JPWO2011125370A1 - 観察装置及び観察方法 - Google Patents

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Abstract

被観察物1から到来する到来光2に基づいて被観察物1を観察する観察装置100は、到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ到来光2を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換部104と、到来光2を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、到来光を第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物1に関する画像情報を生成する画像情報生成部106とを備える。第2瞳関数は第1瞳関数とは異なることが好ましい。

Description

本発明は、被観察物から到来する到来光に基づいて被観察物を観察する観察装置及び観察方法に関する。
光学顕微鏡を用いる場合、被観察物に光を照射し、被観察物から到来する到来光(反射光、透過光又は蛍光等)をレンズによって結像させて被観察物を観察する。到来光として蛍光を用いる蛍光顕微鏡には、非走査型と走査型とがある。非走査型蛍光顕微鏡では、特定の波長の光(励起光)だけを被観察物に照射し被観察物が発する蛍光をレンズで結像させて被観察物を観察する。被観察物が発する蛍光の波長は励起光の波長とは異なるため、フィルタなどで蛍光のみを取り出し、2次元断層画像を得ることができる。走査型蛍光顕微鏡には、2次元断層画像を取得するものとして、共焦点光学型顕微鏡がある。共焦点光学型顕微鏡では、被観察物に対し2次元断層面に沿ってレーザー走査し、被観察物から到来する点光を取得する。焦点が合致した画像からのみ構成される2次元断層画像を取得し得るため、ボケの少ない画像を生成し被観察物を観察しえる(特許文献1、2)。
米国特許第5587832号公報 特許第3634343号公報
しかし、非走査型蛍光顕微鏡によって取得した2次元断層画像では、焦点が合致した画像と焦点が合致しない画像とが重なって見える。焦点位置までの光路長と非焦点位置までの光路長とが異なるにも拘らず、同一断層面の画像として観察するからである。従って、厚みのある被観察物を観察する場合、被観察画像を示す画像にはボケが多く含まれる。その結果、ボケを排除した鮮明な画像を得ることができない。
また、走査型蛍光顕微鏡では、被観察物に対し2次元断層面に沿ってレーザー走査し、被観察物から到来する点光を取得するため、ボケの少ない画像を生成するためには走査タイミングと点光取得タイミングとを厳格に同期させなければならない。その結果、観察装置において、高額で高精度な同期手段を必要とする。更に、被観察物に対し2次元断層面に沿ってレーザー走査するため、被観察物の2次元断層画像取得時間は走査時間に律速となる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる観察装置及び観察方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る観察装置は、被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察装置であって、前記到来光を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ前記到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換部と、前記第1変換光と、前記第2変換光とに基づいて、前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成部とを備える。
背景技術の項目で説明したように、従来の非走査型蛍光顕微鏡によって取得した2次元断層画像では、焦点が合致した画像と焦点が合致しない画像とが重なって見える。従って、厚みのある被観察物を観察する場合、被観察画像を示す画像にはボケが多く含まれる。その結果、ボケを排除した鮮明な画像を得ることができない。また、従来の走査型蛍光顕微鏡では、被観察物に対し2次元断層面に沿ってレーザー走査し、被観察物から到来する点光を取得するため、ボケの少ない画像を生成するためには走査タイミングと点光取得タイミングとを厳格に同期させなければならない。その結果、観察装置において、高額で高精度な同期手段を必要とする。更に、被観察物に対し、2次元断層画像取得時間は走査時間に律速となる。
一方、本発明の観察装置によれば、被観察物から到来する到来光を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物に関する画像情報を生成する。例えば、異なる瞳関数で変換された変換光は、異なった強度分布を有する。異なった強度分布を重ね合わせたり、異なった強度分布の差分をとったりすると、ピーク強度とその他の強度との差がより明確になり、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを抑えることが出来る。その結果、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記第1瞳関数と前記第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更する瞳関数変更部を更に備える。例えば、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせによって、ボケが多く観察に適さない画像情報を得た場合でも、第1瞳関数と第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を適切に変更すれば、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記変換部は、前記到来光を前記第1瞳関数で変換する第1変換部と、前記到来光を前記第2瞳関数で変換する第2変換部とを含む。すなわち、変換部は、別々の第1変換部と第2変換部とで構成される。その結果、到来光の第1変換光及び第2変換光への変換を同時に行うことができ、ボケの少ない画像情報を迅速且つ確実に効率よく生成し得る。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記変換部は、反射型部材又は透過型部材を含む。反射型部材及び透過型部材は、既製品として容易に安価で入手し得る。従って、変換部として特別な構成を必要とすることなく、安価な構成で、到来光を第1変換光及び第2変換光に夫々変換することができる。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記到来光の焦点位置を変更する焦点位置変更部を更に備える。例えば、到来光の焦点位置の変更は、到来光の焦点までの光路長を変化させることによって実現でき、これにより、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを変更することが出来る。その結果、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせのみでは十分な分解能を得難い場合でも、到来光の焦点位置を変更することによって、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記第1瞳関数及び前記第2瞳関数は、互いに内輪と外輪とを有する二次元ドーナツ形状の関数であり、前記第1変換部及び前記第2変換部は、夫々の内輪と外輪とで囲まれる領域を前記第1瞳関数及び前記第2瞳関数の非遮蔽領域として機能させる。この場合、変換部において、ドーナツ形状の外輪よりも外側の領域に到来した到来光を遮蔽することが出来、観察装置の光学系に起因する球面収差の影響が低減され、光軸分解能を向上させることが出来る。更に、変換部において、ドーナツ形状の内輪よりも内側の領域に到来した到来光を遮蔽することが出来、ドーナツ形状の内輪よりも内側の領域に到来したノイズの多い光の影響を排除することができる。その結果、更に鮮明な画像を得ることができる。
