JP2017117070A - 制御回路および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減することができる制御回路を得る。【解決手段】制御回路を、第1の温度計測手段1と、第2の温度計測手段2と、負荷量算出手段3と、制御手段4を備える構成とする。第1の温度計測手段1は、半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測する。第2の温度計測手段2は、半導体装置の温度である第2の温度を計測する。負荷量算出手段3は、第1の温度の第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、半導体装置の負荷量を算出する。制御手段4は、負荷量が低いほど半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、負荷量算出手段3において算出した負荷量とを基に、半導体装置の動作電圧および動作周波数を設定し、半導体装置を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、特に半導体装置の制御に関するものであり、特に温度に基づいた半導体装置の制御に関するものである。
情報処理装置や通信装置等の電子装置は、高性能化が進み大容量のデータを高速処理することが多くなっている。そのため、情報処理装置や通信装置等に備えられている半導体装置の高クロック化が進んでいる。また、高性能化による半導体装置等の部品数の増加や携帯用途での使用のため、情報処理装置や通信装置等に備えられている半導体装置は、低消費電力で動作することが望ましい。そのため、情報処理装置や通信装置等に備えられている半導体装置は、低消費電力で高速に動作することを要求される。
また、情報処理装置や通信装置等に備えられている半導体装置の数の増大や、情報処理装置や通信装置等の小型化による高密度化のため、半導体装置等の発熱によって情報処理装置や通信装置等の内部や周囲の温度の上昇が生じ得る。そのため、情報処理装置や通信装置等に備えられている半導体装置は、情報処理装置や通信装置等の内部や周囲の温度の影響や半導体装置自体の発熱の影響を抑え、安定して動作することが要求される。
半導体装置を高速に動作させつつ、消費電力を抑制するための方法としては、半導体装置の稼働状態に基づいて動作周波数や動作電圧の設定を可変にする方法が用いられることがある。半導体装置において動作周波数や動作電圧の設定を可変にする方法は、周波数スケーリングおよび電圧スケーリングとも呼ばれる。動作周波数や動作電圧の設定を可変にする方法では、半導体装置の稼働率が高いときには高クロックで動作電圧が高い状態で動作させ、稼働率の低いときに低クロックで動作電圧が低い状態で動作させることで必要な性能の維持と低消費電力化の両立が行われる。そのため、必要な性能の維持を低消費電力かを両立するためには、半導体装置の動作電圧および動作周波数を稼働状態に応じて適切に設定することが重要であり、関連する技術の開発が行われている。そのような、半導体装置の稼働状態に応じて、動作電圧および動作周波数の設定を変更することで低消費電力化を行う技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1は、半導体装置の動作電圧および動作周波数の設定を変更する機能を有する制御回路に関するものである。特許文献1の制御回路は、半導体装置に入力されるクロックを生成するクロック生成回路および半導体装置に電源を供給する電源回路を制御することで半導体装置の動作を制御する。特許文献1の制御回路は、2つの所定の条件のいずれかを満たしたときに半導体装置の動作電圧および動作周波数を変更する制御を行う。
特許文献1の所定の条件の1つは、半導体装置の温度があらかじめ設定されている温度領域を超えたときとして設定されている。特許文献1の制御回路は、半導体装置の温度が設定されている基準温度を超えたときに、動作電圧および動作周波数の設定を変更し、半導体装置の温度を低下させる。特許文献1のもう1つの所定の条件は、半導体装置のアイドリング状態の時間が基準より長いときとして設定されている。特許文献1の制御回路は、半導体装置のアイドリング状態の時間が基準よりも長いことを検知したときに、動作電圧および動作周波数の設定を変更する。特許文献1は、このように半導体装置を制御することで、半導体装置の処理能力の低下を抑制しつつ消費電力を削減することができるとしている。
特表2001−517332号公報
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の制御回路は、半導体装置の温度またはアイドリング状態の時間が基準を超えたときに、半導体装置の動作電圧および動作周波数の設定の変更を行っている。また、特許文献1では、半導体装置の温度を計測しているが、周囲の温度が上昇したときなどには、半導体装置の発熱そのものを適切に計測することができない。そのため、特許文献1の技術では、半導体装置の動作電圧および動作周波数を制御する際の精度が低下する可能性がある。また、特許文献1の制御回路は、温度またはアイドリング状態の時間が基準を超えていないとき、すなわち、通常の動作時においては、動作電圧および動作周波数の設定の変更を行わない。そのため、特許文献1の制御回路では、基準を超えないような通常の動作時において、半導体装置の性能を維持しつつ消費電力を抑制するような制御を稼働状態に応じて行うことはできない。その結果、特許文献1の技術は、周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減する技術としては十分ではない。
本発明は、上記の課題を解決するため、周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減することができる制御回路を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の制御回路は、第1の温度計測手段と、第2の温度計測手段と、負荷量算出手段と、制御手段を備えている。第1の温度計測手段は、半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測する。第2の温度計測手段は、半導体装置の温度である第2の温度を計測する。負荷量算出手段は、第1の温度の第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、半導体装置の負荷量を算出する。制御手段は、負荷量が低いほど半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、負荷量算出手段において算出した負荷量とを基に、半導体装置の動作電圧および動作周波数を設定し、半導体装置を制御する。
