以下に図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態1〜4を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(装置の機能的構成)
まず、実施の形態1にかかる装置(以下「制御装置」と称する)について説明する。図1は、実施の形態1にかかる制御装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、制御装置100は、例えば屋外に設置されて移動端末と無線通信を行う基地局などにも設けられる。制御装置100は、ラック110内に、第1電子デバイス111と、第2電子デバイス112と、フィルタ113と、送風機114と、第1測定部121と、第2測定部122と、第3測定部123と、判断部124と、出力部125と、記憶部126と、制御部127と、周辺温度センサ131と、を有する。
ラック110は、第1電子デバイス111および第2電子デバイス112を収容する。以下において、第1電子デバイス111および第2電子デバイス112については、特に明記しない限り、第1電子デバイス111についてのみ説明するが、第2電子デバイス112についても第1電子デバイス111と同様である。第1電子デバイス111は、例えば、プラグインユニット等のカードに設けられるDSP(Digital Signal Processor)等である。
フィルタ113は、ラック110の吸気位置に設けられる。吸気位置は、ラック110内に空気を取り込む位置である。フィルタ113は、外部からの埃を除去する。送風機114は、ラック110内に空気を取り込む。送風機114は、ラック110内に設けられていてもよいし、ラック110の外部に設けられていてもよい。送風機114は、吸気位置から空気を取り入れて、取り入れた空気を排気位置から排出する。送風機114は、ラック110内に空気を取り込めるものであればよく、吸気側に設けられていてもよいし、排気側に設けられていてもよい。送風機114は、例えばファンやブロアである。
第1電子デバイス111の動作時における発熱作用によって、第1電子デバイス111の表面温度は上昇する。そのため、送風機114による送風により、第1電子デバイス111の表面温度を冷却する。
第1測定部121は、第1電子デバイス111の温度を測定する。第1測定部121は、第1電子デバイス111に内蔵される温度センサによって第1電子デバイス111の温度を測定する。第1電子デバイス111の温度とは、第1電子デバイス111の表面温度や第1電子デバイス111の内部の温度である。以下では、第1電子デバイス111の温度を「表面温度」として説明する。
第2測定部122は、電子デバイスの周辺温度を測定する。第2測定部122は、周辺温度センサ131により、第1電子デバイス111の周辺温度を測定する。周辺温度は、第1電子デバイス111に直接接していない部分の温度であり、第1電子デバイス111の表面温度に影響を与える温度である。周辺温度センサ131の配置位置は、第1電子デバイス111の周辺温度を測定できる位置であればよく、送風機114による風の影響を受ける位置でも受けない位置でもよい。
判断部124は、送風機114によって吸気位置からラック110内に空気が取り込まれている際に第1測定部121および第2測定部122によって測定された各温度を取得する。判断部124は、取得した各温度に基づいて、第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた所定温度を超えたか否かを判断する。所定温度は、周辺温度に応じて異なり、例えば、周辺温度が低い場合には周辺温度が高い場合に比べて低い。例えば所定温度は、夏よりも冬の方が低い。
取得した各温度に基づいてとは、例えば、周辺温度と閾値と第1電子デバイス111の表面温度との比較に基づくことである。例えば、判断部124は、周辺温度と閾値(許容温度)とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部126から第2測定部122によって測定された周辺温度に対応する閾値を取得する。対応情報は、テーブルによって対応付けられたものでもよいし、演算によって得られるものでもよい。
そして、判断部124は、取得した閾値と第1電子デバイス111の表面温度との比較に基づいて、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたか否かを判断する。つまり、第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた所定温度を超えたか否かの判断部124による判断は、第1電子デバイス111の表面温度と、周辺温度に応じた閾値と、の比較による直接的な判断とする。
また、取得した各温度に基づいてとは、例えば、周辺温度に応じた補正値と、所定の閾値と、第1電子デバイス111の表面温度と、を用いた比較に基づくこととしてもよい。例えば、判断部124は、周辺温度に応じた補正値によって表面温度を補正し、補正した値と一定の閾値とを比較することによって、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたか否かを判断してもよい。
また、判断部124は、例えば、一定の閾値と第1電子デバイス111の表面温度との比較結果を周辺温度に応じた補正値によって補正し、補正した値に基づいて、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたか否かを判断してもよい。つまり、第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた所定温度を超えたか否かの判断部124による判断は、周辺温度に応じた補正値と、所定の閾値と、第1電子デバイス111の表面温度と、を用いた間接的な判断としてもよい。
出力部125は、判断部124によって第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたと判断された場合に、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。フィルタ113の異常とは、例えば埃等によるフィルタの目詰まりである。フィルタ113の異常を示す信号は、フィルタが目詰まりしていることを示す信号であればよく、例えば、フィルタの交換、フィルタの清掃、制御装置100の電源をOFFにするなどの動作の抑制、予備装置への切り替え、などを要求する信号である。
ここで、詳細については実施の形態2で後述するが、送風機114の回転数を複数段階にし、送風機114の回転数を変化させてフィルタ113の異常を検出する場合について説明する。
制御部127は、第1電子デバイス111の表面温度に応じて送風機114の風量を制御する。送風機114の風量は、例えば、高速と低速を含む2段階以上の風量である。制御部127は、例えば、第1電子デバイス111の表面温度が高温になると、送風機114の風量を高速にする。
判断部124は、制御部127によって制御される風量の制御状態が所定状態であり且つ第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた所定温度を超えたか否かを判断する。風量の制御状態が所定状態とは、例えば高速の状態である。
出力部125は、判断部124によって制御状態が所定状態であり且つ第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたと判断された場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。具体的には、出力部125は、風量の制御状態が高速の状態であり、且つ、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えている場合に、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。
出力部から出力される信号は、制御装置100が有する不図示のディスプレイ等の通知部へ出力され、通知部からフィルタ113の異常が通知される。また、出力部から出力される信号は、不図示の送信部から、ネットワークまたは専用回線を介して、制御装置100を管理する第2装置としての監視装置230(図2参照)に送信される。
そして、この信号が送信された装置において、ディスプレイ等の通知部から保守者等にフィルタ113の異常が通知される。なお、ネットワークは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)などである。専用回線は、例えば、制御装置100と監視装置230との2つの装置を結ぶ回線である。
