JP6215449B2 - X線ct装置、及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT(Computed Tomography)装置に係り、特にCT画像を逐次的に修正する逐次再構成技術に関する。
X線CT装置は、被写体を多方向から撮影して得た測定投影データから被写体内の各点のX線吸収係数を算出し、X線吸収係数分布画像(以下、CT画像と称する)を得る装置である。通常、X線吸収係数は、空気と水で規格化したCT値(空気を−1000、水を0)に置き換えて診断に利用される。
CT画像は、被写体の断層面を体軸方向に重ねて表現される。医療現場において、CT画像の利用は、正確かつ即時に患者の病状を診断できるため、臨床上有用である。しかし、医師の診断に必要な高い画質を得る条件において、被写体は一定量の被曝を伴う。低被曝化を実現するためにX線量を低くすると、検出した信号に対するノイズの比率が増加する。これにより、誤診断の原因になるライン状のストリークアーチファクトや粒状性のノイズが多く発生する。そのため、低線量撮影時にストリークアーチファクトやノイズを低減することで、良質な診断と低被曝化を両立させることが望まれている。
特許文献1に記載の逐次再構成手法は、計算投影データと測定投影データとの差が等しくなるように、計算投影データ、またはCT画像を逐次的に修正することにより、ノイズを低減する。しかし、逐次再構成手法は従来の解析的にCT値を計算する方法と比較して、反復更新に伴う計算量の増加や膨大なパラメータの最適化等、多くの課題がある。
課題の一つとして、更新中の平滑化処理により所望するノイズの低減効果を得るためには、多くのパラメータの設定を必要とする。特許文献1では、逐次再構成を用いて逐次修正中に出力されるCT画像のノイズ、ここではCT値のばらつきを表す標準偏差(Standard Deviation、以下、SDとする)の計測値を用いる。逐次修正中に計測したSDが所望のSDに到達するまで修正を継続、または逐次再構成のパラメータを変更して修正する方法が開示されている。
特開2006−25868号公報
特許文献1の技術はSDを取得するため、逐次修正中のCT画像からSDを計測する必要がある。課題として、SDは一様なCT値で構成される組織に関心領域(Region of Interest、以下、ROIとする)を設定して計測する必要があるため、異なるCT値で構成される組織には、SDを正確に計測することが困難である。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、所望する低減割合を達成するための逐次再構成パラメータの決定を行うことが可能なX線CT装置、及び処理装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、X線を発生するX線発生部と、被写体を透過後のX線を検出し、測定投影データを得るX線検出部と、X線発生部とX線検出部とを搭載して被写体の周囲を回転する機構を有する撮像部と、撮像部より測定投影データからCT画像を生成し、CT画像から順投影計算で求めた計算投影データと測定投影データとの差が等しくなるように、CT画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する画像生成部を備え、画像生成部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合と逐次修正に用いるパラメータの関係を保存するテーブル部を有し、逐次近似再構成部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合に応じて、テーブル部からパラメータを決定するX線CT装置を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、少なくとも処理部と、記憶部とを備え、処理部は、X線CT装置が得た測定投影データからCT画像を生成し、CT画像から順投影計算で求めた計算投影データと測定投影データとの差が等しくなるように、CT画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する画像生成部を備え、記憶部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合と逐次修正に用いるパラメータの関係を保存する機能を備え、逐次近似再構成部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合に応じて、記憶部に保存された関係からパラメータを決定する処理装置を提供する。
本発明によれば、組織の構成等、逐次修正前および修正中のCT画像の条件によらずに、所望する低減割合を達成するための逐次再構成パラメータを決定することができる。
実施例1における、X線CT装置各部のハードウェアの構成を説明するブロック図である。 実施例1における、X線CT装置の機能ブロック図である。 実施例1における、撮影条件受付画面を説明するための図である。 実施例1における、逐次近似再構成部の機能を説明する機能ブロック図である。 実施例1における、逐次近似再構成部の計算手順を説明するためのフローチャート図である。 実施例1における、逐次近似再構成部が参照するテーブルの一例を示す図である。 実施例1における、テーブル計算部の計算結果を説明するためのCT画像を示す図である。 実施例1における、テーブル計算部の計算結果であるノイズ低減割合の一例を示す図である。 実施例1における、基準重み計算部の計算結果を説明するための図である。 実施例1における、計算テーブル参照部の計算結果を説明するための図である。 実施例1における、重み計算部の計算結果を説明するための図である。 実施例1における、逐次修正部の計算手順を説明するためのフローチャート図である。 実施例2における、重み計算部の計算結果を説明するための図である。 実施例2における、従来および提案方式を比較したCT画像の結果、及びROIの位置を説明するための図である。 実施例2における、従来方式、および提案方式を比較したグラフを示す図である。 実施例3における、テーブル計算部と基準重み計算部の計算結果を説明するための図である。 実施例4における、逐次近似再構成部の機能を説明する機能ブロック図である。 実施例4における、ノイズ計測部とパラメータ決定部の計算結果を説明するためのCT画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部とパラメータ決定部の計算結果を説明するためのSD画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部とパラメータ決定部の計算結果を説明するためのノイズ低減割合の画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部とパラメータ決定部の計算結果を説明するためのパラメータβ画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算手順を説明するためのフローチャート図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算結果を説明するための測定投影データ例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算結果を説明するための奇偶数チャネルの測定投影データ例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算結果を説明するための奇偶数チャネルのCT画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算結果を説明するための差分、補正差分画像例を示す図である。 実施例4における、ノイズ計測部の計算結果を説明するためのSD画像例を示す図である。 実施例5における、テーブル計算部の計算結果を説明するための、異なる扁平率のCT画像例を示す図である。 実施例5における、テーブル計算部の計算結果として、ノイズ低減割合と基準パラメータβを示す図である。 実施例5における、テーブル計算部の計算結果として、扁平率と基準パラメータβを示す図である。 実施例5における、逐次近似再構成部の機能を説明する機能ブロック図である。 実施例5における、パラメータ決定部の計算手順を説明するための図である。 実施例6における、パラメータ決定部の計算手順を説明するためのCT画像の図である。 実施例6における、パラメータ決定部の計算手順を説明するための投影番号と重みの関係を示す図である。 実施例6における、パラメータ決定部の計算手順を説明するための投影番号と規格化重みの関係を示す図である。 実施例6における、パラメータ決定部の計算手順を説明するための扁平率と基準パラメータβの関係を示す図である。
