JPWO2011122261A1 - 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011122261A1
JPWO2011122261A1 JP2012508179A JP2012508179A JPWO2011122261A1 JP WO2011122261 A1 JPWO2011122261 A1 JP WO2011122261A1 JP 2012508179 A JP2012508179 A JP 2012508179A JP 2012508179 A JP2012508179 A JP 2012508179A JP WO2011122261 A1 JPWO2011122261 A1 JP WO2011122261A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte secondary
mixture
nonaqueous electrolyte
carboxyl group
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012508179A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5684235B2 (ja
Inventor
京平 萩原
京平 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Priority to JP2012508179A priority Critical patent/JP5684235B2/ja
Publication of JPWO2011122261A1 publication Critical patent/JPWO2011122261A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5684235B2 publication Critical patent/JP5684235B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/13Electrodes for accumulators with non-aqueous electrolyte, e.g. for lithium-accumulators; Processes of manufacture thereof
    • H01M4/139Processes of manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/621Binders
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/621Binders
    • H01M4/622Binders being polymers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/621Binders
    • H01M4/622Binders being polymers
    • H01M4/623Binders being polymers fluorinated polymers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M2004/021Physical characteristics, e.g. porosity, surface area
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

本発明は、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池を生産性よく製造することが可能であり、該電極を製造した際に、合剤層における結着剤の偏在を抑制することが可能であり、かつ合剤層と、集電体との剥離強度に優れる、非水電解質二次電池用合剤を提供することを目的とする。本発明の非水電解質二次電池用合剤は、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を含有し、前記不飽和カルボン酸重合体(A)のGPCで測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である。

Description

本発明は、非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池に関する。
近年電子技術の発展はめざましく、各種の機器が小型化、軽量化されている。この電子機器の小型化、軽量化と相まって、その電源となる電池の小型化、軽量化が求められている。小さい容積および重量で大きなエネルギーを得ることが出来る電池として、リチウムを用いた非水電解質二次電池が、主として携帯電話やパーソナルコンピュータ、ビデオカムコーダなどの家庭で用いられる小型電子機器の電源として用いられている。
非水電解質二次電池の電極には、結着剤(バインダー樹脂)として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が主に使用されている。PVDFは優れた電気化学安定性、機械物性およびスラリー特性などを有している。しかしながら、PVDFは集電体である金属箔との接着性が弱い。そのため、カルボキシル基等の官能基をPVDF中に導入し、金属箔との接着性を改良する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
ところで、比表面積が大きい活物質を用いる場合、結着剤の添加量が少ない場合および電極を急速乾燥により製造した場合などに、PVDFは電極表面に偏在し易くなる。表面偏在の結果、集電体近傍の結着剤量が少なくなり、集電体との接着性が低下する。また、PVDFが表面偏在するとPVDF量が少ない箇所で活物質同士の結着力が低下する。よって、結着剤の偏在が起きる場合は、カルボキシル基等の官能基を導入したPVDFを使用しても、剥離強度が低い電極が得られる。
結着剤の偏在を抑制するために、様々な方法が提案されている。
乾燥条件を穏やかにすることにより、結着剤の表面への移動を抑制し、表面偏在を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献6、7参照)。しかしながら、該方法では乾燥条件を穏やかにする必要があるため、合剤の乾燥速度が低下し、電極の生産性が低下する。
結着剤の含有量が異なる合剤を用意し、基材(集電体)に近い方に、結着剤含有量の多い合剤が塗布されるように、同時に多層塗布することによって、結着剤の分布が均一な電極を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、この方法では、合剤を数種類準備する必要があり、電極作製の工程数が多くなり、生産性が低下する。さらに、多層塗布するには特殊な装置が必要となる。
電極を作製後、結着剤を溶解できる有機溶媒を電極群に注入し、加圧密着状態で熱処理することにより、結着剤を電極内で再溶解させ、結着剤の偏在を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献9、10参照)。しかしながら、この方法も電池を製造するための工程が増えるため、電池の生産性が低下する。
ところで、PVDFおよびポリアクリル酸を結着剤として併用すると、集電体との接着性が向上することが知られている(例えば、特許文献11参照)。しかしながら、PVDFおよびポリアクリル酸を結着剤として併用した場合であっても、電極表面への結着剤の偏在は抑制できないため、集電体との接着性は充分ではなかった。
一方、ポリアクリル酸だけを結着剤に使用した電極が知られている(例えば、特許文献12および13参照)。結着剤としてポリアクリル酸のみを用いた場合には、分子量が高いほど、接着性が大きくなり、重量平均分子量が30万以上のポリアクリル酸を用いると、電池のサイクル耐久性が向上することが知られている。しかしながら、結着剤としてポリアクリル酸のみを用いた場合には、電極が固くなり、電池の製造工程において、電極の巻回時に電極が切れてしまう場合があり、電池の歩留まりが悪化する。
また、官能基含有PVDFおよびカルボニル基を含有する有極性重合体を結着剤として併用すると、電池の内部短絡時の安全性が向上することが知られている(例えば、特許文献14参照)。特許文献14の実施例2では、カルボキシル基含有PVDFおよびポリアクリル酸を結着剤として併用することが記載されている。しかしながら、該実施例では、ポリアクリル酸として、分子量が非常に大きい架橋型のポリアクリル酸を用いており、得られる電極の剥離強度は充分ではなかった。
特開平6−172452号公報 特開2005−47275号公報 特開平9−231977号公報 特開昭56−133309号公報 特開2004−200010号公報 特開平5−89871号公報 特開平10−321235号公報 特開平11−339772号公報 特開2000−268872号公報 特開2004−95538号公報 特開平11−45720号公報 特開2005−216502号公報 特開2007−35434号公報 国際公開第2004/049475号パンフレット
