JPWO2012008113A1 - 微小電気機械発電器およびそれを用いた電気機器 - Google Patents

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Abstract

発電量を増大するために、エレクトレットの電位を増大させる、および/または電極とエレクトレットの間のギャップを狭くした場合でも、静電力による引き込み現象(スティクション)等に起因する機械ダンピングが防止された、信頼性の高い誘電型振動発電器を提供する。振動可能な可動基板110の両方の表面に第1のエレクトレット101および第2のエレクトレット103がそれぞれ設けられ、それぞれのエレクトレットに所定の間隔を空けて対向して、下部基板111および上部基板109上に第1の電極102および第2の電極104を形成することによって、可動基板110の両面側で静電力を生じさせて、可動基板110が一方向にのみ引き込まれることを防止する。

Description

本発明は、微小電気機械発電器およびそれを用いた電気機器に関するものである。
微小電気機械素子(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems:以下、「MEMS」と略すことがある)は、無線、光、加速度センサ、バイオ、およびパワーなど、多くの分野において応用されている。その中で、パワーの分野においてMEMSを応用したデバイスとして、環境の中で、光、熱、および振動といった散逸したエネルギーを集めて活用する環境発電器(Energy Harvester)の開発が進められている。この環境発電器は、例えば、低電力無線機の電源に適用されて、電源ケーブルや電池を必要としない無線センサーネットワークなどを実現する。MEMS技術を環境発電器に適用することにより、環境発電器の小型化が可能である。
光および熱の発生が弱い環境においては、外部環境から加えられる力によって素子を構成する部材が振動することを利用して発電する振動型発電器が有用である。振動型発電器には、圧電型、電磁型、および静電型がある。静電型振動発電器は圧電材料および磁性材料を必要とせず、簡単な製造方法で作製可能であるという利点を有する。
静電型振動発電器は、着電されたエレクトレットと対向する電極を具備し、外部環境から加えられる力により重りが振動したときに、エレクトレットと電極の対向面積が変化すように構成される。静電型振動発電器は、対向面積の変化に伴う静電容量の変化を利用して、静電容量の最大値と最小値を繰り返し発生させることにより、電極への給電および放電による発電を実現する環境発電器である。これまでに、種々の静電型振動発電器が提案されている。
特開2007−312551号公報
静電型振動発電器の発電量を増大させるためには、最大容量時の給電量を増大させること、および静電容量の最大値と最小値の容量変化比を増大させることが必要である。これらは、エレクトレットの電位を増大させること、および/または電極とエレクトレットの間のギャップを狭くすることによって実現される。しかし、これらの手法を用いると、電極とエレクトレットの間に発生する静電力が増大するため、引き込み現象(スティクション)に起因する機械ダンピングが生じやすくなる。その結果、重りの振動および発電器の駆動が阻害され、発電器の性能および信頼性を低化させるという課題があった。
従来の静電型振動発電器の問題について、詳細に説明する。
図12は、従来の微小電気機械発電器であって、静電振動型発電器の構成を示す横断面図である。この発電器の発電の仕組みを説明する。
微小電気機械発電器1000は、下部基板111、下部電極102、当該発電器から配線を取るためのパッド105、固定構造体108、可動基板110、下部エレクトレット101、バネ201、および下部接合部106を具備する。さらに、発電器1000は、可動基板110およびバネ201を保護するための上部基板109および上部接合部107を有する。
固定構造体108、バネ201および可動基板110は、通常、1枚の基板が加工されて形成される。固定構造体は固定部と呼ばれることもあり、可動基板は可動部または重りと呼ばれることもある。この発電器1000においては、外部環境の振動に追随して、可動基板(重り)110が振動する。バネ201のバネ定数および共振周波数は、外部環境の振動周波数において、最大振幅が発生するよう最適化されている。可動基板110の振動により、可動基板の表面に対して垂直な方向から見て、下部電極102と下部エレクトレット101との重なり状態が変化し、対向面積の最大値もしくは最小値の状態が繰り返し発生する。
対向面積が最大の状態では、基板111と可動基板110との間の静電容量値は最大となり、着電された下部エレクトレット101には高い電位が設定されているため、下部電極102には電荷の給電が発生する。一方、対向面積が最小の状態では、基板111と可動基板110との間の静電容量値は最小となり、下部電極102に給電された電荷の束縛が解放される。解放された電荷は、電力として、例えば、パッド105から出力される。
この構成の発電器1000において、発電量を増大させるためには、最大容量時の給電量を増大させること、および静電容量の最大値と最小値の容量変化比を増大させることが必要である。これらを実現する手法は、前述のように、下部エレクトレット101の電位を増大させること、および/または下部電極102と下部エレクトレット101との間のギャップを狭くすることである。図13は、電極とエレクトレットの間隔と静電容量変化比の関係を示すシミュレーション結果の図である。図示するように、下部電極102と下部エレクトレット101の間のギャップを狭くすることにより静電容量変化比を増大させることが可能である。
