JP2019504040A - 中等度〜重度のインフルエンザの処置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状(すなわち、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛)に苦しむ患者、例えば人間の処置を用途とし、かつ上記用途が、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物を吸入によって患者に投与することを含む、化合物、つまりアセチルサリチル酸(ASA)もしくは薬学的に許容されるその塩または、ASAもしくは薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、中等度〜重度のインフルエンザの処置に使用するための吸入用組成物に関する。
インフルエンザは、「インフル」と呼ばれることもあるが、オルトミクソウイルス科からのRNAウイルスの類、つまりインフルエンザウイルスA、BおよびCによって引き起こされる、強い伝染性を有する急性の呼吸器のウイルス感染症である。最初の2つの型は、毎年の疾患の流行および汎流行の勃発の原因である。C型は、流行を引き起こさずA型およびB型のような公衆の健康への重度の影響がない、より軽い感染の原因となる。インフルエンザは、典型的には、明確な倦怠感(不調感)、疲労、咳(大抵は空咳)、頭痛、筋肉痛および関節痛ならびに、ほとんどの場合での発熱に加え、喉の痛みおよび/または鼻水として容易に気付く呼吸器粘膜の炎症が、突然開始することを特徴とする。
軽い形態の―すなわち、急性ではあるが合併症のない―インフルエンザは、通常は数日間だけ続き、患者の入院を必要とせず(いわば外来患者の病気)、大抵の人々が彼ら自身でインフルエンザの発作から回復する程に自己限定的であることが多い。しかしながら、ほとんどまたは全ての症候においてより高いレベルの強度を特徴とし、ウイルス性肺炎または二次的細菌感染などの、時として致命的となる合併症を引き起こし得る、より重度の形態も存在する。入院および死亡を含めて、感染による重度のインフルエンザおよび合併症は、老人、幼児、根本的な病状(肺および心臓の疾患、真性糖尿病ならびに免疫抑制を含む)を抱えた人に起こり得るが、生来健康であった人にも起こり得る。入院治療を必要としかつ/またはその疾患のために死亡する人々の数は年々増え続けている。WHOの報告によればこれらの毎年の流行は世界的に約3百万〜5百万件の重症例および250000〜500000件の死亡例を招く。さらに、欧州においてインフルエンザは、病気による欠勤のおおよそ10%の原因である。また、数々の原発性の病状、例えば、糖尿病、COPDまたはその他の慢性肺疾患は、患者が付加的にインフルエンザ感染に罹患している場合に悪化することがあり、入院治療を必要とすることも多い。それゆえ、インフルエンザは公衆の健康および経済における深刻な課題を提示している。
インフルエンザの流行は温暖な地方においてほぼ毎年起こるが、引き起こされる病気の重度は毎年かなり変動する可能性がある。毎年の流行の重度は、循環している型、亜型および系統(例えば、鳥インフルは、ヒトには天然の免疫性がほとんどないことからより重度になることが多い)、ならびに/または罹患集団における防御抗体のレベル(例えば、免疫系機能の低下した若者および老人の集団または患者ではレベルがより低い)を含めたいくつかの要因によって影響を受ける。
過去数十年間において相当な研究が試みられたにもかかわらず、インフルエンザウイルスに対する利用可能な薬剤は、例えばアマンタジンおよびリマンタジン(インフルエンザA型ウイルスの複製を抑制するがB型は抑制しない)のようなアダマンタン誘導体;ならびにノイラミダーゼ阻害剤、例えば経口投与用のオセルタミビルおよび吸入用のザナミビル(インフルエンザAおよびBウイルスの両方に共通するウイルス酵素であるノイラミニダーゼを遮断するもの)など、ごく僅かしかない。これらの薬は全て、ウイルスそのものを対象としている。この手法の問題は、耐性が比較的早くに生じる可能性があることである。例えば、2011年5月〜9月にオーストラリアで耐性H1N1ウイルスの広範な群発が報告され、多剤耐性インフルエンザ株がさらに広く循環する大きなおそれがある。耐性の問題に加えて、現在の療法は、病気の48時間後に開始されたときに疾患の過程を修正するその能力に限られている。さらに、オセルタミビルを使用する標準的な療法は、重度の罹患をしている入院患者において十分に有効ではない。したがって、新しい有効な抗インフルエンザ薬、特に新規の作用機序を備える抗ウイルスが早急に必要である。
例えば、ウイルスのゲノムが大抵非常に小さく、それに関連してコード容量に限りがあるがゆえに、あらゆるウイルスはそれらの複製に必要な機能の大半をそれらの宿主細胞の機能に大いに依存していることから、従来技術の1つの手法は、ウイルスを標的とせず、代わりにその宿主細胞を標的とすることである。宿主のそのような細胞機能に影響を与えることにより、欠如している細胞機能を置き換えるウイルス順応(例えば突然変異によるもの)の可能性を伴わずしてウイルス複製に負の影響を与えることが可能である。この概念は、比較的特異性のない、細胞キナーゼおよびメチルトランスフェラーゼに対する阻害物質を使用して、インフルエンザAウイルスにおいて既に試験された(ScholtissekおよびMuller、Arch.Virol.119、111−118、1991)。