本発明の観察装置の好適な態様によれば、前記二次元ドーナツ形状の関数において、前記内輪の径と前記外輪の径との比の値は、1/6〜4/5である。内輪の径と外輪の径との比の値がこの程度の範囲であれば、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを確実に抑えることが出来る。その結果、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る観察方法は、被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察方法であって、前記到来光を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ前記到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換ステップと、前記第1変換光と、前記第2変換光とに基づいて、前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成ステップとを包含する。
本発明に係る観察方法によれば、上述した本発明の観察装置と同様の作用効果を奏する。すなわち、本発明の観察方法によれば、被観察物から到来する到来光を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物に関する画像情報を生成する。例えば、異なる瞳関数で変換された変換光は、異なった強度分布を有する。異なった強度分布を重ね合わせたり、異なった強度分布の差分をとったりすると、ピーク強度とその他の強度との差がより明確になり、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを抑えることが出来る。その結果、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
本発明の観察方法の好適な態様によれば、前記第1瞳関数と前記第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更する瞳関数変更ステップを更に包含する。例えば、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせによって、ボケが多く観察に適さない画像情報を得た場合でも、第1瞳関数と第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を適切に変更すれば、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
本発明の観察方法の好適な態様によれば、前記変換ステップは、前記到来光を前記第1瞳関数で変換する第1変換ステップと、前記到来光を前記第2瞳関数で変換する第2変換ステップとを含む。すなわち、変換ステップとして、別々の第1変換ステップと第2変換ステップとを実行する。その結果、到来光の第1変換光及び第2変換光への変換を同時に行うことができ、ボケの少ない画像情報を迅速且つ確実に効率よく生成し得る。
本発明の観察方法の好適な態様によれば、変換ステップによる前記到来光の焦点位置を変更する焦点位置変更ステップを更に包含する。到来光の焦点位置の変更は、到来光の焦点までの光路長を変化することによって実現でき、これにより、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを変更することが出来る。その結果、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせのみでは十分な分解能を得難い場合でも、到来光の焦点位置を変更することによって、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る観察装置は、被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察装置であって、前記到来光の強度を少なくとも1つの瞳関数で変調することによって前記到来光を変換光に変換する変換部と、前記変換光に基づいて前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成部とを備え、前記少なくとも1つの瞳関数は、遮蔽領域と、前記遮蔽領域の周囲に配置された非遮蔽領域とを有する。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る観察方法は、被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察方法であって、前記到来光の強度を少なくとも1つの瞳関数で変調することによって前記到来光を変換光に変換する変換ステップと、前記変換光に基づいて前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成ステップとを包含し、前記変換ステップにおいて、前記少なくとも1つの瞳関数は、遮蔽領域と、前記遮蔽領域の周囲に配置された非遮蔽領域とを有する。
本発明の観察装置および観察方法によれば、非遮蔽領域よりも内側の遮蔽領域に到来した到来光を遮蔽し、これにより、遮蔽領域に到来するノイズの多い光の影響を排除することができる。その結果、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
本発明の実施形態1に係る観察装置の模式図である。 第2変換部においてすべての画素が光を吸収し、第1変換部においてすべての画素が光を反射するようにした観察装置において、蛍光ビーズの点像分布を示す図であり、(a)はX−Z平面の点像分布を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 第2変換部においてすべての画素が光を吸収するとともに、第1変換部に様々なドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置において、蛍光ビーズの点像分布を示す図であり、(a)〜(f)のそれぞれにおいて、瞳関数、X−Z平面の点像分布、X軸方向の点像分布を示すグラフ、および、Z軸方向の点像分布を示すグラフを示す。 画像情報生成部が取得する画像の概念図である。 第1変換部に外輪の直径が1040μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の第1瞳関数を与え、第2変換部に外輪の直径が1040μm、内輪の直径が832μmのドーナツ形状の第2瞳関数を与えた観察装置において、蛍光ビーズの点像分布を示す図であり、(a)はX−Z平面の点像分布を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 図5に示した結果の得られた観察装置に対して、第2変換部の移動によって到来光の焦点距離を変更した後の蛍光ビーズの点像分布を示す図であり、(a)はX−Z平面の点像分布を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 第1変換部に外輪の直径が1040μm、内輪の直径が832μmのドーナツ形状の第1瞳関数を与え、第2変換部に外輪の直径が624μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の第2瞳関数を与えた観察装置において、蛍光ビーズの点像分布を示す図であり、(a)はX−Z平面の点像分布を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)は第1瞳関数とその点像分布を示す図であり、(b)は第2瞳関数とその点像分布を示す図であり、(c)は第1瞳関数と第2瞳関数との差分およびこれらの点像分布の差分を示す図である。 (a)は光が遮蔽されていないことを示す模式図であり、(b)はX−Z平面の点像分布を示す図である。 (a)は第1瞳関数を示す図であり、(b)はX−Z平面の点像分布を示す図である。 (a)は第2瞳関数を示す図であり、(b)はX−Z平面の点像分布を示す図である。 (a)は、図9(b)、図10(b)および図11(b)に示した場合のX軸方向の点像分布を示すグラフであり、(b)は、図9(b)、図10(b)および図11(b)に示した場合のZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)は図10(b)および図11(b)に示した点像分布の差分を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)は図13(a)に示した結果の得られた観察装置に対して到来光の焦点距離を変化させた後の点像分布を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)はX−Z平面の点像分布を示す図であり、(b)〜(d)はデジタル画像処理によって得られた点像分布を示す図である。 (a)は図15(a)と図15(b)に示した点像分布の差分を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)は図15(a)と図15(d)に示した点像分布の差分を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 (a)は図15(a)と図15(c)に示した点像分布の差分を示す図であり、(b)および(c)は、それぞれ(a)のX軸方向およびZ軸方向の点像分布を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る観察装置の模式図である。 (a)は実施例1において観察装置100で観察された画像を示す図であり、(b)は従来の蛍光顕微鏡で観察された画像を示す図である。 図20に点線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフであり、(a)は観察装置100で観察された画像の蛍光強度分布を示すグラフであり、(b)は従来の蛍光顕微鏡で観察された画像の蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)は従来の蛍光顕微鏡で観察された画像を示す図であり、(b)は実施例2において観察装置100で観察された画像を示す図である。 図22(a)および図22(b)に点線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)はデジタル画像処理で得られた画像を示す図であり、(b)は(a)の破線で囲まれた領域の拡大図であり、(c)は(b)の破線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)はデジタル画像処理で得られた画像を示す図であり、(b)は(a)の破線で囲まれた領域の拡大図であり、(c)は(b)の破線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)はデジタル画像処理で得られた画像を示す図であり、(b)は(a)の破線で囲まれた領域の拡大図であり、(c)は(b)の破線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)は実施例3において観察装置100で観察された画像を示す図であり、(b)は(a)の破線で囲まれた領域の拡大図であり、(c)は(b)の破線で示した箇所の断面における蛍光強度分布を示すグラフである。 (a)〜(g)は実施例4においてそれぞれ異なる時刻に観察装置100で観察された画像を示す図である。 実施例4における観察装置100で観察されたカドヘリンからの蛍光強度分布の時間変化を示す模式図である。
図面を参照して、本発明の観察装置及び観察方法に関する実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[実施形態1]
図1は、本発明の実施形態1に係る観察装置100の模式図である。観察装置100は、被観察物1から到来する到来光2に基づいて被観察物1を観察する。観察装置100は、光学系102と、到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換部104と、画像情報生成部106と、瞳関数変更部108と、焦点位置変更部110とを備える。なお、本明細書において、瞳関数変更部108および焦点位置変更部110をそれぞれ、関数変更部108および位置変更部110と呼ぶことがある。
光学系102は、蛍光顕微鏡3の結像面以降に設けられている。光学系102は、結像面に配置された視野を限定するためのスリット102aと、結像面の実像を画像情報生成部106にリレーするための第1リレーレンズ102b、第2リレーレンズ102c及び第1ミラー102dと、到来光2を偏光成分別に二つに分けるための第1偏光ビームスプリッタ102eと、第1リレーレンズ102b及び第2リレーレンズ102cにより伝達された像を画像情報生成部106に伝達するための第3リレーレンズ102f、第4リレーレンズ102k、第5リレーレンズ102m、第2ミラー102i及び第3ミラー102jと、第1リレーレンズ102b及び第2リレーレンズ102cにより伝達された像を偏光成分別に二つに分けるための第2偏光ビームスプリッタ102gと、分けられた像を再度結合させるための第3偏光ビームスプリッタ102hとを備える。
尚、光学系102は、到来光2を変換部104に導き、変換光を画像情報生成部106に導くことができる限りは、図1に示された構成に限定されない。例えば、リレーレンズ、ミラー、偏光ビームスプリッタの組み合わせ、配置は任意である。本実施形態1では、蛍光顕微鏡3により取得された実像を画像情報生成部106へ伝達するために、2枚のレンズ102b、102cから成るリレー光学系と、102fと102iあるいは102jから成るリレー光学系とを介する。本実施形態では、2枚のレンズからなるリレー光学系を用いたが、1枚のレンズによる光学系を採用し得る。なお、レンズ102bは、第1偏光ビームスプリッタ102eよりも上方に配置される。
変換部104は、到来光2を第1瞳関数で変換する第1変換部104aと、到来光2を第2瞳関数で変換する第2変換部104bとを含む。一般に、瞳関数は光の位相と強度のパラメータを有する関数である。なお、到来光2が蛍光である場合、光がインコヒーレントであるため、瞳関数は、光の強度のパラメータを有する関数となる。ここでは、瞳関数は、変換部の受光面での反射率で表される。異なる瞳関数で変換された変換光は、異なった強度分布を有する。異なった強度分布を重ね合わせたり、異なった強度分布の差分をとったりすると、ピーク強度とその他の強度との差がより明確になる。第1変換部104aと第2変換部104bとは、第1リレーレンズ102bの光学瞳の位置(即ち焦点距離の位置)に配置される。第1変換部104aと第2変換部104bとは、例えば、反射型部材を含む。ここでは、反射型部材として反射型液晶ミラーアレイが用いられている。
画像情報生成部106は、到来光2を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、到来光を第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物1に関する画像情報を生成する。画像情報生成部106は、第1変換光の強度分布と第2変換光の強度分布とに基づいて被観察物1に関する画像情報を取得する画像情報取得部106aと、取得した画像情報を処理する画像情報処理部106bとを備える。
関数変更部108は、第1変換部104aに与えられた第1瞳関数と第2変換部104bに与えられた第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更する。関数変更部108は、第1変換部104aと第2変換部104bとのうちの少なくとも一方に対して、瞳関数が変更するよう信号を出力する。例えば、第1変換部104aと第2変換部104bとが反射型液晶ミラーアレイである場合は、関数変更部108は、第1変換部104aと第2変換部104bとに電圧を印加することで液晶分子の傾きを制御し、瞳関数を変更することが出来る。
位置変更部110は、到来光2の焦点位置を変更する。例えば、位置変更部110は到来光2の焦点位置を光軸方向に移動させ得る。ここでは、位置変更部110は第5リレーレンズ102mを光軸方向に移動させ得る。
以下、図1を参照して被観察物1から到来した到来光2の光路を説明する。スリット102aを通った到来光2は、第1偏光ビームスプリッタ102eにより、縦波と横波との二つの偏光成分に分解される。縦波光は、第1変換部104aに照射され、横波光は、第2変換部104bに照射される。
第1変換部104aに照射された縦波光には、二次元的に偏光成分に位相変調が与えられ、第1変換部104aに与えられた第1瞳関数によって変換された第1変換光として反射する。第2変換部104bに照射された横波光は、二次元的に偏光成分に位相変調が与えられ、第2変換部104bに与えられた第2瞳関数によって変換された第2変換光として反射する。即ち、第1偏光ビームスプリッタ102eにより分解された縦波光と横波光のうち、第1変換部104aと第2変換部104bとにより位相変調された部分のみが、第1偏光ビームスプリッタ102eを通り、第2リレーレンズ102c及び第1ミラー102dにより、画像情報生成部106へと伝達される。第1変換部104aと第2変換部104bとは、光学瞳の位置に配置されているので、第1変換部104aと第2変換部104bとによって位相変調された部位の二次元分布により、第1リレーレンズ102b及び第2リレーレンズ102cからなる光学系の瞳関数が決定される。
