JP5858760B2 - X線ct装置 - Google Patents

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本発明はX線CT装置に関し,測定した測定投影データとCT画像を順投影処理した計算投影データが等しくなるように,CT画像を逐次的に修正する画像生成技術に係る。
X線CT(Computed Tomography)装置は,被写体を多方向から撮影して得た測定投影データから各点のX線吸収率を算出し,被写体の断層像として,複数の画素からなるX線吸収率分布画像(以下,CT画像と称する)を得る装置である。本装置より取得したCT画像は,医療現場において,正確かつ即時に患者の病状を診断でき,臨床上有用である。しかし,医師の診断に必要な高い画質の画像を取得するためには,一定量の被曝を伴う。一方、低被曝化を実現するために照射する線量を低くすると、信号に対するノイズの比率が増加し,誤診断の原因になるライン状のアーチファクトや粒状性のノイズが多く発生する。そのため、低線量撮影時にアーチファクトやノイズを低減し、良質な診断と低被曝化を両立させることが望まれている。
そこで特許文献1のように,測定投影データと計算投影データが等しくなるように,CT画像を逐次的に修正することによりノイズを低減する逐次近似再構成手法が知られている。逐次近似再構成手法では,照射したX線が被写体を透過した範囲の投影データを再構成して画像化し、再構成画像から再び投影データを生成し、先の投影データと比較してCT画像を修正する動作を繰り返す。これにより、被写体を包含する再構成領域(以下,FOVとする)の全体の精度を向上させ、高分解能に画像化する。
通常のCT画像の再構成時には、診断に必要な局所領域のみを拡大した高分解能な画像を得るために、拡大再構成手法が用いられている。しかし、逐次近似再構成手法は、その原理上、寝台や固定具等を含む全被写体が含まれる条件でFOVを設定しなければ、精度向上の効果が得られない。拡大再構成画像は、全被写体の局所領域であるため、通常の逐次近似再構成手法を適用して高精度化することができない。
そこで、非特許文献1に開示されている技術では,始めに全被写体が含まれる条件でCT画像(以下,大FOV像とする)を再構成し、次に,大FOV像のうち局所領域以外の背景領域の画像を順投影計算し,背景投影データを求める。求めた背景投影データを測定投影データから減算することにより、局所領域のCT画像(以下,小FOV像とする)の測定投影データを得ている。この小FOV像の測定投影データは、局所領域全体の測定投影データ(以下,局所測定投影データとする)を包含するため、逐次近似再構成の手法を適用することができ、小FOV像を高精度化することができる。
特開2006−25868号公報
Andy Ziegler,et al.,"Iterative reconstruction of a region of interest for transmission tomography",Med.phys.35(4),p1317−1327,2008
逐次近似再構成手法は、上述のように被写体全体の画像を対象としなければ、精度向上の効果が得られない。しかし、撮影前に被写体の位置,大きさを正確に知る事は困難であるため、全被写体が包含されるようにFOVを十分大きく設定しておく必要がある。このため、大きなFOV全体に、画像再構成と再投影の処理を繰り返すため、メモリの大容量化や計算量増加等の課題があった。
また、CT画像は、一部の投影角度においてX線が計測されない不完全な収集領域の投影データから再構成されることがあるが、不完全な収集領域の投影データは、全被写体の情報を包含していないため、そのままでは逐次近似再構成手法を適用することができない。
非特許文献1の技術は,拡大再構成画像に逐次近似再構成手法の適用を可能にするが、全被写体が包含されるように大FOVを十分大きく設定しておく必要があり、メモリの大容量化や計算量増加という問題は、通常の逐次近似再構成手法と同様に生じる。また、大FOV像が、上記のように一部の投影角度においてX線が計測されない不完全な収集領域の投影データから再構成される場合には、拡大再構成画像を生成することはできないという問題も、通常の逐次近似再構成画像と同様である。
本発明の目的は,少ない計算量で、逐次近似再構成手法により高精度なCT画像を得ることができるX線CT装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため,本発明においては,以下のようなX線CT装置が提供される。すなわち、X線を発生するX線発生部と,被写体を透過後のX線を検出するX線検出部と,X線発生部とX線検出部とを搭載して被写体の周囲を回転する回転板と、X線検出部が検出した被写体の投影データからCT画像を再構成する画像生成部と、逐次近似再構成部とを有するX線CT装置である。逐次近似再構成部は、CT画像を計算により投影して求めた計算投影データと、X線検出部が検出した投影データとが等しくなるように逐次的に前記CT画像を修正する。画像生成部は、X線検出部が検出した投影データから、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別し、判別した投影データから少なくとも2種類の被写体のうち所定の被写体を包含する領域を計算により求め、所定の被写体を包含する領域内についてCT画像を生成する。本発明において、X線検出部は複数の検出素子を備えたものと定義する。
本発明では,少なくとも2種類の被写体のうち所定の被写体を包含する領域を計算により求め、この領域内についてCT画像を生成するため、少ない計算量で、逐次近似再構成手法により高精度なCT画像を得ることができる。
実施例1における,CT装置各部のハードウェアの構成を説明するブロック図である。 実施例1における,撮影の流れを説明するための機能ブロック図である。 実施例1における,撮影条件入力部の画面例を説明するための図である。 実施例1における,再構成処理部136の機能を説明する機能ブロック図である。 実施例1における,境界判定機能161の処理動作を説明するための図である。 (a)は実施例1における,測定投影データを示す図であり、(b)は閾値処理による境界判定を説明するためのグラフである。 実施例1における,判定した境界による投影角度と境界位置の定式化を説明するための図である。 実施例1における,画像計算機能152の各機能を説明するための図である。 実施例1における,画像計算機能152の計算手順を説明するための図である。 (a)は、実施例1における,FOVを説明する図であり、(b)はFOV内の再構成画像の計算結果を説明する図である。 (a)〜(d)は実施例1における,複数のFOVの計算方法を説明する為の図である。 実施例4における,再構成処理部136の各機能を説明するための図である。 実施例4における,画像識別処理後の効果を説明するための図であり、(a)は画像識別処理前、(b)は画像識別処理後である。 実施例5における,再構成処理部136の各機能を説明するための図である。 (a)〜(c)は、実施例5における,FOVの計算方法を説明する為の図である。 (a)〜(e)は、実施例6における,寝台推定後の測定投影データを説明するための図である。 実施例7における,画像計算機能および拡大再構成処理の各機能を説明するための図である。 (a)〜(e)は、実施例7における,画像計算機能および拡大再構成処理の各機能を説明するための図である。
本発明のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と,被写体を透過後のX線を検出するX線検出部と,回転板と、画像生成部と、逐次近似再構成部とを備えている。回転板は、X線発生部とX線検出部とを搭載して被写体の周囲を回転する。画像生成部は、X線検出部が検出した被写体の投影データからCT画像を再構成する。逐次近似再構成は、CT画像を計算により投影して求めた計算投影データとX線検出部が検出した投影データとが等しくなるように逐次的にCT画像を修正する。画像生成部は、X線検出部が検出した投影データから、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別し、判別した投影データから少なくとも2種類の被写体のうち所定の被写体を包含する領域を計算により求め、所定の被写体を包含する領域内についてCT画像を生成する。
これにより、少ない計算量で、逐次近似再構成手法により高精度なCT画像を得ることができる。
