JPWO2012025989A1 - プロジェクタおよびフィルタの交換時期予測方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は設置環境に応じてフィルタの交換時期を予測することを目的とし、プロジェクタは、筺体に設けられたフィルタと、光を出射することにより発熱するランプと、筺体外の外部温度を検出する外部検出手段と、ランプ近傍の内部温度を検出する内部検出手段と、を含み、計算手段は、所定期間ごとに限界温度Tlmと外部温度との限界温度差ΔTlmを算出し、その所定期間ごとに内部温度と外部温度との温度差ΔTを取得し、取得した温度差ΔTと算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算し、その後、以前に取得した温度差ΔTを用いて所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が閾値を超えている場合には、その時間変化率と、最後に取得した温度差ΔTと、最後に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、フィルタの交換時期を示す第2の時間を計算して出力する。
Description
本発明は、プロジェクタに関し、特には、フィルタを備えるプロジェクタおよびフィルタの交換時期予測方法に関する。
特許文献1には、フィルタ装置を備えるプロジェクタが記載されている。特許文献1に記載のプロジェクタは、筺体と、筺体内を冷却するファンとフィルタとを有するフィルタ装置と、フィルタ装置の稼動時間を積算して稼動時間積算結果を算出する積算手段と、表示手段と、を備えている。
特許文献1に記載のプロジェクタでは、積算手段が算出した稼動時間積算結果に基づいて、フィルタの交換時期が表示手段に示される。
特許文献1に記載のプロジェクタでは、積算手段が算出した稼動時間積算結果に基づいて、フィルタの交換時期が表示手段に示される。
特許文献1に記載のプロジェクタでは、フィルタ装置の稼動時間積算結果に基づいて、フィルタの交換時期が表示手段に示されることとなる。
しかしながら、フィルタの交換時期は、プロジェクタ周辺に浮遊している塵の大きさやその量によって変わる。
例えば、フィルタに存在する孔の孔径よりも小さな塵がプロジェクタ周辺に多数浮遊している環境でフィルタ装置が稼働する状況では、孔の壁面に塵が徐々に堆積していくので、堆積した塵で孔が密閉されるまでに時間を要する。
一方、フィルタの孔径と略同じ大きさの塵が多数浮遊している環境でフィルタ装置が稼働する状況では、1つの塵で1つの孔が密閉されることになるので、フィルタの孔径よりも小さな塵が浮遊している環境よりも短時間で多数の孔が密閉され易くなる。
このため、フィルタの孔径と略同じ大きさの塵が多数浮遊している環境でフィルタ装置が稼働するプロジェクタの方が、フィルタの孔径よりも小さな塵が多数浮遊している環境でフィルタ装置が稼働するプロジェクタよりも、フィルタが目詰まりを起こす時期が早くなることが多い。
よって、特許文献1に記載のプロジェクタにおいて、フィルタの孔径よりも小さな塵がプロジェクタ周辺に多数浮遊している環境を想定して、所定の寿命時間が定められた状況と、フィルタの孔径と略同じ大きさの塵が多数浮遊している環境でフィルタ装置が稼動する状況とでは、フィルタの目詰まり状態が異なり、表示手段が示すフィルタの交換時期よりも前に、フィルタが目詰まりを起こしてしまうことがある。
表示手段が示すフィルタの交換時期よりも前にフィルタが目詰まりを起こしてしまうと、フィルタの交換時期には、プロジェクタ内の温度が許容上限温度を超えてしまい、最悪の場合、プロジェクタが故障してしまうことがある。
このため、特許文献1に記載のプロジェクタ装置では、プロジェクタ周辺に浮遊している塵の大きさやその量によっては、フィルタの目詰まりを起こす時期が正しく予測されない場合があり、最悪の場合、フィルタが目詰まりを起こし、プロジェクタ内の温度が許容上限温度を超えてしまい、プロジェクタが故障してしまうことがある。
本発明の目的は、上述した課題を解決するプロジェクタおよびフィルタの交換時期予測方法を提供することにある。
本発明のプロジェクタは、筺体と、前記筺体に設けられたフィルタと、前記筺体内に設けられた、処理手段と、光を出射することにより発熱するランプと、を有するプロジェクタであって、前記筺体外の外部温度を検出する外部検出手段を含み、前記処理手段は、前記ランプ近傍の内部温度を検出する内部検出手段と、前記ランプの温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを有し、所定期間ごとに前記所定の限界温度Tlmと前記外部検出手段が検出した外部温度との限界温度差ΔTlmを算出し、当該所定期間ごとに前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との温度差ΔTを取得し、前記取得した温度差ΔTと、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算し、その後、以前に取得した温度差ΔTを用いて前記所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が、所定の閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が所定の閾値を超えていない場合には前記第1の時間を出力し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、前記所定の閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した温度差ΔTと、最後に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第2の時間を計算して出力する計算手段と、前記計算手段が出力した第1の時間もしくは第2の時間をフィルタの交換時期として通知する通知手段と、を含む。
