JPWO2011040546A1 - 糸巻取装置 - Google Patents

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Abstract

糸貯留部から解舒された紡績糸のバルーンの広りを抑制するとともに、当該紡績糸の毛羽を寝かせる。糸貯留ドラム27の上端部は、上端側の部分ほどその径が小さい円曲面形状となった曲面部65となっており、曲面部65上には環状部材66が配置されている。環状部材66は、ゴムなどの弾性材料からなり、外周と内周との半径の差が厚みよりも大きい薄板状の環状部材であって、その内周側端部が、曲面部65に沿って弾性変形されることで、その全周にわたって曲面部65と面接触している。糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yは、曲面部65と環状部材66との間に通された上で巻取部に向けて送られており、これにより、曲面部65と環状部材66とに挟まれている。

Description

本発明は、糸巻取装置に関する。
特許文献1には、給糸ボビンから糸を解舒する給糸部、解舒された糸をパッケージとして巻き取る巻取部、給糸部と巻取部との間に配置されており、糸切れが生じたとき、糸欠点が検出されたとき、給糸ボビンの糸がなくなったときなどに糸継を行う糸継部、糸継部と巻取部との間に配置された、糸を貯留するための空間(Vessel)を備えた糸巻取装置が記載されている。
そして、この巻取装置においては、給糸ボビンから解舒された糸が一旦糸貯留部の上記空間に貯留され、巻取部は当該空間に貯留された糸を引き出してパッケージに巻き取っており、これにより、糸継部により糸継を行っている間も、巻取部による糸の巻取を継続することができる。
米国特許公開3314621号公報
しかしながら、特許文献1に記載の糸巻取装置では、上記空間内で貯留されている糸が絡まってしまう虞がある。そこで、本発明の発明者は、糸を貯留するための上記空間の代わりに、給糸ボビンから解舒された糸を巻き付けることによって糸を貯留する糸貯留部を設け、糸貯留部に巻き付けられた糸を解舒して、巻取部においてパッケージに巻き取ることを考えた。
しかしながら、この場合には、糸貯留部から糸を解舒する際に糸が膨らんでバルーンが発生し、このバルーンが大きく広がってしまうと、糸の張力が変動したり、糸巻取装置のいずれかの部分に糸が接触して何らかの問題が発生したりする虞がある。
また、上述したように給糸ボビンから解舒された糸を別のパッケージとして巻き取る場合には、糸をパッケージに巻き取る前に、糸の毛羽が寝かされていることが好ましい。さらには、糸は綾振りされつつ巻き取られるが、綾振りが確実に行われるためには、巻取時に糸に張力が付与されていることが好ましい。
本発明の目的は、糸貯留部からの糸の解舒時に発生するバルーンが大きく広がってしまうのを防止することが可能な糸巻取装置を提供することである。
第1の発明に係る糸巻取装置は、給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、この紡績糸をパッケージとして巻き取る巻取部と、前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、紡績糸を巻き取って貯留する糸貯留部と、前記糸貯留部から前記巻取部側に解舒される紡績糸に接触してバルーンを規制するバルーン規制部と、を備えていることを特徴とする。
本発明によると、糸貯留部から解舒されて巻取部側に送られる紡績糸は、バルーン規制部に接触することによりバルーンが規制されるため、バルーンの広がりにより、解舒テンションが大きくなることを防ぐことができる。
第2の発明に係る糸巻取装置は、第1の発明に係る糸巻取装置において、前記バルーン規制部は、紡績糸が前記糸貯留部から前記巻取部側に解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸に接触することによって、当該紡績糸に抵抗を付与することを特徴とする。
本発明によると、糸貯留部から紡績糸が解舒される際に発生するバルーンが大きく広がってしまうのを抑制することができ、バルーンが広がって機台本体など他の部材に接触してしまうのを防止することができる。
第3の発明に係る糸巻取装置は、第2の発明に係る糸巻取装置において、前前記バルーン規制部が、前記糸貯留部から解舒される紡績糸を取り囲むように配置された環状部材によって構成されていることを特徴とする。
本発明によると、バルーン規制部が、糸貯留部から解舒されて巻取部に送られる紡績糸を取り囲むように配置された環状部材によって構成されているので、上記バルーンの広がりを確実に抑制することができる。
第4の発明に係る糸巻取装置は、第3の発明に係る糸巻取装置において、前記環状部材が、弾性材料によって構成されているとともに、前記糸貯留部に接触するように配置されており、前記糸貯留部から解舒される紡績糸が、前記環状部材と前記糸貯留部とに挟まれていることを特徴とする。
本発明によると、糸貯留部から解舒される紡績糸が、弾性材料からなる環状部材と糸貯留部とに挟まれているため、糸貯留部から解舒されて巻取部に送られる紡績糸の毛羽を寝かせることができるとともに、当該紡績糸に張力を付与することができる。
第5の発明に係る糸巻取装置は、第4の発明に係る糸巻取装置において、前記環状部材がゴム材料によって構成されていることを特徴とする。
本発明によると、環状部材が弾性変形させやすいゴム材料からなるため、環状部材の取り付け、交換などを容易に行うことができる。
第6の発明に係る糸巻取装置は、第4又は第5の発明に係る糸巻取装置において、前記環状部材が、弾性変形された状態で前記糸貯留部に接触していることにより、少なくともその一部分が、全周にわたって前記糸貯留部と面接触していることを特徴とする。
本発明によると、環状部材が、弾性変形された状態で糸貯留部に接触していることにより、少なくともその一部分が、全周にわたって糸貯留部と面接触しているため、環状部材と糸貯留部とに挟まれる紡績糸の毛羽を確実に寝かせることができる。
第7の発明に係る糸巻取装置は、第6の発明に係る糸巻取装置において、前記糸貯留部の紡績糸の解舒側の端部が、前記糸貯留部から前記巻取部側に向かうにつれ、その中心に向けて縮小する円曲面を有する円曲面形状になっており、前記環状部材が、外周と内周の半径の差が、厚みよりも大きい環状部材であって、外周と内周との間の部分が、前記糸貯留部の円曲面状となった部分に沿うように弾性変形されていることで、前記糸貯留部の円曲面状となった部分に面接触していることを特徴とする。
本発明によると、糸貯留部の紡績糸の解舒側の端部が円曲面形状になっており、環状部材が、外周と内周の半径の差が、厚みよりも大きい環状部材であって、外周と内周との間の部分が、糸貯留部の円曲面形状となった部分に沿うように弾性変形されていることで、糸貯留部に面接触しているため、環状部材と糸貯留部とが面接触する部分の面積が大きくなる。したがって、糸貯留部から解舒される紡績糸の毛羽を確実に寝かせることができる。
第8の発明に係る糸巻取装置は、第5の発明に係る糸巻取装置において、前記糸貯留部は、回転することによって紡績糸を巻き取って貯留する回転貯留ドラムを備えており、前記環状部材は、前記回転貯留ドラムよりも径の小さいものであって、引き伸ばされた状態で前記回転貯留ドラムに巻かれていることを特徴とする。
本発明によると、回転貯留ドラムよりも径の小さい、ゴム材料からなる環状部材が引き伸ばされた状態で回転貯留ドラムに巻かれているため、回転貯留ドラムと環状部材とが一体的に回転する。これにより、回転貯留ドラムと環状部材とが擦れて、環状部材が磨耗してしまうのを防止することができる。
第9の発明に係る糸巻取装置は、第8の発明に係る糸巻取装置において、前記回転貯留ドラムの、前記環状部材が巻かれている部分よりも紡績糸の解舒側の部分に、前記解舒側ほどその径が大きくなった拡大部が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、環状部材が拡大部に引っかかることにより、環状部材が、解舒される紡績糸に引っ張られて回転貯留ドラムから抜け落ちてしまうのを防止することができる。
第10の発明に係る糸巻取装置は、第3の発明に係る糸巻取装置において、前記環状部材が、前記糸貯留部から離隔した位置で、前記糸貯留部から解舒されて前記巻取部に送られる紡績糸を取り囲むように配置されていることを特徴とする。
本発明によると、環状部材が、糸貯留部から離隔した位置に配置されているため、糸掛け時に環状部材と糸貯留部の間に紡績糸を通しやすく、また、環状部材と糸貯留部との間に紡績糸の風綿がたまりにくい。
第11の発明に係る糸巻取装置は、第10の発明に係る糸巻取装置において、前記環状部材が、前記巻取部側の部分ほどその径が小さくなった中空三角錐形状となっていることを特徴とする。
本発明によると、環状部材が中空三角錐形状となっているため、上記バルーンの広がりを確実に抑制することができる。
第12の発明に係る糸巻取装置は、第1〜第11のいずれかの発明に係る糸巻取装置において、前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、紡績糸の糸継を行う糸継部と、前記巻取部による巻取動作、及び、前記糸継部による糸継動作を制御する制御部とをさらに備え、前記制御部は、前記糸継部による糸継と、前記巻取部による紡績糸の巻取と、同時に行うように制御することを特徴とする。
本発明によると、巻取部への紡績糸の巻取を全く中断することなく糸継を行うことができる。
