JPWO2011162367A1 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

本発明の半導体発光素子1は、n型半導体層140と、通電により発光する発光層150と、p型半導体層160と、p型半導体層160に積層される透明導電層170と、発光層150から出射される光に対する透過性及び絶縁性を有する材料で構成され、透明導電層170に積層される反射膜180と、反射膜180を貫通して形成され透明導電層170に電気的に接続されるp導体部200と、n型半導体層140と電気的に接続されるn電極310と、反射膜180に密着して積層され且つp導体部200の他端が電気的に接続され、透明導電層170と同一の材料で構成されるp密着層301及びp密着層301に積層されるp金属反射層302を有するp電極300を含む。これにより、フェースアップやフリップチップにて実装される半導体発光素子の各層間の密着性を向上させる。

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
GaN等のIII族窒化物半導体を用いた半導体発光素子は、通常、サファイア等の基板上に、発光層を含むIII族窒化物半導体層を形成して構成される。そして、このような半導体発光素子では、配線基板に対して半導体発光素子をフリップチップにて実装することで、発光層から出力される光を、基板を介して外部に出射するようにしたものが存在する。
公報記載の従来技術として、III族窒化物半導体層の基板との接触面と反対側となる面側に、銀等からなる金属製の反射膜を形成することで、発光層から基板とは反対側に出力される光を、基板側に向けて反射するようにしたものが存在する(特許文献1参照)。
特開2006−303430号公報
このような半導体発光装置では、半導体発光素子から出力される光をより多く外部に取り出せるようにすること、すなわち、半導体発光装置における光取り出し効率を向上させることが要請されており、半導体発光素子の各層を様々な物質等で構成することが試みられている。一方で、半導体発光素子の各層間の密着性を向上させることも要請されている。
本発明は、フェースアップやフリップチップにて実装される半導体発光素子の各層間の密着性を向上させることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の半導体発光素子は、第1導電型を有するIII族窒化物半導体で構成される第1半導体層と、前記第1半導体層の一方の面に当該一方の面の一部を露出させるように積層され、通電により発光する発光層と、前記第1導電型とは異なる第2導電型を有するIII族窒化物半導体で構成され、前記発光層に積層される第2半導体層と、前記発光層から出射される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、前記第2半導体層に積層される第1透明導電層と、前記発光層から出射される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成され、厚さ方向に貫通する貫通孔を有するとともに前記第1透明導電層に積層される透明絶縁層と、前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極と、前記第1透明導電層と同一の材料で構成され、前記透明絶縁層および前記貫通孔を介して露出する当該第1透明導電層を覆うように積層される第2透明導電層と、前記発光層から出射される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、当該第2透明導電層に積層される金属反射層とを有する第2電極とを含むことを特徴とする。
また、前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層の厚さは、前記透明絶縁層の厚さよりも小さいことを特徴とする。
さらにまた、前記第1透明導電層および前記第2透明導電層は、金属酸化物から構成されることを特徴とする。
さらにまた、前記金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物であることを特徴とする。
さらにまた、前記インジウムを含む酸化物が、IZO(Indium Zinc Oxide)であることを特徴とする。
さらにまた、前記第1透明導電層は、結晶化したIZOから構成され、前記第2透明導電層は、結晶化していないIZOから構成され、前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層の厚さは、当該第1透明導電層の厚さよりも小さいことを特徴とする。
さらにまた、前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層と、当該第1透明導電層に積層される当該第2透明導電層に積層される前記金属反射層とを合わせた厚さが、前記透明絶縁層の厚さよりも小さいことを特徴とする。
さらにまた、前記透明絶縁層は、前記第1透明導電層および前記第2透明導電層よりも低い屈折率を有する材料で構成されることを特徴とする。
さらにまた、前記第1透明導電層は、第1屈折率を有する材料で構成され、前記透明絶縁層は、前記第1屈折率よりも低い第2屈折率を有する材料で構成され、前記透明絶縁層の膜厚Hは、前記第2屈折率をn、前記発光層から出射される光の波長λとし、Bを3以上の奇数としたとき、(λ/4n)×(B−0.5)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.5)の関係を有していることを特徴とする。
さらにまた、前記金属反射層は、銀あるいは銀の合金からなることを特徴とする。
さらにまた、前記透明絶縁層は、二酸化ケイ素からなることを特徴とする。
本発明によれば、フェースアップや特にフリップチップにて実装される半導体発光素子の各層間の密着性を向上させることができる。
半導体発光素子の平面模式図の一例である。 図1におけるII-IIの断面図である。 半導体発光素子を配線基板にフリップチップ実装した発光装置の一例を示す図である。 p接続導体の断面模式図である。 n接続導体の断面模式図である。 図1に示す半導体発光素子を備えた発光装置(ランプ)の一例を示す図である。 反射膜の密着性を評価した結果をそれぞれ示す図である。 図1に示す半導体発光素子を用いた光の出力の測定結果をそれぞれ示す図である。 p電極の第2金属反射層として銀を用いた場合の反射率のシミュレーション結果を示す図である。 n電極の第1拡散防止層としてアルミニウムを用いた場合の反射率のシミュレーション結果を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本実施の形態が適用される半導体発光素子(発光ダイオード)1の平面模式図の一例を示しており、図2は図1に示す半導体発光素子1のII-IIの断面図を示している。なお、図1においては、便宜上、後述する保護層320を取り除いた半導体発光素子1の上面図を示している。
図1および図2に示される半導体発光素子1は、基板110と、基板110の上に積層される中間層120と、中間層120の上に積層される下地層130とを備える。また、半導体発光素子1は、下地層130の上に積層される第1半導体層の一例としてのn型半導体層140と、n型半導体層140の上に積層される発光層150と、発光層150の上に積層される第2半導体層の一例としてのp型半導体層160とを備える。なお、以下の説明においては、必要に応じて、これらのn型半導体層140、発光層150、p型半導体層160をまとめて積層半導体層100と呼ぶ。
また、半導体発光素子1においては、積層されたp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠くことによって露出したn型半導体層140の上面140cが形成される。
さらに、p型半導体層160の上には、導電性および発光層150から出力される光に対する透過性を有する透明導電層170が積層されている。
半導体発光素子1は、積層半導体層100及び透明導電層170を保護する薄膜をさらに備える。そして、この薄膜は、本実施の形態においては、積層半導体層100等を保護する機能に加えて、発光層150から出力される光を反射する機能(詳細は後述)をさらに有する。この薄膜を反射膜180と呼ぶ。この反射膜180は、絶縁性および発光層150から出力される光に対する透過性を有する材料で構成されている。さらに反射膜180は、透明導電層170の屈折率よりも低い屈折率を有する材質で構成されている。
この反射膜180は、透明導電層170、透明導電層170が積層されていないp型半導体層160、及び発光層150が積層されていないn型半導体層140の上に積層されて形成される。また、反射膜180は発光層150およびp型半導体層160の側面、すなわちp型半導体層160とn型半導体層140とで形成される段差の壁部にあたる部分を覆い、さらに、反射膜180は透明導電層170の側面も覆う。
そして、反射膜180は複数の貫通穴が形成される。反射膜180に設けられる複数の貫通穴の一部は、透明導電層170の上部であって、透明導電層170の面に対して垂直方向に形成されており、各貫通穴は略格子状に配置されている。また、反射膜180に設けられる複数の貫通穴の残りの一部は、n型半導体層140の上面140cの上部であって、上面140cに対し垂直方向に形成されており、図1に示すように平面視したときに、各貫通穴は略格子状に配置されている。
貫通穴の直径は、導体部が形成される大きさであればよく、例えば、直径が1μm〜100μmの範囲の貫通穴が用いられる。
また、半導体発光素子1は、反射膜180に設けられた複数の貫通穴のうち、透明導電層170の上部に設けられた複数の貫通穴を貫通して形成されるp導体部200を備える。このp導体部200は、透明導電層170の上部に設けられた貫通穴と同じ数のp接続導体202によって構成されており、図1に示すように平面視したときに、各p接続導体202は透明導電層170上に略格子状に配置されている。
さらに、半導体発光素子1は、反射膜180を挟んで透明導電層170と対向する位置において、反射膜180に積層されたp電極300を備えている。そして、p導体部200を構成する複数のp接続導体202のそれぞれの一端は透明導電層170に接続され、それぞれの他端はp電極300に接続される。
また、半導体発光素子1は、反射膜180に設けられた複数の貫通穴のうち、上面140cの上部に設けられた複数の貫通穴を貫通して形成されるn導体部400を備える。このn導体部400は、上面140cの上部に設けられた貫通穴と同じ数のn接続導体402によって構成されており、各n接続導体402は上面140c上に略格子状に配置される。
さらに、半導体発光素子1は、反射膜180を挟んで上面140cと対向する位置において、反射膜180に積層されたn電極310を備えている。そして、n導体部400を構成する複数のn接続導体402のそれぞれの一端は上面140cに接続され、それぞれの他端はn電極310に接続される。
