JPWO2011155491A1 - 医療用チューブ、およびその製造方法 - Google Patents

医療用チューブ、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、容易な製造方法で安定的に提供することを課題とする。樹脂からなる外層チューブの内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、前記外層チューブ内に前記コイル層を挿入し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法により上記課題が解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブ、及びその製造方法に関するものである。
経皮的に血管内に挿入したカテーテルを脳や心臓、腹部等の臓器に導き、治療薬、塞栓物質、造影剤等の投与、注入や、内視鏡、他のカテーテル、ガイドワイヤー等のデリバリー、血栓等を吸引する医療行為は従来から行われている。近年、医学の進歩により、更に細い末梢血管における治療や、外径の小さいカテーテルを用いたより低侵襲性の治療などが実施されつつあり、これまで以上に小径でありながら、これまで以上に高性能なカテーテルが求められている。カテーテルの性能としては、術者の押込み力をカテーテルの先端まで確実に伝達する押込み性(プッシャビリティー)、細く屈曲した末梢血管への到達性が挙げられるが、前述した薬剤の注入や血栓の吸引、内視鏡や他のカテーテルのデリバリー性などについては、カテーテルの内径が非常に重要となる。さらに低侵襲性の治療を実施するためには、外径についても小さくする必要があるため、非常に薄肉なチューブが必要となる。これまでは、このように薄肉なチューブで、血管の屈曲部や湾曲部でもカテーテルが折れ曲がりを生じない耐キンク性や、高屈曲時の内腔維持性、カテーテルが体内で引っかかったときなどに容易に破断しないための引張強度の確保については、非常に困難であった。
従来、耐キンク性や高屈曲時の内腔維持性に優れているチューブとして、コイル構造を補強層とした樹脂チューブが検討されてきたが、コイル構造は、耐キンク性や高屈曲時の内腔維持性に非常に優れる反面、引張強度に劣る。そのため、コイル構造を使用したチューブの引張強度を確保するためには、樹脂チューブを非常に肉厚にするか、剛性の高い樹脂を備える必要があった。しかし、肉厚にすると外径が大きくなるか、または内径が小さくなり、より細い末梢血管へ挿入できない、低侵襲性の治療を実施できない、注入性や吸引性、デリバリー性の性能の低下、などの問題が発生し、剛性の高い樹脂にすると一般的に靭性が低く、高屈曲時に樹脂層が割れて、耐キンク性や引張強度が低下してしまい、安全に使用できない問題点があった。
コイル構造を補強層としたチューブの引張強度を向上させる方法として、カテーテルの長手方向に軸方向部材を使用する方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、ブレードからなる補強層に沿って延伸する軸方向部材を更に有する脈管カテーテルを記載している。軸方向部材を入れることにより、シャフトの伸長を防止できるとしている。また軸方向部材はブレードに隣接するあらゆるポリマー層にも固定されない構造である。しかしながら、この方法では確かに軸方向への伸長が防止されるが、より高い引張力に対しては軸方向部材の素線強度を高めていく必要があり、曲げ剛性の異方向性がでてしまう可能性がある。また、特許文献1の実施形態では、その製造プロセスにおいて、上記の軸方向部材、ブレード、ポリマー層などからなる複合サブアッセンブリを加熱し、各部品を融着、圧縮させることが記載されている。
また、他の方法として、コイル構造の外側に編組構造を付与する方法が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、金属製平板密巻コイルの外側に金属製平角編組と更にその外側に樹脂被覆層が構成されている。コイル構造による屈曲時の耐圧縮力と編組構造による耐引張力を両立させることを目的としているが、高引張力に対して編組を構成する素線の厚さもしくは幅を大きくすると、コイル構造により得られる屈曲時の耐圧縮力が低減されてしまうため、柔軟性かつ高引張力が求められるカテーテル先端側への適用は難しい。
これらの技術については、コイル層と樹脂層以外にさらに補強層を必要とする構造であり、肉薄なチューブに適用することは全く不可能であった。
特表2002−535049号公報 特開平4−183478号公報
本発明の目的は、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、容易な製造方法で安定的に提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、
(1)樹脂からなる外層チューブの内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、前記外層チューブ内に前記コイル層を挿入し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法;
(2)樹脂からなる外層チューブの内側に中間層を有し、更に中間層の内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、前記外層チューブ内に前記中間層と前記コイル層を配置し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記中間層を介して前記外層チューブを摺動可能な状態で固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法を提供した。これらによれば、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、容易な製造方法で安定的に提供することが可能となる。
また、(3)前記外層チューブが、前記成形温度で加熱した際に、内径が10%以下の収縮を生じるものであることを特徴とする前記製造方法を提供した。これによれば、低コストで医療用チューブが作製可能となるとともに、このような特性を有するものであれば外層チューブの素材に限定されず、さらに薄肉、柔軟な医療用チューブを、容易な製造方法で提供することが可能となる。
また、(4)前記成形温度で加熱する際に、前記外層チューブの内径を縮小させる外力を加えることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(5)前記外層チューブのさらに外側に内径が収縮する熱収縮チューブを配置することにより前記外力を加えることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(6)前記外層チューブのさらに外側から、金型により前記外力を加えることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(7)前記外層チューブをダイの中から引き抜くことにより前記外力を加えることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(8)前記外層チューブを延伸することにより前記外力を加えることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これらによれば、さらに耐キンク性を向上した医療用チューブを、安定的に提供することが可能となる。
また、(9)前記コイル層が、金属線からなることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(10)前記コイル層を形成する素線の形状が平線であることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これによれば、さらに薄肉、かつ耐キンク性を向上した医療用チューブを提供することが可能となる。
また、(11)前記コイル層が密着巻コイルであることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これによれば、曲げ剛性と長手方向の押し込み力を向上した医療用チューブを提供することが可能となる。
また、(12)前記コイル層がピッチ巻コイルであることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これによれば、より柔軟で、耐キンク性を向上した医療用チューブを提供することが可能となる。
また、(13)前記中間層の材料が前記外層チューブの材料よりも柔軟性が高いことを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(14)前記中間層は前記外層チューブよりも融点が低い材料で構成されていることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(15)前記成形温度が、前記中間層を構成する材料の融点よりも高いことを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(16)前記外層チューブと前記中間層が、前記コイル層に被覆する前に二層チューブであることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法;
(17)前記中間層の材質が、前記外層チューブと同種の材質からなることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これらによれば、コイルの乱れを防止でき、安定的に医療用チューブを提供することが可能となる。