一方、出力部125は、判断部124によって制御状態が所定状態であり且つ第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えたと判断されない場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。具体的には、出力部125は、制御状態が高速の状態ではない場合や第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えていない場合に、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。
これにより、制御部127によって制御される風量の制御状態が所定状態にのみフィルタ113の異常を示す信号を出力することができ、フィルタ113の異常を示す信号を出力するか否かの判断条件を揃えることができる。このため、フィルタ113の異常の検出精度を向上させることができる。なお、風量の制御状態の所定状態は、フィルタ113の異常を示す信号を出力するか否かの判断条件を揃えることができればよいため、例えば高速の状態に限らず、低速の状態としてもよい。
また、判断部124は、風量の制御状態が所定状態ではなく且つ第1電子デバイス111の表面温度が第1電子デバイス111の周辺温度に応じた、所定温度(ここでは「第1所定温度」と称する)と同じまたは異なる第2所定温度を超えたか否かを判断する。この判断が肯定の場合、判断部124は、風量の制御状態を所定状態にして、第1電子デバイス111の表面温度が第1所定温度を超えたか否かを判断する。
第2所定温度は、風量を高速にするための閾値である。第2所定温度は、周辺温度に応じて異なり、例えば、周辺温度が低い場合には、周辺温度が高い場合に比べて低い。具体的には、第2所定温度は、第1所定温度と同様に、夏よりも冬の方が低い。第2所定温度は、例えば、第1所定温度と同じか、第1所定温度よりも低い温度である。判断部124は、風量が低速であり、第1電子デバイス111の表面温度が第2所定温度を超えた場合、風量を高速にし、第1電子デバイス111の表面温度が第1所定温度を超えたか否かを判断する。
これにより、例えば、周辺温度が低い場合に、風量の制御状態を所定状態とするための閾値(第2所定温度)を下げることができ、フィルタ113の異常の検出精度を向上させることができる。なお、以下において、特に明記しない限り、所定温度と第1所定温度とは同じものとして説明する。
ここで、詳細については実施の形態3で後述するが、第1電子デバイス111の表面温度の変化量に基づいて、第1電子デバイス111の表面温度の判断時間を変更して、フィルタ113の異常を検出する場合について説明する。
判断部124は、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えた状態の継続時間が、第1電子デバイス111の表面温度の変動量に応じた判断時間以上であるか否かを判断する。変動量とは、例えば、所定時間当たりの温度の増減を示す変化率である。判断時間は、例えば複数回の判断を行う場合、1回の判断を行う時間(後述する超過タイマ閾値)と判断を行う回数(後述する超過カウンタ閾値)とで表すことができる。
判断時間は、所定量の変動量に対応する判断時間(「第1判断時間」と称する)と、所定量よりも小さい変動量に対応し第1判断時間よりも長い判断時間(「第2判断時間」と称する)と、を含む。所定量の変動量とは、例えば、急激な変化を示す変動量である。所定量よりも小さい変動量とは、例えば緩やかな変化を示す変動量である。急激な変化を示す変動量に対応する判断時間は短く、緩やかな変化を示す変動量に対応する判断時間は長い。
出力部125は、判断部124によって、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えた状態の継続時間が判断時間以上であると判断された場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。例えば、急激な変化を示す変動量に対応する判断時間は短いため、上記の継続時間がこの短い判断時間以上になると、フィルタ113の異常を示す信号を出力できる。したがって、急激な変化を示す変動量の場合には、いち早く、フィルタ113の異常を示す信号を出力できる。
また、判断時間を0としてもよく、例えば、急激な変化を示す変動量の場合に、判断時間を0にし、継続時間が判断時間以上であるか否かの判断を行わずに、出力部125が、フィルタ113の異常を示す信号を出力してもよい。これにより、急激な変化を示す変動量の場合には、いち早く、フィルタ113の異常を示す信号を出力できる。
一方、出力部125は、判断部124によって、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えた状態の継続時間が判断時間以上であると判断されない場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。具体的には、判断時間が経過する前に、第1電子デバイス111の表面温度が所定温度を超えなくなった場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。例えば、緩やかな変化を示す変動量に対応する判断時間は長いため、正確な異常検出を行うことができ、フィルタ113の異常の検出精度を向上させることができる。
また、判断部124は、判断時間内の変動量に応じて判断時間を変化させる。例えば、判断時間内の変動量が急激な変化を示す変動量である場合には、判断時間を短くする。判断時間内の変動量が緩やかな変化を示す変動量である場合には、判断時間を長くする。例えば、記憶部126は、変動量と判断時間とを対応付けた対応情報を記憶している。判断部124は、記憶部126から判断時間内の変動量に対応する判断時間を取得し、取得した判断時間に変化させる。
ここで、詳細については実施の形態4で後述するが、第1電子デバイス111および第2電子デバイス112の表面温度の差分と、差分許容値との比較に基づいて、フィルタ113の異常を検出する場合について説明する。
第3測定部123は、第2電子デバイス112の表面温度を測定する。第1電子デバイス111と第2電子デバイス112とは、吸気位置からの距離が相互に異なる。第1電子デバイス111と第2電子デバイス112とは、フィルタ113が目詰まりした場合に、それぞれの配置位置における風量が、フィルタ113が目詰まりしていない場合と比較して異なる。
第2電子デバイス112は、第1電子デバイス111よりも吸気位置の近くに配置される。第1電子デバイス111と第2電子デバイス112とは、吸気位置からの距離が相互に異なるため、フィルタ113が目詰まりすると、フィルタ113が目詰まりしていない場合と比較して、それぞれにおける風量が変わる。そのため、フィルタ113が目詰まりした場合と、目詰まりしていない場合とで、それぞれの表面温度の差分に相違が生じることとなる。
それぞれ表面温度の相違とは、予め定めた差分である。例えば、第1電子デバイス111は、第2電子デバイス112よりも吸気位置から遠くに配置されるため、フィルタ113が目詰まりした場合、第2電子デバイス112よりも風量が小さくなり、すなわち、冷却性能が低下するため、表面温度の相違は大きくなる。
判断部124は、第1測定部121および第3測定部123によって測定されたそれぞれの表面温度の相違が所定値を超えたか否かを判断する。所定値とは、差分許容値であり、各電子デバイス111,112のそれぞれの配置位置や各電子デバイス111,112自体の温度上昇の度合いが異なることから、各電子デバイス111,112の組み合わせ毎に設定される値である。判断部124は、各電子デバイス111,112の表面温度の差分が、各電子デバイス111,112の組み合わせに対応する所定値を超えたか否かを判断する。
出力部125は、判断部124によってそれぞれの表面温度の相違が所定値を超えたと判断された場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。一方、出力部125は、判断部124によって表面温度の相違が所定値を超えたと判断されない場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力しないでもよい。
このように、第1電子デバイス111の周辺温度に応じた許容温度のみならず、第2電子デバイス112との表面温度の相違と所定値との比較結果を用いてフィルタ113の異常を検出する。これにより、フィルタ113の異常の検出のバリエーションを増やすことができ、フィルタ113の異常を検出しやすくすることができる。