WO2009/089822A2およびWO2004/060360A1では、インフルエンザなどのウイルス疾患の予防および/または処置におけるアセチルサリチル酸(ASA)またはその誘導体であるD,L−リジンアセチルサリチラート・グリシン(LASAG)の使用について記載されている。ASAは、宿主細胞において転写因子NF−κBを阻害して必須ウイルス成分が宿主細胞核中に残存することにつながり、ウイルス複製が阻害されるようにその成分をウイルス粒子内に取り込むことがもはやできなくなる作用を有することが言われている。WO2004/060360A1ではさらに、エアゾールによる気管支投与のために調合された医薬組成物について記載されており、ヒトに対しては動物研究から導き出された一日0.1〜70mgのASAの用量が提案されている。WO2009/089822A2では、特定されない気管支感染に罹患している4人のヒトからなる小さい組に対して1回の吸入で投与されるLASAGの350mgまでの用量(175mgのASAに相当)が試験されている。
しかしながら、従来技術の文献には、より重度の形態の特定のインフルエンザの処置、またはインフルエンザ感染によって悪化する原発性の病状の処置、または上記の欠点を克服することを目的とした現在の標準的なインフルエンザ処置の改善に関する記載はない。したがって、本発明は、インフルエンザ、特に中等度〜重度のインフルエンザの処置に使用するための、化合物および/または組成物を提供することを目的とする。さらなる目的は、実施例および特許請求の範囲を含めた以下の記載に基づいて明らかとなろう。
第1の態様において、本発明は、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状(すなわち、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛などの症候または症状)に苦しむ患者(例えば、ヒト)の処置を用途とし、かつ上記用途が、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量、例えば、約600mg〜約2000mgまたは約960mg〜約1440mgまたは約1080mg〜1320mgまたは約1200mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することを含む、ASAもしくは薬学的に許容されるその塩または、ASAもしくは薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。1つの態様において、インフルエンザは、インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザBウイルスによって引き起こされるものであり得る。
一日用量の投与は、少なくとも4時間の投与間隔をあけて4回までの単回用量の投与を含み得る。さらに、400mgのASAの単回用量を用いて少なくとも3日間の処置過程にわたって合計少なくとも9回の単回用量;例えば、5〜6日間の処置過程にわたって15回の単回用量が投与され得る。
組成物は、吸入によって、例えば、ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーを使用して水溶液の形態で、投与される。溶解性を良くするためにはASAはそのD,L−リジンアセチルサリチラート・グリシン塩(LASAG)の形態で提供され得る。例えば、組成物は、吸入前に100〜400mg/mLのLASAG濃度または約50mg/mL〜約200mg/mLのASA濃度の水溶液に再構成され得る再構成用粉末の形態で提供してもよい。水溶液の単回用量は、例えば、約3mL〜約5mL、好ましくは4mLの体積、約200mg/mLのLASAG濃度、および約100mg/mLのASA濃度を有し得る。
ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーは、制御された吸気流量および/または制御された吸気体積;例えば、約200mL/秒の制御された吸気流量および/または約800mLの制御された吸気体積で水溶液を送達するのに適合し得る。これは通常、約12〜約14分の投与時間内で約90〜約105回分の呼吸にわたって単回用量を送達するのを可能にする。
本発明の一態様において、患者はヒトであり得、かつ、インフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状(例えば、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛)のために入院する者であり得る。
ベースラインおよび処置中において本発明にしたがって複合症候点数を見積もるための、7例の臨床インフルエンザ症候についての患者質問票。 中等度〜重度のインフルエンザを有する患者に対するプラセボとLASAG処置とを比較した、緩和に掛かる時間T1に対する生存率分布関数のカプランマイヤー推定プロット(CSS≧14)。 重度のインフルエンザを有する患者に対するプラセボとLASAG処置とを比較した、緩和に掛かる時間T1に対する生存率分布関数のカプランマイヤー推定プロット(CSS≧17)。
発明の詳細な説明
第1の態様において、本発明は、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置を用途とし、かつ当該用途が、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することを含む、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を提供する。この態様によれば、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩の新規な用途が提供され、それは、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置のための当該化合物の使用であり、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することを含む。新規な当該用途はまた、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することによって中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者を処置するための医薬を製造するための、ASAまたは薬学的に許容されるその塩の用途としても表現され得る。新規な当該用途はまた、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者を処置する方法であって、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与する、方法としても表現され得る。中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症に関連する症候もしくは症状としては、例えば、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛が挙げられる。