上述の2種類の被写体とは、例えば、所定の被写体である撮影対象と、撮影対象の周りの空気である。この場合、撮影対象は、被検体と、被検体を支える寝台とを含む。
例えば、画像生成部は、X線検出部を構成する複数の検出素子がそれぞれ検出した投影データの値を予め定めた閾値と比較することにより、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別する構成とする。
また例えば、画像生成部は、回転板によるX線発生部およびX線検出部の回転角度と,判別した少なくとも2種類の被写体の境界との関係を表す関数を求め、関数を用いて所定の被写体を包含する領域を求める構成にする。
また、画像生成部は、X線検出部を構成する、チャネル方向の検出素子両端部を起点として、チャネル方向の内側の検出素子に向かって、順に各検出素子の検出した投影データを閾値と比較し、2種類の被写体の境界を判定することができる。
また、画像生成部は、X線検出部を構成する、複数の検出素子の投影データを前記閾値と比較することにより、回転板のある角度において、少なくとも2種類の被写体の境界の検出素子を判定した後、判定した境界の検出素子の周囲の所定範囲の検出素子について、回転板の別の角度における投影データを閾値と比較することにより、別の角度における境界の検出素子を判定する構成としてもよい。
画像生成部は,X線検出部を構成する複数の検出素子がそれぞれ検出した投影データの値に平滑化処理を施し、平滑化処理を施した投影データを用いて、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別する構成としてもよい。
操作者から所定の被写体を包含する領域の形状の選択を受け付ける入力部を有する構造とすることも可能である。この場合、画像生成部は、入力部が操作者から受け付けた形状の,所定の被写体を包含する領域を生成する。
また、画像生成部は,所定の被写体を包含する領域内について生成したCT画像内に含まれる、所定の被写体とは異なる被写体を判別し、所定の被写体とは異なる被写体を排除するように前記領域の外形を調整する構成としてもよい。
撮像対象を透過したX線の一部がX線検出部の外側に到達し、X線検出部では一部の投影データが検出されない不完全な投影データがある場合、画像生成部は、不完全な投影データを計算により推定し、推定した投影データと、X線検出部が検出した投影データとを用いて、被写体を包含する領域を計算により求めてもよい。
例えば、画像生成部は、X線検出部が検出した投影データから再構成したCT画像から、X線検出部で検出されない不完全な投影データを計算により推定することができる。また例えば、画像生成部は、予め求めておいた寝台の形状データおよび撮影時の寝台の位置から、X線検出部で検出されない不完全な投影データを計算により推定することも可能である。予め求めておいた寝台の形状データとしては、予め撮影しておいた寝台のCT画像を用いることができる。
所定の被写体を包含する領域について生成したCT像の内部の局所領域について拡大再構成画像を生成する拡大再構成画像生成部をさらに有する構成とすることもできる。この拡大再構成画像生成部は、画像生成部が生成した、所定の被写体を包含する領域内についてCT画像から局所領域の画素を除いた背景画像を生成し、当該背景画像を計算により投影して背景投影データを求め、X線検出部が検出した投影データから背景投影データを差し引いて得た局所投影データを再構成することにより、局所領域の拡大CT画像を得ることができる。
局所領域の拡大CT画像を計算により投影して求めた局所計算投影データと、局所投影データとが等しくなるように逐次的に拡大CT画像を修正する局所領域画像逐次近似再構成部をさらに有する構成としてもよい。
以下,本発明の各種の実施例を図面に従い説明する。なお所定の被写体を包含する領域をFOVとも呼ぶ。
本発明のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と、被写体透過後のX線を検出するX線検出部と、投影データ計測部と、画像生成部と、投影データ計算部と、画像修正部とを備える。投影データ計測部は、X線発生部とX線検出部を回転させて計測したX線検出部の検出信号から投影データを生成する。画像生成部は、測定投影データから画像生成を行う。投影データ計算部は、X線発生部とX線検出部を結ぶ経路上におけるCT画像の投影データを計算する。画像修正部は、投影データ計算部によって得られた計算投影データと測定投影データに基づき,CT画像を逐次的に修正する。
画像生成部は,被写体判別部と、生成範囲計算部と、画像計算部とを含む。被写体判別部は、測定投影データから異なる2種類以上の被写体を判別する。生成範囲計算部は、判別した被写体のうち特定の被写体を包含するように前記CT画像の中心およびCT画像を生成する範囲を計算する。画像計算部は、測定投影データから生成範囲のCT画像を計算する。
<実施例1>
図面を参照して,実施例1のX線CT装置を詳細に説明する。
図1は,実施例1の逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置を実現するハードウェア構成を示す図である。図1の装置は,X線照射条件等の撮影条件や画像再構成の条件を入力する入力部101と,撮影の制御やX線の照射および検出を行う撮影部102と,検出した信号に対して補正や画像再構成を行い,画像を出力する画像生成部103とを備えて構成される。なお,入力部101および画像生成部103は,撮影部102を備える本体装置と一体に構成する必要はなく,撮影部102とは離れた場所に配置し、ネットワークを介して接続してもよい。また,入力部101と画像生成部103は、これらの構成を実現する入出力部や処理部や記憶部などのハードウェアを共用しても良い。
入力部101は、撮影条件の入力等を行うためにキーボード111,マウス112,ペンタブレット,タッチパネル等の入力部と、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)114と、メモリ113やHDD(Hard Disk Drive)装置115等の記憶部と、図示を省略したモニタとを備えている。各構成要素はデータバス101aによって接続されている。キーボード111等により入力されたデータは,処理部である中央処理装置114に受け渡される。中央処理装置114は、メモリ113,HDD装置115等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することで撮影部102に制御信号を送り、撮影を制御する。
図1の撮影部102は、ガントリー3と、被検体6を支える寝台5と、X線制御器117と、ガントリー制御器116と、寝台制御器118とを備えて構成される。ガントリー3は、X線管1とX線検出部2と、これらを搭載する回転板4とを含む。ガントリー3および回転板4の中央には、円形の開口部7が設けられ、寝台5は開口部7内に挿入される。
X線の照射および検出は,X線管1とX線検出部2により実現される。X線管1のX線発生点とX線検出部2のX線入力面との距離の代表例は1000[mm]である。開口部7の直径の代表例は700[mm]である。回転板4の1回転の所要時間の代表例は1.0[s]である。X線検出部2にはシンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出部が使用される。X線検出部2はX線管1から等距離の円弧状に図示しない多数の検出素子を有しており,その素子数(以下,チャネル数とする)の代表例は950個である。各検出素子のチャネル方向のサイズの代表例は1[mm]である。撮影部102の1回転における撮影回数は900回であり,回転板4が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。なお前記各仕様はこれらの値に限定されるものはなく,X線CT装置の構成に応じて種々変更可能である。ガントリー制御器116は、回転板4の回転動作を制御する。X線制御器117は、X線管1の動作を制御する。寝台制御器118は、寝台5の位置を制御する。
画像生成部103は、データ収集システム(DAS;Data Acquisition System)119、中央処理装置(CPU)121,メモリ120やHDD装置122等の記憶部、モニタ123を備えて構成される。これらはデータバス103aによって接続される。
