JPWO2012032945A1 - トリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

トリ飽和脂肪酸グリセリド(SSS)を35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合することにより、構成脂肪酸全体中飽和脂肪酸(S)が45〜75重量%、不飽和脂肪酸(U)が25〜55重量%となる油脂混合物を作製する工程(1)、該油脂混合物をリパーゼによりエステル交換する工程(2)、及びエステル交換後の油脂中に含まれるSSS含量をX(重量%)とし、晶析時の固体脂含量をY(%)としたとき、X−Yの値が2〜13になるまで溶剤を用いずに晶析し、液状部と固体部とを含む油脂を得る工程(3)、さらに該油脂を分別して該液状部を分取する工程(4)に従って、トリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物を作製する。

Description

本発明は、トリ飽和脂肪酸グリセリド(SSS)を高含有する油脂を用いてなる油脂組成物の製造方法に関する。
パーム油などの食用固型油脂から各用途に適した物性を持つ油脂を得るための加工技術の一つとして、高融点成分と低融点成分を分離する分別技術が広く利用されている。しかし、分別工程を経て低融点油脂を製造する際に、副産物として産生するトリ飽和脂肪酸グリセリド(SSS)を高含有する油脂は、融点が非常に高いために、そのままでは有用な用途が少なかった。
SSSを食用油脂原料として利用した例として、SSSを高含有する油脂と液状油脂を、構成脂肪酸全体中飽和脂肪酸の含有量が55〜85重量%、不飽和脂肪酸の含有量が15〜45重量%となるように混合した油脂をランダムエステル交換し、さらに分別した軟質部であるハードストック(特許文献1)、SSSを高含有する極度硬化油と不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸アルキルエステルとの油脂混合物をリパーゼによりエステル交換反応させ、得られた反応生成物からトリグリセリド混合物を分離し、更に該トリグリセリド混合物から分別により低融点油とSSSを高含有する高融点油とを除去し、中融点油を含有する油脂組成物を得る方法(特許文献2)などが挙げられる。
しかし、特許文献1では、SSSの利用方法が示されているものの、原料や分別の工程についてコスト面で優位な方法が十分に示されていなかった。またエステル交換後、分別する際に発生するSSSを原料油脂として繰り返し使用する場合には、得られるハードストックの風味の劣化や着色といった問題が生じる。
特許文献2では分別により除去された高融点油を再度不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸アルキルエステルとエステル交換する方法も示されている。しかし、特許文献2で原料として用いられる不飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸アルキルエステルは高価であり、更に、エステル交換反応による生成物からトリグリセリド混合物を分離する工程、トリグリセリド混合物から低融点油と高融点油とを除去する工程などは、操作が煩雑であることから、高コストを要する。したがって、特許文献2に記載された方法は、実用的なものではなかった。
特開2010−77244号公報 特開平10−25491号公報
本発明の目的は、トリ飽和脂肪酸グリセリド(SSS)を高含有する油脂を原料として用いてなる、安価で着色が少なく、酸化安定性や風味が良好なトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分別工程を経て低融点油脂を製造する際に、SSSを高含有する油脂と、ヨウ素価が高い油脂との混合油をリパーゼによりエステル交換し、その後、特定量の固体脂含量になるまで晶析してから分別したところ、着色が少なく、酸化安定性や風味が良好な油脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに本発明者らは、前記SSSを高含有する油脂として、分別により液状部である低融点油脂を分取する際に、副産物として得られた固体部を用いることができることをも見出した。
即ち、本発明の第一は、油脂組成物全体中、SSSを2〜13重量%含有し、SSUとSUSとを合計で34〜54重量%含有し、(SSUとSUSとの合計含量)/SSS含量(重量比率)が4〜20且つSSU含量/SUS含量の重量比率が1以上であるトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法であって、SSSを35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合することにより、構成脂肪酸全体中飽和脂肪酸(S)が45〜75重量%、不飽和脂肪酸(U)が25〜55重量%となる油脂混合物を作製する工程(1)、該油脂混合物をリパーゼによりエステル交換する工程(2)、及びエステル交換後の油脂中に含まれるSSS含量をX(重量%)とし、晶析時の固体脂含量をY(%)としたとき、X−Yの値が2〜13になるまで溶剤を用いずに晶析し、液状部と固体部とを含む油脂を得る工程(3)、さらに該油脂を分別して該液状部を分取する工程(4)を有するトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法(SSS:トリ飽和脂肪酸グリセリド、SSU:1,2−ジ飽和脂肪酸−3−モノ不飽和脂肪酸グリセリド(光学異性体を含む)、SUS:1,3−ジ飽和脂肪酸−2−モノ不飽和脂肪酸グリセリド)に関する。