また、判断部124は、第1測定部121および第3測定部123によって測定されたそれぞれの表面温度が所定温度を超えておらず且つそれぞれの表面温度の相違が所定値を超えたか否かを判断してもよい。この場合において、出力部125は、判断部124によってそれぞれの表面温度が所定温度を超えておらず且つ表面温度の相違が所定値を超えたと判断された場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。一方、出力部125は、判断部124によってそれぞれの表面温度が所定温度を超えておらず且つ表面温度の相違が所定値を超えたと判断されない場合に、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。
このような構成とすれば、第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた閾値を超えていない場合でも、第2電子デバイス112との表面温度の相違と所定値との比較結果を用いてフィルタ113の異常を検出することができる。
また、判断部124は、第1測定部121および第3測定部123によって測定されたそれぞれの表面温度の相違が所定値を超え且つそれぞれの表面温度の少なくともいずれか一方が所定温度を超えたか否かを判断してもよい。この場合において、出力部125は、判断部124によって表面温度の相違が所定値を超え且つそれぞれの温度の少なくともいずれか一方が所定温度を超えたと判断された場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力する。また、出力部125は、判断部124によって表面温度の相違が所定値を超え且つそれぞれの表面温度の少なくともいずれか一方が所定温度を超えたと判断されない場合、フィルタ113の異常を示す信号を出力しない。
このような構成とすれば、第1電子デバイス111の表面温度が周辺温度に応じた閾値を超え、且つ、第2電子デバイス112との表面温度の相違が所定値を超えた場合に、フィルタ113の異常を検出することができる。したがって、フィルタ113の異常の検出精度を向上させることができる。
(システムの機能的構成の一例)
次に、実施の形態1にかかるシステム(以下「制御システム」と称する)について説明する。図2は、実施の形態1にかかる制御システムの機能的構成の一例を示す説明図である。制御システム200は、基地局制御装置210と、基地局220と、監視装置230と、端末装置240と、を有する。基地局制御装置210は、基地局220に接続され、基地局220を管理する。基地局220は、携帯電話などの端末装置240と無線通信する。また、基地局制御装置210は、監視装置230に接続され、監視装置230に対して例えば通信状況について送信する。監視装置230は、例えばオペレータによって管理され、基地局制御装置210や基地局220を監視する。
基地局220は、制御装置100と、HWY−INF(High WaY−INterFace)受信部221と、ベースバンド信号処理部222と、RF(Radio Frequency)送信部223と、アンテナ224と、アンテナ225と、RF受信部226と、ベースバンド信号処理部227と、HWY−INF送信部228と、スケジューラ部229と、制御カード250と、を有する。
HWY−INF受信部221は、局間伝送路インタフェース部であり、例えば、ATM(Asynchronous Transfer Mode)処理や、伝送路からのクロック抽出などを行い、処理した信号をベースバンド信号処理部222へ出力する。ベースバンド信号処理部222は、例えば、HWY−INF受信部221から入力した信号に対して、誤り訂正符号化、無線フレーム化、データ変調、周波数変換、時間変換、などの処理をし、処理した送信ベースバンド信号をRF送信部223へ出力する。
RF送信部223は、例えば、ベースバンド信号処理部222から入力した送信ベースバンド信号を直交変調により、送信RF信号に変換してアンテナ224へ出力する。アンテナ224は、RF送信部223から入力した信号を無線により送信する。
アンテナ225は、端末装置240から信号を無線により受信し、受信した信号をRF受信部226へ出力する。RF受信部226は、例えば、アンテナ225から入力した受信RF信号をA/D変換し、ベースバンド信号処理部227へ出力する。ベースバンド信号処理部227は、RF受信部226から入力した受信RF信号を、例えば、時間変換、周波数変換、データ復調、信号分離、誤り訂正符号化、などの処理をし、処理した信号をHWY−INF送信部228と、スケジューラ部229と、へ出力する。
HWY−INF送信部228は、局間伝送路インタフェース部であり、ベースバンド信号処理部227から入力した信号を基地局制御装置210へ出力する。スケジューラ部229は、例えば、ベースバンド信号処理部227における誤り訂正符号後の受信誤り検出結果に基づいて、ベースバンド信号処理部222に対して誤りの生じたデータの再送を行う伝送制御や、スケジューリングなどを行う。
また、制御装置100は、制御カード250を有する。制御カード250は、例えば電子部品をプリント基板に実装したプラグインユニットである。制御カード250は、電子デバイス(以下「デバイス」と称する)の表面温度が、周辺温度に応じたデバイスの表面の許容温度を超えた場合に、フィルタの異常を検出する。
(制御装置の構成)
図3は、制御装置の構成の一例を示す説明図である。図3に示すように、制御装置100は、ラック301と、防塵フィルタ302と、ファン部303と、カード304と、周辺温度センサ312と、を有している。ラック301は、吸気側に防塵フィルタ302を設けている。防塵フィルタ302は、吸気時における埃を除去する。図1に示したフィルタ113は、防塵フィルタ302によって実現される。
また、ラック301は、排気側に複数のファン部303を設けている。ファン部303は、送風機能を有し、吸気側から空気を取り入れて、取り入れた空気を排気口から排出する。図1に示した送風機114は、ファン部303によって実現される。
また、ラック301内には、複数のカード304が収容される。各カード304の表面には、DSP等のデバイスが設けられている。デバイスの動作時における発熱作用によって、各カード304の表面温度は上昇する。そのため、ファン部303による送風により、各カード304が冷却される。
カード304には、デバイスの表面温度を測定するデバイス温度センサ311が設けられている。デバイス温度センサ311は、例えばDSPに内蔵されている。周辺温度センサ312は、ラック301内のカード304の周辺温度を測定する。周辺温度センサ312の配置位置は、カード304の周辺温度を測定できる位置であればよく、ファン部303による風の影響を受ける箇所でも受けない箇所でもよい。
例えば、複数のカード304のうちの1つが制御カード250である。制御カード250は、カード304毎のデバイス温度センサ311によって検出されるデバイスの表面温度が、周辺温度センサ312によって検出される周辺温度に応じた許容温度を超えた場合に、防塵フィルタ302に目詰まりがあると判定する。許容温度は、カード304毎(デバイス毎)に設定される温度である。例えば、許容温度は、デバイスの上限温度、風量、周辺温度、ファン部303の回転数などに応じて設定される。また、許容温度は、事前に熱シミュレーションなどによって最大負荷となった際に想定されるデバイスの表面温度に基づいて設定される。
図3において、ファン部303は、排気側に設けられているが、これに限らず、吸気側に設けられる構成としてもよい。また、ファン部303は、複数設けられているが、単一のものでもよい。また、防塵フィルタ302は、単一のものでもよいし、複数の吸気口が設けられている場合には吸気口毎に複数設けられるものでもよい。
(実施の形態1にかかる制御システムの構成)
図4は、実施の形態1にかかる制御システムの構成の一例を示す説明図である。図4において、制御カード250は、温度収集部401と、フィルタ交換判定部402と、デバイス許容温度テーブル403と、を有する。温度収集部401は、複数のカード304のデバイス温度センサ311からデバイスの表面温度の検出結果を収集する。また、温度収集部401は、周辺温度センサ312から、カード304の周辺温度の検出結果を収集する。
温度収集部401は、収集した各温度の検出結果をフィルタ交換判定部402へ出力する。フィルタ交換判定部402は、デバイス温度センサ311によって検出されるカード304毎の表面温度と、デバイス許容温度テーブル403に記憶される許容温度と、を比較して、防塵フィルタ302の交換時期であるか否かを判定する。デバイス許容温度テーブル403は、周辺温度と、各デバイスの許容温度を対応付けたテーブルである(図5参照)。
