JP5028528B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明はX線CT(Computed Tomography)装置に関し、特にアダプティブフィルタを用いて撮影時に取得したデータを平滑化し、CT画像のアーチファクトを低減する技術に関する。
X線CT装置は、被写体を多方向から撮影して得たX線投影データから各点のX線吸収係数を算出し、被写体の断層像(以下、CT画像とする)を得る装置である。本装置より取得したCT画像は、医療現場において、正確かつ即時に患者の病状を診断でき、臨床上有用である。しかし、医師の診断に必要な高い画質の画像を取得するためには、一定量の被曝を伴う。近年、被曝により人体に与える影響が問題視され、低被曝化のニーズが高まっている。しかし、低被曝化を実現するために照射する線量を低くするほど、ノイズに対する信号強度の比率(以下、S/N比とする)が減少し、誤診断の原因になる線状のアーチファクト(以下、ストリークアーチファクトとする)が発生する。
一方、撮影する被写体に起因してストリークアーチファクトが発生する場合がある。例えば通常線量の撮影において、両腕を体側につけた状態で胸部あるいは腹部を撮像した場合等は、両腕を結ぶ方向にX線が多く吸収され、信号量が少なくなる。そのため、S/N比の減少により、ストリークアーチファクトが生じるのは免れず、画質の良い画像を得ることができないという問題があった。
この問題を解決するため、例えば特許文献1および2ではアダプティブフィルタが提案されている。このフィルタは、撮影時に取得した投影データに対して平滑化処理を行い、アーチファクトの主原因であるノイズを低減する。特許文献1には、チャネル毎にX線検出データを一様に平滑化し、アーチファクトを低減する技術が開示されている。特許文献2には、投影データから近似した雑音分布σを用い、チャネル毎に計算したフィルタの重みから投影データを平滑化する技術が開示されている。
特開2005−253628 特開2003−180675
従来技術では、被写体によらず全てのチャネルの投影データに対して、同じフィルタの条件を用いているため、平滑化の効果が大きすぎて空間分解能が劣化する場合や、平滑化の効果が小さすぎてアーチファクトが残存する場合がある。また、従来は全てのチャネルを対象にして計算するため、計算量およびメモリ量が多いという課題がある。
本発明の目的は、被写体に応じた平滑化処理を行ってアーチファクトを低減したCT画像を取得することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のようなX線CT装置が提供される。すなわち、本発明のX線CT装置は、X線を発生するX線発生部と、被写体透過後のX線を検出しX線検出データを生成するX線検出部と、X線検出データをLog変換して投影データを生成する投影データ計算部と、X線検出データおよび投影データのうち少なくとも一方を平滑化するフィルタ処理部と、フィルタ処理部で取得した投影データからX線吸収係数の分布であるCT画像を計算する画像計算部とを有する。ここでフィルタ処理部は、X線検出データおよび投影データの少なくとも一部を用いて境界データを生成し、境界データを閾値としてX線検出データおよび投影データのうち少なくとも一方を平滑化処理する。このように本発明では、被写体を透過したX線検出データまたはその投影データから作成した境界データを閾値として平滑化処理を行うため、被写体に適応した平滑化処理を行うことができ、空間分解能の劣化を抑制しつつアーチファクトを除去することができる。
例えばフィルタ処理部は、X線検出データまたは投影データと境界データとを比較し、その大小関係により平滑化の度合いを切り替える構成とする。具体的には、投影データと境界データとを比較し、投影データが境界データよりも小さい領域は平滑化処理を行わず、投影データが境界データ以上の領域は、投影データと境界データとの差に応じた平滑化処理を行う構成とすることができる。または、X線検出データと境界データとを比較し、X線検出データが境界データよりも大きい領域は平滑化処理を行わず、X線検出データが境界データ以下の領域は、X線検出データと境界データとの差に応じた平滑化処理を行う構成とすることができる。または、上側境界データ、下側境界データを設定し、上側境界以下、もしくは下側境界データ以上の領域は、投影データ、もしくはX線検出データと各境界データとの差に応じた平滑化処理を行う構成とすることができる。このように、X線検出データまたは投影データと境界データと大小関係により平滑化の度合いを切り替えることにより、ノイズ成分を強く平滑化しつつ、ノイズ以外の成分には平滑化による空間分解能の劣化を抑制できる。
フィルタ処理部は、X線検出データまたは投影データを平滑化処理することにより境界データを生成することができる。これにより、被写体の特徴に適応した境界データを生成することができるため、この境界データを用いることにより閾値処理によりノイズ成分とそれ以外の成分とを精度よく区別することができる。
このとき、X線検出データから境界データを生成する場合、所定の閾値以下の領域をフィルタ適用範囲とし、フィルタ適用範囲のX線検出データを平滑化処理することにより境界データを生成することができる。X線検出データが閾値より小さい領域はノイズが含まれやすいため、この領域をフィルタ適用範囲として境界データを生成することにより、ノイズが含まれやすい領域を効果的に平滑化処理しアーチファクトを抑制できる。フィルタ適用範囲の外側領域については平滑化処理を行わないため、空間分解能の劣化を抑制でき、かつ、計算量およびメモリ量を低減できる。投影データから境界データを生成する場合、所定の閾値以上の領域をフィルタ適用範囲とし、フィルタ適用範囲の前記投影データを平滑化処理する。これにより同様の作用が得られる。
境界データとして2種類以上のものを用いることができる。例えば、X線検出データのうち所定の第1閾値以下の領域のX線検出データを平滑化処理した後、Log変換することにより第1境界データを生成し、投影データのうち所定の第2閾値以上の領域の前記投影データを平滑化処理することにより第2境界データを生成する。第1境界データおよび第2境界データのうち一方を選択的に用いて前記投影データを平滑化処理することができる。選択する際には、第1境界データの変化率と第2境界データの変化率とを求め、変化率の小さい方を選択することが可能である。
2種類以上の境界データを用いる場合には、変化率をチャネル方向について求め、チャネルごとに第1境界データまたは第2境界データを選択することも可能である。
また、X線検出データのうち所定の第1閾値以下の第1領域については、X線検出データを平滑化処理した後、Log変換することにより生成した第1境界データを用い、第1領域の外側領域であって投影データのうち所定の第2閾値以上の第2領域については、投影データを平滑化処理することにより生成した第2境界データを用いて投影データを平滑化処理することも可能である。このとき、第1領域は第2領域よりも被写体透過後のX線量が少ない領域となるように第1閾値および第2閾値を設定することが望ましい。これにより、X線量が少なく最もノイズが多い領域には第1境界データを用い、第1領域の外側のノイズが少ない領域には第2境界データを用いてそれぞれ平滑化を行うことができる。
また、本発明のCT装置は、CT画像のノイズ値を検出するノイズ検出部をさらに有する構成にすることができる。フィルタ処理部は、ノイズ検出部が検出したノイズ値が所定値よりも大きい場合には、平滑化処理の条件を変更することにより、ノイズを低減することができる。例えば、境界データの値を変更することにより平滑化処理の条件を変更する。
