JP2013046774A - X線断層撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デュアルエネルギー像を、操作者が診断しやすく表示するX線断層撮影装置を提供する。
【解決手段】第1エネルギー断層像と、第2エネルギー断層像に重み付け係数を乗算した後、両者を減算することにより得られたデュアルエネルギー像DIを表示する画像表示部であって、特定物質毎の関心領域ROIを、表示画面上で特定する関心領域特定部23と、前記デュアルエネルギー画像DIを表示させながら、前記関心領域ROIにおける画素値がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内となるように調整し、前記関心領域ROIにおける画素値がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内となったときの重み係数を、前記関心領域に係る特定物質を消去するための重み付け係数として決定する重み付け係数決定部25と、決定された重み付け係数を用いて、加重減算処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部22を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、X線断層撮影技術に係り、特にデュアルエネルギー撮影に係るX線断層撮影装置に関する。
デュアルエネルギー撮影は、異なる2つのエネルギースペクトルを有するX線によって取得された被写体のX線投影データに基づいて、被検体の特定物質を強調した画像を取得できる。つまり、高エネルギーX線で得られた画像と低エネルギーX線で得られた画像との加算減算処理を行うことにより骨や石灰化病変をわかりやすく表示したデュアルエネルギー像、あるいは軟部組織をわかりやすく表示したデュアルエネルギー像などを得ることができる。
デュアルエネルギー撮影を行うために、X線撮像装置が照射するX線の管電圧をスキャンごとに高電圧と低電圧とに交互に切り替えたり、X線エネルギーを変化させるためにX線フィルタを入れ替えたりすることにより高エネルギーX線で得られた投影データと低エネルギーX線で得られた投影データとを得ている。たとえば特許文献1は、高エネルギーX線で得られた画像と低エネルギーX線で得られた画像とに基づいて、骨の画像または軟部組織の画像を表示させる発明を開示している。この際に、骨の画像または軟部組織の画像を得るために、骨などの原子(カルシウム)などに応じて所定の重み付け係数を使用している。
特開2003−244542
しかしながら、骨の画像または軟部組織の画像を得るための加重減算処理に使用される重み付け係数は、被検体の大きさの違い、被検体の個体差によるX線吸収係数の違いから、必ずしも一定ではない。一定の重み付け係数を使用して、被検体の大きさの違いなどの影響を考慮しないままデュアルエネルギー像で診断してしまっては、病気またはケガなどの過大評価または過小評価につながる。
そこで、本発明の目的は、被検体ごとおよび被検体の領域ごとに適切な重み付け係数を設定できるようにするX線断層撮影装置を提供することにある。また、適切な重み付け係数を用いて、定量的にかつ視覚的にわかりやすい画像を表示できるX線断層撮影装置を提供することにある。
第一観点のX線断層撮影装置は、第1エネルギーのX線による第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と、第1エネルギーとは異なる第2エネルギーのX線による第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像とについて、被検体に含まれる特定の材料に基づく重み付け係数を、いずれか一方または両方に乗算した後、両者を減算する加重減算処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を得るためのX線断層撮影装置である。そして、上記目的を達成するために、第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との画像比較情報を算出する画像比較情報算出部と、関心領域を特定する関心領域特定部と、関心領域における画像比較情報が、実質的に消去可能となるような重み付け係数を決定する重み付け係数決定部と、重み付け係数決定部において決定された重み付け係数を用いて、画像比較情報算出部において用いられた第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像とについて、荷重減算処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部と、を備える。
骨の画像または軟部組織の画像を得るために使用される重み付け係数は、被検体の大きさの違いによって異なる。図10は、横軸に管電圧140kVをとり、縦軸に管電圧80kVをとった場合に、脂肪、カルシウムおよびヨードの断層像の画素値の比がどのような関係であるかを調べたものである。断面積700cm2のファントムと断面積300cm2のファントムとでは、断面積の違いにより各物質の画素値の比が異なっていることがわかる。ファントムでは凡そ画素値の比がどれぐらいになるか予想できる。しかし、被検体では、断面積だけでなく、断面の形状、その他個体差によるX線吸収係数の違いによって画素値の比が異なってくる。そのため、正確に画素値の比を求めることができないと、病気またはケガなどの過大評価または過小評価につながる。
この第一観点のX線断層撮影装置の重み付け係数決定部は、関心領域特定部で特定された関心領域の画像比較情報が、実質的に消去可能となるような重み付け係数を決定する。そしてデュアルエネルギー像画像再構成部がその重み付け係数でデュアルエネルギー像を画像再構成するため、定量的にかつ視覚的にわかりやすい画像を表示できる。
