JPWO2012039023A1 - X線撮影装置、その画像処理方法およびプログラム - Google Patents

X線撮影装置、その画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減する。【解決手段】X線撮影装置の演算用コンピュータは、S5にて、メモリに保存されているフレーム画像fを、インデックスk毎に読み出し、読み出したフレーム画像fにおいて画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均Pとして算出する。S6にて、画素値平均Pを用いて、全フレーム画像fに対する基準画素値PCを算出する。S7にて、インデックスk別の画素値平均Pの基準画素値PCに対するそれぞれの割合の逆数をR値としてそれぞれ算出する。S8およびS9にて、R値を補正する。S10にて、フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスkの補正されたR値をそれぞれ乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成し、インデックスk別に生成したフレーム画像を当該インデックスkに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築する。【選択図】図9

Description

本発明は、X線撮影装置に係り、特に、画像処理によりパノラマ画像の画質を改善する技術に関する。
一般に、歯科用のX線撮影装置によって歯列のパノラマ画像を取得すると、パノラマ画像において歯列の前歯部分に頸椎が写り、その部分が白くなってしまう。
そのため、従来、前歯部分を撮影するときにだけX線の出力を高くして、X線検出器の受像面に入射するX線量を確保する手法が知られている。この手法は大別して2つに分類することができる。第1の方法は、前歯部分に相当する区間において、均等にX線出力を予め定めた所定値だけ強くする方法である。第2の方法は、X線検出器の受像面に入射するX線量を撮影中に監視し続け、この入射X線量が常に所定値になるようにX線出力を制御する方法である。第1の方法では、被験者ごとに異なる頸椎形状やX線透過性に対応できないが、第2の方法では、これらに対応できる。しかしながら、どちらの方法も被験者が受けるX線量を増加させる必要があり、好ましくない。
一方、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されたX線撮影装置は、X線撮影により取得した画像を演算処理することで、頸椎の影響を除去したパノラマ画像を構築する。以下、従来のX線撮影装置が頸椎の影響を除去する例について、図11を参照して説明する。図11には、一例として下顎の歯列901と、頸椎902とを示す。また、歯列のパノラマ画像を構築しようとする断層面を符号903で示す。ここで、符号905,906は、歯列901に所定の方向から入射するX線ビームの例を示す。また、歯列のパノラマ画像から頸椎の影響を除去するために、頸椎のパノラマ画像を構築しようとする断層面を、符号904で示す。この断層面904は、頸椎902と左右の下顎角部908とを通る。また、符号907は、X線撮影装置において歯列901を間に挟んで対向したX線発生装置およびX線検出器がそれぞれ配置されたアームの旋回中心の軌跡を示す。
従来のX線撮影装置は、まず、歯列901を透過したX線をフレーム毎に検出し、一連のフレーム画像を重ね合わせることで、断層面903上にある歯列のパノラマ画像I1を形成する。次に、従来のX線撮影装置は、断層面904上にある頸椎のパノラマ画像I2を形成する。次に、従来のX線撮影装置は、頸椎のパノラマ画像I2が断層面903に投影された場合にどのようなぼけ像となるかをコンピュータでシミュレーションし、頸椎を投影した投影パノラマ画像I3を求める。そして、従来のX線撮影装置は、頸椎の投影パノラマ画像I3を、先に求めた歯列のパノラマ画像I1から減算処理して、頸椎による影響が除去された歯列のパノラマ画像I4を得る。
特開平7−308314号公報 特許第28246002号公報
しかしながら、従来のX線撮影装置は、歯列の断層面のパノラマ画像を構築するために、歯列以外の他の断層面のパノラマ画像を利用するので、歯列の断層面の本来のパノラマ画像を有意に加工している。そのため、歯列の断層面の本来のパノラマ画像から、頸椎の写り込みの影響を除去する処理において、本来のパノラマ画像に有用な情報も一緒に除去してしまう恐れがある。
また、従来のX線撮影装置は、必要な1枚のパノラマ画像を構築するために、複数のパノラマ画像を構築する必要があるので、処理に時間がかかってしまう。
さらに、従来のX線撮影装置は、複数の断層面のパノラマ画像を構築する必要があるので、患者の個人差によって前歯と頸椎との距離が変化したときに、断層位置を再設定しなければならない。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することのできる技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るX線撮影装置は、X線束を被写体に照射するX線発生装置と、このX線発生装置から照射され前記被写体を透過した前記X線束をフレーム画像として検出するX線検出器と、前記X線発生装置と前記X線検出器とを対向させて保持するアームと、このアームを垂直軸回りに回転させて前記X線発生装置および前記X線検出器を前記被写体の周りで水平方向に旋回させると共に前記垂直軸の回転中心を水平方向に移動させる旋回スライド移動装置と、前記旋回スライド移動装置の動作を制御する撮影用制御回路と、前記X線検出器が被写体の所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックス毎に記憶する記憶部と、画像処理により前記フレーム画像からパノラマ画像を生成する画像処理部と、を備えるX線撮影装置であって、前記画像処理部が、前記記憶部に保存されているフレーム画像を、前記インデックス毎に読み出し、読み出したフレーム画像において画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均として算出し、このフレーム画像毎の画素値平均をインデックス毎に前記記憶部に保存する画素値算出部と、前記記憶部に保存されている少なくとも1つの任意の画素値平均を用いて、前記記憶部に保存されている全フレーム画像に対する基準画素値を算出し、前記記憶部に保存する基準画素値算出部と、前記記憶部に保存されている前記インデックス別の前記画素値平均の前記基準画素値に対するそれぞれの割合の逆数を基にして、前記インデックス別の画素値調整係数をそれぞれ算出する画素値調整係数算出部と、前記記憶部に保存されている前記インデックス別のフレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数をそれぞれ乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成し、前記インデックス別に生成したフレーム画像を当該インデックスに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築するパノラマ画像作成部と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、画素値算出部によって、フレーム画像の画素値平均を算出する。そして、画素値調整係数算出部によって、フレーム画像の画素値平均の基準画素値に対する割合の逆数を基に、画素値調整係数を算出する。