本発明の制御方法は、半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測し、半導体装置の温度である第2の温度を計測する。本発明の制御方法は、第1の温度の第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、半導体装置の負荷量を算出する。本発明の制御方法は、負荷量が低いほど半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、算出した負荷量とを基に、半導体装置の動作電圧および動作周波数を設定し、半導体装置を制御する。
本発明によると、周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減することができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の動作フローの概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の動作フローの概要を示す図である。 本発明の第4の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第4の実施形態の動作フローの概要を示す図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の制御回路の構成を示したものである。本実施形態の制御回路は、第1の温度計測手段1と、第2の温度計測手段2と、負荷量算出手段3と、制御手段4を備えている。第1の温度計測手段1は、半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測する。第2の温度計測手段2は、半導体装置の温度である第2の温度を計測する。負荷量算出手段3は、第1の温度の第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、半導体装置の負荷量を算出する。制御手段4は、負荷量が低いほど半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、負荷量算出手段3において算出した負荷量とを基に、半導体装置の動作電圧および動作周波数を設定し、半導体装置を制御する。
本実施形態の制御回路は、周囲の温度である第1の温度と半導体装置の温度である第2の温度を第1の温度計測手段1および第2の温度計測手段2において計測している。また、本実施形態の制御回路は、負荷量算出手段3において第1の温度の第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、半導体装置の負荷量を算出している。そのため、本実施形態の制御回路では、第1の温度である周囲の温度の影響を抑制して、所定の基準を基に半導体装置の負荷量の情報を得ることができる。
また、本実施形態の制御回路は、半導体装置の負荷量と、負荷量が低いほど半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と基に、制御手段4において半導体装置の動作電圧および動作周波数を設定して制御している。このように半導体装置を制御することで、本実施形態の制御装置は、半導体装置の負荷量に応じて適切な動作電圧および動作周波数で半導体装置を制御することができる。その結果、本実施形態の制御回路は、周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の電子装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の電子装置は、演算処理部として備えられている半導体装置によって動作する装置である。本実施形態の電子装置は、例えば、情報処理装置、通信装置、制御装置および映像装置などの半導体装置によって動作する装置である。本実施形態の電子装置は、演算処理部として備えられている半導体装置の動作電圧および動作周波数を、電子装置の周囲の温度および半導体装置の温度を基に算出した半導体装置の負荷量に応じて制御することを特徴とする。
本実施形態の電子装置は、演算処理部11と、システムコントローラ部12と、システムバス13と、入出力コントローラ部14と、クロック生成部15と、電源回路部16と、温度制御部17と、温度検出部18と、周囲温度検出部19を備えている。
本実施形態の電子装置は、入出力コントローラ部14、温度制御部17、温度検出部18および周囲温度検出部19で形成される制御機能を有する回路部分、すなわち、制御回路によってクロック生成部15および電源回路部16を制御する。本実施形態の電子装置は、制御回路によってクロック生成部15および電源回路部16が出力するクロックの周波数および電源の電圧を制御することで、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を制御する。
本実施形態の電子装置の各部位の構成について詳細に説明する。演算処理部11には、半導体装置が用いられる。演算処理部11には、例えば、数値計算、情報処理および機器制御などを行う機能を有する半導体装置が用いられる。本実施形態の演算処理部11は、CPU(Central Processing Unit)が用いられている。演算処理部11には、DSP(Digital Signal Processor)等の他の半導体装置が用いられてもよい。本実施形態の演算処理部11は、動作電圧と動作周波数が可変である。演算処理部11の動作電圧は、電源回路部16から電源信号S12として供給される電源の電圧によって設定される。また、演算処理部11の動作周波数は、クロック生成部15からクロック信号S11として入力されるクロックによって設定される。
システムコントローラ部12は、電子装置の各部位の制御や、演算処理部11と各部位との間のデータ転送等の制御を行う機能を有する。システムコントローラ部12は、システムバス13を介してメモリ素子や記憶装置等と、演算処理部11の間で、プログラムやデータの転送を行う。また、システムコントローラ部12は、演算処理部11の制御を行う。本実施形態のシステムコントローラ部12は、クロック信号S11として入力されるクロックに基づいて動作する。
システムバス13は、メモリ素子や記憶装置等とシステムコントローラ部12および入出力コントローラ部14との間でデータの伝送を行う。