好ましい実施態様は、SSSを35重量%以上含む油脂の構成脂肪酸全体中、パルミチン酸(P)が50重量%以上である上記記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法に関する。
より好ましくは、ヨウ素価35以上の油脂がパーム油及び/又はパーム分別油を60重量%以上含む油脂であることを特徴とする上記記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法に関する。
別の好ましい実施態様は、工程(4)で分別された固体部を、SSSを35重量%以上含む油脂として用いることを特徴とする上記記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法に関する。
本発明に従えば、トリ飽和脂肪酸グリセリド(SSS)を高含有する油脂を用い、安価で着色が少なく、酸化安定性や風味が良好なトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法を提供することができる。
本発明は油脂組成物全体中、SSSを2〜13重量%含有し、SSUとSUSを合計で34〜54重量%含有し、(SSUとSUSの合計含量)/SSS含量(重量比率)が4〜20且つSSU含量/SUS含量の重量比率が1以上であるトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法であり、SSSを35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合した後、エステル交換し、特定の条件で分別することを特徴とする。
なお、本発明における油脂構造の表記は、以下の通りである。
SSS:トリ飽和脂肪酸グリセリド
SSU:1,2−ジ飽和脂肪酸−3−モノ不飽和脂肪酸グリセリド(光学異性体を含む)
SUS:1,3−ジ飽和脂肪酸−2−モノ不飽和脂肪酸グリセリド
<SSSを35重量%以上含む油脂を得る工程>
SSSを35重量%以上含む油脂を得る方法に、特に限定はないが、分別工程を経て低融点油脂を製造する際に、副産物として得られた油脂を用いれば良い。例えば、(SSUとSUSの合計含量)/SSS含量の重量比率が1〜4、SSU含量/SUS含量の重量比率が1以上であり、SSSを8〜35重量%、SSUとSUSを合計で25〜45重量%含む油脂混合物を原料とし、該原料を常法に従ってエステル交換した後、エステル交換後の油脂中のSSSの含有量(X、重量%)、晶析時の固体脂含量(Y、%)の差(X−Y)が2〜13になるまで溶剤を用いずに晶析し、液状部を分別した副産物として得られる。このようにして得られる油脂におけるSSS含量は、該油脂全体の35重量%以上であれば特に限定されないが、好ましくは35〜90重量%、更に好ましくは35〜80重量%である。
前記エステル交換に供される、油脂混合物に用いる食用油脂としては、パーム油やパーム油の分別油をエステル交換した油脂、大豆油、菜種油、ひまわり油、豚脂、牛脂などとそれらの極度硬化油とのエステル交換油などが挙げられるが、価格面などの利点からパーム油、パーム分別油及びそれらのエステル交換油を用いることが好ましく、パーム油がより好ましい。
<油脂混合物の作製(工程(1))>
前記で得られるSSSを35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合することにより、構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸(S)を45〜75重量%含有し、不飽和脂肪酸(U)を25〜55重量%含有する油脂を調整して得る。このときS及びUがこの範囲に無いと、分別後に、目的とする油脂組成物が得られない場合がある。なお、SSSを35重量%以上含有する油脂及びヨウ素価35以上の油脂について、それぞれの脂肪酸組成を測定することにより、容易にS及びUを上記範囲に調整することができる。即ち、前記測定結果に基づいて、SSSを35重量%以上含有する油脂とヨウ素価35以上の油脂との混合比率を調整することで、S及びUを上記範囲とすることができる。
ヨウ素価35以上の油脂としては、ヨウ素価が35以上であれば特に限定されないが、好ましくはヨウ素価が35〜80の油脂であり、さらに好ましくはヨウ素価が35〜70の油脂である。
なお、ヨウ素価35以上の油脂については特に種類は問わないが、パーム油、パーム分別油、菜種油、大豆油、ひまわり油、コーン油、豚脂、牛脂などが挙げられるが、価格面からパーム油、又はパーム分別油を用いることがより好ましい。
また、SSSを35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合することにより得られる油脂混合物は、構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸(S)を50〜70重量%含有し、不飽和脂肪酸(U)を30〜50重量%含有することが好ましい。
<エステル交換(工程(2))>
前記で得られた油脂混合物は、常法に従ってエステル交換すればよい。しかし、SSSを繰り返しエステル交換に供する場合、着色や風味劣化の蓄積を避けるにはエステル交換をリパーゼで行うことが好ましい。即ち、エステル交換、分別を繰り返したSSSを、SSSを35重量%以上含有する油脂として用いる場合には、ナトリウムメチラートなどの塩基触媒を用いると着色成分や風味劣化成分等が蓄積することがあり好ましくない。リパーゼについてはトリグリセリドのエステル交換に用いられるリパーゼなら特に種類は選ばないが、パーム油を原料に用いる場合には、対称型のSUSトリグリセリドを減少させるため、1、3位だけでなく2位に対してもエステル交換活性を持つものが好ましい。具体的にはThermomyces属由来、Alcaligenes属由来のリパーゼなどが挙げられる。
