JPWO2011065330A1 - 鞍乗型車両 - Google Patents

鞍乗型車両 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011065330A1
JPWO2011065330A1 JP2011543246A JP2011543246A JPWO2011065330A1 JP WO2011065330 A1 JPWO2011065330 A1 JP WO2011065330A1 JP 2011543246 A JP2011543246 A JP 2011543246A JP 2011543246 A JP2011543246 A JP 2011543246A JP WO2011065330 A1 JPWO2011065330 A1 JP WO2011065330A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contact
accelerator grip
annular
collar
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2011543246A
Other languages
English (en)
Inventor
坂井 浩二
浩二 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Publication of JPWO2011065330A1 publication Critical patent/JPWO2011065330A1/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K11/00Motorcycles, engine-assisted cycles or motor scooters with one or two wheels
    • B62K11/14Handlebar constructions, or arrangements of controls thereon, specially adapted thereto
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62KCYCLES; CYCLE FRAMES; CYCLE STEERING DEVICES; RIDER-OPERATED TERMINAL CONTROLS SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES; CYCLE AXLE SUSPENSIONS; CYCLE SIDE-CARS, FORECARS, OR THE LIKE
    • B62K23/00Rider-operated controls specially adapted for cycles, i.e. means for initiating control operations, e.g. levers, grips
    • B62K23/02Rider-operated controls specially adapted for cycles, i.e. means for initiating control operations, e.g. levers, grips hand actuated
    • B62K23/04Twist grips
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D11/00Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
    • F02D11/02Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by hand, foot, or like operator controlled initiation means
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D11/00Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated
    • F02D11/06Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance
    • F02D11/10Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/60Input parameters for engine control said parameters being related to the driver demands or status
    • F02D2200/602Pedal position
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T74/00Machine element or mechanism
    • Y10T74/20Control lever and linkage systems
    • Y10T74/20576Elements
    • Y10T74/20732Handles
    • Y10T74/2078Handle bars
    • Y10T74/20828Handholds and grips

Abstract

自動二輪車10は、アクセルグリップ装置42を備えている。アクセルグリップ装置42は、ハンドルバー40に回転可能に設けられるグリップスリーブ44、グリップスリーブ44に固定されるアクセルグリップ部材46、グリップスリーブ44に固定されるカラー50、アクセルグリップ部材46の回転位置を検出するアクセルポジションセンサ58、カラー50およびアクセルポジションセンサ58を収容するケース部材52、およびカラー50とアクセルポジションセンサ58との間に設けられる環状部材54を含む。環状部材54の外周部60aは、その全周にわたってケース部材52に接触し、環状部材54の内周部60cは、その全周にわたってカラー50に接触している。

Description

この発明は、鞍乗型車両に関し、より特定的には、アクセルポジションセンサを備えた鞍乗型車両に関する。
従来、鞍乗型車両(たとえば、自動二輪車)には、ライダーの手によってアクセル操作を行うことができるようにアクセルグリップ装置が設けられている。アクセルグリップ装置は、ハンドルバーに対して回転可能なアクセルグリップ部材を備えている。アクセルグリップ部材は、たとえば、アクセルケーブルによってスロットルバルブに機械的に連結されている。これにより、アクセルグリップ部材の回転位置に応じてスロットルバルブの開度が調整され、エンジンに吸入される空気量が調整される。その結果、エンジンの出力が調整される。
アクセルケーブルは、たとえば、ケーブル本体と、ケーブル本体が挿入されるカバーとを備えている。カバーは、たとえば樹脂材料からなり、ケーブル本体を案内するとともに、ケーブル本体を保護している。このようなアクセルケーブルにおいては、ライダーのハンドル操作等によってアクセルケーブルが曲げられると、ケーブル本体とカバーとの間の摩擦力が変化する。これにより、アクセルグリップ部材の操作感が変化し、ライダーが違和感を感じる場合がある。
そこで、近年、アクセルケーブルの代わりに、アクセルグリップ部材の回転位置を検出するアクセルポジションセンサを備えたアクセルグリップ装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このようなアクセルグリップ装置を用いる場合、鞍乗型車両には、スロットルバルブの開度を調整するためのアクチュエータが設けられる。アクチュエータは、アクセルグリップ部材の回転位置に応じてアクセルポジションセンサから出力される電気信号に基づいて駆動される。これにより、アクセルグリップ部材の回転位置に応じてスロットルバルブの開度が調整され、エンジンの出力が調整される。
特許文献1に開示されているハンドルグリップ装置は、グリップ本体、チューブガイド、検出手段、リターンスプリングおよび抵抗付加手段を備えている。チューブガイドは、ハンドルパイプに対して回転可能に取り付けられている。グリップ本体は、チューブガイドに固定され、チューブガイドと一体的に回転する。検出手段は、グリップ本体の回転位置に応じた電気信号を出力する。リターンスプリングは、チューブガイドを一方向に回転させようとする力をチューブガイドに与える。抵抗付加手段は、チューブガイドの外周面の一部に接触するスライダと、スライダをチューブガイドに押しつける付勢手段とを備える。抵抗付加手段は、チューブガイドの回転に対する抵抗として、摩擦力に基づく負荷をチューブガイドに与える。
特開2002−264876号公報
ところで、特許文献1のハンドルグリップ装置では、スライダは、チューブガイドの周方向において、チューブガイドの外周面の一部のみに接触している。このため、ハンドルパイプに対してチューブガイドが回転すると、チューブガイドの外周面におけるスライダとの接触部は、チューブガイドの周方向に移動する。この場合、チューブガイドとスライダとの接触部に発生する摩擦力が不規則に変動し、チューブガイドの回転に対する抵抗が不規則に変動する。これにより、ライダーが違和感を感じる場合がある。
また、特許文献1のハンドルグリップ装置では、ライダーがグリップ本体を操作する際にチューブガイドがハンドルパイプに対して偏心すると、スライダとチューブガイドとの間に発生する摩擦力が変化する。具体的には、チューブガイドがスライダ側に偏心すると、チューブガイドとスライダとの間に発生する摩擦力が大きく上昇する。それにより、チューブガイドの回転に対する抵抗が大きく上昇する。一方、チューブガイドがスライダから離れる方向に偏心すると、チューブガイドとスライダとの間に発生する摩擦力が大きく減少する。それにより、チューブガイドの回転に対する抵抗が大きく減少する。このように、特許文献1のハンドルグリップ装置では、チューブガイドがハンドルパイプに対して偏心した場合に、チューブガイドの回転に対する抵抗が大きく変動してしまう。それにより、ライダーが違和感を感じる場合がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗の変動を抑制できる鞍乗型車両を提供することである。
この発明の一の局面によれば、ハンドルバーを含む固定部材と、アクセルグリップ部材およびアクセルグリップ部材がハンドルバーに対して回転できるようにアクセルグリップ部材を支持する支持部材を含みかつハンドルバーを回転軸として回転可能に設けられる回転部材と、アクセルグリップ部材の回転位置に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサと、支持部材とは別体に構成され、回転部材の回転に対する抵抗として摩擦力に基づく負荷を回転部材に与える環状部材とを備え、環状部材の外周部は、固定部材および回転部材のうちの一方と接触し、環状部材の内周部は、固定部材および回転部材のうちの他方と接触している鞍乗型車両が提供される。
この鞍乗型車両では、回転部材は、アクセルグリップ部材および支持部材を含み、固定部材のハンドルバーを回転軸として回転可能に設けられている。環状部材は、回転部材の回転に対する抵抗として、摩擦力に基づく負荷を回転部材に与える。環状部材の外周部は、固定部材および回転部材のうちの一方と接触し、環状部材の内周部は、固定部材および回転部材のうちの他方と接触している。このような構成において、ライダーがアクセルグリップ部材を操作して回転部材を回転させると、環状部材は、回転部材または固定部材に対して滑り始める。このとき、環状部材と固定部材との接触部、または環状部材と回転部材との接触部において動摩擦力が発生し、その動摩擦力は、回転部材の回転に対する抵抗となる。
ここで、この鞍乗型車両においては、回転部材の回転に対する抵抗を発生させる手段として環状部材が用いられている。これにより、環状部材の外周部をその全周にわたって固定部材または回転部材に容易に接触させることができる。また、環状部材の内周部をその全周にわたって固定部材または回転部材に容易に接触させることができる。この場合、環状部材の外周部が固定部材または回転部材に対して滑る際には、環状部材の外周部をその全周にわたって固定部材または回転部材に接触させ続けることができる。それにより、環状部材と固定部材との接触部または環状部材と回転部材との接触部に発生する動摩擦力が不規則に変動することを抑制できる。同様に、環状部材の内周部が固定部材または回転部材に対して滑る際には、環状部材の内周部をその全周にわたって固定部材または回転部材に接触させ続けることができる。それにより、環状部材と固定部材との接触部または環状部材と回転部材との接触部に発生する動摩擦力が不規則に変動することを抑制できる。これらの結果、環状部材から回転部材に与えられる負荷が不規則に変動することを抑制でき、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗が不規則に変動することを抑制できる。したがって、ライダーは違和感を感じることなくアクセルグリップ部材を操作できる。
また、この鞍乗型車両においては、環状部材と回転部材とが接触しているので、ライダーがアクセルグリップ部材を操作する際に回転部材がハンドルバーに対して偏心すると、回転部材から環状部材に与えられる力は、環状部材の一部分において大きくなる。それにより、環状部材と回転部材または環状部材と固定部材との間に発生する摩擦力は、環状部材の一部分の近傍において大きくなる。しかし、環状部材の他の部分にかかる力は小さくなるので、環状部材と回転部材との接触部または環状部材と固定部材との接触部に発生する摩擦力の総量の変動は抑制される。このように、この鞍乗型車両では、回転部材がハンドルバーに対して偏心した場合でも、環状部材と回転部材との接触部または環状部材と固定部材との接触部に発生する摩擦力が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。それにより、ライダーは違和感を感じることなくアクセルグリップ部材を操作できる。
好ましくは、環状部材は、固定部材および回転部材と接触する接触部材と、接触部材に埋め込まれた芯部材とを有する。この場合、たとえば、芯部材を環状部材の外周部に埋め込むことによって、環状部材の外周部を芯部材によって固定部材または回転部材に押し付けることができる。それにより、環状部材の外周部が固定部材または回転部材に対して滑ることを防止することができ、環状部材の内周部を回転部材または固定部材に対して安定して滑らせることができる。その結果、環状部材の内周部と回転部材との接触部または環状部材の内周部と固定部材との接触部において発生する動摩擦力が不規則に変動することを十分に防止できる。また、たとえば、芯部材を環状部材の内周部に埋め込むことによって、環状部材の内周部を芯部材によって固定部材または回転部材に押し付けることができる。それにより、環状部材の内周部が固定部材または回転部材に対して滑ることを防止することができ、環状部材の外周部を回転部材または固定部材に対して安定して滑らせることができる。その結果、環状部材の外周部と回転部材との接触部または環状部材の外周部と固定部材との接触部において発生する動摩擦力が不規則に変動することを十分に防止できる。
また好ましくは、環状部材は、固定部材および回転部材と接触する接触部材と、接触部材の内周部を締め付ける締付部材とを有する。この場合、締付部材によって接触部材の内周部を固定部材または回転部材に安定して接触させることができる。それにより、接触部材の内周部と固定部材との接触部または接触部材の内周部と回転部材との接触部において発生する動摩擦力が不規則に変動することを十分に防止できる。
また好ましくは、環状部材は、固定部材および回転部材と接触する接触部材を有し、接触部材は、粘弾性高分子材料を含む。回転部材の回転開始当初には、接触部材は回転部材との接触部に発生する静止摩擦力(static frictional force)によって回転部材に引っ張られ、変形する。回転部材がさらに回転し、接触部材が固定部材または回転部材に対して滑り始めることによって、接触部材と固定部材との接触部または接触部材と回転部材との接触部の摩擦力は、静止摩擦力から動摩擦力(dynamic frictional force)に変化する。動摩擦力は静止摩擦力に比べて小さいので、接触部材が固定部材または回転部材に対して滑り始める際には、接触部において発生する摩擦力が低下する。したがって、回転部材から接触部材に与えられる力が低下し、接触部材の変形量が減少する。ここで、接触部材と固定部材との接触部または接触部材と回転部材との接触部に発生する摩擦力は、回転部材(アクセルグリップ部材)の回転に対する抵抗として働いている。上述のように、動摩擦力は静止摩擦力に比べて小さいので、接触部材が固定部材または回転部材に対して滑り始めることによって、回転部材の回転に対する抵抗は低下する。回転部材の回転に対する抵抗が急激に低下すると、アクセルグリップ部材の操作感が変化し、ライダーは違和感を感じる。しかし、この鞍乗型車両では、接触部材が粘弾性高分子材料を含むので、接触部材と固定部材との接触部または接触部材と回転部材との接触部の摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力に変化しても、接触部材の変形量は急激には減少しない。この場合、接触部材と固定部材との接触部または接触部材と回転部材との接触部に発生する動摩擦力は緩やかに減少するので、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗も緩やかに減少する。したがって、アクセルグリップ部材の操作感が変化することを防止できる。また、動摩擦力が緩やかに減少するので、スティックスリップ現象(stick-slip phenomenon)の発生を防止できる。これらの結果、ライダーは、アクセルグリップ部材を快適に操作できる。
さらに好ましくは、鞍乗型車両は、回転部材を一方向に回転させる力を回転部材に与えるリターンスプリングをさらに備える。この場合、ライダーによってアクセルグリップ部材が操作されていない場合には、アクセルグリップ部材を初期位置に維持できる。
また好ましくは、支持部材は、略円筒形状の滑り軸受けを含む。この場合、支持部材を小型に構成できる。
また好ましくは、固定部材は、アクセルポジションセンサを収容するケース部材を含む。この場合、ケース部材によってアクセルポジションセンサを保護できる。
さらに好ましくは、鞍乗型車両は、ケース部材内に設けられかつ環状部材に潤滑剤を供給する供給部材をさらに備える。この場合、環状部材を長期間にわたって良好な状態で固定部材または回転部材に接触させることができる。
さらに好ましくは、鞍乗型車両は、ケース部材内に一対の環状部材を有し、供給部材は、一対の環状部材の間に設けられる。この場合、潤滑剤を一対の環状部材に均一に供給できる。
さらに好ましくは、ケース部材は、ケース部材の内部空間と外部空間とを連通させる通気孔を有する。この場合、ケース部材の内部空間の圧力が外部空間の圧力に対して上昇および下降することを防止できる。これにより、固定部材、回転部材および環状部材の変形を防止でき、環状部材を固定部材および回転部材に安定して接触させることができる。
この発明の上述の目的およびその他の目的、特徴、局面および利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。 ハンドルの右側部分を示す平面図である。 図2のハンドルを示す横断面図である。 自動二輪車の制御系を示すブロック図である。 ハンドルバー、カラー、ケース部材、および環状部材の関係を示す断面図解図である。 アクセルグリップ部材の回転位置とアクセルグリップ部材に働く回転モーメントとの関係を模式的に示した図である。 ハンドルバー、カラー、ケース部材、および環状部材を模式的に示した側面図解図である。 ライダーの操作によってアクセルグリップ部材に与えられる回転モーメントの変化の様子を示した図である。 アクセルグリップ装置の他の例を示す図解図である。 アクセルグリップ装置のさらに他の例を示す図解図である。 環状部材がハンドルバーとカラーとの間に配置されたアクセルグリップ装置の一例を示した図解図である。 環状部材がハンドルバーとカラーとの間に配置されたアクセルグリップ装置の他の例を示した図解図である。 ケース部材の外部に環状部材が設けられたアクセルグリップ装置の一例を示す図解図である。 接触部材の変形例を示す図である。
10 自動二輪車
18 ハンドル
25 制御部
30 電子スロットル装置
40 ハンドルバー
42、42a、42b、42c、42d、42e アクセルグリップ装置
44、94 グリップスリーブ
46、96 アクセルグリップ部材
50、82 カラー
52、66 ケース部材
54、54a、54b、54c、76、76a、76b、104、106 環状部材
56 コイルバネ
58 アクセルポジションセンサ
60、78、84、88、100、104a、106a 接触部材
62、80、86、90、102 芯部材
64、92 締付部材
70 供給部材
74 通気孔
F、F1 固定部材
R、R1、R2 回転部材
S1、S2 空間
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。
ここでは、この発明に係る鞍乗型車両として自動二輪車について説明する。
なお、この実施の形態における左右、前後、上下とは、自動二輪車10のシートにライダーがそのハンドルに向かって着座した状態における左右、前後、上下の意味である。
図1を参照して、自動二輪車10は、ヘッドパイプ(図示せず)およびヘッドパイプから後方斜め下方に延びるメインフレーム12を備えている。ヘッドパイプには、ステアリングシャフト(図示せず)が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトの下端部には、フロントフォーク14が取り付けられている。フロントフォーク14の下端部には、前輪16が回転可能に支持されている。ステアリングシャフトの上端部には、ハンドル18が取り付けられている。
メインフレーム12には、エンジン20および燃料タンク22が固定されている。エンジン20はメインフレーム12の下方に配置され、燃料タンク22はメインフレーム12の上方に配置されている。燃料タンク22の後方に、シート24が設けられている。シート24の下方に、制御部25が設けられている。制御部25は、たとえば、中央演算処理装置(CPU)およびメモリ等によって構成されている。
エンジン20には、吸気管26および排気管28が接続されている。吸気管26には、電子スロットル装置30が設けられている。電子スロットル装置30は、エンジン20の吸入空気量を調整するスロットルバルブ30aおよびスロットルバルブ30aの開度を調整するアクチュエータ(図示せず)を含む。アクチュエータは、たとえば、電動モータを含む。
メインフレーム12の下端部には、スイングアーム32が揺動可能に支持されている。スイングアーム32の後端部には、後輪34が回転可能に支持されている。後輪34には、後輪34と一体的に回転するドリブンスプロケット36が設けられている。ドリブンスプロケット36は、無端状のチェーン38を介してエンジン20のドライブスプロケット(図示せず)に連結されている。エンジン20が発生した動力は、ドライブスプロケット、チェーン38およびドリブンスプロケット36を介して後輪34に伝達される。これにより、自動二輪車10が走行する。
図2は、ハンドル18の右側部分を示す平面図であり、図3は、図2のハンドル18を示す横断面図である。
図2および図3を参照して、ハンドル18は、略円筒形状のハンドルバー40、およびハンドルバー40に設けられるアクセルグリップ装置42を含む。ハンドルバー40は、左右方向に延びるように上述のステアリングシャフト(図示せず)に取り付けられている。図3を参照して、アクセルグリップ装置42は、グリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46、磁石48、カラー50、ケース部材52、複数(この実施形態では3つ)の環状部材54、コイルバネ56、およびアクセルポジションセンサ58を含む。この実施形態では、ハンドルバー40およびケース部材52によって固定部材Fが構成され、グリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー50によって回転部材Rが構成されている。
グリップスリーブ44は、略円筒形状を有し、ハンドルバー40に回転可能に設けられている。具体的には、グリップスリーブ44は、ハンドルバー40に対して摺動できるようにハンドルバー40に嵌められている。グリップスリーブ44は、たとえば、樹脂または金属材料によって構成される。グリップスリーブ44を構成する樹脂としては、たとえば、ナイロン、フッ素樹脂、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoroethylene)を用いることができる。
グリップスリーブ44は、その左端部に環状のフランジ部44aを有している。アクセルグリップ部材46は、略円筒形状を有し、フランジ部44aよりも右側においてグリップスリーブ44の外周面に固定されている。これにより、アクセルグリップ部材46は、ハンドルバー40を回転軸としてグリップスリーブ44と一体的に回転する。すなわち、グリップスリーブ44は、アクセルグリップ部材46をハンドルバー40に対して回転可能に支持している。このように、グリップスリーブ44は、滑り軸受け(sliding bearing)として機能している。アクセルグリップ部材46は、その左端部にフランジ部46aを有している。アクセルグリップ部材46は、エンジン20の出力を調整する際にライダーによって回転操作される。
磁石48は、フランジ部44aの外周面に固定されている。これにより、磁石48は、ハンドルバー40の中心軸Pを中心としてグリップスリーブ44およびアクセルグリップ部材46と一体的に回転する。
カラー50は、円筒形状を有し、グリップスリーブ44の左端部に固定されている。カラー50は、グリップスリーブ44と同軸上に設けられている。これにより、カラー50は、ハンドルバー40の中心軸Pを中心としてグリップスリーブ44と一体的に回転する。したがって、アクセルグリップ装置42においては、ライダーがアクセルグリップ部材46を回転させることによって、アクセルグリップ部材46、グリップスリーブ44、磁石48およびカラー50がハンドルバー40に対して一体的に回転する。カラー50の内径は、ハンドルバー40の外径よりも大きく、カラー50の内周面とハンドルバー40の外周面との間には僅かな隙間が形成されている。グリップスリーブ44とカラー50とは、たとえば、カラー50の右端部をフランジ部44a内に圧入することによって固定できる。また、たとえば、接着剤によってカラー50の右端部をフランジ部44aの内周面に固定してもよい。
ケース部材52は、中空形状を有し、アクセルグリップ部材46よりも左側においてハンドルバー40に固定されている。具体的には、ケース部材52の左側壁部52aがハンドルバー40の外周面に固定されている。なお、ケース部材52の右側壁部52bは、グリップスリーブ44の外周面に固定されていない。これにより、グリップスリーブ44は、ケース部材52に対して回転できる。グリップスリーブ44のフランジ部44a、磁石48、カラー50、複数の環状部材54、コイルバネ56およびアクセルポジションセンサ58はケース部材52内に収容されている。
図2を参照して、ケース部材52には、スイッチ52c,52dが設けられている。スイッチ52cは、たとえば、エンジン20を始動させるためのスイッチであり、スイッチ52dは、たとえば、方向指示器を点滅させるためのスイッチである。
図3を参照して、ケース部材52は、内側に向かって突出する環状の突出部52eを有している。突出部52eは、左右方向においてケース部材52の略中央部に設けられている。突出部52eは、断面円形の内周面52fを有している。複数の環状部材54は、カラー50と突出部52eとの間においてカラー50(ハンドルバー40)の軸方向に並ぶように、突出部52eに取り付けられている。環状部材54の詳細は後述する。
コイルバネ56は、グリップスリーブ44のフランジ部44aと環状部材54との間において、カラー50と同軸状に設けられている。コイルバネ56の一端部(この実施形態では右端部)はフランジ部44aに接続され、コイルバネ56の他端部(この実施形態では左端部)はケース部材52に接続されている。コイルバネ56は、グリップスリーブ44およびアクセルグリップ部材46をハンドルバー40に対して特定の方向に回転させようとする力をグリップスリーブ44に与えている。ここで、特定の方向とは、アクセルグリップ部材46が閉じる方向である。換言すれば、アクセルグリップ部材46を初期位置に戻す方向である。アクセルグリップ部材46の初期位置とは、アクセルグリップ部材46の開度が0になるときのアクセルグリップ部材46の位置である。このように、コイルバネ56は、アクセルグリップ部材46のリターンスプリングとして機能している。
アクセルポジションセンサ58は、磁石48の径方向においてケース部材52の内周面に設けられ、磁石48の位置を検出する。アクセルポジションセンサ58は、たとえば、ホールIC(Hall IC)を含み、磁束の変化を検知することによって磁石48の位置を検出する。図4を参照して、アクセルポジションセンサ58は、磁石48(図3参照)の位置に応じた電気信号を制御部25へ出力する。ここで、上述したように、磁石48(図3参照)は、アクセルグリップ部材46(図3参照)と一体的に回転する。したがって、アクセルポジションセンサ58から制御部25へ出力される電気信号は、ハンドルバー40(図3参照)に対するアクセルグリップ部材46(図3参照)の回転位置に対応している。制御部25は、アクセルポジションセンサ58から与えられた電気信号に基づいて電子スロットル装置30のアクチュエータ(図示せず)を駆動する。これにより、電子スロットル装置30のスロットルバルブ30a(図1参照)の開度が調整され、エンジン20の出力が調整される。すなわち、ライダーによるアクセルグリップ部材46の操作量に応じてエンジン20の出力が調整される。
次に、環状部材54の構成について詳細に説明する。図5は、ハンドルバー40、カラー50、ケース部材52、および環状部材54の関係を示す断面図解図である。なお、図5においては、図面が煩雑になることを避けるために、3つの環状部材54のうち1つの環状部材54のみを示している。図5に示されていない他の2つの環状部材54も、図5に示す環状部材54と同様の構成を有している。
図5を参照して、環状部材54の中心軸Qは、ハンドルバー40の中心軸Pに一致している。すなわち、環状部材54は、ハンドルバー40およびグリップスリーブ44と同軸状に設けられている。環状部材54は、環状の接触部材60、環状の芯部材62、および環状の締付部材64を含む。
接触部材60は、たとえば、弾性と粘性とを有する粘弾性高分子材料からなる。粘弾性高分子材料には、たとえば、広義のゴムが含まれる。より具体的には、粘弾性高分子材料には、たとえば、付加重合または共重合によって得られる合成ゴム、ならびに熱可塑性エラストマー等が含まれる。上述の合成ゴムには、たとえば、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、およびエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等が含まれる。
接触部材60は、断面略U字形状を有している。具体的には、接触部材60は、円筒状の外周部60a、外周部60aの左端部から中心軸Qに向かって延びる環状の側壁部60b、側壁部60bの内縁から中心軸Q側に向かってやや傾斜しつつ右側に延びる略円筒状の内周部60cを含む。外周部60aは、断面円形の外周面60dを有している。外周面60dは、その全周にわたって突出部52eの内周面52fに接触している。内周部60cの右端部60eの内周面60fは、中心軸Q側に向かって尖った断面略V字形状を有している。内周面60fの尖端部60gは、その全周にわたってカラー50の外周面50aに接触している。
芯部材62は、たとえば、接触部材60よりも硬い材料によって構成される。芯部材62は、たとえば、金属材料によって構成される。芯部材62は、断面L字形状を有している。芯部材62は、接触部材60の外周部60aおよび側壁部60bに埋め込まれている。これにより、接触部材60が補強され、接触部材60の強度が向上されている。接触部材60は、たとえば、焼き付け等によって芯部材62に接着できる。
なお、環状部材54が突出部52eに取り付けられていないときの外周部60aの外径は、突出部52eの内径よりも若干大きい。これにより、環状部材54を突出部52eに取り付けたときに、突出部52eと芯部材62とによって外周部60aが挟み込まれ、外周部60aが圧縮変形する。このとき、芯部材62は外周部60aを十分な圧力で突出部52eの内周面52fに押し付ける。これにより、接触部材60の外周面60dとケース部材52の内周面52fとの間の最大静止摩擦力を十分に大きくできる。その結果、環状部材54をケース部材52に固定できる。また、接触部材60の外周面60dがケース部材52の内周面52fに対して滑ることを十分に防止できる。
締付部材64は、たとえば、ガータスプリング(garter spring)を含む。ガータスプリングは、密着巻きのコイルばねによって構成され、コイルばねの両端を連結し、環状にして用いられる。ガータスプリングは、締め付け用のばねとして用いられる。締付部材64は、内周部60cの右端部60eをカラー50に締め付けるように、内周部60cの右端部60eに設けられている。具体的には、締付部材64は、内周部60cの右端部60eを径方向外側から囲むように、内周部60cの右端部60eに形成された溝部60hに取り付けられている。これにより、内周部60cの尖端部60gが適度な力でカラー50の外周面50aに押し付けられている。この結果、内周部60cの尖端部60gとカラー50の外周面50aとの接触部に適度な摩擦力を発生させることができる。
なお、環状部材54がカラー50に取り付けられていないときの内周部60cの最小径(尖端部60gにおける内周部60cの内径)は、カラー50の外径よりも若干小さいことが好ましい。この場合、内周部60cを好適に圧縮変形させた状態で尖端部60gをカラー50の外周面50aに接触させることができる。
接触部材60の軸方向において、接触部材60の外周面60dとケース部材52の内周面52fとの接触部の幅W1は、接触部材60の内周面60fとカラー50の外周面50aとの接触部の幅W2よりも十分に長い。したがって、外周面60dと内周面52fとの接触面積は、内周面60fと外周面50aとの接触面積よりも十分に大きい。ここで、アクセルグリップ装置42においては、接触部材60として粘弾性高分子材料が用いられている。そのため、接触部材60の外周面60dと突出部52eの内周面52fとの接触部に発生する摩擦力は、その接触面積を大きくすることによって大きくできる。したがって、アクセルグリップ装置42においては、内周面60fと外周面50aとの接触部における最大静止摩擦力に比べて、外周面60dと内周面52fとの接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。
次に、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際の、コイルバネ56および環状部材54の作用について説明する。
上述したようにコイルバネ56はリターンスプリングとして機能している。したがって、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際には、コイルバネ56は、アクセルグリップ部材46を初期位置に戻そうとする力をアクセルグリップ部材46に与える。また、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際には、カラー50の外周面50aが、環状部材54に対して滑りながら回転する。これにより、カラー50の外周面50aと環状部材54の内周面60f(尖端部60g)との接触部に動摩擦力が発生する。すなわち、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作する際には、環状部材54は、摩擦抵抗による負荷をカラー50に与える。環状部材54からカラー50に与えられた負荷は、グリップスリーブ44を介してアクセルグリップ部材46に与えられる。したがって、アクセルグリップ装置42においては、カラー50の外周面50aと環状部材54の内周面60fとの接触部に発生する動摩擦力が、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗としてアクセルグリップ部材46に与えられる。以下、コイルバネ56および環状部材54の作用について図面を用いてより詳細に説明する。
図6は、アクセルグリップ部材46の回転位置とアクセルグリップ部材46に働く回転モーメントとの関係を模式的に示した図である。なお、図6には、アクセルグリップ部材46を一定の速度で回転させた場合の関係を示している。図6の横軸は、アクセルグリップ部材46の回転位置を示している。図6の左側の縦軸は、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさを示している。左側の縦軸では、アクセルグリップ部材46が開く方向に働く回転モーメントを正(+)とし、アクセルグリップ部材46が閉じる方向に働く回転モーメントを負(−)としている。図6の右側の縦軸はコイルバネ56および環状部材54によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさを示している。右側の縦軸では、アクセルグリップ部材46が閉じる方向に働く回転モーメントを正(+)とし、アクセルグリップ部材46が開く方向に働く回転モーメントを負(−)としている。領域A1,A2,A3は、左側の縦軸に対応し、破線Bs,Bf1,Bf2および実線B1,B2は右側の縦軸に対応している。
図6において、破線Bsは、グリップスリーブ44を介してコイルバネ56からアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントを示している。回転モーメントBsは、コイルバネ56の反発力に基づく回転モーメントである。破線Bf1は、アクセルグリップ部材46が初期位置(全閉位置)から全開位置へと回転する際に、カラー50およびグリップスリーブ44を介して環状部材54からアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントを示している。破線Bf2は、アクセルグリップ部材46が全開位置から初期位置へと回転する際に、カラー50およびグリップスリーブ44を介して環状部材54からアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントを示している。回転モーメントBf1,Bf2は、カラー50の外周面50aと環状部材54の内周面60f(尖端部60g)との接触部の動摩擦力によって発生される。なお、破線Bs,Bf1,Bf2に付された矢印は、アクセルグリップ部材46の回転方向を示している。
図6に示すように、コイルバネ56によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントBsは、アクセルグリップ部材46の回転方向に関わらず、常にアクセルグリップ部材46を閉じる方向に働いている。また、回転モーメントBsは、アクセルグリップ部材46の回転量の増加に従って大きくなっている。
アクセルグリップ部材46が初期位置から全開位置へと回転する際に発生する回転モーメントBf1は、アクセルグリップ部材46が閉じる方向に働いている。一方、アクセルグリップ部材46が全開位置から初期位置へと回転する際に発生する回転モーメントBf2は、アクセルグリップ部材46が開く方向に働いている。すなわち、カラー50の外周面50aと環状部材54の内周面60f(尖端部60g)との接触部において発生する動摩擦力は、アクセルグリップ部材46の回転方向とは逆方向に働く回転モーメントをアクセルグリップ部材46に生じさせている。このように、回転モーメントBf1,Bf2は、アクセルグリップ部材46が回転する際に、アクセルグリップ部材46の回転に対する負荷(抵抗)として環状部材54からアクセルグリップ部材46に与えられる。
実線B1は、回転モーメントBsに回転モーメントBf1を合成することによって得られる回転モーメントを示している。したがって、回転モーメントB1は、アクセルグリップ部材46が初期位置から全開位置まで回転する際に、コイルバネ56および環状部材54によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントに相当する。実線B2は、回転モーメントBsに回転モーメントBf2を合成することによって得られる回転モーメントを示している。したがって、回転モーメントB2は、アクセルグリップ部材46が全開位置から初期位置まで回転する際に、コイルバネ56および環状部材54によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントに相当する。なお、破線B1,B2に付された矢印は、アクセルグリップ部材46の回転方向を示している。
図6に示すように、アクセルグリップ部材46には、アクセルグリップ部材46の回転方向に応じて回転モーメントB1または回転モーメントB2が、コイルバネ56および環状部材54から与えられている。ここで、回転モーメントB1およびB2は、いずれも正の回転モーメントである。したがって、アクセルグリップ部材46の回転方向に関わらず、コイルバネ56および環状部材54からアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントは、アクセルグリップ部材46を閉じる方向に働いている。そのため、回転モーメントB1は、アクセルグリップ部材46が開く方向に回転する際に、アクセルグリップ部材46の回転に対する負荷として働く。一方、回転モーメントB2は、アクセルグリップ部材46が開く方向に回転する際に、アクセルグリップ部材46の回転を補助する力として働く。
次に、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントとアクセルグリップ部材46の回転動作との関係について説明する。
図6において、領域A1は、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが、回転モーメントB2の大きさよりも小さい領域である。ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが回転モーメントB2の大きさよりも小さい場合には、アクセルグリップ部材46を閉じる方向に働く回転モーメントB2の大きさがアクセルグリップ部材46を開く方向に働く回転モーメントの大きさよりも大きくなる。したがって、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントが領域A1内の大きさの場合には、アクセルグリップ部材46は閉じる方向に回転する。
領域A2は、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが、回転モーメントB2の大きさ以上でかつ回転モーメントB1の大きさ以下の領域である。ここで、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが回転モーメントB2の大きさ以上の場合には、アクセルグリップ部材46を開く方向に働く回転モーメントの大きさがアクセルグリップ部材46を閉じる方向に働く回転モーメントB2の大きさ以上になる。したがって、アクセルグリップ部材46は、閉じる方向には回転しない。一方、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが回転モーメントB1の大きさ以下の場合には、アクセルグリップ部材46を開く方向に働く回転モーメントの大きさがアクセルグリップ部材46を閉じる方向に働く回転モーメントB1の大きさ以下になる。したがって、アクセルグリップ部材46は、開く方向には回転しない。このように、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントが領域A2内の大きさである場合には、アクセルグリップ部材46は閉じる方向にも開く方向にも回転せず、静止する。
領域A3は、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが回転モーメントB1の大きさよりも大きい領域である。ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが回転モーメントB1の大きさよりも大きい場合には、アクセルグリップ部材46を開く方向に働く回転モーメントの大きさがアクセルグリップ部材46を閉じる方向に働く回転モーメントB1の大きさよりも大きくなる。したがって、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントが領域A3内の大きさの場合には、アクセルグリップ部材46は開く方向に回転する。
ここで、上述のように、自動二輪車10においては、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントが領域A2内の大きさの場合には、アクセルグリップ部材46は回転しない。したがって、ライダーは、アクセルグリップ部材46に与える回転モーメントを領域A2内の大きさに調整することによって、アクセルグリップ部材46の回転を所望の回転位置で容易に静止させることができる。これにより、ライダーは、エンジン20の出力を容易に調整できる。
次に、アクセルグリップ部材46が回転する際における環状部材54の形状の変化について説明する。図7は、ハンドルバー40、カラー50、ケース部材52、および環状部材54を模式的に示した側面図解図である。図7において、(a)は、環状部材54の形状が変化していない状態を示し、(b)および(c)は、環状部材54の形状が変化している状態を示している。なお、図7においては、カラー50の回転位置を理解しやすくするためにカラー50の所定の位置に円形の印M1を付し、環状部材54の変形状態を理解しやすくするために環状部材54の所定の位置に径方向に延びる印M2を付している。また、図7において矢印Dは、アクセルグリップ部材46が開く方向に回転する場合のカラー50の回転方向を示している。
図7(a)を参照して、ライダーがアクセルグリップ部材46(図3参照)を開く方向に回転させようとしている場合、アクセルグリップ部材46からグリップスリーブ44(図3参照)を介してカラー50に矢印D方向の回転モーメントが与えられる。このとき、カラー50の外周面50aと接触部材60(環状部材54)の内周面60f(尖端部60g)との接触部に静止摩擦力が発生する。これにより、接触部材60の内周面60f(内周部60c)に、矢印D方向の力が与えられる。
図7(b)を参照して、アクセルグリップ部材46の回転開始当初には、接触部材60の内周面60fは、カラー50の外周面50aとの接触部に発生する静止摩擦力によって矢印D方向に引っ張られる。一方、図5を用いて説明したように、接触部材60の外周部60aは、芯部材62によって十分な力でケース部材52の内周面52fに押し付けられているので、外周面60dがケース部材52の内周面52fに対して滑ることは防止されている。これにより、図7(b)に示すように、接触部材60の外周部60a(外周面60d)に対して内周部60c(内周面60f)が矢印D方向に移動し、接触部材60が変形する。なお、上述したように、締付部材64(図5参照)は、内周部60cを径方向外側から囲むように取り付けられている。したがって、接触部材60の内周部60cが矢印D方向に移動することによって接触部材60に変形が生じても、締付部材64(図5参照)自体は変形しない。したがって、接触部材60が変形しても、内周部60cを締め付けるという締付部材64の機能は損なわれない。
ライダーがアクセルグリップ部材46(カラー50)をさらに矢印D方向に回転させることによって、接触部材60の内周面60fとカラー50の外周面50aとの接触部の静止摩擦力が最大静止摩擦力を超え、内周面60fが外周面50aに対して滑り始める。言い換えると、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの大きさが、コイルバネ56の反発力および内周面60fと外周面50aとの接触部の静止摩擦力に基づいて発生する回転モーメントの大きさよりも大きくなることによって、内周面60fが外周面50aに対して滑り始める。これにより、接触部材60の内周面60fとカラー50の外周面50aとの間に動摩擦力が発生する。図7(c)を参照して、動摩擦力は静止摩擦力よりも小さいので、カラー50の外周面50aから接触部材60の内周面60fに与えられる矢印D方向の力は小さくなる。それにより、接触部材60の内周部60c(内周面60f)の矢印D方向への移動量が小さくなり、接触部材60の変形量が減少する。
なお、内周面60fと外周面50aとの接触部の摩擦力は、接触部材60の内周面60fがカラー50の外周面50aに対して滑り始める際に、瞬時に静止摩擦力から動摩擦力に変化する。ここで、接触部材60の内周面60fとカラー50の外周面50aとの接触部に発生する摩擦力は、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗となる。そのため、内周面60fと外周面50aとの接触部に発生する摩擦力が瞬時に大きく変化した場合、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が瞬時に大きく変化することになり、ライダーは違和感を感じることになる。しかし、アクセルグリップ装置42では、接触部材60として粘弾性高分子材料を用いているので、内周面60fと外周面50aとの接触部の摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力に変化しても、接触部材60の変形量は急激には減少しない。具体的には、内周面60fと外周面50aとの接触部の摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力に変化した後、接触部材60の変形量は緩やかに減少する。すなわち、接触部材60は、図7(b)に示す状態から図7(c)に示す状態へと緩やかに変形する。この場合、内周面60fと外周面50aとの接触部の動摩擦力は緩やかに減少するので、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗も緩やかに減少する。これにより、ライダーは、違和感を感じることなくアクセルグリップ部材46を操作できる。
図8は、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントの変化の様子を示した図である。図8においては、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントが実線G1で示されている。図8の実線G2は、特許文献1のハンドグリップ装置において、ライダーの操作によってグリップ本体に与えられる回転モーメントを示している。また、図8において回転位置Aは、接触部材60の内周面60fがカラー50の外周面50aに対して滑り始める際のアクセルグリップ部材46の回転位置を示している。また、図8には、図6において一点鎖線Cで囲まれた領域の回転モーメントB1が示されている。
上述したように、アクセルグリップ装置42においては、環状部材54の接触部材60として粘弾性高分子材料が用いられている。これにより、接触部材60の内周面60fがカラー50の外周面50aに対して滑り始める際に、内周面60fと外周面50aとの接触部の摩擦力を緩やかに減少させることができる。その結果、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗を緩やかに減少させることができる。この場合、図8を参照して、ライダーの操作によってアクセルグリップ部材46に与えられる回転モーメントG1を、アクセルグリップ部材46の回転位置が位置Aを超えた後、緩やかに減少させることができる。それにより、アクセルグリップ部材46の円滑な回転が可能になり、ライダーは、アクセルグリップ部材46を快適に操作できる。
一方、特許文献1のハンドルグリップ装置においては、スライダがポリアセタール樹脂または金属等によって構成されている。そのため、チューブガイドがスライダに対して滑り始める際にスライダとチューブガイドとの接触部の摩擦力が急激に減少し、スティックスリップ現象が起きる。この場合、グリップ本体の回転に対する抵抗も急激に減少し、かつ安定しない。それにより、図8を参照して、ライダーの操作によってグリップ本体に与えられる回転モーメントG2も、チューブガイドがスライダに対して滑り始める際に急激に減少し、かつ安定しない。それにより、ライダーは、グリップ本体を回転させる際に不快感を感じる場合がある。
なお、上述したように、接触部材60の外周面60dとケース部材52の内周面52fとの接触面積は、接触部材60の内周面60fとカラー50の外周面50aとの接触面積よりも大きい。したがって、内周面60fと外周面50aとの接触部における最大静止摩擦力に比べて、外周面60dと内周面52fとの接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。これにより、内周面60fが外周面50aに対して滑り始める前に、外周面60dが内周面52fに対して滑り始めることが防止されている。
以下、自動二輪車10の作用効果を説明する。
自動二輪車10においては、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗を発生させる手段として環状部材54が用いられている。環状部材54の外周部60aは、その全周にわたってケース部材52に接触し、環状部材54の内周部60cはその全周にわたってカラー50に接触している。この場合、環状部材54の外周部60aがケース部材52に対して滑る際には、環状部材54の外周部60aをその全周にわたってケース部材52に接触させ続けることができる。それにより、環状部材54とケース部材52との接触部に発生する動摩擦力が不規則に変動することを抑制できる。同様に、環状部材54の内周部60cがカラー50に対して滑る際には、環状部材54の内周部60cをその全周にわたってカラー50に接触させ続けることができる。それにより、環状部材54とカラー50との接触部に発生する動摩擦力が不規則に変動することを抑制できる。これらの結果、環状部材54からアクセルグリップ部材46に与えられる負荷が不規則に変動することを抑制でき、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が不規則に変動することを抑制できる。したがって、ライダーは違和感を感じることなくアクセルグリップ部材を操作できる。
また、自動二輪車10おいては、環状部材54とカラー50とが接触しているので、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作する際にカラー50がハンドルバー40に対して偏心すると、カラー50から環状部材54に与えられる力は、環状部材54の一部分において大きくなる。それにより、環状部材54とカラー50との間に発生する摩擦力は、環状部材54の一部分の近傍において大きくなる。しかし、環状部材54の他の部分にかかる力は小さくなるので、環状部材54とカラー50との接触部に発生する摩擦力の総量の変動は抑制される。このように、自動二輪車10では、カラー50がハンドルバー40に対して偏心した場合でも、環状部材54とカラー50との接触部に発生する摩擦力が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。それにより、ライダーは違和感を感じることなくアクセルグリップ部材46を操作できる。
また、自動二輪車10においては、環状部材54は、接触部材60および接触部材60の外周部60aに埋め込まれた芯部材62を有している。この場合、環状部54材の外周部60cを芯部材62によってケース部材52に押し付けることができる。それにより、環状部材54の外周部60aがケース部材52に対して滑ることを防止することができ、環状部材54の内周部60cをカラー50に対して安定して滑らせることができる。その結果、環状部材50の内周部60cとカラー50との接触部において発生する動摩擦力が不規則に変動することを十分に防止できる。
また、環状部材54は、接触部材60の内周部60cを締め付ける締付部材64を有している。この場合、環状部材54の内周部60cをカラー50に安定して接触させることができる。それにより、環状部材54の内周部60cとカラー50との接触部において発生する動摩擦力が不規則に変動することを十分に防止できる。
また、接触部材60は粘弾性摩擦部材によって構成されている。この場合、接触部材60がカラー50に対して滑り始める際に、接触部材60とカラー50との接触部に発生する動摩擦力を緩やかに減少させることができる。それにより、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗を緩やかに減少させることができる。その結果、アクセルグリップ部材46の操作感が変化することを防止できる。また、接触部材60とカラー50との接触部に発生する動摩擦力を緩やかに減少させることができるので、スティックスリップ現象の発生を防止できる。これらの結果、ライダーは、アクセルグリップ部材46を快適に操作できる。
また、自動二輪車10においては、滑り時受けとして機能するグリップスリーブ44によって、アクセルグリップ部材46をハンドルバー40に対して回転可能に支持している。この場合、ハンドルバー40、グリップスリーブ44およびアクセルグリップ部材46を同軸状に配置することができるので、アクセルグリップ装置42の構成を簡単かつコンパクトにすることができる。
また、自動二輪車10においては、アクセルポジションセンサ58はケース部材52に収容されているので、ケース部材52によってアクセルポジションセンサ58を保護できる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42においては、3つの環状部材54が設けられているが、環状部材54の数は上述の例に限定されない。たとえば、アクセルグリップ装置に1つの環状部材54が設けられてもよく、2つの環状部材54が設けられてもよく、4つ以上の環状部材54が設けられてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42では、固定部材Fがハンドルバー40およびケース部材52によって構成されているが、固定部材がハンドルバー40またはケース部材52に固定される他の部材を含んでもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42では、回転部材Rがグリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー50によって構成されているが、回転部材がグリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー50とともに回転する他の部材を含んでもよい。また、アクセルグリップ装置42では、回転部材Rが円筒状のカラー50を含んでいるが、カラー50が設けられなくてもよい。たとえば、カラー50の代わりに、カラー50と同様の形状の円筒部をグリップスリーブに形成してもよい。この場合、環状部材54をグリップスリーブの円筒部とケース部材52の突出部52eとの間に配置し、環状部材54とグリップスリーブとを直接接触させてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42では、環状部材54が締付部材64を有しているが、締付部材を有しない環状部材をアクセルグリップ装置に設けてもよい。
また、この発明は、図9に示すアクセルグリップ装置42aを備えた自動二輪車にも適用できる。図9に示すアクセルグリップ装置42aが上述のアクセルグリップ装置42(図3参照)と異なる点は、ケース部材52の代わりにケース部材66が設けられている点、ケース部材66に止め輪68が設けられている点、ならびに複数の環状部材54の代わりに環状部材54a,54bおよび供給部材70が設けられている点である。したがって、ケース部材66、止め輪68、環状部材54a,54b、および供給部材70以外のアクセルグリップ装置42aの構成については説明を省略する。また、ケース部材66がケース部材52と異なる点は、突出部52eの代わりに突出部66aが設けられている点、フランジ部72が設けられている点、通気孔74が形成されている点である。したがって、突出部66a、フランジ部72および通気孔74以外のケース部材66の構成については説明を省略する。なお、この実施形態では、ハンドルバー40およびケース部材66によって固定部材F1が構成されている。
図9を参照して、ケース部材66の突出部66aは、ケース部材52の突出部52eと同様の形状を有している。環状部材54a,54bは、図3の環状部材54と同様の構成を有している。環状部材54aは、図3の環状部材54と同様に、カラー50の外周面50aとケース部材66の内周面66bとの間において内周面66bに取り付けられている。環状部材54bは、図3の環状部材54とは逆の向きになるように、カラー50の外周面50aとケース部材66の内周面66bとの間において内周面66bに取り付けられている。
止め輪68は、突出部66aの左端部に固定されている。環状部材54aの左方向への移動は、止め輪68によって規制されている。フランジ部72は環形状を有し、突出部66aの右端部から内側に向かって延びるように突出部66aと一体的に形成されている。環状部材54bの右方向への移動は、フランジ部72によって規制されている。なお、環状部材54a,54bは、上述の環状部材54と同様の構成を有しているので、環状部材54a,54bは、十分な圧力で突出部66aに押し付けられている。したがって、通常は、環状部材54a,54bがカラー50の軸方向に移動することはない。
供給部材70は、環形状を有し、環状部材54aと環状部材54bとの間において、カラー50の外周面に取り付けられている。供給部材70としては、たとえばフェルトリングを用いることができる。供給部材70には、予め潤滑剤が含浸されている。供給部材70は、カラー50、突出部66a、環状部材54aおよび環状部材54bによって囲まれた環状の空間S1に潤滑剤を供給している。潤滑剤としては、たとえば、シリコン系潤滑材、グリコール系潤滑剤、油、またはグリス等を用いることができる。
通気孔74は、突出部66aの内周面66bからケース部材66の外周面66cに向かって延びるように形成されている。空間S1とケース部材66の外部空間とは、通気孔74を介して連通している。通気孔74は、ケース部材66の外部から空間S1に水および塵等が侵入することを防止できるように形成されることが好ましい。具体的には、たとえば、通気孔74の直径が十分に小さいことが好ましい。また、たとえば、ケース部材66の外周面66cにおける通気孔74の開口74aが、ケース部材66の下部または空間S1よりも下方に設けられることが好ましい。
なお、環状部材54a,54bは、カラー50の外周面50aおよび突出部66aの内周面66bに密着している。したがって、空間S1とケース部材66内の他の空間S2との間で空気が流通することは、環状部材54a,54bによって防止されている。それにより、供給部材70から空間S1に供給された潤滑剤が空間S1から空間S2またはケース部材66の外部空間に漏れ出すことが防止されている。
アクセルグリップ装置42aにおいても、アクセルグリップ装置42の環状部材54と同様に、環状部材54a,54bの内周面は、その全周にわたってカラー50の外周面50aに接触している。それにより、環状部材54a,54bとカラー50との接触部において発生する動摩擦力が変動することを抑制できる。その結果、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ装置42aを備えた自動二輪車においても、アクセルグリップ装置42を備えた上述の自動二輪車10と同様の作用効果が得られる。
また、アクセルグリップ装置42aにおいては、供給部材70によって空間S1に潤滑剤が供給されている。これにより、環状部材54a,54bをカラー50に長期間にわたって良好な状態で接触させることができる。また、供給部材70が環状部材54a,54bの間に設けられているので、潤滑剤を環状部材54a,54bに均一に供給できる。
また、環状部材54a,54bが万が一、カラー50の軸方向に移動したとしても、止め輪68およびフランジ部72によって環状部材54a,54bの移動を規制できる。
また、ケース部材66には、ケース部材66の内部空間と外部空間とを連通させる通気孔74が形成されているので、ケース部材66の内部空間の圧力が外部空間の圧力に対して上昇および下降することを防止できる。これにより、アクセルグリップ装置42aの各構成要素の変形を防止でき、環状部材54a,54bをカラー50に安定して接触させることができる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42aでは、環状部材54と同様の構成を有する環状部材54a,54bが設けられているが、締付部材を有しない環状部材をアクセルグリップ装置に設けてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42aでは、固定部材F1がハンドルバー40およびケース部材66によって構成されているが、固定部材がハンドルバー40またはケース部材66に固定される他の部材を含んでもよい。
上述の実施形態では、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際に、接触部材の内周面がカラー50の外周面50aに対して滑るように環状部材が構成されていたが、環状部材の構成は上述の例に限定されない。
図10は、他の構成の環状部材を備えたアクセルグリップ装置を示す図である。図10に示すアクセルグリップ装置42bが、上述のアクセルグリップ装置42(図3参照)と異なるのは、複数の環状部材54の代わりに複数(この実施形態では2つ)の環状部材76が設けられている点である。したがって、環状部材76以外のアクセルグリップ装置42bの構成については説明を省略する。
図10を参照して、複数の環状部材76は、カラー50と突出部52eとの間においてカラー50の軸方向に並ぶように、カラー50に取り付けられている。環状部材76は、環状の接触部材78および環状の芯部材80を含む。接触部材78は、接触部材60(図3参照)と同様の材料からなる。接触部材78は、円筒状の内周部78a、内周部78aの左端部から径方向に拡がるように延びる環状の側壁部78b、側壁部78bの外縁から外側に向かってやや傾斜しつつ右側に延びる略円筒状の外周部78cを含む。内周部78aは、その全周にわたってカラー50の外周面50aに接触している。外周部78cの右端部は、その全周にわたってカラー50の外周面50aに接触している。
芯部材80は、たとえば、金属材料によって構成される。芯部材80は、断面L字形状を有している。芯部材80は、接触部材78の内周部78aおよび側壁部78bに埋め込まれている。
アクセルグリップ装置42bにおいては、接触部材78の内周部78aは、芯部材80によって十分な圧力でカラー50の外周面50aに押し付けられている。これにより、接触部材78の内周部78aとカラー50の外周面50aとの間の最大静止摩擦力を十分に大きくできる。その結果、接触部材78をカラー50に固定できる。また、接触部材78の内周部78aがカラー50の外周面50aに対して滑ることを十分に防止できる。
また、接触部材78の軸方向において、接触部材78の内周部78aとカラー50の外周面50aとの接触部の幅は、接触部材78の外周部78cとケース部材52の内周面52fとの接触部の幅よりも長い。したがって、接触部材78の内周部78aとカラー50の外周面50aとの接触面積は、接触部材78の外周部78cとケース部材52の内周面52fとの接触面積よりも大きい。これにより、外周部78cとケース部材52との接触部における最大静止摩擦力に比べて、内周部78aとカラー50との接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。
このような構成を有するアクセルグリップ装置42bでは、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際には、アクセルグリップ部材46、グリップスリーブ44、カラー50および複数の環状部材76が一体的に回転する。このとき、接触部材78の外周部78cがケース部材52の内周面52fに対して滑りながら回転するので、外周部78cと内周面52fとの接触部に動摩擦力が発生する。外周部78cと内周面52fとの接触部に発生する動摩擦力は、回転に対する抵抗として、環状部材76、カラー50、およびグリップスリーブ44を介してアクセルグリップ部材46に与えられる。
以上のように、複数の環状部材76を備えたアクセルグリップ装置42bにおいても、複数の環状部材54を備えたアクセルグリップ装置42と同様に、環状部材76(接触部材78)によって発生される摩擦力を、回転に対する抵抗としてアクセルグリップ部材46に与えることができる。また、接触部材78の外周部78cは、その全周にわたって突出部52eの内周面52fに接触している。それにより、接触部材78と突出部52eとの接触部において発生する動摩擦力が変動することを抑制できる。その結果、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ装置42bを備えた自動二輪車においても、アクセルグリップ装置42(図3参照)を備えた上述の自動二輪車10と同様の作用効果が得られる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42bにおいては、2つの環状部材76が設けられているが、環状部材76の数は上述の例に限定されない。たとえば、アクセルグリップ装置に1つの環状部材76が設けられてもよく、3つ以上の環状部材76が設けられてもよい。
上述の実施形態では、カラーとケース部材との間に環状部材が設けられているが、環状部材が他の位置に設けられてもよい。
図11は、環状部材がハンドルバーとカラーとの間に配置されたアクセルグリップ装置の一例を示した図解図である。図11に示すアクセルグリップ装置42cが図10のアクセルグリップ装置42bと異なる点は、カラー50の代わりにカラー82が設けられている点、および複数の環状部材76の代わりに複数(この実施形態では2つ)の環状部材76aが設けられている点である。したがって、カラー82および環状部材76a以外のアクセルグリップ装置42cの構成については説明を省略する。なお、この実施形態では、グリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー82によって回転部材R1が構成される。
図11を参照して、カラー82は、グリップスリーブ44のフランジ部44aに固定される小径部82a、小径部82aよりも大きい直径を有しかつ小径部82aから左に延びる大径部82bを含む。複数の環状部材76aは、ハンドルバー40と大径部82bとの間においてハンドルバー40の軸方向に並ぶように、ハンドルバー40に取り付けられている。環状部材76aは、環状部材76(図10参照)の接触部材78(図10参照)および芯部材80(図10参照)と同様の接触部材84および芯部材86を有している。接触部材84の内周部は、その全周にわたってハンドルバー40の外周面40aに接触している。接触部材84の外周部の右端部は、その全周にわたってカラー82の大径部82bの内周面82cに接触している。
アクセルグリップ装置42cにおいては、接触部材84の内周部は、芯部材86によって十分な圧力でハンドルバー40の外周面40aに押し付けられている。これにより、接触部材84の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの間の最大静止摩擦力を十分に大きくできる。その結果、接触部材84をハンドルバー40に固定できる。また、接触部材84の内周部がハンドルバー40の外周面40aに対して滑ることを十分に防止できる。
また、接触部材84の軸方向において、接触部材84の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触部の幅は、接触部材84の外周部とカラー82の内周面82cとの接触部の幅よりも長い。したがって、接触部材84の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触面積は、接触部材84の外周部とカラー82の外周面50aとの接触面積よりも大きい。これにより、接触部材84とカラー82との接触部における最大静止摩擦力に比べて、接触部材84とハンドルバー40との接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。
このような構成を有するアクセルグリップ装置42cでは、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際には、アクセルグリップ部材46、グリップスリーブ44、およびカラー82が一体的に回転する。このとき、カラー82の内周面82cが接触部材84の外周部に対して滑りながら回転するので、カラー82の内周面82cと接触部材84の外周部との接触部に動摩擦力が発生する。カラー82と接触部材84との接触部に発生する動摩擦力は、回転に対する抵抗として、カラー82およびグリップスリーブ44を介してアクセルグリップ部材46に与えられる。
以上のように、複数の環状部材76aを備えたアクセルグリップ装置42cにおいても、複数の環状部材54(図3参照)を備えたアクセルグリップ装置42(図3参照)と同様に、環状部材76a(接触部材84)によって発生される摩擦力を、回転に対する抵抗としてアクセルグリップ部材46に与えることができる。また、接触部材84の外周部は、その全周にわたってカラー82の内周面82cに接触している。それにより、接触部材84とカラー82との接触部において発生する動摩擦力が変動することを抑制できる。その結果、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ装置42cを備えた自動二輪車においても、アクセルグリップ装置42(図3参照)を備えた上述の自動二輪車10と同様の作用効果が得られる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42cおいては、2つの環状部材76aが設けられているが、環状部材76の数は上述の例に限定されない。たとえば、アクセルグリップ装置に1つの環状部材76aが設けられてもよく、3つ以上の環状部材76aが設けられてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42cでは、回転部材R1がグリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー82によって構成されているが、回転部材がグリップスリーブ44、アクセルグリップ部材46およびカラー82とともに回転する他の部材を含んでもよい。また、上述のアクセルグリップ装置42cでは、回転部材R1がカラー82を含んでいるが、カラー82が設けられなくてもよい。たとえば、カラー82の代わりに、カラー82と同様の形状の円筒部をグリップスリーブに形成してもよい。この場合、環状部材76aをグリップスリーブの円筒部とハンドルバー40の外周面40aとの間に配置し、環状部材76aとグリップスリーブとを直接接触させてもよい。
図12は、環状部材がハンドルバーとカラーとの間に配置されたアクセルグリップ装置の他の例を示した図解図である。図12に示すアクセルグリップ装置42dが図11のアクセルグリップ装置42cと異なる点は、複数の環状部材76aの代わりに環状部材54cが設けられている点である。したがって、環状部材54c以外のアクセルグリップ装置42dの構成については説明を省略する。
図12を参照して、環状部材54cは、環状部材54の接触部材60(図5参照)、芯部材62(図5参照)および締付部材64(図5参照)と同様の接触部材88、芯部材90および締付部材92を有している。接触部材88の内周部の右端部は、その全周にわたってハンドルバー40の外周面40aに接触している。接触部材84の外周部は、その全周にわたってカラー82の大径部82bの内周面82cに接触している。
アクセルグリップ装置42dにおいては、接触部材88の外周部は、芯部材90によって十分な圧力でカラー82の内周面82cに押し付けられている。これにより、接触部材88の外周部とカラー82の内周面82cとの間の最大静止摩擦力を十分に大きくできる。その結果、接触部材88をカラー82に固定できる。また、接触部材88の内周部がカラー82の内周面82cに対して滑ることを十分に防止できる。
また、接触部材88の軸方向において、接触部材88の外周部とカラー82の内周面82cとの接触部の幅は、接触部材88の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触部の幅よりも長い。したがって、接触部材88の外周部とカラー82の内周面82cとの接触面積は、接触部材88の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触面積よりも大きい。これにより、接触部材88とハンドルバー40との接触部における最大静止摩擦力に比べて、接触部材88とカラー82との接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。
このような構成を有するアクセルグリップ装置42dでは、ライダーがアクセルグリップ部材46を操作している際には、アクセルグリップ部材46、グリップスリーブ44、カラー82および接触部材88が一体的に回転する。このとき、接触部材88の内周部がハンドルバー40の外周面40aに対して滑りながら回転するので、接触部材88の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触部に動摩擦力が発生する。接触部材88の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触部に発生する動摩擦力は、回転に対する抵抗として、カラー82およびグリップスリーブ44を介してアクセルグリップ部材46に与えられる。
以上のように、環状部材54cを備えたアクセルグリップ装置42dにおいても、複数の環状部材54(図3参照)を備えたアクセルグリップ装置42(図3参照)と同様に、環状部材54c(接触部材88)によって発生される摩擦力を、回転に対する抵抗としてアクセルグリップ部材46に与えることができる。また、接触部材88の内周部は、その全周にわたってハンドルバー40の外周面40aに接触している。それにより、接触部材88とハンドルバー40との接触部において発生する動摩擦力が変動することを抑制できる。その結果、アクセルグリップ部材46の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ装置42dを備えた自動二輪車においても、アクセルグリップ装置42(図3参照)を備えた上述の自動二輪車10と同様の作用効果が得られる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42dにおいては、1つの環状部材54cが設けられているが、環状部材54cの数は上述の例に限定されない。たとえば、アクセルグリップ装置に2つ以上の環状部材54cが設けられてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42dでは、環状部材54cが締付部材92を有しているが、締付部材を有しない環状部材をアクセルグリップ装置に設けてもよい。
上述の実施形態では、環状部材がケース部材内に設けられているが、環状部材がケース部材の外部に設けられていてもよい。
図13は、ケース部材の外部に環状部材が設けられたアクセルグリップ装置の一例を示す図解図である。図13に示すアクセルグリップ装置42eが図3のアクセルグリップ装置42と異なる点は、グリップスリーブ44の代わりにグリップスリーブ94が設けられている点、アクセルグリップ部材46の代わりにアクセルグリップ部材96が設けられている点、複数の環状部材54の代わりに複数(この実施形態では2つ)の環状部材76bが設けられている点、および転がり軸受け98が設けられている点である。したがって、グリップスリーブ94、アクセルグリップ部材96、環状部材76bおよび転がり軸受け98以外のアクセルグリップ装置42eの構成については説明を省略する。なお、この実施形態では、グリップスリーブ94、アクセルグリップ部材96およびカラー50によって回転部材R2が構成されている。
図13を参照して、グリップスリーブ94は、円筒状の大径部94a、大径部94aよりも小さい直径を有しかつ大径部94aから左に延びる小径部94b、および小径部94bの右端部に設けられる環状のフランジ部94cを有している。磁石48およびカラー50は、フランジ部94cに固定されている。
転がり軸受け98は、ハンドルバー40とグリップスリーブ94の大径部94aとの間に設けられ、グリップスリーブ94をハンドルバー40に対して回転可能に支持している。アクセルグリップ部材96は略円筒形状を有し、グリップスリーブ94の大径部94aの外周面に固定されている。これにより、アクセルグリップ部材96は、ハンドルバー40に対してグリップスリーブ94と一体的に回転する。
複数の環状部材76bは、ハンドルバー40とアクセルグリップ部材96との間においてハンドルバー40の軸方向に並ぶように、ハンドルバー40に取り付けられている。環状部材76bは、環状部材76(図10参照)の接触部材78(図10参照)および芯部材80(図10参照)と同様の接触部材100および芯部材102を有している。接触部材100の内周部は、その全周にわたってハンドルバー40の外周面40aに接触している。接触部材100の外周部の右端部は、その全周にわたってアクセルグリップ部材96の内周面96aに接触している。
アクセルグリップ装置42eにおいては、接触部材100の内周部は、芯部材102によって十分な圧力でハンドルバー40の外周面40aに押し付けられている。これにより、接触部材100の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの間の最大静止摩擦力を十分に大きくできる。その結果、接触部材100をハンドルバー40に固定できる。また、接触部材100の内周部がハンドルバー40の外周面40aに対して滑ることを十分に防止できる。
また、接触部材100の軸方向において、接触部材100の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触部の幅は、接触部材100の外周部とアクセルグリップ部材96の内周面96aとの接触部の幅よりも長い。したがって、接触部材100の内周部とハンドルバー40の外周面40aとの接触面積は、接触部材100の外周部とアクセルグリップ部材96の内周面96aとの接触面積よりも大きい。これにより、接触部材100とアクセルグリップ部材96との接触部における最大静止摩擦力に比べて、接触部材100とハンドルバー40との接触部における最大静止摩擦力を十分に大きくできる。
このような構成を有するアクセルグリップ装置42eでは、ライダーがアクセルグリップ部材96を操作している際には、アクセルグリップ部材96およびグリップスリーブ94が一体的に回転する。このとき、アクセルグリップ部材96の内周面96aが接触部材100の外周部に対して滑りながら回転するので、アクセルグリップ部材96の内周面96aと接触部材100の外周部との接触部に動摩擦力が発生し、アクセルグリップ部材96の回転に対する抵抗となる。
以上のように、ケース部材52の外部に環状部材76bを備えたアクセルグリップ装置42eにおいても、ケース部材52の内部に環状部材54(図3参照)を備えたアクセルグリップ装置42(図3参照)と同様に、環状部材76b(接触部材100)によって発生される摩擦力を、回転に対する抵抗としてアクセルグリップ部材96に与えることができる。また、接触部材100の外周部は、その全周にわたってアクセルグリップ部材96の内周面96aに接触している。それにより、接触部材100とアクセルグリップ部材96との接触部において発生する動摩擦力が変動することを抑制できる。その結果、アクセルグリップ部材アクセルグリップ部材96の回転に対する抵抗が変動することを抑制できる。したがって、アクセルグリップ装置42eを備えた自動二輪車においても、アクセルグリップ装置42(図3参照)を備えた上述の自動二輪車10と同様の作用効果が得られる。
なお、上述のアクセルグリップ装置42eにおいては、2つの環状部材76bが設けられているが、環状部材76bの数は上述の例に限定されない。たとえば、アクセルグリップ装置に1つの環状部材76bが設けられてもよく、3つ以上の環状部材76bが設けられてもよい。
また、上述のアクセルグリップ装置42eでは、回転部材R2がグリップスリーブ94、アクセルグリップ部材96およびカラー50によって構成されているが、回転部材がグリップスリーブ94、アクセルグリップ部材96およびカラー50とともに回転する他の部材を含んでもよい。また、上述のアクセルグリップ装置42eでは、回転部材R2がカラー50を含んでいるが、カラー50が設けられなくてもよい。たとえば、カラー50の代わりに、カラー50と同様の形状の円筒部をグリップスリーブに形成してもよい。
また、上述の各アクセルグリップ装置において用いられる環状部材の形状は適宜変更してもよい。たとえば、図14(a)に示すような、接触部材104aのみからなり、芯部材および締付部材を有しない環状部材104をアクセルグリップ装置に設けてもよい。また、たとえば、図14(b)に示すような、断面略五角形の接触部材106aからなる環状部材106をアクセルグリップ装置に設けてもよい。なお、図14(a)に示す環状部材104の断面において、上部側を接触部材104aの外周部とし下部側を接触部材104aの内周部としてもよく、上部側を接触部材104aの内周部とし下部側を接触部材104aの外周部としてもよい。同様に、図14(b)に示す環状部材106の断面において、上部側を接触部材106aの外周部とし下部側を接触部材106aの内周部としてもよく、上部側を接触部材106aの内周部とし下部側を接触部材106aの外周部としてもよい。
また、この発明が適用される鞍乗型車両は上述の自動二輪車10と同じタイプの自動二輪車に限定されず、スクータおよびモペット等を含む他のタイプの自動二輪車にもこの発明を適用できる。また、この発明が適用される鞍乗型車両は自動二輪車に限定されず、不整地走行用車両(ALL−TERRAIN VEHICLE)およびスノーモービル等を含む他の鞍乗型車両にもこの発明を適用できる。
以上、この発明の好ましい実施形態について説明されたが、この発明の範囲および精神を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であることは明らかである。この発明の範囲は、添付された請求の範囲によってのみ限定される。
【0003】
方向に偏心すると、チューブガイドとスライダとの間に発生する摩擦力が大きく減少する。それにより、チューブガイドの回転に対する抵抗が大きく減少する。このように、特許文献1のハンドルグリップ装置では、チューブガイドがハンドルパイプに対して偏心した場合に、チューブガイドの回転に対する抵抗が大きく変動してしまう。それにより、ライダーが違和感を感じる場合がある。
[0008]
それゆえに、この発明の主たる目的は、アクセルグリップ部材の回転に対する抵抗の変動を抑制できる鞍乗型車両を提供することである。
課題を解決するための手段
[0009]
この発明の一の局面によれば、ハンドルバーを含む固定部材と、アクセルグリップ部材およびアクセルグリップ部材がハンドルバーに対して回転できるようにアクセルグリップ部材を支持する支持部材を含みかつハンドルバーを回転軸として回転可能に設けられる回転部材と、アクセルグリップ部材の回転位置に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサと、支持部材とは別体に構成され、回転部材の回転に対する抵抗として摩擦力に基づく負荷を回転部材に与える環状部材とを備え、環状部材の外周部の全周が、固定部材および回転部材のうちの一方と接触し、環状部材の内周部の全周が、固定部材および回転部材のうちの他方と接触している鞍乗型車両が提供される。
[0010]
この鞍乗型車両では、回転部材は、アクセルグリップ部材および支持部材を含み、固定部材のハンドルバーを回転軸として回転可能に設けられている。環状部材は、回転部材の回転に対する抵抗として、摩擦力に基づく負荷を回転部材に与える。環状部材の外周部は、固定部材および回転部材のうちの一方と接触し、環状部材の内周部は、固定部材および回転部材のうちの他方と接触している。このような構成において、ライダーがアクセルグリップ部材を操作して回転部材を回転させると、環状部材は、回転部材または固定部材に対して滑り始める。このとき、環状部材と固定部材との接触部、または環状部材と回転部材との接触部において動摩擦力が発生し、その動摩擦力は、回転部材の回転に対する抵抗となる。
【0007】
[0018]
また好ましくは、固定部材は、アクセルポジションセンサを収容するケース部材を含む。この場合、ケース部材によってアクセルポジションセンサを保護できる。
[0019]
さらに好ましくは、鞍乗型車両は、ケース部材内に設けられかつ環状部材に潤滑剤を供給する供給部材をさらに備える。この場合、環状部材を長期間にわたって良好な状態で固定部材または回転部材に接触させることができる。
[0020]
さらに好ましくは、鞍乗型車両は、ケース部材内に一対の環状部材を有し、供給部材は、一対の環状部材の間に設けられる。この場合、潤滑剤を一対の環状部材に均一に供給できる。
[0021]
さらに好ましくは、ケース部材は、ケース部材の内部空間と外部空間とを連通させる通気孔を有する。この場合、ケース部材の内部空間の圧力が外部空間の圧力に対して上昇および下降することを防止できる。これにより、固定部材、回転部材および環状部材の変形を防止でき、環状部材を固定部材および回転部材に安定して接触させることができる。
また好ましくは、環状部材と固定部材との接触部の幅は、環状部材と回転部材との接触部の幅よりも長い。
[0022]
この発明の上述の目的およびその他の目的、特徴、局面および利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図面の簡単な説明
[0023]
[図1]この発明の一実施形態に係る自動二輪車を示す側面図である。
[図2]ハンドルの右側部分を示す平面図である。
[図3]図2のハンドルを示す横断面図である。
[図4]自動二輪車の制御系を示すブロック図である。
[図5]ハンドルバー、カラー、ケース部材、および環状部材の関係を示す断面図解図である。
[図6]アクセルグリップ部材の回転位置とアクセルグリップ部材に働く回転モーメントとの関係を模式的に示した図である。
[図7]ハンドルバー、カラー、ケース部材、および環状部材を模式的に示した

Claims (10)

  1. ハンドルバーを含む固定部材と、
    アクセルグリップ部材および前記アクセルグリップ部材が前記ハンドルバーに対して回転できるように前記アクセルグリップ部材を支持する支持部材を含みかつ前記ハンドルバーを回転軸として回転可能に設けられる回転部材と、
    前記アクセルグリップ部材の回転位置に応じた電気信号を出力するアクセルポジションセンサと、
    前記支持部材とは別体に構成され、前記回転部材の回転に対する抵抗として摩擦力に基づく負荷を前記回転部材に与える環状部材とを備え、
    前記環状部材の外周部は、前記固定部材および前記回転部材のうちの一方と接触し、前記環状部材の内周部は、前記固定部材および前記回転部材のうちの他方と接触している、鞍乗型車両。
  2. 前記環状部材は、前記固定部材および前記回転部材と接触する接触部材と、前記接触部材に埋め込まれた芯部材とを有する、請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記環状部材は、前記固定部材および前記回転部材と接触する接触部材と、前記接触部材の内周部を締め付ける締付部材とを有する、請求項1に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記環状部材は、前記固定部材および前記回転部材と接触する接触部材を有し、
    前記接触部材は、粘弾性高分子材料を含む、請求項1に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記回転部材を一方向に回転させる力を前記回転部材に与えるリターンスプリングをさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  6. 前記支持部材は、略円筒形状の滑り軸受けを含む、請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  7. 前記固定部材は、前記アクセルポジションセンサを収容するケース部材を含む、請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  8. 前記ケース部材内に設けられかつ前記環状部材に前記潤滑剤を供給する供給部材をさらに備える、請求項7に記載の鞍乗型車両。
  9. 前記ケース部材内に一対の前記環状部材を有し、
    前記供給部材は、前記一対の環状部材の間に設けられる、請求項8に記載の鞍乗型車両。
  10. 前記ケース部材は、前記ケース部材の内部空間と外部空間とを連通させる通気孔を有する、請求項7から9のいずれかに記載の鞍乗型車両。
JP2011543246A 2009-11-24 2010-11-22 鞍乗型車両 Abandoned JPWO2011065330A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009266463 2009-11-24
JP2009266463 2009-11-24
PCT/JP2010/070817 WO2011065330A1 (ja) 2009-11-24 2010-11-22 鞍乗型車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2011065330A1 true JPWO2011065330A1 (ja) 2013-04-11

Family

ID=44066435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011543246A Abandoned JPWO2011065330A1 (ja) 2009-11-24 2010-11-22 鞍乗型車両

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20120266717A1 (ja)
EP (1) EP2505471A1 (ja)
JP (1) JPWO2011065330A1 (ja)
WO (1) WO2011065330A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013001640A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 本田技研工業株式会社 アクセル開度検出装置
USD740098S1 (en) * 2013-03-19 2015-10-06 Tong Yah Electronic Technology Co., Ltd. Vehicular handle
JP2015182634A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 本田技研工業株式会社 鞍乗型車両の操作装置
JP2017065319A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 ヤマハ発動機株式会社 鞍乗型電動車両
CN107387244B (zh) * 2017-08-31 2023-06-30 浙江中马园林机器股份有限公司 一种汽油机的操纵机构
JP7158189B2 (ja) * 2018-07-11 2022-10-21 東洋電装株式会社 スロットルグリップ装置
JP7291554B2 (ja) * 2019-06-24 2023-06-15 東洋電装株式会社 ハンドルスイッチ装置
JP7086132B2 (ja) * 2020-04-30 2022-06-17 本田技研工業株式会社 制御装置
TWI744087B (zh) * 2020-11-11 2021-10-21 東洋建蒼電機股份有限公司 機車把手控制器

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4655326A (en) * 1985-11-29 1987-04-07 Dana Corporation Cooling system for planetary wheel end with wet brake
US5320076A (en) * 1991-10-10 1994-06-14 Robert Bosch Gmbh Arrangement for detecting the position of an accelerator pedal and/or a power-determining element of the internal combustion engine of a motor vehicle
JPH11342763A (ja) * 1998-06-04 1999-12-14 Aisan Ind Co Ltd アクセルペダル装置
JP2002264876A (ja) 2001-03-07 2002-09-18 Yamaha Motor Co Ltd 鞍乗型乗り物におけるハンドルグリップ装置
JP4112876B2 (ja) * 2002-02-26 2008-07-02 ヤマハ発動機株式会社 スロットル開度検出装置
US6978694B2 (en) * 2002-12-06 2005-12-27 Magneti Marelli Powertrain U.S.A., Inc. Handlebar throttle controller with hysteresis
JP2004339945A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Asahi Denso Co Ltd スロットルグリップ装置
JP4846705B2 (ja) * 2007-12-18 2011-12-28 本田技研工業株式会社 車両のスロットル装置
JP5023397B2 (ja) * 2008-05-27 2012-09-12 本田技研工業株式会社 スロットル装置
JP5064342B2 (ja) * 2008-09-19 2012-10-31 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両のスロットル開度検出装置
JP2010071235A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Honda Motor Co Ltd 鞍乗り型車両のスロットル開度検出装置
JP2010195188A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Honda Motor Co Ltd 鞍乗り型車両のスロットル制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP2505471A1 (en) 2012-10-03
WO2011065330A1 (ja) 2011-06-03
US20120266717A1 (en) 2012-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011065330A1 (ja) 鞍乗型車両
JP5225417B2 (ja) 電動自転車
JP5064342B2 (ja) 鞍乗り型車両のスロットル開度検出装置
JP5311556B2 (ja) スロットルグリップ装置
EP0893338B1 (en) Assist force control device in motor-assisted bicycle
WO2007029620A1 (ja) 回転検出器およびトルクセンサ
EP1972836B1 (en) Electronically-controlled continuously variable transmission
JP2010195188A (ja) 鞍乗り型車両のスロットル制御装置
JP2007071255A (ja) Vベルト式無段変速機及び鞍乗型車両
JP6008957B2 (ja) 車両
JP5442323B2 (ja) スロットルグリップ装置
JP4215646B2 (ja) 迅速スラストリターンペダル
JP2010071235A (ja) 鞍乗り型車両のスロットル開度検出装置
JP6120334B2 (ja) 車両用vベルト式無段変速機
EP3421839B1 (en) Electronically controlled v-belt continuously variable transmission
JP7357211B2 (ja) 三輪自転車
JP6832472B2 (ja) レバー装置
JP2014032032A (ja) 原動機付き鞍乗型車両
JP2008044528A (ja) 張力調整装置及びベルト駆動式自転車
CN211139504U (zh) 自行车座管结构
JP5095359B2 (ja) 車両、その制御装置および車両の異常検出方法
JP2008303730A (ja) 内燃機関のスロットル制御装置
JP3409386B2 (ja) ホークステムの軸受装置
JP6071579B2 (ja) 回転軸の軸受構造
WO2023084591A1 (ja) ベルト式無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131107

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20140228