ここで、基準画素値が、例えば全フレーム画像のうちの最小値である場合、画素値平均の値が小さいほど、画素値調整係数は大きな値となる。つまり、この場合には、全体に薄く白っぽいフレーム画像ほど画素値調整係数が大きな値となる。そして、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、パノラマ画像作成部によって、フレーム画像において各画素の画素値に対して画素値調整係数をそれぞれ均等に乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成する。つまり、パノラマ画像作成部は、フレーム画像が元々持っている画像情報を有意に加工することはなく、フレーム画像のすべての画素に同じ値を掛け算する演算を行うので、フレーム画像から元々持っている画像情報が欠落することはない。また、この演算により、生成されたそれぞれのフレーム画像の平均的な明るさを、すべてのフレーム画像に対して、同じレベルに揃えることができる。つまり、この演算前において画像全体が薄く白っぽいフレーム画像ほど、大きな値の画素値調整係数が乗算されるので、フレーム画像の平均的な明るさを、すべてのフレーム画像に対して、同じレベルに揃えることができる。そして、パノラマ画像作成部は、これら明るさを調整したフレーム画像を重ね合わせてパノラマ画像を構築する。したがって、X線撮影装置は、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができる。
また、本発明に係るX線撮影装置は、前記画素値調整係数算出部が、前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化処理部と、を備え、前記パノラマ画像作成部が、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記補正されたR値を乗じることが好ましい。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、R値算出部によって、基準画素値を画素値平均で割り算する演算によりR値を算出する。そして、平均化処理部によって、R値を平均化処理により補正する。さらに、パノラマ画像作成部によって、補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成する。仮に、画素値平均の基準画素値に対する割合の逆数のことであるR値が、フレーム画像の連続するインデックスにおいて大きく異なっている場合に、R値をそのまま用いてパノラマ画像を作成すると、縦縞模様が生じてしまう場合がある。しかしながら、X線撮影装置は、補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成するので、パノラマ画像において縦縞模様が生じることを未然に防止する効果がある。
また、本発明に係るX線撮影装置は、前記画素値調整係数算出部が、前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記R値を近似させることで、前記R値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記R値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定部と、を備え、前記パノラマ画像作成部が、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記補正されたR値を乗じることが好ましい。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、R値算出部によって、基準画素値を画素値平均で割り算する演算によりR値を算出する。そして、関数推定部によって、全インデックスのR値を近似させるハット型関数を推定し、R値をハット型関数の値に補正する。そして、パノラマ画像作成部によって、補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成する。したがって、X線撮影装置は、補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成するので、パノラマ画像において縦縞模様が生じることを未然に防止する効果がある。また、X線撮影装置は、予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスのR値を近似させることでR値を補正するので、歯に詰め物をしていても、インデックス順に並べたR値を滑らかに繋ぐように補正することができる。
また、本発明に係るX線撮影装置は、前記画素値調整係数算出部が、前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化処理部と、グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記補正されたR値を近似させることで、前記補正されたR値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記補正されたR値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定部と、を備え、前記パノラマ画像作成部が、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記ハット型関数の値に補正されたR値を乗じることが好ましい。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、R値を算出し、R値を平均化処理により補正し、さらに、ハット型関数の値に補正し、この補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成する。したがって、X線撮影装置は、パノラマ画像において縦縞模様が生じることを未然に防止する効果がある。
また、本発明に係るX線撮影装置は、前記画素値算出部が、前記X線検出器により検出されたフレーム画像から暗電流成分を減算して前記記憶部に保存する暗電流成分減算部と、前記暗電流成分が減算されたフレーム画像において前記画素値平均を算出する画素値平均算出部と、を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、フレーム画像のインデックス別に、暗電流成分減算部によって、フレーム画像の画素全体から同じ値を引き算して暗電流成分を減算するので、フレーム画像が元々持っている画像情報が欠落することはない。また、X線撮影装置は、暗電流成分が減算されたフレーム画像において画素値平均を算出するので、画素値平均を正確に算出することができる。
また、本発明に係るX線撮影装置は、前記基準画素値算出部が、前記記憶部から、全インデックスの中央値の画素値平均を最小値として読み出し、当該最小値に1より大きく2より小さな予め定められた係数を乗算して閾値を求め、前記画素値平均の値が前記閾値よりも小さい範囲となる前記インデックスの範囲を決定し、前記決定された前記インデックスの範囲において複数の前記画素値平均を平均化することで、前記基準画素値を算出することが好ましい。
かかる構成によれば、X線撮影装置は、基準画素値算出部によって、全インデックスの中央値付近の範囲のフレーム画像から基準画素値を算出することができる。ここで、パノラマ撮影において全インデックスの中央値付近の範囲のフレーム画像は、前歯部の画像に相当し、他の位置のフレーム画像よりも頸椎の影響を大きく受けている。したがって、X線撮影装置は、この範囲のフレーム画像を用いて基準画素値を算出することで、頸椎の影響を効率よく軽減することができる。