さらにまた、半導体発光素子1は、保護層320を備える。保護層320は、n電極310およびp電極300、反射膜180、および反射膜180が積層されていない積層半導体層100の上に積層されている。
このように、本実施の形態の半導体発光素子1は、積層半導体層100から見て基板110とは反対側となる一方の面側に、p電極300およびn電極310が形成された構造を有している。
この半導体発光素子1においては、p電極300を正極、n電極310を負極とし、両者を介して積層半導体層100(より具体的にはp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140)に電流を流すことで、発光層150が発光するようになっている。
以下、半導体発光素子1の各構成を説明する。
<基板>
基板110としては、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。なお、本発明において、基板110は必須の構成ではない。
本実施の形態の半導体発光素子1は、後述するように、好ましくは基板110側から光を取り出すようにフリップチップ実装される。したがって、発光層150から出射される光に対して光透過性を有していることが光取出し効率を高めるために好ましく、特に、C面を主面とするサファイアを基板110として用いることが光取出し効率を高めるために好ましい。サファイアを基板110として用いる場合は、サファイアのC面上に中間層120(バッファ層)を形成するとよい。
<中間層>
中間層120は、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)のものがより好ましく、例えば、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなる厚さ10〜500nmのものとすることができる。なお、中間層120は、基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、基板110の(0001)面(C面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120の上に単結晶の下地層130を積層すると、より一層結晶性の良い下地層130が積層できる。なお、本発明において、中間層120は必須の構成ではない。
<下地層>
下地層130としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlxGa1-xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層130を形成できるため好ましい。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1-xN層が得られやすい。また、下地層130の膜厚は10μm以下が好ましい。なお、本発明において、下地層130は必須の構成ではない。
<積層半導体層>
III族窒化物半導体を含んで構成される積層半導体層100は、図2に示すように、基板110上に、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層が、この順で積層されて構成されている。また、n型半導体層140、発光層150及びp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。
ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとする第1導電型にて電気伝導を行うものであり、p型半導体層160は、正孔をキャリアとする第2導電型にて電気伝導を行うものである。
<n型半導体層>
第1導電型を有する第1半導体層の一例としてのn型半導体層140は、nコンタクト層とnクラッド層とから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層はnクラッド層を兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層は、n電極310を設けるための層である。nコンタクト層としては、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
nコンタクト層と発光層150との間には、nクラッド層を設けることが好ましい。nクラッド層は、発光層150へのキャリアの注入とキャリアの閉じ込めとを行なう層である。なお、本明細書では、AlGaN、GaN、GaInNについて、各元素の組成比を省略した形で記述する場合がある。nクラッド層はAlGaN、GaN、GaInNなどで形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。nクラッド層をGaInNで形成する場合には、発光層150のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましい。
なお、nクラッド層を、超格子構造を含む層とする場合には、100オングストローム以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第1層と、n側第1層と組成が異なるとともに100オングストローム以下の膜厚を有したIII族窒化物半導体からなるn側第2層とが積層された構造を含むものであっても良い。
また、nクラッド層は、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
<発光層>
n型半導体層140の上に積層される発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
量子井戸構造の井戸層としては、Ga1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層の膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1〜10nmとすることができ、好ましくは2〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層とし、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層とする。井戸層および障壁層には、設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
<p型半導体層>
第2導電型を有する第2半導体層の一例としてのp型半導体層160は、例えば正孔をキャリアとする。通常、pクラッド層およびpコンタクト層から構成される。また、pコンタクト層が、pクラッド層を兼ねることも可能である。
pクラッド層は、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層としては、発光層150のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlxGa1-xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層が、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
また、pクラッド層は、複数回積層した超格子構造としてもよく、AlGaNとAlGaNとの交互構造又はAlGaNとGaNとの交互構造であることが好ましい。
pコンタクト層は、p電極300を設けるための層である。pコンタクト層は、AlxGa1-xN(0≦x≦0.4)であることが好ましい。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持および透明導電層170との良好なオーミック接触の維持が可能となる点で好ましい。
pコンタクト層の膜厚は、特に限定されないが、10〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜200nmである。pコンタクト層の膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
<透明導電層>
図2に示すように、p型半導体層160の上には、第1透明導電層の一例としての透明導電層170が積層されている。
透明導電層170は、図1に示すように平面視したときに、n電極310を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cの周縁部を除くほぼ全面を覆うように形成されている。
透明導電層170は、p型半導体層160とオーミックコンタクトがとれ、しかもp型半導体層160との接触抵抗が小さいものを用いることが好ましい。また、この半導体発光素子1では、発光層150からの光を、反射膜180などを介して基板110側に取り出すことから、透明導電層170は光透過性に優れたものを用いることが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、透明導電層170は優れた導電性を有し、且つ、抵抗分布が少ないものを用いることが好ましい。
なお、透明導電層170の厚さは2nm〜500nmの範囲より選択することができる。ここで、透明導電層170の厚さが2nmよりも薄いと、p型半導体層160とオーミックコンタクトが取れにくい場合があり、また、透明導電層170の厚さが500nmよりも厚いと、発光層150からの発光及び反射膜180などからの反射光の光透過性の点で好ましくない場合がある。
透明導電層170の一例としては、酸化物の導電性材料であって、発光層150から出射される波長の光に対する光透過性のよいものが用いられる。特に、Inを含む酸化物の一部は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の酸化物としては、例えばIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))、ITO(酸化インジウム錫(In23−SnO2))、IGO(酸化インジウムガリウム(In23−Ga23))、ICO(酸化インジウムセリウム(In23−CeO2))等が挙げられる。なお、これらの中に、例えばフッ素などのドーパントが添加されていてもかまわない。また、例えばInを含まない酸化物、例えばキャリアをドープしたSnO2、ZnO2、TiO2等の導電性材料を用いてもよい。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段によって設けることで、透明導電層170を形成できる。透明導電層170を形成した後に、熱アニールをすることにより、透明導電層170の透過率が上がり、シート抵抗が下がり、オーミックコンタクトが取れるようになる。
本実施の形態において、透明導電層170は、結晶化された構造のものを使用してよく、特に六方晶構造又はビックスバイト構造を有するIn23結晶を含む透光性材料(例えば、IZOやITO等)を好ましく使用することができる。