具体的には、フィルタ交換判定部402は、デバイス温度センサ311によって検出されるカード304毎の表面温度が、周辺温度センサ312によって検出される周辺温度に応じた各許容温度を超えたか否かを判定する。フィルタ交換判定部402は、表面温度が許容温度を超えた場合に、防塵フィルタ302の交換時期であると判定する。
フィルタ交換判定部402は、防塵フィルタ302の交換時期であると判定した場合、例えば基地局制御装置210を含むネットワーク410を介して、監視装置230にフィルタ交換の通知を行わせる。また、フィルタ交換判定部402は、防塵フィルタ302の交換時期であると判定した場合、制御装置100が有する不図示の通知部にフィルタ交換の通知を行わせる。この通知を受けて、保守者は防塵フィルタ302の交換を行う。
図1に示した第1測定部121と、第2測定部122と、第3測定部123とは、温度収集部401によって実現される。判断部124と、出力部125とは、フィルタ交換判定部402によって実現される。
(実施の形態1にかかるデバイス許容温度テーブルの記憶内容の一例)
図5は、実施の形態1にかかるデバイス許容温度テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図5において、デバイス許容温度テーブル403は、周辺温度フィールドと、デバイス毎の許容温度フィールドと、を有する。これらのフィールドに情報を設定することにより、デバイス許容温度テーブル403には、周辺温度と、各デバイスの許容温度と、の組み合わせ毎の温度データ501−1〜501−xが記憶されている。
周辺温度は、カード304(デバイス)の周辺温度である。周辺温度は、冬場の最も寒いときの温度や、夏場の最も暑いときの温度を想定したものであり、例えば、5℃,6℃,…42℃の1℃間隔で表されている。デバイス毎の温度は、各デバイスの表面の許容温度である。例えば、カード304毎にデバイスが一つ対応しているものとする。なお、カード304に複数のデバイスが設けられている場合は、複数のデバイスのうち許容温度が最も低いデバイスについてデバイス許容温度テーブル403を記憶すればよい。
各デバイスの許容温度は、デバイス毎に異なる。例えば、デバイスAの許容温度は、周辺温度が5℃の場合40℃、周辺温度が6℃の場合41℃、周辺温度が42℃の場合73℃、として記憶されている。デバイスBやデバイスZについても、それぞれ、周辺温度毎に対応する許容温度が記憶されている。
(制御カードのハードウェア構成の一例)
図6は、制御カードのハードウェア構成の一例を示す説明図である。制御カード250は、CPU(Central Processing Unit)601と、メモリ602と、インタフェース603と、を有する。CPU601、メモリ602、インタフェース603は、不図示のバスによって接続されている。
CPU601は、制御カード250の全体の制御を司る。メモリ602には、例えばメインメモリおよび補助メモリが含まれる。メインメモリは、例えばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU601のワークエリアとして使用される。補助メモリは、例えば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、制御カード250を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU601によって実行される。
インタフェース603は、例えば、他のカード304から温度の検出結果を入力するためにカード304との間で通信を行うインタフェースである。インタフェース603は、CPU601によって制御される。
図1に示した、第1測定部121と、第2測定部122と、第3測定部123と、判断部124と、出力部125と、制御部127とは、メモリ602に記憶されたプログラムをCPU601に実行させることにより、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、メモリ602に記憶される。また、記憶部126は、メモリ602によって実現される。
また、図4に示した、温度収集部401と、フィルタ交換判定部402とは、メモリ602に記憶されたプログラムをCPU601に実行させることにより、その機能を実現する。また、各機能部の処理結果は、メモリ602に記憶される。また、デバイス許容温度テーブル403は、メモリ602によって実現される。
(実施の形態1にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例)
図7は、実施の形態1にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、制御装置100(制御カード250)は、自身が起動するまで待機する(ステップS701:No)。自身が起動すると(ステップS701:Yes)、制御装置100は、デバイス温度センサ311からカード304(デバイス)の表面温度を取得する周期(例えば数分)の計測を行うに際し、温度取得タイマを開始させる(ステップS702)。
そして、制御装置100は、温度取得タイマが満了したか否かを判定する(ステップS703)。制御装置100は、温度取得タイマが満了するまで待機し(ステップS703:No)、温度取得タイマが満了すると(ステップS703:Yes)、デバイス表面温度および周辺温度の各温度の測定を行う(ステップS704)。次に、制御装置100は、デバイス許容温度テーブル403(図5参照)を参照し、周辺温度を基に各デバイスの許容温度を取得する(ステップS705)。
そして、制御装置100は、各デバイスのそれぞれについて、表面温度と許容温度とを比較し(ステップS706)、デバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS707)。デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS707:Yes)、制御装置100は、ステップS709に移行する。デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合(ステップS707:No)、制御装置100は、ファン部303の交換や清掃を促す旨のフィルタ交換通知を行う(ステップS708)。なお、フィルタ交換通知は、制御装置100が有する通知部から通知されたり、フィルタの異常を示す信号が監視装置230へ送信されることによって監視装置230から通知されたりする。
そして、制御装置100は、自身が終了(シャットダウン)したか否かを判断する(ステップS709)。自身が終了していない場合(ステップS709:No)、制御装置100は、ステップS702に移行する。自身が終了した場合(ステップS709:Yes)、制御装置100は、フィルタ異常検出処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、デバイスの表面温度の異常判定基準を、外気温等のデバイスの周辺温度に応じて調整するため、周辺温度の変動と区別して精度よく防塵フィルタ302の異常を検出することができる。例えば、冬場など周辺温度が低い場合には、デバイスの表面温度も低くなるため、防塵フィルタ302が目詰まりしていたとしても、防塵フィルタ302の目詰まりを検出しにくい傾向にある。
実施の形態1では、周辺温度に応じて許容温度も低くするため、周辺温度が低い環境下でも、防塵フィルタ302の目詰まりを検出することができる。また、監視装置230へフィルタ交換通知を行うことにより、保守者は適切な防塵フィルタ302の交換時期を把握することができる。これにより、保守者は、防塵フィルタ302の交換または清掃を適切に行うことができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、ファン部303の回転数を複数段階にして、ファン部303の回転数を変化させて防塵フィルタ302の異常を検出する場合について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と異なる部分について説明を行う。
(実施の形態2にかかる制御システムの構成)
図8は、実施の形態2にかかる制御システムの構成の一例を示す説明図である。図8において、制御カード250は、ファン制御部800を有する。ファン制御部800は、デバイス温度センサ311によって検出されるカード304毎の表面温度と、デバイス許容温度テーブル801(図9参照)に記憶される許容温度と、の比較結果に基づいて、ファン部303の回転数を変える。デバイス許容温度テーブル801は、実施の形態1におけるデバイス許容温度テーブル403(図5参照)と比較して、各デバイスの許容温度が低い値となっている。