第二観点のX線断層撮影装置の画像比較情報算出部は、第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と、第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との減算処理により比較画像を画像再構成し、該比較画像の画像特徴量を画像比較情報として算出する。
この構成により、比較画像の画像特徴量を画像比較情報として得ることができるため、比較画像の画像特徴量、重み付け係数を容易に決定することができる。
第三観点のX線断層撮影装置は、第二の観点において、比較画像を表示する画像表示部をさらに備え、関心領域特定部が、画像表示部において表示された比較画像に基づいて関心領域を特定可能である。
この構成により、操作者が診察したい比較画像を画像表示部に表示することで、操作者が比較画像に基づいて関心領域を特定することが可能となり便利である。
第四観点では、第二、第三観点において、X線断層撮影装置が、重み付け係数の変化に連動して変化する画像特徴量を表示する画像特徴量表示部をさらに備え、重み付け係数決定部が、表示された画像特徴量の変化を目視しながら、重み付け係数を手動で変更可能なを備える。
この構成により、比較画像だけでなく、操作者は画像特徴量表示部に表示された画像特徴量の変化を目視しながら、重み付け係数調整部で重み付け係数を手動で調整できる。具体的には、スライダーバーなどで重み付け係数を調整できる。
第五観点のX線断層撮影装置は、第四観点において、画像特徴量が比較画像における関心領域内の画素における画素値の平均値または中央値であり、重み付け係数決定部は、画像特徴量が、ゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内となった場合の重み付け係数を、該関心領域の重み付け係数として決定する。
この構成により、関心領域の画像特徴量として、関心領域内の比較画像の平均値または中央値を使用することで、重み付け係数を適正な値にすることができる。ここで、中央値とは、関心領域内の比較画像の値の低いほうから高いほうへ(またはその逆)順番に並べた際の中央値である。また、画像特徴量が、ゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内であれば、実質的に消去可能となるような画像となる。
第六観点のX線断層撮影装置の画像比較情報算出部は、1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との画素値の比を画像比較情報として算出し、関心領域特定部が、画素値の比が同等の領域を関心領域として抽出する。
この構成により、第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との画素値の比の分布から、自動的に、重み付け係数を変更することができる。実際に、被検体をX線で撮像して得た断層像から、重み付け係数を自動的に決定する。つまり、被検体の断面積、断面の形状、その他個体差によるX線吸収係数の違いを考慮して、重み付け係数を決定することができる。正確な重み付け係数で計算したデュアルエネルギー像で診断できるため、病気またはケガなどを正確に評価することができる。
第七観点のX線断層撮影装置の重み付け係数決定部は、第六観点において、関心領域における第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と、第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との画素値の比の分布のピーク値に基づき、重み付け係数として決定する。
この構成により、実際に撮影した画素値の比の分布のピーク値に基づき重み付け係数を決定することで、そのピーク値の等価画像のデュアルエネルギー像を得ることができる。たとえば、ピーク値は、ヒストグラム分布の微分値などから求めることができる。
第八観点のX線断層撮影装置では、関心領域を着色し、第1エネルギー断層像または第2エネルギー断層像に重ねて表示させる着色表示部をさらに備えた。
この構成により、関心領域が着色されるため、デュアルエネルギー像を診て診断する際に、操作者は関心領域を認識しながら診断することができる。
第九観点のX線断層撮影装置では、第八観点において、着色表示部は、同じ被検体の異なる複数の関心領域について、それぞれ色を変えて表示可能である。
この構成により、二つ以上の関心領域を異なる色で特定することができ、その二つ以上の関心領域を診て同時に診断することができる。たとえば青色は水、黄色はカルシウムなどとして表示する。
第十観点のX線断層撮影装置は、第1エネルギー投影データもしくは第1エネルギー断層像と、第2エネルギー投影データもしくは第2エネルギー断層像との画素値の比に応じて、色調を変化させて着色する着色表示部をさらに備えた。
この構成により、画素値の比により関心領域が着色されることになり、操作者は、デュアルエネルギー像を診て診断する際に、操作者は関心領域を認識しながら診断することができる。
本発明によれば、操作者は、デュアルエネルギー像を診て診断する際に、デュアルエネルギー像を得るために必要な重み付け係数を、正確に把握することができる。このため、デュアルエネルギー像の撮影で診断したい特定物質(原子)、たとえば、被検体内の造影剤、脂肪、またはカルシウムを、正確に認識して診断することができる。
