JPWO2011129017A1 - 靴のアッパーの前足部の構造 - Google Patents

靴のアッパーの前足部の構造 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011129017A1
JPWO2011129017A1 JP2012510527A JP2012510527A JPWO2011129017A1 JP WO2011129017 A1 JPWO2011129017 A1 JP WO2011129017A1 JP 2012510527 A JP2012510527 A JP 2012510527A JP 2012510527 A JP2012510527 A JP 2012510527A JP WO2011129017 A1 JPWO2011129017 A1 JP WO2011129017A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flexible
foot
main
flexible portion
edge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012510527A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5103639B2 (ja
Inventor
西脇 剛史
剛史 西脇
弘毅 松尾
弘毅 松尾
健太 森安
健太 森安
晴嗣 矢野
晴嗣 矢野
麗奈 古石
麗奈 古石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asics Corp
Original Assignee
Asics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asics Corp filed Critical Asics Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5103639B2 publication Critical patent/JP5103639B2/ja
Publication of JPWO2011129017A1 publication Critical patent/JPWO2011129017A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • A43B23/0265Uppers; Boot legs characterised by the constructive form having different properties in different directions
    • A43B23/027Uppers; Boot legs characterised by the constructive form having different properties in different directions with a part of the upper particularly flexible, e.g. permitting articulation or torsion
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0205Uppers; Boot legs characterised by the material
    • A43B23/0235Different layers of different material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • A43B23/0255Uppers; Boot legs characterised by the constructive form assembled by gluing or thermo bonding
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/02Uppers; Boot legs
    • A43B23/0245Uppers; Boot legs characterised by the constructive form
    • A43B23/0265Uppers; Boot legs characterised by the constructive form having different properties in different directions
    • A43B23/0275Uppers; Boot legs characterised by the constructive form having different properties in different directions with a part of the upper particularly rigid, e.g. resisting articulation or torsion
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A43FOOTWEAR
    • A43BCHARACTERISTIC FEATURES OF FOOTWEAR; PARTS OF FOOTWEAR
    • A43B23/00Uppers; Boot legs; Stiffeners; Other single parts of footwear
    • A43B23/08Heel stiffeners; Toe stiffeners
    • A43B23/081Toe stiffeners

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)

Abstract

高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易い低剛性領域ALは、主部10と前記主部10から内外に延びる内第1柔軟部11および外第1柔軟部を有する。主部10は第1基節骨B31の骨体から第2基節骨B32の骨体までの一部を覆い、前記内第1柔軟部11は前記第1基節骨B31の骨体から第1中足骨B1の骨頭までの部位の一部を覆い、前記外第1柔軟部21は前記主部10から足の外側に延びる。足を斜め前方の内外に向かって踏み出す際には、前記斜めの屈曲ラインに沿ってアッパーが屈曲する。そのため、前記主部10から斜め前方の外側または内側に向かって延びる斜め部12,13と前記主部10とが前記屈曲ラインとして役立つ。

Description

本発明は靴のアッパーの前足部の改良された構造に関する。
前後左右の激しい動作の多いテニス、バレーボール、バスケットボールなどのコート系競技において、スポーツシューズは、足部の障害等を防止する為に、前足部を甲皮で保持する必要がある。そのため、甲皮の材料は、非伸縮性かつ高い強度が求められる。甲皮は人工皮革、合成皮革やベルトにより補強される場合が多い。
このような甲皮は剛性が高い。そのため、甲皮が足にフィットしにくくなる。例えば、上記のコート系競技で頻出する踵部を上昇させる場合や、踵を上昇させ内側に捻る場合や、踵を上昇させ外側に捻る場合では、アッパーの前足部に大きな皺が生じ、足先が局所的に圧迫され易い。
実公平6-49205 号 実開昭62-109607 号 実開平5-10649 号 実開平4-107608号 特開平9-304 号 特開平10-225302 号 WO2008-000398 (特表2009−540976) AT4132/82 (特公昭62-033881 ) 実公平01-026245 号 WO2008/047659A1
前記特許文献1には、靴の前方踏み付け部の屈曲部相当箇所に切欠部が形成されたつま先補強部材が開示されている。
前記特許文献2には、内外に互いに対向する櫛歯状の補強シートにより、屈曲し易く、かつ、横方向に力が加わっても変形しにくいアッパーが開示されている。
前記特許文献3には、アッパーの爪先部に略十字状の切欠部を形成し、前記切欠部に伸縮部材が縫着されたアッパーが開示されている。
発明の解決しようとする課題
しかし、前記各特許文献の技術では、アッパーによる前足の保持と屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)の双方を実現することは難しいだろう。
したがって、本発明の目的は前足の保持状態と屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)の双方が得られるアッパーの前足部の改良された構造を提供することである。
図7はアッパーの一例を示す。
本発明は、足裏を支えるソール51,52と足の甲を覆うアッパーUとを備えた靴のアッパーUの前足部の構造であって、前記アッパーUの前足部は低剛性領域ALおよび高剛性領域AHを包含し、前記低剛性領域ALは足の爪先の一部を覆い前記高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易く、前記低剛性領域ALは、前記前足部の内外の中間において足の前後方向Yおよび前記前後方向に直交する横断方向Xに拡がり第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの部位の一部を含む主部10と、前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の内側に向かって延び前記主部10に連なる内第1柔軟部11と、第3基節骨B33 または第4基節骨B34 の骨体から骨底までの一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の外側に向かって延び前記主部10に連なる外第1柔軟部21と、前記各第1柔軟部11,21よりも前方に配置され、前記主部10から斜め前方の外側または斜め前方の内側に向かって延び前記主部10に連なる少なくとも1つの斜め部とを備え、ここにおいて、前記内第1柔軟部11と前記外第1柔軟部21とは、前記主部10を前記横断方向Xに横切る直線上、あるいは、前記主部10を横切り前方に向かって凸に湾曲した曲線上に沿って配置されており、前記高剛性領域AHは前記主部10の周囲において前記爪先の他の一部を覆い、前記低剛性領域ALよりも伸びにくく、かつ、屈曲されにくく、前記高剛性領域AHは、前記ソール51,52に連なり、足の内側、外側および先端のそれぞれにおいて前記爪先の周縁を覆う周縁部30と、前記内第1柔軟部11の後縁に接し前記周縁部30に連なり前記第1中足骨B41 の骨頭の一部を覆う内後強化部31と、前記内第1柔軟部11の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延び前記第1基節骨B31 の骨体の一部を覆う内前強化部32と、前記外第1柔軟部21の後縁に接し前記周縁部30に連なる外後強化部41と、前記外第1柔軟部21の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延びる外前強化部42と、前記斜め部の前縁および後縁に設けられ前記斜め部の前記前縁および後縁に接する部位とを備える。
本発明の効果の説明に先立って、本発明の原理について説明する。
図8は足Fが前方Y1に向かって踏み出す形状の変化を示す側面図である。
図8に示すように、前方に向かって踏み出す場合、足裏は中足趾節間関節(以下、MP関節という)において大きく屈曲する。
この際、足裏は前記MP関節よりも後方の母趾球O1を含む第1〜第3中足骨の骨頭の部位およびその前方の爪先が接地する。一方、足の爪先の上面は前記母趾球O1よりも前方Y1のMP関節の近傍において屈曲する。
このように、足の前足の上面の屈曲位置は足裏の屈曲位置とは異なる。一方、足の上面の屈曲状態とアッパーの屈曲状態にズレが生じるのは避けられない。そこで、以下の手法で足の屈曲時のアッパーと足の前足の上面との関係を調べた。
図9Aおよび図9Bを用いて屈曲時のアッパーによる足への圧迫感を調べた結果を説明する。
図9Aは足とアッパーとの間に生じる接触圧を測定した測定点S1〜S9を示す平面図であり、図9Bは前記各測定点S1〜S9において測定された圧力を示すグラフである。市販のテニスシューズを着用し踵を130mm上昇させた状態で前記圧力が測定された。
図9Aおよび図9Bから分かるように、第1基節骨B31 の骨体、第3基節骨B33 の骨体および第2中足骨B42 の骨頭の部位において前記圧力が大きい。したがって、これらの部位の圧力が小さくなれば、屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)が得られると推測される。
本発明によれば、高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易い低剛性領域ALは、主部10と前記主部10から内外に延びる内第1柔軟部11および外第1柔軟部21を有する。主部10は第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの一部を覆い、前記内第1柔軟部11は前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い、前記外第1柔軟部21は前記主部10から足の外側に延びる。
したがって、前記内第1柔軟部11および前記内第2柔軟部12は前記爪先の上面が屈曲する第1屈曲ラインL1または当該ラインL1の直前方に設けられている。
一方、シューレースで締め付けられたアッパーの甲部は足の甲にフィットしており、爪先の先端は足趾で踏みつけられたソールに固着されている。そのため、アッパーは爪先の先端と甲部との間で屈曲するのが望ましい。ここで、前記内第1柔軟部11から前記外第1柔軟部にわたって横方向に延びる柔軟な帯状の領域は前記図8の母趾球O1よりも前方に配置されている。したがって、足の屈曲に伴い、前記柔軟な帯状の領域においてアッパーが屈曲し、アッパーから足への圧迫が小さい。
足を斜め前方の外側に向かって踏み出す際には踵を上昇させ外側に捻る“外捻れ”となる。(踵の内側が内側に向こうとする。)この“外捻れ”の場合、図9Aの第2趾から第5趾の外側の足趾のMP関節MP2 〜MP5 に沿って足が屈曲する。
そのため、アッパーは前記MP3 およびMP4 よりも前方の斜めの第2屈曲ラインL2または当該ラインL2の近傍に沿って屈曲し易い。
一方、足を斜め前方の内側に向かって踏み出す際には、踵を上昇させ内側に捻る“内捻れ”となる。(踵の外側が外側に向こうとする。)この“内捻れ”の場合、図9Aの母趾球O1および第1趾の末節骨B11 に大きな荷重がかかり、第2趾および第3趾末節骨B12 、B13 が接地してバランスを保つ。そのため、アッパーは斜めに大きく傾いた第3屈曲ラインL3または当該ラインL3の近傍に沿って屈曲し易い。
このように、足を斜め前方の内外に向かって踏み出す際には、前記斜めの屈曲ラインL2、L3ないしその近傍においてアッパーが屈曲する。そのため、前記主部10から斜め前方の外側または内側に向かって延びる斜め部と前記主部10とが前記屈曲ラインL2、L3として役立つ。
したがって、アッパーから足に伝わる圧迫感が小さい。
ここで、図7の前記内第1柔軟部11と外第1柔軟部21とは主部10を横断方向Xに横切る直線ないし前方に向かって凸に湾曲した曲線に沿って配置されている。そのため、第1柔軟部11または第1柔軟部21は、前記斜め部に連なった曲線上に配置され、前記斜めの屈曲ラインに沿い易い。
一方、爪先の周縁は剛性の高い周縁部30で覆われており、かつ、前記各強化部によって前記各柔軟部の前方および後方の部位が覆われている。したがって、コート系競技の前後左右への激しい動作時に爪先をアッパーで保持する機能は損なわれにくい。
本発明において、高剛性領域が低剛性領域よりも“伸びにくい”とは、高剛性領域を形成する部材のヤング率が低剛性領域のそれよりも大きく、そのため、低剛性領域に比べ高剛性領域においてシート状の部材が伸びにくいことを意味する。
かかる高剛性領域の前記部材の高い剛性により、足が内外においてアッパーに支持され、足の保持が安定する。
また、低剛性領域が高剛性領域よりも" 屈曲し易い" とは、低剛性領域を形成するシート状の部材のヤング率が高剛性領域のそれよりも小さく、そのため、シート状の部材に生じる皺の曲率半径が高剛性領域の場合よりも低剛性領域の場合の方が小さいことを意味する。
なお、骨底とは各骨における後方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、近位骨頭とも呼ばれており、一方、骨頭とは各骨における前方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、遠位骨頭とも呼ばれている。また、骨体とは前記骨底と骨頭との間の部位をいい、一般に滑らかに太さが変化している。