一方、ギャップをより狭くすると、下部電極102と下部エレクトレット101の間に発生する静電力がより増大するため、引き込み現象(スティクション)に起因する機械ダンピングが生じる。その結果、前述のように、可動基板110の振動および発電器の駆動が阻害される。
電極とエレクトレットとの間のギャップを適正に維持する方法の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載された静電型振動発電器は、エレクトレットと電極とが対向する領域のみならず、エレクトレットとエレクトレットが対向する領域を形成した構成を有し、対向するエレクトレットは同極性に着電されている。同極性に着電されたエレクトレットは、静電斥力により静電引力による引き込み力を低減する。しかし、特許文献1に記載の発電器は、給電用と斥力発生用のエレクトレットをともに、微小重り(可動基板)の同一平面上に形成する構成であるため、エレクトレットから発生する電界が複雑化し、制御が困難となる課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するためになされたものであり、発電量の増大と信頼性の向上が実現された静電型振動発電器を微小電気機械発電器として提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、
第1基板表面を有する第1基板と、
第2基板表面を有する第2基板と、
移動可能な可動基板と、
可動基板を支持する固定構造体と
を有し、
第1基板表面と第2基板表面とが互いに対向し、
可動基板は、前記第1基板と前記第2基板の間に配置されていて、前記第1基板表面と平行な少なくとも一軸方向(以下、この方向を「可動基板の移動方向」とも呼ぶ)に移動可能であり、
前記第1基板表面および前記第1基板表面と対向する可動基板の表面のうち、一方の表面に複数の第1のエレクトレットが配置され、他方の表面に複数の第1の電極が配置され、
前記第2基板表面および前記第2基板表面と対向する可動基板の表面のうち、一方の表面に複数の第2のエレクトレットが配置され、他方の表面に複数の第2の電極が配置されている、
微小電気機械発電器を提供する。
本発明の微小電気機械発電器(単に「発電器」とも呼ぶ)は、第1基板と可動基板との間に静電力を発生させるとともに、第2基板と可動基板との間にも静電力を発生させる構成を有する。本構成によって、可動基板の2つの表面において静電力が発生し、一方の表面側で発生する静電力が、他方の表面側で発生する静電力により生じる引き込み力を低減することができる。
本発明の発電器において、可動基板は、弾性構造体を介して固定基板に接続されていることが好ましい。即ち、可動基板は、弾性構造体を介して固定構造体に支持されていることが好ましい。それにより、可動基板を安定的に移動させる(振動させる)ことができる。
また、本発明の発電器においては、第1の電極および第2の電極から電力を出力させることができ、その場合には、発電量を増大することが可能である。即ち、電極とエレクトレットの対向領域を積み重ねることによって、当該対向領域を増大させることができる。よって、設置面積を増やすことなく、1つの発電器において、2つの発電器に相当する発電量を得ることができる。
また、本発明の微小電気機械発電器は、前記第1基板表面に垂直な方向から見て、前記第1のエレクトレットと前記第1の電極との位置が一致したとき、前記第2のエレクトレットと前記第2の電極との位置が可動基板の移動方向において所定量だけずれるように、前記第1のエレクトレット、前記第1の電極、前記第2のエレクトレット、および前記第2の電極が配置されている構成であってよい。
第1のエレクトレット、第1の電極、第2のエレクトレットおよび第2の電極が、第1基板表面に対して垂直な同一線上に配置されていると、当該方向と平行な方向で、逆向きの2つの力が可動基板に作用して、可動基板が束縛されることがある。そこで、第1および第2のエレクトレット、ならびに第1および第2の電極が同一線上に配置されないように、第2のエレクトレットと第2の電極との位置が所定量だけずれるように、これらのエレクトレットおよび電極を配置させる。それにより、可動基板の束縛に起因して、可動基板の振動が阻害される現象を回避することが可能となる。
第2の電極を第2のエレクトレットに対してずらすように配置すると、第2の電極と第2のエレクトレットとの間で発生する静電力は、可動基板の表面に対して斜め方向に加わる。即ち、可動基板の表面に対して垂直な方向の静電力のみならず、可動基板の表面に対して平行な方向(即ち、移動方向)の静電力を可動基板に加えることができる。そのような静電力は、可動基板を変位させることを可能にする、または促進する。
そのような構成の発電器は、例えば、
前記第1のエレクトレットは、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第1のエレクトレットの中心間の距離が等距離となるように配置されており、
前記第1の電極は、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第1の電極の中心間の距離が等距離となるように配置されており、
前記第2のエレクトレットは、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第2のエレクトレットの中心間の距離が等距離となるように配置されており、