以下、図面に従い、本発明の各種の実施例について順次説明する。
図1に、実施例1に係るX線CT装置のハードウェア構成を示す図を、図2に実施例1に係るX線CT装置の機能を示す機能ブロック図を示す。本実施例は、X線を発生するX線発生部1と、被写体を透過後のX線を検出し、測定投影データを得るX線検出部2と、X線発生部とX線検出部とを搭載して被写体の周囲を回転する機構を有する撮像部102と、撮像部より測定投影データからCT画像を生成し、CT画像から順投影計算で求めた計算投影データと測定投影データとの差が等しくなるように、CT画像を逐次修正する逐次近似再構成部136を有する画像生成部103を備え、画像生成部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合と逐次修正に用いるパラメータの関係を保存するテーブル部153を有し、逐次近似再構成部は、CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合に応じて、テーブル部からパラメータを決定するX線CT装置の実施例である。
図1に明らかなように、本実施例のX線CT装置は、入力部101、撮像部102、画像生成部103から構成され、撮影部102は、X線を発生するX線発生部1と、被写体を透過後のX線を検出し、測定投影データを得るX線検出部2と、ガントリー3、X線発生部1とX線検出部2とを搭載して被写体の周囲を回転する回転板4と、被検体6が載置される寝台5が挿入される円形の開口部7を備える撮影部133、及びガントリー制御器116、X線制御器117、寝台制御器118を備える撮影制御部132から構成される。ガントリー制御器116は、回転板4の回転動作を制御する。X線制御器117は、X線発生部からなるX線発生部1の動作を制御する。寝台制御器118は、寝台5の位置を制御する。なお、図1中の入力部101、画像生成部103のハードウェア構成については、後で説明する。
図2に示すように、本実施例の画像生成部103は、その機能ブロックとして、信号収集部134、補正処理部135、逐次近似再構成部136、画像表示部137を備える。逐次近似再構成部136は、X線検出器からなるX線検出部2が得た測定投影データから、被写体の再構成範囲についてCT画像を再構成し、CT画像を順方向に投影計算(以下、順投影計算とする)することにより計算投影データを求める、そして、求めた計算投影データと測定投影データとの差が等しくなるように、CT画像を逐次修正する。
逐次近似再構成部136は、所望するノイズ低減またはX線量の低減割合を達成したCT画像を取得するため、逐次再構成に用いるパラメータを決定する。本実施例では、事前に各パラメータに応じたCT画像のノイズ低減、またはX線量の低減割合を計算したテーブルを取得しておく。そして、画像生成時は、所望の低減割合に応じて決定したテーブルのパラメータを用いて、CT画像を逐次修正する。
このように、本実施例のX線CT装置では、事前に計算したテーブルから決定したパラメータを逐次再構成に導入することで、所望するノイズ低減、またはX線量の低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
本実施例において、ノイズの低減割合とは、例えば好適には、下式(1)に示すように、公知であるFeldkamp法等の解析的な再構成法を用いて再構成したCT画像(以下、初期画像とする)のノイズを基準として、逐次修正後、CT画像のノイズが低減した割合を百分率で示すものである。
Figure 0006215449
一方、本実施例において、X線量の低減割合とは、前述した解析的な再構成法を用いて再構成したCT画像と同等な画質を取得する条件の下、逐次再構成を用いて低減可能なX線量の割合を百分率で示す。本実施例において、画質は任意領域のノイズを示すSDを用いて説明しているが、空間分解能等の別の評価指標を用いても構わない。X線量の低減割合は、SDからX線量を近似的に換算可能であるため、下式(2)で表すことができる。
Figure 0006215449
以降、ノイズの低減割合とX線量の低減割合は、式(1)、および式(2)から換算可能であるため、X線量の低減割合の記載を省略し、ノイズの低減割合に統一して用いることとする。
なお、本実施例のX線CT装置において、被写体とは撮影対象を意味し、被検体6と、被検体6を支える寝台5とを包含する。なお、被検体6は、人体に限らず、ファントムや機械等の検査対象の物体であってもよい。
逐次近似再構成部136は、後で図4等を用いて説明するように、測定投影データと計算投影データの差を用いて当該等しくなるようにCT画像を修正する計算(以下、Likelihood計算とする)と、修正前のCT画像の2以上の画素間のCT値差から算出される値を用いてCT値差が小さくなるようにCT画像を修正する計算(以下、Prior計算とする)とを繰り返し行う逐次修正部を含む。本実施例では、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得するため、事前に計算したテーブルから決定したパラメータをPrior計算の係数に用いる。このとき、前述したパラメータは、Prior計算の係数の代わりにLikelihood計算の係数に用いることが可能である。
以下、図面を参照して、実施例1のX線CT装置についてさらに具体的に説明する。図1は、実施例1のX線CT装置のハードウェア構成を示す図である。このX線CT装置は、後述するように、画像生成部103の逐次近似再構成部136をソフトウェアとして搭載している。図2は、各種のソフトウェア等で実現されるX線CT装置の機能ブロック図である。
先に概説したように、本実施例のX線CT装置は、X線照射条件等の撮影条件や画像再構成の条件を入力する入力部101と、撮影の制御やX線の照射および検出を行い、測定投影データを出力する撮影部102と、検出した信号である測定投影データに対して補正や画像再構成を行い、画像を出力する画像生成部103とを備えて構成される。なお、入力部101および画像生成部103は、撮影部102を備える本体装置と必ずしも一体に構成する必要はなく、撮影部102とは離れた場所に配置し、ネットワークを介して接続してもよい。その場合、画像生成部103は、測定投影データを処理する処理装置として、独立した存在であるとすることができる。
入力部101は汎用のコンピュータが備えるハードウェア構成を有し、入出力部であるキーボード111やマウス112、記憶部であるメモリ113や、HDD装置115、処理部である中央処理装置114等を備えている。また、画像生成部103は、DAS119、記憶部であるメモリ120、処理部である中央処理装置121、記憶部であるHDD装置122、表示部であるモニタ123等を備えている。入力部101と画像生成部103は、独立したハードウェアとしても良いし、これらのハードウェアを共用した構成としても良い。
図2に示すように、入力部101は、撮影条件を入力する撮影条件入力部131として機能する。撮影部102は、撮影条件入力部131で入力された撮影条件に基づき撮影を制御する撮影制御部132と、X線の照射および検出を行う撮影部133として機能する。画像生成部103は、検出した信号をディジタル信号に変換する信号収集部134、ディジタル信号に対して補正する補正処理部135、補正した投影データに対して画像再構成する逐次近似再構成部136、および、再構成したCT画像を出力する画像表示部137として機能する。もちろん、AD変換を行う信号収集部134は、撮影部102に設置し、撮影部102は、ディジタル信号としての測定投影データを出力することも可能であり、ネットワークを介して画像生成部103を接続する場合には、その様に構成と好適である。
図1に示すように、入力部101は、撮影条件の入力等を行うために、キーボード111およびマウス112を備える。また、図示していないが、ペンタブレットやタッチパネル等の他の入力手段を備えていてもよい。さらに、入力部101は、中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)114と、メモリ113やHDD(Hard Disk Drive)装置115等の記憶部と、図示を省略したモニタとを備えている。各構成要素はデータバス101aによって接続されている。
