JPWO2012014772A1 - ポリアミド樹脂 - Google Patents

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Abstract

色調並びに弾性率に優れ、かつ、ガスバリア性に優れ吸水率の低いポリアミド樹脂を提供する。ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸(B)に由来するポリアミド樹脂であって、硫黄原子濃度が1〜200質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂による。

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物に関し、詳しくは、色調並びに弾性率に優れ、かつ、ガスバリア性に優れ吸水率の低いポリアミド樹脂に関する。
ポリアミド樹脂は、耐衝撃性、耐摩擦・摩耗性などの機械的強度に優れ、耐熱性、耐油性などにも優れたエンジニアリングプラスチックスとして、自動車部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、機械部品、建材・住設関連部品などの分野で広く使用されており、近年更に使用分野が広がっている。
ポリアミド樹脂には、例えばポリアミド6、ポリアミド66など多くの種類が知られているが、メタキシリレンジアミンとアジピン酸から得られるメタキシリレンアジパミド(以下、「MXD6ポリアミド」ということもある。)は、ポリアミド6、ポリアミド66などとは異なって、主鎖に芳香環を有し、高剛性、低吸水率で、耐油性に優れ、また成形においては、成形収縮率が小さく、引けやソリが小さいことから精密成形にも適しており、極めて優れたポリアミド樹脂として位置付けられる。これらのことから、MXD6ポリアミドは、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、レジャースポーツ用品、土木建築用部材等の様々な分野での成形材料、特に射出成形用材料として、近年ますます広く利用されてきている。
しかし、MXD6ポリアミドは、ポリアミド66などの他のポリアミド樹脂に比べれば、吸水率は低いが、近年の更なる要求に伴い、より吸水率の低い成形材料が求められている。
また、より軽くて強いポリアミド樹脂材料も求められている。MXD6ポリアミドよりも軽く、吸水率の低いキシリレン系ポリアミド樹脂として、キシレンジアミンとセバシン酸から得られるキシリレンセバカミド樹脂(以下、「XD10系ポリアミド」ともいう。)がある。
しかしながら、キシリレンジアミンを構成単位とするポリアミド樹脂は、構造的にベンジルメチレン部位でラジカルが発生しやすく、ポリアミド6等と比較すると黄変しやすい樹脂である。MXD6ポリアミドの黄変防止の手法として、本出願人より、ポリアミド樹脂に燐系酸化防止剤およびアルカリ成分を含有させる方法が提案されている(特許文献1)。この手法によれば、黄変防止効果は達成されるが、黄変を防止する程度に燐系酸化防止剤を含有させるとコスト高になったり、また、フィルムを押出成形する際に、燐化合物がフィルター等に析出する場合があり、用途によっては適用困難な場合があった。
キシリレンジアミンに由来する単位を構成単位とするポリアミド樹脂に代わり、ベンジルメチレン部位を有さないビス(アミノメチル)シクロヘキサンと、ジカルボン酸から得られるポリアミド樹脂(以下、「BACポリアミド」ともいう。)は、耐熱老化性に優れることが期待される。しかしながら、BACポリアミドも黄変の問題はないわけではなく、特に吸水率の低いBACポリアミドとして、近年注目されているビス(アミノメチル)シクロヘキサンとセバシン酸から得られるポリアミド樹脂(以下、「BAC10系ポリアミド」ともいう。)においても、黄変や耐熱老化性に課題を抱えていた。
特開2007−31475号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、黄変しにくいXD10系ポリアミド又はBAC10系ポリアミド樹脂を提供することにある。
本発明者らは、黄変しにくいXD10系又はBAC10系ポリアミド樹脂を得るべく、鋭意検討を重ねた結果、添加剤に依ることなく、XD10系又はBAC10系ポリアミド樹脂自身が含有する硫黄の量を特定量に制御することにより、驚くべきことに、黄変の抑制が達成できることを見出し、本発明を完成するに到ったのである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸(B)に由来するポリアミド樹脂であって、硫黄原子濃度が1〜200質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、リン原子濃度が1〜500質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明において、ナトリウム原子濃度が1〜500質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、キシリレンジアミン(A−1)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)が、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又はこれらの混合物であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、ジカルボン酸成構成単位がセバシン酸(B)に由来することを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、数平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明に第8の発明によれば、第1の発明において、下記関係式(1)で表される、ジカルボン酸成分に対するジアミン成分の反応モル比(r)が0.98〜1.1であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N)) (1)
(式中、a=M/2、b=M/2、c=18.015であり、Mはジアミン成分の分子量(g/mol)、Mはジカルボン酸成分の分子量(g/mol)、Nは末端アミノ基濃度(eq/g)、Cは末端カルボキシル基濃度(eq/g)を表す。)
さらに、本発明の第9の発明によれば、第1〜8のいずれかの発明のポリアミド樹脂を成形してなる成形品が提供される。
本発明のポリアミド樹脂は、色調と弾性率に優れ、さらにガスバリア性に優れ、吸水率が低く、また、耐熱老化性に優れる。
したがって、本発明のポリアミド樹脂は、各種のフィルム、シート、積層フィルム、積層シート、チューブ、ホース、パイプ、中空容器、ボトル等の各種容器、各種電気電子機器用部品等、種々の成形体に好適に使用することができる。
[ポリアミド樹脂]
本発明のポリアミド樹脂は、ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸(B)に由来するポリアミド樹脂であって、硫黄原子濃度が1〜200質量ppmであることを特徴とする。
なお、以下において、「ppm」は、「質量ppm」を意味するものとして定義される。
上記条件を満たすことによって、本発明のポリアミド樹脂は、優れたイエローインデックス(以下、「YI」ともいう。)を有し色調に優れ、また弾性率が高く、ガスバリア性がよく、吸水率が低く、あるいは耐熱老化性が優れたものとなる。
本発明のポリアミド樹脂が色調に優れることと、このような硫黄含有量との関係は未だ充分解明出来ていないが、硫黄原子濃度を1〜200ppmとすることにより、このように優れた色調となる。
ポリアミド樹脂を構成するジアミン構成単位は、キシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来する単位を70モル%以上含み、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む。
キシリレンジアミン(A−1)に由来する単位は、メタキシリレンジアミンに由来する単位、パラキシリレンジアミンに由来する単位、またはその両方を有することが好ましい。メタキシリレンジアミンに由来する単位にパラキシリレンジアミンに由来する単位が加わることで、ポリアミド樹脂の融点やガラス転移点、耐熱性、結晶化速度を向上させることができる。ジアミン成分に由来する単位中のキシリレンジアミンに由来する単位が70モル%以上であることで、ポリアミド樹脂は優れた弾性率やガスバリア性を発現することができる。
ポリアミド樹脂の結晶化速度を向上させる観点からは、ジアミン成分に由来する単位中パラキシリレンジアミンに由来の単位が、20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上がより好ましく、60%以上がさらに好ましい。