<晶析(工程(3))>
エステル交換後の油脂中に含まれるSSS含量をX(重量%)とし、晶析時の固体脂含量をY(%)とすると、X−Yの値が2〜13、好ましくは2〜10の範囲になるように晶析する。そのように晶析したものを分別すれば、容易に本発明のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物を得ることができる。(X−Y)値が2より小さいと、分別される液状部のSSS含量が少ないために、可塑性油脂原料として用いた場合に温度耐性が低くなったり、また、SSUも一部結晶化する場合があるために、分別効率が悪くなり、トリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の収率が低下する場合がある。また(X−Y)値が13より大きいと、可塑性油脂原料として用いた場合に口溶けが悪くなる場合がある。(X−Y)値を2〜13にするには、エステル交換に供した油脂混合物の種類にもよるが、概ね晶析温度を晶析に用いる原料油脂の融点よりも2℃から14℃低い温度に設定すればよい。ここで、固体脂含量の測定は、概ね5〜48時間程度晶析する間に適宜行い、(X−Y)の値が2〜13の間にある時点であればいつでも分別すればよい。晶析により、液状部と固体部とを含む油脂が得られる。
<分別(工程(4))>
前記で晶析した油脂を、常法に従って分別し、液状部を分取することで本発明の油脂組成物を得ることができる。本発明における分別では、安全性の問題やコストの観点から溶剤を使用しない乾式分別が好ましい。分別時の温度条件は、晶析温度±3℃程度であれば容易に本発明のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物を得ることができる。また通常、乾式分別では分別精度が劣るが、本発明の製造方法に従えば、SSSを35重量%以上含む油脂を原料として用いても、容易且つ効率よく所望のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物を得ることができる。
本発明のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物は、油脂組成物全体中、SSSを2〜13重量%、好ましくは3〜10重量%含有し、SSUとSUSを合計で34〜54重量%、好ましくは35〜50重量%含有し、(SSUとSUSの合計含量)/SSS含量の重量比率が4〜20、好ましくは5〜13、且つSSU含量/SUS含量の重量比率が1以上、好ましくは1〜3であることが特徴である。
前記SSS含量は2重量%未満であると、分別効率が悪くなり、また可塑性油脂原料として保型性が低くなる場合があり、13重量%を超えると可塑性油脂原料とした場合に口溶けが悪くなる場合がある。また前記SSUとSUSの合計含量は、34重量%未満では結晶速度が遅く、可塑性油脂原料とした場合に物性の経時変化が大きくなる場合があり、54重量%を超えると可塑性油脂原料とした場合に硬くなり可塑性が悪くなる場合がある。
また(SSUとSUSの合計含量)/SSS含量の重量比率は、4より小さいと可塑性油脂原料として用いる場合にSSSが多く口溶けが悪くなるか、又はSSS、SSU、SUSの合計量が少ないために結晶速度の遅い軟質の油脂となる場合があり、20より大きくなると、可塑性油脂原料として用いた場合に結晶核となるSSSが相対的に少ないために粗大結晶が生成し物性が悪化する場合がある。
前記SSU含量/SUS含量の重量比率は1未満であると、SSUに対してSUSが多くなり結晶速度が遅く経時的に物性変化が大きくなり好ましくない場合がある。
本発明のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物は、食用油脂原料として、ロールインマーガリン等の油中水型乳化組成物やホイップクリーム等の水中油型乳化組成物、又はショートニングやチョコレートなどの用途に用いられる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<SSS含量及びSSUとSUSの合計含量の測定>
実施例・比較例における各トリグリセリド含量は、「AOCS Official Method Ce 5c−93」に準拠して、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてODSカラムにより分析した。
<SSU含量/SUS含量の重量比率の分析>
SSU含量/SUS含量の重量比率の分析は、HPLCを用いて硝酸銀カラムにより分析した。分析条件は、「Journal of the American Oil Chemists Society,68,289−293,1991」に記載の方法に基づいて実施した。
<ヨウ素価の測定>
「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」に従い分析を行った。
<脂肪酸組成の測定>
FID恒温ガスクロマトグラフ法により行った。FID恒温ガスクロマトグラフ法とは、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.4.2.1−1996」に記載された方法である。
<固体脂含量の測定>
晶析中の油脂をピペットで晶析温度と同じ温度で温調した試験管に採取し、BRUKER製minispecシリーズ「mq20 NMR Analyzer(解析ソフト:BRUKER the MINISPEC)」により測定した。
<色調の評価>
実施例・比較例で得られた油脂組成物の色調は、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.2.1.1−1996」に記載された方法でロビボンド値を測定し、その測定値を評価値とした。評価値が30以下であれば、その油脂組成物は変色が少なく、良好な色調を有しているが、評価値が小さいほど、変色の度合いが少ない。
