JPWO2011148910A1 - Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法 - Google Patents

Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011148910A1
JPWO2011148910A1 JP2012517263A JP2012517263A JPWO2011148910A1 JP WO2011148910 A1 JPWO2011148910 A1 JP WO2011148910A1 JP 2012517263 A JP2012517263 A JP 2012517263A JP 2012517263 A JP2012517263 A JP 2012517263A JP WO2011148910 A1 JPWO2011148910 A1 JP WO2011148910A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sio
alkaline earth
earth metal
metal silicate
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012517263A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5409906B2 (ja
Inventor
垣花 眞人
眞人 垣花
高塚 裕二
裕二 高塚
奈織美 鈴木
奈織美 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Tohoku University NUC
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2012517263A priority Critical patent/JP5409906B2/ja
Publication of JPWO2011148910A1 publication Critical patent/JPWO2011148910A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5409906B2 publication Critical patent/JP5409906B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals
    • C09K11/7728Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals containing europium
    • C09K11/77342Silicates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/59Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/77Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing rare earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

【課題】 全金属成分元素(Sr,Ba,Eu,Si)とSiの比が4:1または3:1であるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造において、化学組成の均一性の高い前駆体を従来法より低温で合成することを可能とし、その前駆体を熱処理することで化学組成が均一で単相の高輝度なEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を効率的にかつ安価に製造する方法を提供する。【解決手段】 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法において、工程1として、構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素を水溶液とし、前記水溶液を混合した後、30〜100℃の液温で保持することにより、全金属成分の全量が均一に分散した状態の透明なゲルを形成する工程を含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、紫外から可視域の光励起により高輝度の黄色発光を示す、Eu2+を賦活したストロンチウムシリケート系蛍光体(組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1))、及び紫外から可視域の光励起により高輝度の緑から黄色の発光を示す、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu2+を賦活したアルカリ土類金属シリケート系蛍光体の製造方法に関するものである。
白色LEDは、近紫外から青色で発光するLEDと蛍光体の発光を混合して白色光を発生させるもので、従来小型携帯機器のLCDバックライト光源として活発に開発がなされてきたが、次世代の応用として照明用途への展開が進んでいる。
この白色LEDに用いられる白色LED用蛍光体としては、従来、青色励起により黄色の蛍光を示すYAG:Ce3+や、緑から黄色の蛍光を示す(Ba,Sr,Ca)SiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+などが知られているが、より高輝度な蛍光体が望まれている。
一般的に蛍光体の合成方法は、例えば非特許文献1に記載されているように、原料粉末を湿式や乾式で混合した後、焼成容器に入れて高温で焼成加熱し、原料間の固相反応により合成される。
その賦活剤としては、Ce3+、Eu2+、Tb3+を用いた蛍光体の製造には、Hガスを数%含んだ不活性ガスによる還元性雰囲気下で熱処理するのが一般的である。この高温熱処理において、例えば、SrSiO:Eu2+では、SrOとSiOが反応して母体酸化物結晶を構成し、還元性雰囲気焼成により賦活剤のEuが3価から2価に還元され、母体結晶中のSr2+を置換する。これによりSrSiO:Eu2+蛍光体が合成できる。
一般に、高輝度なSrSiO:Eu2+蛍光体を得るためには、結晶相純度を高くし、賦活剤であるEu2+を母体結晶中に均一に分散させることが必要であるといわれている。特許文献2に記載されているように、固相法で金属酸化物を作製するには高温で長時間の焼成が必要であった。しかしながら、焼成温度を高くしたり、焼成時間を長くすると、焼結が進み、粒径が大きくなってしまう。そこで粒径を小さくするため、焼結物を粉砕した蛍光体では、粉砕によるダメージのために発光強度が低下するという問題が生じてしまう。
この焼成温度の低温化や粒子径の小粒子径化の解決策として、液相を用いて金属酸化物の前駆体を作製し、その前駆体を焼成することで金属酸化物を合成する液相法が検討されている。この液相法では金属元素が溶媒に溶解して混合するため原子レベルでの均一混合が可能であり、固相法のような酸化物原料粉の固相拡散を起こす必要が無いため低温での合成が期待されている。また低温合成により結晶粒子径の増大も抑制できるものである。
