JP2009238932A - 半導体発光素子およびそれを用いる照明装置 - Google Patents

半導体発光素子およびそれを用いる照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】透光性を有する成長基板上に、n型半導体層、発光層およびp型半導体層の各層が積層されて成る半導体発光素子において、光取出し効率を向上する。
【解決手段】発光層12からの光の取出し面14とは反対側の面に反射膜を設けて光取出し効率を向上するにあたって、前記反射膜を、該反射膜が接するp型半導体層13の屈折率より低い屈折率を有し、かつ1/10光学波長以上の厚みの第1の透明層15aと、p型半導体層13の屈折率より低く、かつ第1の透明層15aよりも高い屈折率を有するとともに、第1の透明層15aとは逆の応力特性を有し、第1の透明層15aの数倍の厚みを有する第2の透明層15bと、前記透明層15a,15b上に積層され、高反射率を有する金属層16とを備えて構成する。したがって、臨界角を超えて深い角度で入射した光が、エバネッセント波と称される浸み出し光となっても、殆どを界面へ戻すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体内で電子と正孔とを結合させて発光させる半導体発光素子およびそれを用いる照明装置に関し、詳しくは、赤色よりも短波長側に発光ピークを有する半導体発光素子の光取出し効率の向上のための手法に関する。
発光層の発光波長において透光性を有する成長基板上に、n型半導体層、前記発光層およびp型半導体層が積層されて成る半導体発光素子において、従来から、光取り出し効率(または外部量子効率)を向上する方策として、前記発光層からの光の取出し面とは反対側の面に、反射率の高い反射膜を形成する方法が用いられている。これは、半導体発光層にて発生する光は四方八方に向かう性質があり、図9で示すように、発光点の直上に出る(出射角が小さい)光より、斜めに向う(出射角が大きい)光の方が多いために、発光層から出た光は、その殆どが素子内部で多重反射してロスとなってしまうためである。
図10には、前記反射膜の反射率の変化に対する光取り出し効率の変化を示す。この図10から明らかなように、光取り出し効率を70%以上に高めるには、反射率は95%以上必要であり、しかもその95%以上の領域では、反射率が1%向上するだけで、取り出し効率が6%程度向上する。ここで、GaAs半導体の場合には、前記反射膜を兼ねて、Auを電極材料に用いることで、高い反射率が得られて、光取り出し効率を向上することができる。
しかしながら、金属の反射率は波長に大きく依存し、前記赤色よりも短波長側に発光ピークを有する酸化物あるいは窒化物系化合物半導体発光素子などでは、そのような手法を用いることができない。たとえば、GaN系材料と、銀、アルミ等の高反射金属とは、オーミック接触が確保できない。このため、Ni,Pt,Rhなどの金属や、ITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物と、前記高反射金属との積層電極が使用され、前記高反射金属の固有の反射率以上の反射率を得ることは困難になっている。
そこで、このような問題を解決することができる先行技術として、非特許文献1が提案されている。その先行技術では、前記高反射金属固有の反射率以上の反射率を確保するために、前記高反射金属としての銀と、半導体層であるpGaN層との間に、1/4光学波長のSiO膜が積層されており、全ての入射角に対して、単独銀膜よりも高い反射率を得ている。これによって、ODR(omni-directional reflector:全方向反射鏡電極構造)を形成し、平均反射率が波長450nmの計算値で98%となっている。また、オーミック接触は、前記pGaN層とSiO膜との間にRuO(酸化ルテニウム)膜を形成するとともに、前記SiO膜に形成した開口を通して、銀層が前記RuO膜からpGaN層と電気的に接続されるマイクロコンタクトによって確保されている。
GaInN light-emitting diodes with RuO2 OSiO2 OAg omni-directional reflector(Jong Kyu Kim, Thomas Gesmann, Hong Luo, and E.Fred Schubert.Applied PhysicsLetters 84,4508(2004)レンセラー工科大)
上述の従来技術では、全ての入射角に対して高反射率が得られるとしているが、本願発明者が同様の計算を行ったところ、図11で示すように、前記SiO膜の膜厚が、1/8光学波長膜厚(0.5Q)では約55度を中心に広い角度範囲で20%程度反射率が低下し、また1/4光学波長膜厚(1Q)では約45度を中心に30%程度もの反射率低下が存在することが分かった。これは、金属の上に単層のSiO膜を反射膜として形成した場合、入射角が小さい場合は前記1/4光学波長膜厚(1Q)で良好な反射が得られるが、入射角が大きくなると、図12で示すような、近接場やエバネッセント波と称される半導体層からSiO膜へ浸み出した光が、銀膜層と結合するためと考えられる。図11において、1/4光学波長膜厚(=λ/4n)=1Q、nは屈折率である。また、図11において、前記非特許文献1のデータ特性は、5Qや6Qの特性に相当する。
前記浸み出しの量は、図13で示すように、入射角θが臨界角θcまでは0で、前記臨界角θcで波長λ程度の深さまで浸み出し、その後、指数関数的に減少してゆく。θc=30〜40°である。
本発明の目的は、光取出し効率を向上することができる半導体発光素子およびそれを用いる照明装置を提供することである。
