JPWO2011108669A1 - 導電性マルチフィラメント糸及び導電性ブラシ - Google Patents
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Abstract
導電性ブラシを形成するための導電性マルチフィラメント糸として、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含有させる。前記合成繊維の単糸繊度は30dtex以下であってもよい。前記合成繊維は、長さ方向に延びる3〜6個の凹部又は溝部を有し、かつ横断面形状は多葉型又は星型形状であってもよい。本発明の導電性マルチフィラメント糸は、高い導電性を有しており、20℃における電気抵抗値は1×106〜1×1011Ω/cmであってもよい。さらに、その導電性は均一性が高く、電気抵抗値の対数値の標準偏差が1.0以下であってもよい。本発明の導電性マルチフィラメント糸は、電子写真装置の導電性ブラシに要求される均一でかつ高度な導電特性(帯電又は除電性)を有するため、電子写真装置のクリーニングブラシとして適している。
Description
本発明は、複写機(コピー機)、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真方式を利用した印刷装置(電子写真装置)に装備される導電性ブラシ(例えば、クリーニングブラシ、帯電ブラシ、除電ブラシなどのロールブラシや棒状のバーブラシ)を形成するための導電性マルチフィラメント糸、及びこの導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシに関する。
近年、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの印刷装置において電子写真方式が急速に普及している。電子写真方式とは、原稿画像をデジタル化し、デジタル信号に応じてレーザー光を感光体に照射し感光体上に静電潜像を形成した後、帯電させたトナーにより現像して画像を形成する方式である。このような電子写真装置には、種々のロールブラシやバーブラシが使用されており、そのブラシには各々の使用目的に応じた特性を有する繊維が使用されている。例えば、感光体からのトナーを除去し易くするためにステアリン酸亜鉛などの固体潤滑剤を塗布するための塗布ブラシ、印刷後の残留したトナーを感光体、帯電ローラー、転写ローラー又は転写ベルトから物理的又は静電気的に除去するためのクリーニングブラシ、トナーに電圧を負荷してトナーの帯電をプラスかマイナスのいずれかに統一するための帯電ブラシ、帯電体から静電気を除去するための除電ブラシなどが組み込まれている。これらのブラシのうち、クリーニングブラシ、帯電ブラシ、除電ブラシなどの導電性ブラシには特定の電気伝導度が求められており、特に、クリーニングブラシには、通常、109Ω/cmレベルの安定した抵抗値が必要とされている。
このような導電性ブラシに用いる導電性繊維としては、種々の導電性繊維が提案されており、例えば、クリーニングブラシとしては、ビスコースレーヨン繊維などの再生繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維などの合成繊維に導電剤を付与した導電性繊維が使用されている。
さらに、近年、複写機やプリンターは小型化、高速度化される傾向にある上に、トナーの粒径も微小化される傾向にあり、これらの傾向に適合すべく、各種のブラシも改良が求められている。特に、クリーニングブラシの電気抵抗値は、より均一な抵抗値を示し、かつ構成する繊維の単糸はより細いものが求められており、同時にヘタリが少なく、抵抗値の変化も少ない高い耐久性も要求されている。
合成樹脂中に導電性カーボンを練り込んで繊維化した例として、例えば、特開2007−247095号公報(特許文献1)には、ポリエステル樹脂からなる複数の単糸で構成されたマルチフィラメントであって、単糸は平均粒子径が15〜40nm、DBP吸油量が130〜200cm3/100gのカーボンブラックを15〜25質量%含有し、マルチフィラメントの電気抵抗値が1×104〜9×109Ω/cmである導電性ポリエステル系繊維が開示されている。
また、特開2003−306832号公報(特許文献2)には、導電性カーボンを含有するポリアミドマルチフィラメントであって、前記ポリアミドマルチフィラメント1kg中8〜25ミリモルのマグネシウムを含有し、かつ比抵抗値が103〜108Ω/cmであるポリアミドマルチフィラメントが開示されている。
しかし、これらの導電性繊維を、クリーニングブラシで要求される109Ω/cmレベルの導電糸にすると、糸間又は糸長方向での抵抗値の変動が大きく、ブラシとした場合に局部的に抵抗値の斑が生じ、静電気的にトナーを除去する効率に斑が生じる。さらに、これらの導電性繊維では、ポリマー中に導電性カーボンを含有するため、溶融紡糸における流動性が低く、曳糸性に欠ける。そのため、得られるマルチフィラメントの単糸の太さにも斑が生じ、トナーの物理的な除去において斑を引き起こす。さらに、単糸が太くなるため、感光体に傷が生じ易い。
一方、導電性カーボンを練り込んだ曳糸性の低いポリマーを繊維化するために、曳糸性の高いポリマーと複合繊維を形成する方法も提案されている。例えば、特開2006−9177号公報(特許文献3)には、導電性カーボンを含有するポリマーからなる成分Aが、成分Aと相溶しないポリマーからなる成分Bによって複数のセグメントに分割されている導電性複合断面繊維が開示されている。この文献には、成分Bで構成され、断面形状が3〜10葉の星型である芯部を成分Aで被覆した複合繊維が記載され、成分Bセグメントの繊度は3〜7dtexである。
特開2008−196073号公報(特許文献4)には、ポリエステル樹脂からなる非導電性成分と、平均粒径15〜35nm、DBP吸収量が40〜150cm3/100gのカーボンブラックを10〜25質量%含有するポリ乳酸からなる導電性成分とで構成され、導電性成分の少なくとも一部が繊維表面に露出している形状を呈している導電性複合繊維であって、電気抵抗値が1×109Ω/cm〜9×1012Ω/cmである導電性複合繊維が開示されている。この文献の実施例では、28dtex/2フィラメントの導電性複合繊維が得られている。
しかし、これらの複合化した導電性繊維では、単糸の繊度を細くしても3dtexが限界であり、この繊度よりもさらに細い繊度の複合繊維の製造は実質的に困難である。さらに、クリーニングブラシで要求される109Ω/cmレベルの導電糸では、糸間又は糸長方向での抵抗値の変動が大きい問題は、複合繊維でも同様である。
従って、本発明の目的は、電子写真装置の導電性ブラシ(ロールブラシやバーブラシなど)に要求される均一でかつ高度な導電特性(帯電又は除電性)を有する導電性マルチフィラメント糸及びこの導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシを提供することにある。
本発明の他の目的は、小型化及び高速化した電子写真装置であっても、小粒径のトナーを物理的及び静電気的に高度に除去できる導電性マルチフィラメント糸及びこの導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、電子写真装置の導電性ブラシとして長期間に亘り使用しても、導電性の低下を抑制できる導電性マルチフィラメント糸及びこの導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含む導電性マルチフィラメント糸を導電性ブラシとして利用すると、電子写真装置の導電性ブラシ(感光体のクリーニングブラシ)に要求される均一でかつ高度な導電特性を発現できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の導電性マルチフィラメント糸は、導電性ブラシを形成するための導電性マルチフィラメント糸であって、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含む。前記マルチフィラメント糸の単糸繊度は30dtex以下であってもよい。前記導電性繊維は、合成繊維と、この合成繊維の表面を被覆し、かつカーボンナノチューブを含む導電層とで形成され、かつ前記導電性繊維の導電層による被覆率が90%以上であってもよい。前記合成繊維は、長さ方向に延びる複数(特に3〜6個)の凹部又は溝部を有していてもよく、横断面形状は多葉又は星形状であってもよい。前記合成繊維は、合成樹脂で構成された単相の非複合繊維であってもよい。前記合成繊維は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種であってもよい。本発明の導電性マルチフィラメント糸は、合成繊維を含むマルチフィラメント糸に振動を与えながら、カーボンナノチューブを含む分散液中に合成繊維を浸漬して、導電層を合成繊維の表面に付着させたマルチフィラメント糸であってもよい。本発明の導電性マルチフィラメント糸において、カーボンナノチューブの割合は、合成繊維100質量部に対して、0.1〜5質量部程度であってもよい。本発明の導電性マルチフィラメント糸は、高い導電性を有しており、20℃における線電気抵抗値は1×106〜1×1011Ω/cmであってもよい。さらに、その導電性は均一性が高く、長さ方向における10箇所以上で測定した線電気抵抗値の対数値の標準偏差が1.0以下であってもよい。
本発明には、前記導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシも含まれる。この導電性ブラシは、前記導電性マルチフィラメント糸をカットパイル糸として含むパイル織編物で形成されたブラシであってもよい。この導電性ブラシは、電子写真装置のクリーニングブラシとして適している。この導電性ブラシは、電子写真方式プリンターで25万回印刷した後のクリーニングブラシの電気抵抗値が、印刷前の電気抵抗値に対して1〜10倍程度であってもよい。