図1は本発明の実施例1の靴を内側から見た内側面図である。 図2は同靴を外側から見た外側面図である。 図3Aは同靴の前足部を上から見た平面図、図3Bは同靴のアッパーの部分拡大図である。 図4A、図4Bおよび図4Cはそれぞれ足の屈曲前と屈曲後におけるアッパーの前足部の変形を示す平面図である。 図5A、図5Bおよび図5Cはそれぞれ足の屈曲前、外捻れおよび内捻れにおける前足部の変形を示す平面図である。 図6Aはソールおよびアッパーの素材を示すための前足部の平面図、図6BはVIB-VIB 線における靴の断面図である。 図7は低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図8は足の屈曲の様子を示す足を内側から見た内側面図である。 図9Aは測定点を示す足の骨格の平面図、図9Bは各測定点における接触圧を示すグラフである。 図10Aは本発明の実施例2の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図10Bは本発明の実施例3の靴にかかる同平面図である。 図11Aは本発明の実施例4の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図11Bは本発明の実施例5の靴にかかる同平面図である。 図12Aは本発明の実施例6の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図12Bは本発明の実施例7の靴にかかる同平面図である。 図13Aは本発明の実施例8の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図13Bは本発明の実施例9の靴にかかる同平面図である。 図14Aは本発明の実施例10の靴の前足部を示す平面図、図14BはXIVB-XIVB 線における靴の断面図である。 図15は同実施例10の低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図16A、図16Bおよび図16Cはそれぞれ足の屈曲前、外捻れおよび内捻れにおける前足部の変形を示す平面図である。 図17は実施例11のアッパーを示し、低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図18は実施例12のアッパーを示し、低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものである。本発明の範囲は請求の範囲のみに基づいて定められる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
本発明の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は母趾の稜線L10よりも内側まで延び、前記斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
前記“外捻れ”の局面において、母趾側の屈曲は小趾側の屈曲に比べて大きく、そのため、アッパーの母趾側の屈曲も大きくなる。一方、前記“外捩れ”の局面において、第3および第4MP関節MP3 ,MP4 に沿って足が屈曲しようとする。
これに対し、前記外第1柔軟部21に加え、第1趾節間関節J1 の後方かつ前記内第2強化部(内前強化部)32の前縁に柔軟な前記斜め部12が設けられていることで、前記第2屈曲ラインL2の近傍においてアッパーが屈曲し易い。したがって、前記“外捻れ”においてアッパーが足に沿い易い。
なお、内第2強化部(内前強化部)32が第3基節骨B31 の外側面を覆っていることで、母趾を保持する安定性は損なわれにくい。
本発明の別の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延び、前記斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びている。
前記“内捻れ”の局面において、足は図9Aの第1屈曲ラインL1に加え前記第3屈曲ラインL3において屈曲する。
これに対し、前記内第1柔軟部11に加え、前記斜め部23が前記第2趾または第3趾の末節骨B12 、B13 まで延びていることで、傾斜の大きい前記第3屈曲ラインL3の近傍においてアッパーが屈曲し易い。したがって、前記“内捻れ”においてアッパーが足に沿い易い。
本発明の更に好適な実施例において、前記斜め部は内側および外側に各々設けられ、前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びており、前記外側の斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びており、前記外側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記内側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α12よりも大きい。
この場合、“外捻れ”および“内捻れ”の双方において、アッパーが足に沿い易い。
本発明の好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は前記外側に複数設けられ、前記複数の斜め部のうちの1つは、前記外前強化部42の前縁に接し、かつ、前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって延びる外第2柔軟部22を構成し、前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記外第2柔軟部22よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾および第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びる外第3柔軟部23を構成し、前記外第2柔軟部22と外第3柔軟部23とは前記高剛性領域AHの一部を挟んで前後に離間しており、前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記外第2柔軟部22の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α22よりも大きい。
前記“内捻れ”の局面において足が大きく屈曲した場合、図9Aの前記屈曲ラインL3においてアッパーが大きく屈曲する。この際、前記斜め部が外側に1つのみであると、前記アッパーの大きな屈曲を前記内第1柔軟部11と1本の斜め部23のみでは吸収が不十分となることがある。
これに対し、前記斜め部である2つの柔軟部22、23が外側において屈曲することで、前記“内捻れ”が大きい局面にも、アッパーが足に沿い易い。
この場合、更に好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は内側に設けられた斜め部を包含し、前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす前記角α23は、前記内第2柔軟部12の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす前記角α12よりも大きい。
前記“内捻れ”が大きい局面においては、足の内側も大きく屈曲する。したがって、この実施例のように、前記外側の3つの柔軟部に加え、内側の2つの柔軟部が屈曲することで、前記大きな“内捻れ”の局面においてもアッパーが足に沿い易い。
また、外側に3つの柔軟部および内側に2つの柔軟部が設けられていることで、大きな“内捻れ”および“外捻れ”においてアッパーの足沿いが向上するだけでなく、前方に向かって足が大きく屈曲した場合のアッパーの足沿いが向上する。
本発明の更に別の好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は前記内側に複数本設けられ、前記複数の斜め部のうちの1つは、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記内第2柔軟部12よりも前方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって延びる内第3柔軟部13を構成する。
前記“外捻れ”の局面において足が大きく屈曲した場合、前記屈曲ラインL2(図9A)においてアッパーが大きく屈曲すると共に、第3趾および第4趾の趾球に大きな荷重が負荷され、母趾の先端においてもアッパーが屈曲しようとする。
これに対し、前記斜め部である2つの柔軟部12、13が屈曲することで、前記“外捻れ”が大きい局面においても、アッパーが足に沿い易い。
本発明の別の好適な実施例において、前記主部10は第2中足骨B42 の骨頭から前記第2基節骨B32 の骨体まで前方または斜め前方に向かって延びている。
前記第2中足骨の骨頭において、足とアッパーとの接触圧が小さくなり、アッパーが足を圧迫しにくい。
本発明の別の好適な実施例において、前記アッパーは足の甲を覆う舌片を備え、前記主部10は前記舌片に連なり、かつ、前記主部10は前方に行くに従い前記横断方向Xの幅が小さい。
舌片に主部10が連なっている場合、前記第2中足骨の骨頭を低剛性領域ALで覆い易い。また、前記主部10がアッパーの先端に近づくに従い幅が小さい場合、アッパーの前記周縁部30による足の保持機能を確保し易い。
本発明の好適な実施例において、前記高剛性領域AHの周縁部30は、前記内第1柔軟部11の更に内側において母趾の内側面を覆い、かつ、前記外第1柔軟部21の更に外側において小趾の外側面を覆う。
この場合、母趾および小趾をアッパーの側面で保持する機能を確保し易い。
本発明の好適な実施例において、前記外第1柔軟部21は前記主部10から第3基節骨B33 の外側の縁よりも外側まで延びている。
この場合、前記屈曲ラインL1において、アッパーが屈曲し易い。
本発明の別の好適な実施例において、前記内外の第1柔軟部11,21の前記前後方向Yの幅よりも前記内外の第1柔軟部11,21の前記横断方向Xの長さの方が大きい。
この場合、各柔軟部は第1屈曲ラインL1(図9A)に沿った長さが長い。
本発明の別の好適な実施例において、一般に、前記低剛性領域ALは前記アッパーを形成するシート状の第1部材で形成され、前記高剛性領域AHは前記第1部材と、当該第1部材の表面に積層され前記第1部材よりも伸びにくい第2部材とで形成されている。
第1部材としては、例えば、メッシュ地、編布、織布、不織布、合成皮革、天然皮革等を適宜使用できる。また、第2部材としては、例えば、樹脂、ゴムや繊維材等を第1部材に接着、接合、縫着や塗布するなどして適宜使用できる。また、第1部材と第2部材は互いに接着ないし逢着して積層してもよいが積層せずとも、部分的に重ね合わせ接着、接合、縫着するなどして継いでもよい。
なお、アッパーの各パーツの材料は、本発明の作用・効果を本質的に阻害しない範囲であれば、適宜使用できる。
この場合、好適な実施例において、前記第2部材は、母趾の内側面を覆う内側縁部301と、小趾の外側面を覆う外側縁部302と、前記内側縁部301または外側縁部302から前記主部10に向かって突出し、前記前後方向Yに互いに離間した複数の凸部とを備え、前記複数の凸部の間において前記斜め部を形成する凹部を定義する。
この実施例の場合において、前記第2部材は、前記内外の側縁部301,302から前記凸部にわたって延びる堤状の突条部を有し、前記突条部65は前記凸部の縁に沿って延びているのが更に好ましい。
この場合、凸部はその引張剛性やアッパーの屈曲時の曲げ剛性が突条部によって高くなる。
本発明の好適な実施例において、前記第1部材は通気性を有する網状の部材で形成され、前記第2部材は通気を許容する複数の貫通孔を有する合成樹脂で形成されている。
高剛性領域AHの部分においても通気性が確保されると共に高剛性領域AHにおいてもアッパーが適度に屈曲し易いだろう。
本発明の好適な実施例において、前記各柔軟部11,21および斜め部は、それぞれ、前記柔軟部および斜め部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
この場合、周縁部30の近傍において強化部の幅を広く確保することができると共に、屈曲ラインに沿って長い柔軟部および斜め部が形成され易い。
本発明の好適な実施例において、前記各凸部は、それぞれ、前記各凸部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各凸部の幅は前記主部10に近づくに従い小さくなり、前記凹部は前記凹部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記凹部の幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
この場合、内外の凹部と凹部とが主部10を介して仮想のラインによって滑らかに連なり易くなり、したがって、前記各屈曲ラインに沿ってアッパーが屈曲し易い。
本発明の好適な実施例において、前記内外の第1柔軟部11,21の後縁は斜め後方に向かって延びている。
斜め後方に向かって延びる内外の第1柔軟部11、12は斜め前方に向かって延びる斜め部に主部10を介して滑らかに連なり易いだろう。
本発明の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
この場合、内第1柔軟部11において、アッパーが屈曲し易い。
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
実施例1:
図1〜図7は実施例1の靴(右足用)を示す。
以下の実施例において、INは足の内側を示し、OUTは足の外側を示す。
図1に示すように、本実施例の靴は、着地の衝撃を吸収するソール51,52と、足の甲を包むアッパーUとを有する。前記ソールは足裏を支えるものでアウトソール51とミッドソール52とを備える。図1に示すように、このアッパーUには、ハトメ孔などの複数の挿通孔100が設けられている。
これらの挿通孔100に挿通されたシューレース103(締付部材の一例)を締め上げることで、アッパーUが足の甲にフィットする。
図1に示すように、前記アッパーUは、着用時に脚が上方に出る第1開口101と、第1開口101の前方Y1に位置し舌片Tで閉じられた第2開口102とを有している。前記第1および第2開口101,102は、前後方向Yにおいて前後に互いに連なっている。舌片Tは足の甲を覆う。
図6Aはアッパーおよびソールの材質を示す。
図6Aにおいて、ハッチングを施して示す巻上部51aはゴム製のアウトソール51(図1)が大きく巻き上げられて形成されており、足の内側を支える。前記ハッチングとは異なるハッチングを施して示す巻上部52aは発泡樹脂製のミッドソール52(図1)が巻き上げられて形成されており足の周縁を支える。
前記アッパーの前足部は、低剛性領域ALと第1および第2高剛性領域AH1 ,AH2 を備える。低剛性領域ALには網点およびハッチングが施されていない。一方、高剛性領域AHi Hi には網点またはハッチングが施されており、また、高剛性領域AHi の中でも、より剛性の高い第2高剛性領域AH2 には密度が大きい網点が施されている。
前記低剛性領域ALは足の爪先の一部を覆い前記高剛性領域AHi よりも伸び易く、かつ、屈曲し易い。前記高剛性領域AHi は低剛性領域ALの周囲において前記爪先の他の一部を覆い、前記低剛性領域ALよりも伸びにくく、かつ、屈曲されにくい。そのため、足が屈曲してアッパーが屈曲する際には、前記低剛性領域ALにおいてアッパーにシワが生じてアッパーの材料が緩む。
なお、高剛性領域AH1 にも低剛性領域ALに生じるシワよりも曲率の小さいシワが生じる。
図6Bに示すように、前記低剛性領域ALはアッパーUを形成する柔軟なシート状の第1部材61で形成されている。
図6Aの前記第1高剛性領域AH1 は前記第1部材61と、図6Bの当該第1部材61の表面に積層され前記第1部材61よりも伸びにくい第2部材62とで形成されている。前記第2高剛性領域AH2 は前記第1高剛性領域AH1 を形成する第1および第2部材61,62の上に、更に、非伸縮性の第3部材63が溶着ないし縫着されて形成されている。
なお、図6Bおよび後述の図14Bにおいて、図を見易くするために、第1〜第3部材61〜63は線図で示されている。
図3Bに示すように、前記第1部材61は通気性を有する網状の部材で形成され、前記第2部材62は通気を許容する複数の貫通孔64を有する合成樹脂で形成されている。前記合成樹脂の第2部材62は第1部材61と一体に成形されていてもよい。
前記第3部材63としては、一般的にハトメを形成(ハトメ飾りを構成)する合成皮革、樹脂やテープ材等を用いることができる。
なお、ゴム製の前記巻上部51aは前記第3部材63の表面の一部を覆い、前記高剛性領域AH2 の一部を構成し、最も剛性が高い。
図7において、前記低剛性領域ALは主部10と、複数の内第1柔軟部11〜第3柔軟部13、外第1柔軟部21〜第3柔軟部23とを備える。前記主部10は前記前足部の内外の中間において足の前後方向Yおよび前記前後方向Yに直交する横断方向Xに拡がり第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの領域の一部を含む。
前記主部10は以下に説明する核領域10cを含むのが好ましい。
図9Aの3本の屈曲ラインL1〜L3および接触圧の高い測定点S2において、アッパーは柔軟であることが望ましい。それ故、前記核領域10cは第1趾節間関節J1 と第2MP関節MP2 とを結んだ直線(図示せず)と、第2趾節間関節J2 と第1MP関節MP1 とを結んだ直線(図示せず)との交点P10および第2中足骨B42 の骨頭を含むのが好ましい。
つまり、核領域10cは第1基節骨B31 の骨体と第2基節骨B32 の骨体との間の中心点P10(図9A)と、前記第2中足骨B42 の骨頭を含むのが好ましい。かかる核領域10cを主部10が含むことで、主部10が前方への屈曲、“外捩れ”および“内捩れ”の全ての局面においてアッパーの屈曲し易さに寄与するだろう。
図7の前記内第1柔軟部11は、前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い概ね前記横断方向Xに沿って前記主部10から前記第1基節骨B31 の真上よりも足の内側INに向かって延び前記主部10に連なる。一方、前記外第1柔軟部21は概ね前記横断方向Xに沿って前記主部10から足の外側OUTに向かって延び前記主部10に連なる。
なお、図6Aの第3部材63で形成されたハトメ飾りには斜め後方に向かって延びる切欠部111および121が形成されている。これらの切欠部111,121は第2開口102に連なっており、第3部材63を屈曲し易くしている。