また、本発明のCT装置は、撮影前にアーチファクトを推定する構成にすることが可能である。例えば、X線発生部のX線照射条件とフィルタ処理部の処理条件と被写体部位とを受け付ける入力部と、X線照射条件とフィルタ処理部の処理条件と被写体部位ごとに予め求めておいたアーチファクトの残存量を格納する格納部と、入力部が受け付けたX線照射条件とフィルタ処理部の処理条件と被写体部位情報に対応するアーチファクト残存量を格納部から読み出すアーチファクト推定部とをさらに有する構成とする。アーチファクト推定部は、アーチファクト残存量が所定値よりも大きい場合には、操作者に報知する。これにより操作者は、撮影前に推定されたアーチファクト残存量を知ることができ、適切なX線照射条件やフィルタ処理条件等を知ることができる。アーチファクト残存量が所定値よりも大きい場合、フィルタ処理部は平滑化処理の条件を自動的に変更する構成にすることができる。
本発明によれば、少ない線量の撮影において、多く発生するアーチファクトを低減できるため、低線量化が可能になる。
本発明の実施形態1における装置各部のハードウェアの構成を説明するためのブロック図。 実施形態1における装置各部の機能と動作の流れを示すブロック図。 実施形態1における撮影条件入力部101の撮影条件設定用モニタ画面141を示す説明図。 実施形態1におけるアダプティブフィルタ部135aの構成を示すブロック図。 実施形態1におけるアダプティブフィルタ部135aの処理の流れを示すフローチャート。 実施形態1におけるアダプティブフィルタ部135aの処理の流れとその時に得られるデータを説明するための説明図。 実施形態1におけるX線CT装置から取得したX線検出データを説明するための説明図。 実施形態1におけるX線光子数の比率に対する吸収係数と透過経路長の積の関係を説明するためのグラフ。 実施形態1におけるアダプティブフィルタ部135aによる畳み込み積分を説明するための説明図。 実施形態1においてLog変換後の投影データから第1境界投影データを作成し、平滑化処理する手順を説明するためのフローチャート。 実施形態1においてX線検出データを第1境界データを用いて平滑化処理する手順を説明するためのフローチャート。 本発明の実施形態2におけるアダプティブフィルタ部135aによる平滑化の処理の流れを説明するためのフローチャート。 実施形態2におけるアダプティブフィルタ部135aの処理の流れとその時に得られるデータを説明するための説明図。 (a)従来法によるファントムの撮像画像とアダプティブフィルタの効果を説明するための画像、(b)実施形態2によるファントムの撮像画像とアダプティブフィルタの効果を説明するための画像。 実施形態2における計算量およびメモリ量の低減を目的としたアダプティブフィルタ部135aの処理の流れ説明するためのフローチャート。 本発明の実施形態3および4における撮影条件入力部の撮像条件設定用モニタ画面141を説明するための説明図。 実施形態3における画像生成部103の機能と動作の流れを示すブロック図。 実施形態3におけるアダプティブフィルタ部135aによる平滑化の処理流れを説明するためのフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1を用いて、実施形態1のアダプティブフィルタを搭載したX線CT装置のハードウェア構成について述べる。
図1の本装置は、X線照射条件やアダプティブフィルタの条件等の撮影条件を入力する入力部101と、撮影の制御やX線の照射および検出を行う撮影部102と、検出した信号に対して補正や画像再構成を行い、画像を出力する画像生成部103とを備えて構成される。なお入力部101および画像生成部103は、本装置と一体に構成する必要は必ずしもなく、例えば、遠隔に配置された入力部および画像生成部を本装置にネットワークを介して接続し、入力処理および画像生成処理を行ってもよい。
入力部101は、例えばキーボード111、マウス112、ペンタブレット、タッチパネル等の撮影条件入力部と、中央処理装置114と、HDD(Hard Disk Drive)装置115等の記憶部とを含んでいる。中央処理装置114、メモリ113およびHDD装置115は、所定のプログラムを展開・起動することにより、キーボード111およびマウス112等から入力されたデータを処理する。これにより、中央処理装置114は、撮影部102に制御信号を送る。入力部101の各構成要素はデータバス104aによって接続される。
撮影部102は、X線管1、ガントリー3およびテーブル5と、これらの動作時にそれぞれ制御を行うX線制御器117、ガントリー制御器116およびテーブル制御器118を備えている。さらに、撮影部102は、X線の照射および検出を行うX線管1とX線検出器2を備えている。X線管1のX線発生点とX線検出器2のX線入力面との距離の代表例は1000[mm]である。ガントリー3の中央には被写体6およびテーブル5を配置するための円形の開口部7が設けられている。開口部7の直径の代表例は700[mm]である。回転板4の回転の所要時間の代表例は1.0[s]である。X線検出器2にはシンチレータ及びフォトダイオード等から構成される公知のX線検出器2が使用される。X線検出器2はX線管1から等距離である円弧状に図示しない多数の検出素子を有しており、その素子数(以下、チャネル数とする)の代表例は950個である。各検出素子のチャネル方向のサイズの代表例は1[mm]である。撮影部102の1回転における撮影回数は900回であり、回転板4が0.4度回転する毎に1回の撮影が行われる。なお前記各仕様はこれらの値に限定されるものはなく、X線CT装置の構成に応じて種々変更可能である。
画像生成部103は、データ収集システム(DAS;Data Acquisition System)119、メモリ120、中央処理装置121、HDD装置122、モニタ123とを備えている。撮影部102のX線検出器2で検出された信号は、DAS119によってディジタル信号に変換される。中央処理装置121およびメモリ120は、所定のプログラムを展開・起動することにより、ディジタル信号に対して補正や画像再構成を行う。また、HDD装置122等により、データの保存や入出力を行う。画像再構成されたCT画像は、液晶ディスプレイやCRT等のモニタ123に表示される。画像生成部103の各構成要素はデータバス103aによって接続される。
つぎに図2を用いて、実施形態1のアダプティブフィルタを搭載したX線CT装置の撮影時の機能を説明する。図2のように、図1のX線CT装置の入力部101は、撮影条件を入力する撮影条件入力部131として機能する。撮影部102は、撮影条件入力部131で入力した撮影条件に基づき撮影を制御する撮影制御部132と、X線の照射および検出を行う撮影実行部133として機能する。画像生成部103は、検出した信号をディジタル信号に変換する信号収集部134と、前記ディジタル信号に対して補正する補正処理部135と、補正した投影データに対して画像再構成する再構成処理部136と、再構成したCT画像を出力する画像表示部137として機能する。補正処理部135には、アダプティブフィルタ処理を行うアダプティブフィルタ部135aが配置されている。
撮影時の各部の動作の流れを図2を用いてさらに説明する。撮影条件入力部131は、図3に示したような撮影条件の入力を受け付けるためのモニタ画面141を中央処理装置121等を介してモニタ123に表示させる。操作者はマウス112やキーボード111等を用いて、撮影部位、管電圧、管電流量等の撮影条件を設定する。具体的には、撮像条件設定用モニタ画面141は、撮影部位を選択するための撮影部位選択リスト142と、照射するX線のエネルギーおよび出力量に対応する管電圧及び管電流量を設定するためのX線条件設定部143と、アダプティブフィルタの適用有無設定部144と、フィルタを適用する方向の選択部145と、フィルタの平滑化の度合いを決定するアダプティブフィルタのモード選択部146とを含んでいる。