本発明は上記従来技術の有する課題を鑑みてされたものであり、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池を生産性よく製造することが可能であり、非水電解質二次電池用電極を製造した際に、合剤層における結着剤の偏在を抑制することが可能であり、かつ合剤層と、集電体との剥離強度に優れる、非水電解質二次電池用合剤を提供することを目的とする。また、該合剤を集電体に塗布・乾燥することにより得られる非水電解質二次電池用電極および該電極を有する非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を結着剤として併用して用いた、非水電解質二次電池用合剤は、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池用合剤は、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を含有し、前記不飽和カルボン酸重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である。
前記不飽和カルボン酸重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜100,000であることが好ましい。
前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の合計100重量%あたり、不飽和カルボン酸重合体(A)が0.5〜15重量%であることが好ましく、0.8〜6重量%であることがより好ましい。
前記電極活物質の比表面積が、1〜10m2/gであることが好ましく、2〜6m2/gであることがより好ましい。
前記カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)が、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸モノエステル、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも一種のカルボキシル基含有モノマーと、フッ化ビニリデンとの共重合体であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、前記非水電解質二次電池用合剤を、集電体に塗布・乾燥することにより得られる。
前記非水電解質二次電池用電極は、前記非水電解質二次電池用合剤から形成される、厚さ20〜150μmの合剤層を有することが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記非水電解質二次電池用電極を有する。
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池を生産性よく製造することが可能であり、非水電解質二次電池用電極を製造した際に、合剤層における結着剤の偏在を抑制することが可能であり、かつ合剤層と、集電体との剥離強度に優れる。また、本発明の非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池は、該非水電解質二次電池用合剤を用いて製造されるため、生産性よく製造される。
次に本発明について具体的に説明する。
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を含有し、前記不飽和カルボン酸重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である。本発明の合剤は、通常負極用の合剤、すなわち、負極合剤として用いる。
〔不飽和カルボン酸重合体(A)〕
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸重合体(A)を含む。前記不飽和カルボン酸重合体(A)としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である重合体が用いられる。
本発明の非水電解質二次電池に含まれる不飽和カルボン酸重合体(A)は、ポリアクリル酸であってもよく、ポリメタクリル酸であってもよく、ポリアクリル酸とポリメタクリル酸との混合物であってもよい。本発明に用いる不飽和カルボン酸重合体(A)は、1種単独でも2種以上を用いてもよい。不飽和カルボン酸重合体(A)としては、入手容易性の観点からポリアクリル酸が好ましい。
ポリアクリル酸としては、アクリル酸の単独重合体、アクリル酸と他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ポリアクリル酸としては、重合体100重量%中に、アクリル酸由来の構成単位を、通常は60重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上有する重合体を用いる。ポリアクリル酸としてはアクリル酸の単独重合体が好ましい。
アクリル酸以外の他のモノマーとしては、アクリル酸と共重合することが可能なモノマーを用いることができる。具体的には、他のモノマーとしては、メタクリル酸;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα‐オレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル;スチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
ポリメタクリル酸としては、メタクリル酸の単独重合体、メタクリル酸と他のモノマーとの共重合体が挙げられる。ポリメタクリル酸としては、重合体100重量%中に、メタクリル酸由来の構成単位を、通常は60重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは90重量%以上有する重合体を用いる。ポリメタクリル酸としてはメタクリル酸の単独重合体が好ましい。
メタクリル酸以外の他のモノマーとしては、メタクリル酸と共重合することが可能なモノマーを用いることができる。具体的には、他のモノマーとしては、アクリル酸;エチレン、プロピレン、1−ブテン等のα‐オレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル;スチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられる。
本発明に用いる不飽和カルボン酸重合体(A)としては8×10-3〜1.4×10-2モル/gのカルボキシル基を含有することが好ましい。
本発明に用いる不飽和カルボン酸重合体(A)としては前述のように、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である重合体が用いられる。不飽和カルボン酸重合体(A)の重量平均分子量は1,000〜100,000であることが好ましい。重量平均分子量が1000未満の場合は、不飽和カルボン酸重合体(A)の耐電解液性が不充分である。一方で、分子量が150,000を超えると、不飽和カルボン酸重合体(A)とカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)との相溶性が劣るため、剥離強度の向上は見られない。
本発明に用いる不飽和カルボン酸重合体(A)としてはカルボキシル基の一部が中和されていても良い。
本発明に用いる不飽和カルボン酸重合体(A)としては、市販品を用いてもよい。
〔カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)〕
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)および前述の不飽和カルボン酸重合体(A)をバインダー樹脂(結着剤)として含む。
本発明において、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)とは、重合体中にカルボキシル基を含有し、モノマーとして少なくともフッ化ビニリデンを用いて得られる重合体である。また、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、通常フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマーを用いて得られる重合体であり、さらに他のモノマーを用いてもよい。
また本発明に用いるカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、1種単独でも2種以上を用いてもよい。
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、該重合体100重量部あたり、フッ化ビニリデン由来の構成単位を通常は80重量部以上、好ましくは85重量部以上有する重合体である。
本発明に用いる、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は通常、(1)フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマー、必要に応じて他のモノマーを共重合する方法(以下、(1)の方法とも記す)、(2)フッ化ビニリデンを重合または、フッ化ビニリデンと他のモノマーとを共重合して得られた、フッ化ビニリデン系重合体と、カルボキシル基含有モノマーを重合または、カルボキシル基含有モノマーと他のモノマーとを共重合して得られた、カルボキシル基含有重合体とを用いて、フッ化ビニリデン系重合体にカルボキシル基含有重合体をグラフトする方法(以下、(2)の方法とも記す)、(3)フッ化ビニリデンを重合または、フッ化ビニリデンと他のモノマーとを共重合し、フッ化ビニリデン系重合体を得た後に、該フッ化ビニリデン系重合体を、アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを用いてグラフト重合する方法(以下、(3)の方法とも記す)のいずれかの方法により製造される。
本発明に用いる、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、カルボキシル基を有するため、カルボキシル基を有さないポリフッ化ビニリデンと比べ、集電体との接着性が改善される。またカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、カルボキシル基を有さないポリフッ化ビニリデンと同等の耐電解液性を有する。