<油脂組成物の酸化安定性評価>
実施例・比較例で得られた油脂組成物の酸化安定性は、CDM試験により評価した。該試験は、「日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.5.1.2−1996」に記載された方法で実施した。CDM試験による誘導時間が10時間以上であれば、その油脂は良好な酸化安定性を有しているが、誘導時間が長いほど、酸化安定性が高い。
<油脂の風味評価>
実施例・比較例で得られた油脂組成物の風味の評価は、官能評価により実施した。その際の評価基準は以下の通りであった。
◎:異味、異臭がない上に油脂のおいしさを感じる。
○:異味、異臭を感じない。
△:異味、異臭をわずかに感じる。
×:異味、異臭を感じる。
(実施例1)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
極度硬化菜種油50重量部と菜種油50重量部を混合してから、500Paの減圧下90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えてエステル交換し、該エステル交換油を水洗した後、500Paの減圧下、90℃で2重量部の白土を加えて脱色した。この油脂を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSS(パルミチン酸含量8重量%)を78重量%含む固体部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部15重量部に対して、ヨウ素価53の油脂(極度硬化菜種油:菜種油=44:56の混合油脂)85重量部を混合し、油脂混合物(構成脂肪酸全体中、Sの含量:52重量%、Uの含量:48重量%)を得た。
<リパーゼによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A1を得た。油脂A1中のSSS含量(X)は、13.4重量%であった。
<晶析工程>
油脂A1を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.6%であった。従って、その時点での(X−Y)値は4.8であった(表1)。
<分別工程>
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを77重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物1を得た。得られた油脂組成物1の収率及びトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
<固体部のリサイクル工程>
ここで得た固体部15重量部に対してヨウ素価53の油脂(極度硬化菜種油:菜種油=44:56の混合油脂)85重量部を混合し、油脂混合物(構成脂肪酸全体中、Sの含量:52重量%、Uの含量:48重量%)を得た。該油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A1’を得た。油脂A1’中のSSS含量(X)は、13.1重量%であった。
油脂A1’を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.3%であった。従って、その時点での(X−Y)値は4.8であった(表1)。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物1’を得た。得られた油脂組成物1’のトリグリセリド組成は表1にまとめた。
(実施例2)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
パーム油75重量部に極度硬化菜種油15重量部及び菜種油10重量部を混合してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、34℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを38重量%含む固体部(パルミチン酸46重量%含有)及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部40重量部に対して、ヨウ素価67の油脂(重量比で極度硬化菜種油:パームステアリン:菜種油=13:40:47の混合油脂)60重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量51重量%、Uの含量48重量%)を得た。
<リパーゼによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A2を得た。油脂A2中のSSS含量(X)は、12.8重量%であった。
<晶析工程>
油脂A2を70℃に加熱して完全に溶解し、34℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は9.8%であった。従って、その時点での(X−Y)値は3.0であった(表1)。
<分別工程>
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物2を得た。得られた油脂組成物2の収率及びトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
(実施例3)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
