられる定常カルマンフィルタで構成する。
実施の形態5によるサーボ制御装置100では、上記特性を利用して、カルマンフィルタが定係数フィルタへ収束した後の定常カルマンゲインを適用した。そして、定常カルマンフィルタによって速度推定器6bを構成している。
速度推定器6bを構成する定常カルマンフィルタでは、制御対象1に作用する外乱は考慮されていない。そのため、外乱作用下では、位置検出値104に対して位置推定値107に誤差が発生する。外乱推定器12bでは、この位置推定誤差に基づいて外乱推定値109bを推定し、この外乱推定値109bと速度偏差との加算値を、新たな速度偏差として速度推定器6bに入力する。このような構成とすることで、位置検出値104に対する位置推定値107の推定誤差が零に収束し、制御対象1に作用する外乱の影響が補償される。
次いで、当該位置検出値104から、第1の遅延器8aの出力である1サンプル遅延信号108a(前時刻(k−1)Tdにおける位置推定値)を減じた位置推定誤差に基づいて、外乱推定器12bによって制御対象1へ作用する外乱推定値109bを演算して出力する。
更に、位置検出値104、外乱推定値109b、および第2の遅延器8cから出力される1サンプル遅延信号108c(前時刻(k−1)Tdにおける速度偏差)に基づいて、速度推定器6bによって、制御対象1の速度推定値105、および位置推定値107を演算して出力する。
位置制御器3では、位置指令値101と位置検出値104との偏差に基づいて、速度指令値102を演算して出力する。
次いで、速度指令値102と速度推定値105との偏差にリミット処理を施した信号を、速度偏差リミッタ7bから速度偏差106として出力する。
最後に、速度偏差106に基づいて、速度制御器4によって制御対象1への制御指令値103を算出して出力する。
この場合、速度偏差リミッタ7bにおける速度偏差リミット値として、図11に示す制御指令リミッタ7aにおける制御指令リミット値を、以下の式によって等価変換した値を適用することで、制御指令値103との整合性を確保する必要がある。
以下、図を用いて実施の形態6について説明する。
図17は、実施の形態6によるサーボ制御装置100の構成を示すブロック線図である。図17において、図16と同じ構成要素には同一番号を付して説明は省略する。
図19は、実施の形態6によるサーボ制御装置100において、位置検出値の誤差が一定期間拡大した場合の制御指令値、真の速度および速度推定値、真の位置および位置検出値の時間応答特性シミュレーション結果を示す時間波形図である。
第2の位置信号選択器10では、位置検出器2から出力される位置検出値104と、第1の遅延器8aから出力される位置推定値の1サンプル遅延信号108aとのいずれか一方を、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて選択し、速度推定器入力信号として出力する。
位置選択信号制御器11では、位置検出器2から出力される位置検出値104と第1の遅延器8aから出力される位置推定値の1サンプル遅延信号108aとに基づいて、第1の位置信号選択器9、第2の位置信号選択器10、および外乱推定器12bに入力するための位置選択信号を生成して出力する。
外乱推定器12bでは、位置選択信号制御器11から出力される位置選択信号に基づいて、外乱推定動作の実行または停止を決定する。
速度推定器6bでは、第2の位置信号選択器10から出力される速度推定器入力信号、外乱推定器12bから出力される外乱推定値109b、および第2の遅延器8cから出力される速度偏差の1サンプル遅延信号108cに基づいて、制御対象1の速度および位置を推定し、速度推定値105および位置推定値107として出力する。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と、第1の位置信号選択器9から出力される位置フィードバック信号との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の速度指令値102を演算して出力する。
図16に示す実施の形態5によるサーボ制御装置100において、位置検出器2の不良動作に起因して、真の位置xに対する位置検出値104の誤差が一定期間拡大した場合、定常カルマンフィルタで構成された速度推定器6bでは、過大な誤差が重畳した位置検出値104に基づいて速度推定値105を推定する。このとき、サーボ制御装置100では、一定期間にせよ、過大な誤差が重畳した位置検出値104、および過大な誤差が重畳した位置検出値104に基づいて推定した速度推定値105をフィードバックして位置制御、および速度制御を実施する。そのため、位置検出値104に一定期間重畳する誤差量に応じて、位置制御精度および速度制御精度が極度に劣化する。
図18によれば、位置検出値104に対する過大な誤差の重畳に応じて、制御指令値103が大幅に乱される。図18では,制御指令値103は速度偏差リミッタ7bに対応した制御指令リミット値まで到達している。そのため、位置検出値104における誤差拡大期間(50ms)に対して、サーボ制御装置100が正常動作に復帰するまでに、概ね0.15sの期間を要していることがわかる。
