JPWO2012020785A1 - 肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬 - Google Patents

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Abstract

肝細胞がんの予防及び/又は治療に有用な医薬を提供すること。非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせてなる、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬。

Description

本発明は、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬に関する。
2009年の日本における悪性新生物による死亡数は34万4千人で死因の1位を占め、そのうち肝細胞がんによる死者は3万人を超えている。その数は年々増えており、ここ20年間で約3倍に増加している。
日本国で発生する肝細胞がんの主な原因としては、90%以上はB型肝炎ウイルス(HBV:以下、本明細書において「HBV」と記載する場合がある。)又はC型肝炎ウイルス(HCV:以下、本明細書において「HCV」と記載する場合がある。)の持続感染(慢性肝炎)によるものといわれており、ウイルス性肝炎は肝細胞がんの発生に関与する疾患として極めて重要である。また、非アルコール性脂肪性肝炎(Non−alcoholic steatohepatitis:以下、本明細書において、「NASH」と記載することがある。)は、肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎であり、脂肪肝に対する酸化ストレス、インスリン抵抗性、炎症性サイトカインなどによって、脂肪肝からの移行や病態の悪化がもたらされる。近年、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の増加により、NASHの発症とそれに続く肝組織の線維化、肝硬変、肝細胞がんへと移行する患者が増加することが懸念されており、NASHはウイルス性肝炎とともに、肝細胞がんの発生に関与する疾患として重要である。
肝細胞がんの治療としては、肝切除術や肝移植などの外科的治療法、経皮的エタノール注入療法、ラジオ波熱凝固療法又は経皮的マイクロ波凝固療法などの内科的局所療法、経カテーテル動脈塞栓術又は肝動注リザーバー療法などのカテーテル療法、或いは分子標的薬などの化学療法などが挙げられる。しかし、これらの療法を行ないうる現在でさえ、肝細胞がんの再発の頻度は高く、診断から2年以内に28.8%に肝内再発(二次発がん)が認められ(非特許文献1)、再発を繰り返して最終的に多くの患者を死に至らしめている。そのため、肝細胞がんの早期発見、早期治療と共に、今後の重要な課題として慢性肝炎からの肝発がんの抑制並びに肝細胞がん治療後の再発の抑制が挙げられ、治療後の残存肝に対して積極的に再発を抑制する治療を行うことが極めて重要であると考えられる。しかしながら、肝細胞がんの再発抑制に対する治療法としては、いまだ確立されたものはない。
肝細胞がんに対する化学療法に用いる医薬としては、分子標的薬であるソラフェニブ(商品名ネクサバール(登録商標))が用いられている。本剤は切除不能な肝細胞がんの全身化学療法としてのみ用いられるうえ、さまざまな重大な副作用をもたらすことが報告されている。さらに、本剤の肝細胞がんに対する外科的治療又は内科的局所療法後の補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていないのが現状であり、肝細胞がんの外科的治療又は内科的局所療法後に用いることができる、有効かつ安全な薬剤が強く望まれていた。
(2E,4E,6E,10E)−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−2,4,6,10,14−ペンタエン酸(以下、本明細書において、「ペレチノイン」と記載する場合がある。)は、臨床において、本化合物の一年間の長期投与により肝細胞がん根治治療後の再発を有意に抑制したことから、肝細胞がん再発抑制作用を有することが確認されている。また、肝機能障害及び他のレチノイドに見られる副作用は殆ど認められず、安全な薬剤である(非特許文献2)。
一方、分岐鎖アミノ酸は、慢性肝障害時における脳症の改善や、食事摂取量が十分であるにもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善などに用いられている。また、イソロイシン、ロイシン、バリンの3種の分岐鎖アミノ酸を含む薬剤が、HCVに起因する肝硬変患者において肝細胞がんの発生や進展の抑制作用を有することが報告されている。しかし、この報告の対象は25歳から75歳の男性患者に限られ、女性患者および、対象年齢以外の男性患者への効果に関しては記載がない。また、これらの薬剤が、肝細胞がんの根治治療後の再発抑制に有効であるとの記載はなく、示唆もされていない(特許文献1)。さらに、当該分岐鎖アミノ酸を含む薬剤が、肝細胞がん根治治療後の再発抑制に対しては累積がん再発率及び生存率のいずれの観点からも効果が無い旨の報告もあり(非特許文献3)、肝細胞がん治療後の再発抑制が、肝細胞がんの発生や進展抑制と比較して極めて難しいものであることが示唆されている。
WO2006/006729号パンフレット
第18回原発性肝癌追跡調査報告、日本肝癌研究会(2009) N.Eng.J.Med.334(24),1561−1567(1996) Br.J.Surg.84,1525−1531(1997)
本発明の課題は、肝細胞がんの予防及び/又は治療に有用な医薬を提供することにある。
本発明者らは前記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ペレチノインなどの非環式レチノイドと分岐鎖アミノ酸とを併用することにより顕著な肝細胞がん治療後の再発抑制効果が奏され、非環式レチノイドと分岐鎖アミノ酸の組み合わせが肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明により、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせてなる肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬が提供される。
すなわち、本発明は、以下に示す発明に関する。
[1] 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせてなる、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬。