入出力コントローラ部14は、クロック生成部15が出力するクロックの周波数および電源回路部16が出力する電源の電圧を制御する機能を有する。入出力コントローラ部14は、温度制御部17から負荷量データ信号S17として送られてくる演算処理部11の負荷量の情報に基づいて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を判断する。
入出力コントローラ部14は、演算処理部11の負荷量に基づいて電圧スケーリングおよび周波数スケーリングを行う際の、演算処理部11の負荷量と、動作電圧および動作周波数との関係を示す情報をあらかじめ保存している。例えば、入出力コントローラ部14は、CPUの動作電圧および動作周波数の情報を、演算処理部11の負荷量ごとの動作電圧および動作周波数の設定値のデータテーブルとして保存している。演算処理部11の動作電圧および動作周波数は、演算処理部11の負荷量が低いほど、すなわち、演算処理部11の稼働率が低いほど、低い値になるように設定されている。演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定値は、演算処理部11の温度を基に算出される負荷量に応じて複数段階で設定されている。演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定値は、例えば、演算処理部11の温度から算出される負荷量に応じてほぼリニアに減少する傾向になるように設定されている。
入出力コントローラ部14は、演算処理部11の動作周波数を設定すると設定値の情報をクロック制御信号S16としてクロック生成部15に送る。また、入出力コントローラ部14は、演算処理部11の動作電圧を設定すると設定値の情報を電源回路制御信号S18として、電源回路部16に送る。また、本実施形態の入出力コントローラ部14の機能は、第1の実施形態の制御手段4に相当する。
クロック生成部15は、演算処理部11の動作周波数に応じたクロックを生成し、演算処理部11およびシステムコントローラ部12に出力する機能を有する。クロック生成部15は、入出力コントローラ部14からクロック制御信号S16として送られてくる演算処理部11の動作周波数の情報に基づいて、演算処理部11の動作周波数に応じたクロックを生成する。クロック生成部15は、生成したクロックを演算処理部11およびシステムコントローラ部12にクロック信号S11として出力する。
電源回路部16は、演算処理部11の動作電圧に応じた電源を演算処理部11に供給する機能を有する。電源回路部16は、入出力コントローラ部14から電源回路制御信号S18として送られてくる演算処理部11の動作電圧の情報に基づいて、演算処理部11の動作電圧の応じた電圧の電源を演算処理部11に電源信号S12として供給する。
温度制御部17は、演算処理部11の温度と装置の周囲の温度を基に、演算処理部11の負荷量を算出する機能を有する。温度制御部17は、温度検出部18から温度計測信号S13として送られてくる演算処理部11の温度を、周囲温度検出部19から周囲温度データ信号S15として送られてくる電子装置の周囲の温度を基に補正する。温度制御部17は、例えば、演算処理部11の温度の値から電子装置の周囲の温度の値を引くことで、演算処理部11の温度を補正する。温度制御部17は、補正後の演算処理部11の温度を基に、演算処理部11の負荷量を算出する。
温度制御部17は、演算処理部11の負荷量と温度の関係のデータをあらかじめ保存している。例えば、温度制御部17は、補正後の演算処理部11の温度と演算処理部11の負荷量の関係を示すデータをデータテーブルとして保存している。温度制御部17は、演算処理部11の負荷量の情報を、入出力コントローラ部14に負荷量データ信号S17として出力する。また、本実施形態の温度制御部17は、温度計測信号S13および周囲温度データ信号S15の入力部にアナログデジタル変換素子を備えている。温度計測信号S13および周囲温度データ信号S15がデジタル信号として入力される場合には、アナログデジタル変換素子は形成されない。
本実施形態の電子装置では、温度制御部17において演算処理部11の温度から電子装置の周囲の温度を引いた温度を基に、演算処理部11の負荷量の算出を行っている。そのような算出方法に代えて、負荷量の算出は、周囲の温度の影響を抑制する所定の基準に基づくものであれば他の方法で行われてもよい。例えば、周囲の温度に対する演算処理部11の温度の比を基に、負荷量が設定されるようにしてもよい。
周囲の温度に対する演算処理部11の温度の比を基に、負荷量が設定されるようにする場合には、例えば、温度の比に応じた負荷量の情報を示すデータテーブルを用いて温度制御部17が演算処理部11の負荷量を判断するようにしてもよい。また、演算処理部11の温度と負荷量の関係を示すデータテーブルを周囲の温度帯によって複数、設定して、計測された周囲の温度に対応するデータテーブルを基に温度制御部17が演算処理部11の負荷量を判断するようにしてもよい。また、温度の比や周囲の温度帯によって温度制御部17が負荷量を判断する際の基準は、データテーブルではなく、あらかじめ設定された所定の計算式に基づいたものであってもよい。また、温度制御部17は、演算処理部11の温度と周囲の温度に応じた演算処理部11の負荷量がマトリクス状に設定されたデータテーブルを基に、演算処理部11の負荷量を判断するようにしてもよい。また、本実施形態の温度制御部17の機能は、第1の実施形態の負荷量算出手段3に相当する。
温度検出部18は、演算処理部11の温度を計測する機能を有する。温度検出部18は、演算処理部11の温度を計測するための温度センサとして演算処理部11の近傍に備えられている。温度センサは、演算処理部11の半導体装置の回路にサーマルダイオードを用いて形成されていてもよい。温度検出部18が計測した温度データは、温度制御部17に温度計測信号S13として送られる。本実施形態の温度検出部18は、計測した温度データをアナログ信号として温度制御部17に送る。温度検出部18は、計測した温度データをデジタル信号に変換してから温度制御部17に送る構成を備えていてもよい。また、本実施形態の温度検出部18の機能は、第1の実施形態の第2の温度計測手段2に相当する。
周囲温度検出部19は、電子装置の周囲の温度を計測する機能を有する。周囲温度検出部19は、温度センサを備えている。周囲温度検出部19の温度センサは、例えば、電子装置の周囲の温度を計測できるように電子装置の筐体の外部に備えられている。周囲温度検出部19の温度センサは、演算処理部11等からの発熱の影響を直接的に受けない位置に備えられている。周囲温度検出部19の温度センサは、演算処理部11等からの発熱の影響を直接的に受けない位置であれば、電子装置の筐体内に備えられていてもよい。