本発明の半導体発光素子は、発光層の発光波長において透光性を有する成長基板上に、n型半導体層、前記発光層およびp型半導体層が積層され、前記発光層からの光の取出し面とは反対側の面に反射膜を有する半導体発光素子において、前記反射膜は、前記発光波長において、該反射膜が接する前記成長基板または半導体層の屈折率より低い屈折率を有し、1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層と、前記第1の透明層上に積層され、前記発光波長において、前記成長基板または半導体層の屈折率より低く、かつ前記第1の透明層よりも高い屈折率を有するとともに、前記第1の透明層とは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層の数倍の厚みを有する第2の透明層と、前記第2の透明層上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層とを備えて構成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、発光層の発光波長において透光性を有し、導電性基板或いは絶縁性の基板上に適宜導電性のバッファ層を備えるなどして導電性となる基板や、半導体層の成長後に適宜切離される絶縁性基板などの成長基板上に、少なくともn型半導体層、前記発光層およびp型半導体層の各層が、この順、或いは逆の順で積層されて成る半導体発光素子において、前記発光層からの光の取出し面とは反対側の面に反射膜を設けて光取出し効率を向上するにあたって、前記反射膜を、前記発光波長において、該反射膜が接する前記成長基板または半導体層の屈折率より低い屈折率を有する2層の透明層と、前記2層の透明層上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層とを備えて構成する。そして、前記2層の透明層を、前記成長基板または半導体層上に積層され、相対的に屈折率が低く、1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層と、前記第1の透明層上に積層され、相対的に屈折率が高く、前記第1の透明層とは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層の数倍の厚みを有する第2の透明層とで構成する。
したがって、前記臨界角θcまでの比較的浅い角度(入射角が小さい)で入射した光は前記透明層または金属層で反射され、前記臨界角θcを超えて比較的深い(入射角が大きい)角度で入射した光は、高屈折率であるGaNなどの成長基板または半導体層と該反射膜との界面において、近接場やエバネッセント波と称される前記界面から透明層への浸み出し光となるが、該透明層が、第1の透明層で1/10光学波長以上の厚みで、それに積層され、相対的に屈折率が高い第2の透明層が前記第1の透明層の数倍の厚みに形成されることで、該透明層を通過して前記金属層で吸収されてしまう可能性は少なく、殆どが該透明層から前記界面へ戻ってゆき(跳ね返され)、前記界面から前記成長基板または半導体層に再度入射して前記光の取出し面に向う。
したがって、反射膜にあらゆる入射角で入射した光を効率良く取出すことができ、同じ光を取出す場合には低消費電力化することができ、同じ電力を注入する場合には高輝度化を図ることができる。また、前記透明層を2層に分割し、一方が引っ張り応力を発生する場合には他方は圧縮応力を発生するように、相互に逆の応力特性を有する組合わせとするので、該透明層の剥離を防止し、プロセスの安定性を確保することができる。
また、本発明の半導体発光素子では、前記第1の透明層はSiOから成り、前記第2の透明層はZrOから成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、前述の屈折率の関係を満足するとともに、一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOは引っ張り応力、ZrOは圧縮応力を示すことが多く、前述の応力特性を満足することもできる。また、前記金属層に銀系材料を用いた場合、SiOよりもZrOの方が密着力が高く、この意味においてもプロセスの安定性を確保しつつ高反射層を作成できる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記第1の透明層の厚みは略30nmであり、前記第2の透明層の厚みは前記第1の透明層の略5倍であることを特徴とする。
上記の構成によれば、前述のように一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOは引っ張り応力、ZrOは圧縮応力を示すことが多く、応力をキャンセルするZrOの膜厚はSiOの約5倍である。たとえば、SiO=30nm、ZrO=160nmで応力をキャンセル可能である。但し、応力には装置依存性があるので、5倍に限定されるものではないが、約4倍以下だと全反射効果が小さく、6倍を超えると全反射効果は得られるが、全反射しない領域では干渉による反射率の低下が見られる。
また、本発明の半導体発光素子は、前記反射膜が前記半導体層上に形成される場合、前記半導体層と第1および第2の透明層との間には、該半導体層と導電性を有し、前記発光波長において透明な第1の電極層が積層され、その第1の電極層上に、前記第1および第2の透明層が開口を有するように形成され、前記金属層はこの開口から第1および第2の透明層上に積層され、前記第1の電極層と電気的に導通して第2の電極層となることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記反射膜が前記半導体層(多くはp型)上に形成されて、(そのp型の)電極を兼ねる場合、前記半導体層には、該半導体層と導電性を有し(オーミックコンタクトする)、前記発光波長において透明な第1の電極層を積層し、その第1の電極層上に前記第1および第2の透明層を開口を有するように形成する。そして、前記金属層を、前記開口から第1および第2の透明層上に積層し、前記第1の電極層と電気的に導通させて第2の電極層とする。