また、(18)外層チューブの外側に、該外層チューブよりも融点が低い材質からなる第2の外層を有することを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これによれば、他のチューブ等と容易に接合でき、様々な形状の医療用組立体やカテーテルに医療用チューブを適用することが可能となる。
また、(19)前記外層チューブが熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする前記医療用チューブの製造方法を提供した。これによれば、靭性が高く、耐キンク性及び柔軟性がより優れた医療用チューブを提供することが可能となる。
また、(20)前記製造方法のいずれかにより製造された医療用チューブ;
(21)前記医療用チューブを少なくとも一部に有する医療用具を提供した。これらによれば、薄肉、柔軟でかつ耐キンク性、引張強度を有する医療用チューブ、その医療用チューブを使用した医療用具が、容易な製造方法で提供することが可能となる。
以上の如く、本発明によれば薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、容易な製造方法で安定的に提供することが可能となる。その結果、各種カテーテル等の医療用具の構成部品として有効に使用することができる。
本発明に係る医療用チューブの一実施形態の一例の概略を示す医療用チューブの軸方向の断面図である。 本発明に係る医療用チューブの一実施形態の他の例の軸方向の断面の部分拡大図である。 本発明の医療用チューブの製造方法とは異なる製造方法により得られた医療用チューブの軸方向の断面の部分拡大図である。 本発明に係る医療用チューブの他の実施形態の一例の概略を示す医療用チューブの軸方向の断面図である。
以下に本発明に係る医療用チューブの製造方法及びその製造方法により作製された医療用チューブについて説明する。
本発明は、医療用チューブの製造方法であって、樹脂からなる外層チューブの内側にコイル層を挿入し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法に関するものである。本製造方法を第1製造方法とする。
このような製造方法によれば、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、引張強度補強用の特別な構造や製造方法を使用することなく、容易に提供することが可能となる。
尚、本発明において「摺動可能な状態で接触固定する」とは、医療用チューブに対して伸長、曲げ等の応力が負荷されない状態では、互いに接触し、摩擦力等により相互に摺動しないように固定されているが、応力が負荷されたときには、外層チューブに亀裂や破断を生じる前に、更に好ましくは外層チューブの塑性変形が生じる前に、互いに独立して摺動することができることを意味する。
本発明の医療用チューブの第1製造方法では、樹脂からなる外層チューブの内側にコイル層を挿入し、前記外層チューブの融点(本発明では、外層チューブを構成する樹脂の融点を、便宜的に、外層チューブの融点と称する場合がある。後述する熱変形温度についても同様である。)より低い成形温度で加熱する。そのため、内側にあるコイル層の巻き形状やコイル素線の形状に関係なく、外層チューブはほぼ元のチューブの均一な厚みを保持したまま成形することが可能となり、外層チューブが単層の樹脂チューブとしての引張強度及び引張伸度を確保することができる。
本発明の医療用チューブの製造方法により得られる医療用チューブの構造を、本発明とは異なる製造方法により得られた医療用チューブの構造と対比しつつ、図面をもと簡単に説明する。図1は、本発明の医療用チューブの製造方法により得られた医療用チューブの一実施形態の一例を示したものである。本実施形態の例は、コイル層として後述するピッチ巻コイルを用いた場合の例である。本実施形態の例では、医療用チューブ101は、単層の外層チューブ102の内側にピッチ巻コイルからなるコイル層103が摺動可能な状態で接触固定するように構成されている。そして、外層チューブ102は、厚みがほぼ均一で、内径がほぼ変化なく一定である。
また、図2は、本発明の製造方法により得られた医療用チューブの一実施形態の他の例についての医療用チューブの軸方向の断面の部分拡大図を示したものである。本実施形態の例では、図1に示した例と異なり凹部105が形成されているが、外層チューブ102の厚みは内部に配置されたコイル層の有無に関わらずほぼ均一な厚みを示している。特に、外層チューブ102の内側でコイル素線端部に接触する部分104Aにおいても、ほぼ外層チューブ102の厚みが維持されている。融点より低い温度で成形すると、基本的に樹脂は軸方向に流れないため、軸方向に垂直な各断面における外層チューブ厚みはコイル素線の有無によらず概ね一定となるためである。
図3は、本発明の医療用チューブの製造方法とは異なる製造方法により得られた医療用チューブ、即ち、外層チューブをその融点より高い成形温度で加熱した場合に得られる医療用チューブの軸方向の断面の部分拡大図を示したものである。このように、外層チューブの融点より高い成形温度で加熱すると、コイル層の巻き形状やコイル素線の形状によっては、コイル素線端部において外層チューブの肉厚に変動が生じ、引張強度及び引張伸度が局所的に低下する問題がある。図3に示すように、外層チューブ102の厚みは局所的に低下している。特に、外層チューブ102の内側でコイル素線端部に接触する部分104Bにおいて、外層チューブ102の厚みが低減している。融点より高い温度で成形すると、樹脂が溶けることによりコイル素線端部における樹脂はコイル素線のない部分に流れやすく、外層チューブ102の内側でコイル素線端部に接触する部分104Bにおいて局所的に外層チューブ102の厚みが薄くなるためである。この現象は、コイル層の巻き形状やコイル素線の形状が、それぞれ後述するピッチ巻コイルや平線である場合や、後述する外層チューブ外側から力をかける場合に特に生じやすい。そのため、外層チューブをその融点より高い成形温度で加熱した場合は、引張強度や引張伸度を確保するために、外層チューブの肉厚をかなり厚くする必要があった。しかし、肉厚を厚くするために外径を大きくすると侵襲性が高くなり、より細い体内管腔の末梢治療が不可能となり、内径を小さくすると薬剤の注入性や血栓の吸引性、他のカテーテルのデリバリー性を著しく損なう問題が発生する。また、外層チューブを厚肉化することで、外層チューブがキンクする際の力が強くなり、コイル層ごとキンクしてしまい、手術が継続して実施できない問題も発生する。
このように、例えば特許文献1に記載のように成形に際してポリマー層を含む部材を融着させるような成形温度で加熱した場合には、本発明で意図しているような薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを作製することは困難であったのである。
本発明では、上記の成形温度は、外層チューブを構成する樹脂の融点より低ければ良いが、当該融点より低く、更に熱変形温度(荷重たわみ温度)より高いことが好ましい。成形温度が熱変形温度(荷重たわみ温度)より高いことにより、外層チューブを、コイル層により接触(密着)を強くすることが可能となる。例えば、外層チューブが、所定の成形温度で加熱の際に、その内径が10%以下の収縮を生じるものである場合は、外層チューブをコイル層により接触(密着)を強く、更に均一に収縮させることが可能となる。また、後述するように外力を加えて外層チューブの内径を縮小させる場合に、成形温度が外層チューブの熱変形温度(荷重たわみ温度)より高いことにより、外層チューブが径方向でより均一に収縮させることができるため好ましい。外層チューブを均一に収縮させることにより、コイル層を構成するコイルの外表面と外層チューブの内表面との密着が強くなり、さらに耐キンク性を向上させることが可能となる。
本発明の医療用チューブの製造方法では、上記所定の操作により、コイル層上に外層チューブを摺動可能な状態で接触固定する。
この様に外層チューブとコイル層との間に摺動可能な状態で接触固定した状態が形成される為、本発明の製造方法により得られた医療用チューブが引っ張られて延伸される際、コイルと外層チューブは固着されておらず各々別挙動をとることが可能となり、外層チューブが単層の樹脂チューブとしての引張強度及び引張伸度を確保することができる。また、医療用チューブが高屈曲に曲げられる際にも、コイル層と外層チューブが各々別挙動をとり、良好な耐キンク性を確保することができる。
尚、ここで固着とは、形成された医療用チューブに対し引張応力などの応力が生じた場合に、外層チューブに亀裂や破断を生じる前に、または外層チューブの塑性変形が生じる前に外層チューブとコイル層の間で摺動して各々別挙動をとることができない状態で互いに固定されていることを言う。
例えば特許文献1記載のように外層チューブの融点より高い成形温度で加熱したり、一般的に考えられるようにコイル層と外層チューブの間に接着剤を導入したりする方法により、コイル外表面と外層チューブ内表面が固着していると、医療用チューブが引っ張られて延伸される際、コイル外表面に固着された外層チューブ部分はコイルと共に引っ張られ、コイルの素線間にある外層チューブのみが局所的に延伸されるため、引張強度及び引張伸度は著しく低下する。臨床現場でカテーテルを操作する際に、カテーテルが体内で引っかかったときなどに安全にカテーテルを抜去するためにも、カテーテルに使用される医療用チューブにはある程度の引張強度及び引張伸度が要求される。引張強度が低いとすぐに破断してしまう危険性があり、引張強度が高くても引張伸度が低いと急激な抜去に耐えられない可能性がある。また、コイルと外層チューブの間に接着剤を導入する方法では、接着剤が医療用チューブの内腔にこぼれることを防止する目的で、内層が存在するか、コイルの巻き形状が後述する密着巻にする必要があるなど、構造が限定される。