本発明では、導電性マルチフィラメント糸が合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含むため、電子写真装置の導電性ブラシに要求される均一でかつ高度な導電特性を有している。また、この導電性マルチフィラメント糸を、単糸繊度の小さいマルチフィラメント糸で構成すると、均一で細い単糸径を有し、かつ均一で高い導電性を有しているため、小型化及び高速化した電子写真装置であっても、小粒径のトナーを物理的及び静電気的に高度に除去できる。さらに、電子写真装置の導電性ブラシ(例えば、感光体のクリーニングブラシなど)として長期間に亘り使用しても、導電性の低下を抑制できる。
[導電性マルチフィラメント糸]
本発明の導電性マルチフィラメント糸は、導電性ブラシを形成するための導電性マルチフィラメント糸であって、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含み、合成繊維を被覆するカーボンナノチューブは、通常、導電層を形成する。
本発明の導電性マルチフィラメント糸は、導電性ブラシを形成するための導電性マルチフィラメント糸であって、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含み、合成繊維を被覆するカーボンナノチューブは、通常、導電層を形成する。
(合成繊維)
合成繊維は、繊維形成性の合成樹脂又は合成高分子材料(合成有機重合体)を用いて形成した繊維であり、1種類の合成有機重合体(以下単に「重合体」ということがある)から形成されていてもよいし、2種類以上の重合体から形成されていてもよい。合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂[芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレートなどの全芳香族ポリエステル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂など)、脂肪族ポリエステル(ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ヒドロキシブチレート−ヒドロキシバリレート共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル及びその共重合体)など]、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド及びその共重合体、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン及びその共重合体など)、アクリル系重合体(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル型、ポリエーテル型、ポリカーボネート型ポリウレタン系樹脂など)、ポリビニルアルコール系重合体(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体など)などを挙げることができる。これらの合成樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
合成繊維は、繊維形成性の合成樹脂又は合成高分子材料(合成有機重合体)を用いて形成した繊維であり、1種類の合成有機重合体(以下単に「重合体」ということがある)から形成されていてもよいし、2種類以上の重合体から形成されていてもよい。合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂[芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレートなどの全芳香族ポリエステル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂など)、脂肪族ポリエステル(ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ヒドロキシブチレート−ヒドロキシバリレート共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル及びその共重合体)など]、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド及びその共重合体、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン及びその共重合体など)、アクリル系重合体(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル型、ポリエーテル型、ポリカーボネート型ポリウレタン系樹脂など)、ポリビニルアルコール系重合体(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体など)などを挙げることができる。これらの合成樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
合成繊維が2種以上の重合体で形成されている場合は、2種以上の重合体の混合物(アロイ樹脂)で形成された混合紡糸繊維であってもよいし、又は2種以上の重合体が複数の相分離構造を形成した複合紡糸繊維であってもよい。複合紡糸繊維には、例えば、海島構造、芯鞘構造、サイドバイサイド型貼合せ構造、海島構造と芯鞘構造とが組み合わさった構造、サイドバイサイド型貼合せ構造と海島構造が組み合わさった構造などが挙げられる。
これらの合成繊維のうち、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系重合体などで構成された繊維が、カーボンナノチューブの付着性が良好であり、しかも耐屈曲疲労性に優れる点から好ましい。なかでも、汎用性及び熱的特性の点から、ポリエステル系樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンテレフタレート系樹脂)、ポリアミド系樹脂(特に、ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド系樹脂)、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂)で構成された繊維が好ましく、特にポリエステル系繊維が熱安定性および寸法安定性が良好である点からより好ましい。また、目的によっては高強力・高弾性を有する液晶系繊維(液晶ポリエステル系繊維など)なども好適に用いることができる。
合成繊維の横断面形状は特に制限されず、丸形断面を有する通常の合成繊維であってもよく、丸形断面以外の異形断面を有する合成繊維であってもよい。異形断面繊維である場合は、その横断面形状は、例えば、方形、多角形、三角形、中空形、偏平形、多葉又は星形、ドッグボーン型、T字形、V字形などのいずれであってもよい。これらの形状のうち、カーボンナノチューブとの摩擦による密着性を向上でき、カーボンナノチューブの脱落を抑制できる点から、長さ方向に延びる複数(例えば、2〜10個、好ましくは3〜6個程度)の凹部又は溝部を有する形状となる横断面形状、例えば、多葉又は星形状(例えば、3〜6葉状)が好ましい。多葉又は星形状は、横断面の中心からみて、対称な位置に複数の凹部を有する形状(例えば、四葉状又は十字状)であってもよい。凹部又は溝部を有する形状において、各凹部又は溝部の平均深さは、繊維径(凹部又は溝部が有さない仮想円の直径)に対して、例えば、0.01〜0.5倍、好ましくは0.03〜0.4倍、さらに好ましくは0.05〜0.3倍(特に0.1〜0.3倍)程度であってもよい。
(マルチフィラメント糸)
本発明の導電性マルチフィラメント糸において、前記合成繊維はマルチフィラメント糸を形成する。マルチフィラメント糸は、加工したマルチフィラメント糸であってもよい。さらに、目的の繊度とするために、複数のマルチフィラメント糸を合糸してもよい。なお、複数のマルチフィラメント糸を合糸する場合、カーボンナノチューブを被覆した後に、導電性マルチフィラメント糸を合糸してもよい。
本発明の導電性マルチフィラメント糸において、前記合成繊維はマルチフィラメント糸を形成する。マルチフィラメント糸は、加工したマルチフィラメント糸であってもよい。さらに、目的の繊度とするために、複数のマルチフィラメント糸を合糸してもよい。なお、複数のマルチフィラメント糸を合糸する場合、カーボンナノチューブを被覆した後に、導電性マルチフィラメント糸を合糸してもよい。
単糸繊度(平均単糸繊度)は、クリーニングブラシに利用した場合、微細なトナーを物理的に除去するための効率を向上できる点から、30dtex以下(例えば、0.1〜30dtex)であればよく、好ましくは0.5〜20dtex、さらに好ましくは1〜10dtex程度であってもよい。特に、本発明では、小粒径のトナーを物理的及び静電気的に高度に除去できる点から、単糸繊度は3dtex以下の小さい繊度が好ましく、例えば、0.1〜3dtex(例えば、0.1〜2.5dtex)、好ましくは0.3〜2dtex、さらに好ましくは0.5〜1.8dtex(特に0.5〜1.5dtex)程度である。単糸繊度が大きすぎると、繊維自体の剛直性が強くなり、ブラシとしてのしなやかさが低下し、感光体に傷をつけやすくなる。逆に小さすぎると、感光体への接触圧が低く効率的なトナーの除去ができない。
マルチフィラメント糸の本数は、目的の繊度に応じて調整すればよく、例えば、10〜500本、好ましくは20〜400本、さらに好ましくは30〜300本程度である。なお、ブラシにする際の毛さばき性を考慮し、撚りやインターレースのノットはなしか、ごく低レベルにとどめることが望ましい。
マルチフィラメント糸の太さ(平均繊度)は、特に制限されないが、ブラシ用の起毛生地に適した繊度であればよく、10〜1000dtex程度の範囲から選択でき、例えば、20〜800dtex、好ましくは100〜500dtex、さらに好ましくは150〜400dtex程度である。