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の製造方法としては、前記(1)〜(3)の方法の中でも、工程数、および生産コストの観点から、(1)の方法で製造することが好ましい。すなわち、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、フッ化ビニリデンと、カルボキシル基含有モノマーとの共重合体であることが好ましい。
本発明に用いるカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、フッ化ビニリデンを、通常は80〜99.9重量部、好ましくは95〜99.7重量部、およびカルボキシル基含有モノマーを、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜5重量部(但し、フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマーの合計を100重量部とする)共重合して得られるフッ化ビニリデン系重合体である。なお、前記カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)としては、前記フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマーに加えて、さらに他のモノマーを共重合して得られる重合体であってもよい。なお、他のモノマーを用いる場合には、前記フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマーの合計を100重量部とすると、他のモノマーは通常0.1〜20重量部用いられる。
前記カルボキシル基含有モノマーとしては、不飽和一塩基酸、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸のモノエステル等が好ましい。
前記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。前記不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また、前記不飽和二塩基酸のモノエステルとしては、炭素数5〜8のものが好ましく、例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等を挙げることができる。
中でも、カルボキシル基含有モノマーとしては、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸モノエステル、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも一種のモノマーが好ましく、マレイン酸、シトラコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、アクリル酸、メタクリル酸がより好ましい。
前記フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマーと共重合することが可能な他のモノマーとは、フッ化ビニリデンおよびカルボキシル基含有モノマー以外のモノマーを意味し、他のモノマーとしては、例えばフッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体あるいはエチレン、プロピレン等の炭化水素系単量体が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なフッ素系単量体としては、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロメチルビニルエーテルに代表されるパーフルオロアルキルビニルエーテル等を挙げることができる。なお、前記他のモノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
また、(1)の方法としては、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の方法が採用できるが、後処理の容易さ等の点から水系の懸濁重合、乳化重合が好ましく、水系の懸濁重合が特に好ましい。
水を分散媒とした懸濁重合においては、メチルセルロース、メトキシ化メチルセルロース、プロポキシ化メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ゼラチン等の懸濁剤を、共重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンおよび、カルボキシル基含有モノマー、必要に応じて共重合される他のモノマー)100重量部に対して0.005〜1.0重量部、好ましくは0.01〜0.4重量部の範囲で添加して使用する。
重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルヘプタフルオロプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチリルパーオキサイド、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロアシル)パーオキサイド等が使用できる。その使用量は、共重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンおよび、カルボキシル基含有モノマー、必要に応じて共重合される他のモノマー)を100重量部とすると、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部である。
また、酢酸エチル、酢酸メチル、炭酸ジエチル、アセトン、エタノール、n−プロパノール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、プロピオン酸エチル、四塩化炭素等の連鎖移動剤を添加して、得られるカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の重合度を調節することも可能である。その使用量は、通常は、共重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンおよび、カルボキシル基含有モノマー、必要に応じて共重合される他のモノマー)を100重量部とすると、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
また、共重合に使用する全モノマー(フッ化ビニリデンおよび、カルボキシル基含有モノマー、必要に応じて共重合される他のモノマー)の仕込量は、単量体の合計:水の重量比で通常は1:1〜1:10、好ましくは1:2〜1:5であり、重合は温度10〜80℃であり、重合時間は10〜100時間であり、重合時の圧力は通常加圧下で行われ、好ましくは2.0〜8.0MPa‐Gである。
上記の条件で水系の懸濁重合を行うことにより、容易にフッ化ビニリデンおよび、カルボキシル基含有モノマー、必要に応じて共重合される他のモノマーを共重合することができ、本発明に用いるカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を得ることができる。
また、前記(2)の方法によりカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を製造する場合には例えば以下の方法で行うことができる。
(2)の方法によりカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を製造する場合には、まずフッ化ビニリデンを重合またはフッ化ビニリデンと他のモノマーとを共重合することにより、フッ化ビニリデン系重合体を得る。該重合または共重合は通常懸濁重合あるいは乳化重合により行われる。また、前記フッ化ビニリデン系重合体とは別に、カルボキシル基含有モノマーを重合または、カルボキシル基含有モノマーと他のモノマーとを共重合することによりカルボキシル基含有重合体を得る。該カルボキシル基含有重合体は通常、乳化重合あるいは懸濁重合により得られる。さらに上記フッ化ビニリデン系重合体およびカルボキシル基含有重合体を用いて、フッ化ビニリデン系重合体にカルボキシル基含有重合体をグラフトすることにより、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を得ることができる。該グラフトは、過酸化物を用いて行ってもよく、放射線を用いて行ってもよいが、好ましくはフッ化ビニリデン系重合体およびカルボキシル基含有重合体の混合物を過酸化物の存在下で加熱処理することにより行われる。
本発明に用いるカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、インヘレント粘度(樹脂4gを1リットルのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の30℃における対数粘度。以下、同様)が0.5〜5.0dl/gの範囲内の値であることが好ましく、1.1〜4.0dl/gの範囲内の値であることがより好ましい。上記範囲内の粘度であれば、非水電解質二次電池用合剤に好適に用いることができる。
インヘレント粘度ηiの算出は、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)80mgを20mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解して、30℃の恒温槽内でウベローテ粘度計を用いて次式により行うことができる。