また、本発明に係る画像処理方法は、X線束を被写体に照射するX線発生装置と、このX線発生装置から照射され前記被写体を透過した前記X線束をフレーム画像として検出するX線検出器と、前記X線発生装置と前記X線検出器とを対向させて保持するアームと、このアームを垂直軸回りに回転させて前記X線発生装置および前記X線検出器を前記被写体の周りで水平方向に旋回させると共に前記垂直軸の回転中心を水平方向に移動させる旋回スライド移動装置と、前記旋回スライド移動装置の動作を制御する撮影用制御回路と、前記X線検出器が被写体の所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックス毎に記憶する記憶部と、画像処理により前記フレーム画像からパノラマ画像を生成する画像処理部と、を備えるX線撮影装置の画像処理方法であって、前記画像処理部が、前記記憶部に保存されているフレーム画像を、前記インデックス毎に読み出し、読み出したフレーム画像において画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均として算出し、このフレーム画像毎の画素値平均をインデックス毎に前記記憶部に保存する第1ステップと、前記記憶部に保存されている少なくとも1つの任意の画素値平均を用いて、前記記憶部に保存されている全フレーム画像に対する基準画素値を算出し、前記記憶部に保存する第2ステップと、前記記憶部に保存されている前記インデックス別の前記画素値平均の前記基準画素値に対するそれぞれの割合の逆数を基にして、前記インデックス別の画素値調整係数をそれぞれ算出する第3ステップと、前記記憶部に保存されている前記インデックス別のフレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数をそれぞれ乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成し、前記インデックス別に生成したフレーム画像を当該インデックスに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築する第4ステップと、を含んで実行することを特徴とする。
かかる手順によれば、画像処理方法は、画像処理部によって、フレーム画像のインデックス別に、フレーム画像の画素値平均および画素値調整係数を算出し、フレーム画像に画素値調整係数を乗じて明るさを調整したフレーム画像を生成し、生成した各フレーム画像を重ね合わせてパノラマ画像を構築する。したがって、画像処理方法によれば、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができる。
また、本発明に係る画像処理方法は、前記第3ステップが、前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存する除算ステップと、所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化ステップと、グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記補正されたR値を近似させることで、前記補正されたR値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記補正されたR値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定ステップと、を含み、前記第4ステップが、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記ハット型関数の値に補正されたR値を乗じるステップであることが好ましい。
かかる手順によれば、画像処理方法は、画像処理部によって、フレーム画像のインデックス別に、R値を算出し、R値を平均化処理により補正し、さらに、ハット型関数の値に補正し、この補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成する。したがって、画像処理方法によれば、パノラマ画像において縦縞模様が生じることを未然に防止する効果がある。
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、前記の画像処理方法を実行させるためのプログラムである。このように構成されることにより、このプログラムをインストールされたコンピュータは、このプログラムに基づいた各機能を実現することができる。
本発明によれば、X線撮影装置は、フレーム画像から元々持っている画像情報を欠落させることなく、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができる。また、X線撮影装置は、被験者ごとに異なる頸椎形状やX線透過性の影響を受けずに、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができる。
また、X線撮影装置は、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を演算処理により軽減するため、撮影中に、前歯部分だけX線の出力を上げたり、アームの回転速度を落としたりする必要がなく、被験者が受けるX線量を抑えることが可能である。
本発明の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置の構成を示す側面図である。 図1に示す演算用コンピュータの演算装置の機能を示すブロック図である。 図3に示す演算装置がフレーム画像のインデックス毎に算出する画素値平均の一例を示すグラフである。 図3に示す演算装置がフレーム画像のインデックス毎に算出する画素値平均の他の例を示すグラフである。 図3に示す演算装置がフレーム画像のインデックス毎に算出するR値の一例を示すグラフである。 図3に示す演算装置が算出したR値を補正する処理方法の一例を示す図であって、(a)はインデックス毎のR値、(b)は補正後のインデックス毎のR値をそれぞれ示している。 図3に示す演算装置が算出したR値を補正する処理方法の他の例を示す図であって、(a)は予め定義されたハット型曲線を示し、(b)はインデックス毎のR値を破線で示すと共にハット型曲線に適合させて補正されたインデックス毎のR値を実線で示している。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置によるパノラマ画像構築の手順の一例を示すフローチャートである。 パノラマ画像の一例であって、(a)は、各フレーム画像を重ね合わせ処理する従来の方法で作成されたパノラマ画像、(b)は図3に示す演算装置が算出したR値をハット型曲線に適合させて補正した上で作成されたパノラマ画像をそれぞれ示している。 従来のX線撮影装置が頸椎の影響を除去して歯列のパノラマ画像を構築する原理の説明図である。
以下、図面を参照して本発明のX線撮影装置を実施するための形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。
[X線撮影装置の構成]
X線撮影装置1は、パノラマX線断層撮影法によって、被写体の所定の断層面におけるX線像を撮影してパノラマ画像を生成するものである。以下では、被写体が人物の歯列であるものとして説明する。このX線撮影装置1は、図1に示すように、X線発生装置2と、FPD(Flat Panel Detector)3と、メモリ4と、撮影用制御回路5と、通信制御回路6と、演算用コンピュータ10と、を備える。