本実施形態に係るX線CT装置10の構成を示したブロック図である。 X線断層撮影装置10の動作フローチャートである。 高エネルギースペクトルの断層像HTまたは低エネルギースペクトルの断層像LTを加重減算処理し、デュアルエネルギー像DIを求める概念図である。 (a)は、被検体HBを三次元画像で表した図であり、(b)は、(a)のxz面である。 (a)は、手動で重み付け係数を設定するための画像処理装置20のブロック図であり、(b)はディスプレイ60にデュアルエネルギー像DIに表示した状態で、操作者が手動で適切な重み付け係数を設定するための表示例である。 操作者が手動で適切な重み付け係数を設定するためのフローチャートである。 (a)は、自動で重み付け係数を設定するための画像処理装置20のブロック図であり、(b)は自動で適切な重み付け係数を設定するためのフローチャートである。 低いエネルギースペクトルのX線断層像LTを高いエネルギースペクトルのX線断層像HTで割った比を横軸に、画素数を縦軸にとったヒストグラムである。 デュアルエネルギー像DIの着色について説明する図である。 低エネルギーと高エネルギーとのX線による、脂肪、カルシウムおよびヨードの断層像の画素値の比の関係を示した図である。
<X線断層撮影装置の構成>
図1は、本実施形態に係るX線断層撮影装置(X線CT装置)10の構成を示したブロック図である。X線断層撮影装置10は、ガントリ100と、このガントリ100の撮影領域内に被検体HBを挿入する寝台109とを装備している。寝台109は、被検体HBの体軸方向であるZ方向に移動する。ガントリ100は、回転リング102を有し、この回転リング102にコーンビーム形状のX線を照射するX線管101とX線管101に対向して配置された多列X線検出器103とを有している。X線管101は、高エネルギースペクトルを有するX線と低エネルギースペクトルを有するX線とを照射するように構成されている。多列X線検出器103は、被検体HBを透過したX線を検出する。
多列X線検出器103は、シンチレータおよびフォトダイオードで構成される。この多列X線検出器103は、同時に複数スライス(複数列)分の投影データを検出できるように、回転リング102の回転軸と略平行なZ方向に沿って複数列に配列されている。また、多列X線検出器103は、X線管101の焦点を中心として円弧状に形成された多チャンネルの形状である。なお、回転軸に平行なZ方向を“スライス方向”と称し、またX線検出素子列の円弧の方向を“チャンネル方向”と称する。多列X線検出器103には、一般的にDAS(data acquisition system) と呼ばれているデータ収集回路104が接続されている。このデータ収集回路104には、多列X線検出器103の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このプリアンプの出力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに設けられている。データ収集回路104からのディジタル信号は、データ転送装置105を介して画像処理装置20に送られる。
操作コンソール側は、X線管に電圧を供給する高電圧・低電圧発生器51が備えられている。高電圧・低電圧発生器51は、周期的に高電圧および低電圧を発生させ、X線管101にスリップリング113を介して高電圧および低電圧を供給する。
操作コンソール側のスキャンコントローラ53は、アキシャルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンなどの複数のスキャンパターンを実行する。アキシャルスキャンとは、寝台109をZ軸方向に所定ピッチ移動するごとにX線管101及びX線検出部103を回転機構111で回転させて投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管101及びX線検出部103とが回転している状態で寝台109を所定速度で移動させ、投影データを取得するスキャン方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管101及びX線検出部103を回転機構111で回転させながら寝台109の速度を可変させて投影データを取得するスキャン方法である。スキャンコントローラ53は、高電圧・低電圧発生器51に同期して回転機構111を駆動させ、データ収集回路104で周期的に投影データを収集させる等のスキャンに関わるコントロールを統括している。
画像処理装置20は、画像再構成部21と、デュアルエネルギー像再構成部22とを有している。
画像再構成部21は、低エネルギーの投影データLDまたは高エネルギーの投影データHDを受けて、その低エネルギーの投影データLDまたは高エネルギーの投影データHDに基づいて画像を再構成する。低エネルギーの投影データLDまたは高エネルギーの投影データHDは、周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)がなされて、それに再構成関数をかけて、逆フーリエ変換する。そして、再構成関数重畳処理した投影データに対して、三次元逆投影処理を行い、被検体HBの体軸方向(Z方向)ごとに断層像(xy平面)を求める。この断層像は、記憶装置59に記憶されるとともに、ディスプレイ60に表示される。本実施形態では、X線管101が、低エネルギースペクトルを有するX線と高エネルギースペクトルを有するX線とを被検体HBに照射するので、画像再構成部21は、高エネルギースペクトルのX線による高エネルギーの断層像HTと、低エネルギースペクトルのX線による低エネルギーの断層像LTとを、画像再構成する。
デュアルエネルギー像再構成部22は、高エネルギースペクトルの投影データHDと低エネルギースペクトルの投影データLDとのいずれか一方または両方の画像から重み付け係数を乗算し、両投影データを差し引き、その加重減算の投影データを画像再構成することによりデュアルエネルギー像DIを得る。また、デュアルエネルギー像再構成部22は、高エネルギースペクトルの断層像HTと低エネルギースペクトルの断層像LTとのいずれか一方または両方の画像から重み付け係数を掛け、両画像を差し引くことによりデュアルエネルギー像DIを画像再構成することも可能である。デュアルエネルギー像DIについては図3で後述する。