第13の発明に係る糸巻取装置は、第1〜第12のいずれかの発明に係る糸巻取装置において、前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられていることを特徴とする。
本発明によると、給糸ボビンと巻取部との間に糸貯留部を配置して糸のテンション伝達を遮断する事により、給糸ボビンの解舒テンション部分に巻取部のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに給糸ボビンに解舒補助装置を取り付けることにより、給糸ボビンからの糸解舒を安定して行うことが出来るので、糸切れを防止しさらに給糸ボビンからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンからの解舒効率を向上させることができる。
本発明によれば、糸貯留部から解舒されて巻取部側に送られる紡績糸は、バルーン規制部に接触することによりバルーンが規制されるため、バルーンの広がりにより、解舒テンションが大きくなることを防ぐことができる。
巻取ユニットの正面図 アキュムレータの正面図 (a)が糸貯留ドラムに設けられた環状部材の平面図、(b)が弾性変形させる前の状態での、環状部材の軸方向断面図、(c)が弾性変形させた状態での、環状部材の軸方向断面図 巻取ユニットの電気的構成を示す図 アキュムレータの外周上における紡績糸の挙動を示す図 紡績糸の引き出し開始時を示す図 紡績糸の引き出し完了時を示す図 紡績糸の糸欠点の引き出しを示す図 通常巻取時における制御フロー 糸切れ時における制御フロー 糸欠乏を防止するための制御フロー 糸切断時における制御フロー ボビンチェンジ時における制御フロー 変形例1の図2相当の図 変形例2の図2相当の図 変形例3の図2相当の図 変形例4の図2相当の図 変形例5の図2相当の図
<第一実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本願発明の第一実施形態に係る糸巻取装置について説明する。オートワインダ1は、図1に示す巻取ユニット2(糸巻取装置)を紙面左右方向に例えば60錘など多数で並べて構成されている。
各巻取ユニット2は、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して供給する給糸部3と、この給糸部3から供給される紡績糸Yの糸欠点を検出可能なヤーンクリアラ4と、この紡績糸YをパッケージPとして巻き取る巻取部5と、給糸部3と巻取部5の間に設けられ、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時に、給糸部3側の紡績糸Yと巻取部5側の紡績糸Yを糸継ぎする糸継部6と、を主たる構成として備えている。そして、各巻取ユニット2には、糸継部6と巻取部5の間に、糸継部6による糸継ぎの際も巻取部5による紡績糸Yの巻き取りを継続できるように、糸継部6による糸継ぎの間に巻取部5で巻き取られる糸量以上で紡績糸Yを貯留可能なアキュムレータ7(糸貯留部)が設けられている。図1には、巻取ユニット2の上記各構成部品を支持するフレーム8が示され、このフレーム8には、各構成物品を制御するための制御部9(図4も併せて参照。)が収容されている。
上記の給糸部3は、図示しないマガジンから給糸ボビンBを受け取り、この給糸ボビンBを好適な姿勢で支持するペグ10と、給糸ボビンBからの紡績糸Yの解舒を補助する糸解舒補助装置11と、糸解舒補助装置11と糸継部6との間における紡績糸Yの存在を検出するためのヤーンフィーラ12と、から構成されている。このヤーンフィーラ12は、上記の制御部9と電気的に接続されており、紡績糸Yを検出できないとき、制御部9へ空ボビン信号を送信するようになっている。
上記のヤーンクリアラ4は、紡績糸Yのスラブや異物などの糸欠点を検出するものであって、紡績糸Yの質量を基準値と比較することで糸欠点を検出する静電容量式と、紡績糸Yの直径を基準値と比較することで糸欠点を検出する光電式と、の何れかを選択できる。このヤーンクリアラ4は、上記静電容量式又は光電式による検出結果(例えば出力電圧値など)に基づいて紡績糸Yの糸欠点の長さと太さを演算する糸欠点演算部4bを備える。そして、ヤーンクリアラ4には紡績糸Yを切断するためのカッター4aが付設されている。カッター4aはヤーンクリアラ4から糸切断信号を受信すると直ちに紡績糸Yを切断する。この構成で、紡績糸Yの糸欠点をヤーンクリアラ4が検出すると、糸欠点演算部4bは、この糸欠点が続いている長さを積算し始めると共に、この糸欠点の太さを演算して取得する。ヤーンクリアラ4は、糸欠点演算部4bの演算結果(糸欠点の長さ及び太さ)を種々の観点から総合的に評価し、別途オペレータが設定した評価基準範囲から上記演算結果が外れたと判断した場合は、カッター4aに糸切断信号を送信することで紡績糸Yを切断すると共に、糸欠点検出信号を制御部9に送信する。この糸欠点検出信号には、糸欠点演算部4bが積算した糸欠点の長さ情報と、糸欠点演算部4bが演算した糸欠点の太さ情報に基づいて判定した糸欠点の種別情報が含まれている。制御部9は、ヤーンクリアラ4から取得した糸欠点の長さ情報と種別情報をRAMに保存する。また、上記のヤーンクリアラ4は、糸欠点演算部4bが演算した糸欠点の太さ情報に基づいて紡績糸Yの糸切れを検出できるように構成されており、ヤーンクリアラ4は、紡績糸Yの糸切れを検出すると制御部9に対して糸切れ信号を送信する。
上記の巻取部5は、巻取ボビンBfを把持するクレードル13と、紡績糸Yをトラバースさせる綾振ドラム14と、を備える。上記のクレードル13は、パッケージPの綾振ドラム14に対する接触状態と非接触状態との間で切り替えられるように揺動自在に構成されており、パッケージPの巻き太りに応じてクレードル13が回動することで、パッケージPと綾振ドラム14との好適な接触状態が得られるようになっている。上記のクレードル13には巻取ボビンBfの回転にブレーキ力を作用させるパッケージブレーキ15(図4参照)が設けられており、綾振ドラム14には綾振ドラム14を回転させる駆動源としての綾振ドラムモータ16(図4参照)が接続されている。これら、パッケージブレーキ15と綾振ドラムモータ16は、図4に示すように制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを自在に増減できるようになっている。
図1に示すように巻取ユニット2には更に、糸端引出機構Wが設けられている。この糸端引出機構Wは、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時に、換言すれば糸継部6による糸継ぎが必要となった際に、アキュムレータ7に巻き込まれた紡績糸Yの糸端を糸継部6側に引き出すものである。詳しくは後述する。
上記の糸継部6は、給糸部3側の紡績糸Yと巻取部5側の紡績糸Yとの糸継ぎ作業を実行する糸継実行部17と、巻取部5側の紡績糸Yを糸端引出機構Wから受け取って糸継実行部17にセットする上側中継ぎパイプ18と、給糸部3側の紡績糸Yを糸継実行部17にセットする下側中継ぎパイプ19と、から構成されている。上記の上側中継ぎパイプ18は、軸18a周りに回動可能に支持され、図2に示す負圧源20から負圧が供給されており、その先端には、紡績糸Yを吸引するための吸引口18bが形成されている。更に、この吸引口18bには、吸引口18bを閉塞することで吸引口18bに吸い込まれた紡績糸Yをクランプする略示のクランプ部18cが設けられている。そして、この上側中継ぎパイプ18を回動させる駆動源としての上パイプモータ21(図4参照)は制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、上側中継ぎパイプ18を自在に回動できるようになっている。同様に、上記の下側中継ぎパイプ19は、軸19a周りに回動可能に支持され、図2に示す負圧源20から負圧が供給されており、その先端には吸引口19bが形成され、この吸引口19bにはクランプ部19cが設けられている。そして、この下側中継ぎパイプ19を回動させる駆動源としての下パイプモータ22(図4参照)は制御部9に電気的に接続されており、もって、制御部9は、下側中継ぎパイプ19を自在に回動できるようになっている。また、糸継実行部17には、糸継ぎを実行するための駆動源としてのスプライサモータ23が設けられており、このスプライサモータ23(図4参照)も制御部9に電気的に接続され、もって、制御部9は、糸継実行部17による糸継ぎ作業を自在に開始できるようになっている。
図1に示すように、ヤーンフィーラ12と糸継部6の間には、紡績糸Yに対して所望の張力を付与するためのゲート式テンサー24が設けられ、アキュムレータ7と巻取部5の間には、紡績糸Yの上流から下流に向かって順に、紡績糸Yに対して所望の張力を付与するためのゲート式テンサー25と、紡績糸Yに対してワックスを塗布するワキシング装置26と、が設けられている。
以上の構成で、給糸ボビンBから解舒された紡績糸Yは、糸解舒補助装置11と、ヤーンフィーラ12と、ゲート式テンサー24と、ヤーンクリアラ4と、を順に経由してアキュムレータ7に貯留されるようになっており、また、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yは、ゲート式テンサー25と、ワキシング装置26と、を順に経由して綾振ドラム14で綾振られながら巻取部5にてパッケージPとして巻き取られるようになっている。そして、上記給糸ボビンBのボビンチェンジ時、ヤーンクリアラ4によって糸欠点が検出されたときに行われる糸切断時又は糸切れ時は、アキュムレータ7から見て給糸部3側の紡績糸Yはアキュムレータ7に一旦巻き込まれ、その後の糸継ぎ時には、前述の糸端引出機構Wによって、アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出されるようになっている。
次に、図2を参照しつつ、アキュムレータ7の構成を詳細に説明する。
本実施形態においてアキュムレータ7は、紡績糸Yが外周上に巻き付けられる糸貯留ドラム27と、内部に紡績糸Yが走行可能な糸経路28を有し、糸貯留ドラム27の軸Cまわりに回転可能であって、この糸貯留ドラム27の外周上に給糸部3側の紡績糸Yを案内するための巻付アーム29と、この巻付アーム29を糸貯留ドラム27の軸Cまわりに回転させる巻付アームモータ30と、を主たる構成として備える。
上記の糸貯留ドラム27は、給糸部3側(図2の下側)の第一端31と、巻取部5側(図2の上側)の第二端32と、を有し、この第一端31から第二端32に向かって外周が先細る筒体として構成され、この糸貯留ドラム27の外周には、軸Cと平行に延びる溝33が周方向において等間隔となるように形成されている。詳しくは、図5(a)に示すように、糸貯留ドラム27の外周のうち第一端31側である下端部34の傾斜αは、上記第二端32側である上端部35の傾斜βと比較して大きく設定されている。具体的には、下端部34の傾斜αは軸Cに対して2〜60°の間で緩やかに変化しており、上端部35の傾斜βは軸Cに対して2°と設定され、下端部34と上端部35は滑らかに接続している。そして、図2に示すように上記の糸貯留ドラム27は巻付アームモータ30の出力軸36の先端(上端)に略示の軸受を介して支持されており、この糸貯留ドラム27の第一端31側に固着した第一マグネット支持体37に貼着したマグネット38と、巻付アームモータ30に設けた第二マグネット支持体39に貼着したマグネット40と、の間の磁気的結合力によって巻付アームモータ30に対する糸貯留ドラム27の回転が規制されるようになっている。
また、第2端32を含む糸貯留ドラム27の上端部(紡績糸Yの解舒側の端部)は、その上端側ほど、その径が小さくなった円曲面形状(巻取部5側に向かうにつれ、その中心に向けて縮小する円曲面を有する円曲面形状)になった曲面部65となっている。曲面部65上には、環状部材66が配置されている。環状部材66は、図3(a)、図3(b)に示すように、内周と外周の半径の差Rが、厚みDよりも大きくなった、ゴムなどの弾性材料からなる薄板状の環状部材である。また、環状部材66は、その外周側端部が略円環状の固定具67に固定されており、図3(c)に示すように、外周側端部が固定具67により下方に押し込まれた状態で、曲面部65上に配置されている。これにより、環状部材66の内周側端部(外周と内周との間の部分)が、曲面部65に沿って弾性変形することで、その全周にわたって曲面部65に面接触している。そして、糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yは、環状部材66と曲面部65との間を通って、巻取部5に向けて送られている。また、固定具67は、図3(c)に示す、環状部材66の外周側端部を下方に押し込んだ位置で、巻取ユニット2の図示しないフレームなどに固定されている。
なお、本実施の形態では、環状部材66の内周側端部のみが曲面部65と接触しているが、固定具67により環状部材66の外周側端部の押し込む量を大きくすることによって、環状部材66の外周と内周との間の部分のうちより広い範囲を曲面部65に面接触させることも可能である。
上記の巻付アーム29は、出力軸36の外周面に連結されており、出力軸36の外周面から径方向外側へ延びる直線部41と、第一マグネット支持体37を迂回して糸貯留ドラム27の下端部34近傍に至る湾曲部42と、から構成されており、湾曲部42の先端には、下端部34と対向する開口43が形成されている。この構成で、巻付アーム29は、前述の第一マグネット支持体37と第二マグネット支持体39との間で、糸貯留ドラム27の軸Cまわりに回転可能となっており、このように巻付アーム29が糸貯留ドラム27の軸Cまわりで平面視で時計回りに回転することで、巻付アーム29の糸経路28内に導かれた給糸部3側の紡績糸Yが糸貯留ドラム27の外周上に巻き付けられるようになっている。更に詳しくは、巻付アーム29の開口43が糸貯留ドラム27の第一端31側の下端部34に対向するようになっていることで、給糸部3側の紡績糸Yは、巻付アーム29によって糸貯留ドラム27の外周上の第一端31側の下端部34に案内され、そこに巻き付けられるようになっている。この巻付アーム29の糸経路28は、上記の出力軸36の内部に形成された流路44と連通している。また、巻付アーム29と出力軸36を挟んで反対側には、出力軸36と一体形成されたバランサー45が設けられている。
巻付アームモータ30は、本実施形態においてDCブラシレスモータであって、制御部9に電気的に接続され、もって、制御部9は、巻付アーム29の回転速度、即ち、糸貯留ドラム27へ巻き付けられる紡績糸Yの糸速としての巻付速度Vbを自在に制御できるようになっている。
この巻付アームモータ30のヤーンクリアラ4側には、出力軸36の流路44と連通する糸流路46と、この糸流路46に開口すると共に巻付アーム29側から上側中継ぎパイプ18側へ向かって傾斜して形成される吹下流路47と、を有する吹下ノズル48が設けられている。そして、吹下流路47には接続パイプ49と接続パイプ50を介して圧力空気源51が接続されており、接続パイプ49と接続パイプ50の間には制御部9に電気的に接続された電磁弁52が設けられている。この構成で、制御部9が電磁弁52を開き圧力空気源51の圧力空気が接続パイプ50と接続パイプ49、吹下流路47を順に経由して糸流路46に吐出されると、巻付アーム29の糸経路28、巻付アームモータ30の出力軸36の流路44、及び、吹下ノズル48の糸流路46には、糸貯留ドラム27側から上側中継ぎパイプ18側へ向かう空気流が形成されるようになっている。本実施形態において、巻付アーム29の上記糸経路28内に前記糸貯留ドラム27側から前記糸継部6側へ向かって流れる空気流を発生させるための空気流発生部Xは、少なくとも、吹下ノズル48と、圧力空気源51と、を含んで構成されている。また、前述の糸端引出機構Wは、上記の巻付アーム29と、空気流発生部Xと、を含んで構成されている。即ち、糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、糸継部6側(給糸部3側)に引き出すようになっている。詳しくは、糸端引出機構Wは、空気流発生部Xによって巻付アーム29内に形成された空気流によって、アキュムレータ7に貯留されている紡績糸Yの糸端を吸い込み、この吸い込みを継続したまま巻付アーム29を貯留時とは逆方向に回転させつつ、糸貯留ドラム27の外周上の紡績糸Yを巻付アーム29の糸経路28を介して糸継部6側に引き出すように構成されている。
また、上記の巻付アームモータ30には、巻付アーム29の回転角度を検出可能なロータリエンコーダ53が設けられており、このロータリエンコーダ53は制御部9と電気的に接続されている。そして、ロータリエンコーダ53は、巻付アーム29の回転角度に応じた角度信号を制御部9に送信するようになっている。また、上記の吹下ノズル48の下端には、アキュムレータ7に巻き込まれている紡績糸Yの糸端が糸端引出機構Wによって実際に糸継部6側に引き出されたことを検出可能な引出センサ54が設けられている。この引出センサ54は、制御部9と電気的に接続されており、紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出されたことを検出すると、引出検出信号を制御部9に送信するようになっている。本実施形態における引出センサ54は、巻取ユニット2全体でみたとき、アキュムレータ7の巻付アームモータ30に吹下ノズル48を介して設置されている点で、アキュムレータ7に設けられていると言える。
更に、アキュムレータ7には、紡績糸Yの貯留量を検出するための貯留上限センサ55、貯留下限センサ56、貯留最下限センサ57が設けられている。これらのセンサ55〜57は、アキュムレータ7をフレーム8に固定するためのアキュムレータ取付フレーム58に支持されており、夫々、図4に示すように制御部9に電気的に接続されている。貯留上限センサ55は、アキュムレータ7の貯留量Mが300mとなったときの、糸貯留ドラム27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。
ここで、300mというのは、後述する糸継を例えば3回繰り返す間に、巻取部5で巻き取られる紡績糸Yの長さ以上の長さであり、後述するように、糸継を行っている間に巻取部5における紡績糸Yの巻取を継続したときにも、アキュムレータ7において紡績糸Yの糸欠乏が生じにくいようになっている。
また、貯留下限センサ56は、アキュムレータ7の貯留量Mが200mとなったときの紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。同様に、貯留最下限センサ57は、アキュムレータ7の貯留量Mが40mとなったときの紡績糸Yの束の上端に対向する位置に位置決めされている。この構成で、貯留上限センサ55は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量上限信号を送信する。同様に、貯留下限センサ56は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量下限信号を送信する。同様に、貯留最下限センサ57は、対向する位置における紡績糸Yの存在を検出している間、制御部9に、貯留量最下限信号を送信するようになっている。本実施形態において、アキュムレータ7における紡績糸Yの貯留量を検出する貯留量検出部は、貯留上限センサ55と、貯留下限センサ56と、貯留最下限センサ57と、を含んで構成される。
次に、巻取ユニット2の制御部9の構成を説明する。即ち、図4に示す制御部9は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するための上記のRAM(Random Access Memory)と、を備えている。そして、ROMに記憶された上記制御プログラムがCPUに読み込まれCPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、綾振ドラムモータ制御部60、巻付アームモータ制御部61、引出糸長演算部63、上パイプ制御部64、として機能させるようになっている。
綾振ドラムモータ制御部60は、上記の貯留量検出部によって検出される貯留量が所定値を下回ったら、前記巻取部5が紡績糸Yを巻き取る巻取速度Vaを減速させるようになっている。具体的には、綾振ドラムモータ制御部60は、貯留下限センサ56からの貯留量下限信号の受信が途絶えると、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに上記巻取速度Vaを減速させる。更に、綾振ドラムモータ制御部60は、貯留最下限センサ57からの貯留量最下限信号の受信が途絶えると、巻取速度Vaを速やかに減速させ巻取部5による巻き取りを停止させる。このように綾振ドラムモータ制御部60は、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量が少なくなると巻取速度Vaを減速させ、更にアキュムレータ7の紡績糸Yの貯留量が極少となると巻取部5による巻き取りを停止させるようになっており、もって、アキュムレータ7における紡績糸Yの糸欠乏が未然に防止されるようになっている。
巻付アームモータ制御部61は、糸端引出機構Wによって糸貯留ドラム27の外周上にある紡績糸Yの糸端が糸継部6側に引き出される際に巻付アーム29が貯留時とは逆方向に回転するように巻付アームモータ30を制御するものである。
引出糸長演算部63は、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される巻付アーム29の回転角度に基づいて、糸端引出機構Wによってアキュムレータ7から糸継部6側に引き出された紡績糸Yの糸長としての引出糸長を演算するものである。即ち、引出糸長演算部63は、予めROMに記憶されている糸貯留ドラム27の直径φと、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの巻付アーム29の回転角度に基づいて、引出糸長を演算し、演算結果である引出糸長をRAMに保存する。
上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長と、を比較し、引出糸長が糸欠点長さに到達したら、上側中継ぎパイプ18をクランプ状態のまま旋回させて、巻取部5側の紡績糸Yを糸継実行部17に案内し、セットするようになっている。
次に、巻取ユニット2の作動を、図5〜図13を参照しつつ説明する。
(巻取開始時)
図1に示すオートワインダ1のオペレータは、給糸ボビンBから紡績糸Yを解舒して、この紡績糸Yを糸解舒補助装置11、ヤーンフィーラ12、ヤーンクリアラ4、アキュムレータ7、ゲート式テンサー25、ワキシング装置26にセットし、巻取ボビンBfに固定する。アキュムレータ7における紡績糸Yの糸道は、図2に示す通りである。即ち、オペレータは、紡績糸Yを、引出センサ54と、吹下ノズル48の糸流路46と、出力軸36の流路44と、巻付アーム29の糸経路28と、に順に通す。この状態で、オペレータは、巻付アーム29の開口43側で紡績糸Yを引き出して、糸貯留ドラム27に例えば5〜20回程度巻き付け、糸貯留ドラム27(曲面部65)と環状部材66との間に通した上で、ゲート式テンサー25及びワキシング装置26にセットする。なお、図2における紡績糸Yは説明の都合上、太く描かれているが、実際には糸貯留ドラム27上には常時、600巻きくらいの紡績糸Yの束が貯留されるようになっている。
(通常巻取時)
この状態で、図9に示すように巻取ユニット2の電源を投入すると(S300)、制御部9は、巻取部5による紡績糸Yの巻取速度Vaが1200m/minとなるように綾振ドラム14の回転を開始させると共に、アキュムレータ7による紡績糸Yの巻付速度Vbが1500m/minとなるように巻付アーム29の回転を開始させる(S310)。すると、図1や図2に示すように、糸貯留ドラム27の外周上に巻き付けられた紡績糸Yの束は、上端から順に巻取部5によって解舒され、綾振ドラム14によって綾振られながらパッケージPに巻き取られていく。
これと同時に、給糸部3側の紡績糸Yは、図2に示すように巻付アーム29によって糸貯留ドラム27の下端部34に案内されると共に、巻付アーム29が糸貯留ドラム27の軸Cまわりで平面視で時計回りに回転することで、糸貯留ドラム27の第一端31側の下端部34に巻き付けられていく。詳しくは、図5(a)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aは下端部34と対向するように定められており、この案内位置Aに案内され、下端部34に巻き付いた紡績糸Y1には、符号Fで示す巻き付け力Fが糸貯留ドラム27の軸Cに近づく方向に発生する。この巻き付け力Fは、下端部34の鋭い傾斜αとの係合によって符号f1で示す分力としての駆け上がり力f1を発生させ、この駆け上がり力f1によって紡績糸Y1は、図5(b)において太線矢印で示すように糸貯留ドラム27の外周上を第一端31側から第二端32側へ向かって自発的に移動しようとする。従って、図5(c)に示すように、巻付アーム29による紡績糸Y1の案内位置Aが下端部34と対向するように固定されていても、この案内位置Aに案内された紡績糸Y1はその都度、第一端31側から第二端32側へ向かって移動するので、この案内位置Aにおける紡績糸Y1、Y0同士の重なりが禁止され、もって、糸貯留ドラム27上での紡績糸Y3の円滑な解舒が実現されている。ここで、第一端31側の下端部34の傾斜αは、第二端32側の上端部35の傾斜βと比較して大きく設定されている。従って、糸貯留ドラム27の外周上の前記第一端31側の下端部34に対向する案内位置Aに巻き付けられた紡績糸Y1は、巻き付け直後速やかに上記第二端32側へと移動を開始し、やがて上端部35に至って傾斜が緩くなると、この移動がし難くなる。一方、既に糸貯留ドラム27の外周上に巻き付けられている紡績糸Y2は、下端部34と上端部35の境界に留まっている。従って、僅かな駆け上がり力f1が残された紡績糸Y1は、この紡績糸Y2に当接し、図5(c)に示すように紡績糸Y2と紡績糸Y3を第二端32側へ向かって押し上げ、この結果、紡績糸Y1〜Y3は前記糸貯留ドラム27の外周上に密に並べられることとなり、もって、前記糸貯留ドラム27上での紡績糸Yの円滑な解舒性と、高い貯留量と、が同時に実現される。
給糸部3から巻取部5に至るまで紡績糸Yが繋がった状態で紡績糸YがパッケージPに巻き取られる通常巻取時、制御部9は、図9に示すように、糸切れ信号の受信の有無を確認し(S320)、糸欠点検出信号の受信の有無を確認し(S330)、空ボビン信号の受信の有無を確認し(S340)、貯留量上限信号の受信の有無を確認している(S350)。制御部9は、糸切れ信号を受信したら(S320:YES)、図10に示す制御フローを実行してから(S325)、図9の制御フローに復帰するようになっている。同様に、制御部9は、糸欠点検出信号を受信したら(S330:YES)、図12に示す制御フローを実行してから(S335)、図8の制御フローに復帰するようになっており、空ボビン信号を受信したら(S340:YES)、図13に示す制御フローを実行してから(S345)、図9の制御フローに復帰するようになっている。
また、巻取開始からしばらくは、巻付速度Vbが巻取速度Vaよりも上回っているので、アキュムレータ7の貯留量Mは、増加していき、やがて、貯留量Mが300mに至ると、貯留上限センサ55は制御部9に貯留量上限信号を送信する。制御部9は、図9に示すように貯留上限センサ55から貯留量上限信号を受信すると(S350:YES)、巻付速度Vbを1500m/minから1200m/minへと変更する(S360)。これにより、巻取速度Vaと巻付速度Vbが一致し、アキュムレータ7の貯留量Mは、一定となる。
(糸切れ時)
紡績糸Yが図1に示すゲート式テンサー24で糸切れしたとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留ドラム27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留ドラム27の下端部34の外周上に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンクリアラ4は糸切れを検出し、制御部9へ糸切れ信号を送信する。図9に示すように制御部9は、ヤーンクリアラ4から糸切れ信号を受信すると(S320:YES)、図10に示す制御フローを実行する(S325)。即ち、制御部9は、図11に示す糸欠乏防止のための制御フロー(詳しくは、後述する。)を公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S400)、先ず、巻付アーム29の回転を停止させる(S410)。次に、制御部9は、図6に示す電磁弁52を開状態へと切り替えることで、符号a及びbで示す太線矢印のように、巻付アーム29の糸経路28などに、糸貯留ドラム27側から上側中継ぎパイプ18側へ向かう空気流を形成する(S420)。これと同時に、制御部9は、図5に示す上側中継ぎパイプ18を若干回動させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを閉塞状態から開放状態へと切り替え、これにより、符号c及びdで示す太線矢印のように、上側中継ぎパイプ18に、吸引口18b側から負圧源20側へ向かう空気流を形成する(S420)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図6で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S430)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S440:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図7に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図10に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S440:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yをアキュムレータ7よりも給糸部3側にある糸継部6の糸継実行部17に案内する(S450)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留ドラム27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S450)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S460)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図4に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行させる(S470)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S480)、図6の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S490)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S480)。
(糸欠点検出時)
図9に示す通常巻取時において、ヤーンクリアラ4から糸欠点検出信号を受信すると(S330:YES)、制御部9は、図12に示す制御フローを実行する(S335)。即ち、制御部9は、図11に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S500)、巻付アーム29の回転を停止させ(S530)、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図6の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S540)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図6で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S550)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S560:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図7に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図12に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S560:YES)、引出糸長演算部63は、引出センサ54が紡績糸Yを検出した時点からの、ロータリエンコーダ53によって検出される前記巻付アーム29の回転角度を取得し(S570)、この回転角度に基づいて前記の引出糸長を演算する(S580)。そして、上パイプ制御部64は、糸欠点検出信号から取得した糸欠点の長さと、引出糸長演算部63によって演算された引出糸長と、を比較する(S590)。そして、上パイプ制御部64は、引出糸長が糸欠点長さに到達するまで待機し(S590:NO)、図8に示すように到達したら(S590:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S600)。図8の符号Y6で示す二点鎖線は、糸欠点のある紡績糸をイメージしたものである。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留ドラム27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S600)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S610)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図4に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S620)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S630)、図6の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S640)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S630)。
(ボビンチェンジ時)
ところで、給糸ボビンBが空になったとする。この場合、ゲート式テンサー24よりも下流側の紡績糸Yは、すべて糸貯留ドラム27に巻き付けられ、紡績糸Yの糸端は糸貯留ドラム27の下端部34の外周に巻き付けられた状態となる。これと同時に、ヤーンフィーラ12は制御部9へ空ボビン信号を送信する。図9に示すように制御部9は、ヤーンフィーラ12から空ボビン信号を受信すると(S340:YES)、図13に示す制御フローを実行する(S345)。即ち、制御部9は、図11に示す糸欠乏防止のための制御フローを公知のマルチタスク技術で並行して実行しつつ(S700)、現在の給糸ボビンBを排出して新たな給糸ボビンBをペグ10に装填し、この給糸ボビンBの紡績糸Yを案内し、下側中継ぎパイプ19に捕捉吸引可能な状態としておき(S710)、これと前後して巻付アーム29の回転を停止させる(S720)。次に、制御部9は、糸切れ時と同様に、電磁弁52や上パイプモータ21を制御して、図6の符号a及びb、c、dで示す太線矢印のように、糸経路28などに空気流を形成する(S730)。次に、巻付アームモータ制御部61は、巻付アーム29が貯留時とは逆方向に、即ち、図6で平面視で反時計回りに低速で回転するように巻付アームモータ30を制御し(S740)、引出センサ54からの引出検出信号の受信待ち状態となる(S750:NO)。すると、下端部34上に存在する紡績糸Yの糸端は、巻付アーム29の開口43に吸い込まれ、図7に示すように巻付アーム29の糸経路28などを経由して上側中継ぎパイプ18の吸引口18bに至る。このとき、紡績糸Yが引出センサ54を通過するので、引出センサ54は、制御部9に、引出検出信号を送信する。図13に示すように、引出センサ54から引出検出信号を受信すると(S750:YES)、制御部9は、巻付アーム29の低速回転を継続したまま、上側中継ぎパイプ18を若干旋回させることでクランプ部18cを操作して、吸引口18bを開放状態から閉塞状態へと切り替えると共にクランプ部18cによって紡績糸Yをクランプさせ、更に上から下へ向かって上側中継ぎパイプ18を旋回させることで、アキュムレータ7から引き出した紡績糸Yを糸継部6の糸継実行部17に案内する(S760)。このとき、上側中継ぎパイプ18の旋回によってアキュムレータ7から紡績糸Yが概ね60cm程度、新たに引き出されることとなるが、このときに紡績糸Yがクランプ部18cと糸貯留ドラム27との間で糸切れしないように、制御部9は、上側中継ぎパイプ18の旋回を巻付アーム29の回転と同期させる。上側中継ぎパイプ18による紡績糸Yの糸継実行部17への案内が完了したら(S760)、制御部9は、巻付アーム29の回転を停止させる(S770)。一方で、図1に示す下側中継ぎパイプ19は、上側中継ぎパイプ18と同様に、ヤーンフィーラ12の周辺に存在する紡績糸Yの糸端を吸引捕捉し、この紡績糸Yを糸継実行部17に案内する。そして、アキュムレータ7側の紡績糸Yと給糸部3側の紡績糸Yが糸継実行部17にセットされたら、制御部9は、図4に示すスプライサモータ23を駆動して、糸継実行部17による糸継ぎ作業を実行する(S780)。そして、制御部9は、図2に示すように巻付アーム29の平面視時計回りの回転を開始させ(S790)、図6の糸切れ状態から図2の通常巻取状態へと復帰する(S800)。なお、このときの巻付アーム29の回転数は、巻付速度Vbが1500m/minとなるように設定される(S790)。
次に、糸欠乏防止のための制御フローについて説明する。この制御フローにおいては、図11に示すように、貯留下限センサ56からの貯留量下限信号の受信が途絶えると(S900:NO)、巻取速度Vaが500m/minを下回るまで(S910:YES)、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに、例えば0.5秒毎に100m/minずつ、上記巻取速度Vaを減速させる(S920)。このように綾振ドラムモータ制御部60は、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留量が少なくなると、巻取速度Vaを減速させるようにしており、もって、アキュムレータ7における紡績糸Yの糸欠乏が未然に防止されるようになっている。また、アキュムレータ7による紡績糸Yの貯留が再開したら(S960:YES)、制御部9は、巻取速度Vaが1200m/minに至るまで(S970:NO)、パッケージPの糸層に乱れが生じない程度に穏やかに、例えば0.5秒毎に100m/minずつ、上記巻取速度Vaを増速させる(S980)。そして、巻取速度Vaが1200m/minに至ったら(S970:YES)、制御部9は、糸欠乏防止のための図13の制御フローを終了する(S990)。一方で、貯留最下限センサ57からの貯留量最下限信号の受信が途絶えると(S930:NO)、巻取速度Vaがゼロとなるまで(S940:YES)、巻取速度Vaを速やかに、例えば0.5秒毎に800m/minずつ、減速させ、巻き取りを停止させる(S950)。この制御は、糸欠乏を巻取中止によって防ぐものである。
そして、巻取ユニット2においては、以上のように動作させることにより、糸継部6により糸継を行う際にも、糸貯留ドラム27に貯留された紡績糸Yを解舒することで、巻取部5においてパッケージPへの紡績糸Yの巻取を継続することができる。すなわち、巻取部5におけるパッケージPへの紡績糸Yの巻取を中断することなく、糸継部6により糸継を行うことができる。
ここで、アキュムレータ7においては、糸貯留ドラム27に紡績糸Yが巻き付けられることで紡績糸Yが貯留されており、巻取部5において紡績糸YをパッケージPに巻き取られる際には、糸貯留ドラム27に巻き付けられていた紡績糸Yが解舒されて巻取部5に向けて送られる。このとき、糸貯留ドラム27から解舒される紡績糸Yが、糸貯留ドラム27の径方向の外側に膨らんでバルーンが発生する。本実施形態におけるバルーンとは、糸貯留ドラム27とゲート式テンサ25との間で発生する紡績糸Yの挙動を指し、巻き出されるようにして解舒された紡績糸Yが遠心力によって振り回される減少である。このとき、仮に環状部材66がないとすると、バルーンが大きく広がって、紡績糸Yの張力が変動したり、紡績糸Yが巻取ユニット2のいずれかの部分に接触して何らかの問題が生じたりする虞がある。
これに対して、本実施の形態では、上述したように、糸貯留ドラム27の上端部に設けられた曲面部65上に環状部材66が配置されており、糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yが環状部材66と曲面部65との間を通って巻取部5に向けて送られているため、解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸Yは、環状部材66と曲面部65とに挟まれることで(環状部材66に接触することで)抵抗が付与される。これにより、バルーンが大きく広がってしまうのが抑制される。さらに、このとき、糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yが、当該紡績糸Yを取り囲むように配置された環状部材66に接触するため、バルーンの広がりを確実に抑制することができる。
さらに、糸貯留ドラム27から解舒され、巻取部5に向けて送られる紡績糸Yが、環状部材66と曲面部65とに挟まれた状態で、転がりながら走行するため、紡績糸Yの毛羽が寝かされる。また、このとき、ゴムなどの弾性材料からなる薄板状の環状部材66の内周側端部が、曲面部65に沿って弾性変形されることで、その全周にわたって曲面部65に面接触しているため、紡績糸Yが、環状部材66と曲面部65とに挟まれた状態で、転がりながら走行する距離が長い。したがって、紡績糸Yの毛羽が確実に寝かされる。
また、糸貯留ドラム27から解舒される紡績糸Yが、曲面部65と環状部材66とに挟まれているため、巻取部5に向けて送られる紡績糸Yに張力を付与することができる。
また、環状部材66がゴム材料からなる場合には、糸貯留ドラム27への環状部材66の取り付け、環状部材66の交換などを容易に行うことができる。
また、以上に説明した糸巻取ユニット2では、給糸ボビンBと巻取部5との間にアキュムレータ7を配置して糸Yのテンション伝達を遮断することにより、給糸ボビンBの解舒テンション部分に巻取部5のトラバース変動によるテンション変動が伝わることを防止することができる。さらに、給糸ボビンBに解舒補助装置12を取り付けることにより、給糸ボビンBからの糸解舒を安定して行うことができるので、糸切れが防止されて、さらに給糸ボビンBからの解舒速度を速くすることができる。よって、給糸ボビンBからの解舒効率を向上させることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
上述の実施の形態では、ゴムなどの弾性材料からなる、外周と内周の半径の差Rが厚みDよりも大きい薄板状の環状部材66が弾性変形された状態で曲面部65上に配置されていることにより、その内周側端部が曲面部65に面接触していたが、これには限られない。
例えば、環状部材は、弾性材料からなるオーリングなど、環状部材66とは異なる形状の環状部材であってもよい。この場合でも、環状部材を弾性変形させた状態で曲面部65上に配置することにより、環状部材を曲面部65に面接触させることができる。
また、糸貯留ドラム27の上端部の形状は、円曲面形状であることには限られず、他の形状であってもよい。
また、環状部材は、弾性変形していない状態で、糸貯留ドラム27に接触するように配置されていてもよい。この場合でも、糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yは、糸貯留ドラム27と環状部材とによって挟まれているため、糸貯留ドラム27から解舒された紡績糸Yの毛羽は寝かされ、当該紡績糸Yには張力が付与される。
さらには、弾性材料からなる環状部材が、糸貯留ドラム27に接触するように配置されていることにも限られない。例えば、一変形例(変形例1)では、図14に示すように、環状部材66に代わって、金属や樹脂材料などからなるオーリング71(環状部材、バルーン規制部)が配置されており、巻取ユニット2の図示しないフレームなどによって固定されている。オーリング71は、糸貯留ドラム27の上方に、糸貯留ドラム27から離隔して配置されている。なお、図14及び後述する図15、図16では、図面をわかりやすくするために、オーリング71や、後述する傘状部材76、81を軸方向断面で示している。
この場合には、巻取ユニット2に紡績糸Yをセットする際に、紡績糸Yを糸貯留ドラム27とオーリング71との間に通した上で、ゲート式テンサー25に掛けられる(巻取部5に向けて送られる)。このとき、オーリング71が糸貯留ドラム27から離隔した位置に配置されているため、紡績糸Yを糸貯留ドラム27とオーリング71との間に容易に通すことができる。そして、この場合には、糸貯留ドラム27から解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸Yがオーリング71の内周面71aに接触することにより、バルーンを規制することができる。
さらに、この場合には、オーリング71と糸貯留ドラム27とが離隔しているため、これらの間に紡績糸Yの風綿が溜まってしまうのを防止することができる。
また、別の一変形例(変形例2)では、図15に示すように、糸貯留ドラム27の上方の、糸貯留ドラム27から離隔した位置に、傘状部材76(環状部材、バルーン規制部)が配置されている。傘状部材76は、上方にいくほど、その径が小さくなった中空三角錐形状の環状部材である。
この場合にも、糸貯留ドラム27から解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸Yが、傘状部材76の内周面76aに接触することによって、上述したのと同様、バルーンを規制することができる。さらに、この場合には、紡績糸Yと傘状部材76の内周面76aとの接触面積が、変形例1の紡績糸Yとオーリング71の内周面71aとの接触面積に比べて大きくなるため、紡績糸Yが傘状部材76と接触した状態で転がりながら走行する距離が長く、確実にバルーンを規制することができる。
また、別の一変形例(変形例3)では、図16に示すように、傘状部材76(図15参照)に代わって、傘状部材81(環状部材、バルーン規制部)が配置されている。傘状部材81は、傘状部材76よりもさらに上方まで延びた中空三角錐形状の環状部材であって、その上端が、ゲート式テンサー24の下端とほぼ同じ高さに位置している。
この場合には、糸貯留ドラム27から解舒されて外側に膨らもうとする紡績糸Yと傘状部材81の内周面81aとの接触面積が、変形例2の紡績糸Yと傘状部材76の内周面76aとの接触面積よりもさらに大きくなるため、紡績糸Yが傘状部材81と接触した状態で転がりながら走行する距離がさらに長く、確実にバルーンを規制することができる。
また、上述の実施の形態では、糸貯留ドラム27に紡績糸Yを巻き付けることによって紡績糸Yを貯留するアキュムレータ7が設けられていたが、アキュムレータは、紡績糸Yを巻き付けることによって紡績糸を貯留するものであれば、他の構成を有するものであってもよい。
例えば、別の一変形例(変形例4)では、図17に示すように、アキュムレータ7の代わりにアキュムレータ161が設けられている。アキュムレータ161は、6本のローラ171、基材172、回動板173、3つの巻付補助部材174と、アキュムレータ7と同様の巻付アーム29及び巻付アームモータ30等を有している。
基材172は、略円形の板状体であり、巻付アームモータ30の出力軸36の先端(上端)に図示しない軸受けを介して支持されており、第1マグネット支持体137の上面に配置されている。6本のローラ171は、基材72の上面に円周に沿って配置されており、その下端が基材172の上面に枢支されているとともに、その上端が回動板173に支持されている。回動板173は、巻付アームモータ30の回転軸Cを中心として回動可能となっており、回動板173を回動させると、回動板73に支持されたローラ171の上端は、周方向に互いに同じ中心角に相当する距離だけ移動する。そして、回動板173を回動させることによって、ローラ171の上端を周方向に移動させると、ローラ171は、周方向に傾斜する。
また、回動板173は、曲面部65(図2参照)と同様、上端側の部分ほどその径が小さくなった円曲面形状になっており、回動板173上には、環状部材181(バルーン規制部)が配置されている。環状部材181は、環状部材66(図2参照)と同様の部材であり、その内周側端部が、円曲面形状になった回動板173に沿うように弾性変形されることで、その全周にわたって回動板173と面接触している。そして、ローラ171から解舒された紡績糸Yは回動板173と環状部材181との間を通って、巻取部5に向けて送られており、これにより、紡績糸Yは、環状部材181と回動板173とに挟まれている。
また、ローラ171の下面にはプーリ182が取り付けられており、プーリ182は、巻付アームモータ30の回転を所定の減速比で減速して伝達する減速機177、減速機177に接続されたプーリ178a、プーリ178aに接続されたプーリ178b、プーリ182に接続されたプーリ178c、及び、プーリ178bとプーリ178cとを連結するシャフト179を介して巻付アームモータ30の出力軸36に接続されている。これにより、巻付アームモータ30が回転すると、その回転が、減速機177、プーリ178a〜178c及びシャフト179を介してプーリ182に伝達され、これにより、プーリ182が取り付けられたローラが回転する。
すなわち、本実施の形態では、巻付アームモータ30が、ローラ171を回転させるためのローラ駆動モータを兼ねている。なお、本実施の形態では、ローラ171のすべてが巻付アームモータ30により回転される駆動ローラであってもよいし、一部のローラ171のみが駆動ローラであり、他のローラは従動ローラであってもよい。
3つの巻付補助部材174は、ローラ171の下端部を取り囲むように、互いに約120°ずつ離隔して基材172に取り付けられている。巻付補助部材174は、隣接するローラ171の間に位置する部分に、ローラ171の外周面を滑らかに繋ぐための巻付補助面174aを有しており、ローラ171の下端部と巻付補助面174aとは、周方向に沿ってほぼ連続して延びた面を形成している。また、巻付補助面174aは、上方の部分ほど径方向の内側にくるように傾斜している。
そして、本実施形態においては、巻付アームモータ30により巻付アーム29を平面視で反時計回りに回転させると、図17に示すように、紡績糸Yが、巻付アーム29によってローラ171の下端部に案内されるとともに、ローラ171の下端部に巻き付けられていく。
このとき、ローラ171は、互いに離隔して配置されているが、前述したように、ローラ171の下端部を囲むように巻付補助部材174が配置されており、ローラ171の下端部と巻付補助面174aとが、周方向に沿ってほぼ連続して延びた面を形成しているため、紡績糸Yは、ローラ171と巻付補助面174aとにまたがって巻き付けられることとなる。したがって、ローラ171にスムーズに紡績糸Yを巻き付けることができる。
また、このとき、ローラ171も回転し、巻付アーム29によりローラ171に巻き付けられた紡績糸Yは、ローラ171によって送られる。ここで、前述したように、ローラ171が周方向に傾斜しているため、ローラ171に送られた紡績糸Yは、上方(送り方向)に移動する。このように、本実施の形態では、紡績糸Yは、ローラ171に送られることによって上方に移動するため、紡績糸Yにかかる負担(摩擦力)が小さくなる。また、このとき、紡績糸Yがローラ171上を送られることにより、紡績糸Yの毛羽が寝かされる。
さらに、このとき、ローラ171の下端部及び巻付補助部材174にまたがって巻き付けられた状態の紡績糸Yは、ローラ171の回転によって上方に移動するのに加えて、巻付補助部材174の巻付補助面174aの傾斜に沿って上方に移動する。
また、ローラ171から解舒されて巻取部5に向かう紡績糸Yが外側に膨らむことにより、バルーンが発生するが、ローラ171から解舒された紡績糸Yは、環状部材181と回動板173とによって挟まれているため、上述の実施の形態の場合と同様、バルーンが大きく広がってしまうのを抑制することができるとともに、当該紡績糸Yの毛羽が寝かされる。さらに、環状部材181は、その内周側端部が、その全周にわたって回動板173と面接触しているため、環状部材181と回動板173とに挟まれた状態で転がりながら走行する紡績糸Yの毛羽が確実に寝かされる。
また、この場合にも、ローラ171から解舒される紡績糸Yが、回動板173と環状部材181とに挟まれているため、巻取部5に向けて送られる紡績糸Yに確実に張力を付与することができる。
また、変形例4のように、複数のローラ171に紡績糸Yを巻き付けることによって紡績糸Yを貯留するアキュムレータ161においても、回動板173上に配置された環状部材181の代わりに、変形例1〜3のオーリング71や傘状部材76、81等と同様の部材が設けられていてもよい。
さらには、アキュムレータは、巻付アーム29によって糸貯留ドラム27やローラ171に紡績糸Yが巻き付けられるものにも限られない。例えば、別の一変形例(変形例5)では、図18に示すように、アキュムレータ7の代わりにアキュムレータ261が設けられている。アキュムレータ261は、回転貯留ドラム271、回転貯留ドラムモータ272、糸案内部材273、吹下ノズル274、糸経路形成部材275などを備えている。
回転貯留ドラム271は、回転貯留ドラムモータ272により、軸Eを中心として回転されるドラムであり、その両端部が、それぞれ、反対側の端部に近づくほどその径が小さくなった拡大部271a、271bとなっているとともに、拡大部271aと拡大部271bとの間の部分が、その径がほぼ一定となったストレート部271cとなっている。そして、アキュムレータ261においては、回転貯留ドラム272が回転することによって、ストレート部271cの、拡大部271a側の略半分に紡績糸Yが巻き付けられて、紡績糸Yが貯留される。
また、ストレート部271cの拡大部271b側の端部には、環状部材281(バルーン規制部)が巻かれている。環状部材281は、ゴム材料からなり、外力が加わっていない状態での径がストレート部271cの径よりも小さい環状部材であって、ストレート部271cとほぼ同じ径まで引き伸ばされた状態で、ストレート部271cに巻かれている。そして、ストレート部271cに巻き付けられた紡績糸Yは、環状部材281とストレート部271bとの間に通された上で、ゲート式テンサー24に向けて送られる。これにより、紡績糸Yは、環状部材281とストレート部271cとにより挟まれている。
糸案内部材273は、直線状に延びたパイプであって、図18における左上端部が、拡大部271aと対向するように配置されている。これにより、給糸部3側から糸案内部材273まで走行してきた紡績糸Yは、糸案内部材273によって拡大部271aに案内される。
吹下ノズル274は、糸案内部材273の右端に取り付けられている。吹下ノズル274は、吹下ノズル74(図2参照)と同様の構成を有するものであって、糸流路46(図2参照)と同様の糸流路246と、吹下流路47(図2参照)と同様、接続パイプ49、50を介して圧力空気源51が接続された吹下流路247とを有している。そして、糸流路246の図中左上端部が、糸案内部材273の内部空間に接続されている。
糸経路形成部材275は、糸経路228を形成するものであり、上糸案内パイプ18の吸引口18bと、吹下ノズル274との間に配置されている。糸経路228は、上糸案内パイプ18の吸引口18bのすぐ上方に位置しているその下端からほぼ真上に延びているとともに、その上端部において、図18の左上方に曲がって、その上端が、糸流路246の右下端部と対向している。また、糸経路形成部材275の下端に糸引出センサ54が設けられている。
そして、アキュムレータ261においては、糸案内部材273により、紡績糸Yを拡大部271aに案内すると、紡績糸Yは、回転貯留ドラム271の回転により拡大部271aに巻き付けられるとともに、拡大部271aの斜面に沿って右上方に移動することで、回転貯留ドラム271に貯留されていく。
このように、本実施の形態では、拡大部271aの一点に紡績糸Yを案内するだけで、紡績糸Yが回転貯留ドラム271に貯留されていくため、糸案内部材273は、拡大部271aの一点に紡績糸Yを案内することができるものであればよく、回転貯留ドラム271の位置や向きに関わらず、比較的容易に配置することができる。したがって、巻取ユニット2の空きスペースなどに応じて、比較的自由に回転貯留ドラム271を配置することができる。
また、糸切れ時、糸欠陥発生時、給糸ボビンチェンジ時には、電磁弁52を開放状態へと切り替えることで、糸案内部材273の内部空間、糸経路228などに、回転貯留ドラム271側から上糸案内パイプ18側へ向かう空気流を形成するとともに、回転貯留ドラム271を紡績糸Yの巻き付け時とは逆方向に回転させることにより、回転貯留ドラム271上に存在する紡績糸Yの糸端が、糸案内部材273の開口に吸い込まれ、糸経路228などを経由して上糸案内パイプ18の吸引口18bに引き出される。
ここで、前述したように、糸案内部材273が、拡大部271aに紡績糸Yを案内しているため、糸案内部材273から回転貯留ドラム271に案内される紡績糸Yの移動方向は、回転貯留ドラム271の軸方向に関しては、その右上端側から左下端側に向かう方向となる。そのため、拡大部271aに案内された紡績糸Yが、糸案内部材273から回転貯留ドラム271に移動するときの慣性によって、回転貯留ドラム271の右上端側に移動してしまうことがない。したがって、糸切れ時、糸欠陥発生時、給糸ボビンチェンジ時には、紡績糸Yの糸端は、確実に回転貯留ドラム271の拡大部271a近傍、厳密には、ストレート部271cの左下端部上にくることとなり、これにより、確実に糸案内部材273の開口から紡績糸Yを吸い込むことができる。
また、この場合にも、回転貯留ドラム271から(ストレート部271c)解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸Yは、環状部材281とストレート部271cとの間を通って巻取部5に向けて送られるため、バルーンが大きく広がってしまうのを抑制することができるとともに、当該紡績糸Yの毛羽を寝かせることができる。
さらに、この場合にも、回転貯留ドラム271から解舒された紡績糸Yが、環状部材281とストレート部271cとに挟まれているため、回転貯留ドラム271と環状部材281とに挟まれた状態で、転がりながら走行する紡績糸Yの毛羽を確実に寝かせることができるとともに、当該紡績糸Yに確実に張力を付与することができる。
加えて、環状部材281は、外力の加わっていない状態でストレート部271cよりも径の小さいものであり、ストレート部271cとほぼ同じ径まで引き伸ばされた状態で、ストレート部271cに巻かれているため、環状部材281がストレート部271cとの間で挟んだ紡績糸Yを押さえる力が強く、紡績糸Yの毛羽を一層確実に寝かせることができる。さらに、回転貯留ドラム271が回転したときに、環状部材281は、回転貯留ドラム271と一体的に回転するため、環状部材281と回転貯留ドラム271とが擦れて、環状部材281が磨耗してしまうのを防止することができる。
また、変形例5の場合には、回転貯留ドラム271から解舒された紡績糸Yは、ストレート部271cの、紡績糸Yが巻き付けられている部分と、環状部材81が巻かれている部分との間の部分、すなわち、ストレート部271cの拡大部271b側の略半分の表面を転がりながら走行することとなり、これによっても、紡績糸Yの毛羽が寝かされる。
また、このとき、回転貯留ドラム271から解舒されて拡大部271b側に走行する紡績糸Yとの摩擦力により、環状部材281には、拡大部271bに向かう方向の力が作用することになるが、回転貯留ドラム271に拡大部271bが設けられているため、環状部材281が、この力によって回転貯留ドラム271から抜け落ちてしまうのが防止される。
なお、変形例5では、回転貯留ドラム271の軸方向両端部にそれぞれ拡大部271a、271bが設けられていたが、解舒側の拡大部271bのみが形成されていても、環状部材281の抜け落ちを防止することができる。
また、回転貯留ドラム271と環状部材281との摩擦力が、回転貯留ドラム271から解舒される紡績糸Yと環状部材281との摩擦力に対して十分大きい場合などには、環状部材281が、紡績糸Yとの摩擦力によって回転貯留ドラム271から抜け落ちてしまうことはないので、拡大部271bが設けられていなくてもよい。
また、変形例5では、環状部材281がゴム材料からなるため、回転貯留ドラム271への環状部材281の取り付け、環状部材281の交換などを容易に行うことができる。
また、変形例5のように、回転貯留ドラム271に紡績糸Yを巻き付けることによって紡績糸Yを貯留するアキュムレータ261においても、回転貯留ドラム271に巻かれた環状部材281の代わりに、上述の実施の形態や変形例1〜3の環状部材66、オーリング71、傘状部材76、81等と同様の部材が設けられていてもよい。
また、以上では、本発明に係るバルーン規制部が、環状部材66、181、281、オーリング71、傘状部材76、81など、アキュムレータから解舒された紡績糸Yを取り囲むように配置された環状部材によって構成されている場合について説明したが、バルーン規制部は環状部材によって構成されていることには限られず、アキュムレータから解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸Yに接触して当該紡績糸Yのバルーンを規制することができるものであれば、アキュムレータから解舒された紡績糸Yを取り囲む領域のうちの一部にのみ配置された部材などによって構成されていてもよい。

Claims (13)

  1. 給糸ボビンから紡績糸を解舒する給糸部と、
    この紡績糸をパッケージとして巻き取る巻取部と、
    前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、紡績糸を巻き取って貯留する糸貯留部と、
    前記糸貯留部から前記巻取部側に解舒される紡績糸に接触してバルーンを規制するバルーン規制部と、を備えていることを特徴とする糸巻取装置。
  2. 前記バルーン規制部は、紡績糸が前記糸貯留部から前記巻取部側に解舒されることで外側に膨らもうとする紡績糸に接触することによって、当該紡績糸に抵抗を付与することを特徴とする請求項1に記載の糸巻取装置。
  3. 前記バルーン規制部が、前記糸貯留部から解舒される紡績糸を取り囲むように配置された環状部材によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の糸巻取装置。
  4. 前記環状部材が、弾性材料によって構成されているとともに、前記糸貯留部に接触するように配置されており、
    前記糸貯留部から解舒される紡績糸が、前記環状部材と前記糸貯留部とに挟まれていることを特徴とする請求項3に記載の糸巻取装置。
  5. 前記環状部材がゴム材料によって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の糸巻取装置。
  6. 前記環状部材が、弾性変形された状態で前記糸貯留部に接触していることにより、少なくともその一部分が、全周にわたって前記糸貯留部と面接触していることを特徴とする請求項4又は5に記載の糸巻取装置。
  7. 前記糸貯留部の紡績糸の解舒側の端部が、前記糸貯留部から前記巻取部側に向かうにつれ、その中心に向けて縮小する円曲面を有する円曲面形状になっており、
    前記環状部材が、外周と内周の半径の差が、厚みよりも大きい環状部材であって、外周と内周との間の部分が、前記糸貯留部の円曲面状となった部分に沿うように弾性変形されていることで、前記糸貯留部の円曲面状となった部分に面接触していることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取装置。
  8. 前記糸貯留部は、回転することによって紡績糸を巻き取って貯留する回転貯留ドラムを備えており、
    前記環状部材は、前記回転貯留ドラムよりも径の小さいものであって、引き伸ばされた状態で前記回転貯留ドラムに巻かれていることを特徴とする請求項5に記載の糸巻取装置。
  9. 前記回転貯留ドラムの、前記環状部材が巻かれている部分よりも紡績糸の解舒側の部分に、前記解舒側ほどその径が大きくなった拡大部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の糸巻取装置。
  10. 前記環状部材が、前記糸貯留部から離隔した位置で、前記糸貯留部から解舒されて前記巻取部に送られる紡績糸を取り囲むように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の糸巻取装置。
  11. 前記環状部材が、前記巻取部側の部分ほどその径が小さくなった中空三角錐形状となっていることを特徴とする請求項10に記載の糸巻取装置。
  12. 前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、紡績糸の糸継を行う糸継部と、
    前記巻取部による巻取動作、及び、前記糸継部による糸継動作を制御する制御部とをさらに備え、
    前記制御部は、前記糸継部による糸継と、前記巻取部による紡績糸の巻取と、同時に行うように制御することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の糸巻取装置。
  13. 前記給糸部には、給糸ボビンの芯管に被さる規制部材を給糸ボビンからの紡績糸の解舒と連動して下降させることにより、給糸ボビンから紡績糸の解舒を補助する糸解舒補助装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜12に記載の糸巻取装置。
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