操作者は、撮影部位選択リスト142から撮影部位を選択する。例えば部位として胸部、腹部、頭部、頚部、脊椎、股関節、四肢等を選択することができる。また部位に限らず心臓、脂肪、血管等の組織を選択可能な構成としてもよい。X線条件設定部143では、操作者が管電圧と管電流量とを指定する。管電圧値の代表例は120[kV]、管電流量の代表例は200[mAs]である。本実施形態では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を想定しているが、2種類以上のX線を用いるマルチエネルギーCTでは、管電圧及び管電流量の項目を追加することにより同様に設定を行うことができる。
アダプティブフィルタを適用(図3では、有りとする)する場合、適用する方向をチャネル方向、投影角度方向、スライス方向の3つの次元のうちから操作者が選択する。適用方向は、1つの方向に限定されるものではなく、図3に示したようにチャネル方向と投影角度方向のように2方向以上を選択することも可能である。また、適用方向は、図3に示した3次元(3つの方向)は一例であり、心臓の撮影等の撮影時間の異なるデータに対して、撮影時間方向に上記フィルタを適用しても良い。
アダプティブフィルタのモード選択部146に関して、操作者は低線量モード、高画質モード、および手動設定モードの中から操作者が一つを選択する。例えば、低線量モードでは、撮影部位選択リスト142から選択した撮影部位に対して、平滑化の度合いに関係するフィルタ関数の半値幅d(後述する図9(b)参照)が所定の広い値に設定され、平滑化の効果を強くする。これにより、低線量時に発生しやすいアーチファクトを低減できる。高画質モードでは、低線量時よりもアーチファクトが発生しにくいので前記フィルタ関数の半値幅dが所定の狭い値に設定され、平滑化の効果を弱くする。このようにアダプティブフィルタのモードを設定することにより、撮影条件に応じて平滑化の度合いを調節することができるため、平滑化による空間分解能の劣化を抑制しながらアーチファクトを低減できる。
モニタ画面141のアダプティブフィルタモード選択部146には、フィルタ関数の半値幅dの数値の入力欄146aが配置され、操作者による数値入力を可能としている。例えば、図3に示す半値幅dとして5データ分とは、1チャネルのデータを平滑化する際、当該チャネルのデータと当該チャネルに隣接する4チャネルのデータを用いて平滑化することを示している。
撮影条件入力部131は、図3に示した撮影部位、X線条件、アダプティブフィルタの設定のモニタ画面141上で設定を受け付ける構成に限定されるものではなく、他の方法で撮影条件の入力を受け付けることも可能である。また、事前に撮影条件をHDD装置115に保存しておくことも可能であり、この場合、毎回操作者が撮影条件を入力する必要はない。
操作者はマウス112やキーボード111等を用いて、被写体6の撮影位置を指定した後に撮影開始を指示する。撮影開始が指示されると、撮影制御部132はテーブル制御器118によってテーブル5を移動させる。これにより被写体6を回転板4に対して略垂直な方向に移動させ、被写体6の撮影位置が操作者に指定された撮影位置と一致した時点で移動を停止させることにより、被写体6を配置する。一方、撮影制御部132のガントリー制御器116は、撮影開始が指示されると同時に駆動モーターを介して回転板4の回転を開始させる。回転板4の回転が定速状態に入り、かつ被写体6の前記配置が終了した時点でX線制御器117は、撮影実行部133のX線管1のX線照射タイミング及び撮影部のX線検出器2の撮影タイミングを制御し、撮影を開始する。
本実施形態では、撮影は回転板4が回転中の期間行われ、設定したX線管1の管電圧および管電流量により、照射するX線のエネルギースペクトルと出力量を決定する。
本実施形態では、1種類のエネルギースペクトルを有するX線を使用したが、1回転毎に管電圧を高速に切り替えて2種類以上のエネルギースペクトルを有するX線を照射し、撮影データを取得するマルチエネルギーCTも行うことも可能である。
次に、撮影実行部133は、X線検出器2により被写体6を透過したX線光子を検出する。画像生成部103の信号収集部134は、X線検出器2のX線検出データをDAS119によってディジタル信号に変換する。信号収集部134の取得したX線検出データは、メモリ120に保存される。このデータに対し、補正処理部135は、X線の信号をゼロに較正するオフセット補正や、検出器間の感度を補正する公知のエアキャリブレーション処理等の補正を行い、被写体6の投影データを取得する。このとき、アダプティブフィルタ部135aは、前記X線検出データまたは/および投影データを平滑化し、アーチファクトの原因となるノイズを低減する。本発明のアダプティブフィルタ部135aの処理についての詳細は後述する。
画像生成部103の再構成処理部136は、補正処理部135で補正した投影データ値Ilo(i、j、k)に対して、公知のCT画像再構成アルゴリズムを用いた演算処理を施すことにより、被写体のX線吸収係数を表すCT画像を得る。
画像表示部137は、計算した前記CT画像をモニタ123に表示させることにより、操作者に情報を提供する。なおネットワークアダプタを用いて、ローカルエリアネットワーク、電話回線、インターネット等のネットワークを介して外部の端末とCT装置とを接続し、前記端末との間で前記CT画像を送受信することも可能である。
つぎに、アダプティブフィルタ部135aの構成と動作を図4〜図7等を用いて説明する。
アダプティブフィルタ部135aは、図4のように信号収集部134により取得した前記X線検出データに対してアダプティブフィルタの適用範囲を設定する処理範囲決定部151と、設定した処理範囲からフィルタ関数を計算する処理関数決定部152と、計算したフィルタ関数を用いて平滑化を実行する処理関数実行部153と、撮影条件入力部131で入力したX線照射条件やフィルタの条件等に応じて、アダプティブフィルタに必要なパラメータを読み出すためのフィルタパラメータ保存部154とを含んでいる。
アダプティブフィルタ部135aの動作を図5のフローを用いて説明する。図6には、図5のフローの各時点のデータの様子を示す。
処理範囲決定部151は、図5のステップ161において、X線検出データI(i、j、k)を信号収集部134(図2参照)から取得する。このX線検出データIは、X線Iを照射し、被写体を透過したX線光子を検出したデータであり、式(1)に示すように表される。
Figure 0005028528
式(1)においてX線検出データIは被写体透過後のX線光子数[光子]であり、Iは被写体無しのX線光子数[光子]、μは線吸収係数[cm−1]、lは透過経路長[cm]である。
図7の投影データ181は、X線検出データIに対して公知のエアキャリブレーション処理を行った後、Log変換した結果であり、被写体6を透過するX線吸収係数が高いほど白色を表示し、低いほど黒色を表示するグレースケールを使用している。X線検出データIまたは投影データは、図7に示すように、被写体6の断面方向にX線検出器2が並ぶチャネル方向i、X線照射時にX線管1が回転する投影角度方向j、被写体6の断面方向に対し垂直にX線検出器2が並ぶスライス方向kの3方向から構成される。