ASAの薬学的に許容される塩の一例は、場合によってはグリシンと組み合わさった(LASAG)、当該化合物のリジン塩である。
さらなる態様において、本発明は、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物であって、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置を用途とし、かつ当該用途が、組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって投与することを含む、組成物を提供する。この態様によれば、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む組成物の新規な用途が提供され、それは、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置のための当該組成物の用途であり、組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することを含む。新規な当該用途はまた、組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することによって中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者を処置するための医薬を製造するための、そのような組成物の用途としても表現され得る。新規な当該用途はまた、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者を処置する方法であって、アセチルサリチル酸(ASA)を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することを含む、方法としても表現され得る。
一態様において、ASAの一日用量は、約600mg〜約2000mg、約960mg〜約1440mg、または約1080mg〜約1320mgである。例えば、一日用量は、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg;とりわけ約1200mgである。
本明細書において使用する場合、「用量」という用語は、特に指定されない限り、投与される公称の用量;例えば、投与中に付き物である逸失(例えば、装置内での逸失、呼気による逸失など)を考慮することなく、患者に投与するために吸入装置の中に投入または充填される特定の単回用量単位中に含有される、薬の量を指す。詳しくは、具体的な用量部分、例えば肺用量または肺胞用量(つまり、肺での堆積分および肺胞での堆積分)は、投与される用量の一部であるに過ぎない。
1つの具体的な実施形態において、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者はヒトである。しかしながら、今日において想定されている作用機序―つまり、宿主細胞内のNF−κB転写因子をASAによって阻害し、それによりウイルス複製を阻害すること―を考慮すれば、他の患者群(例えば、哺乳動物および/または生産的家畜)においても、ウイルスがその複製のために上記転写因子を宿主細胞内で必要とする限り処置が等しく成功するであろうことは確実である。
さらに具体的な実施形態において、ヒト患者は、インフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状のために入院している。入院は、中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症に苦しむ患者に最も一般的に必要とされる、というのも、中等度〜重度のインフルエンザは一般的に、全てではないにしてほとんどの症候の強度レベルがより高く、非常に多くの場合、成人においてさえ(口腔内で測定したときに)38℃以上の熱があり、大抵において患者を日常生活が行えないようにする明確な倦怠感がある、ということによって特徴付けられるからである。
当然ながら、軽度な形態のインフルエンザとより強い形態の中等度〜重度のインフルエンザとの間の境界は流動的であり、それは特定の患者および/または彼/彼女の個人的体験によってずれる場合がある。
本明細書において使用する場合、中等度〜重度のインフルエンザ形態は、いわゆる複合症候点数(CSS)によって定義され、それは、7つの一般的インフルエンザ症候および、それらの各々に対する患者のインフルエンザ症候質問票(図1に描写されている)における評価に基づいて算出される。算出のために用いる臨床インフルエンザ症候は、鼻詰まり、喉の痛み、咳、痛み/筋痛(四肢および/または筋肉の疼痛)、疲労/消耗、頭痛および熱っぽさ/悪寒/発汗である。これらは、0=インフルエンザ前と同様になし、1=軽度、2=中等度、3=重度、の4点尺度で評価される。感染の重度を定義するためにベースラインにおいて、また、症候緩和の進行を追跡するために処置中の各単回用量投与の前においても、7つの評価を合計して複合症候点数(CSS;最大値は21)を得る。原理的にはCSS値が高いほど感染症の重度は高い。ベースラインCSS値が14以上17未満であるものは中等度形態のインフルエンザとみなし、他方、ベースラインCSS値が17以上であるものは重度形態のインフルエンザとみなす。14未満のベースラインCSS値は、より軽い形態のインフルエンザとみなす。