前記内第1柔軟部11と前記外第1柔軟部21は、主部10の核領域10cを前記横断方向Xに横切る図6Aの断面線VIB-VIB で示される仮想の直線上、あるいは、図14Aの前記主部10の核領域10cを前記横断方向Xに横切り前方Y1に向かって凸に湾曲した断面線XIVB-XIVB で示される仮想の曲線上に沿って配置される。つまり、前記内外の第1柔軟部11,12は互いに前後方向Yの概ね同じ位置に配置され、核領域10cを間に挟んで互いに横断方向Xに対向している。
なお、前記仮想の曲線は、曲線と直線とが滑らかに連なるものであってもよい。
前記内第2柔軟部12および内第3柔軟部13は、前記各第1柔軟部11,21よりも前方Y1に配置され、前記主部10から斜め前方の内側INに向かって延び前記主部10に連なる斜め部を構成する。
前記外第2柔軟部22および外第3柔軟部23は、前記各第1柔軟部11,21よりも前方Y1に配置され、前記主部10から斜め前方の外側OUTに向かって延び前記主部10に連なる斜め部を構成する。
図6Aの本実施例において各柔軟部11〜13,21〜23は、第3部材であるハトメ部材63の前端よりも前方Y1に配置されている。
また、ハトメ部材63は前端において内外に互いに分離されており連なっていない。
前記低剛性領域ALには前記第1高剛性領域AH1 AH2 が接している。
前記第1高剛性領域AH1 は周縁部30および前記周縁部30に連なる第1内強化部31〜第3内強化部33,先端強化部34,第1外強化部41〜第3外強化部43を備える。
前記周縁部30は前記ソール51,52に連なり、前足の内側、外側および先端のそれぞれにおいて前記爪先の周縁を覆う内側縁部301,外側縁部302および先端縁部303を包含する。
本実施例の場合、前記先端縁部303は内側縁部301および外側縁部302に連なっている。
図7において、内第1強化部(内後強化部)31は前記内第1柔軟部11の後縁11bに接し前記内側縁部301に連なる。前記内第1強化部31は第1中足骨B41 の骨頭の一部を覆う。
前記内第2強化部(内前強化部)32は前記内第1柔軟部11の前縁11fおよび内第2柔軟部12の後縁11bに接し、前記周縁部30に連なり前記内側縁部301から前記主部10に向かって延びる。前記内第2強化部32は第1基節骨B31 の骨体の一部を覆う。
前記内第3強化部(斜め部に接する部位の一例)33は、内第2柔軟部12の前縁12fおよび内第3柔軟部13の後縁13bに接し、前記内側縁部301に連なり、前記内側縁部301から前記主部10に向かって斜め後方に延びる。前記内第3強化部33は前記第1趾節間関節J1 の上面を覆う。
前記先端強化部34は前記内第3柔軟部13の前縁13fおよび外第3柔軟部23の前縁23fに接し、前記周縁部30の先端縁部303に連なる。前記先端強化部34は先端縁部303から前記主部10に向かって後方Y2に延び、第1趾の末節骨B11 または第2趾の未節骨B12 の一部、または、これらの未節骨B11 ,B12 の間の部位の一部を上面から覆うのが好ましい。
図7において、前記外第1強化部(外後強化部)41は、前記外第1柔軟部21の後縁21bに接し前記外側縁部302に連なる。前記外第1強化部41は第3および第4基節骨B33 ,B34 の骨底の上面の一部または全部を覆う。
前記外第2強化部(外前強化部)42は、前記外第1柔軟部21の前縁21fおよび外第2柔軟部22の後縁22bに接し前記外側縁部302に連なる。前記外第2強化部42は、前記外側縁部302から前記主部10に向かって延び、第3または第4基節骨B33 ,B34 の骨頭の上面の一部または全部を覆うのが好ましい。
前記外第3強化部(斜め部に接する部位の一例)43は、外第2柔軟部22の前縁22fおよび外第3柔軟部23の後縁23bに接し、前記外側縁部302に連なる。前記外第3強化部43は外側縁部302から前記主部10に向かって斜め後方に延び第3未節骨B13 の上面の一部または全部を覆う。
図6Bの前記第2部材62は、図7の母趾の内側面を覆う前記内側縁部301と、小趾の外側面を覆う前記外側縁部302と、前記母趾および小趾の先端の前面を覆う前記先端縁部303と複数の凸部とが一体に連なっている。前記凸部は前記各強化部31〜34、41〜43を形成しており、前記内側縁部301,先端縁部303または外側縁部302から前記主部10に向かって突出する。
前記第2部材62は前記複数の凸部の間において前記各柔軟部11〜13,21〜23を形成する凹部を定義する。
図3Aにおいて、前記第2部材62は、前記内外の縁部301,302から前記凸部にわたって延びる堤状の突条部65を有する。前記突条部65は前記凸部の縁に沿って延びている。
図7において前記内第2柔軟部12は前記内第2強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方Y2において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側INに延びる。
前記外第3柔軟部23の延びる方向は前記内第2柔軟部12の延びる方向よりも前記横断方向Xに対して大きく傾いている。
前記外第2柔軟部22は前記外第2強化部42の前縁および外第3強化部43の後縁に接し、かつ、第3趾の先端よりも後方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって延びる。
前記外第3柔軟部23は前記外第2柔軟部22よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の末節骨B12 または第3趾の未節骨B13 またはこれらの間の部位まで延びる。
前記外第2柔軟部22と外第3柔軟部23とは前記外第3強化部43を挟んで前後に離間している。前記外第3柔軟部23の延びる方向は前記外第2柔軟部22の延びる方向よりも前記横断方向Xに対して大きく傾いている。
つぎに、本実施例1の靴を足に装着し、足を背屈させた場合に生じる、前記アッパーUの変形の様子が説明される。
図4Aは立位におけるアッパーUの状態を示す。この状態から踵を上昇させ足を背屈させたところ、図4Bのように、足の内側においては内第1および第2柔軟部11,12にシワ(ruck) が生じ、これら内第1および第2柔軟部11,12が前後に縮み、一方、足の外側においては外第1および第2柔軟部21,22が同様に前後に縮んだ。
ここで、" 各柔軟部11〜13、21〜23が縮む" とは、各柔軟部の延びる方向に沿って皺が生じ、そのため、各柔軟部の前縁に後縁が近づく(たとえば内第1柔軟部11の後縁11bが前縁11fに近づく)ことにより、1つの柔軟部の前縁から後縁までの距離が小さくなることを意味する。
なお、前記内外の柔軟部の間の主部10には、前記横断方向Xに沿ったシワRが生じた。
また、先端の内第3柔軟部13および外第3柔軟部23の縮みは極めて小さかった。
前記踵を更に上昇させ足を大きく背屈させたところ、図4Cのように、前記内柔軟部11,12や外柔軟部21,22の縮みや前記シワRが大きくなった。
なお、先端の内第3柔軟部13および外第3柔軟部23にも若干の縮みが生じた。
この結果から、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の前方にそれぞれ内第2柔軟部12および外第2柔軟部22を設けることは、足の大きな屈曲時に有効であると推測される。
図5Aは前記図4Aと同様の立位におけるアッパーUの状態を示し、この状態から前記“外捩れ”となるように踵を上昇させたところ、前記図5Bのように、前記内第1柔軟部11が若干前後に縮み、かつ、前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21が前後に大きく縮んだ。また、内第2柔軟部12と外第1柔軟部21との間において、内第2柔軟部12および外第1柔軟部21に連なるシワRが主部10に生じた。
この場合、内第3柔軟部13,外第2柔軟部22および外第3柔軟部23の縮みは小さかった。
このように、“外捩れ”の場合に、前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21の縮みが大きくなった理由は、前記図7および図9Aの屈曲ラインL2に沿って足が屈曲するためであると推測される。
また、足の屈曲ラインL2が後方Y2に向かって凸に湾曲しているのに対し、図5BのアッパーのシワRは直線的ないし前方Y1に向かって若干凸に湾曲した。このように屈曲のラインが足とアッパーとで若干異なる理由は、シート状のアッパーは足と異なり湾曲したシワが生じにくく、かつ、アッパーは周囲が拘束され、また、アッパーの変形は足から上方に向かって離れるように変形する等が原因と思われる。
一方、図5Aの立位の状態から“内捩れ”となるように踵を上昇させたところ、図5Cのように前記内第1柔軟部11および外第3柔軟部23にシワが生じ、これらが前後に大きく縮んだ。また、前記内第1柔軟部11と外第3柔軟部23との間の主部10にシワRが生じた。
このように、“内捩れ”の場合に、前記内第1柔軟部11および外第3柔軟部23の縮みが大きくなった理由は、前記図7および図9Aの屈曲ラインL3に沿って足が屈曲するためであると推測される。
前記“外捩れ”に比べ前記“内捩れ”は大きくすることが可能であり、例えばコート系競技等の運動中に“内捩れ”が大きくなることがある。
前記“内捩れ”を更に大きくすると、図5Cのように、前記主部10のシワRや内第1柔軟部11および外第3柔軟部23の前記シワや縮みが大きくなると共に、前記外第1柔軟部21に縮みやシワが生じ、更に内第2柔軟部12,外第2柔軟部22にも縮みやシワが生じた。また、内第1柔軟部11と外第2柔軟部22との間の主部10にもシワRが生じた。
したがって、“内捩れ”に対しては前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21も有効に作用すると推測される。
上記のように内外の柔軟部の間において主部10にシワが生じるためには、図7の前記主部10の横断方向Xの幅は第2基節骨B32 を含む部位において40mm以下10mm以上が好ましく、13mm以上が更に好ましく、15mm以上が最も好ましい。また、前記主部10の第2基節骨B32 の骨底からの前後方向Yの長さは60mm以下15mm以上が好ましく、20mm以上が更に好ましく、25mm以上が最も好ましい。また、主部10は第2中足骨B42 の骨頭から第1ないし第2基節骨B31 ,B32 の骨頭まで延びているのが好ましい。
前記テストの結果を踏まえると、図10Aのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に斜め部として内第2柔軟部12のみを設けた場合にも“外捩れ”に適した構造が得られるだろう。一方、図10Bのように、内第1柔軟部11,外第1柔軟部21の他に斜め部として外第3柔軟部23のみを設けた場合にも“内捩れ”に適した構造が得られるだろう。
また、図11Aのように、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内側の柔軟部12,13のみを設けた場合には、“外捩れ”に適した構造となるだろう。一方、図11Bのように、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として外側の外柔軟部22,23のみを設けた場合には、“内捩れ”に適した構造となるだろう。
また、図12Aのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内第2柔軟部12および外第3柔軟部23を設けた場合には、“外捩れ”および“内捩れ”の双方に適した構造が得られるだろう。
前記図5Cの“内捩れ”のテストにおいて、踵の上昇が小さい間や“内捩れ”が小さい場合には、外第2柔軟部22が変形した。したがって、“内捩れ”が小さく、かつ、踵の上昇が小さい場合は、図12Bのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内第2柔軟部12および外第2柔軟部22の双方を設けるのが好ましいだろう。
本発明において、図13Aの内第1柔軟部11および外第1柔軟部21は前方に向かって凸の屈曲ラインL1上に配置され、かつ、屈曲ラインL1の多くの部分が内第1柔軟部11,主部10および外第1柔軟部21に含まれるのが好ましい。
同様に、屈曲ラインL2の多くの部分が内第2柔軟部12,主部10および外第1柔軟部21に含まれるのが好ましく、屈曲ラインL3の多くの部分が内第1柔軟部11,主部10および外第3柔軟部23に包含されるのが好ましいだろう。
こうした観点から各内柔軟部11,12、外柔軟部21〜23を形成する凹部は、図13Aに示すように、主部10に近づくに従い凹部の幅W1が大きくなるように形成されるのが好ましい。この場合、各凹部が滑らかな曲線を含み易い。したがって、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21が屈曲ラインL1上に配置され易く、内第2柔軟部12および外第1柔軟部21が屈曲ラインL2上に配置され易く、内第1柔軟部11および外第3柔軟部23が屈曲ラインL3上に配置され易い。
なお、凹部(各柔軟部11〜13(図13B),21〜23)の幅W1とは、凹部が主部10から延びる方向に直交する方向の長さ(前縁と後縁の間の距離)を意味する。
一方、前記凹部に挟まれた凸部(図6Aの各強化部32〜34,42,43)は前記主部10に近づくに従い先窄まりの形状となるように形成される。つまり、前記凸部は主部10に近づくに従い凸部の幅W2が小さくなるように形成される。
なお、凸部(各強化部32〜34,42,43)の幅W2とは凸部が主部10から延びる方向に直交する長さを意味する。
本発明において、図13Aの内第1柔軟部11および外第1柔軟部21は第1趾のMP関節MP1 〜第4趾のMP関節MP4 を結んだラインに沿って少し前方にズレているのが好ましいだろう。また、内第1柔軟部11は一部もしくは全部が主部10を介して外側の斜め部22,23に滑らかに連なっているのが好ましいだろう。一方、外第1柔軟部21は一部もしくは全部が主部10を介して内側の斜め部12,13に滑らかに連なっているのが好ましいだろう。
かかる観点から、内第1柔軟部11は主部10から遠ざかるに従い、斜め後方の内側INに向かって延びているのが好ましい。一方、外第1柔軟部21は主部10から遠ざかるに従い斜め後方の外側OUTに向かって延びているのが好ましい。
ここで、図7の各柔軟部11〜13,21〜23の延びる方向とは、図6Aの各柔軟部11〜13,21〜23を上下または斜めに2等分する仮想の中心線11c〜13c,21c〜23cの延びる方向を意味する。
したがって、図13Bのように、内外の第1柔軟部11,21の後縁11b,21bが真横に延び、前縁11f,21fが主部10から斜め後方に向かって延びていてもよい。また、内外の第2柔軟部12,22の前縁12f,22fが真横に延び、後縁12b,22bが主部10から斜め前方に向かって延びていてもよい。
本発明において、図7の前記主部10は前記第2中足骨B42 の骨頭を該領域10cの一部として覆っているのが好ましい。測定点S2(図9A)つまり第2中足骨B42 の骨頭において前記接触圧が大きくなるのを抑制するためである。
前記内第1柔軟部11の後縁11bおよび内第2柔軟部12の前縁12fは前記中足趾節間関節MP1 よりも前方で、かつ、前記趾節間関節J1 よりも後方に配置されるのが好ましい。このような配置は前記測定点S4(図9A)つまり、基節骨B31 において前記接触圧が大きくなるのを抑制するだろう。
この接触圧を小さくするためには、前記内第1および第2柔軟部11,12は第1基節骨B31 の稜線L10よりも内側INまで延びているのが好ましい。
前記外第1柔軟部21の前記後縁21bは前記MP関節MP3 よりも前方に配置されるのが好ましい。このような配置は前記測定点S5(図9A)つまり、基節骨B33 において前記接触圧が大きくなるのを抑制するだろう。
この部位の接触圧が小さくなるためには、前記外第1柔軟部21は第3基節骨B33 の稜線L30よりも外側OUTまで延びているのが好ましく、第4基節骨B34 の外側の縁よりもOUTまで延びているのが更に好ましい。
図7,図13Aおよび図13Bのように、前記外第3柔軟部23は第2趾の未節骨B12 の外側の縁よりも外側OUTまで延び、かつ、第3趾の未節骨B13 の先端よりも前方Y1まで延びているのが好ましい。
この場合、図13Aの屈曲ラインL3に沿ってアッパーが屈曲し易いだろう。
図14A〜図16Cは実施例10を示す。
この実施例10は内外の第1柔軟部11,21が若干斜め後方に向かって延びており、一方、内外の第2柔軟部12,22が真横に近い斜め前方に向かって延びている点において前記図7の実施例1と異なっている。
つぎに、前記実施例10の靴を足に装着し、足を背屈させた場合に生じる、前記アッパーUの変形の様子が説明される。
図16Aは前記図15と同様の立位におけるアッパーUの状態を示す。この状態から前記 “外捩れ”となるように踵を上昇させたところ、アッパーUは図16Bのような変形を呈した。この図16Bに示すように、内第2強化部32が内第3強化部33と上下に重なるぐらいまで内第2柔軟部12が変形し、かつ、アッパーの変形が図5Bの場合に比べスムースでなかった。
このような現象の生じた理由は、図16Aの内第2柔軟部12と外第1柔軟部21とが主部10を介して連なる帯状の領域が屈曲ラインL2に沿って滑らかに連なっていないからであると推測される。
一方、前記“外捩れ”において、図15の第1趾は母趾球O1が離地し、かつ、未節骨B11 が接地し、第2趾から第4趾の中足骨B42 〜B44 の骨頭が接地した状態となる。そのため、前記中足趾節間関節MP2 〜MP4 (図示せず)を結んだラインよりも前方で、かつ、このラインに概ね平行な屈曲ラインL2に沿って前記内第2柔軟部12が延びているのが好ましい。
すなわち、内第2柔軟部12は趾節間関節J1 よりも後方において基節骨B31 の前半分の一部を覆い更に全部を斜めに横断するのが好ましく、かつ、屈曲ラインL2に沿って前記内第2柔軟部12が延びているのが好ましい。