マルチフィラメント糸を構成する単糸には、本発明の効果を損なわない範囲で、非合成繊維が含まれていてもよい。非合成繊維としては、例えば、天然繊維(綿、麻、ウール、絹など)、再生繊維(レーヨン、キュプラなど)、半合成繊維(アセテート繊維など)などが挙げられる。非合成繊維の割合は、マルチフィラメント糸への導電層(カーボンナノチューブ)の付着が良好に行われるように、マルチフィラメント糸の全質量に対して50質量%以下(例えば、0〜50質量%)、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下(例えば、1〜10質量%)程度である。また、マルチフィラメント糸の表面における占有面積は、全表面に対して50%以下(例えば、0〜50%)、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下である。
(カーボンナノチューブ又は導電層)
本発明では、前記合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆することにより、導電性を付与できる。合成繊維を被覆するカーボンナノチューブは、導電層ということができる。
本発明では、前記合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆することにより、導電性を付与できる。合成繊維を被覆するカーボンナノチューブは、導電層ということができる。
導電性マルチフィラメント糸において、導電性ブラシとして均一な電気抵抗値を発現する点から、マルチフィラメント糸の表面(すなわち、マルチフィラメント糸の表面に位置する繊維の表面)の一部(局所)だけではなく、マルチフィラメント糸の全表面の60%以上(例えば、60〜100%)、好ましくは90%以上(例えば、90〜100%)、さらに好ましくは全体(100%)をカバーする被覆率で導電層(カーボンナノチューブ)がマルチフィラメント糸表面に付着していることが好ましい。
一方、マルチフィラメント糸の内側に位置する繊維表面(糸表面に露出していない繊維表面)には、導電層(特にカーボンナノチューブ)は付着していなくてもよいが、糸の表面に位置する繊維の表面だけでなく、糸の内部に位置する繊維の表面にも導電層(特にカーボンナノチューブ)が付着していると、電気抵抗値の変動がより少なく耐久性を向上できる。
マルチフィラメント糸を構成する各単糸についても、単糸(合成繊維)の全表面の50%以上(例えば、50〜100%)、例えば、好ましくは90%以上(例えば、90〜100%)、さらに好ましくは全体(100%)をカバーする被覆率(カバー率)で、導電層(カーボンナノチューブ)が繊維表面に付着していることが好ましい。
マルチフィラメント糸の内部にカーボンナノチューブを付着させるためには、後述する微振動を利用したカーボンナノチューブの付着処理を行うのが好ましい。
カーボンナノチューブ(導電層)の割合は、合成繊維100質量部に対して0.1〜5質量部程度である。なかでも、合成繊維に導電性を付与するためには、カーボンナノチューブの割合が重要であり、カーボンナノチューブの付着量(割合)は、マルチフィラメント糸の種類、用途、カーボンナノチューブの種類、カーボンナノチューブ分散液の濃度などに応じて調整し得るが、一般的には、合成繊維100質量部に対して、例えば、0.1〜3質量部、好ましくは0.1〜2質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部(特に0.1〜0.5質量部)程度である。このような割合でカーボンナノチューブが付着された導電性繊維は、合成繊維からのカーボンナノチューブの脱落防止及び電気抵抗値の安定性などの点から好ましい。
なお、カーボンナノチューブの付着量(割合)は、界面活性剤の付着量を含まず、カーボンナノチューブがバインダーを用いて合成繊維の表面に付着している場合もバインダーの付着量を含まないカーボンナノチューブ自体の付着量をいう。
導電層(バインダー及び界面活性剤を含む導電層の合計量)中におけるカーボンナノチューブの割合は、例えば、導電層中15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%、さらに好ましくは25〜60質量%(特に30〜60質量%)程度であってもよい。
さらに、導電性繊維は、合成繊維の表面において均一な厚みで導電層が付着されており、例えば、導電層の厚みは、略全表面において、例えば、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜4μm、さらに好ましくは0.3〜3μm程度である。このような均一な導電層を有する導電性繊維は、カーボンナノチューブの脱落防止、また均一な電気抵抗値とする点から好ましい。このように厚みを制御するためには、後述するように、分散液で処理する際、マルチフィラメント糸(合成繊維)に微振動を与えることで、分散液がマルチフィラメント糸の束の内部にまで浸透し、マルチフィラメント糸の単糸1本1本の表面全てにわたって均一な樹脂層を形成できる。そのため、前述のように、カーボンナノチューブを練り込む方法に比べて、導電層中のカーボンナノチューブ含有量を増加できる。
合成繊維の表面にカーボンナノチューブを前記した量及び厚みの範囲内で調整し、付着させることによって、目的に沿った導電性を付与できる。導電性マルチフィラメント糸の20℃における線電気抵抗値は、電子写真装置に要求される導電性の点から、例えば、1×106〜1×1011Ω/cm、好ましくは1×107〜5×1010Ω/cm、さらに好ましくは1×108〜5×109Ω/cm程度である。前記線抵抗値が大きすぎると、クリーニングブラシの場合、ブラシに印加電圧を負荷した場合の静電気によるトナーの除去効率が低下し、逆に小さすぎると、感光体への通電の影響が出るため好ましくない。また、その抵抗値の対数の標準偏差(例えば、長さ方向における10箇所以上での測定値の偏差)は、1.0以下(例えば、0.01〜1、好ましくは0.05〜0.5、さらに好ましくは0.1〜0.3程度)を示し、ばらつきの少ない繊維方向に安定した導電性能を付与できる。
カーボンナノチューブは、特徴的な構造として、炭素の六員環配列構造を有する1枚のシート状グラファイト(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた直径数nm程度のチューブ状構造を有する。このグラフェンシートにおける炭素の六員環配列構造には、アームチェア型構造、ジグザグ型構造、カイラル(らせん)型構造などが含まれる。前記グラフェンシートは、炭素の六員環に五員環または七員環が組み合わさった構造を有する1枚のシート状グラファイトであってもよい。カーボンナノチューブとしては、1枚のシート状グラファイトで構成された単層カーボンナノチューブの他、前記筒状のシートが軸直角方向に複数積層した多層カーボンナノチューブ(カーボンナノチューブの内部にさらに径の小さいカーボンナノチューブを1個以上内包する多層カーボンナノチューブ)、単層カーボンナノチューブの端部が円錐状で閉じた形状のカーボンナノコーン、内部にフラーレンを内包するカーボンナノチューブなどが知られている。これらのカーボンナノチューブは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのカーボンナノチューブのうち、カーボンナノチューブ自体の強度の向上の点から、多層カーボンナノチューブが好ましい。さらに、導電性の点から、グラフェンシートの配列構造は、アームチェア型構造が好ましい。
本発明で用いるカーボンナノチューブの製造方法は特に制限されず、従来から知られている方法によって製造できる。
具体的には、化学的気相成長法において、触媒[鉄、コバルト、モリブデンなどの遷移金属またはフェロセン、前記金属の酢酸塩などの遷移金属化合物と、硫黄または硫黄化合物(チオフェン、硫化鉄など)の混合物など]の存在下、炭素含有原料(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、一酸化炭素、エタノールなどのアルコール類など)を加熱することにより生成できる。すなわち、前記炭素含有原料及び前記触媒を雰囲気ガス(アルゴン、ヘリウム、キセノンなどの不活性ガス、水素など)と共に300℃以上(例えば、300〜1000℃程度)に加熱してガス化して生成炉に導入し、800〜1300℃、好ましくは1000〜1300℃の範囲内の範囲内の一定温度で加熱して触媒金属を微粒子化させると共に炭化水素を分解させることによって微細繊維状(チューブ状)炭素を生成させる。これにより生成した繊維状炭素は、未反応原料、非繊維状炭化物、タール分および触媒金属を含有していて純度が低く、結晶性も低いので、次に800〜1200℃の範囲内の好ましくは一定温度に保持された熱処理炉で処理して未反応原料やタール分などの揮発分を気化して除くのが好ましい。さらに、微細繊維状炭素を2400〜3000℃の温度でアニール処理して、カーボンナノチューブにおける多層構造の形成を一層促進すると共にカーボンナノチューブに含まれる触媒金属を蒸発することによって製造できる。
カーボンナノチューブの平均径(軸方向に対して直交する方向の直径又は横断面径)は、例えば、0.5nm〜1μm(例えば、0.5〜500nm、好ましくは0.6〜300nm、さらに好ましくは0.8〜100nm、特に1〜80nm)程度から選択でき、単層カーボンナノチューブの場合には、例えば、0.5〜10nm、好ましくは0.7〜8nm、さらに好ましくは1〜5nm程度であり、多層カーボンナノチューブの場合は、例えば、5〜300nm、好ましくは10〜100nm、好ましくは20〜80nm程度である。カーボンナノチューブの平均長は、例えば、1〜1000μm、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm(特に20〜100μm)程度である。
導電層は、製造工程で用いられる分散液に含まれる界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、両性イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれもが使用できる。
両性イオン界面活性剤には、スルホベタイン類、ホスホベタイン類、カルボキシベタイン類、イミダゾリウムベタイン類、アルキルアミンオキサイド類などが含まれる。
スルホベタイン類としては、例えば、3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩(スルホネート)、3−(ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩、3−(ジメチルn−ドデシルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩、3−(ジメチルn−ヘキサデシルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩などのジC1−4アルキルC8−24アルキルアンモニオC1−6アルカンスルホン酸塩、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート(CHAPSO)などのステロイド骨格を有するアルキルアンモニオC1−6アルカンスルホン酸塩などが挙げられる。
ホスホベタイン類としては、例えば、n−オクチルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリンなどのC8-24アルキルホスホコリン、レシチンなどのグリセロリン脂質、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのポリマーなどが挙げられる。
カルボキシベタイン類としては、例えば、ジメチルラウリルカルボキシベタインなどのジC1−4アルキルC8−24アルキルベタイン、パーフルオロアルキルベタインなどが挙げられる。イミダゾリウムベタイン類としては、例えば、ラウリルイミダゾリウムベタインなどのC8−24アルキルイミダゾリウムベタインなどが挙げられる。アルキルアミンオキシドとしては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシドなどのトリC8−24アルキル基を有するアミンオキシドなどが挙げられる。
これらの両性イオン界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、両性イオン界面活性剤において、塩としては、アンモニア、アミン(例えば、アミン、エタノールアミンなどのアルカノールアミン等)、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムなど)等との塩が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのC6−24アルキルベンゼンスルホン酸塩など)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのジC3−8アルキルナフタレンスルホン酸塩など)、アルキルスルホン酸塩(例えば、ドデカンスルホン酸ナトリウムなどのC6−24アルキルスルホン酸塩など)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(例えば、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのジC6−24アルキルスルホコハク酸塩など)、アルキル硫酸塩(例えば、硫酸化脂、ヤシ油の還元アルコールと硫酸とのエステルのナトリウム塩などのC6−24アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜3モル程度)アルキルエーテル硫酸塩など)、アルキルリン酸塩(例えば、モノ〜トリ−ラウリルエーテルリン酸などのリン酸モノ〜トリ−C8−18アルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩など)などが挙げられる。これらの陰イオン性界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。塩としては、前記両性イオン界面活性剤と同様の塩が例示できる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライドなどのモノ又はジC8−24アルキル−トリ又はジメチルアンモニウム塩など)、トリアルキルベンジルアンモニウム塩[例えば、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのC8−24アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム塩など)など]、アルキルピリジニウム塩(例えば、セチルピリジニウムブロマイドなどのC8−24アルキルピリジニウム塩など)などが挙げられる。これらの陽イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、塩としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、過塩素酸などとの塩が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−18アルキルフェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレングリセリンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8−24脂肪酸エステルなど]、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどのポリグリセリンC8−24脂肪酸エステル)などが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記ノニオン性界面活性剤において、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、1〜35モル、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは5〜20モル程度である。
これらの界面活性剤のうち、製造工程において使用される分散液中において、カーボンナノチューブ間のファンデルワールス力による凝集及びバンドル形成を防ぎながら、カーボンナノチューブを水などの分散媒中に安定に微細に分散させることができる点から、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との組み合わせ、両性イオン界面活性剤単独のいずれかが好ましく、両性イオン界面活性剤が特に好ましい。そのため、両性イオン界面活性剤の使用下にカーボンナノチューブを分散させた分散液を用いて合成繊維を処理すると、カーボンナノチューブをそれらの繊維表面に、斑なく付着させることができる。
両性イオン界面活性剤としては上記で具体例として挙げたもののいずれもが使用でき、そのうちでも、スルホベタイン類、特に、3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−(ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネートなどのジC1-4アルキルC8−24アルキルアンモニオC1−6アルカンスルホネートが好ましい。
界面活性剤の割合は、前記カーボンナノチューブ100質量部に対して、例えば、0.01〜100質量部、好ましくは0.03〜50質量部、さらに好ましくは0.05〜30質量部(特に0.1〜20質量部)程度である。界面活性剤の割合がこの範囲にあると、カーボンナノチューブの均一性を向上させるとともに、高い導電性を維持できる。
導電層には、前記界面活性剤に加えて、さらにハイドレート(水和安定剤)が含まれていてもよい。水和安定剤は、導電性マルチフィラメント糸を製造する工程で用いられる分散液中において、界面活性剤の水などの液体媒体(水など)への溶解を促進してその界面活性作用を十分に発揮させるとともに、導電層としてカーボンナノチューブを繊維表面に固定させるまで分散状態を維持することに寄与する。
水和安定剤の種類は、界面活性剤の種類、液体媒体(分散媒)の種類などによって異なり得るが、液体媒体として水を使用した場合は、例えば、前記非イオン性界面活性剤(界面活性剤として、非イオン性界面活性剤を使用した場合)、親水性化合物(水溶性化合物)などが使用できる。
親水性化合物(水溶性化合物)としては、例えば、多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ショ糖など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリC2−4アルキレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)、水溶性多糖類(カラギーナン、アルギン酸又は塩など)、セルロース系樹脂(メチルセルロースなどのアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシC2−4アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシC1−3アルキルセルロース又はその塩など)、水溶性蛋白質(ゼラチンなど)などが例示できる。
これらの水和安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの水和安定剤のうち、グリセリンなどの多価アルコールなどが汎用される。
水和安定剤の割合は、前記界面活性剤100質量部に対して、例えば、0.01〜500質量部、好ましくは1〜400質量部、さらに好ましくは10〜300質量部程度である。
導電層には、前記界面活性剤に加えて、さらにバインダーが含まれていてもよい。バインダーは、カーボンナノチューブと合成繊維との接着性を向上させる。
バインダーとしては、慣用の接着性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが例示できる。これらの接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのバインダーのうち、分散媒として水を用いる場合、親水性接着性樹脂、例えば、水性ポリエステル系樹脂、水性アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
水性ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸など)とジオール成分(エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのアルカンジオールなど)との反応により得られるポリエステル樹脂において、親水性基が導入されたポリエステル樹脂が使用できる。親水性基の導入方法としては、例えば、ジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基などの親水性基を有するジカルボン酸成分(5−ナトリウムスルホイソフタル酸や、3官能以上の多価カルボン酸など)を用いる方法、ジオール成分として、ポリエチレングリコール、ジヒドロキシカルボン酸を用いる方法などが例示できる。
水性アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、(メタ)アクリル酸−エチレン共重合体、これらの塩などが例示できる。
酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニル単位を含む重合体又はそのケン化物であり、例えば、ポリ酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などであってもよい。
さらに、バインダーとしては、合成繊維と同系統の接着性樹脂を使用するのが好ましい。すなわち、例えば、合成繊維として、ポリエステル系繊維を使用した場合には、バインダーとしては水性ポリエステル系樹脂を使用するのが好ましい。
バインダーの割合は、カーボンナノチューブの表面を完全に被覆することなくカーボンナノチューブを繊維表面に円滑に付着させる点から、カーボンナノチューブ100質量部に対して、例えば、50〜400質量部、好ましくは60〜350質量部、さらに好ましくは100〜300質量部(特に100〜200質量部)程度である。
なお、本発明では、合成繊維の表面とカーボンナノチューブとが互いの親和性により付着されているため、バインダーは必ずしも必要ではなく、バインダーを含有しない場合であっても導電層が合成繊維の表面に強固に付着している。すなわち、導電性マルチフィラメント糸はバインダーを実質的に含有しないマルチフィラメント糸であってもよい。
特に、合成繊維がポリエステル繊維で形成されている場合には、ポリエステル繊維とカーボンナノチューブとの親和性が高いため、バインダーを用いなくてもカーボンナノチューブがポリエステル繊維の繊維表面に強固に付着し、バインダーを用いなくても充分な付着強度を発現し、少量のバインダーを用いることでカーボンナノチューブの繊維表面への付着強度が一層高くなる。
導電層は、さらに慣用の添加剤、例えば、表面処理剤(例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
[導電性マルチフィラメント糸の製造方法]
導電性マルチフィラメント糸は、カーボンナノチューブを含む分散液を用いて、合成繊維の表面にカーボンナノチューブを含む導電層を付着させる工程の後、導電層が表面に付着した導電性繊維を含むマルチフィラメント糸を乾燥する工程を経て製造される。
導電性マルチフィラメント糸は、カーボンナノチューブを含む分散液を用いて、合成繊維の表面にカーボンナノチューブを含む導電層を付着させる工程の後、導電層が表面に付着した導電性繊維を含むマルチフィラメント糸を乾燥する工程を経て製造される。
導電層の付着工程において、分散液中におけるカーボンナノチューブの濃度は、特に制限されないが、目的とする電気抵抗値に応じて、分散液の全質量に対してカーボンナノチューブの含有量が0.1〜30質量%(特に0.1〜10質量%)となる範囲から適宜選択できる。バインダーを使用する場合も、カーボンナノチューブに対して所望の割合となるように、このような範囲から選択できる。
カーボンナノチューブを分散させるための分散媒(液体媒体)としては、例えば、慣用の極性溶媒(水、アルコール類、アミド類、環状エーテル類、ケトン類など)、慣用の疎水性溶媒(脂肪族又は芳香族炭化水素類、脂肪族ケトン類など)、又はこれらの混合溶媒などが使用できる。これらの溶媒のうち、簡便性や操作性の点から、水が好ましく用いられる。
また、処理に用いるカーボンナノチューブの分散液は、水などの液体媒体中にカーボンナノチューブを凝集することなく安定に分散させるために、前記界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤の使用量は、例えば、カーボンナノチューブ100質量部に対して、界面活性剤を1〜100質量部(特に5〜50質量部)程度の範囲から選択できる。
界面活性剤、特に両性イオン界面活性剤を用いたカーボンナノチューブの分散液では、界面活性剤の液体媒体(水など)への溶解を促進してその界面活性作用を十分に発揮させるために、分散液中にハイドレート(水和安定剤)を添加するのが好ましい。
水和安定剤の使用量は、界面活性剤100質量部に対して、10〜500質量部(特に50〜300質量部)程度の範囲から選択できる。
このような分散液の調製方法は、特に制限されず、カーボンナノチューブ間の凝集、バンドル化を生ずることなく、カーボンナノチューブが水などの液体媒体中に微分散状態で安定に分散した分散液を調製できる方法であれば、いずれの方法で調製してもよい。
特に、本発明では、界面活性剤(特に両性イオン界面活性剤)の存在下で、水性媒体のpHを4.0〜8.0、好ましくは4.5〜7.5、さらに好ましくは5.0〜7.0に保持しながら、水性媒体(水)中にカーボンナノチューブを分散処理する調製方法が好ましい。この調製方法における分散処理は、分散装置としてメディアを用いたミル(メディアミル)を用いて行うのが好ましい。メディアミルの具体例としては、ビーズミル、ボールミルなどを挙げることができる。ビーズミルを用いる場合には、直径が0.1〜10mm、好ましくは0.1〜1.5mm(例えば、ジルコニアビーズなど)などが好ましく用いられる。特に、予めボールミルを用いて、カーボンナノチューブ、界面活性剤(及び必要に応じてバインダーなど)を水性媒体中に混合してペースト状物を調製した後、ビーズミルを用いて界面活性剤を含む水性媒体を加えて分散液を調製してもよい。
この調製方法で得られる分散液においては、界面活性剤によってカーボンナノチューブ間のファンデルワールス力による凝集及びバンドル形成を生ずることなく、水性媒体中に微分散状で安定に分散しているので、この分散液を用いて処理を行うと、繊維表面にカーボンナノチューブを均一に付着させることができる。
カーボンナノチューブの分散液によるマルチフィラメント糸(合成繊維)の処理方法は、特に制限されず、合成繊維の繊維表面にカーボンナノチューブを含む導電層を均一に付着できる方法であればいずれの方法であってもよい。そのような処理方法としては、例えば、マルチフィラメント糸をカーボンナノチューブの分散液中に浸漬する方法、タッチ式ローラを用いたサイジング装置、ドクター、パッド、噴霧装置、糸プリント装置などの被覆装置を用いてマルチフィラメント糸をカーボンナノチューブの分散液で処理する方法などが挙げられる。
分散液を用いた処理における温度は、特に限定されず、例えば、0〜150℃程度の範囲から選択でき、好ましくは5〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃程度であり、通常、常温で処理される。
これらの処理方法のうち、均一な導電層を形成できる点から、カーボンナノチューブの分散液中に浸漬する方法、糸プリント方法が好ましい。さらに、分散液での付着処理において合成繊維を含むマルチフィラメント糸に微振動を付与する方法が好ましい。繊維に微振動を付与しながら、マルチフィラメント糸を処理すると、分散液がマルチフィラメント糸の束の内部にまで浸透し、繊維の内部や繊維の単糸1本1本の全表面にわたって均一な導電層を形成できる。
微振動の振動数としては、例えば、20Hz以上であればよく、例えば、20〜2000Hz、好ましくは50〜1000Hz、さらに好ましくは100〜500Hz(特に100〜300Hz)程度である。
微振動を付与する手段は、特に限定されず、慣用の手段、例えば、機械的な手段や超音波を使用する手段などが挙げられる。機械的な手段としては、例えば、繊維をサイジング装置や浸漬槽などに案内するための糸ガイド又はサイジング装置や浸漬槽自体に振動を付与することにより、もしくは分散液に振動を付与することにより、繊維に振動を付与する方法であってもよい。
分散液を用いた付着処理は、1回だけの操作であってもよいし、同じ操作を複数回繰り返してもよい。
乾燥工程では、カーボンナノチューブの分散液で処理を行ったマルチフィラメント糸から液体媒体を除去し、乾燥することで、繊維表面にカーボンナノチューブが導電層として均一に薄層状態で付着した導電性マルチフィラメント糸を得る。
乾燥温度は、分散液中の液体媒体(分散媒)の種類に応じて選択でき、分散媒として水を用いた場合には、有機繊維の材質にもよるが、通常、100〜230℃(特に110〜200℃)程度の乾燥温度が採用される。ポリエステル繊維の場合、例えば、120〜230℃(特に150〜200℃)程度であってもよい。
[導電性ブラシ]
本発明の導電性ブラシは、前記導電性マルチフィラメント糸を織成又は編成して形成され、前記導電性マルチフィラメント糸が基布の表面に位置する織編物であれば特に限定されないが、微小なトナー粒子を物理的及び静電気的に除去できる点から、基布の表面に導電性マルチフィラメント糸がパイル糸として立設したパイル織編物が好ましい。特に、基布の表面から、導電性マルチフィラメント糸がマルチフィラメント糸のカットパイル糸として立設したパイル織編物は、3dtex以下の細い単糸が、基布の表面において高い立毛密度でカットパイル糸の根元から拡がる構造を形成できるため、微細なトナー粒子を取り込み(又は吸着し)易くなり、トナーの除去効率を大きく向上できる。
本発明の導電性ブラシは、前記導電性マルチフィラメント糸を織成又は編成して形成され、前記導電性マルチフィラメント糸が基布の表面に位置する織編物であれば特に限定されないが、微小なトナー粒子を物理的及び静電気的に除去できる点から、基布の表面に導電性マルチフィラメント糸がパイル糸として立設したパイル織編物が好ましい。特に、基布の表面から、導電性マルチフィラメント糸がマルチフィラメント糸のカットパイル糸として立設したパイル織編物は、3dtex以下の細い単糸が、基布の表面において高い立毛密度でカットパイル糸の根元から拡がる構造を形成できるため、微細なトナー粒子を取り込み(又は吸着し)易くなり、トナーの除去効率を大きく向上できる。
導電性マルチフィラメント糸で形成されたパイル糸における立毛(パイル)の高さや本数(単位面積当たりの立毛密度)などは、導電性ブラシの種類や使用形態などに応じて、適宜選択できるが、例えば、立毛(パイル)の高さは、例えば、1〜10mm、好ましくは2〜8mm、さらに好ましくは3〜6mm程度であり、立毛(パイル)密度は、例えば、0.5万〜100万本/cm2、好ましくは1万〜50万本/cm2、さらに好ましくは2万〜30万本/cm2程度である。
表面材の表面側に存在する立毛(パイル)は、均一塗装性、塗料の保持性、塗料の吐出性などの点から、ループパイルであるよりは、カットパイルであることが好ましい。
パイル織編物としては、前記導電性マルチフィラメント糸をパイル糸(特にカットパイル糸)として含むパイル織編物であれば、特に限定されず、慣用のパイル織編物を利用できる。基布の織物地としては、例えば、タフタ織などの平織、綾織又は斜紋織(ツイル織)、朱子織などを利用でき、具体的なパイル織物地として、モケット地、ベルベット地、コールテン地などが挙げられる。基布の編物地としては、例えば、平編(天竺)地、経編、丸編、横編、ゴム編地、両面編地などを利用でき、具体的なパイル編物地として、トリコット地、ラッセル地、シンカーベロア地などが挙げられる。
基布を構成する地糸は、導電性マルチフィラメント糸の項で例示された合成繊維、非合成繊維などで構成されていてもよい。地糸としては、ポリエスエル繊維、ポリアミド繊維などが汎用される。地糸は、モノフィラメント糸であってもよいが、基布の柔軟性などの点から、マルチフィラメント糸や紡績糸が好ましい。その繊度(マルチフィラメント糸の場合は、マルチフィラメント糸の繊度)は、例えば、10〜500dtex、好ましくは50〜450dtex、さらに好ましくは100〜400dtex程度である。マルチフィラメントの単糸繊度は、特に限定されず、例えば、1〜50dtex、好ましくは3〜30dtex、さらに好ましくは5〜20dtex程度である。マルチフィラメントの本数は、例えば、10〜200本、好ましくは20〜150本、さらに好ましくは30〜100本程度である。なお、慣用のバインダー繊維を用いることにより、カットパイル糸である導電性マルチフィラメント糸を補強してもよい。
パイル織編物の単位面積当たりの糸本数(糸密度)(本/cm2)は、特に限定されないが、単糸繊度と織編物の規格で設定することができ、通常1万〜100万本/cm2程の範囲から選択でき、導電性やトナーとの接触効率などの点から、例えば、0.5万〜100万本/cm2、好ましくは1万〜50万本/cm2、さらに好ましくは2万〜30万本/cm2程度である。
パイル織編物の厚みは、例えば、0.5〜10mm、好ましくは1〜8mm、さらに好ましくは2〜5mm程度である。
パイル織編物は、慣用の製造方法によって製造でき、カットパイル織編物の場合は、表面をカットして立毛状態を形成する。このようにして得られたパイル織編物は、電子写真装置のサイズに応じて、テープ状にカットし、ロールブラシの場合、芯材である金属棒に巻き付けて(例えば、スパイラル状に巻き付けて)固定する方法により作成でき、バーブラシの場合、金属棒に貼り付けて固定する方法により作成できる。芯材は、通常、ステンレス(SUS)などの金属棒で構成されており、粘着剤などを用いてパイル織編物を金属棒に固定してもよい。
本発明の導電性ブラシは、導電特性の耐久性が高く、クリーニングブラシとして利用しても、印刷による摩擦により電気抵抗値の上昇を抑制できる。例えば、後述する実施例に記載の方法で、電子写真方式の印刷装置を用いて25万回印刷した後であっても、クリーニングブラシにおける印刷後の電気抵抗値は、印刷前の電気抵抗値に対して、例えば、1〜10倍、好ましくは1〜5倍、さらに好ましくは1〜2倍の範囲に抑制できる。なお、本願明細書では、電子写真方式の印刷装置を用いた25万回の印刷試験は、後述する実施例の方法で測定した試験を25万回の印刷試験に相当する試験として用いる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例において、各物性における測定方法又は評価方法を以下に示す。なお、特にことわりのない限り、「%」は「質量%」を表す。
(1)繊維構造体(織布)及び糸におけるカーボンナノチューブの付着量
カーボンナノチューブを付与した後の繊度と付与する前の繊度との差を、付与する前の繊度で除することにより、カーボンナノチューブ、又はカーボンナノチューブ及びバインダーの合計量の導電性マルチフィラメント糸における比率を算出し、付与する前の糸の単位質量当たりのカーボンナノチューブの付着量とした。なお、バインダーを用いた場合は、カーボンナノチューブとバインダーとの比率を勘案し、カーボンナノチューブの付着量を算出した。
カーボンナノチューブを付与した後の繊度と付与する前の繊度との差を、付与する前の繊度で除することにより、カーボンナノチューブ、又はカーボンナノチューブ及びバインダーの合計量の導電性マルチフィラメント糸における比率を算出し、付与する前の糸の単位質量当たりのカーボンナノチューブの付着量とした。なお、バインダーを用いた場合は、カーボンナノチューブとバインダーとの比率を勘案し、カーボンナノチューブの付着量を算出した。
(2)合成繊維の電気抵抗値
合成繊維(導電性マルチフィラメント糸)から、長さ方向に沿って100mごとに長さ10cmの試験片を20個採取した。長さ10cmの個々の試験片を電極ボックス(東亞電波工業社製「SME−8350」)に載置し、試験片の両端間に1000Vの電圧をかけて、測定環境20℃、30%RHの条件下で、電気抵抗測定装置(東亞電波工業社製「SME−8220」)を使用して20個の試験片の電気抵抗値(Ω/cm)を測定し、最大値と最小値を除いた18個の値の平均値を採って糸の電気抵抗値(Ω/cm)とした。
合成繊維(導電性マルチフィラメント糸)から、長さ方向に沿って100mごとに長さ10cmの試験片を20個採取した。長さ10cmの個々の試験片を電極ボックス(東亞電波工業社製「SME−8350」)に載置し、試験片の両端間に1000Vの電圧をかけて、測定環境20℃、30%RHの条件下で、電気抵抗測定装置(東亞電波工業社製「SME−8220」)を使用して20個の試験片の電気抵抗値(Ω/cm)を測定し、最大値と最小値を除いた18個の値の平均値を採って糸の電気抵抗値(Ω/cm)とした。
(3)電気抵抗値の対数の標準偏差
前述の(2)の平均値に用いた18個のデータにつき、各々対数値を求め、その対数値の標準偏差を求めた。
前述の(2)の平均値に用いた18個のデータにつき、各々対数値を求め、その対数値の標準偏差を求めた。
(4)ブラシの電気抵抗値
測定環境20℃、30%RHの条件下で、ブラシの表面に金属板を1mmのニップ量(侵入量)で接触させ、芯材と金属板間に500Vの電圧をかけて電気抵抗値を測定した。ブラシを順次回転し、10点の測定値の平均値を算出した。
測定環境20℃、30%RHの条件下で、ブラシの表面に金属板を1mmのニップ量(侵入量)で接触させ、芯材と金属板間に500Vの電圧をかけて電気抵抗値を測定した。ブラシを順次回転し、10点の測定値の平均値を算出した。
(5)25万枚の摩耗試験
芯材に固定し、回転可能に作製したロールブラシに対してニップ量1mmで、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)板をセットし、反対側に、ブラシ軸と平行のブレード状の板(ポリカーボネート樹脂製)をニップ量1mmでセットし、300rpmにて153時間回転させ、25万枚印刷相当の負荷を与え、摩擦の程度を調べた。
芯材に固定し、回転可能に作製したロールブラシに対してニップ量1mmで、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)板をセットし、反対側に、ブラシ軸と平行のブレード状の板(ポリカーボネート樹脂製)をニップ量1mmでセットし、300rpmにて153時間回転させ、25万枚印刷相当の負荷を与え、摩擦の程度を調べた。
実施例1
(1)カーボンナノチューブの水性分散液の調製:
(i)3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート(両性イオン界面活性剤)2.0g、グリセリン(水和安定剤)5mlおよび脱イオン水495mlを混合して、界面活性剤の水溶液(pH6.5)を調製した。
(1)カーボンナノチューブの水性分散液の調製:
(i)3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート(両性イオン界面活性剤)2.0g、グリセリン(水和安定剤)5mlおよび脱イオン水495mlを混合して、界面活性剤の水溶液(pH6.5)を調製した。
(ii)前記(i)で得られた界面活性剤の水溶液500mlおよびカーボンナノチューブ(バイエル社製「BaytubesC150P」)30.4gを、ボールミル胴体(円筒形、内容積=1800ml、ボールの直径=150mm、ボール量の充填量=3200g)に入れて、手で攪拌してペースト状物とした後、ボールミル胴体を回転架台(アサヒ理科製作所製「AS ONE」)に載せて1時間撹拌してカーボンナノチューブを含有する液状物とした。
(iii)前記(ii)で生成したカーボンナノチューブを含有する液状物の全量をボールミル胴体から取り出して、前記(i)と同様に調製した界面活性剤の水溶液500mlを追加し、さらにバインダー(明成化学(株)製「メイバインダーNS」、ポリエステル系バインダー)を固形成分換算で30.0g添加し、ビーズミル(WAB社製「ダイノーミル」、筒形状、内容積=2000ml、直径0.6mmのジルコニアビーズを1800g充填)に充填して、回転数300回/分の条件下に60分間撹拌して、両性イオン界面活性剤を含有するカーボンナノチューブの水性分散液[カーボンナノチューブの濃度=2.96w/w%、バインダーの含有量=2.26w/w%]を調製した。なお、ビーズミルによる撹拌操作中、水性分散液のpHは5.3〜6.8に維持されていた。このカーボンナノチューブの水性分散液に蒸留水を添加し、カーボンナノチューブの濃度を0.16w/w%に調整した。
(2)ポリエステル加工糸へのカーボンナノチューブの付着処理:
(i)市販のポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「FD84T48」、84dtex/48フィラメント)に対して、前記(1)で得られたカーボンナノチューブの水性分散液を用い、一般的なサイジング糊付け手法でカーボンナノチューブを付着した。詳しくは、ポリエステル加工糸を分散液に浸漬する際に、微振動させた糸ガイドを通して、200Hzの微振動を糸に与え、次いで、170℃で2分間乾燥し、カーボンナノチューブが付着した90dtexの導電繊維を得た。マルチフィラメント糸であるポリエステル加工糸「FD84T48」の単糸は、表面に長さ方向に延びる4個所の凹部を有する断面四葉形状(十字状)の繊維である。
(i)市販のポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「FD84T48」、84dtex/48フィラメント)に対して、前記(1)で得られたカーボンナノチューブの水性分散液を用い、一般的なサイジング糊付け手法でカーボンナノチューブを付着した。詳しくは、ポリエステル加工糸を分散液に浸漬する際に、微振動させた糸ガイドを通して、200Hzの微振動を糸に与え、次いで、170℃で2分間乾燥し、カーボンナノチューブが付着した90dtexの導電繊維を得た。マルチフィラメント糸であるポリエステル加工糸「FD84T48」の単糸は、表面に長さ方向に延びる4個所の凹部を有する断面四葉形状(十字状)の繊維である。
(ii)前記(2)で得られた導電繊維におけるカーボンナノチューブの付着量を前記方法で測定したところ、付着量は導電繊維1g当たり0.0024gであった。電気抵抗値は1.6×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.23であった。
さらに、得られた繊維を光学顕微鏡で観察した結果を図1に示す。図1から明らかなように、この導電繊維の表面はすべて実質的にカーボンナノチューブで黒く覆われており、カーボンナノチューブに覆われていない部分は実質的に見当たらず、各単糸の表面被覆率は100%であった。導電層中におけるカーボンナノチューブの割合は56.7質量%であった。
(3)ブラシの作製:
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、経糸をスパンテトロン40/2、緯糸をスパンテトロン20/3とし、通常のパイル織物織機によって導電糸の密度が、5万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを12mmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、1.0×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ、1.2×109Ωであった。
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、経糸をスパンテトロン40/2、緯糸をスパンテトロン20/3とし、通常のパイル織物織機によって導電糸の密度が、5万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを12mmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、1.0×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ、1.2×109Ωであった。
実施例2
実施例1において、カーボンナノチューブ(BaytubesC150P)の替わりに、カーボンナノチューブ(ナノシル社製「NC7000」)を用いて水性分散液を調整し、蒸留水で稀釈して0.12w/w%に調整した。この水性分散液を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成した。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0017gであった。電気抵抗値は2.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.15であった。
実施例1において、カーボンナノチューブ(BaytubesC150P)の替わりに、カーボンナノチューブ(ナノシル社製「NC7000」)を用いて水性分散液を調整し、蒸留水で稀釈して0.12w/w%に調整した。この水性分散液を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成した。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0017gであった。電気抵抗値は2.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.15であった。
さらに、光学顕微鏡で観察した結果、この導電性マルチフィラメント糸の表面はすべて実質的にカーボンナノチューブで黒く覆われており、カーボンナノチューブに覆われていない部分は実質的に見当たらず、各単糸の表面被覆率は100%であった。
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、実施例1と同様に、通常のパイル織物の製造方法によって、糸密度が5万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを12mmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、1.5×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ、1.8×109Ωであった。
実施例3
実施例1において、カーボンナノチューブ(BaytubesC150P)の替わりに、カーボンナノチューブ(保土谷化学社製「MWNT−7」)を用いて水性分散液を調整し、蒸留水で稀釈して0.20w/w%に調整した。この水性分散液を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成した。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0031gであった。電気抵抗値は3.5×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.26であった。
実施例1において、カーボンナノチューブ(BaytubesC150P)の替わりに、カーボンナノチューブ(保土谷化学社製「MWNT−7」)を用いて水性分散液を調整し、蒸留水で稀釈して0.20w/w%に調整した。この水性分散液を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成した。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0031gであった。電気抵抗値は3.5×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.26であった。
さらに、光学顕微鏡で観察した結果、この導電性マルチフィラメント糸の表面はすべて実質的にカーボンナノチューブで黒く覆われており、カーボンナノチューブに覆われていない部分は実質的に見当たらず、各単糸の表面被覆率は100%であった。
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、実施例1と同様に、通常のパイル織物の製造方法によって、糸密度が5万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを12mmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、1.9×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ、2.8×109Ωであった。
実施例4