ηi=(1/C)・ln(η/η0
ここでηは重合体溶液の粘度、η0は溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド単独の粘度、Cは0.4g/dlである。
また、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、GPCで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常は5万〜200万の範囲であり、好ましくは20万〜150万の範囲である。
また、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)は、赤外線吸収スペクトルを測定した際の下記式(1)で表される吸光度比(IR)が、0.1〜5.0の範囲であることが好ましく、0.3〜2.5であることがより好ましい。IRが0.1未満の場合は、集電体との接着性が不充分となる場合がある。一方で、IRが5.0を超えると、得られる重合体の耐電解液性が低下する傾向がある。なお、該重合体の赤外線吸収スペクトルの測定は、該重合体に熱プレスを施すことにより製造したフィルムについて、赤外線吸収スペクトルを測定することにより行われる。
R=I1650-1800/I3000-3100 ・・・(1)
上記式(1)において、I1650-1800は1650〜1800cm-1の範囲に検出されるカルボニル基由来の吸光度であり、I3000-3100は3000〜3100cm-1の範囲に検出されるCH構造由来の吸光度である。IRはカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)中のカルボニル基の存在量を示す尺度となり、結果的にカルボキシル基の存在量を示す尺度となる。
〔電極活物質〕
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、電極活物質を含む。電極活物質としては、特に限定は無く、従来公知の負極用の電極活物質を用いることができ、具体例としては、炭素材料、金属・合金材料、金属酸化物などが挙げられるが、中でも炭素材料が好ましい。
前記炭素材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素などが用いられる。また、前記炭素材料は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
前記人造黒鉛としては、例えば、有機材料を炭素化しさらに高温で熱処理を行い、粉砕・分級することにより得られる。人造黒鉛としては、MAGシリーズ(日立化成工業製)、MCMB(大阪ガス製)等が用いられる。
前記電極活物質の比表面積は、1〜10m2/gであることが好ましく、2〜6m2/gであることがより好ましい。比表面積が1m2/g未満の場合は、従来の結着剤を用いた場合であっても、結着剤の偏在は起こりにくいため、本発明の効果は小さい。比表面積が10m2/gを超えると、電解液の分解量が増加し、初期の不可逆容量が増えるため好ましくない。
なお、電極活物資の比表面積は、窒素吸着法により求めることができる。
〔有機溶剤〕
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、有機溶剤を含有する。有機溶剤としては前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を溶解する作用を有するものが用いられ、好ましくは極性を有する溶剤が用いられる。有機溶剤の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスフォアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラメチルウレア、トリエチルホスフェイト、トリメチルホスフェイトなどが挙げられ、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドが好ましい。また、有機溶剤は1種単独でも、2種以上を混合してもよい。
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、前記不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を含有する。
本発明の非水電解質二次電池用合剤は、不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を含むが、不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の合計100重量%あたり、不飽和カルボン酸重合体(A)が0.5〜15重量%であることが好ましく、0.8〜6重量%であることがより好ましい。また、バインダー樹脂(不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B))と、電極活物質との合計100重量部あたり、バインダー樹脂は0.5〜15重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましく、活物質は85〜99.5重量部であることが好ましく、90〜99重量部であることがより好ましい。また、バインダー樹脂(不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B))と、電極活物質との合計を100重量部とすると、有機溶剤は20〜300重量部であることが好ましく、50〜200重量部であることがより好ましい。
上記範囲内で各成分を含有すると、本発明の非水電解質二次電池用合剤を用いて、非水電解質二次電池用電極を生産性よく製造することが可能であり、非水電解質二次電池用電極を製造した際に、合剤層における結着剤の偏在を充分に抑制することが可能であり、かつ合剤層と、集電体との剥離強度に優れる。
また、本発明の非水電解質二次電池用合剤は、前記不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、カーボンブラックなどの導電助剤やポリビニルピロリドンなどの顔料分散剤等を含んでいてもよい。前記他の成分としては、前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)以外の他の重合体を含んでいてもよい。前記他の重合体としては、例えばポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体が挙げられる。本発明の非水電解質二次電池用合剤に、他の重合体が含まれる場合には、通常前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の合計100重量部に対して25重量部以下の量で含まれる。
本発明の非水電解質二次電池用合剤の、E型粘度計を用いて、25℃、せん断速度2s-1で測定を行った際の粘度は、通常2000〜50000mPa・sであり、好ましくは5000〜30000mPa・sである。
本発明の非水電解質二次電池用合剤の製造方法としては、前記不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を均一なスラリーとなるように混合すればよく、混合する際の順序は特に限定されないが、例えば前記不飽和カルボン酸重合体(A)、およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)を、有機溶剤の一部に溶解し、バインダー溶液を得て、該バインダー溶液に電極活物質および残りの有機溶剤を添加し、攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤を得る方法、前記不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)をそれぞれ有機溶剤の一部に溶解し、2つのバインダー溶液を得て、該2つのバインダー溶液をブレンドし、ブレンドしたバインダー溶液に電極活物質および残りの有機溶剤を添加し、攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤を得る方法が挙げられる。
〔非水電解質二次電池用電極〕
本発明の非水電解質二次電池用電極は、前記非水電解質二次電池用合剤を、集電体に塗布・乾燥することにより得られ、集電体と、非水電解質二次電池用合剤から形成される層とを有する。本発明の非水電解質二次電池用電極は通常は、負極として用いる。
なお、本発明において、非水電解質二次電池用合剤を集電体に塗布・乾燥することにより形成される、非水電解質二次電池用合剤から形成される層を、合剤層と記す。
本発明に用いる集電体としては、例えば銅が挙げられ、その形状としては例えば金属箔や金属網等が挙げられる。集電体としては、銅箔が好ましい。
集電体の厚さは、通常は5〜100μmであり、好ましくは5〜20μmである。
また、合剤層の厚さは、通常は20〜250μmであり、好ましくは20〜150μmである。
本発明の非水電解質二次電池用電極を製造する際には、前記非水電解質二次電池用合剤を前記集電体の少なくとも一面、好ましくは両面に塗布を行う。塗布する際の方法としては特に限定は無く、バーコーター、ダイコーター、コンマコーターで塗布する等の方法が挙げられる。
また、塗布した後に行われる乾燥としては、通常50〜150℃の温度で1〜300分行われる。また、乾燥の際の圧力は特に限定はないが、通常は、大気圧下または減圧下で行われる。
さらに、乾燥を行ったのちに、熱処理が行われてもよい。熱処理を行う場合には、通常100〜250℃の温度で1〜300分行われる。なお、熱処理の温度は前記乾燥と重複するが、これらの工程は、別個の工程であってもよく、連続的に行われる工程であってもよい。