周囲温度検出部19は、電子装置の周囲の温度データを周囲温度データ信号S15として温度制御部17に送る。本実施形態の周囲温度検出部19は、計測した電子装置の周囲の温度データをアナログ信号として温度制御部17に送る。周囲温度検出部19は、計測した温度データをデジタル信号に変換してから温度制御部17に送る構成を備えていてもよい。また、本実施形態の周囲温度検出部19の機能は、第1の実施形態の第1の温度計測手段1に相当する。
本実施形態の電子装置の動作について説明する。図3は、本実施形態の電子装置が、演算処理部11および電子装置の周囲の温度に基づいて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を設定する際の動作フローを示したものである。
電子装置が動作しているとき、所定のタイミングで周囲温度検出部19は、電子装置の周囲の温度を計測する。(ステップ101)。所定のタイミングは、例えば、電子装置の起動後、または、電子装置の周囲の温度を計測してからあらかじめ設定された所定の時間、経過した後として設定されている。
電子装置の周囲の温度を計測すると、周囲温度検出部19は、計測した温度データを、温度制御部17に周囲温度データ信号S15として送る。温度制御部17は、入力された温度データの信号をデジタル信号に変換する。入力された温度データの信号をデジタル信号に変換すると、温度制御部17は、装置の周囲の温度データを一時保存する。
また、温度検出部18は、演算処理部11の温度を、演算処理部11に備えられた温度センサを介して計測する(ステップ102)。温度検出部18は、演算処理部11の温度センサから温度計測信号S13として入力される温度データを、所定の時間ごとに温度制御部17に温度データ信号S14として送る。所定の時間はあらかじめ設定されている。温度データ信号S14を受け取ると、温度制御部17は、受け取った温度データの信号をデジタル信号に変換する。入力された温度データの信号をデジタル信号に変換すると、温度制御部17は、演算処理部11の温度データを一時保存する。周囲温度検出部19および温度検出部18における温度の計測は連続的に行われていてもよい。連続的に温度の計測が行われている場合には、温度制御部17は、あらかじめ設定された所定の時間ごとの温度データをそれぞれ一時保存する。
電子装置の周囲の温度と演算処理部11の温度データを保存すると、温度制御部17は、電子装置の周囲の温度データを基に演算処理部11の温度データを補正する。本実施形態では、温度制御部17は、演算処理部11の温度の値から電子装置の周囲の温度の値を引くことで演算処理部11の温度データを補正する。温度制御部17は、演算処理部11の温度の補正値を算出すると、算出した演算処理部11の温度データを基に、演算処理部11の負荷量を算出する(ステップ103)。
温度制御部17は、演算処理部11の補正後の温度と、負荷量の関係をあらかじめ保存している。温度制御部17は、演算処理部11の温度の負荷量を算出すると、演算処理部11の負荷量の情報を入出力コントローラ部14に負荷量データ信号S17として送る。
入出力コントローラ部14は、負荷量データ信号S17を受け取ると、演算処理部11の負荷量に基づいた電圧スケーリングおよび周波数スケーリングを行うために、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を設定する(ステップ104)。入出力コントローラ部14は、演算処理部11の負荷量ごとの動作電圧および動作周波数のデータをあらかじめ保存している。
入出力コントローラ部14は、演算処理部11の動作周波数を設定すると、動作周波数の情報をクロック生成部15にクロック制御信号S16として送る。また、入出力コントローラ部14は、演算処理部11の動作電圧を設定すると動作電圧の情報を電源回路部16に電源回路制御信号S18として送る。
クロック生成部15は、入出力コントローラ部14からクロック制御信号S16として演算処理部11の動作周波数の情報を受け取ると、受け取った動作周波数に基づいた周波数のクロックを生成する。クロック生成部15は動作周波数の情報に基づいて生成したクロックを、演算処理部11等にクロック信号S11として出力する(ステップ105)。
また、電源回路部16は、入出力コントローラ部14から動作電圧の情報を電源回路制御信号S18として受け取ると、演算処理部11に電源信号S12として供給する電源の電圧を、受け取った動作電圧に基づいた電圧に設定する。電源回路部16は、設定した電圧で、電源を演算処理部11に電源信号S12として供給する(ステップ106)。演算処理部11は、電源回路部16から電源信号S12として供給される電源の電圧およびクロック生成部15からクロック信号S11として入力されるクロックの周波数に基づいて動作する。ステップ106までの動作が終わると、ステップ101からの動作が繰り返し行われる。以上で、本実施形態の電子装置において、演算処理部11の温度に基づいて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定が行われる際の説明は終了である。
本実施形態の電子装置は、演算処理部11の温度および電子装置の周囲の温度を温度検出部18および周囲温度検出部19で検出し、周囲の温度を基に演算処理部11の温度を補正している。本実施形態の演算処理装置では、演算処理部11の温度を周囲の温度で補正することで、周囲の温度の影響を抑制した演算処理部11の温度データを得ることができる。また、本実施形態の電子装置は、温度制御部17において補正した温度データを基に演算処理部11の負荷量の算出を行っている。本実施形態の電子装置は、補正した温度データを基に負荷量を算出しているので、周囲の温度の影響を受けずに精度よく演算処理部11の負荷量を算出することができる。
本実施形態の電子装置は、温度制御部17で算出した演算処理部11の負荷量を基に、入出力コントローラ部14において演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定を行っている。本実施形態の電子装置では、演算処理部11の負荷量が低いときに、動作電圧および動作周波数が低くなるように設定しているので、演算処理部11の負荷量が低いときに消費電力を抑制することができる。そのため、本実施形態の電子装置では、負荷量が高いときは高速な処理に必要な動作電圧および動作周波数を維持しつつ、負荷量が低いときには動作電圧および動作周波数を下げて消費電力を低減することができる。