撮影部102のX線検出部2で検出された信号は,DAS119によってディジタル信号に変換され、CPU121に受け渡される。CPU121は、メモリ120やHDD装置122に予め格納された所定のプログラムを展開・起動することにより補正や画像再構成を行う。また、HDD装置122等にデータは保存され、必要に応じて、データは外部へ入出力される。画像再構成したCT画像は,表示部である液晶ディスプレイやCRT等のモニタ123により表示される。上述のようにCPU121やメモリ120やモニタ123等は入力部101と共用できる。
図2は,実施例1のX線CT装置の機能ブロック図である。図2の入力部101は,撮影条件を入力する撮影条件入力部131として機能する。撮影部102は,撮影条件入力部131で入力された撮影条件に基づき撮影を制御する撮影制御部132と,X線の照射および検出を行う撮影部133として機能する。画像生成部103は,検出した信号をディジタル信号に変換する信号収集部134,前記ディジタル信号に対して補正する補正処理部135,補正した投影データに対して画像再構成する再構成処理部136,および、再構成したCT画像を出力する画像表示部137として機能する。
次に,実施例1のX線CT装置の撮影動作の流れを図1〜図3を用いて説明する。図3は,撮影条件入力部131のモニタ123のモニタ画面141の一例を示す図である。
図2の撮影条件入力部101は、図3のモニタ画面141をモニタ123に表示し、操作者の入力を受け付ける。図3のモニタ画面141は、照射するX線のエネルギー及び出力量に対応する管電圧,及び管電流時間積を設定するためのX線条件142と,再構成画像の条件を設定する画像条件143と,FOVの形状を選択するFOV形状リスト144から構成される。操作者は、モニタ画面141を見ながら、マウス112やキーボード111等を操作して,X線条件,再構成画像の画像条件、FOV形状等を設定する。
図3ではX線条件142の一例として,管電圧値120[kV],管電流時間積200[mAs]が設定されている。本実施例では,1種類のエネルギースペクトルを有するX線を想定したが,2種類以上のX線を用いるマルチエネルギーCTでは,管電圧及び管電流時間積の項目を追加して同様に行うことができる。
図3の画像条件143では,操作者が再構成画像の画素サイズを固定する場合,画素サイズ[mm/画素]を入力する。このとき画素数は,本実施例で計算したFOV[mm]から画素サイズを除算して求める。一方,操作者が再構成画像の画素数を固定する場合,X方向,Y方向,Z方向の画素数を入力する。このとき画素サイズ[mm/画素]は,本実施例で算出したFOV[mm]から画素数を除算して求める。
図3のFOV形状リスト144では,操作者が円形,正方形,長方形,球,円柱,最適形状等を選択する。最適形状とは,本実施例で説明する測定投影データから計算した最適なFOVである。
本実施例では,再構成するCT画像が1つのFOVからなる場合に限定されることはなく、一つのCT画像が複数のFOVから構成されていてもよい。例えば,腕と胴体が含まれるCT画像において,ある断層面の位置では腕と胴体が空間的に離れており繋がっていない。その場合,腕用のFOVと胴体用のFOVとを分割して設定し、それぞれについて画像再構成を行い、一つのCT画像を得ることが可能である。この方法については後で詳しく説明する。
図3は,X線条件,画像条件,FOV形状リストの一例であり,本発明は、図3の画面構成に限定されるものではない。また事前にX線条件,画像条件,FOV形状リストの設定をHDD装置115に保存することも可能であり、その場合毎回操作者が入力する必要はない。
次に、図2の撮影部102は、撮影条件入力部131が受け付けた撮影条件に応じて,X線撮影を行う。始めに,操作者はマウス112やキーボード111等を用いて,被検体6の撮影位置を指定した後に撮影開始を指示する。この撮影開始の指示を受けて、撮影制御部132は、寝台制御器118によって寝台5を回転板4の回転軸方向に移動させる。そして被検体6の位置が指定された撮影位置と一致した時点で移動を停止させ,被検体6の配置を終了する。
一方,撮影制御部132は、ガントリー制御器116により,撮影開始が指示されると同時に駆動モーターを介して回転板4の回転を開始させる。回転板4の回転が定速状態に入り,かつ、被検体6の撮影位置への配置が終了した時点で,撮影制御部132は、X線制御器117に撮影部のX線管1のX線照射タイミング,及び、X線検出部2の撮影タイミングを指示し,撮影を開始する。また、X線制御器117は,例えば操作者が設定したX線管1の管電圧および管電流時間積により,照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。これにより、X線管1はX線を被検体に照射し、X線検出部2は,被検体6を透過したX線光子を検出する。
なお,本実施例では,1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用したが,1回転毎または1回転中に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し,撮影データを取得するマルチエネルギーCTにも適用できる。
X線検出部2の出力信号は、図2の信号収集部134が、DAS119によってディジタル信号に変換する。取得したX線検出データは,メモリ120に保存される。このデータに対し,補正処理部135では,X線の検出信号のゼロ値を較正するオフセット補正や,検出素子間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行い,被検体6の測定投影データを取得する。この信号収集部134と補正処理部135によって取得された測定投影データは,補正処理部135に続く再構成処理部136に送られる。
図4に、再構成処理部136のさらに詳しい機能構成を示す。再構成処理部136は、FOVを計算するFOV計算機能151と、CT画像を計算する画像計算機能152とを備える。FOV計算機能151は,さらに、測定投影データから異なる2種類以上の被写体間の境界を判定する境界判定機能161と,判定した境界の位置と投影角度の関係に基づき境界を定式化する境界式作成機能162と,定式化した境界式からFOVを換算するFOV換算機能163とを備えている。
上記異なる2種類の被写体とは、撮影対象と、その周りの空間を満たす媒体(ここでは空気)である。撮影対象は、被検体6と、被検体6を支える寝台5とを包含する。なお、被検体6は、人体に限らず、ファントムや機械等の検査対象の物体であってもよい。
図2の補正処理部135と再構成処理部136の動作は,上述したCPU121が、予めメモリ120等に格納されたプログラムを実行することによって実現される。以下,図5〜図10を用いて,図4の再構成処理部136について詳述する。ここで図5は、再構成処理部136の境界判定機能161の処理動作を示すフローチャートであり、図6(a)は測定投影データを示す図であり、図6(b)は測定投影データのプロファイルを示すグラフである。図7は、検出された境界位置の関数を示すグラフである。図8は、再構成処理部136の画像計算機能152のさらに詳しい機能を示すブロック図であり、図9は、画像計算機能152の処理動作の示すフローチャートである。図10(a)は、再構成処理部136が求めたFOVを示す図であり、図10(b)は、求めたFOVの内部について再構成したCT像を示す図である。
図5に示すように,再構成処理部136の境界判定機能161は,補正処理部135で補正した測定投影データを,設定した閾値を用いて判定することにより、異なる2種類の被写体の境界を求める。具体的には、投影角度θにおける測定投影データR(i,θ)を、閾値Tを用いて判定し、撮影対象(被検体6および寝台)と、その周りの空気との境界を判定する。例えば、閾値T=500[HU]とし,閾値T以下を空気,閾値T以上の領域を空気以外の撮影対象として判定する。
まず、ステップ171において、境界判定機能161は、補正処理部135から取得した測定投影データR(i,θ)について,検出素子番号i=1かつ投影角度θ=0から撮影対象の左側の境界の判定を開始する。本実施例ではX線管1を上部,X線検出部2を下部に固定したとき,左端部のX線検出素子2から順に検出素子番号i=1〜950を付与している。図6(a)はファントム撮影時の測定投影データR(i,θ)の一例であり、横軸は検出素子番号i、縦軸は投影角度θである。図6(b)は、ある投影角度θにおける測定投影データのプロファイル181であり、横軸は検出素子番号i,縦軸はCT値である。
図5のステップ174では,式1が成立する検出素子番号iは、その検出素子番号iよりも左側のX線検出素子2は空気のみを透過したX線を検出し、右側のX線検出素子2は撮影対象の透過したX線を検出していると判定できるため、検出素子番号iを左側の境界と判定する。