このような理由から図7の前記内第2柔軟部12の中心線12cと前記横断方向Xに沿った仮想のラインとのなす角α12は、5°以上であるのが好ましく、10°以上であるのが更に好ましく、15°以上であるのが最も好ましい。
また、前記角α12は、40°以下であるのが好ましく、35°以下が更に好ましく、30°以下が最も好ましい。
同様の理由から、図6Aの内第2柔軟部12の後縁12bのラインが横断方向Xの仮想のラインとなす角β12は5°以上であるのが好ましく、10°以上であるのが更に好ましく、15°以上であるのが最も好ましい。
また、前記角β12は40°以下が好ましく、35°以下が更に好ましく、30°以下が最も好ましい。
なお、後縁のラインと横断方向Xに沿った仮想のラインとがなす角βは、各柔軟部の基端と先端との間の中間部分における接線(または包絡線)と前記仮想のラインとがなす角βで定義されるべきである。
また、図15の前記実施例9の内外の柔軟部13,23の横断方向Xに対する傾きは前記図7の実施例1のそれよりも小さい。
図16Aの立位の状態から前記“内捩れ”となるように踵を上昇させたところ、外第3柔軟部23から内第1および内第2柔軟部11,12に向かってシワのラインが生じ、かつ、外第2柔軟部22から内第1柔軟部11に向かってシワのラインが生じ、前記実施例1に比べアッパーUの屈曲がスムースではなかった。
すなわち、このように屈曲がスムースでない理由は、この例の場合、外第3柔軟部23の傾きが小さく、そのため、外第3柔軟部23と内第1柔軟部11とが主部10を介して連なる帯状の領域が、屈曲ラインL3に沿って滑らかに連なっていないためであると推測される。
前記“内捩れ”において、図15の母趾球O1および母趾の未節骨B11 に大きな接地圧が加わり、第2趾の未節骨B12 に小さな接地圧が加わる。したがって、図13A(図13B)のように、前記屈曲ラインL3に沿って前記主部10または外第3柔軟部23が基節骨B32 の骨頭の一部もしくは全部を覆い、かつ、図13A(図13B)の外第3柔軟部23が第2趾または第3趾の未節骨B12 ,B13 の一部まで延びていたり、図7のように前記2つの未節骨B12 ,B13 の間まで延びているのが好ましい。
このような理由から、図7の前記外第3柔軟部23の中心線23cと前記横断方向Xのラインとのなす角α23や図6Aの外第3柔軟部23の後縁23bのラインが前記ラインとなす角β23は25°以上が好ましく、35°以上が更に好ましく、40°以上が最も好ましい。
一方、図6Aの角β23および図7の角α23は70°以下が好ましく、65°以下が更に好ましく、60°以下が最も好ましい。
ところで、アッパーの素材は平面的なシート状の部材が製造時に変形されて立体成形される。このような変形は前記各柔軟部11〜13,21〜23の形状、寸法、傾きおよび配置の誤差が生じる原因となる。したがって、アッパーの設計時には、かかる製造誤差を考慮する必要がある。
図17および図18の実施例は、第2開口102が足の甲の稜線に沿って内側に向かって傾いている。かかる第2開口の構造を持つPCT/JP2007/69809(WO2008/047659A1)として米国特許庁に出願されており、ここにその記述の全てが組み込まれる。
第2開口102はその中心線が第1趾から第2趾にかけての足の甲の稜線に沿うように設けられている。すなわち、第2開口102の中心線は、足の前方に行くに従い足の内側INに向かって傾いており、したがって、足の前後方向Yに対して傾いている。
図17の実施例では、内第3柔軟部13が主部10に滑らかに連なっている。また、外第3柔軟部23の前方に斜め部の一つを形成する第4柔軟部24が設けられている。
このように、内外の柔軟部はそれぞれ4個以上であっても、本発明の作用・効果を本質的に阻害しない範囲であれば、適宜設けてよい。また、第1柔軟部と第3柔軟部との間に第2柔軟部とは異なる別の柔軟な部位が設けられてもよい。
また、外第3柔軟部23と主部10を介して滑らかに連なる補助柔軟部14が設けられている。補助柔軟部14は足の甲の内側において主部10から斜め後方に延びている。
このアッパーは“内捩れ”に適しているだろう。
前記各柔軟部の間には、ハトメ部材が設けられている箇所があり、前記主部10の上方をシューレースが通る。
図18の実施例では、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21がそれぞれ第1および第3基節骨B31 ,B33 の骨体の一部を覆い、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21に概ね平行に切欠部111,121が設けられている。これらの切欠部111,121は、それぞれ、第1および第3中足骨B41 ,B43 の骨頭の部位に形成されている。
この実施例において、前記外第1〜外第3柔軟部21〜23は、一部の部分において第1部材61に第2部材62が積層されて強化されていてもよい。このように各柔軟部が局部的に強化されても、各柔軟部21〜23の屈曲のし易さは実質的に損なわれないだろうし、前記各柔軟部21〜23には前記製造の変形による誤差が生じにくいだろう。
この実施例の場合、各柔軟部21〜23において第2部材62で強化された連結部29は、各柔軟部21〜23の前後の強化部41、42、43、34を互いに連結している。
そのため、隣接する強化部(例えば43と34)の間の距離、つまり、各柔軟部21〜23の幅の製造誤差が生じにくいだろう。
前記局部的に強化された連結部29は足の屈曲時に各柔軟部21〜23と共に屈曲するだろう。すなわち、各柔軟部21〜23は前記第2部材62で局部的に強化された部分29があっても、当該強化された部分29が高剛性領域AHよりも屈曲し易くなっておれば、当該部分29も柔軟部21〜23の一部であると認定されるべきである。
換言すれば、本発明において、各柔軟部21〜23は高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易くなっておればよく、主部10に本質的に連なっていればよく、主部10に連結部29を介して連なっていてもよい。
なお、連結部29を設ける位置は主部10から各柔軟部の延びる方向に少し離れた位置が好ましいだろう。
本発明は前記コート系競技用の他に通常のアスレチック用の靴のアッパーの前足部の構造としても利用できる。
10:主部
10c:核領域
11:内第1柔軟部
12:内第2柔軟部
13:内第3柔軟部
21:外第1柔軟部
22:外第2柔軟部
23:外第3柔軟部
11f,12f,13f,21f,22f,23f,:前縁
11b,12b,13b,21b,22b,23b,:後縁
11c〜13c,21c〜23c:中心線
31:内第1強化部(内後強化部)
32:内第2強化部(内前強化部)
33:内第3強化部
34:先端強化部
41:外第1強化部(外後強化部)
42:外第2強化部(外前強化部)
43:外第3強化部
30:周縁部
301:内側縁部
302:外側縁部
303:先端縁部
51:アウトソール
51a:巻上部
52:ミッドソール
52a:巻上部
61:第1部材
62:第2部材
63:第3部材
64:貫通孔
65:突条部
AL:低剛性領域
AHi :高剛性領域
L1:第1屈曲ライン
L2:第2屈曲ライン
L3:第3屈曲ライン
L10,L30:稜線
α,β:角
100:挿通孔
101:第1開口
102:第2開口
103:シューレース
O1:母趾球
B1i :末節骨
B3i :基節骨
B4i :中足骨
i :趾節間関節
MPi :中足趾節間関節(MP関節)
本発明は靴のアッパーの前足部の改良された構造に関する。
前後左右の激しい動作の多いテニス、バレーボール、バスケットボールなどのコート系競技において、スポーツシューズは、足部の障害等を防止する為に、前足部を甲皮で保持する必要がある。そのため、甲皮の材料は、非伸縮性かつ高い強度が求められる。甲皮は人工皮革、合成皮革やベルトにより補強される場合が多い。
このような甲皮は剛性が高い。そのため、甲皮が足にフィットしにくくなる。例えば、上記のコート系競技で頻出する踵部を上昇させる場合や、踵を上昇させ内側に捻る場合や、踵を上昇させ外側に捻る場合では、アッパーの前足部に大きな皺が生じ、足先が局所的に圧迫され易い。
実公平6-49205 号 実開昭62-109607 号 実開平5-10649 号 実開平4-107608号 特開平9-304 号 特開平10-225302 号 WO2008-000398 (特表2009−540976) AT4132/82 (特公昭62-033881 ) 実公平01-026245 号 WO2008/047659A1
前記特許文献1には、靴の前方踏み付け部の屈曲部相当箇所に切欠部が形成されたつま先補強部材が開示されている。
前記特許文献2には、内外に互いに対向する櫛歯状の補強シートにより、屈曲し易く、かつ、横方向に力が加わっても変形しにくいアッパーが開示されている。
前記特許文献3には、アッパーの爪先部に略十字状の切欠部を形成し、前記切欠部に伸縮部材が縫着されたアッパーが開示されている。
発明の解決しようとする課題
しかし、前記各特許文献の技術では、アッパーによる前足の保持と屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)の双方を実現することは難しいだろう。
したがって、本発明の目的は前足の保持状態と屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)の双方が得られるアッパーの前足部の改良された構造を提供することである。
図7はアッパーの一例を示す。
本発明は、足裏を支えるソール51,52と足の甲を覆うアッパーUとを備えた靴のアッパーUの前足部の構造であって、前記アッパーUの前足部は低剛性領域ALおよび高剛性領域AHを包含し、前記低剛性領域ALは足の爪先の一部を覆い前記高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易く、前記低剛性領域ALは、前記前足部の内外の中間において足の前後方向Yおよび前記前後方向に直交する横断方向Xに拡がり第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの部位の一部を含む主部10と、前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の内側に向かって延び前記主部10に連なる内第1柔軟部11と、第3基節骨B33 または第4基節骨B34 の骨体から骨底までの一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の外側に向かって延び前記主部10に連なる外第1柔軟部21と、前記各第1柔軟部11,21よりも前方に配置され、前記主部10から斜め前方の外側または斜め前方の内側に向かって延び前記主部10に連なる少なくとも1つの斜め部とを備え、ここにおいて、前記内第1柔軟部11と前記外第1柔軟部21とは、前記主部10を前記横断方向Xに横切る直線上、あるいは、前記主部10を横切り前方に向かって凸に湾曲した曲線上に沿って配置されており、前記高剛性領域AHは前記主部10の周囲において前記爪先の他の一部を覆い、前記低剛性領域ALよりも伸びにくく、かつ、屈曲されにくく、前記高剛性領域AHは、前記ソール51,52に連なり、足の内側、外側および先端のそれぞれにおいて前記爪先の周縁を覆う周縁部30と、前記内第1柔軟部11の後縁に接し前記周縁部30に連なり前記第1中足骨B41 の骨頭の一部を覆う内後強化部31と、前記内第1柔軟部11の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延び前記第1基節骨B31 の骨体の一部を覆う内前強化部32と、前記外第1柔軟部21の後縁に接し前記周縁部30に連なる外後強化部41と、前記外第1柔軟部21の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延びる外前強化部42と、前記斜め部の前縁および後縁に設けられ前記斜め部の前記前縁および後縁に接する部位とを備える。
本発明の効果の説明に先立って、本発明の原理について説明する。
図8は足Fが前方Y1に向かって踏み出す形状の変化を示す側面図である。
図8に示すように、前方に向かって踏み出す場合、足裏は中足趾節間関節(以下、MP関節という)において大きく屈曲する。
この際、足裏は前記MP関節よりも後方の母趾球O1を含む第1〜第3中足骨の骨頭の部位およびその前方の爪先が接地する。一方、足の爪先の上面は前記母趾球O1よりも前 方Y1のMP関節の近傍において屈曲する。
このように、足の前足の上面の屈曲位置は足裏の屈曲位置とは異なる。一方、足の上面の屈曲状態とアッパーの屈曲状態にズレが生じるのは避けられない。そこで、以下の手法で足の屈曲時のアッパーと足の前足の上面との関係を調べた。
図9Aおよび図9Bを用いて屈曲時のアッパーによる足への圧迫感を調べた結果を説明する。
図9Aは足とアッパーとの間に生じる接触圧を測定した測定点S1〜S9を示す平面図であり、図9Bは前記各測定点S1〜S9において測定された圧力を示すグラフである。市販のテニスシューズを着用し踵を130mm上昇させた状態で前記圧力が測定された。
図9Aおよび図9Bから分かるように、第1基節骨B31 の骨体、第3基節骨B33 の骨体および第2中足骨B42 の骨頭の部位において前記圧力が大きい。したがって、これらの部位の圧力が小さくなれば、屈曲時の圧迫感の少ない足沿い(追従性)が得られると推測される。
本発明によれば、高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易い低剛性領域ALは、主部10と前記主部10から内外に延びる内第1柔軟部11および外第1柔軟部21を有する。主部10は第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの一部を覆い、前記内第1柔軟部11は前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い、前記外第1柔軟部21は前記主部10から足の外側に延びる。
したがって、前記内第1柔軟部11および前記内第2柔軟部12は前記爪先の上面が屈曲する第1屈曲ラインL1または当該ラインL1の直前方に設けられている。
一方、シューレースで締め付けられたアッパーの甲部は足の甲にフィットしており、爪先の先端は足趾で踏みつけられたソールに固着されている。そのため、アッパーは爪先の先端と甲部との間で屈曲するのが望ましい。ここで、前記内第1柔軟部11から前記外第1柔軟部にわたって横方向に延びる柔軟な帯状の領域は前記図8の母趾球O1よりも前方に配置されている。したがって、足の屈曲に伴い、前記柔軟な帯状の領域においてアッパーが屈曲し、アッパーから足への圧迫が小さい。
足を斜め前方の外側に向かって踏み出す際には踵を上昇させ外側に捻る“外捻れ”となる。(踵の内側が内側に向こうとする。)この“外捻れ”の場合、図9Aの第2趾から第5趾の外側の足趾のMP関節MP2 〜MP5 に沿って足が屈曲する。
そのため、アッパーは前記MP3 およびMP4 よりも前方の斜めの第2屈曲ラインL2または当該ラインL2の近傍に沿って屈曲し易い。
一方、足を斜め前方の内側に向かって踏み出す際には、踵を上昇させ内側に捻る“内捻れ”となる。(踵の外側が外側に向こうとする。)この“内捻れ”の場合、図9Aの母趾球O1および第1趾の末節骨B11 に大きな荷重がかかり、第2趾および第3趾末節骨B12 、B13 が接地してバランスを保つ。そのため、アッパーは斜めに大きく傾いた第3屈曲ラインL3または当該ラインL3の近傍に沿って屈曲し易い。
このように、足を斜め前方の内外に向かって踏み出す際には、前記斜めの屈曲ラインL2、L3ないしその近傍においてアッパーが屈曲する。そのため、前記主部10から斜め前方の外側または内側に向かって延びる斜め部と前記主部10とが前記屈曲ラインL2、L3として役立つ。
したがって、アッパーから足に伝わる圧迫感が小さい。
ここで、図7の前記内第1柔軟部11と外第1柔軟部21とは主部10を横断方向Xに横切る直線ないし前方に向かって凸に湾曲した曲線に沿って配置されている。そのため、第1柔軟部11または第1柔軟部21は、前記斜め部に連なった曲線上に配置され、前記斜めの屈曲ラインに沿い易い。
一方、爪先の周縁は剛性の高い周縁部30で覆われており、かつ、前記各強化部によって前記各柔軟部の前方および後方の部位が覆われている。したがって、コート系競技の前後左右への激しい動作時に爪先をアッパーで保持する機能は損なわれにくい。
本発明において、高剛性領域が低剛性領域よりも“伸びにくい”とは、高剛性領域を形成する部材のヤング率が低剛性領域のそれよりも大きく、そのため、低剛性領域に比べ高剛性領域においてシート状の部材が伸びにくいことを意味する。
かかる高剛性領域の前記部材の高い剛性により、足が内外においてアッパーに支持され、足の保持が安定する。
また、低剛性領域が高剛性領域よりも" 屈曲し易い" とは、低剛性領域を形成するシート状の部材のヤング率が高剛性領域のそれよりも小さく、そのため、シート状の部材に生じる皺の曲率半径が高剛性領域の場合よりも低剛性領域の場合の方が小さいことを意味する。
なお、骨底とは各骨における後方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、近位骨頭とも呼ばれており、一方、骨頭とは各骨における前方の関節に近い部位で若干太く膨らんだ部位をいい、遠位骨頭とも呼ばれている。また、骨体とは前記骨底と骨頭との間の部位をいい、一般に滑らかに太さが変化している。