また、さらにプレス処理を行ってもよい。プレス処理を行う場合には、通常1〜200MP‐Gで行われる。プレス処理を行うと電極密度を向上できるため好ましい。
以上の方法で、本発明の非水電解質二次電池用電極を製造することができる。なお、非水電解質二次電池用電極の層構成としては、非水電解質二次電池用合剤を集電体の一面に塗布した場合には、合剤層/集電体の二層構成であり、非水電解質二次電池用合剤を集電体の両面に塗布した場合には、合剤層/集電体/合剤層の三層構成である。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、前記非水電解質二次電池用合剤を用いることにより、集電体と合剤層との剥離強度に優れるため、プレス、スリット、捲回などの工程で電極に亀裂や剥離が生じにくく、生産性の向上に繋がるために好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、前述のように集電体と合剤層との剥離強度に優れるが、具体的には、集電体と合剤層との剥離強度は、JIS K6854に準拠して、180°剥離試験により測定を行った際に通常は0.5〜20gf/mmであり、好ましくは1〜10gf/mmである。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、前記非水電解質二次電池用合剤から形成される合剤層を有しており、該合剤層は、結着剤の偏在が抑制されている。そのために集電体と合剤層との剥離強度に優れる。
〔非水電解質二次電池〕
本発明の非水電解質二次電池は、前記非水電解質二次電池用電極を有することを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池としては、前記非水電解質二次電池用電極を有していること以外は特に限定は無い。非水電解質二次電池としては、前記非水電解質二次電池用電極を通常は負極として有し、負極以外の部位、例えば正極、セパレータ等は従来公知のものを用いることができる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[製造例1](カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)の製造)
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1040g、メチルセルロース0.8g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3.0g、フッ化ビニリデン396gおよびマレイン酸モノメチルエステル4.0gを仕込み、28℃で45時間懸濁重合をおこなった。この間の最高圧力は4.1MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗した。その後、80℃で20時間乾燥をおこない、粉末状のカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)(重合体(1))を得た。重合体(1)の重量平均分子量は50万であり、インヘレント粘度は1.7dl/gであり、IR(=I1650-1800/I3000-3100)(なお、カルボニル基由来の吸光度は1750cm-1に観察され、CH構造由来の吸光度は3025cm-1に観察された)は0.5であった。
[製造例2](ポリフッ化ビニリデンの製造)
内容量2リットルのオートクレーブに、イオン交換水1075g、メチルセルロース0.4g、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート2.5g、酢酸エチル5g、フッ化ビニリデン420gを仕込み、25℃で14時間懸濁重合をおこなった。この間の最高圧力は4.0MPaに達した。重合完了後、重合体スラリーを脱水、水洗した。その後、80℃で20時間乾燥をおこない、粉末状のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を得た。PVDFの重量平均分子量は50万であり、インヘレント粘度は1.7dl/gであった。
[カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)およびポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量の測定]
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)およびポリフッ化ビニリデンのポリスチレン換算の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定は、分離カラムには、Shodex KD−806M(昭和電工株式会社製)を用い、検出器には、日本分光株式会社製RI−930(示差屈折率検出器)を用い、溶離液の流速1mL/min、カラム温度40℃の条件で行った。
なお、測定では、溶離液として濃度10mMのLiBr―NMP溶液を用い、検量線用の標準ポリマーとしては、TSK standard POLY(STYRENE)(標準ポリスチレン)(東ソー株式会社製)を用いた。
[ポリアクリル酸の重量平均分子量の測定]
実施例、比較例で用いたポリアクリル酸のポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定は、分離カラムには、Shodex Asahipak GF-7M HQ(昭和電工株式会社製)を用い、検出器には、株式会社島津製作所製RID−6A(示差屈折率検出器)を用い、溶離液の流速0.6mL/min、カラム温度40℃の条件で行った。
なお、測定では、溶離液としてNa2HPO4/CH3CN=90/10(重量比)を用い、検量線用の標準ポリマーとしては、TSK standard POLY(ETHYLENE OXIDE)(標準ポリエチレンオキサイド)(東ソー株式会社製)を用いた。
[活物質の比表面積測定]
活物質の比表面積は、窒素吸着法によって測定した。
BETの式から誘導された近似式:Vm=1/(v(1−x))を用いて液体窒素温度における、窒素吸着による1点法(相対圧力x=0.3)によりVmを求め、次式により試料(活物質)の比表面積を計算した。
比表面積[m2/g]=4.35×Vm
ここで、Vmは試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm3/g)、vは実測される吸着量(cm3/g)、xは相対圧力である。
具体的には、MICROMETRITICS社製「Flow Sorb II2300」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における活物質への窒素の吸着量(v)を測定した。活物質を試料管に充填し、窒素ガスを20モル%濃度で含有するヘリウムガスを流しながら、試料管を−196℃に冷却し、活物質に窒素を吸着させる。次に試験管を室温に戻す。このとき試料から脱離してくる窒素量を熱伝導度型検出器で測定し、吸着量(v)とした。
〔実施例1〕
(非水電解質二次電池用合剤の調製)
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.9gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.1gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(1)を得た。得られたバインダー溶液(1)8g、人造黒鉛(日立化成工業製、MAG、平均粒径20μm、比表面積4.2m2/g)9.2g、および合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドン5.8gを攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤(1)を得た。非水電解質二次電池用合剤(1)の粘度は12000mPa・sであった。
(電極の作製)
乾燥後の目付量が150g/m2になるように、スペーサーおよびバーコーターを使用して得られた非水電解質二次電池用合剤(1)を、集電体である厚さ10μmの銅箔上に塗布した。窒素雰囲気中、110℃で乾燥後、130℃で熱処理をおこなった。つづいて、40MPaでプレスをおこない、非水電解質二次電池用合剤(1)から形成される合剤層の嵩密度が1.6g/cm3の非水電解質二次電池用電極(1)を得た。合剤層の厚さを、電極の厚みから集電体の厚みを差し引くことにより算出した。
〔比較例1〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)10.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c1)を得た。該バインダー溶液(c1)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c1)および非水電解質二次電池用電極(c1)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c1)の粘度は12000mPa・sであった。
〔実施例2〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.75gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.25gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(2)を得た。該バインダー溶液(2)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(2)および非水電解質二次電池用電極(2)を得た。非水電解質二次電池用合剤(2)の粘度は11800mPa・sであった。