痛み止めなどの緩和薬を使用せずにインフルエンザ症候質問票において上記の7つの臨床インフルエンザ症候のうちの少なくとも5つが0または1と評価される場合、患者を無症候または治癒済みとみなし、少なくとも24±2時間の間はそのままにする。
本発明者らは、驚くべきことに、そのような用量は忍容され難いであろうという共通の懸念にもかかわらず、制御された臨床研究において吸入によって投与される高用量は、特筆すべき副作用を伴うことなく、プラセボ(0.9%生理食塩水)と比較して中等度〜重度のインフルエンザに苦しむ患者の処置、例えば、LASAGの形態のASAを受けている患者群において臨床インフルエンザ症候の緩和時間の低減が可能であった(鼻詰まり;喉の痛み;咳;痛み/筋痛;疲労;頭痛および熱っぽさ/悪寒/発汗)。
さらに驚くべき予想外なことには、これらの特定の患者群、すなわち本明細書において定義される中等度〜重度の症候に苦しむ患者は指定の投薬計画で吸入されたASAによって効果的に処置されかつ非常に良好に応答し、例えばプラセボ群に比べてLASAG群では症候緩和が実質的に加速した、ということが見出された。
これは、その他の形態のインフルエンザを有しかつ複合症候点数(CSS)が14未満である患者;例えば、CSSが14未満であり主としてインフルエンザ感染によって悪化する糖尿病、COPDまたはその他の慢性肺疾患のような原発性の病状のために入院した患者において、臨床インフルエンザ症候の緩和に要する時間に関してLASAGとプラセボ群とで有意な差が認められなかった、という知見を考慮すれば、特に驚くべきことである。
とりわけ中等度〜重度のインフルエンザ(CSS≧14かつ<17、またはCSS≧17)に苦しむそれらの患者がアセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩の吸入による使用によって恩恵を受けるという知見は、大抵において特定の療法は疾患の軽減をあるレベルまで提供し、疾患の強度がさらに増す場合にはそれに失敗し得ることになるものの、その逆は大抵成り立たない、という共通の予想とは対照的である。
一実施形態において、一日用量の投与は、少なくとも4時間の投与間隔をあけて4回までの単回用量の投与;例えば、5時間毎の単回用量を4回とし睡眠時間を9時間とすること、または7時間毎の単回用量を3回とし睡眠時間を10時間とすることを含む。言い換えれば、本発明に係る組成物の用途は、少なくとも4時間の投与間隔をあけて4回までの単回用量の投与の形態での一日用量の投与を含む。
さらなる実施形態では、少なくとも3日間の処置過程にわたって合計少なくとも9回の単回用量が投与される。また別の実施形態では、少なくとも3日間の処置過程にわたって合計少なくとも9回の単回用量が投与され、単回用量は約400mgのASAである。言い換えれば、本発明に係る組成物の用途は、少なくとも3日間の処置過程にわたって合計少なくとも9回の単回用量の投与を含み、単回用量は400mgのASAである。例えば、5日間の処置過程にわたって合計15回の単回用量が投与され得、典型的には、朝の吸入、昼および夕の吸入が提供され得る。処置を1日目に昼または夕の吸入で開始する場合(例えば、処置開始前に朝または日中に患者が内科医による診察を受けたため)、15回の単回用量による処置を完了すべく、1日目に欠けた朝や昼の吸入が代わりに6日目に投与されるように15回の単回用量を6日間の処置過程にわたって投与してもよい。
患者の最短の可能かつ完全な回復を保証するには少なくとも3日間の処置過程にわたって投与される少なくとも9回の単回用量による処置が好ましいが、これが、中等度〜重度のインフルエンザの処置において少なくとも600mgのASAの吸入の一日用量を採用する別のより短期の日程は本発明の範囲に入らないといったふうに誤って解釈されてはならないことに、留意されたい。患者に関して特別な事例では、例えば7回の吸入、5回の吸入、さらに言えば1回の吸入で既に、好結果が生じ得、および/または中等度〜重度のインフルエンザに苦しむ患者に臨床上適切な恩恵がもたらされ得る。
上述したとおり、ASAは薬学的に許容されるその塩の形態で提供され得る。好ましい実施形態において、本発明に係る用途のための組成物は、アセチルサリチル酸(ASA)をそのD,L−リジンアセチルサリチラート・グリシン塩(LASAG)の形態で提供する。
LASAGは、水性媒体中に溶解すると速やかにASAと2つのアミノ酸であるリジンおよびグリシンとに解離してpH5.9の無色無臭の液体を生じさせる白色粉末である。本発明に係る用途においてASA自体よりもLASAGを採用する利点は、ASAに比べて塩の溶解性が向上することである(LASAGの溶解度は約40%以上である;例えばUS4265888Aを参照のこと)。場合により、静脈注射用のアスピリン(登録商標)などの、ASAを約50重量%含むグレードのLASAGを使用する。
特定の実施形態では、LASAG組成物は再構成用の粉末;すなわち、水性媒体(例えば、注射用水、生理食塩水または水性緩衝液)で再構成/溶解させることが意図された粉末の形態で提供され得る。別の特定の実施形態では、このLASAG組成物は、100〜400mg/mLのLASAG濃度または約50mg/mL〜約200mg/mLのASA濃度の水溶液に再構成するための粉末の形態で提供され得;つまり、再構成された溶液中でのLASAGの濃度は例えば、約100mg/mL、150mg/mL、200mg/mL、250mg/mL、300mg/mL、350mg/mLまたは400mg/mL、とりわけ200mg/mLであり得;それは、再構成された溶液中でのASAの濃度で約50mg/mL、75mg/mL、100mg/mL、125mg/mL、150mg/mL、175mg/mLまたは200mg/mL、とりわけ100mg/mLに相当し得る。