図5のステップ161で取得されたX線検出データIは、一例として円筒形の一様な被写体6を撮影領域の中心に設置して撮影した場合には、横軸をチャネルi、縦軸をX線検出データ値としてグラフ化すると図6のデータ171のようになる。ただし、投影角度j’およびスライスk’は任意の値とする。データ171において、チャネルiの中心部では、円筒形の被写体6を透過する経路lが長いため、透過するX線光子数が減少し、図6のデータ171に示すように、信号に対するノイズ成分11が増加する。このため、隣接するチャネルと比較してデータのばらつきが多くなっている。
そこで、処理範囲決定部151は、ステップ162において、図6のデータ172に示すように、X線検出データIが所定の閾値Th1以下のチャネル範囲(フィルタ適用範囲)12を求め、このフィルタ適用範囲12のX線検出データIを平滑化処理する。これにより、第1境界データT(i、j、k)173を得る(ステップ163)。得られた第1境界データT(i、j、k)173は、図6に示すように、平滑化によりノイズ成分11が低減されている。この第1境界データ173は、後述するアダプティブフィルタを用いた平滑化処理(ステップ168)において、閾値ThLとして用いられる。なお、図6ではデータ173の理解を容易にするため、フィルタ適用範囲12の外側のチャネルについても第1境界データTを示しているが、実際にはフィルタ適用範囲12のみ第1境界データTを算出する。
ステップ162における平滑化処理は、公知の方法を用いることができる。例えば、X線検出データIにフィルタ関数(図9(b))を畳み込み積分する方法を用いる。畳み込み積分による平滑化処理については後述する。
上述のステップ162では、閾値Th1を用いることにより、フィルタの適用範囲12の設定と、第1境界データ173の作成という二つの処理を行っている。フィルタ適用範囲12は、X線検出データIが閾値Th1以下であり、被写体透過後のX線量の少ない領域であるので、後述するステップ168において、アダプティブフィルタによる平滑化を施す領域として設定される。一方、閾値Th1よりもX線検出データIが大きい領域(範囲12の外側領域)は、X線量の多い領域であるので平滑化しない領域として設定される。また、フィルタ適用範囲12を設定したことにより、図5に示すステップ163より後のステップにおける計算量およびメモリ量を削減できる。
閾値Th1としては、あらかじめ定めておいた数式を用いて計算により定めることができる。また、予め撮影条件に応じて経験や実験により求めた定数を用いることも可能である。閾値Th1を計算により定める場合は、例えば、X線光子数の比率A=I/Iに対するX線吸収係数と透過経路長の積B=μ・lの関係に基づき、式(2)より決定することができる。
Figure 0005028528
式(2)の左辺は、図8に示すように、Aの微小変位量に対するBの変位量を表している。これは、ノイズの影響で変動するdAの成分に対する、吸収係数の変化量dBに相当する。本実施形態においては、式(2)左辺のAの微小変位量に対するBの変位量が、予め定めた定数C以下の場合には、被写体透過後のX線量が少ない領域であるため、X線の検出信号に対して、微小なノイズ変動で吸収係数が大きく変化すると判断するものである。よって、C以下の条件のとき、大きく変化した吸収係数を平滑化することが必要であるため、Cに応じてTh1を決定する。このときCは、図3において設定した撮影部位等のX線照射条件およびアダプティブフィルタのモード等のフィルタ条件により決定する。例えば、X線光子数の比率AとX線吸収係数と透過経路長の積Bの関係は、式(3)に示される。式(2)、式(3)より、Aの微小変位量に対するBの変位量は式(4)で示される。
Figure 0005028528
一例として、A=I/I、B=μ・l、C=−100、I=10000とする。このとき式(2)、式(4)より、I≦100となることから、ステップ162の閾値Th1を100[光子]に決定する。
閾値Th1として予め定めた定数を用いる場合、予め撮影条件に応じて経験や実験により求めた任意のX線光子数Iを閾値として設定することができる。例えば、閾値Th1として200[光子]とすることができる。
次に、処理関数決定部152は、ステップ164においてX線検出データI(図6のデータ171)に対して公知のエアキャリブレーション処理を行った後、Log変換し、式(5)に示すように吸収係数の投影データ値I(i、j、k)(図6のデータ174)を取得する(ステップ165)。
Figure 0005028528
また、処理関数決定部152は、ステップ166において第1境界データT(図6のデータ173)に対してもLog変換する。これにより第1境界投影データT(i、j、k)(図6のデータ175)を取得する(ステップ167)。
次に、処理関数実行部153は、ステップ168においてアダプティブフィルタを用いた平滑化処理を行う。本実施形態では、式(6)に示したように投影データI(i、j、k)と、投影データI(i、j、k)を公知の手法で平滑化処理した後のデータIlw(i、j、k)を重みδにより重み付けして加算することにより、アダプティブフィルタ適用後の投影データIlo(i、j、k)を得る。このとき本実施形態では、式(7)〜(9)に示したように下限閾値ThL(i、j、k)と上限閾値Thu(i、j、k)を用い、投影データIの値によって場合分けを行い、場合分けごとに異なる重みδを用いるものである。下限閾値ThL(i、j、k)と上限閾値Thu(i、j、k)は、第1境界投影データT(i、j、k)に基づき決定する。具体的には、ThL(i、j、k)として第1境界投影データT(i、j、k)を用い、閾値Thuとして、例えばThu=K・ThL(Kは正の実数)のように、ThLに応じて決定した所定値を用いる。閾値Thuを計算により定める場合は、例えば、X線光子数の比率A=I/Iに対するX線吸収係数と透過経路長の積B=μ・lの関係に基づき、式(10)より決定することができる。式(10)は、図8に示すように、左辺のAの微小変位量に対するBの変位量が、予め定めた定数D以下の場合には、被写体透過後のX線量が極端に少ない領域であるため、X線の検出信号に対して、微小なノイズ変動で吸収係数が大きく変化すると判断するものである。よって、D以下の条件のとき、大きく変化した吸収係数を平滑化することが必要であるため、Dに応じてThuを決定する。このときDは、図3において設定した撮影部位等のX線照射条件およびアダプティブフィルタのモード等のフィルタ条件により決定する。本実施形態では、一例としてD=−200と定め、これによりデータ176の閾値Thuを2.0に決定する。
閾値Thuとして予め定めた定数を用いる場合、予め撮影条件に応じて経験や実験により求めた任意のX線光子数Iを閾値として設定することができる。例えば、閾値Thuとして1.5とすることができる。
Figure 0005028528
Figure 0005028528
すなわち、投影データIが下限閾値ThL(=第1境界投影データT)より小さいときは、式(8)のようにδ=0とすることにより、投影データI(i、j、k)をそのままアダプティブフィルタ適用後の投影データIlo(i、j、k)とする。
投影データIが上限閾値Thuより大きいときは、式(9)のようにδ=1とすることにより、平滑化処理した後のデータIlw(i、j、k)を投影データIlo(i、j、k)とする。
投影データIが下限値ThL(=第1境界投影データT)以上で上限閾値Thu以下のときは、式(7)を用いて投影データIとThLの差を、ThLおよびThuの差で除した値を計算し、この値を重みδとして用いる。求めた重みδにより式(6)を演算することにより、下限値ThL(=第1境界投影データT)を超えた投影データIに対して、下限値ThLを超えている割合が大きいほど、平滑化処理後のデータIlwの割合を多く加算する。これにより、下限値ThL(=第1境界投影データT)を超える割合が大きいほど、強く平滑化がされたデータIlw(i、j、k)が得られる。