具体的には、ファン制御部800は、デバイス温度センサ311によって検出されるカード304毎の表面温度が、周辺温度センサ312によって検出される周辺温度に応じた各許容温度を超えたか否かを判定する。ファン制御部800は、表面温度が許容温度を超えた場合に、ファン部303の回転数を上げる。回転数は、複数段階であり、ファン制御部800は、表面温度が許容温度以下となるまで、段階的にファン部303の回転数を上げてもよい。
ファン制御部800は、ファン部303の回転数情報をフィルタ交換判定部402へ出力する。フィルタ交換判定部402は、ファン制御部800の制御によってファン部303が最高速度となったにもかかわらず、表面温度が許容温度を超えている場合、防塵フィルタ302の交換時期であると判定し、監視装置230にフィルタ交換の通知を行う。
なお、ファン制御部800は、メモリ602に記憶されたプログラムをCPU601に実行させることにより、その機能を実現する。また、デバイス許容温度テーブル801は、メモリ602によって実現される。また、ファン制御部800は、図1に示した制御部127によって実現される。
(実施の形態2にかかるデバイス許容温度テーブルの記憶内容の一例)
図9は、実施の形態2にかかるデバイス許容温度テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図9に示すデバイス許容温度テーブル801は、実施の形態1におけるデバイス許容温度テーブル403(図5参照)と比較して、各デバイスの許容温度が、例えば全て3℃低い値となっている。これは、例えば、実施の形態2では、表面温度の検出結果に基づいてファン部303の回転数を上げる構成であり、すなわち、実施の形態1に比べて冷却性能が向上しているためである。
例えば、デバイスAの許容温度は、周辺温度が5℃の場合37℃、周辺温度が6℃の場合38℃、周辺温度が42℃の場合70℃、として記憶されている。デバイスBの許容温度は、周辺温度が5℃の場合30℃、周辺温度が6℃の場合31℃、周辺温度が42℃の場合57℃、として記憶されている。デバイスZについても、同様に、周辺温度毎に対応する許容温度が記憶されている。
(実施の形態2にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例)
図10Aは、実施の形態2にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャート(その1)である。図10Bは、実施の形態2にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図10Aおよび図10Bに示すように、制御装置100(制御カード250)は、自身が起動するまで待機する(ステップS1001:No)。自身が起動すると(ステップS1001:Yes)、制御装置100は、デバイス温度センサ311からカード304(デバイス)の表面温度を取得する周期(例えば数分)の計測を行うに際し、温度取得タイマを開始させる(ステップS1002)。
そして、制御装置100は、温度取得タイマが満了したか否かを判定する(ステップS1003)。制御装置100は、温度取得タイマが満了するまで待機し(ステップS1003:No)、温度取得タイマが満了すると(ステップS1003:Yes)、デバイス表面温度および周辺温度の各温度の測定を行う(ステップS1004)。次に、制御装置100は、デバイス許容温度テーブル801(図9参照)を参照し、周辺温度を基に各デバイスの許容温度を取得する(ステップS1005)。
そして、制御装置100は、各デバイスのそれぞれについて、表面温度と許容温度とを比較し(ステップS1006)、デバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS1007)。デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS1007:Yes)、制御装置100は、全デバイスの表面温度が許容温度−5℃以下であるか否かを判定する(ステップS1008)。全デバイスの許容温度−5℃以下とは、防塵フィルタ302に目詰まりのない正常状態であることを示す。
全デバイスの表面温度が許容温度−5℃以下ではない場合(ステップS1008:No)、制御装置100は、ステップS1011に移行する。全デバイスの表面温度が許容温度−5℃以下である場合(ステップS1008:Yes)、制御装置100は、ファン部303の回転数を減速する(ステップS1009)。ステップS1009では、回転数が3段階以上の場合にはファン部303の回転数を1段減速させてもよいし、ファン部303の回転数が高速および低速の2段階である場合には低速運転を保持すればよい。
そして、制御装置100は、自身が終了(シャットダウン)したか否かを判断する(ステップS1010)。自身が終了していない場合(ステップS1010:No)、制御装置100は、全デバイスの超過カウンタをクリアし(ステップS1011)、ステップS1002に移行する。超過カウンタは、詳細については図10Bにおいて説明するが、デバイスの表面温度が許容温度を超えている場合に、許容温度を超えているデバイスを監視する回数(超過した回数)である。自身が終了した場合(ステップS1010:Yes)、制御装置100は、フィルタ異常検出処理を終了する。
ステップS1007において、デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合(ステップS1007:No)、制御装置100は、ファン部303の回転数が最大であるか否かを判定する(ステップS1021)。ファン部303の回転数が最大である場合(ステップS1021:Yes)、制御装置100は、ステップS1029に移行する。ファン部303の回転数が最大ではない場合(ステップS1021:No)、制御装置100は、ファン部303の回転数を上昇させる(ステップS1022)。
さらに、制御装置100は、許容温度を超えたデバイスの監視回数を示す超過カウンタを+1する(ステップS1023)。そして、制御装置100は、許容温度を超えたデバイスのデバイス温度センサ311からデバイスの表面温度を取得する周期(例えば1分)の計測を行うに際し、許容温度超過タイマを開始させる(ステップS1024)。
そして、制御装置100は、許容温度超過タイマが満了したか否かを判定する(ステップS1025)。制御装置100は、許容温度超過タイマが満了するまで待機し(ステップS1025:No)、許容温度超過タイマが満了すると(ステップS1025:Yes)、許容温度を超えたデバイスのデバイス表面温度を測定する(ステップS1026)。
そして、制御装置100は、許容温度を超えたデバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS1027)。デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS1027:Yes)、制御装置100は、ステップS1008に移行する。デバイスの表面温度が許容温度を超えている場合(ステップS1027:No)、制御装置100は、監視回数を示す超過カウンタが「5」であるか否かを判定する(ステップS1028)。
監視回数を示す超過カウンタが「5」ではない場合(ステップS1028:No)、制御装置100は、ステップS1022に移行する。なお、ステップS1022では、ファン部303の回転数が3段階以上の場合にはさらにファン部303の回転数を上昇させてもよいし、ファン部303の回転数が高速および低速の2段階である場合には高速状態を保持させればよい。監視回数を示す超過カウンタが「5」である場合(ステップS1028:Yes)、制御装置100は、フィルタ交換通知を行い(ステップS1029)、ステップS1010に移行する。
上述した処理では、ステップS1007:No→ステップS1021:No→ステップS1022に示したように、デバイスの表面温度が許容温度よりも高い場合に、ファン部303の回転数を上昇させる。これにより、デバイスの表面温度が下がることが期待できる。ところが、ファン部303の回転数を上昇させたとしても、ステップS1027:Noに示したように、デバイスの表面温度が許容温度を超えている場合がある。この場合、防塵フィルタ302が目詰まりしている可能性が考えられるが、1回の判定では、防塵フィルタ302が目詰まりをしていると判定しない。
判定の精度向上のため、ファン部303の回転数を上昇させても、ステップS1028:Yesに示すように、表面温度が許容温度を超えている状態が5回連続した場合に、防塵フィルタ302が目詰まりしているものと判定し、防塵フィルタ302の交換を通知する。また、ファン部303の回転数を上昇させて5回未満の監視で許容温度以下となった場合は、ステップS1011→ステップS1002に示したように、超過カウンタをクリアするとともに、監視を再開する。