パームステアリン(ヨウ素価34)80重量部に極度硬化菜種油10重量部と菜種油10重量部を混合してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、42℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを42重量%含む固体部(パルミチン酸55重量%含有)及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部40重量部に対して、ヨウ素価46の油脂(重量比で菜種油:パームステアリン:極度硬化菜種油=21:70:9の混合油脂)60重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量63重量%、Uの含量36重量%)を得た。
<リパーゼによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A3を得た。油脂A3中のSSS含量(X)は、23.6重量%であった。
<晶析工程>
油脂A3を70℃に加熱して完全に溶解し、42℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は14.9%であった。従って、その時点での(X−Y)値は8.7%であった(表1)。
<分別工程>
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物3を得た。得られた油脂組成物3の収率及びトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
(実施例4)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
パームステアリン(ヨウ素価34)を溶解してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、46℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを78重量%含む固体部(パルミチン酸80重量%含有)及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部25重量部に対して、ヨウ素価41の油脂(重量比で
パーム油:パームステアリン=43:57の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量65重量%、Uの含量33重量%)を得た。
<リパーゼによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A4を得た。油脂A4中のSSS含量(X)は、24.3重量%であった。
<晶析工程>
油脂A4を70℃に加熱して完全に溶解し、46℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は14.2%であった。従って、その時点での(X−Y)値は10.1であった(表1)。
<分別工程>
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを79重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物4を得た。得られた油脂組成物4の収率及びトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
<固体部のリサイクル工程>
ここで得た固体部25重量部に対して、ヨウ素価41の油脂(重量比でパーム油:パームステアリン=43:57の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量65重量%、Uの含量33重量%)を得た。該油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A4’を得た。油脂A4’中のSSS含量(X)は、24.7重量%であった。
油脂A4’を70℃に加熱して完全に溶解し、44℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は16.2%であった。従って、その時点での(X−Y)値は8.5であった(表1)。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを76重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物4’を得た。得られた油脂組成物4’のトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
(実施例5)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
パーム油(ヨウ素価51)を溶解してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを75重量%含む固体部(パルミチン酸75重量%含有)及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部14重量部に対して、ヨウ素価56の油脂(重量比でパーム油:パームダブルオレイン=40:60の混合油脂)86重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量50重量%、Uの含量48重量%)を得た。
<リパーゼによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A5を得た。油脂A5中のSSS含量(X)は、11.0重量%であった。
<晶析工程>
油脂A5を70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.5%であった。従って、その時点での(X−Y)値は2.5であった(表1)。