本発明のフィルタの交換時期予測方法は、筺体と、前記筺体に設けられたフィルタと、前記筺体内に設けられ、光を出射することにより発熱するランプと、前記筺体外の外部温度を検出する外部検出手段と、前記ランプ近傍の内部温度を検出する内部検出手段と、を有するプロジェクタにおけるフィルタの交換時期予測方法であって、前記ランプの温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを有し、所定期間ごとに前記所定の限界温度Tlmと前記外部検出手段が検出した外部温度との限界温度差ΔTlmを算出し、当該所定期間ごとに前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との温度差ΔTを取得し、前記取得した温度差ΔTと、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算する計算ステップと、前記計算ステップの後、以前に取得した温度差ΔTを用いて前記所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が、所定の閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が所定の閾値を超えていない場合には前記第1の時間を出力し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、前記所定の閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した温度差ΔTと、最後に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第2の時間を計算して出力する再計算ステップと、前記再計算ステップにて出力された第1の時間もしくは第2の時間をフィルタの交換時期として通知する通知ステップと、を含む。
本発明によれば、プロジェクタの設置環境に応じてフィルタの交換時期を予測することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるプロジェクタを示すブロック図である。
プロジェクタ10は、信号回路90から、画像を示す画像信号を受け付けると、その画像信号に示される画像をスクリーンに表示する投射型表示装置である。
プロジェクタ10は、吸気口と排気口とを有する筺体1と、筺体1に設けられるフィルタ3と、ランプ11と、表示デバイス12と、レンズ13と、処理部20と、を有する。ランプ11と、表示デバイス12と、レンズ13と、処理部20と、は、筺体1内に設けられる。
ランプ11は、光を出射する光源である。ランプ11は、光を出射することにより発熱する。ランプ11は、例えば、高圧水銀ランプにより実現される。ランプ11は、表示デバイス12に光を出射する。
表示デバイス12は、信号回路90から画像信号を受け付けると、ランプ11から出射された光を、その画像信号に基づいて変調する。表示デバイス12は、例えば、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル(Liquid Crystal On Silicon:LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)パネルなどの空間光変調パネルにより実現される。表示デバイス12は、ランプ11から出射された光を変調すると、その変調した光を、レンズ13に出力する。
レンズ13は、表示デバイス12から出力された光を、画像としてスクリーンに投射する。
処理部20は、一般的に処理手段と呼ぶことができる。
処理部20は、フィルタ3の交換時期を予測して表示する。処理部20は、温度センサ21と、制御部23と、表示部25と、を備える。制御部23は、メモリ24を備える。
図2は、プロジェクタ10に用いられる冷却機構を示す図である。
プロジェクタ10に用いられる冷却機構は、ファン2と、フィルタ3と、温度センサ21と、温度センサ22と、を備える。
ファン2は、ランプ11を冷却するために用いられる。ファン2は、フィルタ3を介して筺体1の有する吸気口から空気を吸気して、その空気をランプ11に送風する。図1に示すように、ランプ11に送風された空気は、筺体1の有する排気口から排気される。
フィルタ3は、交換可能なフィルタである。フィルタ3は、筺体1の有する吸気口を覆うように設けられる。フィルタ3は、筺体1外に浮遊する塵や埃を捕捉する。
温度センサ21は、一般的に内部検出手段と呼ぶことができる。
温度センサ21は、ランプ11近傍の内部温度を検出する。図1に示すように、温度センサ21は、内部温度を検出して、内部温度を示す内部検出信号を、制御部23に供給する。
温度センサ22は、一般的に外部検出手段と呼ぶことができる。
温度センサ22は、筺体1に設けられ、筺体1外の外部温度(外気温)を検出する。温度センサ22は、例えば、ランプ11による発熱の影響が小さな場所に設けられる。図1に示すように、温度センサ22は、外部温度を検出して、外部温度を示す外部検出信号を、制御部23に供給する。
図1に戻り、メモリ24は、ランプ11の温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを示すランプ温度情報を保持する。
制御部23は、一般的に計算手段と呼ぶことができる。
制御部23は、所定期間ごとに、ランプ温度情報に示される所定の限界温度Tlmと、温度センサ22が検出した外部温度と、の差分である限界温度差ΔTlmを算出する。制御部23は、限界温度差ΔTlmが算出される所定期間ごとに、温度センサ21が検出した内部温度と、温度センサ22が検出した外部温度と、の温度差ΔTを取得する。
制御部23は、所定期間に取得した温度差ΔTと、算出した限界温度差ΔTlmと、に基づいて、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算する。
具体的には、制御部23は、所定期間に取得した温度差ΔTを用いて、温度差ΔTと時間との関係を表す第1の直線近似式を求める。制御部23は、第1の直線近似式を求めると、所定期間に取得した限界温度差ΔTlmとの関係で第1の直線近似式により表される時間を算出して第1の時間を計算する。
フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算した後、制御部23は、以前に取得した温度差ΔTを用いて、所定期間ごとの温度差の時間変化率を求める。
制御部23は、所定期間ごとの温度差の時間変化率を求めると、時間変化率が、所定の閾値を超えたかどうかを確認する。所定の閾値は、第1の直線近似式の傾きの大きな変化を検出するための閾値であり、例えば、最初または直前に求めた時間変化率に所定値を加算した値である。所定の閾値は、本実施形態では、検出閾値と称される。
制御部23は、時間変化率が検出閾値を超えていない場合には、第1の時間を表示部25に出力する。
一方、制御部23は、時間変化率が検出閾値を超えている場合には、検出閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した限界温度差と、最後に取得した温度差とに基づいて、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間を計算して表示部25に出力する。例えば、制御部23は、検出閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した限界温度差から最後に取得した温度差を減算した値と、を乗算して、第2の時間を計算する。
本実施形態では、制御部23は、ファン2の累積使用時間を計測する。制御部23は、所定期間ごとに、ランプ11の限界温度Tlmから温度センサ22が検出した外部温度を減算した限界温度差ΔTlmを算出し、その所定期間ごとに、温度センサ21が検出した内部温度から温度センサ22が検出した外部温度を減算した温度差ΔTを取得する。
制御部23は、温度差を取得するたびに、温度差と、その温度差を取得した時に計測した累積使用時間と、を互いに対応付けてメモリ24に記憶する。
温度差とその温度差を取得した時に計測した累積使用時間とを記憶すると、制御部23は、メモリ24に記憶された累積使用時間と、その累積使用時間の温度差ΔTとを用いて、累積使用時間と温度差ΔTとの関係を表す第1の直線近似式を求める。
制御部23は、第1の直線近似式を求めると、その第1の直線近似式によって限界温度差ΔTlmとの関係で表される累積使用時間を算出する。制御部23は、第1の直線近似式によって表された累積使用時間を算出すると、その累積使用時間から、最後に温度差を取得した時に計測した累積使用時間を減算した第1の時間を、フィルタ3の交換時期として計算する。
制御部23は、第1の時間を計算すると、その第1の時間を表す第1の交換時期情報を生成し、その交換時期情報を、表示部25に供給する。その後、制御部23は、温度差を取得するたびに、温度差と、その温度差の取得時に計測した累積使用時間と、を互いに対応付けてメモリ24に記憶する。
制御部23は、温度差とその温度差の取得時に計測した累積使用時間とを記憶すると、メモリ24に記憶された累積使用時間とその累積使用時間の温度差とを用いて、所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が検出閾値を超えたかどうかを確認する。
制御部23は、時間変化率が検出閾値を超えていない場合には、第1の時間を表す第1の交換時間情報を、表示部25に出力する。
制御部23は、時間変化率が検出閾値を超えている場合には、検出閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した限界温度差から最後に取得した温度差を減算した値とを乗算して、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間を計算する。制御部23は、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間を計算すると、第2の時間を表す第2の交換時間情報を、表示部25に出力する。
また、制御部23は、時間変化率が検出閾値を超えている場合には、フィルタ3の交換時期が第1の時間から第2の時間に変更となった旨を指示する通知情報を、表示部25に出力する。
表示部25は、一般的に通知手段と呼ぶことができる。
表示部25は、制御部23が出力した第1の時間もしくは第2の時間を、フィルタの交換時期として通知する。
また、表示部25は、制御部23にて時間変化率が検出閾値を超えていると確認された場合には、フィルタ3の交換時期が第1の時間から第2の時間に変更となった旨を通知する。
本実施形態では、表示部25として、例えば、液晶画面が用いられる。表示部25は、制御部23から第1の交換時期情報を受け付けると、第1の交換時期情報に示された第1の時間をフィルタ3の交換時期として表示する。
表示部25は、制御部23から通知情報を受け付けると、フィルタ3の交換時期が早まった旨を表示する。表示部25は、制御部23から第2の交換時期情報を受け付けると、第2の交換時期情報に示された第2の時間をフィルタ3の交換時期として表示する。
なお、本実施形態では、表示部25が、フィルタ3の交換時期、および、フィルタ3の交換時期が早まった旨を表示する例について説明したが、音声を使用して使用者に通知するようにしてもよい。
図3は、制御部23による温度差の取得手法を説明するための図である。
図3には、プロジェクタ10の起動後の内部温度と外部温度との検出差の温度特性を示す図である。図3では、縦軸が、温度センサ21が検出した内部温度と温度センサ22が検出した外部温度との検出差であり、横軸は、プロジェクタ10が起動(ON)してからの使用時間である。
図3には、新しいフィルタ3を使用したときの温度特性3aが、実線で示され、目詰まりがある程度進行しているフィルタ3を使用したときの温度特性3bが、点線で示されている。また、温度特性3aの飽和温度差ΔT1と、温度特性3bの飽和温度差ΔT2と、が示されている。
図3に示すように、温度特性3bの飽和温度差ΔT2は、温度特性3aの飽和温度差ΔT1よりも大きくなる。したがって、フィルタ3の目詰まりが進行するにつれて、飽和温度差ΔTは大きくなるので、飽和温度差ΔTを取得することにより、フィルタ3の目詰まり状態を把握することが可能になる。