このような液相法の一例として、特許文献1に開示される沈殿法がある。特許文献1では、金属塩とテトラエトキシシラン(TEOS)やシリカゲルから沈殿を生成し、乾燥、熱処理により蛍光体を合成している。金属塩とTEOSは同時に沈殿形成するというわけではなく、上述の粉末原料をより微細化した状態に近いものにすぎず、元素レベルで均一混合されているわけではないという問題がある。
また特許文献2では液相法として、クエン酸法、共沈法、金属アルコキシド法(ゾル-ゲル法)、熱分解法、錯体重合法、PVA法や水熱ゲル化法などの湿式合成により前駆体を作製する方法が記載され、それらの比較を行って、水熱ゲル化法を用いることで効率的に金属酸化物蛍光体を合成できることが記載されている。
特許文献2によれば、1種以上の金属元素、TEOSと溶媒からなる混合溶液を水熱処理すると、金属元素が均一に分散したゲル体の作製が可能であり、このゲルを乾燥、熱処理することで複合金属酸化物前駆体ができる。このゲルはTEOSが有するゲル化能を利用しているため、有機物が少ないという特徴がある。原子レベルで混合した液相を水熱ゲル化させることで均一な前駆体の作製が可能である。この前駆体は元素の拡散距離が短いため比較的低温の熱処理により、均一な化学組成の複合金属酸化物を形成することができる。ただし、TEOSのゲル化能を利用しているため金属成分中に占めるケイ素の組成比が小さい場合は、金属元素成分のすべてをゲル中に含有することはできないという問題を抱えている。
一方、アルカリ土類金属シリケート系蛍光体の前駆体を水熱ゲル化法以外の液相法で作製する場合もTEOSなどのケイ素アルコキシドを一般に用いる。金属塩とTEOSを原料として、これらを適切な溶媒に溶解して混合することで均一なゲル体が作製できる。溶媒として非水系溶媒を用いた場合は、均一な混合物作成は可能であるが、溶媒として水を用いると、テトラエトキシシランが疎水性であるため加水分解反応がTEOSと水との界面で進行し、反応が局所的に起こる可能性があり、均一混合物を得ることは困難であるという問題がある。一方、非水系溶媒、特に有機溶媒は人体への有害性や発火などの危険性があるという問題もある。
ところで、近年、新しいケイ素原料である水溶性ケイ素化合物(WSS)が非特許文献2、特許文献3に開示されている。この水溶性ケイ素化合物は、TEOSの4つのエトキシ基をプロピレングリコキシ基で置換したもので、ヒドロキシル基を有するために、室温の酸性水溶液中で安定して存在できる。水溶性ケイ素化合物水溶液は、加熱などにより加水分解、重縮合し、SiOゲルが得られる。この水溶性ケイ素化合物はTEOSよりも大きなゲル化能を有することが知られている。
非特許文献2では、水溶性ケイ素化合物を金属亜鉛原料水溶液と混合し、水熱処理を行って前駆体を作製し、還元雰囲気下で焼成することでMn添加ZnSiO蛍光体が得られることが開示されている。この蛍光体は金属元素(ZnとSiの和)とSiの比が3:1でありTEOSでは全金属成分のゲル化が困難であるが、水溶性ケイ素化合物を用いることで全金属成分を含むゲルの作成を可能としている。但し、前駆体の作成に水熱合成法を必須とするために、オートクレーブのような圧力容器での加熱処理が必要となるという問題がある。
このような状況の中、本発明者らは金属成分元素とSiの比が4:1である(Sr1−y,EuSiO蛍光体、(Ba,Sr1−x−y,EuSiO、および金属成分元素とSiの比が3:1である(Ba,Sr1−x−y,EuSiO蛍光体の製造に適用し、Eu賦活ストロンチウムシリケート蛍光体前駆体を、水溶性ケイ素化合物を用いた水熱ゲル化法により試みた。その結果、全金属成分をゲル中に均一に、かつすべてを含有させることが難しく、組成ズレや元素分布ムラが生じやすいという知見を得た。
特開2007−131843号公報 特開2008−007390号公報 特開2010−7032号公報
「蛍光体ハンドブック」、オーム社、P.166 N.Takahashi,Y.Suzuki,M.Kakihana、"Synthesis of Zn2SiO4:Mn2+ green emission phosphor by hydrothermal gelation method using a novel water soluble silicon compound"、Jounal of the Ceramic Society of Japan,2009、vol.117、No.3、p.313−315
本発明は、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体であって、全金属成分元素(Sr,Ba,Eu,Si)とSiの比が4:1であるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体であって、全金属成分元素(Ba,Sr,Eu,Si)とSiの比が3:1であるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造において、前記のような種々の技術課題を解消し、化学組成の均一性の高い前駆体を、従来法より低温で合成することを可能とし、その前駆体を熱処理することで化学組成が均一で単相の高輝度なアルカリ土類金属シリケート蛍光体を効率的にかつ安価に製造する方法の提供を目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)の群から選ばれるアルカリ土類金属シリケート蛍光体の構成成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の全金属成分を水溶液とし、これを混合した後、30〜100℃の液温で保持することで、均一に全金属成分が分布するゲルを形成し、次いで、このゲルを乾燥、大気中の熱処理、還元雰囲気中の熱処理を施すことによって、化学組成が均一で単相の結晶相からなるアルカリ土類金属シリケート蛍光体が得られるという知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)の群から選ばれるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法において、下記の工程1を含むことを特徴とするものである。

〔工程1〕
構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の各元素原料毎の水溶液を作製し、作製した前記水溶液を混合した混合水溶液を、30〜100℃の液温で保持することによって、全金属成分の全量が均一に分散した状態のゲルを形成する工程。
本発明に係る第2の発明は、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x―y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)の群から選ばれるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法において、下記の工程1から工程4を含むことを特徴とするものである。