X線発生装置2は、図示しないスリットを有しており、このスリットを介して、スリット状のX線ビームを所定のタイミングで被写体に照射する。
FPD3は、X線発生装置2から照射されて被写体を透過したX線を検出するX線検出器である。FPD3は、入射X線を電荷に変換し、各画素毎に設けられた蓄積容量に一時保存し、電気信号として出力する。FPD3は、被写体のX線が透過した部分を所定のフレームレートで撮像する。FPD3は、1回のX線撮影において、N枚(例えば4000〜5000枚)のフレーム画像を取得する。各フレーム画像の画素値は、例えば電気信号に応じた輝度値で表される。
なお、FPD3の代わりに、X線イメージインテンシファイア(Image Intensifier:I.I.)等の他のX線検出器を用いることも可能である。さらに、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOSイメージセンサ、TFT(Thin Film Transistor)センサ、CdTeセンサ等を用いてもよい。
メモリ4は、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成され撮影中のデータを一時的に保存するものである。メモリ4は、FPD3が被写体の所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックスk(k=1〜N)毎に記憶する。インデックスkは、パノラマ撮影で識別される特定の角度に対応付けられている。このメモリ4に保存されたデータ(フレーム画像)は、撮影後に、通信制御回路6によって、演算用コンピュータ10のメモリ17へ移動される。
撮影用制御回路5は、X線発生装置2、FPD3、メモリ4および通信制御回路6と接続され、各部を制御する。
ここで、X線撮影装置1の各部の配置例について図2を参照して説明する。
X線撮影装置1は、図2に示すように、支柱部20と、支柱部20に移動自在に配設された本体部30とを備えている。
支柱部20には、例えば、撮影用制御回路5、通信制御回路6および演算用コンピュータ10を内蔵する制御ユニットが設けられている。
本体部30は、アーム31と、旋回スライド移動装置32とを備える。
アーム31は、鉛直方向の垂直軸であるアーム回転中心軸C1周りに回転自在に配設されている。アーム31は、X線発生装置2のX線照射部とFPD3の受光面とを所定の間隔を空けて対向させて保持する。これにより、FPD3は、X線発生装置2から照射され被写体Kを透過したX線束Lをフレーム画像Fとして検出する。
旋回スライド移動装置32は、モータやアクチュエータ等を駆動させることで、アーム31を垂直軸回りに所定の角速度で回転させるものである。これにより、旋回スライド移動装置32は、アーム31に保持されたX線発生装置2およびFPD3を被写体Kの周りで水平方向に旋回させる。また、旋回スライド移動装置32は、垂直軸の回転中心を水平方向に移動させるスライド動作ができるように構成されている。なお、撮影用制御回路5が、旋回スライド移動装置32の動作を制御する。
図1に戻って、X線撮影装置1の構成の説明を続ける。
演算用コンピュータ10は、図1に示すように、入出力制御部11と、キーボード12と、画像表示装置13と、記憶部14と、演算装置(画像処理部)15とを備える。
入出力制御部11は、キーボード12からのコマンド等を演算装置15に入力したり、演算装置15の処理結果を画像表示装置13に出力したりする制御を行うものである。また、入出力制御部11は、通信制御回路6からのデータを記憶部14に入力したり、記憶部14に保存された処理済みのデータを通信制御回路6に出力したりする制御を行う。
キーボード12は、演算装置15に対するコマンド等を入力する入力装置である。なお、入力装置はマウスやタッチパネル等で構成してもよい。
画像表示装置13は、演算装置15の処理結果を出力する出力装置であって、例えば、液晶ディスプレイ等から構成される。
記憶部14は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等から構成され、主記憶装置16と、メモリ17とを備える。
主記憶装置16は、例えば、演算装置15が動作するための画像処理プログラム等を記憶する。また、主記憶装置16は、パノラマ画像を構築する際に使用するメモリ領域等を有している。
メモリ17は、一般的な画像メモリやハードディスク等から構成され、撮影中にメモリ4に一時的に保存されたデータを取得して記憶するものである。すなわち、メモリ17は、X線検出器3が被写体Kの所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックスk(k=1〜N)毎に記憶する。また、メモリ17は、演算装置15の演算結果を一時的に保存する。
演算装置(画像処理部)15は、画像処理によりフレーム画像からパノラマ画像を生成するものである。演算装置15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)から構成され、所定のプログラムをRAMに展開して実行することで後記する機能を果たす。このプログラムは、通信回線を介して提供することも可能であるし、CD-ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
演算装置15は、図3に示すように、画素値算出部41と、基準画素値算出部42と、画素値調整係数算出部43と、パノラマ画像作成部44と、を備える。
画素値算出部41は、メモリ17に保存されているフレーム画像を、インデックスk毎に読み出し、読み出したフレーム画像において画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均として算出するものである。算出されたフレーム画像毎の画素値平均はインデックスk毎にメモリ17に保存される。
本実施形態では、画素値算出部41は、暗電流成分減算部45と、画素値平均算出部46とを備えることとした。
暗電流成分減算部45は、FPD3により検出されたフレーム画像から暗電流成分を減算してメモリ17に保存するものである。
画素値平均算出部46は、暗電流成分が減算されたフレーム画像において画素値平均Pを算出するものである。
以下では、FPD3により検出された単純X線像を、フレーム画像Fと表記し、暗電流成分を減算したオフセットX線像を、フレーム画像fと表記する。
基準画素値算出部42は、メモリ17に保存されている任意の画素値平均Pを用いて、メモリ17に保存されている全フレーム画像fに対する基準画素値Pを算出するものである。算出された基準画素値Pは、メモリ17に保存される。
本実施形態では、基準画素値算出部42は、一例として、メモリ17から、全インデックスk(1〜N)の中央値の画素値平均Pを読み出し、この読み出した値を最小値として所定の閾値までの大きさの画素値平均Pが含まれる範囲にあるフレーム画像を探索してすべて用いることとした。そして、基準画素値算出部42は、読み出した最小値に、予め定められた係数cを乗算して閾値を求め、画素値平均Pの値が閾値よりも小さい範囲となるインデックスkの範囲を決定し、決定されたインデックスkの範囲に含まれる複数の画素値平均Pを平均化することで、基準画素値Pを算出する。ここで、予め定められた係数cは、1より大きく2より小さな値であればよく、例えば、c=1.25等の値を用いることができる。