前記第2の電極は、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第2の電極の中心間の距離が等距離となるように配置されており、
隣り合う2つの前記第1のエレクトレット間の中心間の距離、前記第1の電極間の中心間の距離、前記第2のエレクトレット間の中心間の距離、および前記第2の電極の中心間の距離が同じであり、
前記第1のエレクトレット、前記第1の電極、前記第2のエレクトレット、および前記第2の電極が並ぶ方向は、可動基板の移動方向と平行な方向であり、
前記所定量が隣り合う2つの第1の電極の中心間の距離の略半分である、
構成を有する。
本発明の発電器は、前記第1のエレクトレットおよび前記第2のエレクトレットはそれぞれ、前記第1基板、前記可動基板、前記第2基板から選択される、2つの異なる基板の表面に配置されている構成を有してよい。この構成の発電器においては、2つのエレクトレットが異なる基板の表面に形成されるため、発電器の製造過程において、エレクトレットへの着電工程をそれぞれ個別に行うことが可能となり、製造工程を簡素化することができる。
本発明の発電器においては、エレクトレットの電位を増大させること、および/またはエレクトレット−電極間のギャップを狭くすることによって、発電量を増大させても、可動基板の振動が静電力により阻害されない。よって、本発明によれば、発電量の増大と信頼性の向上がともに達成された、微小電気機械発電器およびそれを用いた電気機器を実現することができる。
本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の製造方法を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の製造方法を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の製造方法を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の製造方法を示す横断面図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の構成を示す回路図 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の構成を示す回路図 本発明実施の形態2における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 本発明実施の形態3における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 本発明実施の形態3における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 従来の微小電気機械発電器の構成を示す横断面図 従来の微小電気機械発電器における電極とエレクトレットの間隔と容量変化比の関係を示すグラフ 本発明実施の形態1における微小電気機械発電器における、第1の電極の配置を示す平面図 図1に示す発電器のエレクトレットおよび電極の付近を拡大した横断面図 図2に示す発電器のエレクトレットおよび電極の付近を拡大した横断面図
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、本実施の形態における微小電気機械発電器の構成を示す横断図である。図1および図2に示す微小電気機械発電器100および200は、第1基板としての下部基板111、第2基板としての上部基板109、可動基板110、弾性構造体としてのバネ201、および固定構造体108を具備する。図1において、下部基板111の上部表面と、上部基板109の下部表面とが対向している。したがって、この発電器100において、下部基板111の上部表面および上部基板109の下部表面が、それぞれ第1基板表面および第2基板表面に相当する。
下部基板111の第1基板表面(上部表面)には、複数の第1の電極102、および発電器100を構成する素子(例えば、第1の電極102、下部基板111、または他の素子)から配線を取るためのパッド105が形成されている。上部基板109の第2基板表面(下部表面)には、複数の第2の電極104が形成されている。先に図12に関して説明したとおり、固定構造体108、可動基板110、およびバネ201は、通常、1枚の基板が加工されて形成される。よって、これらの部材は合わせて、「可動基板(または可動部もしくは重り)110が弾性構造体201によって接続されている中間基板108」または「弾性構造体201によって可動可能な重り110を有する中間基板108」と称してもよい。
可動基板110は、外部振動に追随して、上部基板109および下部基板111と対向する表面(したがって、第1基板表面および第2基板表面)と平行な少なくとも一軸方向(図面において両矢印で示す方向)において、振動(即ち、往復運動)する。第1基板表面と対向する可動基板の表面には、可動基板110の上方で電界を発生するエレクトレットであって、第1の電極102と対向した第1のエレクトレット101が形成されている。第2基板表面と対向する可動基板の表面には、可動基板の下方で電界を発生するエレクトレットであって、第2の電極104と対向した第2のエレクトレット103が形成されている。