キーボード111等により入力されたデータは、処理部であるCPU114に受け渡される。CPU114は、メモリ113、HDD装置115等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより、図2の撮影条件入力部131として機能する。また、CPU114は、別のプログラムを展開・起動することにより、撮影部102に制御信号を送り、図2の撮影制御部132の一部としても機能する。
図1の撮影部102のX線発生部からなるX線発生部1とX線検出部2は、一般的なX線CT装置と同様、被検体6へのX線の照射および検出を実現する。X線発生部1のX線発生点とX線検出部2のX線入力面との距離の代表例は1000[mm]である。開口部7の直径の代表例は700[mm]である。回転板4の1回転の所要時間の代表例は1.0[s]である。X線検出部2は、シンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出素子を含み、複数の検出素子が、チャネル方向、すなわち、回転板4の主平面に平行な面内でX線発生部1から等距離の円弧に沿った方向、およびスライス方向、すなわち、被検体6の体軸方向にそれぞれ配列されている。
例えば、チャネル方向のX線検出素子の数(以下、チャネル数とする)は、1000個である。各X線検出素子のチャネル方向のサイズの代表例は1[mm]である。回転板4の1回転における撮影部102の撮影回数は900回であり、回転板4が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。撮影を行う際の回転板4の角度を、投影角と呼ぶ。なお、各仕様は、上記の値に限定されるものはなく、X線CT装置の構成に応じて種々変更可能である。
画像生成部103は、データ収集システム(Data Acquisition System、以下、DAS)119、中央処理装置(Central Processing Unit、以下、CPU)121で構成される処理部、メモリ120やHDD装置122等の記憶部、モニタ123を備えて構成される。これらはデータバス103aによって接続される。DAS119は、図2の信号収集部134として機能する。処理部であるCPU121は、メモリ120、HDD装置122等に予め格納されている所定のプログラムを展開・起動することにより、図2の補正処理部および逐次近似再構成部136として機能する。モニタ123は、画像表示部137として機能する。
撮影部102のX線検出部2で検出された信号は、信号収集部134として機能するDAS119によって収集されて、ディジタル信号に変換され、CPU121に受け渡される。CPU121は、補正を行い、逐次近似処理を用いて画像再構成を行う。また、HDD装置122等にデータは保存され、必要に応じて、データは外部へ入出力される。画像再構成したCT画像は、画像表示部137として機能する液晶ディスプレイやCRT等のモニタ123に表示される。上述のようにCPU121やメモリ120やモニタ123等は入力部101と共用できる。
次に、実施例1のX線CT装置の撮影動作の流れを図2の機能ブロック図を中心に、図1のハードウェア構成および図3の画面例を用いて説明する。図3は、撮影条件入力部131のモニタ123に表示される撮影条件受付画面141の一例を示す図である。
図2の撮影条件入力部131は、図3の撮影条件受付画面141をモニタ123に表示し、操作者の入力を受け付ける。図3の撮影条件受付画面141は、照射するX線のエネルギー及び出力量に対応する管電圧、管電流時間積、および、1回転における撮影回数を設定するためのX線条件設定領域142と、再構成画像の範囲を設定する再構成範囲設定領域143と、逐次再構成に用いる重みを選択する重み設定領域144と、撮影部位を設定する撮影部位設定領域145と、所望の撮影条件、または画像条件を選択する撮影・画像設定領域146を含む。
操作者は、撮影条件受付画面141を見ながら、マウス112やキーボード111等を操作して、X線条件をX線条件設定領域142に、再構成範囲を再構成範囲設定領域143に、重み条件を重み設定領域144に、撮影部位を撮影部位設定領域145に、所望の撮影条件、または画像条件を撮影・画像設定領域146にそれぞれ設定する。以下、さらに詳しく説明する。
図3では一例として、操作者によってX線条件設定領域142に、管電圧値120[kV]、管電流時間積200[mAs]、撮影回数900[回/回転]が設定されている例を示している。なお、図3では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を用いる例について示しているが、2種類以上のX線を用いるマルチエネルギーCTの場合には、管電圧、管電流時間積、及び撮影回数の項目をX線条件設定領域142に追加し、X線の種類ごとに同様に設定する。
また、図3の再構成範囲設定領域143において、操作者は、画像再構成を行う領域である再構成範囲(Field of View、以下、FOVとする)を設定する。図3の再構成範囲設定領域143は、FOVの大きさと中心位置を設定することにより再構成範囲を設定する構成である。本実施例では一例として、FOVを正方形で定義する。図3の例では、FOVは一辺700[mm]が設定され、FOVの中心位置は、回転中心と等しい、X=Y=Z=0[mm]に設定されている。ただし、FOVは、正方形に限ることはなく、円形、長方形、立方体、直方体、球等の任意の形状に設定することも可能である。この場合も本実施例の構成を適用できる。
図3の重み設定領域144は、後述する逐次再構成の重みの種類を設定する。重みは、全ての検出素子の重みが一定値と、検出素子で検出したデータに応じた光子数の値の2種類である。実施例1において、逐次再構成に用いる重みは一定値の重みを選択する。また、図3の撮影部位設定領域145は、撮像部位として、X線照射対象(頭部、胸部、肺野等の部位や組織)を選択するか、またはX線照射対象を近似した楕円体の条件を数値で指定するかにより設定する。図3の例では、腹部が選択されている。
図3の撮影・画像設定領域146は、固定値であるノイズ低減割合を達成したCT画像を取得するモードか、固定値であるX線量の低減割合を達成したCT画像を取得するモードか、固定のノイズ値を達成したCT画像を取得するモードかを選択する。例えば、図3に示すノイズ低減割合50%では、逐次修正を用いて、初期画像のノイズを50%低減させたCT画像を取得することを示している。固定値であるX線量の低減割合は、所望するX線量の低減割合に基づいてX線を照射し、従来の解析的な再構成法と同等なCT画像のノイズを取得するモードである。固定のノイズ値は、逐次修正を用いて所望するノイズ値をもつCT画像を取得するモードである。
なお、撮影条件受付画面141は、図3の画面構成に限定されるものではない。また、撮影条件受付画面141で設定を受け付けるX線条件、再構成範囲、重みの設定条件、撮影部位の設定条件、および撮影・画像条件の組み合わせをHDD装置115に予め保存しておき、撮影条件入力部131がHDD装置115から読み出す構成にすることも可能である。この場合、毎回操作者が、X線条件等を入力する必要はない。また、上記設定条件の組み合わせを予め複数種類保存しておき、操作者が複数種類の中から選択する構成にすることも可能である。
次に、図2の撮影部102は、撮影条件入力部131が受け付けた撮影条件に応じたX線撮影を行う。操作者がマウス112やキーボード111等を用いて撮影開始を指示すると、CPU114は、撮影制御部132の寝台制御器118およびガントリー制御器116に出力する。寝台制御器118は、制御信号を受けて、寝台5を回転板4の回転軸方向に移動させる制御を行い、被検体6の撮影部位が、X線発生部1とX線検出部2の間のX線通過範囲、すなわち、撮影位置に一致した時点で、寝台5の移動を停止させる。これにより被検体6の撮影位置への配置が完了する。
また、ガントリー制御器116は、CPU114から撮影開始が指示されると同時に駆動モーターを介して回転板4の回転を開始させる。回転板4の回転が定速状態に入り、かつ、被検体6の撮影位置への配置が終了した時点で、CPU114は、X線制御器117にX線発生部1のX線照射タイミング、及び、X線検出部2の撮影タイミングを指示する。X線制御器117は、この指示に従ってX線発生部1からX線を照射させ、X線検出部2は、X線を検出して撮影を開始する。また、X線制御器117は、例えば操作者が設定したX線発生部1の管電圧および管電流時間積により、照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。