このように、本実施形態では、被写体から得たX線検出データ値Iを平滑化処理した後Log変換して得た第1境界投影データT(i、j、k)を用い、これを用いて被写体の投影データIの場合分けをし、投影データI(i、j、k)に施す平滑化の強さ(度合い)を決定している。これにより、被写体ごとに適切な度合いの平滑化処理を施すことができ、被写体によらず全てのチャネルの投影データに対して同じフィルタ条件を用いる場合と比較して、空間分解能の劣化を抑制しつつ、アーチファクトを除去することができる。これにより、少ない線量の撮影であってもアーチファクトを低減できるため、低線量化が可能になる。
また、本実施形態では、フィルタ適用範囲12を設定して第1境界投影データT(i、j、k)を作成しているため、全チャネルに平滑化処理を行う必要はなく、演算処理量を低減することができる。
上記式(6)で用いる平滑化処理後データIlw(i、j、k)の演算方法について説明する。平滑化処理後データIlw(i、j、k)は、投影データI(i、j、k)に公知の平滑化処理を施したものである。例えば、下記のように畳み込み処理を用いる。
畳み込み処理は、図6のデータ176に示すように、フィルタの適用範囲12に含まれる投影データI(i、j、k)に対して行う。具体的には、式(11)に示すように、図9(a)のように任意の投影角度j’およびスライスk’でチャネルiの投影データI201に対して、図9(b)のようなフィルタ関数W(i、j、k)202を畳み込み積分することにより、平滑化処理後データIlw(i、j、k)を求める。
Figure 0005028528
フィルタ関数W(i、j、k)202は、図9(b)のように横軸チャネル方向i、縦軸が重みW[i]、半値幅dで表される。半値幅dは、図3のモニタ画面141で入力欄146aに設定された半値幅dの値を用いる。フィルタ関数の面積は1に規格化する。なお、フィルタ関数202は、図9(b)に示すような三角形の関数だけでなに限定されるものではない。例えば、各チャネルの重みを一定とした移動平均処理、さらにはメディアンフィルタ処理等を用いることも可能である。
畳み込み積分することにより、図9(a)の投影データI(i、j、k)のノイズ成分11は、図9(c)に示した平滑化処理後のデータIlw(i、j、k)203のように低減することがわかる。本実施形態では、得られた平滑化処理後のデータIlw(i、j、k)203と投影データI(i、j、k)とを上述した式(6)のように重みδに応じて加算することにより、アダプティブフィルタ適用後の投影データIlo(i、j、k)を得る。
上記実施形態では、X線検出データIの一部を平滑化して第1境界データTを生成した後Log変換を行い、第1境界投影データTを得ているが、この手順に限られるものではなく、X線検出データIをLog変換してから投影データIを平滑化して第1境界投影データTを生成してもよい。図10を用いて、この処理を説明する。取得したX線検出データIをLog変換して、投影データIを取得する(ステップ211、212、213)。次に、投影データIが、あらかじめ定めた閾値Th1以上を満たす範囲(フィルタ適用範囲)について、投影データIを平滑化し、第1境界投影データT(i、j、k)を算出する(ステップ214、215)。これにより、ステップ216では、図4の処理関数実行部153が上記実施形態と同様に、式(6)〜(9)によりアダプティブフィルタを用いた平滑化処理を行う。これにより、アーチファクトを低減できる。
また上記実施形態では、一例として投影データIに対してアダプティブフィルタによる平滑化を行ったが、図11に示すように、Log変換前のX線検出データIを平滑化して得た第1境界投影データTを閾値として用い、第1境界データTと前記X線検出データIを比較して式(7)〜(9)のように場合分けして重みδを設定することにより、式(6)のように平滑化の度合いを適切に切り替えながら、X線検出データIを平滑化することも可能である。図11を用いて、この処理を説明する。まず、取得したX線検出データIが閾値Th1以下を満たす時、X線検出データIを平滑化し第1境界データT(i、j、k)を取得する(ステップ221、222、223)。
ステップ224および225では、第1境界データT(i、j、k)を閾値ThLとして用いてX線検出データIの値により式(7)〜(9)のように場合分けして重みδを設定する。設定した重みδを用いることにより、式(6)により平滑化の度合い(重み)を適切に切り替えながらX線検出データIを平滑化し、平滑化X線検出データI(i、j、k)を取得できる。例えば平滑化は、X線検出データIにフィルタ関数を畳み込み積分する方法がある。次に、ステップ226および227では、平滑化X線検出データIをLog変換して、平滑化投影データIlW(i、j、k)を取得する。これにより、上記実施形態と同様に被写体に応じて平滑化の度合いを適切に切り替えながら平滑化した平滑化投影データIlW(i、j、k)を取得できる。図11の処理においても、Log変換前のX線検出データに対して、閾値Th1により平滑化処理の適用範囲を限定することで、図11に示すステップ223以降の計算量およびメモリ量を削減できる。
また、上述の実施形態においてはX線検出データIと閾値Th1と比較することによりフィルタ適用範囲12を決定したが、X線検出データをLog変換した投影データIからを決定してもよい。例えば、投影データIの吸収係数から閾値Eを決定し、Eよりも大きい範囲をフィルタ適用範囲12と設定する。閾値Eは、一例としてはE=1.0[cm−1]とすることができる。
上述した本実施形態では、撮影のたびに操作者が入力した半値幅dを用いてフィルタ関数202を作成しているが、予め撮影条件ごとにフィルタ関数202等を前記フィルタパラメータ保存部154に格納しておいても良い。これにより、処理範囲決定部151と処理関数決定部152と処理関数実行部153は、フィルタパラメータ保存部154を参照するだけでフィルタ関数202を取得できるため、演算を高速化できる利点がある。
本実施形態では、一例として生体用のX線CT装置を示したが、爆発物検査や製品検査等の非破壊検査を目的としたX線CT装置に本発明を適用しても良いことは言うまでもない。また本実施形態は一例として公知の第3世代のマルチスライスX線CT装置を示したが、公知の第1、第2、第4世代のX線CT装置にも適用でき、公知のシングルスライスX線CT装置やエレクトロンビームCTにも適用できる。
(実施形態2)
実施形態2では、実施形態1と同様にX線検出データの一部を平滑化してからLog変換して第1境界投影データを生成することに加えて、X線検出データをLog変換してから一部を平滑化して第2境界投影データを生成する。2種類の境界投影データのうち一方をチャネルごとに選択し、選択した境界投影データを実施形態1と同様に閾値ThLとして用いる。投影データと、選択した境界投影データ(閾値ThL)を比較して平滑化の度合いを切り替えることにより、投影データに対して前記平滑化の度合いに応じた平滑化を行う。
これにより、本実施形態では、実施形態1の第1境界投影データによる平滑化の範囲12の外側領域に対して、第2境界投影データを用いた異なる閾値で、異なる度合いの平滑化を行うことができる。例えば、第1境界投影データは、実施形態1で説明したように閾値Th1に基づき、被写体透過後のX線量の少ない領域を平滑化領域(フィルタ適用範囲12)として決定しているが、第2境界投影データは閾値Th2に基づき、フィルタ適用範囲12の外側のX線量の少ない領域(フィルタ適用範囲13)を平滑化領域として設定する。
