JPWO2011118374A1 - 熱型センサ及びプラットフォーム - Google Patents

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Abstract

低コスト・高感度で動作するセンサや、それを動作させるエネルギー効率の高い無線センサプラットフォームを提供するために、被検対象の入射又は付着によって発熱する検知膜と、前記検知膜で発熱した熱によって温度勾配が生ずる方向にスピン流を生成する磁性体膜と、前記磁性体膜で生成されたスピン流を電流へと変換する電極と、を備える。

Description

本発明は、固体中の電子と電荷のスピン流を利用するスピントロニクス技術を用いた熱型センサ、及びそれを駆動するプラットフォームに関する。
ユビキタス社会における実空間と仮想空間の間のインターフェースとして、無線通信機能を有するセンサネットワーク技術の重要性が高まっている。センサネットワークでは、多数の無線センサノードが個々にセンシングを行い、得られた情報を送信する。送信された情報は、サーバによって収集される。これにより、交通渋滞や環境など、広範囲にわたる様々な状況が把握される。
センサノード(センサ端末)には、物理データを検出するセンサ部と、物理データのA/D変換及び演算処理等を行う信号処理部と、処理後のデータを送信する無線部と、これら各部に電源を供給する電源部とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
センサ部としては、用途に応じて様々なものが利用されている。例えば、情報セキュリティ分野やリモートセンシング分野においては、赤外線センサが盛んに用いられている。赤外線センサは、量子型と熱型に分けることができる。量子型は、感度や応答速度などの面で高い性能を有するものの、通常は冷却が必要で高コストである。そのため、赤外線センサは、民生用にはあまり用いられていない。これに対し、熱型は、赤外線吸収による発熱を検出するため、冷却が不要であり、比較的低コストである。熱型赤外線センサとしては、強誘電体の焦電効果を利用して赤外線による発熱を検出する焦電型、抵抗変化により発熱を検出するボロメータ型、熱電効果による熱起電力を検出するサーモパイル型等が挙げられる。
電源部は、一次電池で構成される場合が多い。しかし、最近では、無線給電を利用する方法や、環境発電により周囲からエネルギーを収集する方法も利用されている。環境発電の方式としては、太陽光発電による光電変換や、周囲の振動を圧電素子により電気に変換する振動変換、熱を電気エネルギーに変換する熱電変換等が利用されている。
信号処理部では、取得した生データのA/D変換、取得したデータの統合・整理・変換、無線通信のための制御などが主に行なわれる。信号処理部は、必要に応じて、無線通信のための情報暗号化などを行う。信号処理部には、パーソナルコンピュータのような大規模で高速な処理は必要とされない。現状では、信号処理部として、比較的小規模なマイクロコンピュータが用いられている。そのマイクロコンピュータの処理能力は8ビット程度であり、クロック周波数は数MHz〜数十MHz程度である。ただし、長寿命動作が重要であることから、従来のプロセッサよりも低消費電力性が強く要求される。また、他の情報処理システムとは異なり、センサでは、測定や通信を行わない待機状態である時間が長くなる。そのため、内部状態を保持したまま低電力動作または動作停止を行うスリープモードも重要となる。
無線部は、マイクロ波発振器・受信器により通信を行う。しかし、携帯電話や無線LANのような大容量通信及び高出力発振は必ずしも必要とされない。無線通信方式としては、短距離用で比較的低電力なZigbee(周波数:2.4GHz帯、通信速度:250kbps、最大通信距離:30m)などがよく用いられる。但し、最近では、さらなる省電力方式も提案及び検討されている。
また、上記のようなユビキタスセンサネットワークに貢献しうる新しい技術として、スピントロニクスが近年注目されている。スピントロニクスは、従来の電荷の自由度に加え、スピンの自由度を新たに有効活用しようというものであり、情報処理の低消費電力化や新しいエネルギー変換への適用などが期待されている。例えば、電流は、必然的にジュール発熱を伴う。これに対し、スピンの流れであるスピン流は、その物理的性質から、エネルギー損失が極めて小さい情報伝達を実現できる(例えば、特許文献2参照)。また、電子が束縛された絶縁体であってもスピン流を流すことが可能であり、情報処理やセンシングのための全く新しい自由度として活用が期待される(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
このスピン流を、他の物理量に変換する技術がいくつか知られている。例えば、電流をスピン流に変換する技術として、スピンホール効果を用いた技術が知られている。スピンホール効果は、物質中に電流を流すとそれと垂直な向きにスピン流が生成される効果である(例えば、非特許文献3参照)。逆に、スピン流と垂直な向きに電流が生成される現象である逆スピンホール効果も見出されている(例えば、非特許文献4参照)。
また、空間的な温度勾配からスピン流を生成する技術として、スピンゼーベック効果も報告されている。熱によって生成されたスピン流は、逆スピンホール効果を介して電流として取り出すこともできる(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−122550号公報 特開2009−295824号公報 特開2009−130070号公報
Daniel D. Stancil, Anil Prabhakar, "Spin Waves :Theory and Applications" Springer −Verlag p.139−168 (2009) Alexander Khitun, MingqiangBao, and Kang L. Wang, "Spin Wave Magnetic NanoFabric: A New Approach to Spin−Based Logic Circuitry" IEEE Transactions on Magnetics, Vol. 44, No.9 p.2141 (2008) Shuichi Murakami, et al.,"Dissipationless Quantum Spin Current at Room Temperature" Science, Vol. 301, p.1348 (2003) E. Saitoh, M. Ueda, and H. Miyajima, "Conversion of spin current into charge current at room temperature: inverse spin−Hall effect" Applied Physics Letters, Vol. 88, p.182509 (2006)
以上ここまで説明してきた無線センサネットワーク用のセンサ端末においては、現状ではいくつかの課題が挙げられる。例えば、センサ端末は、高いエネルギー効率(長寿命動作)、高い検出感度、低コスト、利便性を併せ持つものでなければならないが、これら全てを両立させるのは一般的に難しい。
具体的課題は、個々のセンサ部に依存するが、ここでは赤外線センサを例に挙げて説明する。まず、量子型赤外線センサは、冷却が必要なため、民生用センサネットワークへの適用が難しい。冷却が不要な熱型赤外線センサについても、それぞれのタイプにいくつか課題が挙げられている。例えば、焦電型はモノリシック集積が難しく高コストで、振動に敏感であるといった欠点がある。また、ボロメータ型についても、ボロメータ膜(酸化バナジウムなど)実装等のコストの問題に加え、抵抗変化を検出するための読み出し回路が複雑になる。サーモパイル型は、赤外線センサの中では比較的低コストで作製が可能だが、熱電変換効率が低いことから、現状では十分な感度が得られていない。
また、いずれのタイプの熱型赤外線センサにしても、検出部分の熱容量をできるだけ小さくするために、検出部を中空にして基板への熱伝導を防ぐマイクロマシニングプロセスが必要である。加えて、配線からの熱伝導を最小限に抑えるために、配線をできるだけ細く加工する必要がある。検出部分を断熱するためには、熱伝導率の小さい材料を配線や支持部に用いることが望まれる。しかし、電気的に熱を検出する以上は利用できる材料に制約があり、現在は窒化シリコンなど比較的熱伝導率の大きな材料が用いられている。以上、これらの微細加工のため、高コストとなり歩留まりも悪くなる。
また、センサ部だけでなく、電源部にも大きな課題がある。センサ端末をあらゆる場所に配置する場合、それらへの外部からの電力供給は一般的に難しい。このため、各端末の電源部に電池を内蔵する場合が多い。しかし、この場合でも、信号処理や無線通信に必要な電力消費のため超寿命動作は難しく、途中で電池を交換するなどの手間が生じる。