図3では、制御部23は、内部温度信号と外部温度信号とを受け付けると、内部温度信号に示される内部温度と、外部温度信号に示される外部温度との温度差を取得する。温度差ΔTの取得手法を以下に説明する。
本実施形態では、制御部23は、プロジェクタ10の起動後に内部温度と外部温度との差分である検出差ΔTdが安定状態となったか否かを判定するための飽和閾値を有する。
制御部23は、プロジェクタ10の起動後に内部温度と外部温度との検出差ΔTdを取得し、検出差ΔTdと、その検出差を取得してから所定検出期間Δt後に取得した検出差ΔTdと、の変動量ΔTmが、飽和閾値未満となったかどうかを確認する。
制御部23は、変動量ΔTmが飽和閾値未満になったことを確認すると、所定検出期間Δt後に取得した検出差ΔTdを、内部温度と外部温度との温度差ΔT(以下「飽和温度差」と称する。)として取得する。
よって、制御部23は、フィルタ3の目詰まりに応じた温度差を正確に取得することが可能となる。
図4は、フィルタ3の交換時期の計算手法を説明するための図である。
図4には、飽和温度差ΔTと、プロジェクタ10の累積使用時間tと、の関係が示されている。図4では、縦軸が、飽和温度差ΔTであり、横軸は、プロジェクタ10の累積使用時間である。
図4には、飽和温度差点p1〜p7と、近似直線lnと、飽和温度差ΔT1およびΔT2と、ランプ11の限界温度差ΔTlmと、フィルタ3の交換時期t0と、が示されている。
飽和温度差点p1〜p7は、制御部23が所定期間に取得した飽和温度差を示す。すなわち、飽和温度差点p1〜p7は、メモリ24に記憶された飽和温度差を示す。飽和温度差点p1は、累積使用時間t1に取得した飽和温度差ΔT1であり、飽和温度差点p7は、累積使用時間t2に取得した飽和温度差ΔT2である。
近似直線lnは、フィルタ3の交換時期を計算するための直線近似式の直線を示す。
限界温度差ΔTlmは、式1に基づいて算出される値である。限界温度差ΔTlmは、例えば、ランプ11の発熱の影響を抑えるため、プロジェクタ10の起動時に取得される。
ΔTlm = Tlm − 外部温度 ・・・式1
なお、Tlmは、ランプ11の異常温度を回避するための所定の限界温度であり、ランプ11の許容上限温度に、予め定められた値(マージン)を加算した値である。外部温度は、温度センサ22が検出した温度である。
なお、Tlmは、ランプ11の異常温度を回避するための所定の限界温度であり、ランプ11の許容上限温度に、予め定められた値(マージン)を加算した値である。外部温度は、温度センサ22が検出した温度である。
式1では、外部温度が変動するたびに、限界温度差ΔTlmが変動して、フィルタ3の交換時期t0が変動することになる。よって、プロジェクタ10の使用者に混乱を与える恐れがある。本実施形態では、限界温度差ΔTlmの算出に用いる外部温度として、所定期間ごとに温度センサ22が検出した外部温度のうち、1番高い外部温度が用いられる。
図4では、制御部23は、所定期間に取得した飽和温度差点p1〜p7を用いて、累積使用時間と飽和温度差との関係を表す近似直線lnの直線近似式を求め、近似直線lnの直線近似式によって限界温度差ΔTlmとの関係で表わされる交換時期t0を計算する。そして、制御部23は、交換時期t0から使用累積時間t2を減算して、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を算出する。
なお、プロジェクタ10の周辺に浮遊している塵の量が多く、フィルタ3の目詰まりの進行が早くなると、近似直線lnの傾きが大きくなって、フィルタ3の使用可能残時間が減少することになる。
図5は、最小二乗法を用いて近似直線lnの直線近似式を求める例を説明するための図である。図5には、飽和温度差点p11〜p17と、近似直線lnと、飽和温度差点p11〜p17と近似直線lnとの差d1〜d7と、が示されている。
図5では、制御部23は、最小二乗法を用いて第1の直線近似式を求める。具体的には、制御部23は、式2に示す最小二乗誤差εを算出する。制御部23は、近似直線lnの傾きまたは切片を変化させるたびに、最小二乗誤差εを算出し、最小二乗誤差εが最小となる近似直線lnを特定する。
ε=(d1)2+(d2)2+(d3)2+(d4)2
+(d5)2+(d6)2+(d7)2+・・・(dn)2
= Σdi 2 ・・・式2
図6は、複数の2点直線式を用いて近似直線lnの直線近似式を求める例を説明するための図である。図6には、飽和温度差点a1〜a8と、2点直線la1〜la4と、近似直線lnと、が示されている。
+(d5)2+(d6)2+(d7)2+・・・(dn)2
= Σdi 2 ・・・式2
図6は、複数の2点直線式を用いて近似直線lnの直線近似式を求める例を説明するための図である。図6には、飽和温度差点a1〜a8と、2点直線la1〜la4と、近似直線lnと、が示されている。
点a1と点a5とにより特定された直線la1は、次式で表わされる。
y = A1x+B1
点a2と点a6とにより特定された直線la2は、次式で表わされる。
点a2と点a6とにより特定された直線la2は、次式で表わされる。
y = A2x+B2
点a3と点a7とにより特定された直線la3は、次式で表わされる。
点a3と点a7とにより特定された直線la3は、次式で表わされる。
y = A3x+B3
点a4と点a8とにより特定された直線la4は、次式で表わされる。
点a4と点a8とにより特定された直線la4は、次式で表わされる。
y = A4x+B4
制御部23は、2点直線la1〜la4の傾きの平均値と、2点直線la1〜la4の切片の平均値と、を算出し、式3に示すように、近似直線lnの傾きを、直線la1〜la4の傾きの平均値とし、近似直線lnの切片を、直線la1〜la4の切片の平均値として、近似直線lnを特定する。
制御部23は、2点直線la1〜la4の傾きの平均値と、2点直線la1〜la4の切片の平均値と、を算出し、式3に示すように、近似直線lnの傾きを、直線la1〜la4の傾きの平均値とし、近似直線lnの切片を、直線la1〜la4の切片の平均値として、近似直線lnを特定する。
y={(A1+A2+A3+A4)/4}x