入力装置55は、操作者の入力を受け付けるキーボードまたはマウスで構成される。
記憶装置59は、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する。また、デュアルエネルギー像DIも記憶する。
ディスプレイ60は、被検体の撮影条件を設定したり、X線断層像を表示したりする。また、本実施形態では、被検体の特定物質を色彩で強調したデュアルエネルギー像DIを表示する。
<X線断層撮影装置の動作>
図2は、X線断層撮影装置10の動作フローチャートである。本実施形態に係るX線断層撮影装置10の動作手順を説明する。
ステップS11では、被検体を寝台109に乗せ位置合わせを行う。寝台109の上に乗せられた被検体は各部位の基準点にガントリ100のスライス中心位置を合わせる。そして、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像は被検体の体の大きさによって成人または子供の2種類のスカウト像が撮影できるようになっており、さらに通常0度,90度で撮影することができる。部位によってはたとえば頭部のように、90度スカウト像のみの場合もある。スカウト像撮影では、X線管101と多列X線検出器103とを固定させ、寝台109を直線移動させながらデータ収集動作を行う。
ステップS12では、操作者は、ディスプレイ60に映ったスカウト像に、入力装置55のキーボードなどを使って、断層像撮影を行う断層像の位置・範囲を設定する。このときに、アキシャルスキャン、ヘリカルスキャン、シネスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンなどの設定も行う。なお、可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管101および多列X線検出器103を回転させながら寝台109動かしながらX線投影データを収集する撮影方法で、その際に速度を可変させる方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、X線管101および多列X線検出器103を回転させながら寝台109を加速・減速させて、z軸の正方向またはz軸の負方向に往復移動させてX線投影データを収集するスキャン方法である。
ステップS13では、断層像撮影条件の設定またはデュアルエネルギー像DIの撮影条件の設定を行う。X線管101が高エネルギースペクトルを有するX線と低エネルギースペクトルを有するX線とを被検体HBに照射するため、たとえば高電圧と低電圧とをそれぞれ140kV、80kVに設定する。また、できるだけ位置ずれが生じないように、回転機構111の回転に応じて高電圧のX線と低電圧のX線が交互に照射する設定を行う。たとえばX線管101は、X線管101の一回転毎に高電圧と低電圧とが交互に繰り返される設定、または短期間のパルス毎に高電圧と低電圧とが交互に繰り返される設定などを行う。
さらに、ステップS13では、デュアルエネルギー像DIの撮影で診断したい特定物質(原子)を設定する。たとえば、被検体内の造影剤、脂肪、またはカルシウムなどを設定する。また、画像再構成を行う際のフィルタ関数、Kernel関数などを設定する。これら設定された条件は、記憶装置59に記録される。なお、本実施形態では、電圧により高エネルギースペクトルと低エネルギースペクトルとを発生させているが、X線コーンビーム中にフィルタを挿入することによりエネルギースペクトルを変化させてもよい。
ステップS14ないしステップS20では、断層像撮影を行う。
ステップS14において、低いエネルギースペクトルのX線投影データLD、および高いエネルギースペクトルのX線投影データHDの収集を行う。ここでコンベンショナルスキャンによってデータ収集を行う場合には、寝台109を固定させた状態で、X線管101と多列X線検出器103とを被検体の回りに回転させ、X線検出器データのデータ収集動作を行う。そして、ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz方向座標位置Ztable(view)を付加させる。
ステップS15では、低エネルギー投影データLD0(view,j,i)および高エネルギー投影データHD0(view,j,i)に対して前処理を行う。具体的には、オフセット補正を行い、対数変換を行い、X線線量補正を行い、そして感度補正を行う。
ステップS16では、前処理された低エネルギー投影データLD(view,j,i)および高エネルギー投影データHD(view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。
ステップS17では、画像再構成部21がzフィルタ重畳処理を行う。ここでは、ビームハードニング補正された投影データに対して、z方向(列方向)のフィルタをかけるzフィルタ重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度、各X線データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器の投影データDに対し、列方向に列方向フィルタをかける。
ステップS18では、画像再構成部21が再構成関数重畳処理を行う。すなわち、X線投影データDを周波数領域に変換するフーリエ変換(Fourier Transform)を行い、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理では、再構成関数Kernel(j)重畳する
ステップS19では、画像再構成部21が三次元逆投影処理を行う。ここでは、再構成関数重畳処理した投影データDに対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データを求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面であるxy平面に対して三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップS20では、画像再構成部21が後処理を行う。逆投影データに対して画像フィルタ重畳、CT値変換などの後処理を行い、高エネルギースペクトルの断層像HTと低エネルギースペクトルの断層像LTとを得ることができる。