また、透明導電層170に用いる膜としては、比抵抗が最も低くなる組成を使用することが好ましい。例えば、IZO中のZnO濃度は1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%の範囲であることが更に好ましく、10質量%であると特に好ましい。
<反射膜>
図2に示すように、透明絶縁層の一例である反射膜180は、透明導電層170、透明導電層170が積層されていないp型半導体層160、および発光層150が積層されていないn型半導体層140をそれぞれ覆うように積層されている。また、反射膜180は、各層の面方向の表面を覆うだけでなく、発光層150およびp型半導体層160の側面、すなわちp型半導体層160とn型半導体層140とで形成される段差の壁部にあたる部分を覆い、さらに、反射膜180は透明導電層170の側面も覆う。
図2に示される反射膜180は、積層半導体層100の面方向で連続する一体の構成である。
そして、反射膜180は、上述のように、発光層150から出力される光に対する透過性、透明導電層170の屈折率よりも低い屈折率、及び絶縁性を有する材質から構成される。具体的には、反射膜180としては、例えばSiO(酸化珪素)やMgF(フッ化マグネシウム)、CaF(フッ化カルシウム)、Al(酸化アルミニウム)を使用することができる。なお、この例では、反射膜180としてSiO(酸化珪素)を用いるようにした。
また、反射膜180は、発光層150から出力される光を反射する機能を有しており、この反射膜180の膜厚Hは、反射膜180の屈折率をn、発光層150の発光波長をλ(nm)とし、Qを、発光層150の発光波長λ(nm)を反射膜180の屈折率nの4倍で除したものとしたとき(Q=λ/4n)、以下に示す式(1)の関係で設定される。但しAは整数である。
Figure 2011162367
また、反射膜180の膜厚Hは、以下の式(2)に基づいて設定されていることがさらに好ましい。つまり、膜厚Hが5λ/4nより大きい範囲がさらに好ましい。即ち、膜厚Hは5Q以上がさらに好ましい。また、生産コストの制約から膜厚Hは20Q以下であることが望ましい。
Figure 2011162367
また、本実施の形態において、反射膜180の膜厚Hは、以下に示す式(3)の範囲で設定されることが好ましい。ただし、Bは3以上の奇数である。
(B−0.5)×Q ≦ H ≦ (B+0.5)×Q …(3)
さらに、反射膜180の膜厚Hは、(B−0.4)×Q ≦ H ≦(B+0.4)× Qの関係を有していることが好ましく、(B−0.3)×Q ≦ H ≦(B+0.3)×Qの関係を有していることがより好ましい。
また、Bは5以上の奇数であることがより好ましく、生産コストの制約から、Bは19以下の奇数であることが望ましい。
<導体部>
図1および図2に示されるように、導体部の一例であるp導体部200と他の導体部の一例であるn導体部400はそれぞれ反射膜180を貫通して設けられる。
また、導体部の一例であるp導体部200は、p電極300側の複数の接続導体であるp接続導体202からなる。p接続導体202は、基板110側の端部が透明導電層170の上面170cと接続され、もう一方の端部がp電極300と接続されている。
n導体部400は、n電極310側の複数の接続導体であるn接続導体402からなる。n接続導体402は、n型半導体層140の上面140cと接続され、もう一方の端部がn電極310と接続されている。
なお、明確化のために、図2におけるp接続導体202およびn接続導体402の縮尺は変更されており、本実施の形態におけるp接続導体202およびn接続導体402の寸法とは大きく異なる。
本実施の形態においては、p接続導体202およびn接続導体402は、好ましくは直径10μm〜80μmの範囲がよく、長さ(深さ)は、反射膜180の膜厚Hとなる範囲がよく、例えばp接続導体202およびn接続導体402は直径10μm、長さ(深さ)500nmである。
p接続導体202は、図1に示すようにp電極300全体に複数形成されている。各p接続導体202を流れる電流が発光層150の発光に用いられる電流となる。
本実施の形態においては、単数ではなく複数のp接続導体202とすることで、上面160cの面上において、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させる。このことにより、発光層150における発光むらを改善することを可能とする。
また、n接続導体402も、図1に示すようにn電極310全体に分布して、複数形成されている。複数のn接続導体402とすることにより、n型半導体層140に十分な量の電流が供給される。このことは、発光層150における発光むらを改善して発光させることを可能とする。
p接続導体202およびn接続導体402は、ドライエッチあるいはリフトオフなどを用いて形成された貫通穴の壁面及び底面に施したものである。あるいは、反射膜180の貫通穴に金属を充填したものとして形成されてもよい。金属メッキあるいは充填用金属の材質としては、一例としてIZO/銀合金/Taあるいは図4または図5に例示した構成などが挙げられる。
<電極>
次に第1および第2電極の構成について説明する。
<第1電極>
本実施の形態における第1電極の一例であるn電極310の構成について説明する。
n電極310は、他の絶縁膜の一例である反射膜180上に積層され、複数の層により形成される。n電極310は、n金属反射層311と、図2においてn金属反射層311から上に向かって順に、他の金属層の一例である第1拡散防止層312、第2拡散防止層313、第3拡散防止層314、第4拡散防止層315、第1ボンディング層316と積層され、第1ボンディング層316の露出部位を除いて第1ボンディング層316を覆うように積層される保護密着層317とを有している。n金属反射層311乃至保護密着層317の少なくともいずれか一層が金属反射層であると、後述するように光取出し効率を向上させることができるため好ましい。例えば、n金属反射層311がAl(アルミニウム)あるいはAl合金からなる金属反射層として構成される。
<第2電極>
本実施の形態における第2電極の一例であるp電極300の構成について説明する。
p電極300は、反射膜180上に積層されるp密着層301と、図2においてp密着層301から上に向かって順に、p金属反射層302、第1拡散防止層303、第2拡散防止層304、第3拡散防止層305、第4拡散防止層306、第2ボンディング層307と積層され、第2ボンディング層307の露出部位を除いて第2ボンディング層307を覆うように積層される保護密着層308とを有している。
p金属反射層302乃至保護密着層308の少なくともいずれか一層が金属反射層であると、後述するように光取出し効率を向上させることができるため好ましい。例えば、p金属反射層302がAg(銀)あるいはAg合金からなる金属反射層として構成される。
<保護層>
図2に示すように、保護密着層308、保護密着層317、反射膜180、および透明導電層170が積層されていないp型半導体層160の上には保護層320が積層されている。保護層320は、好ましくはSiO(酸化珪素)などから形成される。外部の空気や水分が半導体発光素子1の発光層150まで浸入するおそれを低減して、半導体発光素子1のp電極300やn電極310の剥がれを防止することができる。保護層320の膜厚は、通常50nm〜1μmの範囲内で設けられる。保護層320の膜厚が50nm未満であると保護膜としての機能を損なう恐れがあり、使用環境によっては発光出力が短期間に低下してしまう危険がある。また、保護層320の膜厚が1μmを超えると光吸収により発光出力等に影響を与えてしまう恐れがある。
図3は、図2に示す半導体発光素子1を配線基板10に実装した発光装置の構成の一例を示す図である。
配線基板10の一方の面には、正電極11と負電極12とが形成されている。そして、配線基板10に対し、図2に示す半導体発光素子1の上下を反転させた状態で、正電極11にはp電極300を、また、負電極12にはn電極310を、それぞれはんだ20を用いて電気的に接続すると共に機械的に固定している。このような配線基板10に対する半導体発光素子1の接続手法は、一般にフリップチップ接続と呼ばれるものである。フリップチップ接続においては、配線基板10からみて、半導体発光素子1の基板110が発光層150よりも遠い位置に置かれる。
次に、図4および図5に示されるようなp接続導体202およびn接続導体402を形成する構成を説明する。
すなわち、p電極300を構成する各層を貫通穴内に積層することによってp接続導体202を形成し、n電極310を構成する各層を貫通穴内に積層することによってn接続導体402を形成する構成である。
まず、p接続導体202について説明すると、図4に示すように、p電極300を形成する各層である、外周層の一例であるp密着層301、内周層の一例であるp金属反射層302、第1拡散防止層303、第2拡散防止層304、第3拡散防止層305、第4拡散防止層306、第2ボンディング層307の各層をこの順番で、貫通穴に積層することによってp接続導体202を形成する。
なお、図4に示すように、p電極300およびp接続導体202を、面方向に連続する複数の層から形成すると、光取出し効率が向上する。
一方、n接続導体402について説明すると、図5に示すように、n電極310を形成する各層である、n金属反射層311、第1拡散防止層312、第2拡散防止層313、第3拡散防止層314、第4拡散防止層315、第1ボンディング層316の各層をこの順番で積層することによって、n接続導体402を形成する。第1〜第4の拡散防止層(312〜315)は、材料構成により、少なくとも1層でもよい。n金属反射層311を形成する前に前述のようにn密着層を形成してもよい。
なお、図5に示すように、n電極310およびn接続導体402を、面方向に連続する複数の層から形成すると、光取出し効率が向上する。
図4および図5に示すように、p電極300を構成する各層を貫通穴内に積層することによってp接続導体202を形成し、n電極310を構成する各層を貫通穴内に積層することによってn接続導体402を形成する場合、例えば次に示すような各層の構成をとることが考えられる。
なお、以下の構成では、p電極300およびp接続導体202の各層はそれぞれ対応することから、以下ではp電極300およびp接続導体202をあわせて説明する。同様の理由により、以下ではn電極310およびn接続導体402をあわせて説明する。
<p接続導体>
p接続導体202およびp電極300は、p密着層301と、このp密着層301上に積層されるp金属反射層302と、このp金属反射層302上に積層される第1拡散防止層303、第2拡散防止層304、第3拡散防止層305、第4拡散防止層306と、第2ボンディング層307とを有している。
<密着層>