図1は本発明の実施例1の靴を内側から見た内側面図である。 図2は同靴を外側から見た外側面図である。 図3Aは同靴の前足部を上から見た平面図、図3Bは同靴のアッパーの部分拡大図である。 図4A、図4Bおよび図4Cはそれぞれ足の屈曲前と屈曲後におけるアッパーの前足部の変形を示す平面図である。 図5A、図5Bおよび図5Cはそれぞれ足の屈曲前、外捻れおよび内捻れにおける前足部の変形を示す平面図である。 図6Aはソールおよびアッパーの素材を示すための前足部の平面図、図6BはVIB-VIB 線における靴の断面図である。 図7は低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図8は足の屈曲の様子を示す足を内側から見た内側面図である。 図9Aは測定点を示す足の骨格の平面図、図9Bは各測定点における接触圧を示すグラフである。 図10Aは本発明の実施例2の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図10Bは本発明の実施例3の靴にかかる同平面図である。 図11Aは本発明の実施例4の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図11Bは本発明の実施例5の靴にかかる同平面図である。 図12Aは本発明の実施例6の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図12Bは本発明の実施例7の靴にかかる同平面図である。 図13Aは本発明の実施例8の靴にかかる柔軟部および斜め部を示す平面図、図13Bは本発明の実施例9の靴にかかる同平面図である。 図14Aは本発明の実施例10の靴の前足部を示す平面図、図14BはXIVB-XIVB 線における靴の断面図である。 図15は同実施例10の低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図16A、図16Bおよび図16Cはそれぞれ足の屈曲前、外捻れおよび内捻れにおける前足部の変形を示す平面図である。 図17は実施例11のアッパーを示し、低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。 図18は実施例12のアッパーを示し、低剛性領域、高剛性領域と足の骨格との関係を示す前足部の平面図である。
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものである。本発明の範囲は請求の範囲のみに基づいて定められる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
本発明の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は母趾の稜線L10よりも内側まで延び、前記斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
前記“外捻れ”の局面において、母趾側の屈曲は小趾側の屈曲に比べて大きく、そのため、アッパーの母趾側の屈曲も大きくなる。一方、前記“外捩れ”の局面において、第3および第4MP関節MP3 ,MP4 に沿って足が屈曲しようとする。
これに対し、前記外第1柔軟部21に加え、第1趾節間関節J1 の後方かつ前記内第2強化部(内前強化部)32の前縁に柔軟な前記斜め部12が設けられていることで、前記第2屈曲ラインL2の近傍においてアッパーが屈曲し易い。したがって、前記“外捻れ”においてアッパーが足に沿い易い。
なお、内第2強化部(内前強化部)32が第3基節骨B31 の外側面を覆っていることで、母趾を保持する安定性は損なわれにくい。
本発明の別の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延び、前記斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びている。
前記“内捻れ”の局面において、足は図9Aの第1屈曲ラインL1に加え前記第3屈曲ラインL3において屈曲する。
これに対し、前記内第1柔軟部11に加え、前記斜め部23が前記第2趾または第3趾の末節骨B12 、B13 まで延びていることで、傾斜の大きい前記第3屈曲ラインL3の近傍においてアッパーが屈曲し易い。したがって、前記“内捻れ”においてアッパーが足に沿い易い。
本発明の更に好適な実施例において、前記斜め部は内側および外側に各々設けられ、前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びており、前記外側の斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びており、前記外側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記内側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α12よりも大きい。
この場合、“外捻れ”および“内捻れ”の双方において、アッパーが足に沿い易い。
本発明の好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は前記外側に複数設けられ、前記複数の斜め部のうちの1つは、前記外前強化部42の前縁に接し、かつ、前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって延びる外第2柔軟部22を構成し、前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記外第2柔軟部22よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾および第3趾の節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びる外第3柔軟部23を構成し、前記外第2柔軟部22と外第3柔軟部23とは前記高剛性領域AHの一部を挟んで前後に離間しており、前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記外第2柔軟部22の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α22よりも大きい。
前記“内捻れ”の局面において足が大きく屈曲した場合、図9Aの前記屈曲ラインL3においてアッパーが大きく屈曲する。この際、前記斜め部が外側に1つのみであると、前記アッパーの大きな屈曲を前記内第1柔軟部11と1本の斜め部23のみでは吸収が不十分となることがある。
これに対し、前記斜め部である2つの柔軟部22、23が外側において屈曲することで、前記“内捻れ”が大きい局面にも、アッパーが足に沿い易い。
この場合、更に好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は内側に設けられた斜め部を包含し、前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす前記角α23は、前記内第2柔軟部12の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α12よりも大きい。
前記“内捻れ”が大きい局面においては、足の内側も大きく屈曲する。したがって、この実施例のように、前記外側の3つの柔軟部に加え、内側の2つの柔軟部が屈曲することで、前記大きな“内捻れ”の局面においてもアッパーが足に沿い易い。
また、外側に3つの柔軟部および内側に2つの柔軟部が設けられていることで、大きな“内捻れ”および“外捻れ”においてアッパーの足沿いが向上するだけでなく、前方に向かって足が大きく屈曲した場合のアッパーの足沿いが向上する。
本発明の更に別の好適な実施例において、前記少なくとも1つの斜め部は前記内側に複数本設けられ、前記複数の斜め部のうちの1つは、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記内第2柔軟部12よりも前方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって延びる内第3柔軟部13を構成する。
前記“外捻れ”の局面において足が大きく屈曲した場合、前記屈曲ラインL2(図9A)においてアッパーが大きく屈曲すると共に、第3趾および第4趾の趾球に大きな荷重が負荷され、母趾の先端においてもアッパーが屈曲しようとする。
これに対し、前記斜め部である2つの柔軟部12、13が屈曲することで、前記“外捻れ”が大きい局面においても、アッパーが足に沿い易い。
本発明の別の好適な実施例において、前記主部10は第2中足骨B42 の骨頭から前記第2基節骨B32 の骨体まで前方または斜め前方に向かって延びている。
前記第2中足骨の骨頭において、足とアッパーとの接触圧が小さくなり、アッパーが足を圧迫しにくい。
本発明の別の好適な実施例において、前記アッパーは足の甲を覆う舌片を備え、前記主部10は前記舌片に連なり、かつ、前記主部10は前方に行くに従い前記横断方向Xの幅が小さい。
舌片に主部10が連なっている場合、前記第2中足骨の骨頭を低剛性領域ALで覆い易い。また、前記主部10がアッパーの先端に近づくに従い幅が小さい場合、アッパーの前記周縁部30による足の保持機能を確保し易い。
本発明の好適な実施例において、前記高剛性領域AHの周縁部30は、前記内第1柔軟部11の更に内側において母趾の内側面を覆い、かつ、前記外第1柔軟部21の更に外側において小趾の外側面を覆う。
この場合、母趾および小趾をアッパーの側面で保持する機能を確保し易い。
本発明の好適な実施例において、前記外第1柔軟部21は前記主部10から第3基節骨B33 の外側の縁よりも外側まで延びている。
この場合、前記屈曲ラインL1において、アッパーが屈曲し易い。
本発明の別の好適な実施例において、前記内外の第1柔軟部11,21の前記前後方向Yの幅よりも前記内外の第1柔軟部11,21の前記横断方向Xの長さの方が大きい。
この場合、各柔軟部は第1屈曲ラインL1(図9A)に沿った長さが長い。
本発明の別の好適な実施例において、一般に、前記低剛性領域ALは前記アッパーを形成するシート状の第1部材で形成され、前記高剛性領域AHは前記第1部材と、当該第1部材の表面に積層され前記第1部材よりも伸びにくい第2部材とで形成されている。
第1部材としては、例えば、メッシュ地、編布、織布、不織布、合成皮革、天然皮革等を適宜使用できる。また、第2部材としては、例えば、樹脂、ゴムや繊維材等を第1部材に接着、接合、縫着や塗布するなどして適宜使用できる。また、第1部材と第2部材は互いに接着ないし逢着して積層してもよいが積層せずとも、部分的に重ね合わせ接着、接合、縫着するなどして継いでもよい。
なお、アッパーの各パーツの材料は、本発明の作用・効果を本質的に阻害しない範囲であれば、適宜使用できる。
この場合、好適な実施例において、前記第2部材は、母趾の内側面を覆う内側縁部301と、小趾の外側面を覆う外側縁部302と、前記内側縁部301または外側縁部302から前記主部10に向かって突出し、前記前後方向Yに互いに離間した複数の凸部とを備え、前記複数の凸部の間において前記斜め部を形成する凹部を定義する。
この実施例の場合において、前記第2部材は、前記内外の側縁部301,302から前記凸部にわたって延びる堤状の突条部を有し、前記突条部65は前記凸部の縁に沿って延びているのが更に好ましい。
この場合、凸部はその引張剛性やアッパーの屈曲時の曲げ剛性が突条部によって高くなる。
本発明の好適な実施例において、前記第1部材は通気性を有する網状の部材で形成され、前記第2部材は通気を許容する複数の貫通孔を有する合成樹脂で形成されている。
高剛性領域AHの部分においても通気性が確保されると共に高剛性領域AHにおいてもアッパーが適度に屈曲し易いだろう。
本発明の好適な実施例において、前記各柔軟部11,21および斜め部は、それぞれ、前記柔軟部および斜め部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
この場合、周縁部30の近傍において強化部の幅を広く確保することができると共に、屈曲ラインに沿って長い柔軟部および斜め部が形成され易い。
本発明の好適な実施例において、前記各凸部は、それぞれ、前記各凸部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各凸部の幅は前記主部10に近づくに従い小さくなり、前記凹部は前記凹部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記凹部の幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
この場合、内外の凹部と凹部とが主部10を介して仮想のラインによって滑らかに連なり易くなり、したがって、前記各屈曲ラインに沿ってアッパーが屈曲し易い。
本発明の好適な実施例において、前記内外の第1柔軟部11,21の後縁は斜め後方に向かって延びている。
斜め後方に向かって延びる内外の第1柔軟部11、12は斜め前方に向かって延びる斜め部に主部10を介して滑らかに連なり易いだろう。
本発明の好適な実施例において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
この場合、内第1柔軟部11において、アッパーが屈曲し易い。
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
実施例1:
図1〜図7は実施例1の靴(右足用)を示す。
以下の実施例において、INは足の内側を示し、OUTは足の外側を示す。
図1に示すように、本実施例の靴は、着地の衝撃を吸収するソール51,52と、足の甲を包むアッパーUとを有する。前記ソールは足裏を支えるものでアウトソール51とミッドソール52とを備える。図1に示すように、このアッパーUには、ハトメ孔などの複数の挿通孔100が設けられている。
これらの挿通孔100に挿通されたシューレース103(締付部材の一例)を締め上げることで、アッパーUが足の甲にフィットする。
図1に示すように、前記アッパーUは、着用時に脚が上方に出る第1開口101と、第1開口101の前方Y1に位置し舌片Tで閉じられた第2開口102とを有している。前記第1および第2開口101,102は、前後方向Yにおいて前後に互いに連なっている。舌片Tは足の甲を覆う。
図6Aはアッパーおよびソールの材質を示す。
図6Aにおいて、ハッチングを施して示す巻上部51aはゴム製のアウトソール51(図1)が大きく巻き上げられて形成されており、足の内側を支える。前記ハッチングとは異なるハッチングを施して示す巻上部52aは発泡樹脂製のミッドソール52(図1)が巻き上げられて形成されており足の周縁を支える。
前記アッパーの前足部は、低剛性領域ALと第1および第2高剛性領域AH1 ,AH2 を備える。低剛性領域ALには網点およびハッチングが施されていない。一方、高剛性領域AHi には網点またはハッチングが施されており、また、高剛性領域AHi の中でも、より剛性の高い第2高剛性領域AH2 には密度が大きい網点が施されている。
前記低剛性領域ALは足の爪先の一部を覆い前記高剛性領域AHi よりも伸び易く、かつ、屈曲し易い。前記高剛性領域AHi は低剛性領域ALの周囲において前記爪先の他の一部を覆い、前記低剛性領域ALよりも伸びにくく、かつ、屈曲されにくい。そのため、足が屈曲してアッパーが屈曲する際には、前記低剛性領域ALにおいてアッパーにシワが生じてアッパーの材料が緩む。
なお、高剛性領域AH1 にも低剛性領域ALに生じるシワよりも曲率の小さいシワが生じる。
図6Bに示すように、前記低剛性領域ALはアッパーUを形成する柔軟なシート状の第1部材61で形成されている。
図6Aの前記第1高剛性領域AH1 は前記第1部材61と、図6Bの当該第1部材61の表面に積層され前記第1部材61よりも伸びにくい第2部材62とで形成されている。前記第2高剛性領域AH2 は前記第1高剛性領域AH1 を形成する第1および第2部材61,62の上に、更に、非伸縮性の第3部材63が溶着ないし縫着されて形成されている。
なお、図6Bおよび後述の図14Bにおいて、図を見易くするために、第1〜第3部材61〜63は線図で示されている。
図3Bに示すように、前記第1部材61は通気性を有する網状の部材で形成され、前記第2部材62は通気を許容する複数の貫通孔64を有する合成樹脂で形成されている。前記合成樹脂の第2部材62は第1部材61と一体に成形されていてもよい。
前記第3部材63としては、一般的にハトメを形成(ハトメ飾りを構成)する合成皮革、樹脂やテープ材等を用いることができる。
なお、ゴム製の前記巻上部51aは前記第3部材63の表面の一部を覆い、前記高剛性領域AH2 の一部を構成し、最も剛性が高い。
図7において、前記低剛性領域ALは主部10と、複数の内第1柔軟部11〜第3柔軟部13、外第1柔軟部21〜第3柔軟部23とを備える。前記主部10は前記前足部の内外の中間において足の前後方向Yおよび前記前後方向Yに直交する横断方向Xに拡がり第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの領域の一部を含む。
前記主部10は以下に説明する核領域10cを含むのが好ましい。
図9Aの3本の屈曲ラインL1〜L3および接触圧の高い測定点S2において、アッパーは柔軟であることが望ましい。それ故、前記核領域10cは第1趾節間関節J1 と第2MP関節MP2 とを結んだ直線(図示せず)と、第2趾節間関節J2 と第1MP関節MP1 とを結んだ直線(図示せず)との交点P10および第2中足骨B42 の骨頭を含むのが好ましい。
つまり、核領域10cは第1基節骨B31 の骨体と第2基節骨B32 の骨体との間の中心点P10(図9A)と、前記第2中足骨B42 の骨頭を含むのが好ましい。かかる核領域10cを主部10が含むことで、主部10が前方への屈曲、“外捩れ”および“内捩れ”の全ての局面においてアッパーの屈曲し易さに寄与するだろう。