商業的に入手できかつ本発明に係る用途に適する典型的なLASAG組成物は、正確に再構成された後に100mg/mLのASA濃度に等しい濃度200mg/mLのLASAGを含む、静脈内投与用のアスピリン(登録商標)(以前のAspisol(登録商標))である。これらの濃度において、つまり200mg/mLの濃度のLASAGと100mg/mLの濃度ASAとを含む溶液を採用する場合、単回投与される水溶液の典型的な用量は、約3mL〜約5mL、好ましくは4mLの体積または充填用量を有し得る。この充填体積または充填用量は、吸入処置の前にネブライザー内に充填される量である。
(ASA自体ではなく)LASAG塩を使用する場合には、ASAに関する用量および/または濃度が例えばLASAGの完全解離の想定に基づいてLASAG中のリジン、グリシンおよびASAの固有比に基づいて算出された理論値であることを理解されたい。
一実施形態において、本発明に係る用途のための組成物―特に、上記のASA、好ましくはLASAGの水性溶液―は、ネブライザー、すなわち、吸入可能な霧状の液滴の形態で液体組成物を患者の呼吸器系に投与するために一般的に使用される薬物送達装置を使用して投与される。特定の実施形態では、ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーを使用する。言い換えれば、本発明に係る組成物の用途は、ジェット式ネブライザー、ソフトミスト吸入器または振動メッシュ式ネブライザーを使用して組成物を投与することを含む。あるいは、別のタイプのネブライザー、例えば超音波式のネブライザーまたはソフトミスト吸入器を使用してもよい。さらなる実施形態において、ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーは、制御された吸気流量および/または制御された吸気体積で水溶液を送達するのに適合している。
吸気流量(すなわち吸気流速)は、約150mL/秒〜約300mL/秒の範囲;例えば、150mL/秒、200mL/秒、250mL/秒または300mL/秒、とりわけ200mL/秒であり得る。これらの比較的ゆっくりとした流量は、中咽頭領域における低衝撃での薬の堆積のために推奨され、それにより、望ましくない副作用を軽減することができる。
吸気体積は500〜1500mLの範囲;例えば、500mL、600mL、700mL、800mL、900mL、1000mL、1100mL、1200mL、1300mL、1400mLまたは1500mL、とりわけ800mLであり得る。より小さい吸気流量と組み合わせたより大きい吸気体積は通常、肺胞での堆積に有利に働き、したがって好ましい;しかし、体積は、重度の咳を患っていることの多い中等度〜重度のインフルエンザに苦しむ患者によってさえそれが忍容されかつ安心して吸入されることができるように、選択しなければならない。好ましい実施形態では、吸気体積は700〜1000mL、例えば800mLの範囲である。勿論、患者の大きさおよび物理的条件によってはより小さい体積を用いてもよい。
1つの具体的な実施形態において、ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーは、制御された約200mL/秒の吸気流量および/または制御された約800mLの吸気体積で水溶液を送達するのに適合している。これらの環境は、例えば、AKITA(登録商標)ジェット式ネブライザーまたはAKITA(登録商標)Apixneb(登録商標)ネブライザーを使用して吸入時間を4秒にセットし吸入体積を800mLにセットすることによって達成され得;そうすれば装置は、制御された最適な吸入手順を行うように患者を誘導および支援することになる。流量および/または体積の制御されたこの吸入手法を用いれば、ASAおよび/または薬学的に許容されるその塩、例えばLASAGが所定の目標肺部位、例えば肺の肺胞へと選択的に差し向けられる。
吸気流量が200mL/秒でありかつ吸気体積が800mLである環境を用いれば、約12〜約14分、例えば約13分の投与時間内で約90〜約105回分の呼吸にわたって患者に単回用量を送達することが可能である。
1つの具体的な実施形態において、患者は、投与される約400mgのASAの単回用量を達成するために、LASAGを約200mg/mLの濃度で含む(100mg/mLのASAの濃度に相当する)約4mLの水溶液を、霧化された形態で96回の呼吸にわたって吸入する。患者が吸入処置中に休憩を必要としない限り、これらの96回の呼吸によって400mgのASAの単回用量(100mg/mLのASAを4mL)の投与のための約12.8分の継続時間がもたらされるように吸気段階および呼気段階をそれぞれ4秒に固定するとともに、呼吸回数をAKITA(登録商標)装置で固定値にセットしてもよく、また、単回用量の投与中に患者のために表示および/または「カウントダウン」してもよい。
肺および/または特に肺胞における投薬および堆積に関して、これらの堆積部分は例えば薬の種類(ASA、LASAGまたはその他のASA誘導体、例えば薬学的に許容されるASAのその他の塩)および/または薬液の濃度によって変動し得ることに留意されたい。したがって、異なる濃度および/または異なるASA誘導体の薬液を取り扱うとき、問題となっているASA製剤の固有の霧化挙動は変化し得、その結果、投与される用量を適宜再計算および調製せねばならないことがある。
本発明の1つの具体的な態様において、インフルエンザ感染症は、インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザBウイルスによって引き起こされるものである。