また、本実施形態の電子装置では、周囲の温度の影響を抑制しているので、周囲の温度の影響によって演算処理部11で計測される温度が上がり見かけの負荷量が大きくなる状態を抑制することができる。そのため、本実施形態の電子装置では、演算処理部11の負荷量に基づいた最適な動作電圧および動作周波数の設定をより精度よく行うことができる。その結果、本実施形態の電子装置は、周囲の環境によらず半導体装置の性能の低下を抑制しつつ消費電力を低減することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図4は、本実施形態の電子装置の構成の概要を示したものである。本実施形態の電子装置は、第2の実施形態の電子装置が有する機能に加えて、周囲の温度が高いときに演算処理部11に供給される電源を遮断することで動作を制限する機能を有していることを特徴とする。
本実施形態の電子装置は、演算処理部11と、システムコントローラ部12と、システムバス13と、入出力コントローラ部21と、クロック生成部15と、電源回路部22を備えている。また、本実施形態の電子装置は、温度制御部23と、温度検出部18と、周囲温度検出部19と、電源制御部24をさらに備えている。本実施形態の演算処理部11、システムコントローラ部12、システムバス13、クロック生成部15、温度検出部18および周囲温度検出部19の構成と機能は、第2の実施形態の同名称の部位と同様である。
また、本実施形態のクロック信号S11、電源信号S12、温度計測信号S13、温度データ信号S14、周囲温度データ信号S15およびクロック制御信号S16は、第2の実施形態の同名称の信号と同様の機能を有する。
入出力コントローラ部21は、第2の実施形態の入出力コントローラ部14と同様の機能に加え、電子装置の周囲の温度が基準温度以上になっているときに電源を遮断することを示す情報を電源制御部24に送る機能を有する。入出力コントローラ部21は、電子装置の周囲の温度が電源を遮断する際の基準温度以上である情報を、温度制御部23から負荷量データ信号S21として受け取ると、電源制御部24に電源を遮断することを示す情報を電源制御信号S22として送る。電源を遮断する際の基準温度は、電子装置の動作可能な範囲等を定めた仕様等に基づいてあらかじめ設定され、温度制御部23に保存されている。
入出力コントローラ部21は、温度制御部23から負荷量データ信号S21として演算処理部11の負荷量の情報を受け取ったときは、第2の実施形態と同様に演算処理部11の動作周波数と動作電圧の設定を行う。演算処理部11の動作周波数の設定を行うと、入出力コントローラ部21は、クロック生成部15に動作周波数の情報をクロック制御信号S16として送る。また、演算処理部11の動作電圧の設定を行うと、入出力コントローラ部21は、電源制御部24に動作電圧の情報を電源制御信号S22として送る。
電源回路部22は、第2の実施形態と同様の機能に加え、電源制御部24の制御に基づいて演算処理部11への電源の供給を停止する機能を有する。電源回路部22は、電源制御部24から電源を遮断する信号を電源回路制御信号S23として受け取ると、演算処理部11への電源の供給を停止する。電源回路部22は、電源制御部24から電源回路制御信号S23として演算処理部11の動作電圧の情報を受け取ると、第2の実施形態と同様に、動作電圧に対応した電圧の電源を電源信号S12として演算処理部11に供給する。
温度制御部23は、第2の実施形態の温度制御部17と同様の機能に加え、周囲温度検出部19から入力される電子装置の周囲の温度が電源を遮断する基準温度を超えていないかを判断する機能を有する。温度制御部23は、周囲温度検出部19から周囲温度データ信号S15として入力される電子装置の周囲の温度データと電源を遮断する基準温度を比較する。電子装置の周囲の温度データと電源を遮断する基準温度を超えているとき、温度制御部23は、電源を遮断することを示す情報を入出力コントローラ部21に負荷量データ信号S21として送る。温度制御部23は、電源を遮断する基準温度の情報をあらかじめ保存している。
電子装置の周囲の温度データが電源を遮断する基準温度以下のとき、温度制御部23は、第2の実施形態と同様に、演算処理部11の温度を周囲の温度で補正し、補正した温度を基に演算処理部11の負荷量を算出する。温度制御部23は、算出した負荷量の情報を負荷量データ信号S21として入出力コントローラ部21に送る。
電源制御部24は、電子装置の周囲の温度が基準温度以上となったときに、電源回路部22から演算処理部11への電源供給の停止を制御する機能を有する。電源制御部24は、電子装置の周囲の温度が基準温度以上となったときに、電源を遮断することを示す情報を電源制御信号S22として受け取ると、電源回路部22に、演算処理部11への電源の供給を停止することを示す信号を電源回路制御信号S23として送る。電源制御部24は、入出力コントローラ部21から電源制御信号S22として動作電圧の情報を受け取ると、動作電圧の情報を電源回路部22に電源回路制御信号S23として送る。
本実施形態の電子装置の動作について説明する。図5は、本実施形態の電子装置が、演算処理部11および周囲の温度に基づいて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を設定、並びに、電源の遮断等を行う際の動作フローを示したものである。
電子装置が動作を行っているとき、所定タイミングにおいて周囲温度検出部19は、装置の周囲の温度を計測する。(ステップ111)。周囲温度検出部19は、計測した温度データを、温度制御部17に周囲温度データ信号S15として送る。周囲温度データ信号S15として電子装置の周囲の温度データを受け取ると、温度制御部23は、電子装置の周囲の温度データをデジタル信号に変換する。入力された温度データをデジタル信号に変換すると、温度制御部23は、電子装置の周囲の温度データを一時保存する。
装置の周囲の温度データを一時保存すると、温度制御部23は、受け取った電子装置の周囲の温度データを、電源の遮断を判断する際の基準温度と比較する。電源の遮断を判断する際の基準温度を周囲の温度が上回っていたとき(ステップ112でNo)、温度制御部23は、演算処理部11への電源の供給の遮断が必要であると判断する。演算処理部11への電源の供給の遮断が必要であると判断すると、温度制御部23は、入出力コントローラ部21に電源の遮断を示す情報を負荷量データ信号S21として送る。