メンテナンスフリーな電源としては、太陽光や振動、熱電による環境発電(エナジーハーベスティング)技術が期待されている。しかし、太陽光の場合、高効率な発電が可能なのは室外や晴天時に限られる(間欠性)。振動発電についても定常的な振動が得られる場面に限られるなど、制約が多い。
熱の利用については体温や太陽熱の他、自動車や電子機器等の様々な廃熱を利用できるなど、利用シーンによっては比較的利便性が高い。しかし、従来のゼーベック効果に基づく熱電変換素子のエネルギー変換効率はさほど大きくない。熱電変換材料の無次元性能指数ZTは、電気伝導率に比例し、熱伝導率に反比例する。しかし、これらは通常相関関係にある(電気を良く流す材料は熱も逃げやすい)ため、金属でも半導体でもZT=1〜2程度(バルク材料の場合)が上限となっている。このため、消費電力の小さな腕時計などを動作させることはできても、無線センサ端末への安定給電には課題がある。
また、長寿命動作や環境発電技術の適用を可能にするためには、端末全体としての消費電力を抑制する必要がある。このため、信号処理部、無線部についても、さらなる低消費電力化が望まれる。特に、センサ端末の場合、スリープモード時の待機電力を極力小さくすることが重要である。しかし、従来のエレクトロニクスデバイスでは、リーク電流などのため、待機電力を0に近づけることは難しい。
以上のように、低コスト・高感度で動作するセンサや、それを動作させるエネルギー効率の高い無線センサプラットフォームは、これまで実現されていなかった。
本発明に係る熱型センサは、被検対象の入射又は付着によって発熱する検知膜と、前記検知膜で発熱した熱によって温度勾配が生ずる方向にスピン流を生成する磁性体膜と、前記磁性体膜で生成されたスピン流を電流へと変換する電極と、を備える。
上記の熱型センサにおいて、前記検知膜は、赤外線の少なくとも一部を吸収することにより発熱する赤外線吸収膜であることが好ましい。
上記の前記熱型センサにおいて、前記検知膜は、ガスを吸着することにより化学反応によって発熱する触媒を含むガス吸着用触媒膜であることが好ましい。
上記の前記熱型センサにおいて、前記磁性体膜は、磁性絶縁体であることが好ましい。
本発明に係るプラットフォームは、所定の状態を検出するセンサ部と、空間的な温度勾配から熱的にスピン流を生成するスピン流生成部と、前記スピン流生成部で生成された前記スピン流に前記センサ部で検出された状態に係るセンシング情報を取り込んで信号処理を行う信号処理部と、を備える。
上記プラットフォームは、前記信号処理部で信号処理された前記センシング情報を含む情報をマイクロ波で送信する無線部を備えることが好ましい。
上記プラットフォームにおいて、前記スピン流生成部は、導波路の端部又は一部が高温又は低温の熱源と近接して配置されるとともに、前記導波路中で熱的にスピン波スピン流を生成するスピンゼーベック素子を有することが好ましい。
前記スピンゼーベック素子の前記導波路は、磁性絶縁体を有することが好ましい。
前記スピンゼーベック素子の前記導波路は、前記導波路の幅を周期的に変調した構造、又は、前記導波路の表面に周期的な溝を有する構造、若しくは、前記導波路の表面にバリア層を介して周期的な強磁性体を有する構造となっていることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、前記スピン流生成部で生成された前記スピン流に前記センシング情報を取り込んだ後、前記スピン流生成部で生成されたスピン波スピン流の位相情報又は経路情報を状態変数として信号処理を行うことが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、入力に係る複数の導波路を出力に係る1つの導波路につなげたスピン流合流素子、入力に係る1つの導波路を出力に係る複数の導波路につなげたスピン流分岐素子、導波路で伝送されるスピン流を部分的に反射させるスピン流部分反射鏡、及び、制御信号に応じて導波路で伝送されるスピン流の位相シフトを行うスピン流変調器のいずれかを備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、入力されたスピン波スピン流が3端子型の前記スピン流部分反射鏡で2つに分けられ、前記スピン流部分反射鏡から出力された一方のスピン波スピン流が前記スピン流変調器により前記センシング情報に応じて位相シフトが行われ、4端子型の前記スピン流部分反射鏡で前記スピン流部分反射鏡から出力された他方のスピン波スピン流と前記スピン流変調器により位相シフトされたスピン波スピン流との干渉の結果に応じてスピン流の伝播経路を変えるスピン流干渉素子を備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記スピン流部分反射鏡は、ギャップ、磁壁、磁場、及び磁性体端子のいずれか1つによりスピン流を部分的に反射させることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記スピン流変調器は、前記制御信号に応じて磁場、電場、歪み、磁性体端子、及び磁壁のいずれか1つを変調することにより導波路で伝送されるスピン流の位相シフトを行うことが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記制御信号は、前記センシング情報、又は、磁気メモリに記憶された内容であることが好ましい。
前記プラットフォームは、前記スピン流生成部で生成されたスピン流から電流を生成するスピンホール素子を備え、前記制御信号は、前記スピンホール素子で生成された電流であることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、入力に係る3つの導波路からのスピン流を合流し干渉させることで出力に係る1つの導波路から状態変数を出力する多数決ゲートを備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、前記多数決ゲートの入力に係る3つのうち1つの導波路上に前記前記スピン流変調器を有するとともに、前記多数決ゲートの出力に係る1つの導波路上に他の前記前記スピン流変調器を有する基本ブール代数ゲートを備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、前記スピン流干渉素子と前記スピン流変調器とを組み合わせるとともに、スピン流干渉スピン流の経路情報を状態変数とした基本演算ゲートを備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記信号処理部は、複数の前記基本演算ゲートを組み合わせたスピン流処理回路を備えることが好ましい。
前記プラットフォームにおいて、前記無線部は、前記信号処理部から導波路を通じて伝送されるスピン流を部分的に反射させるスピン流部分反射鏡と、磁性絶縁体上に金属端子が配置されるとともに、前記金属端子に電流を流すことより前記スピン流部分反射鏡から前記磁性絶縁体に入力されたスピン流を共振させてマイクロ波を発生するスピン流共振器と、を備えることが好ましい。
本発明の第1の視点によれば、スピン流という自由度を利用して微小発熱を検出することで、簡単な構造で高い感度を有する熱型センサが構成できる。磁性体膜として絶縁体材料を用いた場合、熱伝導率の極めて小さな材料を採用することができる。そのため、発熱による温度勾配を保ったまま、効率的にスピン流を生成し、高感度で検出を行うことが可能となる。加えて、磁性絶縁体中のスピン流で発熱を検出する場合、発熱部分に直接電気的配線を取り付ける必要が無い。断熱のためのマイクロマシニングプロセスを省くことも可能となり、比較的シンプルな構成で高感度な熱型センサを構成でき、低コスト化を図ることができる。
本発明の第2の視点によれば、太陽熱や体温、各種廃熱など、様々な熱源からスピン流を生成することができる。そして、生成したスピン流をベースとして、センシング情報の取り込み、情報の統合・整理や暗号化といった簡単な信号処理、及び無線通信のためのマイクロ波発振を行うことができる。また、導波路における磁性絶縁体中のスピン流はジュール熱の発生を伴わないため、エネルギー散逸の小さい情報伝播・情報処理が可能であり、エネルギー効率の高いプラットフォームが構築できる。また、センサを駆動するスピン流生成部や信号処理部においてスピン流を利用することにより、エネルギー効率の高いプラットフォームが構築できる。また、スピン流変調器において、磁性体端子、磁壁のような磁性材料をゲート端子として利用することにより、処理手順などを不揮発的に記憶できる再構成可能回路を構築できる。そのため、スリープモードの利用などにより待機電力を低減できる。さらに、センシング情報が反映されたスピン流がそのままマイクロ波に変換され、エネルギー効率の高い無線通信が可能となる。