また、ファン部303の回転数が高い状態が継続しており、ステップS1008:Yes→ステップS1009に示したように、全デバイスの表面温度が許容温度−5℃以下とると、ファン部303の回転数を減速させて、正常状態を保持することとなる。
以上説明したように、実施の形態2によれば、ファン部303の回転数を最大にして防塵フィルタ302の異常を示す信号を出力することができ、フィルタ交換通知を出力するか否かの判断条件を揃えることができる。このため、防塵フィルタ302の異常の検出精度を向上させることができる。
また、デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合に、ファン部303の回転数を上昇させるが、回転数の上昇後に1回だけの判定では誤検出のおそれがあるが、上述した処理では、回転数を上昇させて複数回の判定を行う。このため、より正確な防塵フィルタ302の交換時期通知を行うことが可能になる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、ファン部303の回転数を変化させるとともに、デバイスの表面温度の温度変化率(変動量)に基づいて、デバイス表面温度の判断時間(監視スパンおよび監視回数)を変更して、防塵フィルタ302の異常を検出する場合について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1,2と異なる部分について説明を行う。
(実施の形態3にかかる制御システムの構成)
図11は、実施の形態3にかかる制御システムの構成の一例を示す説明図である。図11において、制御カード250は、超過閾値テーブル1100を有する。超過閾値テーブル1100は、デバイスの表面温度の温度変化率と、デバイス表面温度の監視スパン(超過タイマ閾値)と、監視回数(超過カウンタ閾値)と、を対応付けたテーブルであり、詳細については、図12を用いて後述する。
フィルタ交換判定部402は、超過閾値テーブル1100を参照して、デバイスの表面温度の温度変化率(上昇率)に応じた、監視スパンおよび監視回数にて対象のデバイスを監視する。監視スパンは、例えば、5〜60秒である。監視回数は、例えば、1〜6回である。
例えば、デバイスの表面温度の温度変化率(温度上昇率)が最も高いときには、対象のデバイスの監視スパンを最も短い5秒にして、監視回数も1回にする。フィルタ交換判定部402は、温度上昇率が高いときほど、監視スパンを短くして、監視回数を少なくすることにより、温度の上昇率が高い緊急時に、早期にフィルタ交換を促すことができるようにしている。
また、ファン制御部800は、ファン部303の回転数が3段階以上の場合、超過閾値テーブル1100を参照し、温度上昇率が高いときほど、回転数を切り替えるための期間を短くする。なお、超過閾値テーブル1100は、図6に示したメモリ602によって実現される。
(超過閾値テーブルの記憶内容の一例)
図12は、超過閾値テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図12において、超過閾値テーブル1100は、温度変化率フィールドと、超過タイマ閾値フィールドと、超過カウンタ閾値フィールドと、を有する。これらのフィールドに情報を設定することにより、超過閾値テーブル1100には、温度変化率と、超過タイマ閾値と、超過カウンタ閾値と、の組み合わせ毎の閾値データ1201−1〜1201−zが記憶されている。
温度変化率は、所定時間当たりのデバイスの表面温度の上昇率であり、上昇する場合はプラスで表すことができ、低下する場合はマイナスで表すことができる。具体的には、温度変化率は、−10℃/min、−5℃/min、0℃/min、5℃/min、10℃/min、などの値である。
超過タイマ閾値は、許容温度を超えたデバイスのデバイス温度センサ311からデバイスの表面温度を取得する周期を示している。超過タイマ閾値は、例えば、5秒、10秒、30秒、60秒、などの値であり、温度変化率が高いときほど、すなわち、温度が上昇するほど、小さい値となる。つまり、温度が上昇するほど、監視スパンを短くして、例えば、ファン部303の回転数が3段階以上の場合には、回転数を切り替えるための期間を短くすることができるようにしている。
超過カウンタ閾値は、デバイスの表面温度が許容温度を超えている場合に、許容温度を超えているデバイスを監視する回数を示している。超過カウンタ閾値は、例えば、0回、1回、5回、などの値であり、温度変化率が高いときほど、すなわち、温度が上昇するほど、小さい値となる。つまり、温度が上昇するほど、監視回数を少なくし、早期にフィルタ交換を促すことができるようにしている。
(実施の形態3にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例)
図13Aは、実施の形態3にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャート(その1)である。図13Bは、実施の形態3にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャート(その2)である。図13Aおよび図13Bに示すように、制御装置100(制御カード250)は、自身が起動するまで待機する(ステップS1301:No)。自身が起動すると(ステップS1301:Yes)、制御装置100は、デバイス温度センサ311からカード304(デバイス)の表面温度を取得する周期(例えば数分)の計測を行うに際し、温度取得タイマを開始させる(ステップS1302)。
そして、制御装置100は、温度取得タイマが満了したか否かを判定する(ステップS1303)。制御装置100は、温度取得タイマが満了するまで待機し(ステップS1303:No)、温度取得タイマが満了すると(ステップS1303:Yes)、前回測定した表面温度を記憶する前置保持メモリを初期化する(ステップS1304)。
そして、制御装置100は、デバイス表面温度および周辺温度の各温度の測定を行う(ステップS1305)。次に、制御装置100は、デバイス許容温度テーブル801(図9参照)を参照し、周辺温度を基に各デバイスの許容温度を取得する(ステップS1306)。
そして、制御装置100は、各デバイスのそれぞれについて、表面温度と許容温度とを比較し(ステップS1307)、デバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS1308)。デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS1308:Yes)、制御装置100は、全デバイスについて、表面温度が許容温度−5℃以下であるか否かを判定する(ステップS1309)。
全デバイスについて、表面温度が許容温度−5℃以下ではない場合(ステップS1309:No)、制御装置100は、ステップS1312へ移行する。全デバイスについて、表面温度が許容温度−5℃以下である場合(ステップS1309:Yes)、制御装置100は、ファン部303の回転数を減速する(ステップS1310)。次に、制御装置100は、自身が終了(シャットダウン)したか否かを判断する(ステップS1311)。
自身が終了していない場合(ステップS1311:No)、制御装置100は、全デバイスの超過カウンタをクリアし(ステップS1312)、ステップS1302に移行する。自身が終了した場合(ステップS1311:Yes)、制御装置100は、フィルタ異常検出処理を終了する。
ステップS1308において、デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合(ステップS1308:No)、制御装置100は、温度変化率の初期値として0℃/minを設定する(ステップS1321)。そして、制御装置100は、ファン部303の回転数が最大であるか否かを判定する(ステップS1322)。ファン部303の回転数が最大である場合(ステップS1322:Yes)、制御装置100は、ステップS1334に移行する。
ファン部303の回転数が最大ではない場合(ステップS1322:No)、制御装置100は、超過閾値テーブル1100を参照し、温度変化率に応じて、超過タイマ閾値および超過カウンタ閾値を更新する(ステップS1323)。ステップS1323において、初期値では、温度変化率の0℃/minに対応する、超過タイマ閾値:30秒と、超過カウンタ閾値:5回と、が設定される(図12の閾値データ1201−3参照)。そして、制御装置100は、ファン部303の回転数を上昇させる(ステップS1324)。