〔実施例3〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(3)を得た。該バインダー溶液(3)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(3)および非水電解質二次電池用電極(3)を得た。非水電解質二次電池用合剤(3)の粘度は11500mPa・sであった。
〔実施例4〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.0gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)1.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(4)を得た。該バインダー溶液(4)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(4)および非水電解質二次電池用電極(4)を得た。非水電解質二次電池用合剤(4)の粘度は11500mPa・sであった。
〔実施例5〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)8.7gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)1.3gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(5)を得た。該バインダー溶液(5)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(5)および非水電解質二次電池用電極(5)を得た。非水電解質二次電池用合剤(5)の粘度は11000mPa・sであった。
〔比較例2〕
PVDF10.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c2)を得た。該バインダー溶液(c2)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c2)および非水電解質二次電池用電極(c2)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c2)の粘度は12500mPa・sであった。
〔比較例3〕
PVDF9.9gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.1gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c3)を得た。該バインダー溶液(c3)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c3)および非水電解質二次電池用電極(c3)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c3)の粘度は12500mPa・sであった。
〔比較例4〕
PVDF9.75gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.25gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c4)を得た。該バインダー溶液(c4)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c4)および非水電解質二次電池用電極(c4)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c4)の粘度は12000mPa・sであった。
〔比較例5〕
PVDF9.5gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c5)を得た。該バインダー溶液(c5)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c5)および非水電解質二次電池用電極(c5)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c5)の粘度は11800mPa・sであった。
〔比較例6〕
PVDF9.0gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)1.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c6)を得た。該バインダー溶液(c6)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c6)および非水電解質二次電池用電極(c6)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c6)の粘度は11500mPa・sであった。
〔比較例7〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.75gと、架橋型ポリアクリル酸(商品名「AQUPEC HV−501」、住友精化社製、カルボキシル基量:1.3×10-2モル/g)0.25gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c7)を得た。該バインダー溶液(c7)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c7)および非水電解質二次電池用電極(c7)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c7)の粘度は13000mPa・sであった。
〔比較例8〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、架橋型ポリアクリル酸(商品名「AQUPEC HV−501」、住友精化社製、カルボキシル基量:1.3×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c8)を得た。該バインダー溶液(c8)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c8)および非水電解質二次電池用電極(c8)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c8)の粘度は13500mPa・sであった。
〔比較例9〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.2gと、架橋型ポリアクリル酸(商品名「AQUPEC HV−501」、住友精化社製、カルボキシル基量:1.3×10-2モル/g)0.8gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c9)を得た。該バインダー溶液(c9)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c9)および非水電解質二次電池用電極(c9)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c9)の粘度は14000mPa・sであった。
〔実施例6〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量15,000のポリアクリル酸(商品名「ジュリマーAC−10P」、日本純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(6)を得た。該バインダー溶液(6)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(6)および非水電解質二次電池用電極(6)を得た。非水電解質二次電池用合剤(6)の粘度は12000mPa・sであった。
〔実施例7〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量25,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(7)を得た。該バインダー溶液(7)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(7)および非水電解質二次電池用電極(7)を得た。非水電解質二次電池用合剤(7)の粘度は12300mPa・sであった。
〔実施例8〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量73,000のポリアクリル酸(商品名「ジュリマーAC−10LP」、日本純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(8)を得た。該バインダー溶液(8)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(8)および非水電解質二次電池用電極(8)を得た。非水電解質二次電池用合剤(8)の粘度は12500mPa・sであった。
〔比較例10〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量250,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c10)を得た。該バインダー溶液(c10)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c10)および非水電解質二次電池用電極(c10)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c10)の粘度は13000mPa・sであった。