一方で、時刻kTdにおいて位置選択信号が“異常”に切り換わった場合、外乱推定器12bでは、切り換え直前(k−1)Tdの外乱推定値109bを保持した状態で、外乱推定動作を停止する。
位置制御器3では、外部から与えられる位置指令値101と、第1の位置信号選択器9から出力される位置フィードバック信号との偏差に基づいて、サーボ制御装置100の速度指令値102を演算して出力する。
なお,図19に関する時間応答シミュレーションと、図18に関する時間応答シミュレーションとでは、縦軸が同一スケールであり、横軸が同一スケールである。さらに、位置検出値104に重畳する誤差量も同一である。
位置検出値104の誤差拡大期間において、位置推定値107、および速度推定精度の劣化を抑制した速度推定値105を位置制御器3、および速度偏差リミッタ7bへフィードバックすることで、制御指令値103の変動量も図18に比して大幅に抑制され、サーボ制御装置100の挙動がほぼ正常動作に維持されることがわかる。
Claims (21)
- 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと
を備えたサーボ制御装置であって、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性、を剛体特性で近似した等価慣性と、上記サーボ制御装置のサンプリング周期と、に基づいたカルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値および上記制御指令値を入力として、上記制御対象の上記速度を推定し、上記速度推定値として出力することを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記速度推定器が、
上記カルマンフィルタが定係数フィルタへ収束した後の定常カルマンゲインを適用した定常カルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値および上記制御指令値を入力として、上記制御対象の上記速度を推定し、上記速度推定値として出力することを特徴とする請求項1記載のサーボ制御装置。 - 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値との速度偏差に基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと
を備えたサーボ制御装置であって、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性、に基づいたカルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値と上記速度偏差とを入力として、上記制御対象の上記速度を推定し、上記速度推定値として出力することを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性を剛体特性で近似した等価慣性と、
上記サーボ制御装置のサンプリング周期と、
上記速度制御器における比例制御ゲインとに基づいて構成された
ことを特徴とする請求項3に記載のサーボ制御装置。 - 上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
上記速度制御器で実現する速度制御系ゲイン交点周波数と、
上記サーボ制御装置のサンプリング周期と、
に基づいて構成されたことを特徴とする請求項3記載のサーボ制御装置。 - 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度を推定し、速度推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと
を備えたサーボ制御装置であって、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性、に基づいたカルマンフィルタで構成され、上記速度推定値に加えて、上記制御対象の位置を推定し、位置推定値として出力し、
上記サーボ制御装置が、更に、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する遅延器と、
上記位置推定値と上記位置検出値とのいずれか一方を位置選択信号に基づいて選択し、位置フィードバック信号として出力する第1の位置信号選択器と、
上記遅延器から出力される上記位置推定値の遅延信号と上記位置検出値とのいずれか一方を上記位置選択信号に基づいて選択し、速度推定器入力信号として出力する第2の位置信号選択器と、
上記速度推定器入力信号と上記位置検出値とに基づいて、上記第1の位置信号選択器および上記第2の位置信号選択器に入力するための上記位置選択信号を生成して出力する位置選択信号制御器と、
を備え、
上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
上記速度推定器入力信号と、
上記速度指令値と上記速度推定値との速度偏差、を入力として、上記制御対象の上記位置および上記速度を推定し、上記位置推定値および上記速度推定値として出力し、
上記位置制御器が、
外部から与えられる上記位置指令値と、上記位置フィードバック信号とに基づいて、上記速度指令値を演算して出力する