[2] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[1]に記載の医薬。
[3] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[1]又は[2]に記載の医薬。
[4] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の医薬。
[5] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[1]〜[4]のいずれか1項記載の医薬。
[6] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[5]に記載の医薬。
[7] 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を共に含有する単一製剤(配合剤)の形態である前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の医薬。
[8] 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤の組み合わせを含むキット製剤の形態である前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の医薬。
[9] 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬。
[10] 下記(1)及び(2);
(1)非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
(2)前記医薬を、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
を含むキットの形態である、前記[9]に記載の医薬。
[11] 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬。
[12] 下記(1)及び(2);
(1)分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
(2)前記医薬を、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
を含むキットの形態である、前記[11]に記載の医薬。
[13] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[9]〜[12]のいずれか1項記載の医薬。
[14] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[9]〜[13]のいずれか1項記載の医薬。
[15] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[9]〜[14]のいずれか1項記載の医薬。
[16] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[9]〜[15]のいずれか1項記載の医薬。
[17] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[16]に記載の医薬。
[18] 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の有効量と、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の有効量とを、必要とする患者に同時に又は時間を変えて別々に投与する工程を含む、肝細胞がんの予防及び/又は治療方法。
[19] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[18]に記載の方法。
[20] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[18]又は[19]に記載の方法。
[21] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[18]〜[20]のいずれか1項記載の方法。
[22] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[18]〜[21]のいずれか1項記載の方法。
[23] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[22]に記載の方法。
[24] 肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせの使用。
[25] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[24]に記載の使用。
[26] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[24]又は[25]に記載の使用。
[27] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[24]〜[26]のいずれか1項記載の使用。
[28] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[24]〜[27]のいずれか1項記載の使用。
[29] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[28]に記載の使用。
[30] 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[31] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[30]に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[32] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[30]又は[31]に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[33] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[30]〜[32]のいずれか1項記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[34] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[30]〜[33]のいずれか1項記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[35] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[34]に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[36] 