図7の前記内第1柔軟部11は、前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い概ね前記横断方向Xに沿って前記主部10から前記第1基節骨B31 の真上よりも足の内側INに向かって延び前記主部10に連なる。一方、前記外第1柔軟部21は概ね前記横断方向Xに沿って前記主部10から足の外側OUTに向かって延び前記主部10に連なる。
なお、図6Aの第3部材63で形成されたハトメ飾りには斜め後方に向かって延びる切欠部111および121が形成されている。これらの切欠部111,121は第2開口102に連なっており、第3部材63を屈曲し易くしている。
前記内第1柔軟部11と前記外第1柔軟部21は、主部10の核領域10cを前記横断方向Xに横切る図6Aの断面線VIB-VIB で示される仮想の直線上、あるいは、図14Aの前記主部10の核領域10cを前記横断方向Xに横切り前方Y1に向かって凸に湾曲した断面線XIVB-XIVB で示される仮想の曲線上に沿って配置される。つまり、前記内外の第1柔軟部11,12は互いに前後方向Yの概ね同じ位置に配置され、核領域10cを間に挟んで互いに横断方向Xに対向している。
なお、前記仮想の曲線は、曲線と直線とが滑らかに連なるものであってもよい。
前記内第2柔軟部12および内第3柔軟部13は、前記各第1柔軟部11,21よりも前方Y1に配置され、前記主部10から斜め前方の内側INに向かって延び前記主部10に連なる斜め部を構成する。
前記外第2柔軟部22および外第3柔軟部23は、前記各第1柔軟部11,21よりも前方Y1に配置され、前記主部10から斜め前方の外側OUTに向かって延び前記主部10に連なる斜め部を構成する。
図6Aの本実施例において各柔軟部11〜13,21〜23は、第3部材であるハトメ部材63の前端よりも前方Y1に配置されている。
また、ハトメ部材63は前端において内外に互いに分離されており連なっていない。
前記低剛性領域ALには前記第1高剛性領域AH1 AH2 が接している。
前記第1高剛性領域AH1 は周縁部30および前記周縁部30に連なる第1内強化部31〜第3内強化部33,先端強化部34,第1外強化部41〜第3外強化部43を備える。
前記周縁部30は前記ソール51,52に連なり、前足の内側、外側および先端のそれぞれにおいて前記爪先の周縁を覆う内側縁部301,外側縁部302および先端縁部303を包含する。
本実施例の場合、前記先端縁部303は内側縁部301および外側縁部302に連なっている。
図7において、内第1強化部(内後強化部)31は前記内第1柔軟部11の後縁11bに接し前記内側縁部301に連なる。前記内第1強化部31は第1中足骨B41 の骨頭の一部を覆う。
前記内第2強化部(内前強化部)32は前記内第1柔軟部11の前縁11fおよび内第2柔軟部12の後縁11bに接し、前記周縁部30に連なり前記内側縁部301から前記主部10に向かって延びる。前記内第2強化部32は第1基節骨B31 の骨体の一部を覆う。
前記内第3強化部(斜め部に接する部位の一例)33は、内第2柔軟部12の前縁12fおよび内第3柔軟部13の後縁13bに接し、前記内側縁部301に連なり、前記内側縁部301から前記主部10に向かって斜め後方に延びる。前記内第3強化部33は前記第1趾節間関節J1 の上面を覆う。
前記先端強化部34は前記内第3柔軟部13の前縁13fおよび外第3柔軟部23の前縁23fに接し、前記周縁部30の先端縁部303に連なる。前記先端強化部34は先端縁部303から前記主部10に向かって後方Y2に延び、第1趾の末節骨B11 または第2趾の節骨B12 の一部、または、これらの節骨B11 ,B12 の間の部位の一部を上面から覆うのが好ましい。
図7において、前記外第1強化部(外後強化部)41は、前記外第1柔軟部21の後縁21bに接し前記外側縁部302に連なる。前記外第1強化部41は第3および第4基節骨B33 ,B34 の骨底の上面の一部または全部を覆う。
前記外第2強化部(外前強化部)42は、前記外第1柔軟部21の前縁21fおよび外第2柔軟部22の後縁22bに接し前記外側縁部302に連なる。前記外第2強化部42は、前記外側縁部302から前記主部10に向かって延び、第3または第4基節骨B33 ,B34 の骨頭の上面の一部または全部を覆うのが好ましい。
前記外第3強化部(斜め部に接する部位の一例)43は、外第2柔軟部22の前縁22fおよび外第3柔軟部23の後縁23bに接し、前記外側縁部302に連なる。前記外第3強化部43は外側縁部302から前記主部10に向かって斜め後方に延び第3節骨B13 の上面の一部または全部を覆う。
図6Bの前記第2部材62は、図7の母趾の内側面を覆う前記内側縁部301と、小趾の外側面を覆う前記外側縁部302と、前記母趾および小趾の先端の前面を覆う前記先端縁部303と複数の凸部とが一体に連なっている。前記凸部は前記各強化部31〜34、41〜43を形成しており、前記内側縁部301,先端縁部303または外側縁部302から前記主部10に向かって突出する。
前記第2部材62は前記複数の凸部の間において前記各柔軟部11〜13,21〜23を形成する凹部を定義する。
図3Aにおいて、前記第2部材62は、前記内外の縁部301,302から前記凸部にわたって延びる堤状の突条部65を有する。前記突条部65は前記凸部の縁に沿って延びている。
図7において前記内第2柔軟部12は前記内第2強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方Y2において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側INに延びる。
前記外第3柔軟部23の延びる方向は前記内第2柔軟部12の延びる方向よりも前記横断方向Xに対して大きく傾いている。
前記外第2柔軟部22は前記外第2強化部42の前縁および外第3強化部43の後縁に接し、かつ、第3趾の先端よりも後方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって延びる。
前記外第3柔軟部23は前記外第2柔軟部22よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の末節骨B12 または第3趾の節骨B13 またはこれらの間の部位まで延びる。
前記外第2柔軟部22と外第3柔軟部23とは前記外第3強化部43を挟んで前後に離間している。前記外第3柔軟部23の延びる方向は前記外第2柔軟部22の延びる方向よりも前記横断方向Xに対して大きく傾いている。
つぎに、本実施例1の靴を足に装着し、足を背屈させた場合に生じる、前記アッパーUの変形の様子が説明される。
図4Aは立位におけるアッパーUの状態を示す。この状態から踵を上昇させ足を背屈させたところ、図4Bのように、足の内側においては内第1および第2柔軟部11,12にシワ(ruck) が生じ、これら内第1および第2柔軟部11,12が前後に縮み、一方、足の外側においては外第1および第2柔軟部21,22が同様に前後に縮んだ。
ここで、" 各柔軟部11〜13、21〜23が縮む" とは、各柔軟部の延びる方向に沿 って皺が生じ、そのため、各柔軟部の前縁に後縁が近づく(たとえば内第1柔軟部11の後縁11bが前縁11fに近づく)ことにより、1つの柔軟部の前縁から後縁までの距離が小さくなることを意味する。
なお、前記内外の柔軟部の間の主部10には、前記横断方向Xに沿ったシワRが生じた 。
また、先端の内第3柔軟部13および外第3柔軟部23の縮みは極めて小さかった。
前記踵を更に上昇させ足を大きく背屈させたところ、図4Cのように、前記内柔軟部11,12や外柔軟部21,22の縮みや前記シワRが大きくなった。
なお、先端の内第3柔軟部13および外第3柔軟部23にも若干の縮みが生じた。
この結果から、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の前方にそれぞれ内第2柔軟部12および外第2柔軟部22を設けることは、足の大きな屈曲時に有効であると推測される。
図5Aは前記図4Aと同様の立位におけるアッパーUの状態を示し、この状態から前記“外捩れ”となるように踵を上昇させたところ、前記図5Bのように、前記内第1柔軟部11が若干前後に縮み、かつ、前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21が前後に大きく縮んだ。また、内第2柔軟部12と外第1柔軟部21との間において、内第2柔軟部12および外第1柔軟部21に連なるシワRが主部10に生じた。
この場合、内第3柔軟部13,外第2柔軟部22および外第3柔軟部23の縮みは小さかった。
このように、“外捩れ”の場合に、前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21の縮みが大きくなった理由は、前記図7および図9Aの屈曲ラインL2に沿って足が屈曲するためであると推測される。
また、足の屈曲ラインL2が後方Y2に向かって凸に湾曲しているのに対し、図5BのアッパーのシワRは直線的ないし前方Y1に向かって若干凸に湾曲した。このように屈曲のラインが足とアッパーとで若干異なる理由は、シート状のアッパーは足と異なり湾曲したシワが生じにくく、かつ、アッパーは周囲が拘束され、また、アッパーの変形は足から上方に向かって離れるように変形する等が原因と思われる。
一方、図5Aの立位の状態から“内捩れ”となるように踵を上昇させたところ、図5Cのように前記内第1柔軟部11および外第3柔軟部23にシワが生じ、これらが前後に大きく縮んだ。また、前記内第1柔軟部11と外第3柔軟部23との間の主部10にシワRが生じた。
このように、“内捩れ”の場合に、前記内第1柔軟部11および外第3柔軟部23の縮みが大きくなった理由は、前記図7および図9Aの屈曲ラインL3に沿って足が屈曲するためであると推測される。
前記“外捩れ”に比べ前記“内捩れ”は大きくすることが可能であり、例えばコート系競技等の運動中に“内捩れ”が大きくなることがある。
前記“内捩れ”を更に大きくすると、図5Cのように、前記主部10のシワRや内第1柔軟部11および外第3柔軟部23の前記シワや縮みが大きくなると共に、前記外第1柔軟部21に縮みやシワが生じ、更に内第2柔軟部12,外第2柔軟部22にも縮みやシワが生じた。また、内第1柔軟部11と外第2柔軟部22との間の主部10にもシワRが生じた。
したがって、“内捩れ”に対しては前記内第2柔軟部12および外第1柔軟部21も有効に作用すると推測される。
上記のように内外の柔軟部の間において主部10にシワが生じるためには、図7の前記主部10の横断方向Xの幅は第2基節骨B32 を含む部位において40mm以下10mm以上が好ましく、13mm以上が更に好ましく、15mm以上が最も好ましい。また、前記主部10の第2基節骨B32 の骨底からの前後方向Yの長さは60mm以下15mm以上が好ましく、20mm以上が更に好ましく、25mm以上が最も好ましい。また、主部10は第2中足骨B42 の骨頭から第1ないし第2基節骨B31 ,B32 の骨頭まで延びているのが好ましい。
前記テストの結果を踏まえると、図10Aのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に斜め部として内第2柔軟部12のみを設けた場合にも“外捩れ”に適した構造が得られるだろう。一方、図10Bのように、内第1柔軟部11,外第1柔軟部21の他に斜め部として外第3柔軟部23のみを設けた場合にも“内捩れ”に適した構造が得られるだろう。
また、図11Aのように、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内側の柔軟部12,13のみを設けた場合には、“外捩れ”に適した構造となるだろう。一方、図11Bのように、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として外側の外柔軟部22,23のみを設けた場合には、“内捩れ”に適した構造となるだろう。
また、図12Aのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内第2柔軟部12および外第3柔軟部23を設けた場合には、“外捩れ”および“内捩れ”の双方に適した構造が得られるだろう。
前記図5Cの“内捩れ”のテストにおいて、踵の上昇が小さい間や“内捩れ”が小さい場合には、外第2柔軟部22が変形した。したがって、“内捩れ”が小さく、かつ、踵の上昇が小さい場合は、図12Bのように、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21の他に、斜め部として内第2柔軟部12および外第2柔軟部22の双方を設けるのが好ましいだろう。
本発明において、図13Aの内第1柔軟部11および外第1柔軟部21は前方に向かって凸の屈曲ラインL1上に配置され、かつ、屈曲ラインL1の多くの部分が内第1柔軟部11,主部10および外第1柔軟部21に含まれるのが好ましい。
同様に、屈曲ラインL2の多くの部分が内第2柔軟部12,主部10および外第1柔軟部21に含まれるのが好ましく、屈曲ラインL3の多くの部分が内第1柔軟部11,主部10および外第3柔軟部23に包含されるのが好ましいだろう。
こうした観点から各内柔軟部11,12、外柔軟部21〜23を形成する凹部は、図13Aに示すように、主部10に近づくに従い凹部の幅W1が大きくなるように形成されるのが好ましい。この場合、各凹部が滑らかな曲線を含み易い。したがって、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21が屈曲ラインL1上に配置され易く、内第2柔軟部12および外第1柔軟部21が屈曲ラインL2上に配置され易く、内第1柔軟部11および外第3柔軟部23が屈曲ラインL3上に配置され易い。
なお、凹部(各柔軟部11〜13(図13B),21〜23)の幅W1とは、凹部が主部10から延びる方向に直交する方向の長さ(前縁と後縁の間の距離)を意味する。
一方、前記凹部に挟まれた凸部(図6Aの各強化部32〜34,42,43)は前記主部10に近づくに従い先窄まりの形状となるように形成される。つまり、前記凸部は主部10に近づくに従い凸部の幅W2が小さくなるように形成される。
なお、凸部(各強化部32〜34,42,43)の幅W2とは凸部が主部10から延びる方向に直交する長さを意味する。
本発明において、図13Aの内第1柔軟部11および外第1柔軟部21は第1趾のMP関節MP1 〜第4趾のMP関節MP4 を結んだラインに沿って少し前方にズレているのが好ましいだろう。また、内第1柔軟部11は一部もしくは全部が主部10を介して外側の斜め部22,23に滑らかに連なっているのが好ましいだろう。一方、外第1柔軟部21は一部もしくは全部が主部10を介して内側の斜め部12,13に滑らかに連なっているのが好ましいだろう。
かかる観点から、内第1柔軟部11は主部10から遠ざかるに従い、斜め後方の内側INに向かって延びているのが好ましい。一方、外第1柔軟部21は主部10から遠ざかるに従い斜め後方の外側OUTに向かって延びているのが好ましい。
ここで、図7の各柔軟部11〜13,21〜23の延びる方向とは、図6Aの各柔軟部11〜13,21〜23を上下または斜めに2等分する仮想の中心線11c〜13c,21c〜23cの延びる方向を意味する。
したがって、図13Bのように、内外の第1柔軟部11,21の後縁11b,21bが真横に延び、前縁11f,21fが主部10から斜め後方に向かって延びていてもよい。また、内外の第2柔軟部12,22の前縁12f,22fが真横に延び、後縁12b,22bが主部10から斜め前方に向かって延びていてもよい。
本発明において、図7の前記主部10は前記第2中足骨B42 の骨頭を該領域10cの一部として覆っているのが好ましい。測定点S2(図9A)つまり第2中足骨B42 の骨頭において前記接触圧が大きくなるのを抑制するためである。
前記内第1柔軟部11の後縁11bおよび内第2柔軟部12の前縁12fは前記中足趾節間関節MP1 よりも前方で、かつ、前記趾節間関節J1 よりも後方に配置されるのが好ましい。このような配置は前記測定点S4(図9A)つまり、基節骨B31 において前記接触圧が大きくなるのを抑制するだろう。
この接触圧を小さくするためには、前記内第1および第2柔軟部11,12は第1基節骨B31 の稜線L10よりも内側INまで延びているのが好ましい。
前記外第1柔軟部21の前記後縁21bは前記MP関節MP3 よりも前方に配置されるのが好ましい。このような配置は前記測定点S5(図9A)つまり、基節骨B33 において前記接触圧が大きくなるのを抑制するだろう。
この部位の接触圧が小さくなるためには、前記外第1柔軟部21は第3基節骨B33 の稜線L30よりも外側OUTまで延びているのが好ましく、第4基節骨B34 の外側の縁よりもOUTまで延びているのが更に好ましい。
図7,図13Aおよび図13Bのように、前記外第3柔軟部23は第2趾の節骨B12 の外側の縁よりも外側OUTまで延び、かつ、第3趾の節骨B13 の先端よりも前方Y1まで延びているのが好ましい。
この場合、図13Aの屈曲ラインL3に沿ってアッパーが屈曲し易いだろう。
図14A〜図16Cは実施例10を示す。
この実施例10は内外の第1柔軟部11,21が若干斜め後方に向かって延びており、一方、内外の第2柔軟部12,22が真横に近い斜め前方に向かって延びている点において前記図7の実施例1と異なっている。
つぎに、前記実施例10の靴を足に装着し、足を背屈させた場合に生じる、前記アッパーUの変形の様子が説明される。
図16Aは前記図15と同様の立位におけるアッパーUの状態を示す。この状態から前記 “外捩れ”となるように踵を上昇させたところ、アッパーUは図16Bのような変形を呈した。この図16Bに示すように、内第2強化部32が内第3強化部33と上下に重なるぐらいまで内第2柔軟部12が変形し、かつ、アッパーの変形が図5Bの場合に比べスムースでなかった。