したがって、前記第1および第2の透明層に貫通孔が形成されていることになり、或いは該透明層がいくつかの領域に分割されていることになり、前記貫通孔内や領域の周囲を、該第1および第2の透明層の前後を結ぶ電極が通り、該第1および第2の透明層による高反射率化を犠牲にせず、半導体層と高反射な金属層とを電気的に接続し、前記発光層に充分な電流を注入することができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記第1の電極層は、ITOが30nm以下で積層されて成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記第1の電極層を、金属酸化物のITOで形成し、その厚みを30nm以下にすると、98%以上の透過率を確保でき、透明層での全反射効果を阻害しない。特に好ましくは10nm以下である。
また、本発明の半導体発光素子では、前記第1の電極層は、吸収の少ない高反射金属でその厚みが5nm以下の層で形成されていることを特徴する。
上記の構成によれば、前記第1の電極層を、吸収の少ない高反射率金属でその厚みが5nm以下とすると、吸収を1%以下とすることができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記高反射率金属は銀であり、前記第1の電極層は、2nm以下に形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、吸収が極めて少なく、特に好適である。
また、本発明の半導体発光素子は、前記反射膜が半導体層に接し、その半導体層がp型である場合、前記第1の電極層は、PtまたはRh、或いはそれらの合金が略2nm以下に積層され、かつ面積占有率が50%以下のメッシュ状あるいは微小領域群に形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記第1の電極層として、PtまたはRh、或いはそれらの合金は、GaN系p型半導体層とオーミック接続が可能で、かつ反射率が60%以上である。そこで、それらを2nm程度以下の厚みで、占有率を50%以下、好ましくは25%以下のメッシュ或いは微小領域群に形成することによって、高反射を犠牲にせず、順方向電圧を低減することができ、好適である。
さらにまた、本発明の半導体発光素子では、前記金属層は、銀または銀合金であることを特徴とする。
上記の構成によれば、透明層と銀とを積層することで、平均98%から99%以上の反射率が得られ、高い光取り出し効率が可能である。
また、本発明の半導体発光素子では、前記金属層の銀の厚みは、80nm以上であることを特徴とする。
上記の構成によれば、成膜工法、成膜条件によって変化するけれども、銀の屈折率(n,k)を(0.066、2.5)とした場合、膜厚が80nmで、反射率(R)が93%以上、透過率(T)が3%以下となるので、高反射率を得るには膜厚80nm以上が望ましい。ここで、屈折率のkは、「吸収係数」または「減衰係数」である。しかし、膜厚が厚くなると膜応力による剥離が生じ易くなるので、特に100nm程度が好ましい。
さらにまた、本発明の照明装置は、前記の半導体発光素子を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、光取出し効率を向上することができ、したがって低消費電力化および高輝度化を図ることができる照明装置を実現することができる。
本発明の半導体発光素子は、以上のように、発光層の発光波長において透光性を有する成長基板上に、少なくともn型半導体層、前記発光層およびp型半導体層の各層が、この順、或いは逆の順で積層されて成る半導体発光素子において、前記発光層からの光の取出し面とは反対側の面に反射膜を設けて光取出し効率を向上するにあたって、前記反射膜を、前記発光波長において、該反射膜が接する前記成長基板または半導体層の屈折率より低い屈折率を有する2層の透明層と、前記2層の透明層上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層とを備えて構成し、前記2層の透明層を、前記成長基板または半導体層上に積層され、相対的に屈折率が低く、1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層と、前記第1の透明層上に積層され、相対的に屈折率が高く、前記第1の透明層とは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層の数倍の厚みを有する第2の透明層とで構成する。
それゆえ、臨界角θcを超えて比較的深い角度で入射した光は、高屈折率であるGaNなどの成長基板または半導体層と該反射膜との界面において、近接場やエバネッセント波と称される前記界面から透明層への浸み出し光となっても、該透明層が、第1の透明層で1/10光学波長以上の厚みで、それに積層され、相対的に屈折率が高い第2の透明層が前記第1の透明層の数倍の厚みに形成されることで、該透明層を通過して前記金属層で吸収されてしまう可能性は少なく、殆どが該透明層から前記界面へ戻ってゆく(跳ね返される)ので、反射膜にあらゆる入射角で入射した光を効率良く取出すことができ、同じ光を取出す場合には低消費電力化することができ、同じ電力を注入する場合には高輝度化を図ることができる。また、前記透明層を2層に分割し、一方が引っ張り応力を発生する場合には他方は圧縮応力を発生するように、相互に逆の応力特性を有する組合わせとするので、該透明層の剥離を防止し、プロセスの安定性を確保することができる。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記第1の透明層をSiOとし、前記第2の透明層をZrOとする。