本発明の実施例1に係る熱型センサ(赤外線センサ)の構成を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例2に係る熱型センサ(ガスセンサ)の構成を模式的に示した斜視図である。 本発明の実施例3に係るプラットフォームの構成を模式的に示した概略図である。 スピンゼーベック素子の構造を模式的に示した斜視図である。 スピンゼーベック素子の実装例を示した斜視図である。 導波路幅が周期的に変調したスピンゼーベック素子を模式的に示した斜視図である。 導波路表面に周期的な溝を有するスピンゼーベック素子の構造を示す斜視図である。 周期的に形成された強磁性体を有するスピンゼーベック素子の構造を示す斜視図である。 スピン流合流素子を示す模式図である。 スピン流分岐素子を示す模式図である。 ギャップを利用した2端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 ギャップを利用した3端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 ギャップを利用した4端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁壁を利用した2端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁壁を利用した3端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁壁を利用した4端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 外部磁場を利用した2端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 外部磁場を利用した3端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 外部磁場を利用した4端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁性体端子を利用した2端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁性体端子を利用した3端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 磁性体端子を利用した4端子型スピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。 スピン流変調器を表す記号を示す図である。 磁場を利用したスピン流変調器を示す模式図である。 磁場を利用した他のスピン流変調器を示す模式図である。 電場を利用したスピン流変調器を示す模式図である。 歪を利用したスピン流変調器を示す模式図である。 磁性体端子を利用したスピン流変調器を示す模式図である。 磁壁を利用したスピン流変調器を示す模式図である。 センサ出力をスピン流位相情報に取り込むための回路を示す回路図である。 センサ出力をスピン流位相情報に取り込むための他の回路を示す回路図である。 スピン流を利用した多数決ゲート回路を示す図である。 スピン流を利用した基本ブール代数ゲート回路を示す図である。 スピン流処理回路の構成を模式的に示したブロック図である。 磁気メモリに記憶された情報をスピン流位相情報への取り込む方法を説明するための模式図である。 無線部の構成を示した模式図である。 スピン流発振器の構成を模式的に示した概略図である。
本発明の実施形態1に係る熱型センサは、被検対象の入射又は付着によって発熱する検知膜と、検知膜で発熱した熱によって温度勾配が生ずる方向にスピン流を生成する磁性体膜と、磁性体膜で生成されたスピン流を電流へと変換する電極と、を備える。
本発明の実施形態2に係るプラットフォームは、所定の状態を検出するセンサ部と、空間的な温度勾配から熱的にスピン流を生成するスピン流生成部と、前記スピン流生成部で生成された前記スピン流に前記センサ部で検出された状態に係るセンシング情報を取り込んで信号処理を行う信号処理部と、を備える。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る熱型センサについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る熱型センサの構成を模式的に示した斜視図である。
図1に示す熱型センサは、赤外線センサである。この熱型センサは、赤外線吸収膜1(検知膜)、磁性体膜2、及び電極3を有しており、これらはこの順番で積層されている。電極3には、電流を取り出すための2つの端子4が離間して接続されている。赤外線が赤外線吸収膜1に入射すると、赤外線吸収膜1において赤外線の少なくとも一部が吸収され、発熱が生じる。これにより、磁性体膜2において、赤外線吸収膜1側と電極3側との間に温度差(温度勾配)が生じる。磁性体膜2におけるスピンゼーベック効果(温度勾配によりスピン流が生成する効果)により、磁性体膜2において温度勾配が生ずる方向(例えば、膜面に垂直な方向)に、スピン流が生成される。生成したスピン流は、電極3へ注入される。電極3では、逆スピンホール効果により、スピン流が電流に変換される。この電流は、端子4を介して、電気信号として外部に取り出される。
赤外線吸収膜1としては、公知の材料を用いることができる。例えば、赤外線吸収率の高い金黒(金の超微粒子)膜や、ニッケル・クロム合金膜、などを蒸着することで、赤外線吸収膜1を形成することができる。その他、カーボンブラック膜を塗布することにより、赤外線吸収膜1を得ることもできる。
磁性体膜2としては、熱伝導率が小さい材料が好ましく用いられ、磁性絶縁体が好ましく用いられる。赤外線吸収膜1にて赤外線を高い感度で検出するには、赤外線吸収膜1に熱を閉じ込め、磁性体膜2の赤外線吸収膜1側の部分と電極3側の部分との間で温度差を保つ必要があるからである。磁性体膜2としては、例えば、YIG(イットリウム鉄ガーネット)などの絶縁体を利用することができる。絶縁体では、伝導電子によるスピン流の散乱がない。従って、電極3においてスピン流を効率良く検出する観点からも、絶縁体は有利である。YIGを用いた磁性体膜2の形成方法としては、液相エピタキシー法、パルスレーザーアブレーション法、スパッタ法、MOD(有機金属分解)法、ゾルゲル法、及びエアロゾルデポジション法が挙げられる。前述したように、熱を高感度で検出するためには磁性体膜2の熱伝導率を小さいほどよい。この観点からは、MOD法、ゾルゲル法、エアロゾルデポジション法などを用いてYIGの多結晶もしくはナノ結晶を成膜する方法が好ましい。
電極3としては、逆スピンホール効果が効率的に発現する材料を用いることが好ましい。具体的には、電極3は、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、又はそれらの合金をスパッタなどにより成膜することにより、形成できる。
上記多層膜構造は、任意の基板に作製することができ、それぞれの膜厚は用途に応じて設定することができる。一例として、赤外線吸収膜1の膜厚を30nmに設定し、電極3の膜厚を200nmに設定し、磁性体膜2の膜厚をdm=λ/4nとする。ここで、λは検出したい赤外線の波長であり、nはその波長における磁性体膜2の屈折率である。例えば、λ=10μm、n=2.2の場合、dmを1.13μmに設定する。赤外線の波長、及び、その波長における磁性体膜2の屈折率に応じて磁性体膜2の膜厚を設定することで、赤外線吸収膜1と電極3との間に共振構造を形成することができ、赤外線吸収膜1における赤外線吸収効率を高めることができる。また、従来の熱電変換によるサーモパイル型(多数の熱電対を直列に接続して出力電圧を高くしたもの)に比べて構造がシンプルになるため、塗布技術を用いてフィルム状となるように、多層膜構造を作成することもできる。また、この多層膜構造は、熱から電流を生成する熱電変換デバイスとしてもそのまま利用できる。
実施例1によれば、スピン流という自由度を利用して微小発熱を検出することで、簡単な構造で高い感度を有する熱型センサが得られる。つまり、磁性体膜2として絶縁体材料を用いた場合、熱伝導率の極めて小さな材料を採用することができ、発熱による温度勾配を保つことができ、効率的にスピン流を生成でき、高感度検出が可能となる。加えて、磁性絶縁体中のスピン流で発熱を検出する場合、発熱部分に直接電気的配線を取り付ける必要が無い。そのため、断熱のためのマイクロマシニングプロセスを省くことが可能になり、比較的シンプルな構成で高感度な熱型センサを得ることができ、低コスト化を図ることができる。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る熱型センサについて図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施例2に係る熱型センサの構成を模式的に示した斜視図である。