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[37] 非環式レチノイドがペレチノインである前記[36]に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[38] 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、前記[36]又は[37]に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[39] 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、前記[36]〜[38]のいずれか1項記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[40] 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである前記[36]〜[39]のいずれか1項記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[41] 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである前記[40]に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
本発明によれば、優れた肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬が提供できる。特に、本発明の医薬は、顕著な肝細胞がん治療後の再発抑制作用を有しており、予後の悪い肝細胞がんの再発率を低下させることができるという優れた効果を有する。
累積無再発率に対する併用効果を示す図である。横軸は試験開始後経過日数(日)を表し、縦軸は累積無再発率(%)を表す。
本明細書における用語の定義は以下の通りである。本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、特に断らない限り、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解される意味で解釈すべきである。
本発明は、一つの態様として、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせてなる、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬(以下、当該態様の医薬を「本発明の組み合わせ医薬」と称することがある。)を提供するものである。すなわち、本発明の組み合わせ医薬は、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬であって、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を、同時に又は時間を変えて投与することができる。
レチノイドとはビタミンA(レチノール)とその類縁化合物であり、生体内では形態形成、細胞の分化及び増殖制御などの作用を有している。レチノイドは構造的特徴により環式レチノイド及び非環式レチノイドに分類される(レチノイド・カルテノイド、14−20(1997)、南山堂)。環式レチノイドとしては、前記レチノールの他、レチナール、オールトランスレチノイン酸(トレチノイン)、9−シスレチノイン酸(アリトレチノイン)、13−シスレチノイン酸(イソトレチノイン)等が挙げられる。また、広義には、ビタミンAとは全く類似しない化学構造を持つ化合物でも、レチノイン酸受容体と結合親和性を示す合成化合物を含めてレチノイドと称する。
本発明において「非環式レチノイド」としては、前記した広義のレチノイドのうち分子内に環構造を有しないものを意味する。当該非環式レチノイドとしては具体的には例えば、ゲラニルゲラノイン酸、ペレチノイン、2,3−ジヒドロゲラニルゲラノイン酸、4,5‐ジデヒドロ−10,11−ジヒドロゲラニルゲラノイン酸、4,5,8,9−テトラデヒドロゲラニルゲラノイン酸、4,5−ジデヒドロ−10,11,14,15−テトラヒドロゲラニルゲラノイン酸、14,15−ジヒドロゲラニルゲラノイン酸、メトプレン酸、ハイドロプレン酸、フィタン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。なお、非環式レチノイドの一つであるゲラニルゲラノイン酸は薬草中に含まれる成分で膜脂質のセラミドレベルを増加させること、並びに肝臓癌細胞のアポトーシスを引き起こすことから癌の予防治療薬として期待できることが報告されている(J. Lipid Res.,45 1092−1103(2004))。
本発明においては非環式レチノイドの塩を用いてもよい。当該塩としては例えば、非環式レチノイドを塩基性化合物として扱う場合は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等)や有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との酸付加塩等が挙げられる。非環式レチノイドを酸性化合物として扱う場合には、無機塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)や有機塩(例えば、ピリジニウム塩、ピコリニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等)が挙げられる。
また、本発明においては非環式レチノイド又はその塩の溶媒和物を用いてもよい。当該溶媒和物を形成する溶媒としては、水のほか、生理学的に許容される有機溶媒、例えばエタノール、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、複数種の非環式レチノイドを組み合わせて使用する場合においては、各種レチノイドの塩や溶媒和物の種類は同一でも異なっていてもよい。
なお、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、特に前記した化合物はいずれも公知の化合物であり、公知の方法により製造できる。例えば、ペレチノインは特開昭56−140949号公報に記載の方法により製造することができる。また、本発明においては、市販の非環式レチノイドを用いてもよい。
本発明において「非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」としては、ペレチノイン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物が好ましく、ペレチノインが特に好ましい。