負荷量データ信号S21として電源の遮断を示す情報を受け取ると、入出力コントローラ部21は、電源制御部24に電源を遮断することを示す情報を電源制御信号S22として送る。電源制御部24は、電源を遮断することを示す情報を電源制御信号S22として受け取ると、電源回路部22に、演算処理部11への電源の供給を停止することを示す信号を電源回路制御信号S23として送り電源をオフ状態に制御する(ステップ118)。電源回路部22は、電源制御部24から電源回路制御信号S23として電源を遮断する信号を受け取ると、演算処理部11への電源の供給を停止する。電源回路部22からの電源の供給が停止されると、演算処理部11は動作を停止する。
本実施形態の電子装置では、電源回路部22が演算処理部11への電源の供給を遮断した際に、温度検出部18、周囲温度検出部19、入出力コントローラ部21、電源制御部24および電源回路部22は、動作可能な状態として待機する。演算処理部11への電源の供給を遮断した後に各部位を動作可能な状態で待機させる際に、各部位への電源の供給を停止しコンデンサの時定数によって動作可能な間、各部位が動作可能な状態で待機するようにしてもよい。
電源回路部22からの電源の供給が停止され演算処理部11が動作を停止すると、電子装置は、所定の時間、待機する(ステップ119)。所定の時間が経過すると、温度制御部23は、周囲温度検出部19から周囲温度データ信号S15として送られてくる周囲の温度データと基準温度を比較する(ステップ120)。温度が低下し、周囲の温度が基準温度以下であった場合(ステップ121でYes)、温度制御部23は、演算処理部11の動作の再開が可能であると判断する。演算処理部11の動作の再開が可能であると判断すると、温度制御部23は、演算処理部11への電源の供給の開始を示す情報を入出力コントローラ部21に負荷量データ信号S21として送る。
負荷量データ信号S21として電源の供給の開始を示す情報を受け取ると、入出力コントローラ部21は、電源の供給を開始することを示す情報を電源制御部24に電源制御信号S22として送る。電源制御部24は、電源の供給を開始することを示す情報を電源制御信号S22として受け取ると、電源回路部22に、演算処理部11への電源の供給を開始することを示す信号を電源回路制御信号S23として送り電源をオン状態に制御する(ステップ122)。電源回路部22は、電源を供給する信号を電源回路制御信号S23として電源制御部24から受け取ると、演算処理部11への電源の供給を開始する。電源回路部22からの電源の供給が開始されると、演算処理部11は動作を開始する。電源回路部22からの電源の供給が開始され演算処理部11が動作を開始すると、ステップ113からの動作が行われる。ステップ113からの動作は、第2の実施形態のステップ101からステップ106の動作と同様に行われる。
ステップ120において周囲の温度データと基準温度を比較した際に、周囲の温度が基準温度よりも高い場合(ステップ121でNo)、ステップ119に戻り、温度制御部23は、所定の時間、待機する。
本実施形態の電子装置は、第2の実施形態と同様の効果を有している。また、本実施形態の電子装置は、周囲の温度が基準温度以上であるときに、温度制御部23が電源の遮断を判断し、入出力コントローラ部21等が電源回路部16から演算処理部11への電源の供給の遮断を制御している。そのため、本実施形態の電子装置では、周囲の温度が上がりすぎた際に動作を停止し、動作の不具合の発生を抑制することができる。また、本実施形態の電子装置は、演算処理部11の動作を停止した後に、周囲の温度の計測を継続し、基準温度以下になったときに演算処理部11の動作を開始している。そのため、本実施形態の電子装置は、周囲の温度が上昇後に低下した際などに、自動で復旧して動作を停止している時間を抑制することができる。その結果、本実施形態の電子装置は、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を適切に設定することで消費電力を抑制しつつ、周囲の温度が高温なときの動作の不具合の発生を避けることができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図6は、本実施形態の電子装置の構成の概要を示したものである。第3の実施形態の電子装置は、周囲の温度が基準以上であったときに演算処理部への電源の供給を停止している機能を有している。本実施形態の電子装置は、電源の供給の再開の判断を、動作履歴、すなわち、ヒステリシスを基に行うことを特徴とする。動作履歴を基に電源の供給の再開を判断することで、本実施形態の電子装置では、電源のオンとオフが頻繁に繰りかえされる状態を避けることができる。
本実施形態の電子装置は、演算処理部11と、システムコントローラ部12と、システムバス13と、入出力コントローラ部31と、クロック生成部15と、電源回路部32を備えている。また、本実施形態の電子装置は、温度制御部33と、温度検出部18と、周囲温度検出部19と、電源制御部34と、ヒステリシス管理部35をさらに備えている。本実施形態の演算処理部11、システムコントローラ部12、システムバス13、クロック生成部15、温度検出部18および周囲温度検出部19の構成と機能は、第2および第3の実施形態の同名称の部位と同様である。また、本実施形態の入出力コントローラ部31、電源回路部32および電源制御部34の構成と機能は、第3の実施形態の同名称の部位と同様である。
また、本実施形態のクロック信号S11、電源信号S12、温度計測信号S13、温度データ信号S14、周囲温度データ信号S15およびクロック制御信号S16は、第2の実施形態の同名称の信号と同様の機能を有する。また、本実施形態の電源制御信号S32および電源回路制御信号S33は、第3の実施形態の同名称の信号と同様の機能を有する。
温度制御部33は、第3の実施形態の温度制御部23と同様の機能に加え、電源の遮断と供給の開始をそれぞれ異なる基準温度を基に判断する機能を有する。温度制御部33は、電源の遮断または供給の開始を判断する際に、ヒステリシス管理部35の基準温度のデータを参照する。演算処理部11が動作しているとき、温度制御部33は、ヒステリシス管理部35に保存されている電源の遮断を判断する際の基準温度のデータを参照し、周囲の温度と比較する。周囲の温度がヒステリシス管理部35に保存されている電源の遮断を判断する際の基準温度よりも高いとき、温度制御部33は、電源を遮断する情報を入出力コントローラ部31に負荷量データ信号S31として送る。周囲の温度がヒステリシス管理部35に保存されている電源の遮断を判断する際の基準温度以下のとき、温度制御部33は、演算処理部11の負荷量を算出し、算出した負荷量の情報を入出力コントローラ部31に負荷量データ信号S31として送る。