図2に示す熱型センサは、ガスセンサである。この熱型センサは、電極3、磁性体膜2、及びガス旧着用触媒膜5(検知膜)を有し、これらはこの順番で積層されている。すなわち、熱型センサは、多層膜構造を有している。電極3には、電流を取り出すための2つの端子4が、離間して接続されている。ガスがガス吸着用触媒膜5に吸着した場合、ガス吸着用触媒膜5においてガスと触媒との化学反応が起こり、ガス吸着用触媒膜5が発熱する。これにより、磁性体膜2において、ガス吸着用触媒膜5側と電極3側との間で温度差(温度勾配)が生じる。その結果、磁性体膜2におけるスピンゼーベック効果により、温度勾配が生ずる方向(例えば、膜面に対して垂直な方向)にスピン流が生成される。スピン流は電極3へ注入される。注入されたスピン流は、電極3における逆スピンホール効果により、電流へと変換され、端子4を通して外部に取り出される。
ガス吸着用触媒膜5としては、検出するガスに応じた材料を用いることができ、公知の材料を利用することができる。例えば、検出対象ガスが水素の場合、スパッタ成膜などによって白金(Pt)触媒膜を形成することにより、ガス吸着用触媒膜5を得ることができる。また、ガス吸着用触媒膜5としては、触媒を含有する多孔質体を含む膜、及び多孔質体に触媒を担持した多孔質体を含む膜を用いることもできる。
磁性体膜2としては、熱伝導率が小さい材料を用いることが望ましく、磁性絶縁体が好ましい。ガスを高い感度で検出するには、ガス吸着用触媒膜5に熱を閉じ込め、磁性体膜2においてガス吸着用触媒膜5側と電極3側との間の温度差を保つ必要がある。磁性体膜2として、例えば、YIG(イットリウム鉄ガーネット)などの絶縁体を利用することができる。絶縁体は、伝導電子によるスピン流の散乱がないため、電極3においてスピン流を効率良く検出することができる点で、有利である。YIGを用いた磁性体膜2の形成方法としては、液相エピタキシー法、パルスレーザーアブレーション法、スパッタ法、MOD法、及びゾルゲル法が挙げられる。前述したように、熱を高感度で検出するためには磁性体膜2の熱伝導率が小さいほどよい。この観点から、ゾルゲル法を用いてYIGのナノ結晶を成膜する方法が好ましく用いられる。
電極3としては、逆スピンホール効果が効率的に発現する材料が好ましく用いられる。電極3は、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、またはそれらの合金をスパッタなどにより成膜することにより、得ることができる。
上記多層膜構造は、基板上に作製することができる。多層膜構造における各膜の膜厚は、用途に応じて設定することができる。例えば、赤外線吸収膜1の膜厚を30nmに設定し、磁性体膜2の膜圧を500nmに設定し、電極3の膜厚を200nmに設定することができる。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
(実施例3)
本発明の実施例3に係るプラットフォームについて図面を用いて説明する。図3は、本実施例に係るプラットフォームの構成を模式的に示した概略図である。
実施例1、2では、スピン流を利用した熱型センサについて説明した。これに対して、本実施例では、スピン流を利用してセンサを駆動するプラットフォームについて説明する。図3に示されるプラットフォームは、スピン流により駆動する無線センサプラットフォームである。このプラットフォームは、センサ部10、スピン流生成部11、信号処理部12、無線部13、磁気メモリ14、及びスピンホール素子15を有している。後述するように、
センサ部10は、各種の状態を検出するセンサ10aを有している。センサ10aとしては、例えば、実施例1に係る赤外線センサ、実施例2に係るガスセンサ等の熱型センサ、及びその他のセンサを用いることができる。センサ部10は、検出した状態を示すセンシング情報を、信号処理部12に向けて出力する。後述するように、信号処理部12に情報を取り込む方法にはいくつかの方式があることから、センシング情報の出力形式は、電気的な信号でも、磁気的な信号でも良い。例えば電圧信号などにセンシング情報を乗せることができる。
スピン流生成部11は、各機能部の動力源として用いられる。スピン流生成部11は、周囲からエネルギーを収集する機能を有しており、空間的な温度勾配から熱的にスピン流を生成するスピンゼーベック素子11aを有する。スピン流生成部11では、スピンゼーベック素子11aが周囲の熱からスピン流を生成する。生成したスピン流は、信号処理部12及びスピンホール素子15に向けて出力される。スピン流生成部11の詳細な構成及び動作については、後述する。
信号処理部12は、入力された信号を情報処理する機能を有している。信号処理部12は、スピン流処理回路12aを有している。スピン流処理回路12aは、スピン流生成部11において生成されたスピン流の位相等に、センシング情報を反映させ、情報処理(データの統合・整理や暗号化など)を行う。信号処理部12は、情報処理後の情報を、処理後スピン流として、無線部13に向けて出力する。信号処理部12は、磁気的相互作用により、スピン流の位相等に、磁気メモリ14の内容を乗せる(取り込む)ことも可能である。信号処理部12は、スピン流生成部11で生成されたスピン流をクロックとして用いて、信号処理することが可能である。信号処理部12は、スピンホール素子15で生成された制御電流パルスを用いて信号処理することが可能である。信号処理部12の詳細な構成及び動作については、後述する。
無線部13は、スピン流発振器13aを有している。スピン流発振器13aは、信号処理部12から処理後スピン流を取得すると、マイクロ波を生成する。無線部13では、生成されたマイクロ波が、基地局や近傍の端末に向けて送信される。無線部13の詳細な構成及び動作については、後述する。
磁気メモリ14は、センサ部10の測定データ、ID情報などの情報を磁気的に記憶する機能を有している。磁気メモリ14は、信号処理部12の信号処理に応じて、情報を記憶したり、情報を読み出したりすることが可能である。
スピンホール素子15は、スピン流生成部11で生成されたスピン流から電流を生成する素子である。スピンホール素子15は、生成された電流を制御電流パルスとして信号処理部12に出力する。
以下、図3に示されるプラットフォームにおける各部について詳細に説明する。
最初に、プラットフォームの動力源となるスピン流生成部11について、説明する。既述のように、スピン流生成部11は、スピンゼーベック素子11aを備えている。また、スピン流生成部11は、スピン流導波路21を介して、信号処理部12に接続されている。図4は、スピンゼーベック素子11aの構造を模式的に示す斜視図である。
スピンゼーベック素子11aは、スピンゼーベック効果を利用して、熱からスピン流を生成する素子である。スピンゼーベック効果については、例えば、特許文献3(特開2009−130070号公報)に記載されている。図4に示されるように、スピンゼーベック素子11aは、スピン流導波路21の端部又は一部として設けられている。スピンゼーベック素子11aは、高温又は低温の熱源20に近接して配置されている。これにより、スピン流導波路21内に温度勾配が生じ、スピンゼーベック効果によってスピン流が生成される。熱源20としては、どのような熱源が用いられてもよい。熱源20としては、例えば、太陽熱や体温、その他の様々な廃熱を利用することができる。生成されたスピン流は、スピン流導波路21を介して、信号処理部12(図3参照)へと伝送される。
スピン流導波路21の材料は、磁性体であることが求められる。特許文献3に記載されているように、その磁性体としては、スピン流の伝播距離が長い場合であっても、散逸が小さくなるような絶縁体材料を利用することが好ましい。その磁性体としては、例えば、ガーネット系の磁性材料などを用いることが可能である。
図5は、スピンゼーベック素子11aの実装例を示す図であり、スピン流導波路21においてスピン波スピン流が伝播する様子を示した斜視図である。スピン流導波路21は、例えば、以下のようにして作成することができる。まず、ガドリニウムガリウムガーネット(GGG;Gadolinium Gallium Garnet)からなるGGG基板21aを用意する(図5参照)。GGG基板21a上に、液相エピタキシャル成長(LPE;Liquid Phase Epitaxy)や、レーザーアブレーション法(PLD;Pulsed Laser Ablation)などによって膜厚1μm程度のイットリウム鉄ガーネット(YIG;Yttrium Iron Garnet)単結晶を成膜し、YIG薄膜21bを形成する。これにより、スピン流導波路21が得られる。スピン流導波路21がYIGなどの絶縁体により構成される場合、その中を伝播するスピン流は、GHz程度の周波数を有するスピン波スピン流となる(特許文献3参照)。図5に示されるように、スピン波スピン流は、スピンのぶれが磁気的相互作用を通して波として伝わっていくものである。例えば、YIG薄膜21bの膜厚は1μmであり、スピン流導波路の幅は10μmである。
