JP6766467B2 - 非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用電極の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用電極の製造方法に関する。
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器においては、高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池の性能の向上が求められている。二次電池の中でも非水電解質二次電池(特に、リチウムイオン二次電池)は高容量化が可能であることから、種々の電子機器への利用が進められている。
非水電解質二次電池は、一般に、正極活物質を有する正極活物質層を正極集電体の表面に形成した正極と、負極活物質を有する負極活物質層を負極集電体の表面に形成した負極とが、非水電解質(非水電解液とも称する)とともに、電池ケースに収納される構成を有している。
そして、非水電解質二次電池の電極(詳しくは、正極及び負極)では、電極活物質を適当な溶媒に分散させたスラリー状の電極合材を調製し、電極合材を電極集電体の表面に塗布・乾燥して電極活物質層を形成している。そして、電極合材は、バインダ(結着剤)や増粘剤等の添加剤が添加される。バインダは、電極活物質の沈降を防止したり、電極合材の特性を安定して塗布性を向上したり、電極活物質層を形成したときに電極活物質粒子同士及び電極集電体を結着する。
このような添加剤を含む電極合材から非水電解質二次電池を製造することは、例えば、特許文献1〜2に開示されている。
特許文献1には、活物質と、カルボキシル基を有する繊維状多糖類と、分散媒とを含む電極合材を用いて二次電池を製造することが記載されている。
特許文献2には、短幅の方の数平均幅が2〜1000nmであるセルロースを含有する電極合材を用いて二次電池を製造することが記載されている。
特開2014−86285号公報 特開2015−125920号公報
特許文献1〜2では、繊維状多糖類やセルロースのような有機系の添加剤を電極合材に添加している。これらの添加剤を添加することで、電極合材のスラリーの物性を安定化・改善する。しかしながら、これらの有機系の添加剤は、電気絶縁体であることから、二次電池内の抵抗(すなわち、内部抵抗)の増加の原因となっている。そして、二次電池の内部抵抗の増加を抑えるために添加剤の添加量を減らすと、活物質の結着性が低下するとともに、活物質間の接触が不十分となり導電パスが減少し、二次電池の電池性能が低下するという問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、内部抵抗の増加、及び電池性能の低下が抑えられた非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用電極の製造方法を提供することを本発明の課題とする。
上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池用電極は、電極集電体と、電極活物質粒子と、電極活物質粒子を結着する結着剤と、を有し、電極集電体の表面にもうけられた電極活物質層と、を備えた非水電解質二次電池用電極であって、結着剤が、有機繊維と、有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維と、を有し、有機繊維が、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmのセルロース繊維であり、導電性短繊維が、繊維径:セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:セルロース繊維の繊維長の5〜20%のカーボンナノチューブである。
本発明の非水電解質二次電池用電極は、有機繊維と導電性短繊維とを結着剤として有する。有機繊維は、電極活物質粒子を結着する。そして、導電性短繊維は、電極活物質粒子を結着するだけでなく、電極活物質粒子同士及び電極活物質粒子と電極集電体との間で導電性を発揮する。本発明の非水電解質二次電池用電極では、有機繊維と導電性短繊維のいずれもが結着性を発揮することから、有機繊維の含有量を低減しても結着性を維持できる。そして、導電性短繊維が導電パスを維持するため、内部抵抗の増加を抑制し、電池性能の低下を抑えることができる。この結果、本発明の非水電解質二次電池は、電気抵抗の増加、及び電池性能の低下が抑えられた電極となる。
上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池は、上記の電極を有する。本発明の非水電解質二次電池は、上記の電極を用いてなるものであり、電気抵抗の増加及び電池性能の低下が抑えられた非水電解質二次電池となっている。
上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池用電極の製造方法は、電極活物質粒子を被膜原料とともに混練して、電極活物質粒子の表面に有機被膜を形成し、有機被膜を形成した電極活物質粒子と、有機繊維と該有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維とを備えた結着剤とを混合してペースト状の電極合材を調製する非水電解質二次電池用電極の製造方法であって、有機繊維は、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmのセルロース繊維であり、導電性短繊維は、繊維径:セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:セルロース繊維の繊維長の5〜20%であるカーボンナノチューブである
本発明の製造方法によると、活物質粒子の表面に均一に上記の結着材を配された構成の上記の非水電解質二次電池用電極を製造することができる。本発明の製造方法により製造された非水電解質二次電池用電極は、上記の効果をより確実に発揮できる。
実施形態1のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す図である。 実施形態1のリチウムイオン二次電池の製造工程を示すフローチャートである。 実施形態2のリチウムイオン二次電池の構成を模式的に示す図である。 実施形態2のリチウムイオン二次電池の構成を示す断面図である。
以下、本発明の非水電解質二次電池用電極、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池用電極の製造方法を、リチウムイオン二次電池用負極及びそれを製造する方法、ならびにリチウムイオン二次電池で実施した形態として、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、これらの形態は、本発明を具体的に実施した形態の例であり、本発明をこの形態のみに限定するものではない。
[実施形態1]
本形態の二次電池は、図1にその構成を模式的に示したリチウムイオン二次電池1である。リチウムイオン二次電池1(以下、二次電池1と称する)は、負極2,正極3,非水電解質4を有する。なお、本形態の二次電池1は、負極2以外の構成(詳しくは、正極3,非水電解質4)について、従来と同様な構成とすることができる。
[負極]
負極2は、負極活物質と結着剤を含有する。負極2は、負極集電体20(電極集電体に相当)の表面に負極活物質層21(電極活物質層に相当)を有する。負極活物質層21は、負極活物質粒子(電極活物質粒子に相当)を結着剤が結着した構成を備える。負極活物質層21は、負極活物質粒子を結着剤が結着した状態で圧縮されて密な状態となっていてもよい。