これに対し、本発明の製造方法により得られた医療用チューブでは、医療用チューブが引っ張られて延伸される際、コイル外表面と外層チューブ内表面が摺動可能な状態で接触固定されている為、各々別挙動をとり、外層チューブ全体で引っ張り応力を受けることが可能となり、外層チューブの特定の部分で局所的に延伸されることが防止され、薄肉、柔軟で、耐キンク性と引張強度に優れることとなる。また、接着剤を使用する必要がない為、接着剤が医療用チューブの内腔にこぼれることを防止する目的で内層を設けたり、コイル層を構成するコイルを密着巻きコイルに限定する必要もない。そのため、医療用チューブ内径を大きく確保することが可能であり、医療用チューブの用途などに応じて、コイル層の構成を任意に選択することが可能である。
もっとも、本発明では、上記のように接着剤を使用する必要はないが、医療用チューブの破断が生じない範囲あるいは外層チューブが塑性変形しない範囲で、外層チューブとコイル層とを接着剤などにより固定してもよい。また、後述する本発明の製造方法により得られた医療用チューブを有する医療用具を作製する際などに、医療用チューブの端部を接着剤などにより固定するとともに、外層チューブとコイル層とを端部において固定してもよい。
また、本発明では、医療用チューブの用途に応じて、その内径を確保することが可能な範囲で、コイル層の内側に内層を設けてもよい。
尚、医療用チューブの構造として、単に外層チューブ内にコイルを配置しただけで、コイル外表面と外層チューブ内表面がほとんど接触していない構造は考えられ得る。しかし、このような構造を有するチューブを高屈曲させた場合は、コイルが自由な状態で屈曲するため、コイルのずれや折れ、重なりなどが発生してしまう。このような状態になると、チューブの内外径に変化が生じたり、チューブがキンクしたりして、手術を継続して実施することがほぼ不可能となる。
本発明に係る医療用チューブの製造方法において使用するコイル層の素線形状、素線寸法、巻き形状などの構成は特に限定されない。素線形状は、例えば、一般的な丸線であってもよいし、後述する平線であってもよい。また、巻き形状は、例えば、後述する密着巻あってもよいし、ピッチ巻であってもよい。更に、これらの各構成が、医療用チューブの部分によって異なっていても構わない。
コイル層の構成は、医療用チューブの用途に合わせて適宜選択することができる。例えばカテーテルの手元側シャフトのように、シャフトの耐キンク性や引張強度とともに、ある程度の曲げ剛性と長手方向の押し込み力を必要とする場合には、素線形状は平線であることが好ましく、また、巻き形状は密着巻であることが好ましいが、平線、密巻きのうち少なくとも一方の構成を有していればよい。また、医療用チューブの肉厚を薄くする、あるいは、その内径をより大きく確保する観点からは、素線形状は平線が好ましい。
このように、コイル層が平線の素線からなる密着巻で構成されるコイル層を用いる場合は、本発明の製造方法により得られた医療用チューブは、薄肉であるにもかかわらず、医療用チューブの曲げ剛性が高くなるとともに、医療用チューブの長手方向の押し込み力が強くなる。
前記の平線とは断面が円形状ではなく、厚さと幅を有する形状であり、一般的には丸線と呼ばれる断面が円形状の素線を圧延して得られる。本発明でいう平線には、一般的に平線といわれている上下面が概ね平行で両端が丸み形状の素線や、断面が概ね長方形である平角線と呼ばれる素線も含まれる。
前記の密着巻とは隣り合う素線が少なくとも近接または接触するように巻かれた巻き形状である。
また、密着巻きとしては、隣り合う素線間でコイルの長手方向に圧縮の力(一般的に初張力と呼ばれる力)を有するものを用いることができる。このように、隣り合う素線がずれない状態でできる限り強い初張力を有することで、さらにシャフトの曲げ剛性及び押し込み力を向上させることが可能になる。
このように、本発明に係る医療用チューブの製造方法において用いるコイル層の構成としては、当該製造方法により得られた医療用チューブを、例えば、カテーテルの手元側シャフトとして用いる場合は、素線形状が平線であるもの、及び/又は、巻き形状が密着巻であるものを構成として有しているコイル層が好ましい。また、密着巻きとしては、初張力を有しているものがより好ましい。さらに、素線形状が平線で、巻き形状が初張力を有する密着巻きである構成を有するコイル層が更に好ましい。このような構成を有するコイル層を用いて得られた医療用チューブは、臨床現場の手術の際に非常に高屈曲に曲げられることのあるカテーテルの手元側シャフトとして特に好適である。
また、例えば、カテーテルの先端側シャフトのように、シャフトの耐キンク性や引張強度とともに、シャフトの柔軟性を必要とする場合には、巻き形状はピッチ巻であることが好ましい。ピッチ巻とは隣り合う素線の間に隙間があるように巻かれた巻き形状である。特にその中でも医療用チューブの長手方向の長さに関し、コイルの素線と素線の間の隙間が、コイル素線の幅と同じかこれよりも長いことが好ましい。このような構造により、より柔軟でかつ耐キンク性に優れたシャフトを実現できる。なお、ここでいうピッチとは、コイルの素線のある1点と素線に沿って円周方向に1周(360度)離れた別の1点の長手方向の長さをいう(図1でAとして例示)。更に詳しくいえば、長手方向における素線の幅と素線間の隙間の和がピッチとなる。従って、本発明でいう「コイルの素線と素線の間の隙間が、コイル素線の幅と同じかこれよりも長い」とは、素線の幅をtとした場合、ピッチは2t以上であることを示す。
このようにピッチ巻のコイル層を用いた場合、例えば特許文献1記載のように、外層チューブの融点より高い成形温度で加熱する方法では、前述したような外層チューブの肉厚に変動が生じ、引張強度及び引張伸度が著しく低下する問題が特に発生しやすかった。この問題に対応すべく、引張強度を確保するために外層チューブの肉厚を厚くすると、チューブの外径が大きくなるとともに、チューブの柔軟性も失われることとなり、挿入性が著しく低下する。そのため、例えば、最も体内管腔の末梢へ挿入されるカテーテルの先端側シャフトとして使用することは困難であった。
本発明に係る医療用チューブの製造方法では、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱するため、上述のように外層チューブの肉厚に変動が生じることがなく、しかも、コイル層を構成する素線の外表面と外層チューブ内表面を摺動可能な状態で接触固定する。その結果、外層チューブの特定の部分で局所的に延伸されることがなく、引張強度及び引張伸度を確保することができるため、医療用チューブの柔軟性を維持しつつ、耐キンク性を有する構造とすることが可能となり、非常に屈曲した体内管腔の末梢へ挿入された際にも、医療用チューブがキンクすることなくスムーズに挿入することができる。また、医療用チューブが非常に屈曲した状態でも、医療用チューブの内腔を維持することが可能であるため、薬剤の注入性や血栓の吸引性、他のカテーテルのデリバリー性を維持することができる。ピッチ巻のコイル層を用いた場合は、本発明の製造方法により得られた医療用チューブは、上記のような特徴を有するため、カテーテルの先端側シャフトとして特に好適である。
本発明で用いるコイル層を構成する素線の材質としては、金属、樹脂などの各種材料が使用できるが、特にステンレス鋼、又は放射線不透過性が高い材料、例えばタングステン、白金、イリジウム、金などの金属であることが好ましい。その中でも特に素線の引張弾性率の高いステンレス鋼のバネ鋼やタングステンなどが好ましい。このような素線を使用することにより、さらに薄肉であり、かつ耐キンク性を向上した医療用チューブを作製することが可能となる。
本発明で用いる外層チューブを構成する樹脂としては、特に限定はない。
例えば、外層チューブを用いて製造された医療用チューブをカテーテル等の医療用具に組み込んで他の部材と接合する場合、溶着や接着などの接合方法を考慮して、当該医療用具を構成する部材に合わせて適宜選択すればよい。
外層チューブに使用可能な樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリアミドエラストマー等のポリアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、変性ポリオレフィン等のオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリエーテルエーテルケトン、あるいはこれらのポリマーブレンド、ポリマーアロイ等があげられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの樹脂のうちでも、外層チューブの製造の容易性の観点からは、押出成形に使用可能であるものが好ましく、他の各種のチューブとの接合のしやすさの観点からは、熱可塑性エラストマーが好ましく、高屈曲時での靭性をより高くする観点からは、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーがさらに好ましい。
また、上記の樹脂中には、重合時に使用される重合助剤のほかに造影剤、可塑剤、補強剤、顔料等の各種添加剤が含まれていてもよい。