ことを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記遅延器が、
上記位置推定値の遅延信号として、上記サーボ制御装置のサンプリング周期に対応する1サンプル遅延信号を生成して出力するように構成されたことを特徴とする請求項6記載のサーボ制御装置。 - 上記位置選択信号制御器が、
上記速度推定器入力信号と上記位置検出値との誤差絶対値が第1の閾値以上となった場合に、
上記第1の位置信号選択器が、上記位置フィードバック信号として上記位置推定値を選択して出力し、
上記第2の位置信号選択器が,上記速度推定器入力信号として上記位置推定値の遅延信号を選択して出力する
ように上記位置選択信号を切り換えて保持し、
更に、上記速度推定器入力信号と上記位置検出値との誤差絶対値が第2の閾値以下に収束した場合、または、予め設定した時間が経過した場合に、
上記第1の位置信号選択器が、上記位置フィードバック信号として上記位置検出値を選択して出力し、
上記第2の位置信号選択器が、上記速度推定器入力信号として上記位置検出値を選択して出力する
ように上記位置選択信号を切り換えて保持する
ように構成されたことを特徴とする請求項6記載のサーボ制御装置。 - 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度および位置を推定し、速度推定値および位置推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する第1の遅延器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記制御対象へ作用する外乱を推定し、外乱推定値として出力する外乱推定器と、
上記制御指令値の遅延信号を生成して出力する第2の遅延器と、
を備えたサーボ制御装置において、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値か
ら上記位置検出値までの動特性に基づいたカルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値、上記外乱推定値、および第2の遅延器から出力される制御指令値の遅延信号を入力として、上記制御対象の上記速度および上記位置を推定し、上記速度推定値および上記位置推定値として出力することを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記速度推定器が、
上記カルマンフィルタが定係数フィルタへ収束した後の定常カルマンゲインを適用した定常カルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値、上記外乱推定値、および第2の遅延器から出力される制御指令値の遅延信号を入力として、上記制御対象の上記速度および上記位置を推定し、上記速度推定値および上記位置推定値として出力することを特徴とする請求項9記載のサーボ制御装置。 - 上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性を剛体特性で近似した等価慣性と、
サーボ制御装置のサンプリング周期とに基づいて構成されたことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のサーボ制御装置。 - 上記第1の遅延器が、
上記位置推定値の遅延信号として、上記サーボ制御装置のサンプリング周期に対応する1サンプル遅延信号を生成して出力するように構成されたことを特徴とする請求項9記載のサーボ制御装置。 - 上記第2の遅延器が、
上記制御指令値の遅延信号として、上記サーボ制御装置のサンプリング周期に対応する1サンプル遅延信号を生成して出力するように構成されたことを特徴とする請求項9記載のサーボ制御装置。 - 上記外乱推定器が、
PI補償器と位相進み補償器との直列接続で構成され、
上記位置検出値から上記位置推定値の遅延信号を減じた位置推定誤差を入力として、上記制御対象へ作用する外乱推定値を推定して出力することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のサーボ制御装置。 - 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度および位置を推定し、速度推定値および位置推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する第1の遅延器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記制御対象へ作用する外乱を推定し、外乱推定値として出力する外乱推定器と、
上記速度指令値から上記速度推定値を減じた速度偏差を入力として、上記速度偏差の遅延信号を生成して出力する第2の遅延器と、
を備えたサーボ制御装置において、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性に基づいたカルマンフィルタで構成され、