蛍光顕微鏡3により取得された像は、第2リレーレンズ102cを通り、一旦結像し、さらに後の光学系により、画像情報生成部106へと伝達され、画像情報取得部106aの受光面にて結像される。第3リレーレンズ102fを通った光は、第2偏光ビームスプリッタ102gにより、再度、偏光成分に従い2つに分割される。二つの光はそれぞれ、第4リレーレンズ102k、第5リレーレンズ102mを通り、第3偏光ビームスプリッタ102hにより結合され、画像情報取得部106aへと伝達される。画像情報取得部106aは、例えばCCDカメラである。
ここでは、第1変換部104aと第2変換部104bとして、画素の大きさが10.4μmで、画素数が横1400、縦1050の反射型液晶ミラーアレイを用いた。また、蛍光顕微鏡3として、落射型蛍光顕微鏡を用い、対物レンズとして、開口数1.45の60倍の倍率の対物レンズを選択した。第1リレーレンズ102b及び第2リレーレンズ102cからなるリレー光学の倍率は5倍である。
図2は、第2変換部104bにおいてすべての画素が光を吸収し、第1変換部104aにおいてすべての画素が光を反射するようにした観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す図である。変換部104における瞳関数の修飾と点像分布との相関を調べるために、第1変換部104aのみを用い、第2変換部104bを含む光路は用いていない。上記条件において、第1変換部104aの全ての微小アレイにおいて位相をπ/4移動させ、直径100nmの蛍光ビーズを計測した。
図2(a)は、X−Z平面における蛍光ビーズの点像分布を示す。横軸は水平軸(X軸)を示し、縦軸は光軸(Z軸)を示す。第1変換部104aは受光面全ての位置において非遮蔽であり、このことは、第1変換部104aの受光面において各画素が光を反射することを意味する。図2(b)は、X軸方向の点像分布を示す。横軸はX軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。X軸方向の点像分布は、顕微鏡の水平分解能を示す。回折限界よりも小さな点から発せられた点像は、近似的にガウス分布に従う。顕微鏡の分解能は、図2(b)に示す点像分布の半値幅で定義される。観察装置100によれば、水平分解能は、225nmであった。図2(c)は、Z軸方向の点像分布を示す。横軸はZ軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。Z軸方向の点像分布は、顕微鏡の光軸分解能を示す。回折限界よりも小さな点から発せられた点像分布は、Z軸方向においても、理論的には、近似的にガウス分布に従う。しかしながら、図2(c)に示すように、像を形成する光学系の球面収差により、ガウス分布から外れた分布を示す。球面収差が顕微鏡の光軸分解能の低下を引き起こす。観察装置100によれば、光軸分解能は、1472nmであった。
図3は、第2変換部104bにおいてすべての画素が光を吸収し、第1変換部104aに様々なドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す図である。図3においては、ドーナツ形状の内輪と外輪とで囲まれる領域が瞳関数の非遮蔽領域として機能する。ここで、内輪および外輪はほぼ円周形状であり、外輪に対応する円周の直径は内輪に対応する円周の直径よりも大きい。なお、瞳関数は、内輪と外輪とで囲まれる領域の位相を変更したり、囲まれる領域の透過度、反射度を変更したりすることによって、変化させることができる。例えば、囲まれる領域の位相の変更度合いは、π/4である。図3において、瞳は、与えた瞳関数の形状を示し、PSF(Point Spread Function:点像分布関数)は、X−Z平面における点像分布を示す。図2と同様にX軸における点像分布を示す図において、横軸はX軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図2と同様にZ軸における点像分布を示す図において、横軸はZ軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。
図3(a)は、第1変換部104aに、内輪の直径が208μm、外輪の直径が832μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(b)は、第1変換部104aに、内輪の直径が208μm、外輪の直径が1040μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(c)は、第1変換部104aに、内輪の直径が208μm、外輪の直径が1248μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(d)は、第1変換部104aに、内輪の直径が416μm、外輪の直径が1040μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(e)は、第1変換部104aに、内輪の直径が624μm、外輪の直径が1040μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(f)は、第1変換部104aに、内輪の直径が832μm、外輪の直径が1040μmであるドーナツ形状の瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す。図3(a)〜図3(f)で示す例では、ドーナツ形状の内輪の径と外輪の径との比の値は、1/6〜4/5の範囲である
変換部104にドーナツ形状の瞳関数を与えることによって、光軸分解能が向上する。ドーナツ形状の瞳関数により、球面収差の影響が軽減されるからと考えられる。ドーナツ形状の瞳関数では、内輪の内側に規定される部分(中央部分)において光が遮蔽され、外輪と内輪の間の領域で規定される部分(周囲部分)において光が実質的に遮蔽されない。例えば、瞳関数は、内輪の内側に規定される部分の反射光強度はほぼゼロであり、外輪と内輪の間の領域で規定される部分の反射光強度はほぼ1(最大値で規格化したもの)となるように設定される。なお、外輪の外側に規定される部分の光強度(ここでは、反射光強度)はゼロである。このように、変換部104が到来光2の強度を変調することによって到来光2は変換光に変換される。
なお、第1、第2変換部104a、104bとして反射型液晶ミラーアレイを用いる場合、受光面における各画素の反射率を適切に調整することにより、任意の瞳関数を実現することができる。また、点像分布は、瞳関数のフーリエ変換のパワースペクトルに対応しているといえ、上述したドーナツ形状の瞳関数における内輪の内側に対応する部分は点像分布の低周波成分に対応している。このため、この部分の光を取り除くことにより、分解能を向上させることができる。
例えば、外輪の直径が1040μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の瞳関数(図3(b)参照)を与えた場合には、水平分解能233nm、光軸分解能は942nmであった。瞳関数として適切なドーナツ形状を与えることにより、水平分解能を低下させることなく、光軸分解能を向上させることが可能である。光学顕微鏡において、光軸分解能を向上させることは、共焦点顕微鏡と同等の効果を示すことであり、従って、蛍光断層画像を取得できることを意味する。
図4は、画像情報生成部106が取得する画像の概念図である。第1変換部104aと第2変換部104bとの各々に異なる瞳関数を与え得る。従って、画像情報生成部106には、二つの異なる瞳関数(第1瞳関数と第2瞳関数)によって変換した変換光に基づく画像が、一つの画像として取得され得る。スリット102aによって視野を最適に調整し、二つの光路を調整することで、画像の上下、あるいは、左右に、二つの異なる瞳関数を与えられた画像が並列に並び、一つの画像として取得され得る。