+{(B1+B2+B3+B4)/4} ・・・式3
このため、制御部23は、飽和温度差ΔTを取得するたびに、飽和温度差(例えば、点a8)と、その飽和温度差から3(所定)回前に取得した飽和温度差(例えば、点a4)とを用いて、飽和温度差と時間との関係を表す2点直線式la1〜la4を求める。制御部23は、所定期間ごとに、所定期間の2点直線式la1〜la4の傾きA1〜A4の平均値と、所定期間の2点直線式la1〜la4の切片B1〜B4の平均値とを用いて、近似直線lnの第1の直線近似式を求める。
+{(B1+B2+B3+B4)/4} ・・・式3
このため、制御部23は、飽和温度差ΔTを取得するたびに、飽和温度差(例えば、点a8)と、その飽和温度差から3(所定)回前に取得した飽和温度差(例えば、点a4)とを用いて、飽和温度差と時間との関係を表す2点直線式la1〜la4を求める。制御部23は、所定期間ごとに、所定期間の2点直線式la1〜la4の傾きA1〜A4の平均値と、所定期間の2点直線式la1〜la4の切片B1〜B4の平均値とを用いて、近似直線lnの第1の直線近似式を求める。
次に、フィルタ3の目詰まりの種類ごとのプロジェクタ10の温度特性を説明する。
図7は、フィルタ3の目詰まりの種類を説明するための図である。また、図8は、フィルタ3の目詰まりの各種類による温度特性を示す図である。
図7には、ケーキ形成31と、標準閉塞32と、完全閉塞33と、が示されている。
ケーキ形成31では、フィルタの平均孔径よりも大きな粒子(例えば、埃)が、フィルタの表面に堆積することによって、ケーキ(固まり)が形成される。このため、図8に示すように、飽和温度差ΔTは、フィルタ3の累積使用時間に比例して大きくなる。
標準閉塞32では、フィルタの孔径よりも小さな粒子が孔の壁面に付着することによって、孔径が小さくなる。このため、図8に示すように、飽和温度差ΔTは、フィルタ3の累積使用時間が一定時間までは殆ど変化しないが、一定時間を超えると、殆どの孔が閉塞状態となって、急激に飽和温度差ΔTが大きくなる。
完全閉塞33では、フィルタの孔径と略同じ大きさの粒子が、孔を密閉することによって、利用可能な孔の数が減少する。このため、図8に示すように、飽和温度差ΔTは、ケーキ形成31および標準閉塞32に比べて短い累積使用時間で急激に大きくなる。
フィルタ3の目詰まりは、一般に、ケーキ形成31と標準閉塞32と完全閉塞33とが同時に発生すると考えられる。このため、フィルタ3の使用による温度特性は、一般的には、図8で示した温度特性の組合せによって求められる。
図9は、直線近似式の計算手法例を説明するための図である。
図9には、温度特性34と、近似直線ln1と、近似直線ln2と、が示されている。
温度特性34は、図8で示した、ケーキ形成31の温度特性と、標準閉塞32の温度特性と、完全閉塞33の温度特性と、の総和を示す温度特性である。
近似直線ln1の場合、制御部23は、プロジェクタ10の使用を初めてから所定期間に飽和温度差ΔTを取得し、その取得した複数の飽和温度差ΔTを用いて、累積使用時間と飽和温度差ΔTとの関係を表す近似直線ln1の第1の直線近似式を求め、近似直線ln1の近似式から、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間として、累積使用可能時間t0を計算する。
近似直線ln2の場合は、制御部23が、累積使用時間t3で温度特性の傾き(時間変化率)の変化を検出すると、その傾きと、最後に取得した飽和温度差ΔT3とそのときの累積使用時間t3と、を用いて近似直線ln2の第2の直線近似式を求め、その第2の直線近似式から、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間として累積使用可能時間t0を計算する。
図10は、温度特性34と、温度特性34の接線の傾きと、の関係を示す図である。
図10には、図9で示した温度特性34と、温度特性34の接線の傾きの特性を表す傾き特性36と、が示されている。図10では、横軸が、温度特性34および傾き特性36の共通の時間であり、温度特性34の縦軸は、飽和温度差の大きさであり、傾き特性36の縦軸が、温度特性34の接線の傾きである。
累積使用時間t11からt12までは、温度特性34に示すように、ケーキ形成による影響が支配的となり、傾き特性36に示すように、接線の傾きが、ほぼ一定となる。よって、直線近似を行うことが可能となる。
累積使用時間t13からt14では、標準閉塞または完全閉塞の影響が支配的となり、傾き特性36に示すように接線の傾きが急激に変化することになる。よって、本実施形態では、制御部23が、所定期間ごとの飽和温度差の時間変化率を求め、求めた時間変化率(傾き)に基づいて、温度上昇率の急激な変化を検出する。制御部23は、温度上昇率の急激な変化を検出すると、フィルタ3の交換時期が早まった旨を表示部25に表示し、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間を計算する。
次にプロジェクタ10の動作について説明する。
図11は、フィルタ3の交換時期予測方法の処理手順例を示すフローチャートである。図11では、プロジェクタ10がフィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算した後の処理手順が示されている。
まず、制御部23は、飽和温度差ΔTを取得するたびに、その取得した飽和温度差ΔTと、その飽和温度差ΔTの取得時の積算使用時間と、を互いに対応付けてメモリ24に記憶し、メモリ24内の積算使用時間とその飽和温度差ΔTとを用いて、飽和温度差の時間変化率(傾き)を求める(ステップS51)。
制御部23は、飽和温度の時間変化率を求めると、その時間変化率が、検出閾値を超えたかどうか、すなわち、飽和温度差ΔTの特性の傾きが一定であるか否かを確認する(ステップS52)。そして、表示部25は、求めた時間変化率が検出閾値を超えている場合には、フィルタ3の交換時期が早まった旨を表示して、フィルタ3の交換時期の変更を通知する(ステップS54)。