上記位置検出値、上記外乱推定値、および第2の遅延器から出力される速度偏差の遅延信号を入力として、上記制御対象の上記速度および上記位置を推定し、上記速度推定値および上記位置推定値として出力することを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性を剛体特性で近似した等価慣性と、
サーボ制御装置のサンプリング周期と、
上記速度制御器における比例制御ゲインとに基づいて構成された
ことを特徴とする請求項15記載のサーボ制御装置。 - 上記速度推定器を構成するカルマンフィルタまたは定常カルマンフィルタが、
上記速度制御器で実現する速度制御系ゲイン交点周波数と、
上記サーボ制御装置のサンプリング周期と、
に基づいて構成されたことを特徴とする請求項15記載のサーボ制御装置。 - 上記第2の遅延器が、
速度偏差の遅延信号として、上記サーボ制御装置のサンプリング周期に対応する1サンプル遅延信号を生成して出力するように構成されたことを特徴とする請求項15記載のサーボ制御装置。 - 上記外乱推定器が、
PI補償器と位相進み補償器との直列接続で構成され、
上記位置検出値から上記位置推定値の遅延信号を減じた位置推定誤差を入力として、上記制御対象へ作用する外乱推定値を推定して出力することを特徴とする請求項15記載のサーボ制御装置。 - 並進変位または回転変位で規定される位置を制御量とする制御対象と、
上記制御対象の位置を検出して位置検出値として出力する位置検出器と、
少なくとも上記位置検出値に基づいて、上記制御対象の並進速度または回転速度で規定される速度および位置を推定し、速度推定値および位置推定値として出力する速度推定器と、
外部から与えられる位置指令値と上記位置検出値とに基づいて、制御対象への速度指令値を演算して出力する位置制御器と、
上記速度指令値と上記速度推定値とに基づいて、制御対象への制御指令値を演算して出力する速度制御器と、
上記制御指令値に基づいて、上記制御対象に対して並進変位を制御するための制御力、または、回転変位を制御するための制御トルクを印加するアクチュエータと、
上記位置推定値の遅延信号を生成して出力する第1の遅延器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記制御対象へ作用する外乱を推定し、外乱推定値として出力する外乱推定器と、
上記制御指令値の遅延信号を生成して出力する第2の遅延器と、
を備えたサーボ制御装置において、
上記速度推定器が、
上記サーボ制御装置の速度制御帯域を内包する周波数領域における、上記制御指令値から上記位置検出値までの動特性に基づいたカルマンフィルタで構成され、
上記外乱推定器が、
外乱推定動作の実行または停止を位置選択信号に基づいて決定するように構成され、
上記サーボ制御装置が、更に、
上記位置検出値と上記位置推定値とのいずれか一方を上記位置選択信号に基づいて選択し、上記位置制御器への位置フィードバック信号として出力する第1の位置信号選択器と、
上記位置検出値と上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号とのいずれか一方を上記位置選択信号に基づいて選択し、速度推定器入力信号として出力する第2の位置信号選択器と、
上記位置検出値および上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号に基づいて、上記第1の位置信号選択器、上記第2の位置信号選択器、および上記外乱推定器に入力するための上記位置選択信号を生成して出力する位置選択信号制御器と、
を備え、
上記速度推定器を構成するカルマンフィルタが、
上記第2の位置信号選択器からの上記速度推定器入力信号、上記外乱推定値、および速度偏差の遅延信号を入力として、上記制御対象の上記速度および上記位置を推定し、上記速度推定値および上記位置推定値として出力し、
上記位置制御器が、
外部から与えられる上記位置指令値と、上記第1の位置信号選択器からの上記位置フィードバック信号とに基づいて、上記速度指令値を演算して出力する
ことを特徴とするサーボ制御装置。 - 上記位置選択信号制御器が、
上記位置検出値と上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号との誤差絶対値が第1の閾値以上となった場合に、
上記外乱推定器が、直前の外乱推定値を保持した状態で外乱推定動作を停止し、
上記第1の位置信号選択器が、上記位置推定値を選択して出力し、
上記第2の位置信号選択器が、上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号を選択して出力する
ように上記位置選択信号を切り換えて保持し、
上記位置選択信号を切り換えた後に、上記位置検出値と上記第1の遅延器から出力される位置推定値の遅延信号との誤差絶対値が第2の閾値以下に収束した場合、または、上記位置選択信号を切り換えた後に、予め設定した時間が経過した場合に、
上記外乱推定器が、外乱推定動作を実行し、
上記第1の位置信号選択器が、上記位置検出値を選択して出力し、
上記第2の位置信号選択器が、上記位置検出値を選択して出力する
ように上記位置選択信号を切り換えて保持する
ことを特徴とする請求項20記載のサーボ制御装置。
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