JP2013234368A - 亜鉛の精製方法および高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

亜鉛の精製方法および高純度シリコンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、炭素含有量が低減された亜鉛を得ることを目的とする。また、本発明は、炭素含有量が低減された亜鉛を用いた亜鉛還元法により、炭素含有量が低い高純度シリコンを得ることを目的とする。
【解決手段】本発明の亜鉛の精製方法は、炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することを特徴とする。本発明の高純度シリコンの製造方法は、本発明の亜鉛の精製方法により得られた亜鉛を用いた亜鉛還元法によることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛の精製方法および該精製方法により得られた亜鉛を用いた亜鉛還元法による高純度シリコンの製造方法に関する。
近年クリーンエネルギーの一つとして注目される太陽電池の需要が拡大している。
太陽電池は、高純度のシリコンを原料として結晶成長を行ない、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを製造し、更にこれらをスライスして表面加工を施した後、表面に電極等を形成することにより製造される。このとき、高純度シリコン中の不純物である炭素の含有量がある値以上(1.0ppma以上)に高くなってくると、太陽電池セルの特性に悪影響を与えることが知られている。
太陽電池の主要原料である高純度シリコンの製造方法として、従来シーメンス法が知られ、商業生産が行なわれている。しかしながら、シーメンス法は電力を多量に消費するため製造コストが高く、また回分法であるため生産効率も悪い。そこで、最近シーメンス法よりも製造コストを格段に引き下げられると期待される亜鉛還元法が注目されている(たとえば特許文献1)。
亜鉛還元法において還元剤として用いられる亜鉛の原料として、電解亜鉛、乾式精錬亜鉛、リサイクル亜鉛、および亜鉛還元法で副生された塩化亜鉛を溶融塩電解等をすることにより回収した亜鉛(以下「亜鉛還元法回収亜鉛」ともいう)などがあり、これらは操業条件に応じて適宜利用されている。
前記電解亜鉛、乾式精錬亜鉛およびリサイクル亜鉛などは、製造されてから使用されるまでの間に、大気中の酸素および二酸化炭素の作用により表面に炭酸亜鉛が薄く形成されていると考えられる。また、前記亜鉛還元法回収亜鉛には、溶融塩電解で使用される炭素電極から炭素が混入してくることが考えられる。
このような炭素成分を不純物として含有する亜鉛を亜鉛還元法に用いると、高純度シリコンの炭素含有量に影響を与えると考えられる。
特開2008−260676号公報
本発明は、炭素含有量が低減された亜鉛を得ることを目的とする。また、本発明は、炭素含有量が低減された亜鉛を用いた亜鉛還元法により、炭素含有量が低い高純度シリコンを得ることを目的とする。
本発明者らは、不活性ガスの存在下、特定の温度範囲および特定の時間で亜鉛を溶融保持することにより原料亜鉛中の炭素含有量を低減する新規な亜鉛の精製方法を見出した。また、本発明者らは、前記原料亜鉛中の炭素含有量と、該原料亜鉛を還元剤として用いた亜鉛還元法により製造された高純度シリコン中の炭素含有量との間には強い相関関係があることを見出し、前記新規な亜鉛の精製方法を原料亜鉛の精製方法として亜鉛還元法による高純度シリコンの製造工程に組み込むことで、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
[1]炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することを特徴とする亜鉛の精製方法。
[2]前記原料亜鉛の溶融保持を780〜870℃で60〜600分間行うことを特徴とする[1]に記載の亜鉛の精製方法。
[3]精製後の亜鉛中の炭素含有量が0.70ppma未満であることを特徴とする[1]または[2]に亜鉛の精製方法。
[4]前記不活性ガスが、窒素ガスまたはアルゴンガスであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の亜鉛の精製方法。
[5][1]〜[4]のいずれか1項に記載の亜鉛の精製方法により得られた亜鉛を用いた亜鉛還元法による高純度シリコンの製造方法。
[6]炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することにより亜鉛を精製する工程(1)、
前記工程(1)で精製された亜鉛を蒸発させることにより、亜鉛ガスを得る工程(2)、および
前記工程(2)で得られた亜鉛ガスを、四塩化珪素と気相反応させ、高純度シリコンを生成する工程(3)
を含むことを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
[7]前記工程(3)で副生された塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(4)をさらに含み、かつ前記工程(4)で分離回収された亜鉛を、前記工程(1)で用いられる原料亜鉛の少なくとも一部として使用することを特徴とする[6]に記載の高純度シリコンの製造方法。
[8]製造された高純度シリコン中の炭素含有量が1.0ppma未満であることを特徴とする[5]〜[7]のいずれか1項に記載の高純度シリコンの製造方法。
[9] 前記不活性ガスが、窒素ガスまたはアルゴンガスであることを特徴とする[6]〜[8]のいずれか1項に記載の高純度シリコンの製造方法。
本発明によれば、炭素含有量が低減された亜鉛を得ることができ、前記亜鉛を用いる亜鉛還元法により、炭素含有量が低い高純度シリコンを製造することができる。
図1は、本発明の高純度シリコンの製造装置の模式図である。 図2は、不活性ガス存在下、炭素成分を含む原料亜鉛を加熱して昇温した場合、昇温経過と炭素酸化物の発生との関係を示す。
以下、本発明に係る亜鉛の精製方法および高純度シリコンの製造方法について詳細に説明する。なお、本発明における高純度シリコンとは、太陽電池用シリコンの原料として使用可能な純度99.99%以上、好ましくは純度99.999%以上のシリコンをいう。
1.亜鉛の精製方法
本発明の亜鉛の精製方法は、炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、特定の範囲の温度および特定の時間で溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することを特徴とする。
前記原料亜鉛としては、特に制限はないが、電解亜鉛、乾式精錬亜鉛、リサイクル亜鉛および亜鉛還元法回収亜鉛等が挙げられる。前記原料亜鉛は、亜鉛がその製造後から亜鉛還元法に用いられる間に、大気中の酸素および二酸化酸素の作用により表面に炭酸亜鉛を生じていたり、また亜鉛還元法回収亜鉛については、回収過程で炭素材料が混入することにより、不純物として炭素成分を含む亜鉛となったものである。
前記炭素成分は、亜鉛の不純物として扱われるものであり、原料亜鉛中の炭素含有量は、通常、1.5ppma以上である。
不活性ガスは、亜鉛中に含まれる炭素成分が熱分解されて生じたCOおよびCO2の炭素酸化物を系外に除去する。不活性ガスとしては、特に制限はないが、窒素ガスおよびアルゴンガスなどが好ましい。不活性ガスは亜鉛融液上を流通させてもよいが、亜鉛融液中にバブリングさせれば、より炭素除去効果が高まる。亜鉛1kgあたりに用いられる不活性ガスの総量は、対象とする原料亜鉛の量および原料亜鉛中の炭素含有量によるが、好ましくは100〜20,000cm3/kg−Zn、より好ましくは500〜10,000cm3/kg−Zn、さらに好ましくは1000〜5000cm3/kg−Znである。
前記原料亜鉛の溶融保持の温度範囲は、720〜870℃、好ましくは780〜870℃、より好ましくは790〜860℃、さらに好ましくは800〜850℃である。前記溶融保持の温度範囲は、以下の観点から定められる。
不活性ガスの存在下、本発明に規定する炭素含有量の原料亜鉛を加熱していくと、図2に示すような結果となった。図2において横軸は経過時間、縦軸は温度(右側目盛り)および発生するガス濃度(左側目盛り)である。COおよびCO2のピークが、300〜500℃付近の第1ピークに加え、800℃付近にも第2ピークが見られる。
したがって、亜鉛を本発明に規定する温度範囲および時間で溶融保持することが、亜鉛中の炭素含有量を低減するために有効であることがわかった。
前記温度範囲であれば、十分な亜鉛中の炭素含有量の低減効果が得られ、亜鉛が蒸発することによる消失も抑制できる。なお、300〜500℃付近の第1の温度保持域で分解除去される炭素量と800℃付近の第2の温度保持域で分解除去される炭素量のモル比は、原料亜鉛の種類、形態、大気中保管時間および保管状態などによって異なるが、概ね、1.0:1.2〜1.0:2.0である。図2で表わされるプロセスは、炭素酸化物の発生の確認のために行ったものであり、実際のプロセスにおいては、300〜500℃の温度範囲で亜鉛を溶融保持する必要はない。なぜなら、原料亜鉛を亜鉛溶解槽に装入して亜鉛の融点419℃以上に加熱して亜鉛を溶解する亜鉛溶融処理で、第1の温度保持領域の熱分解に相当する熱分解は行われると考えられるからである。
炭酸亜鉛の分解温度は150〜170℃であるので、従来は、不活性ガスの存在下、原料亜鉛を亜鉛の融点以上の温度、たとえば450〜550℃に加熱して融解し、溶融した状態で保持することにより、炭酸亜鉛は熱分解され、COおよびCO2として放出されるものと考えられていた。しかしながら、本発明者らは、不活性ガスの存在下、溶融亜鉛をさらに加熱して温度を上げていくと、720〜870℃で、COおよびCO2の発生、すなわち炭素成分の第2の熱分解が起きることを見出した。
炭素成分の第2の熱分解が起きる理由としては、450〜550℃の温度保持では、熱分解することなく残存する炭素成分があり、その残存した炭素成分が720〜870℃で熱分解を起こすためであると考えられる。
亜鉛を本発明に規定する温度で溶融保持する時間としては、30〜600分であり、60〜600分が好ましく、120〜480分がより好ましい。前記時間であれば、炭素成分の熱分解が十分できる。
亜鉛を溶融保持する容器としては、黒鉛、炭化珪素のように炭素を含む材質以外であれば特に限定するものではないが、石英およびアルミナなどの材質の容器が好適に用いられる。
亜鉛の加熱は容器外部に設置された高周波電源により行なうと効率的である。
前記亜鉛の精製方法により得られた精製後の亜鉛中の炭素含有量は、好ましくは0.70ppma未満、より好ましくは0.50ppma未満、さらに好ましくは0.40ppma未満に低減される。
2.高純度シリコンの製造方法
本発明の高純度シリコンの製造方法は、前記亜鉛の精製方法により得られた亜鉛を用いた亜鉛還元法によるものであり、より具体的には炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することにより亜鉛を精製する工程(1)と、前記工程(1)で精製された亜鉛を蒸発させることにより、亜鉛ガスを得る工程(2)と、前記工程(2)で得られた亜鉛ガスを、四塩化珪素と気相反応させ、高純度シリコンを生成する工程(3)とを含む。好ましくは、さらに前記工程(3)で副生された塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(4)を含み、かつ前記工程(4)で分離回収された亜鉛を、前記工程(1)の精製に用いられる原料亜鉛の少なくとも一部として使用する。以下、各工程について図1を用いて説明する。
(1)亜鉛精製工程
上述した本発明の亜鉛の精製方法により行う。実際のプロセスにおいて本工程を実施するには、原料亜鉛Aを亜鉛溶解槽1において、不活性ガスの存在下、亜鉛融液を上述した特定の温度範囲および時間で保持した状態で行なうことが好ましい。
(2)亜鉛蒸発工程
この工程では、亜鉛蒸発器2において、前記工程(1)で得られた炭素が低減された溶融亜鉛を蒸発させ、亜鉛ガスを製造する。
亜鉛の蒸発は、不活性ガスの存在下、溶融亜鉛の液温を亜鉛の沸騰する温度、すなわち亜鉛の沸点の907℃付近とすることにより行い、加熱手段としては、容器外部に設置された高周波電源により行なうと効率的である。さらに本工程において、蒸発した亜鉛を過熱器3において通常950〜1150℃程度の過熱亜鉛としてもよい。
(3)亜鉛による還元工程
この工程では、四塩化珪素Bを亜鉛により還元し、高純度シリコンCを生成する。本工程は、四塩化珪素ガス供給ノズル5、亜鉛ガス供給ノズル6および排ガス出口8を備えた還元反応器7において行われることが好ましい。
還元は四塩化珪素Bを四塩化珪素蒸発器4で蒸発させて得られた四塩化珪素ガスと前記工程(2)で得られた亜鉛ガスとの気相反応により、公知の条件で行うことができる。具体的には、通常、950〜1,200℃の反応炉内において、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとを反応させることにより行うことができる。反応温度が前記範囲内であれば、四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとの反応が容易であり、反応炉の損傷も起こりにくい。また、反応炉内の圧力としては、たとえば0〜500kPaGである。
本工程(3)では、下記反応式に示すように、高純度シリコンCが生成されるとともに、塩化亜鉛が副生される。
SiCl4+2Zn→Si+2ZnCl2
高純度シリコンは針状もしくは樹枝状に成長し、四塩化珪素ガス供給ノズルの先端に付着し下部へ向けて管状に成長し、反応終了後ノズル先端から取り外され、反応器の外部へ取り出し回収される。一方で、塩化亜鉛ガスを主成分として含むガスは、排ガスDとして、反応器の外に排気される。
排ガスDは、塩化亜鉛、亜鉛および四塩化珪素等を含む混合ガスであるが、温度を塩化亜鉛の沸点以下、具体的には732℃以下、好ましくは500℃程度まで下げることによって、塩化亜鉛は液体または固体として分離回収される。また、亜鉛は粉体または液体亜鉛として回収される。残った四塩化珪素は、本工程(3)に供給される原料ガスの一部として再度使用できる。
前記工程(1)〜(3)を経て得られる高純度シリコン中の炭素含有量は、1.0ppma未満が好ましく、0.70ppma未満がより好ましく、0.50ppma未満がさらに好ましい。
(4)回収工程
この工程では、前記工程(3)で副生された塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する。具体的には、塩化亜鉛を溶融塩電解により、亜鉛と塩素ガスに分離することが好ましい。溶融塩電解の方法としては、公知の方法を採用することができる。
また、特開2008−260676号公報に開示された塩化亜鉛を水素ガスと反応させる方法を用いてもよい。
回収された亜鉛は、前記工程(1)における原料亜鉛Aとして使用されることが好ましい。より好ましくは、溶融塩電解回収時の亜鉛融液のまま用いるのが、コスト的且つ熱エネルギー的に最も効率的である。このように工程(4)で回収された亜鉛を用いることにより、プロセスをクローズド化でき、外部から亜鉛を追加する必要がほとんどなくなる。但し原料亜鉛が不足する場合は、必要に応じて、電解亜鉛、乾式精錬亜鉛およびリサイクル亜鉛等が補充される。
本発明の高純度シリコンの製造方法は、前記亜鉛精製工程を有するため、炭素含有量が低い高純度シリコンを製造することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における値の測定方法は、文中に特に記載のない限り以下の通りである。
[亜鉛中の炭素含有量]
NDIR法(非分散型赤外線分析)で測定した。
[高純度シリコン中の炭素含有量]
結晶育成後に結晶中の炭素含有量をFTIR法で測定した。
また、溶融塩電解は、以下の条件で行った。
一部亜鉛を含む塩化亜鉛を電解浴とし、電解浴温度を450〜650℃に保持し、電極材として陽極、陰極ともグラファイトを用い、電流密度が0.2〜0.5A/cm2となるようにして電解を行った。
[実施例1]
(1)亜鉛精製工程
4N亜鉛インゴット(炭素含有量 2.0ppma)300kgを石英ルツボに装入し、石英ルツボ中に5,000cm3/minで窒素ガスを流通しながら高周波電源により加熱し、820℃で5時間保持した。流通した窒素ガスの総量は5,000cm3/kg−Znであった。得られた亜鉛中の炭素含有量は、0.30ppmaであった。
(2)亜鉛蒸発工程
前記工程(1)で得られた溶融亜鉛を亜鉛蒸発器に供給して、液温907℃に加熱して亜鉛ガスを発生させた。更にこの亜鉛ガスを過熱器に通して、950℃の過熱亜鉛ガスを得た。
(3)亜鉛による還元工程
反応器を、電気炉により全体が約950℃となるように加熱した。次いで、この反応器内に、四塩化珪素ガスと、還元剤ガスとして前記工程(2)で得られた亜鉛ガスとを、モル比で四塩化珪素:亜鉛=0.7:1.0となるように供給して7.5時間反応を行い、純度99.999%の高純度シリコン9.8kgを得た。得られた高純度シリコン中の炭素含有量は0.35ppmaであった。また、高純度シリコン生成後の反応ガスを200℃に冷却することにより、純度85%の副生塩化亜鉛123kgを得た。なお、高純度シリコンの純度は高周波誘導プラズマ発光分析法(ICP−AES)により求めた。
[実施例2]
実施例1の工程(3)の後に以下の工程を行った。
(4)回収工程
実施例1の工程(3)で副生された塩化亜鉛を回収し、この塩化亜鉛を溶融塩電解にかけて亜鉛を回収した。
実施例1の工程(1)を以下のように変更した。
(1)亜鉛精製工程
前記工程(4)で回収した亜鉛を融液のまま亜鉛保持炉に装入した。亜鉛保持炉中に1,000cm3/minで窒素ガスを流通しながら高周波電源により加熱し、850℃で3時間保持した。流通した窒素ガスの総量は2,800cm3/kg−Znであった。得られた亜鉛中の炭素含有量は、0.35ppmaであった。
前記工程(1)の後、工程(2)および工程(3)を実施例1と同様にして行って、高純度シリコンを製造した。得られた高純度シリコン中の炭素含有量は0.40ppmaであった。
[比較例1]
実施例1の工程(1)を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして高純度シリコンを製造した。得られた高純度シリコン中の炭素含有量は1.2ppmaであった。
(1)亜鉛精製工程
4N亜鉛インゴット(炭素含有量 2.0ppma)300kgを石英ルツボに装入し、大気中で高周波電源により加熱し、500℃で5時間保持した。得られた亜鉛中の炭素含有量は、1.0ppmaであった。
[比較例2]
実施例2の工程(1)を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして高純度シリコンを製造した。得られた高純度シリコン中の炭素含有量は2.5ppmaであった。
(1)亜鉛精製工程
前記工程(4)で回収した亜鉛50kgを融液のまま亜鉛保持炉に装入した。亜鉛保持炉中に800cm3/minで窒素ガスを流通しながら高周波電源により加熱し、500℃で3時間保持した。流通した窒素ガスの総量は2,900cm3/kg−Znであった。得られた亜鉛中の炭素含有量は、1.7ppmaであった。
[比較例3]
実施例1の工程(1)を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして高純度シリコンを製造した。得られた高純度シリコン中の炭素含油量は2.7ppmaであった。
(1)亜鉛精製工程
4N亜鉛インゴット(炭素含有量2.0ppma)100kgを石英ルツボに装入し、石英ルツボ中に2,000cm3/minで窒素ガスを流通しながら高周波電源により加熱し、温度800℃で10分間保持した。流通した窒素ガスの総量は200cm3/kg−Znであった。得られた亜鉛中の炭素含有量は、2.0ppmaであった。
1:亜鉛溶解槽
2:亜鉛蒸発器
3:過熱器
4:四塩化珪素蒸発器
5:四塩化珪素ガス供給ノズル
6:亜鉛ガス供給ノズル
7:還元反応器
8:排ガス出口
9:シリコン取出し装置
A:原料亜鉛
B:四塩化珪素
C:高純度シリコン
D:排ガス

Claims (9)

  1. 炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することを特徴とする亜鉛の精製方法。
  2. 前記原料亜鉛の溶融保持を780〜870℃で60〜600分間行うことを特徴とする請求項1に記載の亜鉛の精製方法。
  3. 精製後の亜鉛中の炭素含有量が0.70ppma未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の亜鉛の精製方法。
  4. 前記不活性ガスが、窒素ガスまたはアルゴンガスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の亜鉛の精製方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の亜鉛の精製方法により得られた亜鉛を用いた亜鉛還元法による高純度シリコンの製造方法。
  6. 炭素含有量が1.5ppma以上である原料亜鉛を、不活性ガスの存在下、720〜870℃で30〜600分間溶融保持し、前記原料亜鉛中の炭素含有量を低減することにより亜鉛を精製する工程(1)、
    前記工程(1)で精製された亜鉛を蒸発させることにより、亜鉛ガスを得る工程(2)、および
    前記工程(2)で得られた亜鉛ガスを、四塩化珪素と気相反応させ、高純度シリコンを生成する工程(3)
    を含むことを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  7. 前記工程(3)で副生された塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(4)
    をさらに含み、かつ前記工程(4)で分離回収された亜鉛を、前記工程(1)で用いられる原料亜鉛の少なくとも一部として使用することを特徴とする請求項6に記載の高純度シリコンの製造方法。
  8. 製造された高純度シリコン中の炭素含有量が1.0ppma未満であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の高純度シリコンの製造方法。
  9. 前記不活性ガスが、窒素ガスまたはアルゴンガスであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の高純度シリコンの製造方法。
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