JPWO2011052126A1 - 電極、二次電池、および二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
捲回型電極群に用いられる電極であって、集電体と、集電体の一方の面に形成された、活物質を含む第1合剤層と、集電体の他方の面に形成された、活物質を含む第2合剤層とを有する。電極群構成時には、第1合剤層は、第2合剤層よりも外側に位置するように捲回される。電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域に対応する部分において、第1合剤層の単位体積あたりの容量は、第2合剤層の単位体積あたりの容量よりも、大きい。
Description
本発明は、捲回型の電極群を備えた二次電池に関し、特に、その電極群を構成する電極の改良に関する。
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、およびカムコーダのような携帯機器の電源として、リチウムイオン二次電池に代表されるような、高エネルギー密度の非水電解質二次電池が広く用いられている。
非水電解質二次電池では、折り畳み構造、積層構造、または捲回構造の電極群が用いられている。これらの中でも捲回構造の電極群が一般的である。捲回構造の電極群とは、正極と負極とを、両極間にセパレータを介して渦巻き状に捲回した電極群のことである。
特許文献1では、電池の出力特性を改善するため、捲回構造の電極群において、内側から外側に向かうにつれて電極の厚みを大きくすることが提案されている。これにより、合剤層のかさ密度を略均一とすることが提案されている。
特許文献2では、電池の充放電サイクル特性を改善するため、捲回構造の電極群を構成する電極において、集電体の外周側に配された合剤層の厚みを、集電体の内周側に配された合剤層の厚みよりも大きくすることが提案されている。これにより、外周側の合剤層の活物質量を、内周側の合剤層の活物質量よりも多くすることができる。
特許文献2では、電池の充放電サイクル特性を改善するため、捲回構造の電極群を構成する電極において、集電体の外周側に配された合剤層の厚みを、集電体の内周側に配された合剤層の厚みよりも大きくすることが提案されている。これにより、外周側の合剤層の活物質量を、内周側の合剤層の活物質量よりも多くすることができる。
捲回構造の電極群では、外側から内側に向かうにつれて(捲回軸に近いほど)電極の曲率半径は小さくなる。曲率半径の小さな部分において、内側の合剤層と、外側の合剤層との、活物質密度(容量密度)の差が大きくなり、反応が不均一となり易い。
特許文献1記載の方法では、集電体の同一面において合剤層(活物質)の重量、すなわち単位面積あたりの容量密度が変化するため、反応が不均一となり易い。
特許文献2記載の方法では、内側の合剤層と、外側の合剤層とで合剤層(活物質)の重量が異なる。このため、対極の容量設計が複雑になり、電極反応の均一性を確保することが困難である。
特許文献1記載の方法では、集電体の同一面において合剤層(活物質)の重量、すなわち単位面積あたりの容量密度が変化するため、反応が不均一となり易い。
特許文献2記載の方法では、内側の合剤層と、外側の合剤層とで合剤層(活物質)の重量が異なる。このため、対極の容量設計が複雑になり、電極反応の均一性を確保することが困難である。
そこで、本発明は、電極群構成時に合剤層の単位体積あたりの容量密度が均一となる信頼性の高い電極およびそれを備える二次電池を提供する。また、本発明は、合剤層の単位体積あたりの容量密度が均一な電極を備えた電極群を容易に構成することが可能な二次電池の製造方法を提供する。
本発明は、捲回型電極群に用いられる電極であって、
集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
電極群構成時において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1は、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも、大きいことを特徴とする。
集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
電極群構成時において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1は、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも、大きいことを特徴とする。
本発明は、一対の電極を、両電極間にセパレータを介して、捲回した電極群を備えた二次電池であって、
前記一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
前記電極群において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
前記電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域において、
前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満であることを特徴とする。
前記一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
前記電極群において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
前記電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域において、
前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満であることを特徴とする。
本発明の二次電池の製造方法は、
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する第1の工程と、
(2)前記電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、前記第1合剤層が前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する第2の工程と、を含み、
前記工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1が、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも大きくなるように、前記電極Aを構成し、
前記工程(2)では、前記所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、前記電極群を構成する。
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する第1の工程と、
(2)前記電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、前記第1合剤層が前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する第2の工程と、を含み、
前記工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1が、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも大きくなるように、前記電極Aを構成し、
前記工程(2)では、前記所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、前記電極群を構成する。
本発明によれば、電極群構成により捲回された状態の電極において、集電体の内側に配された合剤層は、集電体の外側に配された合剤層と、単位体積あたりの容量密度を略均一にすることができる。よって、電極群中の電極反応は均一化され、充放電サイクル特性に優れた二次電池が得られる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明は、捲回型電極群に用いられる帯状の電極に関する。電極は、帯状の集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有する。電極群構成時において、第1合剤層は、第2合剤層よりも外側に位置するように捲回される。そして、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分おいて、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)を、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも、大きくしている。なお、合剤層の単位体積あたりの容量とは、合剤層の単位体積あたりに含まれる活物質の量に相当する容量(理論容量)である。第1活物質は、第2活物質と、同じであっても、異なってもよい。
従来の第1容量密度および第2容量密度が同じである電極を捲回すると、領域Xにおいて、第1容量密度と第2容量密度との間の差が大きくなり、電極反応が不均一となり、充放電サイクル特性に悪影響を及ぼす場合がある。
これに対して、本発明の電極では、当該電極の捲回時おいて、第1容量密度が、第2容量密度と、略同一となるように、領域Xに対応する部分において、第1容量密度は、第2容量密度よりも、大きく設定される。捲回前の電極では、第1合剤層は密な層であり、第2合剤層は疎な層である。電極を捲回すると、集電体の内側に位置する第2合剤層には圧縮応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干増大する。一方、集電体の外側に位置する第1合剤層には引張応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干低下する。その結果、捲回後の電極では、第1合剤層は、第2合剤層と、単位体積あたりの容量密度が略同一となる。これにより、電極群内において、電極反応が均一化し、二次電池の充放電サイクル特性を改善することが可能となる。
これに対して、本発明の電極では、当該電極の捲回時おいて、第1容量密度が、第2容量密度と、略同一となるように、領域Xに対応する部分において、第1容量密度は、第2容量密度よりも、大きく設定される。捲回前の電極では、第1合剤層は密な層であり、第2合剤層は疎な層である。電極を捲回すると、集電体の内側に位置する第2合剤層には圧縮応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干増大する。一方、集電体の外側に位置する第1合剤層には引張応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干低下する。その結果、捲回後の電極では、第1合剤層は、第2合剤層と、単位体積あたりの容量密度が略同一となる。これにより、電極群内において、電極反応が均一化し、二次電池の充放電サイクル特性を改善することが可能となる。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分における、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、1.01超1.05以下が好ましい。Cv1/Cv2が1.01超であれば、電極捲回時の第1容量密度と第2容量密度との差が小さくなり、電極反応を均一化することができる。Cv1/Cv2が1.05を超えると、電極捲回時においても第1容量密度が第2容量密度よりかなり大きくなり、電極反応が不均一化する場合がある。電極反応をより均一化するためには、Cv1/Cv2は1.01超1.04以下がより好ましい。
捲回前の電極における領域X以外に対応する部分では、領域Xに対応する部分と比べて、捲回後の電極における第1容量密度と第2容量密度との間の差は小さいため、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよい。また、電極群構成時に第1容量密度および第2容量密度が略同一になり、電極反応の均一化による充放電サイクル特性の改善効果が得られるのであれば、領域X以外に対応する部分では、領域Xに対応する部分と同様に第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
例えば、捲回前の電極における領域X以外に対応する部分が、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3mm超9mm以下の領域に対応する部分である場合、その部分では、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよく、Cv1/Cv2が1.05を超えない程度で、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
例えば、捲回前の電極における領域X以外に対応する部分が、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3mm超9mm以下の領域に対応する部分である場合、その部分では、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよく、Cv1/Cv2が1.05を超えない程度で、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
上記のように、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とするには、捲回前の電極において、第1合剤層および第2合剤層の単位面積あたりの容量密度を略同一とし、第2合剤層の厚みを、第1合剤層の厚みよりも、大きくするのが好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、第1合剤層の単位面積あたりの容量Ca1と、第2合剤層の単位面積あたりの容量CA2との比:Ca1/Ca2は、0.97超1.03未満が好ましい。
第2合剤層の厚みT2と、第1合剤層の厚みT1との比:T2/T1は、1.01以上1.05以下が好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、Ca1/Ca2およびT2/T1が上記範囲内であれば、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とすることが容易である。
第2合剤層の厚みT2と、第1合剤層の厚みT1との比:T2/T1は、1.01以上1.05以下が好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、Ca1/Ca2およびT2/T1が上記範囲内であれば、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とすることが容易である。
本発明は、上記の電極を用いた二次電池に関する。すなわち、本発明の二次電池は、一対の電極を、両電極間にセパレータを介して、捲回した電極群を備える。一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有する。電極群において、第1合剤層は、第2合剤層よりも外側に位置するように捲回される。電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)において、第1合剤層1cm3あたりの容量Cv1(第1容量密度)と、第2合剤層1cm3あたりの容量Cv2(第2容量密度)との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満である。好ましくは、一対の電極の両方において、Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満である。
二次電池の電極群におけるCv1/Cv2が0.97超1.03未満である場合、第1容量密度と第2容量密度との差が小さいため、電極反応が均一となり、充放電サイクル特性が向上する。二次電池の電極群におけるCv1/Cv2は、好ましくは0.98以上1.02以下、より好ましくは0.99以上1.01以下、特に好ましくは1.00である。
本発明の二次電池は、正極と負極とを、両極間にセパレータを介して捲回した電極群を備えていればよく、円筒型、角型、シート型などのいずれの構造を有してもよい。本発明の二次電池としては、非水電解質二次電池、水溶性電解質二次電池が挙げられる。
本発明の二次電池の製造方法は、
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する工程と、
(2)電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、第1合剤層が第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する工程と、を含む。
工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)が、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも大きくなるように、電極Aを構成する。
工程(2)では、所定領域(領域X)において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2の合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、電極群を構成する。
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する工程と、
(2)電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、第1合剤層が第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する工程と、を含む。
工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)が、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも大きくなるように、電極Aを構成する。
工程(2)では、所定領域(領域X)において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2の合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、電極群を構成する。
電極Aを用いることにより、単位体積あたりの容量密度が均一な電極群を容易に得ることができる。よって、電極群内における電極反応が均一化され、充放電サイクル特性に優れた二次電池が得られる。充放電サイクル特性をさらに改善するためには、電極Bも電極Aと同様の方法により作製するのが好ましい。電極反応の均一化による充放電サイクル特性の改善効果が得られるのであれば、領域X以外の部分においても、第1容量密度を第2容量密度より大きくしてもよい。
工程(1)は、
(a)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(b)集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(c)第1塗膜および第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより第1塗膜および第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成し、電極Aを得る工程と、を含むのが好ましい。
(a)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(b)集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(c)第1塗膜および第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより第1塗膜および第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成し、電極Aを得る工程と、を含むのが好ましい。
好ましくは、工程(c)では、工程(a)および(b)により得られた、集電体、第1塗膜、および第2塗膜からなる電極前駆体を、一対のローラ間に通過させる、または電極前駆体をプレス機で押圧する。そして、第1塗膜の圧縮率を、第2塗膜の圧縮率よりも高くして、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくする。第2塗膜の圧縮率P2と、第1塗膜の圧縮率P1との比:P2/P1は、0.6以下1未満が好ましい。なお、圧縮率は、以下の式により表される。
圧縮率(%)=(圧縮前の塗膜の厚み−圧縮後の合剤層の厚み)/圧縮前の塗膜の厚み×100
圧縮率(%)=(圧縮前の塗膜の厚み−圧縮後の合剤層の厚み)/圧縮前の塗膜の厚み×100
工程(1)の第1の好ましい形態としては、弾性率の異なる2種類の結着剤を用いる方法が挙げられる。具体的には、第1結着剤および第2結着剤を準備し、第1結着剤には、第2結着剤よりも、弾性率が低い材料を用いる。第1合剤に第1結着剤を添加する。第2合剤に第2結着剤を添加する。なお、弾性率とは、材料の変形し難さを示す物性値である。弾性率が高いほど、材料は変形し難く、合剤層は圧縮し難くなる。第1結着剤の弾性率E1と、第2結着剤の弾性率E2との比:E1/E2は、0.6以上1未満が好ましい。ここでいう弾性率とは20℃での曲げ弾性率を指す。
この場合、工程(c)において、第1塗膜は、第2塗膜よりも圧縮される度合いが大きい。これは、圧縮の際、集電体の両側に同じ圧力が加えられるが、結着剤の作用により、合剤層の圧縮率に差が生じるためである。よって、領域Xにおいて、第1容量密度が第2容量密度よりも大きい電極Aを容易に作製することができる。結着剤の弾性率は、例えば、結着剤に用いる材料を変えることにより調整可能である。容量密度の調整が容易であることから、第1活物質は第2活物質と同じ材料を用いるのが好ましい。
工程(1)の第2の好ましい形態としては、充填性の異なる2種類の活物質を用いる方法が挙げられる。具体的には、第1活物質には、第2活物質よりも、充填性が高い材料、すなわちタップ密度が高い材料を用いる。第2活物質のタップ密度Td2と、第1活物質のタップ密度Td1との比:Td2/Td1は、0.6以上1未満が好ましい。
この場合、工程(c)において、第1塗膜は、第2塗膜よりも圧縮される度合いが大きい。これは、圧縮の際、集電体の両側に同じ圧力が加えられるが、活物質の作用により、合剤層の圧縮率に差が生じるためである。よって、領域Xにおいて、第1容量密度が第2容量密度よりも大きい電極Aを容易に作製することができる。
活物質の充填性(タップ密度)は、例えば、活物質の、粒子サイズ、粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
活物質の充填性(タップ密度)は、例えば、活物質の、粒子サイズ、粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
生産性の観点から、集電体の一方の面の全体に、第1合剤を塗布し、第1合剤層を形成し、集電体の他方の面の全体に、第2合剤を塗布し、第2合剤層を形成するのが好ましい。また、集電体の領域Xに対応する部分の一方の面に、第1合剤および第2合剤の一方を塗布し、それ以外の部分には、第1合剤および第2合剤の他方を塗布してもよい。
工程(2)における捲回方法としては、捲回時に正極と負極との間にセパレータが存在するように、正極および負極が捲回されていればよく、特に限定されない。
円柱形の電極群を得るための捲回方法は、例えば、
(I)2枚のセパレータを一対の巻芯で挟む工程と、
(II)2枚のセパレータの間に正極および負極の一方を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に、正極および負極の他方を配置し、積層体を構成する工程と、
(III)一対の巻芯を回転させて積層体を捲回し、電極群を得る工程と、
を含む。
この場合、領域Xは、正極の長手方向における一端部の所定領域であり、その所定領域は電極群の中心軸近傍領域である。
円柱形の電極群を得るための捲回方法は、例えば、
(I)2枚のセパレータを一対の巻芯で挟む工程と、
(II)2枚のセパレータの間に正極および負極の一方を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に、正極および負極の他方を配置し、積層体を構成する工程と、
(III)一対の巻芯を回転させて積層体を捲回し、電極群を得る工程と、
を含む。
この場合、領域Xは、正極の長手方向における一端部の所定領域であり、その所定領域は電極群の中心軸近傍領域である。
また、扁平楕円柱形の電極群は、例えば、上記の方法で得られた円柱形の電極群を扁平状に加圧成形することにより得られる。この場合、領域Xは、正極の長手方向に沿って間欠的に存在する。その箇所は、電極群の屈曲した側面に対応する領域である。
以下、本発明の一実施形態として非水電解質二次電池について説明する。
非水電解質二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に配されるセパレータ、および非水電解質を備える。
非水電解質二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に配されるセパレータ、および非水電解質を備える。
正極は、正極集電体、および正極集電体の両面に形成される正極合剤層からなる。正極合剤層の片面あたりの厚みは、例えば、50〜80μmである。正極合剤層は、正極活物質および正極結着剤を含む。必要に応じて、正極合剤層は、さらに正極導電材を含んでもよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属ポリアニオン化合物が用いられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2、LiMn2O4)、またはこれらの変性体が挙げられる。これらの酸化物中のCo、Ni、およびMnの一部を、他の遷移金属元素、Alなどの典型金属、またはMgなどのアルカリ土類金属で置換してもよい。
遷移金属ポリアニオン化合物としては、例えば、ナシコン構造またはオリビン構造を有し、Mn、Fe、Co、およびNiのような遷移金属を含むリン酸化合物または硫酸化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2、LiMn2O4)、またはこれらの変性体が挙げられる。これらの酸化物中のCo、Ni、およびMnの一部を、他の遷移金属元素、Alなどの典型金属、またはMgなどのアルカリ土類金属で置換してもよい。
遷移金属ポリアニオン化合物としては、例えば、ナシコン構造またはオリビン構造を有し、Mn、Fe、Co、およびNiのような遷移金属を含むリン酸化合物または硫酸化合物が挙げられる。
正極の容量密度は、正極活物質の充填性を変えることにより調整可能である。正極活物質の充填性は、正極活物質の粒子サイズもしくは粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
充填性の高い正極活物質(第1正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径8〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度2.5〜3.0g/cm3である。また、平均粒径8〜20μmの正極活物質PAと、平均粒径2〜5μmの正極活物質PBとを混合して、第1正極活物質のタップ密度を3.3g/cm3まで高めることができる。正極活物質PAと正極活物質PBとの重量比:PA/PBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い正極活物質(第2正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径1〜12μm、平均円形度0.7以上0.95以下、タップ密度2.0g/cm3以上3.0g/cm3未満である。
第1正極活物質の平均粒径Ap1と第2正極活物質の平均粒径Ap2との比:Ap1/Ap2、および第1正極活物質の円形度Cp1と、第2正極活物質の円形度Cp2との比:Cp1/Cp2は、1.0以上1.5以下であり、かつAp1/Ap2およびCp1/Cp2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
充填性の低い正極活物質(第2正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径1〜12μm、平均円形度0.7以上0.95以下、タップ密度2.0g/cm3以上3.0g/cm3未満である。
第1正極活物質の平均粒径Ap1と第2正極活物質の平均粒径Ap2との比:Ap1/Ap2、および第1正極活物質の円形度Cp1と、第2正極活物質の円形度Cp2との比:Cp1/Cp2は、1.0以上1.5以下であり、かつAp1/Ap2およびCp1/Cp2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
正極集電体は、正極電位の領域で化学的に安定な金属箔または合金箔が好ましい。
正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。正極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。
また、様々な材質のフィルム状の基材の表面に、正極電位下で安定な金属層を形成し、これを集電体として用いてもよい。集電性を向上させるために、集電体表面に凹凸を形成してもよく、集電体に穿孔を設けてもよい。
正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。正極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。
また、様々な材質のフィルム状の基材の表面に、正極電位下で安定な金属層を形成し、これを集電体として用いてもよい。集電性を向上させるために、集電体表面に凹凸を形成してもよく、集電体に穿孔を設けてもよい。
正極結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられる。正極合剤層中の正極結着剤の含有量は、正極活物質100重量部あたり0.5〜3重量部が好ましい。
正極の容量密度は、正極結着剤の材料(弾性率)を変えることにより調整可能である。例えば、平均分子量の異なるPVDFを用いることが考えられる。平均分子量が高いほど、弾性率は高くなる。
非水電解質二次電池用正極の場合、弾性率の低い正極結着剤(第1結着剤)は、弾性率500MPa以上800MPa未満が好ましく、材料としては、平均分子量が100万未満のPVDFが好ましい。弾性率の高い正極結着剤(第2結着剤)は、弾性率800〜1100MPaが好ましく、材料としては、平均分子量が100万以上のPVDFが好ましい。
非水電解質二次電池用正極の場合、弾性率の低い正極結着剤(第1結着剤)は、弾性率500MPa以上800MPa未満が好ましく、材料としては、平均分子量が100万未満のPVDFが好ましい。弾性率の高い正極結着剤(第2結着剤)は、弾性率800〜1100MPaが好ましく、材料としては、平均分子量が100万以上のPVDFが好ましい。
正極導電材には、非水電解質二次電池で一般的に用いられているものを用いればよく、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが用いられる。正極合剤層中の正極導電材の含有量は、正極活物質100重量部あたり0.5〜3.0重量部であるのが好ましい。
以下、非水電解質二次電池用正極の作製方法の一例を説明する。
例えば、正極活物質および正極結着剤を含むスラリー状の正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、正極合剤層を形成する。
正極合剤は、例えば、正極活物質および正極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。正極合剤には、さらに導電材等の正極材料を加えてもよい。正極合剤の安定性および活物質等の分散性の向上のために、正極合剤に界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。
例えば、正極活物質および正極結着剤を含むスラリー状の正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、正極合剤層を形成する。
正極合剤は、例えば、正極活物質および正極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。正極合剤には、さらに導電材等の正極材料を加えてもよい。正極合剤の安定性および活物質等の分散性の向上のために、正極合剤に界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。
負極は、負極集電体、および負極集電体の両面に形成される負極合剤層からなる。負極合剤層の片面あたりの厚みは、例えば、60〜90μmである。負極合剤層は、負極活物質および負極結着剤を含む。
負極活物質には、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離可能な炭素材料または合金系活物質が用いられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが用いられる。合金系活物質としては、例えば、珪素酸化物および錫酸化物のような金属酸化物、珪素化合物、または錫化合物が用いられる。
負極活物質には、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離可能な炭素材料または合金系活物質が用いられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが用いられる。合金系活物質としては、例えば、珪素酸化物および錫酸化物のような金属酸化物、珪素化合物、または錫化合物が用いられる。
負極の容量密度は、負極活物質の充填性を変えることにより調整可能である。負極活物質の充填性は、負極活物質の粒子サイズもしくは粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
充填性の高い負極活物質(第1負極活物質)粉末は、例えば、平均粒径10〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度1.2〜1.5g/cm3である。また、平均粒径10〜20μmの負極活物質NAと、平均粒径1μm以上10μm未満の負極活物質NBとを混合して、第1負極活物質のタップ密度を1.8g/cm3まで高めることができる。負極活物質NAと負極活物質NBとの重量比:NA/NBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い負極活物質粉末(第2負極活物質)は、例えば、平均粒径1μm以上15μm以下、平均円形度0.6以上0.95以下、タップ密度0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下である。
第1負極活物質の平均粒径An1と、第2負極活物質の平均粒径An2との比:An1/An2、および第1負極活物質の円形度Cn1と、第2負極活物質Cn2との比:Cn1/Cn2は、1.0以上1.5以下であり、かつAn1/An2およびCn1/Cn2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
充填性の高い負極活物質(第1負極活物質)粉末は、例えば、平均粒径10〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度1.2〜1.5g/cm3である。また、平均粒径10〜20μmの負極活物質NAと、平均粒径1μm以上10μm未満の負極活物質NBとを混合して、第1負極活物質のタップ密度を1.8g/cm3まで高めることができる。負極活物質NAと負極活物質NBとの重量比:NA/NBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い負極活物質粉末(第2負極活物質)は、例えば、平均粒径1μm以上15μm以下、平均円形度0.6以上0.95以下、タップ密度0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下である。
第1負極活物質の平均粒径An1と、第2負極活物質の平均粒径An2との比:An1/An2、および第1負極活物質の円形度Cn1と、第2負極活物質Cn2との比:Cn1/Cn2は、1.0以上1.5以下であり、かつAn1/An2およびCn1/Cn2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
負極結着剤は、特に限定されないが、少量で結着性を発揮できる観点から、粒子状のゴム材料が好ましい。ゴム材料は、スチレン単位およびブタジエン単位を含む材料が好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)またはその変性体であるのがより好ましい。
負極結着剤にゴム材料を用いる場合、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。上記以外に、負極結着剤に、PVDFまたはその変性体を用いてもよい。
負極結着剤にゴム材料を用いる場合、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。上記以外に、負極結着剤に、PVDFまたはその変性体を用いてもよい。
負極集電体としては、例えば、負極の電位範囲で安定な金属箔が用いられる。負極集電体は、銅箔が好ましい。負極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。フィルム状の基材の表面に、銅のような、負極の電位範囲で安定な金属の層を形成し、これを負極集電体に用いてもよい。集電性を高めるために、負極集電体の表面に凹凸を形成してもよく、穿孔を設けてもよい。
以下、非水電解質二次電池用負極の作製方法の一例を説明する。
例えば、負極活物質および負極結着剤を含むスラリー状の負極合剤を調製し、負極合剤を負極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、負極合剤層を形成する。負極合剤は、例えば、負極活物質および負極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。
例えば、負極活物質および負極結着剤を含むスラリー状の負極合剤を調製し、負極合剤を負極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、負極合剤層を形成する。負極合剤は、例えば、負極活物質および負極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。
非水電解質二次電池のセパレータには、微多孔膜や不織布が用いられる。微多孔膜や不織布は、電池の使用環境に耐え得る材料からなり、イオン透過性を有し、正負極間を絶縁する機能を有する。
例えば、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層で構成してもよく、2種以上の樹脂からなる複層で構成してもよい。微多孔膜は、アルミナなどの絶縁性無機材料で構成してもよく、絶縁性無機材料および樹脂で構成してもよい。
例えば、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層で構成してもよく、2種以上の樹脂からなる複層で構成してもよい。微多孔膜は、アルミナなどの絶縁性無機材料で構成してもよく、絶縁性無機材料および樹脂で構成してもよい。
非水電解質は、非水溶媒およびこれに溶解した溶質を含む。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等が用いられる。非水溶媒は、比誘電率(20℃)20以上である高誘電率の溶媒Aと、粘度(25℃)0.001Pa・s以下の低粘性の溶媒Bとの混合溶媒からなるのが好ましい。
高誘電率の溶媒Aには、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)が用いられる。低粘性の溶媒Bには、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)が用いられる。上記の溶媒AおよびBに、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)を加えてもよい。
溶質には、無機塩、有機塩、またはこれらの誘導体が用いられる。無機塩には、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6が用いられる。有機塩には、例えば、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)が用いられる。非水電解質中の溶質の濃度は、通常0.5〜2.0mol/Lである。
非水電解質二次電池特性の改善(例えば、保存特性、サイクル特性、および安全性の向上)を目的として、種々の添加剤を非水電解質に添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、またはこれらの誘導体が挙げられる。
非水電解質二次電池特性の改善(例えば、保存特性、サイクル特性、および安全性の向上)を目的として、種々の添加剤を非水電解質に添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、またはこれらの誘導体が挙げられる。
電極群を構成した後、例えば、以下の手順により電池を製造する。
電極群を電池ケース内に収容する。電池ケースには、例えば、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体が用いられる。電池ケースの形状は、例えば、有底円筒状または有底角筒状である。
正極リードおよび負極リードの一方を、正極集電体および負極集電体に電気的に接続する。正極リードおよび負極リードの他方を、それぞれ正極端子および負極端子に電気的に接続する。非水電解質を電池ケース内に注入する。筒状の電池ケースを用いる場合には、電池蓋等の封口部材を用いて電池ケースを密閉する。
電極群を電池ケース内に収容する。電池ケースには、例えば、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体が用いられる。電池ケースの形状は、例えば、有底円筒状または有底角筒状である。
正極リードおよび負極リードの一方を、正極集電体および負極集電体に電気的に接続する。正極リードおよび負極リードの他方を、それぞれ正極端子および負極端子に電気的に接続する。非水電解質を電池ケース内に注入する。筒状の電池ケースを用いる場合には、電池蓋等の封口部材を用いて電池ケースを密閉する。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
《実施例1》
(1)正極合剤Aの作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤A(第1結着剤)として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤A(第1合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤A、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
《実施例1》
(1)正極合剤Aの作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤A(第1結着剤)として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤A(第1合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤A、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
(2)正極合剤Bの作製
正極活物質として、上記と同じニッケル酸リチウムと、正極結着剤B(第2結着剤)として平均分子量100万のPVDF(弾性率1000MPa)と、導電材であるアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤B(第2合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤B、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質として、上記と同じニッケル酸リチウムと、正極結着剤B(第2結着剤)として平均分子量100万のPVDF(弾性率1000MPa)と、導電材であるアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤B(第2合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤B、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
(3)正極の作製
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Aを塗布し、乾燥して、塗膜A(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Bを塗布し、乾燥して、塗膜B(厚み90μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜A、および塗膜Bを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Aおよび塗膜Bに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Aおよび塗膜Bを圧縮し、それぞれ合剤層A(第1合剤層)および合剤層B(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Aを塗布し、乾燥して、塗膜A(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Bを塗布し、乾燥して、塗膜B(厚み90μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜A、および塗膜Bを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Aおよび塗膜Bに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Aおよび塗膜Bを圧縮し、それぞれ合剤層A(第1合剤層)および合剤層B(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、60μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、630mAhであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、620mAhであった。容量密度A1と、容量密度B1との比:A1/B1は、1.016であった。
合剤層Aの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度A2)は、3.8mAhであった。合剤層Bの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度B2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度A2と、容量密度B2との比:A2/B2は、1.00であった。
(4)負極の作製
負極活物質として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛300gと、負極結着剤である日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)7.5gと、増粘剤であるCMC3gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を、負極集電体である厚み10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧40N/cmで圧縮して、負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体およびその両面に形成された負極合剤層からなる負極の厚みは180μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに負極を帯状に切断した。具体的には、負極の長手方向の寸法750mm、および幅の寸法57mmとした。
負極活物質として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛300gと、負極結着剤である日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)7.5gと、増粘剤であるCMC3gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を、負極集電体である厚み10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧40N/cmで圧縮して、負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体およびその両面に形成された負極合剤層からなる負極の厚みは180μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに負極を帯状に切断した。具体的には、負極の長手方向の寸法750mm、および幅の寸法57mmとした。
(5)非水電解質の調製
EC、DMC、およびEMCの混合溶媒(体積比2:3:3)に、溶質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質を調製した。非水電解質100重量部あたりVCを3重量部添加した。
EC、DMC、およびEMCの混合溶媒(体積比2:3:3)に、溶質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質を調製した。非水電解質100重量部あたりVCを3重量部添加した。
(6)試験用電池の組立て
上記で得られた正極、負極、および非水電解質を用いて、以下の手順で、図1に示す品番18650の円筒型非水電解質二次電池を作製した。
正極5の正極リード接続部に正極リード5aの一端を接続した。負極5の負極リード接続部に負極リード6aの一端を接続した。その後、正極5と負極6とを、正極5と負極6との間にセパレータ7を配置して捲回し、円筒状の電極群を構成した。セパレータ7には、ポリエチレン樹脂製の微多孔膜(厚み15μm)を用いた。
上記で得られた正極、負極、および非水電解質を用いて、以下の手順で、図1に示す品番18650の円筒型非水電解質二次電池を作製した。
正極5の正極リード接続部に正極リード5aの一端を接続した。負極5の負極リード接続部に負極リード6aの一端を接続した。その後、正極5と負極6とを、正極5と負極6との間にセパレータ7を配置して捲回し、円筒状の電極群を構成した。セパレータ7には、ポリエチレン樹脂製の微多孔膜(厚み15μm)を用いた。
より具体的には、下記のように電極群を構成した。
2枚のセパレータを一対の巻芯で挟み、2枚のセパレータの間に正極を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に負極を配置した状態で、負極が正極よりも内側になるように、一対の巻芯を中心にして捲回した。このとき、合剤層A(第1合剤層)は外側、合剤層B(第2合剤層)が内側に位置するように正極を配置した。
2枚のセパレータを一対の巻芯で挟み、2枚のセパレータの間に正極を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に負極を配置した状態で、負極が正極よりも内側になるように、一対の巻芯を中心にして捲回した。このとき、合剤層A(第1合剤層)は外側、合剤層B(第2合剤層)が内側に位置するように正極を配置した。
電極群の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて画像解析した。正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層AおよびBにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度AおよびBを求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.985であった。
合剤層AおよびBにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度AおよびBを求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.985であった。
この電極群の上部および下部に、それぞれ上部絶縁リング8aおよび下部絶縁リング8bを配置した後、それを有低円筒形のステンレス鋼製の電池ケース1に収容した。正極リード5aの他端を電池蓋2の下面に溶接した。負極リード5bの他端を電池ケース1の内底面に溶接した。次いで、非水電解質の5gを電池ケース1内に注入し、電池ケース1内を133Paに減圧して、電極群に非水電解質を含浸させた。電池ケースの開口端部を、絶縁パッキング3を介して電池蓋2の周縁部にかしめつけ、電池ケース1を密閉した。このようにして、直径18mmおよび高さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池(品番18650)を完成させた。
《実施例2》
正極結着剤Aに、平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.032であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極結着剤Aに、平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.032であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例3》
正極結着剤Aに平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた。正極結着剤Bに平均分子量120万のPVDF(弾性率1100MPa)を用いた。上記以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、610mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.049であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極結着剤Aに平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた。正極結着剤Bに平均分子量120万のPVDF(弾性率1100MPa)を用いた。上記以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、610mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.049であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《比較例1》
集電体の両面に合剤層Bが形成された正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.97であった。
集電体の両面に合剤層Bが形成された正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.97であった。
[充放電サイクル試験]
25℃の環境下において、各電池について、下記条件で充放電を1000回繰り返し実施し、1サイクル目および1000サイクル目の放電容量を求めた。
充電電流:3000mA
放電電流:3000mA
充電終止電圧:4.2V
放電終止電圧:2.5V
そして、下記式より容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記試験結果を表1に示す。
25℃の環境下において、各電池について、下記条件で充放電を1000回繰り返し実施し、1サイクル目および1000サイクル目の放電容量を求めた。
充電電流:3000mA
放電電流:3000mA
充電終止電圧:4.2V
放電終止電圧:2.5V
そして、下記式より容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記試験結果を表1に示す。
電極捲回後のA1/B1が0.97超1.03未満である実施例1〜3の電池では、電極捲回後のA1/B1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。電極捲回後のA1/B1が0.980以上1.020以下である実施例1〜2の電池では、優れた充放電サイクル特性が得られた。特に、電極捲回後のA1/B1が1である実施例2の電池が、最も優れた充放電サイクル特性を示した。
なお、本実施例では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
なお、本実施例では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
《実施例4》
正極活物質C(第1活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質C(第1活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質D(第2活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.80、およびタップ密度2.3g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は620mAhであった。容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.032であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、1.00であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例5》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを9:1の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.0g/cm3)を用いた。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末を用いた。
上記以外、実施例4と同様の方法により正極を得た。圧縮後の合剤層Cの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.017であった。
上記正極を用いた以外、実施例4と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.980であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを9:1の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.0g/cm3)を用いた。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末を用いた。
上記以外、実施例4と同様の方法により正極を得た。圧縮後の合剤層Cの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.017であった。
上記正極を用いた以外、実施例4と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.980であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例6》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95、であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを8:2の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.1g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、57μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、660mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.031であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95、であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを8:2の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.1g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、57μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、660mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.031であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例7》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを7:3の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.2g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、56μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、670mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.046であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを7:3の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.2g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、56μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、670mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.046であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例8》
(1)正極合剤Cの作製
正極活物質C(第1正極活物質)を用いて、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0200g/cm2とした。
(1)正極合剤Cの作製
正極活物質C(第1正極活物質)を用いて、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0200g/cm2とした。
(2)正極合剤Dの作製
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.90、およびタップ密度2.7g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0206g/cm2とした。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.90、およびタップ密度2.7g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0206g/cm2とした。
(3)正極の作製
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、62μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は630mAhであった。容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.015であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.9mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、0.974であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.9mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、0.974であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.985であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.985であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
実施例4〜8の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を、比較例1の結果とともに表2に示す。
電極捲回後のC1/D1が0.97超1.03未満である実施例4〜8の電池では、電極捲回後のC1/D1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。特に、電極捲回後のC1/D1が1である実施例4および6の電池が、優れた充放電サイクル特性を示した。
なお、本実施形態では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
なお、本実施形態では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
《実施例9》
(1)負極合剤Eの作製
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(1)負極合剤Eの作製
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(2)負極合剤Fの作製
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.85、およびタップ密度1.2g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.85、およびタップ密度1.2g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(3)負極の作製
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み106μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。
その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み106μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。
その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、86μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は、630mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.015であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.00であった。
(4)正極の作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDFと、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤を調製した。正極活物質、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。この正極合剤を、正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧1.5×102N/cmで圧縮して、正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体およびその両面に形成された正極合剤層からなる正極の厚みは133μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDFと、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤を調製した。正極活物質、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。この正極合剤を、正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧1.5×102N/cmで圧縮して、正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体およびその両面に形成された正極合剤層からなる正極の厚みは133μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
(5)電池の作製
上記正極および負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
上記正極および負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例10》
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.7、およびタップ密度1.0g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み108μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、87μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は620mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.032であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.000であった。
上記負極を用いた以外、実施例9と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例11》
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径20μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NB)とを8:2の重量比で混合した人造黒鉛(タップ密度1.5g/cm3)を用いた。負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径20μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NB)とを8:2の重量比で混合した人造黒鉛(タップ密度1.5g/cm3)を用いた。負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み99μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み101μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、83μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は、640mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.015であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.000であった。
上記負極を用いた以外、実施例9と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
実施例9〜11の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を、比較例1の結果とともに表3に示す。
電極捲回後のE1/F1が0.97超1.03未満である実施例9〜11の電池では、電極捲回後のE1/F1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。
《実施例12》
実施例6の正極および実施例10の負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極および負極の電極作製時および電極群構成時の(第1容量密度/第2容量密度)の値を表4に示す。
実施例12の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例6の正極および実施例10の負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極および負極の電極作製時および電極群構成時の(第1容量密度/第2容量密度)の値を表4に示す。
実施例12の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
さらに、電極群構成時のC1/D1およびE1/F1の両方が1である実施例12の電池は、実施例6の電池および実施例10の電池よりも高い充放電効率を示した。
以上のことより、正極のみに本発明の電極を用いた場合、負極のみに本発明の電極を用いた場合、および正負極の両方に本発明の電極を用いた場合のいずれにおいても、充放電効率が向上することがわかった。
以上のことより、正極のみに本発明の電極を用いた場合、負極のみに本発明の電極を用いた場合、および正負極の両方に本発明の電極を用いた場合のいずれにおいても、充放電効率が向上することがわかった。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の二次電池は、高容量および高信頼性を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダなどの携帯機器、電気自動車、およびハイブリッド自動車の電源として好適に用いられる。
本発明は、捲回型の電極群を備えた二次電池に関し、特に、その電極群を構成する電極の改良に関する。
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、およびカムコーダのような携帯機器の電源として、リチウムイオン二次電池に代表されるような、高エネルギー密度の非水電解質二次電池が広く用いられている。
非水電解質二次電池では、折り畳み構造、積層構造、または捲回構造の電極群が用いられている。これらの中でも捲回構造の電極群が一般的である。捲回構造の電極群とは、正極と負極とを、両極間にセパレータを介して渦巻き状に捲回した電極群のことである。
特許文献1では、電池の出力特性を改善するため、捲回構造の電極群において、内側から外側に向かうにつれて電極の厚みを大きくすることが提案されている。これにより、合剤層のかさ密度を略均一とすることが提案されている。
特許文献2では、電池の充放電サイクル特性を改善するため、捲回構造の電極群を構成する電極において、集電体の外周側に配された合剤層の厚みを、集電体の内周側に配された合剤層の厚みよりも大きくすることが提案されている。これにより、外周側の合剤層の活物質量を、内周側の合剤層の活物質量よりも多くすることができる。
特許文献2では、電池の充放電サイクル特性を改善するため、捲回構造の電極群を構成する電極において、集電体の外周側に配された合剤層の厚みを、集電体の内周側に配された合剤層の厚みよりも大きくすることが提案されている。これにより、外周側の合剤層の活物質量を、内周側の合剤層の活物質量よりも多くすることができる。
捲回構造の電極群では、外側から内側に向かうにつれて(捲回軸に近いほど)電極の曲率半径は小さくなる。曲率半径の小さな部分において、内側の合剤層と、外側の合剤層との、活物質密度(容量密度)の差が大きくなり、反応が不均一となり易い。
特許文献1記載の方法では、集電体の同一面において合剤層(活物質)の重量、すなわち単位面積あたりの容量密度が変化するため、反応が不均一となり易い。
特許文献2記載の方法では、内側の合剤層と、外側の合剤層とで合剤層(活物質)の重量が異なる。このため、対極の容量設計が複雑になり、電極反応の均一性を確保することが困難である。
特許文献1記載の方法では、集電体の同一面において合剤層(活物質)の重量、すなわち単位面積あたりの容量密度が変化するため、反応が不均一となり易い。
特許文献2記載の方法では、内側の合剤層と、外側の合剤層とで合剤層(活物質)の重量が異なる。このため、対極の容量設計が複雑になり、電極反応の均一性を確保することが困難である。
そこで、本発明は、電極群構成時に合剤層の単位体積あたりの容量密度が均一となる信頼性の高い電極およびそれを備える二次電池を提供する。また、本発明は、合剤層の単位体積あたりの容量密度が均一な電極を備えた電極群を容易に構成することが可能な二次電池の製造方法を提供する。
本発明は、捲回型電極群に用いられる電極であって、
集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
電極群構成時において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1は、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも、大きいことを特徴とする。
集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
電極群構成時において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1は、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも、大きいことを特徴とする。
本発明は、一対の電極を、両電極間にセパレータを介して、捲回した電極群を備えた二次電池であって、
前記一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
前記電極群において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
前記電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域において、
前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満であることを特徴とする。
前記一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
前記電極群において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
前記電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域において、
前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満であることを特徴とする。
本発明の二次電池の製造方法は、
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する第1の工程と、
(2)前記電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、前記第1合剤層が前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する第2の工程と、を含み、
前記工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1が、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも大きくなるように、前記電極Aを構成し、
前記工程(2)では、前記所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、前記電極群を構成する。
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する第1の工程と、
(2)前記電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、前記第1合剤層が前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する第2の工程と、を含み、
前記工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1が、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも大きくなるように、前記電極Aを構成し、
前記工程(2)では、前記所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、前記電極群を構成する。
本発明によれば、電極群構成により捲回された状態の電極において、集電体の内側に配された合剤層は、集電体の外側に配された合剤層と、単位体積あたりの容量密度を略均一にすることができる。よって、電極群中の電極反応は均一化され、充放電サイクル特性に優れた二次電池が得られる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成および内容の両方に関し、本発明の他の目的および特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明は、捲回型電極群に用いられる帯状の電極に関する。電極は、帯状の集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有する。電極群構成時において、第1合剤層は、第2合剤層よりも外側に位置するように捲回される。そして、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分おいて、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)を、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも、大きくしている。なお、合剤層の単位体積あたりの容量とは、合剤層の単位体積あたりに含まれる活物質の量に相当する容量(理論容量)である。第1活物質は、第2活物質と、同じであっても、異なってもよい。
従来の第1容量密度および第2容量密度が同じである電極を捲回すると、領域Xにおいて、第1容量密度と第2容量密度との間の差が大きくなり、電極反応が不均一となり、充放電サイクル特性に悪影響を及ぼす場合がある。
これに対して、本発明の電極では、当該電極の捲回時おいて、第1容量密度が、第2容量密度と、略同一となるように、領域Xに対応する部分において、第1容量密度は、第2容量密度よりも、大きく設定される。捲回前の電極では、第1合剤層は密な層であり、第2合剤層は疎な層である。電極を捲回すると、集電体の内側に位置する第2合剤層には圧縮応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干増大する。一方、集電体の外側に位置する第1合剤層には引張応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干低下する。その結果、捲回後の電極では、第1合剤層は、第2合剤層と、単位体積あたりの容量密度が略同一となる。これにより、電極群内において、電極反応が均一化し、二次電池の充放電サイクル特性を改善することが可能となる。
これに対して、本発明の電極では、当該電極の捲回時おいて、第1容量密度が、第2容量密度と、略同一となるように、領域Xに対応する部分において、第1容量密度は、第2容量密度よりも、大きく設定される。捲回前の電極では、第1合剤層は密な層であり、第2合剤層は疎な層である。電極を捲回すると、集電体の内側に位置する第2合剤層には圧縮応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干増大する。一方、集電体の外側に位置する第1合剤層には引張応力が発生し、単位体積あたりの容量密度が若干低下する。その結果、捲回後の電極では、第1合剤層は、第2合剤層と、単位体積あたりの容量密度が略同一となる。これにより、電極群内において、電極反応が均一化し、二次電池の充放電サイクル特性を改善することが可能となる。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分における、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、1.01超1.05以下が好ましい。Cv1/Cv2が1.01超であれば、電極捲回時の第1容量密度と第2容量密度との差が小さくなり、電極反応を均一化することができる。Cv1/Cv2が1.05を超えると、電極捲回時においても第1容量密度が第2容量密度よりかなり大きくなり、電極反応が不均一化する場合がある。電極反応をより均一化するためには、Cv1/Cv2は1.01超1.04以下がより好ましい。
捲回前の電極における領域X以外に対応する部分では、領域Xに対応する部分と比べて、捲回後の電極における第1容量密度と第2容量密度との間の差は小さいため、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよい。また、電極群構成時に第1容量密度および第2容量密度が略同一になり、電極反応の均一化による充放電サイクル特性の改善効果が得られるのであれば、領域X以外に対応する部分では、領域Xに対応する部分と同様に第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
例えば、捲回前の電極における領域X以外に対応する部分が、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3mm超9mm以下の領域に対応する部分である場合、その部分では、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよく、Cv1/Cv2が1.05を超えない程度で、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
例えば、捲回前の電極における領域X以外に対応する部分が、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3mm超9mm以下の領域に対応する部分である場合、その部分では、第1容量密度および第2容量密度は同じでもよく、Cv1/Cv2が1.05を超えない程度で、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくしてもよい。
上記のように、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とするには、捲回前の電極において、第1合剤層および第2合剤層の単位面積あたりの容量密度を略同一とし、第2合剤層の厚みを、第1合剤層の厚みよりも、大きくするのが好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、第1合剤層の単位面積あたりの容量Ca1と、第2合剤層の単位面積あたりの容量C a2との比:Ca1/Ca2は、0.97超1.03未満が好ましい。
第2合剤層の厚みT2と、第1合剤層の厚みT1との比:T2/T1は、1.01以上1.05以下が好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、Ca1/Ca2およびT2/T1が上記範囲内であれば、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とすることが容易である。
第2合剤層の厚みT2と、第1合剤層の厚みT1との比:T2/T1は、1.01以上1.05以下が好ましい。
捲回前の電極の領域Xに対応する部分において、Ca1/Ca2およびT2/T1が上記範囲内であれば、捲回後の電極において、第1容量密度および第2容量密度を略同一とすることが容易である。
本発明は、上記の電極を用いた二次電池に関する。すなわち、本発明の二次電池は、一対の電極を、両電極間にセパレータを介して、捲回した電極群を備える。一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有する。電極群において、第1合剤層は、第2合剤層よりも外側に位置するように捲回される。電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)において、第1合剤層1cm3あたりの容量Cv1(第1容量密度)と、第2合剤層1cm3あたりの容量Cv2(第2容量密度)との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満である。好ましくは、一対の電極の両方において、Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満である。
二次電池の電極群におけるCv1/Cv2が0.97超1.03未満である場合、第1容量密度と第2容量密度との差が小さいため、電極反応が均一となり、充放電サイクル特性が向上する。二次電池の電極群におけるCv1/Cv2は、好ましくは0.98以上1.02以下、より好ましくは0.99以上1.01以下、特に好ましくは1.00である。
本発明の二次電池は、正極と負極とを、両極間にセパレータを介して捲回した電極群を備えていればよく、円筒型、角型、シート型などのいずれの構造を有してもよい。本発明の二次電池としては、非水電解質二次電池、水溶性電解質二次電池が挙げられる。
本発明の二次電池の製造方法は、
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する工程と、
(2)電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、第1合剤層が第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する工程と、を含む。
工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)が、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも大きくなるように、電極Aを構成する。
工程(2)では、所定領域(領域X)において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2の合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、電極群を構成する。
(1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する工程と、
(2)電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、第1合剤層が第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する工程と、を含む。
工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域(領域X)に対応する部分において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1(第1容量密度)が、第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2(第2容量密度)よりも大きくなるように、電極Aを構成する。
工程(2)では、所定領域(領域X)において、第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、第2の合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、電極群を構成する。
電極Aを用いることにより、単位体積あたりの容量密度が均一な電極群を容易に得ることができる。よって、電極群内における電極反応が均一化され、充放電サイクル特性に優れた二次電池が得られる。充放電サイクル特性をさらに改善するためには、電極Bも電極Aと同様の方法により作製するのが好ましい。電極反応の均一化による充放電サイクル特性の改善効果が得られるのであれば、領域X以外の部分においても、第1容量密度を第2容量密度より大きくしてもよい。
工程(1)は、
(a)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(b)集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(c)第1塗膜および第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより第1塗膜および第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成し、電極Aを得る工程と、を含むのが好ましい。
(a)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(b)集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(c)第1塗膜および第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより第1塗膜および第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成し、電極Aを得る工程と、を含むのが好ましい。
好ましくは、工程(c)では、工程(a)および(b)により得られた、集電体、第1塗膜、および第2塗膜からなる電極前駆体を、一対のローラ間に通過させる、または電極前駆体をプレス機で押圧する。そして、第1塗膜の圧縮率を、第2塗膜の圧縮率よりも高くして、第1容量密度を第2容量密度よりも大きくする。第2塗膜の圧縮率P2と、第1塗膜の圧縮率P1との比:P2/P1は、0.6以下1未満が好ましい。なお、圧縮率は、以下の式により表される。
圧縮率(%)=(圧縮前の塗膜の厚み−圧縮後の合剤層の厚み)/圧縮前の塗膜の厚み×100
圧縮率(%)=(圧縮前の塗膜の厚み−圧縮後の合剤層の厚み)/圧縮前の塗膜の厚み×100
工程(1)の第1の好ましい形態としては、弾性率の異なる2種類の結着剤を用いる方法が挙げられる。具体的には、第1結着剤および第2結着剤を準備し、第1結着剤には、第2結着剤よりも、弾性率が低い材料を用いる。第1合剤に第1結着剤を添加する。第2合剤に第2結着剤を添加する。なお、弾性率とは、材料の変形し難さを示す物性値である。弾性率が高いほど、材料は変形し難く、合剤層は圧縮し難くなる。第1結着剤の弾性率E1と、第2結着剤の弾性率E2との比:E1/E2は、0.6以上1未満が好ましい。ここでいう弾性率とは20℃での曲げ弾性率を指す。
この場合、工程(c)において、第1塗膜は、第2塗膜よりも圧縮される度合いが大きい。これは、圧縮の際、集電体の両側に同じ圧力が加えられるが、結着剤の作用により、合剤層の圧縮率に差が生じるためである。よって、領域Xにおいて、第1容量密度が第2容量密度よりも大きい電極Aを容易に作製することができる。結着剤の弾性率は、例えば、結着剤に用いる材料を変えることにより調整可能である。容量密度の調整が容易であることから、第1活物質は第2活物質と同じ材料を用いるのが好ましい。
工程(1)の第2の好ましい形態としては、充填性の異なる2種類の活物質を用いる方法が挙げられる。具体的には、第1活物質には、第2活物質よりも、充填性が高い材料、すなわちタップ密度が高い材料を用いる。第2活物質のタップ密度Td2と、第1活物質のタップ密度Td1との比:Td2/Td1は、0.6以上1未満が好ましい。
この場合、工程(c)において、第1塗膜は、第2塗膜よりも圧縮される度合いが大きい。これは、圧縮の際、集電体の両側に同じ圧力が加えられるが、活物質の作用により、合剤層の圧縮率に差が生じるためである。よって、領域Xにおいて、第1容量密度が第2容量密度よりも大きい電極Aを容易に作製することができる。
活物質の充填性(タップ密度)は、例えば、活物質の、粒子サイズ、粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
活物質の充填性(タップ密度)は、例えば、活物質の、粒子サイズ、粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
生産性の観点から、集電体の一方の面の全体に、第1合剤を塗布し、第1合剤層を形成し、集電体の他方の面の全体に、第2合剤を塗布し、第2合剤層を形成するのが好ましい。また、集電体の領域Xに対応する部分の一方の面に、第1合剤および第2合剤の一方を塗布し、それ以外の部分には、第1合剤および第2合剤の他方を塗布してもよい。
工程(2)における捲回方法としては、捲回時に正極と負極との間にセパレータが存在するように、正極および負極が捲回されていればよく、特に限定されない。
円柱形の電極群を得るための捲回方法は、例えば、
(I)2枚のセパレータを一対の巻芯で挟む工程と、
(II)2枚のセパレータの間に正極および負極の一方を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に、正極および負極の他方を配置し、積層体を構成する工程と、
(III)一対の巻芯を回転させて積層体を捲回し、電極群を得る工程と、
を含む。
この場合、領域Xは、正極の長手方向における一端部の所定領域であり、その所定領域は電極群の中心軸近傍領域である。
円柱形の電極群を得るための捲回方法は、例えば、
(I)2枚のセパレータを一対の巻芯で挟む工程と、
(II)2枚のセパレータの間に正極および負極の一方を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に、正極および負極の他方を配置し、積層体を構成する工程と、
(III)一対の巻芯を回転させて積層体を捲回し、電極群を得る工程と、
を含む。
この場合、領域Xは、正極の長手方向における一端部の所定領域であり、その所定領域は電極群の中心軸近傍領域である。
また、扁平楕円柱形の電極群は、例えば、上記の方法で得られた円柱形の電極群を扁平状に加圧成形することにより得られる。この場合、領域Xは、正極の長手方向に沿って間欠的に存在する。その箇所は、電極群の屈曲した側面に対応する領域である。
以下、本発明の一実施形態として非水電解質二次電池について説明する。
非水電解質二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に配されるセパレータ、および非水電解質を備える。
非水電解質二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に配されるセパレータ、および非水電解質を備える。
正極は、正極集電体、および正極集電体の両面に形成される正極合剤層からなる。正極合剤層の片面あたりの厚みは、例えば、50〜80μmである。正極合剤層は、正極活物質および正極結着剤を含む。必要に応じて、正極合剤層は、さらに正極導電材を含んでもよい。
正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属複合酸化物、遷移金属ポリアニオン化合物が用いられる。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2、LiMn2O4)、またはこれらの変性体が挙げられる。これらの酸化物中のCo、Ni、およびMnの一部を、他の遷移金属元素、Alなどの典型金属、またはMgなどのアルカリ土類金属で置換してもよい。
遷移金属ポリアニオン化合物としては、例えば、ナシコン構造またはオリビン構造を有し、Mn、Fe、Co、およびNiのような遷移金属を含むリン酸化合物または硫酸化合物が挙げられる。
リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMnO2、LiMn2O4)、またはこれらの変性体が挙げられる。これらの酸化物中のCo、Ni、およびMnの一部を、他の遷移金属元素、Alなどの典型金属、またはMgなどのアルカリ土類金属で置換してもよい。
遷移金属ポリアニオン化合物としては、例えば、ナシコン構造またはオリビン構造を有し、Mn、Fe、Co、およびNiのような遷移金属を含むリン酸化合物または硫酸化合物が挙げられる。
正極の容量密度は、正極活物質の充填性を変えることにより調整可能である。正極活物質の充填性は、正極活物質の粒子サイズもしくは粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
充填性の高い正極活物質(第1正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径8〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度2.5〜3.0g/cm3である。また、平均粒径8〜20μmの正極活物質PAと、平均粒径2〜5μmの正極活物質PBとを混合して、第1正極活物質のタップ密度を3.3g/cm3まで高めることができる。正極活物質PAと正極活物質PBとの重量比:PA/PBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い正極活物質(第2正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径1〜12μm、平均円形度0.7以上0.95以下、タップ密度2.0g/cm3以上3.0g/cm3未満である。
第1正極活物質の平均粒径Ap1と第2正極活物質の平均粒径Ap2との比:Ap1/Ap2、および第1正極活物質の円形度Cp1と、第2正極活物質の円形度Cp2との比:Cp1/Cp2は、1.0以上1.5以下であり、かつAp1/Ap2およびCp1/Cp2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
充填性の低い正極活物質(第2正極活物質)粉末は、例えば、平均粒径1〜12μm、平均円形度0.7以上0.95以下、タップ密度2.0g/cm3以上3.0g/cm3未満である。
第1正極活物質の平均粒径Ap1と第2正極活物質の平均粒径Ap2との比:Ap1/Ap2、および第1正極活物質の円形度Cp1と、第2正極活物質の円形度Cp2との比:Cp1/Cp2は、1.0以上1.5以下であり、かつAp1/Ap2およびCp1/Cp2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
正極集電体は、正極電位の領域で化学的に安定な金属箔または合金箔が好ましい。
正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。正極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。
また、様々な材質のフィルム状の基材の表面に、正極電位下で安定な金属層を形成し、これを集電体として用いてもよい。集電性を向上させるために、集電体表面に凹凸を形成してもよく、集電体に穿孔を設けてもよい。
正極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、アルミニウム箔がより好ましい。正極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。
また、様々な材質のフィルム状の基材の表面に、正極電位下で安定な金属層を形成し、これを集電体として用いてもよい。集電性を向上させるために、集電体表面に凹凸を形成してもよく、集電体に穿孔を設けてもよい。
正極結着剤には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられる。正極合剤層中の正極結着剤の含有量は、正極活物質100重量部あたり0.5〜3重量部が好ましい。
正極の容量密度は、正極結着剤の材料(弾性率)を変えることにより調整可能である。例えば、平均分子量の異なるPVDFを用いることが考えられる。平均分子量が高いほど、弾性率は高くなる。
非水電解質二次電池用正極の場合、弾性率の低い正極結着剤(第1結着剤)は、弾性率500MPa以上800MPa未満が好ましく、材料としては、平均分子量が100万未満のPVDFが好ましい。弾性率の高い正極結着剤(第2結着剤)は、弾性率800〜1100MPaが好ましく、材料としては、平均分子量が100万以上のPVDFが好ましい。
非水電解質二次電池用正極の場合、弾性率の低い正極結着剤(第1結着剤)は、弾性率500MPa以上800MPa未満が好ましく、材料としては、平均分子量が100万未満のPVDFが好ましい。弾性率の高い正極結着剤(第2結着剤)は、弾性率800〜1100MPaが好ましく、材料としては、平均分子量が100万以上のPVDFが好ましい。
正極導電材には、非水電解質二次電池で一般的に用いられているものを用いればよく、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが用いられる。正極合剤層中の正極導電材の含有量は、正極活物質100重量部あたり0.5〜3.0重量部であるのが好ましい。
以下、非水電解質二次電池用正極の作製方法の一例を説明する。
例えば、正極活物質および正極結着剤を含むスラリー状の正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、正極合剤層を形成する。
正極合剤は、例えば、正極活物質および正極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。正極合剤には、さらに導電材等の正極材料を加えてもよい。正極合剤の安定性および活物質等の分散性の向上のために、正極合剤に界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。
例えば、正極活物質および正極結着剤を含むスラリー状の正極合剤を調製し、正極合剤を正極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、正極合剤層を形成する。
正極合剤は、例えば、正極活物質および正極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。正極合剤には、さらに導電材等の正極材料を加えてもよい。正極合剤の安定性および活物質等の分散性の向上のために、正極合剤に界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。
負極は、負極集電体、および負極集電体の両面に形成される負極合剤層からなる。負極合剤層の片面あたりの厚みは、例えば、60〜90μmである。負極合剤層は、負極活物質および負極結着剤を含む。
負極活物質には、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離可能な炭素材料または合金系活物質が用いられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが用いられる。合金系活物質としては、例えば、珪素酸化物および錫酸化物のような金属酸化物、珪素化合物、または錫化合物が用いられる。
負極活物質には、例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・脱離可能な炭素材料または合金系活物質が用いられる。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンが用いられる。合金系活物質としては、例えば、珪素酸化物および錫酸化物のような金属酸化物、珪素化合物、または錫化合物が用いられる。
負極の容量密度は、負極活物質の充填性を変えることにより調整可能である。負極活物質の充填性は、負極活物質の粒子サイズもしくは粒子形態、または粒子のサイズもしくは形態の異なる2種以上の活物質の混合比率を変えることにより調整可能である。
充填性の高い負極活物質(第1負極活物質)粉末は、例えば、平均粒径10〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度1.2〜1.5g/cm3である。また、平均粒径10〜20μmの負極活物質NAと、平均粒径1μm以上10μm未満の負極活物質NBとを混合して、第1負極活物質のタップ密度を1.8g/cm3まで高めることができる。負極活物質NAと負極活物質NBとの重量比:NA/NBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い負極活物質粉末(第2負極活物質)は、例えば、平均粒径1μm以上15μm以下、平均円形度0.6以上0.95以下、タップ密度0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下である。
第1負極活物質の平均粒径An1と、第2負極活物質の平均粒径An2との比:An1/An2、および第1負極活物質の円形度Cn1と、第2負極活物質Cn2との比:Cn1/Cn2は、1.0以上1.5以下であり、かつAn1/An2およびCn1/Cn2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
充填性の高い負極活物質(第1負極活物質)粉末は、例えば、平均粒径10〜20μm、平均円形度0.85〜1、タップ密度1.2〜1.5g/cm3である。また、平均粒径10〜20μmの負極活物質NAと、平均粒径1μm以上10μm未満の負極活物質NBとを混合して、第1負極活物質のタップ密度を1.8g/cm3まで高めることができる。負極活物質NAと負極活物質NBとの重量比:NA/NBは、90/10〜60/40が好ましい。
充填性の低い負極活物質粉末(第2負極活物質)は、例えば、平均粒径1μm以上15μm以下、平均円形度0.6以上0.95以下、タップ密度0.8g/cm3以上1.4g/cm3以下である。
第1負極活物質の平均粒径An1と、第2負極活物質の平均粒径An2との比:An1/An2、および第1負極活物質の円形度Cn1と、第2負極活物質Cn2との比:Cn1/Cn2は、1.0以上1.5以下であり、かつAn1/An2およびCn1/Cn2の少なくとも一方は、1.0超が好ましい。
負極結着剤は、特に限定されないが、少量で結着性を発揮できる観点から、粒子状のゴム材料が好ましい。ゴム材料は、スチレン単位およびブタジエン単位を含む材料が好ましく、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)またはその変性体であるのがより好ましい。
負極結着剤にゴム材料を用いる場合、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。上記以外に、負極結着剤に、PVDFまたはその変性体を用いてもよい。
負極結着剤にゴム材料を用いる場合、水溶性高分子からなる増粘剤を併用することが望ましい。水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。上記以外に、負極結着剤に、PVDFまたはその変性体を用いてもよい。
負極集電体としては、例えば、負極の電位範囲で安定な金属箔が用いられる。負極集電体は、銅箔が好ましい。負極集電体の厚みは、例えば、5〜20μmである。フィルム状の基材の表面に、銅のような、負極の電位範囲で安定な金属の層を形成し、これを負極集電体に用いてもよい。集電性を高めるために、負極集電体の表面に凹凸を形成してもよく、穿孔を設けてもよい。
以下、非水電解質二次電池用負極の作製方法の一例を説明する。
例えば、負極活物質および負極結着剤を含むスラリー状の負極合剤を調製し、負極合剤を負極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、負極合剤層を形成する。負極合剤は、例えば、負極活物質および負極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。
例えば、負極活物質および負極結着剤を含むスラリー状の負極合剤を調製し、負極合剤を負極集電体に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する。この塗膜を圧縮して、負極合剤層を形成する。負極合剤は、例えば、負極活物質および負極結着剤を、適当な分散媒とともに混合して調製される。分散媒には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒や水が用いられる。
非水電解質二次電池のセパレータには、微多孔膜や不織布が用いられる。微多孔膜や不織布は、電池の使用環境に耐え得る材料からなり、イオン透過性を有し、正負極間を絶縁する機能を有する。
例えば、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層で構成してもよく、2種以上の樹脂からなる複層で構成してもよい。微多孔膜は、アルミナなどの絶縁性無機材料で構成してもよく、絶縁性無機材料および樹脂で構成してもよい。
例えば、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が用いられる。ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂からなる単層で構成してもよく、2種以上の樹脂からなる複層で構成してもよい。微多孔膜は、アルミナなどの絶縁性無機材料で構成してもよく、絶縁性無機材料および樹脂で構成してもよい。
非水電解質は、非水溶媒およびこれに溶解した溶質を含む。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等が用いられる。非水溶媒は、比誘電率(20℃)20以上である高誘電率の溶媒Aと、粘度(25℃)0.001Pa・s以下の低粘性の溶媒Bとの混合溶媒からなるのが好ましい。
高誘電率の溶媒Aには、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)が用いられる。低粘性の溶媒Bには、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)が用いられる。上記の溶媒AおよびBに、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、γ−ブチロラクトン(GBL)を加えてもよい。
溶質には、無機塩、有機塩、またはこれらの誘導体が用いられる。無機塩には、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6が用いられる。有機塩には、例えば、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiN(SO2CF3)(SO2C4F9)が用いられる。非水電解質中の溶質の濃度は、通常0.5〜2.0mol/Lである。
非水電解質二次電池特性の改善(例えば、保存特性、サイクル特性、および安全性の向上)を目的として、種々の添加剤を非水電解質に添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、またはこれらの誘導体が挙げられる。
非水電解質二次電池特性の改善(例えば、保存特性、サイクル特性、および安全性の向上)を目的として、種々の添加剤を非水電解質に添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、またはこれらの誘導体が挙げられる。
電極群を構成した後、例えば、以下の手順により電池を製造する。
電極群を電池ケース内に収容する。電池ケースには、例えば、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体が用いられる。電池ケースの形状は、例えば、有底円筒状または有底角筒状である。
正極リードおよび負極リードの一方を、正極集電体および負極集電体に電気的に接続する。正極リードおよび負極リードの他方を、それぞれ正極端子および負極端子に電気的に接続する。非水電解質を電池ケース内に注入する。筒状の電池ケースを用いる場合には、電池蓋等の封口部材を用いて電池ケースを密閉する。
電極群を電池ケース内に収容する。電池ケースには、例えば、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体が用いられる。電池ケースの形状は、例えば、有底円筒状または有底角筒状である。
正極リードおよび負極リードの一方を、正極集電体および負極集電体に電気的に接続する。正極リードおよび負極リードの他方を、それぞれ正極端子および負極端子に電気的に接続する。非水電解質を電池ケース内に注入する。筒状の電池ケースを用いる場合には、電池蓋等の封口部材を用いて電池ケースを密閉する。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
《実施例1》
(1)正極合剤Aの作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤A(第1結着剤)として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤A(第1合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤A、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
《実施例1》
(1)正極合剤Aの作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤A(第1結着剤)として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤A(第1合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤A、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
(2)正極合剤Bの作製
正極活物質として、上記と同じニッケル酸リチウムと、正極結着剤B(第2結着剤)として平均分子量100万のPVDF(弾性率1000MPa)と、導電材であるアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤B(第2合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤B、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質として、上記と同じニッケル酸リチウムと、正極結着剤B(第2結着剤)として平均分子量100万のPVDF(弾性率1000MPa)と、導電材であるアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤B(第2合剤)を調製した。正極活物質、正極結着剤B、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
(3)正極の作製
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Aを塗布し、乾燥して、塗膜A(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Bを塗布し、乾燥して、塗膜B(厚み90μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜A、および塗膜Bを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Aおよび塗膜Bに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Aおよび塗膜Bを圧縮し、それぞれ合剤層A(第1合剤層)および合剤層B(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Aを塗布し、乾燥して、塗膜A(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Bを塗布し、乾燥して、塗膜B(厚み90μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜A、および塗膜Bを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Aおよび塗膜Bに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Aおよび塗膜Bを圧縮し、それぞれ合剤層A(第1合剤層)および合剤層B(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、60μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、630mAhであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、620mAhであった。容量密度A1と、容量密度B1との比:A1/B1は、1.016であった。
合剤層Aの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度A2)は、3.8mAhであった。合剤層Bの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度B2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度A2と、容量密度B2との比:A2/B2は、1.00であった。
(4)負極の作製
負極活物質として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛300gと、負極結着剤である日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)7.5gと、増粘剤であるCMC3gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を、負極集電体である厚み10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧40N/cmで圧縮して、負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体およびその両面に形成された負極合剤層からなる負極の厚みは180μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに負極を帯状に切断した。具体的には、負極の長手方向の寸法750mm、および幅の寸法57mmとした。
負極活物質として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛300gと、負極結着剤である日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)7.5gと、増粘剤であるCMC3gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤を調製した。この負極合剤を、負極集電体である厚み10μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧40N/cmで圧縮して、負極合剤層を形成した。このとき、負極集電体およびその両面に形成された負極合剤層からなる負極の厚みは180μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに負極を帯状に切断した。具体的には、負極の長手方向の寸法750mm、および幅の寸法57mmとした。
(5)非水電解質の調製
EC、DMC、およびEMCの混合溶媒(体積比2:3:3)に、溶質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質を調製した。非水電解質100重量部あたりVCを3重量部添加した。
EC、DMC、およびEMCの混合溶媒(体積比2:3:3)に、溶質としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解し、非水電解質を調製した。非水電解質100重量部あたりVCを3重量部添加した。
(6)試験用電池の組立て
上記で得られた正極、負極、および非水電解質を用いて、以下の手順で、図1に示す品番18650の円筒型非水電解質二次電池を作製した。
正極5の正極リード接続部に正極リード5aの一端を接続した。負極6の負極リード接続部に負極リード6aの一端を接続した。その後、正極5と負極6とを、正極5と負極6との間にセパレータ7を配置して捲回し、円筒状の電極群を構成した。セパレータ7には、ポリエチレン樹脂製の微多孔膜(厚み15μm)を用いた。
上記で得られた正極、負極、および非水電解質を用いて、以下の手順で、図1に示す品番18650の円筒型非水電解質二次電池を作製した。
正極5の正極リード接続部に正極リード5aの一端を接続した。負極6の負極リード接続部に負極リード6aの一端を接続した。その後、正極5と負極6とを、正極5と負極6との間にセパレータ7を配置して捲回し、円筒状の電極群を構成した。セパレータ7には、ポリエチレン樹脂製の微多孔膜(厚み15μm)を用いた。
より具体的には、下記のように電極群を構成した。
2枚のセパレータを一対の巻芯で挟み、2枚のセパレータの間に正極を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に負極を配置した状態で、負極が正極よりも内側になるように、一対の巻芯を中心にして捲回した。このとき、合剤層A(第1合剤層)は外側、合剤層B(第2合剤層)が内側に位置するように正極を配置した。
2枚のセパレータを一対の巻芯で挟み、2枚のセパレータの間に正極を配置し、2枚のセパレータの一方の外側に負極を配置した状態で、負極が正極よりも内側になるように、一対の巻芯を中心にして捲回した。このとき、合剤層A(第1合剤層)は外側、合剤層B(第2合剤層)が内側に位置するように正極を配置した。
電極群の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて画像解析した。正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層AおよびBにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度A1およびB1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.985であった。
合剤層AおよびBにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度A1およびB1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.985であった。
この電極群の上部および下部に、それぞれ上部絶縁リング8aおよび下部絶縁リング8bを配置した後、それを有低円筒形のステンレス鋼製の電池ケース1に収容した。正極リード5aの他端を電池蓋2の下面に溶接した。負極リード6aの他端を電池ケース1の内底面に溶接した。次いで、非水電解質の5gを電池ケース1内に注入し、電池ケース1内を133Paに減圧して、電極群に非水電解質を含浸させた。電池ケースの開口端部を、絶縁パッキング3を介して電池蓋2の周縁部にかしめつけ、電池ケース1を密閉した。このようにして、直径18mmおよび高さ65mmの円筒型リチウムイオン二次電池(品番18650)を完成させた。
《実施例2》
正極結着剤Aに、平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.032であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極結着剤Aに、平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.032であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例3》
正極結着剤Aに平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた。正極結着剤Bに平均分子量120万のPVDF(弾性率1100MPa)を用いた。上記以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、610mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.049であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極結着剤Aに平均分子量30万のPVDF(弾性率500MPa)を用いた。正極結着剤Bに平均分子量120万のPVDF(弾性率1100MPa)を用いた。上記以外、実施例1と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Aの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Aの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度A1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Bの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Bの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度B1)は、610mAhであった。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.049であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《比較例1》
集電体の両面に合剤層Bが形成された正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.97であった。
集電体の両面に合剤層Bが形成された正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極捲回前における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、1.00であった。正極捲回後における容量密度A1と容量密度B1との比:A1/B1は、0.97であった。
[充放電サイクル試験]
25℃の環境下において、各電池について、下記条件で充放電を1000回繰り返し実施し、1サイクル目および1000サイクル目の放電容量を求めた。
充電電流:3000mA
放電電流:3000mA
充電終止電圧:4.2V
放電終止電圧:2.5V
そして、下記式より容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記試験結果を表1に示す。
25℃の環境下において、各電池について、下記条件で充放電を1000回繰り返し実施し、1サイクル目および1000サイクル目の放電容量を求めた。
充電電流:3000mA
放電電流:3000mA
充電終止電圧:4.2V
放電終止電圧:2.5V
そして、下記式より容量維持率を求めた。
容量維持率(%)=(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記試験結果を表1に示す。
電極捲回後のA1/B1が0.97超1.03未満である実施例1〜3の電池では、電極捲回後のA1/B1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。電極捲回後のA1/B1が0.980以上1.020以下である実施例1〜2の電池では、優れた充放電サイクル特性が得られた。特に、電極捲回後のA1/B1が1である実施例2の電池が、最も優れた充放電サイクル特性を示した。
なお、本実施例では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
なお、本実施例では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
《実施例4》
正極活物質C(第1活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質C(第1活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極活物質D(第2活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.80、およびタップ密度2.3g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力(線圧1.5×102N/cm)を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、61μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は620mAhであった。容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.032であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、1.00であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.00であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例5》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを9:1の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.0g/cm3)を用いた。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末を用いた。
上記以外、実施例4と同様の方法により正極を得た。圧縮後の合剤層Cの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.017であった。
上記正極を用いた以外、実施例4と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.980であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを9:1の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.0g/cm3)を用いた。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末を用いた。
上記以外、実施例4と同様の方法により正極を得た。圧縮後の合剤層Cの厚みは、58μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は、640mAhであった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.017であった。
上記正極を用いた以外、実施例4と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.980であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例6》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95、であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを8:2の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.1g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、57μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、660mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.031であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95、であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを8:2の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.1g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、57μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、660mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.031であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例7》
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを7:3の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.2g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、56μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、670mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.046であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極活物質C(第1正極活物質)として、平均粒径20μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95であるニッケル酸リチウム粉末(正極活物質PB)とを7:3の重量比で混合したニッケル酸リチウム(タップ密度3.2g/cm3)を用いた。これ以外、実施例5と同様の方法により正極を作製した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、56μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量は、670mAh(容量密度C1)であった。正極捲回前における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.046であった。
上記正極を用いた以外、実施例5と同様の方法により電極群を作製した。正極捲回後における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.025であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例8》
(1)正極合剤Cの作製
正極活物質C(第1正極活物質)を用いて、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0200g/cm2とした。
(1)正極合剤Cの作製
正極活物質C(第1正極活物質)を用いて、平均粒径12μm、平均円形度0.95、およびタップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDF(弾性率700MPa)と、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤C(第1合剤)を調製した。正極活物質C、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0200g/cm2とした。
(2)正極合剤Dの作製
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.90、およびタップ密度2.7g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0206g/cm2とした。
正極活物質D(第2正極活物質)として、平均粒径10μm、平均円形度0.90、およびタップ密度2.7g/cm3であるニッケル酸リチウムと、上記と同じ正極結着剤および導電材と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤D(第2合剤)を調製した。正極活物質D、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。正極の塗工重量を0.0206g/cm2とした。
(3)正極の作製
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
正極集電体として、厚み15μmのアルミニウム箔を準備した。正極集電体の一方の面に正極合剤Cを塗布し、乾燥して、塗膜C(厚み89μm)を形成した。正極集電体の他方の面に正極合剤Dを塗布し、乾燥して、塗膜D(厚み91μm)を形成した。このようにして、正極集電体、塗膜C、および塗膜Dを有する正極前駆体を得た。
正極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Cおよび塗膜Dに同じ圧力を加えて、塗膜Cおよび塗膜Dを圧縮し、それぞれ合剤層C(第1合剤層)および合剤層D(第2合剤層)を形成した。このようにして正極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法660mm、幅の寸法55mm)に正極を切断した。
圧縮後の合剤層Cの厚みは、59μmであった。圧縮後の合剤層Dの厚みは、62μmであった。圧縮後の合剤層Cの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度C1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Dの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度D1)は630mAhであった。容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、1.015であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.9mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、0.974であった。
合剤層Cの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度C2)は、3.8mAhであった。合剤層Dの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度D2)は、3.9mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度C2と容量密度D2との比:C2/D2は、0.974であった。
上記正極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.985であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
正極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、正極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
合剤層CおよびDにおける、領域Xの活物質量、および画像解析より求めた領域Xの体積から、正極捲回後の領域Xにおける容量密度C1およびD1を求めた。その結果、正極捲回後(電極群構成後)における容量密度C1と容量密度D1との比:C1/D1は、0.985であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
実施例4〜8の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を、比較例1の結果とともに表2に示す。
電極捲回後のC1/D1が0.97超1.03未満である実施例4〜8の電池では、電極捲回後のC1/D1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。特に、電極捲回後のC1/D1が1である実施例4および6の電池が、優れた充放電サイクル特性を示した。
なお、本実施形態では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
なお、本実施形態では、正極に本発明の電極を用いたが、負極または正極および負極の両方に、本発明の電極を用いても、充放電サイクル特性は向上する。
《実施例9》
(1)負極合剤Eの作製
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(1)負極合剤Eの作製
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(2)負極合剤Fの作製
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.85、およびタップ密度1.2g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤F(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.85、およびタップ密度1.2g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤F(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
(3)負極の作製
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み106μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。
その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み106μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。
その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、86μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は、630mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.015であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Fの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.00であった。
(4)正極の作製
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDFと、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤を調製した。正極活物質、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。この正極合剤を、正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧1.5×102N/cmで圧縮して、正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体およびその両面に形成された正極合剤層からなる正極の厚みは133μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
正極活物質として、平均粒径12μm、平均円形度0.95、タップ密度2.9g/cm3であるニッケル酸リチウム粉末と、正極結着剤として平均分子量60万のPVDFと、導電材としてアセチレンブラックと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の正極合剤を調製した。正極活物質、正極結着剤、および導電材の重量比は、100:2:2とした。この正極合剤を、正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥して、塗膜を得た。この塗膜を線圧1.5×102N/cmで圧縮して、正極合剤層を形成した。このとき、正極集電体およびその両面に形成された正極合剤層からなる正極の厚みは133μmであった。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズに正極を帯状に切断した。具体的には、正極の長手方向の寸法660mm、および幅の寸法55mmとした。
(5)電池の作製
上記正極および負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
上記正極および負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例10》
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.7、およびタップ密度1.0g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤F(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み101μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み108μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、87μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、640mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は620mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.032であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Fの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.000であった。
上記負極を用いた以外、実施例9と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.000であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
《実施例11》
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径20μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NB)とを8:2の重量比で混合した人造黒鉛(タップ密度1.5g/cm3)を用いた。負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質E(第1負極活物質)として、平均粒子径20μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NA)と、平均粒径5μmおよび平均円形度0.95である人造黒鉛(負極活物質NB)とを8:2の重量比で混合した人造黒鉛(タップ密度1.5g/cm3)を用いた。負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤E(第1合剤)を調製した。負極活物質E、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極活物質F(第2負極活物質)として、平均粒子径15μm、平均円形度0.95、およびタップ密度1.4g/cm3である人造黒鉛と、負極結着剤であるSBRと、増粘剤であるCMCと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、スラリー状の負極合剤F(第2合剤)を調製した。負極活物質F、負極結着剤、およびCMCの重量比は、100:2.5:1とした。
負極集電体として、厚み10μmの銅箔を準備した。負極集電体の一方の面に負極合剤Eを塗布し、乾燥して、塗膜E(厚み99μm)を形成した。負極集電体の他方の面に負極合剤Fを塗布し、乾燥して、塗膜F(厚み101μm)を形成した。このようにして、負極集電体、塗膜E、および塗膜Fを有する負極前駆体を得た。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
負極前駆体を一対のローラにて圧縮した。すなわち、塗膜Eおよび塗膜Fに同じ圧力(線圧40N/cm)を加えて、塗膜Eおよび塗膜Fを圧縮し、それぞれ合剤層E(第1合剤層)および合剤層F(第2合剤層)を形成した。このようにして負極を得た。その後、円筒型電池(品番18650)の電池ケースに挿入可能なサイズ(長手方向の寸法750mm、幅の寸法57mm)に負極を切断した。
圧縮後の合剤層Eの厚みは、83μmであった。圧縮後の合剤層Fの厚みは、84μmであった。圧縮後の合剤層Eの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度E1)は、650mAhであった。圧縮後の合剤層Fの単位体積1cm3あたりの容量(容量密度F1)は、640mAhであった。容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、1.015であった。
合剤層Eの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度E2)は、3.8mAhであった。合剤層Fの単位面積1cm2あたりの容量(容量密度F2)は、3.8mAhであった。なお、ここでいう面積とは、集電体の主面に平行な面積を指す。容量密度E2と容量密度F2との比:E2/F2は、1.000であった。
上記負極を用いた以外、実施例9と同様の方法により電極群を構成した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
負極における領域X(電極群構成時の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10−3m以下の領域)は、負極の巻芯側の端部から長手方向に沿って10mmの幅の領域であった。
負極捲回後(電極群構成後)における容量密度E1と容量密度F1との比:E1/F1は、0.986であった。
上記電極群を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。
実施例9〜11の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を、比較例1の結果とともに表3に示す。
電極捲回後のE1/F1が0.97超1.03未満である実施例9〜11の電池では、電極捲回後のE1/F1が0.97である比較例1の電池と比べて、電極反応が均一化され、充放電サイクル特性が向上した。
《実施例12》
実施例6の正極および実施例10の負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極および負極の電極作製時および電極群構成時の(第1容量密度/第2容量密度)の値を表4に示す。
実施例12の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例6の正極および実施例10の負極を用いた以外、実施例1と同様の方法により電池を作製した。正極および負極の電極作製時および電極群構成時の(第1容量密度/第2容量密度)の値を表4に示す。
実施例12の電池について、上記と同様の評価を行った。その結果を表4に示す。
さらに、電極群構成時のC1/D1およびE1/F1の両方が1である実施例12の電池は、実施例6の電池および実施例10の電池よりも高い充放電効率を示した。
以上のことより、正極のみに本発明の電極を用いた場合、負極のみに本発明の電極を用いた場合、および正負極の両方に本発明の電極を用いた場合のいずれにおいても、充放電効率が向上することがわかった。
以上のことより、正極のみに本発明の電極を用いた場合、負極のみに本発明の電極を用いた場合、および正負極の両方に本発明の電極を用いた場合のいずれにおいても、充放電効率が向上することがわかった。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形および改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、すべての変形および改変を包含する、と解釈されるべきものである。
本発明の二次電池は、高容量および高信頼性を有するため、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダなどの携帯機器、電気自動車、およびハイブリッド自動車の電源として好適に用いられる。
Claims (13)
- 捲回型電極群に用いられる電極であって、
集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
電極群構成時において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1は、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも、大きいことを特徴とする電極。 - 前記所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、1.01超1.05以下である請求項1記載の電極。
- 前記所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、1.01超1.04以下である請求項1記載の電極。
- 前記所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位面積あたりの容量Ca1と、前記第2合剤層の単位面積あたりの容量Ca2との比:Ca1/Ca2は、0.97超1.03未満である請求項1記載の電極。
- 前記第1および第2合剤層は、それぞれ第1および第2結着剤を含み、
前記第1結着剤は、前記第2結着剤よりも、弾性率が低い請求項1記載の電極。 - 前記第1活物質は、前記第2活物質よりも、充填性が高い請求項1に記載の電極。
- 一対の電極を、両電極間にセパレータを介して、捲回した電極群を備えた二次電池であって、
前記一対の電極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体の一方の面に形成された、第1活物質を含む第1合剤層と、前記集電体の他方の面に形成された、第2活物質を含む第2合剤層とを有し、
前記電極群において、前記第1合剤層は、前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回され、
前記電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.97超1.03未満であることを特徴とする二次電池。 - 前記電極群において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.98以上1.02以下である請求項7記載の二次電池。
- 前記電極群において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、0.99以上1.01以下である請求項7記載の二次電池。
- 前記電極群において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2は、1.00である請求項7記載の二次電池。
- (1)集電体の一方の面に第1活物質を含む第1合剤層を形成し、集電体の他方の面に第2活物質を含む第2合剤層を形成し、一方の極性を有する電極Aを構成する工程と、
(2)前記電極Aと、他方の極性を有する電極Bとを、両者間にセパレータを介して、前記第1合剤層が前記第2合剤層よりも外側に位置するように捲回し、電極群を構成する工程と、を含み、
前記工程(1)では、電極群の捲回軸に垂直な断面における曲率半径が3.0×10-3m以下の所定領域に対応する部分において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1が、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2よりも大きくなるように、前記電極Aを構成し、
前記工程(2)では、前記所定領域において、前記第1合剤層の単位体積あたりの容量Cv1と、前記第2合剤層の単位体積あたりの容量Cv2との比:Cv1/Cv2が0.97超1.03未満となるように、前記電極群を構成することを特徴とする二次電池の製造方法。 - 前記工程(1)は、
(a)前記集電体の一方の面に前記第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(b)前記集電体の他方の面に前記第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(c)前記第1塗膜および前記第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより前記第1塗膜および前記第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成する工程と、
を含み、
前記第1合剤および第2合剤は、それぞれ第1および第2結着剤を含み、
前記第1結着剤は、前記第2結着剤よりも、弾性率が低く、
前記工程(c)において、前記第1塗膜は、前記第2塗膜よりも圧縮される請求項11記載の二次電池の製造方法。 - 前記工程(1)は、
(A)前記集電体の一方の面に前記第1活物質を含む第1合剤を塗布し、乾燥し、第1塗膜を形成する工程と、
(B)前記集電体の他方の面に前記第2活物質を含む第2合剤を塗布し、乾燥し、第2塗膜を形成する工程と、
(C)前記第1塗膜および前記第2塗膜にそれぞれ同じ圧力を加えることにより前記第1塗膜および前記第2塗膜を圧縮し、第1合剤層および第2合剤層を形成する工程と、
を含み、
前記第1活物質は、前記第2活物質よりも、充填性が高く、
前記工程(C)において、前記第1塗膜は、前記第2塗膜よりも圧縮される請求項11記載の二次電池の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
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