また、演算処理部11が動作を停止しているとき、温度制御部33は、ヒステリシス管理部35に保存されている電源の供給を開始する際の基準温度のデータを参照し、周囲の温度と比較する。周囲の温度がヒステリシス管理部35に保存されている電源の遮断を判断する際の基準温度以下のとき、温度制御部33は、電源の供給を再開する情報を入出力コントローラ部31に負荷量データ信号S31として送る。
ヒステリシス管理部35は、演算処理部11への電源の遮断と供給の開始を判断する基準温度の情報を記憶する機能を有する。ヒステリシス管理部35は、演算処理部11への電源の遮断と供給の開始を判断する基準温度の情報を保存している。電源の供給を開始する基準温度、すなわち、動作を再開する復旧温度は、電源を遮断する際の基準温度よりも低く設定される。温度が高い状態で電源の供給を再開することで、動作の再開後に短時間で基準温度を超え、演算処理部11の動作の停止と開始が繰り返されることを防ぐためである。ヒステリシス管理部35に保存されている基準温度は、例えば、演算処理部11が動作中のとき、電源の供給を遮断する基準温度を75度、演算処理部11が停止中のとき、電源の供給を開始する基準温度を65度として設定される。
ヒステリシス管理部35は、電源の供給を開始する際の基準温度を複数段階で保存していてもよい。例えば、所定の時間内に電源の遮断と供給の開始が繰り返された回数によって基準温度が変更されるようにしてもよい。所定の時間内に電源の遮断と供給の開始が繰り返された回数によって基準温度が変更される場合には、電源の遮断と供給の開始が繰り返された回数が多いほど、電源の供給を開始する基準温度が低くなるように設定される。電源の遮断と供給の開始が繰り返された回数が多いほど、電源の供給を開始する基準温度が低くすることで、電源の供給を開始した後に、短時間で基準温度を超える状態を抑制することができる。
本実施形態の電子装置の動作について説明する。図7は、本実施形態の電子装置が、演算処理部11および周囲の温度に基づいて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定、並びに、電源の遮断等を行う際の動作フローを示したものである。
電子装置が動作を行っているとき、所定タイミングにおいて周囲温度検出部19は、電子装置の周囲の温度を計測する。(ステップ131)。周囲温度検出部19は、計測した温度データを、所定の時間ごとに温度制御部17に周囲温度データ信号S15として送る。に周囲温度データ信号S15として装置の周囲の温度データを受け取ると、温度制御部23は、受け取った温度データをデジタル信号に変換する。入力された温度データをデジタル信号に変換すると、温度制御部33は、電子装置の周囲の温度データを一時保存する。
電子装置の周囲の温度データを一時保存すると、温度制御部33は、ヒステリシス管理部35を参照し、電源の遮断を判断する際の基準温度のデータを抽出する。電源の遮断を判断する際の基準温度のデータを抽出すると、温度制御部33は、受け取った電子装置の周囲の温度データを、電源の遮断を判断する際の基準温度と比較する。電源の遮断を判断する際の基準温度を周囲の温度が上回っていたとき(ステップ132でNo)、温度制御部33は、演算処理部11への電源の供給の遮断が必要であると判断する。演算処理部11への電源の供給の遮断が必要であると判断すると、温度制御部33は、入出力コントローラ部31に電源の遮断を示す情報を負荷量データ信号S31として送る。
負荷量データ信号S31として電源の遮断を示す情報を受け取ると、入出力コントローラ部31は、電源制御部34に電源を遮断することを示す情報を電源制御信号S32として送る。電源制御部34は、電源制御信号S32として電源を遮断することを示す情報を受け取ると、電源回路部32に、演算処理部11への電源の供給を停止することを示す信号を電源回路制御信号S33として送り電源をオフ状態に制御する(ステップ138)。電源回路部32は、電源を遮断する信号を電源回路制御信号S33として受け取ると、演算処理部11への電源の供給を停止する。電源回路部32からの電源の供給が停止されると、演算処理部11は動作を停止する。
電源回路部32からの電源の供給が停止され演算処理部11が動作を停止すると、電子装置は、所定の時間、待機する(ステップ139)。所定の時間が経過すると、温度制御部33は、ヒステリシス管理部35を参照し、電源の供給の開始を判断する際の基準温度のデータを抽出する。電源の供給の開始を判断する際の基準温度のデータを抽出すると、温度制御部33は、周囲温度検出部19から送られてくる周囲の温度データと基準温度を比較する(ステップ140)。温度が低下し、周囲の温度が基準温度以下であった場合(ステップ141でYes)、温度制御部33は、演算処理部11の動作の再開が可能であると判断する。演算処理部11の動作の再開が可能であると判断すると、温度制御部33は、演算処理部11への電源の供給の開始を示す情報を入出力コントローラ部31に負荷量データ信号S31として送る。
負荷量データ信号S31として電源の供給の開始を示す情報を受け取ると、入出力コントローラ部31は、電源の供給を開始することを示す情報を電源制御部34に電源制御信号S32として送る。電源制御部34は、電源制御信号S32として電源の供給を開始することを示す情報を受け取ると、電源回路部32に、演算処理部11への電源の供給を開始することを示す信号を電源回路制御信号S33として送り電源をオン状態に制御する(ステップ132)。電源回路部32は、電源回路制御信号S33として電源を供給する信号を電源制御部34から受け取ると、演算処理部11への電源の供給を開始する。電源回路部32からの電源の供給が開始されると、演算処理部11は動作を開始する。電源回路部32からの電源の供給が開始され演算処理部11が動作を開始すると、ステップ133からの動作が行われる。ステップ133からの動作は、第2の実施形態のステップ101からステップ106の動作と同様に行われる。
ステップ140において周囲の温度データと基準温度を比較した際に、周囲の温度が基準温度よりも高い場合(ステップ141でNo)、ステップ139に戻り、温度制御部33は、所定の時間、待機する。
本実施形態の電子装置は、第3の実施形態の電子装置と同様の効果を有する。また、本実施形態の電子装置は、温度制御部33で、演算処理部11への電源の遮断および動作の開始を判断する際に、異なる基準温度を基に判断を行っている。本実施形態の電子装置では、演算処理部11の動作を開始する基準温度を、電源を遮断する温度よりも低く設定することで、より温度が下がった状態で動作を開始し電源のオンとオフが繰り返される状態を抑制している。そのため、本実施形態の電子装置は、演算処理部11の動作電圧および動作周波数を適切に設定することで消費電力を抑制しつつ、高温になった際に動作を停止した際にも、安定した状態で再度、稼働することができる。