〔比較例11〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量800,000のポリアクリル酸(商品名「アクアリック」、日本触媒株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c11)を得た。該バインダー溶液(c11)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c11)および非水電解質二次電池用電極(c11)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c11)の粘度は13000mPa・sであった。
〔比較例12〕
重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)10.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c12)を得た。該バインダー溶液(c12)を用いたのと、合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドンを3gに変更した以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用合剤(c12)および非水電解質二次電池用電極(c12)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c12)の粘度は8500mPa・sであった。
〔比較例13〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)10.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c13)を得た。得られたバインダー溶液(c13)4g、人造黒鉛(大阪ガス製、MCMB、平均粒径6.5μm、比表面積2.9m2/g)9.6g、および合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドン7.0gを攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤(c13)を得た。
該非水電解質二次電池用合剤(c13)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用電極(c13)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c13)の粘度は13500mPa・sであった。
〔実施例9〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(9)を得た。得られたバインダー溶液(9)4g、人造黒鉛(大阪ガス株式会社製、MCMB、平均粒径6.5μm、比表面積2.9m2/g)9.6g、および合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドン7.0gを攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤(9)を得た。非水電解質二次電池用合剤(9)の粘度は13000mPa・sであった。
該非水電解質二次電池用合剤(9)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用電極(9)を得た。
〔比較例14〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)10.0gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(c14)を得た。得られたバインダー溶液(c14)8g、球状天然黒鉛(中国産、平均粒径24μm、比表面積5.4m2/g)9.2g、および合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドン5.8gを攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤(c14)を得た。非水電解質二次電池用合剤(c14)の粘度は13000mPa・sであった。
該非水電解質二次電池用合剤(c14)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用電極(c14)を得た。
〔実施例10〕
カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(1)9.5gと、重量平均分子量5,000のポリアクリル酸(和光純薬株式会社製、カルボキシル基量:1.4×10-2モル/g)0.5gを、N−メチル−2−ピロリドン90gに溶解し、10重量%のバインダー溶液(10)を得た。得られたバインダー溶液(10)8g、球状天然黒鉛(中国産、平均粒径24μm、比表面積5.4m2/g)9.2g、および合剤粘度調整用のN−メチル−2−ピロリドン5.8gを攪拌混合し、非水電解質二次電池用合剤(10)を得た。非水電解質二次電池用合剤(10)の粘度は13000mPa・sであった。
該非水電解質二次電池用合剤(10)を用いた以外は実施例1と同様に行い、非水電解質二次電池用電極(10)を得た。
<電極の評価>
〔剥離強度〕
実施例および比較例で得られた電極を試料とし、合剤層と集電体との剥離強度をJISK6854に準拠して180°剥離試験により測定した。
〔フッ素強度〕
(電極表面のフッ素強度)
実施例および比較例で得られた電極を、40mm角に切断し、蛍光X線測定装置(Shimadzu製、蛍光X線装置、XRF-1700)を使用して、40kV、60mA、照射直径30mmの条件で、合剤層側における電極表面のフッ素強度を測定した。
(合剤層の剥離面および、集電体の剥離面のフッ素強度)
実施例および比較例で得られた電極を、40mm角に切断し、合剤層側の電極表面にダンプロン(登録商標)テープ(NO375)(日東電工CSシステム社製)を貼り付けた。
ゲージ圧を7MPaに設定し、ダンプロンテープが貼り付けられた電極に、20秒間プレスをおこない、その後、合剤層を集電体から剥がした。集電体が剥がされた合剤層の、集電体との剥離面、および合剤層が剥がされた集電体の、合剤層との剥離面について、前記電極表面のフッ素強度と同様の方法で、フッ素強度を測定した。
なお、集電体が剥がされた合剤層の、集電体との剥離面を、「合剤層の剥離面」とも記し、合剤層が剥がされた集電体の、合剤層との剥離面を、「集電体の剥離面」とも記す。
実施例、比較例で用いたバインダー溶液および非水電解質二次電池用合剤の組成、得られた電極の合剤層の厚さ、電極の評価結果を表1、2に示す。
Figure 2011122261
Figure 2011122261

Claims (10)

  1. ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボン酸重合体(A)、カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)、電極活物質、および有機溶剤を含有し、
    前記不飽和カルボン酸重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜150,000である非水電解質二次電池用合剤。
  2. 前記不飽和カルボン酸重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリエチレンオキサイド換算の重量平均分子量が、1,000〜100,000である請求項1に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  3. 前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の合計100重量%あたり、不飽和カルボン酸重合体(A)が0.5〜15重量%である請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  4. 前記不飽和カルボン酸重合体(A)およびカルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)の合計100重量%あたり、不飽和カルボン酸重合体(A)が0.8〜6重量%である請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  5. 前記電極活物質の比表面積が、1〜10m2/gである請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  6. 前記電極活物質の比表面積が、2〜6m2/gである請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  7. 前記カルボキシル基含有フッ化ビニリデン系重合体(B)が、不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸モノエステル、アクリル酸およびメタクリル酸から選択される少なくとも一種のカルボキシル基含有モノマーと、フッ化ビニリデンとの共重合体である請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用合剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用合剤を、集電体に塗布・乾燥することにより得られる非水電解質二次電池用電極。