ポリアミド樹脂の柔軟性を向上させる観点からは、ジアミン成分に由来する単位中、メタキシリレンジアミンに由来する単位が70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
また、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来する単位は、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位、又はその両方を有することが好ましい。ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位は70モル%以上であり、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。ジアミン単位中のビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位が70モル%以上であることで、ポリアミド樹脂は優れた弾性率やガスバリア性、高いガラス転移温度、さらには耐熱老化性を発現することができる。
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位と1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位の両方からなる場合の両者の比をコントロールすることで結晶性や融点を任意に制御することが可能となる。
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、異性体としてシス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとトランス−1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンがあり、同様に、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンは、異性体としてシス−1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとトランス−1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンがあるが、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンに由来する単位中のシス/トランスモル比を変更することによって、ポリアミド樹脂の結晶性を好適に設定することができる。好ましい異性体モル比は、ポリアミド樹脂の成形品の用途によって異なり、高結晶性が求められる用途と、低結晶性あるいは非晶性が求められる用途が存在する。
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A)の好ましい異性体モル比は、ポリアミド樹脂の成形品の用途によって異なり、高結晶性が求められる用途と、低結晶性あるいは非晶性が求められる用途が存在する。高結晶性が求められる用途に使用する場合、好ましい異性体モル比(シス/トランス)は、50/50〜0/100モル%、好ましくは40/60〜0/100モル%、さらに好ましくは30/70〜0/100モル%である。トランス体を50モル%以上含む1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを使用したポリアミド樹脂とすることで、結晶化速度が速く、金型内にて十分に固化及び結晶化の進行した成形品が得られるため、高強度、高弾性率を有し、かつ、高温度下での剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的性能保持性に優れる成形品材料用樹脂として有用である。
逆に低結晶性あるいは非晶性が求められる用途に使用する場合、好ましい異性体モル比(シス/トランス)は、100/0〜50/50モル%、好ましくは100/0〜60/40モル%、さらに好ましくは100/0〜70/30モル%である。トランス体を50モル%以下の割合で含む1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを使用したポリアミド樹脂とすることで、結晶化速度が遅くなり、吸水しても白化しない、透明性に優れたポリアミド樹脂とすることができる。
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A)の好ましい異性体モル比は、ポリアミド樹脂の成形品の用途によって異なり、高結晶性が求められる用途と、低結晶性あるいは非晶性が求められる用途が存在する。高結晶性が求められる用途に使用する場合、好ましい異性体モル比(シス/トランス)は、100/0〜90/10モル%、好ましくは100/0〜93/7モル%、さらに好ましくは100/0〜95/5モル%である。シス体を90モル%以上含む1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを使用したポリアミド樹脂とすることで、結晶化速度が速く、金型内にて十分に固化および結晶化の進行した成形品が得られるため、高強度、高弾性率を有し、かつ、高温度下での剛性保持性、高温度下での耐久性、吸水時の機械的性能保持性に優れる成形品材料用樹脂として有用である。
逆に低結晶性あるいは非晶性が求められる用途に使用する場合、好ましい異性体モル比(シス/トランス)は、0/100〜90/10モル%、好ましくは0/100〜80/20モル%、さらに好ましくは0/100〜70/30モル%である。トランス体を10モル%以上含む1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを使用したポリアミド樹脂とすることで、結晶化速度が遅くなり、吸水しても白化しない、透明性に優れたポリアミド樹脂とすることができる。
また、ジアミン成分に由来する単位が、キシリレンジアミン(A−1)に由来する単位とビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来する単位の両方を有する場合は、その合計が70モル%以上であることが好ましい。
キシリレンジアミン(A−1)及びビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)以外の他のジアミン由来単位を構成しうる単位としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等に由来する単位を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
一方、本発明のポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸構成単位の50モル%以上は、セバシン酸(B)に由来する単位であることを必要とする。セバシン酸(B)に由来する単位の量が、ジカルボン酸由来の構成単位中、50モル%を下回ると、ポリアミド樹脂の水分率が高くなり、吸水性(吸湿性)が増し、密度が大きくなり、また、耐熱老化性が悪くなりやすい。また、セバシン酸に由来する単位の量が多くなるほど軽量化ができる。セバシン酸に由来する単位の量は、好ましくは60〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。
ポリアミド樹脂のセバシン酸(B)以外のジカルボン酸由来の構成単位としては、他の炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸に由来する単位が好ましく、例えばアジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸等に由来する単位が挙げられる。セバシン酸以外のジカルボン酸に由来する単位を有する場合は、これらの中でも、アジピン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等に由来する単位であることが好ましい。なかでも、特に好ましいジカルボン酸由来の単位としては、アジピン酸に由来する単位が挙げられる。アジピン酸に由来する単位を併せて有することで、弾性率や吸水率、結晶性を適切なものとすることができる。アジピン酸に由来する単位の量は、40モル%以下がより好ましく、30モル%以下がさらに好ましい。また、ウンデカン二酸、ドデカン二酸に由来する単位を併せて有するものは、ポリアミド樹脂の比重が小さくなり、成形品が軽量化されるため好ましい。
セバシン酸以外の炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する単位を有する場合の割合は、50モル%未満であり、好ましくは40モル%以下である。