画像Fは第1変換部104aによって変換した変換光に基づく画像を示し、画像Fは第2変換部104bによって変換した変換光に基づく画像を示す。なお、図4にはXY平面の画像F、Fを示しているが、画像F、FはX軸、Y軸方向だけでなく光軸(Z軸)方向の成分も有している。XYZ方向の成分を有する画像F、Fは蛍光顕微鏡3の対物レンズを光軸(Z軸)方向に移動させて取得される。
画像情報処理部106bは、画像情報取得部106aにより取得された画像Fおよび画像Fを加算、減算又は乗算し得る。例えば、第1変換部104aには、外径1040μm、内径208μmのドーナツ形状の瞳関数を与え、第2変換部104bには、外径1040μm、内径832μmのドーナツ形状の瞳関数を与える。画像Fにおける点像分布は、図3(b)に示す分布となり、画像Fにおける点像分布は、図3(f)に示す分布となる。画像情報処理部106bが、画像情報取得部106aから得られた一枚の画像を画像Fと画像Fとに分割し、画像Fと画像Fとを加算、減算あるいは乗算し、新しい一枚の画像を作成できる。なお、加算または減算の結果の単位は光強度を示すが、乗算の結果の単位は光強度を示さない。ただし、乗算の結果は光強度に対応している。このため、第1瞳関数と第2瞳関数が等しい場合でも、乗算の結果を利用することができる。例えば、第2変換部104bを移動させて第2変換部104bを通過する光学系の光路長を微小変化させて、画像Fと画像Fとを乗算することで、分解能の向上を図ることができる。
本実施形態の観察装置100によれば、到来光2を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物1に関する画像情報を生成する。異なった瞳関数で反射された変換光は、異なった強度分布を有する。異なった強度分布を重ね合わせたり、異なった強度分布の差分をとったりすると、ピーク強度とその他の強度との差がより明確になり、被観察物から到来する到来光の強度分布の広がりを抑えることが出来る。その結果、被観察物から到来する到来光を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。さらに、観察装置100によれば、変換部104は、第1変換部104aと第2変換部104bとを含む。すなわち、変換部104は、別々の第1変換部104aと第2変換部104bとで構成される。その結果、到来光2の第1変換光及び第2変換光への変換を同時に行うことができ、ボケの少ない画像情報を迅速且つ確実に効率よく生成し得る。
図5は、第1変換部104aに外輪の直径が1040μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の第1瞳関数(図3(b)参照)を与え、第2変換部104bに外輪の直径が1040μm、内輪の直径が832μmのドーナツ形状の第2瞳関数(図3(f)参照)を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す図である。第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光との強度の差分(減算)に基づいて、画像情報を生成した。
図5(a)は、X−Z平面における点像分布を示す。横軸は水平軸を示し、縦軸は光軸を示す。図5(b)は、X軸方向の点像分布を示す。横軸はX軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図5(c)は、Z軸方向の点像分布を示す。横軸はZ軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図5(c)において、分布関数は、ラプラシアンフィルタ様の形状を示した。ラプラシアンフィルタは、画像処理において、画像のエッジ(境界)を際立たせる効果がある。図5(c)は、Z軸に沿って上下に非対称ではあるが、Z軸方向においてエッジが際立つことを示す。
観察装置100によれば、第1瞳関数及び第2瞳関数は、互いに内輪と外輪とを有するドーナツ形状の関数であり、第1変換部104a及び第2変換部104bは、夫々の内輪と外輪とで囲まれる領域を第1瞳関数及び第2瞳関数の非遮蔽領域として機能させる。従って、変換部104のうち、ドーナツ形状の外輪よりも外側の領域に到来した到来光2の反射を妨げることが出来る。その結果、観察装置100の光学系に起因する球面収差の影響が低減され、光軸分解能を向上させることが出来る。更に、変換部104のうち、ドーナツ形状の内輪よりも内側の領域に到来した到来光の反射を妨げることが出来る。従って、ドーナツ形状の内輪よりも内側の領域に到来したノイズの多い光の影響を排除することができる。その結果、更に鮮明な画像を得ることができる。
図6は、第2変換部104bの移動によって到来光2の焦点距離を変更した後の蛍光ビーズの点像分布を示す図である。第1変換部104aに外輪の直径が1040μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の第1瞳関数(図3(b)参照)を与え、第2変換部104bに外輪の直径が1040μm、内輪の直径が832μmのドーナツ形状の第2瞳関数(図3(f)参照)を与えている。第2変換部104bを移動させて第2変換部104bを通過する光学系の光路長を微小変化させて、光の焦点距離を200nm変更した。なお、位置変更部110は、第5リレーレンズ102mを光軸方向に移動させることによっても焦点距離を変更できる。焦点距離を移動後、第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光との強度の差分(減算)に基づいて、画像情報を生成した。
図6(a)は、X−Z平面における点像分布を示す。横軸は水平軸を示し、縦軸は光軸を示す。図6(b)は、X軸方向の点像分布を示す。横軸はX軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図6(c)は、Z軸方向の点像分布を示す。横軸はZ軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図6(c)を図5(c)と比較すると、Z軸に沿って上下に対称であり、Z軸方向においてエッジがより際立つことを示す。水平分解能は222nmであり、光軸分解能は702nmである。図6における光軸分解能は、図2を参照して説明した例と比べ約2倍向上していた。また、水平分解能に対しては、同等であった。
観察装置100では、関数変更部109によって第1瞳関数と第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更することが出来る。例えば、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせによって、ボケが多く観察に適さない画像情報を得た場合でも、第1瞳関数と第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を適切に変更すれば、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
また、観察装置100では、位置変更部110によって到来光2の焦点位置を変更することが出来る。到来光2の焦点位置を変更することは、到来光2の焦点までの光路長を変化させることに対応する。従って、到来光2の強度分布の広がりを変更することが出来る。その結果、第1瞳関数と第2瞳関数との組み合わせのみでは十分な分解能を得難い場合でも、到来光の焦点位置を変更することによって、ボケの少ない所望の分解能を有する画像を得ることができる。
なお、観察装置100では、到来光2の焦点位置を変更し得さえすれば、位置変更部110によって第5リレーレンズ102mを光軸方向に移動させることに限定されない。例えば、位置変更部110によって第1変換部104a又は第2変換部104bを移動することで到来光2の焦点位置を変更し得る。
図7は、第1変換部104aに外輪の直径が1040μm、内輪の直径が832μmのドーナツ形状の第1瞳関数を与え、第2変換部104bに外輪の直径が624μm、内輪の直径が208μmのドーナツ形状の第2瞳関数を与えた観察装置100において、蛍光ビーズの点像分布を示す図である。第2変換部104bによる第2変換光の焦点距離を変更し、光学系の光路長を微小変化させた。位置変更部110が第5リレーレンズ102mを光軸方向に移動させることによって第2変換部104bによる第2変換光の焦点距離を変更した。焦点距離を移動後、第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光との強度の差分(減算)に基づいて、画像情報を生成した。