ステップS21では、再構成された高エネルギースペクトルの断層像HTと低エネルギースペクトルの断層像LTとをディスプレイ60に表示する。
そして、ステップS22では、これらの断層像HTと断層像LTとを記憶装置59に記憶する。
ステップS23では、デュアルエネルギー像再構成部22が、ディスプレイ60にデュアルエネルギー像DIを表示する。
そして、ステップS24では、後述する着色表示部28が、同じ原子物質、脂肪、水、カルシウムまたはヨード造影剤などの特定物質ごとに色を断層像HTと断層像LTに重ねて着色する。
<デュアルエネルギー像DIの画像再構成>
図3は、高エネルギースペクトルの断層像HTまたは低エネルギースペクトルの断層像LTを加重減算処理し、デュアルエネルギー像DIを求める概念図である。
デュアルエネルギー撮影は、あるz方向座標位置を、低いX線管電圧たとえば80kVの断層像LTと、高いX線管電圧たとえば140kVの断層像HTとを加重減算処理することにより所望の物質の定量的な分布画像の断層像DIを求める。
図3の上段は、図2のステップS14で説明したように、まず、低いエネルギースペクトルのX線投影データLD、および高いエネルギースペクトルのX線投影データHDを求める。
次に、画像再構成部21は、この低エネルギー投影データLDおよび高エネルギー投影データHDから、図2で説明したステップS15からステップS20の処理を行い、低エネルギースペクトルの断層像LTおよび高エネルギースペクトルの断層像HTを画像再構成する。
図3の下段では、ディアルエネルギー像再構成部22が、低エネルギースペクトルの断層像LTには重み付け係数1を乗算し、高エネルギースペクトルの断層像HTには重み付け係数αを乗算し、定数C1とともに加重減算処理を行う。こうして、ディアルエネルギー像DIを得ることができる。この重み付け係数αおよび定数C1は、抽出したい原子、強調したい原子、表示上で消したい原子または部位により定まる。αを逆数にすれば、低エネルギースペクトルの断層像LTに重み付け係数αとし、高エネルギースペクトルの断層像HTの重み付け係数を1とすることも可能である。なお、図3では脂肪情報の抽出を示している。
なお、低エネルギースペクトルの断層像LTと高エネルギースペクトルの断層像HTとからディアルエネルギー像DIを得るのではなく、低いX線管電圧で収集されたX線投影データLDと高いX線管電圧で収集されたX線投影データHDとを加重減算処理し、加重減算処理されたX線投影データを画像再構成してデュアルエネルギー像DIを求めることもできる。
図4(a)は、被検体HBを三次元画像で表した図であり、(b)は、(a)のxz面である。
複数の断層面T(低エネルギースペクトルの断層像LTと高エネルギースペクトルの断層像HTとを含む)のデュアルエネルギー像DIを記憶装置59に記憶しておき、その断層像Tを組み合わせることによって、図4(a)のようなボリュームレンダリング三次元画像31を表示することができる。デュアルエネルギー像DIについても同様に、三次元画像を表示することができる
図4(b)で示すコロナル画像33は、(a)のコロナル面(xz面)33で切った画像であり、このように任意のコロナル面のデュアルエネルギー像DIを得ることが可能となる。また、図示しないが、サジタル面(yz面)34のデュアルエネルギー像DIを得ることも可能であり、斜め方向を含む任意方向の断面でもデュアルエネルギー像DIを得ることも可能である。操作者は、診断に適したデュアルエネルギー像DIを適宜使い分けることができる。
<重み付け設定法>
<<手動による重み付け係数の設定方法>>
図5(a)は、図5で説明した手動による重み付け設定方法を実施するための画像処理装置20のブロック図であり、(b)は、ディスプレイ60に比較画像、つまりデュアルエネルギー像DIに表示した状態で、操作者が手動で適切な重み付け係数を設定するための表示例である。被検体HBの大きさの違い、被検体HBの個体差によるX線吸収係数の違いなどを手動で最適にするための方法である。
手動により重み付け係数を設定する際には、図5(a)に示すように、画像処理装置20は、画像再構成部21と、デュアルエネルギー像再構成部22と、第一関心領域特定部23−1と、第一画像比較情報算出部24−1と、重み付け係数調整部25−1と、画像特徴量表示部27と、着色表示部28とから構成される。画像再構成部21およびデュアルエネルギー像再構成部22はすでに上述したので、説明を割愛する。
第一関心領域特定部23−1は、ディスプレイ60に表示された、後述の第一画像比較情報算出部24−1において得られた比較画像の部位の一部を、操作者が確認したい関心領域ROIとして特定することができる。入力装置55の一つであるマウスで、操作者は関心領域ROIを任意に設定する。
第一画像比較情報算出部24−1は、まず、低エネルギーのX線投影データLDもしくは低エネルギーの断層像LTと、高エネルギーのX線投影データHDもしくは高エネルギーの断層像HTとの減算処理によって得られる比較画像を画像再構成する。この比較画像は、原子または材料によってあらかじめ決定された重み付け係数をいずれか一方または両方に乗算して両者を減算したものであってもよく、また、重み付け係数を掛けない差分画像であってもよい。なお、比較画像の画像再構成は、デュアルエネルギー像再構成部22において実施しても良い。次に、前記比較画像について、第一関心領域特定部23−1で特定した関心領域ROIについて、画像特徴量を算出する。なお、画像特徴量の算出は、比較画像全体について行った後、関心領域ROIの情報のみ抽出してもよく、関心領域ROIのみに対して算出してもよい。さらに、画像特徴量は、関心領域ROIで特定した画素の平均値または中央値を含む。なお、画素の中央値とは、設定された関心領域ROI内の画素値の中間の画素値である。