p接続導体202において、図4に示すように、第2透明導電層の一例としてのp密着層301は透明導電層170の上に積層される。したがって、透明導電層170との密着性の良い材質が好ましい。なお、p密着層301を備えることなく、反射膜180の上に直接p金属反射層302(たとえば銀)を積層した場合、p密着層301を備えた場合と比較して、密着性は大きく低下する。
一方で、p電極300全体で見ると、p密着層301は、n電極310を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cに直接積層されるものではないが、図1に示すように平面視したときには、p型半導体層160の上面160cの周縁部を除くほぼ全面をp密着層301が覆うような位置に、p密着層301は形成されている。そして、p密着層301は、反射膜180の上に積層されることから、反射膜180との密着性が良いものを用いることが好ましい。また、この半導体発光素子1では、反射膜180を透過してきた発光層150からの光を、p金属反射層302などを介して基板110側に取り出すことから、p密着層301は光透過性に優れたものを用いることが好ましい。さらにまた、p型半導体層160の全面に渡って均一に電流を拡散させるために、p密着層301は優れた導電性を有し、且つ、抵抗分布が少ないものを用いることが好ましい。
これらの点から、p密着層301の一例としては透明導電層が挙げられる。例えば、本実施の形態では、p密着層301として、金属酸化物の導電性材料であって、発光層150から出射される波長の光に対する光透過性のよいものが用いられる。特に、Inを含む金属酸化物は、他の透明導電膜と比較して光透過性および導電性の両者がともに優れている点で好ましい。Inを含む導電性の金属酸化物としては、例えばITO(酸化インジウム錫(In−SnO))、IZO(酸化インジウム亜鉛(In−ZnO))、IGO(酸化インジウムガリウム(In−Ga))、ICO(酸化インジウムセリウム(In−CeO))等が挙げられる。特に好ましくはIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))が挙げられる。ただし、p密着層301を構成するIZOには熱処理を行わず、アモルファス状態のままとしている。
このp密着層301の膜厚は、上述の理由により、好ましくは1nm〜50nmの範囲で用いられる。膜厚が1nm未満の場合には、透明導電層170との密着性が悪くなり、接触抵抗が高くなる恐れがある。膜厚が50nmを越える場合には、光透過性が低下するとともに、直列抵抗が高くなるため発光素子の順方向電圧Vfの増加を招く。例えば、p密着層301の膜厚は2nmとなる。
<金属反射層>
p密着層301の上には、金属反射層の一例としてのp金属反射層302が積層されている。
p電極300においては、図2に示すように平面視したときに、p金属反射層302はp密着層301の全域を覆うように形成されている。そして、p金属反射層302の中央部は一定の膜厚を有しほぼ平坦に形成される一方、p金属反射層302の端部側は膜厚が漸次薄くなることで反射膜180のp電極側の上面180cに対し傾斜して形成されている。またp金属反射層302は、p密着層301上に形成され、反射膜180上には形成されないようになっている。すなわち、反射膜180とp金属反射層302とが直接接触しないように構成されている。また、後述するように、p金属反射層302は、p密着層301などを介してp型半導体層160に給電を行う機能も有している。したがって抵抗値は低く、しかもp密着層301との接触抵抗を低く抑える必要がある。
本実施の形態のp金属反射層302は、Ag(銀)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)、Nd(ネオジム)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)などの金属および少なくともこれらの1つを含む合金で構成されている。特に、p金属反射層302として銀または銀合金を用いた場合は、発光層150から出射される青色〜緑色の領域の波長の光に対して、高い光反射性を有しているため好ましい。
ここで、p金属反射層302として銀を用いた場合、使用環境によっては耐熱性、耐高温高湿性が十分でない場合もあり、銀合金が好ましく使用される。
そこで、p金属反射層302として銀を用いた場合、p密着層301の材質としては、IZO等の透明導電性材料を用いることが好ましい。ここで、p密着層301を備えることなく、反射膜180の上に直接p金属反射層302(たとえば銀)を積層した場合、p密着層301を備えた場合と比較して、密着性は大きく低下する。また、IZO等の透明導電性材料は、大気開放した透明導電層170と密着性も良い。
このp金属反射層302の膜厚は、好ましくは80nm〜200nmの範囲で用いられる。膜厚が80nm未満の場合には、p金属反射層302による反射率が低下する。また膜厚が200nmを越える場合には、発光素子の製造コストが高くなり好ましくない。
<拡散防止層>
図2に示すように、p金属反射層302の上には第1拡散防止層303が積層されている。そして、第1拡散防止層303の上には第2拡散防止層304が、第2拡散防止層304の上には第3拡散防止層305が、第3拡散防止層305の上には第4拡散防止層306が、それぞれ積層されている。
この第1拡散防止層303、第2拡散防止層304、第3拡散防止層305は、接触状態にあるp金属反射層302を構成する金属(この例ではAg(銀))、および第4拡散防止層306を構成する金属(この例ではPt(プラチナ))の拡散を抑制する。
また、第4拡散防止層306は、接触状態にある第3拡散防止層305を構成する金属(この例ではTa(タンタル))と第2ボンディング層307を構成する金属(この例ではAu(金))の拡散を抑制する。
p電極300においては、図2に示すように平面視したときに、第1拡散防止層303、第2拡散防止層304、第3拡散防止層305、第4拡散防止層306は、p金属反射層302の全域を覆うように形成されている。そして、各拡散防止層303〜306の中央部は一定の膜厚を有し且つほぼ平坦に形成される一方、それぞれの端部側は膜厚が漸次薄くなることで反射膜180のp電極側の上面180cに対し傾斜して形成されている。また、各拡散防止層303〜306は、p金属反射層302上に形成され、反射膜180上には形成されないようになっている。すなわち、反射膜180と各拡散防止層303〜306とが直接接触しないように構成されている。
各拡散防止層303〜306は、それぞれの層が接触する層とのオーミックコンタクトがとれ、かつ、接触する層との接触抵抗が小さいものを用いることが好ましい。ただし、各拡散防止層303〜306は発光層150からの光を透過させる機能を基本的に必要としないので、上記p密着層301とは異なり、光透過性を有している必要はない。また、各拡散防止層303〜306は、p金属反射層302およびp密着層301を介してp型半導体層160に給電を行う機能も有していることから、優れた導電性を有し、且つ、抵抗分布が少ないものを用いることが好ましい。
本実施の形態では、第1拡散防止層303としてTa(タンタル)、第2拡散防止層304としてTaN(窒化タンタル)、第3拡散防止層305としてTa(タンタル)、第4拡散防止層306としてPt(プラチナ)が用いられている。なお、第3拡散防止層305は、Ti(チタン)あるいはNi(ニッケル)であってもよい。
第1拡散防止層303の膜厚は、好ましくは20nm〜200nmの範囲で用いられる。膜厚が20nm未満の場合には、p金属反射層302(この例ではAg(銀)合金)と第4拡散防止層306(この例ではPt(プラチナ))の拡散抑制へのバリヤー性が不十分となり、この例ではAgとPtが反応する恐れがある。また、膜厚が200nmを越える場合には、発光素子の製造コストが高くなる。
第2拡散防止層304の膜厚は、好ましくは1nm〜50nmの範囲で用いられる。膜厚が1nm未満の場合には、その両側の拡散防止層との密着性が低下する。また、膜厚が50nmを越える場合には、直列抵抗が高くなるため発光素子の順方向電圧Vfの増加を招く。なお、第2拡散防止層304は、必須の構成ではない。
第3拡散防止層305の膜厚は、好ましくは20nm〜500nmの範囲で用いられる。膜厚が20nm未満の場合には、第2拡散防止層304と第4拡散防止層306との密着性が悪くなる。さらに、p金属反射層302(この例ではAg(銀))と第4拡散防止層306(この例ではPt(プラチナ))の拡散抑制へのバリヤー性が不十分となり、この例ではAgとPtが反応する恐れがある。また、膜厚が500nmを越える場合には、発光素子の製造コストが高くなる。
第4拡散防止層306の膜厚は、好ましくは50nm〜200nmの範囲で用いられる。膜厚が50nm未満の場合には、第3拡散防止層305(例えば、Ta)と第2ボンディング層307(例えば、Au)とが反応する恐れがある。また、膜厚が200nmを越える場合には、発光素子の製造コストが高くなる。
<第2ボンディング層>
第4拡散防止層306の上面には、第4拡散防止層306を覆うように第2ボンディング層307が積層されている。
p電極300においては、図1に示すように平面視したときに、第2ボンディング層307は、第4拡散防止層306の全域を覆うように形成されている。そして、第2ボンディング層307の中央部は一定の膜厚を有し且つほぼ平坦に形成される一方、第2ボンディング層307の端部側は膜厚が漸次薄くなることで反射膜180のp電極側の上面180cに対し傾斜して形成されている。
例えば、第2ボンディング層307が多層構造である場合は、最も内側すなわち第4拡散防止層306等と接するように少なくとも1層以上の金属層を備える。また、最も外側となる最表層の金属層には一般にAu(金)が用いられる。本実施の形態では、第2ボンディング層307としてAu(金)の単層膜を用いている。
第2ボンディング層307の膜厚は、好ましくは100nm〜2μmの範囲で用いられる。膜厚が100nm未満の場合には第2ボンディング層307としての抵抗が高くなる。また、膜厚が2μmを越える場合には、発光素子の製造コストが高くなる。
<保護密着層>
第2ボンディング層307の上面および側面には、第2ボンディング層307の一部を除いて覆うように保護密着層308が積層されている。
p電極300においては、平面視したときに、保護密着層308は第2ボンディング層307の露出部位を除く領域を覆うように形成されている。そして、保護密着層308の中央部は一定の膜厚を有し且つほぼ平坦に形成される一方、保護密着層308の端部側は反射膜180のp電極側の上面180cに対し傾斜して形成されている。この保護密着層308の側面側の端部は、反射膜180のp電極側の上面180cと接するように設けられている。
保護密着層308は、Au(金)で構成された第2ボンディング層307と保護層320との物理的な密着性を向上させるために設けられている。本実施の形態において、保護密着層308は、Ta(タンタル)で形成されている。なお、保護密着層308は、Ti(チタン)で形成されてもよい。