図7(a)は、X−Z平面における点像分布を示す。横軸は水平軸を示し、縦軸は光軸を示す。図7(b)は、X軸方向の点像分布を示す。横軸はX軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。図7(c)は、Z軸方向の点像分布を示す。横軸はZ軸位置を示し、縦軸は光の強度を示す。
関数変更部108は、例えば第1変換部104a及び第2変換部104bに電圧を印加することによって、第1瞳関数と第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更することが出来る。すなわち、画像Fと画像Fにおける点像分布を変化させることができ、かつ、画像Fと画像Fをそれぞれ形成する第1、第2変換光の焦点距離を変化させた上で、それぞれの画像情報の演算が可能である。従って、その組み合わせにより、様々な点像分布の画像を取得できる。
光軸方向に沿ったエッジ検出の効果が、Z軸に沿って上下に対称であるように、第2変換部104bによって画像Fを得るための焦点位置を調整する。上記条件では、光軸分解能は744nmであり、図6に示した条件と比べると、光軸方向におけるエッジ検出能が低くなった。しかしながら、水平分解能は170nmとなり、回折限界を超える。光軸方向の分解能の低下を許容すれば、第1変換部104aでは、外輪の径1248μm、内輪の径832μmのドーナツ形状の瞳関数を与え、第2変換部104bでは、外輪の径624μm、内輪の径208μmのドーナツ形状の瞳関数を与え、画像Fと画像Fの差分画像を取得することにより、光軸分解能は962nm、水平分解能は142nmにまで向上する。観察者が、被観察物1に応じて最適になるような点像分布を指定し得る。また、対物レンズの倍率や開口数を変更することにより、点像分布を最適に指定し得る。
ここでは、ドーナツ形状の内輪の径と外輪の径との比の値は、1/6〜4/5である。ドーナツ形状の内輪の径と外輪の径との比の値がこの程度の範囲であれば、到来光2の強度分布の広がりを確実に抑えることが出来る。その結果、到来光2を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
次に、図8を参照して、観察装置100による分解能の向上を説明する。図8(a)に、第1瞳関数と点像分布を示す。第1瞳関数において、光が実質的に遮蔽されない領域(非遮蔽領域)を白で示している。第1瞳関数において非遮蔽領域はほぼ円状で表される。
点像分布を示すグラフにおいて、横軸は、CCDカメラにおける画素の単位数を示している。グラフから理解されるように、光の強度分布はほぼガウス分布に従う。グラフにおいて半値幅は分解能に相当しており、ここでは、グラフの半値幅は8.8である。
図8(b)に、第2瞳関数と点像分布を示す。第2瞳関数において、非遮蔽領域を白で示している。また、第2瞳関数においても非遮蔽領域はほぼ円状で表される。ただし、第2瞳関数の非遮蔽領域は、第1瞳関数と比べて小さい。このような第2瞳関数は、第1瞳関数をアポダイゼーション化したものといえる。図8(b)において非遮蔽領域の大きさが低減することにより、光のピーク強度が低減するだけでなく、光の分解能も低減することになる。ここでは、点像分布を示しグラフの半値幅は15.7である。
図8(c)に、第1瞳関数と第2瞳関数の差分と、これらの点像分布の差分を示す。図8(c)において、領域8aは、第1瞳関数と第2瞳関数の両方において非遮蔽領域となる領域を示しており、領域8bは、第1瞳関数と第2瞳関数で光の遮蔽の異なる領域を示しており、領域8cは、第1瞳関数と第2瞳関数の両方において遮蔽領域となる領域を示している。図8(c)に示した点像分布のグラフにおいて半値幅は7.0である。このように、異なる瞳関数の点像分布の差分により、分解能を向上させることができる。
また、観察装置100では、1フレームの画像から鮮明な画像を得ることができ、観察装置100の時間分解能は、画像情報生成部106の分解能に依存する。例えば、観察装置100は500Hzの画像を取得することができる。このように、観察装置100は、いわゆる走査型蛍光顕微鏡の数十倍から数百倍の時間分解能を有しており、観察装置100は、例えば生体材料の観察に好適に用いられる。
なお、上述した説明では、蛍光顕微鏡3において対物レンズとして60倍の対物レンズを用いていたが、対物レンズの倍率は特に限定されない。例えば、150倍の対物レンズを用いてもよい。
以下、図9から図14を参照して150倍の対物レンズを用いた結果を説明する。図9(a)に、光が遮蔽されない状態の模式図を示す。このような状態は、例えば、反射型液晶ミラーアレイのすべての画素において反射率が最大値を示すように設定することによって実現される。図9(b)に、図9(a)に示したように遮蔽領域(非遮蔽領域)が設定された場合のX‐Z平面の点像分布を示す。ここでも、被観察物として、顕微鏡の回折限界よりも小さいサイズの被観察物(例えば、直径100nmの蛍光ビーズ)を用いた。
図10(a)に第1瞳関数を示す。第1瞳関数は内輪および外輪で規定されるドーナツ形状の関数である。第1瞳関数では、内輪と外輪との間の領域は光を遮蔽しないのに対して、内輪で囲まれる領域、および、外輪よりも外側の領域は光を遮蔽する。なお、内輪を規定する円周の直径は104μmであり、外輪を規定する円周の直径は312μmである。図10(b)に、第1瞳関数の場合の点像分布を示す。
図11(a)に第2瞳関数を示す。第2瞳関数も内輪および外輪で規定されるドーナツ形状の関数である。第2瞳関数でも、内輪と外輪との間の領域は光を遮蔽しないのに対して、内輪で囲まれる領域、および、外輪よりも外側の領域は光を遮蔽する。なお、内輪を規定する円周の直径は312μmであり、外輪を規定する円周の直径は624μmである。図11(b)に、第2瞳関数の場合の点像分布を示す。
図12(a)に、図9(b)、図10(b)および図11(b)のX軸方向の点像分布をそれぞれ符号9b、10b、11bに示す。遮蔽領域がない場合、光のピーク強度は比較的高い。この場合、水平分解能は226nmである。また、ドーナツ形状の瞳関数が設定されることによってピーク強度は低下する。
図12(b)に、図9(b)、図10(b)、図11(b)のZ軸方向の点像分布をそれぞれ符号9b、10b、11bに示す。遮蔽領域がない場合、光のピーク強度は比較的高い。この場合、光軸分解能は940nmである。なお、遮蔽領域が大きいほど、ピーク強度は低下する。なお、ここでは、ドーナツ形状の瞳関数の設定により、ピーク強度を示す位置がゼロからずれる。
図13(a)に、第1、第2瞳関数の点像分布の差分を示す。図13(a)では、横軸にX軸を示し、縦軸にZ軸を示す。図13(b)にX方向の点像分布を示し、図13(c)にZ方向の点像分布を示す。水平方向の分解能は147nmであり、光軸方向の分解能は525nmである。なお、参考のために、図13(b)および図13(c)には光が遮蔽されない場合の点像分布を符号9bで示している。このように、異なる瞳関数の点像分布の差分により、水平方向および光軸方向の分解能を向上させることができる。
また、上述したように、到来光の焦点位置を変更することにより、水平分解能および垂直分解能をさらに向上させることができる。
図14(a)に、図1に示した観察装置100において第4、第5リレーレンズ102k、102mを適宜移動させることによって得られた点像分布の差分を示す。図14(b)にX方向の点像分布を示し、図14(c)にZ方向の点像分布を示す。水平方向の分解能は108nmであり、光軸方向の分解能は463nmである。参考のために、図14(b)および図14(c)には光が遮蔽されない場合の点像分布を符号9bで示している。このように、到来光の焦点位置を調整することにより、水平方向および光軸方向の分解能をさらに向上させることができる。
なお、観察装置100における異なる瞳関数の点像分布の差分は、デジタル画像処理(デジタルハイパスフィルタ)に似ているが、観察装置100によれば、デジタル画像処理と比べて分解能(特に光軸分解能)をさらに改善することができる。以下、図15から図18を参照して、観察装置100における点像分布の差分とデジタル画像処理との違いを説明する。ここでは、デジタル画像処理としてガウシアンフィルタ処理を行っている。
図15(a)に、X−Z平面の点像分布を示し、図15(b)〜図15(d)は、デジタル画像処理を行った後の点像分布を示す。図15(b)は標準偏差が2画素のガウシアンフィルタ処理を行った結果であり、図15(c)は標準偏差が2画素のガウシアンフィルタ処理の点像分布の強度を半分にしたものであり、図15(d)は標準偏差が5画素のガウシアンフィルタ処理を行った結果である。