結着剤は、有機繊維と、有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維と、を有する。そして、有機繊維は、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmのセルロース繊維である。このセルロース繊維は、セルロースナノファイバーとも称される。導電性短繊維は、繊維径:セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:セルロース繊維の繊維長の5〜20%である、カーボンナノチューブである。
セルロース繊維の含有質量が、カーボンナノチューブの含有質量より多い。セルロース繊維とカーボンナノチューブのそれぞれの質量は、負極2(あるいは負極活物質層)の製造時に混合される質量から求められる。製造時の添加形態が分散媒に分散した形態の場合、分散媒等を除いた質量換算(固形分換算)から含有質量を求めることができる。
本形態において、結着剤の有機繊維は、負極活物質粒子の表面に配されている。結着剤の有機繊維は、負極活物質粒子同士の間に介在し、負極活物質粒子を結着する。結着剤の導電性短繊維は、負極活物質粒子同士の間に介在し、負極活物質粒子を結着する。導電性短繊維は、負極活物質粒子の表面の有機繊維に絡み合った状態で配されている。導電性短繊維は、負極活物質粒子にも接触した状態で配される。結着剤は、有機繊維と導電性短繊維が絡み合った状態であり、かつ負極活物質粒子の表面に均一に配されていることがより好ましい。
負極2の負極活物質は、炭素質材料よりなる粒子が用いられる。炭素質材料とは、二次電池1の電解質イオンを吸蔵・脱離可能な(すなわち、Li吸蔵能がある)炭素材料であり、アモルファスコート天然黒鉛であることが好ましい。
なお、負極活物質は、従来の負極活物質を用いることができる。例えば、Sn,Si,Sb,Ge.Tiの少なくともひとつの元素を含有する負極活物質を挙げることができる。これらの負極活物質のうち、Sn、Sb、Geは、特に、体積変化の多い合金材料である。これらの負極活物質は、Ti−Si、Ag−Sn、Sn−Sb、Ag−Ge、Cu−Sn、Ni−Snなどのように、別の金属と合金をなしていてもよい。
負極活物質は、その粒子径(例えば、平均粒子径(D50))が限定されるものではない。例えば、平均粒子径(D50)が1μm〜50μmである粒子を用いることができる。
負極2の負極活物質粒子は、その表面に有機被膜を備える。本形態では、セルロース繊維よりなる有機被膜を備える。有機被膜とは、有機化合物により形成された、負極活物質粒子表面を被覆する被膜である。有機被膜を形成する有機化合物は、負極活物質粒子表面を被覆することができる有機化合物であれば限定されるものではなく、本形態のセルロース繊維だけでなく、カルボキシルメチルセルロース(略称:CMC)、ポリアクリル酸等の有機化合物を適宜選択できる。
有機被膜は、負極活物質粒子の表面を、均一な厚さで被覆することが好ましく、表面の全面を均一に被覆することがより好ましい。
負極2は、さらに、別の結着剤を含有する。別の結着剤としては、スチレンブタジエンラバー(略称:SBR)よりなる結着剤をあげることができる。SBRは、負極活物質層21に柔軟性(例えば、負極集電体20に沿って屈曲する柔軟性)を付与する。
なお、別の結着剤としては、SBR以外に従来公知の結着剤を用いることができる。別の結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(略称:PVDF)、フッ素樹脂共重合体(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、アクリル系ゴム、フッ素系ゴム、ポリビニルアルコール(略称:PVA)、スチレン・マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸塩、CMCなどを挙げることができる。
負極2は、導電材を含有していても良い。この導電材としては、炭素材料、金属粉、導電性ポリマーなどを用いることができる。導電性と安定性の観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどの炭素材料を使用することが好ましい。
負極集電体20は、従来の集電体を用いることができ、銅、ステンレス、チタンあるいはニッケルなどの金属を加工したもの、例えば板状に加工した箔,網,パンチドメタル,フォームメタルなどを用いることができるが、これらに限定されない。
[正極]
正極3は、正極活物質を含有する。正極3は、正極集電体30と、正極集電体30の表面に形成された、正極活物質を含む正極活物質層31とを有する。正極活物質層31は、圧縮された状態であってもよい。
正極3の正極活物質は、従来のリチウムイオン二次電池で正極活物質として使用されている物質を用いる。従来の正極活物質としては、例えば、種々の酸化物、硫化物、リチウム含有酸化物、導電性高分子などを挙げることができる。これらのうち、リチウム−遷移金属複合酸化物であることが好ましい。
正極活物質のリチウム−遷移金属複合酸化物としては、層状構造を有する複合酸化物や、スピネル構造を有する複合酸化物や、ポリアニオン構造を有する複合酸化物を挙げることができる。
正極活物質は、2相共存型の反応を示す化合物が用いられることが好ましい。そして、2相共存型の反応を示す化合物として、ポリアニオン構造の1種であるオリビン構造の化合物であることがより好ましい。
オリビン構造の化合物としては、LiFePOや、LiMn1−y5−z(なお、M:Mnを除く遷移金属より選ばれる1種以上、X:P,As,Si,Moより選ばれる1種以上、X:Al,Mg,Ca,Zn,Tiより選ばれる1種以上を任意で含有可能、0<x≦1.0、0≦y<1.0、0≦z≦1.5)を挙げることができる。この組成において、yが0.4以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましい。
層状構造を有する複合酸化物は、例えば、LiNiCoMn(x+y+z=1、0≦x,y,z≦1)、LiNiAlMn(x+w+z=1、0≦x,w,z≦1)、LiNiCoAlMn(x+y+w+z=1、0≦x,y,w,z≦1)を挙げることができ、具体的にはLiNi1/3Co1/3Mn1/3を例示できる。
スピネルを有する複合酸化物は、例えば、LiNiMn(x+y+z=2、0≦x,y,z≦2)を挙げることができる。
本形態の正極活物質は、ポリアニオン構造の酸化物よりなるコア部と、コア部の表面をカーボンで被覆したシェル部と、を有する構成であることが好ましい。この正極活物質は、導電性の低いコア部を、導電性の高いカーボンよりなるシェル部で被覆したことで、導電性(電子伝導性)が向上する。また、コア部が露出しなくなり、コア部が吸水することを防止することもできる。
正極活物質がコア−シェル構造を有する場合、コア部の表面の全面をシェル部のカーボンが均一に被覆したことがより好ましい。
正極3は、導電材を有していてもよい。導電材は、正極3の電気伝導性を確保する。導電材としては、黒鉛の微粒子,アセチレンブラック,ケッチェンブラック,カーボンナノファイバーなどのカーボンブラック,ニードルコークスなどの無定形炭素の微粒子などを使用できるが、これらに限定されない。
正極3は、結着剤を有していてもよい。結着剤は、正極活物質粒子や導電材を結着する。結着剤としては、例えば、PVDF,エチレンプロピレンゴム(EPDM),SBR,ニトリルゴム(NBR),フッ素ゴムなどを使用できるが、これらに限定されない。
正極集電体30は、例えば、アルミニウム,ステンレスなどの金属を加工したもの、例えば板状に加工した箔,網,パンチドメタル,フォームメタルなどを用いることができるが、これらに限定されない。
[非水電解質]
非水電解質4は、リチウムを含むものであること以外はその材料構成で特に限定されるものではない。非水電解質4は、従来公知の非水電解質と同様に、リチウムを含む支持塩が有機溶媒に溶解してなるものであることが好ましい。
非水電解質の支持塩は、その種類が特に限定されるものではなく、例えば、LiPF,LiBF,LiClO及びLiAsFから選ばれる無機塩,これらの無機塩の誘導体,LiSOCF,LiC(SOCF及びLiN(SOCF,LiN(SO,LiN(SOCF)(SO)から選ばれる有機塩、並びにこれらの有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。これらの支持塩は、電池性能を更に優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においても更に高く維持することができる。支持塩の濃度についても特に限定されるものではなく、支持塩及び有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
支持塩が溶解する有機溶媒(非水溶媒)は、通常の非水電解質に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類,ハロゲン化炭化水素,エーテル類,ケトン類,ニトリル類,ラクトン類,オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート(略称:PC),エチレンカーボネート(略称:EC),1,2−ジメトキシエタン,ジメチルカーボネート(略称:DMC),ジエチルカーボネート(略称:DEC),エチルメチルカーボネート(略称:EMC),ビニレンカーボネート(略称:VC)等及びそれらの混合溶媒が好ましい。これらの有機溶媒のうち、特にカーボネート類,エーテル類からなる群より選ばれた1種以上の非水溶媒を用いることが、支持塩の溶解性、誘電率及び粘度において優れ、リチウムイオン二次電池1の充放電効率が高くなるため好ましい。
本形態のリチウムイオン二次電池1において、最も好ましい非水電解質は、支持塩が有機溶媒に溶解したものである。
非水電解質4は、さらに、従来公知の添加剤を含有していても良い。添加剤としては、負極2や正極3の表面に被膜(例えば、SEI被膜)を生成するための添加剤を挙げることができる。
[その他の構成]
本形態の二次電池1は、負極2及び正極3を、正極活物質層31と負極活物質層21とが対向した状態で、セパレータ5を介した状態で非水電解質4とともに、電池ケース6内に収容する。
(セパレータ)
セパレータ5は、負極2及び正極3を電気的に絶縁し、非水電解質4を保持する役割を果たす。セパレータ5は、例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いることが好ましい。
(電池ケース)
電池ケース6は、負極2及び正極3を、セパレータ5を介した状態で非水電解質4とともに、その内部に収容(封入)する。
電池ケース6は、内部と外部との間で水分の透過を阻害する材質よりなる。このような材質としては、金属層を有する材質を挙げることができる。金属層を有する材質としては、金属そのものや、ラミネートフィルムを挙げることができる。
[製造方法]
本形態の二次電池1は、以下のように製造できる。本形態の二次電池1の製造工程を図2にフローチャートで示す。
(負極の製造方法)
まず、負極活物質の粉末を準備し、負極活物質粉末に被膜原料(有機被膜を形成するため被膜原料に相当)を添加し、十分に混合(詳しくは、固練り)する固練り工程(ステップS1)を施す。この工程により、負極活物質の表面に、有機被膜が形成される。被膜原料が分散媒に分散している場合、十分に混合することで、固形分が多いペースト状となる。この工程では、分散媒を添加しても良い。分散媒を添加する場合、混練物の濃度が後の工程で添加されるセルロース繊維の分散溶液の濃度と同程度になるまで添加して良い。
次に、ペースト状の混練物に、セルロース繊維(有機繊維に相当)を添加し、十分に混合する有機繊維混合工程(ステップS2)を施す。この工程により、有機被膜が形成した負極活物質の表面にセルロース繊維が配される。セルロース繊維が配された負極活物質には、さらに、分散媒を添加しても良い。分散媒を添加する場合、後の工程で添加される別の結着剤の分散溶液の濃度と同程度になるまで添加して良い。
続いて、セルロース繊維が添加した混練物に、SBR(別の添加剤に相当)を添加し、十分に混合する添加剤混合工程(ステップS3)を施す。この工程により、負極活物質とSBR(別の添加剤に相当)とが均一に混合する。本工程においても、上記の各工程と同様に、分散媒を添加しても良い。
その後、混練物に、カーボンナノチューブ(導電性短繊維に相当)を添加し、十分に混合する導電性短繊維混合工程(ステップS4)を施す。この工程により、負極活物質とカーボンナノチューブ(導電性短繊維に相当)とが均一に混合する。また、負極活物質表面のセルロース繊維とカーボンナノチューブとが絡み合った状態となる。
以上により、負極合材が製造される。
製造された負極合材を負極集電体20の表面に塗布する塗布工程(ステップS5)を施す。負極合材の分散媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(略称:NMP)などの有機溶媒、又は水などを挙げることができる。
そして、塗布された負極合材を乾燥する乾燥工程(ステップS6)を施す。
以上により、負極集電体20の表面に負極活物質層21を有する負極2が製造される。なお、乾燥工程(ステップS6)の直後に、負極2を厚さ方向(あるいは、積層方向)に圧縮する圧縮行程を施してもよい。
(正極の製造方法)
まず、正極活物質と導電材と結着剤とを分散媒とともに混合してペースト状(あるいは、スラリー状)の正極合材を調製する混合工程(ステップS7)を施す。
正極合材の分散媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶媒を使用する。例えば、NMP,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,メチルエチルケトン,シクロヘキサノン,酢酸メチル,アクリル酸メチル,ジエチルトリアミン,N−N−ジメチルアミノプロピルアミン,エチレンオキシド,テトラヒドロフランなどを挙げることができるが、これらに限定されない。また、水に分散剤、増粘剤などを加えてポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)などで正極活物質をスラリー化する場合もある。
製造された正極合材を正極集電体30の表面に塗布する塗布工程(ステップS8)を施す。
そして、塗布された正極合材を乾燥する乾燥工程(ステップS9)を施す。
以上により、正極集電体30の表面に正極活物質層31を有する正極3が製造される。なお、乾燥工程(ステップS6)の直後に、正極3を厚さ方向(あるいは、積層方法)に圧縮する圧縮行程を施してもよい。
(二次電池の組み立て)
製造された負極2及び正極3、予め準備したセパレータ5を、非水電解質4とともに電池ケース6に封入して二次電池1が組み立てられる(ステップS10)。このとき、電池ケース6内に空気(及び水分)が入ることを排除できる雰囲気(例えば、乾燥雰囲気下や減圧条件下)で行うことが好ましい。
以上により、二次電池1が製造される。
組み立てられた二次電池1に対しては、必要に応じて初期充放電(あるいはエージング処理)を行う。
[本形態の効果]
(第1の効果)
本形態の二次電池1の負極2は、電極活物質粒子を結着する結着剤を有する、負極集電体20の表面にもうけられた負極活物質層21を備えた二次電池用負極2であって、結着剤が、有機繊維と、有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維と、を有する。
本形態の二次電池1の負極2は、有機繊維と導電性短繊維とを結着剤として有する。有機繊維は、負極活物質粒子を結着する。そして、導電性短繊維は、負極活物質粒子を結着するとともに、負極活物質粒子同士及び負極活物質粒子と負極集電体20との間で導電性を発揮する。このように、本形態の二次電池1の負極2では、有機繊維と導電性短繊維のいずれもが結着性を発揮することから、有機繊維の一部を導電性短繊維に置き換えた構成となっている。このため、有機繊維の含有量を低減できる。有機繊維は、それ自体が電池容量を持たないため、有機繊維の含有量を低減することで、電池性能の低下が抑えられる。
さらに、有機繊維の一部を置換する導電性短繊維は、導電性を発揮することから、負極活物質粒子間の導電パスとしても機能する。
この結果、本形態の二次電池1の負極2は、電気抵抗の増加、及び電池性能の低下が抑えられた電極(負極)となっている。
(第2の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、有機繊維がセルロース繊維であり、導電性短繊維がカーボンナノチューブである。この構成によると、上記効果を発揮できる。
さらに、セルロース繊維は、負極活物質粒子が分散した負極合材のスラリーの粘度を高める増粘剤としても機能する。上記の製造方法のように、負極合材がスラリー状をなす場合には、負極合材のスラリーの性状を安定化し、負極活物質粒子の沈降を防止する。そうすると、負極合材スラリーの塗工性が向上する。つまり、負極2及び二次電池1の製造がより容易になる。
また、セルロース繊維は、増粘剤として高い増粘性を発揮するものであり、その結果として、従来の増粘剤に比して合材中の添加量を減らすことができる。このことは、負極2に含まれる負極活物質量を増やすことができることを示す。つまり、二次電池1及び負極2の電池容量を高める効果を発揮できる。
(第3の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、セルロース繊維の含有質量が、カーボンナノチューブの含有質量より多い。セルロース繊維とカーボンナノチューブとでは、セルロース繊維の方が結着性が高い。このため、セルロース繊維の含有質量が多くなることで、結着性を維持しながら導電性を高めることができる。
また、セルロース繊維は、カーボンナノチューブよりも、スラリーの増粘性が高い。このため、セルロース繊維の含有質量が多くなることで、上記のように負極合材がスラリー状をなす場合には、スラリーの性状を確実に保つことができる。
(第4の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、セルロース繊維は、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmの繊維であり、カーボンナノチューブは、繊維径:セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:セルロース繊維の繊維長の5〜20%である。
この構成によると、上記効果をより確実に発揮できる。
(第5の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、負極活物質粒子は、表面を被覆する有機被膜を備え、有機被膜の表面にセルロース繊維及びカーボンナノチューブが位置する。
負極活物質粒子が有機被膜を有することで、セルロース繊維がその表面に配されやすくなる(吸着・固定されやすくなる)。この結果、結着材の結着性が向上する。
(第6の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、非水電解質二次電池用負極に適用されることで上記の効果を発揮できる。
(第7の効果)
本形態の二次電池1の負極2によると、負極活物質として炭素質材料粒子を有する。この構成によると、上記効果を発揮できる。
(第8の効果)
本形態の二次電池1は、上記の負極を有する。この構成によると、上記効果を発揮できる二次電池1となる。
(第9の効果)
本形態の二次電池1の負極2の製造方法では、負極活物質粒子を被膜原料とともに混練して、負極活物質粒子の表面に有機被膜を形成し、セルロース繊維とカーボンナノチューブとを備えた結着剤を混合してペースト状の電極合材を調整する。
負極活物質の表面に有機被膜を形成した後に、結着剤を混合することで、負極活物質粒子の表面に均一に結着剤を配することができる。この結果、本形態の製造方法で製造される二次電池1の負極2は、上記の効果をより確実に発揮できる。
(第10の効果)
本形態の二次電池1の負極2の製造方法では、負極合材の調製が、有機被膜を形成した負極活物質粒子にセルロース繊維を混合し、その後、カーボンナノチューブを混合する。
カーボンナノチューブは分散性が低い(例えば、凝集・沈降しやすい)ため、セルロース繊維の後にカーボンナノチューブを混合することで、カーボンナノチューブが均一に配された負極2を製造できる。
(第11の効果)
本形態の二次電池1の負極2の製造方法では、セルロース繊維を混合し、カーボンナノチューブを混合するまでの間に、更に別の結着剤を添加する。
この構成によると、カーボンナノチューブが均一に配された負極2に、更に別の結着剤を含有させることができる。
[実施形態2]
本形態は、実施形態1の二次電池1をラミネート型の電池に適用した形態であり、負極2,正極3,非水電解質4等の構成は、実施形態1と同様である。本形態の二次電池1の構成を、図3〜図4に示した。図3では二次電池1を斜視図で、図4では図3中のIV−IV断面における断面図で、それぞれ構成を示した。
本形態のリチウムイオン二次電池1は、負極2及び正極3をラミネートケースよりなる電池ケース6に収容(詳しくは、封入)してなる。なお、本形態で特に限定されない構成は、実施形態1と同様とする。
負極2は、略方形状の負極集電体20の表面(詳しくは、両面)に、負極活物質層21を形成してなる。負極2は、方形状の1辺に、負極集電体20が露出した(あるいは、負極活物質層21が形成されない)未塗布部22を有する。
負極2は、負極活物質層21が、正極3の正極活物質層31よりも広く形成される。負極2の負極活物質層21を正極活物質層31に重ねたときに、正極活物質層31を露出することなく完全に被覆できる大きさに形成されている。
正極3は、略方形状の正極集電体30の表面(詳しくは、両面)に、正極活物質層31を形成してなる。正極3は、方形状の1辺に、正極集電体30が露出した(正極活物質層31が形成されない)未塗布部32を有する。
負極2及び正極3は、セパレータ5を介して積層した状態で、非水電解質4とともにラミネートフィルムから形成される電池ケース6に収容(詳しくは、封入)される。
セパレータ5は、負極活物質層21よりも広い面積で形成される。
負極2及び正極3は、セパレータ5を介した状態で、正極活物質層31と負極活物質層21との中心が重なる状態で積層される。このとき、正極3の未塗布部32と、負極2の未塗布部22と、が反対方向(詳しくは、互いに背向する方向)に配される。
(電池ケース)
電池ケース6は、ラミネートフィルム60から形成される。ラミネートフィルムは、可塑性樹脂層601/金属箔602/可塑性樹脂層603をこの順で含む。電池ケース6は、予め所定の形状に曲成されたラミネートフィルム60を、熱や何らかの溶媒により可塑性樹脂層601,603を軟化させた状態で別のラミネートフィルムなどに押圧することにより接着される。
電池ケース6は、負極2及び正極3を収容可能な形状に予め成形(例えば、エンボス加工)されたラミネートフィルム60を重ね合わせ、外周の端縁部を全周にわたって接着して、負極2及び正極3を内部に封入して形成される。外周の接着により、封止部が形成される。本形態での外周の接着は、融着でなされた。
電池ケース6は、ラミネートフィルム60に、別のラミネートフィルム60を重ね合わせて形成される。ここで、別のラミネートフィルム60とは、接着(詳しくは、融着)されるラミネートフィルムを示すものである。すなわち、電池ケース6は、2枚以上のラミネートフィルム60から形成する態様だけでなく、1枚のラミネートフィルムを折り返して形成する態様も含む。
電池ケース6の外周の接着(あるいは、組み立て)は、減圧雰囲気下(好ましくは真空)で行われる。これにより、電池ケース6内に大気(及びそれに含まれる水分)が含まれることなく、電極体のみが封入される。
予め成形されたラミネートフィルム60は、図3〜図4に示したように、重ね合わされたときに別のラミネートフィルム60との間で封止部62を形成する平板部61と、平板部61の中央部に形成された負極2及び正極3を収容可能な槽状部63と、を有する。
ラミネートフィルム60,60は、図3〜図4に示したように、負極2及び正極3を収容可能な凹字状をなすように曲成(あるいは、成形)されている。ラミネートフィルム60,60は、同一形状をなし、互いに対向した向きで重ね合わせたときに、平板部61,61が完全に重なり合う。
ラミネートフィルム60は、平板部61及び槽状部63の底部63A(詳しくは、リチウムイオン二次電池1の積層方向の端部を形成する部分)が平行に形成されている。平板部61と槽状部63の底部63Aとは、立設部63Bにより接続されている。立設部63Bは、平板部61及び底部63Aの平行な方向に対して交差する方向(詳しくは、傾斜した方向)に伸びている。底部63Aは、槽状部63の開口部(詳しくは、平板部61の内方の端部)よりも小さく形成されている。
電池ケース6において、平板部61,61の周縁部に封止部62が形成され、封止部62の内方(詳しくは、電極体に近接する方向)には、平板部61,61が重なり合った未接着の部分が形成されている。平板部61,61が重なり合った未接着の部分は、当接した状態であっても、隙間を形成した状態であっても、いずれでもよい。さらに、負極2及び正極3の未塗布部22,32やセパレータ5が介在していてもよい。
ラミネートフィルム60,60は、図3〜図4に示された形状に予め成形されている。この形状への成形は、従来公知の成形方法が用いられる。
二次電池1は、負極2と正極3のそれぞれが、電極端子(詳しくは、負極端子65、正極端子66)に接続される。
(電極端子)
負極端子65は、負極2の未塗布部22に電気的に接続されている。正極端子66は、正極3の未塗布部32に電気的に接続されている。本形態では、電極端子65,66のそれぞれには、電極2,3の未塗布部22,32が溶接(振動溶接)で接合されている。電極2,3の未塗布部22,32の幅方向の中央部が、電極端子65,66に接合される。
電極端子65,66のそれぞれは、電池ケース6を貫通する部分では、ラミネートフィルム60,60の可塑性樹脂層601と電極端子65,66とが密封状態を保つように、シーラント64を介して接合されている。
電極端子65,66はシート状(箔状)の金属よりなり、シーラント64は、シート状の電極端子65,66を被覆する樹脂よりなる。シーラント64は、電極端子65,66が平板部61と重なる部分を被覆する。電極端子65,66がシート状をなすことで、電池ケース6を貫通する部分で電極端子65,66が介在することによるラミネートフィルム60の変形の応力を低減できる。また、電極2,3の未塗布部22,32との溶接(振動溶接)を簡単に行うことができる。
[効果]
本形態の二次電池1は、形状が異なること以外は、実施形態1と同様な構成であり、実施形態1と同様な効果を発揮する。
本形態では、ラミネート型の二次電池1に適用しているが、この形態に限定されるものではない。例えば、本形態のラミネート型の不定形の二次電池1以外に、コイン型,円筒型,角型等、種々の形状の電池とすることができる。
本形態の二次電池1では、正極3と負極2を積層した状態で、積層方向の両端面に正極活物質層31と負極活物質層21が形成されているが、この端面の各活物質層21,31は形成されていなくてもよい。
[変形形態]
上記の各形態では、本発明を負極2に適用した構成を示したが、リチウムイオン二次電池用正極に適用した構成でもよい。あるいは、負極と正極の両極に適用しても良い。
その場合、上記した効果と同様な効果を発揮できる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
本発明を具体的に説明するための実施例及び比較例として、実施形態2のラミネート型のリチウムイオン二次電池1及び負極2を試験例として製造した。なお、これらの製造はドライボックス中で乾燥雰囲気下で行われた。
(試験例1)
まず、負極活物質としての天然黒鉛、有機繊維としてのセルロース繊維、導電性短繊維としてのカーボンナノチューブ(略称:CNT)、別の結着剤としてのSBRを準備する。セルロース繊維は、繊維径:10nm、繊維長:10μmの繊維である。CNTは、繊維径:10nm、繊維長:1μmの短繊維である。CNTは、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の10%となっている。セルロース繊維及びCNTは、分散媒に分散した分散液の状態である。
そして、負極活物質99.3質量部に対し、被膜原料としてのセルロース繊維を固形分換算で0.1質量部を、分散媒としての水とともに混合し、プラネタリーミキサーで十分に固練りする(図2のステップS1に相当する工程)。水は、得られた混練物の固形分が80mass%となるように添加した。被膜原料のセルロース繊維には、有機繊維のセルロース繊維と同じセルロース繊維が用いられた。この工程により、負極活物質の表面に均一な有機被膜が形成される。
次に、得られた混練物に、有機繊維としてのセルロース繊維を固形分換算で0.1質量部を添加し、十分に混練する(図2のステップS2に相当する工程)。
続いて、SBR0.4質量部を添加し、十分に混練する。得られた混練物は、固形分が50mass%となった(図2のステップS3に相当する工程)。
その後、CNT0.2質量部を添加し、十分に混練する。得られた混練物は、固形分が48mass%となった(図2のステップS4に相当する工程)。
以上により、負極合材が製造された。得られた負極合材の降伏応力を測定したところ、2.08Paであった。なお、降伏応力は、円すい−平板形回転粘度計を用いて測定できる。詳しくは、この回転粘度計において、せん断速度500[1/s]から十分速度が遅い0.1[1/s]に低下させた際の、0.1[1/s]における回転軸にかかる応力をせん断応力とする。この降伏応力が2.00Pa以上となることで、負極合材としての塗工性が良好となる。
そして、得られた負極合材を負極集電体20の表面に塗布した(図2のステップS5に相当する工程)。そして、乾燥して負極活物質層21を有する負極2が製造された(図2のステップS6に相当する工程)。
正極活物質としてのLiFePO:85質量部,導電材(詳しくは、アセチレンブラック/AB):10質量部,バインダ(詳しくは、PVDF):5質量部を溶媒に混合して正極合材を得た(図2のステップS7に相当する工程)。得られた正極合材をアルミニウム箔よりなる正極集電体30に塗布した(図2のステップS8に相当する工程)。そして、乾燥して正極活物質層31を形成して正極3を製造した(図2のステップS9に相当する工程)。
セパレータ5には、ポリエチレンよりなる厚さ0.016mmの多孔質膜を用いた。
非水電解質4には、EC:DMC:EMCが30:30:40の割合(vol%)になるように混合した混合溶媒に、LiPFを1mol%となるように溶解させたものを用いた。
製造された負極2、正極3、非水電解質4及びセパレータ5をラミネート型の電池ケース6に封入して二次電池1が組み立てられた(図2のステップS10に相当する工程)。
二次電池1は、各要素が組み付けられた後、0.2C(3.3V)でCC充電を行い、0.2C(2.6V)でCC放電を行い、電池ケース6内のガス抜きを行う(一次ガス抜き)。その後、40℃で1日保持してエージングを行い、再度ガス抜きを行う(二次ガス抜き)。組み付け後の各工程は、二次電池1の外部を積層方向に0.1MPaで加圧した状態(圧縮状態)で行う。エージングは、上記の製造方法での被膜生成処理に相当する。エージングは、二次電池1の電圧を4.2V,4.1V,4V,3.6Vの各電圧とした状態で保持することで行う。なお、特に言及しない場合は、4.2Vでエージング処理を行う。
二次ガス抜き後に、電池ケース6を本封止して、二次電池1が得られた。
(試験例2)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:8nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の125%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
被膜原料のセルロース繊維には、有機繊維のセルロース繊維と同じセルロース繊維が用いられた。このことは、以下の各例でも同様である。
なお、負極合材の降伏応力は、2.20Paであった。
(試験例3)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:20nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の50%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.02Paであった。
(試験例4)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:5μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の20%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.04Paであった。
(試験例5)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:20μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の5%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.15Paであった。
(試験例6)
本例は、セルロース繊維に替えて、CMCを用いたこと以外は、試験例1と同様な例である。なお、本例では、被膜原料のセルロース繊維に替えて、CMCが用いられた。
なお、負極合材の降伏応力は、2.09Paであった。
(試験例7)
本例は、CNTを用いないこと以外は、試験例1と同様な例である。
なお、負極合材の降伏応力は、2.27Paであった。
(試験例8)
本例は、プラネタリーミキサーでの固練りを行わなかったこと以外は、試験例1と同様な例である。すなわち、本例は、負極活物質表面に有機被膜が形成されていないこと以外は、試験例1と同様な例である。
なお、負極合材の降伏応力は、2.03Paであった。
(試験例9)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:5nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の200%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.91Paであった。
(試験例10)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:50nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の20%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、1.82Paであった。
(試験例11)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:0.1μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の1000%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、1.83Paであった。
(試験例12)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:50μmの繊維であること以外は、試験例1と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の10%、繊維長がセルロース繊維の2%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、3.19Paであった。
(試験例13)
本例は、有機被膜を、セルロース繊維に替えてCMCで形成したこと以外は、試験例1と同様な例である。本例では、有機被膜をCMCにより形成しているが、有機繊維としてのセルロース繊維は試験例1と同様である。このことは、以下の各例でも同様である。
なお、負極合材の降伏応力は、2.05Paであった。
(試験例14)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:8nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の125%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.19Paであった。
(試験例15)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:20nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の50%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.03Paであった。
(試験例16)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:5μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の20%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.03Paであった。
(試験例17)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:20μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の5%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.14Paであった。
(試験例18)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:5nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の200%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.81Paであった。
(試験例19)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:50nm、繊維長:10μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の20%、繊維長がセルロース繊維の10%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、1.74Paであった。
(試験例20)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:0.1μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の100%、繊維長がセルロース繊維の1000%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、1.79Paであった。
(試験例21)
本例は、セルロース繊維が、繊維径:10nm、繊維長:50μmの繊維であること以外は、試験例13と同様な例である。本例では、CNTが、繊維径がセルロース繊維の10%、繊維長がセルロース繊維の2%の短繊維となっている。
なお、負極合材の降伏応力は、2.92Paであった。
[評価]
以下、各試験例の評価として初期入力抵抗、常温での容量維持率、高温での容量維持率を測定した。
(初期入力抵抗)
各例の二次電池1に対して、初期入力抵抗を算出した。
具体的には、定電流定電圧(CC−CV)充電によって各例のリチウムイオン二次電池をSOC50%の充電状態に調整した。その後、25℃において、4Cの電流値で20秒間の放電を行い、放電開始から20秒後の電圧降下量から初期入力抵抗を算出した。そして、試験例1の二次電池1の初期入力抵抗値を100%とした場合の比(初期入力抵抗値比)を求め、表1に示した。
(常温での容量維持率)
各例の二次電池1をCC−CV充電により満充電した後、25℃で4週間保存した。
保存後の各例の試験セルに対して、1Cレートで4.5VのCC−CV充電と、1Cレートで3.0VのCC放電と、を1000サイクル繰り返す充放電試験を行った。
そして、充放電試験の初回と1000サイクル後の試験セルの電池容量を0.1Cのレートで測定した。(1000サイクル後の容量)/(初回の容量)で表される容量維持率を求めた。得られた容量維持率は、試験例1の容量維持率を100%とした場合の比(常温耐久後容量維持率比)として表1に合わせて示した。
(高温での容量維持率)
各例の二次電池1をCC−CV充電により満充電した後、60℃で4週間保存した。
保存後の各例の試験セルに対して、1Cレートで4.5VのCC−CV充電と、1Cレートで3.0VのCC放電と、を100サイクル繰り返す充放電試験を行った。
そして、充放電試験の初回と100サイクル後の試験セルの電池容量を0.1Cのレートで測定した。(100サイクル後の容量)/(初回の容量)で表される容量維持率を求めた。得られた容量維持率は、試験例1の容量維持率を100%とした場合の比(高温保存後容量維持率比)として表1に合わせて示した。
Figure 0006766467
(試験例1と試験例6の比較)
試験例1と試験例6とを比較する。試験例6は比較例に該当する。
試験例1は、試験例6に対して初期入力抵抗値比が大幅に減少している。詳しくは、負極2の結着剤をCMC(試験例6)からセルロース繊維+CNT(試験例1)に変更することで、その添加量を0.3質量部低減できる。その結果、電池容量を持たない結着剤の使用量を少なくすることができ、結着剤に由来する内部抵抗を低減できることが確認できる。
また、常温耐久後容量維持率比を比較すると、試験例1は、試験例6に対して容量維持率比が大幅に向上している。すなわち、結着剤をCMC(試験例6)からセルロース繊維+CNT(試験例1)に変更することで、常温耐久性が向上することが確認できる。このことは、試験例1では負極2においてセルロース繊維とCNTとが絡み合った状態で複合化し、CNTによる導電パスの維持性が向上したと考えられる。
(試験例1と試験例7の比較)
試験例1と試験例7とを比較する。試験例7は比較例に該当する。
試験例1は、試験例7に対して初期入力抵抗値比が小さくなっている。詳しくは、試験例7では、負極2の結着剤がセルロース繊維のみとなっている。対して、試験例1ではCNTを混合している。この結果、試験例1では、試験例7に対してセルロース繊維の添加量を0.1質量部低減できる。その結果、電池容量を持たない結着剤(セルロース繊維)の使用量を少なくすることができ、結着剤に由来する内部抵抗を低減できることが確認できる。
また、常温耐久後容量維持率比を比較すると、試験例1は、試験例7に対して大幅に向上している。すなわち、結着剤をセルロース繊維のみ(試験例7)からセルロース繊維+CNT(試験例1)に変更することで、二次電池1の常温耐久性も向上することが確認できる。このことは、試験例1では負極2においてセルロース繊維とCNTとが絡み合った状態で複合化し、CNTによる導電パスの維持性が向上したと考えられる。
(試験例1と試験例8の比較)
試験例1と試験例8とを比較する。
試験例1と試験例8とでは、常温耐久後容量維持率比と高温保存後容量維持率比とが、試験例1と同等程度となっている。つまり、同等程度の電池特性を発揮できる。
試験例1は、固練り工程(図2のステップS1に相当する工程)を施して負極活物質の表面に有機被膜を生成している。この工程を施すことで、負極活物質表面にセルロース繊維を優先的に配置(吸着)させることができる。その結果、セルロース繊維の添加量を0.3質量部低減することができ、初期入力抵抗値比を低減できる。
(試験例1〜試験例3、試験例13〜試験例15の比較)
まず、試験例1〜試験例3を比較する。
試験例1〜試験例3を比較すると、いずれの例においても優れた電池特性を発揮していることが確認できる。すなわち、セルロース繊維の繊維径を8〜20nmで変化させても、優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
次に、試験例13〜試験例15を比較する。
試験例13〜試験例15においても、上記の試験例1〜3と同様の効果が確認できる。 すなわち、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、いずれの試験例においても優れた電池特性を発揮していることが確認できる。
すなわち、セルロース繊維とCNTを有する結着剤は、有機被膜の材質によらず、効果を発揮できる。その上で、セルロース繊維の繊維径を8〜20nmで変化させても、優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例1と試験例4〜試験例5の比較)
試験例1と試験例4〜試験例5を比較する。
試験例1と試験例4〜試験例5を比較すると、いずれの例においても優れた電池特性を発揮していることが確認できる。すなわち、セルロース繊維の繊維長を5〜20μmで変化させても、優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例13と試験例16〜試験例17の比較)
試験例13と試験例16〜試験例17を比較する。
試験例13と試験例16〜試験例17を比較すると、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、いずれの例においても優れた電池特性を発揮していることが確認できる。すなわち、有機被膜の材質によらず、セルロース繊維の繊維長を5〜20μmで変化させても、優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例1と試験例9の比較)
試験例1と試験例9とを比較する。
試験例1と試験例9とでは、常温耐久後容量維持率比が試験例9で減少している。試験例9は試験例1と比較してセルロース繊維の繊維径が5nmと大幅に小さくなっている。このため、負極合材の降伏応力が2.91Paと過剰に大きくなっている。このことから、負極合材における結着剤(セルロース繊維とCNT)の分散性が低下し、特にCNTの分散性が低下したことにより、常温耐久後容量維持率比が減少したと推測できる。
(試験例13と試験例18の比較)
試験例13と試験例18とを比較する。
試験例13と試験例18を比較すると、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、上記の試験例1と試験例9の比較と同様な結果が確認できる。
(試験例1と試験例10の比較)
試験例1と試験例10とを比較する。
試験例1と試験例10とでは、常温耐久後容量維持率比が試験例10で減少している。試験例10は試験例1と比較してセルロース繊維の繊維径が50nmと過剰に大きくなっている。このため、負極合材の降伏応力が1.82Paと大幅に小さくなっている。つまり、負極合材の流動性が増加し、負極集電体20への塗布性(塗工性)が低下していた。この結果、負極合材において結着剤のセルロース繊維とCNTとの分散性が低下し、均一に絡み合う構成が得られなくなったと推測できる。
この結果、セルロースの繊維径が所定の範囲となることで、より優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例13と試験例19の比較)
試験例13と試験例19とを比較する。
試験例13と試験例19を比較すると、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、上記の試験例1と試験例10の比較と同様な結果が確認できる。
この結果、有機被膜の材質によらず、セルロースの繊維径が所定の範囲となることで、より優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例1と試験例11の比較)
試験例1と試験例11とを比較する。
試験例1と試験例11とでは、常温耐久後容量維持率比が試験例11で減少している。試験例11は試験例1と比較してセルロース繊維の繊維長が0.1μmと大幅に短くなっている。このため、負極合材の降伏応力が1.83Paと大幅に小さくなっている。つまり、負極合材の流動性が増加し、負極集電体20への塗布性(塗工性)が低下していた。この結果、負極合材において結着剤のセルロース繊維とCNTとの分散性が低下し、均一に絡み合う構成が得られなくなったと推測できる。
また、試験例11では、セルロース繊維の繊維長がCNTよりも短くなっている。このことも、セルロース繊維とCNTとが均一に絡み合う構成が得られなくなった。
(試験例13と試験例20の比較)
試験例13と試験例20とを比較する。
試験例13と試験例20を比較すると、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、上記の試験例1と試験例11の比較と同様な結果が確認できる。
(試験例1と試験例12の比較)
試験例1と試験例12とを比較する。
試験例1と試験例12とでは、常温耐久後容量維持率比が試験例12で減少している。試験例12は試験例1と比較してセルロース繊維の繊維長が50μmと過剰に長くなっている。このため、負極合材の降伏応力が3.19Paと過剰に大きくなっている。このことから、負極合材における結着剤(セルロース繊維とCNT)の分散性が低下し、特にCNTの分散性が低下したことにより、常温耐久後容量維持率比が減少したと推測できる。
この結果、有機被膜の材質によらず、セルロースの繊維長が所定の範囲となることで、より優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
(試験例13と試験例21の比較)
試験例13と試験例21とを比較する。
試験例13と試験例21を比較すると、有機被膜をセルロース繊維に替えてCMCとしても、上記の試験例1と試験例12の比較と同様な結果が確認できる。
この結果、有機被膜の材質によらず、セルロースの繊維長が所定の範囲となることで、より優れた特性の二次電池1となることが確認できる。
1:リチウムイオン二次電池
2:負極 20:負極集電体 21:負極活物質層
3:正極 30:正極集電体 31:正極活物質層
4:非水電解質
5:セパレータ
6:電池ケース
60:ラミネートフィルム 61:平板部 62:封止部
63:槽状部 64:シーラント 65:正極端子
66:負極端子

Claims (9)

  1. 電極集電体(20)と、
    電極活物質粒子と、該電極活物質粒子を結着する結着剤と、を有し、該電極集電体の表面にもうけられた電極活物質層(21)と、
    を備えた非水電解質二次電池用電極(2)であって、
    該結着剤が、有機繊維と、該有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維と、を有し、
    前記有機繊維が、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmのセルロース繊維であり、
    前記導電性短繊維が、繊維径:該セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:該セルロース繊維の繊維長の5〜20%のカーボンナノチューブである非水電解質二次電池用電極(2)。
  2. 前記セルロース繊維の含有質量が、前記カーボンナノチューブの含有質量より多い請求項1記載の非水電解質二次電池用電極。
  3. 前記電極活物質粒子は、表面を被覆する有機被膜を備え、該有機被膜の表面に前記有機繊維及び前記導電性短繊維が位置する請求項1〜2のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  4. 非水電解質二次電池用負極である請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  5. 負極活物質として炭素質材料粒子を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用電極を有する非水電解質二次電池(1)。
  7. 電極活物質粒子を被膜原料とともに混練して、該電極活物質粒子の表面に有機被膜を形成し、
    該有機被膜を形成した該電極活物質粒子と、有機繊維と該有機繊維より繊維長が短い導電性短繊維とを備えた結着剤とを混合してペースト状の電極合材を調製する非水電解質二次電池用電極の製造方法であって、
    該有機繊維は、繊維径:8〜20nm、繊維長:5〜20μmのセルロース繊維であり、
    該導電性短繊維は、繊維径:該セルロース繊維の繊維径の50〜125%、繊維長:該セルロース繊維の繊維長の5〜20%であるカーボンナノチューブである非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  8. 前記電極合材の調製は、
    該有機被膜を形成した該電極活物質粒子と、前記有機繊維とを混合し、
    該有機繊維を混合した後に、前記導電性短繊維を混合する請求項7記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
  9. 前記有機繊維を混合し、前記導電性短繊維を混合するまでの間に、更に別の結着剤を添加する請求項8記載の非水電解質二次電池用電極の製造方法。
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