〔工程1〕
構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の各元素原料毎の水溶液を作製し、作製したその水溶液を混合した混合水溶液を、30〜100℃の液温で保持することにより、全金属成分の全量が均一に分散した状態のゲルを形成する工程。
〔工程2〕
工程1により形成された前記ゲルを乾燥して乾燥物を形成し、含まれる溶媒を除去する工程。
〔工程3〕
工程2における前記乾燥物を、大気雰囲気中で熱処理して有機物を除去し、仮焼粉を得る工程。
〔工程4〕
工程3により形成された前記仮焼粉を還元性雰囲気下で熱処理し、蛍光体粉末を得る工程。
本発明に係る第3の発明は、第1の発明または第2の発明の工程1における混合水溶液中の構成金属成分であるストロンチウム、バリウムおよびユーロピウムの濃度が、1〜5.5mol/Lとすることを特徴とするEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法である。
本発明に係る第4の発明は、第1の発明または第2の発明の工程1におけるケイ素原料の水溶液が、テトラメトキシシランに、1,2−プロパンジオールを添加して加熱、撹拌、混合した後、塩酸を添加した水溶性ケイ素水溶液であることを特徴とするEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法である。
本発明に係る第5の発明は、第2の発明の工程3に続いて、工程3で形成された仮焼粉から分級により100μm以上の粗大粒子を除去する工程を含むことを特徴とするEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法である。
本発明によれば、全金属成分元素(Ba,Sr,Eu,Si)とSiの比が3:1の組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体、全金属成分元素(Sr,Ba,Eu,Si)とSiの比が4:1の組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造において、化学組成の均一性の高い前駆体を従来法より低温で合成することを可能とし、その前駆体を熱処理することで化学組成が均一で単相の高輝度なEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を効率的に製造することができる。
さらに本発明の製造方法によれば、全金属成分を均一に含有するゲルを、オートクレーブのような圧力容器を必要とせずに合成するため、製造コストの低減が顕著であることから、その工業的意義は大きい。
実施例1の試料のX線回折パターンを示す図である。 実施例1及び実施例6の蛍光スペクトルを示す図で、比較のために市販のYAG:Ce(従来例のスペクトル)も併せて示した。 実施例7及び比較例8及び9の蛍光スペクトルを示す図で、比較のために市販のYAG:Ce(従来例のスペクトル)も併せて示した。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の記載する実施形態は本発明の代表例を示す物であり、本発明の要旨を逸脱しない限りこの実施例に限るものではない。
まず、Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造工程について説明する。
本発明のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造工程は、構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の各元素原料の水溶液(以下、原料水溶液と称す場合もある)とし、それらを混合した後、30〜100℃の液温で保持することによって、ケイ素原料が30〜100℃の温度で加熱されてストロンチウム、バリウム、ユーロピウムの他の金属成分を含め全量均一に分散した状態の透明なゲルを形成する工程1と、工程1で形成した透明なゲルを乾燥することにより溶媒を除去した乾燥物を得る工程2と、その後、この乾燥物を大気中で熱処理して仮焼粉としてEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体前駆体を得る工程3と、必要に応じ100μm以上の粗大粒子を分級除去する工程と、還元雰囲気中で熱処理を施すことによりEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を形成する工程4を含むものである。
以下、上記工程1〜工程4について詳細に説明する。
〔工程1〕
この工程は、構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の原料水溶液とし、それらを混合した後、30〜100℃の温度で保持し、ストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の全金属成分の全量が均一に分散したゲルを得る工程である。
この工程1では、まずストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の全金属成分の原料水溶液を調製する。ストロンチウム原料としては、水に溶解し、水溶液のpHが7以下であるものであれば特に制限はなく、ストロンチウムの塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩などを用いることができる。特に、加熱により陰イオン成分を容易に除去できることから、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩などを用いることが望ましい。金属塩の溶解時にクエン酸、乳酸、リンゴ酸などのヒドロキシカルボン酸を加えても良い。この場合には、仕込みからの組成ズレを抑制できるため、硝酸塩などに比べて溶解度の小さい炭酸塩の水溶液とすることが好ましい。バリウム原料、ユーロピウム原料についても、ストロンチウム原料と同様である。なお、ストロンチウム、バリウムおよびユーロピウムの原料水溶液は、別々に作製して混合しても、混合水溶液を始めから一つの容器内で作製しても良い。
次に本発明では、ケイ素原料として前述した公知の水溶性ケイ素化合物を使用する。水溶液のpHが7より大きいと水溶性ケイ素化合物は直ちにゲル化を開始し、不均一なゲル体が形成される恐れがある。またpH1より小さいとゲル化しにくいため、pHは1から7の範囲とする。
また、構成成分の金属元素に対して水が多すぎると、ゲルと液体が2層分離し、液相に金属イオンが溶出するためゲルが不均一な組成になる恐れがある。金属元素に対して水が少なすぎると、やはり均一な水溶液を作製できず、ゲル形成前に金属が析出して不均一なゲルとなる場合があり、本発明では、全金属成分元素を均一に分散させることが不可欠であるため、そのため水溶液としたときの金属元素濃度は1〜5.5mol/Lとすることが重要である。望ましくは2〜5.5mol/Lとするのが良い。
ここで、水溶性ケイ素化合物の具体的な製造条件については、特許文献3の製造例に記載された方法で作製することができる。すなわち、テトラメトキシシラン(0.1モル)に対して、1,2−プロパンジオール(0.4モル)を添加し、液温が54℃になるようにホットスターラーを用いて撹拌しながら24時間混合し、その後、塩酸(0.0001モル)を添加し、液温を54℃でさらに1時間混合し、水溶性ケイ素水溶液を得ることができる。また、特許文献3には製造例1〜9まで多種にわたる水溶性ケイ素化合物が記載されているが、いずれも本発明で使用することができる。