また、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類に由来する単位なども有することができ、またこれらの単位の複数を併せて有することもできる。
さらに、ジアミン成分に由来する単位、ジカルボン酸成分に由来する単位以外にも、ポリアミド樹脂を構成する単位として、本発明の効果を損なわない範囲で、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類に由来する単位も共重合単位として有することもできる。
ポリアミド樹脂の硫黄原子濃度は、1〜200ppmであり、より好ましくは10〜150ppm、特に好ましくは20〜100ppmである。上記の範囲であると、製造時にポリアミド樹脂のYIの増加を抑えることができるばかりでなく、ポリアミド樹脂を溶融成形する際のYIの増加を押さえることができ、得られた成形品のYIを低くすることができる。
ポリアミド樹脂は、後述するように、その工業的製造においては、リンが不可避的に存在することになるが、その量は、リン原子濃度として1〜500ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜300ppm、さらに好ましくは10〜200ppmである。リン原子濃度が1ppm未満であると、ポリアミド樹脂が黄変しやすい傾向にあり、500ppmを超えると、後記するように、ポリアミド樹脂合成時の過剰なアミド化反応により重合の制御が難しくなる場合がある。
また、ポリアミド樹脂は、後述するように、その工業的製造においては、ナトリウム化合物が、通常存在することになるが、その量は、ナトリウム原子濃度として1〜500ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜300ppm、さらに好ましくは10〜200ppmである。
ポリアミド樹脂中のリン原子濃度(P)とナトリウム原子濃度(Na)の比率(P/Na)は、0.4〜0.9となることが好ましく、0.4〜0.8がより好ましく、0.4〜0.7がさらに好ましい。この範囲であると、後記するように、ポリアミド樹脂の合成時のアミド化反応が適切な速度で進むことから、重合度すなわち分子量のコントロールが容易になる。また、ポリアミド樹脂を成形加工する際に、YIの増加を抑えることができる。
また、ポリアミド樹脂の数平均分子量は、好ましくは8,000〜50,000、より好ましくは12,000〜45,000、更に好ましくは15,000〜40,000であり、特に20,000〜38,000である。このような範囲にあると、流動性が良好であり各種成形品を成形する際の成形性が良好である。また、50,000より大きいと、ポリアミド樹脂の合成時に過剰な熱履歴を加える必要があり、ポリアミド樹脂のYIが増加することがある。この範囲であると成形加工時に樹脂の流動が良好であるので、装置内部での滞留を抑制でき、得られる成形品はコゲ(char)等の混入の少ない品質のより良いものとすることができる。
なお、ポリアミド樹脂の数平均分子量については、下式(2)から算出される。
数平均分子量=2×1,000,000/([COOH]+[NH])・・・(2)
(式中、[COOH]はポリアミド樹脂中の末端カルボキシル基濃度(μeq/g)を表し、[NH]はポリアミド樹脂中の末端アミノ基濃度(μeq/g)を表す。)
本発明では、末端アミノ基濃度は、ポリアミド樹脂をフェノール/エタノール混合溶液に溶解したものを希塩酸水溶液で中和滴定して算出した値を用い、末端カルボキシル基濃度は、ポリアミド樹脂をベンジルアルコールに溶解したものを水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム/ベンジルアルコール溶液で中和滴定して算出した値を用いる。
ポリアミド樹脂の融点は、150℃〜320℃の範囲に制御することが好ましく、より好ましくは160〜310℃、さらに好ましくは170〜300℃、特に好ましくは180〜295℃、最も好ましくは180〜290℃である。融点を上記範囲とすることにより、加工性がよくなる傾向にあり好ましい。
また、ポリアミド樹脂のガラス転移点は、50〜130℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移点を上記範囲とすることによりバリア性が良好となる傾向にあり好ましい。
なお、本発明において、ポリアミド樹脂の融点及びガラス転移点は、示差走査熱量測定(DSC)法によって測定することができ、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温して測定される融点、ガラス転移点をいう。具体的には、例えば、30℃から予想される融点以上の温度まで10℃/minの速度で昇温し、2分間保持した後、30℃まで20℃/minの速度で降温する。次いで、10℃/minの速度で融点以上の温度まで昇温し、融点、ガラス転移点を求めることができる。
ポリアミド樹脂は、末端アミノ基濃度が好ましくは100μeq/g未満、より好ましくは5〜75μeq/g、さらに好ましくは10〜50μeq/g、末端カルボキシル基濃度が好ましくは100μeq/g未満、より好ましくは10〜90μeq/g、さらに好ましくは10〜50μeq/gであることが好ましい。末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度を上記範囲とすることにより、成形加工時の粘度が安定し、加工性が良好となる傾向にある。
また、ポリアミド樹脂は、反応したジカルボン酸成分に対するジアミン成分のモル比(反応したジアミン成分のモル数/反応したジカルボン酸成分のモル数)が0.98〜1.1であることが好ましく、より好ましくは0.985〜1、さらに好ましくは0.99〜0.999のものが用いられる。反応モル比が0.98〜1.1の範囲から外れる場合、ポリアミド樹脂の数平均分子量が増加しにくくなるため好ましくない。また反応モル比が1.1より大きい場合は、ポリアミド樹脂の末端アミノ基が過剰になり、これから得られる成形品のヘーズが上昇したり、ゲル化物が発生しやすくなる傾向があることから好ましくない。
ここで、反応モル比(r)は次式で求められる。
r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N))
式中、a:M/2
b:M/2
c:18.015
:ジアミン成分の分子量(g/mol)
:ジカルボン酸成分の分子量(g/mol)
N:末端アミノ基濃度(eq/g)
C:末端カルボキシル基濃度(eq/g)
また、ポリアミド樹脂は、96%硫酸中、樹脂濃度1g/100cc、温度25℃で測定した相対粘度が1.7〜4.7であるものが好ましく、2.05〜4.3であるものがより好ましく、2.45〜3.9であるものがさらに好ましい。このような範囲であると、成形加工性が良好となる傾向にあるため好ましい。
また、ポリアミド樹脂の水分率は、0.005〜0.8質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.6質量%、さらに好ましくは0.02〜0.5質量%である。水分率が上記範囲であると、例えば、ポリアミド樹脂に必要に応じて添加剤成分を配合し溶融混練してポリアミド樹脂組成物を製造する際に、分子量低下を抑えることができ、安定した品質のポリアミド樹脂組成物を製造するのが容易となる。また、ポリアミド樹脂を固相重合した場合は、好ましい水分率は0.005〜0.2質量%であり、より好ましくは0.01〜0.1質量%、さらに好ましくは0.02〜0.08質量%である。上記範囲であると、ポリアミド樹脂をフィルムやチューブ、ボトル等に成形する際に粘度の増加や低下が無く、安定した成形を行うことが容易である。また、成形時に発泡による製品外観悪化などがなく、得られる成形品の外観も良好となる傾向にある。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法、重合条件により行うことができる。例えば、ジアミン成分(例えばメタキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン)とジカルボン酸成分(例えばセバシン酸)とからなるナイロン塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリアミド樹脂を製造することができる。
また、ジアミン成分(メタキシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等)を溶融状態のジカルボン酸成分(セバシン酸等)に直接加えて、常圧下又は加圧下で重縮合する方法によってもポリアミド樹脂を製造することができる。この場合、反応系を均一な液状状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ポリアミド樹脂の重縮合時に、分子量調節剤として少量のモノアミン、モノカルボン酸を加えてもよい。
また、ポリアミド樹脂は、溶融重合法により製造された後に、固相重合を行うことによって重縮合を行ってもよい。固相重合は特に限定されず、任意の方法、重合条件により行うことができる。
ここで、セバシン酸(B)は、硫黄原子濃度が1〜200ppmであることが好ましく、より好ましくは10〜150ppm、特に好ましくは20〜100ppmである。上記の範囲であると、ポリアミド樹脂を合成する際のYIの増加を抑えることができる。また、ポリアミド樹脂を溶融成形する際のYIの増加を押さえることができ、得られる成形品のYIを低くすることができる。
また、セバシン酸(B)は、ナトリウム原子濃度が1〜500ppmであることが好ましく、より好ましくは10〜300ppm、特に好ましくは20〜200ppmである。上記の範囲であると、ポリアミド樹脂を合成する際の反応性が良く、適切な分子量範囲にコントロールしやすく、さらに、後述のアミド化反応速度調整の目的で配合するアルカリ金属化合物の使用量を少なくすることができる。また、ポリアミド樹脂を溶融成形する際に粘度増加を抑制することができ、成形性が良好となると共に成形加工時にコゲの発生を抑制できることから、得られる成形品の品質が良好となる傾向にある。さらに、ポリアミド樹脂とガラスフィラー等をコンパウンドする際にダイで発生する、所謂、目ヤニ等の樹脂劣化物の発生を抑制しやすい傾向にある。
このようなセバシン酸(B)は、植物由来のものであることが好ましい。植物由来のセバシン酸は、不純物として硫黄化合物やナトリウム化合物を含有することから、植物由来のセバシン酸(B)に由来する単位を構成単位とするポリアミド樹脂は、酸化防止剤を添加しなくてもYIが低く、また、得られる成形品のYIも低い。また、植物由来のセバシン酸(B)は、不純物を過度に精製することなく使用することが好ましい。過度に精製する必要が無いので、コスト的にも優位である。
植物由来の場合のセバシン酸(B)の純度は、99〜100質量%が好ましく、99.5〜100質量%がより好ましく、99.6〜100質量%がさらに好ましい。この範囲であると、得られるポリアミド樹脂の品質が良く、重合に影響を及ぼさないため好ましい。
例えば、セバシン酸(B)が含有する1,10−デカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸は、0〜1質量%が好ましく、0〜0.7質量%がより好ましく、0〜0.6質量%がさらに好ましい。この範囲であると、得られるポリアミド樹脂の品質が良く、重合に影響を及ぼさないため好ましい。
また、セバシン酸(B)が含有するオクタン酸、ノナン酸、ウンデカン酸等のモノカルボン酸は、0〜1質量%が好ましく、0〜0.5質量%がより好ましく、0〜0.4質量%がさらに好ましい。この範囲であると、得られるポリアミド樹脂の品質が良く、重合に影響を及ぼさないため好ましい。
セバシン酸(B)の色相(APHA)は、100以下が好ましく、75以下がより好ましく、50以下がさらに好ましい。この範囲であると、得られるポリアミド樹脂のYIが低いため、好ましい。なお、APHAは、日本油化学会(Japan Oil Chemist’s Society)の基準油脂分析試験法(Standard Methods for the Analysis of Fats,Oils and Related Materials)により測定することができる。
ポリアミド樹脂の製造時には、溶融成形時の加工安定性を高める観点及びポリアミド樹脂の着色を防止する観点、アミド化反応を促進させる触媒としての観点から、通常、溶融状態にある重縮合中もしくは原料(ナイロン塩水溶液)調製段階で、酸化防止剤(熱安定剤)として、次亜リン酸化合物(ホスフィン酸化合物又は亜ホスホン酸化合物ともいう)や亜リン酸化合物(ホスホン酸化合物ともいう)等が添加される。これらリン酸系酸化防止剤が、亜リン酸塩もしくはリン酸塩に酸化されることにより重縮合中のポリアミド樹脂から酸素が除かれ、ポリアミド分子の酸化劣化が防止される。
したがって、本発明のポリアミド樹脂は、その工業的製造においては、リンが不可避的に存在することになるが、その量は、前述したように、リン原子濃度として1〜500ppmであることが好ましい。より好ましくは5〜300ppm、さらに好ましくは10〜200ppmである。リン原子濃度が1ppm未満であると、ポリアミド樹脂が黄変しやすい傾向にあり、500ppmを超えると、ポリアミド樹脂合成時の過剰なアミド化反応により重合の制御が難しくなる場合がある。
酸化防止剤としての次亜リン酸化合物の具体例としては、次亜リン酸;次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩;次亜リン酸エチル、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸エチル等の次亜リン酸化合物;フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム等のフェニル亜ホスホン酸金属塩等が挙げられる。
亜リン酸化合物の具体例としては、亜リン酸、ピロ亜リン酸;亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム等の亜リン酸金属塩;亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスホン酸ジエチル等の亜リン酸化合物;エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム等のフェニルホスホン酸金属塩等が挙げられる。
これらの中でも、好ましい酸化防止剤は、ポリアミド樹脂の重合反応を促進する効果の観点及び着色防止効果の観点から、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩が好ましく、次亜リン酸ナトリウムが特に好ましい。
また、ポリアミド樹脂の重縮合は、上記したように、リン原子含有化合物の存在下で行われても良い。しかし、リン原子含有化合物の使用量が多すぎるとアミド化反応速度が促進されすぎて重合の制御が難しくなることがあり、さらにはポリアミド樹脂の成形加工時にコゲの生成を招くおそれがある。
そのため、アミド化反応速度を調整する観点から、アルカリ金属化合物を共存させることがよく行われる。アルカリ金属化合物の使用量は、アルカリ金属化合物のモル数をリン原子含有化合物のモル数で除した値が、通常0.5〜1、好ましくは0.55〜0.95、更には0.6〜0.9となる範囲が好ましい。このような範囲であると、重縮合速度が適切で、YIが低く品質の優れたポリアミド樹脂を得ることができる。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩が通常使用され、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムが、通常好ましく使用される。
したがって、本発明のポリアミド樹脂は、その工業的製造においては、ナトリウム化合物が、通常存在することになるが、その量は、前述したように、ナトリウム原子濃度として1〜500ppmであることが好ましく、より好ましくは5〜300ppm、さらに好ましくは10〜200ppmである。ナトリウム化合物はセバシン酸(B)由来であっても良く、セバシン酸(B)と上記アルカリ金属化合物由来の両方であっても良い。
ポリアミド樹脂中のリン原子濃度(P)とナトリウム原子濃度(Na)の比率(P/Na)は、前述したように、0.4〜0.9となることが好ましく、0.4〜0.8がより好ましく、0.4〜0.7がさらに好ましい。この範囲であると、ポリアミド樹脂の合成時のアミド化反応が適切な速度で進むことから、重合度すなわち分子量のコントロールが容易になる。また、ポリアミド樹脂を成形加工する際に、YIの増加を抑えることができる。
本発明のポリアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリアミド樹脂以外のその他の樹脂を配合し、樹脂組成物とすることができる。具体的には、例えば、本発明のポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素系樹脂、エチレン−ビニルアルコール等のビニルアルコール系共重合体、生分解性樹脂等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を混合して使用できる。
さらに、本発明のポリアミド樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を配合し、樹脂組成物とすることができる。具体的には、例えば、リン系、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、有機硫黄系、シュウ酸アニリド系、芳香族第2級アミン系などの有機系安定剤、銅化合物やハロゲン化物などの無機系安定剤、ガラス系充填材(ガラス繊維、粉砕ガラス繊維(ミルドファイバー)、ガラスフレーク、ガラスビーズ等)、ケイ酸カルシウム系充填材(ワラストナイト等)、マイカ、タルク、カオリン、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、炭素繊維等の無機充填材、タルク、窒化ホウ素等の結晶核剤、カルボジイミド化合物等の耐加水分解性改良材、導電剤、滑剤、可塑剤、離型剤、顔料、染料、分散剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、耐衝撃性改良剤、難燃剤及びその他の周知の添加剤を配合することができる。
本発明のポリアミド樹脂は、従来公知の成形方法により、各種形態の成形品に成形することが出来る。成形法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、真空成形、プレス成形、ダイレクトブロー成形、回転成形、サンドイッチ成形及び二色成形等の成形法を例示することができる。
本発明のポリアミド樹脂は射出成形、ブロー成形、押出成形、圧縮成形、延伸、真空成形などの公知の成形方法が適用できる。エンジニアリングプラスチックとして成形体のみならず、フィルム、シート、ホース、中空容器、繊維、チューブなどの形態にも成形可能であり、産業資材、工業材料、家庭用品などに好適に使用することができる。
以下実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
なお本発明における評価のための測定は以下の方法で行った。
(1)硫黄原子濃度(単位:ppm)
セバシン酸又はポリアミド樹脂をプレス機で錠剤成形し、蛍光X線分析(XRF)を実施した。XRF装置は、理学電機工業社(Rigaku Corporation)製蛍光X線分析装置ZSX Primusを用い、管球はRh管球(4kw)を使用した。分析窓用フィルムはPPフィルムを使用し真空雰囲気下でEZスキャンを実施した。なお、照射領域は30mmφである。
(2)ナトリウム原子濃度、及びリン原子濃度(単位:ppm)
セバシン酸及びポリアミド樹脂に含まれるナトリウム原子濃度及びリン原子濃度は、セバシン酸又はポリアミド樹脂を、硝酸中、マイクロウェーブにて分解処理した後、原子吸光分析装置((株)島津製作所(SHIMADZU Corporation)製、商品名:AA−6650)及びICP発光分析装置((株)島津製作所製、商品名:ICPE−9000)を用いて定量した。
(3)1,10−デカメチレンジカルボン酸(「DMDC」と略記する。)含量(単位:質量%)
セバシン酸中のDMDCの定性・定量は、誘導体化(メチルエステル化)してGC/MS分析により行った。具体的な手法は以下のとおりである。
(a)1mlのリアクティバイアルにセバシン酸8mgを計量する。
(b)三フッ化ホウ素メタノール錯体メタノール溶液(和光純薬工業社(Wako Pure Chemical Industries)製、GC用Assay:14〜15%)0.5mlを加えて栓をする。
(c)100℃に調整したブロックバスで1hr加熱した後、室温になるまで放冷する。
(d)反応液を5mlのリアクティバイアルに移し替え、クロロホルム(純正化学社(JUNSEI Chemical Co.)製、原子吸光分析用)1mlと純水2mlを加える。
(e)5min振り混ぜた後、30min静置する。
(f)有機層(下層)をシリンジで回収し、再度操作(d)及び(e)を行う。
(g)有機層(下層)をシリンジで回収し、GC/MS分析に供する。
(h)MSスペクトルから成分を定性し、TICの面積値から、DMDCの含量(質量%)を算出する。
なお、GC/MS分析条件は以下のとおりである。
GC装置:Agilent社製、6890N
MS装置:Agilent社製、5975 inert MDS
カラム:CP−Sil 8CB for amines、30m×0.25mmφ×0.25μmt
キャリアガス:ヘリウム 1ml/min
オーブン温度:80℃で5min保持後、10℃/minの速度で300℃まで昇温し、300℃で13分保持
Injection Split(50:1)、inlet温度300℃、1μl
Interface温度300℃
Ion source温度250℃
Q Pole温度150℃
Mass Range(m/z) 40〜800
Ionization Energy EI 70eV
(4)ポリアミド樹脂の融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)
示差走査熱量測定(DSC)法により、島津製作所社(SHIMADZU CORPORATION)製DSC−60を用い、30℃から予想される融点以上の温度まで10℃/分の速度で昇温し、ポリアミド樹脂を溶融させた。この時の吸熱ピークのピークトップの温度から融点(Tm)を求めた。溶融後サンプルをドライアイスで冷却し、次いで、10℃/分の速度で融点以上の温度まで昇温し、ガラス転移点(Tg)を求めた。
(5)末端アミノ基濃度([NH])
下記記載の方法で得られたポリアミド樹脂0.3gを30mlのフェノール/エタノール(4:1)混合溶液に20〜30℃で攪拌溶解し、0.01Nの塩酸で滴定して測定した。
(6)末端カルボキシル基濃度([COOH])
下記記載の方法で得られたポリアミド樹脂0.1gを30mlのベンジルアルコールに200℃で溶解し、160℃〜165℃の範囲でフェノールレッド溶液を0.1ml加えた。その溶液を0.132gのKOHをベンジルアルコール200mlに溶解させた滴定液(KOH濃度として0.01mol/l)で滴定して測定した。
(末端カルボキシル基濃度に対する末端アミノ基濃度の比([NH]/[COOH]))
上記記載の方法で求められた末端アミノ基濃度及び末端カルボキシル基濃度から、算出した。
(7)数平均分子量
上記記載の中和滴定により求められたポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度[NH](μeq/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](μeq/g)の値から、次式で算出した。
数平均分子量=2×1,000,000/([COOH]+[NH])
(8)反応モル比
前記した次式により求めた。
r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N))
式中、a:M/2
b:M/2
c:18.015
:ジアミン成分の分子量(g/mol)
:ジカルボン酸成分の分子量(g/mol)
N:末端アミノ基濃度(eq/g)
C:末端カルボキシル基濃度(eq/g)
(セバシン酸の調製)
「油化学(Journal of Oleo Science)7、133(1958年)」に記載の方法に従って、各種産地のトウゴマから抽出したひまし油中リシノレイン酸のアルカリ溶融により、表1に記載の硫黄濃度、ナトリウム濃度、DMDC含量を有するセバシン酸(SA1)〜(SA4)を準備した。セバシン酸(SA1)〜(SA4)の硫黄原子濃度、ナトリウム原子濃度及びDMDC含量(質量%)は、表1に示した。
[実施例1〜7、比較例1]
(実施例1)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(SA1)12,135g(60mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。
これにメタキシリレンジアミン(MXDA)8,172g(60mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を260℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約22kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は、190℃、ガラス転移点は60℃であった。
このセバシン酸の性状、及び、ポリアミド樹脂の評価結果を表1に記載する。
(実施例2)
反応容器に、セバシン酸(SA1)と共に、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)9.3149g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として150ppm)、酢酸ナトリウム4.8301gを入れた以外は実施例1と同様にポリアミド樹脂を合成した。なお、酢酸ナトリウム/次亜リン酸ナトリウム一水和物のモル比は0.67である。得られたポリアミド樹脂の融点は、190℃、ガラス転移点は60℃であった。
(実施例3および実施例4)
セバシン酸を表1記載の性状を有するSA2に変えた以外は、それぞれ実施例1、実施例2と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。これらのポリアミド樹脂の評価結果を表1に記載する。得られたポリアミド樹脂の融点は、それぞれ190℃、190℃、ガラス転移点は、それぞれ60℃、60℃であった。
(実施例5)
セバシン酸を表1記載の性状を有するSA3に変え、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を3.1050g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50ppm)、酢酸ナトリウムを1.6100gとした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は、190℃、ガラス転移点は60℃であった。
(実施例6)
メタキシリレンジアミン(MXDA)を、メタキシリレンジアミン(MXDA)とパラキシリレンジアミン(PXDA)の6:4の混合ジアミンとし、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を12.4198g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として200ppm)、酢酸ナトリウムを6.4402gとした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は221℃、ガラス転移点は64℃であった。
(実施例7)
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したセバシン酸(SA1)8950g(44mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物13.7401g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として300ppm)、酢酸ナトリウム10.6340gを秤量して仕込んだ。なお、次亜リン酸ナトリウムと酢酸ナトリウムのモル比は1.0である。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.3MPaに加圧し、攪拌しながら160℃に昇温してセバシン酸を均一に溶融した。次いでパラキシリレンジアミン(PXDA)6026g(44mol)を攪拌下で170分を要して滴下した。この間、内温は281℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.5MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。パラキシリレンジアミン滴下終了後、0.4MPa/hrの速度で降圧し、60分間で常圧まで降圧した。この間に内温は299℃まで昇温した。その後0.002MPa/minの速度で降圧し、20分間で0.08MPaまで降圧した。その後攪拌装置のトルクが所定の値となるまで0.08MPaで反応を継続した。0.08MPaでの反応時間は10分であった。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は288℃、ガラス転移点は75℃であった。
(比較例)
セバシン酸を表1記載の性状を有するSA4に変えた以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は190℃、ガラス転移点は60℃であった。
上記で得られた各ポリアミド樹脂の評価結果を表1に記載する。
なお、YI値、曲げ弾性率及びガスバリア性の評価は、以下のようにして行った。
(i)YI値
得られたポリアミド樹脂を用い、ファナック社製射出成形機100Tにて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+30℃、金型温度80℃の条件で3mm厚の平板を作製し、JIS K−7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、反射法により測定した。
(ii)曲げ弾性率(単位:GPa)
得られたポリアミド樹脂を用い、ファナック社製射出成形機100Tにて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+30℃、金型温度80℃の条件で3mm厚の試験片を作製した。得られた試験片を、150℃にて1時間結晶化処理を行い、JIS K7171に準じて曲げ弾性率(GPa)を求めた。なお、装置は東洋精機株式会社製ストログラフを使用し、測定温度を23℃、測定湿度を50%RHとして測定した。
(iii)ガスバリア性(単位:cc・mm/m・day・atm)
得られたポリアミド樹脂を、シリンダー径30mmのTダイ付き単軸押出機(プラスチック工学研社製、PTM−30)に供給した。シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+30℃とし、スクリュー回転数30rpmの条件で、Tダイを通じてフィルム状物を押出し冷却ロール上で固化し、厚さ100μmのフィルムを得た。
得られたフィルムを用いて、23℃、75%RHの雰囲気下にて、JIS K7126に準じてフィルムの酸素透過係数(cc・mm/m・day・atm)を測定した。測定は、モダンコントロールズ社製、OX−TRAN2/21を使用した。値が低いほど、ガスバリア性が良好であることを示す。
Figure 2012014772
[実施例8〜14、比較例2〜3]
(セバシン酸の調製)
「油化学7、133(1958年)」に記載の方法に従って、各種産地のゴマから抽出したひまし油中、リシノレイン酸のアルカリ溶融により、表2に記載の硫黄濃度、ナトリウム濃度、DMDC含量を有するセバシン酸(SA11)〜(SA13)を準備した。
また、ひまし油由来のセバシン酸(SA14)として、伊藤製油(株)製セバシン酸TAグレードを使用した。さらに、特公昭57−60327による方法で、製油成分(アジピン酸)由来のセバシン酸(SA15)を準備した。
セバシン酸(SA11)〜(SA15)の硫黄原子濃度、ナトリウム原子濃度及びDMDC含量は、表2に示した。
(実施例8)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(SA11)12,135g(60.00mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。
これに三菱ガス化学(株)製1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(以下、「14BAC」ともいう。シス/トランスモル比:20/80)8,413.8g(60.00mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの滴下終了後、内温を300℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約22kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は288℃、ガラス転移点は89℃であった。
(実施例9)
反応容器に、セバシン酸(SA11)と共に、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)9.439g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として150質量ppm)、酢酸ナトリウム4.8945gを入れた以外は実施例8と同様にポリアミド樹脂を合成した。なお、酢酸ナトリウム/次亜リン酸ナトリウム一水和物のモル比は0.67である。得られたポリアミド樹脂の融点は288℃、ガラス転移点は89℃であった。
(実施例10及び実施例11)
セバシン酸を表2記載の性状を有するSA12に変え、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのシス/トランスモル比を変えた以外は、実施例10は実施例8と同様に、実施例11は実施例9と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。これらのポリアミド樹脂の評価結果を表2に記載する。得られたポリアミド樹脂の融点は、それぞれ296℃、261℃、ガラス転移点は、それぞれ91℃、90℃であった。
(実施例12)
セバシン酸を表2記載の性状を有するSA13に変え、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を3.1463g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50質量ppm)、酢酸ナトリウムを1.6351gとした以外は、実施例8と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は288℃、ガラス転移点は89℃であった。
(実施例13)
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを、シス体とトランス体の95:5の混合ジアミンとし、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を12.5853g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として200質量ppm)、酢酸ナトリウムを6.526gとした以外は、実施例8と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は207℃、ガラス転移点は87℃であった。
(実施例14)
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したセバシン酸(SA11)8950g(44.25mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物13.9232g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として300質量ppm)、酢酸ナトリウム10.7757gを秤量して仕込んだ。なお、次亜リン酸ナトリウムと酢酸ナトリウムのモル比は1.0である。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.3MPaに加圧し、攪拌しながら160℃に昇温してセバシン酸を均一に溶融した。次いで1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン6174.5g(44.03mol)を攪拌下で170分を要して滴下した。この間、内温は291℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.5MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン滴下終了後、0.4MPa/時間の速度で降圧し、60分間で常圧まで降圧した。この間に内温は300℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で降圧し、20分間で0.08MPaまで降圧した。その後攪拌装置のトルクが所定の値となるまで0.08MPaで反応を継続した。0.08MPaでの反応時間は10分であった。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は288℃、ガラス転移点は89℃であった。
(比較例2〜3)
セバシン酸を表2記載の性状を有するSA14、SA15に変えた以外は、実施例8と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂は、いずれも融点は288℃、ガラス転移点は89℃であった。
上記で得られた各ポリアミド樹脂の評価結果を表2に記載する。
なお、YI値、曲げ弾性率及び引張り強さ保持率の評価は、以下のようにして行った。
(i)YI値
得られたポリアミド樹脂を150℃で5時間真空乾燥した後、ファナック社製射出成形機100Tにて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+25℃、金型温度30℃の条件で3mm厚の平板を作製し、JIS K7105に準拠し、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、反射法により測定した。
(ii)曲げ弾性率(単位:GPa)
得られたポリアミド樹脂を150℃で5時間真空乾燥した後、ファナック社製射出成形機100Tにて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+25℃、金型温度30℃の条件で3mm厚の試験片を作製した。得られた試験片を、150℃にて1時間結晶化処理を行い、JIS K7171に準じて曲げ弾性率(GPa)を求めた。なお、装置は東洋精機株式会社製ストログラフを使用し、測定温度を23℃、測定湿度を50%RHとして測定した。
(iii)耐熱老化試験(引張り強さ保持率)
得られたポリアミド樹脂を150℃で5時間真空乾燥した後、住友重機械工業社製射出成形機「SE50」にて、シリンダー温度をポリアミド樹脂の融点+25℃、金型温度30℃の条件で試験片(ISO試験片 4mm厚み)を作製した。
得られた試験片を150℃空気中で保存し、JIS K7113に準じて引張り強さ(MPa)を求めた。なお、150℃、24時間保存後の引張り強さを、150℃、1時間保存後の引張り強さで除して、引張り強さ保持率(%)を求めた。
Figure 2012014772
[実施例15〜21、比較例4〜5]
(実施例15)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(SA11)12,135g(60.00mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。
これに三菱ガス化学(株)製1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC、シス/トランスモル比:74/26)8,413.8g(60.00mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの滴下終了後、内温を240℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約22kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は、189℃、ガラス転移点は84.5℃であった。
(実施例16)
反応容器に、セバシン酸(SA11)と共に、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)9.439g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として150質量ppm)、酢酸ナトリウム4.8945gを入れた以外は実施例1と同様にポリアミド樹脂を合成した。なお、酢酸ナトリウム/次亜リン酸ナトリウム一水和物のモル比は0.67である。得られたポリアミド樹脂の融点は、189℃、ガラス転移点は84.5℃であった。
(実施例17および実施例18)
セバシン酸を表3記載の性状を有するSA12に変え、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのシス/トランスモル比を変えた以外は、実施例17は実施例15と同様に、実施例17は実施例15と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。これらのポリアミド樹脂の評価結果を表3に記載する。得られたポリアミド樹脂の融点は、それぞれ204℃、204℃、ガラス転移点は、それぞれ86℃、86℃であった。
(実施例19)
セバシン酸を表3記載の性状を有するSA13に変え、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を3.1463g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として50質量ppm)、酢酸ナトリウムを1.6315gとした以外は、実施例15と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は、189℃、ガラス転移点は84.5℃であった。
(実施例20)
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを、シス体とトランス体の96:4の混合ジアミンとし、次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaHPO・HO)を12.5853g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として200質量ppm)、酢酸ナトリウムを6.526gとした以外は、実施例15と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂の融点は209℃、ガラス転移点は88℃であった。
(実施例21)