図示した形態において、第1の電極102は、互いに平行であり、かつ隣り合う2つの第1の電極102の中心間の距離が等距離となるように、即ち等間隔で設けられている。第1の電極102は、可動基板110の移動方向と平行な方向に並んでいる。即ち、第1の電極102は、第1基板表面に対して垂直な方向から見たときに、図14に示すように配置されている。第1のエレクトレット101、第2のエレクトレット103、および第2の電極104も、同様に配置されている。
図1に示す発電器100において、第1の電極102と、第1のエレクトレット101および第2のエレクトレット103は、第1基板表面に対して垂直な方向から見て、一致するように配置され、第2の電極104はそれらからずれて配置されている。図2に示す発電器においては、第1の電極102、第1のエレクトレット101、第2のエレクトレット103および第2の電極104は、第1基板表面と垂直な方向から見て、一致するように配置されている。
第1の電極102と第1のエレクトレット101との間に所定のギャップが形成されるよう、下部基板111と固定構造体108は、下部接合部106により接合される。同様に、第2の電極104と第2のエレクトレット103との間に所定のギャップが形成されるよう、上部基板109と固定構造体108は、上部接合部107により接合される。
この構成の発電器100および200においては、可動基板110の下方のみならず上方にも、電極とエレクトレットが設けられている。かかる構成によれば、第2の電極104と第2のエレクトレット103の間に静電力を発生させることが可能となり、第1の電極102と第1のエレクトレット101の間に発生する静電力により下方へ引き込まれる可動基板110を上方へ引き上げ、可動基板110が一方向(図においては下向き)に引き込まれることを抑制することができる。
好ましくは、図1に示すように、第2の電極104を、第2のエレクトレット103、第1のエレクトレット101、第1の電極102の位置に対し、可動基板110の移動方向においてずらして配置する。図1において、第1の電極102、第1のエレクトレット101および第2のエレクトレット103は、第1基板表面に対して垂直な方向から見て一致するように配置されている。即ち、第1の電極102、第1のエレクトレット101および第2のエレクトレット103は、図示した形態において、第1基板表面に対して垂直な同一線上に位置し、互いに重なっている。他方、第2の電極104は、可動基板の移動方向と平行な方向において、第2のエレクトレット103(即ち、第1の電極102および第1のエレクトレット101)に対し、第1の電極102の中心間の距離の半分の距離だけずらして配置されている。ここで、中心間の距離とは、第1の電極102の幅方向(可動基板の移動方向と平行な方向)の中心を通る中心線間の距離であり、図14においてPで示される距離に相当する。
なお、図示した形態においては、2つのエレクトレットおよび2つの電極の幅(可動基板の移動方向と平行な寸法)が同じである。例えば、第1のエレクトレットと第1の電極の幅とが異なる場合、これらが第1基板表面に対して垂直な方向から見て一致するとは、これらの幅方向の中心を通る中心線が一致することを意味する。
かかる構成によれば、可動基板110が振動している間、第1の電極102と第1のエレクトレット101、第2の電極104、および第2のエレクトレット103が、第1基板表面に対して垂直な方向の同一線上に位置することを避けることができる。より具体的には、第1の電極102と第1のエレクトレット101との重なり面積が最大になるときに、第2の電極104と第2のエレクトレット103とが重ならない。それにより、可動基板110に、可動基板の表面に対して垂直な方向において、互いに逆向きの静電力が加わることを避けることができ、可動基板110が束縛されて可動基板の振動が阻害される現象を回避することが可能となる。
さらに、第2の電極104が第2のエレクトレット103に対し、可動基板110の移動方向において、第1の電極102中心間の距離の略半分ずらして配置されているため、1つの第2のエレクトレット103と2つの第2の電極104との間で斜め方向の静電力が加わる。それにより、可動基板110の表面に対して垂直な方向の静電力のみならず、当該表面と平行な方向の静電力を可動基板110に加えることができる。そのような方向の静電力は、可動基板110の変位を開始させることを可能にし、変位(可動基板の振動)の持続を促進する。
可動基板110の変位を持続させる効果について、図15、図16を用いて説明を行う。
図15は、図1に示す発電器のエレクトレットおよび電極の付近を拡大した図であり、可動基板110の表面に平行な方向の静電力が発生する仕組みを説明する図である。図16は、図2に示す発電器のエレクトレットおよび電極の付近を拡大した図である。図15および図16ともに可動基板110が図に示す矢印の方向(+x方向)に移動しており、第2のエレクトレット103が第2の電極104へ近付き始めた状態を示している。
ここで、図16においては、第1の電極102と第2の電極104とが第1基板表面に対して垂直な方向から見て一致するように配置されているため、第1のエレクトレット101も同様に第1の電極102へ近付き始めることとなる。第1のエレクトレット101と第1の電極102との間、および第2のエレクトレット103と第2の電極104との間には、可動基板110の進行方向と逆方向(−x方向)の静電力F-xが加わり、その値は可動基板110の変位に伴うエレクトレットと電極の間の静電容量C-hの変化量:
Figure 2012008113
に比例し、次式:
Figure 2012008113
で表される。