ステップ175では,式1を満足しない場合,検出素子番号iはインクリメントされ別の検出素子を探索する。式1を満足する場合,ステップ176では境界位置R(i,θ)をメモリ120等に保存する。境界の位置情報は,図6(a)のように、検出素子番号i,または式2に示す検出部中心との距離DL(θ)を保存してもよい。
ステップ177では,投影角度θに変化量△θを加算し,別の投影角度においてもステップ174〜176の処理を行う。例えば△θ=0.5[度]とする。これを投影角度θが最大値θmaxに達するまで繰り返す(ステップ172)。以上により、撮影対象(被検体6と寝台5)の左側の境界の位置が保存される。
なお、図5のフローでは、全ての投影角度において境界を判定しているが、投影角度n個毎に判定し、計算量を低減してもよい。
次に、図5のフローと同様の手順により、撮影対象の右側の境界を判定する。ただし、図5のステップ171において検出素子番号i=950から開始し,ステップ174において式3が成り立つ検出素子番号iを撮影対象の右側の境界と判定する。
式3を満足しない場合,ステップ175において検出素子番号iはデクリメントされ別のX線検出素子2を探索する。式3を満足する場合,ステップ176において境界位置R(i,θ)を保存する。
境界位置の情報は,検出素子番号i,または式2と同様な計算で検出部中心との距離DR(θ)を保存してもよい。ステップ172、173において、投影角度θが、最小値θminに達したか、もしくは、検出素子番号iが1に達したならば終了する。
図6(b)により、プロファイル181と閾値T182から,被写体左側の境界183および右側の境界184を判定できたことがわかる。
なお、図5のフローで用いた式1、式3は、チャネル方向に隣接する検出素子間の測定投影データから境界を判定する。その為,測定投影データに閾値T以上のノイズが混入する場合,ノイズと境界を判定することができず,精度が低下する。精度低下を防止するため,X線検出素子間のノイズ成分はランダムと仮定し,周辺n個のX線検出素子の測定投影データR(i,θ)を平滑化処理することによりノイズを低減させることも可能である。周辺n個のX線検出素子とは,チャネル方向,投影角度方向,スライス方向,時間方向等のことを指す。
次に、図4の境界式作成機能162は,境界判定機能161が求めた左右の境界位置DL(θ),DR(θ)と投影角度θとの関係を関数等により表わす。ここでは、撮影対象の左側の境界位置DL(θ)を投影角度θの変数とする関数FL(θ)で表わし、右側の境界位置DR(θ)を関数FR(θ)で表わす。境界位置DL(θ),DR(θ)から関数FL(θ),FR(θ)を求める計算処理は、最小二乗法,スプライン補間等の多項式を用いて,DL(θ),DR(θ)を近似することにより行う。
図7は、求めた関数FL(θ)188,FR(θ)189を示すグラフである。投影角度θにおける左側境界位置DL(θ)185,右側境界位置DR(θ)186を図7中に示す。図7において、X線検出部2の中心187より左側を負,右側を正とする。
次に、図4のFOV換算機能163では,CT画像の各位置を式4により回転座標系に変換し、左側境界関数FL(θ)188と右側境界関数FR(θ)189の間の領域をFOV211として決定する。このとき回転板4の回転中心を画像位置(0,0)とすると任意の画像位置(x,y)が第1象限に含まれる時、φ=0[Radian]とし、(x,y)が第2象限および第3象限に含まれる時、φ=π/2[Radian]とし、(x,y)が第4象限に含まれる時、φ=2π[Radian]とする。例えば,任意の画像位置(x,y)では式4を満足する場合,FOV内部と判定する。一方,式4を満足しない場合,FOV外部と判定する。図10(a)では,FOV換算機能163で計算したFOV211を示す。このとき投影角度θ212におけるFR(θ)213は,回転板4の回転中心214を用いて,図10(a)のように表される。
また式5により、左側境界関数FL(θ)188と右側境界関数FR(θ)189からFOV211の外周に位置する画素(x,y)を求めることが可能である。式5は左側境界関数FL(θ)の例であり、右側境界関数FR(θ)では式5に示すFL(θ)をFR(θ)に置換すればよい。
左側境界関数FL(θ)188と右側境界関数FR(θ)189は、撮影対象(被検体6と寝台5)の左側境界と右側境界を示す関数であるので、これらの間の領域であるFOV211の内側は、撮影対象全体を包含している(図10(a))。FOV211の外側は、空気の領域である。よって、撮影対象全体を包含するFOV211の内側のみについて以下のように画像再構成を行うことにより、少ないメモリ容量および計算量で画像再構成を行うことができる。このとき、FOV211は、撮影対象全体を包含しているので、逐次近似再構成手法の適用が可能であり、画像のノイズを除去し精度を向上させることができる。これを以下詳しく説明する。
図8に示すように、再構成処理部136の画像計算機能152は,解析的再構成機能191,順投影機能192,データ比較機能193,逆投影処理機能194,及び画像更新機能195を備えている。これらの機能により、再構成処理部136は、図9のフローのように、逐次近似再構成手法によりFOV211内の画像再構成を行う。
画像計算機能152の解析的再構成機能191は,図9のステップ201において,測定投影データR(i)に対して公知であるFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて撮影対象のCT値を表すCT画像λk=0(j)を計算する。このときCT画像は,FOV換算機能163で求めたFOV211の内部のみ計算する。
図10(b)は,解析的再構成機能191により生成された,FOV211の内部のみのCT画像である。境界判定機能161において境界が正確に判定され,かつ境界式作成機能162における多項式の近似精度がよいほど,FOV211外部で撮影対象(被検体6と寝台5)が存在する確率が小さくなる。
次に,取得したCT画像を逐次近似再構成手法の初期画像とし,逐次的に修正する。図9のステップ202において,計算中の更新回数kが設定した更新回数Kより小さいならば,ステップ203〜206の測定投影データR(i)を用いてCT画像を修正する。なお、逐次近似再構成手法は、広く知られた手法であるので、ここでは簡単に説明する。
画像を修正するアルゴリズムとして,例えば逐次近似再構成手法の一つであるASIRT(Additional simultaneous reconstruction technique)は,式6で表される。
λ(j)は,計算中の更新回数kにおけるCT画像の画素jの画素値を表し,J個の画素で構成されているものとする。CT画像は,一般的な2次元(x,y方向)の断層像だけでなく,1次元データ(x方向),体軸方向zに像を重ね合わせた3次元データ(x,y,z方向),または3次元に時間方向tを考慮した4次元データ(x,y,z,t)にも適用可能である。RC(i)は更新回数kにおけるCT画像を順投影処理して求めた計算投影データを表す。また緩和係数αは,更新回数kの画素値λ(j)に対して修正する割合を表す。また検出素子は投影方向の区別をつけずに全部でI個あるとし、p(i、j)は、画素jを通過するX線がi番目の検出素子に検出される確率を表す。
次に順投影機能192は,ステップ203において,式7のようにλ(j)を順投影処理し,計算投影データRC(i)を求める。
すなわち、この順投影機能192は,上述したX線発生部とX線検出部を結ぶ経路上におけるCT画像の画素値を積分し、積分値を投影データRC(i)として求める。
次にデータ比較機能193は,ステップ204において,式8に示すように,計算投影データRC(i)と測定投影データR(i)を比較計算し,更新投影データΔR(i)を求める。
次に逆投影処理機能194は,ステップ205において,式9に示すように,更新投影データΔR(i)を逆投影処理し,更新画像Δλ(j)を求める。
次に画像更新機能195は,ステップ206において,式10に示すように,更新画像Δλ(j)を用いて修正したCT画像λk+1(j)を求める。例として,α=1.0を設定することとし,早く収束させるならば1.0以上,遅く収束させるならば1.0未満の緩和係数αを用いる。
これらデータ比較機能193,逆投影処理機能194,及び画像更新機能195により,上述した計算投影データが測定投影データと等しくなるように,CT画像を逐次的に修正する画像修正部が構成される。