なお、ここでは1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用する例について説明したが、本実施例の構成はマルチエネルギーCTにも適用できる。その場合には、例えば、1回転毎または1回転中に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し、撮影データを取得するように制御する。
画像生成部103の信号収集部134は、X線検出部2の出力信号をディジタル信号に変換し、メモリ120に保存する。このデータに対し、補正処理部135では、X線の検出信号のゼロ値を較正するオフセット補正や、投影角度毎に検出した信号成分のばらつきを補正するリファレンス補正や、検出素子間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行い、被検体6の測定投影データを取得する。測定投影データは、逐次近似再構成部136に送られる。
図4に、本実施例の逐次近似再構成部136のさらに詳しい機能構成を示す。ソフトウェア等で実現される逐次近似再構成部136は、撮影条件受付画面141で受け付けた設定に基づき、事前に計算したテーブルから最適なパラメータを決定するパラメータ決定部151と、決定したパラメータを導入し、CT画像を逐次修正する逐次修正部152と、事前に計算テーブルを取得するためのテーブル部153を備えている。
パラメータ決定部151は、受け付けた設定に基づいてテーブル部153から基準パラメータを参照する計算テーブル参照部161と、各検出素子の重みに基づいてCT画像の各位置の重みを計算する重み計算部162と、基準パラメータと各位置の重みを用いて各位置のパラメータに変換するパラメータ変換部163を備えている。
逐次修正部152は、解析的再構成部164、順投影部165、差分部166、逆投影処理部167、Prior計算部168および、画像修正部169を含む。これらの構成により、逐次修正部152は、CT画像を計算により順投影して求めた計算投影データと、測定投影データとの差が等しくなるように逐次的にCT画像を修正する。このときPrior計算部168は、CT画像を構成する画素間のCT値の差分値から算出される値に対して、逐次再構成パラメータを乗算後、Likelihood計算後の修正画像に加算する。この処理は、逐次修正中に画素間のCT値差を小さくすることができ、ノイズを低下させる効果をもつ。
テーブル部153は、テーブル計算部170、基準重み計算部171、計算テーブル保存部172を含む。その一部は、記憶部上に形成される。これらの構成により、事前に代表的なファントムを用いて、基準となる各パラメータ(以下、基準パラメータとする)に応じたCT画像のノイズ低減割合の関係を計算したテーブル、および基準位置の重みを取得する。なお、本実施例において、ノイズ、および重みを計測するためのROIは、回転中心の位置に設定するが、周辺の位置に設定しても構わない。
本実施例では、操作者から受け付けた設定に基づいて、事前に計算したテーブルを参照することで、各位置の重みに応じたパラメータを決定することができる。これにより、逐次修正部152では、各位置におけるPrior計算後のパラメータを決定できるため、CT画像の領域によらず、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
これらの各機能ブロックは図5Aのフローチャートのように動作する。以下、詳細に説明する。始めにテーブル部153を説明する。
テーブル計算部170では、図5のステップ181において、事前に代表的なファントムのCT画像を逐次修正した結果を用いて、基準となる位置の各基準パラメータとノイズの低減割合の関係を、後で説明する図5Bに示すようにテーブル化する。
図6Aは、水で構成された直径30cm、高さ100cmの円柱ファントムの断層面を示す。各基準パラメータβを用いて逐次修正したCT画像から、回転中心に設定したROI191のノイズを計測する。ROIの位置は回転中心に限定することなく、中心以外の周辺に位置する複数のROIを設定しても構わない。このとき、各ROIに対応したテーブルを取得する場合、または複数ROIの計測値を平均化したテーブルを取得する場合のどちらでも構わない。
図6Bは、各基準パラメータβとノイズ低減割合の関係を計算したテーブルを示す。図6Bに示すプロット192はノイズの計測値を示し、公知である最小二乗法等を用いて、複数のプロット192から近似曲線193を取得する。これにより、任意の基準パラメータβからノイズ低減割合を算出することができる。計算テーブルは、仮想的なX線CT装置によるシミュレーションデータ、または現実のX線CT装置による計測データのどちらを用いても構わない。
次に、図5Aのステップ182において、基準重み計算部171では、操作者が指定するFOV、およびFOVの中心位置の条件に応じて、各検出素子の重みW(i)から重み画像W(j)を計算し、基準となる位置の重みW(以下、基準重みとする)を取得する。例えば、FOV=300、500、700[mm]の3種類、かつFOVの中心位置X=Y=Z=0[mm]とX=30[mm]、Y=Z=0[mm]の2種類の場合、合計6通りの基準重みWを取得する。基準となる位置は、テーブル計算部170でノイズ計測に用いたROIと同じ位置が望ましい。中心以外の周辺に位置する複数のROIを用いても構わない。図7の左側、右側に、それぞれ検出素子の重みW(i)、およびFOV=700[mm]、FOVの中心位置X=Y=Z=0[mm]のCT画像の重み画像W(j)を示す。テーブル部153では、検出素子の重みW(i)は一定値を用いることが望ましく、図7の左側は、検出素子の重みW(i)=1を示す。検出素子の重みは1に限定することはなく、1以外の値を用いても構わない。基準重みWは、式(3)を用いて、図7の右側に示すROI194の重み画像を計算した結果である。
Figure 0006215449
最後に、図5Aのステップ183において、計算テーブル保存部172では、計算した計算テーブル、および基準重みをメモリ120やHDD装置122等に保存する。テーブル部153の処理は、装置の出荷より前、または被写体の撮影前に行う必要がある。以後に示す処理は、被写体の撮影時に行う。
本実施例では図5Bに示すように、更新回数を20回、画像再構成に用いる再構成フィルタとしてRampフィルタを設定し、計算テーブルを取得した。本実施例はこれらの撮影条件または再構成条件に限定することはなく、各管電圧、寝台の動作速度等、他の撮影条件または再構成条件に対して、それぞれ計算テーブルを取得しても良い。例えば、図5Bに示すように、テーブル部153は各更新回数、各再構成フィルタに対する計算テーブルを取得し、図6Bに示す近似曲線193として、計算テーブル保存部172に保存する。後述する計算テーブル参照部161では、各撮影条件または各再構成条件に基づいて、計算テーブル保存部172から適した計算テーブル、および基準重みWを参照する。
始めに、パラメータ決定部151を説明する。計算テーブル参照部161では、図5Aのステップ184において、撮影条件受付画面141の条件に基づき、テーブル部153で計算したテーブルを参照し、基準パラメータβを算出する。図5Bに示すテーブルを用いて、所望するノイズの低減割合50%から基準パラメータβを算出する。
次に、図5Aのステップ185において、重み計算部162では、各検出素子の重みW(i)から重み画像W(j)を計算する。図9の左側は、CT画像の各位置の重み画像W(i)を示す。式(3)に示すように、各位置j1、およびj2の重みW(j1)、重みW(j2)は異なる値をもつ。
次に、パラメータ変換部175では、撮影時と同一なFOVかつ同一なFOVの中心位置で取得した基準重みW、算出した基準パラメータβ、および計算した重み画像W(j)を用いて、下式(4)に示す各位置のパラメータβ画像β(j)を計算する。
Figure 0006215449
図9の右側は、計算した各位置のパラメータβ画像β(j)を示す。各位置j1、およびj2のβ(j1)、β(j2)は異なる値をもつ。