<分別工程>
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを76重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物5を得た。得られた油脂組成物5の収率及びトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
<固体部のリサイクル工程>
ここで得た固体部14重量部に対して、ヨウ素価56の油脂(重量比でパーム油:パームダブルオレイン=40:60の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量50重量%、Uの含量48重量%)を得た。該油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A5’を得た。油脂A5’中のSSS含量(X)は、10.5重量%であった。
油脂A5’を70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.3%であった。従って、その時点での(X−Y)値は2.2であった(表1)。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを75重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物5’を得た。得られた油脂組成物5’のトリグリセリド組成については、表1にまとめた。
Figure 2012032945
(比較例1)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
極度硬化菜種油50重量部と菜種油50重量部を500Paの減圧下90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えてエステル交換した油脂を水洗した後、500Paの減圧下、90℃で2重量部の白土を加えて脱色した。この油脂を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを78重量%含む固体部及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部15重量部に対して、ヨウ素価53の油脂(極度硬化菜種油:菜種油=44:56の混合油脂)85重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量52重量%、Uの含量48重量%)を得た。
<ナトリウムメチラートによるエステル交換工程>
前記油脂混合物を上記と同様の条件でナトリウムメチラートによりエステル交換し、脱色して油脂A6を得た。油脂A6中のSSS含量(X)は、13.1重量%であった。
<晶析工程及び分別工程>
油脂A6を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析した。
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物6を得た。得られた油脂組成物6のトリグリセリド組成については、表2にまとめた。
(比較例2)
<SSSを35重量%以上含む油脂の製造工程>
パーム油(ヨウ素価51)を溶解してからナトリウムメチラートによりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを75重量%含む固体部(パルミチン酸75重量%含有)及び液状部を得た。
<油脂混合物の製造工程>
ここで得た固体部14重量部に対して、ヨウ素価56の油脂(重量比でパーム油:パームダブルオレイン=40:60の混合油脂)86重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量50重量%、Uの含量48重量%)を得た。
<ナトリウムメチラートによるエステル交換工程>
前記油脂混合物をナトリウムメチラートによりエステル交換して油脂A7を得た。油脂A7中のSSS含量(X)は、11.0重量%であった。
<晶析工程及び分別工程>
油脂A7を70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.5%であった。従って、その時点での(X−Y)値は2.5であった(表2)。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを76重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物7を得た。得られた油脂組成物7の収率及びトリグリセリド組成については、表2にまとめた。
<固体部のリサイクル工程>
ここで得た固体部14重量部に対して、ヨウ素価56の油脂(重量比でパーム油:パームダブルオレイン=40:60の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量50重量%、Uの含量48重量%)を得た。該油脂混合物をナトリウムメチラートによりエステル交換して油脂A7’を得た。油脂A7’中のSSS含量(X)は、10.5重量%であった。油脂A7’を70℃に加熱して完全に溶解し、37℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は8.3%であった。従って、その時点での(X−Y)値は2.2であった(表2)。