図6A乃至図6Cは、スピンゼーベック素子11aの他の実装例を模式的に示した斜視図である。図6Aは、導波路幅が周期的に変調されたスピンゼーベック素子を示す実装例を示す図である。図6Bは、導波路表面に周期的な溝が設けられたスピンゼーベック素子を示す図である。図6Cは、導波路表面にバリア層を介して周期的な強磁性体が設けられたスピンゼーベック素子を示す図である。
温度勾配によって生成されるスピン波スピン流は、様々な周波数のモードを有している。しかし、スピンゼーベック素子の構成を工夫することにより、伝播可能なスピン波スピン流を制御することができる。例えば、図6A及び図6Bに示されるように、スピンゼーベック素子として、幅や高さなどが周期的に変調された周期構造スピン流導波路22a、22bを用いることにより、伝播可能なスピン波スピン流を制御することができる。また、図6Cに示されるように、スピンゼーベック素子として、表面にバリア層22dを介して周期的な強磁性体22eが形成されたスピン流導波路22cを用いることによっても、伝播可能なスピン波スピン流を制御することができる。適切に設計すれば、単一の周波数を有するスピン波スピン流を、信号処理部(図3参照)に供給することができる。以下に、図6A乃至図6Cに示されるスピン流導波路の構成について説明する。
図6Aに示されるスピン流導波路22aは、幹部22a−1、及び複数の枝部22a−2を備えている。幹部22a−1は、第1方向に沿って伸びており、その一端で熱源20に接続されている。複数の枝部22a−2の各々は、第1方向に直交する第2方向に沿って伸びており、幹部22a−1から両側に向かって伸びている。第1方向において、複数の枝部22a−2は、距離「b」おきに配置されている。すなわち、このスピン流導波路22aは、第2方向に沿う幅が、周期的に変化している。スピン流導波路22aの厚みは、「h」である。また、第2方向における幹部22a−1の幅は、「a」である。第2方向に沿う各枝部22a−2の長さは、「c」である。これらのパラメータ「a」、「b」、「c」及び「h」を適当な値に設定することにより、伝播するスピン波スピン流の周波数を制御することができる。
図6Bに示されるスピン流導波路22bは、第1方向に沿って延びており、その一端で熱源20に接続されている。また、スピン流導波路22bには、第2方向(第1方向に直行する方向)に沿って伸びる複数の溝が形成されている。第2方向におけるスピン流導波路22bの幅は、「a’」である。スピン流導波路22bの厚みは、「h’」である。複数の溝の各々の幅(第1方向に沿う幅)は、「c’」である。各溝の深さは、「d’」である。第1方向において、複数の溝は、距離「b」おきに配置されている。パラメータ「a’」、「h’」、「c’」、「d’」、及び「b’」を適当な値に設定することにより、伝播するスピン波スピン流の周波数を制御することができる。
図6Cに示されるスピン流導波路22cは、第1方向に沿って伸びている。第2方向におけるスピン流導波路22cの幅は、「a’’」である。スピン流導波路22cの表層部には、バリア層22dが設けられている。バリア層22dの厚みは、「d’’」である。バリア層22d上には、複数の強磁性体部分22eが形成されている。各強磁性体部分22eは、第2方向に沿って伸びている。各強磁性体部分22aの幅(第1方向における幅)は、「c’’」である。複数の強磁性体部分22aは、第1方向において、距離「b’’」おきに配置されている。これらパラメータ「a''」、「d’’」、「c’’」、及び「b’’」を適当な値に設定することにより、伝播するスピン波スピン流の周波数を制御することができる。
次に、信号処理部12について説明する。信号処理部12は、スピン流分岐素子、スピン流合流素子、スピン流部分反射鏡、及びスピン流変調器などを組み合わせることにより、実現される。図7Aは、スピン流合流素子を示す模式図である。図7Bは、スピン流分岐素子を示す模式図である。図8A乃至図8Cは、微小ギャップを利用したスピン流部分反射鏡の一例を示す模式図である。図8Aは、2端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図8Bは、3端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図8Cは、4端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図9A乃至図9Cは、磁壁構造を用いたスピン流部分反射鏡を示した模式図である。図9Aは、2端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図9Bは、3端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図9Cは、4端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図10A乃至図10Cは、外部磁場を利用したスピン流部分反射鏡を示す模式図である。図10Aは、2端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図10Bは、3端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図10Cは、4端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図11A乃至図11Cは、磁性体端子を利用したスピン流部分反射鏡を示す模式図である。図11Aは、2端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図11Bは、3端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図11Cは、4端子型のスピン流部分反射鏡を示している。図12A乃至図12Fは、スピン流変調器を示す模式図である。図12Aは、磁場を利用したスピン流変調器を示している。図12Bは、磁場を利用した他のスピン流変調器を示している。図12Cは、電場を利用したスピン流変調器を示している。図12Dは、歪を利用したスピン流変調器を示している。図12Eは、磁性体素子を用いたスピン流変調器を示している。図12Fは、磁壁を用いたスピン流変調器を示している。
まず、スピン流分岐素子、スピン流合流素子、スピン流部分反射鏡、及びスピン流変調器について説明する。これらの素子は、スピン流による信号処理の基本機能を実現する素子である。
図7Aに示されるように、スピン流合流素子では、入力に係る2つのスピン流導波路21が、出力に係る1つのスピン流導波路21に接続されている。これにより、スピン流の合流が可能となる。また、図7Bに示されるように、スピン流分岐素子では、入力に係る1つのスピン流導波路21が、出力に係る2つのスピン流導波路21に分岐している。これにより、位相情報を保ったまま、スピン流を分岐させることができる。スピン流導波路21の幅は、例えば、10μmである。スピン流導波路21の膜厚は、例えば1μmである。合流部分又は分岐部分における角度は、例えば30°である。また同様にして、3本以上のスピン流導波路21を合流又は分岐させることも可能である。スピン流導波路21の材料としては、YIGを用いることができる。
また、適切に設計を行なうことにより、任意の反射率でスピン流を部分的に反射させるスピン流部分反射鏡を構成することもできる。図8A乃至図8Cは、微小ギャップを利用したスピン流部分反射鏡の例を示す図である。
図8Aは、2端子型スピン流部分反射鏡18aの実装例と、その記号とを示す図である。この2端子型スピン流部分反射鏡18aは、基板26上に形成されたスピン流導波路21と、このスピン流導波路21を分断するギャップ21cとを有している。ギャップ21cの幅は、gである。ギャップ21cが設けられているため、スピン流の一部(r%)は後方(入力側)へと反射する。一方、スピン流の残りの部分((100−r)%)は、磁気的相互作用により、ギャップ21cを透過(トンネル)し、前方(出力側)へと進む。ギャップ幅gを調整することにより、反射率rとして所望の値を得ることができる。なお、ギャップ21cには、絶縁体バリア膜(例えばSiO2膜)が埋められていてもよい。
図8Bは、3端子型スピン流部分反射鏡18bの実装例と、その記号とを示す図である。この3端子型スピン流部分反射鏡18bにおいては、スピン流導波路21が、入力部分21−1、出力部分21−2、及び出力部分21−3を有している。入力部分21−1及び出力部分21−2は、同一の直線上に設けられている。入力部分21−1と出力部分21−2との間には、ギャップ21cが設けられている。ギャップ21cは、入力部分21−1が伸びる方向に対して斜めに伸びており、入力部分21−1と出力部分21−2との間を分断している。出力部分21−3は、入力部分21−1の先端に連結されている。出力部分21−3は、入力部分21−1の先端から、入力部分21−1が伸びる方向と直交する方向に向かって伸びている。具体的には、出力部分21−3は、ギャップ21cにおいて反射されたスピン波が進む方向に沿って、伸びている。この3端子方スピン流部分反射鏡18bでは、スピン流が、入力部分21−1内を、出力部分21−2側へ向かって進む。スピン流の一部は、ギャップ21cを透過し、出力部分21−2へと導かれる。一方、スピン流の他の部分は、ギャップ21cにおいて反射され、出力部分21−3へと導かれる。