保護密着層308の膜厚は、好ましくは5nm〜50nmの範囲で用いられる。膜厚が5nm未満の場合には、第2ボンディング層307と保護層320との密着性が悪くなる。また、膜厚が20nmを越える場合には、エッチング工程における作業時間が長くなり、半導体発光素子1の製造コストが高くなってしまう。
<n電極>
次に、n電極310の構成について説明する。
n電極310は、n金属反射層311と、n金属反射層311上に積層される第1拡散防止層312と、第2拡散防止層313と、第3拡散防止層314と、および第4拡散防止層315と、第1ボンディング層316と、上述した第1ボンディング層316の露出部位を除いて第1ボンディング層316に積層される保護密着層317とを有している。第1拡散防止層312〜第4拡散防止層315は、材料構成によりいずれかの層を省略してもよい。
<金属反射層>
n接続導体402において、図5に示すようにn金属反射層311はn型半導体層140の上に積層される。したがって、n型半導体層140との密着性の良い材質が好ましい。
一方で、n電極310全体で見ると、図1に示すようにn金属反射層311は、n型半導体層140の上面140cのほぼ全域を覆っている反射膜180上に形成されている。そして、n金属反射層311の中央部は一定の膜厚を有しほぼ平坦に形成される一方、n金属反射層311の端部側は膜厚が漸次薄くなることで反射膜180のn電極側の上面180dに対し傾斜して形成されている。そして、n金属反射層311は、反射膜180の上に積層されることから、反射膜180との密着性が良いものを用いることが好ましい。n金属反射層311として好ましく用いられるAlまたはAl合金は、反射膜180と好ましく用いられるSiOと密着性が良い。
さらに、n金属反射層311を形成する前に、図2及び図5では省略するが、密着層を形成してもよい。この密着層としては、p密着層301と同等な材料を使用することができる。
また、n金属反射層311は、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Nd(ネオジム)、Ag(銀)などの金属および少なくともこれらの1つを含む合金で構成されてもよい。なお、後述するように、n金属反射層311は、n型半導体層140に給電を行う機能も有していることから、その抵抗値は低いことが好ましい。
n金属反射層311の膜厚は、好ましくは80nm〜200nmの範囲で用いられる。膜厚が80nm未満の場合には、反射層としての反射率が下がってしまう。また、膜厚が200nmを超える場合には、半導体発光素子1の製造コストが高くなってしまう。
<拡散防止層等>
本実施の形態において、n電極310の各拡散防止層312〜315、第1ボンディング層316、保護密着層317の構成は、p電極300の各拡散防止層303〜306、第2ボンディング層307、保護密着層308におけるそれぞれの構成と同一であることから、各構成に関する記載は上記n電極310における記載を参照されたい。なお、後述する本実施例では、第2拡散防止層313の形成を省略している。
以上、このような構成を有する本発明の半導体発光素子1は、次の方法で製造することができる。例えば、図1に示す半導体発光素子1では、基板110上に積層半導体層100を形成する半導体層形成工程と、積層半導体層100上に導電性および発光層150から出力される光に対する透過性を有する透明導電層170を形成する透明導電層形成工程と、透明導電層170、積層されたp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140の一部を切り欠くことによって露出したn型半導体層140の上面140cを形成するn型半導体層露出工程と、透明導電層170、透明導電層170が積層されていないp型半導体層160、及び発光層150が積層されていない露出したn型半導体層140の上に反射膜180を積層する反射膜形成工程と、反射膜180に複数の貫通穴を形成する貫通穴形成工程と反射膜180に設けられた複数の貫通穴のうち、透明導電層170の上部に設けられた複数の貫通穴を貫通して形成されるp導体部200を形成する工程と反射膜180に設けられた複数の貫通穴のうち、上面140cの上部に設けられた複数の貫通穴を貫通して形成されるn導体部400を形成する工程と、を備えた製造方法を提供する。
また、本発明の製造方法では、p導体部200を形成する工程やn導体部400をそれぞれ形成する工程において、第2電極(p電極300)や第1電極(n電極310)が形成される工程を有する。
さらに、本発明においては、第1ボンディング層316の露出部位を除いて第1ボンディング層316を覆うように積層される保護密着層317の形成工程を有する。また、第2ボンディング層307の露出部位を除いて第2ボンディング層307を覆うように積層される保護密着層308の形成工程を有する。
さらに、前記保護密着層308、317の形成工程の後に、保護密着層308、保護密着層317、反射膜180、および透明導電層170が積層されていないp型半導体層160を保護するための保護層320を積層する工程を有する。
次に、図3に示す発光装置を用いて発光動作について説明する。
配線基板10の正電極11および負電極12を介して、半導体発光素子1に正電極11から負電極12に向かう電流を流すと、半導体発光素子1では、p電極300からp導体部200、透明導電層170、p型半導体層160、発光層150、n型半導体層140、およびn導体部400を介してn電極310に向かう電流が流れる。その結果、発光層150は四方に向けて光を出力する。図3には、p電極300側に向かう矢印A方向の光、基板110側に向かう矢印B方向の光、および側方に向かう矢印C方向の光を例示している。
なお、半導体発光素子1は、絶縁性を有する反射膜180を、p電極300あるいはn電極310と積層半導体層100との間に設けているが、反射膜180を貫通してp導体部200およびn導体部400を設けることにより、発光層150の発光に必要な電流を流すことが可能となる。また、このとき、p電極300では、第2ボンディング層307、第4拡散防止層306、第3拡散防止層305、第2拡散防止層304、第1拡散防止層303、p金属反射層302、およびp密着層301を介して電流が流れ、p型半導体層160には、上面160cの面上においてむらが抑制された状態の電流が供給される。
まず、発光層150から出射される光のうち反射膜180側に向かう矢印A方向の光は、p型半導体層160および透明導電層170を介して反射膜180に到達し、反射膜180で反射される。そして、反射膜180で反射した光は、透明導電層170、p型半導体層160、発光層150、n型半導体層140、下地層130、中間層120および基板110を透過し、主として、図3に示す矢印D方向すなわち半導体発光素子1の外部に出射される。
次に、発光層150から出力される光のうち基板110側に向かう矢印B方向の光は、n型半導体層140、下地層130、中間層120および基板110を透過し、主として、図3に示す矢印D方向すなわち半導体発光素子1の外部に出射される。しかしながら、発光層150から直接、基板110に向かう光の一部は、半導体発光素子1内へと戻ってくる。これは、例えば、中間層120と基板110との屈折率の違いにより、両者の界面において発光層150から基板110側に向かう光が反射しやすくなっているためである。
半導体発光素子1内に戻ってきた光は、n型半導体層140を介して、あるいはn型半導体層140、p型半導体層160および透明導電層170を介して、反射膜180に到達し、反射膜180で反射される。そして、半導体発光素子1内を進行し再び基板110側へと向かい、結果として図3に示す矢印D方向すなわち半導体発光素子1の外部に出射される。
ここで、反射膜180で反射される光とは、より詳細には透明導電層170及び反射膜180の界面で反射する光と、反射膜180及びp密着層301との界面で反射する光とからなる。そして、後述するように透明導電層170及び反射膜180の界面で反射する光と、反射膜180及びp密着層301との界面で反射する光とが強めあう状態とすることにより半導体発光素子1の外部に出射される光を増加させることができ、結果として半導体発光素子1の光取出し効率がより向上すると考えられる。
発光層150から出射される光のうち側方に向かう矢印C方向の光は、例えば発光層150を介して反射膜180に到達し、反射膜180で反射される。そして、反射膜180で反射した光は、半導体発光素子1内を進行し、図3に示す矢印D方向すなわち半導体発光素子1の外部に出射される。
ここで、上述のように半導体発光素子1内へと戻ってくる光は、p電極300側に向かうのみでなく、n電極310の方向にも向かう。本実施の形態では、反射膜180をn電極310側にも設けており、半導体発光素子1内に戻ってくる光をn電極310側でも反射させることが可能となる。
さらに、p電極300およびn電極310が、それぞれの一層として金属反射層を備える場合、反射膜180ですべての光を反射できなかった場合であっても、金属反射層で反射させることにより、半導体発光素子1の外部に出射させることが可能となる。その結果として半導体発光素子1からの光の取出し効率をさらに高めることが可能となる。
このように、本実施の形態では、半導体発光素子1に反射膜180を設け、発光層150から基板110とは反対側に出射された光、あるいはさまざまな界面で反射することなどにより半導体発光素子1の外部ではない方向に向かった光を、反射膜180によって反射させる。さらに、p電極300およびn電極310が金属反射層を有する場合は、この金属反射層によっても反射される。そして反射させた光を半導体発光素子1の外部に出射させることによって、半導体発光素子1からの光の取り出し効率を高めている。
なお、上記の形態では、貫通穴を形成することによってp接続導体202およびn接続導体402を備えさせることを記載したが、それに限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、反射膜180を積層する前に円柱状のp接続導体202およびn接続導体402が形成されていても、あるいは反射膜180を積層した後に銅などの金属部材を埋め込むことによって、p接続導体202およびn接続導体402を形成してもよい。
また、p接続導体202およびn接続導体402は、同一の構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。また、p接続導体202およびn接続導体402の形状は、円柱に限定されるものではなく、三角形を含む多角形柱などでもよい。
図6(a)、(b)は、図1に示す半導体発光素子1を備えた発光装置30(発光チップ30又はランプ30とも言う)の構成の一例を示す図である。ここで、図6(a)は発光チップ30の上面図を、図6(b)は図6(a)のVIB−VIB断面図を、それぞれ示している。