以上のように,図9のステップ203〜206を終了後,ステップ207において,更新回数kはk+1にインクリメントされ,ステップ202に戻ることによりループ処理が行われる。このとき,インクリメント後の更新回数kは,設定した更新回数Kより大きければ更新終了となり,ステップ208において,画像表示部137は得られたCT画像を表示出力する。
以上,図9のステップ202〜208では,実施例1の逐次近似再構成手法の計算手順の一例を示した。実施例1の式6で示した逐次近似再構成手法は一例であり,公知であるSPS,OS−SPS,PWLS,OS−PWLS,MSIRT,GRADY,CONGR,ART,SART,ML−EM,OS−EM,FIRA,RAMLA,DRAMA等,他の手法に適用しても構わない。
図2の画像表示部137では,計算したCT画像をモニタ123に表示し,操作者に情報を提供する。なおネットワークアダプタを用いて,ローカルエリアネットワーク,電話回線,インターネット等のネットワークを介して外部の端末と接続し,これら端末との間でCT画像を送受信することも可能である。
本実施例では,FOV計算機能151において,撮影対象を包含するFOVを計算する。これにより、逐次近似再構成手法を用いて,空気を除く撮影対象のCT画像を繰り返し修正する為,背景領域である空気の画像領域を計算する時間を削減できる。
これに加えて,ステップ205において,逆投影時の更新画像に対して計算したFOVを適用し、更新範囲をFOV内部に限定している。このため,逐次近似再構成手法の収束速度の向上,および画質向上が期待できる。
本実施例1では,FOV計算機能151が設定するFOV211は、1つのFOVに限定されることはなく,複数のFOVを設定することも可能である。例えば図11(a)に,腕301と胴体302が含まれる撮影対象を示す。この場合,腕301と胴体302が空間的に離れており繋がっていないため、FOVは両腕301の2つのFOVと、胴体302のFOVの3つに分かれる。
複数のFOVを設定する場合のFOV計算機能151の動作を説明する。測定投影データ303を図11(b)に示し,図11(c)に示した投影角度θのプロファイルを例に説明する。図11(c)において横軸は検出素子番号i,縦軸はCT値である。
まず、FOV計算機能151は、図5のステップ171〜176の処理を行い,式1が成立する検出素子番号iを左側の境界304として判定する。次に,図5のステップ177の処理を行う前に,ステップ173〜175を繰り返し,式3が成立する検出素子番号iを右側の境界305と判定する。以上より,片方の腕301における左側境界304および右側境界305を検出できる。
同様に胴体302のプロファイル306について,ステップ173〜175を繰り返し,左右の境界307を判定する。以上の処理に関して,投影角度θの検出素子番号iを全て検索し,その後ステップ177の処理を行う。これにより、本実施例では,腕と胴体等,複数部位を透過したX線をX線検出素子と、空気のみを透過したX線を検出したX線検出素子とを判定できる。
次に、空気のみを透過したX線を検出したと判定した検出素子番号iの位置から,公知である逆投影処理により,その検出素子に到達したX線が通過するCT画像の画素の領域308(図11(d))を算出する。図11(d)に示すように,算出した画素は空気308と判定し,その画素のCT値を空気のX線吸収率−1000[HU]で置換する。本実施例において,空気308を隔てて空気以外の領域309が3つに分割される為,腕用のFOVと胴体用のFOVを分けて計算可能になる。
求められたFOVごとに、単一FOVの計算と同様にして,境界判定機能161,境界式作成機能162,FOV換算機能163の処理を行い、各FOV内の再構成画像を逐次近似再構成手法により求める。
本実施例では,一周分の回転から取得した測定投影データを用いて,CT画像を再構成したが,一周に限定されるものではなく、公知であるハーフ再構成にも適用可能である。このとき計測領域は,ハーフ再構成において完全収集条件を満たす回転角度を取得した領域とする。
また,本実施例ではノーマルスキャン方式を想定したが,寝台5の動作,停止の順番に一定間隔で繰り返し,ノーマルスキャンを行うステップアンドシュート方式や,寝台を動かしながら撮影する螺旋スキャン方式に対しても,本発明を適用しても良いことは言うまでも無い。
<実施例2>
次に実施例2として,実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載するX線CT装置ついて説明する。
実施例2のX線CT装置では、図4の境界判定機能161が、ある投影角度θで境界位置を判定し、その境界位置を保存した場合、次の投影角度θ+Δθにおいて境界位置を探索する際に、角度θで保存した境界位置の周辺の検出素子のみに範囲を限定して境界位置を探索する点が実施例1と異なっている。以下,図5を参照して実施例2のX線CT装置の要部について説明する。その他の構成は実施例1で説明したX線CT装置の構成と同様であるので,ここでは説明を省略する。
実施例1と同様に、実施例2では、境界判定機能161が、図5のステップ171において、図2の補正処理部135から取得した測定投影データR(i,θ)について,検出素子番号i=1かつ投影角度θ=0から撮影対象左側の境界の判定を開始し、ステップ173〜175では,式1が成立する検出素子番号iを境界と判定する。ステップ176では判定した境界位置を保存し,ステップ177では投影角度θに△θを加算する。
境界位置は図6に示したように連続しているため、△θを加算した投影角度θ+Δθにおける境界位置は,△θが十分小さければ、投影角度θにおける境界位置の近傍に位置する。
そこで、実施例2では、図5のステップ177においてΔθを加算した投影角度θ+△θにおいては、ステップ173〜175を検出素子番号i=1から順に行うのではなく、ステップ176で格納した投影角度θにおける境界位置の検出素子番号iの前後m個のX線検出素子について実行する。ただし、mは予め定めた整数である。これにより、投影角度θ+Δθにおける境界位置を少ない計算量で判定し、ステップ176に進んで保存する。これを投影角度θがθmaxになるまで繰り返す(ステップ172)。
本実施例2では,境界位置を検索するX線検出素子の範囲を限定することで計算量低減の効果がある。
なお、実施例2では投影角度θ方向について説明したが、スライス方向,時間方向に実施例2の構成を適用してもよい。
<実施例3>
次に、実施例3として,実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載するX線CT装置について説明する。
実施例3のX線CT装置では、図4のFOV換算機能163が,FOV形状リスト144において選択された形状に基づいてFOVを計算する点が実施例1と異なっている。その他の構成は実施例1で説明したX線CT装置の構成と同様であるので,ここでは説明を省略する。
FOV形状リスト144で円を選択した場合,式11によりFOVを決定する。式11において、FL(θ)およびFR(θ)は、図4の境界式作成機能162が求めた左右の境界位置の関数である。
円形の中心位置(Px,Py)は,式11のFOV計算時に用いたFL(θ),FR(θ)から,式12で決定する。
また、FOV形状リスト144で長方形を選択した場合,式13によりFOVを決定する。X方向のFOVはFOVx,Y方向のFOVはFOVyとして表す。
長方形の中心位置(Px,Py)は,式13のFOV計算時に用いたFL(θ),FR(θ)から,式12で決定する。
実施例3では、撮影対象全体が含まれる大きさおよび位置の円形や長方形のFOVを設定することができる。
本実施例3において、設定可能なFOVは,円形,長方形に限定されるものではなく、適切な数式を用いることにより正方形,楕円,または任意の形状のFOVを設定できる。
<実施例4>
実施例4として、実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置について、図12〜図13を用いて説明する。図12は、FOV計算機能151の機能ブロック図であり、図13(a)は、実施例1で設定したFOV211のCT画像であり、図13(b)は本実施例4で設定したFOV211のCT画像である。
実施例4のX線CT装置では、図12のようにFOV計算機能151が、実施例1で説明した境界判定機能161,境界式作成機能162およびFOV換算機能163に加え、画像識別機能164を備える。画像識別機能164は、FOV換算機能163が計算したFOV内部に存在する撮影対象の領域と空気の領域とを識別し、実施例1の構成では原理上除去できなかった被検体6と寝台5との間の空気の領域をできるだけ除去したFOVを設定する。その他の構成は実施例1で説明したX線CT装置の構成と同様であるので,ここでは説明を省略する。