本実施例では、管電圧等の撮影条件、FOV等の再構成条件、および測定投影データの種類に応じて、複数の計算テーブルを保存してもよい。これにより、条件の違いによる逐次再構成パラメータの真値との誤差を低減することができる。
次に、図5Aの逐次修正部152を説明する。図5Aのステップ187に進み、逐次修正部152によって、パラメータ決定部151で計算したパラメータβ画像β(j)を用いてCT画像を逐次修正し、高精度にノイズを除去したCT画像を生成する。
以下、図10のフローチャートを用いて、ステップ187の処理について詳細に説明する。
図10のようにステップ187は、ステップ201〜208を含む。まず、ステップ201において、図4中の逐次修正部152の解析的再構成部164は、公知であるFeldkamp法等の解析的再構成手法を用いて、補正処理部135が補正した測定投影データR(i)からCT画像λk=0(j)を計算する。
次に、ステップ202のように、初期画像として上記CT画像λk=0(j)を用いて、修正回数kが予め設定された修正回数Kに達するまで、CT画像をステップ203〜206により逐次的に修正する。
画像を修正するアルゴリズムとしては、公知の逐次近似再構成手法を用いることができる。ここでは一例としては、SPS(Separable−Paraboloidal−Surrogate)法を用いる場合について説明する。このSPSは、下式(5)で表される。
Figure 0006215449
上記式(5)において、W(i)は、画像を修正する割合を表す重みである。式(5)に示すP1およびP2は、それぞれ分子および分母のPriorの計算式を表す。式(5)による逐次近似再構成は、以下のステップ203〜206により行われる。
まず、ステップ203において、順投影部165(図4)は、下式(6)を計算することにより、CT画像λ(j)の画素を順投影処理し、計算投影データを求める。
Figure 0006215449
式(6)において、lは、修正対象の画素jとX線検出部iを結ぶライン上にあるL個の画素の番号を表す。C(i、l)は、画素lがX線検出部iに寄与する割合を表し、C(i、l)の値は、X線検出部の位置や順投影計算、または逆投影計算の手法によって異なる値が設定される。
次に、ステップ204において、図4中の差分部166は、下式(7)のように測定投影データR(i)から式(6)の計算投影データを減算し、修正投影データΔR(i)を求める。
Figure 0006215449
次に、ステップ205において、図4中の逆投影処理部167は、下式(8)により、修正投影データΔR(i)を逆投影処理し、修正画像Δλ(j)を生成する。
Figure 0006215449
ただし、式(8)のP1、P2は、図4中のPrior計算部168が下式(9)、(10)により求めた値を用いる。式(9)、(10)は、P1、P2を求める式の一例であり、Gaussian−Prior等により、式(9)の1階導関数の計算によりP1を求め、式(10)の2階導関数の計算によりP2を求める。
Figure 0006215449
Figure 0006215449
上記式(9)、式(10)において、βはPriorの強度を示す固定の逐次再構成パラメータである。本実施例では、パラメータ決定部151で計算した各位置のパラメータβ画像β(j)をβの代わりとして置き換える。Ψ(λj k−λ k)は、CT画像λ(j)における2画素のCT値の差分値(λj k−λ k)を変数とする関数である。
以上により、式(8)の修正画像Δλ(j)が算出される(ステップ205)。
次に、ステップ206において、画像修正部169は、式(11)を計算することにより、修正画像Δλ(j)を用いて修正したCT画像λk+1(j)を求める。
Figure 0006215449
以上のステップ203〜206を終了後、ステップ207において、修正回数kはk+1にインクリメントされ、ステップ202に戻る。これにより、インクリメント後の修正回数kが予め設定された修正回数Kと等しくなるまで、ステップ202〜207が繰り返し行われる。修正回数kがKに達したならば修正終了となり、ステップ208に進み、CT画像が出力され、図2中の画像表示部137により、モニタ123に表示される。
このCT画像は、逐次近似再構成により生成されているため、これを投影した計算投影データは、測定投影データとよく一致し、測定投影データを高精度に画像化したCT画像を得ることができる。
なお、図10のステップ208においてはCT画像を、ネットワークアダプタを用いて、ローカルエリアネットワーク、電話回線、インターネット等のネットワークを介して外部の端末に送信することも可能である。
また、本実施例では、ステップ181〜187、およびステップ201〜208によって、CT画像の各位置のパラメータβ画像β(j)を用いて、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
また、本実施例において、ノイズの低減効果は、測定投影データとパラメータの設定値に依存することに着目し、事前に計算したテーブルからCT画像の各位置のパラメータを算出して用いている。これにより、逐次近似再構成処理自体を大きく変更することなく、所望するノイズ低減割合、撮影条件、再構成条件、および測定投影データに応じて決定した最適なパラメータβ画像β(j)を容易に導入できる。
なお、本実施例では、パラメータとしてβ、およびβ(j)を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、Likelihood計算とPrior計算の割合を決定するパラメータならば、Likelihood計算の係数、または二つの計算の係数に用いても構わない。
なお、上述の式(5)で示した逐次近似再構成手法は一例であり、公知であるOS−SPS、OS−SPS−TV、PWLS、OS−PWLS、ASIRT、MSIRT、GRADY、CONGR、ART、SART、SART−TV、OS−SART、OS−SART−TV、ML−EM、OS−EM、FIRA、RAMLA、DRAMA等、他の手法に適用しても構わない。
本実施例では、一周分の回転から取得した測定投影データを用いて、CT画像を再構成したが、一周に限定することはなく、公知であるハーフ再構成または一周以上の測定投影データを用いる再構成に対しても適用可能である。
また、本実施例では、寝台5およびガントリー3が静止した状態であるコンベンショナルスキャン方式で測定投影データを取得する例について説明したが、本発明はこの方式に限定されるものではなく、寝台5の動作と停止を一定間隔で順に繰り返しながらコンベンショナルスキャンを行うステップアンドシュート方式や、寝台5を動かしながら撮影する螺旋スキャン方式で取得した測定投影データに対しても、本発明を適用可能なことは言うまでも無い。
更に本実施例では、一例として生体用のX線CT装置を示したが、爆発物検査や製品検査等の非破壊検査を目的としたX線CT装置に本実施例の構成を適用することももちろん可能である。また、本実施例は一例として公知の第3世代のマルチスライスX線CT装置について説明したが、公知の第1、第2、第4世代のX線CT装置にも適用でき、公知のシングルスライスX線CT装置やエレクトロンビームCTにも適用できる。
本実施例では計算時間の短縮の為、テーブル部153のテーブル計算部170、基準重み計算部171、重み計算部162、パラメータ変換部163を逐次修正部152の前に実施した。本発明では、必ずしも事前にテーブル計算部170、基準重み計算部171、重み計算部162、パラメータ変換部163を実施する必要はなく、操作者が指定した撮影条件、または再構成条件に応じて、撮影時、または画像生成時に実施してもよい。例えば、重み計算部162、パラメータ変換部163をPrior計算部168の一部として加えることが可能である。このとき、式(4)に示すW(j)は、式(8)の分母中の左項と等価な計算式である。従って、Prior計算部168では、式(4)のβ(j)を式(8)のβに代入することにより、重み計算部162、およびパラメータ変換部163を省略することができ、重複するW(j)の重み計算に要する計算量を削減できる。
次に、実施例2のX線CT装置について説明する。
上述の実施例1では、重み設定領域144で一定値の重みを設定する場合、基準パラメータβ、基準重みW、および各位置の重み画像W(j)を用いて、パラメータβ画像β(j)を算出する構成であった。実施例2では、重み設定領域144で検出素子の光子数を設定する場合、一定値の重みで計算した基準パラメータβ、および基準重みWと、検出素子の光子数で計算した各位置の重み画像W(j)を用いて、パラメータβ画像β(j)を算出する。以下、実施例2のX線CT装置の構成について、実施例1のX線CT装置と異なる構成を中心に説明する。