さらに、制御部23は、求めた時間変化率が検出閾値を超えている場合には、検出閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した限界温度差から、最後に取得した温度差を減算した値と、を乗算してフィルタ交換時期を示す第2の時間t0を計算する(ステップS54)。または、制御部23は、検出閾値を超えている時間変化率を用いる代わりに、予め定められた直線計算期間で取得した飽和温度差によって求めた時間変化率を用いるようにしても良い。
制御部23は、フィルタ3の交換時期を示す第2の時間t0を計算すると、その第2の時間t0を、表示部25に表示する(ステップS55)。
また、ステップ52において、制御部23は、求めた時間変化率が検出閾値を超えていない、すなわち、傾きが一定であると場合には、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間t0を、表示部25に出力する(ステップS55).
ステップ55の処理が終了すると、プロジェクタ10は、フィルタ3の交換時期予測方法の一連の処理手順を終了する。
ステップ55の処理が終了すると、プロジェクタ10は、フィルタ3の交換時期予測方法の一連の処理手順を終了する。
本実施形態によれば、プロジェクタ10は、筺体1と、筺体1に設けられたフィルタ3と、光を出射することにより発熱するランプ11と、ランプ11近傍の内部温度を検出する温度センサ21と、筺体1外の外部温度を検出する温度センサ22と、を含む。制御部23は、ランプ11の温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを有し、所定期間ごとに所定の限界温度Tlmと温度センサ22が検出した外部温度との限界温度差ΔTlmを算出する。さらに、制御部23は、所定期間ごとに温度センサ21が検出した内部温度と、温度センサ22が検出した外部温度との温度差ΔTを取得する。制御部23は、所定期間に取得した温度差ΔTと、その所定期間に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算する。
このため、プロジェクタ10は、温度センサ21が検出した内部温度と温度センサ22が検出した外部温度との温度差の時間特性に基づいて、フィルタ3の交換時期を予測することができる。
さらに、本実施形態では、制御部23は、第1の時間を計算した後、以前に取得した温度差を用いて所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が所定の閾値を超えたかどうかを確認する。そして、制御部23は、時間変化率が所定の閾値を超えていない場合には第1の時間を出力し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、所定の閾値を超えている時間変化率と所定の限界温度差と新たに取得した温度差とに基づいてフィルタ3の交換時期を示す第2の時間を計算して出力する。
よって、プロジェクタ10は、温度センサ21が検出した内部温度と温度センサ22が検出した外部温度との温度差の時間特性を取得し、その温度差の時間特性に応じて、段階的にフィルタ3の交換時期を補正することができる。
一般に、プロジェクタ10周辺に浮遊している塵の種類やその量によって、プロジェクタ10の温度差の時間特性が変化し、最終的にフィルタ3の目詰まりを起こす時期が変わる。
このため、プロジェクタ10は、プロジェクタ10周辺に浮遊している塵の種類やその量が異なる環境に設置されても、温度差の時間特性を取得することによって、フィルタ3の目詰まりを起こす時期を正確に予測することが可能となる。
したがって、プロジェクタ10は、プロジェクタ10の設置環境に応じて、フィルタ3の交換時期を正確に予測することが可能となる。
例えば、フィルタ3に存在する多数の孔の平均孔径と略同じ大きさの塵が多数浮遊している環境で使用されるプロジェクタ10は、新しいフィルタ3に交換されてから比較的短時間で温度差の時間変化率についての大きな変化を検出し、その時間変化率に応じてフィルタ3の交換時期を補正する。
一方、フィルタ3の孔径よりも小さな塵が多数浮遊している環境で使用されるプロジェクタ10は、フィルタ3の孔径と略同じ大きさの塵が浮遊している環境で使用されるプロジェクタが予測するフィルタ3の交換時期よりも後に、温度差の時間変化率についての大きな変化を検出し、その温度差の時間変化率に応じてフィルタ3の交換時期を補正する。
よって、プロジェクタ10は、温度差の時間特性に応じて段階的にフィルタ3の交換時期を補正することにより、フィルタ3が目詰まりを起こす時期を正しく予測することが可能となる。
また、本実施形態では、プロジェクタ10は、内部温度と外部温度との温度差ΔTに基づいて、フィルタ3の交換時期を予測する。
プロジェクタ10では、外部温度が高くなるほど、内部温度が高くなって、ランプ11の限界温度Tlmと内部温度との差が小さくなる。また、ランプ11の限界温度Tlmと内部温度との温度差が小さくなるほど、フィルタ3の交換時期は短くなる。このため、フィルタ3の交換時期は、外部温度によっても変化する。
このため、プロジェクタ10は、内部温度を検出するだけでなく、外部温度を検出し、内部温度と外部温度との温度差ΔTを用いてフィルタ3の交換時期を計算することで、フィルタ3の交換時期をさらに正確に予測することが可能となる。
また、本実施形態では、制御部23は、温度差ΔTと限界温度差ΔTlmとに基づいてフィルタの交換時期を計算する。このため、プロジェクタ10は、内部温度が、ランプ11の温度異常を起こす状態を正確に予測することができる。
なお、フィルタ3の目詰まりが起こり難い環境でプロジェクタ10が使用される状況では、一般的な設置環境を想定して定期的にフィルタ3の交換が行われる状況と比較して、プロジェクタ10がフィルタ3の使用可能時間を正確に予測することで、フィルタ3の使用時間を長くすることが可能となる。したがって、フィルタ3の交換回数を減らすことが可能となり、フィルタ3の購入コストを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、表示部25が、制御部23にて時間変化率が所定の閾値を超えていると確認された場合にはフィルタ3の交換時期が第1の時間から第2の時間に変更となった旨を通知する。