画像識別機能164の処理動作について説明する。まず、画像識別機能164は、FOV換算機能163が設定したFOV211内について、公知であるFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて、図13(a)のようにCT値を画素値とするCT画像λ(j)を計算する。このとき,計算量を低減することを目的として,画素サイズが大きく,かつ画素数が少ないCT画像を作成してもよい。
つぎに、画像識別機能164は,計算したCT画像λ(j)の画素について、空気の画素と空気以外の撮影対象の画素とに識別する。識別方法は,公知である閾値判定や領域拡張法等の画像処理技術を利用する。例えば,本実施例では、閾値TH=−950[HU]とし、CT値が閾値TH未満の画素をFOV211内の空気の領域215の画素,閾値TH以上を撮影対象(被検体6と寝台5)の画素と判定する。これにより,図13(a)のように被検体6と寝台5の間等,測定投影データからは原理上空気と判別できないFOV211内の領域215を空気領域と判別できる。よって、領域拡張法等により、空気領域215をFOV211の外側領域となるようにFOV211の形状を調整することにより、図13(b)のように空気領域215をできるだけ排除したFOV211を設定でき、FOV211の精度が向上する。
なお、本実施例では,FOV計算機能151内のFOV換算機能163の後に画像識別機能164を追加したが,この順番に限定されることはなく,図12の画像計算機能152内の図8の解析的再構成機能191の後に画像識別機能164を追加してもよい。
また、画像識別機能164の識別方法としては、撮影対象(被検体6と寝台5)の形状情報や位置情報等の先験情報と領域拡張法を組み合わす方法を用いることもできる。これにより,撮影対象と空気の境界を判別できる。
また、本実施例4では,撮影対象と空気を識別対象としたが,空気に限らず、撮影対象内の部位や組織等を識別し、特定の部位や組織がFOV211の外側となるようにFOVを設定することも可能である。これにより、診断に不要な特定の部位や組織をCT画像から除去し、診断に必要な領域のみのCT画像を得ることができる。
<実施例5>
実施例5として、実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置について、図14〜図15を用いて説明する。図14は、FOV計算機能151の機能ブロック図であり、図15(a)は、測定投影データの分布を示す図であり、図15(b)は、本実施例5の仮想検出素子によるX線検出部の拡張を示す説明図であり、図15(c)は、仮想検出素子を含めたX線検出部により検出された順投影データの分布を示すグラフである。
実施例5のX線CT装置では、図14のようにFOV計算機能151が、実施例1で説明した境界判定機能161,境界式作成機能162およびFOV換算機能163に加え、撮影対象推定機能165を備える。撮影対象推定機能165は、境界判定機能161の前段に配置される。撮影対象推定機能165は、撮影対象(被検体6と寝台5)がX線検出部2と比べて大きく、撮影対象を透過したX線が、一部の投影角度でX線検出部2に計測されない投影領域(不完全な収集領域)がある場合に,不完全な収集領域の撮影対象を推定する。その他の構成は実施例1で説明したX線CT装置の構成と同様であるので,ここでは説明を省略する。
撮影対象推定機能165は、不完全な収集領域のCT画像を生成することにより、撮影対象を推定する。撮影対象推定機能165の処理動作を以下具体的に説明する。まず、撮影対象推定機能165は,X線検出部2が測定した測定投影データ311(図15(a))を用いて,チャネル方向の検出素子両端部の測定投影データR(i,θ)を,実施例1の境界の判定のための式1および式3の閾値Tと比較する。左または右側の検出素子端部の測定投影データR(i,θ)が閾値T以上の場合,その投影角度では、X線検出部2よりも外側に撮影対象を透過したX線が到達しており、不完全な収集領域に撮影対象が存在することを意味する。
次に,撮影対象推定機能165は、公知であるFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて,図15(a)に示す測定投影データ311から図15(b)に示すCT画像λ(j)312を再構成する。不完全な収集領域がある場合、図15(b)に示すライン313を境界として,全ての投影角度で、透過X線がX線検出部2で計測された完全な計測領域314と、一部の投影角度では透過X線がX線検出部2で計測されなかった不完全な計測領域315に分割される。
撮影対象推定機能165は、実施例1の逐次近似再構成を行う画像再構成機能152内の図8の順投影機能192と同様に、上述の式7を用いてCT画像CT画像λ(j)312をλk=0(j)として順投影処理し,計算投影データRCk=0(i)を求める。このとき,X線検出部2の両外側に、撮影対象の不完全な収集領域315の計算投影データが生じるため、図15(b)に示すようにX線検出部2をチャネル方向に仮想的に拡張し、全ての投影角度において全撮影対象が投影されるようにする(図15(b)に、仮想的に拡張した仮想検出部317を破線で示す)。
図15(c)に、撮影対象推定機能165が求めた計算投影データ318を示す。仮想検出部317の位置の計算投影データ318に、空気と撮影対象との境界が存在しており、計算投影データ318には撮影対象の全体が投影されていることがわかる。
撮影対象推定機能165以降の,境界判定機能161,境界式作成機能162,FOV換算機能163は、撮影対象推定機能165が求めた計算投影データ318(図15(c))を用いて、境界を判定し、FOV211の計算を行う。この処理動作は実施例1で説明した通りである。
本実施例5により,X線検出部2の検出範囲から撮影対象の投影像がはみ出す場合でも,はみ出した投影データを計算により求め、その部分の境界の判定が可能となる。よって、撮像対象全体を包含するFOV211を設定できるため、FOV211内に対して逐次近似再構成を適用して、少ない計算量で画像の精度を向上できる。
なお、撮像対象推定機能は、CT画像312を生成する際に、計算量を低減させるために、画素サイズが大きく,かつ画素数の少ないCT画像312を生成するようにしてもよい。
<実施例6>
実施例6として、実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置について、図16を用いて説明する。図16(a)は、撮影対象の寝台5がX線検出部2と比べて大きく、寝台5を透過したX線が、一部の投影角度でX線検出部2に計測されない投影領域(不完全な収集領域)があることを示す説明図であり、図16(b)は、測定投影データの分布を示す図であり、図16(c)は、予め測定しておいた寝台5のCT画像と、それを撮影時の位置にずらすことを示す説明図であり、図16(d)は、図16(c)の寝台5のCT画像の計算投影データであり、図16(e)は、測定投影データと、寝台の計算投影データを加算した投影データを示す図である。
実施例6のX線CT装置は、実施例5と同様に、撮影対象推定機能165を備える。撮影対象推定機能165は、実施例5と同様に、不完全な収集領域の投影データを計算により求めるが、計算方法は実施例5とは異なる。実施例6では、予め寝台5全体の形状を例えばCT画像として取得しておき、これを計算により順投影することにより投影データを得て、測定投影データを合算することにより、不完全な計測領域の投影データを補う。その他の構成は実施例1で説明したX線CT装置の構成と同様であるので,ここでは説明を省略する。
本実施例6では,図16(a)に示すように,撮影対象の一部である寝台5が、X線検出部2の検出範囲からはみ出す場合に適用可能である。また、寝台5の位置と形状が既知である場合に適用可能である。
まず、撮影対象推定機能165は,実施例5と同様に、X線検出部2が測定した測定投影データ222(図16(b))を用いて,チャネル方向に両端部の検出素子を検索し,式1および式3の閾値Tと比較する。左または右側の検出素子端部の測定投影データR(i,θ)が閾値T以上の場合,その投影角度では、X線検出部2よりも外側に撮影対象を透過したX線が到達しており、不完全な収集領域に撮影対象が存在することを意味する。