インフルエンザ感染症自体を処置することとは別に、ASA誘導体、例えばLASAGのような薬学的に許容される塩の形態でのASAを場合により使用する、本発明による吸入式ASA投与は、インフルエンザウイルス感染症に関連する症候または症状、つまり鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛から選択され得る症候または症状に苦しむ患者の処置を目的として使用してもよい。例えば、本発明による吸入式ASA投与は、重度のインフルエンザによって引き起こされる咳、例えば、他の鎮咳剤による制御がされないかまたは十分でない咳を処置するために使用され得る。あるいは、本発明による吸入式ASA投与は、インフルエンザによって引き起こされる疲労、発熱および/または筋痛を処置するために使用され得る。
別の態様において、本発明による吸入式ASA投与は、中等度または重度の形態のインフルエンザ(CSS≧14かつ<17、またはCSS≧17)およびインフルエンザ感染症によって悪化/増悪する1つ以上の原発性の内科疾患または病状に苦しむ患者を処置するために使用され得る。そのような疾患または病状としては、限定されないが、糖尿病、COPDおよびその他の慢性肺疾患が挙げられる。原発性の内科疾患または病状の存在にかかわらず、研究に含まれた中等度〜重度のインフルエンザ(CSS≧14かつ<17、またはCSS≧17)を示す全ての患者は、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって患者に投与することにより好結果に処置され;例えば、プラセボ群に比べてLASAG群では臨床インフルエンザ症候の緩和の時間が有意に短縮された。
実施例1 臨床上の安全性
制御された臨床環境において、38人の健常な成人は、プラセボとしての0.9%の生理食塩水または750mgを上限とするASAの単回用量を吸入によって受けた(プラセボはn=10、ASAはn=28)。ASAは、ASAの約100mg/mlの濃度に相当してLASAGを約200mg/mlの濃度で含む水溶液の形態で、AKITA(登録商標)Apixneb(登録商標)を使用して、250mL/秒に制御された吸気流速および800mLに制御された体積で投与された。
結果、投与された用量は全体的に十分忍容され;重篤な事象または重度の副作用は認められず、研究を中断した参加患者はいなかった。最も頻繁に起こる治療下で発現した副作用は、薬剤に関連する喉刺激および喀痰を伴う咳ならびに診断行為による血管穿刺部位での反応であった。高用量では喉刺激が高率であったが、肺機能検査パラメータへの影響は見受けられなかった。ほとんどの副作用の最大強度は評価が「軽度」であり;「中等度」の副作用を報告したのは2名の被験体のみであり、「重度」の副作用はまったく報告されなかった。その上、研究の最後には治療下で発現した副作用は全て「消散/回復」した。
実施例2 中等度〜重度のインフルエンザを有する成人入院患者における、吸入されるLASAGおよびプラセボの安全性および有効性に関する臨床第II相研究
約110名の登録患者についての多中心無作為二重盲検プラセボ対照研究で、中等度〜重度のインフルエンザおよび/または別の原発性の病状(例えば、糖尿病、COPDまたはその他の慢性肺疾患)のインフルエンザを原因とする悪化のために入院した成人患者において、吸入されるLASAGをプラセボの吸入と比較して評価した。これら110名の登録患者のうち81名は、インフルエンザウイルスに感染していることが逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)試験によって確認され、LASAGまたはプラセボの少なくとも一方の吸入を受けた。上に説明したとおりASAが活性化合物であるが、以下に記載する本研究全体を通してLASAG吸入またはLASAG群という用語を使用することに留意されたい。
最初の研究薬適用の120時間未満(理想的には72時間未満)前に病気の開始を報告した18〜80歳の患者であって、少なくとも1つの呼吸器症候(鼻詰まり、喉の痛みまたは咳)ならびに少なくとも1つの恒常的症候(痛み/筋痛、疲労、頭痛または熱っぽさ/悪寒/発汗)を示し、さらにスクリーニング時またはスクリーニング前の48時間の間に熱が≧38.0℃(口腔内)または≧38.5℃(直腸または鼓膜)である患者を研究に含めた。インフルエンザ感染症をさらに逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)試験によって再確認した。
主な排除基準には、妊娠、LASAGまたはASAに対するアレルギー/過敏症、呼吸不安定による集中治療室(ICU)への収容、ネブライザーから呼吸する能力の欠如、急性非インフルエンザ感染病の証拠または疑い、および研究の4週間前以内における生弱毒化ウイルスワクチンによるインフルエンザ予防接種が含まれた。
研究中、患者は、
a)800mgのLASAG(400mgのASAに等価)を含む4mL充填用量または
b)プラセボ、つまり0.9%生理食塩水(0.9%NaCl)の4mL充填用量
のどちらかかの吸入を1日に3回受けた。
ASAの水中での分解を防止または制限するために各吸入の前(使用の30分前以内)にLASAG溶液を新しく再構成した。ここに記載する具体的な研究では、市販の静脈内投与用のアスピリン(登録商標)を使用してLASAG溶液を調製した。
さらに、各吸入の前に、体温、酸素飽和度、呼吸速度などの臨床データが研究センターにて研究員により記録され、インフルエンザ症候質問票(図1に描写されている)が記入され;7つの臨床インフルエンザ症候(すなわち、鼻詰まり;喉の痛み;咳;痛み/筋痛;疲労;頭痛および熱っぽさ/悪寒/発汗)をまとめ、それらを4点尺度(0=インフルエンザ前と同様になし、1=軽度、2=中等度、3=重度)で評価するとともに、通常活動を行う能力を0〜10の視覚的アナログ尺度(0=いかなる通常活動も行えない〜10=あらゆる通常活動を完全に行うことができる)で評価した。症候についてのこれらの評価を合計して複合症候点数(CSS)を得た。CSSが高いほど(最大21)疾患は重篤である。ベースラインCSS値が14以上17未満であるものは中等度形態のインフルエンザとみなし、他方、ベースラインCSS値が17以上であるものは重度形態のインフルエンザとみなした。ベースラインCSS値が14未満であるものは軽度形態のインフルエンザとみなした。