重み付け係数調整部25−1は、操作者がデュアルエネルギー像DIを得る際に使われる重み付け係数を調整できるための調整部である。操作者は高エネルギーの投影データHDもしくは高エネルギーの断層像HTと、低エネルギーの投影データLDもしくは低エネルギーの断層像LTとの少なくとも一方または両方に乗算される重み付け係数を決定する。
画像特徴量表示部27は、第一画像比較情報算出部24−1が算出した画像特徴量165を表示する。
着色表示部28は、同じ原子物質、つまり同じX線吸収率を有する物質を同じ色に、異なる原子物質は異なる色に着色するようにする。具体的には、脂肪、カルシウム、ヨード造影剤と特定された画素を、それぞれ赤色、青色、緑色などに着色し、ディスプレイ60に表示する。
第一関心領域特定部23−1は、図5(b)に示す関心領域設定のための画面をディスプレイ60に表示する。操作者は、入力装置55のマウスなどにより、ディスプレイ60に表示された比較画像の一部に関心領域ROI1を設定する。この関心領域ROI1の大きさは、任意に特定することができ、所定の大きさまたは円形状に限られない。図5では関心領域ROI1が心臓に特定されている。この関心領域ROI1が特定されると、第一画像比較情報算出部24−1は関心領域ROI1の画素の画像特徴量165を算出する。画像特徴量表示部27は、算出した結果を図5に示すように、デュアルエネルギー像DIの周囲にM7.1と表示する。画像特徴量165が比較画像の関心領域ROI1の平均値であればM3.0などが表示され、比較画像の関心領域ROI1の中央値であればC3.0と表示される。平均値または中央値のどちらを使用するかは、操作者が選択できる。
次に操作者は画像特徴量165の値がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内に入るよう、重み付け係数調整部25−1、具体的にはスライダーバーを左右に移動させる。スライダーバーの下には指標163が表示されている。指標163は、重み付け係数αを示している。つまり、操作者がスライダーバーを使って重み付け係数(以降、前述の重み付け係数αを用いて説明する。)を任意に調整できるようにしている。指標163は、重み付け係数0から3までが表示されているが、X線管101の管電圧140kVと管電圧80kVとを使用してデュアルエネルギー像DIを表示する際には、0.5から2.5まであれば十分である。図5に示したスライダーバー161は0.9を示している。高エネルギーのX線と低エネルギーのX線との組み合わせによって指標163が自動的に変更するようにしてもよい。また、図5では、スライダーバー161を示しているが、入力装置55の一つであるキーボードで直接重み付け係数αを入力するようにしてもよい。
操作者がスライダーバーを使って重み付け係数αを調整すると、その調整に伴う重み付け係数αによって、第一画像比較情報算出部24−1は関心領域ROI1の画素の画像特徴量165を再計算する。また、デュアルエネルギー像再構成部22は、調整された重み付け係数αで比較画像を画像再構成し、デュアルエネルギー像DIも同時に変化する。操作者は、画像特徴量165がゼロまたはゼロから所定範囲に入ったかを画像特徴量表示部27に表示される画像特徴量を確認し、または比較画像を確認しながら、スライダーバーを使って重み付け係数αを調整する。重み付け係数αの調整ができたら、操作者はセットボタン162を押して、手動による重み付け係数の設定を終了できるようにしている。セットボタン162を押した時点で、関心領域ROI1の枠(図5(b)中の点線)は消える。さらに、色ボタン164を押せば、低エネルギーの断層像LTまたは高エネルギースペクトルの断層像HTのいずれか一方の画像に重ねて、着色表示部28が関心領域ROI1と同じくゼロまたはゼロから所定範囲内の画素を着色する。たとえば、関心領域ROI1でヨード造影剤がゼロとなった際には、ヨード造影剤が入っている心臓、大動脈および血管などが赤色に着色される。
操作者は、ディスプレイ60に表示された比較画像の関心領域ROI1だけでなく、別の関心領域ROI2を設定することもできる。第一関心領域特定部23−1は、図5において背骨部分を関心領域ROI2の枠(図5(b)中の一点鎖線)として特定している。そして、操作者は、上述したように関心領域ROI2の画像特徴量165をゼロまたはゼロから所定範囲に入るようにスライダーバー161を調整する。操作者は、すべての設定が終わって別の画面に切り替える際には、リターンボタン167を押す。
図6は、図5で説明した操作者が手動で適切な重み付け係数を調整するためのフローチャートである。つまり、操作者が手動で適切な重み付け係数を調整するためのフローチャートである。
ステップS41において、図4で示したように、診断したい任意の断面の比較画像をディスプレイ60に表示させる。
ステップS42において、操作者が、表示された比較画像の関心領域ROIを第一関心領域特定部23−1により特定する。
ステップS43では、第一画像比較情報算出部24−1が関心領域ROI内の画素の画像特徴量165を算出する。すなわち、比較画像の画素値の平均値を求めることで画像特徴量165が求まり、その画像特徴量165が画像特徴量表示部27に表示される。
ステップS44では、操作者が、画像特徴量表示部27に表示された画像特徴量165を目視しながら、重み付け係数調整部25−1、たとえばスライダーバーを使って重み付け係数αを調整する。
ステップS45では、調整された重み付け係数αによって画像特徴量165が変化し、また関心領域ROIを含む全体の比較画像が変化する。操作者は、スライダーバー161を使って重み付け係数αを微調整して画像特徴量165をゼロまたはゼロから所定範囲内に入れる。