画素値調整係数算出部43は、メモリ17に保存されているインデックスk別の画素値平均Pの基準画素値Pに対するそれぞれの割合の逆数を基にして、インデックスk別の画素値調整係数をそれぞれ算出するものである。画素値調整係数は、フレーム画像fに乗算することで、当該フレーム画像の画素値を調整するための係数である。
本実施形態では、画素値調整係数算出部43は、R値算出部47と、R値補正部48とを備えることとした。
R値算出部47は、基準画素値Pをインデックスk別の画素値平均Pで除算するものである。この除算結果を示すR値は、各フレームに対応する係数であり、濃度比を表す無次元数である。算出されたR値は、メモリ17に保存される。このR値そのものを画素値調整係数として用いることも可能である。
R値補正部48は、平均化処理部51と、関数推定部52とを備えている。
平均化処理部51は、所定のインデックスkのR値と、当該インデックスkの前後所定数(n枚)ずつのインデックスkのR値との平均値を求め、所定のインデックスkのR値を、求めた平均値に補正するものである。平均化処理部51は、各インデックスに対して同様の処理を繰り返し行う。ここで、nは1以上の任意の整数である。ここで補正されたR値をRと表記する。Rは、メモリ17に保存される。このRを画素値調整係数として用いることも可能である。
関数推定部52は、R値または補正されたR値(R)をメモリ17から読み出し、読み出したR値をインデックスkの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスkにおいて、読み出したR値をハット型関数の値に補正するものである。ここで補正されたR値をRと表記する。Rは、メモリ17に保存される。このRを画素値調整係数として用いることも可能である。
本実施形態では、関数推定部52は、予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスkのR値を近似させることで、ハット型関数を推定し、Rを画素値調整係数として用いることとした。なお、関数推定部52の処理の詳細は後記する。
パノラマ画像作成部44は、メモリ17に保存されているインデックスk別のフレーム画像の画素値を調整した上で各フレーム画像を当該インデックスkに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築するものである。このパノラマ画像作成部44は、フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスkの画素値調整係数(R)をそれぞれ均等に乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成する。なお、フレーム画像毎のシフト量は、断層面の軌道に応じて公知のパノラマ画像作成方法で求められる。ここで構築されたパノラマ画像Gは、主記憶装置16に保存されると共に、画像表示装置13に表示される。
[画素値平均の算出方法の具体例]
画素値平均の算出方法の具体例について図4を参照して説明する。図4は、図3に示す演算装置がフレーム画像のインデックス毎に算出する画素値平均の一例を示すグラフである。最終的に構築するパノラマ画像では画像横方向の中心部分に前歯部が写ることになる。このパノラマ画像を作成する前のフレーム画像の一例として、図4に、暗電流成分を除去した縦長の短冊状の複数のフレーム画像fを示す。なお、実際には、フレーム画像fの枚数は4000〜5000枚程である。
図4において、インデックスkは、パノラマ撮影で識別される特定の角度に対応付けられている。例えば、全インデックスkの中央値近辺に符号101で示す領域は、歯列の前歯部に対応する。また、全インデックスkの最小値近辺に符号102で示す領域は、一方の顎関節部に対応し、全インデックスkの最大値近辺に符号103で示す領域は、他方の顎関節部に対応する。
画素値平均算出部46は、それぞれのフレーム画像fについて、フレーム画像中のすべての画素についての画素値を平均した値Pを算出する。このPをフレーム画像の画素値平均と呼ぶ。例えば、1枚の短冊状のフレーム画像fが、横10pixel×縦100pixelの1000pixelならば、画素値平均算出部46は、全体で1000画素分の画素値を平均する。
画素値平均算出部46の変形例として、1枚のフレーム画像f中の画素を間引いて加算平均するようにしてもよい。この場合、画素値平均算出部46は、例えば、前記1000pixelの画像に対して、1pixelとばしで5pixel×50pixelの250pixelについて加算平均するようにしてもよい。
画素値は、例えば輝度値である。例えば12ビットならば、0〜4095の数値で表す。
図4の下側に示すように、フレーム画像のインデックスkの順番に画素値平均Pの値を繋いだ曲線は、符号102,103で示す領域で値が高く、符号101で示す領域で値が低いものとなっている。この符号101で示す領域では、フレーム画像が全体的に白くなっている。
[基準画素値算出方法の具体例]
次に、基準画素値算出部42が、符号101で示す領域を頸椎写りこみのある領域として、頸椎が写り込んでいるフレーム画像の範囲を決定して基準画素値を算出する方法の具体例について図5を参照して説明する。図5は、図3に示す演算装置がフレーム画像のインデックス毎に算出する画素値平均の他の例を示すグラフである。前提として、例えば4000枚のフレーム画像を想定する。前歯部に相当するフレーム画像は何番目から何番目であるのか探索するために、基準画素値算出部42は、まず基準値として、全体の1/2のインデックスの位置、例えば、2000番目のフレーム画像についての画素値平均Pの値を参照する。この2000番目のフレーム画像の画素値平均Pの値を例えば「100」とする。この場合、予め定められた係数cを例えば1.25とすると、基準画素値算出部42が算出する閾値は「125」となる。
そして、基準画素値算出部42は、2000番目のフレーム画像から、インデックスが小さくなる方へ画素値平均Pの値を探索し、閾値以下となる値を有するインデックスの範囲を求める。これにより、画素値平均Pの値が「125」以下となる場合の一方の境界となるインデックスは例えば1600番目であると判定する。
また、基準画素値算出部42は、2000番目のフレーム画像から、インデックスが大きくなる方へ画素値平均Pの値を探索し、閾値である「125」以下となる値を有するインデックスの範囲を求める。これにより、画素値平均Pの値が「125」以下となる場合の他方の境界となるインデックスは例えば2400番目であると判定する。
これにより、基準画素値算出部42は、1600〜2400番目の801枚のフレーム画像が、前歯部の範囲にあるフレーム画像であると決定する。
そして、基準画素値算出部42は、この801枚それぞれの画素値平均Pの値を加算平均して得られた平均値を基準画素値Pとする。
このように基準画素値算出部42は、全フレーム画像のうち、図4において中央の位置で検出されるフレーム画像から左方向へ向かって、白いと判定されるフレーム画像がどこまでの範囲かを探索し、右方向に対しても同様に探索し、頸椎の写り込みが生じ始めたフレーム画像の位置と、頸椎が写り込まなくなったフレーム画像の位置とを決定する。
この基準画素値算出部42が算出した基準画素値Pを用いて、R値算出部47が、インデックスk別の画素値平均Pで除算して求めたR値の一例を図6に示す。なお、このR値は、図4の下側に示す画素値平均Pに対応している。
[R値の第1補正方法]