図16(a)は、図15(a)に示した点像分布と図15(b)に示した点像分布との差分を示す図であり、図16(b)および図16(c)は、それぞれ図16(a)のX軸およびZ軸の点像分布を示す。水平方向の分解能は104nmであり、光軸方向の分解能は613nmである。なお、図16(b)および図16(c)において、比較のために、デジタル画像処理の行われてない点像分布を符号15aに示している。比較的小さい標準偏差でデジタル画像処理を行うことにより、水平軸および光軸の両方の分解能が向上している。
図17(a)は、図15(a)に示した点像分布と図15(d)に示した点像分布との差分を示す図であり、図17(b)および図17(c)は、それぞれ図17(a)のX軸およびZ軸の点像分布を示す。水平方向の分解能は157nmであり、光軸方向の分解能は809nmである。図17(b)および図17(c)でも、比較のために、デジタル画像処理の行われてない点像分布を符号15aに示している。比較的高い標準偏差でデジタル画像処理を行う場合でも、水平軸および光軸の両方の分解能の向上を図ることができる。
図18(a)は、図15(a)に示した点像分布と図15(c)に示した点像分布との差分を示す図であり、図18(b)および図18(c)は、それぞれ図18(a)のX軸およびZ軸の点像分布を示す。水平方向の分解能は181nmであり、光軸方向の分解能は730nmである。図18(b)および図18(c)でも、比較のために、デジタル画像処理の行われてない点像分布を符号15aに示している。このように、元の点像分布からの減算する光の強度を低減させることにより、減算によって得られた点像分布の裾が負になることを抑制することができる。
以上のように、デジタル画像処理によっても、点像分布の分解能を向上させることができる。なお、理論的には、観察装置100による点像分布の差分はこのようなデジタル画像処理と同一であるが、実際には、同一ではない。これは、デジタル画像処理では2次元的な処理が行われるのに対して、観察装置100では3次元的な処理が行われること、および、実際の光学系には収差が存在しており、必ずしも線形を示さないことが理由と考えられる。図16〜図18と、図12および図13との比較から理解されるように、観察装置100によれば、分解能(特に光軸方向の分解能)をさらに改善することができる。
[実施形態2]
図19は、本発明の実施形態2に係る観察装置200の模式図である。観察装置200は、被観察物1から到来する到来光2に基づいて被観察物1を観察する。観察装置200は、光学系202と、到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換部204と、画像情報生成部106と、関数変更部108と、位置変更部110とを備える。光学系202は、蛍光顕微鏡3の結像面以降に設けられている。光学系202は、スリット102aと、第1リレーレンズ102b、第2リレーレンズ102c及び第1ミラー102dと、第1偏光ビームスプリッタ102eと、第5リレーレンズ102mと、ミラー102jと、ビームスプリッタ202hとを備える。
光学系202に備えられるビームスプリッタ202hと、変換部204以外の各構成要素は、実施形態1で説明した観察装置100に含まれた対応する各構成要素と同様の機能を有するので、これらの説明を省略する。
偏光ビームスプリッタ202hは、偏光ビームスプリッタ102eにより分割された光路を一つの光路に戻す。尚、光学系202は、到来光2を変換部204に導き、変換光を画像情報生成部106に導くことができる限りは、図19に示された構成に限定されない。例えば、リレーレンズ、ミラー、偏光ビームスプリッタの組み合わせ、配置は任意である。ここでは、蛍光顕微鏡3により取得された実像を画像情報生成部106へ伝達するためのリレー系として、2枚のレンズ102b、102cあるいは102mから成るリレー光学系を用いたが、1枚のレンズによる光学系を採用し得る。
変換部204は、到来光2を第1瞳関数で変換する第3変換部204aと、到来光2を第2瞳関数で変換する第4変換部204bとを含む。第3変換部204aと第4変換部204bとは、第1リレーレンズ102bの光学瞳の位置(即ち焦点距離の位置)に配置される。変換部204において、第3変換部204aと第4変換部204bとして透過型部材が用いられている。ここでは、透過型部材は透過型液晶アレイである。
観察装置200によれば、到来光2を第1瞳関数によって変換した第1変換光と、第2瞳関数によって変換した第2変換光とに基づいて、被観察物1に関する画像情報を生成する。従って、到来光2の強度分布の広がりを抑えることが出来る。その結果、到来光2を利用して得た2次元断層画像情報からボケを排除した鮮明な画像を得ることができる。
以上、図1から図19を参照して、観察装置100、観察装置200を説明した。到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ到来光2を第2瞳関数で第2変換光に変換する部材として、反射型部材ではなく、透過型部材を用いてもよい。反射型部材及び透過型部材は、既製品として容易に安価で入手し得る。従って、変換部として特別な構成を必要とすることなく、安価な構成で到来光を第1変換光及び第2変換光に夫々変換することができる。また、変換部は、DMD(Digital Micromirror Device)で有り得る。DMDは、マイクロサイズのミラーを敷き詰めた素子である。ミラーをon/offの2状態で制御することで光の反射方向を調節し,明暗の差を生じさせることができる。各ミラーの状態を高速に切り替えることにより時分割で階調性を実現し得る。
なお、上述した説明では、到来光を変換光に変換する変換部は2つ設けられたが、変換部は2つに限定されない。変換部は3つ以上あってもよい。例えば、変換部が3つ(第1変換部、第2変換部、第3変換部)の場合、第1変換部は到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換し、第2変換部は到来光2を第2瞳関数で第2変換光に変換し、第3変換部は到来光2を第3瞳関数で第3変換光に変換する。この場合、画像情報生成部は、第1変換光、第2変換光及び第3変換光に基づいて、被観察物に関する画像情報を生成する。
あるいは、変換部は1つであってもよい。この場合、変換部は到来光2を第1瞳関数で第1変換光に変換した後、関数変更部によって変換部に与えられた瞳関数を第2瞳関数に変更する。関数変更部が第2瞳関数に変更した後、変換部は到来光2を第2瞳関数で第2変換光に変換する。画像情報生成部は、第1変換光及び第2変換光に基づいて、被観察物に関する画像情報を生成する。
生体被観察物の観察に対する観察装置100の有効性を確認するため、以下の実験を行った。本実施例では、HeLa細胞株をホルマリンによりスライドガラスに固定した被観察物を観察した。蛍光色素(アレクサ488を架橋したファロイジン)を被観察物に加えた。ファロイジンは、アクチン繊維に結合し、細胞内のアクチン繊維はファロイジンに架橋された蛍光色素により染色される。被観察物を波長488nmの光で照射し、被観察物から到来する510nm以上の蛍光を観察した。対物レンズとして、開口数1.45の150倍の倍率の対物レンズを選択した。第1リレーレンズ102bと第2リレーレンズ102cとからなるリレー光学の倍率は2倍である。第1変換部104aには、外輪の直径728μm、内輪の直径104μmのドーナツ形状の第1瞳関数を与え、第2変換部104bには、外輪の直径520μm、内輪の直径104μmのドーナツ形状の第2瞳関数を与え、画像Fと画像Fの差分画像を取得した。
図20は、本実施例により観察された画像と従来の蛍光顕微鏡により観察された画像とを示す図である。細胞内におけるアクチン繊維を観察装置100により観察した画像である。図20(a)は、本実施例により観察された画像Fと画像Fの差分画像を示す。図20(b)は、従来の蛍光顕微鏡で観察された画像を示す。双方ともに、アレクサ488により蛍光標識されたアクチン繊維が確認される。図20(a)および図20(b)を比較すると、図20(a)の画像の背景光が低減されており、アクチン繊維がより鮮明に観察できる事が確認できる。