図11は、水で構成された直径30cm、高さ100cmの円柱ファントムを撮影した結果から、検出素子の光子数を用いて計算した重み画像W(j)を示す。ファントムは、回転中心から下に10cm移動させている。図11に示す各位置の重み画像W(j1)、およびW(j2)は、異なる値をもつ。
次に、図7に示す一定値の重みで計算した基準重みWと、計算テーブル参照部161で算出した基準パラメータβと、前述した重み画像W(j)を用いて、パラメータ変換部163では、式(4)に示す各位置のパラメータβ画像β(j)を計算する。解析的再構成部164以降の処理は、実施例1と同様である。これにより、重み設定領域144で検出素子の光子数を設定する場合、各位置のパラメータβ画像β(j)を用いて、所望するノイズ低減割合を達成したCT画像を取得することができる。実施例2の有効性を検証するため、水で構成された円柱ファントムを撮影した。ファントムは、回転中心から下に移動させている。
図12の左側は、従来方式である各位置で固定したパラメータβを用いて逐次修正したCT画像を示し、図12の右側は、提案方式である各位置のパラメータβ画像β(j)を用いて逐次修正したCT画像を示す。図12は、CT画像を拡大した結果を示した。逐次再構成は、公知であるサブセット法を用いたOS−SPSを用いた。図3の重み設定領域144は、検出光子の光子数を設定し、所望するノイズ低減割合を設定した。
図12左側に示す従来方式は、ファントム中心のノイズと比較して、ファントム下部に示す矢印部分211のノイズが過度に低減したことがわかる。一方、図12右側に示す提案方式は、ファントム中心と下部に示す矢印部分212のノイズがほぼ同等の結果を得た。
なお、図12に示すファントムの上部211、中心部212、下部213にROIを設定し、各ROI内のノイズを計測する。図13に示すグラフは、ファントムの上部211、中心212、下部213に設定したROI内のノイズを計測した結果である。図13は、横軸にファントム中心からの距離を示し、縦軸にノイズの低減割合の結果を示す。プロット214は上部のROI211、プロット215は中心のROI212、プロット216は下部213のROI213の結果とする。このとき、ファントム中心からの距離は、中心から上方向を負、下方向を正とする。提案方式は従来方式と比較して、距離によらず等しい低減割合217を取得しており、設定した低減割合に近い結果を取得できた。これにより、提案方式を用いることで、所望するノイズ低減割合を達成したCT画像を取得できることが示された。
次に、実施例3のX線CT装置について説明する。上述の実施例1では、重み設定領域144で一定値の重みを設定する場合、基準となる位置に設定した回転中心の基準重みW、基準パラメータβ、および各位置の重み画像W(j)を用いて、パラメータβ画像β(j)を計算する構成であった。実施形態3では、回転中心だけでなく複数の基準重みW、複数の基準パラメータβ、および各位置の重み画像W(j)を用いて、パラメータβ画像β(j)を計算する。以下、実施例3のX線CT装置の構成について、実施例1のX線CT装置と異なる構成を中心に説明する。
図14の左側は、テーブル計算部170において、各基準パラメータβで逐次修正したCT画像に複数のROI191を設定した図を示す。このROI191は、回転中心だけでなく、中心から距離r=200mmの上下左右の位置に設定されている。各CT画像の各ROI191のノイズを計測した結果を用いて、ROI191毎に計算テーブルを取得する。このとき各ROI191で算出される基準パラメータβは、βb1、βb2、βb3、・・・として表される。
次に、図14の右側は、基準重み計算部171において、一定値の重みから計算した重み画像W(j)に複数のROIを設定し、基準重みを計測する。計測した基準重みは、Wb1、Wb2、Wb3、・・・として表される。基準重みを計測する領域は、前述のノイズを計測したROI191と同じ位置が望ましい。テーブル部153の処理は、装置の出荷より前、または被写体の撮影前に行う必要がある。以後に示す処理は、被写体の撮影時に行う。
図4の計算テーブル参照部161では、図5Aのステップ184において、撮影条件受付画面141の条件に基づいて、テーブル部153で計算したテーブルから基準パラメータβを算出する。例えば、ノイズの低減割合50%の場合、基準パラメータβは、図5Bに示す計算テーブルから算出される。本実施例では、図14左側に示す複数ROI191の基準パラメータβb1、βb2、βb3、・・・を取得しており、CT画像の各位置では、複数ROI191との距離を計算した結果、最も距離の近い基準パラメータβを選択する。このとき、距離は公知である各位置と基準位置とのユークリッド距離等を用いる。次に、パラメータ変換部163において、CT画像の各位置では、複数ROI191との距離を計算した結果、最も距離の近い基準重みWを選択する。
従来、基準位置から離れた位置では、所望のノイズ低減割合を推定する精度が低下する課題がある。本実施例により、従来と比べて各位置は距離の近いテーブルを用いることができるため、ノイズ低減割合の推定精度を向上することができる。
次に、実施例4のX線CT装置について説明する。上述の実施例1では、図3の所望条件設定領域146で固定のノイズ低減割合を達成したCT画像を取得するモードにおいて、各位置で均一のノイズ低減割合を達成するCT画像を取得する構成であった。実施例4では、図3の所望条件設定領域146で固定のノイズ値をもつCT画像を取得するモードにおいて、初期画像のノイズの値、およびノイズ値に応じて決定した基準パラメータβを用いて、各位置のパラメータβ画像β(j)を計算する。以下、実施例4のX線CT装置の構成について、実施例1のX線CT装置と異なる構成を中心に説明する。
図15は、図4の構成にノイズ計測部154を加えた構成を示す。ノイズ計測部154では、初期画像の各位置のノイズ値を示すSD画像N(j)を計算する。ノイズ計測部154の詳細は、本実施例で後述する。図16Aは解析的再構成部164で計算されたCT画像を示す。図16Bは、前述したCT画像の各位置のSD画像N(j)を示す。次に、計算テーブル参照部173は、取得したSD画像N(j)を用いて、式(12)に示すノイズ低減割合の画像N(j)を計算する。式(12)の固定SDは、図3の所望条件設定領域146で設定した固定のノイズ値を示す。
Figure 0006215449
図16Cは、計算したノイズ低減割合の画像N(j)を示す。次に、ノイズ低減割合の画像N(j)、及びテーブル部153で参照するテーブルを用いて、各位置の基準パラメータβbI(j)を計算する。次に、パラメータ変換部163では、式(13)の計算式を用いて、パラメータβ画像β(j)を計算する。
Figure 0006215449
図16Dは、計算したパラメータβ画像β(j)を示す。これにより、固定のノイズ値を取得する為のパラメータβ画像β(j)を用いて、所望のノイズ値をもつCT画像を取得することができる。
以下、図15のノイズ計測部154について説明する。
図17のステップ231において、図15の分割計算部221は、測定投影データR(i)をチャネル方向について2以上に分割する。ここでは、検出素子の番号が、奇数番号の測定投影データRc、odd(i)の組と、偶数番号の測定投影データRc、even(i)の組の2つに分割する例について説明する。ただし、iは、X線検出部2の検出素子の番号を示す。
図18Aには、一例として1000チャネルの測定投影データR(i)を示す。図18Aの横軸はチャネル番号、縦軸は投影角度(X線発生部1とX線検出部2の回転角度)を表す。図18Aの測定投影データの濃度はそれぞれの画素の値(CT値)を示している。
図18Bの左側は、分割後の奇数番号の測定投影データRc、odd(i)を示し、図18Bの右側は、偶数番号の測定投影データRc、even(i)を示す。図18Bの両データは、図18Aの測定投影データR(i)をチャネル方向に2分割したため、それぞれ500チャネルである。