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを75重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物7’を得た。得られた油脂組成物7’のトリグリセリド組成については、表2にまとめた。比較例1及び2のように、油脂組成物を得るためのエステル交換工程を化学法(化学触媒によるエステル交換法)により実施する場合には、得られる油脂組成物の色調や風味、口溶けが悪くなった。
(比較例3)
パームステアリン(ヨウ素価34)を溶解してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、46℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを78重量%含む固体部(パルミチン酸80重量%含有)及び液状部を得た。
ここで得た固体部25重量部に対して、ヨウ素価41の油脂(重量比でパーム油:パームステアリン=43:57の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量65重量%、Uの含量33重量%)を得た。該油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A8を得た。油脂A8中のSSS含量(X)は、24.3重量%であった。油脂A8を70℃に加熱して完全に溶解し、38℃で攪拌しながら5時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は24.0%であった。従って、その時点での(X−Y)値は0.3であった(表2)。
晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを71重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物8を得た。得られた油脂組成物8の収率及びトリグリセリド組成については、表2にまとめた。比較例3のように(X−Y)値が2未満である場合には、油脂組成物の収率が著しく低下した。
(比較例4)
パームステアリン(ヨウ素価34)を溶解してからリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換した油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、46℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを78重量%含む固体部(パルミチン酸80重量%含有)及び液状部を得た。ここで得た固体部25重量部に対して、ヨウ素価41の油脂(重量比でパーム油:パームステアリン=43:57の混合油脂)75重量部を混合し、油脂混合物(Sの含量65重量%、Uの含量33重量%)を得た。
前記油脂混合物をリパーゼ(ノボザイムズジャパン社製LipozymeTL−IM)によりエステル交換して油脂A9を得た。油脂A9中のSSS含量(X)は、24.3重量%であった。油脂A9を70℃に加熱して完全に溶解し、49℃で攪拌しながら24時間晶析し、その時点での固体脂含量(Y)は7.5%であった。従って、その時点での(X−Y)値は16.8であった(表2)。晶析後の油脂を3.0MPaでフィルタープレスして、SSSを80重量%含む固体部及び液状部を得た。得られた液状部を200Paの減圧下240℃で脱臭し、油脂組成物9を得た。得られた油脂組成物9の収率及びトリグリセリド組成については、表2にまとめた。比較例4のように(X−Y)値が13を超える場合には、得られる油脂組成物の口溶けが著しく悪化した。
Figure 2012032945

Claims (4)

  1. 油脂組成物全体中、SSSを2〜13重量%含有し、SSUとSUSとを合計で34〜54重量%含有し、(SSUとSUSとの合計含量)/SSS含量(重量比率)が4〜20且つSSU含量/SUS含量の重量比率が1以上であるトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法であって、
    SSSを35重量%以上含む油脂と、ヨウ素価35以上の油脂とを混合することにより、構成脂肪酸全体中飽和脂肪酸(S)が45〜75重量%、不飽和脂肪酸(U)が25〜55重量%となる油脂混合物を作製する工程(1)、該油脂混合物をリパーゼによりエステル交換する工程(2)、及びエステル交換後の油脂中に含まれるSSS含量をX(重量%)とし、晶析時の固体脂含量をY(%)としたとき、X−Yの値が2〜13になるまで溶剤を用いずに晶析し、液状部と固体部とを含む油脂を得る工程(3)、さらに該油脂を分別して該液状部を分取する工程(4)、
    を有するトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法。
    SSS:トリ飽和脂肪酸グリセリド
    SSU:1,2−ジ飽和脂肪酸−3−モノ不飽和脂肪酸グリセリド(光学異性体を含む)
    SUS:1,3−ジ飽和脂肪酸−2−モノ不飽和脂肪酸グリセリド
  2. SSSを35重量%以上含む油脂の構成脂肪酸全体中、パルミチン酸(P)が50重量%以上である請求項1に記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法。
  3. ヨウ素価35以上の油脂がパーム油及び/又はパーム分別油を60重量%以上含む油脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法。
  4. 工程(4)で分別された固体部を、SSSを35重量%以上含む油脂として用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトリ飽和脂肪酸グリセリド含有油脂組成物の製造方法。
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