図21は、図20に点線で示した断面部分における蛍光強度分布を示すグラフである。図21(a)は、本実施例により観察された画像Fと画像Fの差分画像(図20(a)参照)から得られた断面部分の強度分布を示す。図21(b)は、従来の蛍光顕微鏡で観察された画像(図20(b)参照)から得られた断面部分の強度分布を示す。本実施例により、蛍光顕微鏡像のコントラストが向上していることが確認できる。
瞳関数を除いて実施例1と同様に、HeLa細胞株をホルマリンによりスライドガラスに固定した被観察物を観察した。ここでは、第1変換部104aには、外輪の直径416μm、内輪の直径104μmのドーナツ形状の第1瞳関数を与え、第2変換部104bには、外輪の直径624μm、内輪の直径312μmのドーナツ形状の第2瞳関数を与え、画像Fと画像Fの差分画像を取得した。
図22は、本実施例により観察された画像と従来の蛍光顕微鏡により観察された画像とを示す図である。細胞内におけるアクチン繊維を観察装置100により観察した画像である。図22(a)に従来の蛍光顕微鏡で観察された画像を示し、図22(b)に本実施例において観察された画像Fと画像Fの差分画像を示す。双方ともに、アレクサ488により蛍光標識されたアクチン繊維が確認される。図22(a)および図22(b)を比較すると、図22(b)の画像の背景光が低減されており、アクチン繊維がより鮮明に観察できる事が確認できる。
図23に、図22(a)、図22(b)に点線で示した断面部分における蛍光強度分布を示す。本実施例により、蛍光顕微鏡像のコントラストが向上していることが確認できる。
従来の蛍光顕微鏡で観察された画像、デジタル画像処理によって得られた画像および観察装置100で観察された画像の比較を行った。ここでも、被観察物および観察装置100は実施例1、2と同様であった。
図24(a)に、従来の蛍光顕微鏡で観察された画像を示す。図24(b)に、図24(a)の破線で囲まれた領域の拡大図を示し、図24(c)に、図24(b)の破線部分の蛍光強度分布を示す。
図25(a)に、従来の蛍光顕微鏡で観察された画像に対してデジタル画像処理を行うことによって得られた画像を示す。この画像は、元の画像と、標準偏差が2画素のガウシアンフィルタによって得られた画像との差分によって得られた。図25(b)に、図25(a)の破線で囲まれた領域の拡大図を示し、図25(c)に、図25(b)の破線部分の蛍光強度分布を示す。図25(c)には、図24(c)に示した蛍光強度分布を符号24cとして併せて示している。ガウシアンフィルタにより、コントラスト比が向上した。
図26(a)に、従来の蛍光顕微鏡で観察された画像に対してデジタル画像処理を行うことによって得られた画像を示す。この画像は、元の画像と、標準偏差が5画素のガウシアンフィルタによって得られた画像との差分によって得られた。図26(b)に図26(a)の破線で囲まれた領域の拡大図を示し、図26(c)に図26(b)の破線部分の蛍光強度分布を示す。なお、図26(c)には、図24(c)に示した蛍光強度分布を符号24cとして併せて示している。ガウシアンフィルタにより、コントラスト比が向上した。
図27(a)に、観察装置100で観察された画像を示す。図27(b)に図27(a)の破線で囲まれた領域の拡大図を示し、図27(c)に図27(b)の破線部分の蛍光強度分布を示す。図27(c)にも、図24(c)に示した蛍光強度分布を符号24cとして併せて示している。観察装置100により、コントラスト比が向上した。なお、図27(c)と図25(c)、図26(c)との比較から理解されるように、観察装置100により、デジタル画像処理と比べてコントラスト比をさらに改善することができた。
観察装置100を用いて、細胞膜上の量子ドットで染色されたカドヘリンの乖離を観察した。図28(a)に、ある時刻において観察装置100で観察されたカドヘリンの画像を示す。図28(b)、図28(c)、図28(d)、図28(e)、図28(f)、図28(g)に、それぞれ図28(a)を基準として、20ms、40ms、60ms、80ms、120ms、240ms後の画像を示す。図28(a)〜図28(f)に示すように、カドヘリンの乖離が観察された。
図29に、図28(a)の破線で示した部分における光強度分布の時間変化を示す。図29において、0ms、40ms、50ms、54ms、56ms、58ms、60ms、120ms、240msはそれぞれ、0msを基準時刻とした蛍光強度分布を示す。蛍光強度分布の時間変化からも、カドヘリンの乖離を把握することができた。
本発明による観察装置及び観察方法は、光学顕微鏡を用いた画像生成の分野において、広く利用可能である。又、本発明による観察装置及び観察方法を光学顕微鏡に組み込むことによって、光学顕微鏡そのものの付加価値を高めることになり、光学顕微鏡分野に広く利用可能である。
1 被観察物
2 到来光
100 観察装置
104 変換部
104a 第1変換部
104b 第2変換部
106 画像情報生成部
108 瞳関数変更部
110 焦点位置変更部
200 観察装置
204 変換部
204a 第3変換部
204b 第4変換部

Claims (15)

  1. 被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察装置であって、
    前記到来光を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ前記到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換部と、
    前記第1変換光と、前記第2変換光とに基づいて、前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成部と
    を備えた観察装置。
  2. 前記第1瞳関数と前記第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更する瞳関数変更部を更に備えた、請求項1に記載の観察装置。
  3. 前記変換部は、反射型部材又は透過型部材を含む、請求項1または2に記載の観察装置。
  4. 前記第2瞳関数は、前記第1瞳関数とは異なる、請求項1から3の何れか一項に記載の観察装置。
  5. 前記到来光の焦点位置を変更する焦点位置変更部を更に備えた、請求項1から4の何れか一項に記載の観察装置。
  6. 前記変換部は、
    前記到来光を前記第1瞳関数で変換する第1変換部と、
    前記到来光を前記第2瞳関数で変換する第2変換部と
    を含む、
    請求項1から5の何れか一項に記載の観察装置。
  7. 前記第1瞳関数及び前記第2瞳関数は、互いに内輪と外輪とを有する二次元ドーナツ形状の関数であり、
    前記第1変換部及び前記第2変換部は、夫々の内輪と外輪とで囲まれる領域を、前記第1瞳関数及び前記第2瞳関数の非遮蔽領域として機能させる、請求項6に記載の観察装置。
  8. 前記二次元ドーナツ形状の関数において、前記内輪の径と前記外輪の径との比の値は、1/6〜4/5である、請求項7に記載の観察装置。
  9. 前記変換部は、前記到来光の強度を変調することによって前記到来光を前記第1変換光および前記第2変換光に変換する、請求項1から8の何れか一項に記載の観察装置。
  10. 被観察物から到来する到来光に基づいて前記被観察物を観察する観察方法であって、
    前記到来光を第1瞳関数で第1変換光に変換し、かつ前記到来光を第2瞳関数で第2変換光に変換する変換ステップと、
    前記第1変換光と、前記第2変換光とに基づいて、前記被観察物に関する画像情報を生成する画像情報生成ステップと
    を包含する観察方法。
  11. 前記第1瞳関数と前記第2瞳関数とのうちの少なくとも一方を変更する瞳関数変更ステップを更に包含する、請求項10に記載の観察方法。
  12. 前記変換ステップは、
    前記到来光を前記第1瞳関数で変換する第1変換ステップと、
    前記到来光を前記第2瞳関数で変換する第2変換ステップと
    を含む、請求項10又は請求項11に記載の観察方法。
  13. 前記変換ステップにおいて、前記第2瞳関数は、前記第1瞳関数とは異なる、請求項10から12の何れか一項に記載の観察装置。
  14. 前記到来光の焦点位置を変更する焦点位置変更ステップを更に包含する、請求項10から請求項13の何れか一項に記載の観察方法。
  15. 前記変換ステップにおいて、前記到来光の強度を変調することによって前記到来光を前記第1変換光および前記第2変換光に変換する、請求項10から14の何れか一項に記載の観察装置。

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