なお、このステップ231において、分割後の測定投影データRc、odd(i)およびRc、even(i)のチャネル間のデータを補間することにより分割前の測定投影データのチャネル数に増加させてもよい。例えば、分割後の隣接するチャネル間の測定投影データの値から公知である補間方法を用いて、不足チャネルのデータを算出する。例えば補間方法は、加算平均等の線形補間、またはスプライン補間等の非線形補間が用いられる。もしくは、不足チャネルを近傍のデータを、そのまま不足チャネルの値として用いてもよい。これらの補間処理を行った場合には、分割後の測定投影データRc、odd(i)およびRc、even(i)のチャネル数は、それぞれ500チャネルから1000チャネルに増加する。
次に、図17のステップ232において、図15の分割画像計算部222は、奇数番号の測定投影データRc、odd(i)および偶数番号の測定投影データRc、even(i)から、それぞれ被写体のCT値を表すCT画像λc、odd(j)、λc、even(j)を解析的再構成手法を用いて計算により求める。ここで、jは、CT画像の画素番号を示し、CT画像は、J個の画素で構成されているものとする。解析的再構成手法としては、例えばFeldkamp法等の公知の手法を用いる。CT画像としては、一般的な2次元(x、y方向)の断層像だけでなく、1次元データ(x方向)、体軸方向zに像を重ね合わせた3次元データ(x、y、z方向)、または3次元に時間方向tを考慮した4次元データ(x、y、z、t)を求めることも可能である。図18Cの左側には、奇数番号のCT画像λc、odd(j)を、図18Cの右側には、偶数番号のCT画像λc、even(j)をそれぞれ示す。
次に、図17のステップ233において、図15の分割ノイズ計測部223の差分画像計算部224は、式(14)に示すように、奇数番号のCT画像λc、odd(j)と偶数番号のCT画像λc、even(j)の差分をとり、差分画像Δλ(j)を求める。
Figure 0006215449
図18Dの左側には、差分画像Δλc(j)の一例を示す。奇数番号のCT画像λc、odd(j)と偶数番号のCT画像λc、even(j)は、測定投影データを2分割したデータをそれぞれ再構成して得たCT画像であるため、同一の被写体像を含んでいる。よって、両画像の差分をとることにより、差分画像Δλ(j)は、図18Dの左側のように被写体像が除去され、CT画像に含まれるノイズのCT値の分布画像が得られる。
差分画像Δλ(j)に表されているノイズのCT値は、分割後の測定投影データに対応した値になっている。具体的には、ノイズのCT値は、測定投影データの2分割により√2倍に増幅した値になっている。そこで、次のステップ174で補正し、分割していない測定投影データのCT値に対応したノイズのCT値の強度分布を示す補正差分画像Δλ’(j)を得る。
具体的には、図17のステップ234において、差分画像Δλ(j)のノイズのCT値の強度を補正するため、差分画像Δλ(j)に補正係数αを乗算し、図18Dの右側に示す補正差分画像Δλ’(j)を得る。2分割の場合、式(14)の差分処理で√2倍に増幅しているため、それを補正する補正係数αは、α=1/√2とする。補正差分画像Δλ’は、分割されていない測定投影データから再構成したCT画像から、被写体の情報を除去したノイズだけの情報(CT値)を表している。
なお、分割後の測定投影データRc、odd(i)およびRc、even(i)のチャネル間を補間し、チャネル数を分割前のチャネル数に増加させてからステップ232、233を行った場合には、上記補正係数α=1である。
次に、図17のステップ235において、分割ノイズ計測部223は、補正差分画像Δλ’(j)に関心領域を設定し、関心領域におけるノイズのCT値の振幅(強度)を算出する。具体的には、補正差分画像Δλ’の所定位置に関心領域を設定し、関心領域内のノイズの強度を求めるために、関心領域のノイズのCT値のばらつき(振幅)を求める。ここでは、ばらつきとして、標準偏差σを計算する。これにより、関心領域のノイズの強度(標準偏差σ)を求めることができる。関心領域は、例えば、画素j’を中心として縦(x方向)100画素×横(y方向)100画素の範囲とする。
分割ノイズ計測部223は、さらに関心領域の中心画素j’の位置を少しずつずらしながら、それぞれの位置の関心領域についてノイズの強度(標準偏差σ)を計算する。そして、関心領域の特定位置(例えば中心画素j’)に、求めた標準偏差σの値を対応させることにより、SD画像N(j)を図18Eのように生成する。これにより、被写体の影響を受けず、SD画像N(j)を正確に計算できるため、各位置のノイズ低減割合の画像N(j)を計算することができる。
次に、実施例5のX線CT装置について説明する。上述の実施例1では、代表的なファントムとして円柱ファントムのCT画像から計算したテーブルを用いて、各位置のパラメータβ画像β(j)を決定する構成であった。実施例5では、図3の撮影部位設定領域145で設定した撮影部位、または近似した楕円の情報に応じて、テーブル部153で計算した複数のテーブルから最適なテーブルを選択し、パラメータβ画像β(j)を計算する。以下、実施例5のX線CT装置の構成について、実施例1のX線CT装置と異なる構成を中心に説明する。
図4のテーブル計算部170では、代表的なファントムとして、扁平率の異なる複数の楕円ファントムを撮影し、各基準パラメータβで逐次修正したCT画像を用いてノイズを計測する。図19Aは、3種類の異なる扁平率の楕円ファントムを再構成したCT画像とROI191を示す。
図19Bは、各楕円ファントムのCT画像から計測したノイズ、および各基準パラメータβを用いて、計算したテーブルを示す。楕円ファントムの扁平率に応じて、テーブルが異なることがわかる。本実施例では異なる扁平率の楕円ファントムを用いたが、胸部、腹部等の臨床データを用いて計算テーブルを取得しても構わない。
図19Bは3種類の楕円ファントムを用いたが、これらのファントムと比べて扁平率が異なるほど、所望のノイズ低減割合を推定する精度が低下する課題がある。そこで、公知である最小二乗法等で計算した近似曲線を用いて、複数のファントムのテーブルから任意の扁平率のファントムのテーブルを計算することができる。
図19Bに示すように、ノイズの低減割合50%の各基準パラメータβのプロット241を用いて、図19Cに示す扁平率と基準パラメータβのテーブルを計算する。図19Cに示すプロット241はノイズの計測値を示し、公知である最小二乗法等を用いて、複数のプロット241から近似曲線242を取得する。これにより、任意の扁平率から基準パラメータβ、およびノイズ低減割合を算出することができる。これにより、図3の撮影部位設定領域145で設定した撮影部位、または任意の扁平率の楕円に応じて、最適なテーブルを用いることができるため、ノイズ低減割合の推定精度を向上することができる。
次に、本実施例において、初期画像から最適なテーブルを選択し、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得する方法について説明する。図20は図4の一部を変更した図である。図20は、解析的再構成部164が計算テーブル参照部161の前の順番に変更されている。
始めに図21の左側に示すように、公知である解析的な再構成法を用いて初期画像を計算する。次に、公知である閾値処理等の画像処理技術を用いて、図21の真ん中に示すように、初期画像から被写体の輪郭、または構造物の情報を抽出する。そして、図21右側に示すように、抽出した輪郭、または構造物の情報から長径a、短径bを計測した結果、扁平率を取得することができる。これにより、初期画像から取得した扁平率を用いて、複数のテーブルから最適なテーブルを選択することにより、基準パラメータβを決定することができる。
次に、実施例6のX線CT装置について説明する。上述の実施例5では、初期画像から最適なテーブルを選択し、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得する構成であった。実施例6では、CT画像の各位置に関係する全ての投影データ情報を用いて最適なテーブルを選択し、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得する。以下、実施例6のX線CT装置の構成について、実施例5のX線CT装置と異なる構成を中心に説明する。
図22Aは、解析的再構成部164で計算したCT画像、および中心位置251の画素jを示す。始めに、画素jを通過するX線源1とセンサ2の経路上の測定投影データから重みW(i)を計算する。図22Bは、画素jに関係する全ての投影データの番号iの重みW(i)を示す。X線の照射量、および被写体の形状や構造物に応じて、透過後の検出される光子数が異なるため、異なる重みW(i)が取得される。