例えば、被写体透過後のX線量が極端に少ないため、優先的にアーチファクトを低減したい領域(フィルタ適用範囲12)に対して、第1境界投影データを閾値ThLとして用いて平滑化する。また、フィルタ適用範囲12と比較してアーチファクトが小さく、かつ被写体の情報を優先的に保持したい領域に対して、第2境界投影データを閾値ThLとして用いて平滑化する。これにより、X線検出データまたはおよび投影データの領域に応じて異なる閾値を用いて平滑化の度合いを変更できるため、空間分解能の劣化を抑制し、アーチファクトを低減できる。
本実施形態において処理の流れを図12のフローに示し、その時のデータの様子を図13に示す。図12において、ステップ162〜167は実施形態1で図5を用いて説明した処理範囲決定部151および処理関数決定部152の処理と同様に行う。これにより、図13のデータ172、173および第1境界投影データT1l175を得る。また、図12のフローでは第2境界投影データT2lを生成するため、ステップ231〜234を行う。さらに、図12のステップ235は、第1および第2境界投影データをチャネルごとに選択して境界投影データするステップ235が行われる。これにより、図13のデータ241、データ242、データ243およびデータ244が得られる。
ステップ231〜234を具体的に説明する。ステップ231では、図13のデータ241に示すように、データ171のX線検出データIに対して、公知のエアキャリブレーション処理を行った後、実施形態1の式(5)によりX線検出データIをLog変換する。これにより、吸収係数の投影データI(i、j、k)(図13のデータ241)を取得する(ステップ232)。
次に、ステップ233では、図13のデータ242に示すように、投影データIが閾値Th2以上を満たす範囲13に対して、投影データIを平滑化し第2境界データT2l(i、j、k)を生成する。例えば平滑化処理は、X線検出データにフィルタ関数を畳み込み積分する方法を用いる。これによりステップ234では、図13のデータ243に示すように、平滑化によりノイズ成分11を低減できるが、中央部14はLog変換により強調されたノイズを平滑化処理しているためノイズを除去しきれず、ノイズが残存する。
ステップ233では、閾値Th2を用いてフィルタの適用範囲13を限定することで、図12に示すステップ234以降の計算量およびメモリ量を削減できる。
なお、ステップ233で用いる閾値Th2は、閾値Th1と同様に実施形態1の図8に示すように、X線光子数の比率A=I/Iに対する吸収係数と透過経路長の積B=μ・lの関係191から式(2)を用いて決定する。ただし、閾値Th1で設定されるフィルタ適用範囲12よりもフィルタ適用範囲13が広くなるように、式(2)において適切なCの値を撮影部位等のX線照射条件およびアダプティブフィルタのモード等のフィルタ条件により決定する。本実施形態では、例えばC=−0.5とし、これによりステップ233の閾値Th2を2.0[cm−1]に設定する。これにより、投影データIが閾値Th2以上を満たすとき、被写体透過後のX線量の少ない領域(フィルタ適用範囲13)をアダプティブフィルタによる平滑化の領域として決定する。フィルタ適用範囲13の外側の領域は、X線量の多い領域であるため平滑化は行わない。
次のステップ235では、X線検出データを平滑化してからLog変換により取得した第1境界投影データT1lと、前記X線検出データをLog変換してから平滑化して取得した第2境界投影データT2lを統合し、アダプティブフィルタとして入力境界投影データTil(i、j、k)を決定する。ここで、統合とは各チャネル(i、j、k)ごとに第1境界投影データT1lと第2境界投影データT2lのどちらか一方を選択することである。
ここでは選択の基準として、式12,13に示すように、第1境界投影データT1l、第2境界投影データT2lに対して、微分等の計算を用いて隣接するチャネルとの変化量を計算し、変化量が小さい方の境界投影データをそのチャネル(i、j、k)の境界投影データとして選択する。
Figure 0005028528
これにより、第1および第2境界投影データの変化量に応じて、いずれかの境界投影データを選択し、これを閾値として用いて平滑化の度合い(重みδ)を変化させることができるため、適切な平滑化効果を実現することができる。式(12)、(13)により第1および第2境界投影データを選択した場合、図13のデータ244に示すように、境界投影データTilは、チャネルの中心部の範囲12では概ね第1境界投影データT1lが選択され、その外側の範囲13では概ね第2境界投影データT2l(図13のデータ244)が選択される。
得られた境界投影データTilを閾値ThLとして用いて実施形態1の式(6)〜(9)により投影データIに対して平滑化処理を行い、平滑化処理後の投影データI176を得る。
本実施形態では、各チャネル(i、j、k)に応じて、第1境界投影データT1lまたは第2境界投影データT2lを選択的に用いる構成である。第1境界投影データT1lはLog変換前の平滑化により生成されているため、第1境界投影データT1lだけを利用した場合、ノイズが過剰に低減し、被写体の情報も劣化させてしまう可能性があるが、第2境界投影データT2lと選択的に用いることによりその可能性を抑制できる。一方、第2境界投影データT2lはLog変換後の平滑化により生成されているため、ノイズ成分がLog変換により大きく強調され、第2境界投影データT2lの中心部14に残存し、中心部14の第2境界投影データT2lの値が大きくなり、ノイズを除去しきれない可能性がある。本実施形態では、第1境界投影データと第2境界投影データを選択的に用いることによりその可能性を抑制できる。従って、各チャネル(i、j、k)ごとに第1境界投影データまたは第2境界投影データを選択的に用いて平滑化の度合いを切り替えることにより、ノイズを効果的に除去しながら被写体情報を劣化させない平滑化を実現することができる。
なお、本実施形態では式(12)、(13)により第1境界投影データと第2境界投影データをチャネルごとに選択したが、これに限らず、第1境界投影データと第2境界投影データを適用する領域を、X線検出データまたは/および投影データから決定してもよい。例えば、図12のステップ162で決定した閾値Th1以下のフィルタ適用範囲12に対して第1境界投影データT1lを用い、ステップ233で決定した閾値Th2以上のフィルタ適用範囲13に対して第2境界投影データT2lを用いることができる。これにより、ノイズ成分等のX線検出データが急峻に変化する領域(範囲12)には第1境界投影データT1lを用いて強く平滑化を行うことができる。また被写体の情報を保持したい領域(範囲13)では、第2境界投影データT2lを用いて弱く平滑化を行うことができる。この結果、空間分解能の劣化を抑制し、ノイズを低減することができる。
本発明のアダプティブフィルタの有効性を検証するため、シミュレーションを行った。シミュレーションには、実際に撮影した画像に含まれる量子ノイズと、回路等のシステムノイズを考慮した。ファントムは人体腹部を想定しており、図14(a)、(b)の画像251、252に示すような楕円形状を有すると共に、生体組織に近い吸収率を有するアクリルで構成されている。ファントムの右周辺部には、空間分解能を評価するため、3本のラインで1セットのライン間隔が異なる高吸収ファントム253を設置した。それぞれ方法別に拡大した画像254、255を示し、ラインペアの間隔を0.95[lp/mm]、1.00[lp/mm]とする。管電圧、管電流量は、80kV、50mAsとした。ただし管電圧、管電流は本実施形態に限られることはない。