R値の第1補正方法として、平均化処理部51の動作の具体例について、図7を参照して説明する。図7は、図3に示す演算装置が算出したR値を補正する処理方法の一例を示す図であって、(a)はインデックス毎のR値、(b)は補正後のインデックス毎のR値をそれぞれ示している。図7(a)に示すように、インデックスkが例えば4のときにR値が「5」、その前後1枚ずつのR値が、「3」と「4」である場合、インデックスkが3〜5のときのR値を加算平均した結果は「4」となる。この平均化処理により、インデックスkが例えば4のとき、R値が「5」から「4」に書き換えられる。また、インデックスkが4〜6のときにR値を加算平均した結果は「5」となる。この平均化処理により、インデックスkが例えば5のとき、R値が「4」から「5」に書き換えられる。以下同様にして平均化処理がなされる。
これにより、インデックスkの順番にR値を繋げたときに滑らかな曲線を得ることができる。そのため、フレーム画像の画素値を調整してパノラマ画像を作成するときに、パノラマ画像の画質を高めることができる。仮に、R値が、フレーム画像の連続するインデックスにおいて大きく異なっている場合に、R値をそのまま用いてパノラマ画像を作成すると、縦縞模様が生じてしまう場合がある。しかしながら、X線撮影装置1は、平均化処理部51の動作によって補正したR値を画素値調整係数として用いてパノラマ画像を作成することができるので、パノラマ画像において縦縞模様が生じることを未然に防止する効果がある。
また、この例では、所定のインデックスに対して前後1つずつのR値を加えた3個のR値を加算平均することとしたが、より多くのR値を用いてもよい。例えば前後20〜30個ずつのR値を加えた数十個のR値を加算平均すると、歯に詰め物がある場合でもその影響を除去することができる。
[R値の第2補正方法]
R値の第2補正方法として、関数推定部52の動作の具体例について、図8を参照して説明する。図8は、図3に示す演算装置が算出したR値を補正する処理方法の他の例を示す図であって、(a)は予め定義されたハット型曲線を示し、(b)はインデックス毎のR値を破線で示すと共にハット型曲線に適合させて補正されたインデックス毎のR値を実線で示している。
ここでは、ハット型曲線は、図8(a)に示すように、例えば、点a,b,c,d,e,fをそれぞれ通過する曲線である。ここで、点a−点b間の領域を第1平坦部と呼び、点c−点d間の領域を第2平坦部、点e−点f間の領域を第3平坦部と呼ぶ。このとき、この曲線では、以下の(A1)〜(A5)で規定されるパラメータがそれぞれ定義されている。なお、この曲線の垂直方向の値がR値に対応する。
(A1)予め定められた最小値R0を示す第1平坦部の長さWL
(A2)第1平坦部より大きな予め定められた最大値RHを示す第2平坦部の長さWH
(A3)第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さWR
(A4)第1平坦部と第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数
(A5)第2平坦部と第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数
ここで、第1連続関数と第2連続関数の初期設定として、例えば、コサイン関数の位相が−π/2〜+π/2の1周期分の曲線を前後の半周期の区間に分離して、第1連続関数の曲線と第2連続関数の曲線とを定義するようにしてもよい。なお、第1連続関数は、符号104で示すように点bから点cに向かう立ち上がりの傾きで規定することができる。同様に、第2連続関数は、点eから点dに向かう立ち上がりの傾きで規定することができる。
関数推定部52は、算出された全インデックスkのR値と、予め定義されたハット型曲線のR値との差の絶対値を累積し、例えば最小二乗法により、累積値が最小になるようにハット型曲線を決定する。関数推定部52は、この決定したハット型曲線において、各インデックスに対応したR値(R)をそれぞれ求める。
ここで、各被写体(人物)に応じて設定するハット型曲線を決定する要素は、第1平坦部のR値(最小値R0)、第1連続関数の傾き、第2平坦部の長さWHの各パラメータとする。
[パノラマ画像構築の流れ]
X線撮影装置1によるパノラマ画像構築の手順について図9を参照して説明する。
まず、患者(被写体)の位置付けを行う(ステップS1)。ここで、患者(被写体)をX線撮影装置1に位置付ける方法は、例えば、患者をチンレストに固定することにより行う。
次に、X線撮影を行う(ステップS2)。ここで、図示しない撮影開始スイッチが押されたら、アーム31をX線照射位置に移動させ、X線発生装置2からX線を照射し、被写体を透過したX線をFPDで検出する一連の動作を、X線照射位置をシフトしながらN回繰り返すことで、この患者(被写体)に対する1回のX線撮影を終了する(インデックスk=1〜N)。この撮影中に、各インデックスkのフレーム画像(単純X線像)は、メモリ4に一時保存される。撮影終了後、通信制御回路6は、メモリ4に保存されているフレーム画像を、演算用コンピュータ10へ移動する。演算用コンピュータ10は、各インデックスkのフレーム画像Fをメモリ17に保存する(ステップS3)。
次に、演算用コンピュータ10の演算装置15は、暗電流成分減算部45によって、メモリ17からフレーム画像(単純X線像)Fをインデックスk毎に読み出し、読み出したフレーム画像から暗電流成分を除去し、このフレーム画像(オフセットX線像)fをメモリ17に保存する(ステップS4)。
次に、演算装置15は、画素値平均算出部46によって、メモリ17からフレーム画像(オフセットX線像)fをインデックスk毎に読み出し、読み出したフレーム画像の画素値平均Pを算出し、この画素値平均Pをメモリ17に保存する(ステップS5)。
次に、演算装置15は、基準画素値算出部42によって、メモリ17から、インデックスkがN/2の位置の画素値平均Pを読み出し、前歯部101(図5参照)を決定する。そして、基準画素値算出部42は、前歯部101のインデックスkで特定される複数の画素値平均Pを加算平均することで、全フレーム画像fに対して基準とする画素値P(前歯部の画素値平均)を算出し、メモリ17に保存する(ステップS6)。
次に、演算装置15は、R値算出部47によって、メモリ17から、基準画素値P(前歯部の画素値平均)を読み出すと共に、画素値平均Pをインデックスk毎に読み出し、各インデックスkに対して、R=P/Pを算出し、メモリ17に保存する(ステップS7)。
次に、演算装置15のR値補正部48は、平均化処理部51によって、メモリ17から、R値をインデックスk毎に読み出し、インデックスkに対するR値の曲線を平均化して、R値をRに補正し、メモリ17に保存する(ステップS8)。
次に、R値補正部48は、関数推定部52によって、メモリ17から、R値をインデックスk毎に読み出し、インデックスkに対するRの曲線を表す関数を推定してRに補正し、メモリ17に保存する(ステップS9)。
次に、演算装置15のパノラマ画像作成部44は、メモリ17から、インデックスkのR値の補正値(R)と、当該インデックスkのフレーム画像とを読み出し、読み出したフレーム画像の各画素の画素値に対して、R値の補正値(R)をそれぞれ乗じることで、画素値を調整したフレーム画像を生成し、生成した各インデックスkのフレーム画像を重ね合わせてパノラマ画像Gを構築し、メモリ17に保存する(ステップS10)。
そして、パノラマ画像作成部44は、メモリ17から、パノラマ画像Gを読み出し、読み出したパノラマ画像Gを、画像表示装置13に出力する(ステップS11)。
このような手順でパノラマ画像が構築される。