第4の実施形態の電子装置は、演算処理部11への電源の供給の遮断と開始を判断する際にヒステリシスを考慮し、異なる基準温度で判断を行っている。そのような構成に加えて、演算処理部11の動作電圧および動作周波数の設定においてもヒステリシスに応じた基準が設定されていてもよい。そのような構成とした場合には、例えば、入出力コントローラ部31は、負荷量が上昇している場合と、負荷量が低下している場合とで異なるデータに基づいて動作電圧および動作周波数の設定を行う。異なるデータに基づいて設定を行う場合には、入出力コントローラ部31は、負荷量と動作電圧および動作周波数の関係を示すデータを、負荷量が上昇時用と、負荷量の低下時用のデータテーブルとしてあらかじめ保存している。また、連続的に稼働をしている場合と、動作の停止後に再開した場合において、異なるデータに基づいて入出力コントローラ部31が演算処理部11の動作電圧および動作周波数を設定するようにしてもよい。そのような構成とすることで、電子装置の頻繁な停止を避けつつ、適切な動作電圧および動作周波数で演算処理部11を動作させることができる。
第2乃至第4の実施形態において、電子装置は演算処理部11を1つ備えていたが、演算処理部を、複数、備えていてもよい。演算処理部を、複数、備える場合には、個々の演算処理部ごとに負荷量に基づいて動作電圧および動作周波数の制御を行ってもよく、複数の演算処理部の負荷量の平均値に基づいて動作電圧および動作周波数の制御を行ってもよい。
1 第1の温度計測手段
2 第2の温度計測手段
3 負荷量算出手段
4 制御手段
11 演算処理部
12 システムコントローラ部
13 システムバス
14 入出力コントローラ部
15 クロック生成部
16 電源回路部
17 温度制御部
18 温度検出部
19 周囲温度検出部
21 入出力コントローラ部
22 電源回路部
23 温度制御部
24 電源制御部
31 入出力コントローラ部
32 電源回路部
33 温度制御部
34 電源制御部
35 ヒステリシス管理部
S11 クロック信号
S12 電源信号
S13 温度計測信号
S14 温度データ信号
S15 周囲温度データ信号
S16 クロック制御信号
S17 負荷量データ信号
S18 電源回路制御信号
S21 負荷量データ信号
S22 電源制御信号
S23 電源回路制御信号
S31 負荷量データ信号
S32 電源制御信号
S33 電源回路制御信号

Claims (10)

  1. 半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測する第1の温度計測手段と、
    前記半導体装置の温度である第2の温度を計測する第2の温度計測手段と、
    前記第1の温度の前記第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、前記半導体装置の負荷量を算出する負荷量算出手段と、
    前記負荷量が低いほど前記半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、前記負荷量算出手段において算出した前記負荷量とを基に、前記半導体装置の前記動作電圧および前記動作周波数を設定し、前記半導体装置を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする制御回路。
  2. 前記半導体装置にクロックを出力するクロック生成手段と、
    前記半導体装置に電源を供給する電源供給手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、前記クロック生成手段が出力する前記クロックの周波数および前記電源供給手段が出力する前記電源の電圧を制御することで、前記半導体装置の前記動作電圧および前記動作周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御回路。
  3. 前記制御手段は、前記第1の温度が第1の基準温度以上であったときに、前記半導体装置が動作を停止するように前記半導体装置を制御することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の制御回路。
  4. 前記制御手段は、前記半導体装置が動作を停止した後に、前記第1の温度が前記第1の基準温度よりも低く設定されている第2の基準温度以下となったときに、前記半導体装置が動作を開始するように前記半導体装置を制御することを特徴とする請求項3に記載の制御回路。
  5. 前記第2の基準温度は、前記制御手段による前記半導体装置の所定の制御履歴に基づいて選択される複数段階の基準として設定されていることを特徴とする請求項4に記載の制御回路。
  6. 前記制御手段は、前記負荷量の変化傾向よって異なる基準データに基づいて前記半導体装置の前記動作電圧および前記動作周波数を設定することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の制御回路。
  7. 半導体装置と、
    請求項1から6いずれかに記載の制御回路と、を備え、
    前記制御回路の前記第2の温度計測手段は、前記半導体装置の温度を計測し、前記制御手段は、前記半導体装置の制御を行うことを特徴とする電子装置。
  8. 半導体装置が備えられている装置の周囲の温度である第1の温度を計測し、
    前記半導体装置の温度である第2の温度を計測し、
    前記第1の温度の前記第2の温度への影響を抑制するように設定された所定の基準を基に、前記半導体装置の負荷量を算出し、
    前記負荷量が低いほど前記半導体装置の動作電圧および動作周波数が低くなるように設定された所定の基準と、算出した前記負荷量とを基に、前記負荷量を基に前記半導体装置の前記動作電圧および前記動作周波数を設定し、前記半導体装置を制御することを特徴とする制御方法。
  9. 前記第1の温度が第1の基準温度以上であったときに、前記半導体装置が動作を停止するように前記半導体装置を制御することを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記半導体装置が動作を停止した後に、前記第1の温度が前記第1の基準温度よりも低く設定されている第2の基準温度以下となったときに、前記半導体装置が動作を開始するように前記半導体装置を制御することを特徴とする請求項9に記載の制御方法。
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