次に撮影対象推定機能165は、図16(c)に示すように,事前に撮影してデータベース等としてHDD装置122等で保存しておいた寝台5のCT画像227を読み出す。CT画像227のデータを読み出す寝台5は、撮影対象を支えている寝台5と同形状のものである。
図16(c)に示すように,保存されているCT画像227は、寝台5の位置が、CT装置の回転板4の回転中心にあり、全ての投影角度で寝台5の透過X線が検出されたものである。すなわち、CT画像227は、寝台5が計測領域224からはみ出さないように配置された状態で、撮影されたものである。寝台5の撮影時には、図16(a)の撮像対象の撮影時に用いた管電圧等の撮影条件と同一の撮影条件であることが望ましいが,その条件に限定されるものではない。
次に、撮影対象推定機能165は、図16(c)に示すように,回転中心にあるCT画像227の寝台5の画素を図16(a)に示す寝台5と同一の位置に移動させたCT画像227を計算により生成する。(図16(c)に移動した寝台223のCT画像を示す)
次に,撮影対象推定機能165は、図8の順投影機能192と同様に、上述の式7を用いて、寝台5の位置を移動させたCT画像227(図16(c))を順投影処理し,図16(d)に示す計算投影データRCk=0(i)226を求める。このとき,X線検出部2の両外側にも計算投影データが生じるため、図15(b)に示すようにX線検出部2をチャネル方向に仮想的に拡張し、全ての投影角度において寝台5の全体が投影されるようにする。
次に,撮影対象推定機能165は、図16(b)の測定投影データ222と,図16(d)の寝台の計算投影データ226と加算し,計算投影データ228を生成する。これにより、寝台5の全体と被検体6の全体が投影された計算投影データ228が得られる。
撮影対象推定機能165以降の,境界判定機能161,境界式作成機能162,FOV換算機能163は、撮影対象推定機能165が求めた計算投影データ228(図16(e))を用いて、境界を判定し、FOV211の計算を行う。この処理動作は実施例1で説明した通りである。
なお、上記説明では、寝台5のCT画像を予め撮影しておいたが、寝台5の形状データから計算により、計算投影データ226(図16(d))を求めることも可能である。
本実施例6では、予め形状が既知である寝台5が,X線検出部2の検出範囲からはみ出す場合であっても、測定投影データを計算により求めることができ、境界の判定が可能となる。よって、撮像対象全体を包含するFOVを求めることができ、少ない計算量で、逐次近似再構成により画像の精度を向上させることができる。
<実施例7>
実施例7として、実施例1の一部を変更した,逐次近似再構成ソフトウェアを搭載したX線CT装置について、図17〜図18を用いて説明する。図17は、実施例7の再構成処理部136の一部構成を示す機能ブロック図であり、画像計算機能152の後段に拡大再構成機能171を備えている。図18(a)〜(e)は、拡大再構成機能171の処理動作を示す説明図である。
実施例7では、実施例1〜実施例6のいずれか画像計算機能152が生成したCT画像321を大FOV像とし,公知である逐次近似再構成手法の拡大再構成を用いて,大FOV像から小FOV像を作成する拡大再構成機能171を具備する。
拡大再構成機能171は、画像計算機能152が生成したCT画像321に対して,小FOV322を設定し、小FOV322内部の画素値を空気のCT値に置換する背景画像作成機能231,順投影機能232,データ比較機能233,解析的再構成機能234,順投影機能235,データ比較機能236,逆投影処理機能237,画像更新機能238を含む。
拡大再構成機能171の処理動作について図18を用いて説明する。画像計算機能152は実施例1〜実施例6で述べたように、図18(d)に示す測定投影データ325からFOV211の内部のCT画像321を生成する。拡大再構成機能171内の背景画像作成機能231は、FOV211のCT画像321を受け取って、FOV211を大FOVとする。次に、図18(a)のように、大FOV211のCT画像(以下、大FOV像と称す)321内の拡大再構成像を得たい領域に、小FOV322を設定し、大FOV像321における小FOV322内の画素を空気のX線吸収率−1000[HU]で置換する。これにより,図18(b)に示すように,小FOV322の外の背景領域にのみX線吸収率が存在する背景画像323が作成される。
次に順投影機能232は,図18(b)の背景画像323を、上述の式7により順投影処理し,図18(c)のように背景投影データ324を求める。
次にデータ比較機能233は,測定投影データ325から背景投影データ324を減算し,局所投影データ326を求める。
解析的再構成機能234は、局所投影データ326に対して公知のFeldkamp法等の解析的再構成手法により小FOV322内の撮影対象のX線吸収率を表すCT画像(以下、小FOV像と称す)327を計算する。図18(f)に小FOV像327を示す。なお、本実施例では,取得した局所投影データ326から小FOV像327を計算したが,図18(d)に示す測定投影データ325から小FOV像327を計算しても構わない。
次に,図17に示す順投影機能235、データ比較機能236、逆投影処理機能237および画像更新機能238は,小FOV像327を初期画像λk=0(j)とし,局所投影データ326を測定投影データR(i)として、図9のステップ201〜208と同様の手順により逐次近似再構成手法により修正する。
具体的には、順投影機能235は,式7のようにλ(j)を順投影処理し,局所領域の計算投影データRC(i)を求める(図9のステップ201、203)。データ比較機能236は,式8のように局所計算投影データRC(i)と局所投影データR(i)を比較計算し,局所更新投影データΔR(i)を求める(ステップ204)。逆投影処理機能237は,式9に示すように,局所更新投影データΔR(i)を逆投影処理し,更新画像Δλ(j)を求める(ステップ205)。
次に画像更新機能238は,式10を用いて,更新画像Δλ(j)を用いて修正した小FOV像λk+1(j)を求める(ステップ206)。
これらデータ比較機能236,逆投影処理機能237,及び画像更新機能238により,上述した局所計算投影データRC(i)が局所投影データR(i)と等しくなるように,小FOV像327を逐次的に修正することができる。更新回数kは,設定した更新回数Kより大きければ更新終了となり,画像表示部137は得られたCT画像を表示出力する(ステップ202,208)。
以上により、本実施例7では、逐次近似再構成手法により修正した拡大再構成画像(小FOV像)を得ることができる。
なお、実施例7で用いる逐次近似再構成手法としては、上述の手法に限らず、公知であるSPS,OS−SPS,PWLS,OS−PWLS,MSIRT,GRADY,CONGR,ART,SART,ML−EM,OS−EM,FIRA,RAMLA,DRAMA等,他の手法を適用しても構わない。
本実施例7では,画像計算機能152において,逐次近似再構成手法を用いて大FOV像321を繰り返し修正することができるため、偽像やノイズによる誤差を低減した大FOV像322を用いて、拡大再構成を行うことができる。よって、小FOV像327のCT値の精度を向上させることができる。
また、本実施例7では,FOV計算機能151で計算した大FOV211に基づき,大FOV像321を生成する。これにより,撮影対象を包含する為のFOV211を最小限に設定でき,メモリの低容量化や計算量低減の効果が得られる。また、大FOV211を求める際に、実施例5,6の構成を適用することが可能である。これにより、一部の投影角度において,X線が計測されない不完全な収集領域の大FOV像321を生成でき,拡大再構成の精度を向上することができる。また、逐次近似再構成手法を用いて,大FOV像321を繰り返し修正することも可能である。
なお、小FOV像327は,一般的な2次元(x,y方向)の断層像だけでなく,1次元データ(x方向),体軸方向zに像を重ね合わせた3次元データ(x,y,z方向),または3次元に時間方向tを考慮した4次元データ(x,y,z,t)として生成することも可能である。