ステップS46において、画像特徴量165がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内に入ったら、操作者はセットボタン162を押して、関心領域ROIの重み付け係数αを固定する。
ステップS47では、操作者が引き続き、別の関心領域ROIを設定するか否かを判断する。別の関心領域ROIを設定するのであればステップS42に戻り、すべての関心領域ROIを設定し終えたら、ステップS48へ進む。
ステップS48では、調整された重み付け係数αで関心領域ROIを等価画像としたデュアルエネルギー像DIをデュアルエネルギー像再構成部22が画像再構成する。なお、ディスプレイ60に表示される画像は、操作者が診断しやすいように、着色表示部28は、低エネルギーの断層像LTまたは高エネルギースペクトルの断層像HTの一方の画像に、着色した等価画像を重ねて表示する。
<<自動による重み付け係数の設定方法>>
図7(a)は、自動で重み付け設定方法を実施するための画像処理装置20のブロック図であり、(b)は、自動で適切な重み付け係数を設定するためのフローチャートである。診断したい任意の断面のデュアルエネルギー像DIをディスプレイ60に表示させる。そして、自動重み付け設定を開始させる。
図8は、画素ごとに、低いエネルギースペクトルのX線断層像LTを高いエネルギースペクトルのX線断層像HTで割った画素値の比を横軸に、画素数を縦軸にとったヒストグラム分布である。
自動で重み付け係数を設定する際には、図7(a)に示すように、画像処理装置20は、画像再構成部21と、デュアルエネルギー像再構成部22と、第二関心領域特定部23−2と、第二画像比較情報算出部24−2と、重み付け係数決定部25−2と、着色表示部28とから構成される。画像再構成部21およびデュアルエネルギー像再構成部22はすでに上述したので、説明を割愛する。
第二画像比較情報算出部24−2は、低エネルギーの断層像LTの各画素(512*512)を高エネルギースペクトルの断層像HTの各画素で割った値、または高エネルギースペクトルの断層像HTの各画素を低エネルギーの断層像LTの各画素で割った値を算出する。画素値の比を算出することで、第二画像比較情報算出部24−2は、横軸に画素値の比、縦軸に画素数としたヒストグラム分布を測定する。
第二関心領域特定部23−2は、測定されたヒストグラム分布の画素値の比から、同等の画素比を有する領域を関心領域として抽出する。具体的には、第二関心領域特定部23−2は、ヒストグラム分布のピーク値周辺の同等の画素値の比の画素を関心領域としている。
重み付け係数決定部25−2は、ヒストグラム分布のピーク値の画素値の比に基づき重み付け係数として決定する。したがって、抽出した関心領域に対してデュアルエネルギー像を得る際に使用する重み付け係数が対応付けされる。
着色表示部28は、同じ関心領域に対して同じを同じ色に、異なる関心領域は異なる色に着色するようにする。具体的には、脂肪、カルシウム、ヨード造影剤と特定された画素を、それぞれ赤色、青色、緑色などに着色し、ディスプレイ60に表示する。
ステップS51において、その任意断面の低いエネルギースペクトルのX線断層像LTおよび高いエネルギースペクトルのX線断層像HTを記憶装置59から読み出す。
ステップS52では、第2画像比較情報算出部24−2が各画素の低いエネルギースペクトルのX線断層像LTと高いエネルギースペクトルのX線断層像HTとの比を求める。通常、管電圧80kVのX線断層像LTと管電圧140kVのX線断層像HTとを使用すれば、被検体の体内にある物質の比は、0.5から2.5までに分布している。
ステップS53では、第2画像比較情報算出部24−2が横軸に画素値の比、縦軸に画素数をとったヒストグラム分布を測定する。この一例を図8に示す。このような図8は、ディスプレイ60に表示させてもよいし、メモリー内に画素ごとの比を記憶させておくだけでも良い。
ステップS54では、第二関心領域特定部23−2が、しきい値SH1を越える画素数の分布があるか否かを判断することで、しきい値SH1を越える画素数の分布に基づいて関心領域を特定する。図8において、しきい値SH1が所定の位置に設定してある。図8において、ピークP1、ピークP2、ピークP3およびピークP5がしきい値SH1を越えている。このため、しきい値SH1を越える画素数の分布が4箇所あることになる。しきい値を越えた箇所のピークは、ヒストグラムの分布を微分するなどして、特定することが可能となる。一方、ピークP4はしきい値SH1を越えていない。ノイズ、アーチファクトまたは位置ずれなどの影響で生じたピークP4を排除することができる。第二関心領域特定部23−2が、このような処理を行って画素値の比が同等の領域を関心領域として抽出する。しきい値SH1を越えるピークPが一つ以上あればステップS55に進み、しきい値SH1を越えるピークPがない場合にはステップS57へ進む。
ステップS55では、第二関心領域特定部23−2が抽出したピークP1、ピークP2、ピークP3およびピークP5、すなわち画素値の比が同等の特定物資に対して、重み付け係数決定部25−2が、その特定物質の重み付け係数αを固定する。
ステップS56では、固定した重み付け係数αでピークP周辺の範囲を等価画像としたデュアルエネルギー像DIをデュアルエネルギー像再構成部22が画像再構成し、表示する。複数のピークPがある場合には、それぞれの等価画像を計算して、それらの等価画像を重ねて表示する。なお、ディスプレイ60に表示される画像は、操作者が診断しやすいように、着色表示部28は、低エネルギーの断層像LTまたは高エネルギースペクトルの断層像HTの一方の画像に、着色した等価画像を重ねて表示する。
ステップS57に進めば、第二関心領域特定部23−2がピーク値を抽出できなかったことになるので、しきい値SH1を下げる。そして、ステップS54に戻りしきい値SH1を越える画素数の分布があるか否かを判断する。