このような現象の生じた理由は、図16Aの内第2柔軟部12と外第1柔軟部21とが主部10を介して連なる帯状の領域が屈曲ラインL2に沿って滑らかに連なっていないからであると推測される。
一方、前記“外捩れ”において、図15の第1趾は母趾球O1が離地し、かつ、節骨B11 が接地し、第2趾から第4趾の中足骨B42 〜B44 の骨頭が接地した状態となる。そのため、前記中足趾節間関節MP2 〜MP4 (図示せず)を結んだラインよりも前方で、かつ、このラインに概ね平行な屈曲ラインL2に沿って前記内第2柔軟部12が延びているのが好ましい。
すなわち、内第2柔軟部12は趾節間関節J1 よりも後方において基節骨B31 の前半分の一部を覆い更に全部を斜めに横断するのが好ましく、かつ、屈曲ラインL2に沿って前記内第2柔軟部12が延びているのが好ましい。
このような理由から図7の前記内第2柔軟部12の中心線12cと前記横断方向Xに沿った仮想のラインとのなす角α12は、5°以上であるのが好ましく、10°以上であるのが更に好ましく、15°以上であるのが最も好ましい。
また、前記角α12は、40°以下であるのが好ましく、35°以下が更に好ましく、30°以下が最も好ましい。
同様の理由から、図6Aの内第2柔軟部12の後縁12bのラインが横断方向Xの仮想のラインとなす角β12は5°以上であるのが好ましく、10°以上であるのが更に好ましく、15°以上であるのが最も好ましい。
また、前記角β12は40°以下が好ましく、35°以下が更に好ましく、30°以下が最も好ましい。
なお、後縁のラインと横断方向Xに沿った仮想のラインとがなす角βは、各柔軟部の基端と先端との間の中間部分における接線(または包絡線)と前記仮想のラインとがなす角βで定義されるべきである。
また、図15の前記実施例9の内外の柔軟部13,23の横断方向Xに対する傾きは前記図7の実施例1のそれよりも小さい。
図16Aの立位の状態から前記“内捩れ”となるように踵を上昇させたところ、外第3柔軟部23から内第1および内第2柔軟部11,12に向かってシワのラインが生じ、かつ、外第2柔軟部22から内第1柔軟部11に向かってシワのラインが生じ、前記実施例1に比べアッパーUの屈曲がスムースではなかった。
すなわち、このように屈曲がスムースでない理由は、この例の場合、外第3柔軟部23の傾きが小さく、そのため、外第3柔軟部23と内第1柔軟部11とが主部10を介して連なる帯状の領域が、屈曲ラインL3に沿って滑らかに連なっていないためであると推測される。
前記“内捩れ”において、図15の母趾球O1および母趾の節骨B11 に大きな接地圧が加わり、第2趾の節骨B12 に小さな接地圧が加わる。したがって、図13A(図13B)のように、前記屈曲ラインL3に沿って前記主部10または外第3柔軟部23が基節骨B32 の骨頭の一部もしくは全部を覆い、かつ、図13A(図13B)の外第3柔軟部23が第2趾または第3趾の節骨B12 ,B13 の一部まで延びていたり、図7のように前記2つの節骨B12 ,B13 の間まで延びているのが好ましい。
このような理由から、図7の前記外第3柔軟部23の中心線23cと前記横断方向Xのラインとのなす角α23や図6Aの外第3柔軟部23の後縁23bのラインが前記ラインとなす角β23は25°以上が好ましく、35°以上が更に好ましく、40°以上が最も好ましい。
一方、図6Aの角β23および図7の角α23は70°以下が好ましく、65°以下が更に好ましく、60°以下が最も好ましい。
ところで、アッパーの素材は平面的なシート状の部材が製造時に変形されて立体成形される。このような変形は前記各柔軟部11〜13,21〜23の形状、寸法、傾きおよび配置の誤差が生じる原因となる。したがって、アッパーの設計時には、かかる製造誤差を考慮する必要がある。
図17および図18の実施例は、第2開口102が足の甲の稜線に沿って内側に向かって傾いている。かかる第2開口の構造を持つPCT/JP2007/69809(WO2008/047659A1)として米国特許庁に出願されており、ここにその記述の全てが組み込まれる。
第2開口102はその中心線が第1趾から第2趾にかけての足の甲の稜線に沿うように設けられている。すなわち、第2開口102の中心線は、足の前方に行くに従い足の内側INに向かって傾いており、したがって、足の前後方向Yに対して傾いている。
図17の実施例では、内第3柔軟部13が主部10に滑らかに連なっている。また、外第3柔軟部23の前方に斜め部の一つを形成する第4柔軟部24が設けられている。
このように、内外の柔軟部はそれぞれ4個以上であっても、本発明の作用・効果を本質 的に阻害しない範囲であれば、適宜設けてよい。また、第1柔軟部と第3柔軟部との間に第2柔軟部とは異なる別の柔軟な部位が設けられてもよい。
また、外第3柔軟部23と主部10を介して滑らかに連なる補助柔軟部14が設けられている。補助柔軟部14は足の甲の内側において主部10から斜め後方に延びている。
このアッパーは“内捩れ”に適しているだろう。
前記各柔軟部の間には、ハトメ部材が設けられている箇所があり、前記主部10の上方をシューレースが通る。
図18の実施例では、内第1柔軟部11および外第1柔軟部21がそれぞれ第1および第3基節骨B31 ,B33 の骨体の一部を覆い、前記内第1柔軟部11および外第1柔軟部21に概ね平行に切欠部111,121が設けられている。これらの切欠部111,121は、それぞれ、第1および第3中足骨B41 ,B43 の骨頭の部位に形成されている。
この実施例において、前記外第1〜外第3柔軟部21〜23は、一部の部分において第1部材61に第2部材62が積層されて強化されていてもよい。このように各柔軟部が局部的に強化されても、各柔軟部21〜23の屈曲のし易さは実質的に損なわれないだろうし、前記各柔軟部21〜23には前記製造の変形による誤差が生じにくいだろう。
この実施例の場合、各柔軟部21〜23において第2部材62で強化された連結部29は、各柔軟部21〜23の前後の強化部41、42、43、34を互いに連結している。
そのため、隣接する強化部(例えば43と34)の間の距離、つまり、各柔軟部21〜 23の幅の製造誤差が生じにくいだろう。
前記局部的に強化された連結部29は足の屈曲時に各柔軟部21〜23と共に屈曲す るだろう。すなわち、各柔軟部21〜23は前記第2部材62で局部的に強化された部分29があっても、当該強化された部分29が高剛性領域AHよりも屈曲し易くなっておれば、当該部分29も柔軟部21〜23の一部であると認定されるべきである。
換言すれば、本発明において、各柔軟部21〜23は高剛性領域AHよりも伸び易く 、かつ、屈曲し易くなっておればよく、主部10に本質的に連なっていればよく、主部10に連結部29を介して連なっていてもよい。
なお、連結部29を設ける位置は主部10から各柔軟部の延びる方向に少し離れた位 置が好ましいだろう。
本発明は前記コート系競技用の他に通常のアスレチック用の靴のアッパーの前足部の構造としても利用できる。
10:主部
10c:核領域
11:内第1柔軟部
12:内第2柔軟部
13:内第3柔軟部
21:外第1柔軟部
22:外第2柔軟部
23:外第3柔軟部
11f,12f,13f,21f,22f,23f,:前縁
11b,12b,13b,21b,22b,23b,:後縁
11c〜13c,21c〜23c:中心線
31:内第1強化部(内後強化部)
32:内第2強化部(内前強化部)
33:内第3強化部
34:先端強化部
41:外第1強化部(外後強化部)
42:外第2強化部(外前強化部)
43:外第3強化部
30:周縁部
301:内側縁部
302:外側縁部
303:先端縁部
51:アウトソール
51a:巻上部
52:ミッドソール
52a:巻上部
61:第1部材
62:第2部材
63:第3部材
64:貫通孔
65:突条部
AL:低剛性領域
AHi :高剛性領域
L1:第1屈曲ライン
L2:第2屈曲ライン
L3:第3屈曲ライン
L10,L30:稜線
α,β:角
100:挿通孔
101:第1開口
102:第2開口
103:シューレース
O1:母趾球
B1i :末節骨
B3i :基節骨
B4i :中足骨
i :趾節間関節
MPi :中足趾節間関節(MP関節)

Claims (20)

  1. 足裏を支えるソール51,52と足の甲を覆うアッパーUとを備えた靴のアッパーUの前足部の構造であって、
    前記アッパーUの前足部は低剛性領域ALおよび高剛性領域AHを包含し、
    前記低剛性領域ALは足の爪先の一部を覆い前記高剛性領域AHよりも伸び易く、かつ、屈曲し易く、前記低剛性領域ALは、
    前記前足部の内外の中間において足の前後方向Yおよび前記前後方向に直交する横断方向Xに拡がり第1基節骨B31 の骨体から第2基節骨B32 の骨体までの部位の一部を含む主部10と、
    前記第1基節骨B31 の骨体から第1中足骨B41 の骨頭までの部位の一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の内側に向かって延び前記主部10に連なる内第1柔軟部11と、
    第3基節骨B33 または第4基節骨B34 の骨体から骨底までの一部を覆い前記横断方向Xまたは斜め後方に前記主部10から足の外側に向かって延び前記主部10に連なる外第1柔軟部21と、
    前記各第1柔軟部11,21よりも前方に配置され、前記主部10から斜め前方の外側または斜め前方の内側に向かって延び前記主部10に連なる少なくとも1つの斜め部とを備え、
    ここにおいて、前記内第1柔軟部11と前記外第1柔軟部21とは、前記主部10を前記横断方向Xに横切る仮想の直線上、あるいは、前記主部10を横切り前方に向かって凸に湾曲した仮想の曲線上に沿って配置されており、
    前記高剛性領域AHは前記主部10の周囲において前記爪先の他の一部を覆い、前記低剛性領域ALよりも伸びにくく、かつ、屈曲されにくく、前記高剛性領域AHは、
    前記ソール51,52に連なり、足の内側、外側および先端のそれぞれにおいて前記爪先の周縁を覆う周縁部30と、
    前記内第1柔軟部11の後縁に接し前記周縁部30に連なり前記第1中足骨B41 の骨頭の一部を覆う内後強化部31と、
    前記内第1柔軟部11の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延び前記第1基節骨B31 の骨体の一部を覆う内前強化部32と、
    前記外第1柔軟部21の後縁に接し前記周縁部30に連なる外後強化部41と、
    前記外第1柔軟部21の前縁に接し前記周縁部30に連なり前記周縁部30から前記主部10に向かって延びる外前強化部42と、
    前記斜め部の前縁および後縁に設けられ前記斜め部の前記前縁および後縁に接する部位とを備える。
  2. 請求項1の構造において、前記内第1柔軟部11は母趾の稜線L10よりも内側まで延び、
    前記斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
  3. 請求項1の構造において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延び、
    前記斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びている。
  4. 請求項1の構造において、前記少なくとも1つの斜め部は内側および外側に各々設けられ、
    前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びており、
    前記外側の斜め部は、前記外第1柔軟部21よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 、あるいは、前記第2趾と第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びており、
    前記外側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記内側の斜め部の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α12よりも大きい。
  5. 請求項1の構造において、前記少なくとも1つの斜め部は前記外側に複数設けられ、
    前記複数の斜め部のうちの1つは、前記外前強化部42の前縁に接し、かつ、前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって延びる外第2柔軟部22を構成し、
    前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記外第2柔軟部22よりも前方において前記主部10から足の外側の斜め前方に向かって第2趾の未節骨B12 または第3趾の末節骨B13 ああるいは、前記第2趾および第3趾の未節骨B12 ,B13 の間の部位まで延びる外第3柔軟部23を構成し、
    前記外第2柔軟部22と外第3柔軟部23とは前記高剛性領域AHの一部を挟んで前後に離間しており、
    前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす角α23は、前記外第2柔軟部22の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす角α22よりも大きい。
  6. 請求項5の構造において、
    前記少なくとも1つの斜め部は内側に設けられた斜め部を包含し、
    前記内側の斜め部は、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、
    前記外第3柔軟部23の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横断方向Xに沿った仮想の横ラインとがなす前記角α23は、前記内第2柔軟部12の延びる方向に沿った仮想のラインと前記横ラインとがなす前記角α12よりも大きい。
  7. 請求項1の構造において、前記少なくとも1つの斜め部は前記内側に複数設けられ、
    前記複数の斜め部のうちの1つは、前記内前強化部32の前縁に接し、かつ、第1趾節間関節J1 の後方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって母趾の稜線L10よりも内側まで延びる内第2柔軟部12を構成し、
    前記複数の斜め部のうちの別の1つは、前記内第2柔軟部12よりも前方において前記主部10から足の内側の斜め前方に向かって延びる内第3柔軟部13を構成する。
  8. 請求項1の構造において、
    前記主部10は第2中足骨B42 の骨頭から前記第2基節骨B32 の骨体まで前方または斜め前方に向かって延びている。
  9. 請求項1の構造において、前記アッパーUは足の甲を覆う舌片Tを備え、前記主部10は前記舌片Tに連なり、かつ、前記主部10は前方に行くに従い前記横断方向Xの幅が小さい。
  10. 請求項1の構造において、
    前記高剛性領域AHの周縁部30は、
    前記内第1柔軟部11の更に内側において母趾の内側面を覆い、かつ、
    前記外第1柔軟部21の更に外側において小趾の外側面を覆う。
  11. 請求項1の構造において、
    前記外第1柔軟部21は前記主部10から第3基節骨B33 の外側の縁よりも外側まで延びている。
  12. 請求項1の構造において、
    前記内外の第1柔軟部11,21の前記前後方向Yの幅よりも前記内外の第1柔軟部11,21の前記横断方向Xの長さの方が大きい。
  13. 請求項1の構造において、
    前記低剛性領域ALは前記アッパーUを形成するシート状の第1部材61で形成され、
    前記高剛性領域AHは前記第1部材61と、当該第1部材61の表面に積層され前記第1部材よりも伸びにくい第2部材62とで形成されている。
  14. 請求項13の構造において、前記第2部材62は、
    母趾の内側面を覆う内側縁部301と、小趾の外側面を覆う外側縁部302と、前記内側縁部301または外側縁部302から前記主部10に向かって突出し、前記前後方向Yに互いに離間した複数の凸部とを備え、
    前記複数の凸部の間において前記斜め部を形成する凹部を定義する。
  15. 請求項14において、前記第2部材62は、
    前記内外の側縁部301,302から前記凸部にわたって延びる堤状の突条部65を有し、
    前記突条部65は前記凸部の縁に沿って延びている。
  16. 請求項13において、前記第1部材61は通気性を有する網状の部材で形成され、
    前記第2部材62は通気を許容する複数の貫通孔を有する合成樹脂で形成されている。
  17. 請求項1において、前記各柔軟部11,21および斜め部は、それぞれ、
    前記柔軟部および斜め部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
  18. 請求項14において、前記各凸部は、それぞれ、前記各凸部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記各凸部の幅は前記主部10に近づくに従い小さくなり、
    前記凹部は前記凹部が延びる方向に直交する幅方向の幅を有し、前記凹部の幅は前記主部10に近づくに従い大きくなる。
  19. 請求項1において、前記内外の第1柔軟部11,21の後縁は斜め後方に向かって延びている。
  20. 請求項1において、前記内第1柔軟部11は前記母趾の稜線L10よりも内側まで延びている。
JP2012510527A 2010-04-16 2010-04-16 靴のアッパーの前足部の構造 Active JP5103639B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2010/056875 WO2011129017A1 (ja) 2010-04-16 2010-04-16 靴のアッパーの前足部の構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5103639B2 JP5103639B2 (ja) 2012-12-19