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したセバシン酸(SA11)8950g(44.25mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物13.9232g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として300質量ppm)、酢酸ナトリウム10.7757gを秤量して仕込んだ。なお、次亜リン酸ナトリウムと酢酸ナトリウムのモル比は1.0である。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.3MPaに加圧し、攪拌しながら160℃に昇温してセバシン酸を均一に溶融した。次いで1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン6174.5g(44.03mol)を攪拌下で170分を要して滴下した。この間、内温は235℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.5MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン滴下終了後、0.4MPa/時間の速度で降圧し、60分間で常圧まで降圧した。この間に内温は240℃まで昇温した。その後0.002MPa/分の速度で降圧し、20分間で0.08MPaまで降圧した。その後攪拌装置のトルクが所定の値となるまで0.08MPaで反応を継続した。0.08MPaでの反応時間は10分であった。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化し、約13kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は189℃、ガラス転移点は84.5℃であった。
(比較例4、5)
セバシン酸を表3記載の性状を有するSA14、SA15に変えた以外は、実施例15と同様にして、ポリアミド樹脂を合成した。得られたポリアミド樹脂はいずれも、融点が189℃、ガラス転移点が84.5℃であった。
上記で得られた各ポリアミド樹脂を実施例8〜14と同様にして、YI値、曲げ弾性率及び引張り強さ保持率の評価を行った。評価結果を表3に記載する。
Figure 2012014772
[実施例22〜23]
(実施例22)
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、セバシン酸(SA11)12,135g(60.00mol)を入れ、十分に窒素置換した後、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら170℃まで加熱した。
これに三菱ガス化学(株)製1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC、シス/トランスモル比:70/30)および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC、シス/トランスモル比:15/85)からなる混合BAC(1,3−BAC/1,4−BAC混合比:70/30) 8,413.8g(60.00mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。混合ビス(アミノメチル)シクロヘキサンの滴下終了後、内温を240℃として40分間溶融重合反応を継続した。
その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出して、これをペレット化し、約22kgのポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂の融点は、191℃、ガラス転移点は71℃であった。DSC測定では降温結晶化ピークを示さず、ほぼ非晶のポリアミドであることを確認した。
(実施例23)
三菱ガス化学(株)製1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC、シス/トランスモル比:70/30)および1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(BAC、シス/トランスモル比:15/85)からなる混合BAC(1,3−BAC/1,4−BAC混合比:30/70)を用い、滴下終了後の内温を270℃とした以外は実施例22と同様にしてポリアミド樹脂を得た。融点は255℃、ガラス転移点は92℃であった。
上記で得られた各ポリアミド樹脂を実施例8〜14と同様にして、YI値、曲げ弾性率及び引張り強さ保持率の評価を行った。評価結果を表4に記載する。
Figure 2012014772
本発明のポリアミド樹脂は、色調並びに弾性率に優れ、かつ、ガスバリア性に優れ吸水率の低いポリアミド樹脂であるため、各種用途に広く利用でき、各種のフィルム、シート、積層フィルム、積層シート、チューブ、ホース、パイプ、中空容器、ボトル等の各種容器、各種部品等、種々の成形体に好適に使用することができ、産業上の利用性は非常に高いものがある。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸(B)に由来するポリアミド樹脂であって、硫黄原子濃度が1〜200質量ppm、ナトリウム原子濃度が1〜500質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、キシリレンジアミン(A−1)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)が、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又はこれらの混合物であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、ジカルボン酸成構成単位がセバシン酸(B)に由来することを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、数平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とするポリアミド樹脂が提供される。
さらに、本発明の第の発明によれば、第1〜のいずれかの発明のポリアミド樹脂を成形してなる成形品が提供される。
Figure 2012014772
上記表中、実施例3は参考例である。
Figure 2012014772
上記表中、実施例10は参考例である。
Figure 2012014772
上記表中、実施例17は参考例である。

Claims (9)

  1. ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミン(A−1)及び/又はビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)に由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸(B)に由来するポリアミド樹脂であって、硫黄原子濃度が1〜200質量ppmであることを特徴とするポリアミド樹脂。
  2. リン原子濃度が1〜500質量ppmであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. ナトリウム原子濃度が1〜500質量ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂。
  4. キシリレンジアミン(A−1)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  5. ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(A−2)が、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  6. ジカルボン酸構成単位がセバシン酸(B)に由来することを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  7. 数平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  8. 下記関係式(1)で表される、ジカルボン酸成分に対するジアミン成分の反応モル比(r)が0.98〜1.1であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂。
    r=(1−cN−b(C−N))/(1−cC+a(C−N)) (1)
    (式中、a=M/2、b=M/2、c=18.015であり、Mはジアミン成分の分子量(g/mol)、Mはジカルボン酸成分の分子量(g/mol)、Nは末端アミノ基濃度(eq/g)、Cは末端カルボキシル基濃度(eq/g)を表す。)
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂を成形してなる成形品。
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