JPWO2011089790A1 - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

低純度四塩化珪素を得る四塩化珪素製造工程と、四塩化珪素蒸留工程と、多結晶シリコンを得る多結晶シリコン製造工程と、該排出ガス中の成分を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素とに、を分離する第1分離工程と、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物を、電解して、亜鉛と塩素ガスとを得る電解工程と、を有し、該第1分離工程で分離された該未反応四塩化珪素を、該四塩化珪素蒸留工程に移送して、該低純度四塩化珪素と共に蒸留し、該電解工程で得られた塩素ガスを、該四塩化珪素製造工程で反応させる塩素ガスとして用い、該電解工程で得られた亜鉛を、該多結晶シリコン製造工程で反応させる亜鉛として用いること、を特徴とする多結晶シリコンの製造方法。本発明によれば、製造コストが低く、運転管理及び装置管理が簡便な多結晶シリコンの製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、多結晶シリコンの製造方法に関するものであり、更に詳しくは、太陽電池用多結晶シリコンを製造するための多結晶シリコンの製造方法に関するものである。
近年の太陽電池の普及に伴い、多結晶シリコンの需要は急増している。従来、高純度の多結晶シリコンを製造する方法としてシーメンス法(Siemens Method)が挙げられる。シーメンス法はトリクロロシラン(SiHCl)を水素(H)によって還元する方法である。シーメンス法により製造される多結晶シリコンは純度がイレブン−ナイン(11−N)と非常に高く、半導体用シリコンとして使用されている。太陽電池用シリコンもこの半導体用シリコンとして製造された製品の一部を使用してきたが、11−Nほどの純度を必要としない点とシーメンス法が多くの電力を消費する点から、太陽電池用シリコンに適した安価な製造方法が求められている。
このような中、太陽電池用シリコンの製造方法として、亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法が提案されており、その反応は下記式(1):
SiCl + 2Zn = Si + 2ZnCl (1)
により示すものである。
亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法では、製造される多結晶シリコンの純度はシックス−ナイン(6−N)程度であり、半導体用シリコンに比べると純度は低いものの、シーメンス法と比較して5倍程度にも達する程反応効率に優れ且つ製造コストも有利な製造方法である。
多結晶シリコンの製造方法としては、例えば、反応容器内で液体又は気体状態の四塩化珪素を溶融亜鉛で還元し、生成した多結晶シリコンと塩化亜鉛とを含有する混合物を反応容器外に取り出し、前記混合物を分離容器に収容し、混合物中の塩化亜鉛を分離してのち、多結晶シリコンを分離容器から回収することを特徴とする多結晶シリコンの製造方法(特許文献1)や、反応容器内で液体または気体状態の四塩化珪素を溶融亜鉛で還元し、生成した多結晶シリコンと塩化亜鉛とを含有する混合物を反応容器外に取り出してのち、前記混合物中の塩化亜鉛を分離して、多結晶シリコンを回収する高純度シリコンの製造方法であって、分離された塩化亜鉛を電気分解して金属亜鉛と塩素を回収し、回収された金属亜鉛を再び前記四塩化珪素の還元剤として用いるとともに、回収された塩素を水素と合成させて塩化水素とし、前記四塩化珪素を生成するための金属シリコンの塩化処理に用いることを特徴とする高純度シリコンの製造方法が報告されている(特許文献2)。
また、(1)金属珪素を塩化水素ガスと反応させる工程、(2)前記工程(1)で得られた反応生成物を蒸留し、四塩化珪素を得る工程、(3)前記工程(2)で得られた四塩化珪素を、800〜1200℃の反応炉内で、亜鉛ガスと反応させ、高純度シリコンを生成する工程、(4)前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を水素ガスと反応させる工程、および(5)前記工程(4)で得られた反応生成物から亜鉛と塩化水素とを分離回収する工程を含むとともに、前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)の反応に供給される亜鉛ガスの原料として使用し、かつ、前記工程(5)で分離回収された塩化水素を、前記工程(1)の反応に供給される塩化水素ガスの原料として使用する高純度シリコンの製造方法(特許文献3)が開示されている。
特開平11−011925号公報(特許請求の範囲) 特開平11−92130号公報(特許請求の範囲) 特開2008−260676号公報(特許請求の範囲)
ところが、特許文献1及び2の方法は、亜鉛を気化させず溶融亜鉛として使用するため、設備が大型になり、多大な製造設備が必要となるので、シリコン製造のコストアップをもたらすという問題がある。また、特許文献3の方法では、工程(1)で選択的にトリクロロシランを製造するための精密な運転制御が必要であり、また、反応性が高いトリクロロシランガスを使用するため、付帯設備を複数設ける必要があり、これらの設備整備に多大な労力を要するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、製造コストが低く、運転管理及び装置管理が簡便な多結晶シリコンの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気とを反応炉内で反応させて、多結晶シリコンを析出させる方法において、反応炉内で多結晶シリコンを析出させ、排出ガス中から、未反応の四塩化珪素及びキャリアーガスを分離回収し、次いで、反応により生成した塩化亜鉛を未反応の亜鉛とともに、電解して、塩素ガス及び亜鉛を分離回収し、それらを、再び、多結晶シリコンの製造に再使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明(1)は、原料金属シリコンを塩素ガスと反応させて、低純度四塩化珪素を得る四塩化珪素製造工程と、
該低純度四塩化珪素を蒸留して、高純度四塩化珪素を得る四塩化珪素蒸留工程と、
該高純度四塩化珪素の蒸気と、亜鉛の蒸気とを、反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを該反応炉内に析出させて、多結晶シリコンを得る多結晶シリコン製造工程と、
該排出ガス中の成分を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素とに、を分離する第1分離工程と、
該第1分離工程で分離された該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物を、電解して、亜鉛と塩素ガスとを得る電解工程と、
を有し、
該第1分離工程で分離された該未反応四塩化珪素を、該四塩化珪素蒸留工程に移送して、該低純度四塩化珪素と共に蒸留し、
該電解工程で得られた塩素ガスを、該四塩化珪素製造工程で反応させる塩素ガスとして用い、
該電解工程で得られた亜鉛を、該多結晶シリコン製造工程で反応させる亜鉛として用いること、
を特徴とする多結晶シリコンの製造方法を提供するものである。
また、本発明(2)は、前記多結晶シリコン製造工程が、四塩化珪素蒸気と、亜鉛蒸気と、を反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを析出棒に析出させる多結晶シリコン製造工程であることを特徴とする(1)の多結晶シリコンの製造方法を提供するものである。
また、本発明(3)は、前記析出棒が、炭化珪素棒であることを特徴とする(2)の多結晶シリコンの製造方法を提供するものである。
また、本発明(4)は、前記多結晶シリコン製造工程が、四塩化珪素蒸気と、亜鉛蒸気と、を反応炉内に設置されている内挿容器の上部から該内挿容器内に供給し、該内挿容器の下部から排出ガスを排出して、該内挿容器内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行う多結晶シリコン製造工程であることを特徴とする(1)の多結晶シリコンの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、製造コストが低く、運転管理及び装置管理が簡便な多結晶シリコンの製造方法を提供することができる。
本発明の多結晶シリコンの製造方法を示す模式的なフロー図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉の形態例の模式的な端面図である。 図2中の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)を示す端面図である。 四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管の設置位置及び形状の形態例を示す模式図である。 四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管の設置位置及び形状の形態例を示す模式図である。 多結晶シリコン製造工程503により得られる多結晶シリコンを示す模式図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉の形態例の模式的な端面図である。 図7中の反応炉の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)と四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁と亜鉛蒸気の供給空間の区画壁とを示す端面図である。 図7中の反応炉の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)とを示す端面図であり、水平方向に切ったときの端面図である。 炭化珪素棒(析出棒)に四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が供給されている様子を示す模式図である。 図7中の反応炉の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)とを示す端面図であり、水平方向に切ったときの端面図である。 四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の第2の形態例を示す模式図である。 四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の第3の形態例を示す模式図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器内が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。 図14中の内挿容器を示す端面図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器内が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器内が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。 多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉のうち、反応炉内に内挿容器が設置されている形態例の模式的な端面図である。 第1分離工程に用いられる分離回収装置の模式的な断面図である。 図21中のx−x線で切った断面図である。 図21中の回転翼を示す図である。 溶融塩電解槽の形態例の模式図である。 水溶液電解槽の形態例の模式図である。
本発明の多結晶シリコンの製造方法は、原料金属シリコンを塩素ガスと反応させて、低純度四塩化珪素を得る四塩化珪素製造工程と、
該低純度四塩化珪素を蒸留して、高純度四塩化珪素を得る四塩化珪素蒸留工程と、
該高純度四塩化珪素の蒸気と、亜鉛の蒸気とを、反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを該反応炉内に析出させて、多結晶シリコンを得る多結晶シリコン製造工程と、
該排出ガス中の成分を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素とに、を分離する第1分離工程と、
該第1分離工程で分離された該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物を、電解して、亜鉛と塩素ガスとを得る電解工程と、
を有し、
該第1分離工程で分離された該未反応四塩化珪素を、該四塩化珪素蒸留工程に移送して、該低純度四塩化珪素と共に蒸留し、
該電解工程で得られた塩素ガスを、該四塩化珪素製造工程で反応させる塩素ガスとして用い、
該電解工程で得られた亜鉛を、該多結晶シリコン製造工程で反応させる亜鉛として用いること、
を特徴とする多結晶シリコンの製造方法である。
本発明の多結晶シリコンの製造方法について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の多結晶シリコンの製造方法を示す模式的なフロー図であり、(1−1)は、多結晶シリコン製造工程503で、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気のいずれも、キャリアーガスで希釈しないで反応炉に供給する形態例であり、(1−2)は、多結晶シリコン製造工程503で、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気のいずれも、キャリアーガスで希釈して反応炉に供給する形態例である。
図1中(1−1)に示す本発明の多結晶シリコンの製造方法の形態は、四塩化珪素製造工程501と、四塩化珪素蒸留工程502と、多結晶シリコン製造工程503と、第1分離工程504と、電解工程506と、を有する。
図1中(1−2)に示す本発明の多結晶シリコンの製造方法の形態は、四塩化珪素製造工程501と、四塩化珪素蒸留工程502と、多結晶シリコン製造工程503と、第1分離工程504と、第2分離工程505と、電解工程506と、を有する。つまり、図1中(1−2)に示す本発明の多結晶シリコンの製造方法の形態は、該第1分離工程504の後段に、該第2分離工程505を有する形態である。図1中(1−2)に示す本発明の多結晶シリコンの製造方法の形態は、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給の際に、キャリアーガスを用いているため、該第2分離工程505で、該第1分離工程504で生じる未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物を、未反応四塩化珪素と、キャリアーガスとに分離した後、未反応四塩化珪素を該四塩化珪素蒸留工程502に移送する形態である。
該四塩化珪素製造工程501は、四塩化珪素の製造原料となる原料金属シリコン510を塩素ガス511と反応させて、低純度四塩化珪素512を得る工程である。
該原料金属シリコンとしては、特に限定されず、一般的に公知のものが何の制限もなく使用される。例えば、該原料金属シリコンとしては、主にシリコンと酸素からなる珪石を木炭などの還元剤と一緒に電気炉で融解、還元して得られる金属シリコンなどが挙げられる。該原料金属シリコンの純度は、特に制限されないが、純度の高いケミカルグレード品を用いることが好ましい。また、該原料金属シリコンは、不純物として鉄、アルミニウム、カルシウム、チタン、リン、ホウ素などを含有していてもよい。これらの不純物は、四塩化珪素製造工程501にて金属シリコンと同様に塩素化されるが、後段の該四塩化珪素蒸留工程502で除去される。
該塩素ガス511は、該電解工程506で得られた塩素ガスである。また、該電解工程506から返送される該塩素ガス511の量が、該四塩化珪素製造工程501で用いる塩素ガスの量に足りないときは、適宜、塩素ガスを製造フロー内に補充してもよい。
該原料金属シリコン510と該塩素ガス511とを反応させる方法としては、特に制限されないが、例えば、該原料金属シリコン510を粉末化し、金属シリコン粉末を加熱した流動層内で該塩素ガス511と接触させ反応させる方法や、該原料金属シリコン510の塊を固定床反応装置に充填し、加熱した該塩素ガス511を吹き込み反応させる方法や、該原料金属シリコン510を連続的に固定床反応装置に導入し、該塩素ガス511と連続的に反応させる方法等が挙げられる。該原料金属シリコン510と該塩素ガス511とを反応させる際の反応温度は、250〜900℃、好ましくは350〜800℃である。
該四塩化珪素蒸留工程502は、該四塩化珪素製造工程501で得られた該低純度四塩化珪素512を蒸留し、精製して、高純度四塩化珪素513を得る工程である。そして、該四塩化珪素蒸留工程502には、該第1分離工程504で分離された未反応四塩化珪素514(1−1)又は該第2分離工程505で分離された未反応四塩化珪素514(1−2)を返送し、該未反応四塩化珪素514を該四塩化珪素製造工程501で得られた該低純度四塩化珪素512と共に蒸留する。
該低純度四塩化珪素512を蒸留する方法及び条件としては、特に制限されない。例えば、1つの蒸留塔を用いて、蒸留塔の中下段に該低純度四塩化珪素512を供給し、塔頂から不純物である低沸点塩化物(未反応塩素、塩化ホウ素など)を取り出し、中上段から該高純度四塩化珪素513を取り出し、塔底から不純物である高沸点塩化物(塩化鉄、塩化アルミニウム、三塩化チタン、三塩化リンなど)等の不純物を取り出す方法が挙げられる。また、2つの蒸留塔(第1蒸留塔及び第2蒸留塔)を用いて、第1蒸留塔の中段に該低純度四塩化珪素512を供給し、塔底から不純物である高沸点塩化物(塩化鉄、塩化アルミニウム、三塩化チタン、三塩化リンなど)等の不純物を取り出し、塔頂から四塩化珪素及び不純物である低沸点塩化物(未反応塩素、塩化ホウ素など)を取り出したのち、これら四塩化珪素及び不純物である低沸点塩化物を第2蒸留塔の中段に供給し、塔頂から不純物である低沸点塩化物(未反応塩素、塩化ホウ素など)を取り出し、塔底から該高純度四塩化珪素513を取り出す方法が挙げられる。このように蒸留塔は1塔でも複数塔でも構わない。このとき、該未反応四塩化珪素514を、蒸留塔に供給される前の該低純度四塩化珪素512に混合してもよいし、あるいは、蒸留塔の適切な位置に供給してもよい。
該多結晶シリコン製造工程503は、該高純度四塩化珪素513と、該電解工程506で得られた亜鉛515と、を、反応炉内で反応させて、該反応炉内に多結晶シリコン516を析出させ、多結晶シリコン516を得る工程である。なお、該電解工程506から返送される該亜鉛515の量が、該多結晶シリコン製造工程503で用いる亜鉛の量に足りないときは、適宜、亜鉛を製造フロー内に補充してもよい。
該多結晶シリコン製造工程503では、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気のいずれも、キャリアーガスで希釈することなく、該反応炉内に供給してもよいし(図1中、(1−1)の形態)、あるいは、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気のいずれか一方を、キャリアーガスで希釈して、該反応炉内に供給してもよいし、あるいは、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気の両方を、キャリアーガスで希釈して、該反応炉内に供給してもよい(図1中、(1−2)の形態)。
該多結晶シリコン製造工程503の第一の形態(以下、該多結晶シリコン製造工程(1)とも記載する。)及び該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる反応炉について、図2〜図5を参照して説明する。該多結晶シリコン製造工程(1)は、該多結晶シリコン製造工程503の形態に関し、特には反応炉に特徴を有する。後述する該多結晶シリコン製造工程503の他の形態においては、他の特徴的な反応炉を例示しているが、原料、原料の供給方法及び反応条件や製造される多結晶シリコンは、該多結晶シリコン製造工程(1)と同様である。
図2は、該多結晶シリコン製造工程503に用いられる反応炉の形態例の模式的な端面図である。また、図3は、図2中の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)を示す端面図であり、水平方向に切ったときの端面図である。また、図4及び図5は、四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管の設置位置及び形状の形態例を示す模式図であり、図4の(4−1)及び図5は、四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管を上側から見たときの図であり、図4の(4−2)は、垂直方向に切ったときの端面図である。なお、図3では、説明の都合上、側壁部(反応炉)と炭化珪素棒(析出棒)のみを記載し、また、図4及び図5では、側壁部(反応炉)と四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管のみを記載した。なお、以下の説明では、析出棒として炭化珪素棒を用いる場合の形態例を代表例として記載したが、本発明では、析出棒は炭化珪素棒に限定されるものではない。
図2中、反応炉20aは、縦長の円筒形状を有する側壁部1と、該側壁部1の上下を塞ぐ蓋部2(2a、2b)と、該反応炉20を加熱するためのヒーター5と、からなる。該反応炉20aの上部には、四塩化珪素蒸気9の供給管7及び亜鉛蒸気10の供給管8が付設されており、該反応炉20aの下部には、排出ガス11を排出するための排出管6が付設されている。また、該反応炉20a内には、固定部材4を介して炭化珪素棒3が設置されている。詳細には、該固定部材4が、該側壁部1の内壁に形成されている炉内壁つば部12に引っ掛けられることより、該炭化水素棒3は、該反応炉20aの内部に下向きに突き出るように設置されている。なお、該側壁部1と該蓋部2とは、例えば、それぞれのつば部の間にシール材を挟み込み、つば部同士をボルト締めすること等により、密閉されている。
該四塩化珪素蒸気の供給管7の一端は、該反応炉20aの内部に位置し、他端は、四塩化珪素の蒸発器に繋がっている。また、該亜鉛蒸気の供給管8の一端は、該反応炉20aの内部に位置し、他端は、亜鉛の蒸発器に繋がっている。また、該排出管6は、排出ガス11、すなわち、四塩化珪素と亜鉛が反応する際に生成する塩化亜鉛ガス及び未反応ガスである四塩化珪蒸気及び亜鉛蒸気を回収するための回収装置に繋がっている。
該反応炉20aを用いる該多結晶シリコン製造工程(1)について説明する。先ず、四塩化珪素及び亜鉛をそれぞれの蒸発器により気化させて、四塩化珪素蒸気9を四塩化珪素蒸気の供給管7から、亜鉛蒸気10を亜鉛蒸気の供給管8から、該ヒーター5により加熱されている該反応炉20a内に供給しつつ、排出ガス11を該排出管6から、該反応炉20aの外へ排出する。このとき、該反応炉20a内では、四塩化珪素と亜鉛が反応して、多結晶シリコンが生成するが、該反応炉20a内には、該炭化珪素棒3が設置されているので、生成した多結晶シリコンが、該炭化珪素棒3に析出する。そして、該反応炉20aの上部から四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を供給し、該反応炉20aの下部から該排出ガス11を排出しているので、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気は、該反応炉20aの上部から下向きに移動しており、その流れに沿うように該炭化珪素棒3が存在しているので、該炭化珪素棒3を覆うように、多結晶シリコンの結晶が成長する。また、四塩化珪素と亜鉛の反応により、塩化亜鉛も生成するが、塩化亜鉛ガスは、未反応の四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気と共に、排出ガス11として、該排出管6から外へ排出される。
該四塩化珪素蒸留工程502で精製された該高純度四塩化珪素513は、該四塩化珪素の蒸発器に供給され、該四塩化珪素の蒸発器で気化された該高純度四塩化珪素513の蒸気は、そのまま、あるいは、必要に応じて、キャリアーガスで希釈され、該四塩化珪素蒸気の供給管7より、該反応炉20aへ供給される。また、該電解工程506で得られた該亜鉛515は、該亜鉛の蒸発器に供給され、該亜鉛の蒸発器で気化された亜鉛の蒸気は、そのまま、あるいは、必要に応じて、キャリアーガスで希釈され、該亜鉛蒸気の供給管8より、該反応炉20aへ供給される。
該キャリアーガスは、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等の不活性ガスである。
すなわち、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる反応炉は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる反応炉であって、上部に四塩化珪素蒸気の供給管及び亜鉛蒸気の供給管を有し且つ下部に排出ガスの排出管を有する反応炉であり、析出棒が該反応炉内に設置されている多結晶シリコン製造用の反応炉である。
該反応炉内は1,000℃程度の温度となるため、該反応炉の材質としては、透明石英、不透明石英、焼結石英などの石英、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられ、強度面からは、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、また、温度勾配に起因するひび割れが起き難い点からは、石英、窒化珪素が好ましい。また、反応炉の構造等によっては、反応時の加熱温度に耐えられるのであれば、該反応炉の材質としては、特に制限されない。また、該反応炉の側壁部と蓋部が、異なる材質であってもよい。
該反応炉の形状は、反応炉の上部から反応炉内に供給された四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が、反応炉の上部から下部に向かって下向きに移動しながら反応するような形状、すなわち、縦長の形状である。言い換えると、該反応炉の形状は、原料蒸気及び排出ガスが、反応炉の上部から下部に向かって流れる形状である。
該反応炉の大きさは、特に限定されないが、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給条件によって、適宜選択される。一般的には、好ましくは、該反応炉の縦方向の長さは、1,000〜6,000mmであり、円筒形状の場合、直径が200〜2,000mmである。
該析出棒としては、例えば、炭化珪素棒、窒化珪素棒、タンタル棒、シリコン棒が挙げられる。特には、強度面や、不純物の混入による多結晶シリコンへの影響が少ないという点で、炭化珪素棒が好ましい。該析出棒は、該反応炉内に設置される。該析出棒の形状としては、角柱状、円柱状が好ましく、特に、円柱状が好ましい。該析出棒の形状が円柱状の場合、該析出棒の直径は、強度や加工面から、1〜20cmが好ましく、2〜10cmが特に好ましい。また、該固定部材4の下側から該排出管6の上側の間に存在する該炭化珪素棒(析出棒)の長さは、該固定部材4の下側から該排出管6の上側までの縦方向の長さに対し5〜120%が好ましく、20〜100%が特に好ましく、40〜90%が更に好ましい。なお、後述する反応炉内に内挿容器113を設置する形態では、内挿容器の蓋部28の下側から該排出管6の上側の間に存在する該炭化珪素棒(析出棒)の長さが、該内挿容器の蓋部28の下側から該排出管6の上側までの縦方向の長さに対し5〜120%が好ましく、20〜100%が特に好ましく、40〜90%が更に好ましい。
該炭化珪素棒は、炭化珪素の成形体であるが、通常、炭化珪素の成形体は、多数の細孔を有する多孔質体である。そして、該炭化珪素棒は、多孔質の炭化珪素にシリコンが含浸されているシリコン含浸炭化珪素棒であることが、含浸されているシリコンが、反応により生成する多結晶シリコンの結晶の種となり、炭化珪素棒への多結晶シリコンの析出を促進できる点で好ましい。該シリコン含浸炭化珪素棒では、炭化珪素:含浸シリコンの質量比が、80:20〜95:5であることが好ましく、80:20〜90:10であることが特に好ましい。該シリコン含浸炭化珪素棒は、多孔質の炭化珪素棒を、溶融シリコン中に浸漬し、溶融シリコンを炭化珪素の孔に含浸させることにより得られる。
また、シリコンが含浸されていない多孔質の炭化珪素棒であっても、該反応炉内に設置され、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応が行われた場合、反応の初期の段階では、炭化珪素棒の外側近傍の多孔質構造内で、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気との接触が起こり、そこでシリコンが生成するので、炭化珪素棒の外側近傍は、孔内にシリコンが含浸されているのと同様な状態になる。そのため、シリコンが含浸されていない多孔質の炭化珪素棒でもよく、特に、該炭化珪素棒が繰り返し使用される場合は、シリコンが含浸されていない多孔質の炭化珪素棒は、繰り返し使用により、シリコンが含浸されている多孔質の炭化珪素棒と同様な状態になる。
該炭化珪素棒(析出棒)の設置本数は、1本であっても、2本以上であってもよい。また、該炭化珪素棒(析出棒)の設置位置は、特に限定されない。例えば、該炭化珪素棒(析出棒)が4本の場合、図3に示すように、該炭化珪素棒3(析出棒)は、該側壁部1(反応炉)の中心を中心とする円弧上に、等間隔に設置されることが好ましい。なお、該炭化珪素棒(析出棒)の設置本数及び設置位置は、原料蒸気の供給条件等の反応条件、反応炉の大きさ等により、多結晶シリコンが効率よく析出するように、適宜選択される。
該炭化珪素棒(析出棒)の設置方法であるが、図2では、該炭化珪素棒3(析出棒)が該固定部材4に固定され、該固定部材4が、該炉内壁つば部12に引っ掛けられることにより、該炭化珪素棒(析出棒)が、該反応炉内に設置される旨を記載したが、これに限定されるものではない。例えば、図2中、炉内壁つば部を排出管6の付設位置より下方に形成させ、その炉内壁つば部に、該炭化珪素棒(析出棒)が固定されている該固定部材を引っ掛けることにより、該固定部材の上側から該反応炉内に上向きに突き出すように該炭化珪素棒(析出棒)を設置する方法や、該蓋部2bに、該炭化珪素棒(析出棒)を固定する方法等、該反応炉の下から上に向かって、該炭化珪素棒(析出棒)を立てるように設置する方法が挙げられる。
また、該炭化珪素棒の温度を、反応炉内の温度よりも高温に設定するために、該炭化珪素棒の内部には、加熱用のヒーターが装備されていてもよい。例えば、反応炉内の温度(反応炉の側壁温度)を930℃とした場合、該炭化珪素棒を1,000℃とすることで、該炭化珪素棒により選択的に多結晶シリコンを析出させることが可能となる。また、炭化珪素は、熱伝導率が高く輻射熱を多く受ける材質であるため、反応炉の側壁からの輻射熱を多く受けることになり、該炭化珪素棒を加熱しなくてもある程度選択的に該炭化珪素棒に多結晶シリコンを析出させることが可能である。
該反応炉では、該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管が、該反応炉の上部に付設される。また、該排出管は、該反応炉の下部に付設される。そして、該反応炉では、該反応炉内で原料蒸気の下方向の流れが形成され、反応炉内で四塩化珪素と亜鉛の反応を起こさせることができるような位置(上下方向の位置)に、該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管と、該排出管とが付設される。
該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管の形状及び配置であるが、例えば、図4の(4−1)に示すように、該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管の水平部が直線上に並ぶようにし、(4−2)に示すように、供給管の先をL字形状にして、供給管の出口を下向きにする形態例が挙げられる。また、図5に示すように、該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管の水平部が直線上に並ばないようにする形態例が挙げられる。図5に示す形態例では、該四塩化珪素蒸気及び該亜鉛蒸気は、該反応炉内を旋回するように移動する。
該反応炉の側壁の周囲には、ヒーターが設置される。該ヒーターとしては、電気ヒーターが好ましい。
該多結晶シリコン製造工程(1)は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる多結晶シリコンの製造工程であって、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを析出棒に析出させる多結晶シリコンの製造工程である。
四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を用いる亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造においては、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が、反応炉内で激しく撹拌されると、直径が3μm以下の細粒状の多結晶シリコンが生成するが、このような細粒状の多結晶シリコンは、充填密度が低く溶融に時間がかかる。一方、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気とが、該反応炉内で穏やかに接触すると、好ましくは線速5cm/秒以下の速度で接触すると、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが生成するが、このような樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンは、細粒状の多結晶シリコンに比べ、溶融し易く、溶融時間が短くなる。そのため、該多結晶シリコン製造工程(1)では、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が、該反応炉内で激しく撹拌されないような条件、すなわち、直径が3μm以下の細粒状の多結晶シリコンが生成し難い条件で、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を、該反応炉に供給する。つまり、該多結晶シリコン製造工程(1)では、樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが生成し易い原料蒸気の供給条件で、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を、該反応炉に供給する。樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンが生成し易い原料蒸気の供給条件は、該反応炉の大きさ、該炭化珪素棒(析出棒)の設置位置又は設置本数等により、適宜選択される。このような原料蒸気の供給条件は、該多結晶シリコン製造工程503で行われる他の形態の多結晶シリコン製造工程についても同様である。
四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の供給量比率(モル比)は、四塩化珪素蒸気:亜鉛蒸気=0.7:2〜1.3:2であり、好ましくは0.8:2〜1.2:2であり、特に好ましくは0.9:2〜1.1:2である。また、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気は、窒素ガス等の不活性ガスで希釈されていてもよく、その場合、四塩化珪素蒸気の希釈率は、体積割合((四塩化珪素蒸気+不活性ガス)/四塩化珪素蒸気)で、好ましくは1.01〜1.5、特に好ましくは1.02〜1.3であり、亜鉛蒸気の希釈率は、体積割合((亜鉛蒸気+不活性ガス)/亜鉛蒸気)で、好ましくは1.005〜1.3、特に好ましくは1.01〜1.2である。
亜鉛の沸点は、「化学便覧」(日本化学会編)によると907℃であるため、該反応炉内の温度が、亜鉛の沸点である907℃以上になるように、該反応炉を加熱する。該反応炉内の温度は、907〜1,200℃、好ましくは930〜1,100℃である。また、該反応炉内の圧力は、好ましくは0〜700kPaG、特に好ましくは0〜500kPaGである。上記範囲に反応条件を設定することで、該炭化珪素棒(析出棒)に安定的に多結晶シリコンを析出させることが可能となる。
該多結晶シリコン製造工程503では、該炭化珪素棒として、ヒータが内装されているものを1本又は2本以上使用し、該炭化珪素棒を加熱してもよい。その際、該反応炉内に設置されている炭化珪素棒の全てを加熱してもよいし、一部を加熱してもよい。また、該炭化珪素棒の加熱開始時期は、多結晶シリコンが該炭化珪素棒への析出を開始する前、つまり、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給前であってもよく、あるいは、該炭化珪素棒にある程度の多結晶シリコンが析出してからでもよい。
そして、該多結晶シリコン製造工程503では、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を下向きに移動させて、該反応炉内で四塩化珪素と亜鉛の反応を行い、多結晶シリコンを生成させながら、該析出棒を、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の流れに沿うように存在させることで、該析出棒に、多結晶シリコンを析出させる。
また、該多結晶シリコン製造工程503では、窒素ガス等の不活性ガスの供給管を該反応炉に付設して、不活性ガスを該反応炉内に導入し、該反応炉内を不活性ガスで加圧することができる。
該多結晶シリコン製造工程503では、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給を止めることにより、多結晶シリコンの製造を終了する。その後、該反応炉を冷却し、多結晶シリコンが析出した該析出棒を、該反応炉の外に取り出す。そして、析出した多結晶シリコンを該析出棒から掻き落して、多結晶シリコンを得る。また、該反応炉の炉壁に多結晶シリコンが析出していた場合は、それも掻き落して回収する。
多結晶シリコンを掻き落した後の該炭化珪素棒は、再び、該多結晶シリコン製造工程503にて、使用される。また、再使用する前に、該炭化珪素棒を、純水又は塩酸、硝酸、フッ化水素酸等の酸などで洗浄してもよい。
このようにして、該多結晶シリコン製造工程503により得られる該多結晶シリコン516は、亜鉛を還元剤に用いて製造されるため、亜鉛を含有する。該多結晶シリコン516中の亜鉛含有量は、0.1〜100質量ppm、好ましくは0.1〜10質量ppm、特に好ましくは0.1〜1質量ppmである。多結晶シリコン中の亜鉛含有量が、上記範囲内であることにより、6−N以上の高純度の多結晶シリコンインゴットを製造することができる。なお、多結晶シリコンの純度の分析は高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)により求められる。その分析方法は、以下に示す通りである。
得られた多結晶シリコン1.5gに、38%フッ化水素酸16mlと55%硝酸30mlを加えて、完全に溶解させた後、蒸発乾固させる。次いで、1%硝酸5mlで定溶し、ICP−AES(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製IRIS Advantage/RP型)により不純物濃度を測定して、多結晶シリコンの純度を算出する。
また、該多結晶シリコン516の主な形状は、樹枝状、針状又は板状であり、直径が3μm以下の細粒状ではない。該多結晶シリコン製造工程503では、樹枝状又は針状にシリコンの結晶が成長するので、大きな樹枝状又は針状のものに成長するが、得られる多結晶シリコン中には、大きな樹枝状又は針状のものの他に、板状になるものや、小さな樹枝状又は針状のものもあり、また、該炭化珪素棒(析出棒)から掻き落す際に樹枝状又は針状のものが砕けて、小さな樹枝状又は針状となったものもある。該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの大きさは、好ましくは100μm以上、特に好ましくは500μm以上、更に好ましくは1,000μm以上である。そして、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンとしては、50質量%以上が100μmメッシュサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンであることが好ましく、50質量%以上が500μmメッシュサイズのスクリーンを通過しない樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンであることが特に好ましい。なお、該樹枝状とは、図6の(6−1)に示すような、幹部31と該幹部31から伸びる枝部32とからなる形状であり、また、該針状とは、図6の(6−2)に示すような、略直線に伸びた形状であり、また、該板状とは、鱗片状、フレーク状等の略平面方向に広がった形状である。また、該樹枝状の該枝部32から更に分岐して結晶が伸びている形状もある。また、該樹枝状、針状又は板状の多結晶シリコンの大きさとは、樹枝状の場合は結晶の最も長い部分の長さ(図6の(6−1)では符号33aの長さ)を指し、針状の場合は結晶の長さ(図6の(6−2)では符号33bの長さ)を指し、板状の場合は結晶の最も長い径を指す。
該析出棒の存在により、該析出棒への析出が促進されるため、多結晶シリコンの収率が高くなり、また、反応炉の側壁へのシリコンの析出が抑えられ、該多結晶シリコン製造工程503の終了後に、炉壁に析出した多結晶シリコンを取り除くという操作が軽減されるので、製造効率が高くなる。
また、炭化珪素は、硬い材料であるため、1バッチの多結晶シリコン製造工程503の終了後、該炭化珪素棒から、該多結晶シリコン516を掻き落すときに、該炭化珪素棒が壊れない。そのため、該炭化珪素棒の再使用が可能である。また、炭化珪素はシリコンと膨張係数が近いため、反応終了後に冷却する際に、収縮量の違いによる炭化珪素棒の破壊が起こり難い。また、炭化珪素は、黒色又は暗緑色の材料であるため、反応炉内の輻射熱を吸収し易く、多結晶シリコンの収率が高くなる。
該多結晶シリコン製造工程503の第二の形態(以下、多結晶シリコン製造工程(2)とも記載する。)及び該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる反応炉について、図7〜図13を参照して説明する。図7は、該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる反応炉の形態例の模式的な端面図である。また、図8は、図7中の反応炉の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒と四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁と亜鉛蒸気の供給空間の区画壁とを示す端面図であり、x−x線で水平方向に切ったときの端面図である。図9及び図11は、図7中の反応炉の側壁部(反応炉)と炭化珪素棒とを示す端面図であり、水平方向に切ったときの端面図である。なお、図8、図9及び図11では、説明の都合上、図示したもの以外の記載を省略した。図10は、炭化珪素棒に四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が供給されている様子を示す模式図である。なお、以下の説明では、析出棒として炭化珪素棒を用いる場合の形態例を代表例として記載した。
図7中、反応炉20bは、縦長の円筒形状を有する側壁部1と、該側壁部1の上下を塞ぐ蓋部2(2a、2b)と、該反応炉20bを加熱するためのヒーター5と、からなる。該反応炉20bの上部には、四塩化珪素蒸気9の供給管7及び亜鉛蒸気10の供給管8が付設されており、該反応炉20bの下部には、排出ガス11を排出するための排出管6が付設されている。該反応炉20b内には、固定部材4を介して4本の炭化珪素棒3が設置されている。また、該固定部材4には、四塩化珪素蒸気の供給空間を区画するための四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13と、亜鉛蒸気の供給空間を区画するための亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14と、が固定されている。該四塩化珪素蒸気の供給管7は、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13に繋がっており、該亜鉛蒸気の供給管8は、該亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14に繋がっている。そして、該固定部材4が、該側壁部1の内壁に形成されている炉内壁つば部12に引っ掛けられることより、該炭化珪素棒3は、該反応炉20bの内部に下向きに突き出るように設置される。また、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13と、該亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14とは、該炭化珪素棒3の上部に設置されている。なお、該側壁部1と該蓋部2とは、例えば、それぞれのつば部の間にシール材を挟み込み、つば部同士をボルト締めすること等により、密閉されている。
該四塩化珪素蒸気の供給管7の一端は、該反応炉20bの内部に位置し、他端は、四塩化珪素の蒸発器に繋がっている。また、該亜鉛蒸気の供給管8の一端は、該反応炉20bの内部に位置し、他端は、亜鉛の蒸発器に繋がっている。また、該排出管6は、排出ガス11、すなわち、四塩化珪素と亜鉛が反応する際に生成する塩化亜鉛ガス及び未反応ガスである四塩化珪蒸気及び亜鉛蒸気を回収するための回収装置に繋がっている。
図7及び図8に示すように、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13は、円筒形状の区画壁131と円形の上側部材とからなる。また、該亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14は、円筒形状の中心側の区画壁141と、円筒形状の側壁側の区画壁142と、ドーナツ形状の上側部材とからなる。そして、該区画壁131と、該区画壁141と、該区画壁142とは、該側壁部1(反応炉)の中心と同心円状に設置されている。
なお、本発明における中心側及び側壁側との文言について説明する。中心側とは、該炭化珪素棒より反応炉(反応炉の側壁部)の中心側ということ指す。つまり、中心側の空間とは、該炭化珪素棒より反応炉の中心側の空間、言い換えると、反応炉内に設置されている複数の炭化珪素棒に囲まれている空間を指す。図9中、符号15で示す円形の点線より内側が中心側191であり、符号15で示す円形の点線で囲まれる空間が中心側空間161である。また、側壁側とは、該炭化珪素棒より反応炉の側壁側ということを指す。つまり、側壁側の空間とは、該炭化珪素棒より側壁側の空間、言い換えると、反応炉内に設置されている複数の炭化珪素棒の周囲の空間を指す。図9中、符号171で示す円形の点線より外側が側壁側192であり、符号171で示す円形の点線より外側の空間が側壁側空間181である。
該反応炉20bを用いる該多結晶シリコン製造工程(2)について説明する。先ず、該ヒーター5により該反応炉20b内を加熱しておき、次いで、四塩化珪素及び亜鉛をそれぞれの蒸発器により気化させて、四塩化珪素蒸気9を四塩化珪素蒸気の供給管7から、亜鉛蒸気10を亜鉛蒸気の供給管8から、該反応炉20b内に供給しつつ、排出ガス11を該排出管6から、該反応炉20bの外へ排出する。このとき、該反応炉20b内では、四塩化珪素と亜鉛が反応して、多結晶シリコンが生成するが、該反応炉20b内には、該炭化珪素棒3が設置されているので、生成した多結晶シリコンが、該炭化珪素棒3に析出する。そして、該反応炉20bの上部から四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を供給し、該反応炉20bの下部から該排出ガス11を排出しているので、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気は、該反応炉20bの上部から下向きに移動しており、その流れに沿うように該炭化珪素棒3が存在しているので、該炭化珪素棒3を覆うように、多結晶シリコンの結晶が成長する。また、四塩化珪素と亜鉛の反応により、塩化亜鉛も生成するが、塩化亜鉛ガスは、未反応の四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気と共に、排出ガス11として、該排出管6から外へ排出される。
このとき、四塩化珪素蒸気9は、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13に先ず供給されるので、該区画部材13により区画されている該四塩化珪素蒸気の供給空間132内に拡散する。そして、四塩化珪素蒸気9は、該四塩化珪素蒸気の供給空間132に拡散後、該反応炉20b内に供給されることにより、該反応炉20b内に設置されている4本の各炭化珪素棒3に対して中心側から、該反応炉20b内に供給されることになる。また、亜鉛蒸気10は、該亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14に先ず供給されるので、該区画部材14により区画されている該亜鉛蒸気の供給空間143内に拡散する。そして、亜鉛蒸気10は、該亜鉛蒸気の供給空間143に拡散後、該反応炉20b内に供給されるこのことにより、4本の各炭化珪素棒3に対して側壁側から、該反応炉20b内に供給されることになる。
このようにして、該区画部材13及び該区画部材14を経て、四塩化珪素蒸気9及び亜鉛蒸気10が供給されることにより、図10に示すように、四塩化珪素蒸気9が中心側191から、亜鉛蒸気10が側壁側192から、該炭化珪素棒3を挟み込むようにして、四塩化珪素蒸気9及び亜鉛蒸気10が該炭化珪素棒3に供給され、該炭化珪素棒3近傍で接触して、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気が反応する。
すなわち、該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる反応炉は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる反応炉であって、該反応炉内に複数の析出棒が設置されており、該反応炉の上部に各析出棒に対して中心側から四塩化珪素蒸気を供給する四塩化珪素蒸気供給手段及び各析出棒に対して側壁側から亜鉛蒸気を供給する亜鉛蒸気供給手段を有し、該反応炉の下部に排出ガスの排出管を有する多結晶シリコン製造用の反応炉である。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉(材質、形状、及び大きさ)及び該析出棒(材質、形状、大きさ及び内部ヒーターの設置)は、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉(材質、形状、及び大きさ)及び該析出棒(材質、形状、大きさ及び内部ヒーターの設置)と同様である。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉における該炭化珪素棒(析出棒)の設置本数は、2本以上である。また、該炭化珪素棒(析出棒)の設置位置は、特に限定されない。例えば、該炭化珪素棒(析出棒)が4本(11−1)又は3本(11−2)の場合、図11に示すように、該炭化珪素棒3(析出棒)は、該側壁部(反応炉)1の中心を中心とする円19上に、等間隔に設置されることが好ましい。なお、該炭化珪素棒(析出棒)の設置本数及び設置位置は、原料蒸気の供給条件等の反応条件、反応炉の大きさ等により、多結晶シリコンが効率よく析出するように、適宜選択される。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉における該炭化珪素棒(析出棒)の設置方法の一例を図7に示しているが、これは一例であり、これに限定されるものではなく、該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉における該炭化珪素棒(析出棒)の設置方法としては、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる反応炉における設置方法と同様な設置方法が挙げられる。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉では、該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段が、該反応炉の上部に付設される。また、該排出管は、該反応炉の下部に付設される。そして、該反応炉では、該反応炉内で原料蒸気の下方向の流れが形成され、反応炉内で四塩化珪素と亜鉛の反応を起こさせることができるような位置(上下方向の位置)に、該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段と、該排出管とが付設される。
該四塩化珪素蒸気供給手段は、各析出棒に対して中心側から四塩化珪素蒸気を供給するための供給部材であり、また、該亜鉛蒸気供給手段は、各析出棒に対して側壁側から亜鉛蒸気を供給するための供給部材である。該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段としては、上記機能を有するものであれば、特に制限されない。
該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段としては、例えば、図7及び図8に示すような、該炭化珪素棒3(析出棒)より中心側に四塩化珪素蒸気の供給空間132を区画するための四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁131と、該炭化珪素棒3(析出棒)より側壁側に亜鉛蒸気の供給空間143を区画するための亜鉛蒸気の供給空間の区画壁141及び区画壁142とを有し、炭化珪素棒3(析出棒)側の四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁131と、炭化珪素棒3(析出棒)側の亜鉛蒸気の供給空間の区画壁141とが、該側壁部1(反応炉)の中心と同心円状に設けられている形態例が挙げられる。図7及び図8に示す四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7も該四塩化珪素蒸気供給手段の一部であり、また、該亜鉛蒸気の供給管8も該亜鉛蒸気供給手段の一部である。
すなわち、該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段の第1の形態例(以下、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(1)とも記載する。)は、該炭化珪素棒(析出棒)より中心側に四塩化珪素蒸気の供給空間を区画するための四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁と、該炭化珪素棒(析出棒)より側壁側に亜鉛蒸気の供給空間を区画するための亜鉛蒸気の供給空間の区画壁とを有し、炭化珪素棒(析出棒)側の四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁と、炭化珪素棒(析出棒)側の亜鉛蒸気の供給空間の区画壁とが、該反応炉の中心と同心円状に設けられている。なお、図7及び図8では、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁としては、該炭化珪素棒3(析出棒)側に該区画壁131のみが設けられる旨記載したが、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(1)では、該区画壁131より中心側に、更に区画壁を設けて、四塩化珪素蒸気が供給される部分を更に限定的にすることもできる。また、図7及び図8では、該亜鉛蒸気の供給空間の区画壁としては、該炭化珪素棒3(析出棒)側に該区画壁141と、それより側壁側に該区画壁142が設けられる旨記載したが、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(1)では、側壁側の該区画壁142の設置は任意であり、該区画壁142のように、側壁側にも、該亜鉛蒸気の供給空間の区画壁を設けることにより、亜鉛蒸気が供給される部分を限定することができる。また、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(1)では、該四塩化珪素蒸気の供給空間内で、四塩化珪素蒸気が均一に拡散されるように、該四塩化珪素蒸気の供給管7の区画部材への接続位置や本数を適宜選択することができ、また、該亜鉛蒸気の供給空間内で、亜鉛蒸気が均一に拡散されるように、該亜鉛蒸気の供給管8の区画部材への接続位置や本数を適宜選択することができる。
また、該四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段としては、他に、図12に示す形態例が挙げられる。図12に示す形態例(四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の第2の形態例(以下、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(2)))は、固定部材4に、炭化珪素棒3(析出棒)と、四塩化珪素蒸気の供給管の分岐管21と、亜鉛蒸気の供給管の分岐管22とが固定されている。そして、各炭化珪素棒3(析出棒)のそれぞれに、中心側に該四塩化珪素蒸気の供給管の分岐管21が、側壁側に該亜鉛蒸気の供給管の分岐管22が設置されている。図12に示す形態例によれば、該炭化珪素棒3(析出棒)の近傍に集中して、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を供給することができる。なお、図示しないが、該四塩化珪素蒸気の供給管の分岐管21は、該四塩化珪素蒸気の供給管7に、該亜鉛蒸気の供給管の分岐管22は、該亜鉛蒸気の供給管8に繋がっている。図12の(12−1)は、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(2)を平面方向で切ったときの端面図であり、(12−2)のx−x線の端面であり、また、(12−2)は、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(2)の設置部位の近傍を垂直方向に切った端面図である。
また、四塩化珪素蒸気供給手段及び該亜鉛蒸気供給手段としては、他に、図13に示す形態例が挙げられる。図13に示す形態例(四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の第3の形態例(以下、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)))では、固定部材4に、炭化珪素棒3(析出棒)と、四塩化珪素蒸気の供給室23と、亜鉛蒸気の供給室24とが固定されている。該四塩化珪素蒸気の供給管7は、該四塩化珪素蒸気の供給室23に繋がっており、該亜鉛蒸気の供給管8は、該亜鉛蒸気の供給室24に繋がっている。そして、該固定部材4が、該側壁部1の内壁に形成されている炉内壁つば部12に引っ掛けられることより、該炭化水素棒(析出棒)は、該反応炉20bの内部に下向きに突き出るように設置され、また、該四塩化珪素蒸気の供給室23と、該亜鉛蒸気の供給室24とは、該炭化珪素棒3(析出棒)の上部に設置されている。
該四塩化珪素蒸気の供給室23は、円筒形状の側壁231と円形の上側部材及び底部材とからなる。また、該亜鉛蒸気の供給室24は、円筒形状の中心側の側壁244と、円筒形状の側壁側の側壁242と、ドーナツ形状の上側部材及び底部材とからなる。そして、該側壁231と、該側壁244と、該側壁242とは、該側壁部1(反応炉)の中心と同心円状に設置されている。
該四塩化珪素蒸気の供給室23の側壁又は底部材には、四塩化珪素蒸気の供給口232が形成されている。また、該亜鉛蒸気の供給室24の側壁又は底部材には、亜鉛蒸気の供給口243が形成されている。なお、図13の(13−1)は、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)を平面方向で切ったときの端面図であり、(13−2)のx−x線の端面であり、また、(13−2)は、四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)の設置部位の近傍を垂直方向に切った端面図である。
すなわち、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)は、該炭化珪素棒より中心側に設置され、四塩化珪素蒸気の供給口が形成されている四塩化珪素蒸気の供給室と、該炭化珪素棒より側壁側に設置され、亜鉛蒸気の供給口が形成されている亜鉛蒸気の供給室とを有する。
該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)では、四塩化珪素蒸気9は、該四塩化珪素蒸気の供給室23に先ず供給されるので、該四塩化珪素蒸気の供給室23内で拡散する。そして、四塩化珪素蒸気9は、該四塩化珪素蒸気の供給室23に拡散後、該四塩化珪素蒸気の供給口232から該反応炉20b内に供給されることにより、該反応炉20b内に設置されている4本の各炭化珪素棒3(析出棒)に対して中心側から、該反応炉20b内に供給されることになる。このとき、四塩化珪素蒸気9は、該反応炉20bへの供給前に、予め、該四塩化珪素蒸気の供給室23内で均一に拡散されるため、例えば、該四塩化珪素蒸気の供給室23に繋がる該四塩化珪素蒸気の供給管7の数が1本であったとしても、各四塩化珪素蒸気の供給口232から、均一に四塩化珪素蒸気が供給される。
また、同様に、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)では、亜鉛蒸気10は、該亜鉛蒸気の供給室24に先ず供給されるので、該亜鉛蒸気の供給室24内で拡散する。そして、亜鉛蒸気10は、該亜鉛蒸気の供給室24に拡散後、該亜鉛蒸気の供給口243から該反応炉20b内に供給されることにより、該反応炉20b内に設置されている4本の各炭化珪素棒3に対して側壁側から、該反応炉20b内に供給されることになる。このとき、亜鉛蒸気9は、該反応炉20bへの供給前に、予め、該亜鉛蒸気の供給室24内で均一に拡散されるため、例えば、該亜鉛蒸気の供給室24に繋がる該亜鉛蒸気の供給管8の数が1本であったとしても、各亜鉛蒸気の供給口243から、均一に亜鉛蒸気が供給される。
また、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)では、該四塩化珪素蒸気の供給口232の形成位置及び数を適宜選択することにより、例えば、該炭化珪素棒3の近傍に集中して、四塩化珪素蒸気を供給することや、該炭化珪素棒3より中心側全体に四塩化珪素蒸気を供給すること等、四塩化珪素蒸気の供給形態の設計が容易となる。
また、同様に、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)では、該亜鉛蒸気の供給口243の形成位置及び数を適宜選択することにより、例えば、該炭化珪素棒3の近傍に集中して、亜鉛蒸気を供給することや、該炭化珪素棒3(析出棒)より側壁側を取り囲むように亜鉛蒸気を供給すること等、亜鉛蒸気の供給形態の設計が容易となる。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉では、四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気との上下方向の供給位置は、特に制限されないが、四塩化珪素蒸気が亜鉛蒸気より下方から供給される形態例が好ましい。このような四塩化珪素蒸気が亜鉛蒸気より下方から供給される形態例としては、例えば、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(1)では、図7に示すように、該四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁131の下端の位置(上下方向の位置)を、該炭化珪素棒側の亜鉛蒸気の供給空間の区画壁141の下端の位置(上下方向の位置)より下方にする形態例が挙げられ、また、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(2)では、図12中の該四塩化珪素蒸気の供給管の分岐管21の反応炉内への出口の位置(上下方向の位置)を、該亜鉛蒸気の供給管の分岐管22の反応炉内への出口の位置(上下方向の位置)より下方にする形態例が挙げられ、また、該四塩化珪素蒸気供給手段及び亜鉛蒸気供給手段の形態例(3)では、図13中の該四塩化珪素蒸気の供給口232の形成位置(上下方向の位置)を、該亜鉛蒸気の供給口243の形成位置(上下方向の位置)より下方にする形態例が挙げられる。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉の側壁の周囲には、ヒーターが設置される。該ヒーターとしては、電気ヒーターが好ましい。
該多結晶シリコン製造工程(2)は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる多結晶シリコンの製造方法であって、反応炉内に複数の析出棒を設置し、各析出棒に対して中心側から四塩化珪素蒸気が供給され且つ各析出棒に対して側壁側から亜鉛蒸気が供給されるように、該反応炉の上部から四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを該析出棒に析出させる多結晶シリコンの製造方法である。
該多結晶シリコン製造工程(2)では、該析出棒より中心側の空間に四塩化珪素蒸気を供給し、且つ、該析出棒より側壁側の空間に亜鉛蒸気を供給する。なお、四塩化珪素蒸気の供給位置は、該中心側の空間の全体であっても、該中心側の空間のうちの特定の場所であってもよい。同様に、亜鉛蒸気の供給位置は、該側壁側の空間の全体であっても、該側壁側の空間のうちの特定の場所であってもよい。
また、該多結晶シリコン製造工程(2)では、四塩化珪素蒸気を、該析出棒より中心側に設置されている四塩化珪素蒸気の供給室に一旦供給した後、該四塩化珪素蒸気の供給室に形成されている供給口から該反応炉内に供給し、且つ、亜鉛蒸気を、該析出棒より側壁側に設置されている亜鉛蒸気の供給室に一旦供給した後、該亜鉛蒸気の供給室に形成されている供給口から該反応炉内に供給する。
また、該多結晶シリコン製造工程(2)では、四塩化珪素蒸気の供給位置を、亜鉛蒸気の供給位置より、該析出棒の近くにすることにより、更に、多結晶シリコンの析出効率を高めることができる。ここで、該析出棒に対する四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給位置の距離とは、平面方向に切った断面で見たときの距離である。
該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉によれば、該反応炉内に設置された複数の析出棒に対して、均等に多結晶シリコンを析出させることができるので、複数の析出棒を効率良く利用することができるため、反応効率が高くなり、多結晶シリコンの収率を高くすることができる。
また、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉及び該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉には、該反応炉内に内挿容器が設置されていてもよい。
該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉及び該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉のうち、該反応容器内に該内挿容器が設置されている形態例について、図14〜図19を参照して説明する。なお、以下では、該反応炉内に該内挿容器が設置されていない形態例と異なる点のみ説明し、同様な点については省略する。なお、図14〜図17は、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉のうち、反応炉内に内挿容器内が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。また、図18及び図19は、該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉のうち、反応炉内に内挿容器が設置されている形態例を示す模式的な端面図である。
図14は、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉のうち、反応炉内に内挿容器が設置されている形態例の模式的な端面図である。また、図15は、図14中の内挿容器を示す端面図であり、垂直方向に切ったときの端面図である。
図14中、反応炉30aは、縦長の円筒形状を有する側壁部1と、該側壁部1の上下を塞ぐ蓋部2(2a、2b)と、該反応炉30aを加熱するためのヒーター5と、からなる。図15に示すように、該内挿容器113の上側には、該内挿容器の蓋部28が設置されており、該内挿容器の蓋部28には、四塩化珪素蒸気の供給管の挿入口121と、亜鉛蒸気の供給管の挿入口122が形成されている。該内挿容器113の下部には、該内挿容器113内から該排出ガス11を排出するための排出口27が形成されている。該反応炉30aの上部には、該内挿容器113内に四塩化珪素蒸気9を供給するための四塩化珪素蒸気の供給管7及び該内挿容器113内に亜鉛蒸気10を供給するための亜鉛蒸気の供給管8が付設されている。該反応炉30aの下部には、該内挿容器113内から排出される排出ガス11を反応炉の外に排出するための排出管6が付設されている。該反応炉30aには、該反応炉30a内に窒素ガス16を供給するための窒素ガス供給管151が付設されている。該窒素ガス供給管151は、該側壁1の内壁に形成されている炉内つば部12に引っ掛けるようにして設置されている窒素ガス管の固定部材104に固定されている。炭化珪素棒3は、該窒素ガスの固定部材104及び該内挿容器の蓋部28に開けられている挿入口を通して、該内挿容器113内に上から下に向けて突き出すようにして、該内挿容器113内に設置されている。なお、該炭化珪素棒3は、該窒素ガス管の固定部材104に固定されていてもよく、該内挿容器の蓋部28に固定されていてもよい。また、該側壁部1と該蓋部2とは、例えば、それぞれのつば部の間にシール材を挟み込み、つば部同士をボルト締めすること等により、密閉されている。
該四塩化珪素蒸気の供給管7の一端は、該内挿容器113の内部に位置し、他端は、四塩化珪素の蒸発器に繋がっている。また、該亜鉛蒸気の供給管8の一端は、該内挿容器113の内部に位置し、他端は、亜鉛の蒸発器に繋がっている。また、該排出管6は、排出ガス11、すなわち、四塩化珪素と亜鉛が反応する際に生成する塩化亜鉛ガス及び未反応ガスである四塩化珪蒸気及び亜鉛蒸気を回収するための回収装置に繋がっている。
該内挿容器の材質としては、透明石英、不透明石英、焼結石英などの石英、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられ、強度面からは、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、また、温度勾配に起因するひび割れが起き難い点からは、石英、窒化珪素が好ましい。
図14では、該側壁部1の上側には、該炉内つば部12が形成され且つ該窒素ガス管の固定部材104が設置されている旨記載したが、該内挿容器が設置されている反応炉においては、該窒素ガス管の固定部材104を使用しない場合は、該炉内つば部12は形成されていなくてもよい。
図16に示す形態例は、該炭化珪素棒を該内挿容器の底に固定することにより、該炭化珪素棒を該内挿容器内に設置する形態例である。図16に示す反応炉30bでは、内挿容器113の底に、炭化珪素棒3が固定されている。なお、該炭化珪素棒3は、該内挿容器113内で下から上に向けて突き出すようにして、該内挿容器113内に設置されている。
図17に示す形態例は、該炭化珪素棒を、内挿容器の蓋部に固定し、該内挿容器内に設置する形態例である。図17に示す反応炉30cでは、該炭化珪素棒3は、内挿容器の蓋部28に固定されており、該内挿容器113内に上から下に向けて突き出すようにして、該内挿容器113内に設置されている。
該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉及び該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉のうち、該反応容器内に該内挿容器が設置されている形態例を用いる該多結晶シリコン製造工程503が終了すると、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給を止め、該反応炉を冷却した後、内部に多結晶シリコンが析出した該内挿容器及び表面に多結晶シリコンが析出した該析出棒を、該反応炉の外に取り出す。そして、該内挿容器内に析出した多結晶シリコンを掻き出し、該析出棒に析出した多結晶シリコンを該析出棒から掻き落して、多結晶シリコンを得る。例えば、図14の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30aの上側の該蓋部2aを開け、該側壁部1の上側から、該炭化珪素棒3を取り出し、該反応炉30aの下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該内挿容器113を取り出す。あるいは、該炭化珪素棒3が、該内挿容器の蓋部28に固定されており、該窒素ガス管の固定部材104に固定されていない場合には、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30aの下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該炭化珪素棒3及び該内挿容器の蓋部28ごと該内挿容器113を取り出す。また、図16の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30bの下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該炭化珪素棒3が固定されている該内挿容器113を取り出す。また、図17の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30cの下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該炭化珪素棒3及び該内挿容器の蓋部28ごと該内挿容器113を取り出す。
図18中、反応炉30d内には、側面が円筒形状であり底面が円形の内挿容器113が設置されている。該内挿容器113の上側には、内挿容器113の蓋として、固定部材4が直接設置されている。該固体部材4には、炭化珪素棒3と、四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材13と、亜鉛蒸気の供給空間の区画部材14とが固定されている。該反応炉30dには、該反応炉30d内に窒素ガス16を供給するための窒素ガス供給管151が付設されている。該側壁1の内壁に形成されている炉内つば部12に引っ掛けるようにして、窒素ガス管の固定部材104が設置されており、該窒素ガス管の固定部材104には、該窒素ガス供給管151が固定されている。該内挿容器113の下部には、該内挿容器113内から排出ガス11を排出するための排出口27が形成されており、該排出ガス11が、該排出口27を経て、排出管6から該反応炉30dの外に排出されるようになっている。
図18に示す形態例は、該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉のうち、該反応炉内に該内挿容器を設置し、該固定部材を該内挿容器の蓋も兼ねさせて、該内挿容器の上側に設置することにより、該炭化珪素棒を該内挿容器内に下向きに突き出すように設置する形態例である。
図19に示す形態例は、図18に示す形態例の炭化珪素棒3を、該内挿容器の蓋を兼ねる該固定部材ではなく、内挿容器113の底に固定する形態例である。図19に示す形態例では、該炭化珪素棒を該内挿容器内に上向きに突き出すように設置されている。
なお、図19に示す形態例のように、該炭化珪素棒の真横に、四塩化珪素蒸気の供給手段及び亜鉛蒸気の供給手段がない場合は、該炭化珪素棒を上方に伸ばして、該炭化珪素棒より中心側と壁面側を定める。
図18及び図19では、該側壁部1の上側には、該炉内つば部12が形成され且つ該窒素ガス管の固定部材104が設置されている旨記載したが、該内挿容器が設置されている反応炉においては、該窒素ガス管の固定部材104を使用しない場合は、該炉内つば部12は形成されていなくてもよい。
該多結晶シリコン製造工程(2)のうち、該反応容器内に該内挿容器を設置する形態例が終了すると、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給を止め、該反応炉を冷却した後、表面に多結晶シリコンが析出した該炭化珪素棒及び内部に多結晶シリコンが析出した該内挿容器を、該反応炉の外に取り出す。例えば、図18及び図19の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30の下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該固定部材に固定されている該炭化珪素棒3ごと該内挿容器113を取り出す。そして、表面に析出した多結晶シリコンを該炭化珪素棒から掻き落して、内部に析出した多結晶シリコンを該内挿容器内から掻き出して、多結晶シリコンを得る。
該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉及び該多結晶シリコン製造工程(2)に用いられる該反応炉のうち、該反応容器内に該内挿容器が設置されている形態例の反応炉によれば、該内挿容器が該反応炉内に設置されているので、該反応炉の側壁への多結晶シリコンの析出を防ぐことができる。
該多結晶シリコン製造工程503の第三の形態(以下、多結晶シリコン製造工程(3)とも記載する。)及び該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる反応炉について、図20を参照して説明する。図20は、該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる反応炉の形態例の模式的な端面図である。
図20中、反応炉30fは、縦長の円筒形状を有する側壁部1と、該側壁部1の上下を塞ぐ蓋部2(2a、2b)と、該反応炉30fを加熱するためのヒーター5と、からなる。該反応炉30f内には、側面が円筒形状であり底面が円形の内挿容器113が設置されている。該反応炉30fの上部には、該内挿容器113内に四塩化珪素蒸気9を供給するための四塩化珪素蒸気の供給管7及び該内挿容器113内に亜鉛蒸気10を供給するための亜鉛蒸気の供給管8が付設されている。該反応炉30fの下部には、該内挿容器113内から排出される排出ガス11を反応炉の外に排出するための排出管6が付設されている。該反応炉30fには、該反応炉30f内に窒素ガス16を供給するための窒素ガス供給管151が付設されている。なお、該側壁部1と該蓋部2とは、例えば、それぞれのつば部の間にシール材を挟み込み、つば部同士をボルト締めすること等により、密閉されている。
該内挿容器113の上側には、円板状の内挿容器の蓋部28が設置されており、該内挿容器の蓋部28には、四塩化珪素蒸気の供給管の挿入口と、亜鉛蒸気の供給管の挿入口が形成されている。該内挿容器113の下部には、該内挿容器113内から該排出ガス11を排出するための排出口27が形成されている。
該側壁1の内壁に形成されている炉内つば部12に引っ掛けるようにして、窒素ガス管の固定部材104が設置されており、該窒素ガス管の固定部材104には、該窒素ガス供給管151が固定されている。
該四塩化珪素蒸気の供給管7の一端は、該内挿容器113の内部に位置し、他端は、四塩化珪素の蒸発器に繋がっている。また、該亜鉛蒸気の供給管8の一端は、該内挿容器113の内部に位置し、他端は、亜鉛の蒸発器に繋がっている。また、該排出管6は、排出ガス11、すなわち、四塩化珪素と亜鉛が反応する際に生成する塩化亜鉛ガス及び未反応ガスである四塩化珪蒸気及び亜鉛蒸気を回収するための回収装置に繋がっている。
該反応炉30fを用いる多結晶シリコンの製造方法について説明する。先ず、該ヒーター5により該反応炉30fを加熱しておき、四塩化珪素及び亜鉛をそれぞれの蒸発器により気化させて、四塩化珪素蒸気9を四塩化珪素蒸気の供給管7から、亜鉛蒸気10を亜鉛蒸気の供給管8から、該内挿容器113内に供給しつつ、排出ガス11を該排出管6から、該反応炉30fの外へ排出する。このとき、該内挿容器113内では、四塩化珪素と亜鉛が反応して、多結晶シリコンが生成し、該内挿容器113内で、生成した多結晶シリコンが析出する。そして、該内挿容器113の上部から四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を供給し、該内挿容器113の下部から該排出ガス11を排出しているので、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気は、該内挿容器113の上部から下向きに移動しており、これらの原料蒸気が下降しながら、該内挿容器113内で反応して多結晶シリコンの結晶が成長する。また、四塩化珪素と亜鉛の反応により、塩化亜鉛も生成するが、塩化亜鉛ガスは、未反応の四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気と共に、排出ガス11として、該排出管6から外へ排出される。
四塩化珪素と亜鉛の反応を行っている間、窒素ガス16を該窒素ガス供給管151から該反応炉30f内に供給し、該排出管6から排出することにより、該内挿容器113の周囲の雰囲気を窒素雰囲気にする。
すなわち、該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる反応炉は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる反応炉であって、該反応炉内に内挿容器が設置されており、該反応炉の上部に該内挿容器内に四塩化珪素蒸気を供給する四塩化珪素蒸気の供給管及び該内挿容器内に亜鉛蒸気を供給する亜鉛蒸気の供給管を有し且つ該反応炉の下部に排出ガスの排出管を有する多結晶シリコン製造用の反応炉である。
該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる該反応炉(材質、形状、及び大きさ)は、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉(材質、形状、及び大きさ)と同様である。
該内挿容器の材質としては、透明石英、不透明石英、焼結石英などの石英、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられ、強度面からは、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、また、温度勾配に起因するひび割れが起き難い点からは、石英、窒化珪素が好ましい。
該反応炉及び該内挿容器の形状は、該反応炉内の該内挿容器の上部から該内挿容器内に供給された四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が、該内挿容器の上部から下部に向かって下向きに移動しながら反応するような形状、すなわち、縦長の形状である。言い換えると、該反応炉及び該内挿容器の形状は、原料蒸気及び排出ガスが、該反応炉内の該内挿容器の上部から下部に向かって流れる形状である。
該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる該反応炉における該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管の形態としては、該多結晶シリコン製造工程(1)に用いられる該反応炉における該四塩化珪素蒸気の供給管及び該亜鉛蒸気の供給管の形態が挙げられる。なお、図20では、該四塩化珪素蒸気の供給管7及び該亜鉛蒸気の供給管8は、該内挿容器の蓋部28から該内挿容器の内部へと挿入されている旨記載したが、他には、例えば、該四塩化珪素蒸気の供給管7及び該亜鉛蒸気の供給管8が、該内挿容器113の側面から内部へと挿入されていてもよい。
図20では、該側壁部1の上側には、該炉内つば部12が形成され且つ該窒素ガス管の固定部材104が設置されている旨記載したが、該多結晶シリコン製造工程(3)に用いられる反応炉においては、該窒素ガス管の固定部材104を使用しない場合は、該炉内つば部12は形成されていなくてもよい。
該多結晶シリコン製造工程(3)は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる多結晶シリコンの製造方法であって、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を反応炉内に設置されている内挿容器の上部から該内挿容器内に供給し、該内挿容器の下部から排出ガスを排出して、該内挿容器内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行う多結晶シリコンの製造方法である。
また、該多結晶シリコン製造工程(3)では、図20に示すように、窒素ガス等の不活性ガスの供給管を該反応炉に付設して、不活性ガスを該反応炉内に供給することができる。反応炉内に内挿容器を設置する形態では、不活性ガスを該反応炉内への供給することにより、該反応炉内に外気が侵入するのを防止すると共に、不活性ガスを該反応炉の側壁と該内挿容器との隙間に流し、該排出ガスが該反応炉の側壁と該内挿容器との隙間に漏れて、多結晶シリコンが該反応炉の側壁に析出するのを防止することができる。また、該多結晶シリコン製造工程(3)において、不活性ガスの供給管を該反応炉に付設して、不活性ガスを該反応炉内に供給する場合、図20に示すように、該反応炉30fの上側の該蓋部2aから不活性ガスを供給し、該排出ガス11として該排出管6から不活性ガスを排出してもよいし、他には、例えば、該反応炉30fの上側の該蓋部2aに付設した複数の不活性ガス供給管により不活性ガスを供給してもよいし、あるいは、該反応炉30fの上側の該蓋部2a及び該反応炉30fの下側の該蓋部2bに付設した不活性ガス供給管により不活性ガスを供給してもよい。
該多結晶シリコン製造工程(3)では、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給を止めることにより、多結晶シリコンの製造を終了する。該反応炉を冷却した後、内部に多結晶シリコンが析出した該内挿容器を、該反応炉の外に取り出す。例えば、図20の形態例では、該四塩化珪素蒸気の供給管7や該亜鉛蒸気の供給管8等の付設部材を外した後、該反応炉30fの下側の該蓋部2bを開け、該側壁部1の下側から、該内挿容器113を取り出す。そして、析出した多結晶シリコンを該内挿容器内から掻き出して、多結晶シリコンを得る。
多結晶シリコンを掻き出した後の該内挿容器は、再び、該多結晶シリコン製造工程(3)にて、使用される。また、再使用する前に、該内挿容器を、純水又は塩酸、硝酸、フッ化水素酸等の酸などで洗浄してもよい。
該多結晶シリコン製造工程503の第四の形態(以下、多結晶シリコン製造工程(4)とも記載する。)及び該多結晶シリコン製造工程(4)に用いられる反応炉について説明する。
該多結晶シリコン製造工程(4)に用いられる反応炉は、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを生成させる反応炉であって、円筒形状であり端部につば部を有する反応炉の側壁と、該側壁の端部を塞ぐ蓋と、該側壁のつば部と該蓋との間に挟み込まれるシール部材と、該側壁を加熱するヒーターと、該側壁内の端部近傍に設置される断熱材と、該蓋に付設される不活性ガスの供給管と、を有し、該側壁の端部近傍にヒーターの非設置部分が設けられており、該断熱材がヒーターの設置部分より端部側に設置されている多結晶シリコン製造用の反応炉である。
該多結晶シリコン製造工程(4)は、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気を該反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを該多結晶シリコン製造工程(4)に用いられる反応炉内に析出させることにより、該多結晶シリコン製造工程(4)に用いられる反応炉を用いて、四塩化珪素と亜鉛を反応させて多結晶シリコンを製造する多結晶シリコン製造の工程である。
該多結晶シリコン製造工程(4)に用いられる反応炉は、円筒形状であり端部につば部を有する該側壁と、該側壁の端部を塞ぐ蓋と、からなる縦長の形状である。つまり、該反応炉の形状は、反応炉の上部から反応炉内に供給された四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気が、反応炉の上部から下部に向かって下向きに移動しながら反応するような縦長の形状である。言い換えると、該反応炉の形状は、原料蒸気及び排出ガスが、反応炉の上部から下部に向かって流れる形状である。
該反応炉内は1,000℃程度の温度となるため、該反応炉の側壁の材質としては、透明石英、不透明石英、焼結石英などの石英、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられ、強度面からは、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、また、温度勾配に起因するひび割れが起き難い点からは、石英、窒化珪素が好ましい。
該反応炉の蓋の材質としては、石英、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられ、強度面からは、炭化珪素、窒化珪素が好ましく、また、温度勾配に起因するひび割れが起き難い点からは、石英、窒化珪素が好ましい。また、該反応炉の蓋の材質としては、マルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、析出硬化系等のステンレス鋼、鉄、炭素鋼が挙げられ、これらの材質は、該反応炉の蓋の耐久性が高くなる点で好ましい。
該多結晶シリコン製造工程503では、四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気の供給を続け、該反応炉内で、四塩化珪素と亜鉛の反応を行い、該反応炉内に多結晶シリコンを析出させつつ、該排出管から該排出ガスを該反応炉の外に排出するが、該排出ガスが該反応炉の排出管を通過する際に、該反応炉の排出管内にシリコンが析出して、該反応炉の排出管が徐々に詰まる場合がある。そのため、該反応炉の排出管の閉塞を防止することを目的に、該反応炉の排出管の閉塞防止装置を用いて、該反応炉の排出管の閉塞を防止することができる。該反応炉の排出管の閉塞防止装置としては、任意の装置を使用できるが、一例として、該排出管の閉塞による圧力上昇を検知して、該反応炉の排出管内の析出物を掻き出す装置が挙げられる。
該多結晶シリコン製造工程503で、該高純度四塩化珪素513の蒸気の供給及び該亜鉛515の蒸気のいずれもを、キャリアーガスで希釈せずに該反応炉に供給する場合は、該多結晶シリコン製造工程503から排出される該排出ガス11は、四塩化珪素と亜鉛との反応により生成する塩化亜鉛と、未反応の四塩化珪素蒸気と、未反応の亜鉛蒸気の混合ガスである。また、該多結晶シリコン製造工程503で、該高純度四塩化珪素513の蒸気の供給及び該亜鉛515の蒸気のいずれか一方又は両方を、キャリアーガスで希釈して該反応炉に供給する場合は、該多結晶シリコン製造工程503から排出される該排出ガス11は、四塩化珪素と亜鉛との反応により生成する塩化亜鉛と、未反応の四塩化珪素蒸気と、未反応の亜鉛蒸気と、該キャリアーガスの混合ガスである。
該多結晶シリコン製造工程503からの該排出ガス11には、塩化亜鉛、未反応亜鉛及び未反応四塩化珪素が含まれ、反応原料の供給にキャリアーガスを使用した場合は、更に該キャリアーガスが含まれるが、該第1分離工程504では、該排出ガス11を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素と、に分離し、また、原料供給にキャリアーガスを使用した場合は、該排出ガス11を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物と、に分離する。このような分離を行うための装置としては、任意の装置を使用できるが、該排出ガス11中の成分の物理的性状の差異を利用して分離することができる装置を好適に使用できる。
特に、塩化亜鉛及び未反応亜鉛を固体として、未反応四塩化珪素又は未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物を気体として分離する装置が好ましい。そして、このような装置を用いて、塩化亜鉛及び未反応亜鉛が固化し且つ未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物が気体として存在しうる温度で、該排出ガス11を冷却し、次いで、固体と気体とを分離すればよい。
一例として、該第1分離工程504に用いられる分離回収装置及び分離回収方法について、図21〜図23を参照して説明する。図21は、該第1分離工程に用いられる該分離回収装置の模式的な断面図である。図22は、図21中のx−x線で切った断面図である。図23は、図21中の回転翼を示す図である。なお、図21及び図22では、図2に示す該反応炉20aを、該多結晶シリコン製造工程503で用いられる反応炉として例示し、以下説明する。
該多結晶シリコン製造工程503に用いられる該反応炉の排出管6には、図21に示す分離回収装置430が繋がれている。
該分離回収装置430は、該多結晶シリコン製造工程503で多結晶シリコンの製造に用いられた該反応炉20aから排出される該排出ガス11が供給される冷却部424と、該冷却部424に繋がる分離回収部426と、を有する。
該冷却部424は、円筒型の側壁と、円形の上側壁と、下方に向けて傾斜する逆円錐面状の冷却面415と、冷却手段416と、回転翼417と、該回転翼が固定されている回転軸418と、該回転翼417を回転させるためのモーター419と、からなる。該冷却部424には、該冷却面415より下方に、粉体の排出口421が設けられている。該粉体の排出口421には、冷却により生じた粉体及び冷却された後の排出ガスを、該分離回収部426へと移動させるための連結管422が繋がっている。該冷却部424の上方には、該排出ガス11を該冷却面415へ供給するための排出ガスの供給管423が付設されている。
該冷却面415は、該排出ガス11が冷却される部位である。そして、該排出ガス11が冷却されることにより、該排出ガス11中の塩化亜鉛ガス及び未反応亜鉛の蒸気が凝固して、塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末が生成する。生成した塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末は、該冷却面415に付着する。以下、該排出ガス11が冷却されて生成する塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末を、総称して粉体とも呼ぶ。
該冷却面415の形状は、下方に向けて傾斜する逆円錐面状である。つまり、該冷却面415の形状は、円錐の側面を上下逆さまにした形状である。該冷却面415の傾斜角、すなわち、円錐形状の母線と水平線との角度は、該冷却面415から掻き落された粉体の該粉体の排出口421への移動し易さや冷却効率等を考慮して、適宜選択される。
該冷却手段416は、該冷却面415を冷却するためのものであり、冷媒よる冷却手段、空冷による冷却手段等、適宜選択されるが、温度制御がし易い点で、冷媒による冷却手段が好ましく、水冷が特に好ましい。該冷却手段の大きさや設置位置は、冷却効率等を考慮して、適宜選択される。
該回転翼417は、該冷却面415に付着している粉体を掻き落すための部材である。図22及び図23に示すように、該回転翼417は、該回転翼417の回転軸側472が、該回転軸418に固定されており、該回転軸418には、該回転軸418を回転させるための該モーター419が設置されている。そして、該モーター419が回転駆動することにより、該回転翼417は、該回転軸418の周りを回転する。このとき、該回転翼417は、該回転翼417の冷却面側471が、該冷却面415に沿って移動するようにして、該冷却部424内で回転する。図22中、符号474は、該回転翼417の回転方向を示す。なお、該回転翼417の冷却面側471が、該冷却面415に沿って移動するとは、該回転翼417の該冷却面側471が、該冷却面415に接して、あるいは、掻き落す効果が損なわれない範囲で隙間を開けて該冷却面415と対向して、移動することを指す。
該回転翼417の形状は、該冷却面415に付着している粉体を掻き落すことができる形状であれば、特に制限されない。そして、該回転翼417は、図21及び図23に示すように、該粉体の排出口421より下方に突き出す突出部473を有することが好ましい。該突出部473は、該回転翼417が回転することにより、該粉体の排出口421の近傍及び該連結管422内で回転するので、該回転翼417が該突出部473を有することにより、粉体が該粉体の排出口421の近傍や該連結管422内で詰まるのを防止することができる。
また、図21及び図22では、該回転翼417の枚数が1枚である旨記載したが、該回転翼417の枚数は、特に制限されない。
該粉体の排出口421は、該回転翼417によって掻き落された粉体が、該冷却部424の外へ排出される排出口である。また、該粉体の排出口421は、該冷却面415で冷却された後の排出ガスが、該冷却部424の外に排出される排出口でもある。該粉体の排出口421は、該冷却面415より下方に設けられる。該粉体の排出口421の径が大き過ぎると、該排出ガス11の冷却が不十分となり、塩化亜鉛又は未反応亜鉛が気体のまま、該冷却部424から排出されてしまうため好ましくなく、また、小さ過ぎると、該粉体の排出口421の近傍又は該連結管422に、粉体が詰まってしまうため好ましくない。そのため、該粉体の排出口421の径は、該冷却面415の大きさ、傾斜角、冷却温度、該回転軸418の太さ等の該冷却部424の設計に合わせて、あるいは、該排出ガス11中の塩化亜鉛ガス、亜鉛蒸気、四塩化珪素蒸気の濃度、該排出ガス11の排出量、排出速度等の該反応炉20aでの反応条件に合わせて、塩化亜鉛及び未反応亜鉛が気体のまま、該冷却部424から排出されず且つ該粉体の排出口421の近傍又は該連結管422に、粉体が詰まってしまわない範囲で、適宜選択される。
該連結管422は、該冷却部424と該分離回収部426とを繋ぐ連結管である。該連結管422の一端は、該粉体の排出口421に繋がっており、該連結管422の他端は、該分離回収部426内へと繋がっている。そして、冷却された後の排出ガス及び掻き落された粉体が、該連結管422内を通って、該分離回収部426へと移動する。なお、該連結管422の付設は、任意であり、図21中の該分離回収部426の供給口427が、該粉体の排出口421に、直接繋がっていてもよい。
該冷却部424の側壁及び上側壁の形状は、特に制限されない。また、該排出ガスの供給管423の付設位置は、該冷却面415に該排出ガス11が供給される位置であれば、特に制限されない。
該分離回収部426は、該連結管422を介して、該冷却部424に繋がっている。また、該分離回収部426の上方には、気体である未反応四塩化珪素514又は未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物520を該分離回収部426の外へ排出するための未反応四塩化珪素の排出管425が付設されている。
該分離回収部426には、該冷却部424で冷却された後の排出ガス及び該冷却面415から掻き落された粉体が、該粉体の排出口421を経て移動してくる。つまり、該分離回収部426には、未反応四塩化珪素又は未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物と、塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末(塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519)とが、該冷却部424から移動してくる。そして、粉体は、該連結管422の出口、すなわち、粉体及び冷却された後の排出ガスが、該分離回収部426内に入ってくる入口である粉体の分離回収部への供給口427から、該分離回収部426の底に向かって落下することにより、該分離回収部426内に回収される。また、未反応四塩化珪素又は未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物は、該粉体の分離回収部への供給口427を経て、該未反応四塩化珪素の排出管425から該分離回収部426の外に排出されて回収される。
該分離回収装置430を用いる該第1分離工程504について説明する。該多結晶シリコン製造工程503では、四塩化珪素及び亜鉛をそれぞれの蒸発器により気化させて、四塩化珪素蒸気9を四塩化珪素蒸気の供給管7から、亜鉛蒸気10を亜鉛蒸気の供給管8から、該ヒーター5により加熱されている該反応炉20a内に供給しつつ、排出ガス11を該排出管6から、該反応炉20aの外へ排出する。そして、四塩化珪素と亜鉛の反応により生成する塩化亜鉛ガスが、未反応の四塩化珪素蒸気及び亜鉛蒸気と共に、該排出ガス11として、該排出管6から該反応炉20aの外へ排出される。
そして、該第1分離工程504では、該多結晶シリコン製造工程503で生じる該排出ガス11を、該反応炉の排出管6から該排出ガスの供給管423を経て、該分離回収装置430に供給する。
先ず、該排出ガス11を、該冷却面415に供給して冷却する。そして、該排出ガス11を冷却することにより、該排出ガス11中の塩化亜鉛ガス及び未反応亜鉛の蒸気を凝固させて、塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末(塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519)を生成させる。生成した塩化亜鉛粉末及び亜鉛粉末は、該冷却面415に付着する。また、冷却により、排出ガスからは、塩化亜鉛蒸気及び亜鉛蒸気が除去されるため、冷却された後の排出ガスは、未反応四塩化珪素又は未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物となる。
そして、該多結晶シリコン製造工程503で、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気のいずれもを、キャリアーガスで希釈せずに該反応炉に供給する場合は、該第1分離工程504で分離された該未反応四塩化珪素514を、該四塩化珪素蒸留工程502へ返送する(図1中(1−1))。また、該多結晶シリコン製造工程503で、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気のいずれか一方又は両方を、キャリアーガスで希釈して該反応炉に供給する場合は、該第1分離工程504で分離された該四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物520を、該第2分離工程505へ移送する(図1中(1−2))。
該第2分離工程505は、必要に応じて採択される工程であり、該多結晶シリコン製造工程503で、該高純度四塩化珪素513の蒸気及び該亜鉛515の蒸気のいずれか一方又は両方を、キャリアーガスで希釈して該反応炉に供給する場合に、該第1分離工程504の後に行われる工程であり、該第1工程504から排出される該未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物520を、該未反応四塩化珪素514と、該キャリアーガス517とに分離する工程である(図1中(1−2))。該第2分離工程505で、該未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物520を、該未反応四塩化珪素514と該キャリアーガス517とに分離する方法としては、例えば、それらの沸点差を利用した蒸留が挙げられる。
そして、該第2分離工程505で分離された該未反応四塩化珪素514を、該四塩化珪素蒸留工程502へ返送する。また、該第2分離工程505で分離された該キャリアーガス517を、該多結晶シリコン製造工程503へ返送する。つまり、該第1分離工程504で塩化亜鉛及び未反応亜鉛と分離した未反応四塩化珪素を、該四塩化珪素蒸留工程502に移送する本発明の多結晶シリコンの製造方法のうち、図1中(1−2)の形態は、該第1分離工程504で塩化亜鉛及び未反応亜鉛と分離した未反応四塩化珪素を、該第2分離工程505を経て、第四塩化珪素蒸留工程502に移送する形態である。
該電解工程506は、該塩化亜鉛及び亜鉛の混合物519を電解して、該亜鉛515及び該塩素ガス511を得る工程である。
該電解工程506で、該塩化亜鉛及び亜鉛の混合物519を電解する方法としては、特に限定されず、溶融塩電解、水溶液電解等が挙げられる。該電解工程506で、これら電解を行うことにより、亜鉛と塩素ガスを得ることができる。また、該電解工程506では、溶融塩電解と水溶液電解とを併用してもよい。
該電解工程506で行われる溶融塩電解工程の一例としては、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を、上部に生成ガス捕集部を有する溶融塩電解槽中で溶融塩電解することにより、該溶融塩電解槽上部から塩素ガスを取り出すとともに該溶融塩電解槽下部から溶融亜鉛を取り出す溶融塩電解工程が挙げられる。
該溶融塩電解工程に係る該溶融塩電解槽としては、例えば、図24中(24−1)又は(24−2)に示す形態例の溶融塩電解槽301(301a、301b)が挙げられる。以下、該溶融塩電解工程について、図24を参照して説明する。図24中(24−1)に示す形態例と(24−2)に示す形態例とは、電極304を構成する陽極(図24中、「+」記号で表記されている。)及び陰極(図24中、「−」記号で表記されている。)の数が異なるだけで、それ以外は共通することから、特に断らない限り、図24中(24−1)及び(24−2)に示す形態例についてまとめて説明する。
図24中、該溶融塩電解槽301は、該溶融塩電解槽301の内部に融液302を保持する空間を有するとともに、電解槽加熱部(図示しない。)と、電極304と、を有する。
該溶融塩電解槽301の容量は、例えば、30L〜100L程度である。該溶融塩電解槽301は、効率的な加熱を可能にするために槽内部が外部から断熱されていることが好ましい。
該溶融塩電解槽301には、該電極304が設けられる。該電極304は、単極式であってもよいし複極式であってもよいが、複極式であることが好ましい。また、該電極304は、図24中(24−1)に示すように、一つの陽極と一つの陰極とが一対になったものであってもよいし、図24中(24−2)に示すように、複数の陽極と複数の陰極とが交互に配置されたものであってもよい。該電極304の形状、材料は、特に限定されないが、材料としてはグラファイトなどの炭素系材料が望ましく、形状としては平板状又は溝のついた平板状が挙げられる。そして、該電極304としては、平板状又は溝のついた平板状であり、その片面が陽極であり他方の面が陰極である複極式の電極を複数個、陽極と陰極が対向するように平行に並べ、両端の電極に通電する複極式電極が望ましい。
該電極304として、該複極式電極を用いることにより、電極間の電気的接続による抵抗損をきわめて小さくすることができ、電力消費を最少限に抑えることができる。陰極と陽極が対面する電極間には液/ガス流れのためのすき間を空けて組み立てることにより、陽極と陰極間において、電解生成物である塩素ガスを電極に沿って上方に移動させ、生成した亜鉛を溶融塩電解槽の下方に速やかに移動させることができる。
該複極式電極を用いる場合、電極間距離については特には制限されないが、5〜10mm程度が適当であり、10mmを超えると電解電圧が高くなるとともに複極式電極を用いる溶融塩電解槽で問題となりやすい漏洩電流が大きくなり、5mmより小さいと運転温度にも依るが、発生気泡並びに生成亜鉛の電解部分からの分離が困難となる。
該溶融塩電解工程では、該融液302を溶融塩電解に適する温度で加熱しながら、溶融塩電解を行う。該溶融塩電解工程において溶融塩電解を行う際の加熱温度(溶融塩電解温度)は、好ましくは420〜730℃、特に好ましくは450〜550℃、更に好ましくは480〜500℃である。
そして、該溶融塩電解工程では、該溶融塩電解温度下において、該電極304に対し、外部電源(図示しない。)から電圧を引加することにより溶融塩電解を行う。該溶融塩電解工程において溶融塩電解を行う際、引加電圧は、好ましくは1〜10V、特に好ましくは1〜5V、更に好ましくは1.5〜4Vであり、また、電解電流密度は、好ましくは5〜100A/dm、特に好ましくは10〜100A/dm、更に好ましくは20〜100A/dmである。
そして、該溶融塩電解工程を行うことにより、塩化亜鉛が分解されて亜鉛融液と塩素ガスが生成する。
該溶融塩電解工程では、図24中に「+」記号で表記する陽極から塩素ガスが生成し、生成した塩素ガスを、該溶融塩電解槽301の上部に設けられた、生成ガス排出管303から排出して回収する。また、図24中に「−」記号で表記する陰極上で溶融亜鉛が生成し、生成した溶融亜鉛は、陰極を伝って下方に落ちて、該溶融塩電解槽301の底部に集まる。
該溶融塩電解槽301中の該融液302を構成する成分としては、未反応塩化亜鉛(比重2.9)、酸化亜鉛(比重5.6)、生成した金属亜鉛(比重6.6)が挙げられる。該溶融塩電解槽301内では、該融液302の上部から下部に向けて比重の小さいものから順に存在することになることから、例えば、図24に示すように該溶融塩電解槽301の下部に設けられたバルブ305を開放することにより、該溶融塩電解槽301の下部から溶融亜鉛のみを抜き出すことができる。該溶融亜鉛の抜き出し量を、該溶融塩電解槽301の容量や溶融塩電解条件を考慮して適宜選択することができる。
該溶融塩電解工程では、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519の溶融塩電解を、バッチ式により行ってもよく、あるいは、連続式で行ってもよい。
該溶融塩電解工程における溶融塩電解を連続式で行う場合、該溶融塩電解槽301に設けられた供給管(図示しない。)から、予め溶融させた該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519の融液を、連続的に該溶融塩電解槽301に供給しつつ、該溶融塩電解槽301の上部から、溶融塩電解により生成する塩素ガスを回収し、該溶融塩電解槽301の下部から、溶融塩電解により生成する溶融亜鉛を連続的に抜き出して亜鉛を回収しながら、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を溶融塩電解する方法が挙げられる。
該溶融塩電解工程における溶融塩電解をバッチ式で行う場合、該溶融塩電解槽301に、粉体の該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を投入し、次いで、該電解槽加熱部(図示しない。)で該溶融塩電解槽301中の該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を、溶融塩電解温度まで加熱し、次いで、該電極304に対して、該外部電源(図示しない。)から電圧を引加することにより、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を溶融塩電解する方法が挙げられる。バッチ式で溶融塩電解を行う場合、溶融塩電解により生成する塩素ガスを、該溶融塩電解槽301の上部から、溶融塩電解を行いながら回収し、また、溶融塩電解により生成する亜鉛を、該溶融塩電解槽301の下部から、溶融塩電解を行いながら又は溶融塩電解終了後に抜き出し回収する。
また、該電解工程506で行われる水溶液電解工程の一例としては、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519を塩酸水溶液に加えることにより、塩化亜鉛水溶液を得、次いで、該塩化亜鉛水溶液を、上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で水溶液電解することにより、水溶液電解槽上部から塩素ガスを取り出すと共に、電極上に亜鉛を析出させる水溶液電解工程が挙げられる。
該水溶液電解工程では、先ず、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に、該塩酸水溶液を加えて、該塩化亜鉛水溶液を得る。
該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に加える該塩酸水溶液中の塩酸濃度は、好ましくは0.01〜10規定(N)、特に好ましくは0.1〜5N、更に好ましくは0.5〜2Nである。
該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に該塩酸水溶液を加えて得られる該塩化亜鉛水溶液のpHは、好ましくは0〜6程度、特に好ましくは0.01〜5程度、更に好ましくは0.1〜4程度である。そのため、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に該塩酸水溶液を加えて得られる該塩化亜鉛水溶液のpHが、好ましくは0〜6程度となるまで、特に好ましくは0.01〜5程度となるまで、更に好ましくは0.1〜4程度となるまで、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に該塩酸水溶液を加える。
該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519に該塩酸水溶液を加えることにより、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519中の未反応亜鉛は塩化物、すなわち、塩化亜鉛となる。また、該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物519中には極微量の酸化亜鉛が含まれることもあるが、酸化亜鉛もまた、該塩酸水溶液により、塩化物、すなわち、塩化亜鉛となる。
該水溶液電解工程では、次いで、該塩化亜鉛水溶液を、上部に生成ガス捕集部を有する水溶液電解槽中で水溶液電解する。該水溶液電解工程に係る該水溶液電解槽としては、例えば、図25中(25−1)又は(25−2)に示す水溶液電解槽311(311a、311b)が挙げられる。以下、該水溶液電解工程について、図25を参照して説明する。図25中(25−1)に示す形態例と(25−2)に示す形態例とは、電極314を構成する陽極(図25中、「+」記号で表記されている。)及び陰極(図25中、「−」記号で表記されている。)の数が異なるだけで、それ以外は共通することから、特に断らない限り、図25中(25−1)及び(25−2)に示す形態例についてまとめて説明する。
図25中、該水溶液電解槽311は、該水溶液電解槽311の内部に塩化亜鉛水溶液312を保持する空間を有するとともに、電解槽加熱部(図示しない。)と、電極314と、を有する。
該電極314の材質としては、グラファイト等の炭素系物質や、チタン、鉄、イリジウム、ルテニウム、白金などの金属系物質や、該金属系物質の酸化物や、さらには該金属系物質及び金属系物質の酸化物の複合材が挙げられる。また、該電極314の形状としては、特に制限されず、平板状又は棒状等の形状が挙げられる。
該水溶液電解工程では、該電極314に対し外部電源(図示しない。)から電圧を引加することにより、該塩化亜鉛水溶液312の水溶液電解を行う。
該水溶液電解工程において水溶液電解を行う際、引加電圧は、好ましくは0.1〜10V、特に好ましくは0.5〜7V、更に好ましくは1〜4Vであり、電流密度は、好ましくは0.1〜100A/dm、特に好ましくは0.5〜80A/dm、更に好ましくは1〜60A/dmである。
該水溶液電解工程で水溶液電解を行う際の水溶液電解温度は、特に制限されないが、好ましくは10〜60℃である。該水溶液電解工程で水溶液電解を行う際の電解時間は、好ましくは0.1〜10時間、特に好ましくは0.2〜5時間、更に好ましくは0.5〜3時間である。
該水溶液電解工程では、該水溶液電解により塩素ガスが発生するので、発生する塩素ガスを、該水溶液電解槽311の上部に設けられた生成ガス排出管313から排出して、回収する。また、該水溶液電解工程では、該電極314に対し外部電源(図示しない。)から電圧を引加することにより、「−」符号を付した陰極上に金属亜鉛が析出する。水溶液電解を行った後、陰極に析出した金属亜鉛を回収する。
そして、該電解工程506で得られた該亜鉛515を、該多結晶シリコン製造工程503へ返送する。また、該電解工程506で得られた該亜鉛515を、該多結晶シリコン製造工程503へ返送する前に、該亜鉛515の蒸留を行い、該亜鉛515を精製してから、該多結晶シリコン製造工程503へ返送してもよい。
また、該電解工程506で得られた該塩素ガス511を、該四塩化珪素製造工程501へ返送する。
このようにして、本発明の多結晶シリコンの製造方法では、塩素ガス、亜鉛及びキャリアーガスを循環再使用しながら、原料金属シリコンから、多結晶シリコンを製造することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
下記反応炉において、亜鉛蒸気の供給管から930℃に加熱して気化させた亜鉛蒸気を窒素ガスと共に反応炉内に導入し、四塩化珪素蒸気の供給管から930℃に加熱して気化させた四塩化珪素蒸気を反応炉に供給しつつ、反応炉内を930℃、炭化珪素棒の加熱温度を1,000℃にして、四塩化珪素を74g/分の速度で、亜鉛を50g/分の速度で供給し、四塩化珪素と亜鉛の反応を行った。
<反応炉(図2の形態例で、炭化珪素棒の設置本数が3本の形態例)>
反応炉:内径300mm×長さ2,500mmの石英製反応管を使用
炭化珪素棒:外径30mm×長さ1,000mm、本数3本(反応炉の中心を中心とする円弧上に、等間隔に設置)、気孔率5%、
四塩化珪素蒸気供給管と亜鉛蒸気供給管の垂直方向の位置関係:同一高さ
四塩化珪素蒸気供給管と亜鉛蒸気供給管の水平方向の位置関係:図4に示す位置関係
反応炉出口の排出管内径:100mm
排出管の位置:排出管6の下側が反応炉の下側の蓋部2bの上面より700mm上側
固定部材4の下側から排出管6の上側の間に存在する炭化珪素棒の長さ:固定部材4の下側から排出管6の上側までの長さの90%
そして、40時間反応を行った後、冷却し、炭化珪素棒を反応炉の外に取り出した。炭化珪素棒に針状の多結晶シリコンが析出していることが確認された。次いで、炭化珪素棒から多結晶シリコンを掻き落して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し62%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。また、反応炉の側壁には、ほとんど、シリコンの析出は観察されなかった。なお、炭化珪素棒は、多結晶シリコンを掻き落す際に、破壊されることはなく、再使用可能な状態であった。
(実施例2)
シリコン含浸炭化珪素棒を用いたこと以外は、実施例1と同様に行った。なお、シリコン含浸炭化珪素棒の炭化珪素:含浸シリコンの質量比は、85:15であった。
40時間反応を行った後、冷却し、炭化珪素棒を反応炉の外に取り出した。炭化珪素棒に針状の多結晶シリコンが析出していることが確認された。次いで、炭化珪素棒から多結晶シリコンを掻き落して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し64%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。また、反応炉の側壁には、ほとんど、シリコンの析出は観察されなかった。なお、炭化珪素棒は、多結晶シリコンを掻き落す際に、破壊されることはなく、再使用可能な状態であった。
(実施例3)
炭化珪素棒に代えて、タンタル棒を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
40時間反応を行った後、冷却し、タンタル棒を反応炉の外に取り出した。次いで、タンタル棒から多結晶シリコンを掻き落して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し62%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。また、反応炉の側壁には、ほとんど、シリコンの析出は観察されなかった。
(実施例4)
下記反応炉を用いる以外は、実施例1と同様に行った。つまり、炭化珪素棒を内挿容器内に設置すること以外は、実施例1と同様に行った。
<反応炉(図14の形態例で、炭化珪素棒の設置本数が3本の形態例)>
反応炉:内径300mm×長さ2,500mmの石英製反応管を使用
内挿容器:内径260mm×長さ1,700mmの蓋部を有する内挿容器を使用、炭化珪素製
四塩化珪素蒸気供給管と亜鉛蒸気供給管の垂直方向の位置関係:同一高さ
四塩化珪素蒸気供給管と亜鉛蒸気供給管の水平方向の位置関係:図4に示す位置関係
反応炉出口の排出管内径:100mm
排出管の位置:排出管6の下側が反応炉の下側の蓋部2bの上面より700mm上側
炭化珪素棒:シリコン含浸炭化珪素棒、炭化珪素:含浸シリコンの質量比は85:15、外径30mm×長さ1,000mm、本数3本(反応炉の中心を中心とする円弧上に、等間隔に設置)
内挿容器の蓋部28の下側から排出管6の上側の間に存在する炭化珪素棒の長さ:内挿容器の蓋部28の下側から排出管6の上側までの長さの90%
窒素ガスの供給量:10NL/分
そして、40時間反応を行った後、冷却した。次いで、炭化珪素棒及び内挿容器を反応炉の外に取り出し、次のバッチ用の炭化珪素棒及び内挿容器を設置し、次バッチの準備を行った。このとき、炭化珪素棒及び内挿容器の取り出しを開始してから、次バッチの準備が完了するまでの時間は、およそ1時間であった。また、内挿容器を取り出した後、反応炉の側壁を目視にて観察したところ、シリコンの析出は観察されなかった。
また、取り出した炭化珪素棒の表面及び内挿容器内に針状の多結晶シリコンが析出していることが確認された。次いで、炭化珪素棒から多結晶シリコンを掻き落し、内挿容器から多結晶シリコンを掻き出して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し64%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。なお、炭化珪素棒は、多結晶シリコンを掻き落す際に、破壊されることはなく、再使用可能な状態であった。
(実施例5)
下記反応炉において、亜鉛蒸気の供給管から930℃に加熱して気化させた亜鉛蒸気を窒素ガスと共に反応炉内に導入し、四塩化珪素蒸気の供給管から930℃に加熱して気化させた四塩化珪素蒸気を反応炉に供給しつつ、反応炉内を930℃、炭化珪素棒の加熱温度を1,000℃にして、四塩化珪素を74g/分の速度で、亜鉛を50g/分の速度で供給し、四塩化珪素と亜鉛の反応を行った。
<反応炉(図7に示す形態例で、炭化珪素棒の設置本数が3本の形態例)>
反応炉:内径300mm×長さ2,500mmの石英製反応管を使用
炭化珪素棒:シリコン含浸炭化珪素棒、炭化珪素:含浸シリコンの質量比は85:15、外径30mm×長さ1,000mm、本数3本(反応炉の中心を中心とする円弧上に、等間隔に設置)
反応炉出口の排出管内径:100mm
四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁部分の径:内径50mm
亜鉛蒸気の供給空間の区画壁部分の径:炭化珪素棒側の外径180mm、側壁側の内径230mm
固定部材4の下側から排出管6の上側の間に存在する炭化珪素棒の長さ:固定部材4の下側から排出管6の上側までの長さの90%
そして、40時間反応を行った後、冷却し、炭化珪素棒を反応炉の外に取り出した。炭化珪素棒に針状の多結晶シリコンが析出していることが確認された。3本のそれぞれの質量を測定して、各炭化珪素棒に析出した多結晶シリコンの質量を測定したところ、析出した多結晶シリコンの質量の3本の平均値を100%とした場合、析出量の最大値と最小値の差は10%以内であった。次いで、炭化珪素棒から多結晶シリコンを掻き落して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し70%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。なお、炭化珪素棒は、多結晶シリコンを掻き落す際に、破壊されることはなく、再使用可能な状態であった。
(実施例6)
下記反応炉を用いる以外は、実施例5と同様に行った。つまり、内挿容器を反応炉内に設置すること以外は、実施例5と同様に行った。
<反応炉(図18の形態例で、炭化珪素棒の設置本数が3本の形態例)>
反応炉:内径300mm×長さ2,500mmの石英製反応管を使用
炭化珪素棒:シリコン含浸炭化珪素棒、炭化珪素:含浸シリコンの質量比は85:15、外径30mm×長さ1,000mm、本数3本(反応炉の中心を中心とする円弧上に、等間隔に設置)
内挿容器:内径260mm×長さ1,700mmの蓋部を有する内挿容器を使用、炭化珪素製
反応炉出口の排出管内径:100mm
四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁部分の径:内径50mm
亜鉛蒸気の供給空間の区画壁部分の径:炭化珪素棒側の外径180mm、側壁側の内径230mm
排出管の位置:排出管6の下側が反応炉の下側の蓋部2bの上面より700mm上側
固定部材4の下側から排出管6の上側の間に存在する炭化珪素棒の長さ:固定部材4の下側から排出管6の上側までの長さの90%
窒素ガスの供給量:10NL/分
40時間反応を行った後、冷却し、炭化珪素棒及び内挿容器を反応炉の外に取り出した。炭化珪素棒及び内挿容器内に針状の多結晶シリコンが析出していることが確認された。次いで、炭化珪素棒から多結晶シリコンを掻き落し、内挿容器内から多結晶シリコンを掻き出して、多結晶シリコンを得た。多結晶シリコンの収率は、供給原料に対し70%であり、多結晶シリコンの純度は6−Nであった。また、反応炉の側壁には、ほとんど、シリコンの析出は観察されなかった。なお、炭化珪素棒は、多結晶シリコンを掻き落す際に、破壊されることはなく、再使用可能な状態であった。
本発明によれば、製造コストを低く且つ運転管理を簡便に多結晶シリコンを製造できるので、工業的に有利に多結晶シリコンを製造することができる。
1 反応炉の側壁
2、2a、2b 蓋部
3 炭化珪素棒
4 固定部材
5 ヒーター
6 排出管
7 四塩化珪素蒸気の供給管
8 亜鉛蒸気の供給管
9 四塩化珪素蒸気
10 亜鉛蒸気
11 排出ガス
12 炉内壁つば部
13 四塩化珪素蒸気の供給空間の区画部材
14 亜鉛蒸気の供給空間の区画部材
16 窒素ガス
19 反応炉の中心を中心とする円
20a、20b、30a、30b、30c、30d、30e、30f 反応炉
21 四塩化珪素蒸気の供給管の分岐管
22 亜鉛蒸気の供給管の分岐管
23 四塩化珪素蒸気の供給室
24 亜鉛蒸気の供給室
27 排出口
28 内挿容器の蓋部
31 幹部
32 枝部
104 窒素ガス管の固定部材
113 内挿容器
121 四塩化珪素蒸気の供給管の挿入口
122 亜鉛蒸気の供給管の挿入口
131 四塩化珪素蒸気の供給空間の区画壁
132 四塩化珪素蒸気の供給空間
141 炭化珪素棒側の亜鉛蒸気の供給空間の区画壁
142 側壁側の亜鉛蒸気の供給空間の区画壁
143 亜鉛蒸気の供給空間
151 窒素ガスの供給管
161 中心側の空間
181 側壁側の空間
191 反応炉の中心側
192 側壁側
231 側壁
232 四塩化珪素蒸気の供給口
242 側壁側の側壁
243 亜鉛蒸気の供給口
244 中心側の側壁
415 冷却面
416 冷却手段
417 回転翼
418 回転軸
419 モーター
421 粉体の排出口
422 連結管
423 排出ガスの供給管
424 冷却部
425 未反応四塩化珪素の排出管
426 分離回収部
427 粉体の分離回収部への供給口
428 未反応四塩化珪素の排出口
430 分離回収装置
471 冷却面側
472 回転軸側
473 突出部
474 回転方向
501 四塩化珪素製造工程
502 四塩化珪素蒸留工程
503 多結晶シリコン製造工程
504 第1分離工程
505 第2分離工程
506 電解工程
510 原料金属シリコン
511 塩素ガス
512 低純度四塩化珪素
513 高純度四塩化珪素
514 未反応四塩化珪素
515 亜鉛
516 多結晶シリコン
517 キャリアーガス
519 塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物
520 未反応四塩化珪素及びキャリアーガスの混合物

Claims (4)

  1. 原料金属シリコンを塩素ガスと反応させて、低純度四塩化珪素を得る四塩化珪素製造工程と、
    該低純度四塩化珪素を蒸留して、高純度四塩化珪素を得る四塩化珪素蒸留工程と、
    該高純度四塩化珪素の蒸気と、亜鉛の蒸気とを、反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを該反応炉内に析出させて、多結晶シリコンを得る多結晶シリコン製造工程と、
    該排出ガス中の成分を、塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物と、未反応四塩化珪素とに、を分離する第1分離工程と、
    該第1分離工程で分離された該塩化亜鉛及び未反応亜鉛の混合物を、電解して、亜鉛と塩素ガスとを得る電解工程と、
    を有し、
    該第1分離工程で分離された該未反応四塩化珪素を、該四塩化珪素蒸留工程に移送して、該低純度四塩化珪素と共に蒸留し、
    該電解工程で得られた塩素ガスを、該四塩化珪素製造工程で反応させる塩素ガスとして用い、
    該電解工程で得られた亜鉛を、該多結晶シリコン製造工程で反応させる亜鉛として用いること、
    を特徴とする多結晶シリコンの製造方法。
  2. 前記多結晶シリコン製造工程が、四塩化珪素蒸気と、亜鉛蒸気と、を反応炉の上部から供給し、該反応炉の下部から排出ガスを排出して、該反応炉内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行いつつ、生成する多結晶シリコンを析出棒に析出させる多結晶シリコン製造工程であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  3. 前記析出棒が、炭化珪素棒であることを特徴とする請求項2記載の多結晶シリコンの製造方法。
  4. 前記多結晶シリコン製造工程が、四塩化珪素蒸気と、亜鉛蒸気と、を反応炉内に設置されている内挿容器の上部から該内挿容器内に供給し、該内挿容器の下部から排出ガスを排出して、該内挿容器内で四塩化珪素蒸気と亜鉛蒸気の反応を行う多結晶シリコン製造工程であることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
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