さらに、制御装置100は、許容温度超過タイマを開始させる(ステップS1325)。そして、制御装置100は、許容温度超過タイマが超過タイマ閾値(例えば30秒)に達したか否かを判定する(ステップS1326)。制御装置100は、許容温度超過タイマが超過タイマ閾値に達するまで待機し(ステップS1326:No)、許容温度超過タイマが超過タイマ閾値に達すると(ステップS1326:Yes)、各デバイスのデバイス表面温度を測定する(ステップS1327)。
そして、制御装置100は、温度変化率を算出する(ステップS1328)。温度変化率は、(今回測定したデバイス表面温度−前置保持値)/超過タイマ閾値、により算出される。例えば、(今回測定したデバイス表面温度−前置保持値)を2.5℃、超過タイマ閾値を30秒、とすると、温度変化率は、5℃/minとなる。次に、制御装置100は、今回測定した表面温度を前置保持メモリに記憶し(ステップS1329)、全デバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS1330)。
全デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS1330:Yes)、制御装置100は、ステップS1309に移行する。全デバイスのうち一つでも表面温度が許容温度を超えているものがある場合(ステップS1330:No)、制御装置100は、超過カウンタが超過カウンタ閾値に達したか否かを判定する(ステップS1331)。初期値では、超過カウンタは0である。
超過カウンタが超過カウンタ閾値に達していない場合(ステップS1331:No)、制御装置100は、許容温度を超えたデバイスの超過カウンタを+1して(ステップS1332)、ステップS1323に移行する。超過カウンタが超過カウンタ閾値に達した場合(ステップS1331:Yes)、制御装置100は、ファン部303の回転数を最大に変更し(ステップS1333)、フィルタ交換通知を行い(ステップS1334)、ステップS1311に移行する。
例えば、ステップS1332の後、ステップS1323において、温度変化率が5℃/minとなっていると、ステップS1323では、超過タイマ閾値が10秒に、超過カウンタ閾値が1回に更新される(図12の閾値データ1201−y参照)。この場合、ステップS1324〜S1327に示すように、ファン部303の回転数を上昇させて、10秒後にデバイスの表面温度が測定されることになる。
ファン部303の回転数を上昇させたにもかかわらず、10秒後に、デバイスの表面温度が許容温度以下とならずに、0.84(5/6)℃上昇していたとする(今回測定したデバイス表面温度−前置保持値=0.84)。この場合の温度変化率は5℃/minのままである。なお、防塵フィルタ302に目詰まりしていなければ、ファン部303の回転数の上昇により、デバイスの表面温度が許容温度以下となるはずである。温度変化率は5℃/minのままであると、ステップS1331において、超過カウンタと超過カウンタ閾値とはともに1となるため、ステップS1333において、ファン部303の回転数を最大にして、フィルタ交換通知が行われる。
以上説明したように、実施の形態3によれば、温度変化率が大きい場合は、すなわち、緊急性が高い場合は、ファン部303の回転数を上昇させた後に、超過タイマ閾値を短くし且つ超過カウンタ閾値を小さくした。これにより、いち早くフィルタ交換通知を行うことが可能となる。また、温度変化率が小さい場合は、すなわち、緊急性が低い場合は、ファン部303の回転数を上昇させた後に、超過タイマ閾値を長くした。これにより、防塵フィルタ302の異常の検出精度を向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、複数のカード304のデバイスの表面温度の差分と、差分許容値との比較に基づいて、防塵フィルタ302の異常を検出する場合について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1〜3と異なる部分について説明を行う。
例えば、防塵フィルタ302が目詰まりすると、ラック301内の風通しが悪くなり、ラック301内の位置によって風量の相違が顕著となり、つまり、ラック301内の位置によって冷却性能が異なることとなる。ラック301内に配置される複数のカード304の組み合わせ毎に、基準となる差分許容値を設定しておき、各カード304の表面温度の差分と差分許容値とを比較することにより、風量の相違を検出することができる。実施の形態4では、各カード304のデバイスの表面温度が許容温度以下であったとしても、予め定めた組み合わせの各カード304の風量の相違を考慮することにより、防塵フィルタ302の異常を検出する。
(実施の形態4にかかる制御システムの構成)
図14は、実施の形態4にかかる制御システムの構成の一例を示す説明図である。図14において、制御カード250は、差分許容値テーブル1400を有する。差分許容値テーブル1400は、上段と下段の各カード304のデバイスの表面温度の差分許容値を記憶したテーブルであり、詳細については、図15を用いて後述する。例えば、上段のカード304と下段のカード304とは、それぞれ、吸気位置までの距離が異なる位置に配置されている。
フィルタ交換判定部402は、差分許容値テーブル1400を参照して、上段と下段の各カード304のデバイスの表面温度の差分を算出し、算出した差分が差分許容値を超えた場合に、フィルタ交換を通知する。差分を算出するための比較対象となるカード304は、予め定められた組み合わせである。この組み合わせは、各カード304のデバイス自体の温度上昇の度合いや各カード304の配置や風の抜け方等を考慮して事前の熱シミュレーションによって定められる。また、この組み合わせは、例えば、防塵フィルタ302が目詰まりした場合と目詰まりしていない場合とで、温度の差分がより大きくなるカード304の組み合わせである。
(差分許容値テーブルの記憶内容の一例)
図15は、差分許容値テーブルの記憶内容の一例を示す説明図である。図15において、差分許容値テーブル1400は、ラック301内の異なる位置に配置される異なるカード304同士の、デバイスの表面温度の差分を示している。防塵フィルタ302が目詰まりしていない場合、ラック301内においては、各位置に配置されるカード304には、ファン部303によって所定の風量で送風される。なお、組み合わせとなるデバイスのうち、それぞれデバイス自体の温度上昇の度合いが異なる場合には、防塵フィルタ302が目詰まりしていない場合でも、それぞれのデバイスの表面温度には差異は生じる。
防塵フィルタ302が目詰まりすると、例えば、吸気側の方が排気側に比べて風量が大きくなる傾向にあるため、吸気側(下段)の方が排気側(上段)に比べて冷却性能が高くなる。そのため、各組み合わせの表面温度の差異が、防塵フィルタ302が目詰まりしていない場合の差異とは異なることとなる。この差異の許容温度が、差分許容値テーブル1400に示す差分許容値である。
差分許容値テーブル1400においては、上段に配置される一のカード304の表面温度と、下段に配置される一のカード304の表面温度と、の差分許容値を示している。各組み合わせのカード304の配置される位置によって風の抜け方が異なることや、各カード304のデバイス毎に許容温度やデバイス自体の温度上昇の度合いが異なることなどから、差分許容値は組み合わせ毎に異なる。なお、差分許容値テーブル1400は、図6に示したメモリ602によって実現される。
(実施の形態4にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例)
図16は、実施の形態4にかかる制御装置が行うフィルタ異常検出処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、制御装置100(制御カード250)は、自身が起動するまで待機する(ステップS1601:No)。自身が起動すると(ステップS1601:Yes)、制御装置100は、デバイス温度センサ311からカード304(デバイス)の表面温度を取得する周期(例えば数分)の計測を行うに際し、温度取得タイマを開始させる(ステップS1602)。
そして、制御装置100は、温度取得タイマが満了したか否かを判定する(ステップS1603)。制御装置100は、温度取得タイマが満了するまで待機し(ステップS1603:No)、温度取得タイマが満了すると(ステップS1603:Yes)、デバイス表面温度および周辺温度の各温度の測定を行う(ステップS1604)。次に、制御装置100は、デバイス許容温度テーブル403(図5参照)を参照し、周辺温度を基に各デバイスの許容温度を取得する(ステップS1605)。