なお、ここでは、演算装置15がステップS7〜ステップS10の処理をこの順番にすべて実行するものとして説明したが、次の(B1)〜(B3)のように一部を省略する手順も実行可能である。
(B1)ステップS9を省略する。
(B2)ステップS8を省略する。
(B3)ステップS8、S9を省略する。
[パノラマ画像の具体例]
図10は、パノラマ画像の一例であって、(a)は、各フレーム画像を重ね合わせ処理する従来の方法で作成されたパノラマ画像、(b)は図3に示す演算装置が算出したR値をハット型曲線に適合させて補正した上で作成されたパノラマ画像をそれぞれ示している。
一般に、X線撮影装置が頸椎を介して前歯部を撮影する角度においては、X線ビームの経路にX線が透過しにくい物体が入ることになる。このため、高周波数のエネルギーを有するX線が生き残るため、ビームハードニング現象(Beam Hardning:線質硬化現象)が起こり、現実の前歯部分においてX線の強弱の差が小さくなってしまう。そのため、FPDの受光面で得られる、前歯部のフレーム画像の濃淡差も小さくなっている。したがって、通常の方法では、図10(a)に示すように、パノラマ画像の前歯部において真っ白な画像が得られる。
一方、本実施形態に係るX線撮影装置1は、前歯部に対応する領域のインデックスのフレーム画像の濃淡を強調するような乗算処理を行う。そのため、図10(b)に示すように、パノラマ画像の前歯部において、濃淡がはっきりした画像が得られる。つまり、X線撮影装置1は、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができた。この際に、X線撮影装置1で行う画像の乗算処理は、1枚のフレーム画像のすべての画素に対して同じ画素値調整係数を乗じる演算を行っているので、フレーム画像が元々持っている画像情報が欠落することを防止している。
本実施形態によれば、X線撮影装置1は、複数の断層面のパノラマ画像を構築することなく、歯列のパノラマ画像の前歯部に頸椎が写る影響を軽減することができる。
また、X線撮影装置1は、頸椎形状やX線透過性といった患者個人差があっても、それらの影響を受けずに、歯列のパノラマ画像の前歯部分に頸椎が写る影響を軽減することができる。
また、本実施形態によれば、X線撮影装置1は、X線撮影後に演算用コンピュータ10のメモリ17に移動させて保存したフレーム画像に基づいて、頸椎の影響を軽減する処理を行いつつパノラマ画像を構築し、再び演算用コンピュータ10のメモリ17へ保存する。したがって、パノラマ画像から頸椎の影響を軽減するために特別なワークスペースを必要としない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、本実施形態では、予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスkのR値を近似させることで、ハット型関数を推定し、Rを画素値調整係数として用いることとしたが、R値算出部47で算出されたR値を補正することなく画素値調整係数として用いることも可能である。
また、R値を補正する場合に、平均化処理部51によって補正されたR値であるRを画素値調整係数として用いることも可能である。
さらに、予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスkのRを近似させることで、ハット型関数を推定し、二重に補正したRを画素値調整係数として用いることとしてもよい。
また、本実施形態では、演算装置15に暗電流成分減算部45を備えることとしたが、FPD3により検出されたフレーム画像Fに暗電流成分が含まれないか、または無視できる程度であれば、画素値平均算出部46がフレーム画像Fから画素値平均Pを算出するようにしてもよい。
また、基準画素値算出部42は、全インデックスk(1〜N)の中央値の画素値平均Pを用いて、基準画素値Pを算出するためのインデックスkの範囲を探索するものとしたが、全フレーム画像のどの位置に対応した画素値平均Pを用いるか、すなわち、どのインデックスの画素値平均Pを用いるかは、任意である。また、用いる画素値平均Pの個数は、少なくとも1以上であればよい。また、用いる画素値平均Pの個数は、予め定めておいてもよいし、処理を行うときに決定してもよい。
また、演算用コンピュータ10は、X線撮影装置1の支柱部20に設けられた制御ユニットに内蔵されるものとして説明したが、この制御ユニットの外部に配置されてケーブルを介して接続されたパーソナルコンピュータ等であってもよい。
1 X線撮影装置
2 X線発生装置
3 FPD(X線検出器)
4 メモリ
5 撮影用制御回路
6 通信制御回路
10 演算用コンピュータ
11 入出力制御部
12 キーボード
13 画像表示装置
14 記憶部
15 演算装置
16 主記憶装置
17 メモリ
20 支柱部
30 本体部
31 アーム
32 旋回スライド移動装置
41 画素値算出部
42 基準画素値算出部
43 画素値調整係数算出部
44 パノラマ画像作成部
45 暗電流成分減算部
46 画素値平均算出部
47 R値算出部
48 R値補正部
51 平均化処理部
52 関数推定部

Claims (9)

  1. X線束を被写体に照射するX線発生装置と、
    このX線発生装置から照射され前記被写体を透過した前記X線束をフレーム画像として検出するX線検出器と、
    前記X線発生装置と前記X線検出器とを対向させて保持するアームと、
    このアームを垂直軸回りに回転させて前記X線発生装置および前記X線検出器を前記被写体の周りで水平方向に旋回させると共に前記垂直軸の回転中心を水平方向に移動させる旋回スライド移動装置と、
    前記旋回スライド移動装置の動作を制御する撮影用制御回路と、
    前記X線検出器が被写体の所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックス毎に記憶する記憶部と、
    画像処理により前記フレーム画像からパノラマ画像を生成する画像処理部と、を備えるX線撮影装置であって、
    前記画像処理部は、
    前記記憶部に保存されているフレーム画像を、前記インデックス毎に読み出し、読み出したフレーム画像において画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均として算出し、このフレーム画像毎の画素値平均をインデックス毎に前記記憶部に保存する画素値算出部と、
    前記記憶部に保存されている少なくとも1つの任意の画素値平均を用いて、前記記憶部に保存されている全フレーム画像に対する基準画素値を算出し、前記記憶部に保存する基準画素値算出部と、
    前記記憶部に保存されている前記インデックス別の前記画素値平均の前記基準画素値に対するそれぞれの割合の逆数を基にして、前記インデックス別の画素値調整係数をそれぞれ算出する画素値調整係数算出部と、
    前記記憶部に保存されている前記インデックス別のフレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数をそれぞれ乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成し、前記インデックス別に生成したフレーム画像を当該インデックスに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築するパノラマ画像作成部と、
    を備えることを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記画素値調整係数算出部は、