AKITA(登録商標)ジェット式ネブライザー(全ての患者について、4秒にセットした吸入期間での吸入体積を800mL、すなわち流速200mL/秒にセットした)を使用して、常に少なくとも4時間空けて午前7〜9時(朝)、午前12時〜午後2時(昼)および午後5〜7時(夕)に3回の吸入を施した。5日間(または、患者が第1研究日に昼または夕の吸入から研究を開始した場合には6日間;1日目に「欠けた分の吸入」は後に6日目に行った)にわたって合計15回の吸入を施した。
研究センターにてインフルエンザ患者に実施される標準的医療は、いくつかの制約:
a)必要と考えられる場合にはパラセタモール(アセトアミノフェン)を(例えば痛みの)症候緩和薬として使用した;
b)必要と考えられる場合には経口的オセルタミビルを抗ウイルス療法として使用した
を設けつつ許可した。
患者が各研究場所にてオセルタミビルを標準的医療として受ける場合、この処置は1回目の吸入(研究の開始)の前に始めて、最低5日間(オセルタミビルのラベルに従って)継続した。
研究の主な目的は、急性の重篤なインフルエンザおよび/または原発性の病状のインフルエンザを原因とした悪化のために入院した患者において、標準的医療と併せたプラセボと比較したときの、標準的医療と併せた吸入されるLASAGの臨床上の有効性を、臨床インフルエンザ症候の緩和に掛かる時間(一次変数T1)で測って評価することであった。T1は、時間数で表したときの、1回目の吸入から、緩和薬(アセトアミノフェン)の使用を伴うことなく7つのうち少なくとも5つの臨床インフルエンザ症候(上記参照)がインフルエンザ症候質問票で0または1と評価されかつそれが少なくとも24±2時間持続するまでの時間として定義される。さらに、インフルエンザ症候質問票において7つの臨床インフルエンザ症候の全てが0または1と評価された場合に患者を「完治」としてみなした。
急性の重篤なインフルエンザおよび/または原発性の病状のインフルエンザを原因とした悪化のために入院した患者において、標準的医療と併せたプラセボを、標準的医療と併せた吸入されるLASAGと比較する研究の第2の目的には、
a)0=日常生活を全く行えない〜10=日常生活を完全に行うことができる、の範囲の日常生活点数(DAS)により判定した臨床上の有効性(0〜最近傍0.1cmのところから始まる定規で測られ、日付けおよび時間と一緒に記録される)、
b)一時的な局所副作用(例えば、LASAG吸入による咳、味覚変化または咽頭刺激)、および治療下で発現した有害事象(TEAE)、特にASAに関連するもの、例えば、出血、あざ、耳鳴り、気管支痙攣またはライ症候群を記録することによる、安全性および忍容性、
c)最終の追跡訪問時(処置終了から23±2日後)での死亡率
を評価することが含まれていた。
RT−PCRによって確認されたインフルエンザ感染症を有し、意図した15回のLASAGまたはプラセボの吸入のうちの少なくとも13回を受け、プロトコールからの大きな逸脱(例えば、吸入溶液の露見、再構成による調製から30分よりも後における溶液投与が2回よりも多いこと、症候質問が3つ以上欠けていることなど)のない患者を全て含む、いわゆる「per protocol」データセット(PP)において、得られた研究データの臨床インフルエンザ症候の緩和に掛かる時間(一次変数T1)に関する解析を行った。
得られた研究データの二次変数、例えば日常生活点数(DAS)に関する解析は、いわゆる「改変型intention to treat」データセット(MITT;RT−PCRによって確認されたインフルエンザ感染症を有し、意図した15回のLASAGまたはプラセボの吸入のうちの少なくとも1回を受けた被験体を全て含む)において行い;または、安全性および忍容性に関しては、いわゆる「safety set」(「MITT」患者と、LASAGまたはプラセボの処置を受けたがインフルエンザ感染は有していなかった26名のさらなる患者とを含む)において行った。
患者の全てのデータを利用可能なものとして使用した。一次変数(T1)のデータおよび事象に掛かるその他の時間のデータが欠けている症例は、打切り例として解釈した(例えば、ベースラインにおいて欠けているデータはスクリーニングにおいて対応する値で置き換えることにする)。そのような打切り例が生じた場合には、ログランク検定およびカプランマイヤー推定を統計解析に採用した。結果は精査して解釈した。
「per protocol」セットは、中等度〜重度のインフルエンザ(すなわち、ベースラインにおいてCSS≧14)を有する41名の患者を含んでいたが、そのうち合計40名は、観察期間中に緩和したことを特徴としていた。さらに、ベースラインにおいてCSS≧14であるこれら41名の患者のうち18名は、重度のインフルエンザ(つまりCSS≧17)に罹患しており、そのうち17名は、観察期間中に緩和したことを特徴とし;プラセボ群の1名の患者だけが、上に定義した症候の緩和を伴わずに研究を離脱した。したがって、緩和した患者の率はLASAG群とプラセボ群とで似通っていたが;臨床インフルエンザ症候の緩和に掛かる時間(一次変数T1)は、ログランク検定で確認したところLASAG群とプラセボ群とで異なっていた。