この発光チップ30は、一方の側に凹部31aが形成された筐体31と、筐体31に形成されたリードフレームからなる第1リード部32および第2リード部33と、凹部31aの底面に取り付けられた半導体発光素子1と、凹部31aを覆うように設けられた封止部34とを備えている。なお、図6(a)においては、封止部34の記載を省略している。
基部の一例としての筐体31は、第1リード部32および第2リード部33を含む金属リード部に、白色の熱可塑性樹脂を射出成型することによって形成されている。
第1リード部32および第2リード部33は、0.1〜0.5mm程度の厚みをもつ金属板であり、加工性、熱伝導性に優れた金属として例えば鉄/銅合金をベースとし、その上にめっき層としてニッケル、チタン、金、銀などを数μm積層して構成されている。そして、本実施の形態では、第1リード部32および第2リード部33の一部が、凹部31aの底面に露出するようになっている。また、第1リード部32および第2リード部33の一端部側は筐体31の外側に露出し、且つ、筐体31の外壁面から裏面側に折り曲げられている。なお、本実施の形態では、第1リード部32が第1の配線として、第2リード部33が第2の配線として、それぞれ機能している。
また、半導体発光素子1は、凹部31aに、第1リード部32と第2リード部33とに跨って取り付けられている。
そして、封止部34は、可視領域の波長において光透過率が高く、また屈折率が高い透明樹脂にて構成される。封止部34を構成する耐熱性、耐候性、及び機械的強度が高い特性を満たす樹脂としては、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂を用いることができる。そして、本実施の形態では、封止部34を構成する透明樹脂に、半導体発光素子1から出射される光の一部を、緑色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させている。なお、このような蛍光体に代えて、青色光の一部を黄色光に変換する蛍光体、あるいは、青色光の一部を黄色光および赤色光に変換する蛍光体を含有させるようにしてもよい。
なお、本実施の形態の発光チップ30を組み込んだバックライト、携帯電話、ディスプレイ、各種パネル類、コンピュータ、ゲーム機、照明などの電子機器や、それらの電子機器を組み込んだ自動車などの機械装置は、優れた発光特性を有する半導体発光素子1を備えたものとなる。特に、バックライト、携帯電話、ディスプレイ、ゲーム機、照明などのバッテリ駆動させる電子機器において、優れた発光特性を有する半導体発光素子1を具備した優れた製品を提供することができ、好ましい。また、半導体発光素子1を備えた発光チップ30の構成は、図6(a)、(b)に示すものに限られるわけではなく、例えば砲弾型と呼ばれるパッケージ構成を採用したものであってもよい。
では次に、本発明の実施例について説明を行うが、本発明は実施例に限定されない。
(実施例1)
まず、本発明者は、反射膜180としてSiO(酸化珪素)を用いて、さらにp金属反射層302としてAg−Pd−CuからなるAg(銀)の合金を用いた場合の、密着性を評価する実験を行った。その実験結果を、図7(a)、(b)を参照しながら説明する。
ここで、図7(a)及び(b)は、反射膜180とp金属反射層302との密着性を評価した結果を示し、(a)はp密着層301としてIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))を用いて密着性を評価した試料の上面図であり、(b)は対照実験としてp密着層301を設けることなく密着性を評価した試料の上面図を示す。
まず、実験に用いた試料について説明する。上述のように図7(a)及び(b)では、2つの異なる試料を用いたが、各試料は、共通の層構成を有する部分を備える。その共通部分の層構成とは、次のようにして形成される。すなわち、サファイア基板上にp型半導体層160としてGaNからなる層、透明導電層170としてIZOからなる層をこの順で積層し、熱処理を行ってIZOを結晶化させた。そして、このIZOからなる層に反射膜180としてSiO(膜厚:6Q)を成膜した後、大気暴露した。ここで、Qは、上述のように発光層150の発光波長λ(nm)を反射膜180の屈折率nの4倍で除したものを示す。
そして、図7(a)に示す試料については、SiO上に、p密着層301としてIZO(膜厚:2nm、アモルファス)、p金属反射層302としてAg(銀)合金(膜厚:100nm)、第1拡散防止層303としてTa(タンタル)(膜厚:50nm)をこの順で成膜した。
一方、図7(b)に示す試料については、SiO上に、Ag(銀)合金(膜厚:100nm)/Ta(タンタル)(50nm)を成膜した。
各試料の密着性の評価は、長方形の粘着性のテープを試料表面の一部に張り付け、このテープを剥がした後の試料の状態を、テープを張り付けていない部分の試料と対比しながら観察することにより行った。
図7(a)及び(b)に示す、密着性を評価した試料を説明する。
まず、図7(a)に示す試料では、テープを張り付けたのちに剥がした部分と、テープを張り付けていない部分との差は目視されなかった。図7(a)に示すように、試料の上面に色の変化は確認されない。つまり、Ag(銀)合金とSiOとの間に剥がれは確認されなかった。
一方、図7(b)に示す試料では、テープを張り付けたのちに剥がした部分と、テープを張り付けていない部分との差が目視された。図7(b)に示すように、試料の上面の一部が薄い色となっている。この薄い色となっている部分は、テープを張り付けた部分である。つまり、Ag(銀)合金とSiOとの間に剥がれが確認された。
p密着層301を設けなかった場合は、密着性が劣ることが確認できた。
したがって、図7(b)に示す試料、すなわちp密着層301であるIZO(酸化インジウム亜鉛)を用いなかった試料と比較して、図7(a)に示す試料、すなわち、p密着層301であるIZO(酸化インジウム亜鉛)を成膜した試料は、密着性が優れていることが確認できた。
次に、本発明者は、図1及び図2に示す半導体発光素子1を製造し、反射膜180の膜厚を変更しつつ半導体発光素子1の出力を測定した。その結果を図8(a)、(b)に示す。なお、図1及び図2に示す半導体発光素子1は、以下の方法で製造した。
サファイアからなる基板110上に、スパッタ法でAlN(窒化アルミニウム)からなる中間層120(バッファ層)を形成し、次いで厚さ5μmのアンドープGaN(窒化ガリウム)からなる下地層130をMOCVD法により成長させた。次に、厚さ2μmのSiドープn型GaNコンタクト層と厚さ250nmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層からなるn型半導体層140層を形成した後、厚さ16nmのSiドープGaN障壁層と厚さ2.5nmのIn0.2Ga0.8N井戸層とからなる発光層150を形成した。さらに、厚さ10nmのMg(マグネシウム)ドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層と厚さ150nmのMgドープp型GaNコンタクト層とからなるp型半導体層160を順次に形成した。
続いて、p型半導体層160上に、所定の膜厚(250nm、150nm及び50nmの3水準)を有するIZOからなる透明電極スパッタ法及び熱処理等により形成し、次いでマスク形成とドライエッチングを行い、所望の領域にn型コンタクト層を露出させた。次に、反射膜180としてSiO(酸化珪素)からなる反射膜をスパッタ法にて所望の膜厚(例えば、膜厚は前述のQの整数倍、λ=450nm)で形成した。そして、反射膜180の所望の位置に直径10μmの貫通穴を複数形成し、p接続導体202およびn接続導体402形成用の貫通穴とした。
さらに、公知なマスク形成工程を用い、図2で例示したように、p電極300を形成する領域に膜厚2nmのIZOからなるp密着層301と、このp密着層301の上に膜厚150nmの銀合金からなるp金属反射層302と、その上に順次、膜厚50nmのTaからなる第1拡散防止層303、膜厚300nmのTiからなる第3拡散防止層305、膜厚100nmのPtからなる第4拡散防止層306、膜厚550nmのAuからなる第2ボンディング層307とを積層した。なお、本実施例では、図2で例示した第2拡散防止層304は、形成しなかった。また、IZOからなるp密着層301は、アニール処理しないアモルファスIZOで形成した。
また、公知なマスク形成工程を用い、図2で例示したように、n電極310を形成する領域に膜厚150nmのAl−Nd合金からなるn金属反射層311と、このn金属反射層311の上に膜厚50nmのTaからなる第1拡散防止層312と、その上に順次、膜厚300nmのTiからなる第3拡散防止層314、膜厚100nmのPtからなる第4拡散防止層315、膜厚550nmのAuからなる第1ボンディング層316とを積層した。
次に、第2ボンディング層307の露出部位を除いて第2ボンディング層307を覆うように、15nmのTaからなる保護密着層308を形成し、また第1ボンディング層316の露出部位を除いて第1ボンディング層316を覆うように15nmのTaからなる保護密着層317を形成した。
最後に、第1ボンディング層316の露出部位及び第2ボンディング層307の露出部位を除いて、保護密着層317を覆うように300nmのSiOからなる保護層320を形成した。n電極310及びp電極300の特徴を表1及び表2にまとめた。
Figure 2011162367
Figure 2011162367
ここで、図8(a)は、20mAの電流を供給した際の光の出力を示し、図8(b)は、80mAの電流を供給した際の光の出力を示す。そして、それぞれ図8(a)および(b)は、縦軸は出力Po(mW)を示し、横軸は、反射膜180の膜厚Hを上述のQ単位で示す。
図8(a)及び(b)においては、反射膜180としてSiO(酸化珪素)を用いている。また、透明導電層170としてIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))を用いており、その厚みは、50nm、150nm及び250nmである。さらに、発光層150の発光波長は450nmである。そして、この例では、p電極300は反射膜180の上にIZO(酸化インジウム亜鉛(In23−ZnO))からなるp密着層301を備え、さらにp密着層301の上にAg(銀)合金(厚み100nm)からなるp金属反射層302を備える構成である。
なお、それぞれの層の屈折率の関係は、反射膜180(SiO:n=1.45)<透明導電層170(IZO:n=2.1)、反射膜180(SiO)<p密着層301(IZO)である。さらに、反射膜180(SiO)>p金属反射層302(Ag合金)である。
図8(a)及び(b)に示されるように、反射膜180を備えることで出力Poが増加する傾向が確認できる。このことは、以下の理由によるものとも考えられる。すなわち、透明導電層170に絶縁性を有する反射膜180を設けて電流の流れを制限した上で、一部(p接続導体202)でのみ電流を流すことが、p電極300の全面に渡って均一に電流を拡散させることに貢献する。その結果として、透明導電層170にp金属反射層302p密着層301を直接積層する(図8(a)及び(b)で横軸がゼロの状態)構成よりも、反射膜180を設ける構成の方が、出力Poは増加するとも考えられる。