外層チューブは、射出成形や押出成形など公知の方法により成形することができる。長尺の外層チューブを成形する場合は、押出成形により成形するとよい。さらに、所定の成形温度で加熱する際に、外層チューブの内径を縮小させる場合は、外層チューブを残留応力によりうまく収縮させる観点から、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる押出成形により成形されることが好ましい。また、当該押出成形は、特別な工程(電子線照射工程や芯材被覆など)を使用しない一般的な方法であるため、製造の容易性や製造コストの面でも有利である。
さらに、押出成形によれば、素材本来の柔軟性を維持した薄肉チューブを作製することが可能となるため、非常に薄肉で柔軟な医療用チューブを作製することが可能となる。
本発明の医療用チューブの製造方法では、外層チューブの外側に第2の外層を形成することができる。またこの場合、第2の外層を構成する材質の融点(以下、単に、第2の外層の融点と称する。)が外層チューブの融点よりも低い材質を用いることが好ましい。第2の外層の融点より高く、外層チューブの融点より低い温度で加熱することにより、第2の外層のみを溶融させ、医療用チューブの外表面に他のチューブを溶着等により接合することが可能となり、様々な形状の医療用組立体やカテーテルに本発明の医療用チューブを適用させることが容易となる。このような第2の外層を構成する材質としては、例えば、上記の外層チューブを構成する樹脂が挙げられる。もっとも、目的に応じて外層チューブを構成する樹脂とは特性の異なる樹脂を選択する点に意義がある。
また、外層チューブの外側に第2の外層を形成する場合、その製造方法に限定はないが、製造の容易さの観点からは、外層チューブとコイル層を摺動可能な状態で接触固定させる前に、外層チューブの外側に第2の外層を形成し、二層チューブの形状とすることが好ましい。このような二層チューブは、多層押出成形(共押出成形)、ディップ成形などにより製造することができる。また、所定の成形温度で加熱する際に、二層チューブの内径(外層チューブの内径でもある)を縮小させる場合は、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる多層押出成形により製造するのが好ましい。
また、外層チューブの外側に第2の外層を形成する場合は、医療用チューブの外径を極力大きくしないようにする観点からは、外層チューブの肉厚と第2の外層の肉厚の合計が、第2の外層を設けない場合と同程度となるようにするのが好ましい。
さらに、第2の外層は、医療用チューブの全長に亘り設けてもよいし、部分的に設けてもよい。
所定の成形温度で加熱して、コイル層上に外層チューブを摺動可能な状態で接触固定する方法としては、特に限定はないが、例えば、外層チューブをコイル層に被覆する方法が挙げられる。また、このように外層チューブをコイル層に被覆する場合の例としては、例えば、所定の成形温度で加熱した際に、コイル層が内側に挿入された外層チューブの内径が10%以下の縮小を生じさせる方法が挙げられる。このような縮小を生じさせる方法としては、特に限定はないが、外層チューブ自体を成形したときの残留応力を利用する方法、外層チューブの内径を縮小させる外力を加える方法などが挙げられる。
尚、上記の「外層チューブの内径が10%以下の縮小を生じる」における縮小率は、コイル層を挿入する前の外層チューブの内径と、所定温度で加熱して、コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定した後のコイル層と接する部分の外層チューブの内径とを対比した縮小率を意味する。
上記の残留応力を利用する方法としては、例えば、外層チューブの内側にコイル層を挿入し、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱することで、外層チューブ等自体を成形したときの残留応力を利用し、外層チューブの内径を縮小することができる。
本技術分野においては、一般に、通常のチューブを成形した際の残留応力については、その後の医療用具の組立や滅菌、熱処理等によりチューブの寸法変化や形状変化を引き起こす原因となっていたため、成形後に極力除去するような作業が実施されていた。一方、本発明ではこのような残留応力を、積極的に医療用チューブの作製方法に使用することで、コイル層より大きい内径を有する外層チューブを使用することが可能になるため、コイル層を容易に外層チューブの内側に配置して、外層チューブとコイルを摺動可能な状態で接触固定することが可能となる。また、所望の形状に成形した時に残留応力が残っていた場合でも、所定の成形温度に加熱するため、応力を緩和することも可能である。
このように残留応力を利用する場合でも、外層チューブは、特別な工程を使用しない通常の引き落としによる押出成形により作製可能なため、低コストで外層チューブを作製することが可能である。また、引き落としによる多層押出成形することで、第2の外層を有する二層チューブを単層の外層チューブに代えて使用することが非常に容易となる。
残留応力による外層チューブの収縮率については、成形温度で加熱することにより内径が1%以上、10%以下の収縮を生じる外層チューブであることが好ましい。このような収縮率の外層チューブであれば、通常の押出成形で作製することが可能であり、収縮後の肉厚の変化も小さいため、薄肉の医療用チューブが作製可能となる。また、収縮率が1%未満であると、外層チューブ内にコイルを挿入する際にコイルの乱れが発生する可能性が大きくなる傾向にあり、安定的に意図した医療用チューブを作製することが困難となる傾向にある。
また本発明では、上記のように、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱する際に、外層チューブの内径を縮小させる外力を加えてもよい。このような外力を加えることにより外層チューブがコイルに密着するため、コイル層に対して外層チューブをより強く密着させることが可能となり、得られる医療用チューブの耐キンク性をより向上させることができる。また、外層チューブの真円度が低い場合にも、外力により強制的にコイルと径方向全周にわたって接することが可能となるため、安定した耐キンク性を有する医療用チューブを作製することができる。さらに、使用する外層チューブの成形方法は特に問わずどのような外層チューブも使用可能となる。
このような外力を加える方法としては、例えば、外層チューブの外側から熱収縮チューブを被せる方法、外層チューブの外側から金型により外力を加える方法、外層チューブを延伸する方法、外層チューブをダイの中から引き抜く方法、などが挙げられる。
これらの方法のうち、熱収縮チューブを被せる方法、金型により外力を加える方法、ダイの中から引き抜く方法がさらに好ましい。これらの方法では、外層チューブの温度がその融点より低い成形温度になるように、熱収縮チューブ、金型、ダイを加熱しながら行うのが好ましい。
これらの方法では外層チューブの径方向全周から外力を安定的に強く加えることが可能となるため、コイルに対して外層チューブをさらに強く密着させることが可能となり、耐キンク性をさらに向上させることができる。
また、熱収縮チューブは内側のチューブの形状に沿って収縮することにより、また、金型やダイは内側の形状を設定することにより、どのような形状の医療用チューブも作製可能となる。もちろん、これらの成形方法は組み合わせて使用することも可能であり、例えば、外層チューブ自体の残留応力により内径を収縮させた後、さらに熱収縮チューブや金型で追加的に外力を加えてもよく、外層チューブを延伸して内径を収縮させた後、さらに熱収縮チューブや金型で追加的に外力を加えてもよい。
これらのうち、熱収縮チューブを用いる方法に関しては、本技術分野では、従来から一般的に、コイル上に樹脂層を形成する際には、樹脂層となるチューブにさらに熱収縮チューブを被せて、熱収縮チューブ内でチューブの融点より高い温度をかけて融解させる方法が採られていた。
一方、本発明では、熱収縮チューブを外層チューブのさらに外側に被せ、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱する方法を採用している。そして、このような方法を採用することにより、外層チューブとコイルを摺動可能な状態で接触固定させることを可能とした。上記のような高い温度で行う従来の方法で作製したチューブでは、本発明に係る医療用チューブの製造方法により得られた医療用チューブのような優れた性能を発揮することができないことは前述のとおりであるが、このような従来の方法では、チューブの樹脂層と熱収縮チューブを異種素材から選択する必要があった。これは、成形後熱収縮チューブを除去する必要があるが、樹脂層と熱収縮チューブを同種の素材とすると、樹脂層を融解させることにより熱収縮チューブが樹脂層と固着して除去できない場合があったからである。そのため、このような従来の方法では、樹脂層の素材によっては、最適な熱収縮チューブが存在しない場合や、非常に熱収縮温度が高いポリテトラフルオロエチレン系の熱収縮チューブなどを使用せざるを得ず、作業性の非常に悪い場合があった。これに対して、本発明では、外層チューブの融点以下の成形温度で加熱するため、所定の成形温度で収縮するものであれば外層チューブを構成する樹脂の種類に応じて最適な素材を選択して熱収縮チューブを使用することができるため、確実に医療用チューブの成形が可能である。また、熱収縮チューブの熱収縮温度は、所定の成形温度で収縮すれば特に限定はない。熱収縮温度は、成形温度以下であればよく、成形温度より低いことが好ましい。これによって、より強く、確実に外層チューブまたは中間層をより強く密着することが可能となり、耐キンク性をより向上させることができる。また、熱収縮チューブの収縮率についても特に限定はなく、所定の成形温度において、所望の医療用チューブの外径、形状を有するように成形可能となるものを適宜選択すればよい。