次に図22Cに示すように、投影データは、重みW(i)の小から大の順に入れ替える。このとき、図22Bに示す全ての重みW(i)は、最小値Wmin(i)を用いて規格化される。図22Cは、公知である楕円関数等でフィッティングを行うことにより、扁平率0.3を取得したことを示す。図22Dは、取得した扁平率、およびノイズの低減割合50%のテーブルを用いて、基準パラメータβを取得できることを示す。本実施例により、CT画像の各位置に関係する全ての投影データ情報を用いて最適なテーブルを選択し、所望するノイズの低減割合を達成したCT画像を取得することができる。
以上、本発明の種々の実施例を説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
更に、上述した各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。
1 X線発生部、2 X線検出部、3 ガントリー、4 回転板、5 寝台、6 被検体、7 円形の開口部、116 ガントリー制御器、117 X線制御部、118 寝台制御器、
101 入力部、102 撮影部、103 画像生成部、
111 キーボード、112 マウス、113 メモリ、114 中央処理装置、115 HDD装置、
119 DAS、120 メモリ、121 中央処理装置、122 HDD装置、123 モニタ、
131 撮影条件入力部、132 撮影制御部、133 撮影部、134 信号収集部、135 補正処理部、136 逐次近似再構成部、137 画像表示部、
141 撮影条件受付画面、142 X線条件設定領域、143 再構成範囲設定領域、144 重み設定領域、145 撮影部位設定領域、146 撮影・画像設定領域、
151 パラメータ決定部、152 逐次修正部、153 テーブル部、154 ノイズ計測部、
161 計算テーブル参照部、162 重み計算部、163 パラメータ変換部、164 解析的再構成部、165 順投影部、166 差分部、167 逆投影処理部、168 Prior計算部、169 画像修正部、170 テーブル計算部、171 基準重み計算部、172 計算テーブル保存部、191 CT画像の関心領域(正方形)、194 重み画像WI(j)の関心領域(正方形)、
221 分割計算部、222 分割画像計算部、223 分割ノイズ計測部、224 差分画像計算部。

Claims (11)

  1. X線を発生するX線発生部と、被写体を透過後の前記X線を検出し、測定投影データを得るX線検出部と、前記X線発生部と前記X線検出部とを搭載して前記被写体の周囲を回転する機構を有する撮像部と、
    前記撮像部より測定投影データからCT画像を生成し、前記CT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとの差が略等しくなるように、前記CT画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する画像生成部を備え、
    前記画像生成部は、
    前記CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合と逐次修正に用いるパラメータの関係を保存するテーブル部を有し、
    前記逐次近似再構成部は、
    前記測定投影データから前記CT画像の逐次修正に用いる重みを計算する重み計算部を有し、
    前記CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合に応じて、前記テーブル部からパラメータを決定し、
    前記重み計算部で、1つ以上の撮影条件、および1つ以上の再構成条件、および1箇所以上の基準位置における、前記X線検出部を構成する複数の検出素子の1検出素子以上の重みを合計した値である基準重みW と、前記撮影条件以外、または再構成条件以外、または基準位置以外における1検出素子以上の重みを合計した値である重みW の比を計算し、
    前記逐次近似再構成部は、基準重みW のパラメータと前記計算した重みW と重みW の比から前記撮影条件以外、または再構成条件以外、または基準位置以外におけるパラメータを決定する
    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記重み計算部は、前記複数の検出素子の出力データに同じ重みを付与する一定値重みを計算し、
    前記逐次近似再構成部は、前記一定値の重みから計算した前記基準重みWと、前記撮影条件以外、または再構成条件以外、または基準位置以外における1検出素子以上の一定値の重みを合計した値である重みWの比からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記重み計算部は、前記複数の検出素子の出力データに同じ重みを付与する一定値重みを計算し、
    前記複数の検出素子の出力の大きさに応じて、前記複数の検出素子の出力データに付与する重みを異ならせる統計値重みを計算し、
    前記逐次近似再構成部は、前記一定値の重みから計算した前記基準重みWと、前記統計値の重みWから計算した重みの比からパラメータを決定する、ことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記重み計算部は、基準位置以外におけるパラメータは2つ以上の前記基準重みの中から最も近い距離の代表重みWを用いて、重みWと重みWの比を計算する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、前記CT画像から取得した値に応じて、前記テーブル部からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、前記CT画像から計測したノイズ値に応じて、前記テーブル部から所望のノイズの画像を取得するようにパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、入力した撮影条件または再構成条件に応じて、前記テーブル部からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、前記CT画像から取得した被写体情報に応じて、前記テーブル部からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、2つ以上の検出素子の重みに応じて、前記テーブル部からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項に記載のX線CT装置であって、
    前記逐次近似再構成部は、2つ以上の検出素子の重みを近似関数でフィッティングし、取得した近似関数の係数に応じて、前記テーブル部からパラメータを決定する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  11. 少なくとも処理部と、記憶部とを備え、
    前記処理部は、
    X線CT装置が得た測定投影データからCT画像を生成し、前記CT画像から順投影計算で求めた計算投影データと前記測定投影データとの差が略等しくなるように、前記CT画像を逐次修正する逐次近似再構成部を有する画像生成部を備え、
    前記記憶部は、
    前記CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合と逐次修正に用いるパラメータの関係を保存し、
    前記逐次近似再構成部は、
    前記測定投影データから前記CT画像の逐次修正に用いる重みを計算する重み計算部を有し、
    前記逐次近似再構成部は、
    前記CT画像のノイズまたはX線量を低減させる割合に応じて、前記記憶部に保存された関係からパラメータを決定し、
    前記重み計算部で、1つ以上の撮影条件、および1つ以上の再構成条件、および1箇所以上の基準位置における、前記X線検出部を構成する複数の検出素子の1検出素子以上の重みを合計した値である基準重みW と、前記撮影条件以外、または再構成条件以外、または基準位置以外における1検出素子以上の重みを合計した値である重みW の比を計算し、
    前記逐次近似再構成部は、基準重みW のパラメータと前記計算した重みW と重みW の比から前記撮影条件以外、または再構成条件以外、または基準位置以外におけるパラメータを決定する
    ことを特徴とする処理装置。
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