それゆえ、前述の屈折率の関係を満足するとともに、一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOは引っ張り応力、ZrOは圧縮応力を示すことが多く、前述の応力特性を満足することもできる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOは引っ張り応力、ZrOは圧縮応力を示すことが多く、応力をキャンセルするZrOの膜厚はSiOの約5倍であるので、前記第1の透明層の厚みを略30nmとし、前記第2の透明層の厚みを前記第1の透明層の略5倍とする。
それゆえ、応力をキャンセルすることができる。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射膜が前記半導体層上に形成されて、電極を兼ねる場合、前記半導体層には、該半導体層と導電性を有し、前記発光波長において透明な第1の電極層を積層し、その第1の電極層上に前記第1および第2の透明層を開口を有するように形成し、前記金属層を、前記開口から第1および第2の透明層上に積層し、前記第1の電極層と電気的に導通させて第2の電極層とする。
それゆえ、前記第1および第2の透明層に貫通孔が形成されていることになり、或いは該第1および第2の透明層がいくつかの領域に分割されていることになり、前記貫通孔内や領域の周囲を、該第1および第2の透明層の前後を結ぶ電極が通り、該第1および第2の透明層による高反射率化を犠牲にせず、半導体層と高反射な金属層とを電気的に接続し、前記発光層に充分な電流を注入することができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記第1の電極層を、金属酸化物のITOで形成し、その厚みを30nm以下にする。
それゆえ、98%以上の透過率を確保でき、透明層での全反射効果を阻害しなくなる。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記第1の電極層を、吸収の少ない高反射率金属でその厚みを5nm以下とする。
それゆえ、吸収を1%以下とすることができる。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記高反射率金属を銀とし、前記第1の電極層を、2nm以下に形成する。
それゆえ、吸収が極めて少なく、特に好適である。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記反射膜が半導体層に接し、その半導体層がp型である場合、前記第1の電極層を、GaN系p型半導体層とオーミック接続が可能で、かつ反射率が60%以上であるPtまたはRh、或いはそれらの合金で形成し、さらにそれらを2nm程度以下の厚みで、占有率を50%以下、好ましくは25%以下のメッシュ或いは微小領域群に形成する。
それゆえ、高反射を犠牲にせず、順方向電圧を低減することができ、好適である。
さらにまた、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記金属層を、銀または銀合金とする。
それゆえ、透明層と銀とを積層することで、平均98%から99%以上の反射率が得られ、高い光取り出し効率が可能である。
また、本発明の半導体発光素子は、以上のように、前記金属層の銀の厚みを、80nm以上とする。
それゆえ、高反射率と膜特性とを両立することができる。
さらにまた、本発明の照明装置は、以上のように、前記の半導体発光素子を用いる。
それゆえ、光取出し効率を向上することができ、したがって低消費電力化および高輝度化を図ることができる照明装置を実現することができる。
図1〜図4は、本発明の実施の一形態に係る半導体発光素子である発光ダイオード1〜4の構造を示す断面図である。図1〜図4の構造は、本発明が適用される半導体発光素子の典型的な構造例を示すものであり、図1の発光ダイオード1はフリップチップタイプであり、図2〜図4の発光ダイオード2〜4はワイヤボンドタイプである。
図1の発光ダイオード1では、図示しない成長基板上に、n型半導体層11、発光層12およびp型半導体層13が積層され、前記発光層12からの光取出し面14とは反対側の面に反射膜を有する発光ダイオードにおいて、注目すべきは、p型電極を本発明に係る反射膜とすることである。前記反射膜は、前記発光層12の発光波長において、該反射膜が接する前記p型半導体層13の屈折率より低い屈折率を有し、かつ1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層15aと、前記第1の透明層15a上に積層され、前記発光波長において、前記p型半導体層13の屈折率より低く、かつ前記第1の透明層15aよりも高い屈折率を有するとともに、前記第1の透明層15aとは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層15aの数倍の厚みを有する第2の透明層15bと、前記第2の透明層15b上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層16とを備えて構成される。