本発明において「分岐鎖アミノ酸」としては、例えばイソロイシン、ロイシン、バリン等の側鎖に分岐した炭素鎖を有するα−アミノ酸が挙げられ、本発明においてはこれらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、分岐鎖アミノ酸はD体、L体及びそれらの混合物のいずれであってもよいが、本発明においてはL体が好ましい。
本発明においては分岐鎖アミノ酸の塩を用いてもよい。当該塩としては例えば、分岐鎖アミノ酸を塩基性化合物として扱う場合は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等)や有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等)との酸付加塩等が挙げられる。分岐鎖アミノ酸を酸性化合物として扱う場合には、無機塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、バリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)や有機塩(例えば、ピリジニウム塩、ピコリニウム塩、トリエチルアンモニウム塩等)との塩基付加塩が挙げられる。
また、本発明においては分岐鎖アミノ酸又はその塩の溶媒和物を用いてもよい。当該溶媒和物を形成する溶媒としては、水のほか、生理学的に許容される有機溶媒、例えばエタノール、アセトン、酢酸エチル、ヘキサンなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、複数種の分岐鎖アミノ酸を組み合わせて使用する場合においては、各種分岐鎖アミノ酸の塩や溶媒和物の種類は同一でも異なっていてもよい。
なお、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は公知であり、公知の方法により製造できるほか、市販の分岐鎖アミノ酸を用いてもよい。
本発明において「分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」としては、イソロイシン、ロイシン及びバリンから選ばれる1種以上の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含むものが好ましく、イソロイシン、ロイシン及びバリンの3種の分岐鎖アミノ酸若しくはそれらの塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせを含むものがより好ましく、イソロイシン、ロイシン及びバリンの3種の分岐鎖アミノ酸の組み合わせを含むものが特に好ましい。イソロイシン、ロイシン及びバリンの3種の分岐鎖アミノ酸若しくはそれらの塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせを含む場合において、その組み合わせ比率は特に限定されないが、イソロイシンのフリー体、ロイシンのフリー体及びバリンのフリー体の質量比で1:0.5〜3:0.4〜2が好ましく、1:1〜2:0.8〜1.4がさらに好ましい。
本発明における「分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」としての好ましい態様における、イソロイシン、ロイシン及びバリンの3種の分岐鎖アミノ酸の組み合わせとしては、質量比としてイソロイシンのフリー体952質量部、ロイシンのフリー体1904質量部及びバリンのフリー体1144質量部の組み合わせが好ましく、当該質量比に係るイソロイシンのフリー体、ロイシンのフリー体及びバリンのフリー体を全て含有する単一の組成物の態様が特に好ましい。当該組成物は、公知の方法で、経口投与製剤として、また、非経口投与製剤として、製造することができる。
当該組成物としては、イソロイシン952mg、ロイシン1904mg及びバリン1144mgを含有する組成物が特に好ましく、1日あたり当該組成物を3回服用することが好ましい。当該組成物は、公知の方法で製造できるのみならず、市販品(例えば、イソロイシン952mg、ロイシン1904mg及びバリン1144mgを1包あたりに含有する日医工株式会社製のアミノバクト(登録商標)配合顆粒、マイラン製薬株式会社製のアミノマイラン配合顆粒、株式会社陽進堂製のコベニール(登録商標)配合顆粒、日本製薬株式会社製のブラニュート(登録商標)顆粒、東亜薬品株式会社製のヘパアクト(登録商標)配合顆粒、沢井製薬株式会社製のリックル(登録商標)配合顆粒、味の素製薬株式会社製のリーバクト(登録商標)配合顆粒、メディサ新薬株式会社製のリバレバン(登録商標)配合顆粒、長生堂製薬株式会社製のレオバクトン(登録商標)配合顆粒分包等)も用いることができる。前記の市販品は、1日3回、1回1包を服用することが好ましい。
本発明における非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせ比率は特に限定されず、所望の肝細胞がんの予防及び/又は治療効果が達成されるように適宜選択することができるが、非環式レチノイドがペレチノインであり、分岐鎖アミノ酸がイソロイシン、ロイシン、バリンの3種の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせを含むものである場合には、ペレチノインのフリー体1質量部に対し、イソロイシンのフリー体、ロイシンのフリー体及びバリンのフリー体を合計で1〜5000質量部の範囲であることが好ましく、5〜200質量部の範囲であることが更に好ましく、10〜100質量部であることが特に好ましい。
本発明において「肝細胞がんの予防及び/又は治療」とは、肝細胞がんの発生の予防、肝細胞がんの進展の抑制、肝細胞がんの治療、及び肝細胞がん治療後の再発の抑制を包含する概念である。本発明の医薬は、肝細胞がん治療後の再発の抑制、特に肝細胞がん根治後の再発の抑制の医薬として好適に使用できる。ここで、「肝細胞がん治療後の再発の抑制」における肝細胞がんの治療方法としては、例えば、肝切除術、全肝移植又は部分移植等の外科的治療法;経皮的エタノール注入療法(PEIT)、経皮的マイクロ波凝固療法(PMCT)、ラジオ波熱凝固療法(RFA)等の経皮的局所療法;肝動脈化学療法(TAI);ゼラチンスポンジ、多孔性ゼラチン粒、エンボスフェア(Embosephere;トリスアクリル・ゼラチン球状粒子)、superabsorbent polymer microspheres(SAP−MS)、HepaSphere、Embozene(特殊フッ素コーティングアクリル系ハイドロゲル)、ポリビニルアルコール等の塞栓物質を用いて動脈内を塞栓する肝動脈塞栓療法(TAE);エピルビシン塩酸塩、シスプラチン、ドキソルビシン塩酸塩、マイトマイシンC等の抗癌剤を用いたリピオドリゼーション後に前述の塞栓物質を用いて行う、又は薬剤(抗癌剤)溶出性ビーズ(drug−eluting beads;DEB)を用いて行う、肝動脈化学塞栓療法(TACE);グリチルリチン酸、小柴胡湯、インターフェロン、ペグインターフェロン、リバビリン、5−フルオロウラシル、シスプラチン、オキサリプラチン、ドキソルビシン塩酸塩、エピルビシン塩酸塩、ミトキサントロン塩酸塩、エトポシド、イリノテカン塩酸塩、ゲムシタビン塩酸塩、ドセタキセル水和物、ソラフェニブトシル酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ピタバスタチンカルシウム等の薬物療法等が挙げられる。