そして、制御装置100は、各デバイスのそれぞれについて、表面温度と許容温度とを比較し(ステップS1606)、デバイスの表面温度が許容温度以下であるか否かを判定する(ステップS1607)。デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合(ステップS1607:No)、制御装置100は、ファン部303の交換や清掃を促す旨のフィルタ交換通知を行い(ステップS1608)、ステップS1611に移行する。
デバイスの表面温度が許容温度以下である場合(ステップS1607:Yes)、上段と下段のそれぞれのカード304のデバイスの表面温度を測定する(ステップS1609)。そして、制御装置100は、測定した表面温度について予め定められる組み合わせ毎に差分値を算出し、差分許容値テーブル1400(図15参照)を参照し、それぞれについて、差分値が差分許容値以下であるか否かを判定する(ステップS1610)。
差分値が差分許容値を超えた場合(ステップS1610:No)、制御装置100は、ステップS1608に移行する。差分値が差分許容値以下の場合(ステップS1610:Yes)、制御装置100は、自身が終了(シャットダウン)したか否かを判断する(ステップS1611)。自身が終了していない場合(ステップS1611:No)、制御装置100は、ステップS1602に移行する。自身が終了した場合(ステップS1611:Yes)、制御装置100は、フィルタ異常検出処理を終了する。
上述した処理においては、デバイスの表面温度が許容温度以下の場合に(ステップS1607:Yes)に、差分値が差分許容値以下であるか否かの判定を行うようにしたが(ステップS1610)、これに限らない。例えば、デバイスの表面温度が許容温度を超えた場合に(ステップS1607:No)、差分値が差分許容値以下であるか否かの判定を行ってもよい。
このような構成とすれば、上段と下段のそれぞれのカード304のデバイスの表面温度が周辺温度に応じた閾値を超え、且つ、それぞれについて、差分値が差分許容値を超えた場合に、フィルタ交換通知を行うことができる。したがって、防塵フィルタ302の異常の検出精度を向上させることができる。
また、上述した処理において、実施の形態2と同様に、ファン部303の回転数を複数段階にして、ファン部303の回転数を変化させてもよい。具体的には、差分値が差分許容値を超えた場合に(ステップS1610:No)、ファン部303を高速にし、その後に再び差分値が差分許容値を超えたか否かの判断を行い、差分値が差分許容値を超えた場合にフィルタ交換通知を行ってもよい。これにより、防塵フィルタ302の異常の検出精度を向上させることができる。
以上説明したように、実施の形態4によれば、各カード304のデバイスの表面温度が許容温度以下であったとしても、各組み合わせのデバイスの表面温度の差分が、差分許容値以下の場合には、異常と判断することができる。したがって、ラック301内の風量の相違を考慮して異常を検出することができ、防塵フィルタ302の異常検出のバリエーションを増やし、防塵フィルタ302の異常を検出しやすくすることができる。
例えば、防塵フィルタ302に目詰まりが生じている場合であっても、ファン部303の能力が高い場合には、ファン部303を高速回転させることによって、デバイスの表面温度が許容温度を超えない場合がある。このような場合でも、各カード304のデバイスの表面温度の差分が差分許容値を超えた場合に防塵フィルタ302の異常と判断し、通知することができる。
上述した実施の形態1〜4に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)電子デバイスを収容するラックの吸気位置に設けられるフィルタと、
前記電子デバイスの温度を測定する第1測定部と、
前記電子デバイスの周辺の温度を測定する第2測定部と、
送風機によって前記吸気位置から前記ラック内に空気が取り込まれている際に前記第1測定部および前記第2測定部によって測定された各温度に基づいて、前記電子デバイスの温度が前記周辺の温度に応じた所定温度を超えたか否かを判断する判断部と、
前記判断部によって前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたと判断された場合に、前記フィルタの異常を示す信号を出力する出力部と、
を有することを特徴とする装置。
(付記2)前記周辺の温度と閾値とを対応付けた対応情報を記憶する記憶部を有し、
前記判断部は、前記記憶部に記憶された前記対応情報の中から前記第2測定部によって測定された前記周辺の温度に対応する閾値を取得し、取得した前記閾値と前記電子デバイスの温度との比較に基づいて、前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたか否かを判断することを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記3)前記判断部は、前記周辺の温度に応じた補正値と、所定の閾値と、前記電子デバイスの温度と、を用いた比較に基づいて、前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたか否かを判断することを特徴とする付記1に記載の装置。
(付記4)前記電子デバイスの温度に応じて前記送風機の風量を制御する制御部を有し、
前記判断部は、前記制御部によって制御される前記風量の制御状態が所定状態であり且つ前記電子デバイスの温度が前記周辺の温度に応じた所定温度を超えたか否かを判断し、
前記出力部は、
前記判断部によって前記制御状態が前記所定状態であり且つ前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたと判断された場合、前記信号を出力し、
前記判断部によって前記制御状態が前記所定状態であり且つ前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたと判断されない場合、前記信号を出力しない
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の装置。
(付記5)前記判断部は、前記制御状態が前記所定状態ではなく且つ前記電子デバイスの温度が前記周辺の温度に応じた、前記所定温度(「第1所定温度」と称する)と同じまたは異なる第2所定温度を超えたと判断した場合、前記制御状態を前記所定状態にして、前記電子デバイスの温度が前記第1所定温度を超えたか否かを判断することを特徴とする付記4に記載の装置。
(付記6)前記判断部は、前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えた状態の継続時間が、前記電子デバイスの温度の変動量に応じた判断時間以上であるか否かを判断し、
前記判断時間は、所定量の前記変動量に対応する判断時間(「第1判断時間」と称する)と、前記所定量よりも小さい前記変動量に対応し前記第1判断時間よりも長い判断時間(「第2判断時間」と称する)と、を含み、
前記出力部は、
前記判断部によって、前記継続時間が前記判断時間以上であると判断された場合、前記フィルタの異常を示す信号を出力し、
前記判断部によって、前記継続時間が前記判断時間以上であると判断されない場合、前記フィルタの異常を示す信号を出力しない
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の装置。
(付記7)前記判断部は、前記判断時間内の前記変動量に応じて前記判断時間を変化させることを特徴とする付記6に記載の装置。
(付記8)前記電子デバイス(「第1電子デバイス」と称する)よりも前記吸気位置の近くに配置される第2電子デバイスの電子デバイスの温度を測定する第3測定部を有し、
前記判断部は、前記第1測定部および前記第3測定部によって測定された各温度の相違が所定値を超えたか否かを判断し、
前記出力部は、前記判断部によって前記相違が前記所定値を超えたと判断された場合、前記信号を出力する
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の装置。
(付記9)電子デバイスを収容するラックの吸気位置から送風機によって前記ラック内に空気が取り込まれている際に測定した前記電子デバイスの温度および前記電子デバイスの周辺の温度に基づいて、前記電子デバイスの温度が前記周辺の温度に応じた所定温度を超えたか否かを判断し、前記電子デバイスの温度が前記所定温度を超えたと判断した場合に、前記ラックの吸気位置に設けられるフィルタの異常を示す信号を、ネットワークまたは専用回線を介して送信する第1装置と、
前記第1装置から受信した前記フィルタの異常を示す信号を出力する第2装置と、
を有することを特徴とするシステム。