次に、上記条件で調製した各水溶液を混合し、室温下で30分から1時間攪拌し、得られた溶液を容器に入れ30〜100℃の温度で保持し、均一なゲル体を得る。温度が30℃より低いとゲル化に時間がかかり、温度が100℃を超え水が沸騰すると乾燥とゲル化が同時に起こるため、温度は30℃から100℃とすることが重要である。また、50〜100℃とすることがさらに好ましい。ゲル化時間は特に限定せず、全体が均一にゲル化する時間であればよく、通常24時間程度で均一なゲルが得られる。
容器は特に限定することはないが、ガラス製、ポリプロピレン製、ポリテトラフルオロエチレン製など、加熱温度までの耐熱性のあるものを使用することができる。
〔工程2〕
工程2は、工程1で得られたゲルから溶媒を除去し、乾燥物を得る工程である。
この溶媒の除去は加熱による方法が簡便である。ゲルに含まれる溶媒成分は、水、エタノール、プロピレングリコールであるため、100〜120℃が望ましい。加熱時間は試料量にも依存するが、1から6時間程度が好ましい。
〔工程3〕
工程3は、工程2で得られた固体状の乾燥物を大気中で熱処理を行い、有機物を熱分解除去し、さらにEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の前駆体である仮焼粉を得る工程である。
この大気中での熱処理は、原料に含まれる有機物の分解と、分解により生成する炭素の除去、さらにEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の酸化物母結晶の結晶成長を行うことを目的とするものである。
この大気中の熱処理の条件は、400〜1600℃の温度で行われる。また、この熱処理は1回の熱処理で行っても良く、複数回に分けて行っても良いが、複数回にわたって熱処理を行う場合には、熱処理のたびに乳鉢などで解砕を行うことが望ましい。
この熱処理の詳細は、まず有機物の分解は、原料に含まれるプロピレングリコールとヒドロキシカルボン酸等を蒸発又は熱分解、燃焼させるもので、有機物を燃焼させるためには、大気中で400以上の温度を必要とし、有機物の分解のみを行う場合には、400〜600℃の雰囲気で行うことが望ましい。
次の炭素除去は、前述の有機物の分解過程で生成した炭素を完全に除去することにあり、金属元素が炭酸塩化した場合には、これを分解するものである。700℃より低い温度では炭素が除去できず、1300℃を超えると融解や焼結が起こる場合があるので、1300℃を超える温度での熱処理時には、熱処理時間を考慮して行う。単独で炭素除去を行う場合には、700℃から1300℃の温度範囲での熱処理が好ましい。
さらに、酸化物母体結晶を生成させる場合は大気中での焼成を行う。
焼成温度は酸化物母結晶がSrSiOの場合は1300℃より低い温度では結晶相が得にくく、1600℃を超える温度ではアルミナルツボと反応するため1300℃〜1600℃の温度範囲が好ましい。特に好ましくは1450℃から1550℃である。この熱処理温度が低すぎると異相であるSrSiO相が不純物として生成し、最終的に得られる蛍光体の発光強度を低下させることになるため好ましくない。この熱処理温度が高すぎると、SrSiO結晶が焼結したり、溶融したりして、粉砕無しで粉末状蛍光体を得ることが困難になる。蛍光体を粉砕することは、結晶にダメージを与えるので、高輝度蛍光体を得るためには望ましくない。
この酸化物母結晶が、(Ba,Sr1−xSiO、(Ba,Sr1−xSiOの場合は1000℃より低い温度では結晶相が得にくく、1600℃を超える温度ではアルミナルツボと反応するため1000℃〜1400℃の温度範囲が好ましい。特に好ましくは1200℃から1350℃である。
この熱処理温度が低すぎると、同様に異相であるBaCO相やSrCO相が未反応不純物として残存し、最終的に得られる蛍光体の発光強度を低下させることになるため好ましくない。反対に、この熱処理温度が高すぎると、焼成物が焼結したり、溶融したりして、粉砕により粉末状蛍光体を得ることが必要となる。また、蛍光体を粉砕することは、結晶にダメージを与えるので、高輝度蛍光体を得るためには望ましくない。
熱処理時間は1〜24時間、望ましくは2〜4時間である。熱処理時間が短いと母体結晶を生成する反応が不十分になり、結晶相純度が低くなり、発光強度が低いものとなる。熱処理時間が長いと焼結が進んで、硬く焼結した粗大粒子が生成したり、容器に固着したりするため好ましくない。
なお、以上の熱処理は複数回の熱処理を行っても良く、最適な条件で1回の熱処理で行っても良く、さらに、連続して個々の熱処理に適合した熱処理条件に変えながら、1回の熱処理サイクルで行っても良い。
また、ここで酸化物母結晶がSrSiOの場合には、異相であるSrSiO相が生成すると、SrSiO相に比べ、低温で焼結しやすいため、その後の工程4の還元雰囲気の焼成でさらに粗大粒子が生成し、蛍光特性を低下させるため、あらかじめ分級により100μm以上の粗大粒子をここで除去しておくのが好ましい。
〔工程4〕
工程4は、工程3で得られた仮焼粉を、還元性雰囲気下で熱処理し、Eu2+を母体結晶中の2価ストロンチウムイオンや2価バリウムイオンと置換して蛍光体を得る工程である。ここで使用する仮焼粉は、工程3で完全に炭酸塩を分解した酸化物でもよいし、一部炭酸塩を含んだ状態の仮焼粉でもよい。
その熱処理の温度(焼成温度)は、組成や焼成条件、焼結フラックスなどにより異なるが、酸化物母結晶がSrSiOの場合は、工程3と同様に1300〜1600℃、好ましくは1450〜1550℃とする。
また、酸化物母結晶が(Ba,Sr1−xSiO、(Ba,Sr1−xSiOの場合は、工程3と同様に1000〜1400℃、好ましくは1000〜1350℃とする。
還元性雰囲気としては、NやArなどの不活性ガスに1〜10vol%のHを混合したガスを使用することができる。
以上、上記の「工程1」から「工程4」を経ることによって、目的結晶相の純度が高く、構成成分元素が均一に良く分散した高輝度のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を製造することができる。
なお、本発明のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法は、酸化物母結晶が組成式SrSiOや、他のアルカリ土類金属元素を組成に含むアルカリ土類シリケート蛍光体を製造する場合にも、適用できることが十分に考えられ、期待できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体として、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)の黄色蛍光体を用いて、その製造方法を示す。
水溶性ケイ素化合物は、特許文献3の段落[0046]に記載の製造例1(水溶性ケイ素化合物A)を参照した。
作製した蛍光体の結晶相の同定、及び半定量は、X線回折及びリートベルト解析により行った。
組成ズレの評価は、各元素のICP発光分析による定量分析によって行った。