1…X線管,2…X線検出部,3…ガントリー,4…回転板,5…寝台,6…撮影対象,7…円形の開口部,101…入力部,102…撮影部,103…画像生成部,111…キーボード,112…マウス,113…メモリ,114…中央処理装置,115…HDD装置,116…ガントリー制御器,117…X線制御部,118…寝台制御器,119…DAS,120…メモリ,121…中央処理装置,122…HDD装置,123…モニタ,131…撮影条件入力部,132…撮影制御部,133…撮影部,134…信号収集部,135…補正処理部,136…再構成処理部,137…画像表示部,141…モニタ画面,142…X線条件,143…画像条件,144…FOV形状リスト,151…FOV計算機能,152…画像計算機能,161…境界判定機能,162…境界式作成機能,163…FOV換算機能,164…画像識別機能,165…撮影対象推定機能,171〜175…境界判定機能の計算ステップ,181…測定投影データのプロファイル,182…閾値T,183…撮影対象左側の境界,184…撮影対象右側の境界,185…DL(θ),186…DR(θ),187…検出部中心,188…FL(θ),189…FR(θ),191…解析的再構成機能,192…順投影機能,193…データ比較機能,194…逆投影処理機能,195…画像更新機能,201〜208…逐次近似再構成手法の計算ステップ,211…FOV,212…投影角度θ,213…FR(θ),214…回転中心,222…測定投影データ,223…移動後の寝台,224…完全な計測領域,226…寝台の計算投影データ,227…不完全な計測領域,228…加算後の測定投影データ,231…背景画像作成機能,232…順投影機能,233…データ比較機能,234…解析的再構成機能,235…順投影機能,236…データ比較機能,237…逆投影処理機能,238…画像更新機能,301…腕,302…胴体,303…測定投影データ,304〜305…境界,306…胴体のプロファイル,307…境界,308…空気,309…空気以外の領域,311…測定投影データ,312…CT画像,313…完全な計測領域と不完全な計測領域の境界ライン,314…完全な計測領域,315…不完全な計測領域,317…仮想検出部,318…仮想検出部を用いて順投影した計算投影データ,321…大FOV像(CT画像),322…小FOV、323…背景画像、324…背景投影データ、325…測定投影データ、326…局所投影データ、327…小FOV像

Claims (14)

  1. X線を発生するX線発生部と,
    被写体を透過後の前記X線を検出するX線検出部と,
    前記X線発生部と前記X線検出部とを搭載して前記被写体の周囲を回転する回転板と、
    前記X線検出部が検出した前記被写体の投影データからCT画像を再構成する画像生成部と、
    前記CT画像を計算により投影して求めた計算投影データと、前記X線検出部が検出した投影データとが等しくなるように逐次的に前記CT画像を修正する逐次近似再構成部と
    拡大再構成画像生成部とを有し、
    前記画像生成部は、前記X線検出部が検出した投影データから、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別し、判別した前記投影データから前記少なくとも2種類の被写体のうち所定の被写体を包含する領域を計算により求め、前記所定の被写体を包含する領域内について前記CT画像を生成し、
    前記拡大再構成画像生成部は、前記所定の被写体を包含する領域内について生成された前記CT画像の内部の局所領域について拡大再構成画像を生成するものであり、
    前記拡大再構成画像生成部は、前記画像生成部が生成した、前記所定の被写体を包含する領域内についての前記CT画像から前記局所領域の画素を除いた背景画像を生成し、当該背景画像を計算により投影して背景投影データを求め、前記X線検出部が検出した投影データから前記背景投影データを差し引いて得た局所投影データを再構成することにより、前記局所領域の拡大CT画像を得ることを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記少なくとも2種類の被写体は、前記所定の被写体である撮影対象と、前記撮影対象の周りの空気であり、前記撮影対象は、被検体と、当該被検体を支える寝台とを含むことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、前記X線検出部を構成する複数の検出素子がそれぞれ検出した投影データの値を予め定めた閾値と比較することにより、少なくとも2種類の被写体の投影データを判別することを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、前記回転板による前記X線発生部および前記X線検出部の回転角度と,前記判別した少なくとも2種類の被写体の境界との関係を表す関数を求め、前記関数を用いて前記所定の被写体を包含する領域を求めることを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項3に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、前記X線検出部を構成する、チャネル方向に配列された複数の検出素子の両端部からチャネル方向の内側に向かって、順に各検出素子の検出した投影データを前記閾値と比較し、前記少なくとも2種類の被写体の境界を判定することを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項3に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、前記X線検出部を構成する、配列された複数の検出素子の投影データを前記閾値と比較することにより、前記回転板のある角度において、前記少なくとも2種類の被写体の境界の検出素子を判定した後、当該判定した境界の検出素子の周囲の所定範囲の検出素子について、前記回転板の別の角度における投影データを前記閾値と比較することにより、当該別の角度における境界の検出素子を判定することを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は,前記X線検出部を構成する複数の検出素子がそれぞれ検出した投影データの値に平滑化処理を施し、平滑化処理を施した投影データを用いて、前記少なくとも2種類の被写体の投影データを判別することを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項1に記載のX線CT装置において、操作者から前記所定の被写体を包含する領域の形状の選択を受け付ける入力部をさらに有し、
    前記画像生成部は、前記入力部が操作者から受け付けた形状の,前記所定の被写体を包含する領域を生成することを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は,前記所定の被写体を包含する領域内について生成した前記CT画像内に含まれる、前記所定の被写体とは異なる被写体を判別し、当該所定の被写体とは異なる被写体を排除するように前記領域の外形を調整することを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項2に記載のX線CT装置において,前記撮像対象を透過したX線の一部が前記X線検出部の外側に到達し、前記X線検出部では一部の投影データが検出されない不完全な投影データがある場合、前記画像生成部は、前記不完全な投影データを計算により推定し、推定した投影データと、前記X線検出部が検出した投影データとを用いて、前記被写体を包含する領域を計算により求めることを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項10に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、前記X線検出部が検出した投影データから再構成したCT画像から、前記X線検出部で検出されない不完全な投影データを計算により推定することを特徴とするX線CT装置。
  12. 請求項10に記載のX線CT装置において、前記画像生成部は、予め求めておいた寝台の形状データおよび撮影時の寝台の位置から、前記X線検出部で検出されない不完全な投影データを計算により推定することを特徴とするX線CT装置。
  13. 請求項12に記載のX線CT装置であって、予め求めておいた寝台の形状データは、予め撮影しておいた前記寝台のCT画像であることを特徴とするX線CT装置。
  14. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記局所領域の拡大CT画像を計算により投影して求めた局所計算投影データと、前記局所投影データとが等しくなるように逐次的に前記拡大CT画像を修正する局所領域画像逐次近似再構成部をさらに有することを特徴とするX線CT装置。
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