本シミュレーションの結果、図14(a)に示すように、従来法である一般的な畳み込み積分では横方向にストリークアーチファクトが発生したが、図14(b)のように本発明を適用した結果、ストリークアーチファクトは減少した。また、図14(a)の従来法では周辺部において、強い平滑化が行われるため、空間分解能が劣化し、ラインペアを識別できない。しかし、本発明では、図14(b)のように0.95[lp/mm]、1.00[lp/mm]のラインペアを3本とも識別可能であった。図14(a),(b)より、本発明法は従来のアダプティブフィルタと比較して、空間分解能の劣化を抑制し、アーチファクトを低減することができる。
また、本実施形態においては図12のステップ231〜232に示すようにX線検出データ全体をLog変換しているが、図15に示したように、前記第1境界データの領域(範囲12)が設定されたステップ161〜167で設定された後、それ以外の範囲に対して、Log変換してから投影データを平滑化して第2境界投影データを生成してもよい(ステップ233、ステップ234)。これにより、第2境界投影データを生成するための演算を行うチャネル領域を範囲12の外側に限定できるため、計算量およびメモリ量を低減することができる。
本実施形態では、一例としてX線検出データから第1境界データで平滑化する領域(範囲12)を決定したが、本実施形態に限らず、X線検出データをLog変換した投影データから領域を決定してもよい。例えば、投影データの吸収係数から閾値Eを決定し、E=1.0[cm−1]とする。
本実施形態では、一例としてX線光子数の比率A=I/Iに対する吸収係数と透過経路長の積B=μ・lの関係191から平滑化の領域(範囲12、範囲13)をそれぞれ決定したが、本実施形態に限らず、任意の吸収係数を閾値Fとして平滑化する領域を決定してもよい。例えばFは2.0とし、F以上の吸収係数はX線量の少ない領域として平滑化を行う。
(実施形態3)
実施形態3では、第1または第2の実施形態によりアダプティブフィルタにより補正した投影データから得た再構成画像に対して、ノイズを検出する。検出したノイズ値が大きい場合には、条件を変化させて再度アダプティブフィルタによる平滑化を行い、CT画像のアーチファクトを低減させる。本実施形態について詳細を説明する。
実施形態3では図16に示すように、図3の撮像条件設定用モニタ画面141のアダプティブフィルタモード選択部146にアーチファクト除去モード選択部146bが追加され、アーチファクト除去の効果を弱〜強の数段階の中から選択可能にしている。
画像生成部103は、図2と同様の構成であるが、図17のようにノイズ検出部261と、検出した結果を補正処理部135にフィードバックする回路が追加されている。
図17および図18を用いて、実施形態3のCT装置の具体的な処理を説明する。補正処理部135では、第1または第2の実施形態と同様にアダプティブフィルタを用いた平滑化処理を行う(ステップ251)。平滑化した投影データIを用いて再構成処理部136が画像再構成を行う(ステップ252)。次に、ノイズ検出部261は、再構成処理部136から再構成画像を取得し(ステップ253)、ライン検出法等の公知の画像処理技術を用い、ノイズ値を検出する(ステップ254)。公知の画像処理技術としては、画像の所定領域または全体を閾値処理して白い部分の中からライン状の部分(ノイズ)を選択し、ノイズ部分の信号値の最大値または標準偏差等をノイズ値Aとして検出する方法を一例として用いることができる。
ノイズ検出部261は、検出したノイズ値Aがあらかじめ定めた閾値G以上のとき、補正処理部135にフィードバックを行い、アダプティブフィルタの条件を変更する(ステップ255、256)。閾値Gの値は、アーチファクト除去モード選択部146bのアーチファクト除去効果(弱〜強)の各段階について予め定められており、選択部146bで操作者が選択した弱〜強の段階に対応する閾値が用いられる。例えば、ノイズの最大値をノイズ値Aとする場合、閾値G=10に設定することが可能である。
ステップ256のアダプティブフィルタの条件変更は、例えばフィルタ関数の半値幅dを大きくする方法や、第1境界投影データおよび/または第2境界投影データ値の全体を低くする方法を用いることができる。半値幅dや境界投影データの値の変更量は、予め定めておいた変更量を自動的に設定することが可能である。また、操作者に図16の表示146cのような警告表示を行って、半値幅dや境界投影データの値の変化量を受け付ける構成にすることも可能である。これにより、フィードバック後のステップ251ではアダプティブフィルタによる平滑化の効果を強め、メモリ120やHDD装置122等に保存した投影データに対して再度平滑化処理を行う。この動作(ステップ251〜256)を検出されるノイズが閾値G未満に達するまで繰り返す。
以上により、実施形態3では、CT画像のアーチファクトを所望値以下まで低減させることができる。
(実施形態4)
実施形態4では、図3の撮像条件設定用モニタ画面141等により設定された撮影部位やX線条件等のX線照射条件と、フィルタ処理の条件とを用いて、アダプティブフィルタ適用後におけるアーチファクトの残存量を予め推定するものである。
事前に臨床またはファントム実験による実測データやシミュレーションデータを求めておくことにより、被写体の直径や部位ごとに、複数のX線照射条件とフィルタ条件の組み合わせについて、アーチファクトの残存量を求め、データベース化しておく。求めたデータベースは、図4のアダプティブフィルタ部135a内のフィルタパラメータ保存部154に保存しておく。
これにより、補正処理部135は、撮像条件設定用モニタ画面141により操作者が設定したX線照射条件およびフィルタ条件に近い条件を、フィルタパラメータ保存部154のデータベースから検索し、その条件に対応しているアーチファクト残存量を読み出す。これにより、実際に撮影を行う前に、平滑化後のアーチファクト残存量を推定することができる。
平滑化後のアーチファクト残存量が予め定めておいた残存量よりも大きい場合、補正処置部は、図16の表示146cに示すように、入力した撮影条件においてはアダプティブフィルタ条件が適当ではないためアーチファクトが残存することを操作者に報知する。
上述してきたように、本発明はX線CT装置に関し、入力する撮影条件に応じて、適切なアダプティブフィルタを処理した結果、CT画像における空間分解能の劣化を抑制し、少ない計算量およびメモリ量でアーチファクトを低減することができる。これにより、少ない線量の撮影においてアーチファクトを低減できるため、低線量化が可能になる。
1…X線管、2…X線検出部、3…ガントリー、4…回転板、5…テーブル、6…被写体、7…円形の開口部、11…ノイズ成分、12…X線検出データのフィルタ適用範囲、13…投影データのフィルタ適用範囲、14…第2境界投影データの中央部、15…アダプティブフィルタの適用範囲、101…入力部、102…撮影部、103…画像生成部、111…キーボード、112…マウス、113…メモリ、114…中央処理装置、115…HDD装置、116…ガントリー制御器、117…X線制御部、118…テーブル制御器、119…DAS、120…メモリ、121…中央処理装置、122…HDD装置、123…モニタ、131…撮影条件入力部、132…撮影制御部、133…撮影実行部、134…信号収集部、135…補正処理部、135a…アダプティブフィルタ部、136…再構成処理部、137…画像表示部、141…モニタ画面、142…撮影部位選択リスト、143…X線条件、144…アダプティブフィルタの適用有無、145…フィルタの適用方向、146…アダプティブフィルタのモード、151…処理範囲決定部、152…処理関数決定部、153…処理関数実行部、154…フィルタパラメータ保存部、181…投影データ、201…投影角度j’およびスライスk’の投影データ、202…フィルタ関数、203…平滑化処理後の投影データ、251…従来法による再構成画像、252…本発明による再構成画像、253…高吸収ファントム、254…従来法による高吸収ファントムの拡大図、255…本発明による高吸収ファントムの拡大図、261…ノイズ検出部