前記各層11〜13は、III-V族半導体またはII-VI族半導体から成り、たとえばGaNの場合、波長λ=455nm程度、屈折率は2.5程度である。前記第1の透明層15aは、たとえばSiOから成り、その場合の屈折率は1.43程度である。前記第2の透明層15bは、たとえばZrOから成り、その場合の屈折率は1.95程度である。前記金属層16は、たとえば銀から成る。そして、前記金属層16まで形成された後、一角が彫り込まれて前記n型半導体層11に連なるn型電極17が形成され、さらに前記成長基板が剥離された後、前記光取出し面14となるその剥離された面に、凹凸が形成されて、この図1で示す構成となる。
また、図2の発光ダイオード2でも、図示しない成長基板上に、n型半導体層21、発光層22およびp型半導体層23が積層され、前記発光層22からの光取出し面24とは反対側の面に反射膜を有する発光ダイオードにおいて、注目すべきは、p型電極を本発明に係る反射膜とすることである。前記反射膜は、前記発光層22の発光波長において、該反射膜が接する前記p型半導体層23の屈折率より低い屈折率を有し、かつ1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層25aと、前記第1の透明層25a上に積層され、前記発光波長において、前記p型半導体層23の屈折率より低く、かつ前記第1の透明層25aよりも高い屈折率を有するとともに、前記第1の透明層25aとは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層25aの数倍の厚みを有する第2の透明層25bと、前記第2の透明層25b上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層26とを備えて構成される。前記各層21〜23は、III-V族半導体またはII-VI族半導体、たとえばGaNから成り、前記第1の透明層25aは、たとえばSiOから成り、前記第2の透明層25bは、たとえばZrOから成り、前記金属層26は、たとえば銀から成る。そして、前記金属層26まで形成された後、前記成長基板が剥離され、前記光取出し面24となるその剥離された面に、凹凸が形成されるとともに、該凹凸上にn型電極27が形成され、前記金属層26がp型コンタクトとなってこの図2で示す構成となる。
一方、図3の発光ダイオード3では、界面30aに凹凸を有し、発光層32の発光波長において透明な成長基板(或いは貼り合せ基板)30上に、n型半導体層31、発光層32およびp型半導体層33が積層され、前記発光層32からの光取出し面34とは反対側の面に反射膜を有する発光ダイオードにおいて、注目すべきは、前記成長基板30の裏面を本発明に係る反射膜とすることである。前記反射膜は、前記発光層32の発光波長において、該反射膜が接する前記成長基板30の屈折率より低い屈折率を有し、かつ1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層35aと、前記第1の透明層35a上に積層され、前記発光波長において、前記成長基板30の屈折率より低く、かつ前記第1の透明層35aよりも高い屈折率を有するとともに、前記第1の透明層35aとは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層35aの数倍の厚みを有する第2の透明層35bと、前記第2の透明層35b上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層36とを備えて構成される。前記成長基板30は、GaN、ZnO、Alから成る。前記各層31〜33は、III-V族半導体またはII-VI族半導体から成り、たとえばGaNの場合、波長λ=455nm程度、屈折率は2.5程度である。前記第1の透明層35aは、たとえばSiOから成り、前記第2の透明層35bは、たとえばZrOから成る。前記金属層36は、たとえば銀から成る。そして、前記p型半導体層33上に透明導電層38が形成され、裏面側に前記第1および第2の透明層35a,35bおよび金属層36が形成された後、一角が彫り込まれた部分と前記透明導電層38上に、n型電極37およびp型電極39が形成されて、この図3で示す構成となる。なお、n型半導体層31とp型半導体層33とは、相互に入替えられてもよい。その場合、電極37はp型となり、電極39はn型となる。
さらにまた、図4の発光ダイオード4では、発光層42の発光波長において透明な成長基板(或いは貼り合せ基板)40上に、n型半導体層41、発光層42およびp型半導体層43が積層され、前記発光層42からの光取出し面44とは反対側の面に反射膜を有する発光ダイオードにおいて、前記成長基板40の裏面を、前記第1および第2の透明層35a,35bおよび金属層36と同様の第1および第2の透明層45a,45bおよび金属層46としている。図3との違いは、凹凸が光取出し面44であるp型半導体層43上面に形成されていることである。この発光ダイオード4でも、n型半導体層41とp型半導体層43とが入替わり、n型電極47およびp型電極49がそれぞれp型およびn型となってもよい。
このように本実施の形態では、前記非特許文献1のように1/4光学波長薄膜干渉によって反射率を向上するのではなく、屈折率が高い媒質(たとえばGaN材料:屈折率=2.5)から屈折率の低い媒質(たとえばSiO:屈折率=約1.43、ZrO:屈折率=約1.95)に光が入射する際の全反射効果を活用し、反射層として1/10光学波長膜厚以上の第1の透明層15a,25a,35a,45aと、それに積層され、該第1の透明層15a,25a,35a,45aよりも高い屈折率を有するとともに、逆の応力特性を有し、数倍の厚みを有する第2の透明層15b,25b,35b,45bと、それに積層され、銀、銀合金、Al、Al合金の金属層16,26,36,46から成る反射層とを作成するとともに、光取出し面14,24,44、或いは界面30aに正反射角度を乱す凹凸構造を配設する。これによって、入射角θが小さい領域では前記非特許文献1による1/4光学波長膜を積層した場合を上回る反射率の向上は望めないけれども、前記図9で示す実際の発光層12,22,32,42からの光の放射角分布を考慮した場合、より高い平均反射率を得ることができる。
詳しくは、前記臨界角θcを超えて比較的深い角度で入射した光は、高屈折率である成長基板30,40または半導体層13,23と該反射膜との界面において、近接場やエバネッセント波と称される前記界面から第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bへ浸み出し光となるが、相対的に屈折率が低い第1の透明層15a,25a,35a,45aが1/10光学波長以上の厚みを有し、相対的に屈折率が高い第2の透明層15b,25b,35b,45bがその数倍の厚みを有することで、該第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bを通過して前記金属層16,26,36,46で吸収されてしまう可能性は少なくなり、殆どが該第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bから前記界面へ戻ってゆき(跳ね返され)、前記界面から前記成長基板30,40または半導体層13,23に再度入射して前記光取出し面14,24,34,44に向う。そして、1回の透過で取り出せず、このように内部に再反射した光も、前記凹凸の光取出し面14,24,44または界面30aでランダムに角度変換作用を受け、統計的には最初の発光と同様の分布を持つと考えられるので、これら放射角分布の重みをかけて、全ての入射角に対する重み付き平均反射率で考えると、前記非特許文献1による1/4光学波長膜を積層させた場合と比較して、より以上の反射率を得ることができる。こうして、反射膜にあらゆる入射角で入射した光を効率良く取出すことができ、同じ光を取出す場合には低消費電力化することができ、同じ電力を注入する場合には高輝度化を図ることができる。また、このような膜構成では、精密な膜厚制御は不要で、かつ膜層数も少ないので、プロセスが容易である。
また、前記透明層を2層の透明層15a,15bに分割し、一方が引っ張り応力を発生する場合には他方は圧縮応力を発生するように、相互に逆の応力特性を有する組合わせとするので、該透明層15a,15bの剥離を防止し、プロセスの安定性を確保することができる。
ここで、上述のように第1の透明層15aがSiOから成り、第2の透明層15bがZrOから成る場合、前述の屈折率の関係を満足するとともに、一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOは引っ張り応力、ZrOは圧縮応力を示すことが多く、前述の応力特性を満足することもできる。また、前記金属層16,26,36,46に銀系材料を用いた場合、SiOよりもZrOの方が密着力が高く、この意味においてもプロセスの安定性を確保しつつ高反射層を作成できる。
詳しくは、前記一般的なEB蒸着工法で成膜した場合、SiOの引っ張りの線膨張係数は、ZrOの圧縮の線膨張係数約5倍である。そこで、それらの膜厚を1:5の関係で、GaNとの界面での入射角変化に対する反射率変化の特性を本願発明者がシミュレーションした結果を図5に示す。使用したシミュレーションソフトは、一般的な多層膜のシミュレーションソフトであるオプト社製の商品名optas−filmである。図5には、前記金属層16,26,36,46である銀層の反射率の変化も示す。また、DBRは、前記SiOとZrOとを、薄膜で交互に多層に形成した多層反射膜の場合の反射率を示す。
図5の結果から、第1の透明層15a,25a,35a,45aが31nmで、10°以上の入射角で95%以上の反射率が得られており、該第1の透明層15a,25a,35a,45aの厚みは略30nmとする。
一方、図6には、前記第1の透明層15a,25a,35a,45aが30nmに固定で、第2の透明層15b,25b,35b,45bの厚みを変化させた場合の入射角変化に対する反射率変化のシミュレーション結果を示す。応力には装置依存性があるので、図5の5倍に限定されるものではないが、この図7の結果から、約4倍(100nm)以下だと全反射効果が小さく、約6倍(200nm)を超えると全反射効果は得られるが、全反射しない領域では干渉による反射率の低下が見られる。このため、第2の透明層15b,25b,35b,45bの厚みは、前記第1の透明層15a,25a,35a,45aの略5倍とする。こうして、光学特性と膜安定性とを両立することができる。
なお、前記第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bを積層するにあたって、スパッタを用いることで膜応力を弱くすることができるけれども、半導体層にダメージを与えてしまうので、そのダメージの小さいEB蒸着を用いると、前記のように膜応力が大きくなる。
しかしながら、前記2層の透明層15a,15bは、前記SiOおよびZrOに限定されるものではなく、酸化硅素(SiO、SiO、Siなど)、窒化硅素(SiN、Si、Siなど)、酸化ジルコニウム(ZrO,ZrOなど)、酸化チタン(TiO、TiO、Tiなど)、窒化チタン(TiN、TiN、Tiなど)、酸化タンタル(TaO、TaO、Ta)、窒化タンタル(TaN、TaN、Ta)、酸化アルミニウム(Al、Al)(以上、x、yは任意整数)などが用いられてもよい。
図1〜図4では、正反射角度を乱す形状として微小凹凸を例示したが、目的は直方体の中で正反射の繰返しの多重反射をなくすことであって、この形状にはとらわれない。素子のマクロ構造を変えて、素子側面に傾斜を設けても良いし、素子そのものが角錘台形状を有する錘状構造等であってもよい。
また、前記金属層16,26,36,46を、銀または銀合金とすると、前記第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bと積層することで、前記図5で示すように、平均(Rw)98%から99%以上の反射率が得られ、高い光取り出し効率を得ることができ、好適である。但し、高反射金属は銀系材料に限定されるものではなく、紫外領域の発光素子においてはAlが望ましい。Alに前記第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bを積層した場合にも、Alの反射率が寄与する入射角領域では放射束分が小さく、入射角が大きくなる領域では全反射効果が寄与するので、平均としてはAl自体の反射率より高い効果を得ることができる。
さらにまた、成膜工法、成膜条件に変化するが、銀の屈折率(n,k)を(0.066、2.5)とした場合、膜厚と、反射率(R)、透過率(T)、吸収率(A)とは、図7のようになる。したがって、高反射率を得るには、膜厚80nm以上が望ましい。また、膜厚が厚くなると膜応力による剥離が生じ易くなるので、200nm以下であることが望ましい。特に100nm程度が、反射率と膜安定性との両面で好ましい。
ところで、図3および図4の発光ダイオード3,4では、第1および第2の透明層35a,35b;45a,45bおよび金属層36,46は成長基板30,40上に形成され、ダイオード電流の経路とは関係のない部分に設けられているのに対して、図1および図2の発光ダイオード1,2では、金属層16,26はp型電極となり、第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bはp型半導体層13,23上に形成されて、ダイオード電流の経路に設けられることになる。このように前記反射膜が前記p型半導体層13,23上に形成されて、そのp型電極を兼ねる場合、図1および図2で示すように、前記p型半導体層13,23と第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bとの間には、前記p型半導体層13,23と導電性を有し(オーミックコンタクトする)、前記発光波長において透明な第1の電極層となる透明導電層19,29が積層され、その透明導電層19,29上に、開口(貫通孔)15x,25xを有する前記第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bが形成され、前記金属層16,26は開口15x,25xから第1および第2の透明層15a,15b;25a,25b上に積層され、前記透明導電層19,29からp型半導体層13,23と電気的に導通して第2の電極層となる。
このように反射膜が電極を兼ねてオーミック接合が必要な場合に、全反射効果を活用する前記第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bに、マイクロコンタクトホールを形成したり、該第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bをメッシュ状等に領域分割するなどして前記開口15x,25xを形成し、それらの開口15x,25xを積層される高反射な金属層16,26で覆うことで、透明導電層19,29とオーミック接合が可能になる。これによって、第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bによる高反射率化を犠牲にせず、半導体層13,23と高反射な金属層16,26とを電気的に接続し、前記発光層12,22に充分な電流を注入することができる。
前記第1の電極層である透明導電層19,29は、たとえば金属酸化物のITOが30nm以下で積層されて形成される。この場合、98%以上の透過率を確保でき、第1および第2の透明層15a,15b;25a,25bでの全反射効果を阻害しない。特に好ましくは10nm以下である。また、ITO以外にも、水酸化マグネシウム(Mg(OH))なども用いることができる。
また、前記第1の電極層である透明導電層19,29は、吸収の少ない高反射金属、たとえば銀で、その厚みが5nm以下に積層されて形成される。この場合、前記図7における膜厚が20nm以下の領域を図8で拡大して示すように、吸収を1%以下とすることができる。特にこの図8から、2nm以下とすることで、吸収が極めて少なくなり、好適である。
さらにまた、前記第1の電極層であり、前記p型半導体層13,23に接する透明導電層19,29は、GaN系p型半導体層13,23とオーミック接続が可能で、かつ反射率が60%以上であるPtまたはRh、或いはそれらの合金から成る。そして、これらを2nm程度以下の厚みで、占有率が50%以下、好ましくは25%以下のメッシュ或いは微小領域群に領域分割するなどして開口19x,29xを形成することによって、高反射を犠牲にせず、順方向電圧を低減することができ、好適である。
ここで、特開2006−128450号公報には、誘電体光学多層膜と高反射率金属(Al、Ag、Ag合金等)とを積層し、入射角が数十度までは誘電体光学多層膜の高反射率、数十度から90度までは高反射率金属の反射率を利用し、全ての入射角で高反射率を得る電極構成を採用している。しかしながら、そのような誘電体光学多層膜を積層する場合、各膜の厚み制御の必要性、更には層数が多いことによるプロセスコストの増大が問題になり、さらに膜厚と膜応力との両方の制御が必要で、プロセス安定性も問題となる。
また、発光層からの発光分布は、入射角が数十度までより、数十度から90度まで範囲の方が分布強度が大きい。したがって、入射角度の大きい領域で、より高い反射率が望まれる。これらの課題を解決するために、本願発明は、成長基板または半導体層の屈折率より低い屈折率を有する2層の透明層15a,15b;25a,25b;35a,35b;45a,45bを積層した構造に、高反射率を有する金属材料から成る金属層16,26,36,46を積層した構造を採用しており、上述のようにプロセスが簡単で、コストも安くすることができる。
以上のような発光ダイオード1〜4を照明装置に用いることで、光取出し効率を向上することができ、したがって低消費電力化および高輝度化を図ることができる照明装置を実現することができる。
本発明の実施の一形態に係る半導体発光素子である発光ダイオードの構造を示す断面図である。 本発明の実施の一形態に係る半導体発光素子である発光ダイオードの構造を示す断面図である。 本発明の実施の一形態に係る半導体発光素子である発光ダイオードの構造を示す断面図である。 本発明の実施の一形態に係る半導体発光素子である発光ダイオードの構造を示す断面図である。 前記各発光ダイオードにおける反射膜を構成する金属層と第1および第2の透明層とにおいて、前記金属層に銀を用いた場合における第1および第2の透明層の厚さの変化に対する反射率の変化を示すグラフである。 前記各発光ダイオードにおける反射膜を構成する金属層と第1および第2の透明層とにおいて、前記金属層に銀を用い、第1の透明層の厚さを固定にした場合における第2の透明層の厚さの変化に対する反射率の変化を示すグラフである。 銀の反射膜の膜厚変化に対する反射率、透過率および吸収率の変化を示すグラフである。 図7の一部の領域を拡大して示すグラフである。 発光層から各出射方向に対する光束の変化を説明するためのグラフである。 前記反射膜の反射率の変化に対する光取り出し効率の変化を示すグラフである。 従来技術による反射膜への光の入射角変化に対する実際の反射率の変化を示すグラフである。 エバネッセント波(近接場)を説明するための図である。 前記エバネッセント波による光浸み出し量の入射角に対する変化を説明するためのグラフである。
符号の説明
1,2,3,4 発光ダイオード
11,21,31,41 n型半導体層
12,22,32,42 発光層
13,23,33,43 p型半導体層
14,24,34,44 光取出し面
15a,25a,35a,45a 第1の透明層
15b,25b,35b,45b 第2の透明層
15x,25x;19x,29x 開口
16,26,36,46 金属層
17,27,37,47 n型電極
30,40 成長基板
30a 界面
38 透明導電層
39,49 p型電極

Claims (11)

  1. 発光層の発光波長において透光性を有する成長基板上に、n型半導体層、前記発光層およびp型半導体層が積層され、前記発光層からの光の取出し面とは反対側の面に反射膜を有する半導体発光素子において、
    前記反射膜は、
    前記発光波長において、該反射膜が接する前記成長基板または半導体層の屈折率より低い屈折率を有し、1/10光学波長以上の厚みを有する第1の透明層と、
    前記第1の透明層上に積層され、前記発光波長において、前記成長基板または半導体層の屈折率より低く、かつ前記第1の透明層よりも高い屈折率を有するとともに、前記第1の透明層とは逆の応力特性を有し、前記第1の透明層の数倍の厚みを有する第2の透明層と、
    前記第2の透明層上に積層され、高反射率を有する金属材料から成る金属層とを備えて構成されることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第1の透明層はSiOから成り、前記第2の透明層はZrOから成ることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1の透明層の厚みは略30nmであり、前記第2の透明層の厚みは前記第1の透明層の略5倍であることを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
  4. 前記反射膜が前記半導体層上に形成される場合、前記半導体層と第1および第2の透明層との間には、該半導体層と導電性を有し、前記発光波長において透明な第1の電極層が積層され、その第1の電極層上に、前記第1および第2の透明層が開口を有するように形成され、前記金属層はこの開口から第1および第2の透明層上に積層され、前記第1の電極層と電気的に導通して第2の電極層となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の電極層は、ITOが30nm以下で積層されて成ることを特徴とする請求項4記載の半導体発光素子。
  6. 前記第1の電極層は、吸収の少ない高反射金属でその厚みが5nm以下の層で形成されていることを特徴する請求項4記載の半導体発光素子。
  7. 前記高反射率金属は銀であり、前記第1の電極層は、2nm以下に形成されることを特徴とする請求項6記載の半導体発光素子。
  8. 前記反射膜が半導体層に接し、その半導体層がp型である場合、前記第1の電極層は、PtまたはRh、或いはそれらの合金が略2nm以下に積層され、かつ面積占有率が50%以下のメッシュ状あるいは微小領域群に形成されることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記金属層は、銀または銀合金であることを特徴とする請求項1〜6,8のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 前記金属層の銀の厚みは、80nm以上であることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子を用いることを特徴とする照明装置。
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