JPWO2011129017A1 true JPWO2011129017A1 (ja) 2013-07-11

Family

ID=44798407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012510527A Active JP5103639B2 (ja) 2010-04-16 2010-04-16 靴のアッパーの前足部の構造

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9259054B2 (ja)
EP (1) EP2559352B1 (ja)
JP (1) JP5103639B2 (ja)
WO (1) WO2011129017A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011004422A1 (ja) 2009-07-06 2011-01-13 株式会社アシックス 紐締めフィッティング構造を備えた靴
US8578632B2 (en) 2010-07-19 2013-11-12 Nike, Inc. Decoupled foot stabilizer system
US20150013187A1 (en) * 2012-02-17 2015-01-15 Asics Corporation Shoe and Manufacturing Method Therefor
JP5674993B2 (ja) 2012-03-16 2015-02-25 株式会社アシックス 紐締めフィッティング構造
ITAN20120029A1 (it) * 2012-03-23 2012-06-22 Gold Star S R L Procedimento di lavorazione di una tomaia per calzature in pelle adattabile alle deformazioni dei piedi.
JP5465814B1 (ja) 2012-05-10 2014-04-09 株式会社アシックス アウトソールおよびミッドソールを備えた靴底
US9675130B2 (en) * 2013-01-24 2017-06-13 Asics Corporation Shoe and method for manufacturing thereof
AU2013293073B2 (en) 2013-03-15 2015-06-18 Asics Corporation Mid sole having layered structure
CN105491905B (zh) * 2013-08-13 2017-08-15 安德阿默有限公司 功能性鞋
US10383388B2 (en) * 2014-03-07 2019-08-20 Nike, Inc. Article of footware with upper incorporating knitted component providing variable compression
JP5909032B1 (ja) 2014-05-29 2016-04-26 株式会社アシックス 靴のアッパー
CN107105813B (zh) * 2015-01-20 2020-11-03 耐克创新有限合伙公司 具有网眼结构的鞋类物品
US9961962B2 (en) * 2015-08-18 2018-05-08 Action Sports Equipment Inc. Article of footwear having active regions and secure regions
USD780430S1 (en) * 2015-09-01 2017-03-07 Nike, Inc. Shoe upper
EP3170419B1 (en) * 2015-10-08 2019-05-15 ASICS Corporation Shoe having upper and sole
USD815425S1 (en) * 2016-01-09 2018-04-17 Nike, Inc. Shoe midsole
USD821734S1 (en) * 2016-01-09 2018-07-03 Nike, Inc. Shoe midsole
USD815424S1 (en) * 2016-01-09 2018-04-17 Nike, Inc. Shoe midsole
US9907358B2 (en) 2016-07-21 2018-03-06 Nike, Inc. Footwear with tactile-feedback members
US11617416B2 (en) 2017-03-20 2023-04-04 Asics Corporation Shoe upper
US11059249B2 (en) 2017-06-19 2021-07-13 Under Armour, Inc. Footwear and method of formation
CN111050588B (zh) * 2017-08-31 2022-06-10 耐克创新有限合伙公司 带有具有大体上相等的摩擦系数的鞋面和鞋底结构的鞋类物品
USD864550S1 (en) * 2019-01-04 2019-10-29 Nike, Inc. Shoe
US11564450B2 (en) * 2019-01-11 2023-01-31 Boot Bam, Inc. Systems and methods for enhancing boot comfort and style
USD904745S1 (en) * 2019-02-15 2020-12-15 Nike, Inc. Shoe
WO2020172630A1 (en) * 2019-02-22 2020-08-27 Fuerst Group, Inc. Footwear article with wear guard
AU2020279341A1 (en) * 2019-05-17 2021-12-23 Asics Corporation Shoe
USD985254S1 (en) 2019-06-13 2023-05-09 Nike, Inc. Shoe
USD948197S1 (en) * 2021-04-08 2022-04-12 Nike, Inc. Shoe

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1545475A (en) * 1975-05-21 1979-05-10 Torrance J Footwear
WO1980000402A1 (en) 1978-08-28 1980-03-20 Sasaki Co Shoe
JPS5534472U (ja) * 1978-08-28 1980-03-05
JPS5534472A (en) 1978-09-04 1980-03-11 Hitachi Ltd Device for automatically assembling electronic equipment or like
US4255876A (en) * 1979-05-31 1981-03-17 Brs, Inc. Athletic shoe having an upper toe section of stretchable material, external reinforcing strips and improved lacing
AT376555B (de) 1982-11-12 1984-12-10 Koeflach Sportgeraete Gmbh Schuh oder stiefel
JPS60180511A (ja) 1984-02-29 1985-09-14 井関農機株式会社 歩行型田植機
CA1232446A (en) * 1984-04-04 1988-02-09 Terry Mackness Running shoes
JPS60180511U (ja) * 1984-05-11 1985-11-30 アキレス株式会社
US4694591A (en) * 1985-04-15 1987-09-22 Wolverine World Wide, Inc. Toe off athletic shoe
JPS62109607U (ja) 1985-12-27 1987-07-13
JPS6426245U (ja) 1987-08-10 1989-02-14
JPH0510649Y2 (ja) * 1988-03-08 1993-03-16
JPH0649205Y2 (ja) 1990-08-10 1994-12-14 美津濃株式会社 スポーツシューズ
JPH04107608A (ja) 1990-08-28 1992-04-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd シーケンスコントローラ
JPH04107608U (ja) 1991-01-18 1992-09-17 東洋ゴム工業株式会社 靴の甲被
JPH0510649A (ja) 1991-06-28 1993-01-19 Toshiba Corp シヨーケース
JP2512170Y2 (ja) 1991-07-23 1996-09-25 ミサワホーム株式会社 建物ユニット用養生シ―ト
JPH0649205U (ja) 1992-12-10 1994-07-05 アラコ株式会社 車両用ミラーの配線取廻し構造
US5692320A (en) * 1993-01-28 1997-12-02 K-Swiss Inc. Shock absorbing lacing system for a shoe
JPH074284B2 (ja) * 1993-01-29 1995-01-25 株式会社アシックス 靴の締め具
JPH0759201B2 (ja) * 1993-01-29 1995-06-28 株式会社アシックス スケルトン状外部甲被を有する靴
JPH09304A (ja) 1995-06-16 1997-01-07 Midori Anzen Co Ltd 安全靴
US5765296A (en) * 1997-01-31 1998-06-16 Nine West Group, Inc. Exercise shoe having fit adaptive upper
JPH10225302A (ja) 1997-02-17 1998-08-25 Mizuno Corp スポーツシューズ用靴底
JPH10234408A (ja) * 1997-02-26 1998-09-08 Shimano Inc 自転車用靴の帯締め構造
JP3600040B2 (ja) * 1998-09-22 2004-12-08 美津濃株式会社 運動靴
USD425292S (en) * 1999-06-02 2000-05-23 Wolverine World Wide, Inc. Shoe upper
USD440034S1 (en) * 1999-06-02 2001-04-10 Wolverine World Wide, Inc. Shoe upper
EP1059045B1 (en) * 1999-06-11 2003-09-10 TECNICA SpA Footwear having reinforced vamp, semi-manufactured vamp product and manufacturing process thereof
US6195914B1 (en) * 1999-07-13 2001-03-06 E.S. Originals, Inc. Shoe with adjustable upper
US6474000B2 (en) * 2000-12-21 2002-11-05 Salomon S.A. Sports boot having an integrated quick tightening system
FR2836340B1 (fr) * 2002-02-28 2004-09-03 Salomon Sa Article chaussant a serrage elastique
AU2004231386C1 (en) * 2003-04-24 2007-02-08 Asics Corporation Sports shoes having upper part with improved fitting property
USD487337S1 (en) * 2003-05-15 2004-03-09 Wolverine World Wide, Inc. Footwear upper
US7010872B2 (en) * 2003-05-16 2006-03-14 The Timberland Company Modular shoe
US6952890B1 (en) * 2003-09-02 2005-10-11 Nike, Inc. Lace retainer for footwear
USD511614S1 (en) * 2004-10-08 2005-11-22 Nike, Inc. Portion of a shoe upper
US7200957B2 (en) * 2005-02-09 2007-04-10 Nike, Inc. Footwear and other foot-receiving devices including a wrapped closure system
US8065818B2 (en) * 2005-06-20 2011-11-29 Nike, Inc. Article of footwear having an upper with a matrix layer
WO2007080609A1 (en) * 2006-01-11 2007-07-19 Fila Luxembourg S.A.R.L. Improved shoe
DE202006009950U1 (de) * 2006-06-26 2007-11-08 Puma Aktiengesellschaft Rudolf Dassler Sport Schuh, insbesondere Sportschuh
WO2008047659A1 (fr) * 2006-10-19 2008-04-24 Asics Corporation Chaussure de sport présentant un ajustement amélioré de la partie de tige
JP4684986B2 (ja) * 2006-11-29 2011-05-18 美津濃株式会社 シューズのアッパー構造
US8001704B2 (en) * 2007-10-09 2011-08-23 Nike, Inc. Footwear with a foot stabilizer
FR2932964B1 (fr) * 2008-06-27 2010-10-15 Salomon Sa Chaussure qui ameliore la tenue du pied
US20110247238A1 (en) * 2010-04-08 2011-10-13 Seven Wells, Llc Flapped heel shoe

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011129017A1 (ja) 2011-10-20
US20130008053A1 (en) 2013-01-10
US9259054B2 (en) 2016-02-16
EP2559352B1 (en) 2017-02-08
EP2559352A1 (en) 2013-02-20
EP2559352A4 (en) 2014-08-06
JP5103639B2 (ja) 2012-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5103639B2 (ja) 靴のアッパーの前足部の構造
JP6306590B2 (ja) シューズ
JP5909032B1 (ja) 靴のアッパー
JP4918571B2 (ja) アッパーのフィット性を改良した運動靴
JP6026583B2 (ja) シューズのアッパー構造およびシューズ
JP6162784B2 (ja) シューズ用アウトソール構造およびそれを用いたクリーツシューズ
WO2008047659A1 (fr) Chaussure de sport présentant un ajustement amélioré de la partie de tige
JP7203126B2 (ja) カウンタを備えた靴
JP7261817B2 (ja)
JP4351199B2 (ja) アッパーのフィット性を改良した運動靴
JPWO2020067476A1 (ja) シューズ
JP2023129373A (ja) 局所的な側壁部補強構造体を備えたゴルフシューズソール
JP6310545B2 (ja) 靴のアッパー
WO2022215203A1 (ja) 靴底および靴
JP7476186B2 (ja) スケートボード用シューズ
US20190174867A1 (en) Upper of football shoe and football shoes using the upper
JP6580005B2 (ja) シューズのアッパー構造およびシューズ
WO2022215202A1 (ja) 靴底および靴
US20240099423A1 (en) Upper and shoe including the same
JP2022175847A (ja) ソール及びシューズ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5103639

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3