同様に、第1のエレクトレット101と第1の電極102との間、および第2のエレクトレット103と第2の電極104との間には、可動基板110の進行方向(+x方向)に静電力F+xが加わり、次式:
Figure 2012008113
で表される。上記式において、Veはエレクトレットの電位を示す。したがって、可動基板110には、静電力F+xと静電力F-xの総和が加わることとなる。
例えば、エレクトレットが電極へ近付き始めた状態では、対向面積の増大とフリンジング電界の増大により、可動基板110の進行方向(x方向)の静電力F+xは大きくなる。一方、第1のエレクトレット101と第1の電極102の間、および第2のエレクトレット103と第2の電極104の間に発生する可動基板110の進行方向と逆方向(−x方向)の静電力F-xは減少する。逆に、エレクトレットが電極から離れ始めた状態では、静電力F+xが減少し、静電力F-xが増加することとなる。このように、可動基板110へは、常に進行方向の力、または進行方向とその逆方向の力が加わることとなり、変位を持続させるためには、大きな力が必要となる。
図15に示すように、第2のエレクトレット103が第1の電極102中心間の距離の略半分ずらして配置されていると、第2のエレクトレット103が第2の電極104に近付き始めると、第1のエレクトレット101は、第1の電極102から離れ始めることとなる。このような場合、静電力F+xが増加するが、静電力F-xは減少する。つまり、図1に示すような構成とすることにより、可動基板110に加わる静電力の最大値を減少させることが可能となり、より小さな加速度領域でも可動基板110の変位を持続させることが可能となる。
静電力の最大値を減少させることは、図示するように、可動基板110に配置されたエレクトレット101および103が第1基板表面に対して垂直な方向から見て一致した位置にある場合、上下基板上の第1の電極102と第2の電極104の位置を、第1基板表面に対して垂直な方向から見て、少しでもずらすことにより得ることができ、それにより、低加速度領域においても発電器を動作させることが可能となる。しかしながら、第1の電極と第2の電極の位置を互いにずらすことによる効果を最大にするためには、図1に示すように、第2の電極を第1の電極の中心間の距離の略半分ずらすことが有効である。略半分ずらすことによって、可動基板110に作用する静電力F+xと静電力F-xの総和を最小とすることができる。
また、図1に示す振動発電器100においては、第1のエレクトレット101および第1の電極102の幅がほぼ同じであり、第1のエレクトレット101および第1の電極102の中心間の距離はそれらの幅の約2倍である。そのため、振動中、第1のエレクトレット101のいずれの部分も第1の電極102と重ならないこと(即ち、両者が重ならない状態が生じる)がある。同様に、振動中、第2のエレクトレット103のいずれの部分も第2の電極104と重ならないことがある(即ち、両者が重ならない状態が生じる)。振動中、エレクトレットと電極とが常に重なり合っていると、可動基板110にはその進行方向と逆の方向に常に相当な大きさの静電力が加わり、可動基板110の動きが阻害される。振動中、エレクトレットと電極とが重なり合わない状態が存在すると、可動基板110の動きが阻害されることなく、可動基板110が効率的に振動し、発電量が増大し得る。
図1においては、第2の電極104を、第2のエレクトレット103に対して、第1の電極102の中心間の距離の略半分に相当する距離だけ、可動基板110の移動方向においてずらしている。ここで、「略半分」とは、第1の電極間の中心間の距離の約10%以下であれば、第2のエレクトレットが、中心間の距離の厳密に半分ではなく、それよりも大きい又は小さい距離だけずらして配置してよいことを意味する。例えば、第1の電極の幅(可動基板の移動方向と平行な方向の寸法)が100μmであり、第1の電極の中心間の距離が200μmである場合には、第2の電極は第2のエレクトレットから100μmだけずらして配置することが最も好ましい。しかし、第2のエレクトレットの位置は、100μmの10%以下、即ち、10μm以下のずれを有してよい。したがって、例えば、上記の例において、第2の電極は、第2のエレクトレットから、可動基板の移動方向において、90μm〜110μmの範囲内の距離でずらして配置されることが許容される。また、このずれは、製造の際の加工精度に応じて、第2の電極の所定位置(または設計位置)からのずれが許容されることを意味する。
第2の電極104を第2のエレクトレット103に対してずらす量は、第2の電極の中心間の距離の略半分に必ずしも限定されない。例えば、第2の電極104は、第2のエレクトレット103に対して、第2の電極の中心間の距離の1/4以上略半分よりも小さい距離、または略半分よりも大きく3/4以下の距離だけずれていてよい。第2の電極104が、第2のエレクトレット103に対してずれていることにより、第2の電極104の第2のエレクトレット103と重なっていない部分において、可動基板の移動方向と平行な方向の静電力が発生するため、可動基板110がスムーズに移動(振動)を開始することを許容する。
図1および図2に示す発電器100および200は、第1の電極102および第2の電極104のいずれか一方のみから電力を取り出すように構成してよく、あるいは両方から電力を取り出すように構成してよい。両方から電力を取り出すことにより、発電量を増大することが可能である。即ち、図1および図2に示す発電器100および200においては、電極が上方および下方に存在し、かつそれぞれの電極がエレクトレットと対向しているから、電極とエレクトレットの対向領域の面積を増大させることができる。即ち、1つの発電器を、2つの発電器を具備する如く機能させることができる。
このように、微小電気機械発電器100および200によれば、発電量の増大と信頼性の向上を実現することが可能となり、これを組み込むことによって、種々の電気機器を提供することが可能となる。
次に、図1に示す形態の微小電気機械発電器の製造方法を説明する。
図3、図4、図5は、本発明実施の形態1における微小電気機械発電器の製造方法を示す横断面図である。図3を参照して、1枚の基板208を加工して、可動基板110、バネ201および固定構造体108(即ち、可動基板110が弾性構造体201によって接続されている中間基板108)を形成する方法を説明する。
図3(a)は、基板208上に第1のエレクトレット101、第2のエレクトレット103、接合部106および107が形成された状態を示す断面図である。第2のエレクトレット103は、エレクトレット材料を堆積し、フォトリソグラフィーおよびエッチングなどのプロセスにより、パターニングすることにより形成される。第2のエレクトレットは、後述する方法でバネおよび可動基板を形成したときに、可動基板の表面に形成されるように、位置決めされる。エレクトレット材料は、シリコン酸化膜、シリコン窒素膜、もしくはその多層膜などの無機材料、または有機材料などである。次に、メッキプロセス用のシード層(図示せず)を堆積し、フォトリソグラフィーにより型を形成し、メッキプロセスにより上部接合部107を形成する。その後、レジスト(即ち、シード層)を除去する。シード層の材料は、チタン、銅、またはそれらの積層膜などであり、接合部の材料は銅などである。
続いて、第2のエレクトレット103を形成した表面とは反対の表面に、第1のエレクトレット101を形成する。第1のエレクトレットもまた、エレクトレット材料を堆積し、フォトリソグラフィーおよびエッチングなどのプロセスによりパターニングして形成する。第1のエレクトレットもまた、第2のエレクトレットと同様に、可動基板の表面に形成されるように、位置決めされる。次に、メッキプロセス用のシード層(図示せず)を堆積し、フォトリソグラフィーにより型を形成し、メッキプロセスにより下部接合部106を形成する。その後、レジスト(即ち、シード層)を除去する。
次に、マスク形成および深堀エッチング(DRIE: Deep Reactive Ion Etching)により、図3(b)に示すように、基板208を、バネ201、可動基板110および固定構造体108を有する部材に加工する。
図4を参照して、上部基板109の加工を説明する。図4(a)は、上部基板109の表面に第2の電極104が形成された状態を示す断面図である。第2の電極104は、上部基板109の表面(第1基板表面)上に、電極材料を堆積し、フォトリソグラフィーおよびエッチングなどのプロセスによりパターニングして形成する。電極材料は、アルミニウムなどの金属材料であり、または上部基板109をエッチングによりパターニングしたシリコンなどである。
次に図4(b)に示すように、メッキプロセス用のシード層(図示せず)を堆積し、フォトリソグラフィーにより型を形成し、メッキプロセスにより上部接合部107を形成する。その後、レジスト(即ち、シード層)を除去する。シード層の材料は、チタン、銅、またはそれらの積層膜などであり、接合部の材料は銅、錫、またはそれらの積層膜などである。
図5を参照して、下部基板111の加工を説明する。図5(a)は、下部基板111の表面に第1の電極102およびパッド105が形成された状態を示す断面図である。第1の電極102は、下部基板111の表面(第2表面)上に、第1の電極102およびパッド105を、電極およびパッド材料を堆積し、フォトリソグラフィーおよびエッチングなどのプロセスによりパターニングする。電極およびパッド材料は、アルミニウムなどの金属材料であり、または上部基板109をエッチングによりパターニングしたシリコンなどである。
次に図5(b)に示すように、メッキプロセス用のシード層(図示せず)を堆積し、フォトリソグラフィーにより型を形成し、メッキプロセスにより下部接合部106を形成する。その後、レジスト(即ち、シード層)を除去する。シード層の材料は、チタン、銅、またはそれらの積層膜などであり、接合部の材料は銅、錫、またはそれらの積層膜などである。
図6を参照して、1枚の基板が加工されて形成された可動基板110、バネ201をおよび固定構造体108、上部基板109、ならびに下部基板111の組み立て加工を説明する。図6(a)に示すように、下部基板111と固定構造体108との接合は、可動基板110の表面に形成された第1のエレクトレット101の着電工程を行った後、下部接合部106同士を接合することにより行う。次に、可動基板110の表面に形成された第2のエレクトレット103の着電工程を行う。次いで、図6(b)に示すように、上部接合部107同士を接合する。
図6(c)は、グラインダまたは深堀エッチングにより、上部基板109、固定構造体108および下部基板111を加工し、パッド105の露出、および発電器のチップ化(個片化)を行う工程を示す。
かかる製造方法によって、前記効果を有する微小電気機械発電器100および200を具現化することが可能となる。
図7、図8は、本発明実施の形態1における微小電気機械発電器を用いて構成した回路を示す回路図である。
図7は、第1の電極102より電力を出力する回路構成である。本回路は、第1の電極102において給放電を繰り返すことにより出力される交流信号を、直流信号に変換する電源回路である。第1の電極102と可動基板110の間に電源回路を接続する。例えば、電源回路は、4つのダイオードで構成されたブリッジ整流回路と、キャパシタで構成された平滑回路と、負荷抵抗とで構成できる。
図8は、第1の電極102および第2の電極104より、電力を出力する回路構成である。電源回路は、第1の電極102および第2の電極104と可動基板110の間に接続する。図示するように、例えば、電源回路は、第1の電極102および第2の電極104それぞれから出力される電力を整流するために、2つのブリッジ整流回路を備え、平滑回路と負荷抵抗をそれぞれ1つずつ有する。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図である。
実施の形態2の微小電気機械発電器300においては、は、第1のエレクトレット101が下部基板111の表面(第1基板表面)に形成され、第1の電極102が、可動基板100の2つの表面のうち、第1基板表面と対向する表面に形成され、第2のエレクトレット103が上部基板109の表面(第2基板表面)に形成され、第2の電極104が、可動基板110の2つの表面のうち、第2基板表面と対向する表面に形成されている。この発電器300は、第1および第2の電極102および104がいずれも可動基板110に形成され、第1および第2のエレクトレット101および103がそれぞれ、下部基板111および上部基板109に形成されている点で、実施の形態1の発電器100とは異なる。よって、図9に示す形態においては、第1のエレクトレット101、第1の電極102、および第2の電極104が、第1基板表面に対して垂直な方向から見たときに一致している。
この発電器300においては、第2のエレクトレット103が、第2の電極104に対して、第1の電極102の中心間の距離の略半分だけ、可動基板110の移動方向においてずらして配置されている。このことによる効果は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。第2のエレクトレットを第2の電極から、可動基板の移動方向において所定量だけずらして配置する場合においても、好ましい所定量は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。
かかる構成によれば、下部基板111および上部基板109に形成されたエレクトレットへの着電工程をそれぞれ個別に行うことが可能となり、製造工程をより簡素化することができる。
よって、この微小電気機械発電器300によれば、実施の形態1に関連して説明した効果(発電量増大および信頼性向上)とともに、製造工程を簡素化するという効果を得ることができる。
(実施の形態3)
図10および図11は、本発明の実施の形態3における微小電気機械発電器の構成を示す横断面図である。
微小電気機械発電器400においては、下部基板111の表面(第1基板表面)に第1の電極102が形成され、可動基板110の2つの表面のうち、第1基板表面と対向する表面に第1のエレクトレット101が形成され、上部基板109の表面(第2基板表面)に第2のエレクトレット103が形成され、可動基板110の2つの表面のうち、第2基板表面と対向する表面に第2の電極104が形成されている。この発電器400は、上部基板109の表面に第2のエレクトレット103が形成され、可動基板の一方の表面に第2の電極104が形成されている点で、実施の形態1の発電器とは異なる。よって、図10に示す発電器400においては、第1の電極102、第1のエレクトレット101、および第2の電極103が、第1基板表面に対して垂直な方向から見たときに一致している。
この発電器400においては、実施の形態2の発電器と同様に、第2のエレクトレット103が、第2の電極104に対して、第1の電極102間中心間の距離の略半分だけ、可動基板110の移動方向においてずらして配置されている。このことによる効果は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。第2のエレクトレットを第2の電極から、可動基板の移動方向において所定量だけずらして配置する場合においても、好ましい所定量は、先に実施の形態1に関連して説明したとおりである。
微小電気機械発電器500においては、可動基板110の2つの表面のうち第1基板表面と対向する表面に第1の電極102が形成され、上部基板109の表面(第1基板表面)に第2の電極104が形成され、下部基板111の表面(第1基板表面)に第1のエレクトレット101が形成され、可動基板110の2つの表面のうち、第2基板表面と対向する表面に第2のエレクトレット103が形成されている。この発電器500は、下部基板111の表面に第1のエレクトレット103が形成され、可動基板の一方の表面に第1の電極102が形成されている点で、実施の形態1の発電器とは異なる。
図10および図11に示す形態はいずれも、可動基板110の2つの表面の一方にエレクトレットが形成され、他方に電極が形成されている構成である。
かかる構成によれば、可動基板110に形成されたエレクトレットへの着電工程と、上部基板109または下部基板111に形成されたエレクトレットへの着電工程をそれぞれ個別に行うことが可能となり、製造工程をより簡素化することができる。
よって、これらの微小電気機械発電器400、500によれば、実施の形態1に関連して説明した効果(発電量増大および信頼性向上)とともに、製造工程を簡素化するという効果を得ることができる。