また、外層チューブのさらに外側から、金型により外力を加える場合についても、熱収縮チューブによる方法の場合と同様に、本技術分野では、従来から一般的に、樹脂の融点より高い温度により樹脂を融解して成形していた。
しかし、本発明では、金型を外層チューブのさらに外側に配置し、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱することにより、外層チューブとコイルを摺動可能な状態で接触固定させることを可能とした。この場合、金型が外層チューブの融点より低い成形温度で加熱できる構成であることが好ましい。この構成によれば、外層チューブを成形温度で加熱しつつ、金型で外力を加えることが可能となり、より強くコイルに外層チューブを接触させることができる。金型の断面形状は成形する医療用チューブの形に合わせることが可能であり、真円、楕円、ダルマ形状などどのような形でも構わない。作製する医療用チューブの断面形状が概ね真円である場合には、金型は徐々に内径が小さくなる機構を備えることが好ましい。このような機構を備えることにより、より強くコイルと外層チューブを密着させることが可能となる。このような金型の機構としては、例えば、2プレート金型とし、所望のチューブ形状に対応する空間が形成されるように設計された可動型と固定型との間に、内部にコイル層を配した外層チューブを配置して、可動型を稼働させて、可動型と固定型との間の距離を小さくしていき、最終的に空間内で所望のチューブ形状を有するように構成した金型が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ダイの中から引き抜いて外力を加える場合についても、ダイが外層チューブの融点より低い成形温度で加熱できる構成であることが好ましい。この構成によれば、外層チューブを成形温度で加熱しつつ、ダイの中から引き抜くことで外力を加えることが可能となり、より強くコイルに外層チューブを接触させることができる。
このようなダイとしては、例えば、両端が開口し、その一方の開口部から他方の開口部に向かって連続的または段階的に縮小する連続した中空部分を備えたものなどが挙げられる。また、ダイの一方の開口部またはその近傍部の形状は、所望の医療用チューブの外径に対応した内径部分を有するように設計される。他方の開口部の形状は、特に限定はなく、成形前の外層チューブが通過可能な形状であればよい。また、ダイの全体構造としては、所望の医療用チューブの形状に対応した中空部分の形状を形成可能であれば、分割可能な構造でも、分割不可能な構造でも良い。
このようなダイを用いた成形方法を簡単に説明すると、所定の成形温度に設定されたダイの中空部分に、ダイの一方の開口部から、内部にコイル層を配した外層チューブを挿入する。そして、この外層チューブなどを中空部分を通過させ、所望の形状を有する他方の開口部から引き抜く。これにより、所望の形状に成形された医療用チューブが得られる。
以上のダイおよびそれを用いた成形方法は、一例であって、これらに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
本発明における上記の第1の製造方法および該製造方法により得られた医療用チューブの主要な構成は、概ね以上のとおりであるが、その他の事項は、後述する本発明の第2製造方法の主要な構成を説明した後、第1および第2製造方法並びにこれらの製造方法により得られた医療用チューブに共通する事項についてまとめて説明することとする。
本発明は、樹脂からなる外層チューブの内側に中間層を有し、更に中間層の内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、前記外層チューブ内に前記中間層と前記コイル層を配置し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記中間層を介して前記外層チューブを摺動可能な状態で固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法に関するものである。本製造方法を第2製造方法とする。
このような製造方法によれば、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れた医療用チューブを、特別な構造や製造方法を使用することなく、容易に提供することが可能となる。そして、本発明の製造方法(第2製造方法)により得られた医療用チューブは、コイル層上に中間層を介して外層チューブが摺動可能な状態で固定されている為、医療用チューブが引っ張られて延伸された場合でも、コイル層と外層チューブが別挙動をとり、外層チューブ全体で引っ張り応力を受けることが可能となり、外層チューブの特定の部分で局所的に延伸されることが防止され、薄肉、柔軟で、耐キンク性と引張強度に優れることとなる。
尚、本発明において、「コイル層上に中間層を介して外層チューブを摺動可能な状態で固定する」とは、医療用チューブに対して伸長、曲げ等の応力が負荷されない状態では、互いに接触し、摩擦力等により相互に摺動しないように固定されているが、応力が負荷されたときには、外層チューブに亀裂や破断を生じる前に、更に好ましくは外層チューブの塑性変形が生じる前に、中間層を介してコイル層と外層チューブとが互いに独立して摺動することができることを意味する。「中間層を介して」とは、中間層が、コイル層とともに摺動する場合、外層チューブとともに摺動する場合があることを意味する。また、「固定」には、外層チューブに亀裂や破断を生じる前に、更に好ましくは外層チューブの塑性変形が生じる前に、中間層と、コイル層または外層チューブとが、分離可能な程度に接合している状態を含む概念である。
第2製造方法において使用するコイル層および外層チューブの構成ならびに成形温度は、第1製造方法と同じ構成および成形温度を採用することができるため、本製造方法では詳細な説明は省略し、本製造方法の主要な特徴に関して、以下に説明する。
前記の中間層は、医療用チューブの長手方向に一様に配置することが好ましい。また、中間層としては、コイル層上に配置する前に中間層単体のチューブとして構成してもよいし、中間層を内層とし、外層チューブを外層とした二層チューブとして構成してもよい。これらの構造により、容易に中間層をコイル層と外層チューブの間に配置することが可能となる。これらのうち、製造の容易性の観点からは、二層チューブを用いることが好ましい。特に、中間層単体のチューブを非常に薄く(例えば、肉厚が10μm程度以下)作ることは現在の当業者の技術では困難であり、コイル層に被覆する前に、中間層を内層とし、外層チューブを外層とした二層チューブの形状となっていることで、中間層単体のチューブでは実現できない薄さの中間層を作ることが可能となる。
また、このような二層チューブは、多層押出成形(共押出成形)、ディップ成形などにより製造することができる。このうち、例えば、第1製造方法において説明したのと同様にして、単層の外層チューブに代えて、二層チューブを使用し、その残留応力を利用して、コイル層上に中間層を介して外層チューブを摺動可能な状態で固定する場合には、引き落としによる多層押出成形により二層チューブを成形するのが好ましい。
また、本発明の医療用チューブの第2製造方法でも、外層チューブの融点より低い成形温度で加熱するため、外層チューブの内側にあるコイル層の形状に関係なく、少なくとも外層チューブはほぼ元のチューブの均一な厚みを保持したまま成形することが可能となり、外層チューブが単層の樹脂チューブとしての引張強度及び引張伸度を確保することができる。
このように第2製造方法においても、成形温度は外層チューブの融点より低い温度であれば良いが、第1製造方法において説明したように、更に外層チューブの熱変形温度(荷重たわみ温度)より高いことが好ましい。
このように、第2製造方法でも上記のような成形温度を採用するが、本製造方法では外層チューブの内側に中間層を配するため、中間層を構成する材質の融点、熱変形温度を考慮することで、第2製造方法により得られた医療用チューブの機能をより向上させることができる。
前記中間層を構成する材質としては、特に限定はなく、例えば上述の外層チューブを構成する樹脂を用いることができる。そして、このような樹脂を用いる場合、本発明における成形温度との関係から、外層チューブを構成する樹脂の融点以下の融点を有する樹脂を用いるのが好ましく、外層チューブを構成する樹脂の融点より低い融点を有する樹脂がより好ましい。
成形温度が、外層チューブおよび中間層の融点より低い場合は、中間層は外側チューブと同様の挙動を示すことになり、例えば、図1または図2に示すような断面構造を有する医療用チューブを製造することができる。もっとも、図1および図2における外層チューブ102の部分は二層構造を有することになる。また、成形温度が外層チューブおよび中間層の熱変形温度より高いことがより好ましい。
一方、成形温度が、外層チューブの融点より低く中間層の融点より高い場合は、中間層だけは溶融することになる。そして、中間層だけが溶融した場合においては、加工条件、コイル層を構成する素線のコイル形状などによるが、例えば、コイル層としてピッチ巻きコイルを用い、外側チューブの内径を縮小させる場合は、ピッチ巻きコイルの素線の間に中間層が入り込み、ピッチ巻きコイルを安定して保持することが可能となる。この場合の一例を図4に模式的に示す。図4に示すように、医療用チューブ201の外層チューブ202の肉厚はほぼ一定であり、外層チューブ202の内側には、中間層204とピッチ巻きコイルであるコイル層203が配されている。また、中間層204は、ピッチ巻きコイルの素線間205に配されている。尚、加工条件などによるが、コイル層203を構成するピッチ巻きコイルの素線の外周面と外層チューブ202の内周面との間に、中間層204が残存する場合と残存しないがある。図4は残存している例である。
上記のように、中間層の融点が成形温度より低い場合、一般に中間層はコイル層及び外層チューブに接合(溶着)されることになる傾向にあるが、それらは、本発明でいう「固着」されない程度の接合状態にある。そのため、中間層が溶融して、コイル層に接合することで、例えば、コイル層を構成する素線の巻き形状がピッチ巻である場合、コイルのピッチの乱れを防止でき、安定的に医療用チューブを製造することが可能となる。このような観点からは、成形温度は中間層の融点より高いことが好ましい。
また、このように中間層は、一般的に使用される接着剤とは異なり、外層チューブとコイル層との接合の程度を容易に制御可能である。
また、前記中間層を構成する材料の熱的特性以外の特性としては、外層チューブを構成する樹脂よりも柔軟性が高いことが好ましい。これにより、外層チューブにおいては引張強度を確保しつつ、中間層においては摺動可能な状態で固定することをより容易に実現することができる。
以下に、外層チューブと中間層の樹脂の組み合わせの例について説明する。
例えば、外層チューブと中間層が同種の材質である場合には、中間層の融点が成形温度よりも低く、中間層の材料が外層チューブの材料よりも柔軟性が高いことで、コイル層との接合度合が弱く、医療用チューブが引っ張られて延伸される際には、中間層とコイル層の接合が剥れ、コイルと外層チューブが別挙動をとることが可能となる。この現象は中間層の肉厚が外層チューブの肉厚と比較して薄いほど顕著であるため、中間層は薄いほど好ましい。
外層チューブと中間層が異種の材質である場合には、一般に中間層と外層チューブの接合度合が弱く、医療用チューブが引っ張られて延伸される際には、外層チューブと中間層の接合が剥れ、コイル層と外層チューブが別挙動をとることが可能となる。また、異種の素材の場合であっても、同種の素材の場合と同様に、中間層とコイル層の接合度合が弱い場合もある。このような観点からも、中間層は外層チューブと比較して肉厚が薄く、樹脂の柔軟性が高いことが好ましい。
中間層とコイル層の剥離、または外層チューブと中間層の剥離の強度に関しては、応力が負荷されたときに、外層チューブに亀裂や破断を生じる前に、更に好ましくは外層チューブが塑性変形し始める前に剥れることが好ましい。このような剥離の強度であることにより、コイルと外層チューブが別挙動をとることが可能となり、外層チューブが単層の樹脂チューブとしての引張強度及び引張伸度を確保することができる。なお、ここで言う同種の材質とは、ポリアミドエラストマー同士、ポリウレタンエラストマー同士などのことを言う。
第2製造方法においても、第1製造方法と同様に、外層チューブが所定の成形温度で加熱の際に、外層チューブの内径が10%以下の収縮を生じるものであることが好ましい。また、上記の縮小率は、コイル層を挿入する前の外層チューブの内径と、所定温度で加熱して、コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定した後のコイル層の外側に近接する部分の内径とを対比した縮小率を意味する。
また、所定温度で加熱して、コイル層上に中間層を介して外層チューブを摺動可能な状態で固定する方法としては、特に限定はないが、第1製造方法において説明した方法を採用することができる。但し、第2製造方法では、第1製造方法における単層の外層チューブおよび単層の外層チューブの外側に第2の外層を備えた二層チューブに代えて、中間層を内層とし、外層チューブを外層とした二層チューブおよび該二層チューブの外側に第2の外層を備えた三層チューブを用いるとよい。また、このような二層チューブまたは三層チューブを用いた場合は、第1製造方法の場合と同様にして、各チューブの残留応力を利用することにより、あるいは、熱収縮チューブ、金型、ダイ、二層チューブまたは三層チューブの延伸などにより外力を加えることにより、外層チューブ(即ち、二層チューブまたは三層チューブ)の内径を縮小させることができる。
以下に、上記の第1および第2製造方法に共通する事項について説明する。
本発明の第1製造方法では、前記コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定し、第2製造方法では、前記コイル層上に前記中間層を介して前記外層チューブを摺動可能な状態で固定する。従って、いずれの製造方法においても、外層チューブとコイル層、または中間層とコイル層が接触するように固定されている。これらの接触状態としては、外層チューブとコイル層、または中間層とコイル層が、医療用チューブの径方向断面において、その周長さの概ね半分以上接触していることが好ましい。接触している範囲が半分以下であるようなチューブでは、高屈曲させた際にコイルの径方向断面半分以上が自由な状態で屈曲するため、コイルのずれや折れ、重なりなどが発生する可能性が高い。このような状態になると、シャフトの内外径に変化が生じたり、シャフトがキンクしたりして、手術を継続して実施することができない。半分以上接触していることで、コイルがこのような状態になることを防止することができ、手術を継続して実施することが可能となる。さらに、その径方向断面において、ほぼ全周にわたって外層チューブとコイル層が摺動可能な状態で接触している、または中間層とコイル層が接触していることが好ましい。このことにより、コイル層のずれや折れ、重なりをさらに高度に防止することができ、耐キンク性を安定させ、より向上させることが可能となる。
なお、本発明でいう引張伸度及び引張強度とは、引張破断伸度及び引張破断強度のことをいうが、本発明では医療用チューブのコイル以外の部分が破断したときの最大の変位及び荷重をさす。これはコイルが破断する引張長さは非常に大きく、コイルの破断伸度及び破断強度は医療用チューブにおいて重要性は低く、コイル以外の部分の破断伸度及び破断強度が医療用チューブにおいて重要性が高いためである。
また、本発明でいう融点とは、ASTM D3418の方法で測定した融点のことをいう。更に、本発明でいう熱変形温度(荷重たわみ温度)とは、ISO 75の方法で測定した熱変形温度(荷重たわみ温度)のことをいう。
本発明に係る医療用チューブは、薄肉、柔軟で耐キンク性と引張強度に優れており、他のチューブ等の部材と用意に接合可能であるため、カテーテル等の医療用具などに幅広く適用可能である。前述したようなカテーテルの手元部シャフトや先端部シャフトだけでなく、ガイドワイヤールーメンやその他チューブを使用する医療用具に適用可能である。例えば、バルーンカテーテルのシャフトとして使用した場合には、薄肉のシャフトにできることにより、内腔を広く取ることができ、バルーンのデフレーションタイムを早くすることが可能となる。薬剤注入用カテーテルのシャフトとして使用した場合には、薄肉のシャフトにできることにより、内腔を広く取ることができ、薬剤の注入量を多くすることが可能となる。血栓吸引用カテーテルのシャフトとして使用した場合には、薄肉のシャフトにできることにより、内腔を広く取ることができ、血栓の吸引量を多くすることが可能となる。他のカテーテル等のデリバリー用カテーテルのシャフトとして使用した場合には、薄肉のシャフトにできることにより、内腔を広く取ることができ、より大きいカテーテル等をデリバリーすることが可能となる。また、これらのカテーテルにおいて、従来と同様の内腔とした場合には、カテーテルの外径を小さくすることができ、より低侵襲の治療やより末梢の細い体内管腔での治療を可能にする。
本発明に係る医療用チューブをこれらのカテーテルに適用する際に、医療用チューブの内腔を平滑にするなどの効果を目的として、コイル層のさらに内腔に内層を有することも可能である。特にコイルの巻き形状がピッチ巻の場合、このような内層を有することにより、ガイドワイヤーや他のカテーテルなどをよりスムーズに医療用チューブ内腔を通過させることが可能となる。但し、医療用チューブを薄肉にする観点から、本発明の製造方法により得られる医療用チューブの耐キンク性、引張強度を考慮して、内層、外層チューブ、コイル層、必要に応じて設ける中間層、第2の外層の肉厚を適宜調整すると良い。
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明を以下の実施例に限定するものでない。以下の実施例については、耐キンク性、引張強度、引張伸度の比較を示すものであり、薄肉化の可能性や製造の容易さについては記載していない。
(実施例1)
コイル層は、ステンレス鋼の平線(厚さ0.10mm、幅0.20mm)からなる内径1.00mm、長さ300mmの密着巻のコイルを使用した。外層チューブは、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる押出成形により、内径1.25mm、外径1.39mmのポリウレタンエラストマー(ショアD硬度68D、融点182℃)製チューブを作製して使用した。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを外層チューブの内側に挿入した。この状態で130℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例2)