また、図8(a)及び(b)に示されるように、半導体発光素子1の出力が、反射膜180の膜厚Hに依存することが確認された。より具体的には、反射膜180の膜厚Hが増加するに従い、半導体発光素子1の出力が増加することがわかる。
このことから、反射膜180の厚みが増すことによって、p型半導体層160と透明導電層170との間、透明導電層170と反射膜180との間、及びp密着層301とp金属反射層302との間でそれぞれ反射する光の位相が合い、増反射されることから、結果として半導体発光素子1の出力を増加させるとも考えられる。
さらにまた、図8(a)及び(b)から、反射膜180の膜厚Hが増加するに従い、膜厚Hが3Qまでは、出力Poは大きく上昇し、さらに膜厚Hが5Qを超えると、出力Poは緩やかに上昇することが分かる。別の観点からみると、膜厚Hが5Qを超えると、いずれの条件であっても、出力Poが安定することが分かる。つまり、出力Poを向上させた半導体発光素子1を安定して得るためには、反射層180の膜厚Hは、3Q以上であることが好ましく、さらに5Q以上であることがより好ましいことが確認された。
次に、本発明者は、p電極300に用いるp金属反射層302としてAg(銀)を用いた場合における、反射膜180の膜厚と、反射率との関係についてシミュレーションを行った。その実験結果を、図9を参照しながら説明する。
ここで、図9は、p電極300のp金属反射層302としてAg(銀)を用いた場合の反射率のシミュレーション結果を示す図である。
まず、シミュレーションの条件を説明すると、p型半導体層160としてGaNを用い、p型半導体層160上に透明導電層170としてIZOを50nmの膜厚で成膜する。そして、さらに透明導電層170上に反射膜180としてSiO(膜厚:0〜7Q)を成膜する。そして、反射膜180の上にp金属反射層302としてAgを150nmの膜厚で成膜するものである。ここで、発光層150から出射される光の波長λは、450nmであり、λ=450nmにおけるp型半導体層160、透明導電層170、および反射膜180の屈折率は、それぞれ2.44、2.13、および1.48である。
そして、シミュレーション結果としては、図9に示されるように、反射膜180を備えることで反射率が増加する傾向が確認できる。このことは、図8(a)、(b)において、反射膜180を備えることで出力Poが増加した結果と同一の傾向を示すものである。
また、図9に示されるように、反射膜180の膜厚が3Q付近から、反射率が大きく上昇していることが分かる。したがって、本条件においては、反射膜180の膜厚を3Q以上とすることで、半導体発光素子1の出力Poも増加するものと考えられる。
さらに、図9に示されるように、反射膜180の膜厚が5Qを超えた範囲では、反射率が安定していることも確認できる。したがって、出力Poを向上させた半導体発光素子1を安定して得るためには、膜厚は5Qを超えて製造することがよいと考えられ、この点においても、図8に示す結果と同一の傾向が確認された。
さらにまた、図9に示されるように、反射膜180の膜厚HがQの3以上の奇数倍である場合(H=3Q、5Q、7Q…)に、反射膜180の膜厚HがQの偶数倍である場合(H=2Q、4Q、6Q…)と比較して、半導体発光素子1の光の出力Poが上昇していることが分かる。
したがって、出力Poを向上させた半導体発光素子1を得るためには、反射膜180の膜厚Hが、Qの3以上の奇数倍に設定されることが良く、さらに、Qの5以上の奇数倍に設定されることがより好ましいことが確認された。
ここで、反射膜180の膜厚Hが、Qの3以上の奇数倍である範囲とは、図9において半導体発光素子1の出力Poが増加している膜厚Hの範囲、すなわち、図9においてグラフが上に凸になっている膜厚Hの範囲をいう。したがって、膜厚HがQの3以上の奇数倍である範囲とは、膜厚Hが上記式(3)の範囲内にあることをいう。
さらに、図9の結果から、半導体発光素子1の光の出力Poがより増加している点で、Bを3以上の奇数としたとき、反射膜180の膜厚Hが前述の式(3)の範囲において、(λ/4n)×(B−0.4)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.4)の関係を有していることが好ましく、(λ/4n)×(B−0.3)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.3)の関係を有していることがより好ましいことが確認された。
さらにまた、図9の結果から、式(3)において、Bは5以上の奇数であることがより好ましいことが確認された。
次に、本発明者は、n電極310に用いるn金属反射層311としてAl(アルミニウム)を用いた場合における、反射膜180の膜厚と、反射率との関係についてシミュレーションを行った。その実験結果を、図10を参照しながら説明する。
ここで、図10は、n電極310のn金属反射層311としてAl(アルミニウム)を用いた場合の反射率のシミュレーション結果を示す図である。
まず、シミュレーションの条件を説明すると、n型半導体層140としてGaNを用い、n型半導体層140上に反射膜180としてSiO(膜厚:0〜7Q)を成膜する。そして、反射膜180の上にn金属反射層311としてAlを150nmの膜厚で成膜するものである。ここで、発光層150から出射される光の波長λは、450nmであり、n型半導体層140および反射膜180の屈折率は、それぞれ2.44および1.48である。
そして、シミュレーション結果としては、図10に示されるように、反射膜180を備えることで反射率が増加する傾向が確認できる。このことは、図9と同一の傾向を示すものであり、さらに図8(a)、(b)において、反射膜180を備えることで出力Poが増加した結果とも同一の傾向を示すものである。
また、図10に示されるように、反射膜180の膜厚が1Q,3Q、5Q、7Q付近において反射率が大きく上昇していることが分かる。この点も、図8(a)、(b)に示す実験結果と同一の傾向を示すものである。したがって、本条件においては、反射膜180の膜厚を1Q,3Q、5Q、7Qとすることで、半導体発光素子1の出力Poも増加するものと考えられる。
さらに、図10に示されるように、反射膜180の膜厚が5Qを超えた範囲では、反射率が安定していることも確認できる。したがって、出力Poを向上させた半導体発光素子1を安定して得るためには、膜厚は5Qを超えて製造することがよいと考えられる。
以上より、出力Poを向上させた半導体発光素子1を得るためには、反射膜180の反射率を向上させる点で、反射膜180の膜厚Hが、Qの奇数倍に設定されることが良く、さらに、3以上の奇数倍に設定されることが好ましく、Qの5以上の奇数倍に設定されることがより好ましいこと確認された。
なお、膜厚HがQの3以上の奇数倍である範囲とは、Bを3以上の奇数としたとき、膜厚Hが上記式(3)の範囲内にあることをいう。さらに、生産コストの点から、式(3)において、Bは19以下の奇数であることが望ましい。
さらに、図10のシミュレーション結果から、反射膜180の膜厚Hは、前述の式(3)の範囲において、(λ/4n)×(B−0.4)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.4)の関係を有する範囲で設けるのが好ましく、(λ/4n)×(B−0.3)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.3)の範囲で設けることがより好ましいことが確認された。
(実施例2)
次に、実施例1で作製した半導体発光素子1とは、透明導電層170およびp密着層301を構成する材料を異ならせて、半導体発光素子1の製造を行った。
実施例2においては、実施例1で作製した半導体発光素子1ではIZOからなる透明導電層170およびp密着層301を、ITO(酸化インジウム錫(In23−SnO2))にて形成した。透明導電層170を構成するITOは、実施例1において透明導電層170を構成するIZOと同様にアニール化処理して結晶化した。また、透明導電層170の膜厚は、実施例1で用いた所定の3水準(250nm、150nm及び50nm)の膜厚から50nmを適用した。
また、本実施例2では、n電極310を形成する際に、n型半導体層140上に、2nmのTi層を形成した後、当該Ti層上にn金属反射層311としてAl−Nd合金を積層した。
なお、実施例2における半導体発光素子1の構成は、透明導電層170、p密着層301および上記n電極310の構成以外は、実施例1における半導体発光素子1と同様である。
実施例2において、透明導電層170およびp密着層301を構成するITOは、公知な方法(例えば特開2009−260237号公報に記載のスパッタ方法等)を用いて作製した。なお、ITOの屈折率nは、n=2.1〜2.2であり、実施例1で透明導電層170およびp密着層301として用いたIZOと同程度である。
続いて、実施例2において作製した半導体発光素子1についての評価を行う。
実施例2において作製した半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係は、図を省略するが、図8(a)及び(b)に示した実施例1の半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係と同等な挙動を示した。
即ち、反射膜180の膜厚Hが増加するに従い、膜厚Hが3Qまでは、出力Poは大きく上昇し、さらに膜厚Hが5Qを超えると、出力Poは緩やかに上昇した。別の観点からみると、膜厚Hが5Qを超えると、いずれの条件であっても、出力Poが安定した。つまり、出力Poを向上させた半導体発光素子1を安定して得るためには、膜厚は5Qを超えて製造することが好ましいことが確認された。
なお、実施例2において透明導電層170およびp密着層301として用いたITOは、実施例1において透明導電層170およびp密着層301として用いたIZOと電導度が同等であり、実施例2の半導体発光素子1の出力Poは、実施例1の半導体発光素子1の出力Poと同等なレベルであった。
(実施例3)
さらに、実施例1および実施例2で作製した半導体発光素子1とは、透明導電層170およびp密着層301を構成する材料を異ならせて、半導体発光素子1の製造を行った。
実施例3においては、実施例1で作製した半導体発光素子1ではIZOからなる透明導電層170およびp密着層301を、IGO(酸化インジウムガリウム(In23−Ga23))にて形成した。透明導電層170を構成するITOは、実施例1において透明導電層170を構成するIZOと同様にアニール化処理して結晶化した。また、透明導電層170の膜厚は、実施例1で用いた所定の3水準(250nm、150nm及び50nm)の膜厚から50nmを適用した。