    前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、
    所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化処理部と、を備え、
    前記パノラマ画像作成部は、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記補正されたR値を乗じることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記画素値調整係数算出部は、
    前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、
    グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記R値を近似させることで、前記R値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記R値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定部と、を備え、
    前記パノラマ画像作成部は、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記補正されたR値を乗じることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  4. 前記画素値調整係数算出部は、
    前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存するR値算出部と、
    所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化処理部と、
    グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記補正されたR値を近似させることで、前記補正されたR値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記補正されたR値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定部と、を備え、
    前記パノラマ画像作成部は、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記ハット型関数の値に補正されたR値を乗じることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  5. 前記画素値算出部は、
    前記X線検出器により検出されたフレーム画像から暗電流成分を減算して前記記憶部に保存する暗電流成分減算部と、
    前記暗電流成分が減算されたフレーム画像において前記画素値平均を算出する画素値平均算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  6. 前記基準画素値算出部は、
    前記記憶部から、全インデックスの中央値の画素値平均を最小値として読み出し、当該最小値に1より大きく2より小さな予め定められた係数を乗算して閾値を求め、前記画素値平均の値が前記閾値よりも小さい範囲となる前記インデックスの範囲を決定し、前記決定された前記インデックスの範囲において複数の前記画素値平均を平均化することで、前記基準画素値を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影装置。
  7. X線束を被写体に照射するX線発生装置と、
    このX線発生装置から照射され前記被写体を透過した前記X線束をフレーム画像として検出するX線検出器と、
    前記X線発生装置と前記X線検出器とを対向させて保持するアームと、
    このアームを垂直軸回りに回転させて前記X線発生装置および前記X線検出器を前記被写体の周りで水平方向に旋回させると共に前記垂直軸の回転中心を水平方向に移動させる旋回スライド移動装置と、
    前記旋回スライド移動装置の動作を制御する撮影用制御回路と、
    前記X線検出器が被写体の所定の断層面の軌道に沿って順番に検出したフレーム画像を、検出順序を示すインデックス毎に記憶する記憶部と、
    画像処理により前記フレーム画像からパノラマ画像を生成する画像処理部と、を備えるX線撮影装置の画像処理方法であって、
    前記画像処理部は、
    前記記憶部に保存されているフレーム画像を、前記インデックス毎に読み出し、読み出したフレーム画像において画素の明るさを示す画素値の平均値を画素値平均として算出し、このフレーム画像毎の画素値平均をインデックス毎に前記記憶部に保存する第1ステップと、
    前記記憶部に保存されている少なくとも1つの任意の画素値平均を用いて、前記記憶部に保存されている全フレーム画像に対する基準画素値を算出し、前記記憶部に保存する第2ステップと、
    前記記憶部に保存されている前記インデックス別の前記画素値平均の前記基準画素値に対するそれぞれの割合の逆数を基にして、前記インデックス別の画素値調整係数をそれぞれ算出する第3ステップと、
    前記記憶部に保存されている前記インデックス別のフレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数をそれぞれ乗じることで、明るさを調整したフレーム画像を生成し、前記インデックス別に生成したフレーム画像を当該インデックスに応じたシフト量で重ね合わせてパノラマ画像を構築する第4ステップと、
    を含んで実行することを特徴とする画像処理方法。
  8. 前記第3ステップは、
    前記基準画素値を前記インデックス別の前記画素値平均で除算し、この除算結果を示すR値を前記記憶部に保存する除算ステップと、
    所定のインデックスの前記R値と、当該インデックスの前後所定数ずつのインデックスの前記R値との平均値を求め、前記所定のインデックスの前記R値を、前記求めた平均値に補正して前記記憶部に保存する平均化ステップと、
    グラフ上において予め定められた最小値を示す第1平坦部の長さと、この第1平坦部より大きな予め定められた最大値を示す第2平坦部の長さと、前記第1平坦部と同じ値を示す第3平坦部の長さと、前記第1平坦部と前記第2平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第1連続関数と、前記第2平坦部と前記第3平坦部とを滑らかに繋ぐ曲線を示す第2連続関数とが予め定義されたハット型曲線に対して、全インデックスの前記補正されたR値を近似させることで、前記補正されたR値を前記インデックスの順に滑らかに繋ぐハット型曲線を示すハット型関数を推定し、各インデックスにおいて、前記補正されたR値を前記ハット型関数の値に補正して前記記憶部に保存する関数推定ステップと、を含み、
    前記第4ステップは、前記フレーム画像において各画素の画素値に対して、当該インデックスの前記画素値調整係数として、前記ハット型関数の値に補正されたR値を乗じるステップであることを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
  9. コンピュータに、請求項7に記載の画像処理方法を実行させるためのプログラム。
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