図8Cは、4端子型スピン流部分反射鏡18cの実装例と、その記号とを示す図である。この4端子型スピン流部分反射鏡18cでは、スピン流導波路21が、2つの入力部分(入力部分21−4、入力部分21−5)、及び2つの出力部分(出力部分21−6、出力部分21−7)を備えている。入力部分21−4と出力部分21−7とは、第1直線上に設けられている。入力部分21−5と出力部分21−6とは、第2直線上に設けられている。第1直線と第2直線とは、直交している。第1直線と第2直線との交点部分には、ギャップ21cが設けられている。ギャップ21cは、第1直線及び第2直線の双方に対して傾斜して延びている。入力部分21−4及び出力部分21−6は、ギャップ21cによって、入力部分21−5及び出力部分21−7から分断されている。このような構成を採用することにより、互いに直交する方向に進む2つのスピン流を、反射率rで決まる割合で、混合(干渉)させることができる。
図8Aに示した2端子型スピン流部分反射鏡において、ギャップ21cの代わりに磁壁を用いることによっても、同様の機能を有するスピン流部分反射鏡を実現できる。図9Aは、磁壁を利用した2端子型スピン流部分反射鏡18aと、その記号とを示す図である。図9Aに示される2端子型スピン流部分反射鏡18aでは、ギャップ21cの代わりに、磁壁21dが設けられている。その他の点については、図8Aに示したスピン流部分反射鏡と同様である。この2端子型スピン流部分反射鏡18aにおいては、入力されたスピン流の一部(r%)が、磁壁21dによって反射される。一方、入力されたスピン流の残りの部分((100−r)%)は、磁壁21dを通過し、前方へと進んで行く。また、図8B及び図8Cと同様に、磁壁を用いて3端子型のスピン流部分反射鏡18b、及び4端子型スピン流部分反射鏡18cを実現することも可能である。図9Bは、磁壁を利用した3端子型スピン流部分反射鏡18bと、その記号とを示す図である。図9Bに示される3端子型スピン流部分反射鏡18bにおいては、ギャップ21cの代わりに、磁壁21dが設けられている。その他の点については、図8Bに示した3端子型のスピン流部分反射鏡と同様である。図9Cは、磁壁を利用した4端子型スピン流部分反射鏡18cと、その記号とを示す図である。図9Cに示される4端子型スピン流部分反射鏡18cにおいては、ギャップ21cの代わりに、磁壁21dが設けられている。その他の点については、図8Cに示した4端子型スピン流部分反射鏡と同様である。
また、局所的な外部磁場を利用することによっても、スピン流部分反射鏡を実現することが可能である。図10Aは、外部磁場を利用した2端子型スピン流部分反射鏡18aと、その記号とを示す模式図である。この2端子型スピン流部分反射鏡18aは、スピン流導波路21、及び磁場印加用端子24を備えている。磁場印加用端子24は、スピン流導波路21上に設けられており、スピン流導波路21上を横切るように伸びている。磁場印加用端子24は、電流Iが流れるように構成されている。この外部磁場を利用した2端子型スピン流部分反射鏡18aでは、磁場印加用端子24に電流Iが流されると、磁場印加用端子24の直下に局所的な磁場Hが発生する。その結果、スピン流導波路21にポテンシャルの変化が生じる。スピン流導波路21を流れるスピン流の一部は、ポテンシャルが変化した部分で反射される。スピン流の残りの部分は、ポテンシャルが変化した部分を透過する。これにより、
図8Aに示した2端子型スピン流部分反射鏡18aと同様の機能が実現される。
また、図8B及び図8Cに示した例と同様に、局所的な外部磁場を利用して、3端子型スピン流部分反射鏡18b、及び4端型スピン流部分反射鏡18cを実現することも可能である。図10Bは、外部磁場を利用した3端子型スピン流部分反射鏡18bと、その記号とを示す図である。この3端子型スピン流部分反射鏡18bでは、図8Bに示した3端子型スピン流部分反射鏡18bとは異なり、ギャップ21cが設けられていない。代わりに、ギャップ21cに対応する位置において、スピン流導波路21上に、磁場印加用端子24が設けられている。その他の点については、図8Bに示した3端子型スピン流部分反射鏡18bと同じである。また、図10Cは、外部磁場を利用した4端子型スピン流部分反射鏡18cと、その記号とを示す図である。この4端子型スピン流部分反射鏡18cでは、図8Cに示した4端子型スピン流部分反射鏡18cとは異なり、ギャップ21cが設けられていない。代わりに、ギャップ21cに対応する位置において、スピン流導波路21上に、磁場印加用端子24が設けられている。その他の点については、図8Cに示した4端子型スピン流部分反射鏡18cと同じである。
図11A乃至図11Cは、磁性体端子29を用いたスピン流部分反射鏡18a、18b、18cを示す図である。図11Aは、2端子型スピン流部分反射鏡18aと、その記号とを示す図である。図11Aに示されるスピン流部分反射鏡18aでは、磁場印加用端子24(図10A参照)に代えて、磁性体端子29が設けられている。そのほかの点については、図10Aに示したスピン流部分反射鏡18aと同様である。図11Bは、3端子型スピン流部分反射鏡18bと、その記号とを示す図である。図11Bに示されるスピン流部分反射鏡18bにおいても、磁場印加用端子24(図10B参照)に代えて、磁性体端子29が設けられている。そのほかの点については、図11Bに示したスピン流部分反射鏡18bと同様である。図11Cは、3端子型スピン流部分反射鏡18cと、その記号とを示す図である。図11Cに示されるスピン流部分反射鏡18cでは、磁場印加用端子24(図10C参照)に代えて、磁性体端子29が設けられている。そのほかの点については、図10Cに示したスピン流部分反射鏡18cと同様である。図11A乃至図11Cに示されるように、スピン流導波路21上に磁性体端子29を配置することによっても、スピン流部分反射鏡18を実現することができる。磁性体端子29を設けることにより、スピン流導波路21にポテンシャルの局所的な変化を生じさせることができる。その結果、スピン流の一部は、ポテンシャルが局所的に変化した部分において反射される。スピン流の残りの部分は、ポテンシャルが局所的に変化した部分を透過する。
続いて、スピン流変調器について説明する。スピン流変調器は、スピン波スピン流の位相をシフトさせる素子であり、スピン流についての信号処理を実現するための重要な要素である。図12Aは、スピン流変調器を表現する記号を示す図である。スピン流変調器には、制御信号が供給され、制御信号に応じて、スピン波スピン流の位相がシフトする。図12B乃至図12Gは、スピン流変調器の具体例を示す図である。
図12Bは、磁場印加用電極24を利用したスピン流変調器の一例を示している。このスピン流変調器では、スピン流導波路21上に、バリア膜25を介して、磁場印加用電極24が設けられている。磁場印加用電極24は、スピン流導波路21上を横切るように伸びている。このスピン流変調器では、磁場印加用電極24に、制御信号として、電流Igが流される。これにより、磁場印加用電極24の周りに、磁場Hが発生し、スピン流導波路21にも磁場Hが印加される。このように、外場を印加することにより、スピン波スピン流の分散(すなわち、屈折率)を制御することができる(非特許文献1参照)。その結果、スピン流導波路21において、スピン波スピン流の位相をシフトすることができる。
図12Cは、磁場印加用電極24を利用したスピン流変調器の他の一例を示している。このスピン流変調器では、スピン流導波路21が設けられた平面に直交する方向に沿って磁場Hが発生するように、磁場印加用電極24の形状が工夫されている。そのほかの点については、図12Bに示したスピン流変調器と同じである。このような構成を採用しても、スピン波スピン流の位相をシフトすることができる。
図12Dは、電場を利用したスピン流変調器の一例を示す図である。このスピン流変調器では、スピン流導波路21上に、バリア膜25を介して、ゲート電極27が設けられている。制御信号は、ゲート電極27に供給される。ゲート電極27によって、電場Vgが印加される。このような構成を採用しても、スピン流導波路21において、スピン波スピン流の位相をシフトできる。
図12Eは、歪を利用したスピン流変調器の一例を示す図である。このスピン流変調器では、スピン流導波路21上に、圧電薄膜28(PZTなど)を介して、ゲート電極27が配置されている。ゲート電極27には、制御信号が供給される。ゲート電極27から、電場Vsが印加され、歪みが発生する。この歪みにより、スピン流導波路21において、スピン波スピン流の位相をシフトさせることができる。