  9. 前記非水電解質二次電池用合剤から形成される、厚さ20〜150μmの合剤層を有する請求項8に記載の非水電解質二次電池用電極。
  10. 請求項8または9に記載の非水電解質二次電池用電極を有する非水電解質二次電池。
JP2012508179A 2010-03-30 2011-03-08 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池 Expired - Fee Related JP5684235B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012508179A JP5684235B2 (ja) 2010-03-30 2011-03-08 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010077694 2010-03-30
JP2010077694 2010-03-30
PCT/JP2011/055337 WO2011122261A1 (ja) 2010-03-30 2011-03-08 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池
JP2012508179A JP5684235B2 (ja) 2010-03-30 2011-03-08 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011122261A1 true JPWO2011122261A1 (ja) 2013-07-08
JP5684235B2 JP5684235B2 (ja) 2015-03-11

Family

ID=44711987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012508179A Expired - Fee Related JP5684235B2 (ja) 2010-03-30 2011-03-08 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5684235B2 (ja)
KR (1) KR101464841B1 (ja)
CN (1) CN102725889B (ja)
TW (1) TWI436522B (ja)
WO (1) WO2011122261A1 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6010309B2 (ja) * 2012-02-29 2016-10-19 積水化学工業株式会社 リチウムイオン二次電池
WO2014024967A1 (ja) * 2012-08-10 2014-02-13 日本ゼオン株式会社 リチウムイオン二次電池負極用スラリー組成物
US10044040B2 (en) * 2012-10-26 2018-08-07 Tokyo University Of Science Foundation Binder for lithium cell, composition for producing electrode, and electrode
JP2016076292A (ja) * 2013-01-11 2016-05-12 日立マクセル株式会社 非水電解液二次電池
JP6070537B2 (ja) * 2013-12-27 2017-02-01 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン電池用負極の製造方法
JP6203378B2 (ja) * 2014-09-09 2017-09-27 株式会社東芝 非水電解質二次電池、電池パック及び車
WO2017059117A1 (en) * 2015-09-29 2017-04-06 A123 Systems, LLC High capacity anode electrodes with mixed binders for energy storage devices
FR3044012B1 (fr) * 2015-11-24 2019-04-05 Arkema France Liant permettant de fixer un materiau contenant du poly fluorure de vinylidene sur un metal - electrode pour batterie lithium-ion associee
US10790512B2 (en) 2015-12-10 2020-09-29 Kaneka Corporation Nonaqueous electrolyte secondary battery
PL3435456T3 (pl) * 2016-03-24 2024-04-08 Zeon Corporation Kompozycja spoiwa do elektrod niewodnych akumulatorów, kompozycja zawiesiny do elektrod niewodnych akumulatorów, elektroda do niewodnych akumulatorów i niewodny akumulator
JP7009048B2 (ja) * 2016-06-15 2022-01-25 東洋インキScホールディングス株式会社 導電性組成物、蓄電デバイス用下地層付き集電体、蓄電デバイス用電極、及び蓄電デバイス
JP7083690B2 (ja) * 2018-04-26 2022-06-13 株式会社クレハ 粒子
JP7019508B2 (ja) * 2018-05-15 2022-02-15 株式会社クレハ 電極合剤、電極合剤の製造方法、電極構造体、電極構造体の製造方法および二次電池

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1145720A (ja) * 1997-07-25 1999-02-16 Hitachi Maxell Ltd リチウム二次電池
JP2003268053A (ja) * 2002-03-13 2003-09-25 Hitachi Chem Co Ltd 電池用バインダ樹脂、これを含有する電極及び電池
JP4361241B2 (ja) * 2002-04-26 2009-11-11 株式会社クレハ 非水系二次電池電極用バインダー組成物、電極合剤組成物、電極および二次電池
JP2004281055A (ja) * 2003-01-23 2004-10-07 Hitachi Chem Co Ltd カルボキシル基含有樹脂を用いた電池用バインダ樹脂組成物、合剤スラリー、電極および電池
JP4715125B2 (ja) * 2004-08-11 2011-07-06 三菱化学株式会社 リチウム二次電池電極用スラリー及びリチウム二次電池電極の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN102725889A (zh) 2012-10-10
JP5684235B2 (ja) 2015-03-11
KR101464841B1 (ko) 2014-11-25
KR20120104322A (ko) 2012-09-20
TW201140924A (en) 2011-11-16
TWI436522B (zh) 2014-05-01
CN102725889B (zh) 2015-07-01
WO2011122261A1 (ja) 2011-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5684235B2 (ja) 非水電解質二次電池用合剤、非水電解質二次電池用電極および非水電解質二次電池
KR101351206B1 (ko) 비수 전해질 이차 전지용 부극 합제, 비수 전해질 이차 전지용 부극 및 비수 전해질 이차 전지
JP5797206B2 (ja) フッ化ビニリデン系共重合体、および該共重合体の用途
JP5626791B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極合剤、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池
KR102325232B1 (ko) 바인더 조성물, 전극 합제, 전극 및 비수 전해질 이차전지
JP6891346B2 (ja) 接着性組成物、セパレータ構造体、電極構造体、非水電解質二次電池およびその製造方法
CN109075344B (zh) 粘合剂组合物、电极合剂、电极、非水电解质二次电池以及粘合剂组合物的制造方法
JPWO2016167294A1 (ja) 電極構造体およびその製造方法
JP5697660B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極合剤、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池
JP7062476B2 (ja) バインダー組成物、電極合剤原料、電極合剤、電極、非水電解質二次電池および電極合剤の製造方法
JP5548131B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極合剤、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池
JP5400058B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極合剤、非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5684235

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees