JP2015021754A - センサー用面状導電体及びセンサー検出部 - Google Patents

センサー用面状導電体及びセンサー検出部 Download PDF

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英治 秋庭
忠由 古泉
Tadayoshi Koizumi
忠由 古泉
山口 俊朗
Toshiaki Yamaguchi
俊朗 山口
松原 秀樹
Hideki Matsubara
秀樹 松原
耕一 中橋
Koichi Nakahashi
耕一 中橋
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Abstract

【課題】静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部として、屈曲させて使用したり、長期間使用しても導電性の低下を抑制できるセンサー用面状導電体を提供する。
【解決手段】表面にカーボンナノチューブが付着した導電性繊維構造体を含み、かつ静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーに用いられる面状導電体を、20000Ω/□以下の表面抵抗率に調整する。この面状導電体は、1万回の屈曲後の表面抵抗率が初期値の1.5倍以下であってもよい。前記導電性繊維構造体は、織物、編物又は不織布であってもよい。前記導電性繊維は、有機繊維と、この有機繊維の表面を被覆する導電層とで形成され、前記導電層が、カーボンナノチューブ、バインダー及び界面活性剤を含んでいてもよい。前記導電性繊維構造体の通気度は10cm/(cm・秒)以上であってもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、近傍に存在する人体などの誘電体の存在を静電容量の変化により検知するセンサーに用いられる面状導電体及びこの導電体で形成されたセンサー検出部に関する。
静電容量C(ファラッド)は、C=Q/Vで表されるように、所定の導電体に単位の電圧V(ボルト)を印加したときに生じる電荷量Q(クーロン)で表される。2つの導電体に対して電圧を印加すると、導電体間に電界が発生するが、この電界中に物体が存在すれば、静電誘導を受けて、導電体に電荷が現れる。導電体の静電容量の変化は、導電体の比誘電率に関係があり、導電体の面積に比例し、導電体間の距離に反比例する。静電容量の検出回路に発振回路を組み込み、発振回路に接続される導電体で構成された電極の静電容量Cが発振条件の一要素となるように発振回路を構成し、前記電極の静電容量の変化を検出する方式などが採用されている。
2つの面状の導電体(電極)に電圧を印加し、一方を交流発信機とし、他方を受信機として2つの面の間にある誘電体を、前記導電体の静電容量の変化によって検知するセンサーは、タッチパネルを始めとして各種のセンサーに広く利用されている。
例えば、特開2001−255381号公報(特許文献1)には、アルミニウム缶の検出などに利用される装置として、対向配置される第1の電極と第2の電極との間の静電容量の変化を検出する検出回路とを備えた静電容量式検出装置が開示されている。
特開2006−71296号公報(特許文献2)には、水道配管における水の流れを検知する水流検知センサーとして、配管の外側に配設され、配管内に水の比誘電率に応じた静電電極と、この一対の静電電極間の静電容量を時間間隔をおいてサンプリングする静電容量検知手段と、この静電容量検知手段でサンプリングした隣接する値の差が一定値を超えたら水が流れたと判断して出力信号を出す判定手段とを具備した水流検知センサーが開示されている。
特開2012−172375号公報(特許文献3)には、コンクリートの打設状況を検知する打設管理方法として、上下に延在する空所に打設されるコンクリートの打設管理方法であって、水平方向に一定の間隔をおいて互いに平行して上下方向に延在する一対の電極線を絶縁材で被覆したレベルセンサーを前記空所内に設置し、前記空所にコンクリートが打設されるに伴い前記コンクリートの比誘電率に応じて前記一対の電極線間に生じる静電容量の変化に基づいて前記空所に打設されたコンクリートの打ち上がり高さを算出するコンクリートの打設管理方法が開示されている。
これらの文献には、電極や電極線の詳細については記載されていないが、従来の導電体としては、導電性の良好な金属板、金属メッキ品、金属蒸着品などが使用されている。しかし、金属材料では、固定して使用する場合には問題ないが、屈曲して使用する場合には、金属疲労による断裂が生じることにより導電性が低下し、メッキでは剥がれて脱落することにより導電性が低下する。さらに、金属であるため、重量が大きくなる上に、酸化劣化により導電性が低下し、長期間の使用に伴うセンサー性能が低下する。
人を検出する用途としては、例えば、特開2005−284480号公報(特許文献4)には、敷地内への人物の立ち入りを検知し得るセンサーとこのセンサーの検知信号を受信する受信機とこの受信機の指示により作動する告知機とからなる防犯装置を用いてなり、前記センサーが静電容量の変化を検知する静電センサーであり、かつこの静電センサーが敷地内の所定位置に設置されている敷地内防犯システムが開示されている。この文献には、導電体で構成された一般的な材料(例えば、金属板、ラス網、鉄骨、針金、銅線等)を静電センサーに近接して設置し、静電センサーの電界範囲を増幅することが記載されている。
また、特開平7−34508号公報(特許文献5)には、絶縁体で形成された着座部に配設された対になった電極板それぞれに電気的に接続され、人が前記着座部に着座したときの静電容量の変化により異なったパルス幅のパルス信号を出力する一方、前記人が着座部に着座していないときには同一パルス幅のパルス信号を出力する第1の単安定発振器及び第2の単安定発振器を備えた着座センサーが開示されている。
しかし、特許文献4及び5でも、金属材料であるため、導電性が低下する。また、金属板などの面状の導電体では、通気性や透湿性がないため、人体の近傍で使用する場合、水分が籠もり、蒸れる。
人を検出する他の用途として、特開平11−334451号公報(特許文献6)には、第1、第2アンテナ電極の周囲に電界を発生させる電界発生手段と、電界発生手段から第1、第2アンテナ電極に流れる電流に基づいて該第1、第2アンテナ電極への人体の接近を検出する人体接近検出手段を備えた乗員検知装置が開示されている。この文献には、アンテナ電極として導電性の布片が記載されている。
特開2007−213845号公報(特許文献7)には、要介護者がベッド等から離床したことを検知する離床状況検知装置として、導電性布帛からなる静電容量タッチ電極と、この静電容量タッチ電極と誘電体とで構成されるコンデンサーの静電容量の変化を検出してタッチ検出信号を出力するタッチ検出回路とを有する静電容量タッチセンサーが開示されている。この文献には、導電性布帛として、ナイロンに純度99%の銀をコーティングした導電性繊維を布状に織り上げた素材が記載されている。
特開2004−150869号公報(特許文献8)には、人体および/または物体の接近または接触を検出する近接センサーにおいて、少なくとも静電容量形近接センサー部と、厚みが0.1μm〜20mmで表面抵抗が1×10Ω/□以下の導電体とを含む近接センサーが開示されている。この文献には、導電体として、金属、導電性フィルム、導電性布帛等が記載され、前記導電性布帛として、金属繊維、炭素繊維等の導電性繊維、合成繊維に金属粒子や炭素粒子等を練りこんだ導電性繊維、合成繊維や天然繊維等の非導電性繊維に金属メッキや金属スパッタリング等で導電性を付与した導電性繊維を用いて、製織、製編等の常法により製造された布帛が記載されている。この文献の実施例では、導電性布帛として、銀メッキされたナイロン繊維を含む布帛、銅及びニッケルを無電解メッキで付与した布帛が使用されている。
特許文献6〜8のセンサーでは、静電容量タッチ電極(導電体)が導電性布帛で形成されているため、通気性や透湿性は改良されている。しかし、導電性繊維が金属でコーティングされているため、屈曲使用や酸化劣化により導電性が低下し易く、軽量性も充分でない。また、金属粒子や炭素粒子などの導電剤を練り込んだ導電性繊維でも、導電剤により繊維の機械特性(柔軟性など)が低下するとともに、重量も大きくなる。
特開2001−255381号公報(請求項1、段落[0007]) 特開2006−71296号公報(請求項1、段落[0001]) 特開2012−172375号公報(請求項1) 特開2005−284480号公報(請求項1、段落[0020]) 特開平7−34508号公報(請求項1) 特開平11−334451号公報(請求項1、段落[0029]) 特開2007−213845号公報(請求項1、段落[0001][0046]) 特開2004−150869号公報(請求項1、段落[0011][0012]、実施例)
従って、本発明の目的は、静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部(又は電極)として、屈曲させて使用したり、長期間使用しても導電性の低下を抑制できるセンサー用面状導電体及びこの導電体で形成されたセンサー検出部を提供することにある。
本発明の他の目的は、適度な通気性を有するとともに、柔軟性、耐屈曲性及び軽量性にも優れたセンサー用面状導電体及びこの導電体で形成されたセンサー検出部を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、表面にカーボンナノチューブを付着させた導電性繊維で形成された導電性繊維構造体を用いて、特定の表面抵抗率を有する面状導電体を形成することより、静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部として、屈曲させて使用したり、長期間使用しても導電性の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の面状導電体は、表面にカーボンナノチューブが付着した導電性繊維構造体を含み、かつ静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーに用いられる面状導電体であって、20000Ω/□以下の表面抵抗率を有する。この面状導電体は、1万回の屈曲後の表面抵抗率が初期値の1.5倍以下であってもよい。前記導電性繊維構造体は、織物、編物又は不織布であってもよい。前記導電性繊維は、有機繊維と、この有機繊維の表面を被覆する導電層とで形成され、前記導電層が、カーボンナノチューブ、バインダー及び界面活性剤を含んでいてもよい。前記導電性繊維構造体は、導電性繊維を用いて得られ、かつ経糸及び/又は緯糸が導電性繊維を含む織物であってもよい。前記導電性繊維構造体は、織物、編物又は不織布にカーボンナノチューブを付着して得られた構造体であってもよい。前記導電性繊維構造体の通気度は10cm/(cm・秒)以上であってもよい。
本発明には、静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部であり、かつ前記面状導電体で形成されているセンサー検出部も含まれる。
なお、本明細書では、センサーとは、センサー本体部及びセンサー検出部を含むセンサー装置全体を意味し、センサー検出部とは、センサーの一部である電極(面状導電体)を意味する。
本発明では、表面にカーボンナノチューブを付着させた導電性繊維で形成された導電性繊維構造体を用いて、特定の表面抵抗率を有する面状導電体が形成されているため、静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部(又は電極)として、屈曲させて使用したり、長期間使用しても、導電材料の断裂や剥離又は脱落、化学的な劣化が少なく、導電性の低下を抑制できる。さらに、カーボンナノチューブが表面に均一に付着した繊維で形成されているため、適度な通気性を有し、人体の近傍で使用しても、蒸れ感を抑制できるとともに、柔軟性、耐屈曲性及び軽量性も向上できる。
[面状導電体]
本発明の面状導電体は、静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部として用いられ、導電性繊維を含む導電性繊維構造体を含む。導電性繊維は、軽量性や柔軟性、耐屈曲性、繊維への密着性などの点から、繊維の表面にカーボンナノチューブ(CNT)が付着している。繊維は、無機繊維であってもよいが、柔軟性などの点から有機繊維が好ましい。
(有機繊維)
有機繊維としては、導電性繊維構造体に柔軟性及びしなやかさを付与するために使用され、非合成繊維[例えば、天然繊維(綿、麻、ウール、絹など)、再生繊維(レーヨン、キュプラなど)、半合成繊維(アセテート繊維など)]であってもよいが、CNTとの密着性などの点から、少なくとも合成繊維を含むのが好ましい。
合成繊維は、繊維形成性の合成樹脂又は合成高分子材料(合成有機重合体)を用いて形成した繊維であり、1種類の合成有機重合体(以下単に「重合体」ということがある)から形成されていてもよいし、2種類以上の重合体から形成されていてもよい。合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂[芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂、ポリアリレートなどの全芳香族ポリエステル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂など)、脂肪族ポリエステル(ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ヒドロキシブチレート−ヒドロキシバリレート共重合体、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル及びその共重合体)など]、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド及びその共重合体、脂環式ポリアミド、芳香族ポリアミドなど)、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン及びその共重合体など)、アクリル系重合体(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(ポリエステル型、ポリエーテル型、ポリカーボネート型ポリウレタン系樹脂など)、ポリビニルアルコール系重合体(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体など)、ポリ塩化ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体など)などを挙げることができる。これらの合成樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
合成繊維が2種以上の重合体で形成されている場合は、2種以上の重合体の混合物(アロイ樹脂)で形成された混合紡糸繊維であってもよいし、又は2種以上の重合体が複数の相分離構造を形成した複合紡糸繊維であってもよい。複合紡糸繊維には、例えば、海島構造、芯鞘構造、サイドバイサイド型貼合せ構造、海島構造と芯鞘構造とが組み合わさった構造、サイドバイサイド型貼合せ構造と海島構造が組み合わさった構造などが挙げられる。
これらの合成繊維のうち、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系重合体などで構成された繊維が、CNTの付着性が良好であり、しかも耐屈曲疲労性に優れる点から好ましい。なかでも、汎用性及び熱的特性の点から、ポリエステル系樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンテレフタレート系樹脂)、ポリアミド系樹脂(特に、ポリアミド6、ポリアミド66などの脂肪族ポリアミド系樹脂)、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂)で構成された繊維が好ましく、特にポリエステル系繊維が熱安定性及び寸法安定性が良好である点からより好ましい。また、目的によっては高強力・高弾性を有する液晶系繊維(液晶ポリエステル系繊維など)なども好適に用いることができる。
有機繊維の横断面形状は特に制限されず、丸形断面を有する通常の有機繊維であってもよく、丸形断面以外の異形断面を有する有機繊維であってもよい。異形断面繊維である場合は、その横断面形状は、例えば、方形、多角形、三角形、中空形、偏平形、多葉形、ドッグボーン形、T字形、V字形などのいずれであってもよい。これらの形状のうち、CNTを均一に付着し易い点などから、丸形断面形状が汎用される。
有機繊維は、モノフィラメント糸、双糸、マルチフィラメント糸、加工したマルチフィラメント糸、紡績糸、テープヤーン、及びそれらの組み合わせなどのいずれであってもよい。マルチフィラメント糸や紡績糸などの複合糸の場合、同一の有機繊維同士を組み合わせた複合糸であってもよく、異なる種類の有機繊維を組み合わせた複合糸であってもよい。
本発明では、合成繊維が好ましく、複合糸として合成繊維と非合成繊維とを組み合わせる場合、複合糸の表面への導電層(CNT)の付着が良好に行われるように、複合糸の質量に対する合成繊維の含有割合が、例えば、0.1質量%以上、好ましくは10質量%以上、特に30質量%以上(例えば、50〜99質量%)が好ましく、また複合糸の表面の0.1%以上、好ましくは10%以上、特に30%以上(例えば、50〜100%)が合成繊維によって占められていることが好ましい。
これらのうち、柔軟性やしなやかさ、耐屈曲疲労性に優れる点から、双糸、マルチフィラメント糸、加工したマルチフィラメント糸、紡績糸(特に、合成繊維同士を組み合わせたマルチフィラメント糸、紡績糸)が好ましい。
有機繊維を含む糸の太さ(平均繊度)は特に制限されないが、例えば、目標とする面状導電体の目付け、厚み、柔軟性によって、10〜1000dtexの範囲から選択でき、例えば、30〜500dtex、好ましくは50〜300dtex、さらに好ましくは100〜250dtex(特に150〜200dtex)程度である。
マルチフィラメント糸又は紡績糸の場合、単糸繊度(平均単糸繊度)は、しなやかさ及び柔軟性の点から、11dtex以下であってもよく、例えば、0.1〜8dtex、好ましくは0.3〜7dtexさらに好ましくは0.5〜6dtex(特に1〜5dtex)程度である。単糸繊度が大きすぎると、繊維自体の剛直性が強くなり、生地のしなやかさが低下する。マルチフィラメント糸の本数は、例えば、2〜300本、好ましくは5〜200本、さらに好ましくは10〜100本程度である。さらに、撚糸の場合には、撚数は、例えば、200〜5000T/m、好ましくは1000〜4000T/m程度である。
本発明では、有機繊維の繊度を前記範囲にすることにより、特に、マルチフィラメント糸又は紡績糸の繊度や本数を前記範囲に調整することにより、面状導電体の軽量化、ソフト化を図ることができる。
(カーボンナノチューブ又は導電層)
本発明では、前記有機繊維の表面をカーボンナノチューブ(CNT)で被覆することにより、導電性を付与できる。有機繊維を被覆するCNTは、導電層ということができる。
導電性繊維において、導電性能の点から、有機繊維の表面の一部(局所)だけではなく、繊維の全表面の50%以上(例えば、50〜100%)、好ましくは90%以上(例えば、90〜100%)、さらに好ましくは全体(100%)をカバーする被覆率(カバー率)で、導電層(カーボンナノチューブ)が繊維表面に付着していることが好ましい。
また、マルチフィラメント糸や紡績糸などの複合糸では、糸の表面に位置する繊維の表面の60%以上(例えば、60〜100%)、好ましくは90%以上(例えば、90〜100%)、好ましくは全体(100%)をカバーする被覆率で導電層(CNT)が付着しているのが好ましい。
有機繊維が、モノフィラメント糸ではなく、マルチフィラメント糸や紡績糸である場合は、糸の内側に位置する繊維表面(糸表面に露出していない繊維表面)には、導電層(特にCNT)は付着していなくてもよいが、糸の表面に位置する繊維の表面だけでなく、糸の内部に位置する繊維の表面にも導電層(特にCNT)が付着していると、導電性能が一層良好になる。
紡績糸やマルチフィラメント糸などの内部にCNTを付着させるためには、後述する微振動を利用したCNTの付着処理を行うのが好ましい。本発明では、前記繊維の中でも、このような付着処理における効果が顕著に表れる点から、双糸、マルチフィラメント糸、紡績糸、特に、マルチフィラメント糸が好ましく利用できる。
CNT(導電層)の割合は、有機繊維100質量部に対して0.1〜100質量部程度である。なかでも、有機繊維に導電性を付与するためには、CNTの割合が重要であり、CNTの付着量(割合)は、有機繊維の種類、用途、CNTの種類、CNT分散液の濃度などに応じて調整し得るが、一般的には、有機繊維100質量部に対して、例えば、0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜25質量部、さらに好ましくは1〜20質量部(特に1〜15質量部)程度である。CNTの付着量(割合)は、導電性繊維全体に対して、例えば、0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、さらに好ましくは3〜20質量%(特に5〜15質量%)程度である。このような割合でCNTが付着された導電性繊維は、有機繊維からのCNTの脱落防止及び導電性能などの点から好ましい。
なお、CNTの付着量(割合)は、界面活性剤の付着量を含まず、CNTがバインダーを用いて有機繊維の表面に付着している場合もバインダーの付着量を含まないCNT自体の付着量をいう。
さらに、導電性繊維は、有機繊維の表面において均一な厚みで導電層が付着されており、例えば、導電層の厚みは、略全表面において、例えば、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜4μm、さらに好ましくは0.3〜3μmの範囲にある。このような均一な導電層を有する導電性繊維は、CNTの脱落防止、また均一な導電性能とする点から好ましい。このように厚みを制御するためには、後述するように、分散液で処理する際、有機繊維に微振動を与えることで、マルチフィラメント糸であっても、分散液がマルチフィラメント糸の束の内部にまで浸透し、有機繊維の単糸1本1本の表面すべてにわたって均一な樹脂層を形成できる。
有機繊維の表面にCNTを前記した量及び厚みの範囲内で調整し、付着させることによって、目的に沿った導電性を付与できる。導電性繊維の20℃における線電気抵抗値は、導電発熱性の点から、例えば、1×10−2〜1×10Ω/cm、好ましくは1×10−1〜5×10Ω/cm、さらに好ましくは10〜1×10Ω/cm(特に1×10〜5×10Ω/cm)程度である。前記線抵抗値が大きすぎると、20000Ω/□以下の表面抵抗率を有する面状導電体を作製するのが困難となる。
CNTは、特徴的な構造として、炭素の六員環配列構造を有する1枚のシート状グラファイト(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた直径数nm程度のチューブ状構造を有する。このグラフェンシートにおける炭素の六員環配列構造には、アームチェア型構造、ジグザグ型構造、カイラル(らせん)型構造などが含まれる。前記グラフェンシートは、炭素の六員環に五員環又は七員環が組み合わさった構造を有する1枚のシート状グラファイトであってもよい。CNTとしては、1枚のシート状グラファイトで構成された単層CNTの他、前記筒状のシートが軸直角方向に複数積層した多層CNT(CNTの内部にさらに径の小さいCNTを1個以上内包する多層CNT)、単層CNTの端部が円錐状で閉じた形状のカーボンナノコーン、内部にフラーレンを内包するCNTなどが知られている。これらのCNTは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのCNTのうち、CNT自体の強度の向上の点から、多層CNTが好ましい。さらに、導電性の点から、グラフェンシートの配列構造は、アームチェア型構造が好ましい。
本発明で用いるCNTの製造方法は特に制限されず、従来から知られている方法によって製造できる。
具体的には、化学的気相成長法において、触媒[鉄、コバルト、モリブデンなどの遷移金属またはフェロセン、前記金属の酢酸塩などの遷移金属化合物と、硫黄または硫黄化合物(チオフェン、硫化鉄など)の混合物など]の存在下、炭素含有原料(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素、一酸化炭素、エタノールなどのアルコール類など)を加熱することにより生成できる。すなわち、前記炭素含有原料及び前記触媒を雰囲気ガス(アルゴン、ヘリウム、キセノンなどの不活性ガス、水素など)と共に300℃以上(例えば、300〜1000℃程度)に加熱してガス化して生成炉に導入し、800〜1300℃、好ましくは1000〜1300℃の範囲内の一定温度で加熱して触媒金属を微粒子化させると共に炭化水素を分解させることによって微細繊維状(チューブ状)炭素を生成させる。これにより生成した繊維状炭素は、未反応原料、非繊維状炭化物、タール分および触媒金属を含有していて純度が低く、結晶性も低いので、次に800〜1200℃の範囲内の好ましくは一定温度に保持された熱処理炉で処理して未反応原料やタール分などの揮発分を気化して除くのが好ましい。さらに、微細繊維状炭素を2400〜3000℃の温度でアニール処理して、CNTにおける多層構造の形成を一層促進すると共にCNTに含まれる触媒金属を蒸発することによって製造できる。
CNTの平均径(軸方向に対して直交する方向の直径又は横断面径)は、例えば、0.5nm〜1μm(例えば、0.5〜500nm、好ましくは0.6〜300nm、さらに好ましくは0.8〜100nm、特に1〜80nm)程度から選択でき、単層CNTの場合には、例えば、0.5〜10nm、好ましくは0.7〜8nm、さらに好ましくは1〜5nm程度であり、多層CNTの場合は、例えば、5〜300nm、好ましくは10〜100nm、好ましくは20〜80nm程度である。CNTの平均長は、例えば、1〜1000μm、好ましくは5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm(特に20〜100μm)程度である。
導電層は、製造工程で用いられる分散液に含まれる界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、両性イオン界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれもが使用できる。
両性イオン界面活性剤には、スルホベタイン類、ホスホベタイン類、カルボキシベタイン類、イミダゾリウムベタイン類、アルキルアミンオキサイド類などが含まれる。
スルホベタイン類としては、例えば、3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩(スルホネート)、3−(ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩、3−(ジメチルn−ドデシルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩、3−(ジメチルn−ヘキサデシルアンモニオ)プロパンスルホン酸塩などのジC1−4アルキルC8−24アルキルアンモニオC1−6アルカンスルホン酸塩、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)、3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシプロパンスルホネート(CHAPSO)などのステロイド骨格を有するアルキルアンモニオC1−6アルカンスルホン酸塩などが挙げられる。
ホスホベタイン類としては、例えば、n−オクチルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリンなどのC8−24アルキルホスホコリン、レシチンなどのグリセロリン脂質、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンのポリマーなどが挙げられる。
カルボキシベタイン類としては、例えば、ジメチルラウリルカルボキシベタインなどのジメチルC8−24アルキルベタイン、パーフルオロアルキルベタインなどが挙げられる。イミダゾリウムベタイン類としては、例えば、ラウリルイミダゾリウムベタインなどのC8−24アルキルイミダゾリウムベタインなどが挙げられる。アルキルアミンオキシドとしては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシドなどのトリC8−24アルキル基を有するアミンオキシドなどが挙げられる。
これらの両性イオン界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、両性イオン界面活性剤において、塩としては、アンモニア、アミン(例えば、アミン、エタノールアミンなどのアルカノールアミン等)、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムなど)等との塩が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのC6−24アルキルベンゼンスルホン酸塩など)、アルキルナフタレンスルホン酸塩(例えば、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのジC3−8アルキルナフタレンスルホン酸塩など)、アルキルスルホン酸塩(例えば、ドデカンスルホン酸ナトリウムなどのC6−24アルキルスルホン酸塩など)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(例えば、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのジC6−24アルキルスルホコハク酸塩など)、アルキル硫酸塩(例えば、硫酸化脂、ヤシ油の還元アルコールと硫酸とのエステルのナトリウム塩などのC6−24アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレン(平均付加モル数2〜3モル程度)アルキルエーテル硫酸塩など)、アルキルリン酸塩(例えば、モノ〜トリ−ラウリルエーテルリン酸などのリン酸モノ〜トリ−C8−18アルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩など)などが挙げられる。これらの陰イオン性界面活性剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。塩としては、前記両性イオン界面活性剤と同様の塩が例示できる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライドなどのモノ又はジC8−24アルキル−トリ又はジメチルアンモニウム塩など)、トリアルキルベンジルアンモニウム塩[例えば、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどのC8−24アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム塩など)など]、アルキルピリジニウム塩(例えば、セチルピリジニウムブロマイドなどのC8−24アルキルピリジニウム塩など)などが挙げられる。これらの陽イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、塩としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、過塩素酸などとの塩が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−24アルキルエーテル)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンC6−18アルキルフェニルエーテルなど)、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分エステル[例えば、ポリオキシエチレングリセリンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレングリセリンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンステアリン酸エステルなどのポリオキシエチレンソルビタンC8−24脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンショ糖C8−24脂肪酸エステルなど]、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば、ポリグリセリンモノステアリン酸エステルなどのポリグリセリンC8−24脂肪酸エステル)などが挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。なお、前記ノニオン性界面活性剤において、エチレンオキサイドの平均付加モル数は、1〜35モル、好ましくは2〜30モル、さらに好ましくは5〜20モル程度である。
これらの界面活性剤のうち、製造工程において使用される分散液中において、CNT間のファンデルワールス力による凝集及びバンドル形成を防ぎながら、CNTを水などの分散媒中に安定に微細に分散させることができる点から、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との組み合わせ、両性イオン界面活性剤単独のいずれかが好ましく、両性イオン界面活性剤が特に好ましい。そのため、両性イオン界面活性剤の使用下にCNTを分散させた分散液を用いて有機繊維を処理すると、CNTをそれらの繊維表面に、斑なく付着させることができる。
前記両性イオン界面活性剤の中でも、スルホベタイン類、特に、3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート、3−(ジメチルミリスチルアンモニオ)プロパンスルホネートなどのジC1−4アルキルC8−24アルキルアンモニオC1−6アルカンスルホネートが好ましい。
界面活性剤の割合は、CNT100質量部に対して、例えば、0.01〜100質量部、好ましくは0.03〜50質量部、さらに好ましくは0.05〜30質量部(特に0.1〜20質量部)程度である。界面活性剤の割合がこの範囲にあると、CNTの均一性を向上させるとともに、高い導電性を維持できる。
導電層には、前記界面活性剤に加えて、さらにハイドレート(水和安定剤)が含まれていてもよい。水和安定剤は、導電性繊維を製造する工程で用いられる分散液中において、界面活性剤の水などの液体媒体(水など)への溶解を促進してその界面活性作用を十分に発揮させるとともに、導電層としてCNTを繊維表面に固定させるまで分散状態を維持することに寄与する。
水和安定剤の種類は、界面活性剤の種類、液体媒体(分散媒)の種類などによって異なり得るが、液体媒体として水を使用した場合は、例えば、前記非イオン性界面活性剤(界面活性剤として、非イオン性界面活性剤を使用した場合)、親水性化合物(水溶性化合物)などが使用できる。
親水性化合物(水溶性化合物)としては、例えば、多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ショ糖など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリC2−4アルキレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)、水溶性多糖類(カラギーナン、アルギン酸又は塩など)、セルロース系樹脂(メチルセルロースなどのアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシC2−4アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシC1−3アルキルセルロース又はその塩など)、水溶性蛋白質(ゼラチンなど)などが例示できる。
これらの水和安定剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの水和安定剤のうち、グリセリンなどの多価アルコールなどが汎用される。
水和安定剤の割合は、界面活性剤100質量部に対して、例えば、0.01〜500質量部、好ましくは1〜400質量部、さらに好ましくは10〜300質量部程度である。
導電層には、界面活性剤に加えて、さらにバインダーが含まれていてもよい。バインダーは、CNTと有機繊維との接着性を向上させる。
バインダーとしては、慣用の接着性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが例示できる。これらの接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのバインダーのうち、分散媒として水を用いる場合、親水性接着性樹脂、例えば、水性ポリエステル系樹脂、水性アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
水性ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分(テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸や、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸など)とジオール成分(エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのアルカンジオールなど)との反応により得られるポリエステル樹脂において、親水性基が導入されたポリエステル樹脂が使用できる。親水性基の導入方法としては、例えば、ジカルボン酸成分として、スルホン酸塩基やカルボン酸塩基などの親水性基を有するジカルボン酸成分(5−ナトリウムスルホイソフタル酸や、3官能以上の多価カルボン酸など)を用いる方法、ジオール成分として、ポリエチレングリコール、ジヒドロキシカルボン酸を用いる方法などが例示できる。
水性アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、(メタ)アクリル酸−エチレン共重合体、これらの塩などが例示できる。
酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニル単位を含む重合体又はそのケン化物であり、例えば、ポリ酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などであってもよい。
さらに、バインダーとしては、有機繊維と同系統の接着性樹脂を使用するのが好ましい。すなわち、例えば、有機繊維として、ポリエステル系繊維を使用した場合には、バインダーとしては水性ポリエステル系樹脂を使用するのが好ましい。
バインダーの割合は、CNTの表面を完全に被覆することなくCNTを繊維表面に円滑に付着させる点から、CNT100質量部に対して、例えば、20〜400質量部、好ましくは30〜350質量部、さらに好ましくは50〜300質量部(特に50〜200質量部)程度である。
導電層は、さらに慣用の添加剤、例えば、他の導電剤(例えば、銀、金、銅、アルミニウムなどの金属を含む金属系導電剤や、カーボンブラックなどの他の炭素系導電剤など)、表面処理剤(例えば、シランカップリング剤などのカップリング剤など)、着色剤(染顔料など)、色相改良剤、染料定着剤、光沢付与剤、金属腐食防止剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、分散安定化剤、増粘剤又は粘度調整剤、チクソトロピー性賦与剤、レベリング剤、消泡剤、殺菌剤、充填剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
CNT、界面活性剤及びバインダー(必要に応じて水和安定剤や他の添加剤)を含む導電層は、繊維の表面に固着し、屈強などによる剥がれや脱落が抑制された強固な導電層を形成できる。導電層の密着性を向上させるためには、バインダーの選択において、繊維とのsp値の差や、CNTとの接着性、皮膜の強度などを考慮し、種類や配合比率を適正化してもよい。
(導電性繊維構造体)
導電性繊維構造体は、前記導電性繊維を含む布帛(面状繊維構造体)であり、編織物(織物、編物)、不織布のいずれであってもよい。
(A)編織物
編織物には、織物、編物の他、レース地、網なども含まれる。これらの編織物のうち、全面に亘って通電でき、導電効率に優れる点から、織物及び編物が好ましい。
織物としては、慣用の織物(織物生地又は織布)、例えば、タフタ織などの平織、綾織又は斜紋織(ツイル織)、朱子織、パイル織などが挙げられる。これらの織物のうち、高密度の組織を形成でき、導電効率を向上し易い点から、ツイル織、平織が好ましい。
編物としても、慣用の編物(編物生地又は編布)、例えば、平編(天竺編)、経編、丸編、横編、両面編、ゴム編、パイル編などが挙げられる。
さらに、編織物は、少なくとも一部に導電性繊維を含んでいればよく、その割合は、編織物の種類に応じて選択でき、例えば、編織物全体に対して、例えば、1質量%以上(例えば、1〜100質量%)、好ましくは10〜100質量%(例えば、20〜90質量%)、さらに好ましくは30〜100質量%(例えば、40〜80質量%)程度である。
導電性繊維と非導電性繊維とを組み合わせて編織物を形成する場合、非導電性繊維としては、導電性繊維を構成する有機繊維が利用でき、なかでも、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維が好ましく、ポリエステル系繊維が特に好ましい。非導電性繊維も、横断面形状や種類も、マルチフィラメント糸や紡績糸における単糸繊度、本数、撚り数などについても、導電性繊維と同様の繊維を利用できる。なお、織物の経糸として、非導電性繊維を使用する場合、導電性繊維で構成された緯糸の繊度に対して、例えば、1.1〜2倍、好ましくは1.2〜1.9倍、さらに好ましくは1.3〜1.8倍程度の繊度であってもよい。
編織物の単位面積当たりの重さ(目付量)としては、発熱効率の点から、例えば、10〜300g/m、好ましくは30〜250g/m、さらに好ましくは50〜200g/m程度である。目付量をこの範囲にすることにより、軽量で薄くてしなやかな繊維構造体を形成できる。
編織物の厚みは、例えば、0.1〜1mm、好ましくは0.15〜0.8mm、さらに好ましくは0.2〜0.6mm程度である。
さらに、織物の場合、経糸及び/又は緯糸の全部又は一部を導電性繊維で構成してもよい。特に、経糸及び緯糸のいずれかを導電性繊維で構成することにより、打ち込み本数の調整により導電性繊維構造体の導電性を容易に調整できる。
また、10cm/(cm・秒)以上の通気度を確保するために、織物密度を調整してもよい。密閉性を目的とした高密度織物でなく、通常の衣料用の規格であれば、容易に前記通気度を確保できる。編物の場合にも、通常の衣料用の規格であれば、容易に前記通気度を確保でき、メッシュ状の規格であれば、さらに高い通気度を確保できる。
(B)不織布
不織布は、導電性繊維を一定の長さに切断して短繊維とし、この短繊維を含む不織布であってもよい。短繊維の長さは、例えば、10〜300mm、好ましくは30〜200mm、さらに好ましくは50〜100mm程度である。
不織布の製造方法は、特に限定されないが、カード機を通して交絡させるカーディング方式、空気流により交絡させるエアーレード方式、水分に分散させて紙のように漉く湿式法などを利用できる。さらに必要に応じて、繊維同士を交絡させる方法として、熱融着繊維を混入して熱処理により結合させるサーマルボンド法、接着剤を用いるケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法などと組み合わせてもよい。
これらの方法において、不織布の目付、接着剤の付着量を調整することにより10cm/(cm・秒)以上の通気度を確保してもよい。例えば、ケミカルボンド法における接着剤としては、導電性繊維の項で例示されたバインダーなどを例示でき、接着剤の割合は、不織布に対して、固形分換算で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%程度であってもよい。不織布の目付量は、例えば、10〜1000g/m、好ましくは50〜500g/m、さらに好ましくは100〜300g/m程度であってもよい。
(導電性繊維構造体の製造方法)
導電性繊維構造体は、繊維の表面にCNTを付着できれば、特に限定されず、予め繊維の表面にCNTを付着させて導電性繊維を製造した後、得られた導電性繊維を用いて編織成などにより導電性繊維構造体を製造する方法、非導電性繊維構造体にCNTを付着させて導電性繊維構造体を製造する方法のいずれの方法であってもよい。
(A)導電性繊維の製造方法
導電性繊維は、CNTを含む分散液を用いて、有機繊維の表面にCNTを含む導電層を付着させる工程の後、導電層が表面に付着した有機繊維を乾燥する工程を経て製造される。
導電層の付着工程において、分散液中におけるCNTの濃度は、特に制限されないが、目的とする電気抵抗値に応じて、分散液の全質量に対してCNTの含有量が0.01〜30質量%(特に0.1〜10質量%)となる範囲から適宜選択できる。バインダーを使用する場合も、CNTに対して所望の割合となるように、このような範囲から選択できる。
CNTを分散させるための分散媒(液体媒体)としては、例えば、慣用の極性溶媒(水、アルコール類、アミド類、環状エーテル類、ケトン類など)、慣用の疎水性溶媒(脂肪族又は芳香族炭化水素類、脂肪族ケトン類など)、又はこれらの混合溶媒などが使用できる。これらの溶媒のうち、簡便性や操作性の点から、水が好ましく用いられる。
また、処理に用いるCNTの分散液は、水などの液体媒体中にCNTを凝集することなく安定に分散させるために、界面活性剤を含有するのが好ましい。界面活性剤の使用量は、例えば、CNT100質量部に対して、0.01〜100質量部、好ましくは0.03〜50質量部、さらに好ましくは0.05〜30質量部(特に0.1〜20質量部)程度である。
界面活性剤、特に両性イオン界面活性剤を用いたCNTの分散液では、界面活性剤の液体媒体(水など)への溶解を促進してその界面活性作用を十分に発揮させるために、分散液中にハイドレート(水和安定剤)を添加するのが好ましい。
水和安定剤の使用量は、界面活性剤100質量部に対して、例えば、0.01〜500質量部、好ましくは1〜400質量部、さらに好ましくは10〜300質量部程度である。
このような分散液の調製方法は、特に制限されず、CNT間の凝集、バンドル化を生ずることなく、CNTが水などの液体媒体中に微分散状態で安定に分散した分散液を調製できる方法であれば、いずれの方法で調製してもよい。
特に、界面活性剤(特に両性イオン界面活性剤)の存在下で、水性媒体のpHを4.0〜8.0、好ましくは4.5〜7.5、さらに好ましくは5.0〜7.0に保持しながら、水性媒体(水)中にCNTを分散処理する調製方法が好ましい。この調製方法における分散処理は、分散装置としてメディアを用いたミル(メディアミル)を用いて行うのが好ましい。メディアミルの具体例としては、ビーズミル、ボールミルなどを挙げることができる。ビーズミルを用いる場合には、直径が0.1〜10mm、好ましくは0.1〜1.5mm(例えば、ジルコニアビーズなど)などが好ましく用いられる。特に、予めボールミルを用いて、CNT、界面活性剤(及び必要に応じてバインダーなど)を水性媒体中に混合してペースト状物を調製した後、ビーズミルを用いて界面活性剤を含む水性媒体を加えて分散液を調製してもよい。
この調製方法で得られる分散液においては、界面活性剤によってCNT間のファンデルワールス力による凝集及びバンドル形成を生ずることなく、水性媒体中に微分散状で安定に分散しているので、この分散液を用いて処理を行うと、繊維表面にCNTを均一に付着させることができる。
CNTの分散液による有機繊維の処理方法は、特に制限されず、有機繊維の繊維表面にCNTを含む導電層を均一に付着できる方法であればいずれの方法であってもよい。そのような処理方法としては、例えば、有機繊維をCNTの分散液中に浸漬する方法、タッチ式ローラを用いたサイジング装置、ドクター、パッド、噴霧装置、糸プリント装置などの被覆装置を用いて有機繊維をCNTの分散液で処理する方法などが挙げられる。
分散液を用いた処理における温度は、特に限定されず、例えば、0〜150℃程度の範囲から選択でき、好ましくは5〜100℃、さらに好ましくは10〜50℃程度であり、通常、常温で処理される。
これらの処理方法のうち、均一な導電層を形成できる点から、CNTの分散液中に浸漬する方法、糸プリント方法が好ましい。さらに、分散液での付着処理において有機繊維に微振動を付与する方法が好ましい。繊維に微振動を付与しながら、有機繊維を処理すると、分散液が紡績糸の内部、マルチフィラメント糸の束の内部にまで浸透し、繊維の内部や繊維の単糸1本1本の全表面にわたって均一な導電層を形成できる。
微振動の振動数としては、例えば、20Hz以上であればよく、例えば、20〜2000Hz、好ましくは50〜1000Hz、さらに好ましくは100〜500Hz(特に100〜300Hz)程度である。
微振動を付与する手段は、特に限定されず、慣用の手段、例えば、機械的な手段や超音波を使用する手段などが挙げられる。機械的な手段としては、例えば、繊維をサイジング装置や浸漬槽などに案内するための糸ガイド又はサイジング装置や浸漬槽自体に振動を付与することにより、もしくは分散液に振動を付与することにより、繊維に振動を付与する方法であってもよい。
分散液を用いた付着処理は、1回だけの操作であってもよいし、同じ操作を複数回繰り返してもよい。
乾燥工程では、CNTの分散液で処理を行った有機繊維から液体媒体を除去し、乾燥することで、繊維表面にCNTが導電層として均一に薄層状態で付着した導電性繊維を得る。
乾燥温度は、分散液中の液体媒体(分散媒)の種類に応じて選択でき、分散媒として水を用いた場合には、有機繊維の材質にもよるが、通常、100〜230℃(特に110〜200℃)程度の乾燥温度が採用される。ポリエステル繊維の場合、例えば、120〜230℃(特に150〜200℃)程度であってもよい。
(B)非導電性繊維構造体にCNTを付着させる方法
非導電性繊維構造体にCNTを付着させて導電性繊維構造体を製造する方法としては、編織物や不織布などの非導電性繊維構造体を、導電性繊維の項で記載されたCNTを含む分散液(特にCNT、界面活性剤及びバインダーを含む分散液)で処理する製造方法を利用できる。分散液の処理方法としては、分散液中に浸漬する方法(ディップ・ニップ方式)が好ましい。さらに、編織物を処理する場合にも、編織物内部にまでCNTを浸透できる点から、導電性繊維の項で記載された微振動を編織物に付与しながら処理する方法が好ましい。
(電気接続部)
面状導電体には、印加電圧を導電性繊維構造体全体に行き渡らせるために、導電性繊維構造体に対して電気接続部を形成してもよい。特に、電気接続部を形成することにより、導電性繊維構造体の表面抵抗率を低下させて20000Ω/□以下の表面抵抗率を有する面状導電体を調製してもよい。
電気接続部は、通電可能な導電材料で形成されており、導電性を有していれば特に限定されず、炭素材やセラミックなどであってもよいが、通常、金属が利用される。金属としては、例えば、タングステンなどの周期表第6A族金属、マンガンなどの周期表第7A族金属、鉄、ニッケル、コバルト、白金などの周期表第8族金属、銅、銀、金などの周期表第1B族金属、亜鉛などの周期表第2B族金属、アルミニウムなどの周期表第3B族金属、スズ、鉛などの周期表第4B族金属、ビスマスなどの周期表第5B族金属などが挙げられる。これらの金属のうち、クロム、ニッケル、銅、銀、金、アルミニウムなどの金属が汎用される。
電気接続部の形状は、導電性繊維構造体の形状に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、通常、矩形状シートである導電性繊維構造体の両端部に配設されるため、帯状又は線状(繊維状又は棒状)である。電気接続部のサイズは、導電性繊維構造体の形状に応じて選択できる。例えば、電気接続部が帯状の場合、幅及び厚みは、導電繊維性構造体のサイズに応じて選択でき、幅が1〜100mm、好ましくは2〜50mm、さらに好ましくは3〜30mm程度であり、厚みが0.01〜1mm、好ましくは0.02〜0.5mm、さらに好ましくは0.03〜0.1mm程度であってもよい。線状の場合、線径は、導電性繊維構造体のサイズに応じて選択でき、例えば、0.1〜30mm、好ましくは1〜20mm、さらに好ましくは3〜10mm程度である。
電気接続部の配設方法は、印加電圧が導電性繊維構造体全体に行き渡るように配設できれば、特に限定されず、通常、矩形状シートである導電性繊維構造体の両端部に配設される。
電気接続部を導電性繊維構造体に固定する方法としては、導電性繊維構造体の種類に応じて選択でき、導電性繊維構造体が織物の場合、繊維状電気接続部を織物の一部として織成する方法、帯状電気接続部を導電性粘着剤で貼着する方法、線状又は帯状電気接続部を縫製により固定する方法などが好ましい。経糸又は緯糸の全部又は一部が導電性繊維で形成された織物では、導電性繊維に直交して線状又は帯状電気接続部を接続することにより、織物全体に印加電圧が行き渡り易い。
また、緯糸が導電性繊維で構成された織物の場合、金属繊維などの繊維状の電極部を織物の緯方向の両端に経糸として導入する方法、帯状電気接続部の長さ方向を経糸と平行にして、織物の緯方向の両端部で帯状電気接続部を導電性粘着剤で織物に貼着する方法、織物の緯方向の両端部の表面に導電剤及びバインダー成分を含む導電性ペーストを塗布する方法などであってもよい。なお、経糸が導電性繊維で構成された織物の場合、経方向と緯方向との関係は逆になる。
導電性粘着剤としては、金属粉(前記、導電性材料で例示の金属で構成された金属粉など)を含有する粘着剤(例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、オレフィン系粘着剤など)が利用できる。なお、導電性粘着剤を有する帯状電気接続部として、市販の導電性粘着テープ(導電粘着層を有する金属箔)を利用してもよい。
導電性ペーストを塗布する方法としては、金属粉などの導電剤、バインダー及び溶媒を含むペーストをスクリーン印刷法などにより織物の表面に塗工後、バインダーの種類に応じて、熱や光などで硬化させる方法などが挙げられる。
導電性繊維構造体が編物又は不織布の場合、帯状電気接続部を導電性粘着剤で貼着する方法、線状又は帯状電極部を縫製により固定する方法、導電剤及びバインダー成分を含む導電性ペーストを塗布する方法などが好ましい。例えば、経編、横編、丸編ともに編物生地のコース方向の両端で金属繊維などの繊維状電極部を縫い付ける方法、帯状電気接続部の長さ方向を経糸とコース方向と平行にして、編物のウエール方向の両端部で帯状電極部を導電性粘着剤で編物に貼着する方法などであってもよい。
これらのうち、経糸及び緯糸のいずれか一方のみが導電性繊維で形成された織物に対して導電性繊維と直交する方向に電気接続部を形成するのが好ましい。
[面状導電体]
本発明の面状導電体は、導電性繊維構造体を含むため、導電性に優れている。面状導電体の表面抵抗率は20000Ω/□(単位面積当たりの抵抗値)以下であり、例えば、10000Ω/□以下(例えば、1〜10000Ω/□)、好ましくは5000Ω/□以下(例えば、10〜5000Ω/□)、さらに好ましくは1000Ω/□以下(例えば、100〜1000Ω/□)程度である。表面抵抗率が高すぎると、導電体の近傍に存在する誘電体による静電容量の変化を検知することが困難となる。具体的には、20000Ω/□を超えると、面状導電体の静電容量が低いため、近傍に誘電体が存在しても充分な静電容量差を発現できず、センサーとしての感度が低下する。表面抵抗率が低すぎると、必要以上の静電容量差が生じるため、センサーとしての感度が過剰となり、印加電圧などの調整が必要となる。表面抵抗率は、JIS K 7194に準じた方法で測定できる。
面状導電体は、表面にCNTが付着した導電性繊維で形成され、柔軟性にも優れるため、使用時の繰り返し屈曲によるセンサー性能の低下を抑制でき、1万回の屈曲後の表面抵抗率が初期値の1.5倍以下であってもよく、例えば、1.3倍以下(例えば、1〜1.3倍)、好ましくは1.2倍以下(例えば、1.001〜1.2倍)、さらに好ましくは1.1倍以下(例えば、1.01〜1.1倍)程度である。1万回の屈曲後の表面抵抗率が1.5倍を超えると、センサーの精度に有意差が生じ易く、再調整が必要となる。特に、表面抵抗率が上昇して20000Ω/□を超えると、前述のように、センサーの感度が低下する。1万回の屈曲試験は、後述の実施例に記載の方法(直径5mmのローラーで固定した90°曲げを1万回往復する方法)で測定できる。
面状導電体は、通気性にも優れるため、人体の近傍で使用しても、水分が籠もることなく、蒸れ感を抑制できる。特に、人体の存在や排尿の有無を検知するベッドの下敷きの一部に組み込む場合など、水分による蒸れを防止するために通気性を確保することもできる。フラジール形法による通気度は10cm/(cm・秒)以上[例えば、10〜1000cm/(cm・秒)]、好ましくは20〜500cm/(cm・秒)、さらに好ましくは30〜300cm/(cm・秒)程度である。なお、用途により密閉性や非透水性が要求される場合には、別途カレンダー加工や、防水性樹脂によるラミネート加工などを施してもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例における導電性繊維構造体の評価方法は、以下に示す方法により測定した。なお、実施例中の「部」及び「%」はことわりのない限り、質量基準である。
[表面抵抗率]
JIS K7194に準じ、サンプルの縦方向及び横方向について、各々5箇所ずつ測定し、平均値を求めた。
[耐屈曲性試験]
平行に隣接して配設された2本の丸棒状ローラー(直径5mmφの円柱状ローラー)を備えた屈曲試験機を用いて行った。詳しくは、面方向が垂直方向となる方向でサンプルをローラー間に挿入し、ローラー間でサンプルの略中央部を挟んで固定した。次に、サンプルの上端をクリップを用いて固定し、1往復/秒の速度で、左右交互に90°ずつ屈曲させる往復運動を1万回繰り返した後、試験後の表面抵抗率を測定した。
[通気度]
JIS L1096に準じ、フラジール形法にて測定した。
[静電容量の測定]
サンプルの端(角部)に電線を取り付け、この電線をLCRメーター(アジレント・テクノロジー社製「型番4284A」)に接続し、交流印加電圧100V、60Hzにて静電容量を測定した。
実施例1
(1)CNTの水性分散液の調製
(i)3−(ジメチルステアリルアンモニオ)プロパンスルホネート(両性イオン界面活性剤)2.0g、グリセリン(水和安定剤)5mlおよび脱イオン水495mlを混合して、界面活性剤の水溶液(pH6.5)を調製した。
(ii)前記(i)で得られた界面活性剤の水溶液500ml及びCNT(バイエル社製、Baytube C150P)30.4gを、ボールミル胴体(円筒形、内容積=1800ml、ボールの直径=150mm、ボール量の充填量=3200g)に入れて、手で攪拌してペースト状物とした後、ボールミル胴体を回転架台((株)アサヒ理化製作所製「AS ONE」)に載せて1時間撹拌してCNTを含有する液状物とした。
(iii)前記(ii)で生成したCNTを含有する液状物の全量をボールミル胴体から取り出して、前記(i)と同様に調製した界面活性剤の水溶液500mlを追加し、さらにバインダー(明成化学(株)製、「メイバインダーNS」、ポリエステル系バインダー)を固形成分換算で30.0g添加し、ビーズミル(WAB社製「ダイノーミル」、筒形状、内容積=2000ml、直径0.6mmのジルコニアビーズを1800g充填)に充填して、回転数300回/分の条件下に60分間撹拌して、両性イオン界面活性剤を含有するカーボンナノチューブの水性分散液[カーボンナノチューブの濃度=2.96w/w%、バインダーの含有量=2.26w/w%]を調製した。なお、ビーズミルによる撹拌操作中、水性分散液のpHは5.3〜6.8に維持されていた。
(2)ポリエステル加工糸へのCNTの付着処理
市販のポリエステル加工糸(クラレトレーディング(株)製、「SD167T48」、167dtex/48フィラメント)に対して、前記(1)で得られたCNTの水性分散液を用い、一般的なサイジング糊付け手法でCNTを付着した。詳しくは、ポリエステル加工糸を分散液に浸漬する際に、微振動させた糸ガイドを通して、200Hzの微振動を糸に与え、次いで、180℃で2分間乾燥し、抵抗値が1200Ω/cmのCNTが付着した240dtex/48フィラメントの導電性繊維を得た。得られた導電繊維におけるCNTの付着量を前記方法で測定したところ、付着量は導電繊維全体に対して10.5質量%であった。
(3)織布の作成
得られた導電繊維を経糸及び緯糸に配置し、平織組織にて織物を作成した、経糸、緯糸の打ち込み本数は、各々70本/インチ、60本/インチであった。得られた導電性繊維構造体の表面抵抗率は250Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は254Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は30cm/(cm・秒)であった。
(4)センサー評価
得られた導電性織布を、経緯30cm×30cmにカットし、電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:560pF、離床時:33pFと、検知に充分な静電容量を示し、センサーとして有効であることを確認した。また、前記導電性織布を敷いた状態にて、ベッド上の被験者は、前記導電性織布を敷かない状態と比べて、特にベッドの感触や、蒸れ感に有意差は感じなかった。
実施例2
(1)織布の作成
経糸として、市販のポリエステル加工糸(SD167T48)を配置し、緯糸として、市販のポリエステル加工糸(SD167T48)と実施例1の(2)で得られた導電性繊維とを、市販のポリエステル加工糸を1cm幅に、導電性繊維を5cm幅に配置して打ち込み、平織組織にて織物を作成した。経糸、緯糸の打ち込み本数は、各々90本/インチ、60本/インチであった。得られた導電性織布を経緯30cmの正方形に切り出し、緯糸に直交する方向に生地の両端に1cm幅にて銀系導電性ペースト(藤倉化成(株)製「ドータイトFA333」、銀粒子入りペースト)を30mg/cmの塗布量でスクリーン印刷方式で塗工した後、150℃にて20分熱処理し、電気接続部を形成した。得られた導電性織布の表面抵抗率は762Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は774Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は35cm/(cm・秒)であった。
(2)センサー評価
得られた導電性織布の電気接続部に電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:430pF、離床時:27pFと、検知に充分な静電容量を示し、センサーとして有効であることを確認した。また、前記導電性織布を敷いた状態にて、ベッド上の被験者は、前記導電性織布を敷かない状態と比べて、特にベッドの感触や、蒸れ感に有意差は感じなかった。
実施例3
(1)編布の作成
実施例1の(2)で得られた導電性繊維を用いて丸編み生地を作成し、ウエール方向に切り開いて、30cmの正方形に切り出し、目付94g/mの生地を得た。生地端がほつれないように生地の端部分に樹脂加工を施した。得られた導電性編布の表面抵抗率は463Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は488Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は220cm/(cm・秒)であった。
(2)センサー評価
得られた導電性編布を、縦横30cm×30cmのサンプルの電気接続部に電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:355pF、離床時:21pFと、検知に充分な静電容量を示し、センサーとして有効であることを確認した。また、前記導電性編布を敷いた状態にて、ベッド上の被験者は、前記導電性編布を敷かない状態と比べて、特にベッドの感触や、蒸れ感に有意差は感じなかった。
実施例4
(1)不織布の作成
実施例1の(2)で得られた導電性繊維を繊維長76mmにカットし、カーディング工程にて、120g/mのウェブを得た。このウェブに、エチレン−酢酸ビニル共重合体バインダー(住化ケムテックス(株)製「S−755」)を固形分換算で2質量%となるように噴霧し、160℃、2分間の乾燥熱処理を行い、導電性不織布を得た。得られた導電性不織布の表面抵抗率は755Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は793Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は155cm/(cm・秒)であった。
(2)センサー評価
得られた導電性不織布を、縦横30cm×30cmにカットし、電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:267pF、離床時:22pFと、検知に充分な静電容量を示し、センサーとして有効であることを確認した。また、前記導電性不織布を敷いた状態にて、ベッド上の被験者は、前記導電性不織布を敷かない状態と比べて、特にベッドの感触や、蒸れ感に有意差は感じなかった。
実施例5
(1)CNTコーティング織布の作成
実施例1の(1)で作成したCNTの水性分散液中に、市販のポリエステル織布(財団法人日本規格協会製「ポリエステル」、タフタ、目付58g/m)を浸漬させ、ニップローラーで絞り、テンターで拡げて180℃で2分間熱風循環槽にて乾燥した。この操作を合計3回繰り返し、CNTが付着した生地を得た。得られた導電性不織布を構成する導電性繊維におけるCNTの付着量を前記方法で測定したところ、付着量は導電繊維全体に対して12.2質量%であった。得られた導電性織布の表面抵抗率は130Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は136Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は45cm/(cm・秒)であった。
(2)センサー評価
得られた導電性織布を、縦横30cm×30cmにカットし、電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:588pF、離床時:34pFと、検知に充分な静電容量を示し、センサーとして有効であることを確認した。また、前記導電性織布を敷いた状態にて、ベッド上の被験者は、前記導電性不織布を敷かない状態と比べて、特にベッドの感触や、蒸れ感に有意差は感じなかった。
比較例1
(1)ポリエステル加工糸へのCNTの付着処理
実施例1の(1)で作成したCNTの水性分散液を、イオン交換水にて100倍に希釈し、CNTの濃度=0.0296w/w%、バインダーの含有量=0.0226w/w%のCNT分散液を得た。この分散液を用いて、市販のポリエステル加工糸(SD167T48)に対して、一般的なサイジング糊付け手法でCNTを付着した。詳しくは、ポリエステル加工糸を分散液に浸漬する際に、微振動させた糸ガイドを通して、200Hzの微振動を糸に与え、次いで、180℃で2分間乾燥し、抵抗値が2.3×10Ω/cmのCNTが付着した190dtex/48フィラメントの導電性繊維を得た。得られた導電性繊維におけるCNTの付着量を前記方法で測定したところ、付着量は導電繊維全体に対して0.08質量%であった。
(2)織布の作成
得られた導電繊維を経糸及び緯糸に配置し、平織組織にて織物を作成した、経糸、緯糸の打ち込み本数は、各々70本/インチ、60本/インチであった。得られた導電性織布の表面抵抗率は58500Ω/□であった。さらに、1万回の屈曲後の表面抵抗率は59400Ω/□であり、良好な屈曲耐久性を示した。通気度は42cm/(cm・秒)であった。
(3)センサー評価
得られた導電性織布を、経緯30cm×30cmにカットし、電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:34pF、離床時:30pFと、殆ど有意差がなく、センサーとして有効ではなかった。
比較例2
(1)織布の作成
実施例2において、銀系導電性ペーストを塗工する前の生地を導電性織布として用いた。導電性織布の表面抵抗率を測定したが、生地の経糸方向には導通せず、表面抵抗率は0.5×10Ω以上であった。実施例2では、経糸方向に電気接続部が形成され、経糸方向に導通するため、高い表面抵抗率を示したのに対して、比較例2では、生地の経糸方向には導通しないため、表面抵抗率が実施例2に比べて大きく低下した。
(2)センサー評価
得られた導電性織布を、経緯30cm×30cmにカットし、電線を接続して、ベッドのシーツの下に敷き、その上の被験者の着床、離床での各々の状態での静電容量を測定した。その結果、着床時:23pF、離床時:25pFと、殆ど有意差がなく、センサーとして有効ではなかった。
本発明の面状導電体は、近傍の誘導体の存在を静電容量の変化により検知するセンサーの検出部(電極)として広く利用できる。
具体的には、軽量性、柔軟性、耐屈曲性を生かして、例えば、介護施設や病院などのベッドのシーツの下に設置し、オムツへの排尿や人の離床を検知するセンサー検出部として利用できる。
また、人体を検知する用途としては、イスやソファー、映画館やコンサートホールなどの会場の座席、自動車や電車などの車両、航空機などの座席シートなどに設置し、着座する人物の有無、大小、数、着座の履歴などを判別するためのセンサー検出部として利用できる。この場合にも繰り返し屈曲耐久性が有効となる。また、建物や部屋の出入り口や、各部屋などに設置し、近傍に存在又は近傍を通過する人物を検知することにより、人の有無、大小、数、存在や通過の履歴を判別し、統計資料に利用するためのセンサー検出部や、防犯システムのセンサー検出部にも利用できる。
また、動物を検知する用途としては、家の内外に設置して小動物の存在や通過の履歴を調査し、例えば、猫やイタチ、ネズミなど動物(特に小動物)の行動パターンを把握して、これらの動物による被害対策を講じるためのセンサー検出部にも利用できる。
また、植物を検知する用途としては、果物や野菜などの植物につき、その存在の有無、大小、数などを把握するためのセンサー検出部に利用できる。例えば、ある果物につき、重量計と合わせて水分量を把握することにより、重量当たりの水分率を把握するためのセンサー検出部にも利用できる。
さらに、水や水分、氷、雪を検出する用途としては、配管やタンクなどの水や水溶液、水分散液や氷を供給したり保管する設備に設置して、内部の水などの有無や水漏れを検知したり、水や氷、雪の侵入や水漏れが発生懸念のある箇所に設置して、発生時にこれを検知するシステムのセンサー検出部にも利用できる。また、降雨や降雪を検知するためのセンサー検出部や、コンクリートの打設状況を把握するために水分を検知するためのセンサー検出部にも利用できる。
これらのセンサーの中でも、ベッドの下に設置して排尿や人の離床を検知するセンサー用検出部として特に有用であり、軽量及び柔軟であるため、ベッドの上の人が違和感なく過ごすことができ、また繰り返しの屈曲でも性能の変化が殆どなく長期間安定した性能を維持できる。

Claims (8)

  1. 表面にカーボンナノチューブが付着した導電性繊維構造体を含み、かつ静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーに用いられる面状導電体であって、20000Ω/□以下の表面抵抗率を有する面状導電体。
  2. 1万回の屈曲後の表面抵抗率が初期値の1.5倍以下である請求項1記載の面状導電体。
  3. 導電性繊維構造体が、織物、編物又は不織布である請求項1又は2記載の面状導電体。
  4. 導電性繊維が、有機繊維と、この有機繊維の表面を被覆する導電層とで形成され、前記導電層が、カーボンナノチューブ、バインダー及び界面活性剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の面状導電体。
  5. 繊維構造体が、導電性繊維を用いて得られ、かつ経糸及び/又は緯糸が導電性繊維を含む織物である請求項1〜4のいずれかに記載の面状導電体。
  6. 導電性繊維構造体が、織物、編物又は不織布にカーボンナノチューブを付着して得られた構造体である請求項1〜4のいずれかに記載の面状導電体。
  7. 導電性繊維構造体の通気度が10cm/(cm・秒)以上である請求項1〜6のいずれかに記載の面状導電体。
  8. 静電容量の変化により誘電体を検知するセンサーの検出部であり、かつ請求項1〜7のいずれかに記載の面状導電体で形成されているセンサー検出部。
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