研究データ解析から、プラセボ群に比べてLASAG群ではインフルエンザ症候の緩和に掛かる時間T1が有意に減少し;CSS≧14の患者では51.6時間から38.3時間(p値:ログランク検定0.0313)となり、CSS≧17の患者では71.5時間から44.7時間(p値:ログランク検定0.0152)となったことが明らかになった。この差は、カプランマイヤー推定プロットによっても例証され、2つの曲線は観察の約20〜25時間目までは互いに交差していた。その時以降、LASAG曲線はプラセボ曲線より低いところにある(中等度〜重度のインフルエンザ(CSS≧14)を有する患者群サブセットおよび重度のインフルエンザ(CSS≧17)に罹患する患者群サブセットについての図2および図3を参照のこと)。
結果を以下の表1にまとめる。
患者が朝の吸引から開始したと仮定すれば、結果は、CSS≧17の患者がたった約6回のLASAG吸入に対して約9回のプラセボ吸入で緩和した、というふうにも解釈され得る。
研究データ解析の第2の目的に関しては、吸入回数にわたるLASAG群およびプラセボ群についてのベースライン補正された日常生活点数(DAS)曲線を描写する図4から分かるように、吸入1回目以後の吸入回数の全範囲にわたってLASAG群がプラセボ群よりも良好な回復を示したことがさらに明らかになった。
安全性および忍容性を評価する第2の目的に関しては、研究データ解析から、(「safety set」の合計107名の患者のうち)44名の患者に影響を与えた合計83例の有害事象(AE):LASAG群において41例のAE(=49.4%)およびプラセボ群において42例のAE(=50.6%)が報告されたことがさらに明らかになった。影響を受けた患者の数はLASAG群において23名(41.1%)でありプラセボ群において21名(41.2%)名である。これは、プラセボ群とLASAG群とで忍容性に有意な差がなかったことを意味する(カイ二乗検定:p=0.9912)。共通するAEは主に、下痢、便秘もしくは吐き気などの胃腸作用;または喉刺激もしくは咳などの呼吸器作用を含んでいた。
これらのAEの大半(>73%)は等級が「軽度」であり、一部は「中等度」であった。唯一「重度」の等級に割り当てられたAEである呼吸器院内感染は、プラセボ群において起こった。55.4%のプラセボ群に比べて約56.1%のLASAG群がAEのために薬を必要とした。したがって、またもプラセボ群とLASAG群とで大きな差はなかった。研究の最後には治療下で発現する有害事象は全て消散した。死亡またはその他の顕著な有害事象の事例はなかった。

Claims (15)

  1. 中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置を用途とし、かつ前記用途が、アセチルサリチル酸(ASA)または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を少なくとも600mgのASAの一日用量での吸入によって前記患者に投与することを含む、ASAまたは薬学的に許容されるその塩。
  2. 中等度〜重度のインフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状に苦しむ患者の処置を用途とし、かつ前記用途が、前記組成物を少なくとも600mgのアセチルサリチル酸(ASA)の一日用量での吸入によって投与することを含む、ASAまたは薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物。
  3. ASAの前記一日用量が、960〜1440mg、または1080〜1320mg、または1200mgである、請求項2に記載の用途のための組成物。
  4. 前記一日用量の前記投与が、少なくとも4時間の投与間隔をあけて4回までの単回用量の投与を含む、請求項2または3に記載の用途のための組成物。
  5. 少なくとも3日間の処置過程にわたって合計少なくとも9回の単回用量が投与され、単回用量が、400mgのASAである、請求項2〜4のいずれかに記載の用途のための組成物。
  6. 前記ASAが、そのD,L−リジンアセチルサリチラート・グリシン塩(LASAG)の形態で提供される、請求項2〜5のいずれかに記載の用途のための組成物。
  7. 前記組成物が、100〜400mg/mLのLASAG濃度または50〜200mg/mLのASA濃度の水溶液に再構成するための粉末の形態で提供される、請求項6に記載の用途のための組成物。
  8. 前記水溶液の前記単回用量が、3〜5mL、好ましくは4mLの体積、200mg/mLのLASAG濃度、および100mg/mLのASA濃度を有する、請求項7に記載の用途のための組成物。
  9. 前記組成物が、ジェット式ネブライザーまたは振動メッシュ式ネブライザーを使用して投与される、請求項2〜8のいずれかに記載の用途のための組成物。
  10. 前記ジェット式ネブライザーまたは前記振動メッシュ式ネブライザーが、制御された吸気流量および/または制御された吸気体積で前記水溶液を送達するのに適合している、請求項9に記載の用途のための組成物。
  11. 前記吸気流量が200mL/秒でありおよび/または前記吸気体積が800mLである、請求項10に記載の用途のための組成物。
  12. 前記ジェット式ネブライザーまたは前記振動メッシュ式ネブライザーが、12〜14分の投与時間内で90〜105回分の呼吸にわたって単回用量を送達するのに適合している、請求項9〜11に記載の用途のための組成物。
  13. 前記患者が、前記インフルエンザウイルス感染症および/またはそれに関連する症候もしくは症状のために入院している、請求項2〜12のいずれかに記載の用途のための組成物。
  14. 前記インフルエンザ感染症が、インフルエンザAウイルスまたはインフルエンザBウイルスによって引き起こされるものである、請求項2〜13のいずれかに記載の用途のための組成物。
  15. 前記インフルエンザ感染症に関連する前記症候または症状が、鼻詰まり、喉の痛み、咳、発熱、疲労、頭痛および筋痛から選択される、請求項2〜14のいずれかに記載の用途のための組成物。
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