コイル層は、ステンレス鋼の平線(厚さ0.02mm、幅0.10mm)からなる内径1.00mm、素線間の隙間0.05mm(ピッチ0.15mm)、長さ300mmのピッチ巻のコイルを使用した。外層チューブ及び中間層は、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる二層チューブの押出成形により、外層(外側チューブ)が厚さ0.05mmであるポリウレタンエラストマー(ショアD硬度68D、融点182℃)からなり、内層(中間層)が厚さ0.01mmであるポリウレタンエラストマー(ショアA硬度85A、融点163℃)からなる、内径1.08mm、外径1.20mm、長さ300mmの二層チューブを作製して使用した。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを二層チューブの内側に挿入した。この状態で130℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.16mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例3)
コイル層は、実施例1と同様とした。外層チューブは、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる押出成形により、内径1.25mm、外径1.39mmのポリアミドエラストマー(ショアD硬度72D、融点176℃、熱変形温度106℃)製チューブを作製して使用した。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを外層チューブの内側に挿入した。この状態で130℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例4)
コイル層及び外層チューブは実施例1と同様とした。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを外層チューブの内側に挿入した。さらに、外層チューブの外側に熱収縮チューブ(ポリオレフィン製、収縮温度115℃以上、収縮率40%以上、内径約1.5mm)を全長にわたって被せて、174℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、熱収縮チューブを剥ぎ、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例5)
コイル層及び外層チューブは実施例3と同様とした。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを外層チューブの内側に挿入した。さらに、外層チューブの外側に熱収縮チューブ(ポリオレフィン製、収縮温度115℃以上、収縮率40%以上、内径約1.5mm)を全長にわたって被せて、170℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、熱収縮チューブを剥ぎ、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例6)
コイル層は、実施例2と同様とした。外層チューブ及び中間層は、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる二層チューブの押出成形により、外層(外層チューブ)が厚さ0.05mmであるポリアミドエラストマー(ショアD硬度70D、融点174℃、熱変形温度99℃)からなり、内層(中間層)が厚さ0.01mmであるポリアミドエラストマー(ショアD硬度35D、融点152℃、熱変形温度46℃)からなる、内径1.08mm、外径1.20mm、長さ300mmの二層チューブを作製して使用した。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを二層チューブの内側に挿入した。さらに、二層チューブの外側に熱収縮チューブ(ポリオレフィン製、収縮温度115℃以上、収縮率40%以上、内径約1.5mm)を全長にわたって被せて、170℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、熱収縮チューブを剥ぎ、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.16mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例7)
コイル層及び外層チューブは実施例3と同様とした。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを外層チューブの内側に挿入した。外層チューブの片端をステンレス製のダイ(内径1.35mm)に通し、ダイを170℃に加熱した後、ダイに通した外層チューブの片端を一定速度で引っ張り、コイル層及び外層チューブを全長に渡ってダイの中を引き抜いた。その後、ステンレス芯材を抜き取ることで内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(実施例8)
コイル層は、実施例2と同様とした。外層チューブ及び第2の外層は、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる二層チューブの押出成形により、外層(第2の外層)が厚さ0.02mmであるポリアミドエラストマー(ショアD硬度35D、融点152℃、熱変形温度46℃)からなり、内層(外層チューブ)が厚さ0.05mmであるポリアミドエラストマー(ショアD硬度70D、融点174℃、熱変形温度99℃)からなる、内径1.08mm、外径1.22mm、長さ300mmの二層チューブを作製して使用した。
作製したコイルの内腔に、直径0.98mm、長さ400mmのステンレス芯材を挿入し、これを二層チューブの内側に挿入した。さらに、二層チューブの外側に熱収縮チューブ(ポリオレフィン製、収縮温度115℃以上、収縮率40%以上、内径約1.5mm)を全長にわたって被せて、170℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、熱収縮チューブを剥ぎ、内径1.00mm、外径1.18mm、長さ300mmのステンレス芯材入り医療用チューブを得た。
このステンレス芯材入り医療用チューブの片端から150mmの範囲に、直径0.40mmのステンレス芯材が挿入されたポリアミドエラストマー(ショアD硬度55D、融点168℃、熱変形温度66℃)からなる第2のチューブ(内径0.41mm、外径0.56mm、長さ150mm)を平行に沿わせ、ステンレス芯材入り医療用チューブと第2のチューブの両方が入るように熱収縮チューブ(ポリオレフィン製、収縮温度115℃以上、収縮率40%以上、内径約2.0mm)を被せ、170℃に設定されたオーブンで2分間加熱した。オーブンから取り出した後、熱収縮チューブを剥ぎ、直径1.00mmのステンレス芯材及び直径0.40mmのステンレス芯材を抜き取ることで第2のチューブが並列に溶着された部分が150mm、医療用チューブのみの部分が150mmから構成される、長さ300mmの医療用組立体を得た。
(比較例1)
オーブンの温度を200℃に設定する以外、実施例4と同様とした。
(比較例2)
オーブンの温度を200℃に設定する以外、実施例5と同様とした。
(比較例3)
オーブンの温度を200℃に設定する以外、実施例6と同様とした。
(比較例4)
コイル層は、実施例1と同様とした。外層チューブは、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる押出成形により、内径1.21mm、外径1.35mm、長さ300mmのポリウレタンエラストマー(ショアD硬度68D)製チューブを作製して使用した。
作製したコイルを、軸方向に引き伸ばし、さらに外径が縮小するように捩りを加えて外層チューブの内側に挿入した。コイルを元の形状に戻し、内径1.00mm、外径1.35mm、長さ300mmの医療用チューブを得た。
(比較例5)
外層チューブは、押出機を使用して、内腔にエアーを入れる通常の引き落としによる押出成形により、内径1.21mm、外径1.35mm、長さ300mmのポリアミドエラストマー(ショアD硬度72D)製チューブを作製して使用した。外層チューブ以外は、比較例4と同様とした。
(評価)
臨床現場でカテーテル等が操作される動きと同様に、医療用チューブを2箇所で保持し、保持した部分を近づけてチューブを屈曲させて評価する「耐キンク性試験」、及び臨床現場でカテーテル等が引っ張られる動きと同様に、医療用チューブを2箇所で保持し、保持した部分を引っ張って評価する「引張試験」の2種類の評価を実施した。実施例1〜8、比較例1〜5で作製した医療用チューブについて、2種類の評価を実施したが、実施例8のみ、第2のチューブを接合した部分についても同様に評価を実施した。
(耐キンク性試験)
医療用チューブを直線状の状態とし、長手方向に一定距離離れた2点を左右の手で保持し、両方の手をゆっくりと一直線上に近づけていき、保持した距離が10mmとなる位置まで近づけてチューブを屈曲させた時の、キンクの有無を観察した。ここでいうキンクとは、外層チューブに割れや折れ、または大きい塑性変形(伸びなど)が生じた状態をいい、直線状に戻しても元の医療用チューブの状態へは戻らないことが多い。最初の保持距離については、試験を最後まで実施した際に非常に高屈曲に曲げた状態になる70mm、及びさらに過酷な状態である50mmの2種類を設定した。評価結果として、どちらの設定でもキンクしない場合を◎、70mmでキンクせず50mmでキンクした場合を○、70mmでキンクした場合を×として、医療用チューブの耐キンク性を評価した。
耐キンク性試験の結果を表1に示す。
Figure 2011155491