発光特性の評価は、蛍光分光光度計FP−6500(日本分光株式会社製)を用いて、励起、発光スペクトルの測定を行った。なお、発光スペクトルは励起光波長を455nmとして測定し、励起スペクトルは発光スペクトルのピーク波長において測定したものである。
組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)のEu賦活ストロンチウムシリケート蛍光体を以下の工程条件にて作製した。
〔工程1〕
金属元素化合物としてSrCO(3N、関東化学株式会社製)、Eu(NO・6HO(3N、三津和化学薬品株式会社製)を式(Sr1−yEuSiOにおいてy=0.01となるように秤量した。クエン酸(98.0%、和光純薬工業株式会社製)水溶液に、ストロンチウムとユーロピウムの合計濃度(以下、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度と称す)が4.0mol/Lとなるように秤量したSrCOを入れ、40℃で1時間攪拌することで透明溶液を得た。また、秤量したEu(NO・6HOを水に溶解し水溶液を得た。
次に、水溶性ケイ素化合物は、テトラメトキシシラン(0.1モル)に対して、1,2−プロパンジオール(0.4モル)を添加し、液温が54℃になるようにホットスターラーを用いて撹拌しながら24時間混合した。その後、塩酸(0.0001モル)を添加し、液温を54℃で水溶性ケイ素化合物と混合し、SrCO溶液と合わせて室温下で30分間攪拌混合し、透明混合溶液を得た。
上記のとおり作製した混合溶液をポリプロピレン製容器に入れキャップをして密封し、50℃で24時間保持し、透明なゲルを得た。このゲルは弾力性を持つが、2層分離せずに、外観から一様な状態であった。
〔工程2〕
工程1で得た透明ゲルを乾燥機に120℃で6時間保持し、ゲル中の溶媒を除去し、乾燥ゲルを得た。乾燥ゲルは透明な固体状であった。
〔工程3〕
工程2で得た乾燥ゲルをメノウ乳鉢で解砕し、電気炉で大気雰囲気中で550℃で3時間の熱処理を行い、取り出して解砕した後、再度800℃で3時間の熱処理を行った。さらに取り出して解砕した後、1200℃で3時間保持し、続けて1500℃に昇温し、3時間保持し大気雰囲気中で熱処理を行い、取り出して解砕し、分級により100μm以上の粗大粒子を除去し、仮焼粉を得た。
〔工程4〕
工程3で得た仮焼粉を、モリブデン製容器に入れ、タングステンヒーター電気炉で1500℃で3時間、4%H+96%Ar混合ガスをフローさせながら熱処理し、粉状の蛍光体粉末を得た。
得られた蛍光体粉末について、X線回折を測定した結果を図1に示す。また、蛍光特性を測定した結果を図2に示す。
図1のX線回折結果において、得られた蛍光体粉末はSrSiOのほぼ単相であることがわかった。また、図2の蛍光特性において、300〜500nmにかけてブロードな励起吸収が見られ、585nm付近にピークを示し、黄色発光を確認した。比較のために示したYAG:Ceよりも発光スペクトルはシャープで、発光ピーク強度、発光ピーク面積、共に大きく、高輝度の組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)のEu賦活ストロンチウムシリケート蛍光体が得られた。
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を2.0mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を5.5mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を0.1mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を0.15mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を0.2mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
(比較例4)
実施例1において、ストロンチウムとユーロピウムの合計の水溶液濃度を6.0mol/Lとした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。その結果を表1に示す。
Figure 2011148910
表1からは、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度が低いと、二層分離し、ゲルから分離した水分量が増え、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度が高くなると、二層分離せずに、一様な状態の透明なゲルが得られていることが明らかである。なお、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度6mol/L(比較例4)では、金属塩の完全な溶解ができなかった。このことから、金属成分元素(Sr+Eu)を均一にゲルに分散させるためには、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度を1〜5.5mol/Lとするのが良く、望ましくは2〜5.5mol/Lとするのが良い。
実施例1の工程1におけるゲル化する際の保持温度を80℃とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体粉末を作製した。試料のゲル化状態を目視で観察した結果を表2に示す。
なお、表2に記載したゲル化の判断基準は、容器を動かしたり、反転させたりしたときに流動性が無くなっていることを「○」とし、まだ流動性がある場合は「×」とした。
実施例1の工程1におけるゲル化する際の保持温度を100℃とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体粉末を作製した。試料のゲル化状態を目視で観察した結果を表2に示す。
(比較例5)
実施例1の工程1におけるゲル化する際の保持温度を25℃とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体粉末を作製した。試料のゲル化状態を目視で観察した結果を表2に示す。
(比較例6)
実施例1の工程1におけるゲル化する際の保持温度を25℃、保持時間を96時間とした以外は実施例1と同様にして、蛍光体粉末を作製した。試料のゲル化状態を目視で観察した結果を表2に示す。
Figure 2011148910
表2から、ゲル化時の保持温度が25℃では、24時間保持してもゲルはまだ流動性があり、さらに96時間延長しても流動性が残り、一様な状態にならなかった。一方50℃〜100℃の範囲においては、いずれも二層分離せずに一様な状態で透明なゲルを得ることができた。
(比較例7)
実施例1の工程2において、透明混合溶液をポリテトラフルオロエチレン製の容器に入れ、さらにステンレス製の耐圧容器に入れて密封し、200℃で24時間保持してゲル化を行った。得られた試料はゲルと液体とからなり、二層分離していた。
このゲルから分離した液体の重量は、全体の20質量%であった。実施例1及び比較例7で得られたゲル乾燥粉について、成分(Sr,Eu,Si)の分析を行い、仕込み組成とのズレを比較した結果を表3に示す。
Figure 2011148910