上記の実施の形態はいずれも、下部基板を第1基板とし、上部基板を第2基板として説明した。説明した実施の形態の発電器は、例えば、上下を逆にして使用することも勿論可能である。また、パッド105は、上部基板109に設けられてよい。あるいは、別の実施形態において、下部基板を第2基板とし、上部基板を第1基板としてよい。「第1」および「第2」という用語は、2つの基板を区別するために用いられ、基板の上下関係を示すために用いられるものではない。
上記の実施の形態においては、可動基板は、弾性構造体を介して固定構造体に接続されることによって、固定構造体により支持されている。可動基板の固定基板への支持は、可動基板が所定の方向において往復運動し得る限りにおいて、例えば、磁気力または静電力によるものであってよい。また、例えば、静電力によって可動基板を支持する場合、第1基板および第2基板が固定構造体を兼ねてよい。その場合、例えば、第2基板と可動基板のそれぞれに設けたエレクトレット間の静電力(反発力)によって、可動基板を支持することができる。
また、上記の実施の形態においては、可動基板の移動方向を図14に示すように、第1および第2基板を矩形または正方形としたときの一辺と平行な方向であるものを示している。しかし、これらの実施の形態の説明は、本発明の発電器において、可動基板の移動方向が当該方向に代えて、または当該方向に加えて、他の方向であることを妨げるものではない。
本発明にかかる微小電気機械発電器は、発電量の増大と信頼性の向上を達成することができるものであるから、各種電気機器の電源として有用である。
100、200、300、1000 微小電気機械発電器
101 第1のエレクトレット
102 第1の電極
103 第2のエレクトレット
104 第2の電極
105 パッド
106 下部接合部
107 上部接合部
108 固定構造体
109 上部基板
110 可動基板
111 下部基板
201 弾性構造体(バネ)
208 基板

Claims (5)

  1. 第1基板表面を有する第1基板と、
    第2基板表面を有する第2基板と、
    移動可能な可動基板と、
    可動基板を支持する固定構造体と
    を有し、
    第1基板表面と第2基板表面とが互いに対向し、
    可動基板は、前記第1基板と前記第2基板の間に配置されていて、前記第1基板表面と平行な少なくとも一軸方向(以下、この方向を「可動基板の移動方向」とも呼ぶ)に移動可能であり、
    前記第1基板表面および前記第1基板表面と対向する可動基板の表面のうち、一方の表面に複数の第1のエレクトレットが配置され、他方の表面に複数の第1の電極が配置され、
    前記第2基板表面および前記第2基板表面と対向する可動基板の表面のうち、一方の表面に複数の第2のエレクトレットが配置され、他方の表面に複数の第2の電極が配置され、
    前記第1のエレクトレット、前記第1の電極、前記第2のエレクトレット、および前記第2の電極が並ぶ方向は、可動基板の移動方向と平行な方向であり、
    前記第1のエレクトレットは、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第1のエレクトレットの中心間の距離が等距離となるように配置されており、
    前記第1の電極は、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第1の電極の中心間の距離が等距離となるように配置されており、
    前記第2のエレクトレットは、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第2のエレクトレットの中心間の距離が等距離となるように配置されており、
    前記第2の電極は、互いに平行となり、かつ隣り合う2つの前記第2の電極の中心間の距離が等距離となるように配置されており、
    隣り合う2つの前記第1のエレクトレット間の中心間の距離、隣り合う2つの前記第1の電極間の中心間の距離、隣り合う2つの前記第2のエレクトレット間の中心間の距離、および隣り合う2つの前記第2の電極の中心間の距離が同じであり、
    前記第1基板表面に垂直な方向から見て、前記第1のエレクトレットの位置と前記第1の電極の位置とが一致したとき、前記第2のエレクトレットの位置と前記第2の電極との位置が可動基板の移動方向において、隣り合う2つの前記第1の電極の中心間の距離の略半分だけずれるように、前記第1のエレクトレット、前記第1の電極、前記第2のエレクトレット、および前記第2の電極が配置されている、
    微小電気機械発電器。
  2. 前記可動基板が弾性構造体を介して固定構造体に接続されている、請求項1に記載の微小電気機械発電器。
  3. 前記第1のエレクトレットおよび前記第2のエレクトレットはそれぞれ、前記第1基板、前記可動基板、前記第2基板から選択される、2つの異なる基板の表面に配置されている、請求項1〜2のいずれか1項に記載の微小電気機械発電器。
  4. 前記第1の電極および前記第2の電極に流れる電流により発電を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小電気機械発電器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小電気機械発電器を含む、電気機器。
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