実施例1〜3については、保持距離70mmの試験では最後までキンクせず、内腔の潰れや外層の割れ、コイルの乱れも発生せず、良好な耐キンク性を示した。保持距離50mmの試験では、20mmの距離まで近づけた時点で荷重の低下を感じ、キンクしたと判断したが、直線状に戻すとコイルのずれや重なりも観察されず、元の医療用チューブの状態へと戻っていた。
実施例4〜8については、保持距離70mmの試験、50mmの試験ともに最後までキンクせず、内腔の潰れや外層の割れ、コイルの乱れも発生せず、良好な耐キンク性を示した。また、実施例8については、第2のチューブを接合した医療用組立体についても同様に、良好な耐キンク性を示した。
比較例1〜2については、保持距離70mmの試験で、20mmの距離まで近づけた時点で、外層チューブに割れが発生してキンクした。
比較例3については、保持距離70mmの試験で、20mmの距離まで近づけた時点で、コイルの素線の隙間で外層チューブが引き伸ばされてキンクした。直線状に戻しても外層チューブの引き伸ばされた部分が弛んだ状態のままであり、医療用チューブの剛性が極端に低下するとともに、外径が大きくなっていた。
比較例4〜5については、保持距離70mmの試験で、40mmの距離まで近づけた時点で外層チューブがキンクするとともに、コイルのずれと重なりが発生し、キンクした。直線状に戻してもコイルのずれと重なりは解消されなかった。
(引張試験)
医療用チューブを引張圧縮試験機(島津製作所)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度1000mm/minの条件で引張試験を実施し、引張強度及び引張伸度を評価した。引張強度及び引張伸度は、コイル層からなる医療用チューブのコイル以外の部分が破断したときの最大の荷重及び変位とした。引張伸度については、(破断時の変位/チャック間距離)×100[%]で示す。ここで、破断時の変位とは、チャックした状態を0mmとした場合の破断時の距離のことで、医療用チューブが実際に伸ばされた距離のことである。
引張試験の結果を表2に示す。
Figure 2011155491
実施例1〜8の引張強度については、樹脂の硬度や外層チューブの肉厚などによって差はあるものの、12〜18Nと十分な引張強度を示した。また、引張伸度についても、引張強度同様に差はあるものの、108〜240%と初期状態の2倍以上の伸びを示した。実施例8については、第2のチューブを接合した医療用組立体についても、15Nの引張強度、141%の引張伸度と医療用チューブとほぼ同様の結果を示した。
比較例4〜5の引張強度については、樹脂の硬度や外層チューブの肉厚などによって差はあるものの、15〜17Nと十分な引張強度を示した。また、引張伸度についても、引張強度同様に差はあるものの、240〜251%と初期状態の2倍以上の伸びを示した。
比較例1〜3の引張強度については、樹脂の硬度や外層チューブの肉厚などによって差はあるものの、全て5〜9Nと低い荷重で破断した。また、引張伸度については、比較例1〜2は191〜217%と初期状態の2倍以上の伸びを示したが、比較例3は31%であり、伸び始めてすぐに破断した。
上記の結果より、実施例1〜3については、非常に高屈曲に曲げた状態でもキンクせず、さらに過酷な状態ではキンクする感覚は生じるものの、直線状に戻すことによって再度医療用チューブとして使用可能であることが確認された。また、引張強度及び引張伸度についても十分な荷重と伸びを示し、医療用チューブとして安全に使用できることが確認された。
実施例4〜8については、非常に過酷な状態でもキンクが生じることがなく、医療用チューブとして使用できることが確認された。また、引張強度及び引張伸度についても十分な荷重と伸びを示し、医療用チューブとして安全に使用できることが確認された。また、実施例8において、医療用組立体としても安全に使用できることが確認された。
比較例1〜3については、高屈曲に曲げた状態で外層チューブの割れやキンクが発生し、医療用チューブとして使用することが不可能であることが確認された。また、引張強度についても低い荷重で破断した。特に比較例3については引張伸度も小さい伸びで破断し、比較例1〜3については、医療用チューブとして使用するには安全上の問題があることが確認された。
比較例4〜5については、引張強度及び引張伸度については、単なる樹脂チューブであるため、十分な荷重と伸びを示したものの、高屈曲に曲げた状態で外層チューブにキンクが発生し、コイルにもずれと重なりが発生して、医療用チューブとして使用することが不可能であることが確認された。
101、201 医療用チューブ
102、202 外層チューブ
103、203 コイル層
104A 外層チューブ102の内側でコイル素線端部に接触する部分
104B 外層チューブ102の内側でコイル素線端部に接触する部分
105 凹部
204 中間層
205 素線間

Claims (21)

  1. 樹脂からなる外層チューブの内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、
    前記外層チューブ内に前記コイル層を挿入し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記外層チューブを摺動可能な状態で接触固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法。
  2. 樹脂からなる外層チューブの内側に中間層を有し、更に中間層の内側にコイル層を有する医療用チューブの製造方法であって、
    前記外層チューブ内に前記中間層と前記コイル層を配置し、前記外層チューブの融点より低い成形温度で加熱して、前記コイル層上に前記中間層を介して前記外層チューブを摺動可能な状態で固定することを特徴とする医療用チューブの製造方法。
  3. 前記外層チューブが、前記成形温度で加熱した際に、内径が10%以下の収縮を生じるものであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  4. 前記成形温度で加熱する際に、前記外層チューブの内径を縮小させる外力を加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  5. 前記外層チューブのさらに外側に内径が収縮する熱収縮チューブを配置することにより前記外力を加えることを特徴とする請求項4に記載の医療用チューブの製造方法。
  6. 前記外層チューブのさらに外側から、金型により前記外力を加えることを特徴とする請求項4又は5のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  7. 前記外層チューブをダイの中から引き抜くことにより前記外力を加えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  8. 前記外層チューブを延伸することにより前記外力を加えることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  9. 前記コイル層が、金属線からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  10. 前記コイル層を形成する素線の形状が平線であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  11. 前記コイル層が密着巻コイルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  12. 前記コイル層がピッチ巻コイルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  13. 前記中間層の材料が前記外層チューブの材料よりも柔軟性が高いことを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  14. 前記中間層は前記外層チューブよりも融点が低い材料で構成されていることを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  15. 前記成形温度が、前記中間層を構成する材料の融点よりも高いことを特徴とする請求項2〜14のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  16. 前記外層チューブと前記中間層が、前記コイル層に被覆する前に二層チューブであることを特徴とする請求項2〜15のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  17. 前記中間層の材質が、前記外層チューブと同種の材質からなることを特徴とする請求項2〜16のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  18. 外層チューブの外側に、該外層チューブよりも融点が低い材質からなる第2の外層を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  19. 前記外層チューブが熱可塑性エラストマーからなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の医療用チューブの製造方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする医療用チューブ。
  21. 請求項20の医療用チューブを少なくとも一部に有することを特徴とする医療用具。


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