なお、実施例3における半導体発光素子1の構成は、透明導電層170およびp密着層301の構成以外は、実施例1における半導体発光素子1と同様である。
実施例3において、透明導電層170およびp密着層301を構成するIGOは、公知な方法(例えば特開2009−260237号公報に記載のスパッタ方法等)を用いて作製した。なお、IGOの屈折率nは、n=2.0である。
続いて、実施例3において作製した半導体発光素子1についての評価を行う。
実施例3において作製した半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係は、図を省略するが、図8(a)及び(b)に示した実施例1の半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係と同等な挙動を示した。
即ち、反射膜180の膜厚Hが増加するに従い、膜厚Hが3Qまでは、出力Poは大きく上昇し、さらに膜厚Hが5Qを超えると、出力Poは緩やかに上昇した。別の観点からみると、膜厚Hが5Qを超えると、いずれの条件であっても、出力Poが安定した。つまり、出力Poを向上させた半導体発光素子1を安定して得るためには、膜厚は5Qを超えて製造することが好ましいことが確認された。
なお、実施例3において透明導電層170およびp密着層301として用いたIGOは、実施例1において透明導電層170およびp密着層301として用いたIZOおよび実施例1において透明導電層170およびp密着層301として用いたITOと比較して電導度が低い。また、IGOの薄膜では、IZOおよびITOと比較して表面抵抗が高い。したがって、実施例3における半導体発光素子1の出力Poは、実施例1及び実施例2における半導体発光素子1の出力Poと比べて5%程度低くなった。
(比較例1)
次に、実施例1で作製した半導体発光素子1とは、p密着層301を構成する材料を異ならせて、半導体発光素子1の製造を行った。
比較例1においては、実施例1で作製した半導体発光素子1ではIZOからなるp密着層301を、IGOにて形成した。p密着層301を構成するIGOは、公知な方法(例えば特開2009−260237号公報に記載のスパッタ方法等)を用いて作製した。
なお、比較例1における半導体発光素子1の構成は、透明導電層170、p密着層301および上記n電極310の構成以外は、実施例1における半導体発光素子1と同様である。したがって、比較例1において透明導電層170は、実施例1と同様にIZOにて形成した。また、透明導電層170の膜厚は、実施例1で用いた所定の3水準(250nm、150nm及び50nm)の膜厚から50nmを適用した。
続いて、比較例1において作製した半導体発光素子1についての評価を行う。
比較例1において作製した半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係は、図を省略するが、図8(a)及び(b)に示した実施例1の半導体発光素子1における出力Poと反射膜180の膜厚との関係と同等な挙動を示した。しかしその一方で、比較例1における半導体発光素子1の出力Poは、実施例1及び実施例2における半導体発光素子1の出力Poと比べて5%程度低かった。
また、当該半導体発光素子1の順方向電圧Vfは、実施例1における半導体発光素子1の順方向電圧Vfと比べて増加した。
比較例1においては、透明導電層170とp密着層301とが異なる材料で形成され、透明導電層170とp密着層301との間における導電性の低下が見られたため、実施例1および実施例2と比較して半導体発光素子1の出力Poが低下し、また順方向電圧Vfが増加したものと考えられる。
また、他のスパッタ成膜実験から、IZO上にIGOを形成すると、IZOとIGOとの界面で結晶性が低下することが確認された。これにより、透明導電層170としてIZOを用い、p密着層301としてIZOとは異なるIGOを用いた場合に、p導体部200において透明導電層170とp密着層301との間の密着性が低下することが確認された。
さらに、実施例1と同様に、IZOからなる透明導電層170上に、反射膜180としてSiOを成膜し、SiO上にp密着層301としてIGO、p金属反射層302としてAg(銀)合金、第1拡散防止層303としてTa(タンタル)をこの順で成膜した試料について、テープ試験を行ったところ、実施例1と比較して透明導電層170と反射層180との間の密着性が低下することが確認された。
1…半導体発光素子、100…積層半導体層、110…基板、120…中間層、130…下地層、140…n型半導体層、140c…上面、150…発光層、160…p型半導体層、170…透明導電層、170c…上面、180…反射膜、180c…p電極側の上面、180d…n電極側の上面、200…p導体部、202…p接続導体、300…p電極、310…n電極、400…n導体部、402…n接続導体

Claims (19)

  1. 第1導電型を有するIII族窒化物半導体で構成される第1半導体層と、
    前記第1半導体層の一方の面に当該一方の面の一部を露出させるように積層され、通電により発光する発光層と、
    前記第1導電型とは異なる第2導電型を有するIII族窒化物半導体で構成され、前記発光層に積層される第2半導体層と、
    前記発光層から出射される光に対する透過性および導電性を有する材料で構成され、前記第2半導体層に積層される第1透明導電層と、
    前記発光層から出射される光に対する透過性および絶縁性を有する材料で構成され、厚さ方向に貫通する貫通孔を有するとともに前記第1透明導電層に積層される透明絶縁層と、
    前記第1半導体層と電気的に接続される第1電極と、
    前記第1透明導電層と同一の材料で構成され、前記透明絶縁層および前記貫通孔を介して露出する当該第1透明導電層を覆うように積層される第2透明導電層と、前記発光層から出射される光に対する反射性および導電性を有する金属材料で構成され、当該第2透明導電層に積層される金属反射層とを有する第2電極と
    を含むことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層の厚さは、前記透明絶縁層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1透明導電層および前記第2透明導電層は、金属酸化物から構成されることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
  4. 前記金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物であることを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子。
  5. 前記インジウムを含む金属酸化物は、IZO(Indium Zinc Oxide)であることを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 前記第1透明導電層は、結晶化したIZOから構成され、
    前記第2透明導電層は、結晶化していないIZOから構成され、
    前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層の厚さは、当該第1透明導電層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項5記載の半導体発光素子。
  7. 前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層と、当該第1透明導電層に積層される当該第2透明導電層に積層される前記金属反射層とを合わせた厚さが、前記透明絶縁層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項6記載の半導体発光素子。
  8. 前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層と、当該第1透明導電層に積層される当該第2透明導電層に積層される前記金属反射層とを合わせた厚さが、前記透明絶縁層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
  9. 前記第1透明導電層および前記第2透明導電層は、金属酸化物から構成されることを特徴とする請求項8記載の半導体発光素子。
  10. 前記金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物であることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子。
  11. 前記インジウムを含む金属酸化物は、IZOであることを特徴とする請求項10記載の半導体発光素子。
  12. 前記第1透明導電層および前記第2透明導電層は、金属酸化物から構成されることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  13. 前記金属酸化物は、インジウムを含む金属酸化物であることを特徴とする請求項12記載の半導体発光素子。
  14. 前記インジウムを含む金属酸化物は、IZOであることを特徴とする請求項13記載の半導体発光素子。
  15. 前記第1透明導電層は、結晶化したIZOから構成され、
    前記第2透明導電層は、結晶化していないIZOから構成され、
    前記貫通孔を介して露出する前記第1透明導電層に積層される前記第2透明導電層の厚さは、当該第1透明導電層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項14記載の半導体発光素子。
  16. 前記透明絶縁層は、前記第1透明導電層および前記第2透明導電層よりも低い屈折率を有する材料で構成されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  17. 前記第1透明導電層は、第1屈折率を有する材料で構成され、
    前記透明絶縁層は、前記第1屈折率よりも低い第2屈折率を有する材料で構成され、
    前記透明絶縁層の膜厚Hは、前記第2屈折率をn、前記発光層から出射される光の波長λとし、Bを3以上の奇数としたとき、
    (λ/4n)×(B−0.5)≦ H ≦(λ/4n)×(B+0.5)
    の関係を有していることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  18. 前記金属反射層は、銀あるいは銀の合金からなることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の半導体発光素子。
  19. 前記透明絶縁層は、二酸化ケイ素からなることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項記載の半導体発光素子。
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