本実施形態では、しきい値SH1を下げてピークPを探すフローチャートを示したが、ピークPが複数あり、操作者が物質をより絞り込みたい場合には、しきい値SH2のようにしきい値を上げてもよい。
<デュアルエネルギー像DIの物質の着色例>
図9は、着色表示部28が等価画像に着色するについて説明する図である。
図9(a)は、横軸に低いエネルギースペクトルのX線断層像LTと高いエネルギースペクトルのX線断層像HTとの画素値の比、別言すれば重み付け係数αをとり、縦軸に色相(Hue:色の種類(赤、青、黄色など))をとったカラーマップ90である。縦軸は、0から1に正規化してあるが、0度から360度の角度で表現してもよい。
このカラーマップ90の横軸は、重み付け係数αであるため、操作者が認識しやすいように、脂肪(α=0.8)、水(α=1.0)、カルシウム(α=1.45)、およびヨード造影剤(α=1.9)と特定された画素を、それぞれ赤色、青色、黄色および緑色に着色している。たとえばカラーマップのグラフ91は、重み付け係数αが0.95から1.40の範囲を同じ色に割り当てている。着色表示部28は、色を変えたいときは、ディスプレイ60に表示されたカラーマップのグラフ91をマウスでドラッグして矢印93の方向に上下に移動して、点線のように移動させれば色相を変えることができる。また、重み付け係数αが1.00から1.40の範囲を同じ色に割り当てたい場合には、グラフ91をマスクでドラッグして矢印95の方向に左右に移動して、点線のように移動させれば同じ色の範囲を変えることができる。
また、水からカルシウムへの色の変化は、グラフ91の部分95で示すように色相がまったく異なるようになっている。しかし、カルシウムからヨード造影剤への色の変化は、グラフ91の部分97で示すように色相が徐々に変わるようになっている。図9で直線的に変化しか示していないが、非線形の色相変化を設定してもよい。
このように設定された色相が特定物質を着色され、低エネルギーの断層像LTまたは高エネルギースペクトルの断層像HTの一方の画像に着色された特定物質が表示される。図9(b)はその一例である。
本発明によれば、デュアルエネルギー像DIで特定物質の重み付け係数αを手動または自動で正確に設定することができる。そして、その特定物質を簡易に着色してディスプレイ60に表示することができる。このため操作者は正確なデュアルエネルギー像DIをみて診断することができる。なお、実施形態では、脂肪、水、カルシウム、ヨード造影剤などに注目して説明したが、他の物質に注目しても良いことは言うまでもない。
本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。本実施形態では、特に特定のスキャン形式に限定されない。つまり、アキシャルスキャン、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンの場合でも同様の効果を出すことができる。また、走査ガントリの傾斜について限定されない。すなわち、いわゆるチルト・スキャンの場合でも同様な効果を出すことができる。また、本実施形態を、生体信号、特に心拍信号に同期させて画像再構成する心拍画像再構成にも適用することができる。
10 … X線断層撮影装置
20 … 画像処理装置
21 … 画像再構成部
22 … デュアルエネルギー像再構成部
23 … 関心領域特定部,23−1 … 第一関心領域特定部,23−2 … 第二関心領域特定部
24 … 画像比較情報算出部,24−1 … 第一画像比較情報算出部,24−2 … 第二画像比較情報算出部
25−1 … 重み付け係数調整部,25−2 … 重み付け係数決定部
27 … 画像特徴量表示部
28 … 着色表示部
51 … 高電圧・低電圧発生器
59 … 記憶装置
60 … ディスプレイ
100 … ガントリ
101 … X線管
103 … 多列X線検出器
161 … スライダーバー
165 … 画像特徴量
DI … デュアルエネルギー像
HD … 高エネルギースペクトルの投影データ
LD … 低エネルギースペクトルの投影データ
HT … 高エネルギースペクトルの断層像
LT … 低エネルギースペクトルの断層像
HB … 被検体

Claims (2)

  1. 被検体の、第1エネルギーのX線による第1エネルギー投影データもしくは前記第1エネルギー断層像と、前記被検体の、前記第2エネルギーのX線による第2エネルギー投影データもしくは前記第2エネルギー断層像とについて、重み付け係数をいずれか一方または両方に乗算した後、両者を減算する加重減算処理を行うことにより得られたデュアルエネルギー像を表示する画像表示部であって、前記重み付け係数の変更に伴い当該デュアルエネルギー像も変更して表示する画像表示部と、
    前記画像表示部に表示されたデュアルエネルギー像上の特定物質毎の関心領域を、表示画面上で特定する関心領域特定部と、
    前記デュアルエネルギー画像を表示させながら、前記関心領域における画素値がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内となるように調整し、前記関心領域における画素値がゼロまたはゼロ近傍の所定範囲内となったときの重み係数を、前記関心領域に係る特定物質を消去するための重み付け係数として決定する重み付け係数決定部と、
    前記重み付け係数決定部において決定された重み付け係数を用いて、前記加重減算処理を行うことにより、デュアルエネルギー像を画像再構成するデュアルエネルギー像画像再構成部と
    を備えることを特徴とするX線断層撮影装置。
  2. 前記関心領域における画素値は、前記関心領域に含まれる画素の画素値の平均値又は中央値であることを特徴とする請求項1に記載のX線断層撮影装置。
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