実施例1において、断面四葉形状のポリエステル加工糸の替わりに、断面丸形状のポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「SD84T48」、84dtex/48フィラメント)を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成し、89dtex/48フィラメント(単糸繊度1.85dtex)の導電繊維を得た。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0021gであった。電気抵抗値は3.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.20であった。
実施例1において、断面四葉形状のポリエステル加工糸の替わりに、断面丸形状のポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「SD84T48」、84dtex/48フィラメント)を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成し、89dtex/48フィラメント(単糸繊度1.85dtex)の導電繊維を得た。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0021gであった。電気抵抗値は3.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.20であった。
さらに、光学顕微鏡で観察した結果、この導電性マルチフィラメント糸の表面はすべて実質的にカーボンナノチューブで黒く覆われており、カーボンナノチューブに覆われていない部分は実質的に見当たらず、各単糸の表面被覆率は100%であった。
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、実施例1と同様に、通常のパイル織物の製造方法によって、糸密度が25万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを3cmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、1.8×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ5.8×1010Ωであった。
実施例1と比較し、摩擦による抵抗値低下の傾向が大きいことが確認できた。断面四葉形状のポリエステル加工糸を用いる実施例1に比べて、断面丸形状のポリエステル加工糸を用いる実施例4では、導電層の脱落がより多く、抵抗値が低下したと推定できる。
実施例5
実施例1において、84dtex/48フィラメントのポリエステル加工糸の替わりに、84dtex/16フィラメントのポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「SD84T16」、断面四葉形状、単糸繊度5.3dtex)を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成し、86dtex/16フィラメントの導電繊維を得た。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0010gであった。電気抵抗値は6.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.39であった。
実施例1において、84dtex/48フィラメントのポリエステル加工糸の替わりに、84dtex/16フィラメントのポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製「SD84T16」、断面四葉形状、単糸繊度5.3dtex)を用いて、実施例1と同様に導電性マルチフィラメント糸を作成し、86dtex/16フィラメントの導電繊維を得た。カーボンナノチューブの付着量は導電性マルチフィラメント糸1g当たり0.0010gであった。電気抵抗値は6.2×109Ω/cmであり、電気抵抗値の対数の標準偏差は0.39であった。
さらに、光学顕微鏡で観察した結果、この導電性マルチフィラメント糸の表面はすべて実質的にカーボンナノチューブで黒く覆われており、カーボンナノチューブに覆われていない部分は実質的に見当たらず、各単糸の表面被覆率は100%であった。
得られた導電性マルチフィラメント糸を4本合糸し、実施例1と同様に、通常のパイル織物の製造方法によって、糸密度が9万本/cm2のパイル生地を得た。この表面をカットし厚み4mmの立毛生地として、これを3cmの幅にスリット状にカットし、シャフト径6mmのSUS製棒に巻き付けて固定し、直径14mmのクリーニングブラシを得た。ブラシの電気抵抗値は、2.5×109Ωを示した。このクリーニングブラシを用いて、25万枚分の摩耗試験を行い、試験後のブラシの電気抵抗値を測定したところ3.5×1010Ωであった。
実施例1と比較し、摩擦による抵抗値低下の傾向が大きいことが確認できた。単糸繊度が大きいため、より強い接圧で接触対象物に接触するため、導電層の脱落が多く、抵抗値が低下したと推定できる。さらに、単糸繊度が大きいため、繊維の表面積が小さく、カーボンナノチューブの付着量も少ないため、導電層の脱落による抵抗値の低下の度合いが、単糸繊度が小さい繊維よりも大きいと推定できる。
本発明の導電性マルチフィラメント糸は、電子・電気機器などに用いられる導電性ブラシ、例えば、複写機(コピー機)、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真装置に装備される導電性ブラシ(例えば、感光体などのクリーニングブラシ、帯電ブラシ、除電ブラシなどのロールブラシ又はバーブラシ)に利用され、特に、均一で細い単糸径を有し、かつ均一で高い導電性を有しているため、小型化及び高速化した電子写真装置であっても、小粒径のトナーを物理的及び静電気的に高度に除去できるため、電子写真装置のクリーニングブラシに最適である。
実施例1と比較し、摩擦による抵抗値増大の傾向が大きいことが確認できた。断面四葉形状のポリエステル加工糸を用いる実施例1に比べて、断面丸形状のポリエステル加工糸を用いる実施例4では、導電層の脱落がより多く、抵抗値が増大したと推定できる。
実施例1と比較し、摩擦による抵抗値増大の傾向が大きいことが確認できた。単糸繊度が大きいため、より強い接圧で接触対象物に接触するため、導電層の脱落が多く、抵抗値が増大したと推定できる。さらに、単糸繊度が大きいため、繊維の表面積が小さく、カーボンナノチューブの付着量も少ないため、導電層の脱落による抵抗値の低下の度合いが、単糸繊度が小さい繊維よりも大きいと推定できる。
Claims (15)
- 導電性ブラシを形成するための導電性マルチフィラメント糸であって、合成繊維の表面をカーボンナノチューブで被覆した導電性繊維を含む導電性マルチフィラメント糸。
- マルチフィラメント糸の単糸繊度が30dtex以下である請求項1記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 導電性繊維が合成繊維と、この合成繊維の表面を被覆し、かつカーボンナノチューブを含む導電層とで形成され、かつ前記導電性繊維の導電層による被覆率が90%以上である請求項1又は2記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 合成繊維が、長さ方向に延びる複数の凹部又は溝部を有する請求項1〜3のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 合成繊維が、長さ方向に延びる3〜6個の凹部又は溝部を有し、かつ横断面形状が多葉又は星形状である請求項1〜4のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 合成繊維が、合成樹脂で形成された単相の非複合繊維である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 合成繊維が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種で形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 合成繊維を含むマルチフィラメント糸に振動を与えながら、カーボンナノチューブを含む分散液中にマルチフィラメント糸を浸漬して、導電層を合成繊維の表面に付着させた繊維である請求項1〜7のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- カーボンナノチューブの割合が、合成繊維100質量部に対して、0.1〜5質量部である請求項1〜8のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 20℃における線電気抵抗値が1×106〜1×1011Ω/cmである請求項1〜9のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 長さ方向における10箇所以上で測定した線電気抵抗値の対数値の標準偏差が1.0以下である請求項1〜10のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の導電性マルチフィラメント糸で形成された導電性ブラシ。
- 導電性マルチフィラメント糸をカットパイル糸として含むパイル織編物で形成された請求項12記載の導電性ブラシ。
- 導電性ブラシが、電子写真装置のクリーニングブラシである請求項12又は13記載の導電性マルチフィラメント糸。
- 電子写真方式プリンターで25万回印刷した後のクリーニングブラシの電気抵抗値が、印刷前の電気抵抗値に対して1〜10倍である請求項14記載の導電性ブラシ。
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