JPWO2011074068A1 - エレベータ装置 - Google Patents

Abstract

ブレーキ制御装置が故障しても、モータ電源リレー等を制御することができるエレベータ装置を提供する。このため、エレベータのモータ又はブレーキへの電源供給を遮断する機能を有するリレーと、リレーを駆動するドライバと、ドライバに対する制御信号を出力する運行制御装置と、通常時は、運行制御装置に出力された制御信号に従った制御信号を出力し、エレベータの非常停止時は、運行制御装置に出力された制御信号とは独立した制御信号を出力するブレーキ制御装置と、運行制御装置に出力された制御信号とブレーキ制御装置に出力された制御信号とが入力され、ブレーキ制御装置が故障した場合には、ドライバに出力する制御信号を、ブレーキ制御装置に出力された制御信号から、運行制御装置に出力された制御信号に切り替える切替装置と、を備える構成とした。

Description

この発明は、エレベータ装置に関するものである。

従来のエレベータ装置は、非常停止時に、エレベータ制御装置からの指令によらず、ブレーキ制御装置により、モータ電源リレーやブレーキ電源リレーを制御する。かかるエレベータ装置によれば、ブレーキ制御装置によるモータ電源リレー等の制御により、乗りかごを避難階等に走行させることができる（例えば、特許文献１参照）。

国際公開第２００７／０６０７３３号

しかし、特許文献１に記載のものにおいては、ブレーキ制御装置が故障して、モータ電源リレーやブレーキ電源リレーが制御不能になると、乗りかごを避難階等に走行させることができなくなる。このため、非常停止時に、利用者を乗りかご内に閉じ込めてしまうことがあるという問題があった。

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ブレーキ制御装置が故障しても、モータ電源リレー等を制御することができるエレベータ装置を提供することである。

この発明に係るエレベータ装置は、エレベータのモータ又はブレーキへの電源供給を遮断する機能を有するリレーと、前記リレーを駆動するドライバと、前記ドライバに対する制御信号を出力する運行制御装置と、通常時は、前記運行制御装置に出力された制御信号に従った制御信号を出力し、前記エレベータの非常停止時は、前記運行制御装置に出力された制御信号とは独立した制御信号を出力するブレーキ制御装置と、前記運行制御装置に出力された制御信号と前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号とが入力され、前記ブレーキ制御装置が故障した場合には、前記ドライバに出力する制御信号を、前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号から、前記運行制御装置に出力された制御信号に切り替える切替装置と、を備えたものである。

この発明によれば、ブレーキ制御装置が故障しても、モータ電源リレー等を制御することができる。

この発明の実施の形態１におけるエレベータ装置の構成図である。 この発明の実施の形態２におけるエレベータ装置の構成図である。

この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。

実施の形態１．
図１はこの発明の実施の形態１におけるエレベータ装置の構成図である。
図１において、１はモータ電源である。２は電力変換装置である。３はモータである。このモータ３は、電力変換装置２を介してモータ電源１から供給された電力により回転する機能を備える。

４はシーブである。このシーブ４は、モータ３の回転に追従して回転する機能を備える。５は主ロープである。この主ロープ５は、シーブ４に巻き掛けられる。６は乗りかごである。この乗りかご６は、主ロープ５の一端に連結される。７は釣合おもりである。この釣合おもり７は主ロープ５の他端に連結される。

８はブレーキ電源である。９はブレーキコイルである。１０はブレーキシューである。このブレーキシュー１０は、ばね（図示せず）の付勢力とブレーキコイル９に流れる電流により発生する電磁力とに基づいて、モータ３に制動力を与える機能を備える。

１１はモータ電源リレー接点である。このモータ電源リレー接点１１は、ａ接点からなる。このモータ電源リレー接点１１は、モータ電源１と電力変換装置２との間の配線上に設けられる。１２はブレーキ電源リレー接点である。このブレーキ電源接点１２は、ａ接点からなる。このブレーキ電源接点１２は、ブレーキコイル９と接地との間のブレーキコイル用配線上に設けられる。

１３はリレー電源である。１４はモータ電源リレーコイルである。このモータ電源リレーコイル１４は、リレー電源１３のモータ電源リレー用配線上に配置される。このモータ電源リレーコイル１４は、モータ電源リレー接点１１の閉成及び開放を制御する機能を備える。

１５はブレーキ電源リレーコイルである。このブレーキ電源リレーコイル１５は、リレー電源１３と接地との間のブレーキ電源リレー用配線上に配置される。このブレーキ電源リレーコイル１５は、ブレーキ電源リレー接点１２の閉成及び開放を制御する機能を備える。

１６はモータ電源リレードライバである。このモータ電源リレードライバ１６は、トランジスタからなる。このモータ電源リレードライバ１６は、モータ電源リレー用配線上でモータ電源リレーコイル１４に対して直列に接続される。

１７はブレーキ電源リレードライバである。このブレーキ電源リレードライバ１７は、トランジスタからなる。このブレーキ電源リレードライバ１７は、ブレーキ電源リレー用配線上でブレーキ電源リレーコイル１５に対して直列に接続される。

１８はブレーキコイル電流制御ドライバである。このブレーキコイル電流制御ドライバ１８は、トランジスタからなる。このブレーキコイル電流制御ドライバ１８は、ブレーキコイル用配線上でブレーキコイル９とブレーキ電源リレー接点１２とに対して直列に接続される。

１９は運行制御装置である。この運行制御装置１９は、エレベータの運行制御を行う機能を備える。例えば、運行制御装置１９は、各ドライバ１６〜１８に対する制御信号ＡＡを出力する機能を備える。

２０はブレーキ制御装置である。このブレーキ制御装置２０は、運行制御装置１９からの制御信号ＡＡが入力される機能を備える。また、ブレーキ制御装置２０は、通常時に、制御信号ＡＡに従って、各ドライバ１６〜１８に対する制御信号ＢＢを出力する機能を備える。

さらに、ブレーキ制御装置２０は、地震感知器等（図示せず）から非常停止信号が入力されると、運行制御装置１９の制御信号ＡＡに従わず、各ドライバ１６〜１８に対する制御信号ＢＢを独自に出力する機能を備える。

本実施の形態においては、ブレーキ制御装置２０が、自己診断機能により自らの故障を検出したときに故障検出信号ＣＣを出力するようになっている。この故障検出信号ＣＣは、切替装置２１に入力されるようになっている。また、切替装置２１には、制御信号ＢＢだけでなく、制御信号ＡＡがブレーキ制御装置２０を経由せずに直接入力されるようになっている。以下、切替装置２１の構成を具体的に説明する。

切替装置２１は、信号切替回路２２、信号遮断タイマー２３、信号遮断回路２４を備える。信号切替回路２２は、制御信号ＡＡ、制御信号ＢＢ、故障検出信号ＣＣが入力される機能を備える。また、信号切替回路２２は、モータ電源リレードライバ１６に対する制御信号ＤＤ、ブレーキ電源リレードライバ１７に対する制御信号ＥＥ、ブレーキコイル電流制御ドライバ１８に対する制御信号ＦＦを出力する機能を備える。

信号遮断タイマー２３は、故障検出信号ＣＣが入力される機能を備える。また、信号遮断タイマー２３は、故障検出信号ＣＣが入力されてから予め設定された一定時間が経過した後、遮断指令ＧＧを出力する機能を備える。信号遮断回路２４は、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦ、遮断指令ＧＧが入力される機能を備える。

かかる構成のエレベータ装置においては、通常時は、ブレーキ制御装置２０が、運行制御装置１９の制御信号ＡＡに従って、制御信号ＢＢを出力する。そして、信号切替回路２２が、制御信号ＢＢに従って、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを出力する。

これらの制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦは、信号遮断回路２４に入力される。信号遮断回路２４は、制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを、各ドライバ１６〜１８の制御端子に伝達する。そして、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦに従って、各ドライバ１６〜１８が動作する。これらの動作に従って、モータ３やブレーキコイル９への電源供給が制御される。

これに対し、非常停止時は、ブレーキ制御装置２０が、運行制御装置１９の制御信号ＡＡに従わず、エレベータの減速度低減制御を行うための制御信号ＢＢを独自に出力する。そして、信号切替回路２２が、独自の制御信号ＢＢに従って、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを出力する。

これらの制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦは、信号遮断回路２４に入力される。信号遮断回路２４は、制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを、各ドライバ１６〜１８の制御端子に伝達する。そして、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦに従って、各ドライバ１６〜１８が動作する。これらの動作に従って、モータ３やブレーキコイル９への電源供給が制御される。そして、モータ３やブレーキシュー１０の動作に従って、エレベータの減速度低減制御が行われる。

本実施の形態においては、信号切替回路２２は、故障検出信号ＣＣが入力されると、信号遮断回路２４に出力する制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを、制御信号ＡＡに従ったものに切り替える。このとき、運行制御装置１９は、故障検出信号ＣＣが入力されてから一定時間内に、乗りかご６を所定の避難階まで走行させるための制御信号ＡＡを出力する。この制御信号ＡＡに従って、信号切替回路２２が、制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを出力する。

これらの制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦは、信号遮断回路２４に入力される。信号遮断回路２４は、制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦを、各ドライバ１６〜１８の制御端子に伝達する。そして、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦに従って、各ドライバ１６〜１８が動作する。これらの動作に従って、モータ３やブレーキコイル９への電源供給が制御される。そして、モータ３やブレーキシュー１０の動作に従って、乗りかご６が所定の避難階まで走行する。

そして、ブレーキ制御装置２０が故障してから一定時間が経過すると、信号遮断タイマー２３が遮断指令ＧＧを出力する。信号遮断回路２４は、遮断指令ＧＧの入力をトリガとして、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を遮断する。これにより、モータ電源リレーコイル１４及びブレーキ電源リレーコイル１５への電源供給が遮断されるとともに、ブレーキコイル９への電圧印加が停止される。即ち、エレベータの使用中止状態が維持される。

以上で説明した実施の形態１によれば、切替装置２１は、ブレーキ制御装置２０が故障した場合に、各ドライバ１６〜１８に出力する制御信号を、ブレーキ制御装置２０に出力された制御信号ＢＢから、運行制御装置１９に出力された制御信号ＡＡに切り替える。このため、ブレーキ制御装置１０が故障しても、モータ電源リレーコイル１４等への電源供給を制御することができ、利用者を乗りかご内に閉じ込めることを防止することができる。

また、切替装置２１は、故障検出信号ＣＣが入力されてから一定時間経過後に、各ドライバ１６〜１８への制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を遮断する。具体的には、信号遮断回路２４が、遮断指令ＧＧの入力をトリガとして、各ドライバ１６〜１８への制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を遮断する。

このため、乗りかご６内の利用者を避難階等で救出した後、エレベータの使用を中止することができる。これにより、ブレーキ制御装置２０の故障中に、不用意にエレベータが使用されることを防止することができる。

実施の形態２．
図２はこの発明の実施の形態２におけるエレベータ装置の構成図である。なお、実施の形態１と同一又は相当部分には同一符号を付して説明を省略する。

実施の形態１においては、ブレーキ制御装置２０が故障してから一定時間経過後に、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を遮断する構成であった。一方、実施の形態２においては、ブレーキ制御装置２０に重大な故障が生じた場合に、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を即座に遮断する構成となっている。また、実施の形態２においては、信号遮断タイマー２３の健全性を診断する構成となっている。以下、実施の形態２について詳細に説明する。

図２に示すように、本実施の形態においては、ブレーキ制御装置２０は、故障検出信号ＣＣを出力する際の故障よりも重大な故障を自己診断機能により検出した場合に、重故障検出信号ＨＨを出力する。信号遮断回路２４は、重故障検出信号ＨＨが入力されると、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を即座に遮断する。

また、本実施の形態においては、モータ電源リレー診断用接点２５、ブレーキ電源リレー診断用接点２６が設けられる。これらの接点２５、２６は、ｂ接点からなる。これらの接点信号ＩＩ、ＪＪは、ブレーキ制御装置２０に入力される。これにより、ブレーキ制御装置２０は、モータ電源リレーコイル１４とブレーキ電源コイル１５との動作状態を検知する。

さらに、信号遮断回路２４は、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を遮断した場合に、遮断フラグＫＫを立てる。この遮断フラグＫＫは、ブレーキ制御装置２０に入力される。これにより、ブレーキ制御装置２０は、信号遮断回路２４の動作状態を検知する。

かかる構成のエレベータ装置においては、何の呼び登録もない場合等に、ブレーキ制御装置２０は、モータ電源リレードライバ１６とブレーキ電源リレードライバ１７とに各リレーコイル１４、１５を駆動するための制御信号ＢＢを出力した状態で、擬似的に故障検出信号ＣＣを出力する。

このとき、信号遮断タイマー２３が健全であれば、一定時間が経過する前に各制御信号ＤＤ、ＥＥの伝達が遮断されることはないはずである。従って、ブレーキ制御装置２０は、擬似的に故障検出信号ＣＣを出力してから一定時間経過後に初めて遮断フラグＫＫが入力されると、信号遮断タイマー２３が健全であると診断する。

また、ブレーキ制御装置２０は、モータ電源リレードライバ１６とブレーキ電源リレードライバ１７とに各リレーコイル１４、１５を駆動するための制御信号ＢＢを出力した状態で、擬似的に重故障検出信号ＨＨを出力する。

このとき、信号遮断タイマー２３が健全であれば、擬似的に重故障検出信号ＨＨを出力してから一定時間が経過する前に、各制御信号ＤＤ、ＥＥの伝達が即座に遮断されるはずである。また、重大な故障の場合は、各リレーコイル１４、１５の駆動が実際に停止されていることを確認することも重要である。

従って、ブレーキ制御装置２０は、重故障検出信号ＨＨを出力してから一定時間が経過する前に、遮断フラグＫＫが入力されることを確認するだけでなく、診断用接点２５、２６に係る接点信号ＩＩ、ＪＪの入力も確認したときに、信号遮断タイマー２３が健全であると診断する。

以上で説明した実施の形態２によれば、ブレーキ制御装置２０に重大な故障が生じた場合に、各制御信号ＤＤ、ＥＥ、ＦＦの伝達を即座に遮断する。このため、ブレーキ制御装置２０に重大な故障が生じた場合は、エレベータの使用を即座に中止することができる。

また、ブレーキ制御装置２０は、モータ電源リレードライバ１６とブレーキ電源リレードライバ１７とに対する制御信号ＢＢを出力した状態で、擬似的に故障検出信号ＣＣや重故障検出信号ＨＨを出力し、信号遮断タイマー２３の健全性を診断する。このため、ブレーキ制御装置２０が実際に故障したときに、信号遮断タイマー２３の故障により、制御信号ＤＤ、ＥＥの出力が遮断されないということを防止することができる。

以上のように、この発明に係るエレベータ装置によれば、非常停止時に、エレベータ制御装置からの指令によらず、ブレーキ制御装置により、モータ電源リレーやブレーキ電源リレーを制御するエレベータに利用できる。

１ モータ電源、 ２ 電力変換装置、 ３ モータ、 ４ シーブ、
５ 主ロープ、 ６ 乗りかご、 ７ 釣合おもり、 ８ ブレーキ電源、
９ ブレーキコイル、 １０ ブレーキシュー、 １１ モータ電源リレー接点、
１２ ブレーキ電源リレー接点、 １３ リレー電源、
１４ モータ電源リレーコイル、 １５ ブレーキ電源リレーコイル、
１６ モータ電源リレードライバ、 １７ ブレーキ電源リレードライバ、
１８ ブレーキコイル電流制御ドライバ、 １９ 運行制御装置、
２０ ブレーキ制御装置、 ２１ 切替装置、 ２２ 信号切替回路、
２３ 信号遮断タイマー、 ２４ 信号遮断回路、
２５ モータ電源リレー診断用接点、 ２６ ブレーキ電源リレー診断用接点

Claims (5)

1. エレベータのモータ又はブレーキへの電源供給を遮断する機能を有するリレーと、
   前記リレーを駆動するドライバと、
   前記ドライバに対する制御信号を出力する運行制御装置と、
   通常時は、前記運行制御装置に出力された制御信号に従った制御信号を出力し、前記エレベータの非常停止時は、前記運行制御装置に出力された制御信号とは独立した制御信号を出力するブレーキ制御装置と、
   前記運行制御装置に出力された制御信号と前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号とが入力され、前記ブレーキ制御装置が故障した場合には、前記ドライバに出力する制御信号を、前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号から、前記運行制御装置に出力された制御信号に切り替える切替装置と、
   を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
2. 前記ブレーキ制御装置は、故障時に故障検出信号を出力し、
   前記切替装置は、前記故障検出信号が入力された場合に、前記ドライバに出力する制御信号を、前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号から、前記運行制御装置に出力された制御信号に切り替え、前記故障検出信号が入力されてから一定時間経過後に、前記ドライバへの制御信号の伝達を遮断することを特徴とする請求項１記載のエレベータ装置。
3. 前記切替装置は、
   前記運行制御装置に出力された制御信号と前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号とが入力され、前記故障検出信号が入力された場合に、出力する制御信号を、前記ブレーキ制御装置に出力された制御信号から、前記運行制御装置に出力された制御信号に切り替える信号切替回路と、
   前記故障検出信号が入力されてから一定時間経過後に、遮断指令を出力する信号遮断タイマーと、
   前記信号切替回路に出力された制御信号を前記ドライバへ伝達し、前記遮断指令が入力された場合に、前記ドライバへの制御信号の伝達を遮断する信号遮断回路と、
   を備えたことを特徴とする請求項２記載のエレベータ装置。
4. 前記ブレーキ制御装置は、前記故障検出信号を出力する際の故障よりも重大な故障が生じた場合に重故障検出信号を出力し、
   前記信号遮断回路は、前記重故障検出信号が入力された場合に、前記ドライバへの制御信号の伝達を遮断することを特徴とする請求項３記載のエレベータ装置。
5. 前記ブレーキ制御装置は、
   前記リレーを駆動するための制御信号を出力した状態で、擬似的に前記故障検出信号を出力し、前記一定時間の経過後に、前記信号遮断回路が前記ドライバへの制御信号の伝達を遮断することを確認し、
   前記リレーを駆動するための制御信号を出力した状態で、擬似的に前記重故障検出信号を出力し、前記一定時間が経過する前に、前記信号遮断回路が前記ドライバへの制御信号の伝達を遮断することを確認するとともに、前記リレーの駆動が停止されていることを確認することで、
   前記信号遮断タイマーの健全性を診断することを特徴とする請求項４記載のエレベータ装置。

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