表3より、比較例7のゲル中に含まれる、Sr、Si、Eu全量に対するSr量の割合は、仕込み組成と大きくずれて少なく、Si量の割合は多いことがわかる。
以上のように、ゲル化時の保持温度は本発明においては重要であり、均一な組成の形成には重要な要因である。
〔量子効率の比較〕
実施例1により得られた蛍光体粒子の蛍光特性(発光スペクトルは励起光波長:Ex=455nmにて測定)における量子効率を、積分球を用いて測定して求めた結果を表4に示す。比較のために、従来例として一般的な黄色蛍光体であるとして一般的なYAG:Ceをあわせて測定した。
Figure 2011148910
表4より、実施例1では内部量子効率が71.1%と非常に高い値を示し、従来のYAG:Ce蛍光体よりも優れていることがわかった。
次に、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を以下の工程条件にて作製した。
実施例1において、炭酸ストロンチウムを秤量する際に、炭酸ストロンチウムと炭酸バリウムとをSr:Baのモル比0.86:0.13とした以外は実施例1と同様にして蛍光体粉末を作製した。すなわち組成式(Ba0.86,Sr0.13,Eu0.01SiOで表されるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体である。
その得られた蛍光体粉末について、X線回折を測定したところ、炭酸塩やその他不純物相は見られず、蛍光体粉末はほぼ単相であることがわかった。また、蛍光特性を測定したところ、図2に見られるように350nm付近にピークを持つ励起吸収が見られ、発光は600nm付近にピークを示し、橙色発光を確認した。
したがって、高輝度の組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOのEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体が得られた。
組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOのEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を以下の工程条件にて作製した。
〔工程1〕
金属元素化合物としてBaCO(3N、関東化学株式会社製)、SrCO(3N、関東化学株式会社製)、Eu(3N、フルウチ化学製)を式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOにおいてx=0.69、y=0.08となるように秤量した。クエン酸(98.0%、和光純薬工業株式会社製)水溶液に、バリウム、ストロンチウム、ユーロピウムの合計濃度(以下、金属塩(Sr+Eu)水溶液濃度と称す)が4mol/Lとなるように秤量したBaCO、SrCOを入れ、40℃で1時間攪拌することで透明溶液を得た。また、秤量したEu(NO・6HOを水に溶解し水溶液を得た。
次に、水溶性ケイ素化合物は、テトラメトキシシラン(0.1モル)に対して、1,2−プロパンジオール(0.4モル)を添加し、液温が54℃になるようにホットスターラーを用いて撹拌しながら24時間混合した。その後、塩酸(0.0001モル)を添加し、液温を54℃で水溶性ケイ素化合物と混合し、BaCO溶液、SrCO溶液と合わせて室温下で30分間攪拌混合し、透明混合溶液を得た。
上記のとおり作製した混合溶液をポリプロピレン製容器に入れキャップをして密封し、50℃で24時間保持し、透明なゲルを得た。このゲルは弾力性を持つが、2層分離せずに、外観から一様な状態であった。
〔工程2〕
工程1で得た透明ゲルを乾燥機で120℃に6時間保持し、ゲル中の溶媒を除去し、乾燥ゲルを得た。乾燥ゲルは透明な固体状であった。
〔工程3〕
工程2で得た乾燥ゲルをメノウ乳鉢で解砕し、電気炉を用い大気雰囲気中で、550℃で3時間の熱処理を行い、取り出して解砕した後、再度800℃で3時間の熱処理を行った。さらに取り出して解砕した後、1200℃で6時間保持する大気雰囲気中での熱処理を行い、取り出して解砕し、仮焼粉を得た。
〔工程4〕
工程3で得た仮焼粉を、モリブデン製容器に入れ、タングステンヒーター電気炉を用い、1200℃で3時間、4%H+96%Ar混合ガスをフローさせながら熱処理し、粉状の蛍光体粉末を得た。
得られた蛍光体粉末について、X線回折を測定したところ、炭酸塩やその他不純物相は見られず、蛍光体粉末はほぼ単相であることがわかった。また、蛍光特性を測定した結果を図3に示す。
図3の蛍光特性において、370nm付近にピークを持つ励起吸収が見られ、発光は529nm付近にピークを示し、緑色発光を確認した。高輝度の組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOのEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体が得られた。
(比較例8)
工程3の大気雰囲気中での熱処理温度を1300℃とし、工程4の還元性雰囲気中での熱処理温度を1300℃とした以外は実施例7と同様に組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOのEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を合成した。工程4の後、試料は硬く焼結し、粉末状試料を得るために粉砕を必要とした。粉砕後の試料の蛍光特性を評価したところ、図3に示すように実施例7と同様に370nm付近にピークを持つ励起吸収が見られ、発光は529nm付近にピークを示したが、実施例7の試料より発光強度が劣ることがわかった。
(比較例9)
工程3の大気雰囲気中での熱処理温度を1000℃とし、工程4の還元性雰囲気中での熱処理温度を1000℃とした以外は実施例7と同様に組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiOのEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体を合成した。
試料の蛍光特性を評価したところ、図3に示すように実施例7と同様に370nm付近にピークを持つ励起吸収が見られ、発光は529nm付近にピークを示したが、実施例7の試料より大きく発光強度が劣ることがわかった。
以上、実施例および比較例をもって説明した通り、本発明の組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)のEu賦活ストロンチウムシリケート蛍光体の製造法によれば、紫外から青色に渡って幅広い励起吸収を持ち、585nm付近に発光帯を持つ、高輝度の黄色蛍光体を得ることができる。
さらに、本発明の組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造法によれば、紫外から青色に渡って幅広い励起吸収を持ち、600nm付近に発光帯を持つ、高輝度の橙色蛍光体を得ることができる。
また、本発明の組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造法によれば、紫外から青色に渡って幅広い励起吸収を持ち、529nm付近に発光帯を持つ、高輝度の緑色蛍光体を得ることができる。