Claims (16)

  1. X線を発生するX線発生部と、被写体透過後の前記X線を検出しX線検出データを生成するX線検出部と、前記X線検出データをLog変換して投影データを生成する投影データ計算部と、前記X線検出データおよび前記投影データのうち少なくとも一方を平滑化するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で取得したデータからX線吸収係数の分布であるCT画像を計算する画像計算部とを有し、
    前記フィルタ処理部は、前記X線検出データおよび前記投影データの少なくとも一部を用いて境界データを生成し、該境界データを閾値として前記X線検出データおよび前記投影データのうち少なくとも一方を平滑化処理するものであり、前記X線検出データまたは前記投影データと前記境界データとを比較し、その大小関係により前記平滑化の度合いを切り替えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記投影データと前記境界データとを比較し、前記投影データが前記境界データよりも小さい領域は前記平滑化処理を行わず、前記投影データが前記境界データ以上の領域は、前記投影データと前記境界データとの差に応じた平滑化処理を行うことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記X線検出データと前記境界データとを比較し、前記X線検出データが前記境界データよりも大きい領域は前記平滑化処理を行わず、前記X線検出データが前記境界データ以下の領域は、前記X線検出データと前記境界データとの差に応じた平滑化処理を行うことを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記X線検出データまたは前記投影データを平滑化処理することにより前記境界データを生成することを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記X線検出データのうち所定の閾値以下の領域をフィルタ適用範囲とし、該フィルタ適用範囲の前記X線検出データを平滑化処理することにより前記境界データを生成することを特徴とするX線CT装置。
  6. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記投影データのうち所定の閾値以上の領域をフィルタ適用範囲とし、該フィルタ適用範囲の前記投影データを平滑化処理することにより前記境界データを生成することを特徴とするX線CT装置。
  7. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記X線検出データのうち所定の第1閾値以下の領域の前記X線検出データを平滑化処理した後、Log変換することにより第1境界データを生成し、前記投影データのうち所定の第2閾値以上の領域の前記投影データを平滑化処理することにより第2境界データを生成し、前記第1境界データおよび第2境界データのうち一方を選択的に用いて前記投影データを平滑化処理することを特徴とするX線CT装置。
  8. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記第1境界データの変化率と第2境界データの変化率とを求め、変化率の小さい方を選択することを特徴とするX線CT装置。
  9. 請求項に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記変化率をチャネル方向について求め、チャネルごとに前記第1境界データまたは第2境界データを選択することを特徴とするX線CT装置。
  10. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記X線検出データのうち所定の第1閾値以下の第1領域については、前記X線検出データを平滑化処理した後、Log変換することにより生成した第1境界データを用い、前記第1領域の外側領域であって前記投影データのうち所定の第2閾値以上の第2領域については、前記投影データを平滑化処理することにより生成した第2境界データを用いて前記投影データを平滑化処理することを特徴とするX線CT装置。
  11. 請求項10に記載のX線CT装置において、前記第1領域は、前記第2領域よりも被写体透過後の前記X線量が少ない領域であることを特徴とするX線CT装置。
  12. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記CT画像のノイズ値を検出するノイズ検出部をさらに有し、前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部が検出したノイズ値が所定値よりも大きい場合には、前記平滑化処理の条件を変更することを特徴とするX線CT装置。
  13. 請求項12に記載のX線CT装置において、前記フィルタ処理部は、前記ノイズ検出部が検出したノイズ値が所定値よりも大きい場合には、前記境界データの値を変更することにより前記平滑化処理の条件を変更することを特徴とするX線CT装置。
  14. 請求項1に記載のX線CT装置において、前記X線発生部のX線照射条件と前記フィルタ処理部の処理条件と前記被写体部位とを受け付ける入力部と、X線照射条件とフィルタ処理部処理条件と被写体部位ごとに予め求めておいたアーチファクトの残存量を格納する格納部と、前記入力部が受け付けたX線照射条件とフィルタ処理部処理条件と被写体部位情報に対応するアーチファクト残存量を前記格納部から読み出すアーチファクト推定部とをさらに有し、
    前記アーチファクト推定部は、前記アーチファクト残存量が所定値よりも大きい場合には、操作者に報知することを特徴とするX線CT装置。
  15. 請求項14に記載のX線CT装置において、前記アーチファクト残存量が所定値よりも大きい場合、前記フィルタ処理部は前記平滑化処理の条件を変更することを特徴とするX線CT装置。
  16. X線を発生し、被写体透過後の前記X線を検出したX線検出データを生成し、前記X線検出データをLog変換して投影データを生成し、前記X線検出データおよび前記投影データのうち少なくとも一方を平滑化処理し、前記平滑化処理で取得したデータからX線吸収係数の分布であるCT画像を計算するX線CT画像の撮影方法であって、
    前記平滑化処理は、前記X線検出データおよび前記投影データの少なくとも一部を用いて境界データを生成し、該境界データを閾値として、前記X線検出データおよび前記投影データのうち少なくとも一方を平滑化するものであり、その際、前記X線検出データまたは前記投影データと前記境界データとを比較し、その大小関係により前記平滑化の度合いを切り替えることを特徴とするX線CT画像の撮影方法。
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