図12Fは、磁性体素子を利用したスピン流変調器の一例を示す図である。このスピン流変調器では、スピン流導波路21上に、バリア膜25を介して、磁性体端子29が設けられている。磁性体端子29上には、再構成用電極30が設けられている。磁性体端子29とスピン流導波路21との間の距離は、十分に近接している。このスピン流変調器では、磁性体端子29に制御信号が供給される。磁性体端子29と、スピン流導波路21を流れるスピン波スピン流との間で、磁気的相互作用が生じる。磁気的相互作用により、スピン波スピン流の位相をシフトさせることができる。このときの位相シフト量は、磁性体端子29の磁化方向に依存する。磁性体端子29の磁化は、再構成用電極30に電流を流すことにより、再構成可能である。
図12Gは、磁壁を利用したスピン流変調器の一例を示す図である。このスピン流変調器では、スピン流導波路21中に、磁壁21dが設けられている。また、スピン流導波路21上には、バリア膜25を介して、再構成用電極30が設けられている。再構成用電極30は、磁壁21dに対応する位置に、設けられている。制御信号は、再構成用電極30に供給される。スピン波スピン流の位相は、磁壁21dを通過する際に、シフトする。図12Gに示されるような構成を採用することにより、スピン波スピン流の位相をシフトすることができる。また、再構成用電極30に電流を流すことにより、磁壁21dの生成・消滅などを制御することができ、磁壁21dを再構成することが可能となる。
次に、信号処理部12(図3参照)においてセンシング情報を取り込み、信号の処理を行うための基本回路(センシング情報取り込み回路)について説明する。この基本回路は、上述した基本要素(スピン流分岐素子、スピン流合流素子、スピン流部分反射鏡、及びスピン流変調器など)を組み合わせることにより、実現される。
図13は、センサ出力をスピン流位相情報に取り込むための回路を示す回路図である。図14は、センサ出力をスピン流位相情報に取り込む他の回路を示す回路図である。図15Aは、スピン流による多数決ゲートを示す模式図である。図15Bは、スピン流による基本ブール代数ゲートを示し模式図である。図16は、信号処理部12に含まれるスピン流処理回路の構成を模式的に示すブロック図である。図17は、磁気メモリに記憶された情報をスピン流位相情報に取り込む方法を説明するための模式図である。
信号処理部12では、まず、スピン流生成部11で生成したスピン流に各種センサ10aからセンシング情報が取り込まれ、処理が行われる(図3参照)。図13に示される回路では、センシング情報(センサ出力)が、スピン流変調器23により、スピン波スピン流に取り込まれる。具体的には、センサ出力が、制御信号として、スピン流変調器23に供給される。スピン流変調器23は、制御信号(センサ出力)に応じて、スピン波スピン流の位相をΔθsだけシフトさせる。これにより、スピン波スピン流の位相に、センシング情報(センサデータ)が反映される。
また、センサ出力が0又は1のいずれかを示す場合、図14に示されるスピン流干渉素子32を用いることにより、センサ出力に応じて、スピン流の出力先を変化させることができる。従って、出力されるスピン流の経路を示す情報(経路情報)に、センサ出力を反映させることができる。スピン流干渉素子32は、2つのスピン流部分反射鏡18b、18c(反射率r=50%)、及びスピン流変調器23を有している。入力されたスピン波スピン流は、3端子型スピン流部分反射鏡18bにおいて、2つに分けられる。一方のスピン波スピン流では、その位相が、スピン流変調器23によって、センサ出力に応じてシフトする。4端子型スピン流部分反射鏡18cでは、位相がシフトした一方のスピン波スピン流と、他方のスピン波スピン流とが干渉する。その結果、センサ出力に応じて、スピン波スピン流の伝播経路を変化させることができる。例えば、センサ出力が「0」の場合、スピン流変調器23におけるスピン流の位相シフト量は「0」であるものとする。センサ出力が「1」の場合、その位相シフト量は「π」であるものとする。この場合、4端子型スピン流部分反射鏡18cにおける干渉により、センサ出力が「0」の場合は第1出力導波路にスピン波スピン流が出力される。センサ出力が「1」の場合、第2出力導波路にスピン波スピン流が出力される。これにより、スピン波スピン流が伝播する経路を、センサデータに応じて変えることができる。すなわち、スピン波スピン流が伝播する経路を示す情報(経路情報)に、センサデータを取り込むことができる。
センシング情報を取り込んだ後、スピン波スピン流の位相を示す情報(位相情報)または経路情報を用いて、信号処理が行われる。例えば、スピン波スピン流の位相を状態変数として利用すれば、以下に示すように様々な基本演算ゲート(処理回路)を構成することができる。図15Aは、多数決ゲート回路の実装例と、その記号とを示す図である。図15Aに示される多数決ゲート回路は、3本の入力用スピン流導波路と、出力用スピン流導波路とを有している。3本の入力用スピン流導波路は、出力用スピン流導波路に接続されている。3本の入力用スピン流導波路から、3つのスピン波スピン流が出力用スピン流導波路に導かれる。出力用スピン流導波路では、3つのスピン波スピン流が干渉する。これにより、3つの入力端と1つの出力端を有する多数決ゲートを構成することができる。仮に、スピン波スピン流の位相が0のときに、状態変数が「0」であるものとする。その位相がπのときに、状態変数が「1」であるものとする。3本のスピン流導波路21のなかで多数を占める(2つ以上現れる)状態変数が、出力導波路に現れる。
さらに、この多数決ゲートと図12B乃至図12Gのいずれかに示されるスピン流変調器23とを組み合わせることにより、2つの入力端と1つの出力端を有する基本ブール代数ゲート(AND回路、OR回路等)を構成することができる。図15Bは、そのような基本ブール代数ゲートの一例を示す図である。図15Bに示される基本ブール代数ゲートは、第1入力用導波路、第2入力用導波路、補助導波路、スピン流変調器23a、スピン流変調器23b、及び出力導波路を有している。第1入力用導波路、第2入力用導波路、及び補助導波路は、合流点において合流し、出力導波路に接続されている。補助導波路には、スピン流変調器23aが設けられている。出力導波路には、スピン流変調器23bが設けられている。スピン流変調器23aには、制御信号V1が供給される。スピン流変調器23bには、制御信号V2が供給される。また、同様にして、スピン流干渉素子32(図14参照)とスピン流変調器23(図12A乃至図12G参照)を組み合わせることにより、スピン流干渉素子32において生成された経路情報を状態変数として用いた基本演算ゲート(AND回路、OR回路等)を構成することもできる。
スピン流導波路21がYIGなどの絶縁体により構成される場合、スピン波スピン流は比較的長い距離にわたってコヒーレンス(Coherence;干渉のしやすさ)を保持する。図16は、スピン流処理回路12aの一例を示す図である。このスピン流処理回路は、複数の段を有しており、各段には複数の基本演算ゲート31が設けられている。各段に設けられた基本演算ゲート31の出力端は、後段に設けられた複数の基本演算ゲート31の入力端に接続されている。第1段に設けられた複数の基本演算ゲート31の入力端は、入力部12bを構成している。入力スピン流は、入力部12bを介して、スピン流処理回路12aに入力される。最終段に設けられた複数の基本演算ゲート31の出力端は、出力部12cを構成している。スピン流処理回路12bからは、出力部12cを介して、出力スピン流が出力される。図16に例示されるスピン流処理回路12aにおいて、入力部12bにセンサの生データを示す入力スピン流を供給すると、処理後の情報が出力部12cから取り出される。絶縁体中のスピン流はジュール熱の発生を伴わないため、入力部12bから出力部12cまでの間におけるエネルギー散逸が極めて小さくなる。その結果、スピン流処理回路12aにおけるエネルギー効率を高めることができる。
なお、図12E及び図12Fに示されるような再構成可能なスピン流変調器23を用いれば、再構成可能な演算ゲートを構成することができる。磁性体端子29や磁壁21dは不揮発性を有するため、信号処理手順を不揮発的に記憶させた再構成可能な処理回路を構成することができる。これにより、例えば、スリープモードなどを利用することで待機電力を低減できる。
また、この磁性体端子29や磁壁21dによる変調技術を用いて、磁気メモリに記憶された情報(センサIDなど)をスピン波スピン流に反映させるための回路を実現することもできる。図17は、磁気メモリに記憶された情報をスピン波スピン流に反映させるための回路を示す概略図である。この回路では、スピン流導波路21上に、バリア膜25を介して、複数の磁性体端子29が形成されている。複数の磁性体端子29における磁化方向の自由度は、磁気メモリに記憶された情報を示している。複数の磁性体端子29とスピン波スピン流との間の磁気的相互作用により、スピン波スピン流の位相情報に磁気メモリ(図3参照)の情報を転写することができる。