Claims (5)

  1. 組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)の群から選ばれるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法において
    下記工程1を含むことを特徴とするEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法。

    〔工程1〕
    構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の各元素原料毎の水溶液を作製し、作製した前記水溶液を混合した混合水溶液を、30〜100℃の液温で保持することにより、全金属成分の全量が均一に分散した状態のゲルを形成する工程。
  2. 組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)、組成式(Sr1−y,EuSiO(但し、0<Y<0.1)(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)、組成式(Ba,Sr1−x−y,EuSiO(但し、0<X<1、0<Y<0.1)の群から選ばれるEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法において、
    下記工程1から工程4を含むことを特徴とするEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法。

    〔工程1〕
    構成金属成分であるストロンチウム、バリウム、ユーロピウム、ケイ素の各元素原料毎の水溶液を作製し、作製した前記水溶液を混合した混合水溶液を、30〜100℃の液温で保持することにより、全金属成分の全量が均一に分散した状態のゲルを形成する工程。
    〔工程2〕
    工程1により形成された前記ゲルを乾燥して乾燥物を形成し、含まれている溶媒を除去する工程。
    〔工程3〕
    工程2における前記乾燥物を、大気雰囲気中で熱処理して有機物を除去し、仮焼粉を得る工程。
    〔工程4〕
    工程3により形成された前記仮焼粉を還元性雰囲気下で熱処理し、蛍光体粉末を得る工程。
  3. 前記工程1における前記混合水溶液中での構成金属成分であるストロンチウム、バリウムおよびユーロピウムの濃度が、1〜5.5mol/Lとすることを特徴とする請求項1または2に記載のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法。
  4. 前記工程1におけるケイ素原料の水溶液が、テトラメトキシシランに、1,2−プロパンジオールを添加して加熱、撹拌、混合した後、塩酸を添加した水溶性ケイ素水溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法。
  5. 前記工程3の後に、前記工程3で形成された仮焼粉から分級により100μm以上の粗大粒子を除去する工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のEu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法。
JP2012517263A 2010-05-25 2011-05-23 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法 Expired - Fee Related JP5409906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012517263A JP5409906B2 (ja) 2010-05-25 2011-05-23 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010119488 2010-05-25
JP2010119488 2010-05-25
JP2012517263A JP5409906B2 (ja) 2010-05-25 2011-05-23 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法
PCT/JP2011/061789 WO2011148910A1 (ja) 2010-05-25 2011-05-23 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011148910A1 true JPWO2011148910A1 (ja) 2013-07-25
JP5409906B2 JP5409906B2 (ja) 2014-02-05