このため、プロジェクタ10は、フィルタ3の交換時期が早まった旨を、プロジェクタ10の使用者に知らせることができる。
また、本実施形態では、制御部23が、所定期間に取得した温度差ΔTを用いて、温度差ΔTと時間との関係を表す直線近似式を最小二乗法により求め、その直線近似式と、所定期間に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算する。
このため、プロジェクタ10は、内部温度と外部温度との温度差の時間特性を精度良く近似することができる。
また、本実施形態では、制御部23が、所定期間に温度差を取得するたびに、温度差と、当該温度差から所定回数前に取得した温度差と、を用いて2点直線式を求める。そして、制御部23は、所定期間の2点直線式の傾きの平均値と、その所定期間の2点直線式の切片の平均値と、を用いて直線近似式を求め、直線近似式と、所定期間に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、フィルタ3の交換時期を示す第1の時間を計算する。
このため、プロジェクタ10は、内部温度と外部温度との温度差の時間特性を精度良く近似することができる。
また、本実施形態では、制御部23が、所定の限界温度Tlmと、所定期間ごとに温度センサ22が検出した外部温度のうち最も高い外部温度との差分を、限界温度差として算出する、
このため、外部温度の変動が大きな環境でプロジェクタ10が使用される状況でも、外部温度の変動に起因して、内部温度と外部温度との温度差が変動し、フィルタ3の交換時期の再計算が行われてしまうことを減らすことができる。よって、プロジェクタ10の使用者の混乱を抑えることができる。
このため、外部温度の変動が大きな環境でプロジェクタ10が使用される状況でも、外部温度の変動に起因して、内部温度と外部温度との温度差が変動し、フィルタ3の交換時期の再計算が行われてしまうことを減らすことができる。よって、プロジェクタ10の使用者の混乱を抑えることができる。
また、本実施形態では、制御部23が、プロジェクタ10の起動後に、温度センサ21が検出した内部温度と、温度センサ22が検出した外部温度との検出差が安定状態となったか否かを判定するための飽和閾値を有する。制御部23は、検出差を取得し、検出差とその検出差を取得してから所定検出期間後に取得した検出差との変動量が、飽和閾値未満になったかどうかを確認し、変動量が飽和閾値未満になったことを確認すると、所定検出期間後に取得した検出差を、温度差ΔTとして取得する。
このため、プロジェクタ10は、内部温度と外部温度との検出差の変動が安定した状態で温度差ΔTを取得することによって、フィルタ3の目詰まり状態が正しく反映された温度差の時間特性を取得することが可能となる。
また、本実施形態では、プロジェクタ10が、ファン2の回転数を制御することによって、フィルタ3の交換時期を延長することも可能である。ファン2の回転数を制御する場合、制御部23は、以前に取得した温度差を用いて所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が検出閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が検出閾値を超えている場合には、ファン2の回転数を、第1の回転数から第1の回転数よりも高い第2の回転数にする。
図12は、温度差の特性の傾きの変化を検出して、ファン2の回転数を上げたときの温度特性を示す図である。図12には、図9に示した温度特性34が実線で示され、温度特性35が破線で示されている。
温度特性35は、ファン2の回転数が、第1の回転数から、第1の回転数よりも高い第2の回転数に切り替えられた後の温度特性を示す。なお、図12では、累積使用時間t3で時間変化率が検出閾値を超えるものとする。
図12では、制御部23が、累積使用時間t3で温度差の時間変化率が、検出閾値を超えるため、制御部23は、第2の回転数を示す回転信号をファン2に供給して、ファン2の回転数を高くする。
ファン2の回転数が上げられると、ランプ11の近傍の内部温度の温度上昇率が、温度特性34と比較して低下する。よって、図12に示すように、温度特性35での累積使用時間t0は、温度特性34での累積使用時間t0よりも長くなる。
このため、プロジェクタ10は、制御部23にて取得された温度差の時間変化率が大きく変化したときに、ファン2の回転数を、第2の回転数にすることによって、フィルタ3の交換時期t0を延長することが可能になる。
なお、本実施形態では、ランプ11を冷却する例について説明しが、プロジェクタ10に用いられるCPU(Central Processing Unit)などにも適用することが可能である。
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1 筺体
2 ファン
3 フィルタ
10 プロジェクタ
11 ランプ
12 表示デバイス
13 レンズ
20 処理部
21、22 温度センサ
23 制御部
24 メモリ
25 表示部
2 ファン
3 フィルタ
10 プロジェクタ
11 ランプ
12 表示デバイス
13 レンズ
20 処理部
21、22 温度センサ
23 制御部
24 メモリ
25 表示部
Claims (9)
- 筺体と、前記筺体に設けられたフィルタと、前記筺体内に設けられた、処理手段と、光を出射することにより発熱するランプと、を有するプロジェクタであって、
前記筺体外の外部温度を検出する外部検出手段を含み、
前記処理手段は、
前記ランプ近傍の内部温度を検出する内部検出手段と、
前記ランプの温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを有し、所定期間ごとに前記所定の限界温度Tlmと前記外部検出手段が検出した外部温度との限界温度差ΔTlmを算出し、当該所定期間ごとに前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との温度差ΔTを取得し、前記取得した温度差ΔTと、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算し、その後、以前に取得した温度差ΔTを用いて前記所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が、所定の閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が所定の閾値を超えていない場合には前記第1の時間を出力し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、前記所定の閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した温度差ΔTと、最後に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第2の時間を計算して出力する計算手段と、
前記計算手段が出力した第1の時間もしくは第2の時間をフィルタの交換時期として通知する通知手段と、を含む、プロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記通知手段は、前記計算手段にて時間変化率が所定の閾値を超えていると確認された場合には前記フィルタの交換時期が前記第1の時間から前記第2の時間に変更となった旨を通知する、プロジェクタ。 - 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
前記計算手段は、前記取得した温度差ΔTを用いて、温度差ΔTと時間との関係を表す直線近似式を最小二乗法により求め、前記直線近似式と、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算する、プロジェクタ。 - 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
前記計算手段は、前記所定期間に温度差ΔTを取得するたびに、温度差ΔTと、当該温度差ΔTから所定回数前に取得した温度差ΔTと、を用いて2点直線式を求め、当該所定期間の2点直線式の傾きの平均値と、当該所定期間の2点直線式の切片の平均値と、を用いて直線近似式を求め、前記直線近似式と、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算する、プロジェクタ。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のプロジェクタにおいて、
前記計算手段は、前記所定の限界温度Tlmと、前記所定期間ごとに前記外部検出手段が検出した外部温度のうち最も高い外部温度との差分を、限界温度差ΔTlmとして算出する、プロジェクタ。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載のプロジェクタにおいて、
前記計算手段は、前記プロジェクタの起動後に、前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との検出差が安定状態となったか否かを判定するための飽和閾値を有し、検出差を取得し、検出差と当該検出差を取得してから所定検出期間後に取得した検出差との変動量が前記飽和閾値未満になったかどうかを確認し、変動量が前記飽和閾値未満になったことを確認すると、前記所定検出期間後に取得した検出差を、前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との温度差ΔTとして取得する、プロジェクタ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載のプロジェクタにおいて、
前記筺体内に設けられ、前記ランプを冷却するためのファンをさらに含み、
前記計算手段は、前記以前に取得した温度差を用いて前記所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が所定の閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、前記ファンの回転数を、第1の回転数から当該第1の回転数よりも高い第2の回転数にする、プロジェクタ。 - 筺体と、前記筺体に設けられたフィルタと、前記筺体内に設けられ、光を出射することにより発熱するランプと、前記筺体外の外部温度を検出する外部検出手段と、前記ランプ近傍の内部温度を検出する内部検出手段と、を有するプロジェクタにおけるフィルタの交換時期予測方法であって、
前記ランプの温度異常を回避するための所定の限界温度Tlmを有し、所定期間ごとに前記所定の限界温度Tlmと前記外部検出手段が検出した外部温度との限界温度差ΔTlmを算出し、当該所定期間ごとに前記内部検出手段が検出した内部温度と前記外部温度との温度差ΔTを取得し、前記取得した温度差ΔTと、前記算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第1の時間を計算する計算ステップと、
前記計算ステップの後、以前に取得した温度差ΔTを用いて前記所定期間ごとの温度差の時間変化率を求め、時間変化率が、所定の閾値を超えたかどうかを確認し、時間変化率が所定の閾値を超えていない場合には前記第1の時間を出力し、時間変化率が所定の閾値を超えている場合には、前記所定の閾値を超えている時間変化率と、最後に取得した温度差ΔTと、最後に算出した限界温度差ΔTlmとに基づいて、前記フィルタの交換時期を示す第2の時間を計算して出力する再計算ステップと、
前記再計算ステップにて出力された第1の時間もしくは第2の時間をフィルタの交換時期として通知する通知ステップと、を含む、フィルタの交換時期予測方法。 - 請求項8に記載のフィルタの交換時期予測方法において、
前記通知ステップでは、前記再計算ステップにて時間変化率が所定の閾値を超えていると確認された場合には前記フィルタの交換時期が前記第1の時間から前記第2の時間に変更となった旨を通知する、フィルタの交換時期予測方法。
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