続いて、無線部13(図3参照)について図面を用いて説明する。
信号処理部12(図3参照)では、データの統合、整理、及び暗号化等の処理が行われる。信号処理部12からは、センシング情報を示すスピン波スピン流が、無線部13へと送られる。そのスピン波スピン流が有する位相情報、または経路情報は、無線部13において生成されるマイクロ波に情報転写され、基地局や他の端末へと送信される。無線部13としては、従来公知のマイクロ波発振器、及び、スピン波スピン流の共振を利用したマイクロ波発振器等を用いることが可能である。
このうち、スピン波スピン流の共振を利用した無線部13を図18に示した。無線部13は、2端子型スピン流部分反射鏡18a、スピン流発振器13aと、及びアンテナ13bを有する。2端子型スピン流部分反射鏡18aの入力端は、スピン流導波路21を介して、信号処理部12の出力端に接続されている。2端子型スピン流部分反射鏡18aの出力端は、スピン流導波路21を介して、スピン流発振器13aの入力端に接続されている。スピン流発振器13aの出力端は、スピン流導波路21を介して、アンテナ13bに接続されている。信号処理部12bから出力されたスピン波スピン流は、2端子型スピン流部分反射鏡18aを介して、スピン流発振器13aに供給される。スピン流発振器13aでは、スピン波スピン流が供給されると、マイクロ波発振が起こる。
スピン流発振器13aにおけるマイクロ波発振メカニズムについて説明する。図19は、スピン流発振器13aの構成を模式的に示す概略図である。図19に示されるように、スピン流発振器13aは、磁性絶縁体共振器42、及び、磁性絶縁体共振器42上に配置されたポンプ用金属端子43を有している。ポンプ用金属端子43は、ポンプ電流Ipumpが流れるように構成されている。信号処理部12から出力されたスピン波スピン流は、2端子型スピン流部分反射鏡18aを介して、磁性絶縁体共振器42に供給される。供給されたスピン波スピン流は、ポンプ用金属端子43に流れるポンプ電流Ipumpによって増幅される。さらに、増幅されたスピン波スピン流は、磁性絶縁体共振器42の端面において多重反射される。このとき、ポンプ電流Ipumpがある閾値電流を超えると、磁性絶縁体共振器42においてスピン波スピン流が共振する。その結果、マイクロ波周波数での発振が生じる。
なお、このときのマイクロ波発振は、供給されたスピン波スピン流に基いて(を種として)生じる。これにより、スピン波スピン流が有する位相情報または経路情報を、マイクロ波情報へと転写することができる。例えば、スピン波スピン流の位相に情報が乗せられている場合には、発振により生じたマイクロ波の位相には、供給されたスピン波スピン流の位相が反映される。
磁性絶縁体共振器42としては、例えば、YIG膜などを用いることができる。このYIG膜は、例えば、液相エピタキシャル成長(LPE)やレーザーアブレーション法(PLD)などを用いて成膜することができる。また、ポンプ用金属端子43としては、スピンホール効果が効率的に発現する材料を用いることが好ましい。具体的には、ポンプ用金属端子43は、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、またはこれらの合金をスパッタなどにより成膜することにより、得ることができる。
発振により生じたマイクロ波は、アンテナ13bにより基地局や他の端末へと送信される。アンテナ13bとしては、ダイポール型アンテナなどの公知のものを用いることができる。これにより、センシング情報を示すスピン流をそのままマイクロ波に変換し、送信することができる。エネルギー効率の高い無線通信が可能となる。
本実施例によれば、様々な熱源20(太陽熱、体温、各種廃熱など)からスピン流を生成することができる。そして、生成したスピン流に対してセンシング情報を取り込むことができる。また、取り込まれた情報に対して、簡単な信号処理(情報の統合、整理、及び暗号化など)を施すことができる。加えて、情報が取り込まれたスピン流を利用して、無線通信のためのマイクロ波を発振することができる。更に、導波路21において、磁性絶縁体(例えば、YIG薄膜21b)中のスピン流はジュール熱の発生を伴わない。そのため、エネルギー散逸の小さい情報伝播・情報処理が可能となり、エネルギー効率の高いプラットフォームが実現できる。また、センサ部10を駆動するスピン流生成部11や信号処理部12においてスピン流が利用されるため、エネルギー効率が高いプラットフォームが実現される。また、スピン流変調器23において磁性材料(磁性体端子29、磁壁21dなど)をゲート端子として利用すれば、処理手順などを不揮発的に記憶できる再構成可能回路を構築できる。そのため、スリープモードの利用などにより待機電力を低減できる。さらに、センシング情報を乗せたスピン流がそのままマイクロ波に変換されるため、エネルギー効率の高い無線通信が可能となる。
本出願は、日本国特許出願2010−070610に基づいており、優先権の利益を主張する。当該特許出願の開示内容は全て、参照することによりここに組み込まれる。

Claims (10)

  1. 被検知対象の入射又は付着によって発熱する検知膜と、
    前記検知膜で発熱した熱によって温度勾配が生ずる方向にスピン流を生成する磁性体膜と、
    前記磁性体膜で生成されたスピン流を電流へと変換する電極と、
    を備える熱型センサ。
  2. 前記検知膜は、赤外線を吸収することにより発熱する赤外線吸収膜を含む
    請求項1記載の熱型センサ。
  3. 前記検知膜は、ガスを吸着することにより化学反応によって発熱する触媒を含む
    ガス吸着用触媒膜を含む
    請求項1記載の熱型センサ。
  4. 前記磁性体膜は、磁性絶縁体を含む
    請求項1乃至3のいずれかに記載の熱型センサ。
  5. 被検出対象を検出し、検出結果を示すセンシング情報を生成するセンサ部と、
    空間的な温度勾配から熱的にスピン流を生成するスピン流生成部と、
    前記スピン流に前記センシング情報を取り込んで信号処理を行い、処理後スピン流を生成する信号処理部と、
    を備えるプラットフォーム。
  6. 前記処理後スピン流が供給される無線部
    を更に備え、
    前記無線部は、前記処理後スピン流に基いて発振することにより、マイクロ波を生成し、前記マイクロ波を送信するように構成されている
    請求項5記載のプラットフォーム。
  7. 前記スピン流生成部は、温度勾配が生じた場合にスピン波スピン流を生成する、スピンゼーベック素子を有し、
    前記スピンゼーベック素子は、前記信号処理部に接続された導波路の端部又は一部に設けられ、
    前記スピンゼーベック素子は、高温又は低温の熱源と熱的に接続されるように近接して配置されている
    請求項5又は6記載のプラットフォーム。
  8. 前記信号処理部は、
    前記スピン流に前記センシング情報を取り込み、取り込み後スピン流を生成する、センシング情報取り込み回路と、
    前記取り込み後スピン流の位相情報又は経路情報を状態変数として信号処理を行い、前記処理後スピン流を生成する、処理回路とを有する
    請求項5乃至7のいずれか一に記載のプラットフォーム。
  9. 前記信号処理部は、スピン流合流素子、スピン流分岐素子、スピン流部分反射鏡、及びスピン流変調器のいずれかを備え、
    前記スピン流合流素子は、
    複数のスピン流合流素子入力導波路と、
    前記複数のスピン流合流素子入力導波路に結合するスピン流合流素子出力導波路とを備え、
    前記スピン流分岐素子は、
    スピン流分岐素子入力導波路と、
    前記スピン流分岐素子入力導波路に結合された複数のスピン流分岐素子出力導波路とを備え、
    前記スピン流部分反射鏡は、導波路で伝送されるスピン流を部分的に反射させるように構成され、
    前記スピン流変調器は、制御信号に応じて導波路で伝送されるスピン流の位相をシフトさせるように構成されている
    請求項8記載のプラットフォーム。
  10. 前記無線部は、
    前記信号処理部から導波路を通じて伝送される前記処理後スピン流を部分的に反射させるスピン流部分反射鏡と、
    前記スピン流部分反射鏡を透過した透過後スピン流によって共振し、マイクロ波を発生させる、スピン流共振器とを備え、
    前記スピン流共振器は、
    前記透過後スピン流が入力される磁性絶縁体と、
    前記磁性絶縁体上に配置された金属端子とを備え、
    前記金属端子は、電流が流されるように構成され、
    前記金属端子に電流が流されることにより、前記磁性絶縁体において入力された前記透過後スピン流が共振し、前記透過後スピン流の共振により、前記磁性絶縁体がマイクロ波を発生させる
    請求項6乃至9のいずれか一に記載のプラットフォーム。
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