本発明の医薬は、前記肝細胞がんの予防・治療方法の前後や同時に投与することができる。ここで、肝細胞がん治療の方法は特に限定されず、前記の方法を施すことができ、又2種以上を組み合わせて施し得る。本発明においては、外科的治療法又は内科的局所療法が好ましい。
また、本発明における肝細胞がんの背景は特に限定されず、例えば、慢性肝炎あるいは肝硬変(ウイルス性、アルコール性、脂肪肝、非アルコール性)が挙げられ、本発明は、好適には肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がん、より好適には肝炎ウイルスに起因する肝細胞がん(好ましくは肝炎ウイルス陽性肝細胞がん)、さらに好適にはB型肝炎ウイルス及びC型肝炎ウイルスから選ばれる1種以上のウイルスに起因する肝細胞がん(好ましくはB型肝炎ウイルス及びC型肝炎ウイルスから選ばれる1種以上のウイルスに陽性の肝細胞がん)、特に好適にはC型肝炎ウイルスに起因する肝細胞がん(好ましくはC型肝炎ウイルス陽性肝細胞がん)に適用し得る。後記実施例に具体的に開示されているとおり、本発明の医薬はC型肝炎ウイルス等の肝炎ウイルスに起因する肝細胞がん治療後の患者に対して優れた再発抑制作用を奏し、予後が改善されることが明らかとなった。従って、本発明の医薬は、C型肝炎ウイルス等の肝炎ウイルスに起因する肝細胞がん治療後の再発の抑制のための医薬として特に好適に使用できる。
また、本発明の医薬は、肝細胞がん治療後の再発を抑制することができるので、再発肝がんの再治療における再度の侵襲を回避でき、本発明の医薬は肝細胞がん治療後の再発の抑制のための医薬として好適に使用できる。
本発明の医薬においては、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物に加えて、さらに「非分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物」を組み合わせて投与してもよい。
本発明において「非分岐鎖アミノ酸」としては、例えば、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン等の前記「分岐鎖アミノ酸」以外のアミノ酸が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせることができる。中でも、グリシン、アラニン、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン及びプロリンが、本発明における非分岐鎖アミノ酸として好ましい。非分岐鎖アミノ酸はD体、L体及びそれらの混合物のいずれであってもよいが、L体が好ましい。
本発明においては非分岐鎖アミノ酸の塩を用いてもよく、当該塩としては、分岐鎖アミノ酸と同様の塩を用いることできる。また、非分岐鎖アミノ酸又はその塩の溶媒和物を用いてもよく、これらは分岐鎖アミノ酸と同様のものを用いることができる。
複数種の非分岐鎖アミノ酸を組み合わせて使用する場合においては、各種非分岐鎖アミノ酸の塩や溶媒和物の種類は同一でも異なっていてもよい。なお、非分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物は公知であり、公知の方法により製造できるほか、市販の非分岐鎖アミノ酸を用いてもよい。
本発明において、さらに非分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせて投与する場合においては、少なくとも分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び非分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する組成物を使用してもよい。
当該組成物としては、具体的には例えば、以下の(i)〜(iii)等が挙げられる。
(i)イソロイシン0.9質量部、ロイシン1.1質量部、バリン0.84質量部のほかに、トレオニン0.45質量部、セリン0.5質量部、プロリン0.8質量部、システイン塩酸塩水和物0.04質量部(システインとして0.03質量部)、グリシン0.9質量部、アラニン0.75質量部、メチオニン0.1質量部、フェニルアラニン0.1質量部、トリプトファン0.07質量部、リシン塩酸塩0.76質量部(リシンとして0.61質量部)、塩酸ヒスチジン0.32質量部(ヒスチジンとして0.24質量部)及びアルギニン塩酸塩0.73質量部(アルギニンとして0.6質量部)を含有する組成物。
当該組成物は、公知の方法で、経口投与製剤として、また、非経口投与製剤として製造することができるが、市販品を用いることもできる。
本発明において好ましくは、イソロイシン0.9w/v%、ロイシン1.1w/v%、バリン0.84w/v%のほかに、トレオニン0.45w/v%、セリン0.5w/v%、プロリン0.8w/v%、システイン塩酸塩水和物0.04w/v%(システインとして0.03w/v%)、グリシン0.9w/v%、アラニン0.75w/v%、メチオニン0.1w/v%、フェニルアラニン0.1w/v%、トリプトファン0.07w/v%、リシン塩酸塩0.76w/v%(リシンとして0.61w/v%)、塩酸ヒスチジン0.32w/v%(ヒスチジンとして0.24w/v%)、アルギニン塩酸塩0.73w/v%(アルギニンとして0.6w/v%)といった非分岐鎖アミノ酸をも含有する非経口投与用組成物(非経口投与製剤)が挙げられ、株式会社大塚製薬工場製のアミノレバン(登録商標)点滴静注、テルモ株式会社製のテルフィス(登録商標)点滴静注、光製薬株式会社製のヒカリレバン(登録商標)注、味の素製薬株式会社製のモリヘパミン(登録商標)点滴静注等の注射剤の市販品を用いることもできる。前記アミノレバンは、1回500〜1000mlを点滴静注することが好ましく、テルフィスは、1回500〜1000mlを点滴静注することが好ましく、ヒカリレバンは、1回500〜1000mlを点滴静注することが好ましい。また、モリヘパミンは、1回500mlを点滴静注することが好ましい。
(ii)イソロイシン1.9225質量部、ロイシン2.037質量部、バリン1.602質量部のほかに、リシン塩酸塩0.2425質量部、トレオニン0.133質量部、アルギニン塩酸塩0.302質量部、塩酸ヒスチジン0.1875質量部及びトリプトファン0.0735質量部を含有する組成物。
当該組成物は、公知の方法で、経口投与製剤として、また、非経口投与製剤として、製造することもできるが、イソロイシン1.9225g、ロイシン2.037g、バリン1.602gのほかに、リシン塩酸塩0.2425g、トレオニン0.133g、アルギニン塩酸塩0.302g、塩酸ヒスチジン0.1875g及びトリプトファン0.0735gを、1包(50g)あたりに含有する大塚製薬株式会社製のアミノレバン(登録商標)EN配合散等の市販品も用いることができる。アミノレバンEN配合散を用いる場合は、1日3回、1回1包を服用することが好ましい。
(iii)イソロイシン1730質量部、ロイシン2122質量部、バリン1615質量部のほかに、リシン塩酸塩974質量部、メチオニン117質量部、フェニルアラニン117質量部、トレオニン436質量部、トリプトファン56質量部、ヒスチジン306質量部、アルギニン1647質量部、アルギニン塩酸塩108質量部、アラニン978質量部、グリシン430質量部、プロリン522質量部、セリン257質量部を含有する加非BCAA含有組成物。
当該組成物は、公知の方法で、経口投与製剤として、また、非経口投与製剤として、製造することもできるが、イソロイシン1730mg、ロイシン2122mg、バリン1615mgのほかに、リシン塩酸塩974mg、メチオニン117mg、フェニルアラニン117mg、トレオニン436mg、トリプトファン56mg、ヒスチジン306mg、アルギニン1647mg、アルギニン塩酸塩108mg、アラニン978mg、グリシン430mg、プロリン522mg、セリン257mgを、1包(80g)あたりに含有する味の素製薬株式会社製のヘパンED(登録商標)配合内用剤等の市販品も用いることができる。ヘパンED配合内用剤を用いる場合は、1日2回、1回1包を服用することが好ましい。
分岐アミノ酸を含有する組成物としては、上記のほか、例えば、HOSPIRA社製Aminosyn、BAXTER HEALTHCARE社製Branchamin、BAXTER HEALTHCARE社製Hepatasol、HOSPIRA社製Novamine、BAXTER HEALTHCARE社製Prosol、BAXTER HEALTHCARE社製Travasolなどを用いることもできるが、これらに限定されるものではない。
本発明の組み合わせ医薬の形態は特に限定されず、具体的には例えば、以下の(I)、(II)の形態が挙げられる。
(I)非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の両成分を共に含有する単一製剤(配合剤)の形態。
(II)非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤を別々に投与するための形態。
なお、当該(II)に係る形態の場合においては、各製剤を同時に投与するか、又は適宜の時間間隔をあけて別々に投与してもよく、所望の肝細胞がんの予防及び/又は治療効果が達成されるように、適切な投与計画を採用することが可能である。非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤を別々に投与するための形態においては、両製剤を単一包装中に含む組み合わせのキット製剤として提供することもできる。
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口投与又は非経口投与のいずれであってもよい。前記(II)に係る形態においては、一方を経口投与製剤とし、他方を非経口投与製剤とすることもできる。経口投与製剤としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等が挙げられる。非経口投与製剤としては、例えば、注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、皮膚外用剤、点眼剤、点鼻剤等が挙げられる。これらの投与形態のうち、好ましい投与形態は経口投与製剤であり、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等が特に好ましい。
経口投与製剤、非経口投与製剤は、公知の製剤添加物を用いて、例えば、第15改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に基づいて製造することができる。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、患者の年齢、体重、症状、投与形態、投与回数等の種々の条件に応じて適宜投与量を増減することができるが、非環式レチノイドがペレチノインであり、分岐鎖アミノ酸がイソロイシン、ロイシン、バリンの組み合わせを含むものである場合には、例えば成人に対して、ペレチノインをフリー体として一日あたり10mg〜10g、好ましくは100mg〜5g、さらに好ましくは300mg〜1g、特に好ましくは500mg〜900mg投与することが好ましく、分岐鎖アミノ酸を、イソロイシンのフリー体、ロイシンのフリー体及びバリンのフリー体の総質量として、一日あたり1g〜50g、好ましくは5g〜35g、さらに好ましくは10g〜30g投与することが好ましい。前記の投与量を1日1回投与してもよく、又は複数回に分けて投与することもできる。
また、本発明は、別の態様として、肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を提供するものである。当該態様の医薬は、成分として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有するものであり、肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と同時に又は時間を変えて投与されるものである。当該態様の医薬の具体的態様としては、例えば、肝細胞がんの予防及び/又は治療のためのキットであって、下記(1)及び(2);
(1)非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
(2)前記医薬を、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
を含むキットが挙げられる。当該指示書としては、具体的には、効能・効果や用法・用量などに関する説明事項を記載したいわゆる能書(添付文書)などが挙げられる。
なお、当該態様における各文言の意義、各成分の使用量、製剤化のための事項等は前記と同様である。
さらに、本発明は、別の態様として、肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬を提供するものである。当該態様の医薬は、成分として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有するものであり、肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と同時に又は時間を変えて投与されるものである。当該態様の医薬の具体的態様としては、例えば、肝細胞がんの予防及び/又は治療のためのキットであって、下記(1)及び(2);
(1)分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
(2)前記医薬を、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
を含むキットが挙げられる。当該指示書としては、具体的には、効能・効果や用法・用量などに関する説明事項を記載したいわゆる能書(添付文書)などが挙げられる。
なお、当該態様における各文言の意義、各成分の使用量、製剤化のための事項等は前記と同様である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
実施例1
[使用薬物]
非環式レチノイドとしては公知の方法で製造したペレチノインを、分岐鎖アミノ酸としてはイソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含む市販の製剤を用いた。
[方法]
HCV陽性、初発または初回再発の肝細胞がんに対して根治治療(外科的治療法又は内科的局所療法)が施され、Child−PughグレードがA又はBであり、投与前の背景に統計学的有意差がなかった被験者46名(年齢は49歳〜80歳)に対し、分岐鎖アミノ酸を含有する製剤としてアミノレバン(登録商標)EN配合散、若しくはリーバクト(登録商標)配合顆粒の所定の用量(前者は1日150g(当該1日量中、L−イソロイシンを5.7675g、L−ロイシンを6.111g、L−バリンを4.806g含有)、後者は1日12.45g(当該1日量中、L−イソロイシンを2.856g、L−ロイシンを5.712g、L−バリンを3.432g含有))を試験期間中投与するとともに、被験者を以下の群に分け、非環式レチノイドであるペレチノインを前記分岐鎖アミノ酸と併用して投与した。
1:ペレチノイン600mg(1日投与量、以下同じ)併用群:18名(男性11名・女性7名)
2:ペレチノイン300mg併用群:15名(男性9名・女性6名)
3:分岐鎖アミノ酸単独投与群:13名(男性8名・女性5名)
なお、ペレチノインは1日投与量を2回に分けて試験開始後96週間の間毎日、食後経口投与した。
根治確認ならびに肝細胞がんの再発確認は、試験開始後12週ごとにダイナミック−CTを実施することによって判定し、その累積無再発率に対する併用効果をログランク検定により評価した。
結果を図1に示す。また、50%無再発期間(50%の被験者が肝細胞がんを再発するまでの期間)及び75%無再発期間(25%の被験者が肝細胞がんを再発するまでの期間)を表1に示す。
Figure 2012020785
図1に示す結果より、ペレチノイン600mg併用群、ペレチノイン300mg併用群で累積無再発率の顕著な改善が認められ、特に600mg併用群では分岐鎖アミノ酸単独投与群と比較して有意に改善が認められた(P=0.020,ログランク検定)。
また、表1に示すとおり、75%無再発期間を分岐鎖アミノ酸単独投与群と比べると、600mg併用群では517日、300mg併用群で227日延長された。50%無再発期間の比較においては、ペレチノインと分岐鎖アミノ酸との併用は、分岐鎖アミノ酸単独投与群と比べ、倍以上の期間の延長が認められた。
したがって、ペレチノインと分岐鎖アミノ酸との併用は,肝細胞がんの再発率を低下させることが明らかとなった。特に、ペレチノイン600mgと分岐鎖アミノ酸を併用すると、分岐鎖アミノ酸を単独で投与した場合と比べて、有意に累積無再発率を改善することが明らかとなった。
以上の試験結果より、非環式レチノイドと分岐鎖アミノ酸とを併用することにより、顕著な肝細胞がん治療後の再発抑制作用が奏されることが明らかとなった。従って、非環式レチノイドと分岐鎖アミノ酸との組み合わせが、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬として有用であることが明らかとなった。
本発明の医薬は、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬として利用可能であることから、産業上の利用可能性を有している。

Claims (41)

  1. 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を組み合わせてなる、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬。
  2. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項1に記載の医薬。
  3. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬。
  5. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬。
  6. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項5に記載の医薬。
  7. 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を共に含有する単一製剤(配合剤)の形態である請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬。
  8. 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する製剤の組み合わせを含むキット製剤の形態である請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬。
  9. 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬。
  10. 下記(1)及び(2);
    (1)非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
    (2)前記医薬を、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
    を含むキットの形態である、請求項9に記載の医薬。
  11. 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬。
  12. 下記(1)及び(2);
    (1)分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬;
    (2)前記医薬を、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与することを指示する指示書;
    を含むキットの形態である、請求項11に記載の医薬。
  13. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項9〜12のいずれか1項記載の医薬。
  14. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項9〜13のいずれか1項記載の医薬。
  15. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項9〜14のいずれか1項記載の医薬。
  16. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項9〜15のいずれか1項記載の医薬。
  17. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項16に記載の医薬。
  18. 非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の有効量と、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の有効量とを、必要とする患者に同時に又は時間を変えて別々に投与する工程を含む、肝細胞がんの予防及び/又は治療方法。
  19. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項18に記載の方法。
  20. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項18〜20のいずれか1項記載の方法。
  22. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項18〜21のいずれか1項記載の方法。
  23. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項22に記載の方法。
  24. 肝細胞がんの予防及び/又は治療のための医薬の製造のための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物、及び分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の組み合わせの使用。
  25. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項24に記載の使用。
  26. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項24又は25に記載の使用。
  27. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項24〜26のいずれか1項記載の使用。
  28. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項24〜27のいずれか1項記載の使用。
  29. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項28に記載の使用。
  30. 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  31. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項30に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  32. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項30又は31に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  33. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項30〜32のいずれか1項記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  34. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項30〜33のいずれか1項記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  35. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項34に記載の非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  36. 肝細胞がんの予防及び/又は治療を目的として非環式レチノイド若しくはその塩又はそれらの溶媒和物と組み合わせて投与するための、分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  37. 非環式レチノイドがペレチノインである請求項36に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  38. 分岐鎖アミノ酸が、イソロイシン、ロイシン及びバリンの組み合わせを含むものである、請求項36又は37に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  39. 肝細胞がんの予防及び/又は治療が、肝細胞がん治療後の再発の抑制である、請求項36〜38のいずれか1項記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  40. 肝細胞がんが肝炎ウイルス又は非アルコール性脂肪性肝炎に起因する肝細胞がんである請求項36〜39のいずれか1項記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
  41. 肝炎ウイルスがC型肝炎ウイルス又はB型肝炎ウイルスである請求項40に記載の分岐鎖アミノ酸若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
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