Family

ID=45003900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012517263A Expired - Fee Related JP5409906B2 (ja) 2010-05-25 2011-05-23 Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5409906B2 (ja)
KR (1) KR101414948B1 (ja)
TW (1) TWI448535B (ja)
WO (1) WO2011148910A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5484397B2 (ja) * 2010-12-24 2014-05-07 住友金属鉱山株式会社 シリケート蛍光体およびその製造方法
JP5528320B2 (ja) * 2010-12-24 2014-06-25 住友金属鉱山株式会社 アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法
JP5490083B2 (ja) * 2011-12-22 2014-05-14 住友金属鉱山株式会社 アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法およびアルカリ土類金属シリケート蛍光体
EP2871224B1 (en) 2012-07-06 2018-04-11 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Process for manufacturing silicate phosphors

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001303039A (ja) * 2000-04-18 2001-10-31 Konica Corp 無機蛍光体及びその製造方法
JP2004300418A (ja) * 2003-03-14 2004-10-28 Fuji Photo Film Co Ltd 希土類ケイ酸塩系蛍光体の製造方法
JP2005255769A (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Konica Minolta Holdings Inc 蛍光体前駆体、蛍光体及びこれらの製造方法
US7601276B2 (en) * 2004-08-04 2009-10-13 Intematix Corporation Two-phase silicate-based yellow phosphor
US8017035B2 (en) * 2004-08-04 2011-09-13 Intematix Corporation Silicate-based yellow-green phosphors
JP5118837B2 (ja) * 2005-10-25 2013-01-16 インテマティックス・コーポレーション シリケート系オレンジ色蛍光体
JP2007321011A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Bando Chem Ind Ltd 蛍光体およびその利用、並びにその製造方法
US7820075B2 (en) * 2006-08-10 2010-10-26 Intematix Corporation Phosphor composition with self-adjusting chromaticity
JP4790794B2 (ja) * 2007-02-19 2011-10-12 三井金属鉱業株式会社 赤色蛍光体、赤色発光素子乃至装置および白色発光素子乃至装置
JP2008101225A (ja) * 2007-11-14 2008-05-01 Konica Minolta Holdings Inc 蛍光体の製造方法
WO2009066452A1 (ja) * 2007-11-22 2009-05-28 Tottori University 青色蛍光体
JP4618330B2 (ja) * 2008-05-21 2011-01-26 ソニー株式会社 蛍光体とその製造方法、及び、蛍光体を用いた発光デバイス並びに表示デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
KR101414948B1 (ko) 2014-07-04
TWI448535B (zh) 2014-08-11
JP5409906B2 (ja) 2014-02-05
WO2011148910A1 (ja) 2011-12-01
KR20120093368A (ko) 2012-08-22
TW201202394A (en) 2012-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2395065B1 (en) Phosphor particles, light-emitting diode, and illuminating device and liquid crystal panel backlight device using them
Boronat et al. Cathodoluminescence emission of REE (Dy, Pr and Eu) doped LaAlO3 phosphors
Devaraja et al. MgO: Dy3+ nanophosphor: self ignition route, characterization and its photoluminescence properties
Kumar et al. Perspective on europium activated fine-grained metal molybdate phosphors for solid state illumination
Xu et al. Synthesis and luminescent properties of CaTiO3: Eu3+, Al3+ phosphors
TW460413B (en) Method of preparing high brightness, small particle red emitting phosphor
Singh et al. Synthesis and optical investigations of Eu3+ activated MYAlO4 (M= Ca and Sr) as promising display nanomaterials
Singh et al. Green emission from Tb3+-doped CaLaAl3O7 phosphor–A photoluminescence study
JP5409906B2 (ja) Eu賦活アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法
Singh et al. Green emitting Tb doped LiBaB9O15 phosphors
Singh et al. An insight into the luminescence properties of Ce3+ in garnet structured CaY2Al4SiO12: Ce3+ phosphors
JP5483898B2 (ja) 酸化物蛍光体の製造方法
Raju et al. Development of dumbbell-shaped La2Si2O7: Eu3+ nanocrystalline phosphors for solid-state lighting applications
JP2001288465A (ja) Vuv励起光発光装置のための緑色発光性アルカリ土類アルミン酸塩蛍光体の製法
KR101778563B1 (ko) 루테튬 알루미늄 가넷계 형광체 분말 및 이의 제조 방법
KR102473675B1 (ko) 형광체 및 그 제조 방법
Singh et al. Pb2+ doped diopside CaMgSi2O6: New UV luminescent phosphor
JP2017088800A (ja) 蛍光体およびその製造方法
CN104388081A (zh) 一种稀土元素价态控制掺杂铝酸盐的合成方法及其产品
JP2001172620A (ja) 赤色発光蛍光微粒子の製造方法
Lau et al. Investigation on the effect of vacuum annealing time on structural and optical properties of YAG: Ce nanoparticles prepared by mixed-fuel microwave solution combustion synthesis
JPWO2016111200A1 (ja) 蛍光体及び発光装置並びに蛍光体の製造方法
KR101330862B1 (ko) 요소를 이용한 액상법에 의한 yag계 형광체 입자 크기 조절 및 그 제조방법
JP5444271B2 (ja) アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法
JP2013151617A (ja) アルカリ土類金属シリケート蛍光体の製造方法、およびアルカリ土類金属シリケート蛍光体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130708

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130708

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20130708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130708

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130708

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20130909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131030

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5409906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees